説明

過フッ化アミド塩及びイオン伝導物質としてのその使用方法

【課題】イオン伝導物質として働くイオン化合物を提供する。
【解決手段】このイオン化合物においては、アニオン性の装填物が非局在化されている。化合物は、アミド又はその塩の一つを含んでおり、該アミド又は塩は、少なくとも1つのカチオン部分Mmと結合されたアニオン部分を全体的な電子的な中性を確保するに十分な数だけ含んでいる。化合物は、更に、ヒドロキソニウムとしてのM、ニトロソニウムNO、アンモニウム−NH、イオン化mを有する金属カチオン、イオン化mを有する有機金属カチオン、あるいは、イオン化mを有する有機金属カチオンを含んでいる。アニオン部分は、組成式R−SO−N−Zに一致し、Rは、過フッ化基であり、xは、1又は2であり、Zは、電子吸引性の置換基である。化合物は、イオン伝導物質、電子伝導物質、着色剤、及び、種々の化学反応の触媒として使用することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒中に溶解したイオン化合物を含むイオン伝導物質であって、前記イオン化合物が、電子的な中性を与えるに十分な数の少なくとも1つのカチオン部分Mm+に関連するアニオン部分を含むアミド又はその塩から成り、Mm+は、ヒドロキソニウム(hydroxonium)、ニトロソニウムNO、アンモニウム−NH、イオン価mを有する金属カチオン、イオン価mを有する有機カチオン、又は、イオン価mを有する有機金属カチオンであり、前記アニオン部分は、式R−SO−NZに対応し、
前記基−SO−は、スルホニル基−SO−又はスルフィニル基−SO−を表し、
は、ハロゲン、又は1〜12個の炭素原子を有する過ハロゲン化アルキル基、又は1〜12個の炭素原子を有する過ハロゲン化アルキルアリール基であり、
Zは、フェニル遊離基のハメット(Hammett)パラメータに少なくとも等しいハメットパラメータを有する電子吸引遊離基を表し、
前記電子吸引遊離基は、以下の遊離基:
j)−CN、−NO、−SCN、−N、−CF、R’CH−(R’は、過フッ化遊離基であり、好ましくはCF−である)、フルオロアルキルオキシ遊離基、フルオロアルキルチオキシ遊離基;
jj)窒素、酸素、硫黄又はリンの原子を少なくとも一つ含む1又は複数の芳香核を含む遊離基(前記核は、縮合核であるか及び/又は前記核は、少なくとも1つの置換基を有し、該置換基は、ハロゲン、−CN、−NO、−SCN、−N、−CF、CFCH−、CF=CF−O−、CF=CF−S−、過フルオロアルキル基、フルオロアルキルオキシ基、フルオロアルキルチオキシ基、アルキル、アルケニル、オキサ−アルキル、オキサ−アルケニル、アザ−アルキル、アザ−アルケニル、チア−アルキル、チア−アルケニル遊離基、ポリマー遊離基、少なくとも1つのカチオン選択性基及び/又は少なくとも1つのアニオン選択性基から成る群から選択される)
から選択され、
但し、置換基Zは、一価遊離基、複数の基R−SO−N−を有する多価遊離基、あるいは、ポリマーセグメントとすることができる、前記イオン伝導物質。
【請求項2】
前記有機カチオンは、R(オキソニム)、NR(アンモニウム)、RC(NHR(アミジニウム)、C(NHR(グアニジニウム)、C(ピリジニウム)、C(イミダゾリウム)、C(イミダゾリニウム)、C(トリアゾリウム)、SR(スルホニウム)、PR(ホスホニウム)、IR(ヨードニウム)、(C(カルボニウム)カチオンから成る群から選択されたオニウムであり、前記遊離基Rは、Hあるいは以下の遊離基:
− アルキル、アルケニル、オキサ−アルキル、オキサ−アルケニル、アザ−アルキル、アザ−アルケニル、チア−アルキル、チア−アルケニル、シラ−アルキル、シラ−アルケニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルケニルアリール遊離基、ジアルキルアミノ遊離基、及び、ジアルキルアゾ遊離基;
− 窒素、酸素、硫黄の如きヘテロ原子を含む少なくとも1つの側鎖を有する環式又は複素環式遊離基;
− 芳香核にヘテロ原子を含む環式又は複素環式遊離基;
− 窒素、酸素、硫黄又はリンの原子を少なくとも一つ含む、縮合型又は非縮合型の複数の芳香族又は複素環式の核を含む基
から成る群から選択された遊離基をそれぞれ表し、
但し、複数の遊離基Rは一緒になって、カチオン電荷を有する中心を包囲する脂肪族又は芳香族のサイクル(環)を形成することができる、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項3】
前記カチオン性オニウムは遊離基Zの一部であることを特徴とする、請求項2記載のイ
オン伝導物質。
【請求項4】
前記オニウムカチオンはポリマーの反復単位の一部であることを特徴とする、請求項2記載のイオン伝導物質。
【請求項5】
は、少なくとも1つのアルキル化された窒素原子を環に含む芳香族の性質を有するカチオン性複素環であることを特徴とする、請求項2記載のイオン伝導物質。
【請求項6】
前記カチオンは、イミダゾリウム、トリアゾリウム、ピリジニウム、4−ジメチル−アミノ−ピリジニウムであり、前記カチオンは、環の炭素原子に置換基を有していることを特徴とする、請求項5記載のイオン伝導物質。
【請求項7】
前記カチオンMは、−N=N−,−N=N結合を有する基、スルホニウム基、ヨードニウム基、あるいは、置換型又は非置換型のポリマーの網目構造に含まれるアレーン−フェロセンカチオンであることを特徴とする、請求項2記載のイオン伝導物質。
【請求項8】
前記カチオンは、ジアリールヨードニウムカチオン、ジアルキルアリールヨードニウムカチオン、トリアリールスルホニウムカチオン、トリアルキルアリールスルホニウムカチオン、あるいは、置換型又は非置換型のフェナシル−ジアルキルスルホニウムカチオンであることを特徴とする、請求項2記載のイオン伝導物質。
【請求項9】
前記カチオンはポリマー鎖の一部であることを特徴とする、請求項8記載のイオン伝導物質。
【請求項10】
Mは、2,2’[アゾビス(2,2’−イミダゾリニオ−2−イル)プロパン]2+又は2,2’−アゾビス(2−アミジニオプロパン)2+を含む有機カチオンであることを特徴とする、請求項2記載のイオン伝導物質。
【請求項11】
前記カチオンMは、アルカリ金属のカチオン、アルカリ土類金属のカチオン、遷移金属のカチオン、三価金属のカチオン、稀土類金属のカチオン、及び、有機金属のカチオンから成る群から選択された金属カチオンであることを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項12】
前記カチオンは、フェロセン、チタノセン、ジルコノセンから誘導されたカチオン、インデノセニウムカチオン、アレーンメタロセニウムカチオン、キラリティーを有するリン化水素のタイプの配位子と錯合された遷移金属のカチオン、原子又は原子団に共有結合された1又はそれ以上のアルキル基又はアリール基を有する有機金属カチオンから成る群から選択されたメタロセニウムであり、前記カチオンは、ポリマー鎖の一部とすることができることを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項13】
Zはポリマー鎖の反復単位であることを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項14】
前記置換基Zは、−OC2n+1、−OCH、−SC2n+1、及び、−SCH、−OCF=CF、−SCF=CF(nは、1から8の整数である)から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項15】
Zは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、オキサジアゾール又はチアジアゾールから誘導された、フッ化された又はフッ化されていない複素環を含むことを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項16】
前記溶媒は、直鎖エーテル、及び、環式のエーテル、エステル、ニトリル、ニトロ誘導体、アミド、スルホン、スルホラン、スルファミド、並びに、部分的にハロゲン化された炭化水素;又は、極性ポリマー、あるいは、これらの混合物から選択された非プロトン性液体溶媒であることを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項17】
前記溶媒は、移植されたイオン基を有することのできる架橋型又は非架橋型のポリマーであることを特徴とする、請求項16記載のイオン伝導物質。
【請求項18】
前記溶媒和しているポリマーは、直鎖構造、櫛歯又はブロックのポリエーテルから選択され、該ポリエーテルは、ポリ(エチレンオキシド)、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はアリルグリシジルエーテル単量体、ポリホスファジンに基づく網目構造、イソシアネートと架橋されたポリエチレングリコールに基づく架橋網目構造、重縮合によって得られ、架橋可能な基、及び、幾つかのブロックがレドックス特性を有する官能基を担持しているブロックコポリマーを含むことを可能にする基を有しているポリマー網目構造を形成することができることを特徴とする、請求項17記載のイオン伝導物質。
【請求項19】
前記溶媒は、非プロトン性液体溶媒と、硫黄、酸素、窒素及びフッ素から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む単量体から成る極性ポリマー溶媒とから構成されることを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項20】
前記極性ポリマーは、主として、アクリロニトリル、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリドン又はメタクリル酸メチルから誘導された単量体を含むことを特徴とする、請求項19記載のイオン伝導物質。
【請求項21】
少なくとも1つの第2の塩を含むことを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項22】
粉末又は繊維の形態の鉱物又は有機装填物を含むことを特徴とする、請求項1記載のイオン伝導物質。
【請求項23】
負極と正極とを備え、これら負極及び正極が共に電解質によって分離されている、電気化学的な発電装置であって、前記電解質が、請求項1〜22のいずれかに記載の物質であることを特徴とする、電気化学的な発電装置。
【請求項24】
前記負極は、金属リチウム又はその合金、場合によっては酸化リチウムの中のナノメートル単位の分散体の形態としてのリチウム、あるいは、二窒化リチウム及び遷移金属、あるいは、一般式Li1+y+x/3Ti2−x/3(0≦x≦1,0≦y≦1)を有する低電位酸化物、若しくは、炭素及び有機物質の熱分解から生ずる炭素生成物から構成されることを特徴とする、請求項23記載の電気化学的な発電装置。
【請求項25】
前記正極は、酸化バナジウムVO(2≦x≦2.5)、LiV、LiNi1−xCO(0≦x≦1;0≦y≦1)、マンガンのスピネルLiMnl−x(M=Cr、Al、V、Ni、0≦x≦0;0≦y≦2)、有機ポリジスルフィドFeS、FeS、硫酸鉄Fe(SO、オリビン構造を有する鉄及びリチウムのリン酸塩及びリン珪酸塩、又は、鉄がマンガンによって置換された単独又は混合して使用される置換型の生成物から選択されることを特徴とする、請求項23記載の電気化学的な発電装置。
【請求項26】
前記カソードの集電子がアルミニウムから形成されていることを特徴とする、請求項23記載の電気化学的な発電装置。
【請求項27】
大きな比表面積を有する少なくとも1つの炭素電極、あるいは、レドックスポリマーを含む電極を用いたスーパーキャパシタンスであって、電解質が、請求項1〜22のいずれかに記載の物質であることを特徴とする、スーパーキャパシタンス。
【請求項28】
電解質が請求項1〜22のいずれかに記載の物質であること、を特徴とするエレクトロクローム装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−242401(P2009−242401A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120239(P2009−120239)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【分割の表示】特願平10−529518の分割
【原出願日】平成9年12月30日(1997.12.30)
【出願人】(597164909)イドロ−ケベック (30)
【氏名又は名称原語表記】Hydro−Quebec
【出願人】(500356876)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シャンティフィク (9)
【Fターム(参考)】