説明

搬送装置および搬送方法

【課題】被搬送物を搬送先にまで高精度に搬送することができる搬送装置および搬送方法を提供する。
【解決手段】基板トレイ搬送装置は、基板3を載せた基板トレイ17を搬送アーム26によって把持し、載置台5まで搬送する。搬送アーム26の先端部には、反射型光ファイバーセンサー25を有している。搬送アーム26は縁に到達する直前に減速する。その際、センサー25は載置台5の縁を検出する。搬送アーム26が減速しているので、センサー25による縁位置の検出は安定化する。制御装置37は、センサー25による縁位置の検出結果に基づき、載置台5の縁から載置台5の中心までの距離と、基板トレイ17からセンサー25までの距離とを加えた距離だけ、載置台5の縁から搬送アーム26を移動させるように、第一の移動機構28を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被搬送物を保持して目標位置に搬送する搬送装置およびその搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化合物半導体の用途が様々な分野において広がっている。良く用いられる化合物半導体として、特に半導体レーザー素子およびLED(発光ダイオード)素子等が挙げられる。これらの素子の製造には、MOCVD(有機金属化学気相成長法)装置またはMBE(分子線エピタキシー法)装置が広く用いられている。
【0003】
MOCVD装置は、加熱された基板に原料となるガスを照射することによって成膜処理を行う装置である。MBE装置は、真空中において蒸発させた原料を、基板に照射することによって成膜処理を行う装置である。いずれの装置も、結晶成長の原理を利用して、成膜処理を行っている。MOCVD装置は、MBE装置と比較して生産性およびメンテナンス性が良い。このことから、工業的に化合物半導体を量産する場合には、一般的にMOCVD装置が使用されている。
【0004】
一般的なMOCVD装置を図8に示す。図8は、MOCVD装置の断面を示す図である。
【0005】
このMOCVD装置1は、反応室2、モーター9およびガス供給器15を備えている。
【0006】
反応室2の内部において、複数の載置台5を回転台4の上面に設けている。各載置台5には、基板3がそれぞれ載置されている。基板3の材料としては、Si、GaAs、GaN、またはサファイアガラス等を用いる。生産する化合物半導体によって適切なものが使用される。
【0007】
回転台4の詳細を図9に示す。図9は、回転台4の上面を示す図である。
【0008】
回転台4は、回転軸8の上端に支持されている。この回転軸8はモーター9によって回転するようになっている。回転台4の上面に設けられた複数の載置台5は、それぞれ自転するように構成されている。したがって、載置台5の上に載せられた基板3は、回転台4の回転および載置台5の自転によって、公転と自転とをすることになる。これは、生成する結晶成長層の均一性を向上させ、均一な膜を生成するためである。
【0009】
載置台5を自転させる仕組みとして、特許文献1では、ギヤの噛み合わせを利用して回転させる方法が開示されている。各載置台5はそれぞれ自転ギヤ6の上に設置されており、回転台4の外周には固定ギヤ7が設置されている。この自転ギヤ6は、回転台4上に設置されているため、回転台4の回転と同期しており、回転台4の外周に固定された固定ギヤ7と噛み合うことによって自転する。
【0010】
また、特許文献2では、載置台5の下から回転駆動用ガスを供給して載置台5を浮上させ、回転させる方法が開示されている。
【0011】
さらに、回転台4の下方にはヒーター10が配置されており、ヒーター10によって基板3を加熱するようになっている。また、回転台4の上方には反応室2内部の空間を隔てる略平行な隔壁11が設けられている。
【0012】
反応室2の上部には配管12が接続されている。この配管12には、ガス供給器15が接続されており、内部に成膜処理の原料である原料ガス14を保持している。この原料ガス14は、配管12の先端にあるガス吹き出し口13から、回転台4の表面に沿って供給される。この際、原料ガス14は、ヒーター10によって加熱された基板3に達すると、化学反応を起こす。その結果、結晶成長が行われ、基板3上に成膜処理が施される。余分な原料ガス14は、基板3の上を通過後、回転台4の外周に設けられた排気経路16から排気される。
【0013】
MOCVD装置1では、成膜処理を行うために、装置内部に基板3を載置台5の上にセットしなければならない。通常、これは手作業によって行われている。
【0014】
反応室2が開閉するMOCVD装置1を図10に示す。図10は、反応室2が開いているMOCVD装置1の断面を示す図である。
【0015】
一般的に、反応室2は、反応室2aおよび反応室2bの上下に分かれており、反応室2bを上昇させて開くようにしていることが多い。その際、反応室2内部の隔壁11は、反応室2bと共に上昇する場合、もしくは作業者によってその都度取り除かれる場合がある。
【0016】
基板3は、破損しやすい材料でできている。そのため、基板3を取り扱う作業者には、高度な技術が要求され、慎重に作業をしなければならない。このことから、基板3を載置する作業は、時間がかかる。そのため、この作業を自動化する工夫が行われている。
【0017】
特許文献3では、ロボットハンドによって基板3を搬送する装置が開示されている。載置台5に設けられたマークをロボットハンドが検出することによって、載置台5との位置関係を認識する。その情報に基づいて、ロボットハンドは載置台5に基板3を載置する。
【0018】
また、特許文献4では、基板3を載置する目標位置である載置台5の中心点と、実際の基板3の中心点との誤差を補正する装置が開示されている。基板3に基準指標を設け、その中心点を検出する。その中心点と、載置台5の中心点とのオフセット量を求め、基板3を載置する位置を補正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2002−175992号広報(2002年6月21日公開)
【特許文献2】特表2004−513243号広報(2004年4月30日公表)
【特許文献3】特開平8−71973号広報(1996年3月19日公開)
【特許文献4】特開平11−42579号広報(1999年2月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記MOCVD装置1は、数100℃から1000℃を超える高温環境下で動作する。このため、熱膨張による影響を避ける意味から、自転ギヤ6および固定ギヤ7の嵌め合いの公差を大きく取らざるをえない。その結果、回転台4停止時の載置台5の位置はmm単位でずれることがあった。
【0021】
前述した特許文献3および特許文献4に開示される方法は、装置を立ち上げた時に設定した目標位置に、基板3を載置することの自動化を目的としている。そのため、目標位置である載置台5の位置が搬送時に毎回変化するような搬送には適用できない。
【0022】
特許文献3に開示される方法の延長技術として、基板3を目標位置に搬送する際、その都度マークとロボットハンドとの位置関係を検出する方法も考えられる。しかし、搬送前の段階で基板3の位置決めをしておらず、ロボットハンドが基板3をどのような状態で保持したのか不明である。そのため、基板3を目標位置に適切に搬送することは困難である。
【0023】
前述したように、MOCVD装置1では、高温環境下で成膜処理が行われる。そのため、搬送時において載置台5の温度が下がりきらず、100℃以上の場合がある。特に、装置のスループットを向上するために装置内部の温度が下がりきる前に搬送を行う場合には、装置内部の温度は400℃を超える。なおかつ搬送をしている最中にも温度は刻々と変化する。そうした環境下において、特許文献3および特許文献4に開示される方法では搬送途中の温度変化による目標位置の変化に追従できず、適用することができない。
【0024】
また、基板3は、25℃程度の常温から400℃程度の高温下に移動すると、急激な温度変化によってダメージを受ける場合がある。特に、線膨張係数の比較的大きいサファイアガラス基板(線膨張係数7.7×10−6/℃)等は、熱衝撃で割れることがある。したがって、その場合は基板3の移動速度を可能な限り下げ、基板3に急激な温度変化を与えないようにしなければならない。これは装置のスループットの低下につながる。
【0025】
特許文献3および特許文献4に開示される方法は、いずれもマークまたは基準指標を目載置台5に設けなければならない。MOCVD装置1では、均一な成膜処理を行うために、基板3の温度の均一性が高く要求される。したがって、載置台5にマークまたは基準指標を設けることは、基板3の温度の不均一性を招いてしまう。
【0026】
MOCVD装置1の反応室2内部では、成膜処理後に生成物が隔壁11に堆積し、これが落下することが知られている。したがって、載置台5ではない位置にマークまたは基準指標を設けることでできたとしても、その上に生成物が落下する可能性がある。その場合、マークまたは基準指標の検出が正しく行えなくなり、適切な搬送を行うことができない。
【0027】
本発明は、上記の問題点を鑑みて成されたものであり、その目的は、自動的に搬送物を搬送し、高精度に載置することができる搬送装置およびその搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
第一位置に設置された位置決め機構に配置された被搬送物を、第二位置に設置された載置台に搬送する搬送装置であって、
前記第二位置寄りの先端部にセンサーを有し、かつ、当該センサーから前記第一位置に向かって一定距離置いた位置において前記被搬送物を把持する把持部と、
前記把持部を上下に移動可能な高さ方向移動機構と、
前記把持部を、前記第一位置と前記第二位置との間において移動可能な第一の移動機構と、
前記第二位置からの距離が確定した所定位置に到達する前に前記把持部を減速させるように、前記第一の移動機構を制御する減速制御部と、
前記センサーからの出力に基づき前記所定位置を検出する検出制御部と、
前記検出された所定位置から前記第二位置までの距離と、前記被搬送物から前記センサーまでの距離とを加えた距離だけ、前記所定位置から前記把持部を移動させるように、前記第一の移動機構を制御する移動制御部と、を備えていることを特徴としている。
【0029】
上記の構成によれば、本発明に係る搬送装置では、第一位置に設置された被搬送物を把持部が把持し、第二位置に設置された載置台にまで搬送する。
【0030】
具体的には、把持部が被搬送物を把持し、第一の移動機構によってそのまま第二位置まで移動を開始する。把持部の先端にはセンサーが備えられており、当該センサーは第二位置までの距離が確定した所定位置を検出する。所定位置に到達する前に、把持部は減速するように構成されている。センサーが所定位置を検出すると、所定位置から第二位置までの距離と、被搬送物からセンサーまでの距離とを加えた距離だけ、所定位置から把持部を移動させる。これによって、把持部は第二位置まで到達し、被搬送物は載置台上に載置される。
【0031】
したがって、本発明に係る搬送装置は、所定位置に到達する前に把持部を減速させることによって、センサーによる所定位置検出処理を安定化できる。その結果、被搬送物のより正確な搬送が可能となる。また、搬送先位置が変化している場合でも、把持部に備えられたセンサーによって搬送先の変化に対応することが可能であり、正確に被搬送物を搬送することができる。したがって、本発明に係る搬送装置は、搬送先位置の変化の有無に関わらず、被搬送物を第二位置まで精度良く搬送することが可能となる。
【0032】
前記載置台は、回転台上に複数設置されており、回転台を回転させることによっていずれの前記載置台を前記第二位置にまで移動させるか選択可能であり、
前記把持部を、前記高さ方向移動機構および前記第一の移動機構のいずれに対しても直角方向に移動可能な第二の移動機構を有していることを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、複数ある載置台のうちいずれの載置台を第二位置にまで移動させるか自由に選択することができる。また、回転台停止時に生じた回転台停止角度の誤差を補正することができる。
【0034】
前記回転台は、回転角度を検出する角度センサーを備えており、角度センサーの出力に基づき、前記移動制御部が前記第二の移動機構による前記把持部の移動量を求めることを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、回転台停止時に生じた回転台停止角度の誤差を補正するために、把持部が移動すべき量を算出することができる。
【0036】
前記把持部は、前記先端部に前記センサーを少なくとも2つ備えており、それらを前記第二の移動機構による前記把持部の移動方向に所定の間隔を持って配置しており、
前記少なくとも2つのセンサーの出力に基づき、前記移動制御部が前記第二の移動機構による前記把持部の移動量を求めることを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、複数のセンサーの情報に基づいて回転台停止角度の誤差を補正することができるので、第二位置をより正しく認識することができる。
【0038】
前記被搬送物は、搬送された際に前記載置台を覆う構造であることを特徴としている。
【0039】
上記の構成によれば、載置台上に異物が堆積することを防止できる。
【0040】
前記所定位置は、前記載置台の縁であることを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、センサーが載置台の縁を検出することによって、載置台の位置を認識できる。
【0042】
前記センサーは、反射型光ファイバーセンサーであることが好ましい。
【0043】
上記の構成によれば、搬送先位置が高温下であっても、耐熱性を有する反射型光ファイバーセンサーでは問題なく所定位置を検出することができる。
【0044】
前記載置台は、グラファイト、炭化珪素、または炭化珪素コーティングされたグラファイトのいずれかによって構成されており、
前記載置台の縁よりも第一位置寄りには、窒化ホウ素または、窒化ホウ素と窒化珪素との化合物のいずれかが前記センサーから見て臨めることが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、載置台とその外側とのコントラストが十分に大きくなるので、載置台の縁を検出しやすくなる。
【0046】
第一位置に設置された位置決め機構に配置された被搬送物を、第二位置に設置された載置台まで搬送する方法であって、
前記第二位置寄りの先端部にセンサーを有し、かつ、当該センサーから前記第一位置に向かって一定距離置いた位置において前記被搬送物を把持する把持部によって前記被搬送物を把持する工程と、
前記把持部を高さ方向に移動し、前記被搬送物を第一位置から持ち上げる工程と、
第二位置に向かって前記把持部を移動させる工程と、
前記把持部が第二位置までの距離が明らかな所定位置より手前の位置に達すると前記把持部の移動を減速させる工程と、
前記センサーによって前記所定位置を検出する工程と、
前記検出された所定位置から前記第二位置までの距離と、前記被搬送物から前記センサーまでの距離とを加えた距離だけ、前記所定位置から前記把持部を移動し、前記被搬送物を前記把持部から前記載置台に載置する工程と、を有することを特徴とする搬送方法。
【0047】
上記の構成によれば、所定位置に到達する前に把持部を減速させることによって、センサーによる所定位置検出処理を安定化でき、被搬送物のより正確な搬送が可能となる。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係る搬送装置は、所定位置に到達する前に把持部を減速させることによって、センサーによる所定位置検出処理を安定化できる。その結果、被搬送物のより正確な搬送が可能となる。また、搬送先位置が変化している場合でも、把持部に備えられたセンサーによって搬送先の変化に対応することが可能であり、正確に被搬送物を搬送することができる。したがって、本発明に係る搬送装置は、搬送先位置の変化の有無に関わらず、被搬送物を第二位置まで精度良く搬送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係るMOCVD装置および基板トレイ搬送装置の断面を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る基板トレイ搬送装置の断面を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る基板トレイの断面を示す図である。
【図4】本発明に一実施形態に係る基板トレイの搬送の初期段階における、基板トレイ搬送装置およびMOCVD装置の断面を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る反射型光ファイバーセンサーが載置台の縁を検出する状態の断面を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る基板トレイを載置台に勘合させている状態の断面を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る複数の反射型光ファイバーセンサーを備えた基板トレイ搬送装置の上面を示す図である。
【図8】従来のMOCVD装置の断面を示す図である。
【図9】回転台の上面を示す図である。
【図10】反応室が開いている従来のMOCVD装置の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明に係る実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0051】
なお、本実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは、同一符号を付けてその繰り返しの説明は省略する。
【0052】
〔第一の実施形態〕
(MOCVD装置1および基板トレイ搬送装置19の概要)
本発明の実施形態に係るMOCVD装置1および基板トレイ搬送装置19の概要について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るMOCVD装置1および基板トレイ搬送装置19の断面を示す図である。
【0053】
図1に示すように、本実施形態に係るMOCVD装置1の外部には、基板トレイ17の位置決め機構18と基板トレイ搬送装置19とが配置されている。
【0054】
本発明の概略としては、第一位置上に設置された位置決め機構18に配置された基板トレイ17を基板トレイ搬送装置19が把持し、MOCVD装置1の内部の第二位置に設置された載置台まで搬送する。MOCVD装置1内では成膜処理が行われ、成膜処理終了後に基板トレイ17は再び基板トレイ搬送装置19によって把持され、搬出される。
【0055】
(MOCVD装置1の構成)
本実施形態に係るMOCVD装置1の構成を説明する。
【0056】
MOCVD装置1は、図1に示すように、反応室2、モーター9、ガス供給器15およびエンコーダ30を備えている。
【0057】
MOCVD装置1には、従来のMOCVD装置100と同様に、反応室2の内部において、回転台4の上面に複数の略円盤形の載置台5が設けられている。本実施形態では、回転台4の上に計8台の載置台5が設置されている。各載置台5には、それぞれ基板トレイ17が載っており、各基板トレイ17には、それぞれ基板3が載置されている。
【0058】
回転台4は、回転軸8の上端に支持されている。回転軸8は、モーター9によって回転するようになっているため、回転台4を回転させる。回転台4の上面に設けられた複数の載置台5は、それぞれ自転するように構成されている。載置台5が自転する仕組みとしては、ギヤの噛み合わせを利用する方法を採用している。各載置台5はそれぞれ自転ギヤ6の上に設置されており、回転台4の外周には固定ギヤ7が設置されている。自転ギヤ6は、回転台4の回転と同期しており、回転台4の外周に固定された固定ギヤ7と噛み合うことによって自転する。したがって、載置台5の上に載せられた基板3は、回転台4の回転および載置台5の自転によって、公転と自転とをすることになる。
【0059】
載置台5の材質には、高い熱伝導性および高い耐久性が求められるため、グラファイト、SiC(炭化珪素)またはSiCコーティングされたグラファイトを使用する。また、自転ギヤ6には、BN(窒化ホウ素)またはSBN(窒化ホウ素と窒化珪素との化合物)を素材として使用する。これらを用いるのは、載置台5の縁をセンサーによって検出しやすくするためでもある。これについては、後ほど詳しく説明する。
【0060】
図1に示すように、回転台4の下にはヒーター10が配置されており、基板3を加熱するようになっている。また、回転軸8にはエンコーダ30が取り付けられており、回転台4の回転角度を出力する。
【0061】
(基板トレイ搬送装置19の構成)
基板トレイ搬送装置19の構成を、図2を参照して説明する。図2は、基板トレイ搬送装置19の断面を示す図である。
【0062】
基板トレイ搬送装置19は、図2に示すように、吸着ヘッド22、搬送アーム26、高さ方向移動機構27、第一の移動機構28および第二の移動機構29を備えている。
【0063】
図3に示すように、基板トレイ搬送装置19の先端には吸着ヘッド22が備えられている。吸着ヘッド22は、4つの吸着パッド23を有している。吸着パッド23には真空配管24が接続されており、真空配管24の内部を大気圧の状態から真空状態にすることが可能である。真空配管24の内部が真空状態になることによって、基板トレイ17を上方から吸着保持し、搬送することできる。吸着パッド23は、基板トレイ17の上面を吸着するように設定されており、誤って基板3を吸着しないようになっている。この際、基板トレイ17の上面を吸着しているが、下面または側面を吸着保持しても良い。また、基板トレイ17を真空配管24によって吸着する方法以外に、静電チャック等を利用した方法を採用しても良い。本実施形態では、基板トレイ17を用いて基板3を搬送する設計としているが、その他の炉内部材を用いても差し支えない。
【0064】
本実施形態に係る基板トレイ17の構成を、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る基板トレイ17の断面を示す図である。
【0065】
基板トレイ17は、略円盤形の石英板である。図3に示すように、基板トレイ17は、上面に凹部20を有し、下面に凸部21を有する。凹部20は、基板3を載置するための部位である。凸部21は、載置台5と勘合する部位であり、載置台5の外周に合わせて凸部21の寸法を設定している。
【0066】
(反射型光ファイバーセンサー25が有する検出機構)
吸着パッド23から第二位置の方向へ一定距離置いた吸着ヘッド22の先端部には、反射型光ファイバーセンサー25が取り付けられている。反射型光ファイバーセンサー25は、そのセンサー先端を下向きにして取り付けられており、そこから光を発している。通常、反射型光ファイバーセンサー25は、発した光に対する対象物からの反射光の光量変化を計測することによって、対象物の有無を検出する。本実施形態では、前述のように載置台5にはグラファイト、SiCまたはSiCコーティングされたグラファイトを使用しており、自転ギヤ6にはBNまたはSBNを使用している。すなわち載置台5の縁よりも第一位置よりには、窒化ホウ素または、窒化ホウ素と窒化珪素との化合物のいずれかが、反射型光ファイバーセンサー25から見て臨めるようになっている。
【0067】
グラファイト、SiCまたはSiCコーティングされたグラファイトの反射率は、BNまたはSBNと比較して非常に小さいので、載置台5および自転ギヤ6のコントラストは十分に大きくなる。したがって、本実施形態では、載置台5および自転ギヤ6のコントラストを検出することによって、載置台5の縁を検出することができる。また、反射型光ファイバーセンサー25は制御装置37の検出制御部に接続されており、センサーが縁を検出した信号を検出制御部に発することができる。なお、反射型光ファイバーセンサー25によって載置台5の縁を検出するのは、第二位置である載置台5までの距離が確定した所定位置を検出するためである。
【0068】
本実施形態では、反射型光ファイバーセンサー25として、耐熱性を有する竹中電子工業株式会社のGXH500Jシリーズを使用している。反射型光ファイバーセンサー25は比較的安価であり、バリエーションも多いため、対象物の有無を検出する目的では工業的に広く用いられている。位置検出としては、精度および汎用性の良さから、反射型光ファイバーセンサー25よりもビデオカメラを使用した画像処理による方法の方が広く用いられる。ただし、ビデオカメラを使用した画像処理装置は高価であり、なおかつ大きく、耐熱性に劣るため、本実施形態には適用することが困難である。また、本実施形態では反射型光ファイバーセンサー25を使用しているが、静電容量型または渦電流検知型のセンサーも適用可能である。基本的には非接触型が望ましいが、カンチレバー等を用いた機械スイッチ式でも構成可能である。
【0069】
(基板トレイ搬送装置19が有する移動機構)
基板トレイ搬送装置19が有する移動機構を説明する。
【0070】
図2に示すように、吸着ヘッド22は搬送アーム26に接続されている。搬送アーム26は、高さ方向移動機構27に固定されており、なおかつ高さ方向移動機構27は第一の移動機構28に固定されている。高さ方向移動機構27は、上下に移動可能であり、第一の移動機構28は、搬送アーム26が伸びている方向と同じ向きに移動可能である。また、高さ方向移動機構27および第一の移動機構28のいずれの移動方向に対しても、直角方向に移動する第二の移動機構29が配置されている。第一の移動機構28は、第二の移動機構29に固定されている。したがって、第二の移動機構29が移動すると、高さ方向移動機構27および第一の移動機構28のいずれも動くことになる。
【0071】
高さ方向移動機構27、第一の移動機構28および第二の移動機構29はそれぞれ制御装置37の移動制御部に接続されており、この移動制御部が各機構を制御している。
【0072】
(基板トレイ17の搬送手順)
基板トレイ17の具体的な搬送手順を、図4、図5および図6を参照して説明する。
【0073】
MOCVD装置1への基板トレイ17の搬送は、回転台4上に複数ある載置台5のうち、特定の一つを搬送先とする。
【0074】
まず、MOCVD装置1内部で基板3への成膜処理が終了し、成膜処理された基板3およびその他の被搬送物をすでに搬出した状態とする。図4は、基板トレイ17の搬送の初期段階における、基板トレイ搬送装置19およびMOCVD装置1の断面を示す図である。図4に示すように、MOCVD装置1の反応室2は開いた状態となっている。
【0075】
基板3を載置した基板トレイ17が図示しない搬送装置によって、位置決め機構18に搬送される動作から行われる。基板トレイ17は、位置決め機構18によって所定の位置に位置決めされ、その後吸着ヘッド22によって保持される。
【0076】
この際、回転軸8に設けられたエンコーダ30から回転台4の現在の停止角度θが出力される。制御装置37は、回転台4の現在の停止角度θと、本来回転台4を停止させるべきだった停止角度θ0との差である停止角度の誤差Δθを求める。そこから第二の移動機構29が動くべき移動量Lyを計算する。具体的には、複数ある載置台5の公転半径Rと停止角度誤差Δθから、次式(1)で求める。
Ly = R × sinΔθ……(1)
第二の移動機構29は、求められたLyだけ移動する。
【0077】
それと同時に、第一の移動機構28が移動することによって、吸着ヘッド22により保持された基板トレイ17を、搬送先である載置台5に向かって移動を開始する。この際、第一の移動機構28の移動速度を200mm/secとする。なお、制御装置37には、載置台5の縁よりも十分手前である位置を予め入力しておく。載置台5の縁よりも十分手前である位置とは、載置台5の縁からおおよそ2mm手前から4mm手前の区間である。載置台5の縁よりも十分手前である位置として、載置台5の縁よりもおおよそ2mm手前を入力した例を以下に示す。
【0078】
反射型光ファイバーセンサー25が予め入力された位置を通過すると、制御装置37の減速制御部によって第一の移動機構28は2mm/secまで減速する。したがって、載置台5の縁の上空を通過するおおよそ2mm手前で第一の移動機構28は減速し、減速状態で約4mm移動する。こうすることで反射型光ファイバーセンサー25が載置台5の縁の上空を比較的低速で通過することになる。
【0079】
(反射型光ファイバーセンサー25による検出)
図5は、反射型光ファイバーセンサー25が載置台5の縁を検出する状態の断面を示す図である。図5に示すように、反射型光ファイバーセンサー25は載置台5の方へ移動しながら、センサー先端から投射光31を発している。前述したように、載置台5にはSiCコーティングされたグラファイトを使用しており、自転ギヤ6にはSBNを素材として使用している。SiCコーティングされたグラファイトの反射率は、SBNの反射率と比較して非常に小さい。したがって、反射型光ファイバーセンサー25は、投射光31に対する反射光32の光量が多い状態から少ない状態へと移動していく。
【0080】
第一の移動機構28は、自身の座標を常時検出し、制御装置37に常時出力している。一方、反射型光ファイバーセンサー25は、検出した光量が、予め定められた閾値を越えた瞬間(または下回った瞬間)に、信号を制御装置37に出力するように設定されている。
【0081】
反射型光ファイバーセンサー25が反射光の強度変化を感知すると、すなわち閾値をまたがる変化を感知すると、この感知をきっかけに信号を制御装置37に発する。その信号を受け取った時点において、第一の移動機構28から制御装置37に入力された座標を、制御装置37は載置台5の縁位置として検出する。
【0082】
この検出処理時、反射型光ファイバーセンサー25は低速で移動しているため、反射型光ファイバーセンサー25は、投射光31に対する反射光32の光量変化のタイミングを精度良く感知することができる。なお、制御装置37は、予め入力した位置よりも手前の位置における反射型光ファイバーセンサー25からの出力を感知しない(すなわち無視する)ように設定されている。したがって、予め入力した位置を反射型光ファイバーセンサー25が過ぎた時点から、制御装置37は反射型光ファイバーセンサー25からの出力を感知するようになる。結果、載置台5の縁以外にコントラストの変化が発生しない領域を実質的にスキャンしているので、縁ではない部分を反射型光ファイバーセンサー25が誤って縁として検出してしまうことを防ぐことができる。
【0083】
成膜処理中において、載置台5は基板トレイ17に覆われているため、生成物が堆積する可能性は低い。このことから、載置台5に生成物が堆積することによって、載置台5の縁の検出に誤差が生じる問題はない。また、載置台5の縁を検出させることによって、マークまたは基準指標を載置台5に新たに設けることで基板3の温度が不均一になることを防ぐことができる。
【0084】
なお、成膜処理された基板3を搬出した直後のMOCVD装置1内部の温度は、約400℃あり、そこから徐々に下がっている。したがって、常温下にあった基板3が高温のMOCVD装置1内部に搬送されると急激な温度上昇によって、破壊等の問題が発生する場合がある。本実施形態では、載置台の縁近傍において第一の移動機構28が低速で移動している。このため、基板3は徐々に昇温されることになり、破壊等の発生を抑止できる。
【0085】
(基板トレイ17の勘合)
図6は、基板トレイ17を載置台5に勘合させている状態の断面を示す図である。本実施形態における載置台5の直径は115mmである。吸着ヘッド22に保持された状態での基板トレイ17の中心から反射型光ファイバーセンサー25までの距離は80mmである。したがって、載置台5の縁から115/2+80=137.5mmだけ第一の移動機構28を載置台5の方向に移動すると、吸着ヘッド22は載置台5にまで到達する。その後、図6に示すように、高さ方向移動機構27により吸着ヘッド22を載置台5に接近させると、基板トレイ17は載置台5と正確に勘合する。
【0086】
基板トレイ17を載置台5に搬送し、勘合が完了すると、吸着ヘッド22は再び位置決め機構18の位置に移動する。次に搬送すべき基板トレイ17が図示しない搬送装置によって位置決め機構18に搬送されると、吸着ヘッド22は再びそれを保持し搬送する。その際、回転台4を回転させて、第二位置に新たな載置台5を移動させることによって、新たな搬送先とすることができる。こうして、いずれの載置台5を第二位置にまで移動するか選択可能である。
【0087】
本実施形態では、八箇所の載置台5すべてへ基板トレイ17を搬送すると、MOCVD装置1は反応室2を閉じ、成膜処理を開始する。成膜処理が終了すると、上記搬送動作を逆方向に行い、搬出作業を行う。この際、載置台5と基板トレイ17との精密な勘合が必要ないため、反射型光ファイバーセンサー25による載置台5の縁の検出は行わない。
【0088】
本実施形態では、1回の搬送で1個の基板トレイ17を搬送する装置を示したが、1回の搬送で複数個の基板トレイ17を搬送する装置を採用しても良い。
【0089】
(本実施形態の効果)
前述したとおり、本実施形態では、基板トレイ17の搬送をすべて自動化している。また、回転台4を停止した時に停止する角度に誤差が生じてしまっても、その誤差をエンコーダ30が検出するようになっている。その情報に基づいて、基板トレイ搬送装置19を移動させることによって補正できる。さらに、基板トレイ搬送装置19の先端に付けられた反射型光ファイバーセンサー25が載置台5を検出することによって、精度良く基板トレイ17を載置台5の上に載置することができる。同時に、基板トレイ17は高温のMOCVD装置1内に低速で搬送されるため、急な温度上昇による基板3の破壊を防ぐことができる。
【0090】
したがって、本実施形態に係るMOCVD装置1および基板トレイ搬送装置19によって、基板トレイ17を自動的に、なおかつ安定的で高精度に載置台5まで搬送することができる。
【0091】
〔第二の実施形態〕
(複数のセンサーを備えた基板トレイ搬送装置19の概要)
本発明の第二の実施形態に係る基板トレイ搬送装置19について、図7を参照して説明する。図7は、複数の反射型光ファイバーセンサー25を備えた基板トレイ搬送装置19の上面を示す図である。
【0092】
前述した実施形態ではエンコーダ30の出力に基づき補正を行っているが、複数の反射型光ファイバーセンサー25を用いて補正を行っても良い。複数の反射型光ファイバーセンサー25を設けることによって、基板トレイ17を載置すべき載置台5の中心を求めることができる。例として、2つの反射型光ファイバーセンサー25を備えた場合を以下に示す。
【0093】
この場合、図7に示すように、2つの反射型光ファイバーセンサー25は、座標(x,y)33および座標(x,y)34を検出する。これらの座標と、載置台5の半径r35によって、載置台5の中心の座標(x,y)を求めることができる。具体的には、次式(2)および(3)から求める。
【0094】
すなわち、y=0,x=−xとすると、載置台5の中心座標(x,y)は、A=−4×x/y+1、B=√{−4×(x+y/4−r)×(−A)}と置き、結果、
=B/(2×A)……(2)
=y/2−2×(x/y)×x……(3)
が成立する。
【0095】
この場合はエンコーダ30を設置するのを省略できるが、複数の反射型光ファイバーセンサー25を搭載することによって、吸着ヘッド22が大きくなる課題がある。
【0096】
回転台4の回転を制御する機能が十分に高い場合は、前述した回転台4の停止角度の誤差はほとんどない。また、回転台4の慣性モーメントを小さくすることによって停止角度の誤差を十分に小さくできる場合も同様である。これらの場合は、第二の移動機構29、エンコーダ30、および複数の反射型光ファイバーセンサー25を設置することを省略できる。前述した実施形態は、量産を目的とした装置であるため、大型化されており、なおかつ回転台4の慣性モーメントが大きく、停止角度誤差が大きい。そのため、第二の移動機構29とエンコーダ30とを搭載している。
【0097】
したがって、装置を設計する際の環境、または装置を使用する際の環境等によって、適切な装置を選択すると良い。
【0098】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0099】
例えば本発明の搬送装置19は、MOCVD装置およびMBE装置などの成膜装置に限らず、急激な温度上昇のない装置内への被搬送物の搬送にも活用できる。
【0100】
また、反射型光ファイバーセンサー25によって検出される所定位置は、載置台5の縁に限らない。MOCVD装置1において一定のコントラストを有し、かつ載置台5の中心(第二位置)から距離が確定した位置であれば、縁以外の如何なる位置でも良い。そのような条件を満たす位置としては、例えば自転ギヤ6の縁がある。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明に係る成膜装置の搬送装置は、例えば成膜処理を行うMOCVD装置内の載置台に基板を搬送する搬送装置として利用できる。
【符号の説明】
【0102】
1 MOCVD装置
2 反応室
3 基板(被搬送物)
4 回転台
5 載置台
6 自転ギヤ
7 固定ギヤ
8 回転軸
9 モーター
10 ヒーター
11 隔壁
12 配管
13 ガス吹き出し口
14 原料ガス
15 ガス供給器
16 排気経路
17 基板トレイ
18 位置決め機構
19 基板トレイ搬送装置(搬送装置)
20 凹部
21 凸部
22 吸着ヘッド
23 吸着パッド
24 真空配管
25 反射型光ファイバーセンサー(センサー)
26 搬送アーム(把持部)
27 高さ方向移動機構
28 第一の移動機構
29 第二の移動機構
30 エンコーダ
31 投射光
32 反射光
33,34 座標
35 載置台5の半径
36 反射型光ファイバーセンサー間の距離
37 制御装置(減速制御部、検出制御部、移動制御部)
100 従来のMOCVD装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一位置に設置された位置決め機構に配置された被搬送物を、第二位置に設置された載置台に搬送する搬送装置であって、
前記第二位置寄りの先端部にセンサーを有し、かつ、当該センサーから前記第一位置に向かって一定距離置いた位置において前記被搬送物を把持する把持部と、
前記把持部を上下に移動可能な高さ方向移動機構と、
前記把持部を、前記第一位置と前記第二位置との間において移動可能な第一の移動機構と、
前記第二位置からの距離が確定した所定位置に到達する前に前記把持部を減速させるように、前記第一の移動機構を制御する減速制御部と、
前記センサーからの出力に基づき前記所定位置を検出する検出制御部と、
前記検出された所定位置から前記第二位置までの距離と、前記被搬送物から前記センサーまでの距離とを加えた距離だけ、前記所定位置から前記把持部を移動させるように、前記第一の移動機構を制御する移動制御部と、を備えていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記載置台は、回転台上に複数設置されており、回転台を回転させることによっていずれの前記載置台を前記第二位置にまで移動させるか選択可能であり、
前記把持部を、前記高さ方向移動機構および前記第一の移動機構のいずれに対しても直角方向に移動可能な第二の移動機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記回転台は、回転角度を検出する角度センサーを備えており、角度センサーの出力に基づき、前記移動制御部が前記第二の移動機構による前記把持部の移動量を求めることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記把持部は、前記先端部に前記センサーを少なくとも2つ備えており、それらを前記第二の移動機構による前記把持部の移動方向に所定の間隔を持って配置しており、
前記少なくとも2つのセンサーの出力に基づき、前記移動制御部が前記第二の移動機構による前記把持部の移動量を求めることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記被搬送物は、搬送された際に前記載置台を覆う構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記所定位置は、前記載置台の縁であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記センサーは、反射型光ファイバーセンサーであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記載置台は、グラファイト、炭化珪素、または炭化珪素コーティングされたグラファイトのいずれかによって構成されており、
前記載置台の縁よりも第一位置寄りには、窒化ホウ素または、窒化ホウ素と窒化珪素との化合物のいずれかが前記センサーから見て臨めることを特徴とする請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
第一位置に設置された位置決め機構に配置された被搬送物を、第二位置に設置された載置台まで搬送する方法であって、
前記第二位置寄りの先端部にセンサーを有し、かつ、当該センサーから前記第一位置に向かって一定距離置いた位置において前記被搬送物を把持する把持部によって前記被搬送物を把持する工程と、
前記把持部を高さ方向に移動し、前記被搬送物を第一位置から持ち上げる工程と、
第二位置に向かって前記把持部を移動させる工程と、
前記把持部が第二位置までの距離が明らかな所定位置より手前の位置に達すると前記把持部の移動を減速させる工程と、
前記センサーによって前記所定位置を検出する工程と、
前記検出された所定位置から前記第二位置までの距離と、前記被搬送物から前記センサーまでの距離とを加えた距離だけ、前記所定位置から前記把持部を移動し、前記被搬送物を前記把持部から前記載置台に載置する工程と、を備えていることを特徴とする搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−9295(P2011−9295A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148945(P2009−148945)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】