説明

ATP利用酵素阻害活性を示すチオフェンベース化合物、組成物、およびその使用



ATP利用酵素阻害活性を示す式(I)のチオフェンベース化合物、ATP利用酵素阻害活性を示す化合物の使用方法、およびATP利用酵素阻害活性を示す化合物を含んでなる組成物が開示されている。これらの化合物は、アルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症および癌の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年10月3日に出願された米国仮特許出願第60/508,393号からの優先権を請求する。
【背景技術】
【0002】
酵素は生化学反応の速度を増加させることにより生体触媒として機能する高分子(通常はタンパク質)である。一般に酵素は、触媒される生化学反応の種類および基質(すなわち反応剤)の種類の両方に対して高度に特異的である。
【0003】
ATP利用酵素は、アデノシン三リン酸(ATP)分子からタンパク質または炭水化物などの生体分子へのリン酸基転移を触媒する。ATP利用酵素の例は、限定するものではないが、合成酵素、リガーゼ、シナプシン、ホスファターゼ、およびキナーゼを含む。
【0004】
プロテインキナーゼは、シグナル伝達、代謝、転写、細胞周期進行、細胞骨格再構成および細胞運動、アポトーシス、および分化を含むさまざまな細胞過程の調節に関与する、機能的および構造的に関連する酵素の大きなファミリーを含む。一般に、プロテインキナーゼは、サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、およびATPなどのリン酸含有分子からの負荷電リン酸基の他のタンパク質への付加を触媒することによりタンパク質活性を調節する。言い換えれば、タンパク質リン酸化により標的タンパク質の機能をモジュレートする(あるいは調節する)ことができる。タンパク質リン酸化は、発育中の細胞間情報伝達、生理的応答、ホメオスタシス、ならびに神経系および免疫系の機能において役割を演じていることが知られている。
【0005】
タンパク質のリン酸化調節異常は、アルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、癌、およびリウマチ様関節炎などの主要疾患の原因であるか、あるいはかかる疾患と関わりを有することが知られている。プロテインキナーゼ活性の脱制御およびプロテインキナーゼの過剰発現は、多くの重要なヒト疾患の病態生理学に関係があるとされてきた。さらに、プロテインキナーゼにおける遺伝子突然変異は多くの疾患の原因であるとされ、多くの毒素および病原体は細胞内タンパク質のリン酸化に変化をもたらすことによりその作用を発現している。
【0006】
従って、プロテインキナーゼなどのATP利用酵素は、ヒト疾患の治療に関する幅広い種類の薬理学的興味の対象を代表するものである。従って、ATP利用酵素の機能を選択的に抑制する化合物の特定と開発には、大変に興味が持たれる。
【発明の開示】
【0007】
本発明の特定の側面は、式(I)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化1】

【0008】
[式中:
Eは−CN、ハロゲン、−NO、および−C(=X)YRから選択され;ここで
XはOおよびSから選択され;
Yは−N(R10)−、O、S、および直接結合から選択され;ここで
10はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルから選択され、そしてYが−N(R10)−、または直接結合である場合、Rはさらにアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換へテロアリール、−N(R、および−ORから選択され;ここで
各Rは独立してアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;そして
はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
はH、−CHO、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニル、−C(O)O−、アミノスルホニル、アミノチオカルボニル、−C(=O)NR11−、スルホニル、およびチオカルボニルから選択され;ここで
11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、およびHから選択され;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、ハロゲン、−NH、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミノ、および置換ジアルキルアミノから選択され;そして
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;
ただし、
Eが−COである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNであり、Rが−C(=X)NHであり、ここでXがOまたはSである場合:
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがC(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキルまたは置換アルキルではなく;そして
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで式(I)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0009】
本発明の特定の側面は、式(II)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化2】

【0010】
[式中:
Eは−CN、ハロゲン、−NO、および−C(=X)YRから選択され;ここで
XはOおよびSから選択され;
Yは−N(R10)−、O、S、および直接結合から選択され;ここで
10はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルから選択され、そしてYが−N(R10)−、または直接結合である場合、Rはさらにアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換へテロアリール、−N(R、および−ORから選択され;ここで
各Rは独立してアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;そして
はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、−CHO、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニル、−C(O)O−、アミノスルホニル、アミノチオカルボニル、−C(=O)NR11−、スルホニル、およびチオカルボニルから選択され;ここで
11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、およびHから選択され;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、ハロゲン、−NH、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミノ、および置換ジアルキルアミノから選択され;そして
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;
ただし、
Eが−COである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNである場合:
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNであり、Rが−C(=X)NHである場合:
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、Rが−C(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキル、または置換アルキルではなく;そして
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで式(II)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0011】
本発明の特定の側面は、式(III)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化3】

【0012】
[式中:
はH、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニルであり;そして
はH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
はH、−NH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
ただしRはH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
が−C(=X)NHであり、ここでXがOまたはSである場合、Rは非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
そしてここで、式(III)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0013】
本発明の特定の側面は、式(IV)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化4】

【0014】
[式中:
はH、−CHO、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニルであり;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、およびジアルキルアミンから選択され;
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ただし、
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンから選択されず;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンから選択されず;
そしてここで、式(IV)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0015】
本発明の特定の側面は式(V)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化5】

【0016】
[式中:
はH、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニルであり;そして
はアルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、および置換アルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル環を形成し;
はH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択され;
そしてここで、式(V)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0017】
本発明の特定の側面は式(VI)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化6】

【0018】
[式中:
はH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルスルホニル、置換、アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニルであり;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、アルキル、置換アルキルから選択され;
10はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
ただし、
がHであり、Rが−C(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキルまたは置換アルキルではなく;そして
がHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで、式(VI)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物は少なくとも1つのATP利用酵素の阻害剤である]に関する。
【0019】
本発明の特定の側面は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物を含んでなる組成物を提供する。特定の実施形態において、組成物は少なくとも1つの本発明の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物、および薬学的に許容される希釈剤、担体、賦形剤および/またはアジュバントを含む。
【0020】
本発明の特定の側面は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必要とする患者における該疾患の治療方法を提供する。
【0021】
本発明の特定の側面は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素(ヒトプロテインキナーゼなど)により調節される疾患の治療を必要とする対象における該疾患の治療方法を提供する。
【0022】
本発明の特定の側面は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素(さらに具体的には、ヒトプロテインキナーゼ)の阻害方法を提供する。
【0023】
本発明の特定の側面は、ATP利用酵素を少なくとも1つの本明細書に記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法を提供する。
【0024】
本発明の特定の側面は、ヒトプロテインキナーゼ阻害活性などのATP利用酵素阻害活性を示す化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物を提供する。
【0025】
本発明のさらなる実施形態は、以下の説明において示され、あるいは本発明の実施により知ることができる。
【0026】
本明細書で使用される定義
特記しない限り、本明細書および特許請求の範囲に用いられる成分の量、反応条件などを表す全ての数は、全ての例において”約”という用語により修飾されていると考えるべきである。従って、特記しない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメーターは、それぞれの測定において得られる標準偏差値に応じて変化することができる近似値である。少なくとも、かつ本特許請求の範囲に対する均等論の摘要を制限することを意図するものではないが、本特許請求の範囲に記載の各数値パラメーターは、少なくとも、記載された有効数字の桁数を考慮し、通常の丸め法を適用して解釈されるべきである。
【0027】
”アシル”は、Rが本明細書で定義した水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルである、基−C(O)Rを指す。代表例は、限定するものではないが、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルなどを含む。
【0028】
”アミノアシル”は、RおよびR’がそれぞれ独立して、本明細書で定義した水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルから選択される基−NRC(O)R’を指す。代表例は、限定するものではないが、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルカルボニルアミノなどを含む。
【0029】
”アルカニル”は、元のアルカンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される飽和分枝鎖、直鎖または環式アルキル基を指す。典型的なアルカニル基は、限定するものではないが、メタニル;エタニル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イルなどのプロパニル;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イルなどのブタニルなどを含む。
【0030】
”アルケニル”は、元のアルケンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、不飽和分枝鎖、直鎖または環式アルキル基を指す。該基は、二重結合(単数または複数)に関してシスまたはトランス立体配座のいずれかであることができる。典型的なアルケニル基は、限定するものではないが、エテニル;プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、プロプ−2−エン−2−イル、シクロプロプ−1−エン−1−イル;シクロプロプ−2−エン−1−イルなどのプロペニル;ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イルなどのブテニルを含む。特定の実施形態において、アルケニル基は2〜20炭素原子を有し、他の実施形態において、2〜6炭素原子を有する。
【0031】
”アルコキシ”は、Rが本明細書で定義したアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基を表す、基−ORを指す。代表例は、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシなどを含む。
【0032】
”アルコキシカルボニル”は、アルコキシが本明細書で定義したものである、基−C(O)−アルコキシを指す。
【0033】
”アルコキシチオカルボニル”は、アルコキシが本明細書で定義したものである、基−C(S)−アルコキシを指す。
【0034】
”アルキル”は、元のアルカン、アルケンまたはアルカンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される飽和または不飽和分枝鎖、直鎖または環式一価炭化水素を指す。典型的なアルキル基は、限定するものではないが、メチル;エタニル、エテニル、エチニルなどのエチル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロプ−1−エン−1−イル、シクロプロプ−2−エン−1−イル、プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イルなどのプロピル;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イルなどのブチルなどを含む。
【0035】
”アルキル”という用語は、特に、任意の飽和度(飽和の程度)、すなわち、炭素−炭素一重結合を有する基、1以上の炭素−炭素二重結合を有する基、1以上の炭素−炭素三重結合を有する基ならびに炭素−炭素一重、二重および三重結合を混合して有する基を含むという意味で用いられる。特定の飽和度を表す場合、”アルカニル”、”アルケニル”、および”アルキニル”という表現が用いられる。特定の実施形態において、アルキル基は1〜20炭素原子を含む。他の実施形態において、アルキル基は1〜6炭素原子を含み、このアルキル基は低級アルキル基と呼ばれる。
【0036】
”アルキルアミノ”は、Rが本明細書で定義したアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルを表す、基−NHRを指す。代表例は、限定するものではないが、メチルアミノ、エチルアミノ、1−メチルエチルアミノ、シクロヘキシルアミノなどを含む。
【0037】
”アルキルスルホニル”は、Rが本明細書で定義したアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである、基−S(O)Rを指す。代表例は、限定するものではないが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどを含む。
【0038】
”アルキルスルフィニル”は、Rが本明細書で定義したアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基である、基−S(O)Rを指す。代表例は、限定するものではないが、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニルなどを含む。
【0039】
”アルキルチオ”は、Rが、本明細書で定義したように置換されていてもよい、本明細書で定義したアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルである、基−SRを指す。代表例は、限定するものではないが,メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどを含む。
【0040】
”アルキルチオカルボニル”は、Rが本明細書で定義した水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基である、基−C(S)Rを指す。
【0041】
”アルキルアミジノ”は、R、R’、およびR’’が独立して、本明細書で定義した水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルアルキルから選択されるか、あるいは所望によりR’およびR’’が、R’およびR’’が結合している窒素原子とともに1以上の複素環または置換複素環を形成する、基−C(NR)NR’R’’を指す。
【0042】
”アルキニル”は、元のアルキンの単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、不飽和分枝鎖、直鎖または環式アルキル基を指す。典型的なアルキニル基は、限定するものではないが、エチニル;プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イルなどのプロピニル;ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イルなどのブチニル;などを含む。特定の実施形態において、アルキニル基は2〜20炭素原子を有し、他の実施形態において、3〜6炭素原子を有する。
【0043】
”アミノ”は、基−NHを指す。
【0044】
”アミノカルボニル”は、RおよびR’が独立して本明細書で定義した水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選択されるか、あるいは所望によりR’およびR’’が、R’およびR’’が結合している窒素原子とともに1以上の複素環または置換複素環を形成する、基−C(O)NRR’を指す。
【0045】
”アミノカルボニルアミノ”は、R、R’、およびR’’が独立して本明細書で定義した水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選択されるか、あるいは所望によりR’およびR’’が、R’およびR’’が結合している窒素原子とともに1以上の複素環または置換複素環を形成する、基−NRC(O)NR’R’’を指す。
【0046】
”アミノスルホニル”は、RおよびR’が独立して本明細書で定義した水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選択されるか、あるいは所望によりR’およびR’’が、R’およびR’’が結合している窒素原子とともに1以上の複素環または置換複素環を形成する、基−S(O2)NRR’を指す。
【0047】
”アルキルスルホニルアミノ”は、RおよびR’が独立して本明細書で定義したアルキル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリール基を表す、基−NR−S(O)R’を指す。
【0048】
”アミノチオカルボニル”は、RおよびR’が独立して、本明細書で定義した水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選択されるか、あるいは所望によりR’およびR’’が、R’およびR’’が結合している窒素原子とともに1以上の複素環または置換複素環を形成する、基−C(S)NRR’を指す。
【0049】
”アミノチオカルボニルアミノ”は、R、R’、およびR’’が独立して、本明細書で定義した水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選択されるか、あるいは所望によりR’およびR’’が、R’およびR’’が結合している窒素原子とともに1以上の複素環または置換複素環を形成する、基−NRC(S)NR’R’’を指す。
【0050】
”アリール”は、元の芳香族環系の単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、一価の芳香族炭化水素を指す。典型的なアリール基は、限定するものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基を含む。特定の実施形態において、アリール基は6〜20炭素原子を含むことができる。特定の実施形態において、アリール基は、本明細書で定義した1以上のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基と縮合したアリール基を含む。
【0051】
”アリールアルキル”は、炭素原子(一般的に末端またはsp3炭素原子)に結合している水素原子がアリール基により置換されている、非環式アルキル基を指す。典型的なアリールアルキル基は、限定するものではないが、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどを含む。特定のアルキル部分を対象とする場合、アリールアルカニル、アリールアルケニル、および/またはアリールアルキニルという命名法を用いる。特定の実施形態において、アリールアルキル基は(C6−30)アリールアルキルであることができ、例えば、アリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1−10)であることができ、アリール部分は(C6−20)であることができる。
【0052】
”アリールアルキルオキシ”は、アリールアルキルが本明細書で定義したものであるアリールアルキル−O−基を指す。
【0053】
”アリールオキシカルボニル”は、アリールが本明細書で定義したものである基−C(O)−O−アリールを指す。
【0054】
”ビシクロアルキル”は、元のビシクロアルキル基の単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、2つの橋頭原子および各橋頭原子をつなぐ3つの結合を有する飽和または不飽和の多環状基を指す。
【0055】
”ビシクロへテロアルキル”は、1以上の炭素原子(および任意の結合している水素原子)が独立して同一または異なるヘテロ原子により置換されている、飽和または不飽和のビシクロアルキル基を指す。炭素原子(単数または複数)と置換される典型的なヘテロ原子は、限定するものではないが、N、P、O、S、およびSiを含む。
【0056】
”カルボニル”は、基−C(O)基を指す。
【0057】
”カルボキシル”は、基−C(O)OHを指す。
【0058】
”切断する”は、化学結合を破損することを指し、化学反応または酵素反応に限定されず、あるいは文脈により明確に示されていない限り、メカニズムに限定されない。
【0059】
”本発明の化合物”は、本明細書に記載の一般式、これらの一般式の任意の亜族、およびこれらの一般式および亜族式の範囲内の任意の特定の化合物を含む化合物を指す。本発明の化合物は特定の種類、亜族またはより大きな属を含み、それらのそれぞれは、それぞれの化学構造および/または化学名により特定される。さらに、本発明の化合物はまた、かかる種、亜族または属のいずれかの置換または修飾を含み、これらは本明細書に記載されている。
【0060】
化学構造と化学名が矛盾する場合、化合物の特定は化学構造によって決定される。本発明の化合物は1以上のキラル中心および/または二重結合を有することができ、従って、二重結合異性体(すなわち幾何異性体)、エナンチオマーまたはジアステレオマーなどの立体異性体として存在できる。従って、全体または部分的に相対配置が描かれた本明細書の範囲内の任意の化学構造は、立体異性体的に純粋な形(例えば、幾何的に純粋な、エナンチオマー的に純粋なまたはジアステレオマー的に純粋な形)ならびにエナンチオマー混合物および立体異性体混合物を含む、描かれた化合物の全ての可能なエナンチオマーおよび立体異性体を含む。さらに、本発明の化合物の部分構造が描かれている場合、星印は部分構造と分子の残りの部分との結合個所を示す。エナンチオマー混合物および立体異性体混合物は、当業者に公知の分離技術またはキラル合成技術を用いて、構成要素のエナンチオマーまたは立体異性体に分割できる。
【0061】
”結合”は、2つの原子間の共有結合を指す。
【0062】
”シアノ”は、基−CNを指す。
【0063】
”シクロアルキル”は、飽和または不飽和の環式アルキル基を指す。特定の飽和度を対象とする場合、”シクロアルカニル”または”シクロアルケニル”という命名法が用いられる。典型的なシクロアルキル基は、限定するものではないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基を含む。特定の実施形態において、シクロアルキル基は例えばC3−6シクロアルキルなどのC3−10シクロアルキルであることができる。特定の実施形態において、シクロアルキル基は、本明細書で定義した1以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合したシクロアルキル基を含む。
【0064】
”シクロアルキルアルキル”は、炭素原子(一般的に末端またはsp3炭素原子)に結合している水素原子の1つがシクロアルキル基により置換されている非環式アルキル基を指す。特定の実施形態において、シクロアルキルアルキル基はC6−30シクロアルキルアルキルであることができ、例えば、シクロアルキルアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分はC1−10であることができ、シクロアルキル部分はC6−20であることができる。
【0065】
”ジアルキルアミノ”は、R’およびR’’が、独立して、本明細書で定義した水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルから選択されるか、あるいはR’およびR’’が、所望により、R’およびR’’が結合している窒素原子とともに1以上の複素環または置換複素環を形成する、基−NR’R’’を指す。代表例は、限定するものではないが、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジ−(1−メチルエチル)アミノ、(シクロヘキシル)(メチル)アミノ、(シクロヘキシル)(エチル)アミノ、(シクロヘキシル)(プロピル)アミノなどを含む。
【0066】
”疾患”は任意の疾患、障害、状態、症状または適応を指す。
【0067】
”酵素”は、1以上の生化学反応を多かれ少なかれ選択的に触媒する、全体または大部分がタンパク質からなる任意の天然または合成の高分子物質を指す。酵素が作用する物質を”基質”と呼ぶが、酵素は基質に対して特異的結合部位または”活性部位”すなわち”触媒ドメイン”を有する。酵素はまた、筋線維などの高分子構造に作用することもできる。
【0068】
”徐放性”は、本発明の化合物の遅延放出、緩慢放出、長期放出、継続放出、非継続放出、または持続放出を提供する製剤を指す。
【0069】
”ハロゲン”は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード基を指す。
【0070】
”ヘテロアルキルオキシ”は、ヘテロアルキルが本明細書で定義したものである、−O−ヘテロアルキル基を指す。
【0071】
”ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル”は、炭素原子(および任意の結合している水素原子)の1以上がそれぞれ独立して、同一または異なるヘテロ原子基により置換されている、アルキル、アルカニル、アルケニルおよびアルキニル基をそれぞれ示す。典型的なヘテロ原子基は、限定するものではないが、−O−、−S−、−O−O−、−S−S−、−O−S−、−NR’−、=N−N=、−N=N−、−N=N−NR’−、−PH−、−P(O)−、−O−P(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−SNH−などを含み、ここでR’は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリールまたは置換アリールから選択される。
【0072】
”ヘテロアリール”は、元のヘテロ芳香族環系の単一の原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される一価のヘテロ芳香族基を指す。典型的なヘテロアリール基は、限定するものではないが、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾ−ル、オキサゾール、ペリミジン、フェナンスリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどから誘導される基を含む。特定の実施形態において、ヘテロアリール基5〜20員ヘテロアリールであることができ、例えば、5〜10員ヘテロアリールなどであることができる。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、ピラジン、ベンゾチアゾール、イソオキサゾール、チアジアキソール、およびチアゾールから誘導される基であることができる。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は本明細書で定義した1以上のシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基と縮合したヘテロアリール基を含む。
【0073】
”ヘテロアリールアルキル”は、炭素原子(一般的に末端またはsp3炭素原子)に結合している水素原子の1つがヘテロアリール基と置換されている非環式アルキル基を指す。特定のアルキル部分を対象とする場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニル、および/またはヘテロアリールアルキニルという命名法が用いられる。特定の実施形態において、ヘテロアリールアルキル基は、6〜30員ヘテロアリールアルキルであることができ、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、1〜10員であることができ、ヘテロアリール部分は5〜20員ヘテロアリールであることができる。
【0074】
”ヘテロシクロアルキル”は、1以上の炭素原子(および任意の結合している水素原子)が独立して同一または異なるヘテロ原子により置換されている、飽和または不飽和の環式アルキル基を指す。炭素原子(単数または複数)と置換する典型的なヘテロ原子は、限定するものではないが、N、P、O、S、およびSiを含む。特定の飽和度を対象にする場合、”ヘテロシクロアルカニル”または”ヘテロシクロアルケニル”という命名法を用いる。典型的なヘテロシクロアルキル基は、限定するものではないが、エポキシド、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジンなどから誘導される基を含む。特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキル基は、本明細書で定義した1以上のアリール、またはヘテロアリール基と縮合した1以上のヘテロシクロアルキル基を含む。
【0075】
”ヘテロシクロアルキルアルキル”は、炭素原子(一般的に末端またはsp3炭素原子)に結合している水素原子の1つがヘテロシクロアルキル基により置換されている、非環式アルキル基を指す。特定のアルキル部分を対象とする場合、ヘテロシクロアルキルアルカノイル、ヘテロシクロアルキルアルケニル、および/またはヘテロシクロアルキルアルキニルという命名法が用いられる。特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキルアルキル基は6〜30員へテロシクロアルキルアルキルであることができ、例えば、ヘテロシクロアルキルアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は、1〜10員であることができ、ヘテロシクロアルキル部分は5〜20員ヘテロシクロアルキルであることができる。
【0076】
”ヘテロシクロアルキルオキシカルボニル”は、Rが本明細書で定義したヘテロシクロアルキルである、基−C(O)−ORを指す。
【0077】
”ヘテロアリールオキシカルボニル”は、Rが本明細書で定義したヘテロアリールである、基−C(O)−ORを指す。
【0078】
”脱離基”は、求核剤により置換されることができる原子または基を指し、クロロ、ブロモ、フルオロ、およびヨードなどのハロゲン、アルコキシカルボニル(例えば、アセトキシ)、アリールオキシカルボニル、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリールオキシ(例えば、2,4−ジニトロフェノキシ)、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノなどを含む。
【0079】
”所望の”または”所望により”は、続いて記載される出来事または状況が起こることもできるが必ずしもその必要はなく、出来事または状況が起こる例と起こらない例をその記載が含むことを意味する。
【0080】
”薬学的に許容される”は、動物(より具体的にはヒト)における使用のために、連邦政府または州政府の監督官庁により承認されたあるいは承認見込みであるか、あるいは米国薬局方または他の一般的に認められた薬局方に記載されていることを指す。
【0081】
”薬学的に許容される塩”は、薬学的に許容され、親化合物の所望される薬理活性を有する化合物の塩を指す。かかる塩は、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成される酸付加塩;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸で形成される酸付加塩;(2)あるいは親化合物に存在する酸性プロトンがアルカリ金属イオン、アルカリ土塁金属イオン、またはアルミニウムイオンなどの金属イオンにより置換されるかあるいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミンなどの有機塩基に配位するかのいずれかにより生成する塩を含む。
【0082】
”薬学的に許容される賦形剤、担体またはアジュバント”は、本発明の化合物とともに対象に投与することができ、本発明の化合物の薬理活性を損なうことなく、化合物の治療量を送達するために十分な量で投与される場合に毒性のない賦形剤、担体またはアジュバントを指す。
【0083】
”薬学的に許容されるビヒクル”は、本発明の化合物とともに投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤または担体を指す。
【0084】
”プロドラッグ”は、体内で変換されて治療的に有効な化合物を生成することを必要とする、治療的に有効な化合物の誘導体を指す。プロドラッグは、親化合物に変換されるときまで薬理学的に不活性であることができる。
【0085】
”プロモエティー(promoiety)”は、薬剤分子内の官能基をマスクする場合に、薬剤をプロドラッグに変換する保護基の形を指す。例えば、プロモエティーは、インビボで酵素的または非酵素的手段により分解される結合(単数または複数)を介して薬剤に結合していることができる。
【0086】
”保護基”は、分子中の反応性基に結合された場合、その活性をマスクし、減少させ、あるいは抑制する原子の配置を言う。保護基の例は、Green et al., ”Protective Groups in Organic Chemistry,”(Wiley, 2nd ed. 1991) and Harrison et al., ”Compendium of Synthetic Organic Methods,”Vols. 1-8 (John Wiley and Sons, 1971-1996) 中に見いだすことができる。代表的なアミノ保護基は、限定するものではないが、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(”CBZ”)、tert−ブトキシカルボニル(”Boc”)、トリメチルシリル(”TMS”)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(”SES”)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(”FMOC”)、ニトロ−ベラトリルオキシカルボニル(”NVOC”)などを含む。代表的なヒドロキシ保護基は、限定するものではないが、ベンジルおよびトリチルエーテルに加えて、アルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテルおよびアリルエーテルなどの、ヒドロキシ基がアシル化されるかまたはアルキル化される保護基を含む。
【0087】
”プロテインキナーゼ”、”キナーゼ”および”ヒトプロテインキナーゼ”は、ATPをリン酸基供与体として、タンパク質中の1以上のヒドロキシル基またはフェノール基をリン酸化する任意の酵素を指す。
【0088】
”立体異性体”は、構成原子の空間的配置が異なる異性体を指す。お互いの鏡像体であり、光学活性である立体異性体を”エナンチオマー”とよび、お互いに鏡像体でない立体異性体を”ジアステレオ異性体”と呼ぶ。
【0089】
”対象”は、哺乳動物およびヒトを含む。”ヒト”および”対象”という用語は、本明細書においては同義で使用される。
【0090】
”置換された”は、1以上の水素原子がそれぞれ独立して同一または異なる置換基(単数または複数)により置換されている基を指す。典型的な置換基は、限定するものではないが、−X、−R、−O、=O、−OR、−SR、−S、=S、−NR’’、=NR、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−C=N−OH、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)、−OS(O)O、−OS(O)、−P(O)(O)、−P(O)(OR)(O)、−OP(O)(OR)(OR’’)、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)NR’’、−C(O)O、−C(S)OR、−NR’’’C(O)NR’’、−NR’’’C(S)NR’’、−NR’’’C(NR)NR’’、−C(NR)NR’’、−S(O)NR’’、−NR’’’S(O)、−NR’’’C(O)R、およびS(O)Rを含み、ここで、各Xは独立してハロゲンであり;各R’およびR’’は独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、−NR’’’R’’’’、−C(O)R’’’または−S(O)R’’’であり、あるいは所望によりR’およびR’’は、R’およびR’’が結合している原子とともに1以上のヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール環を形成し;そしてR’’’およびR’’’’は独立して水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり、あるいは所望によりR’’’およびR’’’’は、R’’’およびR’’’’が結合している窒素原子とともに1以上のヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール環を形成する。特定の実施形態において、三級アミンまたは芳香族窒素は、1以上の酸素原子により置換されて対応するN−オキシドを形成することができる。
【0091】
特定の実施形態において、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリールは、以下の置換基:本明細書で定義した、ハロゲン、ニトロ、−OH、−CN、−COOH、−OCF、−N(CH、=O、=S、−NH、−NHCOCH、C1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、C1−8置換アルコキシ、C1−8ヘテロアルキル、C1−8置換ヘテロアルキル、C1−8アルキルスルホニル、置換C1−8アルキルスルホニル、C5−10アリールスルホニル、C5−10へテロアリールスルホニル、C5−8アリール、置換C5−8アリールの1以上を含む。
【0092】
特定の実施形態において、置換シクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、置換アリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルは、以下の置換基:本明細書で定義したハロゲン、=O、=S、−C(O)−NH、ニトロ、−OH、=NH、−NH、−CF、C1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−8ヘテロアルキル、置換C1−6ヘテロアルキル、C1−8アルコキシ、置換C1−8アルコキシ、C1−8アリール、置換C4−8アリール、C4−8ヘテロアリール、および置換C4−8ヘテロアリールの1以上を含む。
【0093】
特定の実施形態において、置換アルキルおよび置換ヘテロアルキルは、以下の置換基:本明細書で定義したハロゲン、−OH、および=Oの1以上を含む。
【0094】
”スルホニル”は、基−S(O)基を指す。
【0095】
”チオアルコキシ”は、Rが本明細書で定義したアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル基を表す、基−SRを指す。
【0096】
”チオカルボニル”は、基−C(S)基を指す。
【0097】
”治療上有効な量”は、疾患または疾病もしくは疾患の臨床症状の少なくとも1つの治療のために対象に投与された場合、かかる疾患、疾病、または症状の治療に影響するために十分な化合物の量を指す。”治療上有効な量”は、化合物、疾患、障害、および/または疾患もしくは障害の症状、疾患、障害、および/または疾患もしくは障害の症状の重篤度、治療対象の年齢、および/または治療対象の体重に応じて変化しうる。任意の特定の例における適切な量は、当業者により容易に認識されるか、あるいはルーチン試験により決定されうる。
【0098】
”治療的有効投与量”は、対象における状態および/または疾患の有効な治療を提供する投与量を指す。治療的有効投与量は、化合物および対象により変化させることができ、対象の状態および送達経路などの要素により変化させることができる。治療的有効投与量は、当業者に公知の通常の薬理学的手順に基づき決定することができる。
【0099】
任意の疾患または障害の”処置”または”治療”は、疾患、障害または疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも1つを抑制または改善すること、疾患、障害、または疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも1つをもたらすリスクの減少、疾患、障害、または疾患もしくは障害の臨床症状の少なくとも1つの発現の減少、あるいは疾患もしくは障害または疾患または障害の臨床症状の少なくとも1つを発現するリスクの減少を指す。”処置”または”治療”はまた、疾患または障害を身体的(例えば、認識できる症状の安定化)、または生理学的(例えば、身体パラメーターの安定化)のいずれか、またはその両方で抑制することを指す。さらに、”処置”または”治療”は、対象が疾患または障害の症状を経験または発現していない場合であっても疾患または障害にさらされる可能性があるかあるいは素因を有する対象における、疾患もしくは障害または少なくとも1つの症状の発現を遅れさせることを指す。
【0100】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の特定の実施形態が説明されるとき、本発明の実施形態をこれらの記載された実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。それとは反対に、本発明の実施形態への言及は、添付の特許請求の範囲により定義されるように、代替物、修飾、および均等物を、本発明の実施形態の精神と範囲内に含むことができるとして含むことを目的とする。
【0101】
明細書および添付の特許請求の範囲において、”a”、”an”および”the”という単数形は、文脈により明確に規定されない限り、複数への言及も含む。
【0102】
化合物
本発明の特定の実施形態は、式(I)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化7】

【0103】
[式中:
Eは−CN、ハロゲン、−NO、および−C(=X)YRから選択され;ここで
XはOおよびSから選択され;
Yは−N(R10)−、O、S、および直接結合から選択され;ここで
10はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルから選択され、そしてYが−N(R10)−、または直接結合である場合、Rはさらにアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換へテロアリール、−N(R、および−ORから選択され;ここで
各Rは独立してアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;そして
はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともに、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
はH、−CHO、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニル、−C(O)O−、アミノスルホニル、アミノチオカルボニル、−C(=O)NR11−、スルホニル、およびチオカルボニルから選択され;ここで
11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、およびHから選択され;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、ハロゲン、−NH、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミノ、および置換ジアルキルアミノから選択され;そして
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;
ただし、
Eが−COである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNであり、Rが−C(=X)NHであり、ここでXがOまたはSである場合:
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがC(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキルまたは置換アルキルではなく;そして
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがHである場合:
10はHではなく、そしてここで式(I)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0104】
特定の実施形態において、本発明の化合物は式(II)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化8】

【0105】
[式中:
Eは−CN、ハロゲン、−NO、および−C(=X)YRから選択され;ここで
XはOおよびSから選択され;
Yは−N(R10)−、O、S、および直接結合から選択され;ここで
10はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルから選択され、そしてYが−N(R10)−、または直接結合である場合、Rはさらにアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換へテロアリール、−N(R、および−ORから選択され;ここで
各Rは独立してアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;そして
はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、−CHO、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニル、−C(O)O−、アミノスルホニル、アミノチオカルボニル、−C(=O)NR11−、スルホニル、およびチオカルボニルから選択され;ここで
11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、およびHから選択され;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、ハロゲン、−NH、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミノ、および置換ジアルキルアミノから選択され;そして
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;
ただし、
Eが−COである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNである場合:
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNであり、Rが−C(=X)NHである場合:
は非置換フェニルまたはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして
は非置換フェニルまたはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、Rが−C(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキル、または置換アルキルではなく;そして
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで式(II)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0106】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、YはO、直接結合、および−N(R10)−から選択され、ここでR10はHであり;RはH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
【0107】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C3−12アリール、置換C3−12アリール、C3−12ヘテロアリール、置換C3−12ヘテロアリール、C4−18アリールアルキル、および置換C4−18アリールアルキルから選択される。
【0108】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、Rは、H、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニル、および−C(=O)NH−から選択され、そしてRはH、−COOH、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C3−12ヘテロシクロアルキル、置換C3−12ヘテロシクロアルキル、C1−10へテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロアリールアルキル、置換C6−18ヘテロアリールアルキル、C4−18シクロアルキルアルキル、置換C4−18シクロアルキルアルキル、C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、および置換C5−12ビシクロへテロアルキルから選択される。
【0109】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、RはH、ハロゲン、−NH、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、およびジアルキルアミノから選択される。
【0110】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、RはH、ハロゲン、−NH、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10アシル、置換C1−10アシル、C1−10アルコキシカルボニル、置換C1−10アルコキシカルボニル、C1−10アミノカルボニル、置換C1−10アミノカルボニル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C3−12ヘテロアルキル、置換C3−12ヘテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、置換C6−18ヘテロアリールアルキル、およびC2−20ジアルキルアミノから選択される。
【0111】
式(II)の化合物の特定の実施形態において、RはH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択される。
【0112】
式(II)の化合物特定の実施形態において、RはH、ハロゲン、C1−10アシル、置換C1−10アシル、C1−10アルコキシカルボニル、置換C1−10アルコキシカルボニル、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10アミノカルボニル、置換C1−10アミノカルボニル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキル、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される。
【0113】
特定の実施形態において、本発明の化合物は式(III)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化9】

【0114】
[式中:
はH、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニルであり;そして
はH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
はH、−NH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
ただし、
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
が−C(=X)NHであり、ここでXがOまたはSである場合、Rは非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そしてRは非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
そしてここで、式(III)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0115】
式(III)の化合物の特定の実施形態において、RはC1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−8ヘテロアルキル、置換C1−8ヘテロアルキル、C6−12アリールアルキル、置換C6−12アリールアルキル、C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換C6−12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される。
【0116】
式(III)の化合物の特定の実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにC5−10シクロアルキル、置換C5−10シクロアルキル、C5−10ヘテロシクロアルキル、または置換C5−10ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0117】
およびRが、RおよびRが結合している原子とともにC5−10シクロアルキル、置換C5−10シクロアルキル、C5−10ヘテロシクロアルキル、または置換C5−10ヘテロシクロアルキル環を形成する式(III)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、および=Oから選択される。
【0118】
式(III)の化合物の特定の実施形態において、RはC1−8アルキル、置換C1−8ヘテロアルキル、置換C5−10アリールアルキル、および置換C6−10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される。
【0119】
式(III)の化合物の特定の実施形態において、Rは−NH、C1−8アルキル、および置換C1−8アルキルから選択される。
【0120】
式(III)の化合物の特定の実施形態において、RはH、および−C(O)Rから選択され、ここでRはC1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−8ヘテロアルキル、置換C1−8ヘテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される。
【0121】
がH、および−C(O)Rから選択され、ここでRがC1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−8ヘテロアルキル、置換C1−8ヘテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18へテロシクロアルキルアルキル、C6−18へテロアリールアルキル、および置換C6−18へテロアリールアルキルから選択される式(III)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C5−8アリール、置換C5−8アリール、C5−8ヘテロアリール、置換C5−8ヘテロアリール、=O、=S、−COOH、−CF、および−OHから選択される。
【0122】
式(III)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの化合物は、図1に記載の化合物1.1〜1.45、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する。
【0123】
特定の実施形態において、本発明の化合物は式(IV)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化10】

【0124】
[式中:
はH、−CHO、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニルであり;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、およびジアルキルアミンから選択され;
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ただし、
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンから選択されず;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンから選択されず;
そしてここで、式(IV)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0125】
式(IV)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C2−6ジアルキルアミノ、および置換C2−6ジアルキルアミノから選択される。
【0126】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C2−6ジアルキルアミノ、および置換2−6ジアルキルアミノから選択される式(IV)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルホニル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、−OH、−CN、−NH、−CF、ニトロ、および−NHC(O)CHから選択される。
【0127】
式(IV)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C6−18アリールアルキル、および置換C6−18アリールアルキルから選択される。
【0128】
式(IV)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、およびC6−10アリールアルキルから選択される。
【0129】
式(IV)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6アミノカルボニル、置換C1−6アミノカルボニル、C1−6カルボニル、置換C1−6カルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、置換C1−6アルコキシカルボニル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される。
【0130】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6アミノカルボニル、置換C1−6アミノカルボニル、C1−6カルボニル、置換C1−6カルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、置換C1−6アルコキシカルボニル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される式(IV)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、=O、C1−6アルコキシ、およびC1−6アルキルから選択される。
【0131】
式(IV)の化合物の特定の実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、C5−12シクロアルキル、置換C5−12シクロアルキル、C5−12ヘテロシクロアルキル、置換C5−12ヘテロシクロアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、または置換C5−12ビシクロへテロアルキル環を形成する。
【0132】
およびRが、RおよびRが結合している原子とともにC5−12シクロアルキル、置換C5−12シクロアルキル、C5−12ヘテロシクロアルキル、置換C5−12ヘテロシクロアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、または置換C5−12ビシクロへテロアルキル環を形成する式(IV)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はC1−6アルコキシ、ハロゲン、C1−6アルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C1−6アルコキシカルボニル、置換C1−6アルコキシカルボニル、C6−12アリールアルキル、置換C6−12アリールアルキル、=O、および=N−OHから選択される。
【0133】
式(IV)の化合物の特定の実施形態において、RはH、−COOH、−CH=O、C1−6アルキルスルホニル、置換C1−6アルキルスルホニル、C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−12ヘテロアリールアルキル、置換C6−12ヘテロアリールアルキル、および−CORから選択され、ここでRはC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C3−12ヘテロシクロアルキル、置換C3−12ヘテロシクロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18シクロアルキルアルキル、置換C6−18シクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、置換C6−18ヘテロアリールアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、および置換C5−12ビシクロへテロアルキルから選択される。
【0134】
がH、−COOH、−CH=O、C1−6アルキルスルホニル、置換C1−6アルキルスルホニル、C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−12ヘテロアリールアルキル、置換C6−12ヘテロアリールアルキルおよび−CORから選択され、ここでRがC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C3−12ヘテロシクロアルキル、置換C3−12ヘテロシクロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18シクロアルキルアルキル、置換C6−18シクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、置換C6−18ヘテロアリールアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、および置換C5−12ビシクロへテロアルキルから選択される式(IV)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はC1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、置換C1−6ヘテロアルキル、C1−6アルコキシ、置換C1−6アルコキシ、C5−8アリール、置換C5−8アリール、C5−8ヘテロアリール、置換C5−8ヘテロアリール、C5−8シクロアルキル、置換C5−8シクロアルキル、C5−8ヘテロシクロアルキル、置換C5−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールアルキル、置換C6−10アリールアルキル、C6−10ヘテロアリールアルキル、置換C6−10ヘテロアリールアルキル、C6−10シクロアルキルアルキル、置換C6−10シクロアルキルアルキル、C6−10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C1−6アルキルスルホニル、置換C1−6アルキルスルホニル、ハロゲン、−OH、=O、ニトロ、−COOH、−CF、=NH、および−NHから選択される。
【0135】
式(IV)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの化合物は図2に記載の化合物2.1〜2.193、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する。
【0136】
特定の実施形態において、本発明の化合物は式(V)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化11】

【0137】
[式中:
はH、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニルであり;そして
はアルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、および置換アルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル環を形成し;
はH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択され;
そしてここで、式(V)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]に関する。
【0138】
式(V)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキルから選択される。
【0139】
式(V)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキルから選択される。
【0140】
式(V)の化合物の特定の実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合している炭素原子とともにC5−8シクロアルキルまたは置換C5−8シクロアルキル環を形成する。
【0141】
式(V)の化合物の特定の実施形態において、RはC5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、および置換C5−12ヘテロアリールから選択される。
【0142】
がC5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、および置換C5−12ヘテロアリールから選択される、式(V)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシから選択される。
【0143】
式(V)の化合物の特定の実施形態において、RはC5−6アリール、置換C5−6アリール、C5−6ヘテロアリール、および置換C5−6ヘテロアリールから選択される。
【0144】
がC5−6アリール、置換C5−6アリール、C5−6ヘテロアリール、および置換C5−6ヘテロアリールから選択される、式(V)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシから選択される。
【0145】
式(V)の化合物の特定の実施形態において、RはH、および−C(O)Rから選択され、ここでRはC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される。
【0146】
がH、および−C(O)Rから選択され、ここでRがC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される式(V)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、−OH、およびC1−6アルキルから選択される。
【0147】
式(V)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの化合物は、図3に記載の化合物3.1〜3.21、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する。
【0148】
特定の実施形態において、本発明の化合物は式(VI)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化12】

【0149】
[式中:
はH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルスルホニル、置換、アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニルであり;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、アルキル、置換アルキルから選択され;
10はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
ただし、
がHであり、Rが−C(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキルまたは置換アルキルではなく;
がHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで、式(VI)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物は少なくとも1つのATP利用酵素の阻害剤である]に関する。
【0150】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、RはH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルスルホニル、置換、アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニルであり、そしてRはH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;あるいは
およびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はHであり;そして
10はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにヘテロシクロアルキルまたは置換へテロシクロアルキル環を形成する。
【0151】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C5−10アリール、および置換C5−10アリールから選択される。
【0152】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、RはH、メチル、およびフェニルから選択される。
【0153】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、RはHから選択され、R10はH、C1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−12ヘテロアルキル、置換C1−12ヘテロアルキル、C5−10アリール、置換C5−10アリール、C6−12アリールアルキル、および置換C6−12アリールアルキルから選択される。
【0154】
がHから選択され、R10がH、C1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−12ヘテロアルキル、置換C1−12ヘテロアルキル、C5−10アリール、置換C5−10アリール、C6−12アリールアルキル、および置換C6−12アリールアルキルから選択される式(VI)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−OH、=O、および−NHから選択される。
【0155】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、RおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともに、C5−10ヘテロシクロアルキルまたは置換C5−10ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0156】
式(VI)化合物の特定の実施形態において、RはH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C5−10アリール、置換C5−10アリール、C6−12アリールアルキル、および置換C6−12アリールアルキルから選択される。
【0157】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、C5−8シクロアルキル、置換C5−8シクロアルキル、C5−8ヘテロシクロアルキル、または置換C5−8ヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0158】
およびRが、RおよびRが結合している原子とともにC5−8シクロアルキル、置換C5−8シクロアルキル、C5−8ヘテロシクロアルキル、または置換C5−8ヘテロシクロアルキル環を形成する式(VI)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、置換C1−6ヘテロアルキル、C6−10アリールアルキル、置換C6−10アリールアルキル、および=Oから選択される。
【0159】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、RはH、C5−8アリール、置換C5−8アリール、C5−8ヘテロアリール、置換C5−8ヘテロアリール、C6−10ヘテロシクロアルキル、置換C6−10ヘテロシクロアルキル、C6−10ヘテロアリールアルキル、置換C6−10ヘテロアリールアルキル、C1−10アルキルスルホニル、置換C1−10アルキルスルホニル、および−C(O)Rから選択され、ここでRはC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C3−10シクロアルキル、置換C3−10シクロアルキル、C3−10ヘテロシクロアルキル、置換C3−10ヘテロシクロアルキル、C5−10アリール、置換C5−10アリール、C5−10ヘテロアリール、置換C5−10ヘテロアリール、C6−18シクロアルキルアルキル、置換C6−18シクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される。
【0160】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、Rは−C(O)Rから選択され、少なくとも1つの置換基はハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、置換C1−6ヘテロアルキル、C1−6アルコキシ、置換C1−6アルコキシ、C5−8アリール、C5−8ヘテロシクロアルキル、置換C5−8ヘテロシクロアルキル、C5−8ヘテロアリール、C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−12ヘテロアリールアルキル、置換C6−12ヘテロアリールアルキル、C5−8アルキルスルホニル、=O、=S、−C(O)NH、−OH、−CF、ニトロ、−CN、−COOH、−OCF、および−N(CHから選択される。
【0161】
式(VI)の化合物の特定の実施形態において、少なくとも1つの化合物は図4に記載の化合物4.1〜4.285、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する。
【0162】
特定の実施形態において、本発明の化合物はその立体異性体を含む。本化合物は精製物であることができ、また本発明のチオフェンベース化合物の2以上の立体異性体および/またはエナンチオマーを含むこともできる。
【0163】
本発明の化合物、本発明の組成物に含まれる化合物、および本発明の方法に使用される化合物のそれぞれの代表的な例は、図1〜4に記載されている。図1〜4に記載の各化合物について、本明細書に記載のプロテインキナーゼ阻害活性の生物学的アッセイおよび定義に従ってプロテインキナーゼ阻害活性を試験した。図1〜4に記載のそれぞれの典型的な化合物に関して、本明細書に記載のプロテインキナーゼ阻害活性の生物学的アッセイおよび定義に従って、少なくとも1つのプロテインキナーゼに対する阻害活性を示す。化合物が本明細書で定義した選択性を示すヒトプロテインキナーゼ(単数または複数)もまた図1〜4に示す。
【0164】
本明細書においては、式(I)〜(VI)の化合物を含む本発明の化合物は、その薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグを含むことができる。”薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグ”は、対象への投与時に本発明の化合物を直接または間接に生成することのできる、本発明の化合物の任意の適切な薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、水和物、溶媒和物、または他の誘導体を指す。とりわけ好ましい誘導体およびプロドラッグは、該化合物を対象に投与するとき、例えば経口投与した化合物がより容易に血中に吸収されるようにすることにより本発明の化合物の生物学的利用率を増加させるもの、あるいは親化合物と比較して、脳またはリンパ系などの生物区画への親化合物の送達を増強するものを含む。プロドラッグは、式(I)〜(VI)の構造に水溶性または腸管膜を介する能動輸送を高める基が付け加えられている誘導体を含むことができる。他のプロドラッグは、親化合物のADME(吸収、分布、代謝および排泄)を変えることにより親化合物の治療効果を高めるプロモエティーを含有することができる。
【0165】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、選択的な生物学的性質を高めるための適切な官能基を付け加えることにより修飾することができる。かかる修飾は当該技術分野で公知であり、血液、リンパ系、中枢神経系などの所定の生物区画への生物浸透性を増加させて、経口吸収性の増加、注射投与を可能にするための溶解性の増加、代謝の改変および排泄速度の改変を可能にするものを含む。
【0166】
一部の実施形態において、本発明の化合物は生物学的アッセイ、スクリーニングおよび分析プロトコルにおける使用を容易にするために修飾することができる。かかる修飾は、例えば、ビードまたはアレイなどの物理表面への結合を生じるかまたは増強させる誘導体化、あるいは放射性標識、アフィニティラベルまたは蛍光標識などの検出を容易にするための修飾などを含むことができる。
【0167】
本発明の化合物は少なくとも1つのATP利用酵素に対する阻害活性を有する。ATP利用酵素は、タンパク質または炭水化物などの生体分子へのATP分子からのリン酸基の転移を触媒する酵素を指す。ATP利用酵素の例は、限定するものではないが、合成酵素、リガーゼ、シナプシン、ホスファターゼ、およびキナーゼを含む。キナーゼは、哺乳動物プロテインキナーゼおよびヒトプロテインキナーゼを含む動物キナーゼであることができる。
【0168】
理論に拘束されるものではないが、ATP利用酵素は、リン酸化反応の基質としての役を果たすリン酸基含有化合物に構造的に類似した化合物により阻害されることができる。例えば、構造的に類似した化合物はATP利用酵素の活性部位すなわち触媒ドメインに結合し、それにより基質の結合を阻害することができる。
【0169】
特定の実施形態において、本発明の化合物はヒトプロテインキナーゼ阻害活性を示す。
【0170】
プロテインキナーゼは、最大で最も機能的に多様な遺伝子ファミリーの1つである。500以上のヒトプロテインキナーゼの大部分が、触媒ドメインの配列および構造が関連を有する酵素の単一のスーパーファミリーに属している。大部分のヒトプロテインキナーゼは、さらに、デオキシリボ核酸(DNA)配列の相同性に基づいて、CAMK(カルシウム/カルモジュリン−依存性プロテインキナーゼ)、AGC(PKA(プロテインキナーゼA)、PKG(プロテインキナーゼG)、PKC(プロテインキナーゼCキナーゼ)を含む)、CK1(カゼインキナーゼ)、CMGC(CDK(サイクリン依存性)を含む)、MAPK(マイトジェン活性化)、GSK3(グリコーゲンシンターゼ)およびCLK、(CDC2−様キナーゼ)、STE(酵母ステライル(Sterile)7、ステライル11、およびステライル20キナーゼの相同体)、TK(チロシンキナーゼ)、およびTKL(チロシン−キナーゼ様)と特定されている7つの主要なグループに分類することができる。
【0171】
AGCプロテインキナーゼファミリーはAKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、MSK1、MSK2、P70S6K、PAK1、PKA、およびSGK1プロテインキナーゼを含む。CMGCプロテインキナーゼファミリーはCDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、DYRK2、GSK−3α、GSK−3β、P38−α、P38−β、P38−δ、およびP38−γ、ならびにMAPK1プロテインキナーゼを含む。CAMKプロテインキナーゼファミリーはDAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、CHEK1、CHEK2、PRAK、およびc−TAK1プロテインキナーゼを含む。TKプロテインキナーゼファミリーは、ABL1、CSK、FLT3、FYN、HCK、INSR、KIT、LCK、PDGFR−α、LYNA、SYK、およびSRCプロテインキナーゼを含む。STEプロテインキナーゼファミリーはPAK2プロテインキナーゼを含む。
【0172】
特定の本発明の化合物は1以上のプロテインキナーゼに対して選択性を示すが、ここで選択性は本明細書で定義したものである。特定の本発明の化合物は、以下のプロテインキナーゼ:ABL、ABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70の少なくとも1つに対して選択的阻害活性を示す。
【0173】
特定の実施形態において、式(III)の化合物は以下のヒトプロテインキナーゼ:AKT2、AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CHEK1、CHEK2、CK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MSK2、NEK2、P38−α、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、SYK、TRKB、およびZAP70の少なくとも1つに対して選択的阻害活性を示す。
【0174】
特定の実施形態において、式(IV)の化合物は以下のヒトプロテインキナーゼ:ABL、ABL1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PDGFR−α、PDK1、PKA、ROCK2、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70の少なくとも1つに対して選択的阻害活性を示す。
【0175】
特定の実施形態において、式(V)の化合物は、以下のヒトプロテインキナーゼ:AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CK2、FLT−3、GSK−3α、GSK−3β、KIT、MSK1、P38−β、PDGFR−α、およびTRKBの少なくとも1つに対して選択的阻害活性を示す。
【0176】
特定の実施形態において、式(VI)の化合物は以下のヒトプロテインキナーゼ:ABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−γ、P38−β、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70の少なくとも1つに対して選択的阻害活性を示す。
【0177】
特定の化合物の合成
本発明の化合物は当業界に公知の方法で製造できる。
【0178】
本発明の化合物は、以下の一般的方法および手順を用い、容易に入手できる出発物質から製造できる。反応温度、時間、反応剤のモル比、溶媒、圧力などの典型的または好ましいプロセス条件が与えられている場合、特記しない限り、他のプロセス条件も用いることができることが理解されるであろう。反応条件は使用される反応剤または溶媒により異なりうるが、当業者は、通常の最適化手順によりかかる条件を決定できる。
【0179】
加えて、当業者に明らかなように、特定の官能基が所望されない反応を起こすのを防ぐために、通常の保護基が必要となる場合がある。種々の官能基のための適切な保護基ばかりでなく、特定の官能基の適切な保護条件および脱保護条件もまた当業界に公知である。例えば、多数の保護基が、T. W. Greene and G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition, John Wiley & Sons, 1999 およびその引用文献中に記載されている。
【0180】
さらに、本発明の化合物は1以上のキラル中心を含むことができる。従って、必要に応じて、かかる化合物は、純粋な立体異性体(すなわち、各エナンチオマーもしくはジアステレオマー)、または立体異性体過剰混合物として製造または分離できる。全てのかかる立体異性体および立体異性体過剰混合物は、特記しない限り、本発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体および立体異性体過剰混合物は、例えば光学活性出発物質または当該技術分野で公知の立体選択的試薬を用いて製造できる。あるいはまた、かかる化合物のラセミ混合物は、例えばキラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤などを用いて分離できる。本発明の化合物の製造のために用いる一般的合成スキームおよび特定の反応プロトコルは、本明細書に記載の反応スキームおよび実施例中に記載されている。
【0181】
方法
特定の実施形態に基づき、本発明の化合物はATP利用酵素阻害活性を示す。従って、本発明の化合物の重要な用途の1つは、ヒトなどの対象に少なくとも1つの本発明の化合物を投与することを含む。かかる投与により、プロテインキナーゼなどのATP利用酵素により調節される疾患または状態の臨床症状の少なくとも1つの軽減、発現するリスクの軽減、獲得するリスクの軽減、抑制、緩和に役立てることができる。
【0182】
例えば、調節されていないか不適切に高いプロテインキナーゼ活性は、細胞機能異常から引き起こされる多くの疾患に関与するとされている。調節されていないかまたは異常に高いプロテインキナーゼ活性は、例えば、酵素の突然変異、過剰発現または異常な活性化などに関連しているプロテインキナーゼの適切な制御機構の欠損、あるいはプロテインキナーゼの上流または下流のシグナル伝達にも関与するサイトカインまたは増殖因子の過剰産生もしくは過少産生により直接的もしくは間接的に引き起こされる可能性がある。これらの例の全てにおいて、プロテインキナーゼの作用の選択的阻害は有益な効果を発揮すると期待できる。
【0183】
特定の実施形態によれば、本発明は、対象における少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療方法に関する。ATP利用酵素により調節される疾患は、例えば、疾患の症状発現に影響している生物化学的プロセスに関与しているシグナル伝達、媒介、モジュレーション、制御またはその他にATP利用酵素が関与している疾患を含む。特定の実施形態において、本方法はプロテインキナーゼ酵素により調節される疾患の治療に有用である。プロテインキナーゼにより調節される疾患は、例えば、以下の一般的疾患グループ:癌、自己免疫疾患、代謝疾患、炎症性疾患、感染、中枢神経系疾患、神経変性疾患、アレルギー/喘息疾患、血管新生疾患、新生血管疾患、脈管形成疾患、心血管疾患などを含む。理論に拘束されるものではないが、プロテインキナーゼ酵素により調節されるとして知られているかまたは考えられている疾患の具体例は、移植片拒絶、変形性関節症、リウマチ様関節炎、多発性硬化症、糖尿病、糖尿病性網膜症、喘息、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、腎性悪液質、敗血症ショック、狼瘡、糖尿病、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、湿疹、脂漏、アルツハイマー病、パーキンソン病、化学療法中の幹細胞保護、自家または同種骨髄移植の体外選択または体外除去、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、および急性リンパ性白血病を非限定的に含む白血病、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、卵巣癌、前立腺癌、腎癌、扁平上皮癌、膠芽腫、メラノーマ、膵臓癌、およびカポジ肉腫を非限定的に含む癌、眼疾患、角膜疾患、緑内障、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、心疾患、脳卒中、および肥満を含む。
【0184】
本発明の化合物は、異常なプロテインキナーゼ活性が役割を果たしている糖尿病、炎症、アルツハイマー病、神経変性、脳卒中、肥満、および癌などを含む疾患の治療に使用できる。
【0185】
本発明の特定の実施形態は、治療を必要とする対象に少なくとも1つの本発明の化合物の治療的に有効な投与量を投与するステップを含んでなる、対象における該疾患の治療方法に関する。一部の実施形態において、疾患はプロテインキナーゼなどの少なくとも1つのATP利用酵素により調節されることができる。特定の疾患は、1以上のATP利用酵素により調節されることができる。かかる場合において、疾患または障害の治療は、1以上のATP利用酵素の活性を阻害する少なくとも1つの本発明の化合物または各化合物が少なくとも1つの異なるATP利用酵素を阻害する2以上の本発明の化合物の治療上有効な量を投与することを含むことができる。
【0186】
本発明の他の実施形態は、プロテインキナーゼなどを含む少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法に関する。特定の実施形態において、ATP利用酵素は、本明細書に記載の式のいずれかの少なくとも1つの化合物または本明細書に記載の式のいずれかの少なくとも1つの化合物を含んでなる組成物を対象に投与する方法により阻害することができる。
【0187】
特定の実施形態において、本発明は少なくとも1つのATP利用酵素を少なくとも1つの本発明の化合物と接触させることによるATP利用酵素活性の阻害方法に関する。ATP利用酵素は、ATP基質からリン酸基を転移させることにより生物学的分子のリン酸化を触媒するホスホトランスフェラーゼ酵素を含む。ATP利用酵素は、例えば、ホスファターゼ、合成酵素、リガーゼ、シナプシン、およびキナーゼを含む。
【0188】
本発明の特定の方法は、例えば、以下のプロテインキナーゼ酵素:ABL、ABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70を含むプロテインキナーゼ酵素の阻害に有用である。
【0189】
式(III)の化合物を用いる本発明の特定の方法は、例えば、以下のプロテインキナーゼ酵素:AKT2、AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CHEK1、CHEK2、CK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MSK2、NEK2、P38−α、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、SYK、TRKB、およびZAP70を含むプロテインキナーゼ酵素の阻害に有用である。
【0190】
式(IV)の化合物を用いる本発明の特定の方法は、例えば、以下のプロテインキナーゼ酵素:ABL、ABL1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PDGFR−α、PDK1、PKA、ROCK2、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70を含むプロテインキナーゼ酵素の阻害に有用である。
【0191】
式(V)の化合物を用いる本発明の特定の方法は、例えば、以下のプロテインキナーゼ酵素:AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CK2、FLT−3、GSK−3α、GSK−3β、KIT、MSK1、P38−β、PDGFR−α、およびTRKBを含むプロテインキナーゼ酵素の阻害に有用である。
【0192】
式(VI)の化合物を用いる本発明の特定の方法は、例えば、以下のプロテインキナーゼ酵素:ABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−γ、P38−β、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70を含むプロテインキナーゼ酵素の阻害に有用である。
【0193】
特定の実施形態において、本発明の方法は、哺乳動物などの生物に存在するATP利用酵素;細胞、細胞培養、もしくはそれらの抽出物、哺乳動物から得られる生検材料またはその抽出物および血液、唾液、便、精液、涙もしくは他の体液またはその抽出物などの生物学的サンプルに含まれるATP利用酵素;試薬に含まれるかまたは物理的担体に結合したATP利用酵素の阻害に使用することができる。特定の実施形態において、ATP利用酵素は疾患または障害を調節でき、他の実施形態において、ATP利用酵素は疾患または障害を調節できない。
【0194】
本発明の方法に従って、少なくとも1つのATP利用酵素を、少なくとも1つの本発明の化合物と接触させることにより阻害できる。インビボでのATP利用酵素は、経路を介した、前記の少なくとも1つの本発明の化合物を含んでなる組成物を用いる投与により阻害できる。インビトロ系に関しては、少なくとも1つの本発明の化合物とATP利用酵素を接触させることは、例えば、液体試薬を混合するかまたは固体担体に結合させたATP利用酵素および/または本発明の化合物と試薬を混合させることを含むことができる。ATP利用酵素および本発明の化合物は、生化学分析、アッセイ、スクリーニングなどを実施するために用いるアフィニティークロマトグラフィーカラム、マイクロアレイ、ミクロ流体装置、アッセイプレート、または他の適切な化学もしくはバイオテクノロジー装置などの任意の適切な装置中で接触させることができる。
【0195】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸内、経鼻、バッカル、経膣、埋め込み式リザーバ−、または任意の他の適切な経路により投与できる。本発明の医薬組成物は、任意の通常の無毒の薬学的に許容される、賦形剤担体、アジュバントおよび/またはビヒクルを含むことができる。一部の実施形態において、製剤のpHは、製剤化された化合物または送達形態の安定性を高めるために薬学的に許容される酸、塩基または緩衝液を用いて調節することができる。本明細書においては、非経口という用語は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、鞘内、病巣内、および頭蓋内注射または輸液技術を含む。
【0196】
特定の実施形態において、本明細書に記載の化合物は経口送達が可能である。経口投与のための適切な投与量範囲は、化合物の有効性に従って決めることができるが、一般的には体重1kgあたり化合物0.1mg〜20mgであることができる。適切な投与量は、25〜500mg/日の範囲であることができ、化合物の投与量は、対象の血漿中に等モル量の化合物を提供するように調節することができる。投与量範囲は当業者に公知の方法により容易に決定できる。
【0197】
一回分の投与量は、単回投与、複数回投与、持続放出もしくは制御された持続放出、または任意の他の適切な投与間隔および/または放出速度で組成物を用いて送達できる。
【0198】
本発明の化合物は、哺乳動物における治療上の使用に先立って、所望される治療効果または予防効果について、インビトロおよびインビボでアッセイすることができる。例えば、インビトロアッセイは、本発明の特定の化合物または該化合物の組み合わせの投与が、特定のATP利用酵素の活性の阻害または少なくとも1つの疾患の治療に有効であるかどうか決定するために使用することができる。本発明の化合物はまた、動物モデルシステムを用いて有効性および安全性を示すこともできる。本発明の化合物の治療上有効な量は、特定の実施形態において、大きな毒性を引き起こすことなく治療効果をもたらすことができる。本発明の化合物の毒性は、標準的な薬学的方法を用いて決定でき、当業者は容易に確認することができる。毒性作用および治療効果間の用量比は治療係数である。本発明の化合物は疾病・疾患の治療において高い治療係数を示すことができる。本発明の化合物の投与量は、毒性をほとんど示さない有効量を含む循環濃度の範囲内である。
【0199】
組成物
医薬品として使用する場合、本発明の化合物は医薬組成物の形で投与できる。かかる組成物は医薬品業界に公知の方法で製造でき、少なくとも1つの本発明の化合物を含むことができる。
【0200】
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の化合物の治療上有効な量、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤(例えば、希釈剤、担体、またはアジュバントなど)を含むことができる。本発明の医薬組成物はさらに、1以上の本発明の化合物の治療効果を高める少なくとも1つの化合物を含むことができる。例えば、かかる化合物は、化合物の血漿中濃度を効果的に高めることにより、本発明の化合物の治療効果を高めることができる。理論に拘束されるものではないが、特定の化合物は、投与前または血漿への輸送中、もしくは血漿内での本発明の化合物の分解を抑制できる。特定の化合物は、消化管における化合物の吸収を増加させることにより血漿中濃度を増加させることができる。本発明の医薬組成物はまた、疾患または障害の治療のために通常投与されるさらなる治療剤を含むことができる。
【0201】
特定の実施形態において、医薬組成物は少なくとも1つの本発明の化合物および組み合わせ療法を実施するために適切な少なくとも1つのさらなる治療剤を含むことができる。
【0202】
一部の実施形態において、本発明の化合物および組成物は経口投与できる。本組成物は、医薬品業界に公知の方法で製造でき、少なくとも1つの本発明の化合物を含むことができる。一部の実施形態において、本発明の組成物は、対象への適切な投与のための形態を提供するために、精製形であることができる1以上の本発明のチオフェンベース化合物の治療上有効な量および少なくとも1つのさらなる治療剤の治療上有効な量、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤の適切な量を含む。
【0203】
本発明の一部の実施形態は、薬学的に許容される賦形剤を伴う1以上の本発明の化合物を活性成分として含む組成物に関する。本発明の特定の組成物の製造において、活性成分は、賦形剤と混合し、賦形剤で希釈し、あるいはカプセル、サシェ、紙または他の容器の形であることができる担体内に封入することができる。賦形剤が希釈剤として供される場合、賦形剤は固体、半固体または液体物質であることができ、活性成分のビヒクル、担体または媒体としての役割を果たす。従って、例えば、組成物は、軟および硬ゼラチンカプセルなどを用い、例えば、1%〜90重量%の1以上の本発明の化合物を含む、錠剤、ピル、粉末剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル剤、サスペンジョン、エマルジョン、液体、およびシロップの形であることができる。
【0204】
組成物の製造において、他の成分と混合する前に、活性化合物を粉末化して適切な粒子径を得ることが必要な場合がある。活性化合物が不溶性の場合、活性成分は通常200メッシュ未満の粒子径に粉末化できる。活性化合物が水溶性の場合、粒子径を粉砕により調節して、製剤中で例えば40メッシュの均一な分布を得ることができる。
【0205】
適切な賦形剤の例は、限定するものではないが、ラクトース、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。加えて、一部の組成物はタルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油などの滑沢剤、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロピルなどの保存剤、甘味剤、ならびに風味剤などを含むことができる。本発明の組成物は、当該技術分野で公知の方法を用い、対象への投与後の活性成分の迅速放出、持続放出または遅延放出を提供するために製剤化できる。
【0206】
本発明の一部の組成物は、各投与量が例えば、0.1mg〜2gの活性成分を含有する単位製剤に製剤化できる。本明細書においては、”単位製剤”は、ヒト対象および他の哺乳動物のための単位投与量として適切な、適切な医薬賦形剤、希釈剤、担体および/またはアジュバントを加えた物理的に分離した単位であって、各単位が所望の治療効果を発揮するために算出された活性物質の所定量を含有する該製剤を指す。特定の実施形態において、本発明の組成物は、複数製剤に製剤化できる。他の物質および治療剤と混合して本発明の組成物を製造することができる単回製剤中の本発明の化合物の量は、対象および特定の投与方法に従って変化するであろう。
【0207】
疾患の治療において、本発明の化合物は治療上有効な量で投与できる。しかしながら、投与される化合物の量は、治療を受ける状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、年齢、体重、および各対象の反応、対象の症状の重篤度などを含む関連環境を考慮して、医師が決定するであろう。
【0208】
錠剤などの固体組成物を製造するために、主要な活性成分を医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均一な混合物を含有する固体の前製剤を形成することができる。これらの前製剤を均一と呼ぶとき、活性成分が組成物中に均一に分散されているため、組成物が錠剤、ピルおよびカプセルなどの等しい効果を有する単位製剤に容易に再分割できることを意味する。ついで、固体の前製剤を、例えば、0.1mg〜2gの治療的に有効な本発明の化合物を含有する前述のタイプの単位製剤に再分割することができる。
【0209】
本発明の特定の組成物を含んでなる錠剤またはピルは、コーティングするかまたは他の方法で混合して、持続作用の利点を与える製剤を提供することができる。例えば、錠剤またはピルは、内部の投与成分と外部の投与成分(後者は前者を覆う形である)を含むことができる。二つの成分は胃における崩壊に抵抗するために役立つ腸溶性層により分離され、内部の成分が十二指腸に分解されないで届くかまたは放出が遅延されることを可能にする。種々の物質がかかる腸溶性層または腸溶性コーティングのために使用できるが、かかる物質には、セラック、セチルアルコール、およびセルロースアセテートなどの多くの高分子酸および高分子酸の混合物が含まれる。
【0210】
本発明の組成物を経口または注射投与のために組み込むことができる液体形は、水溶液フレーバーシロップ、水性またはオイルサスペンジョンおよび綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、または落花生油などの食用油ばかりでなくエリキシル剤および同様な医薬ビヒクルを用いるフレーバーエマルジョンを含む。
【0211】
本発明の化合物に加えて、本発明の化合物の薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグもまた、上記の疾患の治療または予防のために医薬組成物中に使用することができる。
【0212】
本明細書においては、”薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグ”は、レシピエントに投与されるとき、直接または間接に、本発明の化合物または抑制活性代謝物もしくはその残余を生成することができる、本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体を指す。かかる誘導体またはプロドラッグの例は、該化合物を哺乳動物に投与するとき、本発明の化合物の生物学的利用率を増加させるもの(例えば、経口投与された化合物を血中により容易に吸収されるようにして)、あるいは元の化合物と比較して生物区画(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を高めるものを含む。
【0213】
特定の実施形態において、許容される製剤原料は、使用投与量および濃度でレシピエントに毒性のないものであることができる。
【0214】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、例えば、組成物のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、等浸透圧、におい、無菌性、安定性、溶出速度、放出速度、吸着または浸透を修飾、保持または持続するための製剤原料を含有することができる。特定の実施形態において、適切な製剤原料は、限定するものではないが、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;抗菌剤;アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、もしくは亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;ホウ酸塩、重炭酸塩、トリス−HCl、クエン酸塩、リン酸塩もしくは他の有機酸などの緩衝液;マンニトールもしくはグリシンなどの充填剤;エチレンジアミン酢酸(EDTA)などのキレート剤;カフェイン、ポリビニルピロリドン、β−シクロデキストリンもしくはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなどの乳化剤;増量剤;単糖類;二糖類;そしてグルコース、マンノース、またはデキストリンなどの他の炭水化物;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;着色剤、風味剤、希釈剤;乳化剤;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;低分子量ポリペプチド;ナトリウムなどの塩形成性対イオン;塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸もしくは過酸化水素などの防腐剤;グリセリン、プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなどの溶媒;マンニトールもしくはソルビトールなどの糖アルコール;縣濁化剤;プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート(ポリソルベート20、ポリソルベート80など)、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポールなどの界面活性剤もしくは湿潤剤;ショ糖もしくはソルビトールなどの安定化促進剤;アルカリ金属ハロゲン化物(塩化ナトリウムもしくは塩化カリウムなど)、マンニトール、ソルビトールなどの等張化剤;送達ビヒクル;希釈剤;賦形剤および/または医薬アジュバントを含む(Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, ed., Mack Publishing Company (1990))。
【0215】
特定の実施形態において、当業者は、例えば対象とする投与経路、送達形態、および所望の投与量に従って最適の医薬組成物を決定できる。例えば、上記のRemington's Pharmaceutical Sciences を参照のこと。特定の実施形態において、かかる組成物は本発明の抗体の物理状態、安定性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響を及ぼすことができる。
【0216】
特定の実施形態において、医薬組成物における主要なビヒクルまたは担体は、水性または非水性のいずれかであることができる。例えば、特定の実施形態において、適切なビヒクルまたは担体は、非経口投与のための組成物中に通常含まれる他の物質を添加することが可能な、注射用蒸留水、生理食塩水または人口脳脊髄液であることができる。特定の実施形態において、血清アルブミンを混合した中性の緩衝生理食塩水または生理食塩水は、さらなる典型的なビヒクルである。特定の実施形態において、医薬組成物はpH7〜8.5のトリス緩衝液、またはpH4〜5.5の酢酸緩衝液を含み、これらはさらにソルビトールまたはその適切な代替物を含むことができる。特定の実施形態において、生理的なpHまたは少し低めのpH(一般的に、pH5〜8の範囲内)に組成物を維持するために緩衝液を用いる。
【0217】
特定の実施形態において、非経口送達のために本発明の医薬組成物を選択することができる。他の実施形態において、吸入または消化管を介する送達(経口など)のために組成物を選択することができる。かかる薬学的に許容される組成物の製造法は当業者に公知である。
【0218】
特定の実施形態において、組成物成分は投与部位に許容される濃度で存在することができる。特定の実施形態において、非経口投与が検討される場合、治療用組成物は、薬学的に許容されるビヒクル中に、さらなる治療剤の有無にかかわらず少なくとも1つの本発明の化合物を含んでなる、パイロジェンフリーで非経口的に許容される水溶液の形であることができる。他の実施形態において、注射剤のためのビヒクルは、少なくとも1つのさらなる治療剤の有無にかかわらず、少なくとも1つの本発明の化合物が適切に防腐された滅菌等張溶液として製剤化された滅菌蒸留水であることができる。さらに他の実施形態において、医薬組成物は、本発明の化合物の放出制御または持続放出を提供でき、デポー剤によって送達できる、マイクロスフェア注射剤、生分解性粒子、ポリ酢酸もしくはポリグリコール酸などのポリマー化合物、ビードまたはリポソームなどの薬剤と少なくとも1つの本発明の化合物のカプセル化を含むことができる。特定の実施形態において、対象の血漿、標的器官内、または対象の体内の特定の部位に本発明の化合物を導入するために、植え込み型薬物送達デバイスを使用することができる。
【0219】
特定の実施形態において、医薬組成物は吸入のために製剤化できる。特定の実施形態において、本発明の化合物は、少なくとも1つのさらなる治療剤の有無にかかわらず、吸入のための乾燥粉末として製剤化できる。特定の実施形態において、本発明の化合物を含んでなる吸入液は、少なくとも1つのさらなる治療剤の有無にかかわらず、エアゾール投与のための噴射剤を用いて製剤化できる。他の実施形態において、溶液は噴霧することができる。さらに他の実施形態において、本発明の化合物の溶液、粉末剤または乾燥フィルムは、肺送達のためにエアゾール化または気化することができる。
【0220】
特定の実施形態において、製剤が経口投与できることが考慮される。特定の実施形態において、本発明の化合物は、経口投与できる少なくとも1つのさらなる治療剤の有無にかかわらず、錠剤およびカプセルなどの固体製剤の混合に通常用いられる担体の有無にかかわらず製剤化できる。他の実施形態において、カプセルは、生物学的利用率を最大化し、前体内分解を最小化できる消化管領域において製剤の活性部分を放出するように設計できる。さらに他の実施形態において、本発明の化合物および/または任意のさらなる治療剤の体循環への吸収を容易にするために、少なくとも1つのさらなる薬剤を製剤中に含むことができる。特定の実施形態において、希釈剤、風味剤、低融点ワックス、植物油、滑沢剤、縣濁化剤、錠剤崩壊剤、および結合剤を使用できる。
【0221】
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、錠剤の製造に適切な無毒の賦形剤と混合した少なくとも1つのさらなる治療剤の有無にかかわらず、本発明の化合物の有効量を含むことができる。特定の実施形態において、滅菌水、または他の適切なビヒクル中に錠剤を溶解することにより、溶液を投薬単位形に製造できる。特定の実施形態において、適切な賦形剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ラクトース、もしくはリン酸カルシウムなどの不活性希釈剤;またはデンプン、ゼラチン、もしくはアカシアゴムなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルクなどの滑沢剤を含む。
【0222】
特定の実施形態において、投与頻度には、使用される医薬組成物中の本発明の化合物および/または任意のさらなる治療剤の薬物動態学的パラメーターが考慮される。特定の実施形態において、臨床医は、所望の効果が達成される投与量に達するまで組成物を投与することができる。組成物は、単回投与もしくは治療的有効化合物を同量含むこともあれば、そうでなくともよい複数回投与、または埋め込みデバイスもしくはカテーテルによる持続注入により投与できる。当業者は、ルーチンに、適切な投与量のさらなる微調整を行うことができる。例えば、治療的に有効な投与量および用法・用量は、適切な用量反応データを使用することにより決定できる。
【0223】
特定の実施形態において、医薬組成物の投与経路は公知の方法、例えば、経口、静脈内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋肉内、眼内、動脈内、門脈内、もしくは病巣内経路による注射;持続放出システムまたは埋め込みデバイスなどによる公知の方法によることができる。特定の実施形態において、組成物はボーラス注射、または継続的な輸液もしくは埋め込みデバイスにより投与できる。
【0224】
特定の実施形態において、所望される本発明の化合物を吸着またはカプセル化した膜、スポンジまたは他の適切な物質の埋め込みにより組成物を局所投与できる。特定の実施形態において、埋め込みデバイスが使用される場合、デバイスを任意の適切な組織または臓器に埋めこむことにより、拡散、徐放ボーラス、または継続投与により所望の分子を送達できる。
【0225】
特定の実施形態において、エクスビボで、少なくとも1つのさらなる治療剤の有無にかかわらず、本発明の化合物を含んでなる医薬組成物を使用することが所望される場合がある。例えば、対象から取り出した細胞、組織および/または臓器に、少なくとも1つのさらなる治療剤の有無にかかわらず本発明の化合物を含んでなる医薬組成物を作用させ、しかる後、細胞、組織および/または臓器を対象に埋め込みなおす。
【0226】
特定の実施形態において、本発明の化合物および/または任意のさらなる治療剤は、当該技術分野で公知の方法により本発明の化合物を発現および分泌するように遺伝子工学的手法を用いた特定の細胞を埋め込むことにより送達できる。特定の実施形態において、かかる細胞は動物またはヒト細胞であって、自家細胞、異型細胞または異種細胞であることができる。特定の実施形態において、細胞は不死化されることができる。特定の実施形態において、免疫学的反応のリスクを減らすために、細胞をカプセル化し、周辺組織への浸潤を防ぐことができる。特定の実施形態において、カプセル化物質は、対象の免疫系または周辺組織に由来する他の有害因子による細胞の破壊を防ぎながら、タンパク質生成物の放出を可能にする、生体適合性、半透性ポリマーの封入物または膜であることができる。
【0227】
本明細書記載の医薬組成物は、経口、頬、非経口、経鼻、局所もしくは直腸投与に適する形、または吸入もしくは吹き入れによる投与に適する形であることができる。
【0228】
本発明の組成物は、必要に応じて、活性成分を含む1以上の単位製剤を含むことができるパックまたはディスペンサー装置に入れて提供できる。パックまたはディスペンサー装置には、投与のための使用説明書を添付することができる。
【0229】
特定の疾患の治療に要する本発明の化合物の量は、化合物および治療を受ける対象の疾患に応じて変えることができる。一般に、1日量は、経口またはバッカル投与のためには100ng/kg〜100mg/kg(例えば、0.01mg/kg〜40mg/体重(kg))であり;非経口投与のためには10ng/kg〜50mg/体重(kg)(例えば0.001mg/kg〜20mg/体重(kg))であり;そして経鼻投与または吸入もしくは吹き入れ投与のためには、0.05mg〜1,000mgであることができる。
【0230】
特定の本発明の化合物および/または本発明の組成物は、持続放出システムで投与できる。特定の実施形態において、本発明の化合物は経口徐放性投与により送達できる。この実施形態において、本発明の化合物は、例えば、二日に一回および一日に一回投与できる。
【0231】
本発明の化合物は、多くの異なる製剤を用いて実施でき、該製剤は経口投与による化合物の持続放出および/または徐放性を提供するように適合できる。持続放出および/または徐放性製剤の例は、限定するものではないが、溶解放出または拡散放出組成物および/または構造を含んでなるビード、経口持続放出ポンプ、腸溶性製剤、化合物放出脂質マトリックス、化合物放出ワックス、浸透デリバリーシステム、生分解性ポリマーマトリックス、拡散ポリマーマトリックス、多数の徐放ペレット、ならびに浸透圧製剤を含む。
【0232】
用いられる持続放出経口製剤の特定の形態にかかわらず、化合物および本発明の組成物は、長期間製剤から放出させることができる。特定の実施形態において、持続放出経口製剤により、少なくとも数時間にわたって本発明の化合物の治療上有効な量を提供できる。特定の実施形態において、持続放出製剤は、長時間(例えば少なくとも数時間)、対象の血漿中に本発明の化合物の治療的に有効な一定の濃度を提供できる。他の実施形態において、持続放出経口製剤は、対象の血漿中に本発明の化合物の調節された一定濃度の治療上有効な量を提供できる。
【0233】
組成物および本発明の化合物を含んでなる製剤は、例えば、二日に一回または一日に一回など、特定の間隔で投与できる。
【0234】
経口投与のための典型的な投与量範囲は、本発明の化合物の有効性によって決まるが、体重1kgあたり化合物0.1mg〜20mgであることができる。投与量範囲は当業者に公知の方法により容易に決定できる。
【0235】
対象において使用する前に治療または予防効果を決定および最適化するために、インビトロおよびインビボにおいて本発明の化合物をアッセイできる。例えば、特定の本発明の化合物または該化合物の組み合わせの投与が治療効果を示すかどうかを決定するために、インビトロアッセイを使用できる。動物モデルシステムを用いて、本発明の化合物が有効かつ安全であることを示すこともできる。
【0236】
大きな毒性を引き起こすことなく、本発明の化合物の治療上有効な量が治療効果を発揮することが所望される。本発明の化合物の毒性は、通常の薬学的方法を用いて決定でき、当業者は容易に確認することができる。毒性作用および治療効果間の用量比は治療係数である。特定の実施形態において、本発明の化合物は疾患および障害の治療において特に高い治療係数を示すことができる。特定の実施形態において、本発明の化合物の投与量は、毒性をほとんど伴わないで治療効果を示す循環濃度の範囲内であることができる。
【実施例】
【0237】
本発明の実施形態は、本発明の化合物の詳細な製造方法および本発明の化合物を用いるアッセイを記載する以下の実施例を参照することによりさらに明確にすることができる。原料及び方法についての多くの修飾が本発明の範囲から離れることなく実施できることは当業者に明らかであろう。
【0238】
以下の実施例において、以下の略語は以下の意味を有する。略語が定義されていない場合、その略語は一般に認められている意味を有する。
【0239】
ATP=アデノシン三リン酸
BSA=ウシ血清アルブミン
Da=ダルトン
DMSO=ジメチルスルホキシド
DTT=(R,R)−ジチオスレイトール
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
g=グラム
hr=時間
L=リットル
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
M=モル
MS=質量分析法
min=分
mL=ミリリットル
mm=ミリメートル
mmol=ミリモル
mM=ミリモル
nM=ナノモル
μL=マイクロリットル
μM=マイクロモル
psi=ポンド/平方インチ
RT=保持時間
THF=テトラヒドロフラン
TFA=トリフルオロ酢酸
実施例1
特定の式(IV)の化合物の合成
式(IV)の構造を有する特定の本発明の化合物は、以下の一般合成スキーム:
【化13】

【0240】
を用いて製造した。
【0241】
合成は二段階法で行った。式(IV)の構造を有する特定の本発明の化合物の合成の最初の段階では、以下の一般反応スキーム:
【化14】

【0242】
に従って、対応するケトンおよびシアノ酢酸エステルから、シッフ塩基の形成を行った。対応するケトンおよびシアノ酢酸エステルのそれぞれ5mmolを、5mLのトルエン中でゆっくりと加熱して溶解し、ついで5mmolの乾燥モルホリンを添加した。ついで反応容器に活性化モレキュラーシーブ4Aを加えた。反応混合物を80℃で12時間維持した。
【0243】
第2段階では、以下の一般反応スキーム:
【化15】

【0244】
に従って、Gewald反応を行った。
【0245】
前段階からの反応混合物に、5mlの無水エタノールおよび0.16gの硫黄(5mmol)を加えた。反応混合物を70℃で12時間、撹拌しながら加熱した。溶媒を留去した後、残渣をHPLCで精製した。精製前の粗収率は、HPLC分析に基づいて60−90%であった。
【0246】
HPLC精製に続いて、化合物をHPLC/MS/UV/ELSDにより特定した。島津逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムを、サンプル導入用LEAP HTS Palオートサンプラーを用いるSciex API−100エレクトロスプレーシングル四重極質量分析計に接続した。以下のHPLC条件を化合物の特定に用いた:
カラム:Chromolith SpeedRod RP−18e C18分析用カラム(4.6mm X 50mm)Phenomenex製(CA,USA)
流速:1.5mL/min
2つの移動層(移動層A:100%水,0.1%トリフルオロ酢酸(TFA);移動層B:100%アセトニトリル,0.12%TFA)を用い、4.4分間かけて5%B〜100%Bで勾配溶離し、100%Bで1分間継続し、ついで0.6分間かけて再平衡化した。10μlの注入量を用いた。
【0247】
図2に関連した特定の本発明の化合物の保持時間(RT)を以下の表に示す。
【表1】

【0248】
実施例2
HTS ATP利用酵素アッセイ
以下に、外部移動度シフトアッセイフォーマット中で操作するATP利用酵素(プロテインキナーゼなど)のHTSの試薬およびプレート調整の手順を示す。キャリパーHTS250ミクロ流体システムを用いてプロテインキナーゼHTSを行うHTSプロトコールを以下に示す。以下のパラメーターは使用するプロテインキナーゼによって異なり、当業者は典型的なアッセイ開発プロセスの一部分として決定できる。例えば、使用するペプチド基質は、最新の文献から特定するか、可能性のあるプロテインキナーゼ基質のペプチドライブラリーをスクリーニングして特定するか、あるいは当該分野で公知の他の適切な手段により特定すことことができる。
【0249】
以下の表に、アッセイAKT1に用いられるキャリパーHTS250ミクロ流体システムに適する典型的なスクリーニングアッセイパラメーターを示す。当業者は、他のプロテインキナーゼをアッセイするために用いられるパラメーターを決定できる。
【表2】


【0250】
以下の表に記載した試薬および緩衝液は、一般的にキャリパーHTS250システムを用いるヒトプロテインキナーゼについてのHTSスクリーニングを開発および実施するために適用できる。
【表3】

【0251】
以下の試薬は前記の緩衝液を用いて調整できる。
【0252】
2X主緩衝液(Master Buffer solution)は、200mLの1M HEPES、2mLの10%Triton X−100、20mLの10%BSA、および778mLのHOを混合して調整した。
【0253】
2.5X酵素緩衝液は、177.408mLの2X主緩衝液、0.887mLの1M DTT、0.089mLの100mM ATP、8.870mLの1M MgCl、0.089mLの100mM β−グリセロリン酸、0.089mLのNaVO、0.254mLの62.8μM酵素、および167.13mLのH0を混合して調整した。
【0254】
2.5X基質緩衝液は、177.408mLの2X主緩衝液、0.887mLの1mMペプチド−3、および176.521mLのH0を混合して調整した。
【0255】
1.55X停止緩衝液は、762.05mLの2X主緩衝液、95.1mLの0.5M EDTA、および666.94MlのH0を混合して調整した。
【0256】
TCB緩衝液は、125mLの2X主緩衝液、10mLの0.5M EDTA、6.25mLの4%コーティング試薬、1.01mLの100%DMSO、および107.74mLのH0を混合して調整した。
【0257】
色素トラフ溶液は、0.5μLのペプチド−X、および2,999.5μLの1X主緩衝液を混合して調整した。
【0258】
0%対照溶液は6,804μLの2X主緩衝液、770.21μLの100%DMSO、および6,033.79μLのH0を混合して調整した。
【0259】
100%阻害溶液は、2,268mLの2X主緩衝液、907.2μLの500mM EDTA、256.74μLの500mM DMSO、および1,104.06μLのH0を混合して調整した。
【0260】
70%阻害対照溶液は、4,536μLの2X主緩衝液、6.26μLの1mMの阻害剤、513.48μLの100%DMSO、および4,016.27μLのH0を混合して調整した。阻害剤の例は、スタウロスポリン、GF109203X、SB202190、H−89、AMPPNP、およびK252aを含む。
【0261】
1.06Xアッセイ緩衝液は、205.15mLの2X主緩衝液、および181.92mLのH0を混合して調整した。
【0262】
キャリパーHTS250ミクロ流体装置、Greiner U字型底アッセイプレート、試薬分注用マルチドロップ、およびBiomek FX(AMNCBM03)ソフトウェアを用いて本発明の化合物のキナーゼ阻害活性を測定するためのアッセイを行った。最初に、Greiner U字型底プレートのウェルに、100%DMSO中の試験化合物100μM溶液を2.4μL加える。24x16ウェルを有するGreiner U字型底プレート1枚で、複数の試験化合物をのせることができる。次に、アッセイプレートの各ウェルに1.06Xアッセイ緩衝液を2.6μL添加した。マルチドロップを用いて、特定のウェルに0%対照、100%対照および70%対照試薬を添加した。再び、アッセイプレートの各ウェルに、マルチドロップを用いて10μLの2.5X酵素緩衝液を加え、ついで10μLの2.5X基質緩衝液を添加した。各ウェル中の総反応容量は25μlであり、試験化合物の濃度は10μMであった。アッセイプレートをホイルでおおい、20℃〜22℃で2.5時間インキュベートした。インキュベーション時間の後に、45μLの1.55X停止緩衝液をアッセイプレートの各ウェルに加え、反応を停止した。キナーゼなどのATP利用酵素の阻害は、キャリパーHTS250システムを用い、アッセイプレートの各ウェルに関して、ペプチド基質対リン酸化生成物の比を測定することにより決定した。アッセイした特定のATP利用酵素に対して少なくとも10%の割合の阻害活性を示す化合物を決定した。
【0263】
キャリパーHTS250ミクロ流体装置、Greiner U字型底アッセイプレート、試薬分注用マルチドロップ、およびBiomek FX(AMNCBM03)ソフトウェアを用いて、本発明の化合物のキナーゼ阻害活性を測定するためのアッセイを行った。最初に、Greiner U字型底プレートのウェルに、100%DMSO中の試験化合物1mM溶液を2.4μL加えた。24x16ウェルを有するGreiner U字型底プレート1枚で、複数の試験化合物をのせることができた。次に、アッセイプレートの各ウェルに1.06Xアッセイ緩衝液を40μL添加した。Biomek FXを用い、10μlの0.5M EDTAをスパン8でウェル(100%対照と表示)に添加し、2.4μlの100%DMSOをスパン8でウェル(0%対照と表示)に添加した。マルチドロップを用いて、アッセイプレートの各ウェルに、10μLの2.5X酵素緩衝液、ついで10μLの2.5X基質緩衝液を加えた。各ウェル中の総反応容量は25μlであり、試験化合物の濃度は10μMであった。アッセイプレートを、20℃〜22℃で2.5時間インキュベートした。インキュベーション時間の後に、45μLの1.55X停止緩衝液をアッセイプレートの各ウェルに加え、反応を停止した。特定のプロテインキナーゼなどのATP利用酵素の阻害は、キャリパーHTS250システムを用い、アッセイプレートの各ウェルに関して、ペプチド基質対リン酸化生成物の比を測定することにより決定した。
【0264】
特定の標的ATP利用酵素に対する阻害活性が、同一の標的ATP利用酵素に対して主に不活性な化合物の集団に対する平均活性から3シグマ以上大きい化合物を、特定の標的ATP利用酵素の活性阻害剤とみなした。3シグマ限界の使用は、標的内の的中の可能性を示す代表的な保守的な方法である。3シグマ活性は、平均集団活性と同様に、各標的酵素に対して異なる可能性がある。この方法は、対照の測定方法に由来する100万分の1の期待偽陽性率を有する。主要標的に対する化合物の活性(例えば%阻害、IC50、Ki、EC50など)が、活性測定の誤差の範囲内で他の標的(単数または複数)に関するものと比較して有意に異なっている場合、該化合物は主要標的および他の標的間に選択性を示すとみなした。
【0265】
本発明の他の実施形態は、明細書および本明細書に記載の発明の実施の考察から当業者には明らかであろう。本明細書と実施例は典型例として考慮されることを意図したものであり、真の本発明の趣旨と範囲は、本特許請求の範囲により示される。
【図面の簡単な説明】
【0266】
【図1−8】本発明の化合物、本発明の組成物に含まれる化合物、および本発明の方法に使用される化合物のそれぞれの代表的な例である。
【図9−43】本発明の化合物、本発明の組成物に含まれる化合物、および本発明の方法に使用される化合物のそれぞれの代表的な例である。
【図44−48】本発明の化合物、本発明の組成物に含まれる化合物、および本発明の方法に使用される化合物のそれぞれの代表的な例である。
【図49−101】本発明の化合物、本発明の組成物に含まれる化合物、および本発明の方法に使用される化合物のそれぞれの代表的な例である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42】

【図43】

【図44】

【図45】

【図46】

【図47】

【図48】

【図49】

【図50】

【図51】

【図52】

【図53】

【図54】

【図55】

【図56】

【図57】

【図58】

【図59】

【図60】

【図61】

【図62】

【図63】

【図64】

【図65】

【図66】

【図67】

【図68】

【図69】

【図70】

【図71】

【図72】

【図73】

【図74】

【図75】

【図76】

【図77】

【図78】

【図79】

【図80】

【図81】

【図82】

【図83】

【図84】

【図85】

【図86】

【図87】

【図88】

【図89】

【図90】

【図91】

【図92】

【図93】

【図94】

【図95】

【図96】

【図97】

【図98】

【図99】

【図100】

【図101】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの式(I):
【化1】

[式中:
Eは−CN、ハロゲン、−NO、および−C(=X)YRから選択され;ここで
XはOおよびSから選択され;
Yは−N(R10)−、O、S、および直接結合から選択され;ここで
10はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルから選択され、そしてYが−N(R10)−、または直接結合である場合、Rはさらにアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換へテロアリール、−N(R、および−ORから選択され;ここで
各Rは独立してアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;そして
はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
はH、−CHO、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニル、−C(O)O−、アミノスルホニル、アミノチオカルボニル、−C(=O)NR11−、スルホニル、およびチオカルボニルから選択され;ここで
11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、およびHから選択され;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、ハロゲン、−NH、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミノ、および置換ジアルキルアミノから選択され;そして
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;
ただし、
Eが−COである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNであり、Rが−C(=X)NHであり、ここでXがOまたはSである場合:
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがC(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキルまたは置換アルキルではなく;そして
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで式(I)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]
の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物。
【請求項2】
少なくとも1つの式(II):
【化2】

[式中:
Eは−CN、ハロゲン、−NO、および−C(=X)YRから選択され;ここで
XはOおよびSから選択され;
Yは−N(R10)−、O、S、および直接結合から選択され;ここで
10はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルから選択され、そしてYが−N(R10)−、または直接結合である場合、Rはさらにアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換へテロアリール、−N(R、および−ORから選択され;ここで
各Rは独立してアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;そして
はH、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、−CHO、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニル、−C(O)O−、アミノスルホニル、アミノチオカルボニル、−C(=O)NR11−、スルホニル、およびチオカルボニルから選択され;ここで
11はアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、およびHから選択され;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともに、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、ハロゲン、−NH、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキル、ジアルキルアミノ、および置換ジアルキルアミノから選択され;そして
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;
ただし、
Eが−COである場合:
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNである場合:
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジンまたは置換アミノトリアジンではなく;
Eが−CNであり、Rが−C(=X)NHである場合:
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、Rが−C(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキル、または置換アルキルではなく;そして
Eが−C(=O)NR10であり、RがHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで式(II)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]
の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物。
【請求項3】
YがO、直接結合、およびR10がHである−N(R10)−から選択され;RがH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、請求項2の化合物。
【請求項4】
がH、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C3−12アリール、置換C3−12アリール、C3−12ヘテロアリール、置換C3−12ヘテロアリール、C4−18アリールアルキル、および置換C4−18アリールアルキルから選択される、請求項3の化合物。
【請求項5】
がH、および−ZRから選択され、ここでZがカルボニル、および−C(=O)NH−から選択され、そしてRがH、−COOH、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C3−12ヘテロシクロアルキル、置換C3−12ヘテロシクロアルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロアリールアルキル、置換C6−18へテロアリールアルキル、C4−18シクロアルキルアルキル、置換C4−18シクロアルキルアルキル、C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、および置換C5−12ビシクロへテロアルキルから選択される、請求項2の化合物。
【請求項6】
がH、ハロゲン、−NH、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、およびジアルキルアミノから選択される、請求項2の化合物。
【請求項7】
がH、ハロゲン、−NH、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10アシル、置換C1−10アシル、C1−10アルコキシカルボニル、置換C1−10アルコキシカルボニル、C1−10アミノカルボニル、置換C1−10アミノカルボニル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C3−12ヘテロアルキル、置換C3−12ヘテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、置換C6−18ヘテロアリールアルキル、およびC2−20ジアルキルアミノから選択される、請求項2の化合物。
【請求項8】
がH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択される、請求項2の化合物。
【請求項9】
がH、ハロゲン、C1−10アシル、置換C1−10アシル、C1−10アルコキシカルボニル、置換C1−10アルコキシカルボニル、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10アミノカルボニル、置換C1−10アミノカルボニル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキル、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C4−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される、請求項2の化合物。
【請求項10】
少なくとも1つの式(III)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物:
【化3】

[式中:
はH、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニルであり;そして
はH、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
はH、−NH、アルキル、および置換アルキルから選択され;そして
はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
ただし、
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンではなく;そして
が−C(=X)NHであり、ここでXがOまたはSである場合:
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;そして、
は非置換フェニル、またはO、NもしくはSから選択される1〜3ヘテロ原子を含む5〜7員ヘテロ芳香環ではなく;
そしてここで、式(III)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]
の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物。
【請求項11】
がC1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−8ヘテロアルキル、置換C1−8ヘテロアルキル、C6−12アリールアルキル、置換C6−12アリールアルキル、C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換C6−12ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、請求項10の化合物。
【請求項12】
およびRが、RおよびRが結合している原子とともにC5−10シクロアルキル、置換C5−10シクロアルキル、C5−10ヘテロシクロアルキル、または置換C5−10ヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項10の化合物。
【請求項13】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、および=Oから選択される、請求項12の化合物。
【請求項14】
がC1−8アルキル、置換C1−8ヘテロアルキル、置換C5−10アリールアルキル、および置換C6−10ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、請求項10の化合物。
【請求項15】
が−NH、C1−8アルキル、および置換C1−8アルキルから選択される、請求項10の化合物。
【請求項16】
がH、および−C(O)Rから選択され、ここでRがC1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−8ヘテロアルキル、置換C1−8ヘテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される、請求項10の化合物。
【請求項17】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C5−8アリール、置換C5−8アリール、C5−8ヘテロアリール、置換C5−8ヘテロアリール、=O、=S、−COOH、−CF、および−OHから選択される、請求項16の化合物。
【請求項18】
少なくとも1つの化合物が、化合物1.1〜1.45:
【化4】







その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する、請求項10の化合物。
【請求項19】
少なくとも1つのATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項10の化合物。
【請求項20】
ヒトプロテインキナーゼがAKT2、AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CHEK1、CHEK2、CK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MSK2、NEK2、P38−α、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項19の化合物。
【請求項21】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、および少なくとも1つの請求項10記載の化合物の治療上有効な量を含んでなる医薬組成物。
【請求項22】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、および少なくとも1つの請求項18記載の化合物の治療上有効な量を含んでなる医薬組成物。
【請求項23】
少なくとも1つの化合物が、アルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される少なくとも1つの疾患の患者の治療に有効な量で存在する、請求項21の医薬組成物。
【請求項24】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項23の医薬組成物。
【請求項25】
少なくとも1つの請求項10記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必用とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項26】
少なくとも1つの請求項18記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必用とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項27】
少なくとも1つの疾患がアルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される、請求項25の方法
【請求項28】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項27の方法。
【請求項29】
少なくとも1つの請求項10記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項30】
少なくとも1つの請求項18記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項31】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項29の方法。
【請求項32】
ヒトプロテインキナーゼがAKT2、AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CHEK1、CHEK2、CK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MSK2、NEK2、P38−α、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項31の方法。
【請求項33】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項10記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項34】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項18記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項35】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項33の方法。
【請求項36】
ヒトプロテインキナーゼがAKT2、AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CHEK1、CHEK2、CK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MSK2、NEK2、P38−α、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項35の方法。
【請求項37】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必用とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項10記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項38】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必用とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項18記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項39】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項37の方法。
【請求項40】
ヒトプロテインキナーゼがAKT2、AURORA−A、CDK2/サイクリンE、CHEK1、CHEK2、CK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LYNA、MAPK1、MAPKAPK−2、MAPKAPK−3、MSK2、NEK2、P38−α、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PKA、PRAK、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項39の方法。
【請求項41】
少なくとも1つの式(IV):
【化5】

[式中:
はH、−CHO、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アルキルスルホニル、置換アルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここでZはカルボニルであり;そして
はH、−COOH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、および置換ビシクロへテロアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、およびジアルキルアミノから選択され;
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、置換ビシクロアルキル、ビシクロへテロアルキル、または置換ビシクロへテロアルキル環を形成し;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ただし、
はH、2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンから選択されず;そして
は2−アミノピリミジン、置換2−アミノピリミジン、2−アミノピリジン、置換2−アミノピリジン、アミノトリアジン、または置換アミノトリアジンから選択されず;
そしてここで、式(IV)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]
の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物。
【請求項42】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C2−6ジアルキルアミノ、および置換C2−6ジアルキルアミノから選択される、請求項41の化合物。
【請求項43】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルスルホニル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、−OH、−CN、−NH、−CF、ニトロ、および−NHC(O)CHから選択される、請求項42の化合物。
【請求項44】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C6−18アリールアルキル、および置換C6−18アリールアルキルから選択される、請求項41の化合物。
【請求項45】
がH、C1−6アルキル、およびC6−10アリールアルキルから選択される、請求項41の化合物。
【請求項46】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6アミノカルボニル、置換C1−6アミノカルボニル、C1−6カルボニル、置換C1−6カルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、置換C1−6アルコキシカルボニル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される、請求項41の化合物。
【請求項47】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、=O、C1−6アルコキシ、およびC1−6アルキルから選択される、請求項46の化合物。
【請求項48】
およびRが、RおよびRが結合している原子とともにC5−12シクロアルキル、置換C5−12シクロアルキル、C5−12ヘテロシクロアルキル、置換C5−12ヘテロシクロアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、または置換C5−12ビシクロへテロアルキル環を形成する、請求項41の化合物。
【請求項49】
少なくとも1つの置換基がC1−6アルコキシ、ハロゲン、C1−6アルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C1−6アルコキシカルボニル、置換C1−6アルコキシカルボニル、C6−12アリールアルキル、置換C6−12アリールアルキル、=O、および=N−OHから選択される、請求項48の化合物。
【請求項50】
がH、−COOH、−CH=O、C1−6アルキルスルホニル、置換C1−6アルキルスルホニル、C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−12ヘテロアリールアルキル、置換C6−12ヘテロアリールアルキル、および−CORから選択され、ここで
がC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C3−12シクロアルキル、置換C3−12シクロアルキル、C3−12ヘテロシクロアルキル、置換C3−12ヘテロシクロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18シクロアルキルアルキル、置換C6−18シクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、置換C6−18ヘテロアリールアルキル、C5−12ビシクロアルキル、置換C5−12ビシクロアルキル、C5−12ビシクロへテロアルキル、および置換C5−12ビシクロへテロアルキルから選択される、請求項41の化合物。
【請求項51】
少なくとも1つの置換基がC1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、置換C1−6ヘテロアルキル、C1−6アルコキシ、置換C1−6アルコキシ、C5−8アリール、置換C5−8アリール、C5−8ヘテロアリール、置換C5−8ヘテロアリール、C5−8シクロアルキル、置換C5−8シクロアルキル、C5−8ヘテロシクロアルキル、置換C5−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールアルキル、置換C6−10アリールアルキル、C6−10ヘテロアリールアルキル、置換C6−10ヘテロアリールアルキル、C6−10シクロアルキルアルキル、置換C6−10シクロアルキルアルキル、C6−10ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−10ヘテロシクロアルキルアルキル、C1−6アルキルスルホニル、置換C1−6アルキルスルホニル、ハロゲン、−OH、=O、ニトロ、−COOH、−CF、=NH、および−NHから選択される、請求項50の化合物。
【請求項52】
少なくとも1つの化合物が、化合物2.1〜2.193:
【化6】






























その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する、請求項41の化合物。
【請求項53】
少なくとも1つのATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項41の化合物。
【請求項54】
ヒトプロテインキナーゼがABL、ABL1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PDGFR−α、PDK1、PKA、ROCK2、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項53の化合物。
【請求項55】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、および少なくとも1つの請求項41記載の化合物の治療上有効な量を含んでなる医薬組成物。
【請求項56】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤および少なくとも1つの請求項52記載の化合物を含んでなる医薬組成物。
【請求項57】
少なくとも1つの化合物が、アルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される少なくとも1つの疾患の患者の治療に有効な量で存在する、請求項55の医薬組成物。
【請求項58】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項57の医薬組成物。
【請求項59】
少なくとも1つの請求項41記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必用とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項60】
少なくとも1つの請求項52記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必用とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項61】
少なくとも1つの疾患がアルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される、請求項59の方法。
【請求項62】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項61の方法。
【請求項63】
少なくとも1つの請求項41記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項64】
少なくとも1つの請求項52記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項65】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項63の方法。
【請求項66】
ヒトプロテインキナーゼがABL、ABL1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PDGFR−α、PDK1、PKA、ROCK2、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項65の方法。
【請求項67】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項41記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項68】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項52記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項69】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項67の方法。
【請求項70】
ヒトプロテインキナーゼがABL、ABL1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PDGFR−α、PDK1、PKA、ROCK2、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項69の方法。
【請求項71】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必要とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項41記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項72】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必要とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項52記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項73】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項71の方法。
【請求項74】
ヒトプロテインキナーゼがABL、ABL1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−β、P38−γ、P38−δ、P70S6K1、PDGFR−α、PDK1、PKA、ROCK2、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項73の方法。
【請求項75】
少なくとも1つの式(V):
【化7】

[式中:
はH、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニルであり;そして
はアルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換ヘテロシクロアルキルアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、および置換アルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アルキル、および置換アルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル環を形成し;
はH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択され;
そしてここで、式(V)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物はATP利用酵素阻害活性を示す]
の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物。
【請求項76】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキルから選択される、請求項75の化合物。
【請求項77】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキルから選択される、請求項75の化合物。
【請求項78】
およびRが、RおよびRが結合している炭素原子とともにC5−8シクロアルキルまたは置換C5−8シクロアルキル環を形成する、請求項75の化合物。
【請求項79】
がC5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、および置換C5−12ヘテロアリールから選択される、請求項75の化合物。
【請求項80】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシから選択される、請求項79の化合物。
【請求項81】
がC5−6アリール、置換C5−6アリール、C5−6ヘテロアリール、および置換C5−6ヘテロアリールから選択される、請求項75の化合物。
【請求項82】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、およびC1−6アルコキシから選択される、請求項81の化合物。
【請求項83】
がH、および−C(O)Rから選択され、ここでRがC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10へテロアルキル、C5−12アリール、置換C5−12アリール、C5−12ヘテロアリール、置換C5−12ヘテロアリール、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、および置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキルから選択される、請求項75の化合物。
【請求項84】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、−OH、およびC1−6アルキルから選択される、請求項83の化合物。
【請求項85】
少なくとも1つの化合物が、化合物3.1〜3.21:
【化8】




その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する、請求項75の化合物。
【請求項86】
少なくとも1つのATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項75の化合物。
【請求項87】
ヒトプロテインキナーゼがAURORA−A、CDK2/サイクリンE、CK2、FLT−3、GSK−3α、GSK−3β、KIT、MAPKAPK−2、MSK1、P38−β、PDGFR−α、およびTRKBから選択される、請求項86の化合物。
【請求項88】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、および少なくとも1つの請求項75記載の化合物の治療上有効な量を含んでなる医薬組成物。
【請求項89】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、および少なくとも1つの請求項85記載の化合物の治療上有効な量を含んでなる医薬組成物。
【請求項90】
少なくとも1つの化合物が、アルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される少なくとも1つの疾患の患者の治療に有効な量で存在する、請求項88の組成物。
【請求項91】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項88の医薬組成物。
【請求項92】
少なくとも1つの請求項75記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必要とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項93】
少なくとも1つの請求項85記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必要とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項94】
少なくとも1つの疾患がアルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される、請求項92の方法。
【請求項95】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項94の方法。
【請求項96】
少なくとも1つの請求項75記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項97】
少なくとも1つの請求項85記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項98】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項96の方法。
【請求項99】
ヒトプロテインキナーゼがAURORA−A、CDK2/サイクリンE、CK2、FLT−3、GSK−3α、GSK−3β、KIT、MAPKAPK−2、MSK1、P38−β、PDGFR−α、およびTRKBから選択される、請求項98の方法。
【請求項100】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項75記載の化合物に接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項101】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項85記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項102】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項100の方法。
【請求項103】
ヒトプロテインキナーゼがAURORA−A、CDK2/サイクリンE、CK2、FLT−3、GSK−3α、GSK−3β、KIT、MAPKAPK−2MSK1、P38−β、PDGFR−α、およびTRKBから選択される、請求項102の方法。
【請求項104】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必用とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項75記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項105】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必用とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項85記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項106】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項104の方法。
【請求項107】
ヒトプロテインキナーゼがAURORA−A、CDK2/サイクリンE、CK2、FLT−3、GSK−3α、GSK−3β、KIT、MAPKAPK−2、MSK1、P38−β、PDGFR−α、およびTRKBから選択される、請求項106の方法。
【請求項108】
少なくとも1つの式(VI):
【化9】

[式中:
はH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルスルホニル、置換、アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここで
Zはカルボニルであり;そして
はH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
はH、ハロゲン、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アミノカルボニル、置換アミノカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびRは、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
はH、アルキル、置換アルキルから選択され;
10はH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルキル、および置換ヘテロアルキルから選択され;
あるいはRおよびR10は、RおよびR10が結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
ただし、
がHであり、Rが−C(=O)NR1211であり、R11がHである場合:
12はアルキルまたは置換アルキルではなく;そして
がHであり、RがHである場合:
10はHではなく;
そしてここで式(VI)の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物は少なくとも1つのATP利用酵素の阻害剤である]
の化合物、その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物。
【請求項109】
がH、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アルキルスルホニル、置換、アルキルスルホニル、ヘテロアルキルスルホニル、置換ヘテロアルキルスルホニル、および−ZRから選択され、ここで
Zがカルボニルであり、そして
がH、アルキル、置換アルキル、アリール、および置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、置換ヘテロシクロアルキルアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキル選択され;
がアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、およびHから選択され;
がH、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;あるいは
およびRが、RおよびRが結合している原子とともにシクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、または置換へテロシクロアルキル環を形成し;
がHであり;そして
10がH、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
あるいはRおよびR10が、RおよびR10が結合している原子とともにヘテロシクロアルキルまたは置換へテロシクロアルキル環を形成する請求項108の化合物。
【請求項110】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C5−10アリール、および置換C5−10アリールから選択される、請求項108の化合物。
【請求項111】
がH、メチル、およびフェニルから選択される、請求項108の化合物。
【請求項112】
がHから選択され、R10がH、C1−8アルキル、置換C1−8アルキル、C1−12ヘテロアルキル、置換C1−12ヘテロアルキル、C5−10アリール、置換C5−10アルキル、C6−12アリールアルキル、および置換C6−12アリールアルキルから選択される、請求項108の化合物。
【請求項113】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、−OH、=O、および−NHから選択される、請求項112の化合物。
【請求項114】
およびR10が、RおよびR10が結合している原子とともにC5−10ヘテロシクロアルキルまたは置換C5−10ヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項108の化合物。
【請求項115】
がH、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C5−10アリール、置換C5−10アリール、C6−12アリールアルキル、および置換C6−12アリールアルキルから選択される、請求項108の化合物。
【請求項116】
およびRが、RおよびRが結合している原子とともにC5−8シクロアルキル、置換C5−8シクロアルキル、C5−8ヘテロシクロアルキル、または置換C5−8ヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項108の化合物。
【請求項117】
少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、置換C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、置換C1−6ヘテロアルキル、C6−10アリールアルキル、置換C6−10アリールアルキル、および=Oから選択される、請求項116の化合物。
【請求項118】
がH、C5−8アリール、置換C5−8アリール、C5−8ヘテロアリール、置換C5−8ヘテロアリール、C6−10ヘテロシクロアルキル、置換C6−10ヘテロシクロアルキル、C6−10ヘテロアリールアルキル、置換C6−10ヘテロアリールアルキル、C1−10アルキルスルホニル、置換C1−10アルキルスルホニル、および−C(O)Rから選択され、ここで
がC1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10ヘテロアルキル、置換C1−10ヘテロアルキル、C3−10シクロアルキル、置換C3−10シクロアルキル、C3−10ヘテロシクロアルキル、置換C3−10へテロシクロアルキル、C5−10アリール、置換C5−10アリール、C5−10ヘテロアリール、置換C5−10ヘテロアリール、C6−18シクロアルキルアルキル、置換C6−18シクロアルキルアルキル、C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−18ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−18アリールアルキル、置換C6−18アリールアルキル、C6−18ヘテロアリールアルキル、および置換C6−18ヘテロアリールアルキルから選択される請求項108の化合物。
【請求項119】
が−C(O)Rから選択され、少なくとも1つの置換基がハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ヘテロアルキル、置換C1−6ヘテロアルキル、C1−6アルコキシ、置換C1−6アルコキシ、C5−8アリール、C5−8ヘテロシクロアルキル、置換C5−8ヘテロシクロアルキル、C5−8ヘテロアリール、C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、置換C6−12ヘテロシクロアルキルアルキル、C6−12ヘテロアリールアルキル、置換C6−12ヘテロアリールアルキル、C5−8アルキルスルホニル、=O、=S、−C(O)NH、−OH、−CF、ニトロ、−CN、−COOH、−OCF、および−N(CHから選択される、請求項118の化合物。
【請求項120】
少なくとも1つの化合物が、化合物4.1〜4.285:
【化10】














































その立体異性体、その薬学的に許容される塩、その水和物、または前述のいずれかの溶媒和物のいずれかの構造を有する請求項108の化合物。
【請求項121】
少なくとも1つのATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項108の化合物。
【請求項122】
ヒトプロテインキナーゼがABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−γ、P38−β、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項121の化合物。
【請求項123】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、および少なくとも1つの請求項108記載の化合物の治療上有効な量を含んでなる医薬組成物。
【請求項124】
少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、および少なくとも1つの請求項120記載の化合物の治療上有効な量を含んでなる医薬組成物。
【請求項125】
少なくとも1つの化合物がアルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される少なくとも1つの疾患の患者の治療に有効な量で存在する、請求項123の医薬組成物。
【請求項126】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項125の医薬組成物。
【請求項127】
少なくとも1つの請求項108記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必要とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項128】
少なくとも1つの請求項120記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる、疾患の治療を必要とする患者における該疾患の治療方法。
【請求項129】
少なくとも1つの疾患がアルツハイマー病、脳卒中、糖尿病、肥満、炎症、および癌から選択される、請求項127の方法。
【請求項130】
癌が膠芽腫、卵巣癌、乳癌、子宮内膜癌、肝細胞癌、メラノーマ、消化管癌、肺癌、腎細胞癌、甲状腺癌、リンパ癌、前立腺癌、および膵臓癌の少なくとも1つから選択される、請求項129の方法。
【請求項131】
少なくとも1つの請求項108記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項132】
少なくとも1つの請求項120記載の化合物を対象に投与することを含んでなる、対象における少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項133】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項131の方法。
【請求項134】
ヒトプロテインキナーゼがABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−γ、P38−β、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項131の方法。
【請求項135】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項108記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項136】
ATP利用酵素を少なくとも1つの請求項120記載の化合物と接触させることを含んでなる、少なくとも1つのATP利用酵素の阻害方法。
【請求項137】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項135の方法。
【請求項138】
ヒトプロテインキナーゼがABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−γ、P38−β、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項137の方法。
【請求項139】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必用とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項108記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項140】
少なくとも1つのATP利用酵素により調節される疾患の治療を必用とする対象における該疾患の治療方法であって、少なくとも1つの請求項120記載の化合物の治療上有効な量を対象に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項141】
ATP利用酵素がヒトプロテインキナーゼから選択される、請求項139の方法。
【請求項142】
ヒトプロテインキナーゼがABL−1、ABL−T315I、AKT1、AKT2、AKT3、AURORA−A、BMX、CDK1、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンE、CDK5、CHEK1、CHEK2、CK1、CK2、CSK、c−TAK1、DAPK1、DYRK2、FLT−3、FYN、GSK−3α、GSK−3β、HCK、INSR、KIT、LCK、LYNA、MAPKAPK−2、MET、MSK1、MSK2、NEK2、P38−α、P38−γ、P38−β、P38−δ、P70S6K1、PAK2、PDGFR−α、PDK1、PRAK、ROCK2、SGK1、SRC、SYK、TRKB、およびZAP70から選択される、請求項141の方法。

【公表番号】特表2007−507530(P2007−507530A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534167(P2006−534167)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/032448
【国際公開番号】WO2005/033102
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506107276)アンフォラ ディスカバリー コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】