説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】ゲート電極にシリサイドを形成しつつ、拡散領域に接続するコンタクトとゲート電極の間隔を確保する。
【解決手段】被覆絶縁膜120は、ゲート電極140のチャネル幅方向における少なくとも一部上に形成されている。拡散領域170は素子形成領域104に位置する基板100に形成され、トランジスタ110のソース及びドレインとなる。絶縁層200は、素子形成領域104上、ゲート電極140上、及び被覆絶縁膜120上に形成されている。コンタクト210は絶縁層200に形成され、拡散領域170に接続している。シリサイド層142は、ゲート電極140上に形成されている。サイドウォール160は、被覆絶縁膜120が形成されている領域においてはゲート電極140より高く形成されている。そしてコンタクト210は、ゲート電極140のうち被覆絶縁膜120が形成されている領域に面している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界効果型のトランジスタを有する半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の微細化が進んでいる。これに伴い、電界効果型のトランジスタの微細化も進んでいる。
【0003】
また特許文献1には、SOI基板にMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を形成した半導体装置において、ゲート電極の表面を酸化膜で被覆することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−258257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トランジスタの微細化が進むと、ソース及びドレインとなる拡散領域に接続するコンタクトと、ゲート電極の間隔が狭くなる。このため、マスクずれや、レイアウト上の必要性によって、コンタクトの一部がサイドウォールに重なるほど近接している場合、コンタクトとゲート電極の間で絶縁破壊が生じやすくなる。一方、ゲート電極の配線抵抗を低くするために、ゲート電極にシリサイドを形成する必要もある。すなわちトランジスタの微細化を進めるためには、ゲート電極にシリサイドを形成しつつ、拡散領域に接続するコンタクトとゲート電極の間隔を確保する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、基板と、
前記基板に形成され、素子形成領域を他の領域から分離している素子分離領域と、
前記素子形成領域に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の側壁を覆うサイドウォールと、
前記ゲート電極のチャネル幅方向における少なくとも一部上に形成された被覆絶縁膜と、
前記素子形成領域に位置する基板に形成され、ソース及びドレインとなる拡散領域と、
前記素子形成領域上、前記ゲート電極上、及び前記被覆絶縁膜上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層に形成され、前記拡散領域に接続するコンタクトと、
前記ゲート電極上に形成されたシリサイド層と、
を備え、
前記サイドウォールは、前記被覆絶縁膜が形成されている領域においては前記ゲート電極より高く形成されており、
前記コンタクトは、前記ゲート電極のうち前記被覆絶縁膜が形成されている領域に面している半導体装置が提供される。
【0007】
この半導体装置によれば、コンタクトは、ゲート電極のうち被覆絶縁膜が形成されている領域に面している。そして被覆絶縁膜が形成されている領域において、サイドウォールはゲート電極より高く形成されている。このため、マスクずれや、レイアウト上の必要性によって、コンタクトの一部がサイドウォールに重なっている場合においても、コンタクトとゲート電極の間隔は、サイドウォールによって確保される。また被覆絶縁膜はゲート電極の一部にのみ形成されているため、ゲート電極のうち被覆絶縁膜が形成されていない領域にはシリサイド層を形成することができる。従って、ゲート電極にシリサイドを形成しつつ、拡散領域に接続するコンタクトとゲート電極の間隔を確保することができる。
【0008】
本発明によれば、基板上に素子分離領域を形成し、トランジスタが形成される素子形成領域を他の領域から分離する工程と、
前記素子形成領域に前記トランジスタのゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極のうち前記チャネル幅方向における一部に被覆絶縁膜を形成する工程と、
前記基板上、前記素子分離領域上、前記ゲート電極上、及び前記被覆絶縁膜上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜をエッチバックすることによりサイドウォールを形成する工程と、
前記素子形成領域に位置する前記基板に不純物を導入して、前記トランジスタのソース及びドレインとなる拡散領域を形成する工程と、
前記ゲート電極上に金属膜を形成し、前記金属膜及び前記ゲート電極を熱処理することにより、前記ゲート電極上にシリサイド層を形成する工程と、
前記トランジスタ上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に前記拡散領域に接続するコンタクトを形成する工程と、
を備え、
前記コンタクトは、前記ゲート電極のうち前記被覆絶縁膜に覆われている領域に面している半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゲート電極にシリサイドを形成しつつ、拡散領域に接続するコンタクトとゲート電極の間隔を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した半導体装置の平面図である。
【図3】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図5】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図7】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図8】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図9】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図10】図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図11】図1及び図2に示した半導体装置の作用及び効果を説明するための断面図である。
【図12】図1及び図2に示した半導体装置の作用及び効果を説明するための断面図である。
【図13】図1及び図2に示した半導体装置の作用及び効果を説明するための断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図15】図14に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図16】図14に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図17】第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【図18】図17に示した半導体装置の平面図である。
【図19】図17に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図20】図17に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図21】第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、図2は図1に示した半導体装置の平面図である。なお図1(a)は図2のA−A´断面図であり、図1(b)は図2のB−B´断面図である。この半導体装置は、基板100、素子分離領域102、ゲート電極140、サイドウォール160、被覆絶縁膜120、拡散領域170、絶縁層200、コンタクト210、及びシリサイド層142を備えている。基板100は例えばシリコン基板であるが、SOI(Silicon On Insulator)基板であってもよい。素子分離領域102は、トランジスタ110が形成される素子形成領域104を他の領域から分離している。ゲート電極140は素子形成領域104に形成されている。サイドウォール160は、ゲート電極140の側壁を覆っている。被覆絶縁膜120は、ゲート電極140のチャネル幅方向(すなわち図2の上下方向)における少なくとも一部上に形成されている。拡散領域170は素子形成領域104に位置する基板100に形成され、トランジスタ110のソース及びドレインとなる。絶縁層200は、素子形成領域104上、ゲート電極140上、及び被覆絶縁膜120上に形成されている。コンタクト210は絶縁層200に形成され、拡散領域170に接続している。シリサイド層142は、ゲート電極140上に形成されている。図1(a),(b)に示すように、サイドウォール160は、被覆絶縁膜120が形成されている領域においてはゲート電極140より高く形成されている。そしてコンタクト210は、ゲート電極140のうち被覆絶縁膜120が形成されている領域に面している。以下、詳細に説明する。
【0013】
本実施形態において、被覆絶縁膜120は、ゲート電極140を形成するときに用いられたハードマスクの一部を残すことにより形成される。そして被覆絶縁膜120は、ゲート電極140のチャネル長方向(図1及び図2における左右方向)の全面に形成されている。またシリサイド層142は、ゲート電極140のうち被覆絶縁膜120が位置している領域には形成されていない。
【0014】
また図1に示すように、トランジスタ110はゲート絶縁膜130及びエクステンション領域150を備えている。ゲート絶縁膜130は、基板100のうちチャネル領域となる領域とゲート電極140の間に位置している。エクステンション領域150は、基板100のうちサイドウォール160の下に位置する領域に形成されている。また拡散領域170の上層にはシリサイド層172が形成されている。
【0015】
次に、図3〜図10を用いて、図1及び図2に示した半導体装置の製造方法を説明する。この半導体装置の製造方法は、以下の工程を有している。まず、基板100上に素子分離領域102を形成し、素子形成領域104を他の領域から分離する。次いで、素子形成領域104にトランジスタ110のゲート電極140を形成する。次いで、ゲート電極140のうちチャネル幅方向における一部に被覆絶縁膜120を形成する。次いで、基板100上、素子分離領域102上、ゲート電極140上、及び被覆絶縁膜120上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜をエッチバックすることによりサイドウォール160を形成する。次いで、素子形成領域104に位置する基板100に不純物を導入して、トランジスタ110の拡散領域170を形成する。次いで、ゲート電極140上に金属膜を形成し、金属膜及びゲート電極140を熱処理することにより、ゲート電極上にシリサイド層142を形成する。次いで、トランジスタ110上に絶縁層200を形成する。次いで、絶縁層200にコンタクト210を形成する。以下、詳細に説明する。
【0016】
まず図3(a)のA−A´断面図、図3(b)のB−B´断面図、及び図4の平面図に示すように、基板100に溝を形成し、この溝に絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)を埋め込む。これにより、素子分離領域102が形成され、素子形成領域104が他の領域から分離される。次いで素子形成領域104に位置する基板100にゲート絶縁膜130を形成する。ゲート絶縁膜130は酸化シリコン膜、又は酸化シリコンより誘電率が高い高誘電率膜である。前者の場合、ゲート絶縁膜130は例えば熱酸化法により形成され、後者の場合、ゲート絶縁膜130は堆積法により形成される。
【0017】
次いで、ゲート絶縁膜130上及び素子分離領域102上に導電膜(例えばポリシリコン膜)を堆積法により形成する。次いで、この導電膜上にハードマスクとなる絶縁膜を形成し、この絶縁膜を選択的に除去する。これにより、導電膜上には特定のパターンを有するハードマスク122が形成される。次いで、ハードマスク122をマスクとして導電膜をエッチングする。これにより導電膜は選択的に除去され、ゲート電極140が形成される。
【0018】
その後、ゲート電極140の側壁上にオフセットスペーサー膜165を形成する。オフセットスペーサー膜165の厚さは、例えば2nm以上5nm以下である。このとき、オフセットスペーサー膜165は素子分離領域102上及び素子形成領域104に位置する基板100上にも形成されるが、これらの領域に形成されたオフセットスペーサー膜165は、必要に応じてエッチバックにより除去されてもよい。次いで、素子分離領域102、ゲート電極140、及びオフセットスペーサー膜165をマスクとして基板100に不純物を導入する。これにより、素子形成領域104に位置する基板100にはエクステンション領域150が形成される。
【0019】
次いで図5(a)のA−A´断面図、図5(b)のB−B´断面図、及び図6の平面図に示すように、基板100上にレジストパターン50を形成する。レジストパターン50は、ゲート電極140上に位置する開口52を有している。開口52は、ゲート電極140及びその上に位置するハードマスク122を、図1及び図2に示したコンタクト210に面する領域を除いてレジストパターン50から露出させる。次いで、レジストパターン50をマスクとしてエッチングを行い、ハードマスク122を除去する。これにより、ハードマスク122は、コンタクト210に面する領域を除いて除去される。このようにして被覆絶縁膜120が形成される。
【0020】
次いで図7(a)のA−A´断面図、図7(b)のB−B´断面図、及び図8の平面図に示すように、レジストパターン50を除去する。次いでゲート電極140上、素子分離膜102上、素子形成領域104に位置する基板100上、及びオフセットスペーサー膜165上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜をエッチバックする。これにより、ゲート電極140の側壁にはサイドウォール160が形成される。図7(a)に示すように、ゲート電極140のうちコンタクト210に面する領域には被覆絶縁膜120が形成されているため、サイドウォール160の上端はゲート電極140の上面より高く、被覆絶縁膜120の上面と下面の間に位置している。また図7(b)に示すように、ゲート電極140のうちコンタクト210に面しない領域において、サイドウォール160の上端はゲート電極140の上面より低くなっている。
【0021】
次いで図9(a)のA−A´断面図、図9(b)のB−B´断面図、及び図10の平面図に示すように、ゲート電極140、サイドウォール160、及び素子分離領域102をマスクとして基板100に不純物を導入する。これにより、素子形成領域104に位置する基板100には拡散領域170が形成される。
【0022】
その後、ゲート電極140上及び素子形成領域104に位置する基板100上に金属膜(例えばNi)をスパッタリング法により形成し、この金属膜、基板100、及びゲート電極140を熱処理する。これによりシリサイド層142,172が形成される。その後、シリサイド化していない金属膜を除去する。
【0023】
その後、図1(a)のA−A´断面図、図1(b)のB−B´断面図、及び図2の平面図に示すように、絶縁層200をCVD法により形成する。次いで絶縁層200に接続孔を形成し、この接続孔に導電体(例えばCu)を埋め込む。これにより、絶縁層200にコンタクト210が形成される。
【0024】
図11、図12、及び図13の各図は、図1及び図2に示した半導体装置の作用及び効果を説明するための断面図である。図11に示すように、絶縁層200に接続孔を形成するときにマスクずれが生じ、コンタクト210がサイドウォール160に重なる場合がある。また図12に示すように、半導体装置の微細化が進み、コンタクト210の一部をサイドウォール160に重ねなければならない場合がある。これらの場合、図13に示すように被覆絶縁膜120を形成していない場合、ゲート電極140の側面の上端はサイドウォール160によって覆われていないため、コンタクト210とゲート電極140の最短距離は、ゲート電極140の側面の上端と、コンタクト210の側面のうちゲート電極140の上端と同じ高さの部分の間隔wになる。これに対して図11及び図12に示すように被覆絶縁膜120を形成すると、ゲート電極140の側面の上端はサイドウォール160によって被覆されている。このため、ゲート電極140の側面の上端と、コンタクト210の側面のうちゲート電極140の上端と同じ高さの部分の間隔は、図13に示した例と比較して広くなる。従って、コンタクト210とゲート電極140の最短距離wは、図13の場合におけるwより広くなる。このため、拡散領域に接続するコンタクトとゲート電極の間隔を確保することができる。
【0025】
また、被覆絶縁膜120は、ゲート電極140のうちコンタクト210に面する領域にのみ形成されている。従って、ゲート電極140のうちコンタクト210に面しない領域には、シリサイド層142が形成される。従って、ゲート電極140の配線抵抗を低くすることができる。
【0026】
図14の各図は、第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。図14(a)は図2のA−A´断面図に相当しており、図14(b)は図2のB−B´断面図に相当している。この半導体装置は、ゲート電極140のうち被覆絶縁膜120に被覆されている領域にもシリサイド層142が形成されている点を除いて、第1の実施形態と同様の構成である。すなわち本実施形態では、ゲート電極140のほぼ全面にシリサイド層142が形成されている。ただし被覆絶縁膜120の下に位置しているシリサイド層142は、他の領域に位置するシリサイド層142より薄い。
【0027】
図15及び図16は、図14に示した半導体装置の製造方法を示す断面図である。まず図15(a)のA−A´断面図及び図15(b)のB−B´断面図に示すように、基板100に素子分離領域102及びゲート絶縁膜130を形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同様である。
【0028】
次いで、素子分離領域102上及び基板100上に、ポリシリコン層及びシリコン含有膜をこの順に形成する。シリコン含有膜は、ポリシリコン層よりシリサイド反応種が熱拡散しやすくシリサイド化しやすい膜、例えばポーラスシリコン膜、SiC膜、又は上記したポリシリコン層より低温で成膜された第2ポリシリコン層である。次いで、シリコン含有膜上にハードマスク122を形成し、ハードマスク122をマスクとしてシリコン含有膜及びポリシリコン層をエッチングする。これによりゲート電極140が形成される。ゲート電極140は、ポリシリコン層143とシリコン含有膜141とをこの順に積層した積層構造を有している。
【0029】
次いで、オフセットスペーサー膜165及びエクステンション領域150を形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同様である。
【0030】
次いで図16(a)のA−A´断面図及び図16(b)のB−B´断面図に示すように、サイドウォール160、拡散領域170、及びシリサイド層142,172を形成する。サイドウォール160、拡散領域170、及びシリサイド層142,172の形成方法は第1の実施形態と同様である。ただし、上記したようにゲート電極140の上層はシリコン含有膜141により形成されている。シリコン含有膜141は、ポリシリコン層143よりシリサイド化しやすい。このため、被覆絶縁膜120の下に位置するシリコン含有膜141もシリサイド化され、この結果、被覆絶縁膜120の下にもシリサイド層142が形成される。
【0031】
その後、図14(a)のA−A´断面図及び図14(b)のB−B´断面図に示すように、絶縁層200及びコンタクト210を形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同様である。
【0032】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、ゲート電極140のほぼ全面にシリサイド層142が形成されるため、ゲート電極140の抵抗をさらに低くすることができる。
【0033】
図17の各図は、第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図であり、図18は図17に示した半導体装置の平面図である。図17(a)は図18のA−A´断面図に相当しており、図17(b)は図18のB−B´断面図に相当している。この半導体装置は、被覆絶縁膜120がチャネル長方向の中央部分には形成されていない点、及びこの中央部分にもシリサイド層142が形成されている点を除いて、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。すなわち本実施形態において被覆絶縁膜120はサイドウォール形状を有している。
【0034】
図19及び図20の各図は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。まず図19(a)のA−A´断面図及び図19(b)のB−B´断面図に示すように、基板100に素子分離領域102、ゲート絶縁膜130、ゲート電極140、オフセットスペーサー膜165、エクステンション領域150、被覆絶縁膜120、サイドウォール160、及び拡散領域170を形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同様である。
【0035】
次いで図20(a)のA−A´断面図及び図20(b)のB−B´断面図に示すように、被覆絶縁膜120をエッチバックする。これにより、被覆絶縁膜120は、チャネル長方向の中央部分から除去される。
【0036】
その後、ゲート電極140上及び素子形成領域104に位置する基板100上に金属膜をスパッタリング法により形成し、この金属膜、基板100、及びゲート電極140を熱処理する。これによりシリサイド層142,172が形成される。ゲート電極140のうちコンタクト210に面する領域において、被覆絶縁膜120は、チャネル長方向の中央部分から除去されている。このため、チャネル幅方向で見た場合、シリサイド層142は、ゲート電極140の上を途切れずに連続的に形成される。その後、シリサイド化していない金属膜を除去する。
【0037】
その後、図17(a)のA−A´断面図及び図17(b)のB−B´断面図に示すように、絶縁層200及びコンタクト210を形成する。これらの形成方法は第1の実施形態と同様である。
【0038】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、チャネル幅方向で見た場合、シリサイド層142は、ゲート電極140の上を途切れずに連続的に形成される。このため、ゲート電極140の抵抗をさらに低くすることができる。
【0039】
図21は、第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、以下の点を除いて第1〜第3の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である。
【0040】
まず、ゲート絶縁膜130が高誘電率膜で形成されている。またゲート電極140は、金属層144とポリシリコン層143をこの順に積層した構成である。
【0041】
この半導体装置の製造方法は、ゲート電極140となる導電層を、金属層とポリシリコン層の積層構造で形成する点を除いて、第1〜第3の実施形態に示した半導体装置の製造方法と同様である。
本実施形態によっても、第1〜第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0043】
50 レジストパターン
52 開口
100 基板
102 素子分離領域
104 素子形成領域
110 トランジスタ
120 被覆絶縁膜
122 ハードマスク
130 ゲート絶縁膜
140 ゲート電極
141 シリコン含有膜
142 シリサイド層
143 ポリシリコン層
144 金属層
150 エクステンション領域
160 サイドウォール
165 オフセットスペーサー膜
170 拡散領域
172 シリサイド層
200 絶縁層
210 コンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に形成され、素子形成領域を他の領域から分離している素子分離領域と、
前記素子形成領域に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の側壁を覆うサイドウォールと、
前記ゲート電極のチャネル幅方向における少なくとも一部上に形成された被覆絶縁膜と、
前記素子形成領域に位置する基板に形成され、ソース及びドレインとなる拡散領域と、
前記素子形成領域上、前記ゲート電極上、及び前記被覆絶縁膜上に形成された絶縁層と、
前記絶縁層に形成され、前記拡散領域に接続するコンタクトと、
前記ゲート電極上に形成されたシリサイド層と、
を備え、
前記サイドウォールは、前記被覆絶縁膜が形成されている領域においては前記ゲート電極より高く形成されており、
前記コンタクトは、前記ゲート電極のうち前記被覆絶縁膜が形成されている領域に面している半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記コンタクトは平面視において一部が前記サイドウォールに重なっている半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記被覆絶縁膜は、前記ゲート電極のチャネル長方向の全面に形成されている半導体装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記シリサイド層は、前記ゲート電極のうち前記被覆絶縁膜が位置している領域を除いて形成されている半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置において、
前記被覆絶縁膜は、チャネル長方向における中央部分には形成されていない半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体装置において、
前記シリサイド層は、前記ゲート電極のほぼ全面に形成されている半導体装置。
【請求項7】
基板上に素子分離領域を形成し、トランジスタが形成される素子形成領域を他の領域から分離する工程と、
前記素子形成領域に前記トランジスタのゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極のうちチャネル幅方向における少なくとも一部の上に被覆絶縁膜を形成する工程と、
前記基板上、前記素子分離領域上、前記ゲート電極上、及び前記被覆絶縁膜上に絶縁膜を形成し、この絶縁膜をエッチバックすることによりサイドウォールを形成する工程と、
前記素子形成領域に位置する前記基板に不純物を導入して、前記トランジスタのソース及びドレインとなる拡散領域を形成する工程と、
前記ゲート電極上に金属膜を形成し、前記金属膜及び前記ゲート電極を熱処理することにより、前記ゲート電極上にシリサイド層を形成する工程と、
前記トランジスタ上に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に前記拡散領域に接続するコンタクトを形成する工程と、
を備え、
前記コンタクトは、前記ゲート電極のうち前記被覆絶縁膜に覆われている領域に面している半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート電極を形成する工程は、
前記素子分離領域上及び前記基板上に、前記トランジスタのゲート電極となる導電膜を形成する工程と、
前記導電膜上にハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクをマスクとして前記導電膜をエッチングすることにより、前記ゲート電極を形成する工程と、
を備え、
前記被覆絶縁膜を形成する工程は、前記ハードマスクの一部を除去することにより、前記ハードマスクを用いて前記被覆絶縁膜を形成する工程である半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記ゲート電極を形成する工程は、
シリコン層を形成する工程と、
前記シリコン層上に、前記シリコン層よりシリサイド化しやすいシリコン含有膜を形成する工程と、
前記シリコン層及び前記シリコン含有膜を選択的に除去することにより前記ゲート電極を形成する工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記シリコン含有膜は、ポーラスシリコン膜、SiC膜、または前記シリコン層より低温で成膜された第2シリコン層である半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項7又は8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記サイドウォールを形成する工程の後、前記シリサイド層を形成する工程の前に、前記被覆絶縁膜をエッチバックすることにより、前記被覆絶縁膜を、チャネル長方向の中央部分から除去する工程を備える半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−138885(P2011−138885A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297252(P2009−297252)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】