説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】ゲート電極との短絡を抑えたセルフアラインコンタクトを有する、製造コストの低い半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る半導体装置100は、それぞれ半導体基板2上に形成され、それぞれゲート電極4a、4bを有し、互いの間のソース・ドレイン領域8aを共有する隣接したトランジスタ1a、1bと、ゲート電極4a上に形成された絶縁膜11aと、ゲート電極4b上に形成された絶縁膜11aよりも厚さの厚い領域を有する絶縁膜11bと、ソース・ドレイン領域8aに接続され、その中心位置がゲート電極4a、4bの間の中心位置よりもゲート電極4b側に位置するSAC14と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セルフアラインコンタクトプラグを採用し、ゲート電極の配置ピッチを狭めて高集積化した半導体装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。セルフアラインコンタクトプラグは、2つのゲート電極間にこれらのゲート電極と絶縁された状態で自己整合的に形成されるため、その一部がゲート電極上に乗ってしまっても、ゲート電極と短絡しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Y. Ishigaki et al., Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers, 1994, pp.99-100.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ゲート電極との短絡を抑えたセルフアラインコンタクトプラグを有する、製造コストの低い半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、それぞれ半導体基板上に形成され、それぞれ第1および第2のゲート電極を有し、互いの間のソース・ドレイン領域を共有する隣接した第1および第2のトランジスタと、前記第1のゲート電極上に形成された第1の絶縁膜と、前記第2のゲート電極上に形成された、前記第1の絶縁膜よりも厚さの厚い領域を有する第2の絶縁膜と、前記ソース・ドレイン領域に接続され、その中心位置が前記第1および第2のゲート電極の間の中心位置よりも前記第2のゲート電極側に位置するセルフアラインコンタクトプラグと、を有する半導体装置を提供する。
【0006】
また、本発明の他の態様は、それぞれ半導体基板上に形成され、それぞれ第1および第2のゲート電極を有し、互いの間のソース・ドレイン領域を共有する隣接した第1および第2のトランジスタと、前記ソース・ドレイン領域に接続された、セルフアラインコンタクトプラグと、前記第1および第2のゲート電極上に前記セルフアラインコンタクトプラグを挟むように形成された、一対の側壁の形状を有する、第1および第2の絶縁膜と、を有する半導体装置を提供する。
【0007】
また、本発明の他の態様は、半導体基板上に、それぞれ第1および第2のゲート電極を有し、互いの間のソース・ドレイン領域を共有する隣接した第1および第2のトランジスタを形成する工程と、前記第1および第2のゲート電極の間に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、第1の層間絶縁膜の上方に芯材を形成する工程と、前記芯材の両側面に側壁絶縁膜を形成し、前記第1および第2のゲート電極上を覆う工程と、前記第1の層間絶縁膜および前記側壁絶縁膜上に第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1および第2の層間絶縁膜内に、前記第1のゲート電極上の前記側壁絶縁膜と前記第2のゲート電極上の前記側壁絶縁膜の間を通り、前記ソース・ドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内に、セルフアラインコンタクトプラグを形成する工程と、を含む半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲート電極との短絡を抑えたセルフアラインコンタクトプラグを有する、製造コストの低い半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の断面図。
【図2A】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図2B】(e)〜(h)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図2C】(i)、(j)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の断面図。
【図4A】(a)〜(d)は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図4B】(e)〜(g)は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の断面図。
【図6A】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の構成を概略的に表す上面図。
【図6B】比較例としての半導体装置の構成を概略的に表す上面図。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の断面図。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の構成を概略的に表す上面図。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1の実施の形態〕
(半導体装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置100の断面図である。半導体装置100は、半導体基板2上に形成されたトランジスタ1a、1b、1c、トランジスタ1a、1b、1cの側面を覆うライナー膜10、トランジスタ1a、1b、1c上をそれぞれ覆う絶縁膜11a、11b、11c、ライナー膜10および絶縁膜11a、11b、11c上に形成された層間絶縁膜12、13、セルフアラインコンタクトプラグ(以下、SACと記す)14、およびゲートコンタクト15を有する。
【0011】
トランジスタ1a、1b、1cは、それぞれゲート絶縁膜3a、3b、3c、ゲート電極4a、4b、4c、オフセットスペーサ6a、6b、6c、およびゲート側壁7a、7b、7cを有する。ソース・ドレイン領域8aはトランジスタ1a、1bに共有され、ソース・ドレイン領域8bはトランジスタ1a、1cに共有され、ソース・ドレイン領域8cはトランジスタ1bに属し、トランジスタ領域8dはトランジスタ1cに属する。
【0012】
ゲート電極4a、4b、4cは、それぞれその上部または全体にシリサイド層5a、5b、5cを有する。また、ソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dは、それぞれその上部にシリサイド層9a、9b、9c、9dを有する。
【0013】
SAC14は、ソース・ドレイン領域8aとその上方の配線(図示しない)とを接続する。また、ゲートコンタクト15は、ゲート電極4cとその上方の配線(図示しない)とを接続する。
【0014】
本実施の形態においては、トランジスタ1a、1bが近接して形成されており、ゲート電極4a、4bの間隔が狭いため、ソース・ドレイン領域8aに接続するコンタクトプラグとして、SAC14が用いられる。SACとは、ゲート電極の上面を絶縁性のキャップ膜で覆った後に自己整合的に形成されるコンタクトプラグである。本実施の形態においては、絶縁膜11a、11bがゲート電極4a、4bの上面を覆う絶縁膜として形成される。
【0015】
なお、トランジスタ1cと、トランジスタ1cに隣接するトランジスタ1a等の他のトランジスタとの間隔は、トランジスタ1aとトランジスタ1bの間隔よりも大きい。そのため、ソース・ドレイン領域8b、8dに接続されるコンタクトプラグ(図示しない)として、SACでない通常のコンタクトプラグを用いることができる。
【0016】
絶縁膜11bの少なくともSAC14の付近の領域の厚さは、絶縁膜11a、11cの厚さよりも厚い。また、絶縁膜11a、11cは、シリサイド層9a、9b、9c、9d上のライナー膜10と同じ材料からなり、ほぼ等しい厚さ(例えば、30〜40nm)を有することが好ましい。これは、絶縁膜11a、11c、およびシリサイド層9a、9b、9c、9d上のライナー膜10が、ゲート電極4a、4c、およびソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dに接続するコンタクトプラグ用のコンタクトホールを層間絶縁膜12、13内に形成する際のエッチングストッパとして用いられるためである。
【0017】
ただし、ソース・ドレイン領域8aに接続するコンタクトプラグを形成する際に形成位置がずれて、コンタクトプラグが絶縁膜11a上に乗ってしまった場合、絶縁膜11aの厚さは、コンタクトプラグとゲート電極4aの短絡を効果的に防ぐには不十分である。
【0018】
なお、ゲート電極4bに接続するコンタクトプラグ用のコンタクトホールを層間絶縁膜12、13内に形成する際のエッチングストッパとして絶縁膜11bを用いるために、絶縁膜11bのSAC14から離れた領域の厚さは、絶縁膜11a、11cとほぼ同じであってもよい。
【0019】
一方、SAC14は、意図的にその中心位置C1がゲート電極4aとゲート電極4bの間の中心位置C2よりもゲート電極4b側に位置するように形成される。すなわち、SAC14の中心位置C1とゲート電極4bとの距離は、SAC14の中心位置C1とゲート電極4aとの距離よりも近くなる。これは、絶縁膜11bの少なくともSAC14の付近の領域の厚さが絶縁膜11aの厚さよりも厚く、SAC14とゲート電極4aの短絡を効果的に抑えることができるためである。
【0020】
例えば、ゲート電極4aとゲート電極4bのピッチが90nm、各々のゲート電極幅が25nmである場合、すなわち、ゲート電極4aとゲート電極4bの間のスペースが65nmである場合、SAC14の中心位置C1と、ゲート電極4aとゲート電極4bの間の中心位置C2との水平方向の距離は、3〜5nmとする。
【0021】
なお、ゲート電極4a、4bは近接しているため(例えば、ゲート電極4aとゲート電極4bの間のスペースが65nm以下であるため)、リソグラフィの解像度の問題により、通常の1枚の絶縁膜をパターニングする方法により絶縁膜11a、11bを同時に形成することは困難であり、それぞれ別のリソグラフィ工程で形成される。このため、絶縁膜11a、11bの両者の厚さを厚くした場合、絶縁膜11a、11b、11cをそれぞれ形成するために、3つのリソグラフィ工程が必要になってしまう。
【0022】
本実施の形態では、絶縁膜11aの厚さが絶縁膜11cの厚さとほぼ同じであり、ゲート電極4a、4cも近接していないため、絶縁膜11a、11cは1つのリソグラフィ工程で形成することができる。このため、絶縁膜11a、11b、11cを2つのリソグラフィ工程により形成することができる。
【0023】
半導体基板2は、Si結晶等のSi系結晶からなる。
【0024】
ゲート絶縁膜3a、3b、3cは、例えば、SiO、SiN、SiON等の絶縁材料、またはHfSiON等の高誘電率材料からなる。
【0025】
ゲート電極4a、4b、4cは、例えば、導電型不純物を含む多結晶シリコン等のSi系多結晶からなる。また、ゲート電極4a、4b、4cは、金属層と、金属層上のSi系多結晶層からなる構造を有してもよい。
【0026】
シリサイド層5a、5b、5c、およびシリサイド層9a、9b、9c、9dは、Ni、Co、Er、Pt、Pd等の金属を含む金属シリサイドからなる。
【0027】
オフセットスペーサ6a、6b、6c、およびゲート側壁7a、7b、7cは、SiO、SiN等の絶縁材料からなる。また、ゲート側壁7a、7b、7cは、SiN、SiO、TEOS(Tetraethoxysilane)等の複数種の絶縁材料からなる2層構造、更には3層以上の構造であってもよい。
【0028】
ソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dは、導電型不純物を含む。n型の導電型不純物としては、As、P等が用いられ、p型の導電型不純物としては、B、BF等が用いられる。
【0029】
ライナー膜10および絶縁膜11a、11b、11cは、SiN等の絶縁材料からなる。
【0030】
層間絶縁膜12、13は、TEOS、BPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)等の絶縁材料からなる。層間絶縁膜13の厚さは、例えば、50〜60nmである。
【0031】
SAC14およびゲートコンタクト15は、W、Cu等の導電材料からなる。
【0032】
以下に、本実施の形態に係る半導体装置100の製造方法の一例を示す。
【0033】
(半導体装置の製造)
図2A(a)〜(d)、図2B(e)〜(h)、図2C(i)、(j)は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置100の製造工程を示す断面図である。
【0034】
まず、図示しないが、半導体基板2内に素子分離領域、ウェルおよびチャネル領域を形成する。その後、RTA(Rapid Thermal Annealing)等の熱処理を行い、ウェルおよびチャネル領域内の導電型不純物を活性化させる。
【0035】
次に、図2A(a)に示すように、半導体基板2上の素子領域にゲート絶縁膜3a、3b、3c、ゲート電極4a、4b、4c、およびキャップ層20a、20b、20cを形成する。
【0036】
これらの部材の具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、熱酸化法、LPCVD(Low-Pressure Chemical Vapor Deposition)法等によりSiO膜等のゲート絶縁膜3a、3b、3cの材料膜を半導体基板2上の全面に形成し、その上にLPCVD法により多結晶Si膜等のゲート電極4a、4b、4cの材料膜、およびSiN等のキャップ層20a、20b、20cの材料膜を形成する。次に、例えば、光リソグラフィ法、X線リソグラフィ法、または電子ビームリソグラフィ法とRIE(Reactive Ion Etching)法の組み合わせにより、これらの積層された材料膜をパターニングして、ゲート絶縁膜3a、3b、3c、ゲート電極4a、4b、4c、およびキャップ層20a、20b、20cに加工する。
【0037】
なお、ゲート電極4aとゲート電極4bのパターンは近接しているため、これらのパターンを側壁パターン転写プロセス等を用いて形成してもよい。
【0038】
次に、図2A(b)に示すように、オフセットスペーサ6a、6b、6c、ゲート側壁7a、7b、7c、およびソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dを形成する。
【0039】
これらの部材の具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、熱酸化法によりゲート電極4a、4b、4cの表面にSiO膜(図示しない)を1〜2nmの厚さに形成した後、その上にLPCVD法によりSiO膜等のオフセットスペーサ6a、6b、6cの材料膜(図示しない)を3〜12nmの厚さに形成する。次に、オフセットスペーサ6a、6b、6cの材料膜をRIE法によりオフセットスペーサ6a、6b、6cに加工する。
【0040】
次に、オフセットスペーサ6a、6b、6cおよびキャップ層20a、20b、20cをマスクとして用いて、イオン注入法により半導体基板2上の全面に導電型不純物を注入し、ソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dの浅い領域を形成する。さらに、注入した導電型不純物の活性化のためにスパイクアニール等の熱処理を行う。
【0041】
ここで、n型のソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dを形成する場合は、例えば、BFを注入エネルギー20keV、注入量3.0×1013cm−2、注入角度30°(半導体基板2の表面に垂直な方向を基準とした角度)の条件で注入することによりハロー領域を形成し、続いて、Asを注入エネルギー1〜5keV、注入量5.0×1014〜1.5×1015cm−2の条件で注入することによりソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dの浅い領域を形成する。
【0042】
また、p型のソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dを形成する場合は、例えば、Asを注入エネルギー40keV、注入量3.0×1013cm−2、注入角度30°(半導体基板1の表面に垂直な方向を基準とした角度)の条件で注入することによりハロー領域を形成し、続いて、BFを注入エネルギー1〜3keV、注入量5.0×1014〜1.5×1015cm−2の条件で注入、またはBを注入することによりソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dの浅い領域を形成する。
【0043】
次に、LPCVD法によりSiO等のゲート側壁7a、7b、7cの材料膜を半導体基板2上の全面に形成し、RIE法によりこれをゲート側壁7a、7b、7cに加工する。
【0044】
次に、ゲート側壁7a、7b、7cおよびキャップ層20a、20b、20cをマスクとして用いて、イオン注入法により半導体基板2上の全面に導電型不純物を注入し、ソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dの深い高濃度領域を形成する。さらに、注入した導電型不純物の活性化のためにスパイクアニール等の熱処理を行う。
【0045】
ここで、n型のソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dを形成する場合は、例えば、Asを注入エネルギー15〜25keV、注入量2.0×1015〜4.0×1015cm−2の条件で注入することによりソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dの高濃度領域を形成する。
【0046】
また、p型のソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dを形成する場合は、例えば、Bを注入エネルギー1.5〜3.5keV、注入量2.0×1015〜4.0×1015cm−2の条件で注入することによりソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dの高濃度領域を形成する。
【0047】
なお、ソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dの高濃度領域を形成する工程の前または後に、半導体基板2の上面の露出した領域を下地としてSi結晶またはSiGe結晶を選択的にエピタキシャル成長させ、エレベーテッド・ソース・ドレイン構造を形成してもよい。
【0048】
次に、図2A(c)に示すように、半導体基板2のソース・ドレイン領域8a、8b、8c、8dが形成された領域上にシリサイド層9a、9b、9c、9dを形成する。
【0049】
Niシリサイドからなるシリサイド層9a、9b、9c、9dを形成する場合の形成方法の一例を以下に示す。まず、フッ酸処理により半導体基板2の露出した領域の自然酸化膜を除去する。次に、スパッタ法等により半導体基板2上の全面にNi膜を形成した後、温度条件400〜500℃のRTA等の熱処理によりNi膜と、半導体基板2とをシリサイド反応させ、シリサイド層9a、9b、9c、9dを形成する。なお、ゲート電極4a、4b、4c上にはキャップ層20a、20b、20cが形成されているため、ゲート電極4a、4b、4cとNi膜は反応しない。次に、硫酸と過酸化水素水との混合溶液等を用いてNi膜の未反応部分を除去する。
【0050】
なお、Niシリサイドを形成する場合、Ni膜を形成した後に、その上にTiN膜を形成する工程や、Ni膜を形成し、一度250℃〜400℃の低温RTAを行った後に、これを硫酸と過酸化水素水との混合溶液を用いてエッチングし、再度、低シート抵抗化のために400〜550℃のRTAを行う工程(2ステップアニール)を行ってもよい。また、Ni膜にPtを添加してもよい。
【0051】
次に、図2A(d)に示すように、ライナー膜10および層間絶縁膜12を形成する。
【0052】
これらの部材の具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、CVD法等により、SiN膜等のライナー膜10の材料膜およびTEOS膜等の層間絶縁膜12の材料膜を半導体基板2上の全面に形成する。次に、キャップ層20a、20b、20cをストッパとしてライナー膜10の材料膜および層間絶縁膜12の材料膜にCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化処理を施して、ライナー膜10および層間絶縁膜12を形成する。
【0053】
次に、図2B(e)に示すように、キャップ層20a、20b、20cを除去した後、ゲート電極4a、4b、4c上にそれぞれシリサイド層5a、5b、5cを形成する。
【0054】
これらの部材の具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、キャップ層20a、20b、20cがSiN膜からなる場合は、170℃程度のリン酸を用いてこれを除去する。次に、スパッタ法等によりゲート電極4a、4b、4cの上面を覆うように金属膜を形成した後、熱処理により、金属膜とゲート電極4a、4b、4cとをシリサイド反応させ、シリサイド層5a、5b、5cを形成する。
【0055】
なお、シリサイド層5a、5b、5cをシリサイド層9a、9b、9c、9dと異なる金属シリサイドから形成してもよく、シリサイド層5a、5b、5cを構成する金属シリサイドとして、シリサイド層9a、9b、9c、9dの金属シリサイドよりも電気抵抗の小さいものを用いることができる。
【0056】
次に、図2B(f)に示すように、シリサイド層5a、5c上にそれぞれ絶縁膜11a、11cを形成する。
【0057】
具体的には、例えば、CVD法等により、半導体基板2上の全面に絶縁膜11a、11cの材料膜を形成した後、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせによりこれをパターニングして、絶縁膜11a、11cに加工する。
【0058】
次に、図2B(g)に示すように、シリサイド層5b上に絶縁膜11bを形成する。
【0059】
具体的には、例えば、CVD法等により、半導体基板2上の全面に絶縁膜11bの材料膜を形成した後、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせによりこれをパターニングして、絶縁膜11bに加工する。ここで、絶縁膜11bの材料膜は、絶縁膜11a、11cの材料膜よりも厚く形成される。
【0060】
なお、ライナー膜10を絶縁膜11bと同程度の厚さに形成し、図2A(d)に示した平坦化処理によりキャップ層20a、20b、20c上の部分を除去せずに残し、これを絶縁膜11a、11b、11cの代わりに用いた場合、ゲート電極4a、4bとSAC14との短絡を抑えることはできるが、シリサイド層5a、5b、5cを形成することができない。この場合、ゲート電極4a、4b、4cをロジックLSI等の高速動作が要求される回路に用いることは難しい。
【0061】
次に、図2B(h)に示すように、CVD法等により、絶縁膜11a、11b、11cおよび層間絶縁膜12上に層間絶縁膜13を形成する。
【0062】
次に、図2C(i)に示すように、SAC14を形成するためのコンタクトホール31、およびゲートコンタクト15を形成するためのコンタクトホール32を形成する。
【0063】
具体的には、コンタクトホール31、32は、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせにより、層間絶縁膜13、12をパターニングすることにより形成される。ここで、コンタクトホール31のパターンの中心位置C1(SAC14の中心位置C1と一致する)は、ゲート電極4aとゲート電極4bの間の中心位置C2よりもゲート電極4b側に位置する。また、このとき、絶縁膜11cおよびシリサイド層9a上のライナー膜10は、エッチングストッパとして働く。
【0064】
また、予めシリサイド層5cを厚めに作っておくことで、コンタクトホール32を形成する際のオーバーエッチングによるシリサイド層5cの消失を防ぐことができる。また、シリサイド層5cを厚めに作っておくことで、シリサイド層5cのシート抵抗を下げることもできる。
【0065】
次に、図2C(j)に示すように、コンタクトホール31、32内にそれぞれSAC14およびゲートコンタクト15を形成する。
【0066】
SAC14およびゲートコンタクト15の具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、W等のSAC14およびゲートコンタクト15の材料膜をコンタクトホール31、32を埋めるように形成する。次に、平坦化処理等により、この材料膜のコンタクトホール31、32の外側の部分を除去して、SAC14およびゲートコンタクト15に加工する。
【0067】
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、絶縁膜11aと絶縁膜11bのうち、絶縁膜11bにのみ厚い領域を形成し、かつSAC14をその中心位置C1がゲート電極4aとゲート電極4bの間の中心位置C2よりもゲート電極4b側に位置するように形成することにより、リソグラフィの工程数およびコストを少なく抑えつつSAC14とゲート電極4a、4bとの短絡を抑えることができる。
【0068】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態は、絶縁膜11aと絶縁膜11bの代わりに側壁パターン転写プロセスにより形成された側壁絶縁膜16a、16bが用いられる点において、第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略または簡略化する。
【0069】
(半導体装置の構成)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置200の断面図である。半導体装置200は、半導体基板2上に形成されたトランジスタ1a、1b、1c、トランジスタ1a、1b、1cの側面を覆うライナー膜10、トランジスタ1a、1b、1c上をそれぞれ覆う絶縁膜11d、11e、11c、絶縁膜11d、11e上に形成された側壁絶縁膜16a、16b、層間絶縁膜12、13、SAC17、およびゲートコンタクト15を有する。
【0070】
SAC17は、ソース・ドレイン領域8aとその上方の配線(図示しない)とを接続する。また、ゲートコンタクト15は、ゲート電極4cとその上方の配線(図示しない)とを接続する。また、SAC17およびゲートコンタクト15は、W、Cu等の導電材料からなる。
【0071】
側壁絶縁膜16a、16bは、側壁パターン転写プロセスにより形成される。このため、ゲート電極4a、4bが近接していて、SAC17を形成するために必要なゲート電極4a、4b上の絶縁性のキャップ膜の形成が困難な場合であっても、側壁絶縁膜16a、16bをゲート電極4a、4bとSAC14との間の短絡を抑えるために十分な厚さを有するキャップ膜として形成することができる。また、側壁絶縁膜16a、16bは、側壁パターン転写プロセスにより形成されるため、SAC17側の厚さが、その反対側(SAC17から離れた側)の厚さよりも厚くなる。
【0072】
側壁絶縁膜16a、16bは、SiN等の絶縁材料からなる。また、側壁絶縁膜16a、16bは、ゲート電極4a、4bを完全に覆うために、ゲート電極4a、4bのゲート長よりも大きい幅を有することが好ましい。側壁絶縁膜16a、16bの幅は、例えば、ゲート電極4a、4bのゲート長よりも20nm程度大きい。
【0073】
以下に、本実施の形態に係る半導体装置200の製造方法の一例を示す。
【0074】
(半導体装置の製造)
図4A(a)〜(d)、図4B(e)〜(g)は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置200の製造工程を示す断面図である。
【0075】
まず、図2A(a)〜図2B(e)に示したシリサイド層5a、5b、5cを形成するまで工程を第1の実施の形態と同様に行う。
【0076】
次に、図4A(a)に示すように、CVD法等により、シリサイド層5a、5b、5cおよび平坦化した層間絶縁膜12上に絶縁膜33を形成する。
【0077】
次に、図4A(b)に示すように、絶縁膜33上のゲート電極4aとゲート電極4bの間の領域に、側壁パターン転写プロセスのための芯材34を形成する。
【0078】
具体的には、例えば、CVD法等により、絶縁膜33上の全面にTEOS等の芯材34の材料膜を形成した後、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせによりこれをパターニングして、芯材34に加工する。
【0079】
次に、図4A(c)に示すように、芯材34の側面に側壁絶縁膜16a、16bを形成する。
【0080】
具体的には、例えば、CVD法によりSiN等の側壁絶縁膜16a、16bの材料膜を半導体基板2上の全面に形成し、RIE法によりこれを側壁絶縁膜16a、16bに加工する。
【0081】
次に、図4A(d)に示すように、芯材34をフッ酸等により除去した後、絶縁膜33をパターニングして絶縁膜11c、11d、11eを形成する。
【0082】
具体的には、例えば、リソグラフィ法により絶縁膜11cのパターンを有するレジストを形成した後、このレジストおよび側壁絶縁膜16a、16bをマスクとして絶縁膜33にRIE法によるエッチングを施し、絶縁膜11c、11d、11eに加工する。
【0083】
次に、図4B(e)に示すように、CVD法等により、絶縁膜11c、側壁絶縁膜16a、16b、および層間絶縁膜12上に層間絶縁膜13を形成する。
【0084】
次に、図4B(f)に示すように、SAC17を形成するためのコンタクトホール35、およびゲートコンタクト15を形成するためのコンタクトホール32を形成する。
【0085】
次に、図4B(g)に示すように、コンタクトホール35、32内にそれぞれSAC17およびゲートコンタクト15を形成する。
【0086】
このとき、コンタクトホール35、32がゲート電極4aとゲート電極4bの間の中心位置からずれて形成された場合は、SAC17およびゲートコンタクト15の位置もゲート電極4aとゲート電極4bの間の中心位置からずれるが、側壁絶縁膜16a、16bがともに十分な厚さを有するため、SAC14とゲート電極4a、4bの短絡を抑えることができる。
【0087】
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、側壁パターン転写プロセスにより側壁絶縁膜16a、16bを形成することにより、リソグラフィの工程数およびコストを少なく抑えつつSAC14とゲート電極4a、4bとの短絡を抑えることができる。
【0088】
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態は、SAC15の代わりにローカルインターコネクト(以下、LIと記す)18が用いられる点において、第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略または簡略化する。
【0089】
(半導体装置の構成)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置300の断面図である。また、図6Aは、半導体装置300の構成を概略的に表す上面図である。
【0090】
半導体装置300は、半導体基板2上に形成されたトランジスタ1a、1b、1c、トランジスタ1a、1b、1cの側面を覆うライナー膜10、トランジスタ1a、1b、1c上をそれぞれ覆う絶縁膜11a、11b、11c、ライナー膜10および絶縁膜11a、11b、11c上に形成された層間絶縁膜12、20a、20b、LI18、およびゲートコンタクト19を有する。
【0091】
LI18は、ソース・ドレイン領域8aとその上方の配線22bとを接続する。また、ゲートコンタクト19は、ゲート電極4cとその上方の配線(図示しない)とを接続する。また、LI18およびゲートコンタクト19は、W、Cu等の導電材料からなる。また、半導体装置300は、配線22aとその上方の配線22aを接続するゲートコンタクト21を有する。
【0092】
LI18は、下部18aおよび上部18bを含む。下部18aは、ゲート電極4aとゲート電極4bとの間に自己整合的に形成されるセルフアラインコンタクトプラグである。また、下部18aの一部は、絶縁膜11bを介してゲート電極4bの上方に位置する。このため、下部18aの中心位置はゲート電極4aとゲート電極4bの間の中心位置よりもゲート電極4b側に位置する。
【0093】
上部18bは、下部18aのゲート電極4bの上方に位置する領域上に形成され、配線22bが上部18b上に形成される。このため、図6Aに示すように、配線22bをゲート電極4bの上方に形成することができる。
【0094】
図6Bは、比較例としての半導体装置500の構成を概略的に表す上面図である。半導体装置500は、本実施例におけるLI18の代わりに通常の形状を有するソース・ドレインコンタクト122を有する。ソース・ドレインコンタクト122は、ソース・ドレイン領域8aと上層の配線122bを接続する。また、ゲートコンタクト121は、ゲート電極4bと上層の配線122aを接続する。
【0095】
半導体装置500の構成によれば、配線122aおよび配線122bをゲート電極4a、4bに平行な直線パターンに形成すると、配線122aと配線122bの間隔が狭くなりすぎ、配線122aと配線122bの間の耐電圧特性や耐リーク特性に問題が生じる。このため、配線122aと配線122bの間に十分な間隔を確保するため、配線122aおよび配線122bは図6Bに示されるような屈折したパターンに形成される。配線122aおよび配線122bは屈折したパターンを有するため、ピッチに合わせたデザインに形成することが困難な箇所が存在し、回路の集積度を上げることが困難になる。
【0096】
一方、本発明の第3の実施例によれば、LI18と配線22bの接続部分がゲート電極4bの上方に位置するため、耐電圧特性や耐リーク特性を確保しつつ、配線22aと配線22bをゲート電極4a、4bに平行な直線パターンに形成することができる。
【0097】
絶縁膜11bの少なくとも下部18aとゲート電極4bの間の領域の厚さは、絶縁膜11aの厚さよりも厚い。このため、LI18の下部18aとゲート電極4bの短絡を効果的に抑えることができる。
【0098】
ライナー膜10および絶縁膜11a、11b、11cは、SiN等の絶縁材料からなる。
【0099】
層間絶縁膜12、20a、20bは、TEOS、BPSG等の絶縁材料からなる。
【0100】
以下に、本実施の形態に係る半導体装置300の製造方法の一例を示す。
【0101】
(半導体装置の製造)
図7(a)〜(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置300の製造工程を示す断面図である。
【0102】
まず、図2A(a)〜図2B(g)に示した絶縁膜11bを形成するまで工程を第1の実施の形態と同様に行う。その後、層間絶縁膜13の代わりに層間絶縁膜20aを形成する。
【0103】
次に、図7(a)に示すように、LI18の下部18aを形成するためのコンタクトホール36、およびゲート電極4c上のコンタクトホール37を層間絶縁膜12、20a内に形成する。
【0104】
具体的には、コンタクトホール36、37は、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせにより、層間絶縁膜20a、12をパターニングすることにより形成される。このとき、絶縁膜11bおよびシリサイド層9a上のライナー膜10は、エッチングストッパとして働く。なお、コンタクトホール36、37を形成する際のエッチングにより絶縁膜11bが削られて薄くなるが、削られた後の絶縁膜11bのコンタクトホール36とゲート電極4bの間の領域の厚さは、LI18とゲート電極4bの短絡を防ぐために十分な厚さである。
【0105】
次に、図7(b)に示すように、コンタクトホール36内にLI18の下部18aおよびゲートコンタクト19の下部を形成する。
【0106】
下部18aの具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、W等の下部18aおよびゲートコンタクト19の下部の材料膜をコンタクトホール36、37を埋めるように形成する。次に、平坦化処理等により、この材料膜のコンタクトホール36、37の外側の部分を除去して、下部18aおよびゲートコンタクト19の下部に加工する。
【0107】
次に、図7(c)に示すように、層間絶縁膜20b、上部18b、およびゲートコンタクト19の上部を形成する。
【0108】
これらの部材の具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、CVD法等を用いて層間絶縁膜20a上に層間絶縁膜20bを形成する。次に、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせにより層間絶縁膜20bをパターニングして上部18bのためのコンタクトホール、およびゲートコンタクト19の上部のためのコンタクトホールを形成する。次に、W等の上部18bおよびゲートコンタクト19の上部の材料膜をこれらのコンタクトホールを埋めるように形成する。次に、平坦化処理等により、この材料膜のコンタクトホールの外側の部分を除去して、上部18bおよびゲートコンタクト19の上部に加工する。
【0109】
(第3の実施の形態の効果)
本発明の第3の実施の形態によれば、回路の集積度を向上させるためにローカルインターコネクトを形成する場合に、絶縁膜11aと絶縁膜11bのうち、絶縁膜11bにのみ厚い領域を形成し、LI18の下部18aを絶縁膜11bの厚い領域上に形成することにより、リソグラフィの工程数およびコストを少なく抑えつつLI18とゲート電極4bとの短絡を抑えることができる。
【0110】
〔第4の実施の形態〕
本発明の第4の実施の形態は、SAC17の代わりにLI23が用いられる点において、第2の実施の形態と異なる。なお、第2の実施の形態と同様の点については、説明を省略または簡略化する。
【0111】
(半導体装置の構成)
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置400の断面図である。また、図9は、半導体装置400の構成を概略的に表す上面図である。
【0112】
半導体装置400は、半導体基板2上に形成されたトランジスタ1a、1b、1c、トランジスタ1a、1b、1cの側面を覆うライナー膜10、トランジスタ1a、1b、1c上をそれぞれ覆う絶縁膜11c、11d、11e、絶縁膜11d、11e上に形成された側壁絶縁膜16a、16b、層間絶縁膜12、20a、20b、LI23、およびゲートコンタクト19を有する。
【0113】
側壁絶縁膜16a、16bは、側壁パターン転写プロセスにより形成される。このため、側壁絶縁膜16a、16bのSAC17側の厚さは、その反対側の厚さよりも厚くなる。また、側壁絶縁膜16a、16bは、SiN等の絶縁材料からなる。また、側壁絶縁膜16a、16bは、ゲート電極4a、4bを完全に覆うために、それぞれゲート電極4a、4bのゲート長よりも大きい幅を有することが好ましい。
【0114】
LI23は、ソース・ドレイン領域8aとその上方の配線22aとを接続する。また、ゲートコンタクト19は、ゲート電極4cとその上方の配線(図示しない)とを接続する。また、LI23およびゲートコンタクト19は、W、Cu等の導電材料からなる。
【0115】
LI23は、下部23aおよび上部23bを含む。下部23aは、ゲート電極4aとゲート電極4bとの間に自己整合的に形成されるセルフアラインコンタクトプラグである。また、下部23aの一部は、側壁絶縁膜16bを介してゲート電極4bの上方に位置する。
【0116】
上部23bは、下部23aのゲート電極4bの上方に位置する領域上に形成され、配線22bが上部18b上に形成される。このため、配線22bをゲート電極4bの上方に形成することができる。
【0117】
LI23と配線22bの接続部分がゲート電極4bの上方に位置するため、耐電圧特性や耐リーク特性を確保しつつ、配線22aと配線22bをゲート電極4a、4bに平行な直線パターンに形成することができる。
【0118】
層間絶縁膜12、20a、20bは、TEOS、BPSG等の絶縁材料からなる。
【0119】
以下に、本実施の形態に係る半導体装置400の製造方法の一例を示す。
【0120】
(半導体装置の製造)
図10(a)〜(c)は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体装置400の製造工程を示す断面図である。
【0121】
まず、図4A(a)〜図4A(d)に示した絶縁膜11c、11d、11eを形成するまで工程を第2の実施の形態と同様に行う。その後、層間絶縁膜13の代わりに層間絶縁膜20aを形成する。
【0122】
次に、図10(a)に示すように、LI18の下部18aを形成するためのコンタクトホール38、およびゲート電極4c上のコンタクトホール37を層間絶縁膜12、20a内に形成する。
【0123】
具体的には、コンタクトホール37、38は、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせにより、層間絶縁膜20a、12をパターニングすることにより形成される。このとき、側壁絶縁膜16bおよびシリサイド層9a上のライナー膜10は、エッチングストッパとして働く。なお、コンタクトホール37、38を形成する際のエッチングにより側壁絶縁膜16bが削られて薄くなるが、削られた後の側壁絶縁膜16bのコンタクトホール38とゲート電極4bの間の領域の厚さは、LI23とゲート電極4bの短絡を防ぐために十分な厚さである。
【0124】
次に、図10(b)に示すように、コンタクトホール38内にLI23の下部23aおよびゲートコンタクト19の下部を形成する。
【0125】
下部23aの具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、W等の下部23aおよびゲートコンタクト19の下部の材料膜をコンタクトホール37、38を埋めるように形成する。次に、平坦化処理等により、この材料膜のコンタクトホール37、38の外側の部分を除去して、下部23aおよびゲートコンタクト19の下部に加工する。
【0126】
次に、図10(c)に示すように、層間絶縁膜20b、上部23b、およびゲートコンタクト19の上部を形成する。
【0127】
これらの部材の具体的な形成方法の一例を以下に示す。まず、CVD法等を用いて層間絶縁膜20a上に層間絶縁膜20bを形成する。次に、リソグラフィ法とRIE法の組み合わせにより層間絶縁膜20a、20bをパターニングして上部23bのためのコンタクトホール、およびゲートコンタクト19の上部のためのコンタクトホールを形成する。次に、W等の上部23bおよびゲートコンタクト19の上部の材料膜をこれらのコンタクトホールを埋めるように形成する。次に、平坦化処理等により、この材料膜のコンタクトホールの外側の部分を除去して、上部23bおよびゲートコンタクト19の上部に加工する。
【0128】
(第4の実施の形態の効果)
本発明の第3の実施の形態によれば、回路の集積度を向上させるためにローカルインターコネクトを形成する場合に、側壁パターン転写プロセスにより側壁絶縁膜16a、16bを形成し、LI23の下部23aを側壁絶縁膜16b上に形成することにより、リソグラフィの工程数およびコストを少なく抑えつつLI23とゲート電極4bとの短絡を抑えることができる。
【0129】
〔他の実施の形態〕
本発明は、上記各実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
【0130】
また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記各実施の形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0131】
100、200、300、400 半導体装置、 1a、1b、1c トランジスタ、 4a、4b、4c ゲート電極、 8a、8b、8c、8d ソース・ドレイン領域、 11a、11b、11c 絶縁膜、 12、13、20a、20b 層間絶縁膜、 14、17 SAC、 15、19 ゲートコンタクト、 16a、16b 側壁絶縁膜、 18、23 LI、 18a、23a 下部、 18b、23b 上部、 34 芯材、 31、32、35、36、37、38 コンタクトホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ半導体基板上に形成され、それぞれ第1および第2のゲート電極を有し、互いの間のソース・ドレイン領域を共有する隣接した第1および第2のトランジスタと、
前記第1のゲート電極上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第2のゲート電極上に形成された、前記第1の絶縁膜よりも厚さの厚い領域を有する第2の絶縁膜と、
前記ソース・ドレイン領域に接続され、その中心位置が前記第1および第2のゲート電極の間の中心位置よりも前記第2のゲート電極側に位置するセルフアラインコンタクトプラグと、
を有する半導体装置。
【請求項2】
それぞれ半導体基板上に形成され、それぞれ第1および第2のゲート電極を有し、互いの間のソース・ドレイン領域を共有する隣接した第1および第2のトランジスタと、
前記ソース・ドレイン領域に接続された、セルフアラインコンタクトプラグと、
前記第1および第2のゲート電極上に前記セルフアラインコンタクトプラグを挟むように形成された、前記セルフアラインコンタクトプラグ側の厚さがその反対側の厚さよりも厚い一対の側壁の形状を有する、第1および第2の絶縁膜と、
を有する半導体装置。
【請求項3】
前記セルフアラインコンタクトプラグはローカルインターコネクトの下部であり、その一部が前記第2の絶縁膜を介して前記第2のゲート電極上に位置し、前記ローカルインターコネクトの上部が前記下部の前記第2のゲート電極の上方に位置する領域上に形成される、
請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体基板上に形成された、隣接する他のトランジスタとの間隔が前記第1および第2のトランジスタの間隔よりも大きい、第3のゲート電極を有する第3のトランジスタと、
前記第3のゲート電極上に形成された、前記第1および第2の絶縁膜よりも厚さの薄い第3の絶縁膜と、
前記第3のトランジスタのゲート電極の上面に接続されたゲートコンタクトプラグと、
をさらに有する請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
半導体基板上に、それぞれ第1および第2のゲート電極を有し、互いの間のソース・ドレイン領域を共有する隣接した第1および第2のトランジスタを形成する工程と、
前記第1および第2のゲート電極の間に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
第1の層間絶縁膜の上方に芯材を形成する工程と、
前記芯材の両側面に側壁絶縁膜を形成し、前記第1および第2のゲート電極上を覆う工程と、
前記第1の層間絶縁膜および前記側壁絶縁膜上に第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1および第2の層間絶縁膜内に、前記第1のゲート電極上の前記側壁絶縁膜と前記第2のゲート電極上の前記側壁絶縁膜の間を通り、前記ソース・ドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内に、セルフアラインコンタクトプラグを形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−205908(P2010−205908A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49485(P2009−49485)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】