説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】導電型に応じて容易に構成を変えることが可能なFinトランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板と、基板上に設けられた凸状の半導体からなるトランジスタ活性領域104と、トランジスタ活性領域104の一部の側面上及び上面上に設けられたゲート絶縁膜105aと、ゲート絶縁膜105aを間に挟んでトランジスタ活性領域104の側面及び上面の一部上に設けられたゲート電極350とを備えている。ゲート電極350のうち、トランジスタ活性領域104の側面上に設けられた部分の構成とトランジスタ活性領域104の上面上に設けられた部分の構成とは互いに異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置及びその製造方法に関し、特に立体型トランジスタに対し最適なゲート電極を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の高集積化、高機能化及び高速化のためのトランジスタサイズの微細化、特にゲート長の短縮が図られている。しかしながら、従来用いられている平面型トランジスタでは、ゲート長の短縮に伴い、トランジスタ動作オフ時のソース・ドレイン間電流の増大(ショートチャネル効果)が顕著となり、素子として機能しなくなる。この課題を解決するため、立体型トランジスタが提案されている。
【0003】
以下、図7及び図8を参照しながら、立体型トランジスタの製造方法について説明する。なお、ここではシリコンからなる半導体基板上に形成された酸化膜上にシリコン層を有する基板(Silicon on Insulator:以下「SOI基板」と呼ぶ)を用いた場合について述べる。
【0004】
図7(a)〜(d)、図8(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造方法を示す図である。
【0005】
まず、図7(a)に示すように、シリコン基板(不図示)上に形成されたシリコン酸化膜701及びシリコン層702を有するSOI基板上に、トランジスタ活性領域パターン703を形成する。
【0006】
次に、図7(b)に示すように、トランジスタ活性領域パターン703をマスクとしてシリコン層702のエッチングを行う。
【0007】
次に、図7(c)に示すように、トランジスタ活性領域パターン703を除去し、トランジスタ活性領域704を形成する。続いて、フォトリソグラフィー工程により形成されたレジストパターンをマスクとしてイオン注入を行い、トランジスタ活性領域704の一部に、n型領域及びp型領域を形成する(不図示)。
【0008】
次に、図7(d)に示すように、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜705と、ゲート電極となる金属膜706とを順次堆積する。
【0009】
次に、図8(a)に示すように、金属膜706上に、フォトリソグラフィー工程により形成されたゲート電極形成用パターン801を形成する。次いで、図8(b)に示すように、ゲート形成用パターン801を用いて金属膜706をエッチングし、ゲート領域にゲート電極804を形成する。
【0010】
次に、図8(c)に示すように、ゲート電極形成用パターン801を除去する。ここで、トランジスタ活性領域704のうちの領域805、806は、トランジスタのソース領域・ドレイン領域となる。
【0011】
図8(d)は、上記製造工程により作製された立体トランジスタを斜め上から見た場合のイメージ図を示す。なお、図8(d)ではゲート絶縁膜は図示を省略している。このような立体トランジスタは、一般的にFinトランジスタと呼ばれる。以下では、図8(d)中に示したようにFin状のトランジスタ活性領域704の上面部の活性層領域幅をW、トランジスタ活性領域704の側面部の高さをHとする。また、例えば、(100)の面方位を持ったSOI基板上にFinトランジスタを形成した場合、トランジスタ活性領域704の側面部の面方位は(110)となる。つまり、トランジスタ活性領域704が(100)と(110)の二つの面方位を持つこととなる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】K. Shin, et al. “Dual Stress Capping Layer Enhancement Study for Hybrid Orientation FinFET CMOS Technology”, IEDM2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
半導体では、結晶面方位によりバンド構造が異なるため、電子移動度及び正孔移動度が面方位により異なる。例えば、シリコンでの電子移動度は、(100)面が最も大きく、(110)面が最も小さい。一方、正孔移動度は、(110)面が最も大きく、(100)面が最も小さい。つまり、Finトランジスタでは、トランジスタ活性領域が(100)面と(110)面の両方からゲート電極による制御を受けるため、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタとで望ましい形状が異なる。nチャネル型トランジスタでは、W>Hが望ましく、pチャネル型トランジスタでは、H>Wが望ましい。
【0014】
しかしながら、Finトランジスタを用いてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を構成する場合、WとHがそれぞれ異なる2種類のトランジスタを同一のSOI基板上に設けることは困難である。
【0015】
また、近年トランジスタのチャネルに応力を与えることでチャネルにおける移動度を向上させ、トランジスタの性能を向上させる、いわゆる歪技術が実用化されている。この歪技術におけるチャネルの移動度にも結晶面方位が大きく影響する。例えば、チャネル領域における(100)面ではnチャネル型トランジスタに最適な応力の方向は引張方向であり、pチャネル型トランジスタに最適な応力の方向は圧縮方向である。これに対し、チャネル領域における(110)面では印加される応力の望ましい方向は(100)面の場合と同じであるが、移動度の向上効果が異なる。従って、歪技術を適用してトランジスタの性能向上を図る場合も、Finトランジスタを用いてCMOSを構成する際に、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタの両方に最適な構造を同時に形成することが困難である。
【0016】
前記に鑑み、本発明は、導電型に応じて容易に構成を変えることが可能なFinトランジスタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の目的を達成するため、本発明の半導体装置は、基板と、前記基板上に設けられた凸状の半導体からなるトランジスタ活性領域と、前記トランジスタ活性領域の側面及び上面の一部上に設けられたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を間に挟んで前記トランジスタ活性領域の一部の側面上及び上面上に設けられたゲート電極とを備え、前記ゲート電極のうち、前記トランジスタ活性領域の側面上に設けられた部分の構成と前記トランジスタ活性領域の上面上に設けられた部分の構成とは互いに異なっている。
【0018】
トランジスタ活性領域の上面と側面とでは半導体結晶の面方位が互いに異なっており、トランジスタ活性領域の上面近傍、側面近傍にはそれぞれチャネルが形成される。上述の構成によれば、ゲート電極のうち、トランジスタ活性領域の側方に設けられた部分の構成と、トランジスタ活性領域の上方に設けられた部分の構成とが異なっているので、ゲート電極の構成をトランジスタ活性領域の上方に形成された部分とトランジスタ活性領域の側方に形成された部分とで適切に設定することで、両部分の実効仕事関数を互いに異なる値にすることができる。このため、トランジスタ活性領域の高さや幅を変更することなく当該ゲート電極を有するトランジスタの閾値を変更することができる。従って、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタを基板上に形成する場合、両トランジスタのトランジスタ活性領域の高さ及び幅を等しくしつつ、両トランジスタの性能を同等程度に揃えることができる。
【0019】
例えば、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を間に挟んで前記トランジスタ活性領域の一部の側面上及び上面上に設けられた第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極上に設けられた第2のゲート電極とを有しており、前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の上方に設けられた部分の膜厚と、前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の側方に設けられた部分の膜厚とは互いに異なっていてもよい。
【0020】
より詳しくは、前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の上方に設けられた部分の膜厚は、前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の側方に設けられた部分の膜厚よりも小さくてもよい。
【0021】
前記第1のゲート電極の構成材料は金属材料又は金属化合物であり、前記第2のゲート電極の構成材料はポリシリコンであってもよい。
【0022】
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極とは前記第2のゲート絶縁膜により電気的に分離され、且つ前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極には、互いに独立したゲート電圧が印加されてもよい。
【0023】
本発明の半導体装置の第1の製造方法は、上部に半導体層を有する基板の前記半導体層上に第1のパターンを形成する工程(a)と、前記第1のパターンをマスクとして前記半導体層をエッチングし、半導体で構成されたトランジスタ活性領域を形成する工程(b)と、前記トランジスタ活性領域を含む前記基板上に第1の絶縁膜及び金属膜を順次形成する工程(c)と、前記金属膜のうち前記トランジスタ活性領域の上方に設けられた部分を薄膜化する工程(d)と、前記工程(d)の後、前記トランジスタ活性領域の上方に、前記トランジスタ活性領域を跨ぐように第2のパターンを形成する工程(e)と、前記第2のパターンをマスクとして少なくとも前記金属膜及び前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記トランジスタ形成領域の一部の側面上及び上面上に設けられ、前記第1の絶縁膜の一部からなるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の上に設けられ、前記トランジスタ形成領域の上方に設けられた部分の膜厚が前記トランジスタ形成領域の側方に設けられた部分の膜厚よりも小さく、前記金属膜の一部からなる第1のゲート電極とを形成する工程(f)とを備えている。
【0024】
この方法によれば、工程(d)で金属膜のうちトランジスタ活性領域の上方に設けられた部分を薄膜化するので、第1のゲート電極のうちトランジスタ活性領域の上方に形成された部分の膜厚を適切な値に調節することが可能となる。これにより、トランジスタ活性領域の高さや幅を変更することなくnチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタの特性を調節し、揃えることができる。
【0025】
本発明の半導体装置の第2の製造方法は、上部に半導体層を有する基板の前記半導体層上に第1の絶縁膜と第1の金属膜とを順次形成した後、前記第1の金属膜をパターニングする工程(a)と、前記第1の金属膜をマスクとして前記第1の絶縁膜と前記半導体層をエッチングし、半導体で構成されたトランジスタ活性領域と、前記トランジスタ活性領域と前記第1の金属膜との間に挟まれ、前記第1の絶縁膜の一部からなる第1のゲート絶縁膜とを形成する工程(b)と、前記トランジスタ活性領域を含む前記基板上、前記第1の金属膜の側面上及び上面上に第2の絶縁膜と第2の金属膜とを順次形成する工程(c)と、前記第2の金属膜の上に、前記トランジスタ活性領域を跨ぐ第1のゲート電極形成用パターンを形成する工程(d)と、前記第1のゲート電極形成用パターンをマスクとして前記第2の金属膜、前記第2の絶縁膜、前記第1の金属膜、及び前記第1のゲート絶縁膜をエッチングし、前記トランジスタ形成領域の側面の一部上、前記第1の金属膜の側面及び上面の一部上に設けられ、前記第2の絶縁膜の一部からなる第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成され、前記第2の金属膜からなる第2のゲート電極と、側面と上面が前記第2のゲート絶縁膜を挟んで前記第2のゲート電極に囲まれ、前記第1の金属膜の一部からなる第1のゲート電極とを形成する工程(e)と、前記第2のゲート電極及び前記第2のゲート絶縁膜のうち前記トランジスタ活性領域の上方に形成された部分を除去し、前記第2のゲート電極を前記トランジスタ活性領域及び前記第1のゲート電極の側方に残す工程(f)とを備えている。
【0026】
この方法によれば、トランジスタ活性領域の上方に位置する第1のゲート電極と、トランジスタ活性領域の側方に位置し、第1のゲート電極と電気的に絶縁された第2のゲート電極とを形成することができる。そのため、第1のゲート電極と第2のゲート電極の材料や膜厚などをトランジスタに適したものとすることができる。また、第1のゲート電極と第2のゲート電極とに個別にゲート電圧を印加してトランジスタの閾値を制御することも可能となる。
【0027】
なお、基板は半導体基板でもよいが、いわゆるSOI基板を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、いわゆるFinトランジスタのゲート電極の構成を、上面部と側面部とで異なる構成とすることにより、トランジスタ活性領域の高さや幅を変更することなく、チャネルにおける移動度やゲート電極の実効仕事関数を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図2】(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図3】(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図4】(a)〜(d)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図5】(a)〜(d)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図6】(a)、(b)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図7】(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造方法を示す図である。
【図8】(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
図1(a)〜(d)、図2(a)〜(d)、及び図3(a)〜(d)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図1(a)〜(d)、図2(a)〜(d)、及び図3(a)〜(c)において左図は半導体装置の断面を示し、右図は基板上方から見た場合の半導体装置の平面図を示す。なお、図1(d)の平面図においては、構造が理解しやすいように、実際には見えていないトランジスタ活性領域104の形状を点線で示している。
【0032】
まず、図1(a)に示すように、(100)面を主面とするシリコン基板(不図示)上に形成されたシリコン酸化膜(絶縁膜)101と、シリコン酸化膜101上に形成されたシリコン層(半導体層)102とを有するSOI基板を準備する。続いて、このSOI基板の所定領域上に、トランジスタ用の活性領域パターン(第1のパターン)103を形成する。ここで、Finトランジスタにおいて活性領域の高さHとなるシリコン層102の厚みは、30nm〜100nm程度が望ましい。
【0033】
次に、図1(b)、(c)に示すように、活性領域パターン103をマスクとしてシリコン層102のエッチングを行った後、活性領域パターン103を除去する。これにより、シリコン等の半導体からなるトランジスタ活性領域104が形成される。このトランジスタ活性領域104は直方体等の凸状(Fin状)であり、右図(平面図)において例えば横方向(トランジスタのゲート幅方向)よりも縦方向(トランジスタのゲート長方向)の長さが長い長方形の平面形状を有している。次に、トランジスタ活性領域104上にフォトリソグラフィー工程により形成したレジストパターンを用いて不純物のイオン注入を行い、n型領域及びp型領域を形成する(不図示)。nチャネル型Finトランジスタを作製する場合には、トランジスタ活性領域104の平面外形における長辺方向の中央部をp型領域とし、残りをn型領域とする。pチャネル型Finトランジスタを作製する場合には、トランジスタ活性領域104の平面外形における長辺方向の中央部をn型領域とし、残りをp型領域とする。本実施形態ではpチャネル型のFinトランジスタを作製する例を示す。
【0034】
次に、図1(d)に示すように、high−k材料を含み、ゲート絶縁膜として機能するHK絶縁膜(第1の絶縁膜)105と、ゲート電極となる金属膜106とをシリコン酸化膜101上と、トランジスタ活性領域104の側面及び上面上とに順次形成する。HK絶縁膜105としては、例えば厚さ1.0nm〜3.0nm程度の酸化ハフニウム膜(例えばHfO)等が用いられ、金属膜106としては、例えば窒化チタン(TiN)膜や窒化タンタル(TaN)膜、あるいはそれらの積層膜などであって、厚みが15nm〜30nmのものが好ましく用いられる。
【0035】
次に、図2(a)に示すように、SOI基板の上面(金属膜106の上面)に有機系絶縁膜(第2の絶縁膜)201を塗布する。その後、図2(b)に示すように、化学機械研磨(CMP)によって有機系絶縁膜201の平坦化を行うとともに、有機系絶縁膜201のうちトランジスタ活性領域104上に形成された部分の研磨を行う。この研磨により、金属膜106のうちトランジスタ活性領域104の上面上に形成された部分の厚みがトランジスタ活性領域104の側面上に形成された部分の厚みよりも小さくなる。例えば、金属膜106のうちトランジスタ活性領域104の上面上に形成された部分の厚みは5nm以上10nm以下程度であり、トランジスタ活性領域104の側面上に形成された部分の厚みは20nm以上30nm以下程度であると好ましい。なお、本工程で、化学機械研磨に代えて有機系絶縁膜201の全面エッチバックを行い、併せて金属膜106のうちトランジスタ活性領域104の上面上に形成された部分の厚みを薄く(薄膜化)してもよい。
【0036】
次に、図2(c)、(d)に示すように、有機系絶縁膜201を除去した後、SOI基板の全面上(金属膜106の上面上)に、膜厚が60nm〜100nm程度のポリシリコン膜(導電膜)203を形成する。
【0037】
次に、図3(a)に示すように、フォトリソグラフィー工程により、ゲート電極形成用パターン(第2のパターン)301を、トランジスタ活性領域104を跨ぐようにポリシリコン膜203上に形成する。このゲート電極形成用パターン301は、基板上方から見てトランジスタ活性領域104と交差しており、図3(a)右図において、トランジスタ活性領域104の短辺方向に延びている。
【0038】
次に、図3(b)に示すように、ゲート電極形成用パターン301をマスクとして、ポリシリコン膜203、金属膜106及びHK絶縁膜105のエッチングを行う。これにより、トランジスタ活性領域104の一部の側面上及び上面上に、HK絶縁膜105の一部で構成されたゲート絶縁膜105aと、ゲート電極350とが形成される。ここで、ゲート電極350は、金属膜106の一部で構成された下部ゲート電極(第1のゲート電極)106aと、下部ゲート電極106a上に位置し、ポリシリコン膜203の一部で構成された上部ゲート電極(第2のゲート電極)303とで構成される。ゲート電極350は、基板上方から見てトランジスタ活性領域104と交差しており、図3(b)右図において、トランジスタ活性領域104の短辺方向に延びている。
【0039】
次に、図3(c)に示すように、ゲート電極形成用パターン301を除去する。ここで、トランジスタ活性領域104のうちゲート電極350の両側方に位置する領域は、トランジスタのソース/ドレイン領域304、305となっている。
【0040】
図3(d)は、上記製造工程により作製された立体トランジスタを斜め上から見た場合の斜視図である。なお、図3(d)中では、本実施形態の半導体装置の形状を理解しやすくするため、上部ゲート電極303及びゲート絶縁膜105aは示していない。
【0041】
図3(c)、(d)に示すように、本実施形態の半導体装置は、例えばSOI基板の上面(シリコン酸化膜101上)に形成されたFin状のトランジスタ活性領域104と、シリコン酸化膜101の上面上、トランジスタ活性領域104の側面上及び上面上に、間にゲート絶縁膜105aを挟むように設けられたゲート電極350と、トランジスタ活性領域104のうち、ゲート電極350の両側方に位置する領域に形成されたソース/ドレイン領域304、305とを備えている。トランジスタ活性領域104のゲート幅方向(SOI基板上方から見てゲート電極350が延びる方向)の両側面はシリコンの(110)面となっており、トランジスタ活性領域104の上面はシリコンの(100)面となっている。トランジスタ活性領域104のうちゲート電極350に囲まれた部分の両側面近傍と、上面近傍とにはそれぞれチャネルが形成される。ゲート電極350は、金属または金属化合物からなる下部ゲート電極106aと、下部ゲート電極106a上に設けられ、ポリシリコン等からなる上部ゲート電極303とで構成されている。
【0042】
また、本実施形態の半導体装置では、トランジスタ活性領域104の上方におけるゲート電極350の構造とトランジスタ活性領域104の側方におけるゲート電極350の構造とは異なっている。具体的には、Finトランジスタにおいて、下部ゲート電極106aのうち、ゲート絶縁膜105aを間に挟んでトランジスタ活性領域104の上面上に形成された部分(上面部ゲート電極306)の膜厚が、下部ゲート電極106aのうち、ゲート絶縁膜105aを間に挟んでトランジスタ活性領域104の側面上に形成された部分(側面部ゲート電極307)の膜厚よりも小さくなっている。
【0043】
ポリシリコン/金属積層構造(MIPS構造)を有するゲート電極では、以下に説明するように、金属で構成された下部ゲート電極106aの膜厚を変えることで、トランジスタ活性領域104の高さHや幅Wを変えずにゲート電極の実効仕事関数を変更することができる。
【0044】
MIPS構造を有するゲート電極を備えたMOSトランジスタでは、金属膜−ポリシリコン界面付近に形成される電荷によってリモートクーロン散乱が生じる。用いられる金属膜とゲート絶縁膜の種類によっては、リモートクーロン散乱を起こす固定電荷は、ゲート絶縁膜と金属膜との界面や、ゲート絶縁膜中である場合に生じる場合もある。チャネルの移動度はこのリモートクーロン散乱によって変調される。この変調の大きさは、金属膜−ポリシリコン界面とゲート絶縁膜との距離、つまり金属膜厚に反比例する。従って、金属膜(本実施形態の半導体装置での下部ゲート電極106a)の厚さを薄くすることで、チャネルにおける正孔の移動度を向上させることが可能となる。一方、nチャネル型のFinトランジスタでは、金属膜の厚さを薄くしても、チャネルにおける電子の移動度は向上しないが、固定電荷により電子は走行しやすくなる。
【0045】
トランジスタ活性領域104の上面である(100)面は、正孔移動度が(110)面に比べて低いが、上面部ゲート電極306の厚みを薄くした状態で負の電荷を金属膜-ポリシリコン界面に生じさせることで、移動度の向上を図ることが可能となる。従って、本実施形態によればpチャネル型のFinトランジスタのトランジスタ活性領域の高さHと幅Wを、nチャネル型のFinトランジスタにとって最適な値に設定した場合であっても、p型トランジスタ特性を向上させることが可能となる。
【0046】
特に、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、図2(b)に示す工程で金属膜106の研磨量を調節することでチャネルにおける移動度を任意に調節できる。また、MIPS構造では金属膜厚により実効仕事関数が変化するので、各基板面方位でトランジスタの閾値電圧を任意に調節することができる。
【0047】
本実施形態の製造方法においては、図1(b)、(c)に示す工程で、pチャネル型トランジスタ用のトランジスタ活性領域104と同じサイズのnチャネル型トランジスタ用のトランジスタ活性領域を、pチャネル型トランジスタ用のトランジスタ活性領域104と同時に形成することができる。その後、nチャネル型トランジスタに適したゲート電極を形成することで、複雑な工程を経ずにnチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタの性能を同等程度に揃えることができる。そのため、レイアウト等の制約を設けることなくFinトランジスタで構成されたCMOSトランジスタを作製することが可能となる。
【0048】
なお、本実施形態では、トランジスタのチャネルに歪みを与えるためのストレス膜をトランジスタ上に設ける技術や、SiGeでソース・ドレイン領域を形成し、チャネルに歪みを与える技術などの歪技術と本実施形態の技術と組み合わせた方法については説明していないが、歪技術による移動度変調とゲート構造による実効仕事関数の変調は独立に制御可能なため、歪技術と組合せることは可能である。すなわち、本実施形態の方法と歪技術とを組み合わせることで、トランジスタの移動度をさらに向上させることが可能である。
【0049】
なお、以上では(100)面を主面とするシリコン基板を含むSOI基板上にFinトランジスタを設ける例を説明したが、(110)面や(111)面など他の結晶面を主面とするシリコン基板を用いる場合でも、本実施形態の方法によりnチャネル型とpチャネル型のFinトランジスタの性能を容易に揃えることが可能である。
【0050】
また、上部にシリコン層を有するSOI基板に代えて一般的なシリコン基板(バルクシリコン基板)を用いた場合でも本実施形態の方法によれば上述の効果を得ることができる。
【0051】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図4、図5及び図6を参照しながら説明する。
【0052】
図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)、及び図6(a)、(b)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。図4(a)〜(d)、図5(a)〜(d)、及び図6(a)において左図は半導体装置の断面を示し、右図は基板上方から見た場合の半導体装置の平面図を示す。なお、図4(c)の平面図においては、構造が理解しやすいように、実際には見えていないトランジスタ活性領域405の形状を点線で示している。
【0053】
まず、図4(a)に示すように、(100)面を主面とするシリコン基板(不図示)上に形成されたシリコン酸化膜401と、シリコン酸化膜401上に形成されたシリコン層(半導体層)402とを有するSOI基板を準備する。続いて、このSOI基板上に、例えばhigh-k材料からなり、後に第1のゲート絶縁膜として機能する第1のHK絶縁膜403と、第1金属膜とを公知の方法で順次形成する。次に、第1金属膜を選択的にエッチングして、第1の金属膜の一部で構成されたトランジスタ用の活性領域パターン404を形成する。ここで、シリコン層402の厚みは30nm〜100nm程度が望ましく、第1のHK絶縁膜403が、例えば酸化ハフニウム(HfO等)で構成された場合の厚みは2nm〜3nm程度が望ましい。また、第1の金属膜は例えばTiNで構成され、その厚みは10nm以上30nm以下程度が望ましい。
【0054】
次に、図4(b)に示すように、活性領域パターン404をマスクとして第1のHK絶縁膜403及びシリコン層402のエッチングを行い、第1のゲート絶縁膜403aと、直方体等、凸状(Fin状)のトランジスタ活性領域405を形成する。トランジスタ活性領域405のHはシリコン層402の厚みと同じである。次に、トランジスタ活性領域405上にフォトリソグラフィー工程により形成したレジストパターンを用いて不純物のイオン注入を行い、n型領域及びp型領域を形成する(不図示)。nチャネル型Finトランジスタを作製する場合には、トランジスタ活性領域405の平面外形における長辺方向の中央部をp型領域とし、残りをn型領域とする。pチャネル型Finトランジスタを作製する場合には、トランジスタ活性領域104の平面外形における長辺方向の中央部をn型領域とし、残りをp型領域とする。
【0055】
次に、図4(c)に示すように、SOI基板の上面上、トランジスタ活性領域104の側面上、第1のゲート絶縁膜403aの側面上、活性領域パターン404の側面上及び上面上に第2のHK絶縁膜407、第2の金属膜408を順次形成する。第2のHK絶縁膜407としては、例えば厚さ1.0nm以上3.0nm以下程度の酸化ハフニウム膜を用い、第2の金属膜408としては、例えば厚さが15nm以上30nm以下程度のTaN膜などを用いることができる。
【0056】
次に、図4(d)に示すように、第2の金属膜408上にゲート電極形成用パターン409を形成する。
【0057】
次に、図5(a)に示すように、ゲート電極形成用パターン409をマスクとして第2の金属膜408と第2のHK絶縁膜407のエッチングを行った後、ゲート電極形成用パターン409を除去する。これにより、第2のゲート絶縁膜407aを間に挟んでシリコン酸化膜401上、トランジスタ活性領域405の側面上、第1のゲート絶縁膜403aの側面上、活性領域パターン404の側面上及び上面上に第2のゲート電極503を形成する。第2のゲート電極503は、基板上方から見てトランジスタ活性領域405と交差しており、図5(a)右図において、トランジスタ活性領域405の短辺方向に延びている。また、本工程では、第2のゲート電極503の両側方に位置するトランジスタ活性領域405上の活性領域パターン404、第1のゲート絶縁膜403aの一部もエッチングにより除去する。これにより、活性領域パターン(第1の金属膜)404の一部からなる第1のゲート電極602が形成される。
【0058】
その後、図5(b)に示すように、ゲート電極形成用パターン409を除去する。
【0059】
次に、図5(c)、(d)に示すように、SOI基板上面及び第2のゲート電極503の上面に有機系絶縁膜504を塗布した後、CMPによる有機系絶縁膜504の平坦化を行うとともに、第2のゲート電極503、第2のゲート絶縁膜407aの一部を除去し、第1のゲート電極602の上面を露出させる。本工程により、トランジスタ活性領域405の両側方に第2のゲート電極503が残る。なお、本工程ではCMPに代えて有機系絶縁膜504のエッチバックを行い、これと併せて第2のゲート電極503及び第2のゲート絶縁膜407aのうちトランジスタ活性領域405の上方に形成された部分を除去してもよい。また、第1のゲート電極602を一部エッチングして第1のゲート電極602の膜厚を適当な値に調節してもよい。
【0060】
次に、図6(a)に示すように、有機系絶縁膜504を除去することで、本実施形態の半導体装置が作製できる。ここで、トランジスタ活性領域405のうちゲート電極350の両側方に位置する領域は、トランジスタのソース/ドレイン領域604、605となっている。また、第1のゲート電極602と第2のゲート電極503とは、第2のHK絶縁膜407により絶縁されている。なお、以下では第1のゲート電極602と第2のゲート電極503とを合わせて「ゲート電極610」と表記し、第1のゲート絶縁膜403aと第2のゲート絶縁膜407aとを合わせて「ゲート絶縁膜615」と表記するものとする。
【0061】
次に、基板(作製中の半導体装置)の上面上にポリシリコン膜を形成した後、第2のゲート電極形成パターンを形成し、これをマスクとして用いてポリシリコンからなるゲート電極を形成してもよい。
【0062】
図6(b)は、上記製造工程により作製された立体トランジスタを斜め上から見た場合の斜視図である。なお、図6(b)中では、本実施形態の半導体装置の形状を理解しやすくするため、第1のゲート絶縁膜403a、第2のゲート絶縁膜407aは示していない。
【0063】
図6(a)、(b)に示すように、本実施形態の半導体装置は、例えばSOI基板の上面(シリコン酸化膜401上)に形成されたFin状のトランジスタ活性領域405と、シリコン酸化膜401の上面上、トランジスタ活性領域405の側面上及び上面上に、間にゲート絶縁膜615を挟むように設けられたゲート電極610と、トランジスタ活性領域405のうち、ゲート電極610の両側方に位置する領域に形成されたソース/ドレイン領域604、605とを備えている。トランジスタ活性領域405のゲート幅方向の両側面はシリコンの(110)面となっており、トランジスタ活性領域405の上面はシリコンの(100)面となっている。
【0064】
ゲート絶縁膜615は、上述のように、第1のゲート絶縁膜403aと第2のゲート絶縁膜407aとを有している。ゲート電極610は、トランジスタ活性領域405上に、間に第1のゲート絶縁膜403aを挟むように設けられた第1のゲート電極602と、トランジスタ活性領域405の両側面上に、間に第2のゲート絶縁膜407aを挟むように設けられた第2のゲート電極503とを有している。第1のゲート電極602と第2のゲート電極503とは共に金属または金属化合物で構成されている。ただし、第1のゲート電極602と第2のゲート電極503とは異なる導電体材料で構成されていればよく、一方がポリシリコン又はポリシリコンと金属との積層膜で構成され、他方が金属又は金属化合物で構成されていてもよい。本実施形態のFinトランジスタでは、トランジスタ活性領域405のうちゲート電極610に囲まれた部分の両側面近傍と、上面近傍とにそれぞれチャネルが形成される。
【0065】
本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、Finトランジスタにおいて、トランジスタ活性領域405の上方に設けられた第1のゲート電極602の厚みと、トランジスタ活性領域405の側方に設けられた第2のゲート電極503の厚みとを別々に設定することができる。また、第1のゲート電極602と第2のゲート電極503の構成材料を互いに異なる材料とすることも可能となる。このように、金属材料や厚みを変えることで、第1のゲート電極602と第2のゲート電極503の実効仕事関数を変えることが可能となり、トランジスタ活性領域405の上面近傍に形成されるチャネルとトランジスタ活性領域405の側面近傍に形成されるチャネルとに電流を流すための閾値をそれぞれ別個に設定することが可能となる。そのため、両閾値をそれぞれ最適な値に設定することが可能となる。
【0066】
さらに、第1のゲート電極602と第2のゲート電極503とが第2のゲート絶縁膜407aにより絶縁されているため、両ゲート電極に別個に電圧を印加することが可能である。このため、本実施形態の半導体装置では、トランジスタの閾値を変えることと同等以上に自由度の高い電流制御が可能となる。また、Finトランジスタを新しい動作モードで駆動することが可能となる。
【0067】
なお、本実施形態では、トランジスタのチャネルに歪みを与えるためのストレス膜をトランジスタ上に設ける技術や、SiGeでソース・ドレイン領域を形成し、チャネルに歪みを与える技術などの歪技術と本実施形態の技術と組み合わせた方法については説明していないが、歪技術による移動度変調とゲート構造による実効仕事関数の変調は独立に制御可能なため、歪技術と組合せることは可能である。
【0068】
なお、本実施形態の製造方法は、Finトランジスタがpチャネル型であってもnチャネル型であっても適用できる。
【0069】
また、本実施形態の製造方法において、図4(b)に示す工程で、pチャネル型トランジスタ用のトランジスタ活性領域405とnチャネル型トランジスタ用のトランジスタ活性領域405とを同時に形成することができる。その後、各導電型のトランジスタに適した構成を有するゲート電極を形成することができるため、複雑な工程を経ずにCMOSトランジスタを作製することができる。特に、本実施形態の製造方法によれば、第1のゲート電極602と第2のゲート電極503とを適切な形状とすることでトランジスタ閾値をトランジスタの導電型に応じた最適な値に設定することが可能となるので、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタの性能を同等程度に揃えることができる。そのため、レイアウト等の制約を設けることなくFinトランジスタで構成されたCMOSトランジスタを容易に作製することが可能となる。
【0070】
なお、以上で説明した第1及び第2の実施形態に係る半導体装置では、トランジスタ活性領域104、405が、上面及び側面とは面方位が異なる斜面等をさらに有していてもよく、ゲート電極がこの斜面上にさらに設けられていてもよい。
【0071】
なお、以上で説明したのは本発明の実施形態の一例であって、各部材の材料やサイズ等は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で半導体装置の構成や製造方法を変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上説明したように、本発明は、Finトランジスタを有する半導体装置の特性向上ならびに製造工程改善に有用である。
【符号の説明】
【0073】
101 シリコン酸化膜
102、402 シリコン層
103、404 活性領域パターン
104、405 トランジスタ活性領域
105 HK絶縁膜
105a、615 ゲート絶縁膜
106 金属膜
106a 下部ゲート電極
201、504 有機系絶縁膜
203 ポリシリコン膜
301、409 ゲート電極形成用パターン
303 上部ゲート電極
304、305、604、605 ソース/ドレイン領域
306 上面部ゲート電極
307 側面部ゲート電極
350、610 ゲート電極
401 シリコン酸化膜
402 シリコン層
403a 第1のゲート絶縁膜
403 第1のHK絶縁膜
407 第2のHK絶縁膜
407a 第2のゲート絶縁膜
408 第2の金属膜
503 第2のゲート電極
602 第1のゲート電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた凸状の半導体からなるトランジスタ活性領域と、
前記トランジスタ活性領域の一部の側面上及び上面上に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜を間に挟んで前記トランジスタ活性領域の一部の側面上及び上面上に設けられたゲート電極とを備え、
前記ゲート電極のうち、前記トランジスタ活性領域の側面上に設けられた部分の構成と前記トランジスタ活性領域の上面上に設けられた部分の構成とは互いに異なっている半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を間に挟んで前記トランジスタ活性領域の一部の側面上及び上面上に設けられた第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極上に設けられた第2のゲート電極とを有しており、
前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の上方に設けられた部分の膜厚と、前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の側方に設けられた部分の膜厚とは互いに異なっていること特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置おいて、
前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の上方に設けられた部分の膜厚は、前記第1のゲート電極のうち前記トランジスタ活性領域の側方に設けられた部分の膜厚よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極の構成材料は金属材料又は金属化合物であり、前記第2のゲート電極の構成材料はポリシリコンであることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記ゲート電極は、間に前記ゲート絶縁膜を挟んで前記トランジスタ活性領域の上面上に設けられた第1のゲート電極と、間に前記ゲート絶縁膜を挟んで前記トランジスタ活性領域の側面上に設けられ、前記第1のゲート電極とは異なる材料で構成された第2のゲート電極とを有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記ゲート絶縁膜は、前記第1のゲート電極と前記トランジスタ活性領域との間に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート電極と前記トランジスタ活性領域との間に設けられた第2のゲート絶縁膜とを有していることを特徴とする半導体装置。、
【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜と前記第2のゲート絶縁膜とは互いに異なる材料で構成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極とは前記第2のゲート絶縁膜により電気的に分離され、且つ前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極には、互いに独立したゲート電圧が印加されることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
上部に半導体層を有する基板の前記半導体層上に第1のパターンを形成する工程(a)と、
前記第1のパターンをマスクとして前記半導体層をエッチングし、半導体で構成されたトランジスタ活性領域を形成する工程(b)と、
前記トランジスタ活性領域を含む前記基板上に第1の絶縁膜及び金属膜を順次形成する工程(c)と、
前記金属膜のうち前記トランジスタ活性領域の上方に設けられた部分を薄膜化する工程(d)と、
前記工程(d)の後、前記トランジスタ活性領域の上方に、前記トランジスタ活性領域を跨ぐように第2のパターンを形成する工程(e)と、
前記第2のパターンをマスクとして少なくとも前記金属膜及び前記第1の絶縁膜をエッチングし、前記トランジスタ形成領域の一部の側面上及び上面上に設けられ、前記第1の絶縁膜の一部からなるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の上に設けられ、前記トランジスタ形成領域の上方に設けられた部分の膜厚が前記トランジスタ形成領域の側方に設けられた部分の膜厚よりも小さく、前記金属膜の一部からなる第1のゲート電極とを形成する工程(f)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(e)は、前記金属膜の上に導電膜を形成する工程(e1)と、前記導電膜の上に前記第2のパターンを形成する工程(e2)とを含んでおり、
前記工程(f)では、前記第2のパターンをマスクとして前記金属膜及び前記第1の絶縁膜と共に前記導電膜をエッチングし、前記第1のゲート電極の上に前記導電膜の一部からなる第2のゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(d)では、前記金属膜上に第2の絶縁膜を形成した後、前記第2の絶縁膜のエッチバックまたは化学機械研磨と併せて前記トランジスタ活性領域の薄膜化を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
上部に半導体層を有する基板の前記半導体層上に第1の絶縁膜と第1の金属膜とを順次形成した後、前記第1の金属膜をパターニングする工程(a)と、
前記第1の金属膜をマスクとして前記第1の絶縁膜と前記半導体層をエッチングし、半導体で構成されたトランジスタ活性領域と、前記トランジスタ活性領域と前記第1の金属膜との間に挟まれ、前記第1の絶縁膜の一部からなる第1のゲート絶縁膜とを形成する工程(b)と、
前記トランジスタ活性領域を含む前記基板上、前記第1の金属膜の側面上及び上面上に第2の絶縁膜と第2の金属膜とを順次形成する工程(c)と、
前記第2の金属膜の上に、前記トランジスタ活性領域を跨ぐ第1のゲート電極形成用パターンを形成する工程(d)と、
前記第1のゲート電極形成用パターンをマスクとして前記第2の金属膜、前記第2の絶縁膜、前記第1の金属膜、及び前記第1のゲート絶縁膜をエッチングし、前記トランジスタ形成領域の一部の側面上、前記第1の金属膜の側面及び上面の一部上に設けられ、前記第2の絶縁膜の一部からなる第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成され、前記第2の金属膜からなる第2のゲート電極と、側面と上面が前記第2のゲート絶縁膜を挟んで前記第2のゲート電極に囲まれ、前記第1の金属膜の一部からなる第1のゲート電極とを形成する工程(e)と、
前記第2のゲート電極及び前記第2のゲート絶縁膜のうち前記トランジスタ活性領域の上方に形成された部分を除去し、前記第2のゲート電極を前記トランジスタ活性領域及び前記第1のゲート電極の側方に残す工程(f)とを備えている半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(f)の後、前記基板上、前記第1のゲート電極上、及び前記第2のゲート電極上に導電膜を形成した後、前記トランジスタ活性領域を跨ぐ第2のゲート電極形成用パターンを前記導電膜上に形成する工程(g)と、
前記第2のゲート電極形成用パターンをマスクとして前記導電膜のエッチングを行い、前記第1のゲート電極上及び前記第2のゲート電極上に前記導電膜の一部からなる第3のゲート電極を形成する工程(h)とをさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(f)では、前記基板上、前記第1のゲート電極上及び前記第2のゲート電極上に第3の絶縁膜を形成した後、前記第3の絶縁膜のエッチバックまたは化学機械研磨と併せて前記第2のゲート電極及び前記第2のゲート絶縁膜のうち前記トランジスタ活性領域の上方に形成された部分の除去を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−287675(P2010−287675A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−139344(P2009−139344)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】