Ge微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板
【課題】 基板上に、成長の核となる微結晶を作製し、その粒径と密度を制御し、大粒径多結晶Si薄膜を作製できるGe微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板を提供する。
【解決手段】 電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に固相成長法により島状に独立したGe微結晶を形成し、次いで酸素エッチングによってGe微結晶の粒径と密度とを、300〜600℃の範囲のエッチング温度とエッチング時間とで制御する。前記基板の上に粒径が1〜40nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置した。
【解決手段】 電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に固相成長法により島状に独立したGe微結晶を形成し、次いで酸素エッチングによってGe微結晶の粒径と密度とを、300〜600℃の範囲のエッチング温度とエッチング時間とで制御する。前記基板の上に粒径が1〜40nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Ge微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板に係わり、更に詳しくは液晶表示パネルや太陽電池等の大面積デバイスを作成するための多結晶Si薄膜を成長させることが可能なGe微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶駆動用薄膜トランジスタ(TFT)や薄膜太陽電池などに代表される、いわゆる薄膜エレクトロニクスデバイス技術は、従来のLSIなどの高機能集約型のデバイスと異なり、一つ一つのデバイスの大きさが従来のデバイスと比較すると102〜104倍も大きいことを特徴としている。これらのデバイスは、アモルファスSiを用いて最初に実用化され、現在は、これらの高品位・低コスト化を実現する次世代デバイスの研究・開発が活発に進められている。この次世代デバイスの技術課題は、デバイスそのものというよりもむしろ、材料作製技術にあるといえる。
【0003】
実際、大面積デバイスに現在用いられているアモルファスSiや次世代材料として期待される多結晶Siの作製にはガラスなどの安価な基板を用いる必要から、600℃以下の低温で材料が作製でき、さらに大面積にわたる均一性、量産性、ならびに経済性を同時に満たすことが強く求められている。
【0004】
従来から、基板上に粒径が大きな多結晶Si膜を形成する方法は種々提案されている。例えば、特許文献1には、基板上に形成した多結晶Si薄膜に、その上に形成したドット状マスクパターンをマスクとしてSiイオンを注入してアモルファスSi層を形成し、前記ドット状マスクパターン下の前記多結晶Si薄膜を再結晶核としてアモルファスSi層を固相成長させる方法が開示されている。しかし、この方法では、マスキング工程とイオン注入工程が必要となって製造効率が悪く、またコスト高となる。
【0005】
また、特許文献2には、300℃以上に保たれた基板上にSi原子を含む分子を照射して所定間隔でSi結晶核を形成した後、300℃以下の基板温度でアモルファスSiを堆積し、それから基板温度を350〜800℃に保って前記Si結晶核を種結晶としてアモルファスSiを固相成長させる方法が開示されている。この方法は、Si原子を含む分子を所定間隔毎に照射しなければならないので、大面積の多結晶Si薄膜を形成することは実用上困難である。また、特許文献3には、熱酸化膜を有する基板上に形成温度630℃でシランガスを反応させて島状のSi単結晶を形成し、この結晶核の上にアモルファスSi層を形成し、熱処理により結晶核を種結晶としてアモルファスSi層を結晶化させる方法が開示されている。しかし、この方法では、最初に形成される結晶核の間隔、つまり密度に対して制御性がなく、目的の密度で結晶核を形成することが困難である。
【0006】
これまで、大面積デバイス用多結晶Siの作製には、アモルファスSiのレーザアニール法や熱結晶化法(固相成長法)、低温での気相成長法(CVD法)が検討されている。中でも、レーザアニール法はデバイスに適用可能な高品質な多結晶Siを作製できることから、現在最も有望な技術として実用化が始まっている(特許文献4)。しかし、この方法では、CVD法によるアモルファスSiの堆積、脱水素熱処理、レーザアニールによるSi結晶化という3段階のプロセスとなることに加えて、用いるレーザの安定性とパワーが限られるため、均一に処理可能な材料のサイズに制限があること、装置の初期投資や維持のために経済的負担が大きいなどの問題を抱えている。
【0007】
CVD技術による多結晶Siの低温成長については、低温CVD技術として最も期待されるプラズマCVD法においてすら、実用に耐える材料の作製という点では、現在までのところ成功していない。これは、CVD技術による大面積デバイス用多結晶Siの堆積の本質的な課題が堆積温度の低温化にあるのではなく、ガラスなどのアモルファス基板上に、いかに結晶性の良い材料の堆積を実現するかという点に起因するからである。堆積された多結晶膜には基板から表面へ向かって、結晶性に不均一性が見られる。これは、基板で膜の堆積が進むにつれて、結晶のもとになる核の形成が始まり、最終的にこの核が結晶粒へ成長していくことによるものである。このため、結晶性のよい多結晶膜を得ようとすると、ある程度膜厚を厚くする必要がある。言い換えると、この不均一性のために良好な結晶性をもつ極薄膜を得ることは困難である。これが、100nm以下の高い結晶性をもつ極薄膜が必要なTFTに適用できない理由である。さらに、太陽電池などの縦型デバイスへの適用も極めて困難となる。
【特許文献1】特公平7−52715号公報
【特許文献2】特開平5−109617号公報
【特許文献3】特開平5−166729号公報
【特許文献4】特開平11−87730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この問題の本質的な解決は、i)アモルファス基板上の結晶核形成制御、ii)結晶核の結晶粒への成長という2つのプロセスを独立に制御することができる技術を確立することにある。理想的にいえば、結晶核を基板上に密度と位置を制御して形成でき、その結晶核を選択的に結晶粒へと成長できる技術ということになる。
【0009】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板等の基板上に、成長の核となる微結晶を作製し、その粒径と密度を制御し、大粒径多結晶Si薄膜を作製できるGe微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、前述の課題解決のために、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に固相成長法により島状に独立したGe微結晶を形成し、次いで酸素エッチングによってGe微結晶の粒径と密度とを、300〜600℃の範囲のエッチング温度とエッチング時間とで制御してなるGe微結晶核付き基板の作製方法を構成した。
【0011】
ここで、前記固相成長法は、前記基板の上に真空蒸着により形成した厚さ1〜100nmのアモルファスGe薄膜を、アニール温度が200〜600℃、アニール時間が1分〜12時間の真空アニールによって微結晶化するものである。
【0012】
更に、前記エッチング温度を300〜600℃の範囲で一定とし、エッチング時間を調整してGe微結晶の粒径と密度とを制御することが好ましい。更に、酸素エッチングのエッチング温度は、350〜400℃の範囲がより好ましい。
【0013】
そして、前記Ge微結晶の粒径を1〜500nm、密度を1×105〜1×1011個/cm2としてなることが好ましく、更に前記Ge微結晶の粒径を1〜40nm、密度を1×105〜1×107個/cm2としてなることがより好ましいのである。
【0014】
そして、本発明は、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に粒径が1〜500nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×1011個/cm2となるように分散配置したGe微結晶核付きガラス基板を提供する。ここで、前記基板の上に粒径が1〜40nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置することがより好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる本発明のGe微結晶核付き基板の作製方法は、結晶核を形成するための元素としてGeを選択したことにより、600℃以下の低温プロセスが可能となる。これは、Geの融点(945℃)はSi(1416℃)よりも低いからである。また、Geは、GeOが熱的に不安定であるため、低温で酸素によるエッチングが可能であり、それによりGe微結晶の粒径と密度を制御することができ、具体的には、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板等の基板の上に粒径が小さく、密度が疎な微結晶を配列させることができる。そして、Geの結晶構造はSiと同じであるので、Si結晶と同様に結晶成長の核となると考えられ、液晶表示パネルや太陽電池等の大面積デバイスを作成するための多結晶Si薄膜を成長させることができる。これは、アモルファスSiの固相成長時にGeは核として働くことが示され、またCVD法により形成される多結晶Si薄膜の結晶粒径は、Geの添加により拡大することが示されていることから確認されている。また、Ge上のSiのCVD成長速度はSiO2上に比べて桁違いに速く、選択CVD成長が生ずることが示されていることから確認されている。
【0016】
また、本発明のGe微結晶核付き基板は、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に粒径が1〜500nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×1011個/cm2となるように分散配置し、特にGe微結晶の粒径が1〜40nm、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置し、それをSi成長の結晶核として用いると、数μm以上の大粒径多結晶Si薄膜を作製できると予想され、それを液晶表示パネル等に用いるTFT用多結晶Si薄膜として利用することができ、また太陽電池を作製した場合には、粒界でのキャリア再結合ロスの影響が少なくなり、発電効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のGe微結晶核付き基板の作製方法の概念図を図1に示した。本発明では、Ge微結晶核作製手順として、2段階のプロセスを行った。まず、i)固相成長法により基板上にGe微結晶を作製する(図1(a)参照)。ii)次にi)により作製したGe微結晶を酸素エッチングして、Ge微結晶の粒径を小さく、密度を疎に制御する(図1(b)参照)。以下、それぞれのプロセスを簡単に示す。
【0018】
図1(a)に示すように、固相成長法では、室温においてガラス基板1にアモルファスGe層2を真空蒸着により形成し、その後アニールを行う。アニール中にアモルファスGeは結晶化するが、Geとガラスの界面エネルギーが非常に大きいため、Ge結晶は自己組織化的に粒状化する。この時、Ge膜厚、アニール温度、アニール時間をそれぞれ変化させ、作製されたGe微結晶3,…の粒径、密度を評価した。固相成長法における真空アニール条件を表1に示す。基板には、TFT液晶用ガラス基板であるCorning#1737ガラス、石英ガラス、熱酸化膜付きSiウェーハ、又はSiO2膜付きCorning#1737ガラスを用いる。いずれの基板の場合も、500℃以下の処理温度では、ほぼ同様の結果が得られているため、ここでは、Corning#1737ガラスを用いた場合の結果を示す。石英ガラス、熱酸化膜付きSiウェーハの場合には、耐熱温度が高いため、600℃以上の高温での短時間処理も可能である。
【0019】
【表1】
【0020】
一般に、固相成長法により作製したGe微結晶は、密度が疎になる条件では粒径が拡大し、粒径が小さい条件では、密度が高くなる。そこで、図1(b)に示すように、固相成長法により、密度が疎になる条件で形成された比較的大きなGe微結晶3を、酸素雰囲気中でアニールすることによってエッチングを行い、粒径の縮小を行った。エッチング温度、エッチング時間、酸素分圧をそれぞれ変化させ、形成されるGe微結晶3の粒径と密度を測定することにより、最適なエッチング条件を検討した。また、エッチング後のGe微結晶の結晶性を、透過電子顕微鏡観察(TEM)により評価した。Ge微結晶の粒径、密度の測定には、AFMを用いた。酸素エッチングにおける実験条件を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
固相成長によってガラス基板上に作製されたGe微粒子の粒径、密度、結晶性について、膜厚、アニール温度、およびアニール時間に対する依存性を図2および表3にまとめた。また、各アニール時間におけるAFM像(3.5×3.5μm2スケール)、TEM像および電子線回折像を図3に示す。なお、電子線回折像は、直径500nmの制限視野絞りを用いて、出来る限りGe微粒子一つの回折パターンを観察した。
【0023】
【表3】
【0024】
ここで、図3の上段のAFM像から、アニール時間と共にGeが粒状化し、また粒が粗大化して行くことがわかる。図3の下段の電子線回折像から、アニール時間8時間の場合、Ge粒の部分は単結晶であることが分かる。1時間の場合には、多結晶的になっているが、粒径が制限視野絞りの大きさ500nm以下と小さいため、個々の結晶は単結晶であると考えられる。4時間の場合には、ほぼ単結晶であるが、1時間の場合と同様の理由で、数個の結晶粒によるパターンとなっている。また、12時間の場合には、粒径が大きくなって、複数個の多結晶となっている。これらのことから、ガラス基板上で結晶化したGe微結晶は、粒径が約500nm以下であれば、単結晶であると考えられる。さらに、8時間以下の場合、TEM像においてGe粒の周辺に薄いコントラストが観察されるが、これは未だ結晶化していないアモルファスGe膜であると考えられる。アニール時間が12時間になると、結晶化は終了していることが分かる。
【0025】
以上から、ガラス基板上におけるGe膜の固相成長様式は次のように考えられる。ガラス基板上に成膜されたアモルファスGe層をアニールすると、まずGe結晶核が発生し、結晶微粒子は周りのアモルファスGe層を取り込んで成長して行く。Ge結晶とガラス基板表面間の界面エネルギーは非常に大きく、Ge結晶はガラスと濡れにくいため、層状から粒状に変化して行く。アニールとともに、Ge微結晶は、周辺のアモルファスGeを取り込んで成長し、周囲のアモルファスGeが無くなってガラス基板表面が露出すると、Ge微結晶の成長が止まる。これは、Ge膜表面上のGe原子の拡散係数は十分大きいのに対して、ガラス基板表面上のGe原子の拡散係数は、非常に小さいことを示している。
【0026】
表3から、全ての実験パラメータにおいて、ガラス基板上にGe微結晶を作製することはできるが、その粒径を小さくすると同時に、密度を疎にする条件は無いことが分かる。したがって、真空アニールだけでGe微粒子の粒径と密度を独立して制御することは不可能である。
【0027】
そこで、固相成長法で作製したガラス基板上のGe微結晶について、真空アニールと酸素エッチングによって、その粒径と密度を制御することを目的とした。これによって、Ge微結晶の粒径を小さく、密度を疎に制御することができれば、大粒径多結晶Si薄膜作製用のGe微結晶核付きガラス基板表面が作製できると考えられる。
【0028】
これまでのGe(111)基板の酸化に関する研究や、酸化Si基板上のGeのエピタキシャル成長に関する研究から、GeOは330〜360℃で基板からガス分子として脱離することが報告されている。すなわち、酸素雰囲気中アニールによって、酸化されたGeはGeOとして熱脱離するため、Geは酸素エッチングされると期待される。GeOの脱離温度はGeの酸素エッチングを行なう上で重要な意味を持つ。
【0029】
そこで、15×15mm2の酸化したSi基板にGeを蒸着した(膜厚50nm)試料を、600℃まで昇温して昇温脱離スペクトル(Thermal Desorption Spectrum; TDS)を測定した。結果を図4に示す。なおGeの同位体は表4に示すように5つある。本実施形態で用いたTDS装置は、1度の測定に8つの質量数しか測定できないので、存在率の高い質量数70、72、74のGeを選択し、GeOとGeO2のピークを測定した。
【0030】
【表4】
【0031】
図4をみると、330℃から350℃付近でGeOの脱離ピークの存在が確認できる。ピークは非常に小さいが、Geの存在率の大きさと、図4のそれぞれの同位体におけるピークの高さの順番が一致しており、これはノイズではなくGeOが330℃から350℃付近で脱離していることによると判断できる。これに対しGeO2のピークは確認できず、600℃までの昇温ではGeO2としては脱離しないと考えられる。
【0032】
以上より、酸素雰囲気中で、Ge微結晶が存在するガラス基板をアニールすると、330℃以下ではGe微結晶に酸素が付着して酸化されるが、330℃以上ではGe微結晶に付着した酸素原子がGeOとして脱離し、Ge結晶は図5のようにエッチングされると考えられる。
【0033】
前述の試験結果から、Geの酸素エッチングには、GeOが脱離する温度が影響するため、エッチング時の試料温度が重要であることがわかった。そこで、エッチング温度を変化させた時の、Ge微結晶の粒径と密度の変化を調べた。実験条件を表5に示す。
【0034】
【表5】
【0035】
酸素エッチングしたGe微結晶の粒径と密度を評価するため、基板温度を250〜450℃でエッチングした時のガラス基板上のGe微結晶をAFM(3.5×3.5μm2スケール)で観察した。なお、図6は、エッチング前およびエッチング温度250、300、350、400℃の場合の結果を示し、AFM像の縦軸のスケールの最大は200nmで全て統一している。
【0036】
図6のAFM像から、エッチング温度が250、300℃の時は、Ge微粒子は縮小せず、むしろ若干粗大化しているのに対し、350℃以上の時は、Ge微結晶は小さくなり、密度が疎になっていることが確認できる。また、エッチング温度を高くすると、より粒径が小さくなっている様子がわかる。これは、エッチング温度を高くすると、Geの酸化、脱離反応がより活性化されるためと考えられる。AFM像から各エッチング温度におけるGe微結晶の平均粒径と密度を算出した結果を図7に示す。図7を見ると、エッチング温度250、300℃では、Ge粒径と密度共にほとんど変化していないが、350℃から共に線形的に減少しているのが確認できる。
【0037】
次に、エッチング時間を変化させた時の、Ge微結晶の粒径と密度の変化を調べた。実験条件を表6に示す。
【0038】
【表6】
【0039】
酸素エッチングしたGe微結晶の粒径と密度を評価するため、エッチング時間を0.25、0.5、0.75、1.0hにした場合のガラス基板上のGe微結晶をAFM(3.5×3.5μm2スケール)で観察した。その結果を図8に示す。なお、AFM像の縦軸のスケールは最大200nmで全て統一している。
【0040】
図8のAFM像から、エッチング時間を長くすると、Ge微結晶の粒径が小さく、密度が低下して行くのが確認でき、1.0hでほぼGe微結晶が無くなっていることがわかる。このAFM像から各エッチング時間におけるGe微結晶の平均粒径と密度を算出した結果を図9に示す。
【0041】
図9を見ると、エッチング時間を長くすると、Ge微結晶の平均粒径と密度が共に線形的に減少していることが確認できる。これは、酸素がGe微結晶を一様にエッチングしていることを示している。表6の実験条件でエッチングした時のエッチングレートを、グラフの傾きから算出すると、約4.3nm/minであった。
【0042】
また、酸素分圧を(0.01〜1.0)×10-4Torrの範囲での範囲で変化させて実験を行った結果、酸素分圧を高くするにつれ、GeOの脱離が若干促進されることが分かったが、温度や時間の影響に比べ、変化は極微小であった。よって、十分にエッチングできる条件として、酸素分圧は1.0×10-5Torrが適当であると考えられる。
【0043】
次に、酸素エッチングがGe微結晶の結晶性に与える影響を調べるため、TEMにより観察した。実験条件を表7に、結果を図10に示す。なお、AFM像のスケールは、エッチング前の試料は3.5×3.5μm2、エッチング後は1.0×1.0μm2としている。また、縦軸のスケールは最大200nmで全て統一している。
【0044】
【表7】
【0045】
図10から、0.25h、0.50hエッチングした場合共に、電子線回折像は結晶性の良いシャープな回折パターンを示している。このことから、酸素エッチング後のGe微結晶は、単結晶であることが確認された。
【0046】
最後に、大粒径Si薄膜作製用Ge核付きガラス基板を作製した。TFT用多結晶Si薄膜としては、Si結晶粒径は数μm以上が必要とされる。また、太陽電池用としては、粒界でのキャリア再結合ロスの影響を抑えるためには、膜厚の数倍程度の粒径が必要とされる。そこで、Ge微結晶核の平均間隔として数μm程度を目指した。また、単結晶であるためには、粒径は500nm以下とすれば良いが、Si結晶薄膜作製用の核として用いるためには、出来る限り小さいほうが良いと考えられる。そこで、十分安定な核として、数10nm程度とすることを目標とした。
【0047】
前述したように、ガラス基板上に固相成長法により作製したGe微結晶について、粒径および密度の温度、時間、酸素分圧依存性を調べた結果、どのエッチング条件でも粒径と密度を小さくできる傾向を示した。ここでは、各実験条件に対して、以下に示す点を考慮に入れて酸素エッチング条件を定め、粒径と密度が共に小さいGe微結晶をガラス基板上に作製した。
i)酸素エッチング温度は、GeOが脱離すること、ガラス基板の耐熱性を考慮して、350℃〜400℃が適切と考えられる。
ii)酸素分圧を変化させることによるGe微結晶の粒径、密度の変化はあまりなかった。酸素流量は少ない方が良いので、酸素分圧は1.0×10-5Torrが適切と考えられる。
iii)酸素エッチング時間は、他の2条件のような制約を受けないので、エッチング時間を変化させて、Ge微結晶の粒径、密度を制御することが望ましいと考えられる。
【0048】
作製条件を表8に、得られたGe微結晶のAFM像(10×10μm2スケール)を図11に示す。
【0049】
【表8】
【0050】
図11から、ガラス基板表面上に、粒径と密度が共に小さいGe微結晶が作製されていることが確認できる。このGe微結晶の平均粒径は40nm、密度は1×107個/cm2、平均間隔は3.5μmであった。この試料をSi成長の核として用いると、平均粒径約3.5μmのSi多結晶膜を作製できる。
【0051】
最後に、本発明のGe微結晶核付きガラス基板を用いた大粒径多結晶Si薄膜の作製方法を説明する。本発明の方法においては、基本的に同一反応チャンバー内を用いて、雰囲気ガスの切替えを行えば、あとは、基板温度と加熱時間の調整だけでプロセスを最後まで行うことが出来る。例えば、成膜に熱CVD法を用いる場合、ガラス基板を成膜室にセットした後、i) 低温でGeH4を原料ガスとしてアモルファスGeを成膜し、ii) 真空あるいは不活性雰囲気中で、Ge微結晶粒形成アニールを行う、iii) 酸素雰囲気でエッチングを行い、核密度と大きさを制御する、iv) SiH4あるいはSi2H6を原料ガスとし、Geを核とした多結晶Si薄膜の選択成長を行うか(図12(a)参照)、あるいはアモルファスSiの成長とアニールによる固相再結晶化処理を行う(図12(b)参照)、という簡単かつ生産的な方法で、大粒径多結晶Si薄膜4の作製が可能となる。
【0052】
図12(a)に示すCVD法による多結晶Si薄膜の選択成長を簡単に説明する。SiH4あるいはSi2H6を原料ガスとした熱CVD法あるいはプラズマCVD法により、本研究で作製したGe微結晶核付きガラス基板1上に多結晶Siを成長させる。SiのCVD成長速度は、Ge結晶あるいはSi結晶上に比べて、ガラス基板1上では数桁遅いため、Ge核を中心としたSi結晶の選択成長が起きる。Si結晶粒は3次元的に成長するが、Ge核から成長したSi結晶粒が、隣の核から成長したSi結晶粒とぶつかる所で結晶粒界が生じる。最終的には、Ge微結晶核の平均間隔と同程度の粒径の多結晶Si薄膜4が形成される。
【0053】
図12(b)に示すアモルファスSiの固相再結晶化を簡単に説明する。アモルファスSi薄膜は、ある温度以上に加熱されると結晶化する。結晶核がない場合には、核形成と成長により結晶化が進行するが、そのときの活性化エネルギーは、核形成の活性化エネルギーが成長のそれに比べて格段に大きく、核形成のための潜伏期間は非常に長い。したがって、Ge微結晶核付きガラス基板1上に堆積したアモルファスSi薄膜5を、ある程度低温でアニールすると、Ge核以外で核生成することなく、Ge核の部分のみからSiの結晶化が進み、隣の核から成長したSi結晶粒とぶつかる所で結晶粒界が生じる。最終的には、Ge微結晶核の平均間隔と同程度の粒径の多結晶Si薄膜が形成される。
【0054】
これまで、アモルファスSi薄膜上に、SiO2膜を堆積し、リソグラフィーによりSiO2膜に開口パターンを作製し、その部分にGeを選択成長させて核とする方法が報告されている。Ge核の部分からSiが結晶化し横方向へ成長することが確認されている。この方法では、SiO2膜の堆積とリソグラフィーの工程が必要であるのに対し、本発明のGe微結晶核付きガラス基板を用いれば、同一チャンバーで基板の出し入れなしのプロセスが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のGe微結晶核付きガラス基板の作製方法の概念図であり、(a)は固相成長プロセス、(b)は酸素エッチングプロセスである。
【図2】Ge粒径、密度の膜厚、温度およびアニール時間依存性のグラフである。
【図3】アニール時間依存性を示し、上段はAFM像、下段は電子線回折像およびTEM像である。
【図4】TDS測定結果を示すグラフである。
【図5】温度の違いによる(a)Geの酸化と(b)エッチングを示す模式図である。
【図6】エッチング温度を変化させたときのAFM像である。
【図7】Ge粒径(a)および密度(b)のエッチング温度依存性を示すグラフである。
【図8】エッチング時間を変化させたときのAFM像である。
【図9】Ge粒径(a)、密度(b)のエッチング時間依存性を示すグラフである。
【図10】エッチング後のGe微結晶を示し、上段はAFM像、下段は電子線回折像及びTEM像である。
【図11】表8の条件で酸素エッチング後のガラス基板上Ge微結晶のAFM像である。
【図12】Ge微結晶核付きガラス基板を用いた多結晶Si薄膜の作製方法を示し、(a)はCVD法による多結晶Si薄膜の選択成長の概念図、(b)はアモルファスSiの固相再結晶化の概念図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ガラス基板
2 アモルファスGe層
3 Ge微結晶
4 大粒径多結晶Si薄膜
5 アモルファスSi薄膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、Ge微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板に係わり、更に詳しくは液晶表示パネルや太陽電池等の大面積デバイスを作成するための多結晶Si薄膜を成長させることが可能なGe微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶駆動用薄膜トランジスタ(TFT)や薄膜太陽電池などに代表される、いわゆる薄膜エレクトロニクスデバイス技術は、従来のLSIなどの高機能集約型のデバイスと異なり、一つ一つのデバイスの大きさが従来のデバイスと比較すると102〜104倍も大きいことを特徴としている。これらのデバイスは、アモルファスSiを用いて最初に実用化され、現在は、これらの高品位・低コスト化を実現する次世代デバイスの研究・開発が活発に進められている。この次世代デバイスの技術課題は、デバイスそのものというよりもむしろ、材料作製技術にあるといえる。
【0003】
実際、大面積デバイスに現在用いられているアモルファスSiや次世代材料として期待される多結晶Siの作製にはガラスなどの安価な基板を用いる必要から、600℃以下の低温で材料が作製でき、さらに大面積にわたる均一性、量産性、ならびに経済性を同時に満たすことが強く求められている。
【0004】
従来から、基板上に粒径が大きな多結晶Si膜を形成する方法は種々提案されている。例えば、特許文献1には、基板上に形成した多結晶Si薄膜に、その上に形成したドット状マスクパターンをマスクとしてSiイオンを注入してアモルファスSi層を形成し、前記ドット状マスクパターン下の前記多結晶Si薄膜を再結晶核としてアモルファスSi層を固相成長させる方法が開示されている。しかし、この方法では、マスキング工程とイオン注入工程が必要となって製造効率が悪く、またコスト高となる。
【0005】
また、特許文献2には、300℃以上に保たれた基板上にSi原子を含む分子を照射して所定間隔でSi結晶核を形成した後、300℃以下の基板温度でアモルファスSiを堆積し、それから基板温度を350〜800℃に保って前記Si結晶核を種結晶としてアモルファスSiを固相成長させる方法が開示されている。この方法は、Si原子を含む分子を所定間隔毎に照射しなければならないので、大面積の多結晶Si薄膜を形成することは実用上困難である。また、特許文献3には、熱酸化膜を有する基板上に形成温度630℃でシランガスを反応させて島状のSi単結晶を形成し、この結晶核の上にアモルファスSi層を形成し、熱処理により結晶核を種結晶としてアモルファスSi層を結晶化させる方法が開示されている。しかし、この方法では、最初に形成される結晶核の間隔、つまり密度に対して制御性がなく、目的の密度で結晶核を形成することが困難である。
【0006】
これまで、大面積デバイス用多結晶Siの作製には、アモルファスSiのレーザアニール法や熱結晶化法(固相成長法)、低温での気相成長法(CVD法)が検討されている。中でも、レーザアニール法はデバイスに適用可能な高品質な多結晶Siを作製できることから、現在最も有望な技術として実用化が始まっている(特許文献4)。しかし、この方法では、CVD法によるアモルファスSiの堆積、脱水素熱処理、レーザアニールによるSi結晶化という3段階のプロセスとなることに加えて、用いるレーザの安定性とパワーが限られるため、均一に処理可能な材料のサイズに制限があること、装置の初期投資や維持のために経済的負担が大きいなどの問題を抱えている。
【0007】
CVD技術による多結晶Siの低温成長については、低温CVD技術として最も期待されるプラズマCVD法においてすら、実用に耐える材料の作製という点では、現在までのところ成功していない。これは、CVD技術による大面積デバイス用多結晶Siの堆積の本質的な課題が堆積温度の低温化にあるのではなく、ガラスなどのアモルファス基板上に、いかに結晶性の良い材料の堆積を実現するかという点に起因するからである。堆積された多結晶膜には基板から表面へ向かって、結晶性に不均一性が見られる。これは、基板で膜の堆積が進むにつれて、結晶のもとになる核の形成が始まり、最終的にこの核が結晶粒へ成長していくことによるものである。このため、結晶性のよい多結晶膜を得ようとすると、ある程度膜厚を厚くする必要がある。言い換えると、この不均一性のために良好な結晶性をもつ極薄膜を得ることは困難である。これが、100nm以下の高い結晶性をもつ極薄膜が必要なTFTに適用できない理由である。さらに、太陽電池などの縦型デバイスへの適用も極めて困難となる。
【特許文献1】特公平7−52715号公報
【特許文献2】特開平5−109617号公報
【特許文献3】特開平5−166729号公報
【特許文献4】特開平11−87730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この問題の本質的な解決は、i)アモルファス基板上の結晶核形成制御、ii)結晶核の結晶粒への成長という2つのプロセスを独立に制御することができる技術を確立することにある。理想的にいえば、結晶核を基板上に密度と位置を制御して形成でき、その結晶核を選択的に結晶粒へと成長できる技術ということになる。
【0009】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板等の基板上に、成長の核となる微結晶を作製し、その粒径と密度を制御し、大粒径多結晶Si薄膜を作製できるGe微結晶核付き基板の作製方法及びGe微結晶核付き基板を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明は、前述の課題解決のために、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に固相成長法により島状に独立したGe微結晶を形成し、次いで酸素エッチングによってGe微結晶の粒径と密度とを、300〜600℃の範囲のエッチング温度とエッチング時間とで制御してなるGe微結晶核付き基板の作製方法を構成した。
【0011】
ここで、前記固相成長法は、前記基板の上に真空蒸着により形成した厚さ1〜100nmのアモルファスGe薄膜を、アニール温度が200〜600℃、アニール時間が1分〜12時間の真空アニールによって微結晶化するものである。
【0012】
更に、前記エッチング温度を300〜600℃の範囲で一定とし、エッチング時間を調整してGe微結晶の粒径と密度とを制御することが好ましい。更に、酸素エッチングのエッチング温度は、350〜400℃の範囲がより好ましい。
【0013】
そして、前記Ge微結晶の粒径を1〜500nm、密度を1×105〜1×1011個/cm2としてなることが好ましく、更に前記Ge微結晶の粒径を1〜40nm、密度を1×105〜1×107個/cm2としてなることがより好ましいのである。
【0014】
そして、本発明は、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に粒径が1〜500nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×1011個/cm2となるように分散配置したGe微結晶核付きガラス基板を提供する。ここで、前記基板の上に粒径が1〜40nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置することがより好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上にしてなる本発明のGe微結晶核付き基板の作製方法は、結晶核を形成するための元素としてGeを選択したことにより、600℃以下の低温プロセスが可能となる。これは、Geの融点(945℃)はSi(1416℃)よりも低いからである。また、Geは、GeOが熱的に不安定であるため、低温で酸素によるエッチングが可能であり、それによりGe微結晶の粒径と密度を制御することができ、具体的には、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板等の基板の上に粒径が小さく、密度が疎な微結晶を配列させることができる。そして、Geの結晶構造はSiと同じであるので、Si結晶と同様に結晶成長の核となると考えられ、液晶表示パネルや太陽電池等の大面積デバイスを作成するための多結晶Si薄膜を成長させることができる。これは、アモルファスSiの固相成長時にGeは核として働くことが示され、またCVD法により形成される多結晶Si薄膜の結晶粒径は、Geの添加により拡大することが示されていることから確認されている。また、Ge上のSiのCVD成長速度はSiO2上に比べて桁違いに速く、選択CVD成長が生ずることが示されていることから確認されている。
【0016】
また、本発明のGe微結晶核付き基板は、電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に粒径が1〜500nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×1011個/cm2となるように分散配置し、特にGe微結晶の粒径が1〜40nm、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置し、それをSi成長の結晶核として用いると、数μm以上の大粒径多結晶Si薄膜を作製できると予想され、それを液晶表示パネル等に用いるTFT用多結晶Si薄膜として利用することができ、また太陽電池を作製した場合には、粒界でのキャリア再結合ロスの影響が少なくなり、発電効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のGe微結晶核付き基板の作製方法の概念図を図1に示した。本発明では、Ge微結晶核作製手順として、2段階のプロセスを行った。まず、i)固相成長法により基板上にGe微結晶を作製する(図1(a)参照)。ii)次にi)により作製したGe微結晶を酸素エッチングして、Ge微結晶の粒径を小さく、密度を疎に制御する(図1(b)参照)。以下、それぞれのプロセスを簡単に示す。
【0018】
図1(a)に示すように、固相成長法では、室温においてガラス基板1にアモルファスGe層2を真空蒸着により形成し、その後アニールを行う。アニール中にアモルファスGeは結晶化するが、Geとガラスの界面エネルギーが非常に大きいため、Ge結晶は自己組織化的に粒状化する。この時、Ge膜厚、アニール温度、アニール時間をそれぞれ変化させ、作製されたGe微結晶3,…の粒径、密度を評価した。固相成長法における真空アニール条件を表1に示す。基板には、TFT液晶用ガラス基板であるCorning#1737ガラス、石英ガラス、熱酸化膜付きSiウェーハ、又はSiO2膜付きCorning#1737ガラスを用いる。いずれの基板の場合も、500℃以下の処理温度では、ほぼ同様の結果が得られているため、ここでは、Corning#1737ガラスを用いた場合の結果を示す。石英ガラス、熱酸化膜付きSiウェーハの場合には、耐熱温度が高いため、600℃以上の高温での短時間処理も可能である。
【0019】
【表1】
【0020】
一般に、固相成長法により作製したGe微結晶は、密度が疎になる条件では粒径が拡大し、粒径が小さい条件では、密度が高くなる。そこで、図1(b)に示すように、固相成長法により、密度が疎になる条件で形成された比較的大きなGe微結晶3を、酸素雰囲気中でアニールすることによってエッチングを行い、粒径の縮小を行った。エッチング温度、エッチング時間、酸素分圧をそれぞれ変化させ、形成されるGe微結晶3の粒径と密度を測定することにより、最適なエッチング条件を検討した。また、エッチング後のGe微結晶の結晶性を、透過電子顕微鏡観察(TEM)により評価した。Ge微結晶の粒径、密度の測定には、AFMを用いた。酸素エッチングにおける実験条件を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
固相成長によってガラス基板上に作製されたGe微粒子の粒径、密度、結晶性について、膜厚、アニール温度、およびアニール時間に対する依存性を図2および表3にまとめた。また、各アニール時間におけるAFM像(3.5×3.5μm2スケール)、TEM像および電子線回折像を図3に示す。なお、電子線回折像は、直径500nmの制限視野絞りを用いて、出来る限りGe微粒子一つの回折パターンを観察した。
【0023】
【表3】
【0024】
ここで、図3の上段のAFM像から、アニール時間と共にGeが粒状化し、また粒が粗大化して行くことがわかる。図3の下段の電子線回折像から、アニール時間8時間の場合、Ge粒の部分は単結晶であることが分かる。1時間の場合には、多結晶的になっているが、粒径が制限視野絞りの大きさ500nm以下と小さいため、個々の結晶は単結晶であると考えられる。4時間の場合には、ほぼ単結晶であるが、1時間の場合と同様の理由で、数個の結晶粒によるパターンとなっている。また、12時間の場合には、粒径が大きくなって、複数個の多結晶となっている。これらのことから、ガラス基板上で結晶化したGe微結晶は、粒径が約500nm以下であれば、単結晶であると考えられる。さらに、8時間以下の場合、TEM像においてGe粒の周辺に薄いコントラストが観察されるが、これは未だ結晶化していないアモルファスGe膜であると考えられる。アニール時間が12時間になると、結晶化は終了していることが分かる。
【0025】
以上から、ガラス基板上におけるGe膜の固相成長様式は次のように考えられる。ガラス基板上に成膜されたアモルファスGe層をアニールすると、まずGe結晶核が発生し、結晶微粒子は周りのアモルファスGe層を取り込んで成長して行く。Ge結晶とガラス基板表面間の界面エネルギーは非常に大きく、Ge結晶はガラスと濡れにくいため、層状から粒状に変化して行く。アニールとともに、Ge微結晶は、周辺のアモルファスGeを取り込んで成長し、周囲のアモルファスGeが無くなってガラス基板表面が露出すると、Ge微結晶の成長が止まる。これは、Ge膜表面上のGe原子の拡散係数は十分大きいのに対して、ガラス基板表面上のGe原子の拡散係数は、非常に小さいことを示している。
【0026】
表3から、全ての実験パラメータにおいて、ガラス基板上にGe微結晶を作製することはできるが、その粒径を小さくすると同時に、密度を疎にする条件は無いことが分かる。したがって、真空アニールだけでGe微粒子の粒径と密度を独立して制御することは不可能である。
【0027】
そこで、固相成長法で作製したガラス基板上のGe微結晶について、真空アニールと酸素エッチングによって、その粒径と密度を制御することを目的とした。これによって、Ge微結晶の粒径を小さく、密度を疎に制御することができれば、大粒径多結晶Si薄膜作製用のGe微結晶核付きガラス基板表面が作製できると考えられる。
【0028】
これまでのGe(111)基板の酸化に関する研究や、酸化Si基板上のGeのエピタキシャル成長に関する研究から、GeOは330〜360℃で基板からガス分子として脱離することが報告されている。すなわち、酸素雰囲気中アニールによって、酸化されたGeはGeOとして熱脱離するため、Geは酸素エッチングされると期待される。GeOの脱離温度はGeの酸素エッチングを行なう上で重要な意味を持つ。
【0029】
そこで、15×15mm2の酸化したSi基板にGeを蒸着した(膜厚50nm)試料を、600℃まで昇温して昇温脱離スペクトル(Thermal Desorption Spectrum; TDS)を測定した。結果を図4に示す。なおGeの同位体は表4に示すように5つある。本実施形態で用いたTDS装置は、1度の測定に8つの質量数しか測定できないので、存在率の高い質量数70、72、74のGeを選択し、GeOとGeO2のピークを測定した。
【0030】
【表4】
【0031】
図4をみると、330℃から350℃付近でGeOの脱離ピークの存在が確認できる。ピークは非常に小さいが、Geの存在率の大きさと、図4のそれぞれの同位体におけるピークの高さの順番が一致しており、これはノイズではなくGeOが330℃から350℃付近で脱離していることによると判断できる。これに対しGeO2のピークは確認できず、600℃までの昇温ではGeO2としては脱離しないと考えられる。
【0032】
以上より、酸素雰囲気中で、Ge微結晶が存在するガラス基板をアニールすると、330℃以下ではGe微結晶に酸素が付着して酸化されるが、330℃以上ではGe微結晶に付着した酸素原子がGeOとして脱離し、Ge結晶は図5のようにエッチングされると考えられる。
【0033】
前述の試験結果から、Geの酸素エッチングには、GeOが脱離する温度が影響するため、エッチング時の試料温度が重要であることがわかった。そこで、エッチング温度を変化させた時の、Ge微結晶の粒径と密度の変化を調べた。実験条件を表5に示す。
【0034】
【表5】
【0035】
酸素エッチングしたGe微結晶の粒径と密度を評価するため、基板温度を250〜450℃でエッチングした時のガラス基板上のGe微結晶をAFM(3.5×3.5μm2スケール)で観察した。なお、図6は、エッチング前およびエッチング温度250、300、350、400℃の場合の結果を示し、AFM像の縦軸のスケールの最大は200nmで全て統一している。
【0036】
図6のAFM像から、エッチング温度が250、300℃の時は、Ge微粒子は縮小せず、むしろ若干粗大化しているのに対し、350℃以上の時は、Ge微結晶は小さくなり、密度が疎になっていることが確認できる。また、エッチング温度を高くすると、より粒径が小さくなっている様子がわかる。これは、エッチング温度を高くすると、Geの酸化、脱離反応がより活性化されるためと考えられる。AFM像から各エッチング温度におけるGe微結晶の平均粒径と密度を算出した結果を図7に示す。図7を見ると、エッチング温度250、300℃では、Ge粒径と密度共にほとんど変化していないが、350℃から共に線形的に減少しているのが確認できる。
【0037】
次に、エッチング時間を変化させた時の、Ge微結晶の粒径と密度の変化を調べた。実験条件を表6に示す。
【0038】
【表6】
【0039】
酸素エッチングしたGe微結晶の粒径と密度を評価するため、エッチング時間を0.25、0.5、0.75、1.0hにした場合のガラス基板上のGe微結晶をAFM(3.5×3.5μm2スケール)で観察した。その結果を図8に示す。なお、AFM像の縦軸のスケールは最大200nmで全て統一している。
【0040】
図8のAFM像から、エッチング時間を長くすると、Ge微結晶の粒径が小さく、密度が低下して行くのが確認でき、1.0hでほぼGe微結晶が無くなっていることがわかる。このAFM像から各エッチング時間におけるGe微結晶の平均粒径と密度を算出した結果を図9に示す。
【0041】
図9を見ると、エッチング時間を長くすると、Ge微結晶の平均粒径と密度が共に線形的に減少していることが確認できる。これは、酸素がGe微結晶を一様にエッチングしていることを示している。表6の実験条件でエッチングした時のエッチングレートを、グラフの傾きから算出すると、約4.3nm/minであった。
【0042】
また、酸素分圧を(0.01〜1.0)×10-4Torrの範囲での範囲で変化させて実験を行った結果、酸素分圧を高くするにつれ、GeOの脱離が若干促進されることが分かったが、温度や時間の影響に比べ、変化は極微小であった。よって、十分にエッチングできる条件として、酸素分圧は1.0×10-5Torrが適当であると考えられる。
【0043】
次に、酸素エッチングがGe微結晶の結晶性に与える影響を調べるため、TEMにより観察した。実験条件を表7に、結果を図10に示す。なお、AFM像のスケールは、エッチング前の試料は3.5×3.5μm2、エッチング後は1.0×1.0μm2としている。また、縦軸のスケールは最大200nmで全て統一している。
【0044】
【表7】
【0045】
図10から、0.25h、0.50hエッチングした場合共に、電子線回折像は結晶性の良いシャープな回折パターンを示している。このことから、酸素エッチング後のGe微結晶は、単結晶であることが確認された。
【0046】
最後に、大粒径Si薄膜作製用Ge核付きガラス基板を作製した。TFT用多結晶Si薄膜としては、Si結晶粒径は数μm以上が必要とされる。また、太陽電池用としては、粒界でのキャリア再結合ロスの影響を抑えるためには、膜厚の数倍程度の粒径が必要とされる。そこで、Ge微結晶核の平均間隔として数μm程度を目指した。また、単結晶であるためには、粒径は500nm以下とすれば良いが、Si結晶薄膜作製用の核として用いるためには、出来る限り小さいほうが良いと考えられる。そこで、十分安定な核として、数10nm程度とすることを目標とした。
【0047】
前述したように、ガラス基板上に固相成長法により作製したGe微結晶について、粒径および密度の温度、時間、酸素分圧依存性を調べた結果、どのエッチング条件でも粒径と密度を小さくできる傾向を示した。ここでは、各実験条件に対して、以下に示す点を考慮に入れて酸素エッチング条件を定め、粒径と密度が共に小さいGe微結晶をガラス基板上に作製した。
i)酸素エッチング温度は、GeOが脱離すること、ガラス基板の耐熱性を考慮して、350℃〜400℃が適切と考えられる。
ii)酸素分圧を変化させることによるGe微結晶の粒径、密度の変化はあまりなかった。酸素流量は少ない方が良いので、酸素分圧は1.0×10-5Torrが適切と考えられる。
iii)酸素エッチング時間は、他の2条件のような制約を受けないので、エッチング時間を変化させて、Ge微結晶の粒径、密度を制御することが望ましいと考えられる。
【0048】
作製条件を表8に、得られたGe微結晶のAFM像(10×10μm2スケール)を図11に示す。
【0049】
【表8】
【0050】
図11から、ガラス基板表面上に、粒径と密度が共に小さいGe微結晶が作製されていることが確認できる。このGe微結晶の平均粒径は40nm、密度は1×107個/cm2、平均間隔は3.5μmであった。この試料をSi成長の核として用いると、平均粒径約3.5μmのSi多結晶膜を作製できる。
【0051】
最後に、本発明のGe微結晶核付きガラス基板を用いた大粒径多結晶Si薄膜の作製方法を説明する。本発明の方法においては、基本的に同一反応チャンバー内を用いて、雰囲気ガスの切替えを行えば、あとは、基板温度と加熱時間の調整だけでプロセスを最後まで行うことが出来る。例えば、成膜に熱CVD法を用いる場合、ガラス基板を成膜室にセットした後、i) 低温でGeH4を原料ガスとしてアモルファスGeを成膜し、ii) 真空あるいは不活性雰囲気中で、Ge微結晶粒形成アニールを行う、iii) 酸素雰囲気でエッチングを行い、核密度と大きさを制御する、iv) SiH4あるいはSi2H6を原料ガスとし、Geを核とした多結晶Si薄膜の選択成長を行うか(図12(a)参照)、あるいはアモルファスSiの成長とアニールによる固相再結晶化処理を行う(図12(b)参照)、という簡単かつ生産的な方法で、大粒径多結晶Si薄膜4の作製が可能となる。
【0052】
図12(a)に示すCVD法による多結晶Si薄膜の選択成長を簡単に説明する。SiH4あるいはSi2H6を原料ガスとした熱CVD法あるいはプラズマCVD法により、本研究で作製したGe微結晶核付きガラス基板1上に多結晶Siを成長させる。SiのCVD成長速度は、Ge結晶あるいはSi結晶上に比べて、ガラス基板1上では数桁遅いため、Ge核を中心としたSi結晶の選択成長が起きる。Si結晶粒は3次元的に成長するが、Ge核から成長したSi結晶粒が、隣の核から成長したSi結晶粒とぶつかる所で結晶粒界が生じる。最終的には、Ge微結晶核の平均間隔と同程度の粒径の多結晶Si薄膜4が形成される。
【0053】
図12(b)に示すアモルファスSiの固相再結晶化を簡単に説明する。アモルファスSi薄膜は、ある温度以上に加熱されると結晶化する。結晶核がない場合には、核形成と成長により結晶化が進行するが、そのときの活性化エネルギーは、核形成の活性化エネルギーが成長のそれに比べて格段に大きく、核形成のための潜伏期間は非常に長い。したがって、Ge微結晶核付きガラス基板1上に堆積したアモルファスSi薄膜5を、ある程度低温でアニールすると、Ge核以外で核生成することなく、Ge核の部分のみからSiの結晶化が進み、隣の核から成長したSi結晶粒とぶつかる所で結晶粒界が生じる。最終的には、Ge微結晶核の平均間隔と同程度の粒径の多結晶Si薄膜が形成される。
【0054】
これまで、アモルファスSi薄膜上に、SiO2膜を堆積し、リソグラフィーによりSiO2膜に開口パターンを作製し、その部分にGeを選択成長させて核とする方法が報告されている。Ge核の部分からSiが結晶化し横方向へ成長することが確認されている。この方法では、SiO2膜の堆積とリソグラフィーの工程が必要であるのに対し、本発明のGe微結晶核付きガラス基板を用いれば、同一チャンバーで基板の出し入れなしのプロセスが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明のGe微結晶核付きガラス基板の作製方法の概念図であり、(a)は固相成長プロセス、(b)は酸素エッチングプロセスである。
【図2】Ge粒径、密度の膜厚、温度およびアニール時間依存性のグラフである。
【図3】アニール時間依存性を示し、上段はAFM像、下段は電子線回折像およびTEM像である。
【図4】TDS測定結果を示すグラフである。
【図5】温度の違いによる(a)Geの酸化と(b)エッチングを示す模式図である。
【図6】エッチング温度を変化させたときのAFM像である。
【図7】Ge粒径(a)および密度(b)のエッチング温度依存性を示すグラフである。
【図8】エッチング時間を変化させたときのAFM像である。
【図9】Ge粒径(a)、密度(b)のエッチング時間依存性を示すグラフである。
【図10】エッチング後のGe微結晶を示し、上段はAFM像、下段は電子線回折像及びTEM像である。
【図11】表8の条件で酸素エッチング後のガラス基板上Ge微結晶のAFM像である。
【図12】Ge微結晶核付きガラス基板を用いた多結晶Si薄膜の作製方法を示し、(a)はCVD法による多結晶Si薄膜の選択成長の概念図、(b)はアモルファスSiの固相再結晶化の概念図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ガラス基板
2 アモルファスGe層
3 Ge微結晶
4 大粒径多結晶Si薄膜
5 アモルファスSi薄膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に固相成長法により島状に独立したGe微結晶を形成し、次いで酸素エッチングによってGe微結晶の粒径と密度とを、300〜600℃の範囲のエッチング温度とエッチング時間とで制御してなるGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項2】
前記固相成長法は、前記基板の上に真空蒸着により形成した厚さ1〜100nmのアモルファスGe薄膜を、アニール温度が200〜600℃、アニール時間が1分〜12時間の真空アニールによって微結晶化するものである請求項1記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項3】
前記エッチング温度を300〜600℃の範囲で一定とし、エッチング時間を調整してGe微結晶の粒径と密度とを制御してなる請求項1又は2記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項4】
前記Ge微結晶の粒径を1〜500nm、密度を1×105〜1×1011個/cm2としてなる請求項1〜3何れかに記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項5】
前記Ge微結晶の粒径を1〜40nm、密度を1×105〜1×107個/cm2としてなる請求項1〜3何れかに記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項6】
電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に粒径が1〜500nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×1011個/cm2となるように分散配置したことを特徴とするGe微結晶核付き基板。
【請求項7】
前記基板の上に粒径が1〜40nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置した請求項6記載のGe微結晶核付き基板。
【請求項1】
電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に固相成長法により島状に独立したGe微結晶を形成し、次いで酸素エッチングによってGe微結晶の粒径と密度とを、300〜600℃の範囲のエッチング温度とエッチング時間とで制御してなるGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項2】
前記固相成長法は、前記基板の上に真空蒸着により形成した厚さ1〜100nmのアモルファスGe薄膜を、アニール温度が200〜600℃、アニール時間が1分〜12時間の真空アニールによって微結晶化するものである請求項1記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項3】
前記エッチング温度を300〜600℃の範囲で一定とし、エッチング時間を調整してGe微結晶の粒径と密度とを制御してなる請求項1又は2記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項4】
前記Ge微結晶の粒径を1〜500nm、密度を1×105〜1×1011個/cm2としてなる請求項1〜3何れかに記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項5】
前記Ge微結晶の粒径を1〜40nm、密度を1×105〜1×107個/cm2としてなる請求項1〜3何れかに記載のGe微結晶核付き基板の作製方法。
【請求項6】
電子工業用ガラス基板、石英ガラス基板、熱酸化したSiウェーハ又はSiO2膜付き基板の上に粒径が1〜500nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×1011個/cm2となるように分散配置したことを特徴とするGe微結晶核付き基板。
【請求項7】
前記基板の上に粒径が1〜40nmのGe微結晶を、密度が1×105〜1×107個/cm2となるように分散配置した請求項6記載のGe微結晶核付き基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−135149(P2006−135149A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323511(P2004−323511)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(596041995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(596041995)
【Fターム(参考)】
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