説明

半導体装置

【課題】不揮発性メモリを備えた半導体装置のチップ面積を縮小する。
【解決手段】基板1Sの主面に形成され、隣り合って配置されたメモリセルMC1およびメモリセルMC2を含む。基板1Sの主面には、互いに電気的に分離された活性領域L1〜L4を配置する。活性領域L1にはメモリセルMC1の容量素子Cを配置し、活性領域L4にはメモリセルMC2の容量素子Cを配置する。また、活性領域L2には、メモリセルMC1の書込み/消去用素子CWEおよびメモリセルMC2の書込み/消去用素子CWEを共に配置する。さらに、活性領域L3には、メモリセルMC1の読出し用素子QRおよびメモリセルMC2の読出し用素子QRを共に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、不揮発性メモリを備えた半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等のような電気的に書き換え可能な不揮発性メモリは、オンボードでプログラムの書き換えができることから、開発期間の短縮、開発効率の向上が可能となる他、少量多品種生産の対応、仕向け先別チューニング、出荷後のプログラムアップデート等、様々な用途に応用が広がっている。また、同一の半導体チップに、主回路と、その主回路に関する比較的小容量の所望のデータを記憶する不揮発性メモリとを内蔵した半導体装置へのニーズも大きくなっている。
【0003】
不揮発性メモリセルの一例として、データを保持するメモリトランジスタと、いわゆるメモリビットとしてのメモリトランジスタを選択する選択トランジスタの2個のトランジスタから構成されたメモリセルがある。このうちメモリトランジスタは一般にポリシリコンからなるゲートが2層構造になっており、下層に電子を保持させるための浮遊ゲート、上層にその浮遊ゲートの電位を制御するための制御ゲートが設けられ、浮遊ゲートの下には非常に薄い絶縁膜から構成されるトンネル部が設けられている。このようなメモリセルのデータの書き換え(書き込みおよび消去)は、そのトンネル部を介してFN(Fowlor Nordheim)トンネル電流を流し、浮遊ゲートへの電子注入または浮遊ゲートからの電子放出によって行われる。
【0004】
また、不揮発性メモリセルの他の一例として、単層のポリシリコンで構成されるメモリセルがあり、例えば特開2007−110073号公報(特許文献1)に記載がある。この特許文献1の不揮発性メモリセルには、半導体基板の主面上に絶縁膜を介して単層の浮遊ゲート電極が形成されている。この浮遊ゲート電極の各平面位置に、容量部(容量素子)、書込み/消去用の容量部(書込み/消去用素子)、読出し部(読出し素子)が配置されている。この不揮発性メモリセルのデータ書き込みおよび消去用の容量部において、チャネル全面のFNトンネル電流によりデータの書き換えを行う構成が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2007−110073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2層のポリシリコンゲートから構成される不揮発性メモリを製造するにあたり、単層のポリシリコンゲートから構成される不揮発性メモリより複雑な製造工程を経る。すなわち、2層ポリシリコンゲートの不揮発性メモリでは、複雑な形状となる2層のポリシリコン層を互いに電気的に分離させることが信頼性において困難となる場合や、製造工程が増加し、製造コストが増大することがある。
【0006】
一方、前記特許文献1に記載されたような単層ポリシリコンゲートの不揮発性メモリは、単層のポリシリコン層及びその下の絶縁膜とで構成され、2層ポリシリコンゲートの不揮発性メモリの場合と比較して複雑な製造工程とはならない。また、主回路と、不揮発性メモリとを内蔵した半導体装置において、主回路が単層のポリシリコン層から構成される場合、主回路を形成するその基本的な製造工程の流れの中で不揮発性メモリとして単層ポリシリコンゲートの不揮発性メモリも形成することができ、製造コストも抑制することができる。
【0007】
しかしながら、データの書き換えという機能を構成するにあたり、2層ポリシリコンゲートの不揮発性メモリが上下に積層された2層のポリシリコン層で構成するのに対して単に比較した場合、単層ポリシリコンゲートの不揮発性メモリは、単層のポリシリコン層で構成するため、チップ面積が大きくなることが考えられる。
【0008】
本発明の目的は、不揮発性メモリを備えた半導体装置、特に、単層ポリシリコンゲートから構成される不揮発性メモリを備えた半導体装置のチップ面積を縮小することのできる技術を提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
本発明の一実施の形態は、半導体基板の主面に形成され、隣り合って配置された第1不揮発性メモリセルおよび第2不揮発性メモリセルを含む半導体装置である。前記主面には、互いに電気的に分離された第1活性領域、第3活性領域、第2活性領域および第4活性領域が配置される。前記第1活性領域には、前記第1不揮発性メモリセルの容量素子が形成される。また、前記第3活性領域には、前記第1不揮発性メモリセルの読出し用素子、および前記第2不揮発性メモリセルの読出し用素子が共に形成される。また、前記第2活性領域には、前記第1不揮発性メモリセルの書込み/消去用素子、および前記第2不揮発性メモリセルの書込み/消去用素子が共に形成される。また、前記第4活性領域には、前記第2不揮発性メモリセルの容量素子が形成される。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0013】
不揮発性メモリを有する半導体装置のチップ面積を縮小することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の実施の形態を説明する図面においては、構成を分かり易くするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の半導体装置は、同一の半導体チップ(半導体基板)に配置された主回路領域および不揮発性メモリ領域のそれぞれに、主回路およびその主回路に関する比較的小容量の所望のデータ(情報)を記憶する不揮発性メモリが形成されているものである。この半導体チップを構成する半導体基板(以下、「基板」という)は、主回路および不揮発性メモリが形成される主面(素子形成面)およびその反対の裏面を有している。以下に、主回路としてLCD(Liquid Crystal Device)ドライバ回路が形成された半導体チップに、その主回路に関する所望の情報を記憶する不揮発性メモリが形成されている半導体装置(LCDドライバ)について説明する。なお、本実施の形態で記載するLCDドライバとは、液晶表示パネル等の表示パネルを駆動または制御するための半導体装置を意味する。
【0016】
図1〜図3は不揮発性メモリ領域AMに配置された不揮発性メモリの平面図であり、それぞれ24ビット、8ビット、2ビットの場合が示されている。また、図4は本実施の形態1の半導体装置における不揮発性メモリセルの断面図であり、代表して図3のX1−X1線の断面が示されている。なお、図1〜図3では、不揮発性メモリセルの配置を分かり易くするためのものであって、例えば不揮発性メモリセルを覆うように形成されている絶縁層などの一部が省略されている。
【0017】
図1〜図3に示すように、本実施の形態1の不揮発性メモリは、基板1Sの主面に形成されたデータの書込み/消去用素子CWE、データの読出し用素子QR、および容量素子Cから構成される複数の不揮発性メモリセル(以下、「メモリセル」という)MCを備えている。なお、これらメモリセルMCは、マトリクス状に配置されたビット線(図中、第1方向Yに配置される)およびワード線(図中、第2方向Xに配置される)の交差する位置に配列されることとなる。
【0018】
基板1Sの主面に形成された複数の不揮発性メモリセルMCには、隣り合って配置されたメモリセルMC1およびメモリセルMC2が含まれている。また、基板1Sの主面には、互いに電気的に分離された活性領域L1〜L6が配置されている。なお、本願での活性領域とは、素子が形成される領域であり、素子分離領域(分離部)によって区画されている領域である。
【0019】
この活性領域L1〜L4において、メモリセルMC1の容量素子Cが活性領域L1に形成されており、メモリセルMC1の読出し用素子QRおよびメモリセルMC2の読出し用素子QRが共に活性領域L2に形成されており、メモリセルMC1の書込み/消去用素子CWEおよびメモリセルMC2の書込み/消去用素子CWEが共に活性領域L3に形成されており、メモリセルMC2の容量素子Cが活性領域L4に形成されている。
【0020】
このように、本実施の形態1の半導体装置では、メモリセルMC1およびメモリセルMC2のそれぞれの読出し用素子QRが共通の活性領域L3に形成され、かつ、メモリセルMC1およびメモリセルMC2のそれぞれの書込み/消去用素子CWEが共通の活性領域L2に形成されるので、チップ面積を縮小することができる。
【0021】
本実施の形態1では、主回路としてLCDドライバ回路が形成された半導体チップに、その主回路に関する所望の情報を記憶する不揮発性メモリが形成されている。所望の情報には、例えば半導体チップ内のトリミングの際に使用する有効(使用)素子の配置アドレス情報、メモリやLCDの救済の際に使用する有効メモリセル(不良のないメモリセル)や有効LCD素子の配置アドレス情報、LCD画像調整時に使用する調整電圧のトリミングタップ情報あるいは半導体装置の製造番号等がある。これら所望の情報が多くなるに従い不揮発性メモリの情報量(メモリセル数)が増加する。このようにメモリセル数が増加した場合であっても本実施の形態1で示すようなメモリセルの配置とすることによって、チップ面積の増加を抑制することができる。
【0022】
以下に、本実施の形態1のメモリセルMCの構成について具体的に図3および図4のメモリセルMC1を参照して説明する。なお、図1および図2に示すメモリセルMCも同様の構成である。
【0023】
p型の基板1Sの主面には、活性領域L1〜L6を規定する溝形の分離部TIが形成されている。この基板1Sに形成されたn型(第1導電型)の埋込ウエル(第1ウエル)DNWには、p型(第2導電型)のウエルHPW1、HPW2、HPW3およびn型のウエルHNWが形成されている。p型のウエルHPW1、HPW2、HPW3は、埋込ウエルDNWおよびn型のウエルHNWにより互いに電気的に分離された状態で埋込ウエルDNWに内包されている。
【0024】
このp型のウエルHPW1〜HPW3には、例えばホウ素(B)等のようなp型を示す不純物が含有されている。p型のウエルHPW3の上層一部には、p型の半導体領域4aが形成されている。p型の半導体領域4aには、p型のウエルHPW3と同じ不純物が含有されているが、p型の半導体領域4aの不純物濃度の方が、p型のウエルHPW3の不純物濃度よりも高くなるように設定されている。このp型の半導体領域4aは、基板1Sの主面上の絶縁層6に形成されたコンタクトホールCT内の導体部7aに電気的に接続されている。この導体部7aが接するp型の半導体領域4aの表層一部にシリサイド層5aを形成しても良い。
【0025】
また、n型のウエルHNWには、例えばリン(P)またはヒ素(As)等のようなn型を示す不純物が含有されている。このn型のウエルHNWの上層一部には、n型の半導体領域8aが形成されている。n型の半導体領域8aには、n型のウエルHNWと同じ不純物が含有されているが、n型の半導体領域8aの不純物濃度の方が、n型のウエルHNWの不純物濃度よりも高くなるように設定されている。n型の半導体領域8aは、p型のウエルHPW1〜HPW3に接触しないように、p型のウエルHPW1〜HPW3から離れている。すなわち、n型の半導体領域8aとp型のウエルHPW1〜HPW3との間にはn型の埋込ウエルDNWの一部が介在されている。このようなn型の半導体領域8aは、絶縁層6に形成されたコンタクトホールCT内の導体部7bに電気的に接続されている。この導体部7bが接するn型の半導体領域8aの表層一部にシリサイド層5aを形成しても良い。
【0026】
本実施の形態1のメモリセルMCは、浮遊電極FGと、データの書込み/消去用素子CWEと、データの読出し用素子QRと、容量素子Cとを有している。
【0027】
浮遊電極FGは、データの記憶に寄与する電荷を蓄積する部分である。この浮遊電極FGは、例えば低抵抗な多結晶シリコン等のような導電体膜からなり、電気的に浮遊状態(他の導体と絶縁された状態)で形成されている。また、この浮遊電極FGは、図3に示すように、互いに隣接するp型のウエルHPW1、HPW2、HPW3に平面的に重なるように第1方向Yに沿って延在した状態で形成されている。
【0028】
この浮遊電極FGがp型のウエルHPW2の活性領域L2に平面的に重なる第1位置には、書込み/消去用の容量素子である書込み/消去用素子CWEが配置されている。書込み/消去用素子CWEは、容量電極FGC1と、容量絶縁膜10dと、p型の半導体領域15と、n型の半導体領域30と、p型のウエルHPW2とを有している。
【0029】
容量電極FGC1は、浮遊電極FGの一部により形成され、書込み/消去用素子CWEの一方の電極を形成する部分である。容量絶縁膜10dは、例えば酸化シリコンからなり、容量電極FGC1と基板1S(p型のウエルHPW2)との間に形成されている。容量絶縁膜10dの厚さは、例えば7nm以上、20nm以下とされている。ただし、本実施の形態1の書込み/消去用素子CWEでは、データの書き換えにおいて、電子をp型のウエルHPW2から容量絶縁膜10dを介して容量電極FGC1に注入したり、容量電極FGC1の電子を、容量絶縁膜10dを介してp型のウエルHPW2に放出したりするので、容量絶縁膜10dの厚さは薄く、具体的には、例えば13.5nm程度の厚さに設定されている。容量絶縁膜10dの厚さを7nm以上とする理由は、それより薄いと容量絶縁膜10dの信頼性を確保できないからである。また、容量絶縁膜10dの厚さを20nm以下とする理由は、それより厚いと電子を通過させることが難しくなり、データの書き換えが上手くできないからである。
【0030】
書込み/消去用素子CWEの一対のp型の半導体領域15およびn型の半導体領域30は、p型のウエルHPW2内において容量電極FGC1を挟み込む位置に容量電極FGC1に対して自己整合的に形成されている。p型の半導体領域15、n型の半導体領域30およびp型のウエルHPW2は、書込み/消去用素子CWEの一方の電極を構成する部分である。すなわち、書込み/消去用素子CWEにおいては、容量電極FGC1の左右の半導体領域の導電型が非対称になっている。このような構成とすることによって、データの消去時や書き込み時に基板1Sに空乏層が形成されるのを抑制または防止することができる。
【0031】
p型の半導体領域15は、チャネル側のp型の半導体領域15aと、その半導体領域15aに電気的に接続されたp型の半導体領域15bとを有している。このp型の半導体領域15aおよびp型の半導体領域15bには、例えばホウ素(B)等のような同一導電型の不純物が含有されているが、p型の半導体領域15bの不純物濃度の方が、p型の半導体領域15aの不純物濃度よりも高くなるように設定されている。このp型の半導体領域15は、p型のウエルHPW2と電気的に接続されている。
【0032】
また、n型の半導体領域30は、チャネル側のn型の半導体領域30aと、そのn型の半導体領域30aに電気的に接続されたn型の半導体領域30bとを有している。このn型の半導体領域30aおよびn型の半導体領域30bには、例えばリン(P)またはヒ素(As)等のような同一導電型の不純物が含有されているが、n型の半導体領域30bの不純物濃度の方が、n型の半導体領域30aよりも不純物濃度が高くなるように設定されている。
【0033】
型の半導体領域15aおよびn型の半導体領域30aは、容量電極FGC1の一方の端部辺りから基板1Sの主面に沿ってサイドウォールSWの幅分程度延びて終端している。p型の半導体領域15bおよびn型の半導体領域30bは、それぞれp型の半導体領域15aおよびn型の半導体領域30aの終端で一部重なり、その重なり位置から基板1Sの主面に沿って所望の長さ分だけ延びて分離部TIで終端している。
【0034】
本実施の形態1では、n型の半導体領域30が、図3に示すように、互いに隣接する2つの浮遊電極FGの隣接間に形成されている。すなわち、n型の半導体領域30は、2つの書込み/消去用素子CWEの共有領域になっている。
【0035】
これらp型の半導体領域15およびn型の半導体領域30は、絶縁層6に形成されたコンタクトホールCT内の導体部7cに電気的に接続されている。この導体部7cは、データ書込み/消去用のビット線WBLに電気的に接続されている。この導体部7cが接するp型の半導体領域15bおよびn型の半導体領域30の表層一部にシリサイド層5aを形成しても良い。
【0036】
また、浮遊電極FGがp型のウエルHPW3の活性領域L3に平面的に重なる第2位置には、データの読出し用素子QRが配置されている。読出し用素子QRは、ゲート電極FGRと、ゲート絶縁膜10bと、一対のn型の半導体領域12、12とを有している。読出し用素子QRのチャネルは、ゲート電極FGRと活性領域L3とが平面的に重なるp型のウエルHPW3の上層に形成される。
【0037】
ゲート電極FGRは、浮遊電極FGの一部により形成されている。ゲート絶縁膜10bは、例えば酸化シリコンからなり、ゲート電極FGRと基板1S(p型のウエルHPW3)との間に形成されている。ゲート絶縁膜10bの厚さは、例えば13.5nm程度である。読出し用素子QRの一対のn型の半導体領域12、12は、p型のウエルHPW3内においてゲート電極FGRを挟み込む位置にゲート電極FGRに対して自己整合的に形成されている。データの読出し用素子QRの一対のn型の半導体領域12、12は、それぞれチャネル側のn型の半導体領域12aと、その各々に接続されたn型の半導体領域12bとを有している。このn型の半導体領域12aおよびn型の半導体領域12bには、例えばリン(P)またはヒ素(As)等のような同一導電型の不純物が含有されているが、n型の半導体領域12bの不純物濃度の方が、n型の半導体領域12aの不純物濃度よりも高くなるように設定されている。
【0038】
このような読出し用素子QRの半導体領域12、12の一方は、絶縁層6に形成されたコンタクトホールCT内の導体部7dに電気的に接続されている。この導体部7dは、ソース線SLに電気的に接続されている。この導体部7dが接するn型の半導体領域12bの表層一部にシリサイド層5aを形成しても良い。一方、読出し用素子QRの半導体領域12、12の他方は、選択用MISトランジスタQSのソースおよびドレイン用のn型の半導体領域12の一方と共有とされている。
【0039】
選択用MISトランジスタQSは、ゲート電極FGSと、ゲート絶縁膜10eと、ソース・ドレイン用の一対のn型の半導体領域12、12とを有している。選択用MISトランジスタQSのチャネルは、ゲート電極FGSと活性領域L3とが平面的に重なるp型のウエルHPW3の上層に形成される。
【0040】
ゲート電極FGSは、例えば低抵抗な多結晶シリコンにより形成されており、浮遊電極FGとは電気的に分離している。このゲート電極FGSは、絶縁層6に形成されたコンタクトホールCT内の導体部7fに電気的に接続されている。このコンタクトホールCTは、図3のX1−X1線の断面として図4に示されるべきものではないが、説明を容易にするために、図4に示している。導体部7fは、選択線GSに電気的に接続されている。
【0041】
ゲート絶縁膜10eは、例えば酸化シリコンからなり、ゲート電極FGSと基板1S(p型のウエルHPW3)との間に形成されている。このゲート絶縁膜10eの厚さは、例えば13.5nm程度である。選択用MISトランジスタQSの一対のn型の半導体領域12、12の構成は、読出し用素子QRのn型の半導体領域12と同じである。選択用MISトランジスタQSの他方のn型の半導体領域12は、絶縁層6に形成されたコンタクトホールCT内の導体部7gに電気的に接続されている。この導体部7gには、データ読み出し用のビット線RBLに電気的に接続されている。この導体部7gが接するn型の半導体領域12bの表層一部にシリサイド層5aを形成しても良い。
【0042】
また、浮遊電極FGがp型のウエルHPW1に平面的に重なる位置には、容量素子Cが形成されている。この容量素子Cは、制御ゲート電極CGWと、容量電極FGC2と、容量絶縁膜10cと、p型の半導体領域13と、p型のウエルHPW1とを有している。
【0043】
容量電極FGC2は、制御ゲート電極CGWに対向する浮遊電極FGの一部により形成されており、容量素子Cの一方の電極を形成する部分である。このようにメモリセルMCのゲート構成を単層構成とすることにより、不揮発性メモリのメモリセルMCと主回路の素子との製造上の整合を容易にすることができるので、半導体装置の製造時間の短縮や製造コストの低減を図ることができる。
【0044】
また、容量電極FGC2の第2方向Xの長さは、書込み/消去用素子CWEの容量電極FGC1や読出し用素子QRのゲート電極FGRの第2方向Xの長さよりも長くなるように形成されている。すなわち、浮遊電極FGは、容量電極FGC2の第1方向Yに交差する第2方向Xの長さが、容量電極FGC1およびゲート電極FGRの第2方向Xの長さよりも長い。これにより、容量電極FGC2の平面積を大きく確保できるので、カップリング比を高めることができ、制御ゲート配線CGからの電圧供給効率を向上させることが可能となっている。
【0045】
ここで、浮遊電極FGは、図3に示すように、容量電極FGC2の一端側から容量電極FGC1およびゲート電極FGRへ延在するように配置され、その平面形状は旗状となっている。また、容量電極FGC2の他端側にウエル活性領域L3に平面的に重なるように選択用MISトランジスタQRのゲート電極FGSが配置されている。すなわち、容量電極FGC1、ゲート電極FGRと容量電極FGC2とでは平面積が異なり、異なるために浮遊電極FGが空いた領域にゲート電極FGSを配置している。これに対して、例えば、浮遊電極FGが、容量電極FGC2の中央部側から容量電極FGC1およびゲート電極FGRへ延在するように配置され、その平面形状がT字状とする場合では、別の領域にゲート電極FGSを配置しなければならないこともある。しかしながら、本実施の形態1では、旗状の浮遊電極FGの空いている領域にゲート電極FGSを配置しているので、チップ面積を縮小することができる。
【0046】
また、容量絶縁膜10cは、例えば酸化シリコンからなり、容量電極FGC2と基板1S(p型のウエルHPW1)との間に形成されている。容量絶縁膜10cは、ゲート絶縁膜10b、10e、容量絶縁膜10dを形成するための熱酸化工程により同時に形成されており、その厚さは、例えば13.5nm程度である。
【0047】
また、容量素子Cの一対のp型の半導体領域13およびn型の半導体領域31は、p型のウエルHPW1内において容量電極FGC2を挟み込む位置に容量電極FGC2に対して自己整合的に形成されている。p型の半導体領域13、n型の半導体領域31およびp型のウエルHPW1は、容量素子Cの一方の電極を構成する部分である。すなわち、容量素子Cにおいては、容量電極FGC2の左右の半導体領域の導電型が非対称になっている。このような構成とすることによって、データの消去時や書き込み時に基板1Sに空乏層が形成されるのを抑制または防止することができる。
【0048】
半導体領域13は、チャネル側のp型の半導体領域13aと、その半導体領域13aに電気的に接続されたp型の半導体領域13bとを有している。このp型の半導体領域13aおよびp型の半導体領域13bには、例えばホウ素(B)等のような同一導電型の不純物が含有されているが、p型の半導体領域13bの不純物濃度の方が、p型の半導体領域13aの不純物濃度よりも高くなるように設定されている。このp型の半導体領域13は、p型のウエルHPW1と電気的に接続されている。
【0049】
また、n型の半導体領域31は、チャネル側のn型の半導体領域31aと、そのn型の半導体領域31aに電気的に接続されたn型の半導体領域31bとを有している。このn型の半導体領域31aおよびn型の半導体領域31bには、例えばリン(P)またはヒ素(As)等のような同一導電型の不純物が含有されているが、n型の半導体領域31bの不純物濃度の方が、n型の半導体領域31aよりも不純物濃度が高くなるように設定されている。
【0050】
型の半導体領域13aおよびn型の半導体領域31aは、容量電極FGC2の一方の端部辺りから基板1Sの主面に沿ってサイドウォールSWの幅分程度延びて終端している。p型の半導体領域13bおよびn型の半導体領域31bは、それぞれp型の半導体領域13aおよびn型の半導体領域31aの終端で一部重なり、その重なり位置から基板1Sの主面に沿って所望の長さ分だけ延びて分離部TIで終端している。
【0051】
本実施の形態1では、n型の半導体領域31が、図3に示すように、互いに隣接する2つの浮遊電極FGの隣接間に形成されている。すなわち、n型の半導体領域31は、2つの容量素子Cの共有領域になっている。なお、図1〜図3に示すように、不揮発性メモリ領域の外側には、メモリセルMCを構成しない容量素子Cが配置されている。
【0052】
これらp型の半導体領域13およびn型の半導体領域31は、絶縁層6に形成されたコンタクトホールCT内の導体部7eに電気的に接続されている。この導体部7eは、制御ゲート配線CGに電気的に接続されている。この導体部7eが接するp型の半導体領域13bおよびn型の半導体領域31の表層一部にシリサイド層5aを形成しても良い。
【0053】
このように、本実施の形態1では、基板1Sの主面に形成された複数のメモリセルMCのうち、第1方向Yに隣り合って配置されたメモリセルMC1およびメモリセルMC2のそれぞれの書込み/消去用素子CWEが共通の活性領域L2に形成され、それぞれの読出し用素子QRが共通の活性領域L3に形成されるようにしている。
【0054】
ここで、本実施の形態1のメモリセルMCを用いて図1〜図3とは異なる配置の24ビット不揮発性メモリの平面図を図5に示す。図5の不揮発性メモリでは、図1〜図3で示した不揮発性メモリとは異なり、複数のメモリセルMCのうち、隣り合って配置されたメモリセルMCのそれぞれの書込み/消去用素子CWEが別々の活性領域L2に形成され、また、それぞれの読出し用素子QRが別々の活性領域L3に形成されている。すなわち、1つのメモリセルMCに対して、それを構成する容量素子Cが1つの活性領域L1に形成され、書込み/消去用素子CWEが1つの活性領域L2に形成され、読出し用素子QRが1つの活性領域L3に形成されている。
【0055】
この図5で示した不揮発性メモリの配置に対して、前述したように本実施の形態1の不揮発性メモリの配置では、第1方向Yに隣り合って配置された2つのメモリセルMC1およびメモリセルMC2のそれぞれの書込み/消去用素子CWEが共通の活性領域L2に形成され、それぞれの読出し用素子QRが共通の活性領域L3に形成されるようにしている。これにより、不揮発性メモリ領域中でp型のウエルHPW2、HPW3が占有する面積を縮小することができる。例えば同じ24ビットの不揮発性メモリで比較して、図1の配置とすることにより、図5の配置に対して、不揮発性メモリ領域を70%程度縮小することができる。さらに、不揮発性メモリ領域を縮小することによって、チップ全体としての面積も縮小することができる。
【0056】
次に、本実施の形態1における不揮発性メモリ、ここでは図2で示した8ビットの不揮発性メモリを代表して、その動作例について図6〜図9を参照して説明する。図6〜図9には図2で示した不揮発性メモリ(以下、メモリアレイという)の各部の接続を点と線で示している。メモリアレイには、第1方向Yに延在する複数のデータ書込み/消去用のビット線WBL(WBL0、WBL1・・・)と、データ読み出し用のビット線RBL(RBL0、RBL1・・・)とが第2方向Xに沿って配置されている。また、メモリアレイには、ビット線WBL、RBLに対して直交する第2方向Xに沿って延在する複数の制御ゲート配線(ワード線)CG(CG0、CG1・・・)と、複数のソース線SLと、複数の選択線GSとが第1方向Yに沿って配置されている。
【0057】
各データ書込み/消去用のビット線WBLは、メモリアレイの周辺領域に配置されたデータ(0/1)入力用のインバータ回路に電気的に接続されている。また、各データ読み出し用のビット線RBLは、前記周辺回路領域に配置されたセンスアンプ回路に電気的に接続されている。センスアンプ回路は、例えばカレントミラー形とされている。そして、このようなビット線WBL、RBLと、制御ゲート配線CG、ソース線SLおよび選択線GSとの格子状交点の近傍に、1ビット分のメモリセルMCが電気的に接続されている。ここでは、1ビットが1つのメモリセルMCで構成されている場合が例示されている。
【0058】
各メモリセルMCは、容量素子(電荷注入放出部)で構成されるデータの書込み/消去用素子CWEと、データの読出し用素子QRと、容量素子Cと、選択用MISトランジスタQSとを有している。データの書込み/消去用素子CWEの一方の電極は、データ書込み/消去用のビット線WBLに電気的に接続されている。また、そのデータの書込み/消去用素子CWEの他方の電極(浮遊電極FG)は、データの読出し用素子QRのゲート電極(浮遊電極FG)に電気的に接続されるとともに、容量素子Cの一方の電極(浮遊電極FG)に電気的に接続されている。そして、その容量素子Cは他方の電極(図4で示す制御ゲート電極CGW)は制御ゲート配線CGに電気的に接続されている。一方、データの読出し用素子QRのドレインは、選択用MISトランジスタQSを介してデータ読み出し用のビット線RBLに電気的に接続され、ソースはソース線SLに電気的に接続されている。選択用MISトランジスタQSのゲート電極は、選択線GSに電気的に接続されている。
【0059】
このような結線のメモリアレイにおけるデータ書込み動作の一例を、図6を参照して説明する。図6には、データ書込み対象のメモリセルMC(以下、選択メモリセルMCsという)を破線で示し、また不揮発性メモリのデータ書込み動作時における各部への印加電圧を示している。なお、ここでは、電子を浮遊ゲート電極に注入することをデータ書き込みと定義するが、その逆に浮遊ゲート電極の電子を抜き取ることをデータ書き込みと定義することもできる。
【0060】
データの書き込み時には、選択メモリセルMCsの容量素子Cの他方の電極が接続されている制御ゲート配線CG1に、例えば9Vの正の制御電圧を印加する。それ以外の制御ゲート配線CGには、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択メモリセルMCsのデータの書込み/消去用素子CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータのビット線WBL3に、例えば−9Vの負の電圧を印加する。それ以外のデータ書込み/消去用のビット線WBLには、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択線GS、ソース線SLおよびデータ書き込み用のビット線RBLに、例えば0Vを印加する。これにより、選択メモリセルMCsのデータの書込み/消去用素子CWEの浮遊電極FGにチャネル全面のFNトンネル電流により電子を注入し、データを書き込む。
【0061】
このように、本実施の形態1におけるデータの書込みは、制御ゲート配線CGに9Vの制御電圧を印加することによって容量素子CのウエルHPW1を9Vとし、かつビット線WBLに−9Vの負の電圧を印加することによって書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2を−9Vとして電位差18VでFNトンネル電流を発生させて書込みを行うものである。
【0062】
図4を参照してデータの書込み動作における各部への印加電圧について説明すると、ここでは導体部7bを通じてn型のウエルHNWおよびn型の埋込ウエルDNWに、例えば9Vの電圧を印加して基板1Sとp型のウエルHPW1〜HPW3との電気的な分離を行う。また、制御ゲート配線CGから導体部7eを通じて容量素子Cの制御ゲート電極CGWに、例えば9Vの正の制御電圧を印加する。また、前記データ書込み/消去用のビット線WBLから導体部7cを通じて書込み/消去用素子CWEの一方の電極(p型の半導体領域15およびp型のウエルHPW2)に、例えば−9Vの負の電圧を印加する。また、導体部7aを通じて、p型のウエルHPW3に、例えば0Vを印加する。また、選択線GSから導体部7fを通じて選択用MISトランジスタQSのゲート電極FGSに、例えば0Vを印加する。また、ソース線SLから導体部7dを通じてデータの読出し用素子QRの一方のn型の半導体領域12に、例えば0Vを印加する。また、データ書き込み用のビット線RBLから導体部7gを通じて、選択用MISトランジスタQSの一方のn型の半導体領域12に、例えば0Vを印加する。
【0063】
これにより、選択メモリセルMCsのデータの書込み/消去用素子CWEのp型のウエルHPW2の電子を、チャネル全面のFNトンネル電流により容量絶縁膜10dを通じて容量電極FGC1(浮遊電極FG)に注入し、データを書き込む。
【0064】
データ一括消去動作の一例を、図7を参照して説明する。図7には、データ一括消去動作時における各部への印加電圧を示している。なお、ここでは、浮遊電極の電子を引き抜くことをデータ消去と定義するが、その逆に浮遊電極に電子を注入することをデータ消去と定義することもできる。
【0065】
データ一括消去時には、複数のメモリセルMCの容量素子Cの他方の電極が接続されている制御ゲート配線CGに、例えば−9Vの負の制御電圧を印加する。また、メモリセルMCのデータの書込み/消去用素子CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータ書込み/消去用のビット線WBLに、例えば9Vの正の電圧を印加する。また、選択線GS、ソース線SLおよびデータ書き込み用のビット線RBLに、例えば0Vを印加する。これにより、データ一括消去を行う複数のメモリセルMCのデータの書込み/消去用素子CWEの浮遊電極FGに蓄積された電子をチャネル全面のFNトンネル電流により放出し、複数のメモリセルMCのデータを一括消去する。
【0066】
データ・ビット単位消去動作の一例を、図8を参照して説明する。図8には、データ・ビット単位消去対象のメモリセルMC(以下、選択メモリセルMCsという)を破線で示し、また不揮発性メモリのデータ・ビット単位消去動作時における各部への印加電圧を示している。
【0067】
データ・ビット単位消去時には、選択メモリセルMCsの容量素子Cの他方の電極が接続されている制御ゲート配線CG1に、例えば−9Vの負の制御電圧を印加する。それ以外の制御ゲート配線CGには、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択メモリセルMCsのデータの書込み/消去用素子CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータ書込み/消去用のビット線WBL3に、例えば9Vの正の電圧を印加する。それ以外のデータ書込み/消去用のビット線WBLには、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択線GS、ソース線SLおよびデータ書き込み用のビット線RBLに、例えば0Vを印加する。これにより、データ消去対象の選択メモリセルMCsのデータの書込み/消去用素子CWEの浮遊電極FGに蓄積された電子をチャネル全面のFNトンネル電流により放出し、データ消去対象の選択メモリセルMCsのデータを消去する。
【0068】
図4を参照してデータの消去動作における各部への印加電圧について説明すると、ここでは導体部7bを通じてn型のウエルHNWおよびn型の埋込ウエルDNWに、例えば9Vの電圧を印加して基板1Sとp型のウエルHPW1〜HPW3との電気的な分離を行う。また、制御ゲート配線CGから導体部7eを通じて容量素子Cの制御ゲート電極CGWに、例えば−9Vの負の制御電圧を印加する。また、データ書込み/消去用のビット線WBLから導体部7cを通じて書込み/消去用素子CWEの一方の電極(p型の半導体領域15およびp型のウエルHPW2)に、例えば9Vの正の電圧を印加する。また、導体部7aを通じて、p型のウエルHPW3に、例えば0Vを印加する。また、選択線GSから導体部7fを通じて選択用MISトランジスタQSのゲート電極FGSに、例えば0Vを印加する。また、ソース線SLから導体部7dを通じてデータの読出し用素子QRの一方のn型の半導体領域12に、例えば0Vを印加する。また、データ書き込み用のビット線RBLから導体部7gを通じて、選択用MISトランジスタQSの一方のn型の半導体領域12に、例えば0Vを印加する。
【0069】
これにより、選択メモリセルMCsのデータの書込み/消去用素子CWEの容量電極FGC1(浮遊電極FG)に蓄積された電子を、チャネル全面のFNトンネル電流により容量絶縁膜10dを通じてp型のウエルHPW2に放出し、データを消去する。
【0070】
データ読出し動作の一例を、図9を参照して説明する。図9には、データ読出し対象のメモリセルMC(以下、選択メモリセルMCsという)を破線で示し、また不揮発性メモリのデータ読み出し動作時における各部への印加電圧を示している。
【0071】
データ読み出し時には、選択メモリセルMCsの容量素子Cの他方の電極が接続されている制御ゲート配線CG1に、例えばVcc電源の3Vの制御電圧を印加する。それ以外の制御ゲート配線CGには、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択メモリセルMCsのデータの書込み/消去用素子CWEの一方の電極が電気的に接続されているデータ書込み/消去用のビット線WBLに、例えば0Vの電圧を印加する。また、選択メモリセルMCsの選択用MISトランジスタQSのゲート電極が電気的に接続されている選択線GS2に、例えばVcc電源の3Vの電圧を印加する。そして、データ書き込み用のビット線RBL2に、例えば1Vの電圧を印加する。さらに、ソース線SLに、例えば0Vを印加する。これにより、データ読み出し対象の選択メモリセルMCsのデータの読出し用素子QRをオン条件とし、そのデータの読出し用素子QRのチャネルにドレイン電流が流れるか否かにより、選択メモリセルMCsに記憶されているデータが0/1のいずれなのかを読み出す。
【0072】
図4を参照してデータの読出し動作における各部への印加電圧について説明すると、ここでは導体部7bを通じてn型のウエルHNWおよびn型の埋込ウエルDNWに、例えば3Vの電圧を印加して基板1Sとp型のウエルHPW1〜HPW3との電気的な分離を行う。また、制御ゲート配線CGから導体部7eを通じて容量素子Cの制御ゲート電極CGWに、例えば3Vの正の制御電圧を印加する。これにより、データの読出し用素子QRのゲート電極FGRに正の電圧を印加する。また、導体部7aを通じて、p型のウエルHPW3に、例えば0Vを印加する。また、選択線GSから導体部7fを通じて選択用MISトランジスタQSのゲート電極FGSに、例えば3Vを印加する。また、ソース線SLから導体部7dを通じてデータの読出し用素子QRの一方のn型の半導体領域12に、例えば0Vを印加する。また、データ書き込み用のビット線RBLから導体部7gを通じて、選択用MISトランジスタQSの一方のn型の半導体領域12に、例えば1Vを印加する。また、データ書込み/消去用のビット線WBLから導体部7cを通じて書込み/消去用素子CWEの一方の電極(p型の半導体領域15およびp型のウエルHPW2)に、例えば0Vの電圧を印加する。
【0073】
これにより、選択メモリセルMCrのデータの読出し用素子QRをオン条件とし、そのデータの読出し用素子QRのチャネルにドレイン電流が流れるか否かにより、選択メモリセルMCsに記憶されているデータが0/1のいずれなのかを読み出す。
【0074】
このような本実施の形態1によれば、書込み/消去用素子CWE、データの読出し用素子QRおよび容量素子Cをそれぞれ別々のp型のウエルHPW1〜HPW3内に形成し、それぞれをn型のウエルHNWおよびn型の埋込ウエルDNWにより分離する。データ書き換えは、容量素子で行う。このように、データ書き換え用の素子を容量素子で形成し、チャネル全面のFNトンネル電流によるデータ書き換えにおいて、p型の半導体領域15とp型のウエルHPW2とは同電位になるので、接合耐圧の問題が生じることもない。このため、不揮発性メモリのメモリセルMCの劣化を抑制または防止でき、不揮発性メモリの動作信頼性を向上させることができる。
【0075】
また、データ書き換えを、最も消費電流が小さく、低電圧における単一電源書き換えに適したチャネル全面のFNトンネル電流により行えるので、内部昇圧回路による、単一電源化が容易である。さらに、データ書き込みおよび消去において、ホール発生のないチャネルFNトンネル電流を使用するため、データの書き換え回数を向上させることができる。
【0076】
また、書込み/消去用素子CWEと、データの読出し用素子QRとをそれぞれ別々のp型のウエルHPW2、HPW3内に形成したことにより、データ書き換えを安定化させることができる。このため、不揮発性メモリの動作信頼性を向上させることができる。
【0077】
本実施の形態1におけるメモリアレイでは、ビット線WBL、RBLに平面的に交差するように活性領域L1〜L4が順に配置されている。前述したように、隣り合って配置されたメモリセルMC1およびメモリセルMC2がメモリアレイに含まれている。ここで、メモリセルMC1では、容量素子Cと書込み/消去用素子CWEとの間に読出し用素子QRが配置されているのに対して、メモリセルMC2では、容量素子Cと読出し用素子QRとの間に書込み/消去用素子CWEが配置されている。このようなメモリセルMCを構成する部材の配置が非対称であっても、本実施の形態1における不揮発性メモリは正常に動作することができる。
【0078】
また、本実施の形態1におけるメモリアレイでは、図6〜図9に示すように、データ書込み/消去用のビット線WBLに平面的に交差するように活性領域L2が繰り返して配置されている。具体的には、隣り合う2本のビット線WBL0とビット線WBL1や、隣り合う2本のビット線WBL2とビット線WBL3に平面的に交差するように第1方向Yに沿って活性領域L2が繰り返して配置されている。
【0079】
ここで、複数のメモリセルMCと複数のビット線WBLの接続、例えば、ビット線WBL2、WBL3と、それらに沿って平面的に交差するように配置された複数の活性領域L2の接続について説明する。ビット線WBL2がメモリセルMC1の書込み/消去用素子CWEが形成されている第1方向Yに隣り合う活性領域L2の一方と電気的に接続されており、ビット線WBL3がメモリセルMC2の書込み/消去用素子CWEが形成されている隣り合う活性領域L2の他方と電気的に接続されている。すなわち、隣り合うビット線WBL2とビット線WBL3のどちらかが、それらに沿うように配置されている複数の活性領域L2と交互に電気的に接続されている。
【0080】
仮に、ビット線WBL2とビット線WBL3の両方とも、それらに沿うように配置されている複数の活性領域L2のそれぞれに電気的に接続されている場合では、データの書込み動作において書込み対象の選択メモリセルMCs以外のメモリセルMCにも書込みがされてしまう不具合が生じる。前述の例では、制御ゲート配線CG1に9Vの正の電圧を印加し、ビット線WBL3に−9Vの負の電圧が印加されて選択メモリセルMCsにデータが書き込まれる。しかしながら、ビット線WBL3がそれに沿うように配置されている複数の活性領域L2のそれぞれと電気的に接続されている場合では、制御ゲート配線CG1を挟んで配置されている活性領域L2にも−9Vの負の電圧が印加されて書込み対象でないメモリセルMCにも書込み動作が起きてしまう。これを防止するために、本実施の形態1では、隣り合うビット線WBL2とビット線WBL3のどちらかが、それらに沿うように配置されている複数の活性領域L2と交互に電気的に接続している。
【0081】
次に、本実施の形態1におけるLCDドライバ回路(主回路)が形成された半導体チップに、その主回路に関する比較的小容量の所望の情報を記憶する不揮発性メモリが形成されている半導体装置の製造方法の一例について図10〜図21を参照して説明する。
【0082】
図10〜図21は、本実施の形態1の半導体装置の製造工程中における同一の基板1S(ここでは、半導体ウエハと証する平面円形状の半導体薄板)の要部断面図である。高耐圧部および低耐圧部は、LCDドライバ回路を構成するMISトランジスタの形成領域である。高耐圧部のMISトランジスタの動作電圧は、例えば25Vである。また、低耐圧部のMISトランジスタの動作電圧は、例えば6.0Vである。また、低耐圧部のMISトランジスタには、前記の動作電圧が6.0Vのものの他に、動作電圧が1.5VのMISトランジスタがある。この動作電圧が1.5VのMISトランジスタは、動作電圧が6.0VのMISトランジスタよりも高速に動作する目的で設けられ、他のMISトランジスタと共に前記のLCDドライバ回路を構成する。また、動作電圧が1.5VのMISトランジスタは、そのゲート絶縁膜が6.0VのMISトランジスタのゲート絶縁膜よりも薄く、その膜厚が1〜3nm程度で構成されている。以降の図面および明細書文中では、説明の簡略化のため、主として動作電圧が25Vの高耐圧部のMISトランジスタと、動作電圧が6.0Vの低耐圧部のMISトランジスタとを図示し、動作電圧が1.5VのMISトランジスタは図示しない。なお、本実施の形態1の半導体装置(半導体チップ、基板1S)においても外部から供給される電源は、単一電源とされている。
【0083】
まず、図10および図11に示すように、p型の基板1S(半導体ウエハ)を用意し、その高耐圧部に、p型の埋込ウエルDPWをフォトリソグラフィ(以下、単にリソグラフィという)工程およびイオン注入工程等により形成する。リソグラフィ工程は、フォトレジスト(以下、単にレジストという)膜の塗布、露光および現像等により所望のレジストパターンを形成する一連の工程である。イオン注入工程では、リソグラフィ工程を経て基板1Sの主面上に形成されたレジストパターンをマスクとして、基板1Sの所望の部分に所望の不純物を選択的に導入する。ここでのレジストパターンは、不純物の導入領域が露出され、それ以外の領域が覆われるようなパターンとされている。
【0084】
続いて、高耐圧部、低耐圧部および不揮発性メモリのメモリセル形成領域に、n型の埋込ウエルDNWをリソグラフィ工程およびイオン注入工程等により同時に形成する。その後、基板1Sの主面の分離領域に分離溝を形成した後、その分離溝内に絶縁膜を埋め込むことにより、溝形の分離部TIを形成する。これにより、活性領域を規定する。
【0085】
次いで、図12および図13に示すように、高耐圧部のnチャネル型のMISトランジスタ形成領域に、n型の半導体領域NVをリソグラフィ工程およびイオン注入工程等により形成する。このn型の半導体領域NVはn型の埋込ウエルDNWよりも高い不純物濃度を有する領域である。続いて、高耐圧部のpチャネル型のMISトランジスタ形成領域に、p型の半導体領域PVをリソグラフィ工程およびイオン注入工程等により形成する。このp型の半導体領域PVはp型の埋込ウエルDPWよりも高い不純物濃度を有する領域である。
【0086】
続いて、低耐圧部のnチャネル型のMISトランジスタ形成領域に、p型のウエルPWをリソグラフィ工程およびイオン注入工程等により形成する。このp型のウエルPWはp型の埋込ウエルDPWよりも高い不純物濃度を有する領域であり、p型の半導体領域PVよりも高い不純物濃度を有する領域である。続いて、低耐圧部のpチャネル型のMISトランジスタ形成領域に、n型のウエルNWをリソグラフィ工程およびイオン注入工程等により形成する。このn型のウエルNWはn型の埋込ウエルDNWよりも高い不純物濃度を有する領域であり、n型の半導体領域NVよりも高い不純物濃度を有する領域である。
【0087】
続いて、不揮発性メモリのメモリセル形成領域に、p型のウエルHPW1〜HPW3をリソグラフィ工程およびイオン注入工程等により同時に形成する。このp型のウエルHPW1〜HPW3はp型の埋込ウエルDPWよりも高い不純物濃度を有する領域であり、p型の半導体領域PVと同程度の不純物濃度を有する領域である。
【0088】
また、これらn型の埋込ウエルDNW、p型の埋込ウエルDPW、n型の半導体領域NV、p型の半導体領域PV、n型のウエルNW、p型のウエルPW、p型のウエルHPW1〜HPW3の不純物濃度の大小関係は、後述の実施の形態においても同様である。
【0089】
その後、ゲート絶縁膜10b、10e、10f、10gおよび容量絶縁膜10c、10dを熱酸化法等により形成した後、基板1S(半導体ウエハ)の主面上に、例えば低抵抗な多結晶シリコンからなる導体膜20をCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により形成する。このとき、高耐圧部のMISトランジスタのゲート絶縁膜10fは、25Vの耐圧に耐えられるように、低耐圧部のMISトランジスタのゲート絶縁膜10gよりも厚い膜厚のゲート絶縁膜で形成する。高耐圧のMISトランジスタのゲート絶縁膜10fの厚さは、例えば50〜100nmである。前記の熱酸化法による酸化膜の他に、CVD法などによって堆積した絶縁膜を積層させることもできる。
【0090】
また、不揮発性メモリのゲート絶縁膜10b、10eおよび容量絶縁膜10c、10dは、低耐圧部のMISトランジスタ(ここでは動作電圧が、例えば6.0VのMISトランジスタ)のゲート絶縁膜10gと同じ工程によって形成されており、不揮発性メモリのゲート絶縁膜10b、10eおよび容量絶縁膜10c、10dの厚さは、低耐圧部のMISトランジスタのゲート絶縁膜10gと同じ厚さで形成されている。
【0091】
次いで、導体膜20を図14および図15に示すように、リソグラフィ工程およびエッチング工程によりパターニングすることにより、ゲート電極FGH、FGL、FGSおよび浮遊電極FG(ゲート電極FGRおよび容量電極FGC1、FGC2)を同時に形成する。
【0092】
続いて、高耐圧部のpチャネル型のMISトランジスタ形成領域、容量素子Cの形成領域およびデータの書込み/消去用素子CWEの形成領域に、p型の半導体領域21a、13a、15aをリソグラフィ工程およびイオン注入法等により同時に形成する。続いて、高耐圧部のnチャネル型のMISトランジスタ形成領域、容量素子Cの形成領域、データの書込み/消去用素子CWEの形成領域に、データの読出し用素子QRの形成領域および選択用MISトランジスタQSの形成領域に、n型の半導体領域22a、12a、30a、31aをリソグラフィ工程およびイオン注入法等により同時に形成する。
【0093】
続いて、低耐圧部のpチャネル型のMISトランジスタ形成領域に、p型の半導体領域23aをリソグラフィ工程およびイオン注入法等により形成する。続いて、低耐圧部のnチャネル型のMISトランジスタ形成領域に、n型の半導体領域24aをリソグラフィ工程およびイオン注入法等により形成する。
【0094】
次いで、図16および図17に示すように、基板1S(半導体ウエハ)の主面上に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜をCVD法等により堆積した後、それを異方性のドライエッチングによりエッチバックすることにより、ゲート電極FGH、FGL、FGR、FGSおよび容量電極FGC1、FGC2の側面にサイドウォールSWを形成する。
【0095】
続いて、高耐圧部および低耐圧部のpチャネル型のMISトランジスタ形成領域と、容量部および電荷注入放出部形成領域と、p型のウエルHPW3の引き出し領域とに、p型の半導体領域21b、23b、13b、15b、4aをリソグラフィ工程およびイオン注入法等により同時に形成する。これにより、高耐圧部に、ソースおよびドレイン用のp型の半導体領域21を形成し、pチャネル型のMISトランジスタQPHを形成する。また、低耐圧部に、ソースおよびドレイン用のp型の半導体領域23を形成し、pチャネル型のMISトランジスタQPLを形成する。また、容量部形成領域に、p型の半導体領域13を形成する。また、電荷注入放出部形成領域に、p型の半導体領域15を形成する。
【0096】
続いて、高耐圧部、低耐圧部、容量部、電荷注入放出部、読出し部および選択部のnチャネル型のMISトランジスタ形成領域に、n型の半導体領域22b、24b、31b、30b、12bをリソグラフィ工程およびイオン注入法等により同時に形成する。これにより、高耐圧部に、ソースおよびドレイン用のn型の半導体領域22を形成し、nチャネル型のMISトランジスタQNHを形成する。また、低耐圧部に、ソースおよびドレイン用のn型の半導体領域24を形成し、nチャネル型のMISトランジスタQNLを形成する。また、容量部形成領域に、n型の半導体領域31を形成し、容量素子Cを形成する。また、電荷注入放出部形成領域に、n型の半導体領域30を形成し、データの書込み/消去用素子CWEを形成する。また、読出し部および選択部に、n型の半導体領域12を形成し、データの読出し用素子QRおよび選択用MISトランジスタQSを形成する。
【0097】
次いで、図18および図19に示すように、シリサイド層5aを選択的に形成する。このシリサイド層5aの形成工程に先立って、メモリセルMCの領域においては、浮遊電極FG(容量電極FGC1、FGC2、ゲート電極FGR)の上面に絶縁膜28を形成することで、その部分にシリサイド層5aが形成されないようにする。すなわち、高耐圧部、低耐圧部およびメモリセルMCの選択部のMISトランジスタのゲート電極(FGH、FGL、FGS)上にはシリサイド層5aが形成されており、メモリセルMCの容量部、電荷注入放出部および読出し部の浮遊ゲート電極(FGC1、FGC2、FGR)上にはシリサイド層5aが形成されないように構成されている。なお、絶縁膜28は、例えば、酸化シリコン膜によって形成されている。
【0098】
このような絶縁膜28を形成する理由を以下に述べる。メモリ素子の浮遊電極FGは自己整合性のコンタクトを形成するために窒化シリコン膜(図4の絶縁膜6a)で覆われている。この膜はプロセスの低温化のため、プラズマCVDで生成される。本来窒化シリコン膜は導電性を持たないが、膜生成時のガス流量比や、プラズマの立ち上がり具合によっては、僅かに伝導性を有することがある。そのような場合、浮遊電極FGに蓄えられた電荷はこの窒化シリコン膜(図4の絶縁膜6a)を伝わって基板1Sに流出する。このためメモリのデータ保持が出来ない不具合を起こすことがある。上記の問題を解決すべく、浮遊電極FGと窒化シリコン膜(図4の絶縁膜6a)の間に、絶縁膜28、例えば、酸化シリコン膜を挟む構造としており、浮遊電極FGから窒化シリコン膜(図4の絶縁膜6a)への電荷の移動を防止している。
【0099】
また、この絶縁膜28は各浮遊電極FGのサイドウォールSW端部から、ゲート長方向に延在するように形成されている。これにより、メモリセルMCのシリサイド層5aは絶縁膜28に対して自己整合的に形成されることになる。
【0100】
このように絶縁膜28を形成している理由を、メモリセルMCの容量部を例にして説明する。絶縁膜28を形成せずに、シリサイド層5aをサイドウォールSWに対して自己整合的に形成した場合、シリサイド層5aの端部がn型の半導体領域13bと基板1Sとの接合面に近づいてしまう。
【0101】
さらに、n型の半導体領域13aは接合深さが非常に浅い領域であるので、シリサイド層5aがn型の半導体領域13aを超えて基板1Sに達してしまう場合もある。すなわち、絶縁膜28が形成されていない場合には、n型の半導体領域13bの上面に形成されたシリサイド層5aの端部から、n型の半導体領域13aの下の基板1Sに向かってリーク電流が流れ易い構成となってしまう。従って、本実施の形態のメモリセルでは、絶縁膜28を形成し、シリサイド層5aをn型の半導体領域13bから離した構造としているので、リーク電流が流れにくい構造とすることができる。
【0102】
また、図示はしないが、絶縁膜28は、基板1Sの他の領域に形成される抵抗素子等にも用いられている。絶縁膜28によって、半導体基板や多結晶シリコン膜上に、選択的にシリサイド層5aを形成することができる。これにより、抵抗素子で所望の抵抗値を得ることができる。
【0103】
以上のように、メモリセルMCにおいて、絶縁膜28は上記の効果を同時に達成するものである。
【0104】
続いて、図20および図21に示すように、基板1S(半導体ウエハ)の主面上に、例えば窒化シリコンからなる絶縁層6aをCVD法等により堆積した後、その上に、例えば酸化シリコンからなる絶縁層6bを絶縁層6aよりも厚くCVD法等により堆積し、さらに絶縁層6bに化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)処理を施し絶縁層6bの上面を平坦化する。その後、絶縁層6にコンタクトホールCTをリソグラフィ工程およびエッチング工程により形成する。その後、基板1S(半導体ウエハ)の主面上に、例えばタングステン(W)等からなる導体膜をCVD法等により堆積した後、それをCMP法等により研磨することでコンタクトホールCT内に導体部7a、7c〜7kを形成する。これ以降は通常の配線形成工程、検査工程および組立工程を経て半導体装置を製造する。
【0105】
本実施の形態1によれば、LCDドライバ回路用のMISトランジスタQPH、QNH、QPL、QNLの構成部と、メモリセルMCの容量素子C、書込み/消去用素子CWEおよび読出し用素子QR、選択用MISトランジスタQSの構成部とを同時に形成することができるので、半導体装置の製造工程を簡略化することができる。これにより、半導体装置の製造時間を短縮できる。また、半導体装置のコストを低減できる。
【0106】
また、半導体装置の外部単一電源電圧(例えば3.3V)をLCDドライバ回路用の負電圧昇圧回路(内部昇圧回路)により、メモリセルMCのデータ書き込み時に使用する電圧(例えば−9V)に変換できる。また、外部単一電源電圧(例えば3.3V)をLCDドライバ回路用の正電圧昇圧回路(内部昇圧回路)により、メモリセルMCのデータ消去時に使用する電圧(例えば9V)に変換できる。すなわち、不揮発性メモリ用に新たに内部昇圧回路を設ける必要がない。このため、半導体装置の内部の回路規模を小さく抑えることができるので、半導体装置の小型化を推進できる。
【0107】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の半導体装置は、前記実施の形態1と同様に、同一の半導体チップ(半導体基板)に配置された主回路領域および不揮発性メモリ領域のそれぞれに、主回路およびその主回路に関する比較的小容量の所望のデータ(情報)を記憶する不揮発性メモリが形成されているものである。図22は、本実施の形態2における基板1Sの不揮発性メモリ領域AMに配置された不揮発性メモリの平面図であり、12ビットの場合が示されている。本実施の形態2における不揮発性メモリ(図22参照)は、前記実施の形態1で示した不揮発性メモリ(図1〜図3参照)とは、平面レイアウトが相違する。
【0108】
図22に示すように、本実施の形態2の不揮発性メモリは、基板1Sの主面に形成されたデータの書込み/消去用素子CWE、データの読出し用素子QR、および容量素子Cから構成される複数のメモリセルMC(図22では、12個)を備えている。なお、これらメモリセルMCは、マトリクス状に配置されたビット線(図中、第1方向Yに配置される)およびワード線(図中、第2方向Xに配置される)の交差する位置に配列されることとなる。
【0109】
基板1Sの主面に形成された複数のメモリセルMCには、隣り合って配置されたメモリセルMC1およびメモリセルMC2が含まれている。また、基板1Sの主面には、互いに電気的に分離された活性領域L1〜L5が配置されている。
【0110】
この活性領域L1〜L4において、メモリセルMC1の容量素子Cが活性領域L1に形成されており、メモリセルMC1の書込み/消去用素子CWEおよびメモリセルMC2の書込み/消去用素子CWEが共に活性領域L2に形成されており、メモリセルMC1の読出し用素子QRおよびメモリセルMC2の読出し用素子QRが共に活性領域L3に形成されており、メモリセルMC2の容量素子Cが活性領域L4に形成されている。
【0111】
このように、本実施の形態2の半導体装置においても、メモリセルMC1およびメモリセルMC2のそれぞれの書込み/消去用素子CWEが共通の活性領域L2に形成され、かつ、メモリセルMC1およびメモリセルMC2のそれぞれの読出し用素子QRが共通の活性領域L3に形成されるので、チップ面積を縮小することができる。
【0112】
また、本実施の形態2で示す平面レイアウトでは、前記実施の形態1の図1〜図3で示したようにメモリセルMCを構成しない容量素子C(容量電極FGC2)を配置しなくて済むので、容量電極FGC2の平面積を大きく確保できるので、カップリング比を高めることができる。これにより、ワード線(制御ゲート配線)からの電圧供給効率を向上させることができる。
【0113】
また、高耐圧部および低耐圧部のMISトランジスタの構成については、前述の実施の形態1と同様である。
【0114】
また、メモリセルMCの容量部、電荷注入放出部、読出し部および選択部の浮遊ゲート電極の断面構造についても、前述の実施の形態1と同様である。
【0115】
(実施の形態3)
前記実施の形態1では、選択したメモリセルMCsへ書込み動作を行う場合、制御ゲート配線CG(ワード線)に9Vの制御電圧を印加することによって容量素子CのウエルHPW1を9Vとし、かつ書込み/消去用のビット線WBL(データ線)に−9Vの負の電圧を印加することによって書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2を−9VとしてFNトンネル電流を発生させて行う。
【0116】
図23は、ワード線(制御ゲート配線CG)とデータ線(ビット線WBL)の交差する位置に配列された複数のメモリセルMCをブロックとしてマトリクス状に配置したメモリアレイのレイアウト図であり、書込み動作を行う場合の各部への電圧印加の一例および各メモリセルの状態を示している。ここで、各メモリセルMCの状態としては、選択された状態(メモリセルMCs)、ワードディスターブの状態(メモリセルMCw)、データディスターブの状態(メモリセルMCd)、およびそれ以外の選択されていない状態がある。また、図24〜図26は、図23で示した各部への電圧印加したときの状態を示すメモリセルMCの断面を簡略化して示した断面図であり、それぞれ選択された状態、データディスターブの状態、およびワードディスターブの状態を示す。この図24〜図26のメモリセルMCは、前記実施の形態1で示した図4のメモリセルMCを簡略したものである。また、図27は、図23で示した各部への電圧印加したときの書込み時間に対するメモリセルMCのしきい値の特性を示す説明図である。
【0117】
図27に示すように、メモリセル単体でみた場合、その選択されたメモリセルMCsへの書込みによって所定のしきい値で正常動作が行われることになるが、メモリアレイとしてみた場合、選択されていない(書込みされるべきでない)メモリセルMCで電子が注入されることにより、メモリセルMCのしきい値が上昇してしまうディスターブが生じてしまう場合がある。このディスターブには、図23に示したように、ビット線WBL(データ線)からの電位が影響を及ぼすデータディスターブと、制御ゲート配線CG(ワード線)からの電位が影響を及ぼすワードディスターブとがある。
【0118】
図23に示すように、選択したメモリセルMCsへ書込み動作を行うために、ワード線(制御ゲート配線CG)に9Vの制御電圧を印加し、かつデータ線(ビット線WBL)に−9Vの負の電圧を印加する。選択された状態のメモリセルMCs(図24参照)では、制御ゲート配線CGから容量素子CのHPW1に9Vの制御電圧が印加され、またビット線WBLから書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に−9Vの負の電圧が印加されて、その電位差17Vで容量絶縁膜10dにFNトンネル電流を発生させて書込みを行うものとしている。なお、書込み/消去用素子CWEの容量電極FGC1(浮遊電極FG)の電位は、電圧降下によって8V程度となる。
【0119】
これにより、書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2の電子を、チャネル全面のFNトンネル電流により容量絶縁膜10dを通じて容量電極FGC1(浮遊電極FG)に注入し、データが書き込まれる。
【0120】
しかしながら、メモリセルMCsの書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に−9Vの電圧を印加するためのビット線WBL(データ線)は、図23に示すように、メモリセルMCs以外のメモリセルMCdと接続しており、そのメモリセルMCdにはデータディスターブが現れてしまう。具体的には、データディスターブを示す状態のメモリセルMCd(図25参照)では、制御ゲート配線CGから容量素子CのHPW1に0Vの制御電圧が印加され、またビット線WBLから書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に−9Vの負の電圧が印加されて、その電位差9V程度が容量絶縁膜10dに印加されるため、しきい値が上昇してしまう(図27参照)。
【0121】
また、メモリセルMCsの容量素子CのHPW1に9Vの電圧を印加するための制御ゲート配線CG(ワード線)は、図23に示すように、メモリセルMCs以外のメモリセルMCwと接続しており、そのメモリセルMCwにはワードディスターブが現れてしまう。具体的には、ワードディスターブを示す状態のメモリセルMCw(図26参照)では、制御ゲート配線CGから容量素子CのHPW1に9Vの制御電圧が印加され、またビット線WBLから書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に0Vの電圧が印加されて、その電位差8V程度が容量絶縁膜10dに印加されるため、しきい値が上昇してしまう(図27参照)。なお、書込み/消去用素子CWEの容量電極FGC1(浮遊電極FG)の電位は、電圧降下によって8V程度となる。
【0122】
このように、選択されたメモリセルMCsへの書込みによって書込みされるべきでないメモリセルMCでディスターブが生じてしまう。メモリセルMCはFNトンネル電流を利用するため、半選択時の片側9Vのみでも、しきい値変動が起こり易い。このディスターブを減少しなければ、誤書き込みが発生してしまう。
【0123】
特に、図27に示したように、データディスターブのメモリセルは、ワードディスターブのメモリセルと比較して、しきい値が上昇してしまう。このことは、制御ゲート配線CGに9Vの制御電圧を印加し、かつ書込み/消去用のビット線WBLに−9Vの負の電圧を印加して行う書込みの場合、ワードディスターブでは容量絶縁膜10dへ印加される電位差が8V程度であるのに対し、データディスターブではその電位差が9V程度であるからと考えられる。
【0124】
そこで、以下に、データの書込み時における各部への印加電圧を調整することによって、メモリアレイでのディスターブを減少することのできる技術について説明する。図28は、ワード線(制御ゲート配線CG)とデータ線(書込み用のビット線WBL)の交差する位置に配列された複数のメモリセルMCをブロックとしてマトリクス状に配置したメモリアレイのレイアウト図であるが、図23で示した各部への電圧印加とは異なる電圧を印加する場合が示されている。また、図29は、図28で示した各部への電圧印加したときのデータディスターブの状態を示すメモリセルMCの断面図であり、図4のメモリセルMCを簡略したものである。また、図30は、図28で示した各部への電圧印加したときの書込み時間に対するメモリセルMCのしきい値の特性を示す説明図である。
【0125】
図28に示すように、選択したメモリセルMCsへ書込み動作を行うために、ワード線(選択ワード線)に9Vの正の電圧を印加し、かつデータ線(選択データ線)に−9Vの負の電圧を印加すると、前述したように、選択されたメモリセルMCsではトンネル電流が発生し、データの書込みが行われる。さらに、非選択のワード線に−3Vの電圧(カウンタ電圧)を印加している。
【0126】
このため、図29に示すように、メモリセルMCdでは、制御ゲート配線CGから容量素子CのHPW1に−3Vの電圧が印加され、またビット線WBLから書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に−9Vの負の電圧が印加されて、その電位差6V程度が容量絶縁膜10dに印加される。この電位差(6V程度)は、図25で示した電圧印加による電位差(9V程度)と比較して低い。
【0127】
したがって、容量絶縁膜10dに印加される電位差が低くなり、データディスターブを軽減することができ、図30に示すように、しきい値変動を低減することができる。また、書込みのディスターブの影響を考慮しなくても良くなるため、複雑なコントロール回路が不要になり、また半導体装置の信頼性や半導体チップの面積縮小に有効となる。
【0128】
さらに、ワードディスターブを軽減するために、メモリセルMCsを選択するデータ線(選択データ線)以外のデータ線(非選択データ線)に3Vの正の電圧を印加しても良い。すなわち、図26で示した各部の電圧印加において、ビット線WBL(非選択データ線)に0Vに変えて3Vの正の電圧を印加する。これにより、制御ゲート配線CGから容量素子CのHPW1に9Vの制御電圧が印加され、またビット線WBLから書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に3Vの電圧が印加されて、その電位差5V程度が容量絶縁膜10dに印加されることとなる。この電位差(5V程度)は、図26で示した電圧印加による電位差(8V程度)と比較して低い。
【0129】
したがって、容量絶縁膜10dに印加される電位差が低くなり、ワードディスターブを軽減することができ、しきい値変動を低減することができる。
【0130】
次に、前記実施の形態1では、選択したメモリセルMCsへ消去動作を行う場合、制御ゲート配線CG(ワード線)に−9Vの負の電圧を印加することによって容量素子CのウエルHPW1を−9Vとし、かつ書込み/消去用のビット線WBL(データ線)に9Vの正の電圧を印加することによって書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2を9VとしてFNトンネル電流を発生させて消去を行う。
【0131】
図31は、ワード線(制御ゲート配線CG)とデータ線(ビット線WBL)の交差する位置に配列された複数のメモリセルMCをブロックとしてマトリクス状に配置したメモリアレイのレイアウト図であり、消去動作を行う場合の各部への電圧印加の一例および各メモリセルの状態を示している。この消去動作時においても、各メモリセルMCの状態としては選択された状態(メモリセルMCs)、ワードディスターブの状態(メモリセルMCw)、データディスターブの状態(メモリセルMCd)、およびそれ以外の選択されていない状態がある。また、図32は、図31で示した各部への電圧印加したときの状態を示すメモリセルMCの断面を簡略化して示した断面図であり、データディスターブの状態(メモリセルMCd)を示す。この図32のメモリセルMCは、前記実施の形態1で示した図4のメモリセルMCを簡略したものである。また、図33は、図31で示した各部への電圧印加したときの消去時間に対するメモリセルMCのしきい値の特性を示す説明図である。
【0132】
図31に示すような各部への電圧印加により、図24で示した場合とは逆に、書き込まれたメモリセルの容量電極FGC1から電子を、チャネル全面のFNトンネル電流により容量絶縁膜10dを通じて書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2へ放出し、データが消去される。
【0133】
しかしながら、メモリセルMCsの書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に9Vの電圧を印加するためのデータ線は、図31に示すように、メモリセルMCs以外のメモリセルMCdと接続しており、そのメモリセルMCdにはデータディスターブが現れてしまう。具体的には、データディスターブを示す状態のメモリセルMCd(図32参照)では、制御ゲート配線CGから容量素子CのHPW1に0Vの制御電圧が印加され、またビット線WBLから書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に9Vの正の電圧が印加されて、その電位差9V程度が容量絶縁膜10dに印加されるため、しきい値が低下してしまう(図33参照)。
【0134】
このように、選択されたメモリセルMCsへの消去によって消去されるべきでないメモリセルMCdでしきい値が上昇するディスターブが生じる。メモリセルMCはFNトンネル電流を利用するため、半選択時の片側9Vのみでも、しきい値変動が起こり易い。このディスターブを減少しなければ、誤消去が発生してしまう。
【0135】
そこで、以下に、データの消去時における各部への印加電圧を調整することによって、メモリアレイでのディスターブを防止することのできる技術について説明する。図34は、ワード線(制御ゲート配線CG)とデータ線(書込み用のビット線WBL)の交差する位置に配列された複数のメモリセルMCをブロックとしてマトリクス状に配置したメモリアレイのレイアウト図であるが、図31で示した各部への電圧印加とは異なる電圧を印加する場合が示されている。また、図35は、図34で示した各部への電圧印加したときの状態を示すメモリセルMCの断面を簡略化して示した断面図であり、図4のメモリセルMCを簡略したものである。
【0136】
図34に示すように、選択したメモリセルMCsへ消去動作を行うために、ワード線(選択ワード線)に−9Vの負の電圧を印加し、かつデータ線(選択データ線)に9Vの正の電圧を印加すると、前述したように、選択されたメモリセルMCsではトンネル電流が発生し、データの消去が行われる。さらに、非選択のワード線に9Vの正の電圧(カウンタ電圧)を印加している。
【0137】
このため、図35に示すように、メモリセルMCdでは、制御ゲート配線CG(ワード線)から容量素子CのHPW1に9Vの正の電圧が印加され、またビット線WBL(データ線)から書込み/消去用素子CWEのウエルHPW2に9Vの正の電圧が印加されて、その電位差1V程度が容量絶縁膜10dに印加される。この電位差(1V程度)は、図32で示した電圧印加による電位差(9V程度)と比較して低い。このように、消去動作時において、メモリアレイ(マット)内で消去領域と非消去領域を分けることができる。この場合、消去したくないマットのワード線には9Vの電位を印加し、容量絶縁膜10dの電位差をほぼ0Vとし、データが消去されるのを防止することができる。
【0138】
したがって、容量絶縁膜10dに印加される電位差が低くなり、データディスターブを軽減することができ、図33に示すように、しきい値変動を低減することができる。また、消去マットとして、メモリアレイの領域内に確保できれば、製品情報と、製品出荷後の顧客による情報とを区別して、同一のメモリアレイ(マット)内に収めることができ、複数のメモリアレイ(マット)を用意する必要がなくなる。このため、半導体チップ全体の面積を縮小することができる。
【0139】
また、本実施の形態3の構成を、前述の実施の形態2に適用することも可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0140】
(実施の形態4)
前記実施の形態1で示したように不揮発性メモリ領域AM内で複数のメモリセルMCが配置されるにあたり、メモリセルMCを構成する容量素子C、書込み/消去用素子CWE、読出し用素子QRおよび選択用MISトランジスタQSは、基板1Sの主面に設けられている活性領域L1〜L4に形成されている。これら活性領域L1〜L4は、それぞれウエルHPW1、HPW2、HPW3内に設けられており、素子等の違いによって平面形状が異なっている(例えば図2参照)。このため、不揮発性メモリ領域AM内には、ウエルHP1、HPW2、HPW3が形成されていない空き領域が存在することとなる。
【0141】
そこで、本実施の形態4では、図36に示すように、不揮発性メモリ領域AMの前記空き領域、特に活性領域L1〜L4が形成されていない疎の領域に、活性領域L1〜L4とは電気的に分離された状態で、素子が形成されないダミーの活性領域(ダミー活性領域)LDを配置する。
【0142】
或いは、図37に示すように、活性領域L1〜L4とは電気的に分離する素子分離領域上に、素子を構成しないダミーのゲート電極(ダミーゲート)FGDを配置する。
【0143】
このようにダミー活性領域LDやダミーゲートFGDを活性領域L1〜L4が疎の領域に配置することによって、不揮発性メモリ領域AM内での平坦性を向上することができる。また、これらのダミー活性領域LDおよびダミー電極FGDを両方形成することで、さらに平坦性を向上させることができる。
【0144】
また、本実施の形態4の構成を、前述の実施の形態2または3に適用することも可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0145】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0146】
例えば、単層ポリシリコンゲートを使って構成される主回路と、不揮発性メモリとを有する半導体装置であれば、論理デバイス、アナログデバイスRFデバイスなどにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明は、半導体装置、特に、不揮発性メモリを備えた半導体装置の製造業に幅広く利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の実施の形態1における不揮発性メモリ領域に配置された不揮発性メモリ(24ビットの場合)の平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1における不揮発性メモリ領域に配置された不揮発性メモリ(8ビットの場合)の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における不揮発性メモリ領域に配置された不揮発性メモリ(2ビットの場合)の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1の半導体装置における不揮発性メモリセルの断面図である。
【図5】本発明者らが検討した不揮発性メモリ領域に配置された24ビットの不揮発性メモリの平面図である。
【図6】図2の不揮発性メモリにおけるデータ書込動作の説明図である。
【図7】図2の不揮発性メモリにおけるデータ一括消去動作の説明図である。
【図8】図2の不揮発性メモリにおけるビット単位消去動作の説明図である。
【図9】図2の不揮発性メモリにおける読出し動作の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程中の主回路領域の半導体基板の要部断面図である。
【図11】図10と同一工程時の不揮発性メモリ領域の半導体基板の要部断面図である。
【図12】図10および図11に続く半導体装置の製造工程中の主回路領域の半導体基板の要部断面図である。
【図13】図12と同一工程時の不揮発性メモリ領域の半導体基板の要部断面図である。
【図14】図12および図13に続く半導体装置の製造工程中の主回路領域の半導体基板の要部断面図である。
【図15】図14と同一工程時の不揮発性メモリ領域の半導体基板の要部断面図である。
【図16】図14および図15に続く半導体装置の製造工程中の主回路領域の半導体基板の要部断面図である。
【図17】図16と同一工程時の不揮発性メモリ領域の半導体基板の要部断面図である。
【図18】図16および図17に続く半導体装置の製造工程中の主回路領域の半導体基板の要部断面図である。
【図19】図18と同一工程時の不揮発性メモリ領域の半導体基板の要部断面図である。
【図20】図18および図19に続く半導体装置の製造工程中の主回路領域の半導体基板の要部断面図である。
【図21】図20と同一工程時の不揮発性メモリ領域の半導体基板の要部断面図である。
【図22】本発明の実施の形態2における不揮発性メモリ領域に配置された不揮発性メモリの平面図である。
【図23】本発明の実施の形態3におけるメモリアレイの書込動作の一例の説明図である。
【図24】図23の選択されたメモリセルの断面を簡略化して示した断面図である。
【図25】図23のデータディスターブが起こるメモリセルの断面を簡略化して示した断面図である。
【図26】図23のワードディスターブが起こるメモリセルの断面を簡略化して示した断面図である。
【図27】図23で示した各部への電圧印加したときの書込み時間に対するメモリセルのしきい値の特性を示す説明図である。
【図28】図23のメモリアレイにおける書込動作の他の一例の説明図である。
【図29】図28のデータディスターブが起こるメモリセルの断面を簡略化して示した断面図である。
【図30】図28で示した各部への電圧印加したときの書込み時間に対するメモリセルのしきい値の特性を示す説明図である。
【図31】本発明の実施の形態3におけるメモリアレイの消去動作の一例の説明図である。
【図32】図31のデータディスターブが起こるメモリセルの断面を簡略化して示した断面図である。
【図33】消去時間に対するメモリセルのしきい値の特性を示す説明図である。
【図34】図31のメモリアレイの消去動作の他の一例の説明図である。
【図35】図34のデータディスターブが起こるメモリセルの断面を簡略化して示した断面図である。
【図36】本発明の実施の形態4における不揮発性メモリ領域に配置された不揮発性メモリの一例の平面図である。
【図37】本発明の実施の形態4における不揮発性メモリ領域に配置された不揮発性メモリの他の一例の平面図である。
【符号の説明】
【0149】
1S 基板(半導体基板)
4a 半導体領域
5a シリサイド層
6、6a、6b 絶縁層
7a〜7k 導体部
8a 半導体領域
10b ゲート絶縁膜(第2絶縁膜)
10c 容量絶縁膜(第3絶縁膜)
10d 容量絶縁膜(第1絶縁膜)
10e、10f、10e ゲート絶縁膜
12、12a、12b 半導体領域
13、13a、13b 半導体領域
15、15a、15b 半導体領域
20 導体膜
21、21a、21b 半導体領域
22、22a、22b 半導体領域
24、24a、24b 半導体領域
28 絶縁膜
30、30a、30b 半導体領域
31、31a、31b 半導体領域
AM 不揮発性メモリ領域
C 容量素子
CG 制御ゲート配線(ワード線)
CGW 制御ゲート電極
CT コンタクトホール
CWE 書込み/消去用素子
DNW 埋込ウエル(第1ウエル)
DPW 埋込ウエル
FG 浮遊電極
FGC1 容量電極(第1電極)
FGC2 容量電極(第3電極)
FGD ダミーゲート
FGH、FGL ゲート電極
FGR ゲート電極(第2電極)
FGS ゲート電極
GS 選択線
HNW ウエル
HPW1 ウエル(第4ウエル)
HPW2 ウエル(第2ウエル)
HPW3 ウエル(第3ウエル)
L1 活性領域(第1活性領域)
L2 活性領域(第2活性領域)
L3 活性領域(第3活性領域)
L4 活性領域(第4活性領域)
L5、L6 活性領域
LD ダミー活性領域
MC メモリセル(不揮発性メモリセル)
MC1 メモリセル(第1不揮発性メモリセル)
MC2 メモリセル(第2不揮発性メモリセル)
NV 半導体領域
NW ウエル
PV 半導体領域
PW ウエル
QNH、QNL、QPH、QPL MISトランジスタ
QR 読出し用素子
QS 選択用MISトランジスタ
RBL ビット線
SL ソース線
SW サイドウォール
TI 分離部(素子分離領域)
WBL ビット線(書込み/消去用ビット線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面およびその反対の裏面を有する半導体基板と、
前記主面に、マトリクス状に配置されたワード線およびビット線の交差する位置に配列され、データの書込み/消去用素子、データの読出し用素子、および容量素子から構成される複数の不揮発性メモリセルとを備え、
前記複数の不揮発性メモリセルには、隣り合って配置された第1不揮発性メモリセルおよび第2不揮発性メモリセルが含まれており、
前記主面には、互いに電気的に分離された第1活性領域、第2活性領域、第3活性領域および第4活性領域が配置されており、
前記第1不揮発性メモリセルの前記容量素子が、前記第1活性領域に形成されており、
前記第1不揮発性メモリセルの前記書込み/消去用素子、および前記第2不揮発性メモリセルの前記書込み/消去用素子が共に、前記第2活性領域に形成されており、
前記第1不揮発性メモリセルの前記読出し用素子、および前記第2不揮発性メモリセルの前記読出し用素子が共に、前記第3活性領域に形成されており、
前記第2不揮発性メモリセルの前記容量素子が、前記第4活性領域に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記主面に形成された第1導電型の第1ウエルと、
前記第2活性領域が配置され、前記第1ウエルに内包されるように形成された前記第1導電型とは反対の導電型を有する第2導電型の第2ウエルと、
前記第3活性領域が配置され、前記第2ウエルとは電気的に分離された状態で、前記第1ウエルに内包されるように配置された前記第2導電型の第3ウエルと、
前記第1活性領域または前記第4活性領域が配置され、前記第2ウエルおよび前記第3ウエルとは電気的に分離された状態で、前記第1ウエルに内包されるように形成された前記第2導電型の第4ウエルと、
前記第2ウエル、前記第3ウエルおよび前記第4ウエルに平面的に重なるように第1方向に延在して配置された浮遊電極とを備え、
前記書込み/消去用素子は、前記浮遊電極が前記第2ウエルに平面的に重なる位置に形成される第1電極と、前記第1電極および前記半導体基板の間に形成される第1絶縁膜と、前記第2ウエル内において前記第1電極を挟み込む位置に形成される一対の半導体領域とを有し、
前記読出し用素子は、前記浮遊電極が前記第3ウエルに平面的に重なる位置に形成される第2電極と、前記第2電極および前記半導体基板の間に形成される第2絶縁膜と、前記第3ウエル内において前記第2電極を挟み込む位置に形成される一対の半導体領域とを有し、
前記容量素子は、前記浮遊電極が前記第4ウエルに平面的に重なる位置に形成される第3電極と、前記第3電極および前記半導体基板の間に形成される第3絶縁膜と、前記第4ウエル内において前記第3電極を挟み込む位置に形成される一対の半導体領域とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ビット線に平面的に交差するように前記第1活性領域、前記第2活性領域、前記第3活性領域および前記第4活性領域が順に配置されており、
前記第1不揮発性メモリセルでは、前記容量素子と前記書込み/消去用素子との間に前記読出し用素子が配置されており、
前記第2不揮発性メモリセルでは、前記容量素子と前記読出し用素子との間に前記書込み/消去用素子が配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置において、
前記ビット線には、データの書込み・消去用の第1書込み/消去用ビット線および第2書込み/消去用ビット線が含まれており、
前記第1書込み/消去用ビット線および前記第2書込み/消去用ビット線に平面的に交差するように前記第2活性領域が繰り返して配置されており、
前記ビット線と前記複数の不揮発性メモリセルとの接続は、
前記第1書込み/消去用ビット線が、隣り合う前記第2活性領域の一方と電気的に接続されており、
前記第2書込み/消去用ビット線が、前記隣り合う前記第2活性領域の他方と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項2記載の半導体装置において、
前記不揮発性メモリセルを選択可能とする選択用MISトランジスタを備え、
前記選択用MISトランジスタのゲート電極は、前記浮遊電極とは電気的に分離しており、
前記浮遊電極は、前記第3電極の前記第1方向に交差する第2方向の長さが、前記第1電極および前記第2電極の前記第2方向の長さよりも長く、前記第3電極の一端側から前記第1電極および前記第2電極へ延在しており、
前記第3電極の他端側に前記第3活性領域に平面的に重なるように前記選択用MISトランジスタの前記ゲート電極が配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項2記載の半導体装置において、
前記書込み/消去用素子でのデータの書換えは、FNトンネル電流により行うことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項2記載の半導体装置において、
前記第1活性領域、前記第2活性領域、前記第3活性領域および前記第4活性領域が疎の領域であって、前記第1活性領域、前記第2活性領域、前記第3活性領域および前記第4活性領域とは電気的に分離された状態で、前記主面に、素子が形成されないダミー活性領域が配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項2記載の半導体装置において、
前記第1活性領域、前記第2活性領域、前記第3活性領域および前記第4活性領域が疎の領域であって、前記第1活性領域、前記第2活性領域、前記第3活性領域および前記第4活性領域とは電気的に分離する素子分離領域上に、素子を構成しないダミーゲート電極が配置されていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2009−81181(P2009−81181A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247609(P2007−247609)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】