誘電体膜の形成方法、及びこれを用いる半導体素子のキャパシタの形成方法
【課題】誘電特性及び漏れ電流特性を向上させることのできる半導体素子の誘電体膜の形成方法及びキャパシタの形成方法を提供する。
【解決手段】誘電体膜は、原子層堆積法により、ウェーハ上に酸化ジルコニウム(ZrO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)で構成された誘電体膜を形成する方法であって、チャンバー内に、1つのZrと1つのAl原子とが1つの分子を構成しているソースガスを注入し、ウェーハ上に、ZrO2とAl2O3とからなる[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数である)膜を形成するステップを繰り返すことにより、ZrO2とAl2O3とで構成された厚さ30Å〜500Åの誘電体膜を形成する。
【解決手段】誘電体膜は、原子層堆積法により、ウェーハ上に酸化ジルコニウム(ZrO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)で構成された誘電体膜を形成する方法であって、チャンバー内に、1つのZrと1つのAl原子とが1つの分子を構成しているソースガスを注入し、ウェーハ上に、ZrO2とAl2O3とからなる[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数である)膜を形成するステップを繰り返すことにより、ZrO2とAl2O3とで構成された厚さ30Å〜500Åの誘電体膜を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の誘電体膜の形成方法、及びこれを用いるキャパシタの形成方法に関し、更に詳しくは、原子層堆積(ALD)法を用いる半導体素子の誘電体膜の形成方法、及びこれを用いるキャパシタの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のデザインルールが小さくなるにつれ、セル面積が減少し、キャパシタのストレージノードの縦横比が非常に大きくなった。このため、単位セル当りに要求される誘電容量の確保が難しくなった。
【0003】
従来は、誘電容量を確保するために酸化物/窒化物/酸化物(ONO)膜構造で誘電体膜を形成していた。しかし、近年は、より大きな誘電容量を確保するために、誘電率の高いアルミニウム酸化物(Al2O3)の膜(ε=9)、ハフニウム酸化物(HfO2)の膜(ε=25)、又は、これらを積層したHfO2/Al2O3積層膜を用いて誘電体膜を形成する研究が活発に行われている。そして、このような誘電体膜は、大きい縦横比に対応するために、これまでの化学気相蒸着法に代り、原子層堆積法(ALD)で形成されている。
【0004】
しかし、HfO2/Al2O3膜の積層構造により形成された誘電体膜に関しては、誘電体膜全体の誘電特性及び漏れ電流特性が、各材料に対する比誘電率ε及びバンドギャップエネルギーEgに依存する。すなわち、これまでのHfO2/Al2O3膜の積層構造により形成された誘電体膜は、下記のように、各膜の特性の組み合わせによる電気的特性を示す。
【0005】
通常、Al2O3膜の誘電率εは9であり、バンドギャップエネルギーEgは9eVである。一方、HfO2の誘電率εは25であり、バンドギャップエネルギーEgは5.6eVであることが知られている。すなわち、誘電体膜全体の誘電特性は、HfO2膜の影響を受け、漏れ電流特性は、Al2O3膜のバンドギャップエネルギーEgの影響を受ける。これに対し、誘電体膜全体の漏れ電流特性は、HfO2膜の相対的に低いバンドギャップエネルギーEgによって低下し、Al2O3膜の低い誘電率によって低下する。したがって、誘電体膜をDRAM素子などのキャパシタに適用する場合、誘電体膜の厚さの低減が非常に困難になる。
【0006】
しかし、Al2O3膜は、誘電体膜を共に形成するHfO2膜の結晶化温度を下げる機能があり、このような機能を介して誘電体膜の漏れ電流が低減される。したがって、誘電体膜の特性の向上のためには、Al2O3膜と共に誘電体膜を形成する酸化物の誘電率及びバンドギャップエネルギーを調節しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、誘電特性及び漏れ電流特性を向上させることのできる半導体素子の誘電体膜の形成方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の別の目的は、誘電体膜の形成方法を用いる半導体素子のキャパシタの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によれば、原子層堆積法により、ウェーハ上に酸化ジルコニウム(ZrO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)で構成された誘電体膜を形成する方法であって、チャンバー内に、1つのZrと1つのAl原子とが1つの分子を構成するソースガスを注入し、前記ウェーハ上に、ZrO2とAl2O3とからなる[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)膜を形成するステップを繰り返すことにより、前記ZrO2とAl2O3とで構成された厚さ30Å〜500Åの前記誘電体膜を形成することを特徴とする誘電体膜の形成方法が提供される。
【0010】
本発明の別の側面によれば、コンタクトプラグが形成された半導体基板を提供するステップと、前記コンタクトプラグを含む構造全体の上に前記コンタクトプラグが露出するパターン絶縁膜を形成するステップと、該パターン絶縁膜を含む構造全体の上の段差に沿って下部電極を形成するステップと、該下部電極上に請求項1〜4のうちのいずれか1つに請求された方法を用いて誘電体膜を形成するステップと、該誘電体膜上に上部電極を形成するステップとを含むキャパシタの形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ZrO2とAl2O3とが均等に混合された[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)膜を用いて誘電体膜を形成することによって、半導体素子に用いられるキャパシタの誘電特性及び漏れ電流特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、図1に示す酸化ジルコニウム(ZrO2)膜の形成工程を示す図である。
【図3】図3は、図1に示す酸化アルミニウム(Al2O3)膜の形成工程を示す図である。
【図4A】図4Aは、図1に示した方法によって形成された誘電体膜を示す図である。
【図4B】図4Bは、図1に示した方法によって形成された誘電体膜を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態に係る誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第3実施形態に係る誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6に示す[ZrO2]x[Al2O3]y膜の形成工程を示す図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施形態に係るキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の好ましい実施形態に係るキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の好ましい実施形態に係るキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の上記及び別の目的及び特徴は、以下に示す、添付図面を参照する実施の形態の説明から明らかになるであろう。
【0014】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法を示すフローチャートであり、図2は、ZrO2膜の形成工程の順序を説明するために示す図であり、図3は、Al2O3膜の形成工程の順序を説明するために示す図である。
【0015】
図1〜図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法は、原子層堆積(ALD)法を用い、まずZrO2膜を形成した後、Al2O3膜を形成する工程を含む。
【0016】
まず、ZrO2膜の形成工程は、次のとおりである。Zr(O−tBu)4、Zr[N(CH3)2]4、Zr[N(C2H5)(CH3)]4、Zr[N(C2H5)2]4、Zr(TMHD)4、Zr(OiC3H7)3(TMTD)及びZr(OtBu)4からなる群の中から選択されるいずれか1つのソースガスを、200℃〜350℃の範囲で保持するALD装置のチャンバー内に注入してウェーハ(図示せず)上にジルコニウム(Zr)を吸着させる(ステップS10)。次に、チャンバー内に窒素(N2)ガスを注入して、吸着されずにチャンバー内に残留するZrソースガスをチャンバーの外へとパージする(ステップS11)。次に、チャンバー内にO3を注入して、ウェーハ上に吸着されたZrを酸化させてZrO2膜を形成する(ステップS12)。次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、反応しなかったO3をパージする(ステップS13)。このようなステップS10〜ステップS13は、1周期Tzrとして実行され、ZrO2膜の厚さT1が約10Åになるまで1周期Tzrを繰り返し行う。このとき、ZrO2膜の厚さT1を約10Åに制限する理由は、図4Aに示すようにZrO2膜をウェーハW上に非連続的に形成するためである。1周期Tzrの間、ZrO2膜の厚さT1は約1Å未満になる。したがって、1周期Tzrを10回繰り返し行なうと、ZrO2膜を約10Åに近い厚さに形成することができる。
【0017】
続いて、Al2O3膜の形成工程を行う。Al2O3膜の形成工程は、次のとおりである。Al(CH3)3ソースガスをチャンバー内に注入して、インサイチューでウェーハ上にAlを吸着させる(ステップS15)。次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、吸着されずにチャンバー内に残留するAlソースガスをチャンバーの外へとパージする(ステップS16)。次に、チャンバー内にO3を注入して、ZrO2膜の形成されていないウェーハ上にAl2O3膜を形成する(ステップS17)。上記したようにZrO2膜の厚さを約10Å未満(約1Å〜10Åの範囲)に制御する場合、図4Bに示すように、ウェーハW上に非連続的にZrO2膜が形成される。したがって、ZrO2膜が形成されていない部位、すなわち、ZrO2膜1の間にAl2O3膜2が形成される。次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、反応しなかったO3をパージする(ステップS18)。このようなステップS15〜ステップS18は、1周期TAlとして実行され、Al2O3膜の厚さT2が約10Å未満になるまで、1周期TAlを繰り返し行う。1周期TAlの間、Al2O3膜の厚さT2は約1Å未満になる。したがって、1周期TAlを10回繰り返し行えば、Al2O3膜を約10Åに近い厚さに形成することができる。
【0018】
続いて、ZrO2膜とAl2O3膜との混合膜の厚さTfinalが、目標値の厚さTgoalよりも小さい場合、ZrO2膜の形成周期Tzr及びAl2O3膜の形成周期TAlをそれぞれ1回行う(ステップS21及びS22)。ステップS21及びステップS22は、混合膜の厚さTfinalが目標値の厚さTgoalと等しくなるまで繰り返し行う。このとき、前記ZrO2とAl2O3との混合膜の厚さTfinalは、約30Å〜500Åの範囲に形成することが好ましい。
【0019】
上記工程を介して誘電体膜は、[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)に形成される。
【0020】
第2実施形態
図5は、本発明の第2実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【0021】
図5に示すように、本発明の第2実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法は、第1実施形態のようにALD法を用いる。しかし、第2実施形態では、まずZrO2膜を形成するのではなく、まずAl2O3膜を非連続的にウェーハ上に形成し、その次にZrO2膜を形成する。このような違いの他は、第2実施形態は、第1実施形態と実質的に同じ工程で行われるため、ここでは、説明の便宜上、これについての具体的な説明は省略する。
【0022】
第3実施形態
図6は、本発明の第3実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法を示すフローチャートであり、図7は、[ZrO2]x[Al2O3]y膜を同時に形成する形成工程を示す図である。
【0023】
図6及び図7に示すように、本発明の第3実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法は、ALD法を用いて[ZrO2]x[Al2O3]y膜を同時に形成する。
【0024】
まず、ZrAl(MMP)2(OiPr)5などのように、ZrとAlとが1つの分子を構成しているソースガスを、約200℃〜350℃の範囲に保持するALD装置のチャンバー内に注入してウェーハ(図示せず)上にZrとAlとを吸着させる(ステップS210)。次に、チャンバー内にN2ガスを注入し、吸着されずにチャンバー内に残留するソースガスをチャンバーの外へとパージする(ステップS211)。次に、チャンバー内にO3を注入して、ウェーハ上に吸着されたZr及びAlを酸化させ、[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成する(ステップS212)。このとき、x及びyの合計が約10未満になるように形成することが好ましい。
【0025】
次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、反応しなかったO3をパージする(ステップS213)。このようなステップS210〜ステップS213は、1周期Tzr/Alとして実行され、[ZrO2]x[Al2O3]y膜の厚さT3が目標値の厚さTgoalよりも小さい場合、1周期Tzr/Al(S210〜S213)を、[ZrO2]x[Al2O3]y膜の厚さT3が目標値の厚さTgoalと等しくなるまで繰り返し行う。このとき、[ZrO2]x[Al2O3]y膜の厚さT3は、約30Å〜500Åの範囲に形成することが好ましい。
【0026】
一方、上述の本発明の第1実施形態〜第3実施形態では、酸化工程のためにO3を用いているが、これは一例であり、O3の代わりにH2O又は酸素プラズマを用いることもできる。また、本発明の第1実施形態〜第3実施形態では、パージ工程を、N2ガスを用いて行っているが、これも一例であって、真空ポンプやアルゴン(Ar)ガスを用いて行うこともできる。
【0027】
なお、下記の表1及び表2は、HfO2とZrO2との特性を互いに比較する比較表である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
上記表1に示すように、ZrO2は、HfO2と誘電率が類似しているが、バンドギャップエネルギーは、HfO2よりも相対的に大きい。すなわち、Al2O3−ZrO2を積層又は混合して用いることによって、薄膜全体のバンドギャップエネルギーを増加させて、誘電膜の漏れ電流特性を向上させる。これによって誘電体膜の厚さを低減させやすくなる。また、HfO2の代りにZrO2を適用する場合、商業的に使用することのできるZrソースがHfソースに比べて飽和蒸気圧及び分子量が非常に小さいため、取り扱いが非常に容易という長所があり、量産工程への適用が更に有利である。
【0031】
以下では、本発明の第1実施形態〜第3実施形態の誘電体膜の形成方法を用いるキャパシタの形成方法を、図8〜図10を参照して説明する。図8〜図10は、凹面構造を有するDRAM素子のキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【0032】
図8に示すように、ストレージノードコンタクトプラグ18を備える下地層が形成された半導体基板10を提供する。ここで、下地層10は、導電層12、第1層間絶縁膜〜第3層間絶縁膜11,13,17、ビットライン14、ハードマスク15、及びスペーサ16を更に備える。このとき、導電層12は、ポリシリコン膜で形成し、第1層間絶縁膜〜第3層間絶縁膜11,13,17は、酸化物質を用いて形成する。また、ビットライン14は、ポリシリコン(又は、窒化チタニウム(TiN))とタングステン(又は、タングステンシリサイド)とで形成し、ハードマスク15は、窒化物質で形成する。
【0033】
続いて、ストレージノードコンタクトプラグ18を備える構造全体の上に、ストレージノードコンタクトプラグ18上が露出するようにストレージノードパターン用絶縁膜19を形成する。このとき、絶縁膜19を、酸化物質又はポリシリコンで形成する。
【0034】
続いて、絶縁膜19を備える構造全体の上の段差に沿ってストレージノード20を形成する。このとき、ストレージノード20は、キャパシタの下部電極であって、リン(P)及び砒素(As)などのような不純物がドーピングされたポリシリコン、TiN、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO2)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)及び酸化イリジウム(IrO2)からなる群の中から選択されるいずれか1つで形成する。
【0035】
続いて、図9に示すように、ストレージノード20上に誘電体膜21を形成する。このとき、誘電体膜21は、本発明の第1実施形態〜第3実施形態のうちのいずれか1つの実施形態を介して、ZrO2及びAl2O3が均等に混合された[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)で形成する。参考に、x及びyの合計が約10を越えないようにすることが好ましい。
【0036】
続いて、誘電体膜21に対して熱処理工程を行う。ここで、熱処理工程は、炉法、急速温度処理(RTP)法又は急速温度アニール(RTA)法で行われる。このとき、熱処理工程は、Ar、N2又は酸素(O2)が微量含まれた雰囲気で、約450℃〜850℃の温度の範囲内で実施される。
【0037】
続いて、図10に示すように、誘電体膜21の上部を含む構造全体の上にキャパシタの上部電極22を形成する。このとき、上部電極22は、ストレージノード20と同じ物質で形成する。例えば、P及びAsなどのような不純物がドーピングされたポリシリコン、TiN、Ru、RuO2、Pt、Ir及びIrO2からなる群の中から選択されるいずれか1つで形成する。
【0038】
上述の本発明の実施形態は、凹面構造を有するキャパシタに適用した実施形態についてのみ説明されているが、これは一例であり、凹面構造の他にフラット構造、シリンダー構造のキャパシタへの適用も可能である。また、無線周波数(RF)素子のキャパシタの誘電体膜として適用することもできる。さらに、フラッシュメモリ,電気的消去書込可能な読出し専用メモリ(EEPROM),消去書込可能な読出し専用メモリ(ERPOM)などのメモリ素子におけるフローティングゲートとコントロールゲートとの間に介在する誘電体膜にも適用することができる。
【0039】
本出願は、2004年12月23日に韓国特許庁に出願された韓国特許出願番号2004−0110920に関連する主題を含んでおり、その全内容は参照によりここに組み込まれる。
【0040】
本発明を、特定の好ましい実施形態について具体的に説明したが、本発明の技術分野の通常の専門家にとっては、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱すること無く、様々な変更及び修正が可能であるということは明らかである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子の誘電体膜の形成方法、及びこれを用いるキャパシタの形成方法に関し、更に詳しくは、原子層堆積(ALD)法を用いる半導体素子の誘電体膜の形成方法、及びこれを用いるキャパシタの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)のデザインルールが小さくなるにつれ、セル面積が減少し、キャパシタのストレージノードの縦横比が非常に大きくなった。このため、単位セル当りに要求される誘電容量の確保が難しくなった。
【0003】
従来は、誘電容量を確保するために酸化物/窒化物/酸化物(ONO)膜構造で誘電体膜を形成していた。しかし、近年は、より大きな誘電容量を確保するために、誘電率の高いアルミニウム酸化物(Al2O3)の膜(ε=9)、ハフニウム酸化物(HfO2)の膜(ε=25)、又は、これらを積層したHfO2/Al2O3積層膜を用いて誘電体膜を形成する研究が活発に行われている。そして、このような誘電体膜は、大きい縦横比に対応するために、これまでの化学気相蒸着法に代り、原子層堆積法(ALD)で形成されている。
【0004】
しかし、HfO2/Al2O3膜の積層構造により形成された誘電体膜に関しては、誘電体膜全体の誘電特性及び漏れ電流特性が、各材料に対する比誘電率ε及びバンドギャップエネルギーEgに依存する。すなわち、これまでのHfO2/Al2O3膜の積層構造により形成された誘電体膜は、下記のように、各膜の特性の組み合わせによる電気的特性を示す。
【0005】
通常、Al2O3膜の誘電率εは9であり、バンドギャップエネルギーEgは9eVである。一方、HfO2の誘電率εは25であり、バンドギャップエネルギーEgは5.6eVであることが知られている。すなわち、誘電体膜全体の誘電特性は、HfO2膜の影響を受け、漏れ電流特性は、Al2O3膜のバンドギャップエネルギーEgの影響を受ける。これに対し、誘電体膜全体の漏れ電流特性は、HfO2膜の相対的に低いバンドギャップエネルギーEgによって低下し、Al2O3膜の低い誘電率によって低下する。したがって、誘電体膜をDRAM素子などのキャパシタに適用する場合、誘電体膜の厚さの低減が非常に困難になる。
【0006】
しかし、Al2O3膜は、誘電体膜を共に形成するHfO2膜の結晶化温度を下げる機能があり、このような機能を介して誘電体膜の漏れ電流が低減される。したがって、誘電体膜の特性の向上のためには、Al2O3膜と共に誘電体膜を形成する酸化物の誘電率及びバンドギャップエネルギーを調節しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、誘電特性及び漏れ電流特性を向上させることのできる半導体素子の誘電体膜の形成方法を提供することにある。
【0008】
また、本発明の別の目的は、誘電体膜の形成方法を用いる半導体素子のキャパシタの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によれば、原子層堆積法により、ウェーハ上に酸化ジルコニウム(ZrO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)で構成された誘電体膜を形成する方法であって、チャンバー内に、1つのZrと1つのAl原子とが1つの分子を構成するソースガスを注入し、前記ウェーハ上に、ZrO2とAl2O3とからなる[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)膜を形成するステップを繰り返すことにより、前記ZrO2とAl2O3とで構成された厚さ30Å〜500Åの前記誘電体膜を形成することを特徴とする誘電体膜の形成方法が提供される。
【0010】
本発明の別の側面によれば、コンタクトプラグが形成された半導体基板を提供するステップと、前記コンタクトプラグを含む構造全体の上に前記コンタクトプラグが露出するパターン絶縁膜を形成するステップと、該パターン絶縁膜を含む構造全体の上の段差に沿って下部電極を形成するステップと、該下部電極上に請求項1〜4のうちのいずれか1つに請求された方法を用いて誘電体膜を形成するステップと、該誘電体膜上に上部電極を形成するステップとを含むキャパシタの形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ZrO2とAl2O3とが均等に混合された[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)膜を用いて誘電体膜を形成することによって、半導体素子に用いられるキャパシタの誘電特性及び漏れ電流特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、図1に示す酸化ジルコニウム(ZrO2)膜の形成工程を示す図である。
【図3】図3は、図1に示す酸化アルミニウム(Al2O3)膜の形成工程を示す図である。
【図4A】図4Aは、図1に示した方法によって形成された誘電体膜を示す図である。
【図4B】図4Bは、図1に示した方法によって形成された誘電体膜を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態に係る誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第3実施形態に係る誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6に示す[ZrO2]x[Al2O3]y膜の形成工程を示す図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施形態に係るキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明の好ましい実施形態に係るキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【図10】図10は、本発明の好ましい実施形態に係るキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の上記及び別の目的及び特徴は、以下に示す、添付図面を参照する実施の形態の説明から明らかになるであろう。
【0014】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法を示すフローチャートであり、図2は、ZrO2膜の形成工程の順序を説明するために示す図であり、図3は、Al2O3膜の形成工程の順序を説明するために示す図である。
【0015】
図1〜図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法は、原子層堆積(ALD)法を用い、まずZrO2膜を形成した後、Al2O3膜を形成する工程を含む。
【0016】
まず、ZrO2膜の形成工程は、次のとおりである。Zr(O−tBu)4、Zr[N(CH3)2]4、Zr[N(C2H5)(CH3)]4、Zr[N(C2H5)2]4、Zr(TMHD)4、Zr(OiC3H7)3(TMTD)及びZr(OtBu)4からなる群の中から選択されるいずれか1つのソースガスを、200℃〜350℃の範囲で保持するALD装置のチャンバー内に注入してウェーハ(図示せず)上にジルコニウム(Zr)を吸着させる(ステップS10)。次に、チャンバー内に窒素(N2)ガスを注入して、吸着されずにチャンバー内に残留するZrソースガスをチャンバーの外へとパージする(ステップS11)。次に、チャンバー内にO3を注入して、ウェーハ上に吸着されたZrを酸化させてZrO2膜を形成する(ステップS12)。次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、反応しなかったO3をパージする(ステップS13)。このようなステップS10〜ステップS13は、1周期Tzrとして実行され、ZrO2膜の厚さT1が約10Åになるまで1周期Tzrを繰り返し行う。このとき、ZrO2膜の厚さT1を約10Åに制限する理由は、図4Aに示すようにZrO2膜をウェーハW上に非連続的に形成するためである。1周期Tzrの間、ZrO2膜の厚さT1は約1Å未満になる。したがって、1周期Tzrを10回繰り返し行なうと、ZrO2膜を約10Åに近い厚さに形成することができる。
【0017】
続いて、Al2O3膜の形成工程を行う。Al2O3膜の形成工程は、次のとおりである。Al(CH3)3ソースガスをチャンバー内に注入して、インサイチューでウェーハ上にAlを吸着させる(ステップS15)。次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、吸着されずにチャンバー内に残留するAlソースガスをチャンバーの外へとパージする(ステップS16)。次に、チャンバー内にO3を注入して、ZrO2膜の形成されていないウェーハ上にAl2O3膜を形成する(ステップS17)。上記したようにZrO2膜の厚さを約10Å未満(約1Å〜10Åの範囲)に制御する場合、図4Bに示すように、ウェーハW上に非連続的にZrO2膜が形成される。したがって、ZrO2膜が形成されていない部位、すなわち、ZrO2膜1の間にAl2O3膜2が形成される。次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、反応しなかったO3をパージする(ステップS18)。このようなステップS15〜ステップS18は、1周期TAlとして実行され、Al2O3膜の厚さT2が約10Å未満になるまで、1周期TAlを繰り返し行う。1周期TAlの間、Al2O3膜の厚さT2は約1Å未満になる。したがって、1周期TAlを10回繰り返し行えば、Al2O3膜を約10Åに近い厚さに形成することができる。
【0018】
続いて、ZrO2膜とAl2O3膜との混合膜の厚さTfinalが、目標値の厚さTgoalよりも小さい場合、ZrO2膜の形成周期Tzr及びAl2O3膜の形成周期TAlをそれぞれ1回行う(ステップS21及びS22)。ステップS21及びステップS22は、混合膜の厚さTfinalが目標値の厚さTgoalと等しくなるまで繰り返し行う。このとき、前記ZrO2とAl2O3との混合膜の厚さTfinalは、約30Å〜500Åの範囲に形成することが好ましい。
【0019】
上記工程を介して誘電体膜は、[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)に形成される。
【0020】
第2実施形態
図5は、本発明の第2実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法を示すフローチャートである。
【0021】
図5に示すように、本発明の第2実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法は、第1実施形態のようにALD法を用いる。しかし、第2実施形態では、まずZrO2膜を形成するのではなく、まずAl2O3膜を非連続的にウェーハ上に形成し、その次にZrO2膜を形成する。このような違いの他は、第2実施形態は、第1実施形態と実質的に同じ工程で行われるため、ここでは、説明の便宜上、これについての具体的な説明は省略する。
【0022】
第3実施形態
図6は、本発明の第3実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法を示すフローチャートであり、図7は、[ZrO2]x[Al2O3]y膜を同時に形成する形成工程を示す図である。
【0023】
図6及び図7に示すように、本発明の第3実施形態に係る半導体素子の誘電体膜の形成方法は、ALD法を用いて[ZrO2]x[Al2O3]y膜を同時に形成する。
【0024】
まず、ZrAl(MMP)2(OiPr)5などのように、ZrとAlとが1つの分子を構成しているソースガスを、約200℃〜350℃の範囲に保持するALD装置のチャンバー内に注入してウェーハ(図示せず)上にZrとAlとを吸着させる(ステップS210)。次に、チャンバー内にN2ガスを注入し、吸着されずにチャンバー内に残留するソースガスをチャンバーの外へとパージする(ステップS211)。次に、チャンバー内にO3を注入して、ウェーハ上に吸着されたZr及びAlを酸化させ、[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成する(ステップS212)。このとき、x及びyの合計が約10未満になるように形成することが好ましい。
【0025】
次に、チャンバー内にN2ガスを注入して、反応しなかったO3をパージする(ステップS213)。このようなステップS210〜ステップS213は、1周期Tzr/Alとして実行され、[ZrO2]x[Al2O3]y膜の厚さT3が目標値の厚さTgoalよりも小さい場合、1周期Tzr/Al(S210〜S213)を、[ZrO2]x[Al2O3]y膜の厚さT3が目標値の厚さTgoalと等しくなるまで繰り返し行う。このとき、[ZrO2]x[Al2O3]y膜の厚さT3は、約30Å〜500Åの範囲に形成することが好ましい。
【0026】
一方、上述の本発明の第1実施形態〜第3実施形態では、酸化工程のためにO3を用いているが、これは一例であり、O3の代わりにH2O又は酸素プラズマを用いることもできる。また、本発明の第1実施形態〜第3実施形態では、パージ工程を、N2ガスを用いて行っているが、これも一例であって、真空ポンプやアルゴン(Ar)ガスを用いて行うこともできる。
【0027】
なお、下記の表1及び表2は、HfO2とZrO2との特性を互いに比較する比較表である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
上記表1に示すように、ZrO2は、HfO2と誘電率が類似しているが、バンドギャップエネルギーは、HfO2よりも相対的に大きい。すなわち、Al2O3−ZrO2を積層又は混合して用いることによって、薄膜全体のバンドギャップエネルギーを増加させて、誘電膜の漏れ電流特性を向上させる。これによって誘電体膜の厚さを低減させやすくなる。また、HfO2の代りにZrO2を適用する場合、商業的に使用することのできるZrソースがHfソースに比べて飽和蒸気圧及び分子量が非常に小さいため、取り扱いが非常に容易という長所があり、量産工程への適用が更に有利である。
【0031】
以下では、本発明の第1実施形態〜第3実施形態の誘電体膜の形成方法を用いるキャパシタの形成方法を、図8〜図10を参照して説明する。図8〜図10は、凹面構造を有するDRAM素子のキャパシタの形成方法を示す断面図である。
【0032】
図8に示すように、ストレージノードコンタクトプラグ18を備える下地層が形成された半導体基板10を提供する。ここで、下地層10は、導電層12、第1層間絶縁膜〜第3層間絶縁膜11,13,17、ビットライン14、ハードマスク15、及びスペーサ16を更に備える。このとき、導電層12は、ポリシリコン膜で形成し、第1層間絶縁膜〜第3層間絶縁膜11,13,17は、酸化物質を用いて形成する。また、ビットライン14は、ポリシリコン(又は、窒化チタニウム(TiN))とタングステン(又は、タングステンシリサイド)とで形成し、ハードマスク15は、窒化物質で形成する。
【0033】
続いて、ストレージノードコンタクトプラグ18を備える構造全体の上に、ストレージノードコンタクトプラグ18上が露出するようにストレージノードパターン用絶縁膜19を形成する。このとき、絶縁膜19を、酸化物質又はポリシリコンで形成する。
【0034】
続いて、絶縁膜19を備える構造全体の上の段差に沿ってストレージノード20を形成する。このとき、ストレージノード20は、キャパシタの下部電極であって、リン(P)及び砒素(As)などのような不純物がドーピングされたポリシリコン、TiN、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO2)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)及び酸化イリジウム(IrO2)からなる群の中から選択されるいずれか1つで形成する。
【0035】
続いて、図9に示すように、ストレージノード20上に誘電体膜21を形成する。このとき、誘電体膜21は、本発明の第1実施形態〜第3実施形態のうちのいずれか1つの実施形態を介して、ZrO2及びAl2O3が均等に混合された[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数)で形成する。参考に、x及びyの合計が約10を越えないようにすることが好ましい。
【0036】
続いて、誘電体膜21に対して熱処理工程を行う。ここで、熱処理工程は、炉法、急速温度処理(RTP)法又は急速温度アニール(RTA)法で行われる。このとき、熱処理工程は、Ar、N2又は酸素(O2)が微量含まれた雰囲気で、約450℃〜850℃の温度の範囲内で実施される。
【0037】
続いて、図10に示すように、誘電体膜21の上部を含む構造全体の上にキャパシタの上部電極22を形成する。このとき、上部電極22は、ストレージノード20と同じ物質で形成する。例えば、P及びAsなどのような不純物がドーピングされたポリシリコン、TiN、Ru、RuO2、Pt、Ir及びIrO2からなる群の中から選択されるいずれか1つで形成する。
【0038】
上述の本発明の実施形態は、凹面構造を有するキャパシタに適用した実施形態についてのみ説明されているが、これは一例であり、凹面構造の他にフラット構造、シリンダー構造のキャパシタへの適用も可能である。また、無線周波数(RF)素子のキャパシタの誘電体膜として適用することもできる。さらに、フラッシュメモリ,電気的消去書込可能な読出し専用メモリ(EEPROM),消去書込可能な読出し専用メモリ(ERPOM)などのメモリ素子におけるフローティングゲートとコントロールゲートとの間に介在する誘電体膜にも適用することができる。
【0039】
本出願は、2004年12月23日に韓国特許庁に出願された韓国特許出願番号2004−0110920に関連する主題を含んでおり、その全内容は参照によりここに組み込まれる。
【0040】
本発明を、特定の好ましい実施形態について具体的に説明したが、本発明の技術分野の通常の専門家にとっては、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱すること無く、様々な変更及び修正が可能であるということは明らかである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子層堆積法により、ウェーハ上に酸化ジルコニウム(ZrO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)で構成された誘電体膜を形成する方法であって、
チャンバー内に、1つのZrと1つのAl原子とが1つの分子を構成しているソースガスを注入し、前記ウェーハ上に、ZrO2とAl2O3とからなる[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数である)膜を形成するステップを繰り返すことにより、前記ZrO2とAl2O3とで構成された厚さ30Å〜500Åの前記誘電体膜を形成することを特徴とする誘電体膜の形成方法。
【請求項2】
前記x及びyの合計が、10未満である請求項1に記載の誘電体膜の形成方法。
【請求項3】
前記[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成する前記ステップが、ZrAl(MMP)2(OiPr)5を含む前記ソースガスを使用するステップを含む請求項1に記載の誘電体膜の形成方法。
【請求項4】
前記[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成する前記ステップが、
ALD装置のチャンバー内に、1つのZr及び1つのAl原子が1つの分子を構成しているソースガスを注入して、前記ウェーハ上に前記ソースガスを吸着させるステップと、
前記チャンバー内への不活性ガスの注入、又は真空ポンプによる吸引により、吸着されていない前記ソースガスをパージするステップと、
前記チャンバー内に酸化ガスを注入して、吸着された前記ソースガスを酸化させて前記[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成するステップと、
前記チャンバー内への不活性ガスの注入、又は真空ポンプによる吸引により、未反応の酸化ガスをパージするステップと
を含む請求項1に記載の誘電体膜の形成方法。
【請求項5】
コンタクトプラグが形成された半導体基板を提供するステップと、
前記コンタクトプラグを含む構造全体の上に前記コンタクトプラグが露出するパターン絶縁膜を形成するステップと、
該パターン絶縁膜を含む構造全体の上の段差に沿って下部電極を形成するステップと、
該下部電極上に請求項1〜4のうちのいずれか1つの項に記載の方法を用いて誘電体膜を形成するステップと、
該誘電体膜上に上部電極を形成するステップと
を含むキャパシタの形成方法。
【請求項6】
前記誘電体膜を形成する前記ステップの後、該誘電体膜に対して熱処理工程を行うステップを更に含み、
該熱処理工程が、450℃〜850℃の範囲で、Ar、N2又は酸素(O2)の雰囲気中で行われる請求項5に記載のキャパシタの形成方法。
【請求項1】
原子層堆積法により、ウェーハ上に酸化ジルコニウム(ZrO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)で構成された誘電体膜を形成する方法であって、
チャンバー内に、1つのZrと1つのAl原子とが1つの分子を構成しているソースガスを注入し、前記ウェーハ上に、ZrO2とAl2O3とからなる[ZrO2]x[Al2O3]y(ここで、x及びyは正数である)膜を形成するステップを繰り返すことにより、前記ZrO2とAl2O3とで構成された厚さ30Å〜500Åの前記誘電体膜を形成することを特徴とする誘電体膜の形成方法。
【請求項2】
前記x及びyの合計が、10未満である請求項1に記載の誘電体膜の形成方法。
【請求項3】
前記[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成する前記ステップが、ZrAl(MMP)2(OiPr)5を含む前記ソースガスを使用するステップを含む請求項1に記載の誘電体膜の形成方法。
【請求項4】
前記[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成する前記ステップが、
ALD装置のチャンバー内に、1つのZr及び1つのAl原子が1つの分子を構成しているソースガスを注入して、前記ウェーハ上に前記ソースガスを吸着させるステップと、
前記チャンバー内への不活性ガスの注入、又は真空ポンプによる吸引により、吸着されていない前記ソースガスをパージするステップと、
前記チャンバー内に酸化ガスを注入して、吸着された前記ソースガスを酸化させて前記[ZrO2]x[Al2O3]y膜を形成するステップと、
前記チャンバー内への不活性ガスの注入、又は真空ポンプによる吸引により、未反応の酸化ガスをパージするステップと
を含む請求項1に記載の誘電体膜の形成方法。
【請求項5】
コンタクトプラグが形成された半導体基板を提供するステップと、
前記コンタクトプラグを含む構造全体の上に前記コンタクトプラグが露出するパターン絶縁膜を形成するステップと、
該パターン絶縁膜を含む構造全体の上の段差に沿って下部電極を形成するステップと、
該下部電極上に請求項1〜4のうちのいずれか1つの項に記載の方法を用いて誘電体膜を形成するステップと、
該誘電体膜上に上部電極を形成するステップと
を含むキャパシタの形成方法。
【請求項6】
前記誘電体膜を形成する前記ステップの後、該誘電体膜に対して熱処理工程を行うステップを更に含み、
該熱処理工程が、450℃〜850℃の範囲で、Ar、N2又は酸素(O2)の雰囲気中で行われる請求項5に記載のキャパシタの形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−142587(P2012−142587A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−35989(P2012−35989)
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【分割の表示】特願2007−548093(P2007−548093)の分割
【原出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【出願人】(310024033)エスケーハイニックス株式会社 (122)
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung−daero,Bubal−eub,Icheon−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月22日(2012.2.22)
【分割の表示】特願2007−548093(P2007−548093)の分割
【原出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【出願人】(310024033)エスケーハイニックス株式会社 (122)
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung−daero,Bubal−eub,Icheon−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】
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