説明

半導体集積回路装置

【課題】素子分離溝の幅を微細化し、それによってMISFETを微細化できる半導体集積回路装置を提供する。
【解決手段】基板1の主面上に、素子分離溝2によって周囲を囲まれた島状の平面パターンを有する複数の活性領域が、第1方向にそれぞれ間隔をおいて配置され、複数の活性領域のそれぞれに半導体素子が形成されている。素子分離溝2によって周囲を囲まれた活性領域は、周辺部に、凸状の丸みが付いた凸状部を有しており、第1方向における活性領域の幅aと、活性領域同士の間の間隔bとの和を、第1方向における最小ピッチとすると、第1方向における活性領域の幅aは最小ピッチの1/2よりも大きく、間隔bは最小ピッチの1/2よりも小さい。この最小ピッチは、フォトリソグラフィ技術の解像限界に基づいて予め決まっている最小加工寸法の2倍である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路装置に関し、特に、微細なMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を形成するための素子分離構造を含む半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の微細化および高集積化に伴い、選択酸化(Local Oxidization of Silicon;LOCOS)法に代わる素子分離構造として、シリコン基板に形成した溝の内部に絶縁膜を埋め込む素子分離溝(Shallow Groove Isolation;SGI)の導入が進められている。
【0003】
この素子分離溝を用いる方法は、選択酸化法に比べて(a)素子分離間隔を縮小することができ、(b)素子分離膜厚の制御が容易で、フィールド反転電圧の設定が容易であり、(c)溝の内部の側壁と底部とで不純物を打ち分けることによって、反転防止層を拡散層やチャネル領域から分離できるので、サブスレッショルド特性の確保、接合リーク、バックゲート効果の低減に対して有利であると考えられている。
【0004】
素子分離溝の一般的な形成方法は、次の通りである。まず、シリコン基板を熱酸化してその表面に薄い酸化シリコン膜を形成した後、その上部にCVD(Chemical Vapor Deposition)法で窒化シリコン膜を堆積する。次に、フォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチングで素子分離領域の窒化シリコン膜を除去した後、活性領域に残った窒化シリコン膜をマスクにしたドライエッチングで基板に溝を形成する。
【0005】
次に、溝の内部を含む基板上にCVD法で厚い酸化シリコン膜を堆積した後、基板を熱処理し、溝の内部に埋め込んだ酸化シリコン膜を緻密に焼締め(Densify;デンシファイ)する。その後、エッチバックまたは化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing;CMP)などの研磨処理によって窒化シリコン膜の上部の酸化シリコン膜を除去し、次いで不要となった窒化シリコン膜を除去することにより、素子分離溝が完成する。
【0006】
なお、素子分離溝については、特許文献1〜3に記載されている。
【特許文献1】特開平2−260660号公報
【特許文献2】特開平4−303942号公報
【特許文献3】特開平8−97277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、上記のような素子分離構造において、活性領域の基板表面に形成するゲート酸化膜が活性領域の周辺部で局所的に薄くなるthinning(局部薄膜化)や、低いゲート電圧でドレイン電流が流れてしまう現象(MOS−IVキンク特性と呼ばれる)が発生することを見いだし、これを解決する対策として、活性領域の周辺部に丸みを付ける(ラウンド加工)技術を検討した。
【0008】
その結果、本発明者は、基板に溝を形成した後、活性領域の周辺部に丸みを付ける(ラウンド加工)技術は、高温の熱酸化処理を必要とするため、ラウンド加工時の熱酸化処理によって溝の内壁に形成される熱酸化膜が活性領域側に成長し、活性領域の寸法を縮小させてしまう問題があり、これがMISFETの高集積化、微細化の妨げとなることを見いだした。
【0009】
すなわち、ラウンド加工(丸み)が不十分であると、ゲート酸化膜形成の酸化時に、尖った活性領域の周辺部においてゲート酸化膜が薄く形成されるthinning(局所薄膜化)や、MOS−IVキンク特性に起因するMISFETのしきい値電圧がばらつくといった問題が発生する。この対策として、ラウンド加工(丸み)を十分行う必要があるが、活性領域の周辺部に十分な丸みを付けると活性領域(特に、MISFETのゲート幅方向)が狭くなる。そのため、活性領域の寸法(特に、MISFETのゲート幅)が確保できず、半導体素子を微細化ができないだけでなく、素子分離領域分離溝の幅および半導体素子を微細化して高集積化する上で妨げになる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、素子分離溝の幅の微細化を推進し、MISFETの微細化を推進することのできる半導体集積回路装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基板の主面上に、素子分離領域によって周囲を囲まれた島状の平面パターンを有する複数の活性領域が、第1方向にそれぞれ間隔をおいて配置され、複数の活性領域のそれぞれに半導体素子が形成された半導体集積回路装置において、素子分離領域によって周囲を囲まれた活性領域は、周辺部に、凸状の丸みが付いた凸状部を有しており、第1方向における活性領域の幅と、活性領域同士の間の間隔との和を、第1方向における最小ピッチとすると、第1方向における活性領域の幅は最小ピッチの1/2よりも大きく、間隔は前記最小ピッチの1/2よりも小さいことを特徴とする。
【0012】
なお、最小ピッチは、フォトリソグラフィ技術の解像限界に基づいて予め決まっている最小加工寸法の2倍であり、活性領域の幅は最小加工寸法以上であり、活性領域間の間隔は最小加工寸法以下である。
【0013】
半導体素子は、互いに所定の間隔をおいて配置された複数の配線に結合されており、配線の幅と配線同士の間の間隔との和は最小ピッチであることが好ましい。そして、半導体素子はメモリセルを構成し、配線はメモリセルに結合されるワード線またはビット線を構成していてもよい。
【0014】
活性領域の基板表面に形成された半導体素子のゲート絶縁膜の膜厚は、活性領域の中央部と周辺部とで等しい。
【0015】
活性領域に形成された半導体素子はMISFETからなり、MISFETは、DRAMのメモリセルの一部を構成するメモリセル選択用MISFETであり、メモリセル選択用MISFETには、DRAMのメモリセルの他の一部を構成する容量素子が直列に接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、活性領域の寸法を減少させることなく、その周辺部をラウンド加工することができるので、MISFETの微細化を促進することができる。
さらに、素子分離溝内の酸化シリコン膜が活性領域の周辺部近傍で後退(リセス)する不具合を防止することができるので、微細化されたMISFETの特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、製造工程の途中における基板の要部平面図、図2は、DRAMのメモリアレイの等価回路図、図3は、左側部分が図1のA−A’線に沿った基板の断面図、右側部分が図1のB−B’線に沿った基板の断面図である。
【0019】
例えばp型の単結晶シリコンからなる基板1の主面に形成されたp型ウエル3には、素子分離溝2によって周囲を規定された活性領域Lが形成されている。図1に示すように、この活性領域Lは、A−A’線方向に延びる細長い島状の平面パターンで構成されている。また、図3に示すように、活性領域Lの基板1(p型ウエル3)の表面は、中央部が平坦で、周辺部(端部)は凸状の丸みが付いた断面形状となっている。
【0020】
上記活性領域Lのそれぞれには、ソースおよびドレイン(n型半導体領域10)の一方を共有する2個のMISFET(メモリセル選択用MISFETQs)が形成されている。このメモリセル選択用MISFETQsと後述する情報蓄積用容量素子Cとは直列に接続され、DRAM(Dynamic Random Access Memory)の1ビット(bit)のメモリセルMCを構成する。図2に示すように、メモリセルMCはワード線WLとビット線BLとの交点に結合される。
【0021】
上記メモリセル選択用MISFETQsは、主として活性領域Lの基板1(p型ウエル3)の表面に形成されたゲート酸化膜7と、このゲート酸化膜7上に形成されたゲート電極8と、活性領域Lの基板1(p型ウエル3)に形成された一対のn型半導体領域10、10(ソース、ドレイン)とによって構成されている。後述するように、n型半導体領域10、10(ソース、ドレイン)の一方は、ビット線BLに電気的に接続され、その他方は、情報蓄積容量素子Cの一方の電極(下部電極33)に電気的に接続される。
【0022】
メモリセル選択用MISFETQsのゲート電極8は、ワード線WLと一体に構成されている。すなわち、ゲート電極8はワード線WLに電気的に接続されている。ゲート電極8(ワード線WL)は、図1のB−B’線方向、すなわち活性領域Lの短辺方向に沿って同一の幅および同一の間隔で直線的に延在しており、その幅(ゲート長)(Lw)および間隔(Ls)は、それぞれフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法(例えば0.16μm=Lw=Ls)に等しい。
【0023】
このように、ワード線WL(ゲート電極8)の幅(Lw)とワード線WL(ゲート電極8)同士の間の間隔(Ls)との和である配線ピッチは、最小加工寸法の2倍で構成される。このように、ワード線WL(ゲート電極8)が延在する方向の配線ピッチ(Lw+Ls)を最小限に抑えることにより、メモリセルを微細化、高集積化することができる。
【0024】
上記ゲート電極8(ワード線WL)は、例えばP(リン)などのn型不純物がドープされた低抵抗多結晶シリコン膜の上部にWN(窒化タングステン)などのバリアメタル膜とW(タングステン)膜とを積層したポリメタル構造で構成されている。また、ゲート電極8(ワード線WL)の上部には、ゲート電極8(ワード線WL)と同一の平面パターンを有する窒化シリコン膜9が形成されている。
【0025】
また、後述するように、ビット線BLは、ワード線WL(ゲート電極8)と交差する方向に沿って同一の線幅および同一の間隔で構成され、この線幅(Lw’)および間隔(Ls’)は、それぞれフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法(例えば0.16μm)で構成される(図29参照)。
【0026】
このように、ビット線BLの幅(Lw’)とビット線BL同士の間の間隔幅(Ls’)との和である配線ピッチは、最小加工寸法の2倍で構成される。このように、ビット線BLが延在する方向に交差する方向の配線ピッチ(Lw’+Ls’)を最小限に抑えることにより、メモリセルを微細化、高集積化することができる。
【0027】
上記活性領域Lの基板1(p型ウエル3)を囲む素子分離溝(素子分離領域)2は、基板1(p型ウエル3)に形成された深さ350nm程度の溝の内部に酸化シリコン膜6を埋め込んだ構成になっている。酸化シリコン膜6の表面は平坦化されており、その高さは活性領域Lの基板1(p型ウエル3)の表面とほぼ等しい。また、素子分離溝2の内壁と酸化シリコン膜6との界面には、酸化シリコン膜6と基板1(p型ウエル3)との間に生じるストレスを緩和するための薄い酸化シリコン膜11が形成されている。なお、活性領域Lの短辺の寸法(a)は、メモリセル選択用MISFETQsのゲート幅(a)である。
【0028】
次に、上記したDRAMのメモリセルの製造方法を図4〜図35を用いて工程順に説明する。なお、これらの図のうち、図4、図5、図7、図9、図11〜図20、図22、図24、図26、図28および図30〜図35のそれぞれの左側部分は、活性領域Lの長辺方向(図1のA−A’線方向)に沿った基板1の断面図、右側部分は、活性領域Lの短辺方向(図1のB−B’線方向)に沿った基板1の断面図である。また、平面図(図6、図8、図25、図27、図29)には000、活性領域、ゲート電極(ワード線)、ビット線、接続孔(コンタクトホール、スルーホール)の平面パターンのみを示し、絶縁膜(酸化シリコン膜、窒化シリコン膜)やプラグを構成する導電膜の図示は省略する。
【0029】
まず、図4に示すように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンからなる基板1を約850℃で熱酸化してその表面に膜厚10nm程度の薄い酸化シリコン膜(第1の酸化シリコン膜)13を形成した後、この酸化シリコン膜13の上部にCVD法で膜厚120nm程度の窒化シリコン膜14を堆積する。窒化シリコン膜14と基板1との間の酸化シリコン膜13は、基板1と窒化シリコン膜14との界面に生じるストレスを緩和し、このストレスに起因して基板1の表面に転位などの欠陥が発生するのを防ぐために形成される。
【0030】
次に、図5に示すように、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにしたドライエッチングで素子分離領域の窒化シリコン膜14とその下部の酸化シリコン膜13とを選択的に除去する。このとき、素子分離領域の基板1の表面に酸化シリコン膜が僅かでも残っていると異物発生の原因となるので、基板1をオーバーエッチングしてその表面の酸化シリコン膜を完全に除去する。基板1のオーバーエッチング量は、10〜30nm程度あればよい。また、基板1のオーバーエッチング部の端部は好ましくは垂直でなく、テーパがついていた方が、その後のラウンド加工において丸くなり易い。
【0031】
図5および図6に示すように、基板1上に残った窒化シリコン膜14は、活性領域Lを定義する細長い島状の平面パターンで構成され、B−B’線に沿ったその短辺の寸法(W)および隣接する窒化シリコン膜14との間隔(S)は、それぞれフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法(例えば0.16μm=W=S)に等しい。また、窒化シリコン膜14のA−A’線に沿った長辺の寸法は、短辺の寸法(W)の5倍(例えば0.8μm)である。
【0032】
このように、本実施の形態においては、後の工程で形成されるビット線BLの幅Lw’およびビット線BL同士の間の間隔Ls’がフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法で構成されるため、活性領域Lを規定する窒化シリコン膜14の短辺の寸法(W)と、窒化シリコン膜14同士の間の間隔(S)とをこの最小加工寸法に一致させる。
【0033】
次に、図7および図8に示すように、基板1上に酸化シリコン膜をCVD法で堆積した後に異方的にエッチングすることによって、窒化シリコン膜14の側壁にサイドウォールスペーサ16を形成する。
【0034】
上記サイドウォールスペーサ16の膜厚(スペーサ長)Lsiは、5nm〜40nmの範囲、好ましくは10nm〜20nmの範囲とし、さらに好ましくは15nm程度とする。このスペーサ長が5nm未満の場合には、後の工程で活性領域Lの周辺部をラウンド加工するための熱酸化処理を行なったとき、処理後の活性領域Lの短辺の寸法が、フォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法(例えば0.16μm)よりも小さくなってしまう。他方、スペーサ長Lsiが40nmを超えると、活性領域Lの周辺部のラウンド量が不足する。また、後の工程で素子分離領域の基板1に形成される溝2aのアスペクト比(溝の深さ/幅)が大きくなるので、この溝2aに埋め込む酸化シリコン膜6のカバレージや表面の平坦性が不充分となる。
【0035】
次に、図9に示すように、基板1に不純物イオンを打ち込むことによって、後の工程で活性領域Lの周辺部となる領域の基板1表面にダメージを与える。活性領域Lの周辺部となる領域は、この時点ではサイドウォールスペーサ16の下部に位置しているので、この領域の基板1にダメージを与えるためには、不純物イオンの打ち込みを基板1の主面に対して斜め方向から行なう。この不純物イオンの打ち込みは、必須の工程ではないが、あらかじめ基板1の表面にダメージを与えてシリコンの共有結合を局所的に切断しておくと、基板1を熱酸化したときに活性領域Lの周辺部が丸くなり易い。また、上記不純物としてGe(ゲルマニウム)やAs(ヒ素)のような原子量の大きい元素を使用すると、活性領域Lの周辺部の基板1表面のみにダメージを与えることができる。
【0036】
次に、例えばSC−1液(アンモニア水/過酸化水素水の混合液)およびSC−2液(塩酸/過酸化水素水の混合液)を使った洗浄によって、基板1の表面に残った異物を除去し、さらにフッ酸を使った洗浄によって、基板1の表面の自然酸化膜を除去する。なお、必須の工程ではないが、図10に示すように、上記洗浄を通常よりも長時間行なって基板1の表面を等方的にエッチングし、サイドウォールスペーサ16の下部の基板1にアンダーカットを生じさせると、後の工程で活性領域Lの周辺部が丸くなり易い。
【0037】
次に、図11に示すように、窒化シリコン膜14とサイドウォールスペーサ16とをマスクにしたドライエッチングによって、素子分離領域の基板1に例えば深さ350nm程度の溝2aを形成する。この溝2aを形成する際、基板1をエッチングするガス(例えばCF+O)の組成を調節し、溝2aの側壁に80°前後のテーパを形成すると、後の工程で堆積する酸化シリコン膜6が溝2aの内部に埋め込まれ易くなる。ただし、テーパの角度は、溝の深さと溝幅によって制限されることはいうまでもない。
【0038】
次に、図12に示すように、フッ酸を使ったウェットエッチングによって、窒化シリコン膜14の側壁のサイドウォールスペーサ16を除去する。なお、必須の工程ではないが、このウェットエッチングを行なった後、さらにSC−1液などを使ったウェットエッチングを行って、サイドウォールスペーサ16の下部の基板1の表面を軽く丸めておくと、次の熱酸化処理で活性領域Lの周辺部が丸くなり易い。
【0039】
このように、本実施の形態では、窒化シリコン膜14とその側壁に形成したサイドウォールスペーサ16とをマスクにしたドライエッチングで素子分離領域の基板1に溝2aを形成する。これにより、活性領域Lの実際の寸法W’は、活性領域Lを定義する窒化シリコン膜14の寸法Wよりもサイドウォールスペーサ16の膜厚(スペーサ長)Lsiの2倍に相当する分だけ大きくなる(W’=W+2Lsi>W)。一方、この短辺方向に沿った活性領域L同士の間の間隔(S’=S−2Lsi<S)はその分狭くなる。従って、活性領域Lを定義する窒化シリコン膜14の短辺の寸法(W)および間隔(S)を、それぞれフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法とした場合(W=S=最小加工寸法)には、実際に得られる活性領域Lの短辺の寸法W’(>W)は、フォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法よりも大きくなり、この短辺方向に沿った活性領域L同士の間の間隔(溝2aの寸法)S’(<S)は、上記最小加工寸法よりも小さくなる。
【0040】
次に、図13に示すように、基板1を約850℃〜1000℃で熱酸化することによって、溝2aの内壁に膜厚10nm程度の薄い酸化シリコン膜11を形成する。この酸化シリコン膜11は、溝2aの内壁に生じたドライエッチングのダメージを回復させると共に、後の工程で溝2aの内部に埋め込まれる酸化シリコン膜6と基板1(p型ウエル3)との界面に生じるストレスを緩和するために形成する。また、この熱酸化処理を行なうことにより、活性領域Lの周辺部の基板1表面がラウンド加工され、凸状の丸みが付いた断面形状となる。
【0041】
前述したように、素子分離領域の基板1に溝2aを形成した時点での活性領域Lの寸法は、活性領域Lを定義する窒化シリコン膜14の寸法よりも(サイドウォールスペーサ16の膜厚の2倍に相当する分だけ)大きいので、その後、溝2aの内壁に膜厚10nm程度の薄い酸化シリコン膜11を形成しても、活性領域Lの寸法(a)が窒化シリコン膜14の寸法(W)より小さくなることはない。このように、本実施の形態によれば、活性領域Lの寸法を減少させることなく、その端部の基板1表面をラウンド加工することができる。
【0042】
なお、活性領域Lの周辺部を丸くするための上記熱酸化処理は、2度に分けて行なってもよい。この場合は、最初の熱酸化処理で端部がある程度丸くなるので、2度目の熱酸化処理で容易に丸くすることができる。
【0043】
また、酸化シリコン膜11の膜厚が厚くなり過ぎると、活性領域Lの寸法が小さくなるだけでなく、活性領域Lの周辺部や溝2aの内壁にストレスが生じて欠陥が発生し易くなる。従って、例えば熱酸化処理を2度に分けて行う場合には、最初の熱酸化処理で端部を十分に丸め、2度目の熱酸化処理は、活性領域Lの周辺部や溝2aの内壁の形状を改善する程度の軽い熱処理としてもよい。また、上記したストレスを緩和するために、サイドウォールスペーサ16を除去した後、熱酸化処理を行なう工程に先だって、基板1を高温水素雰囲気中で熱処理してもよい。さらに、ラウンド加工を行なった後にフッ酸などを用いたウェットエッチングで酸化シリコン膜11を除去したり、その膜厚を薄くしたりしてもよい。
【0044】
次に、図14に示すように、溝2aの内部を含む基板1上にCVD法で酸化シリコン膜6を堆積する。この酸化シリコン膜6は、溝2aの深さよりも厚い膜厚(例えば450〜500nm程度)に堆積し、溝2aの内部に酸化シリコン膜6が隙間なく埋め込まれるようにする。酸化シリコン膜6は、例えば酸素とテトラエトキシシラン((CSi)とを使ったCVD法で成膜される酸化シリコン膜のように、ステップカバレージのよい成膜方法で堆積する。なお、この酸化シリコン膜6を堆積する工程に先立って、溝2aの内壁にCVD法で窒化シリコン膜(図示せず)を薄く堆積してもよい。この窒化シリコン膜は、溝2aに埋め込んだ酸化シリコン膜6をデンシファイ(焼き締め)する際に、溝2aの内壁の薄い酸化シリコン膜11が活性領域L側に厚く成長するのを抑制する作用がある。
【0045】
次に、基板1を約1000〜1150℃で熱酸化することによって、上記酸化シリコン膜6の膜質を改善するためのデンシファイ(焼き締め)を行った後、図15に示すように、化学的機械研磨(CMP)法で溝2aの上部の酸化シリコン膜6を研磨することによって、その表面を平坦化する。この研磨は、活性領域Lの基板1を覆っている窒化シリコン膜14をストッパとして用いて行ない、窒化シリコン膜14の表面が露出し、かつ窒化シリコン膜14上の酸化シリコン膜6が残らない程度に若干のオーバー研磨を行った時点を終点とする。
【0046】
酸化シリコン膜6を平坦化する場合、まずフォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチングで窒化シリコン膜14の上部の酸化シリコン膜6を除去し、続いてこのフォトレジスト膜を除去した後、溝2aの上部に残った酸化シリコン膜6をCMP法で研磨してもよい。また、酸化シリコン膜6のデンシファイは、酸化シリコン膜6を平坦化した後に行ってもよい。この場合は、酸化シリコン膜6の膜厚が薄い状態でデンシファイを行なうので、研磨前の厚い酸化シリコン膜6をデンシファイする場合に比べて熱処理条件が軽減できる。ここまでの工程により、溝2aに酸化シリコン膜6を埋め込んだ素子分離溝2が略完成する。
【0047】
次に、活性領域Lの基板1を覆う窒化シリコン膜14を、熱リン酸を用いたウェットエッチングで除去することによって、その下部の酸化シリコン膜13を露出させる。このエッチングを行なうと、図16に示すように、酸化シリコン膜13の表面と素子分離溝2に埋め込まれた酸化シリコン膜6の表面との間に、窒化シリコン膜14の膜厚に相当する高さの段差が発生する。
【0048】
次に、図17に示すように、活性領域Lの基板1の表面の酸化シリコン膜13をフッ酸でウェットエッチングすると、活性領域Lの基板1の表面が露出すると同時に素子分離溝2内の酸化シリコン膜6の表面がエッチングされ、上記段差が低減する。
【0049】
上記ウェットエッチングを行なうと、素子分離溝2内の酸化シリコン膜6の端部、すなわち窒化シリコン膜14と接していた領域の酸化シリコン膜6は、その上面だけでなく側面もエッチング液に晒されるので、活性領域Lから離れた部分に比べて被エッチング量が多くなる。しかし、本実施の形態では、活性領域Lの寸法が窒化シリコン膜14の寸法よりも大きいので、窒化シリコン膜14を除去した時点での酸化シリコン膜6の端部は、素子分離溝2の端部よりも活性領域L側に位置している。そのため、酸化シリコン膜6の端部の被エッチング量が多くなっても、素子分離溝2の端部で酸化シリコン膜6が下方に大きく後退(リセス)することはない。
【0050】
次に、図18に示すように、基板1を約850℃で熱酸化することによって、活性領域Lの基板1の表面に膜厚10nm程度の薄い酸化シリコン膜17を形成する。この酸化シリコン膜17は、次の工程で行なわれる不純物のイオン打ち込みによる基板1のダメージおよび汚染の影響を低減するために形成する。
【0051】
次に、図19に示すように、ウエル(p型ウエル3およびn型ウエル4)を形成するために、上記酸化シリコン膜17を通して基板1にp型不純物(ホウ素)およびn型不純物(例えばリン)をイオン打ち込みする。また、メモリセル選択用MISFETQsのチャネルが形成されるp型半導体領域(図示せず)を形成するために、上記酸化シリコン膜17を通して基板1にp型不純物(ホウ素)をイオン打ち込みする。ウエル(p型ウエル3およびn型ウエル4)を形成するための不純物イオンは、高いエネルギーで基板1の深い領域に打ち込み、チャネルを形成するための不純物イオンは、低いエネルギーで基板1の浅い領域に打ち込む。
【0052】
次に、図20に示すように、基板1を約950℃で熱処理し、上記不純物を拡散させることによって、p型ウエル3およびn型ウエル4を形成する。p型ウエル3の下部のn型ウエル4は、図示しない入出力回路などから基板1を通じてp型ウエル3にノイズが侵入するのを防ぐために形成する。
【0053】
次に、フッ酸を用いたウェットエッチングで基板1の表面の酸化シリコン膜17を除去した後、基板1を約800〜850℃で熱酸化することによって、その表面に膜厚7nm程度の清浄なゲート酸化膜7を形成する。前述したように、活性領域Lの周辺部の基板1の表面には、凸状の丸みが付けられているので、このゲート酸化膜7の膜厚は、活性領域Lの中央部と周辺部とでほぼ等しくなる。
【0054】
上記ゲート酸化膜7は、その一部に窒化シリコンを含んだ酸窒化シリコン膜で構成してもよい。酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて膜中における界面準位の発生を抑制したり、電子トラップを低減したりする効果が高いので、ゲート酸化膜7のホットキャリア耐性を向上させることができる。酸窒化シリコン膜を形成するには、例えば基板1をNOやNOといった含窒素ガス雰囲気中で熱酸化すればよい。
【0055】
このように、活性領域Lの周辺部に丸みを付けることにより、活性領域Lの周辺部でゲート酸化膜7の膜厚が薄くなる(thinning)不具合が防止され、活性領域Lの周辺部におけるゲート電圧の電界集中が抑制される。これにより、低いゲート電圧でドレイン電流が流れるMOS−IVキンク特性(あるいはハンプ特性)の発生やゲート酸化膜7の耐圧低下を防ぐことができ、メモリセル選択用MISFETQsの特性が向上する。また、活性領域Lの周辺部におけるリーク電流の発生が抑制されるので、メモリセルのリフレッシュ特性が向上する。また、thinningやMOS−IVキンク特性に起因するMISFETのしきい値電圧のばらつきが防止される。
【0056】
図21(a)は、上記ゲート酸化膜7が形成された時点での基板1のB−B’線方向に沿った断面図である。図示のように、ここまでの工程で、活性領域Lの短辺の寸法(a)は、活性領域Lの寸法を定義する前記窒化シリコン膜14の短辺の寸法(W)以上(a≧W)となり、この短辺方向に沿った活性領域L同士の間隔(素子分離溝2の寸法)(b)は、窒化シリコン膜14の間隔(S)以下(b≦S)となる。すなわち、窒化シリコン膜14の短辺の寸法(W)および間隔(S)を、それぞれフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法(例えば0.16μm)とした場合、活性領域Lの短辺の寸法(a)は、この最小加工寸法以上となる。
【0057】
これに対し、仮に、活性領域を定義するための窒化シリコン膜14パターンの側壁にサイドウォールスペーサ16を形成せず、窒化シリコン膜14だけをマスクにしたドライエッチングで素子分離溝を形成した後、前記図13に対応するラウンド加工で活性領域の周辺部に丸みをつける場合(比較例)には、このラウンド工程により、活性領域の周辺部に十分な丸みがつけられるので、図21(b)に示すように、活性領域Lの短辺の寸法(a’)は、活性領域Lの寸法を定義する前記窒化シリコン膜14の短辺の寸法(W)よりも小さくなり(a’<W)、この短辺方向に沿った活性領域L同士の間隔(素子分離溝2の寸法)(b’)は、窒化シリコン膜14の間隔(S)よりも大きくなる(b’>S)。すなわちこの場合、活性領域Lは、フォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法を確保することができないので、メモリセルを形成することができない。
【0058】
このように、本発明によると、メモリセルの高集積化のため、活性領域を定義するための窒化シリコン膜14パターンの幅(W’)および窒化シリコン膜14パターン同士の間の間隔(S’)をフォトリソグラフィの解像限度で決まる最小加工寸法に形成した場合であっても、MISFETQsのゲート幅となる活性領域Lの短辺の寸法(a)が最小加工寸法以上となるので、MISFETQsを微細化することができる。これにより、ビット線BL方向の配線ピッチ(Lw’+Ls’)を最小加工寸法の2倍に形成して高集積化すると共に、活性領域Lの寸法(a)を確保でき、MISFETQsを微細化することができる。
【0059】
次に、図22に示すように、上記ゲート酸化膜7の上部にゲート電極8(ワード線WL)を形成する。ゲート電極8(ワード線WL)は、例えばゲート酸化膜7上にリン(P)をドープした低抵抗多結晶シリコン膜をCVD法で堆積し、続いてその上部にスパッタリング法でWN膜およびW膜を堆積し、さらにその上部にCVD法で窒化シリコン膜9を堆積した後、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにしたドライエッチングでこれらの膜をパターニングすることにより形成する。ゲート電極8(ワード線WL)は、その線幅(ゲート長)および間隔が、それぞれフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法(例えば0.16μm)となるように形成する。
【0060】
図23は、ゲート電極8(ワード線WL)の延在方向に沿った基板1の断面図である。図示のように、ワード線WLは、活性領域Lの短辺と素子分離溝2とを横切って延在し、活性領域Lの基板1表面に形成されたゲート酸化膜7の上部では、メモリセル選択用MISFETQsのゲート電極8として機能する。前述したように、本実施の形態では、素子分離溝2に埋め込まれた酸化シリコン膜6の表面が活性領域Lの周辺部近傍で下方に大きく後退(リセス)しないので、ゲート酸化膜7の端部が、チャネル形成用の不純物濃度が低下する素子分離溝2の側壁にまで達することはない。これにより、メモリセル選択用MISFETQsのしきい値電圧のばらつきを防ぐことができる。
【0061】
次に、p型ウエル3にn型不純物(リンまたはヒ素)をイオン打ち込みしてn型半導体領域10(ソースおよびドレイン)を形成することにより、前記図1および図3に示すメモリセル選択用MISFETQsが完成する。
【0062】
次に、図24に示すように、基板1上にCVD法で膜厚50〜100nm程度の窒化シリコン膜18を堆積し、続いて窒化シリコン膜18の上部にCVD法で膜厚600nm程度の酸化シリコン膜20を堆積した後、酸化シリコン膜20をCMP法で研磨してその表面を平坦化する。
【0063】
次に、図25および図26に示すように、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにしてメモリセル選択用MISFETQsのソースおよびドレイン(n型半導体領域10)の上部の酸化シリコン膜20および窒化シリコン膜18をドライエッチングすることによって、ソースおよびドレイン(n型半導体領域10)の一方の上部にコンタクトホール21を形成し、他方の上部にコンタクトホール22を形成した後、これらのコンタクトホール21、22の内部にプラグ23を形成する。コンタクトホール21、22は、窒化シリコン膜18をエッチングのマスクとして用い、ゲート電極8に対してセルフアライン(自己整合)で形成する。また、プラグ23は、コンタクトホール21、22の内部を含む酸化シリコン膜20の上部にリン(P)などのn型不純物をドープした低抵抗多結晶シリコン膜を堆積した後、この多結晶シリコン膜をエッチバック(またはCMP法で研磨)してコンタクトホール21、22の内部のみに残すことにより形成する。
【0064】
次に、図27、図28に示すように、酸化シリコン膜20の上部にCVD法で膜厚200nm程度の酸化シリコン膜24を堆積した後、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにして酸化シリコン膜24をドライエッチングすることにより、コンタクトホール21(プラグ23)の上部にスルーホール25を形成する。図24に示すように、スルーホール25は、その一部が素子分離溝2の上部に延存する細長いパターンに形成する。
【0065】
次に、図29、図30に示すように、スルーホール25の内部にプラグ26を形成した後、酸化シリコン膜24の上部にビット線BLを形成する。プラグ26は、スルーホール25の内部を含む酸化シリコン膜24の上部にスパッタリング法でCo膜(またはTi膜)を堆積し、さらにその上部にCVD法でTiN膜およびW膜を堆積した後、酸化シリコン膜24の上部のW膜、TiN膜およびCo膜(またはTi膜)をCMP法で研磨し、これらの膜をスルーホール25の内部のみに残すことによって形成する。
【0066】
また、ビット線BLは、酸化シリコン膜24の上部にスパッタリング法で膜厚200nm程度のW膜を堆積した後、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにしてW膜をドライエッチングすることによって形成する。ビット線BLは、ゲート電極8(ワード線WL)と直交する方向(A−A’線方向)に沿って同一の線幅および同一の間隔で直線的に延存するように形成し、その線幅Lw’および間隔Ls’は、それぞれフォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法(例えば0.16μm=Lw’=Ls’=Lw=Ls)とする。
【0067】
次に、図31に示すように、ビット線BLの上部にCVD法で膜厚300nm程度の酸化シリコン膜27を堆積した後、酸化シリコン膜27およびその下層の酸化シリコン膜24をドライエッチングすることによって、コンタクトホール22(プラグ26)の上部にスルーホール28を形成する。
【0068】
上記スルーホール28は、次の工程でその内部に形成されるプラグ29とビット線BLとの短絡を防ぐために、フォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法よりも小さい径で形成する。このような微細な径のスルーホール28は、例えば次のような方法で形成する。
【0069】
まず、ビット線BLの上部に酸化シリコン膜27を堆積した後、酸化シリコン膜27の上部に第1の多結晶シリコン膜(図示せず)を堆積する。次に、フォトレジスト膜をマスクにして上記多結晶シリコン膜をドライエッチングすることにより、コンタクトホール22(プラグ26)の真上の多結晶シリコン膜にスルーホールを形成する。このスルーホールの径は、フォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法とする。
【0070】
次に、上記スルーホールの内部を含む第1の多結晶シリコン膜上に第2の多結晶シリコン膜を堆積した後、第2の多結晶シリコン膜を異方的にエッチングしてスルーホールの内壁のみに残すことにより、スルーホールの内壁にサイドウォールスペーサを形成する。これにより、スルーホールの径は、フォトリソグラフィの解像限界で決まる最小加工寸法よりも小さくなる。
【0071】
次に、上記第1の多結晶シリコン膜およびサイドウォールスペーサをマスクにしたドライエッチングでスルーホールの底部の酸化シリコン膜27およびその下層の酸化シリコン膜24にスルーホール28を形成した後、不要となった第1の多結晶シリコン膜およびサイドウォールスペーサをエッチングして除去する。
【0072】
次に、図32に示すように、上記スルーホール28の内部にプラグ29を形成した後、酸化シリコン膜27の上部にCVD法で膜厚100nm程度の窒化シリコン膜30を堆積し、続いて窒化シリコン膜30の上部にCVD法で膜厚1.3μm程度の厚い酸化シリコン膜31を堆積する。プラグ29は、例えばスルーホール28の内部を含む酸化シリコン膜27の上部にリン(P)などのn型不純物をドープした低抵抗多結晶シリコン膜を堆積した後、この多結晶シリコン膜をエッチバックしてスルーホール28の内部のみに残すことによって形成する。また、窒化シリコン膜30は、次の工程で酸化シリコン膜31をドライエッチングする際のエッチングストッパとして使用する。
【0073】
次に、図33に示すように、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにして酸化シリコン膜31をドライエッチングした後、酸化シリコン膜31の下層の窒化シリコン膜30をウェットエッチングすることにより、スルーホール28の上部に溝32を形成する。
【0074】
次に、図34に示すように、溝32の内部を含む酸化シリコン膜31の上部に、リン(P)などのn型不純物をドープした膜厚50nm程度の低抵抗多結晶シリコン膜をCVD法で堆積した後、酸化シリコン膜31の上部の多結晶シリコン膜をエッチバックして除去することにより、溝32の内壁に沿って下部電極33を形成する。
【0075】
次に、図35に示すように、下部電極33の上部に、例えば酸化タンタル膜で構成された容量絶縁膜34と、例えばTiN膜で構成された上部電極35とを形成する。容量絶縁膜34および上部電極35を形成するには、まず溝32の内部を含む酸化シリコン膜31の上部にCVD法で膜厚20nm程度の薄い酸化タンタル膜を堆積し、続いてこの酸化タンタル膜の上部にCVD法およびスパッタリング法でTiN膜を堆積することによって溝32の内部に隙間なくTiN膜を埋め込んだ後、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクにしたドライエッチングでTiN膜および酸化タンタル膜をパターニングする。これにより、多結晶シリコン膜で構成された下部電極33、酸化タンタル膜で構成された容量絶縁膜34およびTiN膜で構成された上部電極35からなる情報蓄積用容量素子Cが形成される。また、ここまでの工程により、メモリセル選択用MISFETQsとこれに直列に接続された情報蓄積用容量素子Cとで構成されるDRAMのメモリセルが完成する。
【0076】
その後、情報蓄積用容量素子Cの上部に2層程度のAl(アルミニウム)配線を形成し、さらにAl配線の上部に表面保護膜を形成するが、それらの図示は省略する。
【0077】
(実施の形態2)
図36は、窒化シリコン膜14とその側壁に形成した(同図には示さない)サイドウォールスペーサ16とをマスクにしたドライエッチングで素子分離領域の基板1に溝2aを形成し、続いてサイドウォールスペーサ16をウェットエッチングで除去した後、基板1を熱酸化することによって、溝2aの内壁に薄い酸化シリコン膜11を形成すると共に、活性領域Lの周辺部の基板1表面をラウンド加工した状態を示す基板1の断面図である。ここまでの工程は、前記実施の形態1で説明した工程(図4〜図13)と同一である。
【0078】
次に、図37に示すように、ドライエッチングプロセスなどにより窒化シリコン膜14を等方的にエッチングする。このエッチングにより、窒化シリコン膜14の寸法が縮小し、その周辺部が活性領域Lの中心側に後退する。窒化シリコン膜14の後退量は、例えば20nm程度とするが、この後の工程で溝2aの内部に埋め込む酸化シリコン膜6が活性領域Lの基板1の表面にゲート酸化膜7を形成するまでの工程で基板1側に後退(リセス)する量を考慮して決めればよい。
【0079】
次に、前記実施の形態1で説明した工程(図14、図15)に従い、溝2aの内部を含む基板1上にCVD法で酸化シリコン膜6を堆積し、続いて酸化シリコン膜6の膜質を改善するためのデンシファイ(焼き締め)を行った後、溝2aの上部の酸化シリコン膜6をCMP法で研磨してその表面を平坦化する。ここまでの工程により、溝2aの内部に酸化シリコン膜6が埋め込まれた素子分離溝2が略完成する(図38)。
【0080】
次に、前記実施の形態1と同様、活性領域Lの基板1を覆う窒化シリコン膜14を熱リン酸を用いたウェットエッチングで除去することによって、その下部の酸化シリコン膜13を露出させる。このエッチングを行なうと、酸化シリコン膜13の表面と素子分離溝2に埋め込まれた酸化シリコン膜6の表面との間に、窒化シリコン膜14の残膜厚に相当する高さの段差が発生するが、活性領域Lの基板1の表面の酸化シリコン膜13をフッ酸でウェットエッチングすると、活性領域Lの基板1の表面が露出すると同時に酸化シリコン膜6の表面がエッチングされ、この段差が低減する。(図39)。
【0081】
上記ウェットエッチングを行なうと、素子分離溝2内の酸化シリコン膜6の端部、すなわち窒化シリコン膜14と接していた領域の酸化シリコン膜6は、その上面だけでなく側面もフッ酸に晒されるので、活性領域Lから離れた部分に比べて被エッチング量が多くなる。しかし、本実施の形態では、窒化シリコン膜14の周辺を活性領域Lの中心側に後退させ、活性領域Lの周辺部と窒化シリコン膜14の周辺部とのオフセット量をあらかじめ十分に大きくしておくので、窒化シリコン膜14を除去した時点での酸化シリコン膜6の端部は、活性領域Lの周辺部よりもかなり中心側に位置している。そのため、上記した段差を低減するためのウェットエッチングで酸化シリコン膜6の端部が素子分離溝2側に後退しても、素子分離溝2の端部で酸化シリコン膜6が下方に大きく後退(リセス)することはない。その後の工程は、前記実施の形態1と同じであるため、その説明は省略する。
【0082】
このように、本実施の形態によれば、素子分離溝2内の酸化シリコン膜6の表面が活性領域Lの近傍で下方に後退(リセス)する不具合を防止できるので、メモリセル選択用MISFETQsのしきい値電圧のばらつきを抑制することができる。
【0083】
窒化シリコン膜14の周辺部を活性領域Lの中心側に後退させることによって、活性領域Lの周辺部と窒化シリコン膜14の周辺部とのオフセット量を大きくする本実施の形態の製造方法は、MISFETのデザインルールが極めて微細になり、窒化シリコン膜14の側壁にサイドウォールスペーサ16を形成するだけでは、素子分離溝2の端部における酸化シリコン膜6の後退(リセス)を抑制できなくなった場合の対策として特に有効である。
【0084】
なお、上記した等方性エッチングによる窒化シリコン膜14の後退は、活性領域Lの周辺部の基板1表面を丸くするための熱酸化処理を行なった後で行なうことが望ましい。ラウンド加工の前、すなわち熱酸化処理によって溝2aの内壁に酸化シリコン膜11を形成する前に窒化シリコン膜14を後退させるためのドライエッチングを行なうと、溝2aの内壁の基板1表面もある程度エッチングされて等方的に後退するために、活性領域Lの寸法が小さくなってしまう恐れがある。
【0085】
(実施の形態3)
次に、DRAMとロジックLSIとを同一基板上に形成したLSI(以下、DRAM−ロジック混載LSIという)の製造工程に本発明を適用した実施の形態を説明する。
【0086】
ロジックLSIを高速で動作させるためには、ゲート酸化膜をできるだけ薄く形成することが要求される。これに対し、ワード線電位の昇圧に際して高電圧を必要とするDRAMは、耐圧確保の観点からゲート酸化膜の膜厚をあまり薄くすることができない。従って、DRAM−ロジック混載LSIを製造する場合には、ゲート酸化膜の膜厚が異なる少なくとも2種類のMISFETを形成する必要がある。
【0087】
膜厚の異なる2種類のゲート酸化膜を同一基板上に形成するプロセスでは、基板上の薄いゲート酸化膜を形成する領域と厚いゲート酸化膜を形成する領域とで、素子分離溝内の酸化シリコン膜の後退(リセス)量が異なってくる。そのため、MISFETの特性のばらつきを防ぐ観点から、薄いゲート酸化膜を形成する領域と厚いゲート酸化膜を形成する領域とでこの後退(リセス)量を均一化する対策が必要となる。
【0088】
図40は、前記実施の形態1で説明した工程(図4〜図8)に従って、活性領域Lの基板1上に酸化シリコン膜13を介して窒化シリコン膜14を形成した後、その側壁に酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサ16Aを形成した基板1の断面図である。ここで、同図(a)は、薄いゲート酸化膜を形成するロジック領域(第1領域)の基板1を示し、同図(b)は、厚いゲート絶縁膜を形成するDRAM領域(第2領域)の基板1を示している。ここまでの工程は、ロジック領域とDRAM領域とで同一である。
【0089】
次に、図41に示すように、ロジック領域の基板1をフォトレジスト膜41で覆い、DRAM領域の窒化シリコン膜14の側壁に形成されたサイドウォールスペーサ16Aをエッチングすることによって、その膜厚(スペーサ長)を薄くする。これにより、ロジック領域とDRAM領域とにスペーサ長の異なる2種類のサイドウォールスペーサ16A、16Bが形成される。
【0090】
次に、フォトレジスト膜41を除去した後、図42に示すように、窒化シリコン膜14とサイドウォールスペーサ16Aとをマスクにしたドライエッチングでロジック領域の基板1に溝2aを形成し、窒化シリコン膜14とサイドウォールスペーサ16BとをマスクにしたドライエッチングでDRAM領域の基板1に溝2aを形成する。このとき、窒化シリコン膜14の側壁に形成されたサイドウォールスペーサ16A、16Bは、互いのスペーサ長が異なるため、活性領域Lの周辺部と窒化シリコン膜14の周辺部とのオフセット量は、ロジック領域とDRAM領域とで異なってくる。すなわち、溝2aの側壁(活性領域Lの周辺部)から窒化シリコン膜14の周辺部までの距離は、膜厚の大きいサイドウォールスペーサ16Aが形成されたロジック領域の方が大きくなる。
【0091】
次に、フッ酸を使ったウェットエッチングによって、窒化シリコン膜14の側壁のサイドウォールスペーサ16A、16Bを除去した後、図43に示すように、前記実施の形態1で説明した工程(図13〜図15)に従い、基板1を熱酸化することによって、溝2aの内壁に薄い酸化シリコン膜11を形成すると共に、活性領域Lの周辺部の基板1表面をラウンド加工した後、溝2aの内部を含む基板1上に堆積した酸化シリコン膜6をデンシファイ(焼き締め)し、続いてCMP法で溝2aの上部の酸化シリコン膜6を研磨することによって、その表面を平坦化する。ここまでの工程により、溝2aの内部に酸化シリコン膜6が埋め込まれた素子分離溝2が略完成する。
【0092】
前記のように、活性領域Lの周辺部から窒化シリコン膜14の周辺部までの距離(オフセット量)は、DRAM領域に比べてロジック領域の方が大きい。そのため、素子分離溝2内の酸化シリコン膜6の端部は、DRAM領域に比べてロジック領域の方が活性領域Lの中心側に位置する。
【0093】
次に、図44に示すように、前記実施の形態1で説明した工程(図16〜図20)に従い、窒化シリコン膜14の除去、酸化シリコン膜13のウェットエッチング除去と酸化シリコン膜17の形成、酸化シリコン膜17を通じた不純物のイオン打ち込みと熱処理によるウエル(p型ウエル3、n型ウエル4)の形成、ウェットエッチングによる酸化シリコン膜17の除去を経て、ロジック領域およびDRAM領域のそれぞれの活性領域Lの基板1の表面に膜厚6nm〜7nm程度の清浄なゲート酸化膜7を形成する。
【0094】
上記した酸化シリコン膜13のウェットエッチングを行なうと、酸化シリコン膜6の端部が素子分離溝2側に後退する。前記のように、酸化シリコン膜6の端部は、DRAM領域に比べてロジック領域の方が活性領域Lの中心側に位置しているため、素子分離溝2の端部における酸化シリコン膜6の後退量は、ロジック領域の方が少ない。
【0095】
次に、図45に示すように、DRAM領域の基板1をフォトレジスト膜42で覆い、フッ酸を用いたウェットエッチングでロジック領域の基板1の表面のゲート酸化膜7を選択的に除去することによって、基板1表面を露出させる。このウェットエッチングを行なうと、ロジック領域の素子分離溝2に埋め込まれた酸化シリコン膜6の表面も同時にエッチングされ、その端部が素子分離溝2側に後退する。このとき、DRAM領域の基板1はフォトレジスト膜42で覆われているため、この領域の基板1表面に形成されたゲート酸化膜7や、素子分離溝2内の酸化シリコン膜6はエッチングされない。その結果、素子分離溝2の端部における酸化シリコン膜6の後退量がロジック領域とDRAM領域とでほぼ同じになる。
【0096】
次に、フォトレジスト膜42を除去した後、図46に示すように、基板1を熱酸化することによって、ロジック領域の基板1の表面に膜厚4nm程度の薄いゲート酸化膜7Aを形成する。また、この熱酸化によってDRAM領域の基板1の表面に形成されていたゲート酸化膜7がさらに酸化され、膜厚8nm〜9nm程度の厚いゲート酸化膜7Bに成長する。
【0097】
このように、本実施の形態によれば、薄いゲート酸化膜7Aを形成するロジック領域と厚いゲート酸化膜7Bを形成するDRAM領域とで、素子分離溝2の端部における酸化シリコン膜6の後退(リセス)量を均一化することができるため、ロジック領域に形成されるMISFETとDRAM領域に形成されるMISFETとの特性のばらつきを低減することができる。
【0098】
また、窒化シリコン膜14とその側壁に形成したサイドウォールスペーサ16A、16Bとをマスクにしたドライエッチングで素子分離領域の基板1に溝2aを形成する本実施の形態によれば、前記実施の形態1と同様の効果も得られる。
【0099】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0100】
前記実施の形態では、主としてDRAMに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、素子分離溝を有する基板に微細なMISFETを形成する各種LSIに広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施形態である半導体集積回路装置の製造工程の途中における基板の要部平面図である。
【図2】DRAMのメモリアレイの等価回路図である。
【図3】図10のA−A’線およびB−B’線に沿った基板の要部断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【図7】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部平面図である。
【図9】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図13】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図14】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図15】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図16】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図17】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図18】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図19】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図20】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図21】(a),(b)は、本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図22】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図23】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図24】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図25】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図26】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図27】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図28】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図29】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図30】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図31】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図32】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図33】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図34】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図35】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図36】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図37】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図38】本発明の実施の形態1である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図39】本発明の実施の形態2である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図40】(a),(b)は本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図41】(a),(b)は本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図42】(a),(b)は本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図43】(a),(b)は本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図44】(a),(b)は本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図45】(a),(b)は本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【図46】(a),(b)は本発明の実施の形態3である半導体集積回路装置の製造方法を示す基板の要部断面図である。
【符号の説明】
【0102】
1 基板
2 素子分離溝
3 p型ウエル
4 n型ウエル
6 酸化シリコン膜
7,7A,7B ゲート酸化膜
8 ゲート電極
9 窒化シリコン膜
10 n型半導体領域
11,13,17,20,24,27,31 酸化シリコン膜
14,18,30 窒化シリコン膜
16,16A,16B サイドウォールスペーサ
21,22 コンタクトホール
23,26,29 プラグ
25,28 スルーホール
32 溝
33 下部電極
34 容量絶縁膜
35 上部電極
41,42 フォトレジスト膜
BL ビット線
L 活性領域
MC メモリセル
Qs メモリセル選択用MISFET
WL ワード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の主面上に、素子分離領域によって周囲を囲まれた島状の平面パターンを有する複数の活性領域が、第1方向にそれぞれ間隔をおいて配置され、前記複数の活性領域のそれぞれに半導体素子が形成された半導体集積回路装置であって、
前記素子分離領域によって周囲を囲まれた前記活性領域は、周辺部に、凸状の丸みが付いた凸状部を有しており、
前記第1方向における前記活性領域の幅と、前記活性領域同士の間の前記間隔との和を、前記第1方向における最小ピッチとすると、
前記第1方向における前記活性領域の幅は前記最小ピッチの1/2よりも大きく、前記間隔は前記最小ピッチの1/2よりも小さい
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
前記最小ピッチは、フォトリソグラフィ技術の解像限界に基づいて予め決まっている最小加工寸法の2倍であり、
前記活性領域の幅は前記最小加工寸法以上であり、前記活性領域同士の間の間隔は前記最小加工寸法以下である
請求項1に記載の半導体集積回路装置。
【請求項3】
前記半導体素子は、互いに所定の間隔をおいて配置された複数の配線に結合されており、前記配線の幅と前記配線同士の間の間隔との和は前記最小ピッチである
請求項1または2に記載の半導体集積回路装置。
【請求項4】
前記半導体素子はメモリセルを構成し、前記配線は前記メモリセルに結合されるワード線またはビット線を構成している
請求項3に記載の半導体集積回路装置。
【請求項5】
前記活性領域の基板表面に形成された前記半導体素子のゲート絶縁膜の膜厚は、前記活性領域の中央部と周辺部とで等しい
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。
【請求項6】
前記活性領域に形成された前記半導体素子はMISFETからなり、前記MISFETは、DRAMのメモリセルの一部を構成するメモリセル選択用MISFETであり、前記メモリセル選択用MISFETには、前記DRAMのメモリセルの他の一部を構成する容量素子が直列に接続されている
請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2006−339669(P2006−339669A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−218758(P2006−218758)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【分割の表示】特願2000−603091(P2000−603091)の分割
【原出願日】平成11年12月10日(1999.12.10)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】