説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】半導体装置の性能を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】ロジック回路領域及びメモリセル領域における半導体基板には素子分離絶縁膜4によって活性領域1c,1bがそれぞれ区画されている。活性領域1b,1cにはMOSトランジスタTR2及びドライバトランジスタDTRがそれぞれ形成されている。上面視上において、活性領域1bのゲート幅方向の長さは活性領域1cのそれ以下である。素子分離絶縁膜4では、活性領域1bの周辺に位置する周辺部分4bの上面が活性領域1bの上面よりも下方に位置し、活性領域1cの周辺に位置する周辺部分4cの上面が活性領域1cの上面よりも下方に位置している。素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に位置する、活性領域1b,1cの上面及びゲート幅方向の両側面にはゲート絶縁膜6を介してゲート電極7が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のMOSトランジスタを備える半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からMOSトランジスタのオン・オフ特性を向上するために、ダブルゲート構造やトライゲート構造と呼ばれるゲート構造が提案されている。これらのゲート構造では、ゲート電極が、MOSトランジスタのチャネル領域が形成される半導体領域を複数の方向から取り囲んでおり、これによりゲート電圧によるチャネル領域の制御性を向上している。
【0003】
例えば、非特許文献1,2ではフィン型のダブルゲート構造が開示されている。非特許文献1,2では、MOSトランジスタが形成される基板としてSOI(silicon on insulator)基板が使用されており、当該SOI基板の埋め込み酸化膜上に形成されたシリコン層にフィン構造を形成し、当該フィン構造を利用してMOSトランジスタを形成している。
【0004】
一方、特許文献1では、SOI基板を使用することなくダブルゲート構造を実現する技術が提案されている。特許文献1の技術では、半導体基板に素子分離絶縁膜から突出する凸部を形成し、当該凸部をゲート電極で取り囲むことによってダブルゲート構造を実現している。なお特許文献2にも、ダブルゲート構造に関する技術が開示されている。
【0005】
【非特許文献1】Fu-Liang Yang et al.,“35nm CMOS FinFETs”, 2002 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers, p.104
【非特許文献2】Fu-Liang Yang et al.,“5nm-Gate Nanowire FinFETs”, 2004 Symposium on VLSI Technology Digest of Technical Papers, p.196
【特許文献1】特開2003−124463号公報
【特許文献2】特開平7−86595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて従来から、複数のMOSトランジスタを備える半導体装置として、複数のメモリセルが形成されたメモリセル領域と、ロジック回路が形成されたロジック回路領域とを備える半導体装置が提案されている。このような半導体装置では、一般的にロジック回路領域には様々な大きさのMOSトランジスタが形成されることから、当該ロジック回路領域におけるMOSトランジスタに上述の特許文献1の技術を適用した場合であっても、適用するMOSトランジスタによっては、ダブルゲート構造あるいはトライゲート構造の効果を十分に発揮できないことがある。その結果、半導体装置の性能を十分に向上することができないといった問題を生じる。
【0007】
また、複数のMOSトランジスタを備える半導体装置では、ゲート幅を異ならせることによって、複数のMOSトランジスタ間の電流駆動能力を異ならせることができる。しかしながら、複数のMOSトランジスタにおいてゲート幅を異ならせるためには、当該複数のMOSトランジスタが形成される活性領域の幅を異ならせる必要があり、写真製版工程に使用するマスクパターンが複雑となる。その結果、写真製版工程におけるプロセスマージンを十分に確保することができず、半導体装置の性能を十分に確保できないことがある。
【0008】
そこで、本発明は上述の問題に鑑みて成されたものであり、複数のMOSトランジスタを備える半導体装置の性能を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の第1の半導体装置は、複数のメモリセルが形成されたメモリセル領域と、ロジック回路が形成されたロジック回路領域とを備える半導体装置であって、半導体基板と、前記メモリセル領域における前記半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記ロジック回路領域における前記半導体基板に第2及び第3活性領域を区画する、前記半導体基板の上面内に設けられた素子分離絶縁膜と、前記第1乃至第3活性領域にそれぞれ設けられた第1乃至第3MOSトランジスタとを備え、上面視上において、前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第1活性領域の長さと、前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第2活性領域の長さとは、前記第3MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第3活性領域の長さよりも小さく、上面視上において、前記第2活性領域の前記長さは、前記第1活性領域の前記長さ以下であって、前記メモリセル領域における前記素子分離絶縁膜では、前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面は、前記第1活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、前記ロジック回路領域における前記素子分離絶縁膜では、前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面は、前記第2活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方へ突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、前記第1活性領域周辺部分の上面と、前記第2活性領域周辺部分の上面とは、前記ロジック回路領域における前記素子分離絶縁膜において前記第3活性領域の周辺に位置する第3活性領域周辺部分の上面よりも下方に位置する。
【0010】
また、この発明の第2の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板に第1及び第2活性領域を区画する、前記半導体基板の上面内に設けられた素子分離絶縁膜と、前記第1及び第2活性領域にそれぞれ設けられた第1及び第2MOSトランジスタとを備え、前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面は、前記第1活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面は、前記第2活性領域の上面及び前記第1活性領域周辺部分の上面よりも下方に位置し、それによって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されている。
【0011】
また、この発明の第3の半導体装置は、複数のSRAMメモリセルが形成された第1領域と、インタフェース回路が形成された第2領域とを備える半導体装置であって、半導体基板と、前記第1領域における前記半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記第2領域における前記半導体基板に第2活性領域を区画する、前記半導体基板の上面内に設けられた素子分離絶縁膜と、前記第1及び第2活性領域にそれぞれ設けられた第1及び第2MOSトランジスタとを備え、前記第1領域における前記素子分離絶縁膜では、前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面は、前記第1活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、前記第2活性領域の上面にはゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、前記第1活性領域周辺部分の上面は、前記第2領域における前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面よりも下方に位置する。
【0012】
また、この発明の第1の半導体装置の製造方法は、複数のメモリセルが形成されるメモリセル領域と、ロジック回路が形成されるロジック回路領域とを備える半導体装置の製造方法であって、(a)前記メモリセル領域における半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記ロジック回路領域における前記半導体基板に第2及び第3活性領域を区画する素子分離絶縁膜を前記半導体基板の上面内に形成する工程と、(b)前記ロジック回路領域の前記素子分離絶縁膜において前記第3活性領域の周辺に位置する第3活性領域周辺部分の上面は掘り下げずに、前記メモリセル領域の前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面を、前記第1活性領域の上面よりも下方に掘り下げるとともに、前記ロジック回路領域の前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面を、前記第2活性領域の上面よりも下方に掘り下げる工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記第1乃至第3活性領域にそれぞれ第1乃至第3MOSトランジスタを形成する工程とを備え、前記工程(a)では、前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向となる第1方向における前記第1活性領域の長さと、前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向となる第2方向における前記第2活性領域の長さとが、前記第3MOSトランジスタのゲート幅方向となる第3方向における前記第3活性領域の長さよりも小さくなるとともに、前記第2活性領域の前記長さが前記第1活性領域の前記長さ以下となるように、前記素子分離絶縁膜が形成され、前記工程(c)では、前記工程(b)の実行によって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、更に、前記工程(b)の実行によって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方へ突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成される。
【0013】
また、この発明の第2の半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板に第1及び第2活性領域を区画する素子分離絶縁膜を前記半導体基板の上面内に形成する工程と、(b)前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面を、前記第1活性領域の上面よりも下方に掘り下げるとともに、前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面を、前記第2活性領域の上面及び前記第1活性領域周辺部分の上面よりも下方に掘り下げる工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記第1及び第2活性領域にそれぞれ第1及び第2MOSトランジスタを形成する工程とを備え、前記工程(c)では、前記工程(b)の実行によって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、更に、前記工程(b)の実行によって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方へ突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成される。
【0014】
また、この発明の第3の半導体装置の製造方法は、複数のSRAMメモリセルが形成される第1領域と、インタフェース回路が形成される第2領域とを備える半導体装置の製造方法であって、(a)前記第1領域における半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記第2領域における前記半導体基板に第2活性領域を区画する素子分離絶縁膜を前記半導体基板の上面内に形成する工程と、(b)前記第2領域の前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面は掘り下げずに、前記第1領域の前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面を、前記第1活性領域の上面よりも下方に掘り下げる工程と、(c)前記工程(b)の後に、前記第1及び第2活性領域にそれぞれ第1及び第2MOSトランジスタを形成する工程とを備え、前記工程(c)では、前記工程(b)の実行によって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向となる方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、前記第2活性領域の上面にはゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成される。
【発明の効果】
【0015】
この発明の第1の半導体装置及び第1の半導体装置の製造方法によれば、ロジック回路領域の第2活性領域では、メモリセル領域の第1活性領域と同様に、素子分離絶縁膜の上面よりも上方に突出する、当該第2活性領域の上面及びゲート幅方向で対面する両側面にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成しているため、当該第2活性領域に形成される第2MOSトランジスタのゲート構造を、ダブルゲート構造あるいはトライゲート構造にすることができる。つまり本発明では、ゲート幅方向の長さに関してメモリセル領域の第1活性領域の長さ以下の長さを有するロジック回路領域の第2活性領域に対して、メモリセル領域の第1活性領域に適用した構造を適用することによって、当該第2活性領域に形成される第2MOSトランジスタのゲート構造をトライゲート構造あるいはダブルゲート構造にしている。一般的に、複数のメモリセルのレイアウトパターンは繰り返しパターンで構成されるため、メモリセルを形成する際のリソグラフィープロセスの難易度が低く、メモリセルが形成される複数の活性領域は密集して配置することができる。従って、メモリセル領域における第1活性領域のゲート幅方向の長さは比較的小さく、このような比較的小さい第1活性領域のゲート幅方向の長さ以下である、ロジック回路領域の第2活性領域のゲート幅方向における長さは十分に小さい。このように、ゲート幅方向の長さが十分に小さい第2活性領域に対して、メモリセル領域と同じ構造を適用し、当該第2活性領域においてダブルゲート構造やトライゲート構造を実現することによって、第2活性領域における素子分離絶縁膜の上面よりも上方に突出する部分の全領域にチャネル領域を確実に形成することができる。そのため、当該第2活性領域に形成される第2MOSトランジスタのオン・オフ特性を確実に向上させることができ、装置全体におけるオフリーク電流を低減できる。その結果、本半導体装置の性能が向上する。
【0016】
また、この発明の第2の半導体装置及び第2の半導体装置の製造方法によれば、素子分離絶縁膜では、第2活性領域周辺部分の上面は、第1活性領域周辺部分の上面よりも下方に位置するため、第2活性領域における素子分離絶縁膜から露出する部分を、第1活性領域におけるそれよりも大きくすることができる。そのため、第2活性領域内に形成される、第2MOSトランジスタのチャネル領域の体積を、第1活性領域内に形成される、第1MOSトランジスタのチャネル領域よりも大きくすることができる。従って、第1及び第2活性領域の間でゲート幅方向における長さを等しくした場合であっても、第2MOSトランジスタの電流駆動能力を第1MOSトランジスタよりも向上させることができる。その結果、電流駆動能力の異なる複数のMOSトランジスタを形成しつつ、レイアウトパターンを簡素化することができ、写真製版工程におけるプロセスマージンを十分に確保することができる。よって、本半導体装置の性能を向上することができる。
【0017】
更には、第2MOSトランジスタの電流駆動能力を維持しつつ、第2活性領域のゲート幅方向の長さを小さくすることができるため、第2MOSトランジスタの寸法を小さくすることができ、本半導体装置の微細化が可能となる。
【0018】
また、この発明の第3の半導体装置及び第3の半導体装置の製造方法によれば、インタフェース回路で使用される第2MOSトランジスタのゲート構造としてダブルゲート構造やトライゲート構造を採用していないため、品質が良く信頼性の高いゲート絶縁膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る半導体装置の構造を示す平面図であって、図2は図1中の矢視A−Aにおける断面図である。また図3は、本実施の形態1に係る半導体装置が備えるメモリセルの回路構成を示す図である。
【0020】
本実施の形態1に係る半導体装置は、ロジック回路が形成されるロジック回路領域と、複数のメモリセルが形成されるメモリセル領域とを備えており、例えば、画像データや通信データに対してデータ処理を行うロジック回路や、eSRAM(embedded SRAM)を備えている。メモリセル領域には、例えばeSRAMにおける複数のメモリセルがアレイ状に配置されており、ロジック回路領域には当該複数のメモリセルを駆動する、行デコーダ及び列デコーダ等を含む周辺回路や、画像データや通信データを処理する当該周辺回路とは別のロジック回路が形成されている。
【0021】
まず図3を参照して、本実施の形態1に係るメモリセル領域に形成されるメモリセルの回路構成について説明する。図3に示されるように、本実施の形態1に係るメモリセルは、ドライバトランジスタDTRと、ロードトランジスタLTRと、アクセストランジスタATRとから成る組みを2組備えており、ドライバトランジスタDTR及びアクセストランジスタATRはNMOSトランジスタであって、ロードトランジスタLTRはPMOSトランジスタである。
【0022】
上記2組のそれぞれにおいては、アクセストランジスタATRのゲートにはワード線WLが接続されており、ドライバトランジスタDTRのドレインと、ロードトランジスタLTRのドレインと、アクセストランジスタATRのソースとは互いに接続されている。そして、上記2組のいずれか一方組における、ドライバトランジスタDTRのドレインと、ロードトランジスタLTRのドレインと、アクセストランジスタATRのソースとの接続点は、他方組におけるロードトランジスタLTR及びドライバトランジスタDTRのゲートに接続されている。
【0023】
また、上記2組のそれぞれにおいては、ロードトランジスタLTRのソースにはプラスの電源電位VDDが印加され、ドライバトランジスタDTRのソースには接地電位GNDが印加される。そして、上記2組の一方組及び他方組におけるアクセストランジスタATRのドレインはそれぞれビット線BL,BLBに接続されている。
【0024】
次に図1,2を参照して、本実施の形態1に係る半導体装置の構造について説明する。図1,2に示されるように、本実施の形態1に係る半導体装置では、例えばシリコン基板から成る半導体基板1の上面内に素子分離絶縁膜4が形成されている。素子分離絶縁膜4は例えばシリコン酸化膜から成り、ロジック回路領域における半導体基板1に活性領域1a,1bを、メモリセル領域における半導体基板1に活性領域1c,1dを区画する。活性領域1a,1bにはそれぞれMOSトランジスタTR1,TR2が形成されており、活性領域1cにはドライバトランジスタDTRが形成されており、活性領域1dにはロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRが形成されている。なお、活性領域1bは、ロジック回路領域において、メモリセル領域に隣接する領域に形成されている。
【0025】
図1に示されるように、上面視上においては、活性領域1aの幅WAは、活性領域1bの幅WB、活性領域1cの幅WC及び活性領域1dの幅WDよりも大きく、活性領域1bの幅WBは、活性領域1dの幅WDとは同じ大きさであって、活性領域1cの幅1cよりも小さい。従って、幅WDは幅WCよりも小さい。
【0026】
ここで、幅WAはMOSトランジスタTR1のゲート幅を示す長さであって、当該MOSトランジスタTR1のゲート幅方向における活性領域1aの長さである。同様に、幅WBはMOSトランジスタTR2のゲート幅を示す長さであって、当該MOSトランジスタTR2のゲート幅方向における活性領域1bの長さであり、幅WCはドライバトランジスタDTRのゲート幅を示す長さであって、当該ドライバトランジスタDTRのゲート幅方向における活性領域1cの長さである。そして、幅WDはアクセストランジスタATRあるいはロードトランジスタLTRのゲート幅を示す長さであって、アクセストランジスタATRあるいはロードトランジスタLTRのゲート幅方向における活性領域1dの長さである。
【0027】
以上のことから、MOSトランジスタTR1のゲート幅は、MOSトランジスタTR2、ドライバトランジスタDTR、ロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRのゲート幅よりも大きい。そして、MOSトランジスタTR2のゲート幅は、ロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRのゲート幅と同じであって、かつドライバトランジスタDTRのゲート幅よりも小さい。従って、MOSトランジスタTR1の電流駆動能力は、MOSトランジスタTR2、ドライバトランジスタDTR、ロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRよりも大きく、MOSトランジスタTR2の電流駆動能力は、ロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRと同じであって、かつドライバトランジスタDTRよりも小さい。
【0028】
本実施の形態1では、活性領域1b〜1dの幅WB〜WDは50nm以下に設定されており、活性領域1aの幅WAは50nmよりも大きい値に設定されている。
【0029】
活性領域1a〜1d上にはMOSトランジスタのゲート絶縁膜6及びゲート電極7がこの順で積層されている。具体的には、活性領域1a上にはMOSトランジスタTR1のゲート電極7がゲート絶縁膜6を介して形成されており、活性領域1b上にはMOSトランジスタTR2のゲート電極7がゲート絶縁膜6を介して形成されている。そして、活性領域1c上にはドライバトランジスタDTRのゲート電極7がゲート絶縁膜6を介して形成されており、活性領域1d上にはロードトランジスタLTRあるいはアクセストランジスタATRのゲート電極7がゲート絶縁膜6を介して形成されている。例えば、ゲート絶縁膜6はシリコン酸化膜から成り、ゲート電極7はポリシリコン膜から成る。
【0030】
図2に示されるように、本実施の形態1に係る素子分離絶縁膜4では、活性領域1bの周辺に位置する周辺部分4b、活性領域1cの周辺に位置する周辺部分4c及び活性領域1dの周辺に位置する周辺部分4dの各上面は、幅の一番大きい活性領域1aの周辺に位置する周辺部分4aの上面よりも下方に位置している。そして、活性領域1bの上面及びMOSトランジスタTR2のゲート幅方向で対面する両側面の一部は周辺部分4bの上面よりも上方に突出し、活性領域1cの上面及びドライバトランジスタDTRのゲート幅方向で対面する両側面の一部は周辺部分4cの上面よりも上方に突出し、活性領域1dの上面及びロードトランジスタLTRあるいはアクセストランジスタATRのゲート幅方向で対面する両側面の一部は、周辺部分4dの上面よりも上方に突出している。
【0031】
本実施の形態1では、周辺部分4bの上面よりも上方に突出する活性領域1bの上面及び側面、周辺部分4cの上面よりも上方に突出する活性領域1cの上面及び側面、及び周辺部分4dの上面よりも上方に突出する活性領域1dの上面及び側面の上には、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7が形成されている。
【0032】
以上のように、MOSトランジスタTR2が形成される活性領域1bでは、その上面及びゲート幅方向で対面する両側面を覆うようにゲート電極7が形成されている。これにより、MOSトランジスタTR2のゲート構造はトライゲート構造として機能する。従って、ゲート電極7に所定の電圧を印加すると、活性領域1bの上面及びゲート幅方向で対面する両側面からチャネル領域CNが広がり、活性領域1bにおける素子分離絶縁膜4からの突出部分には、図2に示されるように、全領域にチャネル領域CNが形成される。このように、本実施の形態1では、活性領域1bに形成されるチャネル領域CNを3方向からのゲート電圧で制御できるため、MOSトランジスタTR2を確実にオンできたり、確実にオフすることができ、オン電流とオフ電流との差が大きくなりオン・オフ特性が向上する。
【0033】
同様に、ドライバトランジスタDTR、ロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRもトライゲート構造を有しており、複数の方向からのゲート電圧でチャネル領域を制御することができることから、それらのオン・オフ特性が向上する。
【0034】
なお、活性領域1b上のゲート絶縁膜6において活性領域1bの上面上の部分を他の部分よりも厚く形成したり、活性領域1bにおける上面付近のチャネル注入量を多くすることによって、当該上面付近の導電型が反転しにくいようにしても良い。これにより、ゲート電極7に所定の電圧を印加すると、活性領域1bではゲート幅方向の両側面のみからチャネル領域が広がり、MOSトランジスタTR2のゲート構造を、2方向からのゲート電圧でチャネル領域を制御できるダブルゲート構造とすることができる。ドライバトランジスタDTR、アクセストランジスタATR及びロードトランジスタLTRについても同様である。
【0035】
次に、図1,2に示される本実施の形態1に係る半導体装置の製造方法について説明する。図4〜10,12,13は本実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図であって、図11は当該製造方法を示す平面図である。図4に示されるように、まず半導体基板1上にシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜3をこの順で堆積する。そして図5に示されるように、所定のレジストパターンを有するフォトレジスト100をシリコン窒化膜3上に形成する。
【0036】
次に、フォトレジスト100をマスクに用いてシリコン窒化膜3、シリコン酸化膜2及び半導体基板1に対して順序ドライエッチングを実行する。そして、フォトレジスト100を除去する。これにより、図6に示されるように、半導体基板1の上面内には溝14が形成され、当該溝14によって、ロジック回路領域における半導体基板1には活性領域1a,1bが区画され、メモリセル領域における半導体基板1には活性領域1c,1dが区画される。
【0037】
次に、溝14を充填するシリコン酸化膜を全面に形成し、シリコン窒化膜3をストッパ層とするCMP法を用いて当該シリコン酸化膜の表面を平坦化する。これにより、図7に示されるように、シリコン酸化膜から成り、溝14を充填する深さ200〜400nm程度の素子分離絶縁膜4が形成される。この時点ではMOSトランジスタTR1等は形成されていないことから、この工程においては、ドライバトランジスタDTRのゲート幅方向となる方向における活性領域1cの長さと、アクセストランジスタATRやロードトランジスタLTRのゲート幅方向となる方向における活性領域1dの長さと、MOSトランジスタTR2のゲート幅方向となる方向における活性領域1bの長さとが、MOSトランジスタTR1のゲート幅方向となる方向における活性領域1aの長さよりも小さくなるとともに、活性領域1bの当該長さが活性領域1c,1dの当該長さ以下となるように、素子分離絶縁膜4が形成される。
【0038】
本実施の形態1では、素子分離絶縁膜4となる上記シリコン酸化膜を溝14に充填する前に、溝14によって露出している半導体基板1の内壁が熱酸化される。これにより、図7に示されるように、活性領域1a〜1dでは、その上面とそれに繋がる側面とで形成される角部50が丸くなり、当該角部50に電界が集中するのを緩和でき、活性領域1a〜1dで発生する電界を均一にすることができる。また、半導体基板1の内壁を熱酸化する代わりに、溝14を形成する際のドライエッチングにおいて角部50を丸めながら半導体基板1をエッチングしても良い。
【0039】
次に図8に示されるように、ウェットエッチング法を用いて、素子分離絶縁膜4の上端部を選択的に除去して、シリコン窒化膜3を素子分離絶縁膜4から部分的に突出させる。このとき、素子分離絶縁膜4の上面は、活性領域1a〜1dの上面よりも下がらないようにする。例えば、素子分離絶縁膜4の上面が活性領域1a〜1dの上面よりも40nm程度上方に位置するようにする。
【0040】
次に図9に示されるように、ウェットエッチング法を用いてシリコン窒化膜3及びシリコン酸化膜2を順次除去する。そして図10に示されるように、ロジック回路領域の活性領域1aと、素子分離絶縁膜4において活性領域1aの周辺に位置する周辺部分4aとを覆うフォトレジスト110を半導体基板1上に形成し、当該フォトレジスト110をマスクに用いて露出している素子分離絶縁膜4を選択的にウェットエッチングする。これにより、素子分離絶縁膜4において活性領域1bの周辺に位置する周辺部分4bと、メモリセル領域における素子分離絶縁膜4の全領域とが部分的に除去されて、当該素子分離絶縁膜4の上面は50nm〜150nm程度掘り下げられる。その結果、素子分離絶縁膜4では、周辺部分4aの上面は掘り下げられずに、周辺部分4bの上面は当該活性領域1bの上面よりも下方に掘り下げられる。同時に、素子分離絶縁膜4では、活性領域1cの周辺に位置する周辺部分4cの上面は当該活性領域1cの上面よりも下方に掘り下げられ、活性領域1dの周辺に位置する周辺部分4dの上面は当該活性領域1dの上面よりも下方に掘り下げられる。
【0041】
なお図11は、図10に示される構造の平面図である。図11では図10中のフォトレジスト110の記載は省略している。また、図10の構造は図11中の矢視B−Bにおける断面構造にフォトレジスト110を形成したものである。
【0042】
次に図12に示されるように、イオン注入時のスクリーン膜として機能するシリコン酸化膜5を活性領域1a〜1dの上面上に形成する。そして、半導体基板1にp型あるいはn型の不純物をシリコン酸化膜5を介してイオン注入し、半導体基板1の上面内にウェル領域(図示せず)を形成する。そして、MOSトランジスタTR1,TR2やドライバトランジスタDTR等のトランジスタのしきい値電圧を決定するために、p型あるいはn型の不純物を半導体基板1にイオン注入する。その後、シリコン酸化膜5を除去する。
【0043】
次に図13に示されるように、MOSトランジスタTR1等のゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜16を活性領域1a〜1d上に形成し、その後、MOSトランジスタTR1等のゲート電極7となるポリシリコン膜17を全面に形成する。
【0044】
次に、ポリシリコン膜17及びシリコン酸化膜16をパターンニングして、ポリシリコン膜17から成るゲート電極7と、シリコン酸化膜16から成るゲート絶縁膜6とを形成する。これにより、ロジック回路領域では、活性領域1a上にはゲート絶縁膜6を介してゲート電極7が形成されるとともに、周辺部分4bの上面よりも上方に突出する、活性領域1bの上面及びゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7が形成される。同時に、メモリセル領域では、周辺部分4cの上面よりも上方に突出する、活性領域1cの上面及びゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7が形成されるとともに、周辺部分4dの上面よりも上方に突出する、活性領域1dの上面及びゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜6を介してゲート電極7が形成される。
【0045】
次に、ゲート絶縁膜6およびゲート電極7の側面にサイドウォール(図示せず)を形成し、MOSトランジスタTR1等のソース・ドレイン領域(図示せず)を形成する。このとき、メモリセル領域おける素子分離絶縁膜4の上面は活性領域1c,1dの上面よりも30〜130nm程度低くなっている。同様に、ロジック回路領域における周辺部分4bの上面は、活性領域1bの上面よりも30〜130nm程度低くなっている。その後、図示しない層間絶縁膜、コンタクトプラグ及び配線が形成される。これにより、ドライバトランジスタDTRと、アクセストランジスタATRと、ロードトランジスタLTRとの間が電気的に接続されて、本実施の形態1に係る半導体装置が完成する。
【0046】
以上のように、本実施の形態1に係るロジック回路領域では、メモリセル領域に形成された活性領域1c,1dと同じかそれよりも幅の小さい活性領域1bに対して、メモリセル領域の活性領域1c,1dに適用した構造を適用することによって、当該活性領域1bに形成されるMOSトランジスタTR2のゲート構造をトライゲート構造あるいはダブルゲート構造にしている。つまり、活性領域1bにおいて、素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に突出する、上面及びゲート幅方向で対面する両側面にゲート絶縁膜6を介してゲート電極7を形成することによって、トライゲート構造あるいはダブルゲート構造を実現している。
【0047】
一方、ロジック回路領域の活性領域1aに対してメモリセル領域の活性領域1c,1dに適用した構造を適用して、MOSトランジスタTR1のゲート構造をダブルゲート構造あるいはトライゲート構造にすると、活性領域1aの幅WAは比較的大きいことから、図14に示されるように、活性領域1aの上面及び側面付近にしかチャネル領域CNが形成されず、活性領域1aにおける素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に突出する部分の全領域に渡ってチャネル領域CNが形成されにくくなる。そのためにチャネルドープ量を少なくしてチャネル領域CNができやすいように不純物濃度を調整すると、活性領域1aでは、上面とそれに繋がる側面とで形成される角部50付近の電位が必要以上に低下しやすくなり、当該角部50においてはチャネルがオフしにくくなるという現象が生じる。その結果、ゲート電極7にオフ電圧を印加した場合であっても、角部50を介して活性領域1aにリーク電流が流れ、オフリーク電流が増加する。従って、このような広い活性領域1aを必要とするようなロジック回路のゲート構造を、ダブルゲート構造あるいはトライゲート構造にしようとすることは望ましくない。
【0048】
また、ロジック回路のうちでインタフェース回路に使用されるようなMOSトランジスタ、つまり駆動電圧が高く、常に駆動を続けているようなMOSトランジスタには、膜厚が厚く信頼性の高いゲート絶縁膜を形成する必要がある。このようなMOSトランジスタをMOSトランジスタTR1として活性領域1aに形成し、MOSトランジスタTR1のゲート構造をダブルゲート構造あるいはトライゲート構造にしようとすると、素子分離絶縁膜が部分的に埋め込まれている溝の側壁面にもMOSトランジスタTR1のゲート絶縁膜6が形成されることになる。もともとシリコン基板の上面に用いられる(100)面に比べて他の方位の面では、形成されるシリコン酸化膜の質が悪く、さらに溝の側壁面はエッチングによって削られた面でありダメージも多いことから、溝の側壁面はMOSトランジスタTR1のゲート絶縁膜6を形成する面としては望ましくない。したがって、インタフェース回路に使用されるようなMOSトランジスタを活性領域1aに形成する場合には、当該MOSトランジスタのゲート構造をダブルゲート構造やトライゲート構造にしようとすることは好ましくない。
【0049】
また一般的に、複数のメモリセルのレイアウトパターンは繰り返しパターンで構成されるため、メモリセルを形成する際のリソグラフィープロセスの難易度は低く、メモリセルが形成される複数の活性領域を密集して配置することができる。そのため、メモリセル領域の活性領域1c,1dの幅WC,WDは比較的小さく作ることができる。また、ロジック回路領域のうちメモリセル領域に隣接する領域でのレイアウトパターンについても通常繰り返しパターンで構成されるため、当該領域を形成する際のリソグラフィープロセスの難易度は低く、当該領域に形成される複数の活性領域も密集して配置することができる。そのため、ロジック回路領域のうちメモリセル領域に隣接する領域に配置された活性領域1bの幅WBは、メモリセル領域における活性領域1c,1dの幅WC,WDと同じかそれよりも小さく作ることができる。例えば、本実施の形態1のように、活性領域1bの幅WBは50nm以下に設定することができる。
【0050】
このように、本実施の形態1に係るロジック回路領域では、幅WBが十分に小さい活性領域1bにメモリセル領域と同じ構造を適用することによってダブルゲート構造やトライゲート構造を実現しているため、上述の図2に示されるように、活性領域1bにおける素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に突出する部分の全領域にチャネル領域CNを確実に形成することができる。そのため、当該活性領域1bに形成されるMOSトランジスタTR2のオン・オフ特性を確実に向上させることができ、装置全体におけるオフリーク電流を低減できる。
【0051】
また、活性領域1aのようなロジック回路領域の比較的広い活性領域に形成されるゲート構造についてはダブルゲート構造やトライゲート構造を採用しないようにすることで、チャネル領域CNができにくくてしきい値電圧が高いトランジスタやオフリーク電流の大きいトランジスタが当該活性領域に形成されてしまうことを回避することができる。
【0052】
また、活性領域1aにインタフェース回路で採用されるMOSトランジスタを形成する際には、当該MOSトランジスタのゲート構造としてダブルゲート構造やトライゲート構造を採用しないようにすることで、品質が良く信頼性の高いゲート絶縁膜を形成することができる。
【0053】
また本実施の形態1では、メモリセル領域の活性領域1c,1dの幅WC,WD及びロジック回路領域の活性領域1bの幅WBを50nm以下に設定しているため、ダブルゲート構造あるいはトライゲート構造の効果を十分に発揮することができる。製造性の観点からは、活性領域1b,1dの幅WB,WDについては20〜40nmに設定される方が望ましく、活性領域1cの幅WCについては30〜50nmに設定される方が望ましい。
【0054】
なお、本実施の形態1に係る半導体装置の製造方法では、上述の図5,6に示されるように、所定のレジストパターンを有するフォトレジスト100をマスクに用いて半導体基板1をエッチングして溝14を形成しているが、使用する写真製版装置の性能等の制約により、フォトレジスト100に形成されるレジストパターンを十分細くできない場合には、シリコン窒化膜3に対して異方性エッチング及び等方性エッチングを順次実行し、等方性エッチング実行後のシリコン窒化膜3をマスク膜として用いて半導体基板1をエッチングして溝14を形成しても良い。以下にこの製造方法について詳細に説明する。
【0055】
図15,16は本実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。まず半導体基板1上にシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜3を順次堆積して、図4に示される構造を作製する。そして図15に示されるように、所定のレジストパターンを有するフォトレジスト100をシリコン窒化膜3上に形成する。そして、フォトレジスト100をマスクに用いて、露出しているシリコン窒化膜3に対して、半導体基板1の厚み方向にエッチングレートが高い異方性ドライエッチングを実行して、フォトレジスト100を除去する。これにより、シリコン窒化膜3内にはシリコン酸化膜2を部分的に露出させる開口部OPが形成される。
【0056】
なお本例においては、写真製版装置として安価なものを使用することを想定しているため、レジストパターンをあまり細くすることができず、図15中のフォトレジスト100に形成されたレジストパターンは図5中のフォトレジスト100に形成されたレジストパターンよりも全体的に太くなっている。そのため、この状態でシリコン窒化膜3をマスクにして半導体基板1に対してエッチングを行って溝14を形成すると、溝14によって区画された活性領域1a〜1eの幅が設計値よりも大きくなってしまう。そこで、次に図16に示されるように、例えばリン酸を用いてシリコン窒化膜に対して等方性ウェットエッチングを行い、当該シリコン窒化膜を選択的に部分的に除去する。これにより、異方性ドライエッチングでシリコン窒化膜3内に形成された開口部OPが広がり、シリコン酸化膜2の露出部分が多くなる。
【0057】
次に、等方性ウェットエッチング後のシリコン窒化膜3をマスクに用いて、露出するシリコン酸化膜2とその下の半導体基板1をドライエッチングする。これにより、図6に示される溝14と同じ形状の溝14が半導体基板1に形成されて、当該溝14によって活性領域1a〜1dが区画される。
【0058】
このように、溝14を形成する際のマスク膜となるシリコン窒化膜3に所定の開口部OPを設ける際に、異方性エッチングと等方性エッチングとを併用することによって、写真製版装置の性能の制約等によりレジストパターンの線幅をあまり細くできない場合であっても、幅の狭い活性領域1b〜1dを簡単に形成することができる。
【0059】
また上述のように、活性領域1b〜1d上のゲート絶縁膜6において、当該活性領域1b〜1dの上面上の部分を側面上の部分よりも厚く形成することによって、MOSトランジスタTR2やドライバトランジスタDTR等のゲート構造をダブルゲート構造にすることができる。以下に、図17〜19を参照して、この場合の製造方法について説明する。
【0060】
まず、上述の製造方法を使用して、ゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜16までを形成する。次に図17に示されるように、全面にシリコン窒化膜60を形成する。そして、活性領域1a上のシリコン窒化膜60を覆うフォトレジスト(図示せず)を形成して、当該フォトレジストをマスクに用いて露出しているシリコン窒化膜60に対して、半導体基板1の厚み方向にエッチングレートが高い異方性ドライエッチングを行う。これにより、図18に示されるように、素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に位置する活性領域1b〜1dのそれぞれの側面上にはシリコン窒化膜60から成るサイドウォールがシリコン酸化膜16を介して形成される。
【0061】
次に、図18に示される構造に対して熱酸化処理を行う。素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に位置する活性領域1bの側面はシリコン窒化膜60から成るサイドウォールで覆われているため、当該側面は酸化されず、活性領域1bの上面だけが酸化される。従って、図19に示されるように、活性領域1b上に形成されたシリコン酸化膜16は、当該活性領域1bの上面上に位置する部分だけが厚くなり、この上面上に位置する部分の膜厚は活性領域1bの側面上に位置する部分の膜厚よりも厚くなる。
【0062】
同様にして、活性領域1c上に形成されたシリコン酸化膜16においては、その上面上に位置する部分が他の部分よりも厚くなり、活性領域1d上に形成されたシリコン酸化膜16においては、その上面上に位置する部分が他の部分よりも厚くなる。
【0063】
その後、シリコン窒化膜60をウェットエッチング等で除去し、上述の製造方法と同様に、ゲート電極7となるポリシリコン膜17を形成し、ポリシリコン膜17及びシリコン酸化膜16をパターンニングする。これにより、活性領域1b〜1d上のゲート絶縁膜6では、活性領域1b〜1dの上面上の部分が側面上の部分よりも厚くなり、MOSトランジスタTR2やドライバトランジスタDTR等のゲート構造をダブルゲート構造とすることができる。
【0064】
また、図17〜19を参照して説明した方法とは異なる方法であってもダブルゲート構造を実現できる。まず、上述の製造方法を使用して図8に示される構造を作製する。そして、図20に示されるように、ロジック回路領域の活性領域1aと、素子分離絶縁膜4の周辺部分4aとを覆うフォトレジスト150を半導体基板1上に形成し、当該フォトレジスト150をマスクに用いて露出している素子分離絶縁膜4を選択的にウェットエッチングする。これにより、露出している素子分離絶縁膜4は部分的に除去されて、素子分離絶縁膜4では、周辺部分4aの上面は掘り下げられずに、周辺部分4bの上面は当該活性領域1bの上面よりも下方に掘り下げられる。同時に、メモリセル領域では、周辺部分4cの上面は活性領域1cの上面よりも下方に掘り下げられ、周辺部分4dの上面は活性領域1dの上面よりも下方に掘り下げられる。その後、フォトレジスト150を除去する。
【0065】
次に図21に示されるように、シリコン窒化膜3を除去する。そして、図21に示される構造に対して熱酸化処理を行う。これにより、図22に示されるように、素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に位置する活性領域1b〜1dの上面及び側面が熱酸化されて、ゲート絶縁膜6となるシリコン酸化膜16が活性領域1b〜1d上に形成される。このとき、活性領域1b〜1dの上面上には予めシリコン酸化膜2が形成されているため、図22に示されるように、活性領域1b〜1d上のシリコン酸化膜16においては、その上面上の部分の方が側面上の部分よりも厚くなる。
【0066】
次に、半導体基板1の上面内にウェル領域(図示せず)を形成し、MOSトランジスタTR1,TR2やドライバトランジスタDTR等のトランジスタのしきい値電圧を決定するために不純物を半導体基板1にイオン注入する。そして、ゲート電極7となるポリシリコン膜17を全面に形成する。その後、ポリシリコン膜17及びシリコン酸化膜16をパターンニングして、ゲート電極7及びゲート絶縁膜6を形成する。このとき、活性領域1b上のゲート絶縁膜6では、当該活性領域1bの上面上の部分のみが他の部分よりも厚くなり、MOSトランジスタTR2のゲート構造をダブルゲート構造とすることができる。同様にして、ドライバトランジスタDTR、ロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRのゲート構造をダブルゲート構造とすることができる。
【0067】
実施の形態2.
図23は本発明の実施の形態2に係る半導体装置の構造を示す平面図であって、図24は図23中の矢視C−Cにおける断面図である。本実施の形態2に係る半導体装置は、上述の実施の形態1に係る半導体装置において、上面視上における活性領域1cの幅WCを変更し、素子分離絶縁膜4における周辺部分4cの上面の高さを変更したものである。
【0068】
本実施の形態2では、図23に示されるように、上面視上において活性領域1cの幅WCは活性領域1dの幅WDと同じである。従って、本実施の形態2では、活性領域1bの幅WBと、活性領域1cの幅WCと、活性領域1dの幅WDとは互いに等しく、これらの幅は活性領域1aの幅WAよりも小さい。活性領域1b〜1dの幅WB〜WDは50nm以下に設定され、製造性の観点からは20〜50nmに設定するのが望ましい。
【0069】
また本実施の形態2に係る素子分離絶縁膜4では、図24に示されるように、周辺部分4cの上面が、周辺部分4b,4dの上面よりも下方に位置している。その他の構造については実施の形態1に係る構造と同じであるため、その説明は省略する。
【0070】
次に、図23,24に示される半導体装置の製造方法について説明する。図25〜30は本実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。まず、実施の形態1に係る製造方法を使用して、上述の図5に示される構造を作製する。このとき、メモリセル領域におけるフォトレジスト100に形成されている複数の開口部の幅は互いに同じである。次に、フォトレジスト100をマスクに用いてシリコン窒化膜3、シリコン酸化膜2及び半導体基板1に対して順序ドライエッチングを実行する。そして、フォトレジスト100を除去する。これにより、図25に示されるように、半導体基板1の上面内には溝14が形成され、当該溝14によって、ロジック回路領域における半導体基板1には活性領域1a,1bが区画され、メモリセル領域における半導体基板1には活性領域1c,1dが区画される。このとき、活性領域1b〜1dの上面視上の幅WB〜WDは同じである。
【0071】
次に、溝14を充填するシリコン酸化膜を全面に形成し、シリコン窒化膜3をストッパ層とするCMP法を用いて当該シリコン酸化膜の表面を平坦化して、溝14内にシリコン酸化膜から成る素子分離絶縁膜4を形成する。そして、ウェットエッチング法を用いて、素子分離絶縁膜4の上端部を選択的に除去する。これにより、図26に示されるように、シリコン窒化膜3が素子分離絶縁膜4から突出する。
【0072】
なお、実施の形態1と同様に、素子分離絶縁膜4となるシリコン酸化膜を溝14に充填する前に、溝14によって露出している半導体基板1の内壁を熱酸化しても良い。これにより、活性領域1a〜1dでは、その上面とそれに繋がる側面とで形成される角部が丸くなり、活性領域1a〜1d内で発生する電界を均一にすることができる。図26では、活性領域1a〜1dの上記角部を丸めた場合の構造を示している。
【0073】
次に図27に示されるように、ウェットエッチング法を用いてシリコン窒化膜3及びシリコン酸化膜2を順次除去する。そして図28に示されるように、ロジック回路領域の活性領域1aと、素子分離絶縁膜4の周辺部分4aとを覆うフォトレジスト200を半導体基板1上に形成し、当該フォトレジスト200をマスクに用いて露出している素子分離絶縁膜4を選択的にウェットエッチングする。そして、フォトレジスト200を除去する。これにより、露出している素子分離絶縁膜4は部分的に除去されて、当該素子分離絶縁膜4の上面は50nm〜150nm程度掘り下げられる。その結果、素子分離絶縁膜4では、周辺部分4aの上面は掘り下げられずに、周辺部分4bの上面は活性領域1bの上面よりも下方に掘り下げられる。同時に、周辺部分4cの上面は活性領域1cの上面よりも下方に掘り下げられ、周辺部分4dの上面は活性領域1dの上面よりも下方に掘り下げられる。
【0074】
次に図29に示されるように、ロジック回路領域の全域と、メモリセル領域における活性領域1d及び周辺部分4dとを覆うフォトレジスト210を形成し、当該フォトレジスト210をマスクに用いて露出している素子分離絶縁膜4を選択的にウェットエッチングする。これにより、周辺部分4cのみが部分的に除去されて、当該周辺部分4cの上面は30nm〜100nm程度掘り下げられる。その結果、素子分離絶縁膜4では、周辺部分4a,4b,4dの上面は掘り下げられずに、周辺部分4cの上面は周辺部分4b,4dの上面よりも下方に掘り下げられる。その後、フォトレジスト210を除去する。
【0075】
次に、実施の形態1と同様に、イオン注入の際のスクリーン膜として使用するシリコン酸化膜を活性領域1a〜1dの上面上に形成し、当該シリコン酸化膜を介して半導体基板1に不純物をイオン注入し、半導体基板1の上面内にウェル領域を形成する。そして、MOSトランジスタTR1,TR2やドライバトランジスタDTR等のトランジスタのしきい値電圧を決定するために不純物を半導体基板1にイオン注入する。その後、スクリーン膜として使用したシリコン酸化膜を除去する。
【0076】
次に図30に示されるように、MOSトランジスタTR1等のゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜16を活性領域1a〜1d上に形成し、MOSトランジスタTR1等のゲート電極7となるポリシリコン膜17を全面に形成する。そして、ポリシリコン膜17及びシリコン酸化膜16をパターンニングして、ポリシリコン膜17から成るゲート電極7と、シリコン酸化膜16から成るゲート絶縁膜6とを形成する。
【0077】
その後、ゲート絶縁膜6およびゲート電極7の側面にサイドウォール(図示せず)を形成し、MOSトランジスタTR1等のソース・ドレイン領域(図示せず)を形成する。そして、図示しない層間絶縁膜、コンタクトプラグ及び配線を形成することにより、本実施の形態2に係る半導体装置が完成する。
【0078】
以上のように、本実施の形態2に係る素子分離絶縁膜4では、活性領域1cの周辺に位置する周辺部分4cの上面が、活性領域1dの周辺に位置する周辺部分4dの上面よりも下方に位置しているため、活性領域1cにおいて素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に位置する部分の体積を、活性領域1dにおいて素子分離絶縁膜4の上面よりも上方に位置する部分の体積よりも大きくすることができる。そのため、活性領域1dよりも活性領域1cに形成されるチャネル領域の体積を大きくすることができる。従って、本実施の形態2のように活性領域1c,1dの幅WC,WDを互いに等しくした場合であっても、ドライバトランジスタDTRの電流駆動能力を、ロードトランジスタLTR及びアクセストランジスタATRの電流駆動能力よりも大きくすることができる。その結果、異なる電流駆動能力を有する複数のMOSトランジスタを形成しつつ、メモリセル領域におけるレイアウトパターンを簡素化でき、写真製版工程におけるプロセスマージンを十分に確保することができる。よって、本半導体装置の性能を向上することができる。
【0079】
更には、ドライバトランジスタDTRの電流駆動能力を維持しつつ、当該ドライバトランジスタDTRが形成される活性領域1cの幅WCを小さくすることができるため、メモリセルの寸法を小さくすることができ、本半導体装置の微細化が可能となる。
【0080】
なお、使用する写真製版装置の性能等の制約により、溝14を形成する際に使用したフォトレジスト100に形成されるレジストパターンを十分細くできない場合には、実施の形態1と同様に、シリコン窒化膜3に対して異方性エッチング及び等方性エッチングを順次実行し、等方性エッチング後のシリコン窒化膜3をマスクに用いて半導体基板1をエッチングして溝14を形成しても良い。
【0081】
また、活性領域1b〜1d上のゲート絶縁膜6においては、実施の形態1で説明した方法を用いて、当該活性領域1b〜1dの上面上の部分を側面上の部分よりも厚く形成し、MOSトランジスタTR2やドライバトランジスタDTRなどのゲート構造をダブルゲート構造にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の構造を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るメモリセルの回路構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す平面図である。
【図12】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態1に係る半導体装置との比較対象装置の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図16】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図19】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図20】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図21】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図22】本発明の実施の形態1に係る半導体装置の製造方法の変形例を工程順に示す断面図である。
【図23】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の構造を示す平面図である。
【図24】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
【図25】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図26】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図27】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図28】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図29】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図30】本発明の実施の形態2に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 半導体基板、1a〜1d 活性領域、3 シリコン窒化膜、4 素子分離絶縁膜、4a〜4d 周辺部分、6 ゲート絶縁膜、7 ゲート電極、14 溝、ATR アクセストランジスタ、DTR ドライバトランジスタ、LTR ロードトランジスタ、TR1,TR2 MOSトランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリセルが形成されたメモリセル領域と、ロジック回路が形成されたロジック回路領域とを備える半導体装置であって、
半導体基板と、
前記メモリセル領域における前記半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記ロジック回路領域における前記半導体基板に第2及び第3活性領域を区画する、前記半導体基板の上面内に設けられた素子分離絶縁膜と、
前記第1乃至第3活性領域にそれぞれ設けられた第1乃至第3MOSトランジスタと
を備え、
上面視上において、前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第1活性領域の長さと、前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第2活性領域の長さとは、前記第3MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第3活性領域の長さよりも小さく、
上面視上において、前記第2活性領域の前記長さは、前記第1活性領域の前記長さ以下であって、
前記メモリセル領域における前記素子分離絶縁膜では、前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面は、前記第1活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、
前記ロジック回路領域における前記素子分離絶縁膜では、前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面は、前記第2活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方へ突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、
前記第1活性領域周辺部分の上面と、前記第2活性領域周辺部分の上面とは、前記ロジック回路領域における前記素子分離絶縁膜において前記第3活性領域の周辺に位置する第3活性領域周辺部分の上面よりも下方に位置する、半導体装置。
【請求項2】
半導体基板と、
前記半導体基板に第1及び第2活性領域を区画する、前記半導体基板の上面内に設けられた素子分離絶縁膜と、
前記第1及び第2活性領域にそれぞれ設けられた第1及び第2MOSトランジスタと
を備え、
前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面は、前記第1活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、
前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面は、前記第2活性領域の上面及び前記第1活性領域周辺部分の上面よりも下方に位置し、それによって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されている、半導体装置。
【請求項3】
請求項1及び請求項2のいずれか一つに記載の半導体装置であって、
上面視上において、前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第1活性領域の長さと、前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向における前記第2活性領域の長さは、それぞれ50nm以下である、半導体装置。
【請求項4】
複数のSRAMメモリセルが形成された第1領域と、インタフェース回路が形成された第2領域とを備える半導体装置であって、
半導体基板と、
前記第1領域における前記半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記第2領域における前記半導体基板に第2活性領域を区画する、前記半導体基板の上面内に設けられた素子分離絶縁膜と、
前記第1及び第2活性領域にそれぞれ設けられた第1及び第2MOSトランジスタと
を備え、
前記第1領域における前記素子分離絶縁膜では、前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面は、前記第1活性領域の上面よりも下方に位置し、それによって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、
前記第2活性領域の上面にはゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されており、
前記第1活性領域周辺部分の上面は、前記第2領域における前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面よりも下方に位置する、半導体装置。
【請求項5】
複数のメモリセルが形成されるメモリセル領域と、ロジック回路が形成されるロジック回路領域とを備える半導体装置の製造方法であって、
(a)前記メモリセル領域における半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記ロジック回路領域における前記半導体基板に第2及び第3活性領域を区画する素子分離絶縁膜を前記半導体基板の上面内に形成する工程と、
(b)前記ロジック回路領域の前記素子分離絶縁膜において前記第3活性領域の周辺に位置する第3活性領域周辺部分の上面は掘り下げずに、前記メモリセル領域の前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面を、前記第1活性領域の上面よりも下方に掘り下げるとともに、前記ロジック回路領域の前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面を、前記第2活性領域の上面よりも下方に掘り下げる工程と、
(c)前記工程(b)の後に、前記第1乃至第3活性領域にそれぞれ第1乃至第3MOSトランジスタを形成する工程と
を備え、
前記工程(a)では、前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向となる第1方向における前記第1活性領域の長さと、前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向となる第2方向における前記第2活性領域の長さとが、前記第3MOSトランジスタのゲート幅方向となる第3方向における前記第3活性領域の長さよりも小さくなるとともに、前記第2活性領域の前記長さが前記第1活性領域の前記長さ以下となるように、前記素子分離絶縁膜が形成され、
前記工程(c)では、前記工程(b)の実行によって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、更に、前記工程(b)の実行によって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方へ突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成される、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
(a)半導体基板に第1及び第2活性領域を区画する素子分離絶縁膜を前記半導体基板の上面内に形成する工程と、
(b)前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面を、前記第1活性領域の上面よりも下方に掘り下げるとともに、前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面を、前記第2活性領域の上面及び前記第1活性領域周辺部分の上面よりも下方に掘り下げる工程と、
(c)前記工程(b)の後に、前記第1及び第2活性領域にそれぞれ第1及び第2MOSトランジスタを形成する工程と
を備え、
前記工程(c)では、前記工程(b)の実行によって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、更に、前記工程(b)の実行によって前記第2活性領域周辺部分の上面よりも上方へ突出する、前記第2活性領域の上面及び前記第2MOSトランジスタのゲート幅方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成される、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
複数のSRAMメモリセルが形成される第1領域と、インタフェース回路が形成される第2領域とを備える半導体装置の製造方法であって、
(a)前記第1領域における半導体基板に第1活性領域を区画するとともに、前記第2領域における前記半導体基板に第2活性領域を区画する素子分離絶縁膜を前記半導体基板の上面内に形成する工程と、
(b)前記第2領域の前記素子分離絶縁膜において前記第2活性領域の周辺に位置する第2活性領域周辺部分の上面は掘り下げずに、前記第1領域の前記素子分離絶縁膜において前記第1活性領域の周辺に位置する第1活性領域周辺部分の上面を、前記第1活性領域の上面よりも下方に掘り下げる工程と、
(c)前記工程(b)の後に、前記第1及び第2活性領域にそれぞれ第1及び第2MOSトランジスタを形成する工程と
を備え、
前記工程(c)では、前記工程(b)の実行によって前記第1活性領域周辺部分の上面よりも上方に突出する、前記第1活性領域の上面及び前記第1MOSトランジスタのゲート幅方向となる方向で対面する両側面には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、前記第2活性領域の上面にはゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成される、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)は、
(a−1)前記半導体基板上にマスク膜を形成する工程と、
(a−2)所定のレジストパターンを有するレジストを前記マスク膜上に形成する工程と、
(a−3)前記レジストをマスクに用いて前記マスク膜に対して異方性エッチングを実行し、前記マスク膜に開口部を形成する工程と、
(a−4)前記工程(a−3)の後に、前記レジストを除去する工程と、
(a−5)前記工程(a−4)の後に、前記マスク膜に対して等方性エッチングを実行して、前記開口部を広げる工程と、
(a−6)前記工程(a−5)の後に、前記開口部によって露出する部分を除去して前記半導体基板に溝を形成する工程と、
(a−7)前記溝内に前記素子分離絶縁膜を充填する工程と
を含む、半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−303451(P2006−303451A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44754(P2006−44754)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】