説明

洗浄方法、塗布方法、現像方法及び回転処理装置

【課題】基板の裏面洗浄を確実に行うことができる洗浄方法、塗布方法、現像方法及び回転処理装置を提供する。
【解決手段】一方面に基板1を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面3の面内方向で回転される回転部材21と、前記回転部材21に設けられて洗浄液100を前記基板1の前記回転部材21に保持された保持面2側に供給する洗浄ノズル26と、前記洗浄ノズル26に前記洗浄液100を供給する洗浄液供給部27と、を具備する回転保持治具20を用いて、前記基板1を回転させながら前記洗浄ノズル26から前記基板1の前記保持面2aに前記洗浄液100を供給して、前記基板1の前記保持面2aを洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を洗浄液で洗浄する洗浄方法、基板に塗布液を塗布する塗布方法、基板上で現像を行う現像方法及び基板を回転させながら各種処理を行う回転処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェハーなどの基板の一方面に均一な厚さのレジストを形成する際に、例えば、基板を回転させながら、基板の一方面に塗布液を塗布するスピンコーターが用いられていた。このスピンコーターでは、回転テーブルの回転によってレジスト等の塗布液のミストが発生し、液体が基板の裏面に付着してしまう。このため、チャックによって吸着保持された基板の裏面(保持面)に相対向して、基板の裏面に向かって洗浄液を噴射する裏面洗浄ノズルが設けられたスピンコーター(塗布装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−76814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、基板の保持面側が加工されてデバイスとなっている場合、この保持面のデバイスが設けられた領域を保持することができない。このため、チャックによってデバイスが設けられていない基板の外周側を保持させることで、チャックがデバイスに接触するのを防止することができると共に、チャックによって基板の保持面側のデバイス領域に塗布液等の溶液が付着するのを防止することができるが、チャックによって基板の外周側を保持させたとしても、基板の周縁部は、チャックより外側に突出してしまう。これは、チャックの大きさを、大きさの異なる基板に合わせるには、複数のチャックが必要になると共に、チャックの大きさを基板の大きさに合わせると、基板に塗布した塗布液や現像液などの溶液が、チャックに付着し易く、チャックが溶液によって汚染されてしまうからである。
【0005】
そして、基板の保持された保持面とは反対側の加工面に塗布液等の溶液を塗布すると、チャックよりも外側に突出した基板の保持面や周縁部(側面)などの余分な領域に、溶液が回り込んでしまうという問題がある。
【0006】
このように基板の保持面に付着した溶液は、上述した特許文献1の裏面洗浄ノズルを用いて除去することはできない。これは、裏面洗浄ノズルを用いて基板の裏面洗浄を行う場合、裏面洗浄ノズルの開口を基板のチャックよりも突出した保持面に相対向するように設ける必要があるが、このように設けた裏面洗浄ノズルから噴射された洗浄液が、霧状となって処理面側にも回りこんでしまう虞があるからである。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑み、基板の裏面洗浄を確実に行うことができる洗浄方法、塗布方法、現像方法及び回転処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の態様は、一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、を具備する回転保持治具を用いて、前記基板を回転させながら前記洗浄ノズルから前記基板の前記保持面に前記洗浄液を供給して、前記基板の前記保持面を洗浄することを特徴とする洗浄方法にある。
かかる態様では、洗浄ノズルが回転部材に設けられているため、洗浄液を回転部材の表面を伝わらせて基板の保持面の突出した領域に供給することができる。これにより、洗浄液が霧散するのを抑制して、基板の保持面のみを確実に洗浄することができる。
【0009】
ここで、前記洗浄液供給部が、前記回転部材に設けられて前記洗浄液を貯留する貯留空間であり、前記回転部材を回転させることで、遠心力によって前記洗浄液を前記洗浄ノズルに供給することが好ましい。これによれば、回転部材の回転に伴い、基板への洗浄液の供給及び停止を制御することができるため、供給ポンプや弁機構などの複雑な構成が不要になると共に制御手段等も不要となり、基板の洗浄を容易に簡略化することができる。
【0010】
また、前記洗浄ノズルは、前記回転部材の前記基板を保持する一方面側の側面に開口することが好ましい。これによれば、洗浄ノズルを基板が保持された面に近い側面に開口するように設けることで、洗浄液の余分な飛散を低減して、洗浄液を確実に基板の保持面の突出した領域に供給することができる。
【0011】
本発明の他の態様は、一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、を具備する回転保持治具を用いて、前記基板を回転させながら前記基板の前記保持部とは反対側の塗布面に塗布液を供給して、当該基板の塗布面に塗布液を塗布する塗布工程と、前記基板を回転させながら前記洗浄ノズルから前記基板の前記保持面に前記洗浄液を供給して、前記基板の前記保持面を洗浄する洗浄工程と、を具備することを特徴とする塗布方法にある。
かかる態様では、洗浄ノズルが回転部材に設けられているため、洗浄液を回転部材の表面を伝わらせて基板の保持面の突出した領域に供給することができる。これにより、洗浄液が霧散するのを抑制して、基板の保持面のみを確実に洗浄することができる。したがって、基板の保持面側に回りこんだ塗布液を確実に除去することができる。
【0012】
また、本発明の他の態様は、一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、を具備する回転保持治具を用いて、前記基板を回転させながら前記基板の前記保持部とは反対側の処理面に現像液を供給して、当該基板の前記処理面を現像する現像工程と、前記基板を回転させながら前記洗浄ノズルから前記基板の前記保持面に前記洗浄液を供給して、前記基板の前記保持面を洗浄する洗浄工程と、を具備することを特徴とする現像方法にある。
かかる態様では、洗浄ノズルが回転部材に設けられているため、洗浄液を回転部材の表面を伝わらせて基板の保持面の突出した領域に供給することができる。これにより、洗浄液が霧散するのを抑制して、基板の保持面のみを確実に洗浄することができる。したがって、基板の保持面側に回りこんだ現像液を確実に除去することができる。
【0013】
さらに、本発明の他の態様は、一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、を具備する回転処理装置にある。
かかる態様では、洗浄ノズルが回転部材に設けられているため、洗浄液を回転部材の表面を伝わらせて基板の保持面の突出した領域に供給することができる。これにより、洗浄液が霧散するのを抑制して、基板の保持面のみを確実に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1に係る処理装置の側面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る回転処理装置の要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る回転処理装置の要部を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る回転処理装置の要部を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る回転処理装置の一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る処理装置の側面図であり、図2は、回転処理装置の要部斜視図であり、図3及び図4は、回転処理装置の要部を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の処理装置10は、基板1の一方面である保持面2を保持すると共に保持面2とは反対側の処理面3の面内方向で基板1を回転させる回転処理装置20と、基板1の処理面3に塗布液や現像液などの溶液を供給する溶液供給装置50とを具備する。
【0016】
処理装置10を構成する回転処理装置20は、基板1の処理面3を鉛直方向上側となるように、基板1の保持面2を保持した状態で、基板1を処理面3の面内方向で回転させるものである。
【0017】
具体的には、回転処理装置20を構成する回転部材21は、図2に示すように、円柱形状を有する本体22と、本体22の一端部側に設けられて本体22よりも大きな外径を有する円盤状のチャック部23とを有する。チャック部23は、図1及び図3に示すように、基板1の外径よりも小さな外径を有し、基板1はチャック部23の端面に基板1の周縁部側がチャック部23よりも外側に突出した状態で保持される。
【0018】
また、図1に示すように、回転部材21のチャック部23とは反対側の端面、すなわち本体22の端面には、モーター30の回転軸31が固定され、回転部材21はモーター30の回転軸31を中心として回転駆動される。
【0019】
回転部材21には、図2及び図3に示すように、チャック部23側の端面に開口する凹形状を有する空間である吸引チャンバー24が設けられている。また、回転部材21には、軸方向に亘って貫通して設けられた第1吸引路25が設けられている。この第1吸引路25は、一端部が吸引チャンバー24に連通し、他端部側がモーター30の回転軸31の中心に設けられた第2吸引路32に連通して設けられている。そして、モーター30の回転軸31に設けられた第2吸引路32には、吸引管41を介して吸引ポンプ40が接続されている。すなわち、吸引チャンバー24は、第1吸引路25、第2吸引路32及び吸引管41を介して吸引ポンプ40に接続されており、吸引ポンプ40の吸引によって吸引チャンバー24内の気体が吸引されることで吸引チャンバー24内を負圧として、回転部材21の一方の端面(吸引チャンバー24の開口面)に基板1の保持面2を吸着保持させることができる。
【0020】
なお、チャック部23及び吸引チャンバー24の大きさは、例えば、基板1に複数のデバイスが一体的に形成されている場合には、デバイスが形成されていない周縁部にチャック部23の端面が当接する大きさで設けることが好ましい。このようにチャック部23及び吸引チャンバー24の大きさを規定することで、チャック部23が基板1に当接することによるデバイス領域へのダメージを防止することができると共に、チャック部23によって基板1のデバイス領域を覆うことで、デバイス領域に埃や霧散した溶液・洗浄液などが付着するなどの不具合を抑制することができる。
【0021】
なお、本実施形態では、基板1を回転部材21に吸引吸着することによって保持させるようにしたが、基板1の保持方法は特にこれに限定されず、例えば、基板1を回転部材21に静電気力を利用した静電吸着により保持させるようにしてもよい。
【0022】
また、回転部材21には、洗浄液が流出される洗浄ノズル26が設けられている。本実施形態では、洗浄ノズル26は、チャック部23の側面、すなわち、吸引チャンバー24の開口面とは交差する面に開口するように、チャック部23の外側の周方向に亘って複数設けられている。洗浄ノズル26の大きさ及び数は、特に限定されず、洗浄液の流量や、洗浄液の広がり具合等によって適宜決定すればよい。ただし、洗浄液を基板1のチャック部23よりも突出した保持面2の全面に亘って均一に供給するためには、洗浄ノズル26を回転部材21(チャック部23)の周方向に亘って一定間隔で複数設けるのが好ましい。
【0023】
また、回転部材21には、図3に示すように、内部に洗浄液100が貯留された貯留空間である洗浄液供給部27が設けられている。
【0024】
洗浄液供給部27は、第1吸引路25の外側に周方向に亘って設けられており、鉛直方向上側(チャック部23側)で洗浄ノズル26と連通するように設けられている。
【0025】
このような洗浄液供給部27は、洗浄ノズル26と連通する領域において、回転部材21の外周側の側面が、鉛直方向下側(モーター30側)から鉛直方向上側(チャック部23側)に向かって徐々に外側に向かって反るように湾曲した湾曲面27aとなっている。
【0026】
このような洗浄液供給部27では、回転部材21が回転していない状態では、図3に示すように、洗浄液100は、その自重によって洗浄液供給部27の鉛直方向下側(モーター30側)に溜まる。すなわち、洗浄液供給部27は、回転部材21が停止している状態では、洗浄液100を洗浄ノズル26に供給しない。
【0027】
これに対して、回転部材21がモーター30によって回転駆動されると、図4に示すように、洗浄液供給部27内に貯留された洗浄液100が遠心力によって外周側の側面側に移動する。そして、洗浄液供給部27の外周側の側面側に移動した洗浄液100は、鉛直方向上側に設けられた湾曲面27aに沿って上昇し、洗浄ノズル26に供給される。このように洗浄ノズル26に供給された洗浄液100は、遠心力によって回転部材21の側面(チャック部23の側面)に流出し、基板1の保持面2の回転部材21よりも突出した領域2aに供給される。このように、洗浄液供給部27の鉛直方向上側の側面を、外側に向かって湾曲させた湾曲面27aとするだけで、回転部材21の回転に合わせて、洗浄ノズル26への洗浄液100の供給及び停止(洗浄ノズル26から基板1への洗浄液の供給及び停止)を自動的に切り替えることができる。したがって、洗浄液100を洗浄ノズル26に向かって送るポンプや弁機構などが不要となり、回転処理装置20の構造を簡略化することができると共にコストを低減することができる。
【0028】
なお、洗浄液供給部27への洗浄液100の充填は、例えば、回転部材21が停止している状態で、使用時には閉じている補充孔(図示なし)を介して行うようにすればよい。もちろん、洗浄液供給部27への洗浄液100の供給は、これに限定されず、例えば、モーター30の回転軸31の外側で、洗浄液供給部27と外部の洗浄液貯留部とを接続する洗浄液供給路を設け、洗浄液供給路の途中に設けられた供給ポンプを介して洗浄液貯留部の洗浄液を洗浄液供給部27に供給するようにしてもよい。
【0029】
一方、処理装置10を構成する溶液供給装置50は、回転処理装置20に保持された基板1の処理面3に相対向して設けられたノズル51を具備する。本実施形態では、基板1の処理面3が鉛直方向上向きに設けられているため、ノズル51の開口は、鉛直方向下向きとなるように設けられている。
【0030】
このノズル51には、溶液が貯留された貯留部52が供給管53を介して接続されている。供給管53の途中には、供給ポンプ54が設けられ、供給ポンプ54によって貯留部52の溶液はノズル51に供給される。そして、ノズル51に供給された溶液は、ノズル51から基板1の処理面3に供給される。
【0031】
なお、特に図示していないが、溶液の供給及び停止は、例えば、供給管53の途中に設けられた弁機構などによって行うようにしてもよく、また、弁機構を併せ持つ供給ポンプ54を用いるようにしてもよい。もちろん、溶液の供給及び停止は、供給ポンプ54の作動・停止等によって制御してもよい。また、ノズル51は、特に図示していないが、鉛直方向(基板1との距離)や、水平方向(基板1の処理面3の面内方向)に移動可能に設けてもよい。
【0032】
このような処理装置10では、溶液供給装置50によってレジスト等の塗布液や現像液などの溶液を基板1の処理面3に供給し、回転処理装置20によって基板1を回転させることで、基板1の処理面3に均一な厚さで溶液を塗布することができる(塗布工程又は現像工程)。また、回転処理装置20による基板1の回転に伴い、上述のように基板1の保持面2のチャック部23から突出した領域2aに洗浄液100を供給して洗浄を行う(洗浄工程)。これにより、基板1の処理面3の溶液が保持面2や側面などの余分な領域に回りこんだとしても、洗浄液100によって余分な領域に付着した溶液を確実に除去することができる。
【0033】
また、本実施形態の回転処理装置20では、基板1を回転させながら、洗浄ノズル26から洗浄液100を流出させて、洗浄液100を、回転部材21の表面を伝わらせて、基板1の保持面2のチャック部から突出した領域2a及び側面に供給するため、洗浄液100が基板1の処理面3に回りこむのを抑制することができる。ちなみに、例えば、洗浄液100が噴射される独立した裏面洗浄ノズルを、開口が基板1の保持面2に相対向するように設けると、裏面洗浄ノズルから噴射された洗浄液100が、霧状となって処理面3側にも回りこんでしまう。すなわち、本実施形態では、回転部材21に洗浄ノズル26を設けることで、洗浄液100を回転部材21の表面を伝わらせて供給することができるため、洗浄液100が霧散するのを低減して、洗浄液が基板1の処理面3に付着するのを抑制することができる。
【0034】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係る回転処理装置の一部断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0035】
本実施形態の回転処理装置20Aの回転部材21Aは、本体22とチャック部23とを具備し、内部には、チャック部23の側面に開口する洗浄ノズル26と、洗浄ノズル26に連通すると共に、モーター30側の端面に開口する第1洗浄液供給路28とを具備する。
【0036】
また、回転部材21Aのモーター30側の端面には、モーター30の回転軸31の外側に摺動部60が設けられている。摺動部60は、中空形状を有する環状部材からなり、内部に第2洗浄液供給路61を有する。摺動部60は、回転することなく固定されて設けられており、内部に設けられた第2洗浄液供給路61が回転部材21Aの第1洗浄液供給路28と連通した状態で、回転部材21Aのモーター30側の端面と摺動するように設けられている。ちなみに、回転部材21Aと摺動部60との間にはシール部材(図示しない)が設けられており、シール部材によって、第1洗浄液供給路28と第2洗浄液供給路61との間から洗浄液が漏出するのを抑制している。
【0037】
また、摺動部60の第2洗浄液供給路61には、洗浄液供給管62を介して洗浄液貯留部63が接続されている。そして、洗浄液供給管62の途中には、供給ポンプ64が設けられ、供給ポンプ64によって洗浄液貯留部63の洗浄液が、洗浄液供給管62、第2洗浄液供給路61及び第1洗浄液供給路28を介して洗浄ノズル26に供給される。
【0038】
すなわち、本実施形態の洗浄ノズル26に洗浄液を供給する洗浄液供給部は、第1洗浄液供給路28、第2洗浄液供給路61、洗浄液供給管62、洗浄液貯留部63及び供給ポンプ64で構成されていることになる。
【0039】
なお、特に図示していないが、洗浄液の供給及び停止は、例えば、洗浄液供給管62の途中に設けられた弁機構などによって行うようにしてもよく、また、弁機構を併せ持つ供給ポンプ64を用いるようにしてもよい。もちろん、洗浄液の供給及び停止は、供給ポンプ64の作動・停止等によって制御してもよい。また、洗浄ノズル26の開口近傍に、回転部材21Aの回転による遠心力によって開閉する弁機構を設けるようにしてもよい。ちなみに、回転部材21Aの回転による遠心力によって開閉する弁機構は、上述した実施形態1の回転部材21にも設けることができる。
【0040】
このような回転処理装置20Aによれば、上述した実施形態1と同様に、基板1を回転させながら、洗浄ノズル26から洗浄液を流出させて、洗浄液100を、回転部材21Aの表面を伝わらせて、基板1の保持面2のチャック部23から突出した領域2aに供給するため、洗浄液が基板1の処理面3に回りこむのを抑制することができる。
【0041】
また、回転処理装置20Aは、上述した実施形態1と同様に、基板1の裏面(保持面2)を洗浄する洗浄、基板1の処理面3に溶液を塗布する塗布、基板1の処理面3に露光液を供給して露光する露光などに用いることができる。
【0042】
なお、本実施形態の回転処理装置20Aでは、回転部材21Aの回転の連動することなく、洗浄ノズル26から洗浄液の流出の開始・停止を制御できるため、塗布液や現像液など溶液を塗布する塗布工程(現像工程)と、洗浄液100によって洗浄する洗浄工程とを別工程で容易に行うこともできる。もちろん、上述した実施形態1においても、洗浄液供給部27内の洗浄液100を空にした状態で回転させれば、塗布工程(現像工程)のみを行うことができるため、塗布工程(現像工程)と洗浄工程とを別工程で行うことができる。
【0043】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2では、回転処理装置20、20Aは、基板1の処理面3を鉛直方向上側に向かって保持した状態で、保持面2の洗浄を行うようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、回転処理装置20、20Aは、基板1の処理面3を鉛直方向下側に向かって保持した状態で、保持面2の洗浄を行うようにしてもよい。すなわち、塗布工程(現像工程)では、回転処理装置20、20Aが、基板1の処理面3を鉛直方向上側に向かって保持し、洗浄工程では回転処理装置20、20Aの上下を反転させることで基板1の処理面3を鉛直方向下側に向かって保持させるようにしてもよい。もちろん、塗布工程(現像工程)においても、溶液を基板1の処理面3に付着させた後であれば、基板1の処理面3を鉛直方向下側に向かって保持した状態で、基板1を回転させて、溶液の厚さを均一にさせるようにしてもよい。また、基板1を保持した際の処理面3の方向は、鉛直方向上下に限定されず、水平方向であってもよい。
【0044】
また、上述した実施形態1及び2では、洗浄液100が基板1の保持面2の突出された領域2aに供給されると説明したが、基板1は回転部材21、21Aによって回転されているため、実際には、保持面2の突出した領域2aに供給された洗浄液100は、基板1の処理面3と保持面2との間の側面にも供給される。これにより、基板1の側面に付着した溶液を洗浄液によって除去することができ、ハンドリング時や後工程などで、側面に付着した溶液による汚染を抑制することができる。
【0045】
また、上述した実施形態1及び2では、洗浄ノズル26が、回転部材21、21A(チャック部23)の側面に開口するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、洗浄ノズルがチャック部23のモーター30側の面に開口してもよく、また、回転部材21、21Aに基板1側に向かう面があれば、その面に開口してもよい。何れの場合であっても、洗浄ノズル26を回転部材21、21Aに設けることで、洗浄液100を回転部材21、21Aの表面を伝わらせて基板1に供給することができる。ただし、上述した実施形態1及び2のように、洗浄ノズル26を、基板1を保持した面(吸引チャンバー24が開口する面)に近い側面に開口するように設けることで、洗浄液100の余分な飛散を低減して、洗浄液100を確実に基板1の保持面2の突出した領域2aに供給することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 基板、 2 保持面、 3 処理面、 10 処理装置、 20、20A 回転処理装置、 21、21A 回転部材、 26 洗浄ノズル、 27 洗浄液供給部、 30 モーター、 40 吸引ポンプ、 50 溶液供給装置、 54、64 供給ポンプ、 100 洗浄液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、
前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
を具備する回転保持治具を用いて、
前記基板を回転させながら前記洗浄ノズルから前記基板の前記保持面に前記洗浄液を供給して、前記基板の前記保持面を洗浄することを特徴とする洗浄方法。
【請求項2】
前記洗浄液供給部が、前記回転部材に設けられて前記洗浄液を貯留する貯留空間であり、前記回転部材を回転させることで、遠心力によって前記洗浄液を前記洗浄ノズルに供給することを特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
【請求項3】
前記洗浄ノズルは、前記回転部材の前記基板を保持する一方面側の側面に開口することを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄方法。
【請求項4】
一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、
前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
を具備する回転保持治具を用いて、
前記基板を回転させながら前記基板の前記保持部とは反対側の塗布面に塗布液を供給して、当該基板の塗布面に塗布液を塗布する塗布工程と、
前記基板を回転させながら前記洗浄ノズルから前記基板の前記保持面に前記洗浄液を供給して、前記基板の前記保持面を洗浄する洗浄工程と、を具備することを特徴とする塗布方法。
【請求項5】
一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、
前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
を具備する回転保持治具を用いて、
前記基板を回転させながら前記基板の前記保持部とは反対側の処理面に現像液を供給して、当該基板の前記処理面を現像する現像工程と、
前記基板を回転させながら前記洗浄ノズルから前記基板の前記保持面に前記洗浄液を供給して、前記基板の前記保持面を洗浄する洗浄工程と、を具備することを特徴とする現像方法。
【請求項6】
一方面に基板を周縁部が突出した状態で保持すると共に、前記一方面の面内方向で回転される回転部材と、
前記回転部材に設けられて洗浄液を前記基板の前記回転部材に保持された保持面側に供給する洗浄ノズルと、
前記洗浄ノズルに前記洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
を具備する回転処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−194474(P2010−194474A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43566(P2009−43566)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】