説明

化合物半導体装置及びその製造方法

【課題】オン抵抗を大幅に低減し、十分な高電圧動作且つ高出力を得ることができる信頼性の高い化合物半導体装置を実現する。
【解決手段】ソース電極12及びドレイン電極13の下方の凹部7,8を充填し、電子供給層4の上方を覆う、Siを含むn−GaN層9が形成されており、n−GaN層9は、ソース電極12の下方及びドレイン電極13下方に含まれるSiの方が、ゲート電極15の近傍に含まれるSiよりも濃度が大きくなるように、Si添加量を漸減させながら成長形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、窒化物系の化合物半導体であるAlGaN/GaNのヘテロ接合を利用し、GaN層を電子走行層とする化合物半導体装置であるAlGaN/GaN・FET(電界効果トランジスタ)の開発が活発である。GaNは、ワイドバンドギャップ、高い破壊電界強度、及び大きい飽和電子速度を有する材料であることから、高電圧動作且つ低オン抵抗・高出力特性を得る半導体装置の材料として極めて有望である。そのため、次世代の高効率スイッチング素子への適用を目指してAlGaN/GaN・FETの開発が活発に行われている現況にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−124262号公報
【特許文献2】特開2001−102565号公報
【特許文献3】特開2008−227014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、トランジスタを用いた高効率なスイッチング動作を実現するには、トランジスタのオン抵抗を低減することが必要である。
AlGaN/GaN・FETにおけるオン抵抗を、図1を用いて説明する。AlGaN/GaN・FETの場合、コンタクト抵抗は、ソース電極S及びドレイン電極Dとその下層のAlGaNからなる電子供給層との間に存在する抵抗である。電子走行層の電子供給層との界面近傍に生成される2次元電子ガス(2DEG)においては、主に、ゲート−ソース間抵抗、ゲート−ドレイン間抵抗、及びゲート電極Gの下方におけるチャネル抵抗が存在する。コンタクト抵抗、ゲート−ソース間抵抗、ゲート−ドレイン間抵抗、及びチャネル抵抗を合算したものがオン抵抗とほぼ等価である。
【0005】
AlGaN/GaN・FETでは、AlGaN層のAl組成を高くすることにより、チャネル抵抗が低下する。その一方で、Al組成が高いと障壁も高くなり、ソース電極及びドレイン電極のコンタクト抵抗が上昇する。このコンタクト抵抗の上昇は大きく、オン抵抗は、コンタクト抵抗及びチャネル抵抗をその要素として含むことから、全体的にみればオン抵抗は低減されず、寧ろ増大することがある。この場合、AlGaN/GaN・FETの高効率動作が困難となる。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、オン抵抗を大幅に低減し、高電圧動作時において十分な高効率動作且つ高出力特性を得ることができる信頼性の高い化合物半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
化合物半導体装置の一態様は、電子走行層と、前記電子走行層上方に形成された電子供給層と、前記電子供給層に形成された第1の凹部及び第2の凹部と、前記第1の凹部内及び前記第2の凹部内を埋め込み前記電子供給層の上方を覆う、不純物を含む化合物半導体層と、前記第1の凹部上方の前記化合物半導体層上方に形成されたソース電極と、前記第2の凹部上方の前記化合物半導体層上方に形成されたドレイン電極と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記電子供給層上方に形成されたゲート電極とを含み、前記化合物半導体層は、前記ソース電極下方及び前記ドレイン電極下方に含まれる不純物の方が、前記ゲート電極近傍に含まれる不純物よりも濃度が大きい。
【0008】
化合物半導体装置の製造方法の一態様は、電子走行層上方に電子供給層を形成し、前記電子供給層に第1の凹部及び第2の凹部を形成し、前記第1の凹部内、前記第2の凹部内及び前記電子供給層を、不純物の添加量を漸減させながら化合物半導体層で覆い、前記化合物半導体層上方の前記第1の凹部上方の位置にソース電極を形成し、前記化合物半導体層上方の前記第2の凹部上方の位置にドレイン電極を形成し、前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記電子供給層上方にゲート電極を形成する。
【発明の効果】
【0009】
上記の諸態様によれば、オン抵抗を大幅に低減し、高電圧動作時において十分な高効率動作且つ高出力特性を得ることができる信頼性の高い化合物半導体装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】AlGaN/GaN・FETにおけるオン抵抗を説明するための模式図である。
【図2】第1の実施形態による化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図3】図1に引き続き、第1の実施形態による化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図4】図2に引き続き、第1の実施形態による化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図5】第1の実施形態による化合物半導体装置の他の例を示す概略断面図である。
【図6】従来のAlGaN/GaN・FETとの比較に基づき、そのオン抵抗について調べた一例について示す特性図である。
【図7】第2の実施形態による化合物半導体装置の製造方法の主要工程を工程順に示す概略断面図である。
【図8】図7に引き続き、第2の実施形態による化合物半導体装置の製造方法の主要工程を工程順に示す概略断面図である。
【図9】第2の実施形態の変形例による化合物半導体装置の製造方法の主要工程を工程順に示す概略断面図である。
【図10】図9に引き続き、第2の実施形態の変形例による化合物半導体装置の製造方法の主要工程を工程順に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、具体的な諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の各実施形態では、化合物半導体装置としてAlGaN/GaN・FETを例示し、その構成を製造方法と共に説明する。化合物半導体装置としては、AlGaN/GaN・FET以外にも、InAlN、InAlGaN等の窒化物半導体装置に適用可能である。
【0012】
(第1の実施形態)
図2〜図4は、第1の実施形態による化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【0013】
先ず、図2(a)に示すように、核形成層2、電子走行層3及び電子供給層4を形成する。なお、化合物半導体装置では、電子走行層3の電子供給層4との界面近傍に2次元電子ガス(2DEG)が生成される。図2(a)以降の各図において、2DEGを破線で示す。
詳細には、基板、例えばSiC基板1上に、例えば有機金属気相成長法、ここではMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法により、結晶成長装置を用いて、以下の各化合物半導体層を成長する。
例えば、インテンショナリーアンドープAlN(i−AlN)、インテンショナリーアンドープGaN(i−GaN)及びインテンショナリーアンドープAlGaN(i−AlGaN)を順次堆積し、核形成層2、電子走行層3及び電子供給層4を積層形成する。ここで、核形成層2は膜厚0.1μm程度、電子走行層3は膜厚3μm程度、電子供給層4はAlXGa1-XN(0<x<1)で例えばAl0.25Ga0.75Nとして膜厚20nm程度に形成する。
【0014】
上記のi−AlN、i−GaN及びi−AlGaNの成長条件としては、原料ガスとしてトリメチルアルミニウムガス、トリメチルガリウムガス、及びアンモニアガスの混合ガスを用い、成長する化合物半導体層に応じて、Al源であるトリメチルアルミニウムガス、Ga源であるトリメチルガリウムガスの供給の有無及び流量を適宜設定する。共通原料であるアンモニアガスの流量は、100ccm〜10LM程度とする。また、成長圧力は50Torr〜300Torr程度、成長温度は1000℃〜1250℃程度とする。
【0015】
続いて、図2(b)に示すように、絶縁膜5を形成する。
詳細には、核形成層2、電子走行層3及び電子供給層4を形成した結晶成長装置を引き続き用いたIn-situにより、電子供給層4上に絶縁膜5を成長形成する。絶縁膜5としては、例えばシリコン窒化膜を膜厚50nm程度に形成する。その後、SiC基板1を結晶成長装置から取り出す。
ここで、結晶成長装置を用いたIn-situにより絶縁膜5を形成する代わりに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、蒸着法又はスパッタ法等で絶縁膜を形成するようにしても良い。これらの手法で絶縁膜を形成する場合、電子供給層4の形成後にSiC基板1を結晶成長装置から取り出した後に、所定の堆積装置を用いて絶縁膜を成膜する。
【0016】
続いて、図2(c)に示すように、STI(Shallow Trench Isolation)法により素子分離構造6を形成する。
詳細には、先ず、リソグラフィー及び塩素系ガス等を用いたドライエッチングにより、絶縁膜5上における素子分離領域に、絶縁膜5及び電子供給層4を貫通して電子走行層3の一部を掘り込む深さの分離溝6aを形成する。
【0017】
次に、分離溝6a内を埋め込むように絶縁物、ここではCVD法等により絶縁膜5上にシリコン酸化物を堆積する。そして、例えばCMP(Chemical-Mechanical Polishing)法により、絶縁膜5のシリコン窒化物とシリコン酸化物との研磨レートの差異を利用して、絶縁膜5上のシリコン酸化物を研磨して除去する。このとき、分離溝6a内を充填する素子分離構造6が形成される。素子分離構造6の形成により、残存する電子供給層4上の領域が活性領域となる。
ここで、分離溝6aを形成して分離溝6aに絶縁物を充填する代わりに、素子分離領域に不純物をイオン注入し、素子分離領域における電子供給層4及び電子走行層3の一部を絶縁状態にする手法を用いても良い。
【0018】
続いて、図3(a)に示すように、ソース電極及びドレイン電極の形成予定部位に凹部7,8を形成する。
詳細には、絶縁膜5上のソース電極及びドレイン電極の形成予定部位をリソグラフィー及び塩素系ガス等を用いたドライエッチングし、絶縁膜5を貫通して電子供給層4の所定深さに達する凹部7,8を形成する。
ドライエッチングのエッチング条件としては、エッチングガスとして例えば塩素を用いて流量30sccmとし、圧力を2Pa、RF投入電力を20Wとする。このとき、エッチング深さには特に制限は無く、電子供給層4の所定深さに達する凹部7,8が形成される程度であれば良い。
ドライエッチングで用いたレジストは、灰化処理等により除去する。
【0019】
続いて、図3(b)に示すように、凹部7,8を埋め込み電子供給層4上を覆うように、n−GaN層9を形成する。
詳細には、SiC基板1を結晶成長装置内に導入し、例えば有機金属気相成長法、ここではMOVPE法により、不純物、ここではn型不純物の添加量を漸減させながら、n−GaN層7を連続的に成長する。図3(b)中において矢印で示すように、凹部7,8の底面から上方へn−GaNの結晶成長が進行し、凹部7,8を充填するように成長した後、電子供給層4上で横方向に結晶成長が進行し、凹部7,8を埋め込み電子供給層4上を覆うn−GaN層9が形成される。
なお、n−GaN層7を形成する際には、有機金属気相成長法としてMOVPE法の代わりにMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いても良い。
【0020】
n−GaN層9の成長に用いる原料ガスとして、トリメチルガリウムガス(Ga源)及びアンモニアガスの混合ガスに加え、例えば希釈したSiH4を数ccmの流量で供給し、n型不純物としてSiを添加する。トリメチルガリウムガスの流量を5ccm〜50ccm程度、アンモニアガスの流量を100ccm〜10LM程度とし、成長開始から終了まで、処理温度を900℃〜1250℃の範囲で漸増させながら、Siの添加量が例えばキャリア濃度1×1017/cm3〜5×1019/cm3の範囲で漸減するように、SiH4の流量を調節する。
【0021】
Siの添加量の減少態様は、成長開始から終了まで一定の割合で減少させるように制御しても良いが、本実施形態では例えばSiの添加量を3段階に分ける。成長開始から凹部7,8を埋め込むまでの第1段階、電子供給層4上でゲート電極の形成予定部位に達しない程度まで横方向成長する第2段階、ゲート電極の形成予定部位を越えて電子供給層4上を完全に覆うまで横方向成長する第3段階とする。このとき、例えば各段階内ではSiの添加量をほぼ一定として、第1段階のSiの添加量>第2段階のSiの添加量>第3段階のSiの添加量となるように調節する。具体的には、第1段階では例えば1×1019/cm3〜3×1019/cm3程度、第2段階では例えば1×1018/cm3〜1×1019/cm3程度、第3段階では例えば1×1017/cm3〜1×1018/cm3程度とする。n−GaN層9の第1段階で成長した部位を第1のn−GaN領域9a、第2段階で成長した部位を第2のn−GaN領域9b、第3段階で成長した部位を第3のn−GaN領域9cとして図示する。
【0022】
処理温度の上昇態様は、成長開始から終了まで一定の割合で上昇させるように制御しても良いが、本実施形態では、上記と同様に3段階に対応させて調節する。例えば各段階内では処理温度をほぼ一定として、第1段階の処理温度<第2段階の処理温度<第3段階の処理温度となるように調節制御する。具体的には、第1段階では例えば900℃〜1100℃程度、第2段階では例えば1100℃〜1180℃程度、第3段階では例えば1180℃〜1250℃程度とする。
なお、処理温度を一定に保ち、Siの添加量のみを調節するようにしても良い。
【0023】
また、処理温度の上昇態様を上記のように調節することにより、n−GaN層9の転位状態(転位数)が制御される。処理温度が高いほど、n−GaN層9の転位数は少なくなる。第1段階で成長した第1のn−GaN領域9aでは、凹部7,8の底面のAlGaN面から成長が開始されることに加え、処理温度が低温であるため、その後に成長する第2のn−GaN領域9b及び第3のn−GaN領域9cよりも転位数が多い。
【0024】
続いて、図3(c)に示すように、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのレジストマスク11を形成する。
詳細には、n−GaN層9上の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、活性領域のソース電極及びドレイン電極の形成予定部位に開口11aを有するレジストパターン11を形成する。レジストパターン11では、開口11aは、凹部7,8に対して、ゲート電極の形成予定部位側の端部11bが当該形成予定部位側に偏倚して形成される。
【0025】
続いて、図4(a)に示すように、ソース電極12及びドレイン電極13を形成する。
詳細には、電極材料として例えばTa,Al,M,Auを用い、開口11aを埋め込むようにレジストパターン11上に蒸着法により上記の順序で積層する。Mは、Ti,Ta,Ni,Mo,Ptから選ばれた1種の金属であり、ここでは例えばNiとする。なお、ソース電極12及びドレイン電極13の材料として、Ti/Alを用いても良い。その後、加温した有機溶媒等を用いて、リフトオフ法によりレジストパターン11をその上のTa,Al,Ni,Auと共に除去する。その後、例えば550℃程度の温度によりSiC基板1にアニール処理を施す。以上により、n−GaN層9上に、Ta/Al/M/Auがこの順で積層されてなる一対のオーミック電極であるソース電極12及びドレイン電極13が形成される。
【0026】
ソース電極12及びドレイン電極13は、凹部7,8に対して、ゲート電極の形成予定部位側の端部12a,13aが当該形成予定部位側に偏倚して形成される。本実施形態では、ソース電極12及びドレイン電極13のゲート電極の形成予定部位側の端部12a,13aと凹部7,8との水平方向の離間距離d1が例えば0.05μm〜1.2μm程度、他方の端部12b,13bと凹部7,8との水平方向の離間距離d2が例えば0.05μm〜0.5μm程度とされている。
【0027】
n−GaN層では、第1のn−GaN領域9aの転位数は第2のn−GaN領域9b及び第3のn−GaN領域9cよりも多い。そのため、図示のように、上記のアニール処理により、ソース電極12及びドレイン電極13の材料であるTa,Al,Ni,Auの一部が、ソース電極12及びドレイン電極13の下部に存する第1のn−GaN領域9aの転位を通って第1のn−GaN領域9a内、更には電子供給層4内に拡散する。このようにソース電極12及びドレイン電極13の材料の一部が第1のn−GaN領域9a内又は電子供給層4内に拡散することにより、ソース電極12及びドレイン電極13のオーミック特性が向上する。
【0028】
続いて、図4(b)に示すように、n−GaN層9の第3のn−GaN領域9cにおけるゲート電極の形成予定部位に開口14を形成する。
詳細には、全面にレジストを塗布し、リソグラフィーにより、第3のn−GaN領域9cにおけるゲート電極の形成予定部位を開口して露出するレジストマスク(不図示)を形成する。そして、このレジストマスクを用い、第3のn−GaN領域9cにおけるゲート電極の形成予定部位を塩素系ガス等を用いてドライエッチングする。以上により、n−GaN層9の第3のn−GaN領域9cに、絶縁膜5の表面におけるゲート電極の形成予定部位を露出させる開口14が形成される。
ドライエッチングで用いたレジストは、灰化処理等により除去する。
【0029】
続いて、図4(c)に示すように、ゲート電極15を形成する。
詳細には、例えば蒸着法により電極材料、例えばNi/Auを開口14を埋め込むようにレジストマスク上に積層する。その後、加温した有機溶媒等を用いてレジストマスクをその上のNi/Auと共にリフトオフ法により除去する。以上により、絶縁膜5上で開口14内を充填し、第3のn−GaN領域9cの上方へ突起する、Ni/Auからなるゲート電極15が形成される。ゲート電極15は、電子供給層4上でゲート絶縁膜として機能する絶縁膜5を介して形成されている。
しかる後、層間絶縁膜及び配線の形成等を経て、AlGaN/GaN・FETを形成する。
【0030】
なお、ゲート電極15を、ソース電極12とドレイン電極13との間の中央位置に形成する代わりに、ソース電極12とドレイン電極13との間でソース電極12側に偏倚した位置に形成するようにしても良い。
例えば、図5に示すように、第3のn−GaN領域9cの開口14を、ソース電極12側に偏倚した部位に形成した後、絶縁膜5上で開口14内を充填し、第3のn−GaN領域9cの上方へ突起するゲート電極15を形成する。この場合、ソース電極12については図4(a)と同様に、ソース電極12ゲート電極15側の端部12aと凹部7との水平方向の離間距離d1は例えば0.05μm〜1.2μm程度、他方の端部12bと凹部7,8との水平方向の離間距離d2は0.05μm〜0.5μm程度とされる。一方、ドレイン電極13については、ドレイン電極13のゲート電極15側の端部13aと凹部8との水平方向の離間距離d3は、d1よりも長く、例えば0.05μm〜10μm程度とすることができる。他方の端部13bと凹部8との水平方向の離間距離d4は、d2と同程度で良い。
【0031】
このように、ゲート電極15をソース電極12側にオフセットした位置(非対称位置)に形成することにより、ゲート耐圧を高めることができる。しかも、ゲート電極15のオフセットに合わせてドレイン電極13をゲート電極15側に延ばすように形成することにより、オン抵抗の上昇を抑止することができる。
【0032】
以下、本実施形態による化合半導体装置の機能を、図4(c)を用いて説明する。
ソース電極12及びドレイン電極13は、Alを含有しないn−GaN層9上に形成されており、AlGaN層上に形成された場合に較べて障壁が低くなり、ソース電極12及びドレイン電極13のコンタクト抵抗が低減する。n−GaN層9は、n型不純物であるSiを含有しており、ソース電極12及びドレイン電極13の下方に存する第1のn−GaN領域9aではSi濃度が高いため、この高Si濃度の第1のn−GaN領域9aにより更にコンタクト抵抗が低減する。ここで、ゲート−ソース間及びゲート−ドレイン間のn−GaNのSi濃度が高いと、ゲート−ソース間及びゲート−ドレイン間でリークパスが生じる虞がある。本実施形態では、ゲート−ソース間及びゲート−ドレイン間には第2のn−GaN領域9b及び第3のn−GaN領域9cが形成されており、n−GaN領域9b及び第3のn−GaN領域9cは第1のn−GaN領域9aよりもSi濃度が低い。しかも、ゲート電極15と一端で接する第3のn−GaN領域9cはn−GaN領域9bよりもSi濃度が低い。この構成により、ゲート−ソース間及びゲート−ドレイン間のリークパスが抑止される。
【0033】
ソース電極12及びドレイン電極13は、凹部7,8に対して、ゲート電極15側の端部12a,13aがゲート電極15側に偏倚した非対称形状に形成されている。ソース電極12及びドレイン電極13のゲート電極15側に張り出した部位12a,13aに着目する。AlGaN/GaN・FETでは、電子走行層3の電子供給層4との界面近傍に生成される2次元電子ガス(2DEG)のうち、ソース電極12及びドレイン電極13の部位12b,13bの下方に相当する部分では、その濃度が高く、電子がより流れ易い状態とされている。そのため、ゲート−ソース間抵抗及びゲート−ドレイン間抵抗が低減する。
【0034】
このように、本実施形態では、ゲート−ソース間及びゲート−ドレイン間のリークパスを抑止するも、ソース電極12及びドレイン電極13のコンタクト抵抗が低減し、ゲート−ソース間抵抗及びゲート−ドレイン間抵抗も低減する。オン抵抗は、コンタクト抵抗とゲート−ソース間抵抗及びゲート−ドレイン間抵抗との和として評価されることから、AlGaN/GaN・FETのオン抵抗は大幅に低減する。更に上記したように、ソース電極12及びドレイン電極13はその材料の一部が下層へ拡散した状態に形成されるため、オーミック特性が向上し、更なるコンタクト抵抗の低減に寄与する。
【0035】
ここで、本実施形態のAlGaN/GaN・FETについて、AlGaNからなる電子供給層上にソース電極及びドレイン電極が形成された従来のAlGaN/GaN・FETとの比較に基づき、そのオン抵抗について調べた一例について、図6を用いて説明する。
ここでは、電子供給層のAlGaNにおけるAl組成を所定値、例えば30%とした場合について実験した。従来のAlGaN/GaN・FETをサンプル1、本実施形態のAlGaN/GaN・FETでソース電極12及びドレイン電極13をゲート電極15に偏倚させない構造のものをサンプル2、本実施形態のAlGaN/GaN・FETをサンプル3として、図6に示す。
【0036】
オン抵抗は、サンプル1では7Ωmm程度、サンプル2では6.3Ωmm程度、サンプル3では5.4Ωmm程度となった。このように、サンプル2,3は、サンプル1よりもオン抵抗が低減しており、サンプル2,3では前者よりも後者の方がオン抵抗が低減しているという結果が得られた。この結果より、サンプル2ではサンプル1に較べてコンタクト抵抗が低減したことからオン抵抗の改善が見られ、サンプル3ではサンプル1に較べてコンタクト抵抗とゲート−ソース間抵抗及びゲート−ドレイン間抵抗との双方が低減したことからオン抵抗の大幅な改善が見られることが確認された。
【0037】
以上説明したように、本実施形態によれば、オン抵抗を大幅に低減し、優れたオーミック特性を有し、十分な高電圧動作且つ高出力を得ることができる信頼性の高いAlGaN/GaN・FETが実現する。
【0038】
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態と同様に化合物半導体装置を開示するが、ゲート電極を、電子供給層に形成した溝内を埋め込み上方に突出する形状にする、いわゆるゲートリセス構造の化合物半導体装置について例示する。ゲートリセス構造のAlGaN/GaN・FETは、印加電圧がオフの状態では電流が流れない、いわゆるノーマリーオフ動作を実現するものである。電源等に用いられるスイッチング素子には、ノーマリーオフ動作が好適であり、本実施形態のAlGaN/GaN・FETは主に、大きな電圧を供給するための電源回路に用いられる。
【0039】
図7及び図8は、第2の実施形態による化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
本実施形態では先ず、第1の実施形態の図2(a)〜図4(b)と同様の諸工程を行い、図7(a)に示すように、図4(b)と同様の状態を得る。
【0040】
続いて、図7(b)に示すように、形成された開口14の底面に露出する絶縁膜5にその下層の電子供給層4の所定深さに達する凹部21を形成する
詳細には、リソグラフィー及びドライエッチングにより、開口14の底面に露出する絶縁膜5に対して、絶縁膜5を貫通し、電子供給層4の所定深さに達する凹部21を形成する。
リソグラフィーに用いたレジストは、灰化処理又は剥離処理等により除去する。
【0041】
続いて、図7(c)に示すように、凹部21の内壁面を含む半導体基板1の全面に絶縁膜22を形成する。
詳細には、凹部21の内壁を覆うように、半導体基板1の全面にSiN等の絶縁物をCVD法等により例えば膜厚50nm程度に堆積する。これにより、凹部21の内壁面には、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜22が形成される。
【0042】
続いて、図8(a),(b)に示すように、ゲート電極25を形成する。
先ず、図8(a)に示すように、下層レジスト23(例えば、商品名PMGI:米国マイクロケム社製)及び上層レジスト24(例えば、商品名PFI32−A8:住友化学社製)をそれぞれ例えばスピンコート法により塗布形成する。紫外線露光により例えば0.8μm径程度の開口24aを上層レジスト24に形成する。
【0043】
次に、上層レジスト24をマスクとして、下層レジスト23をアルカリ現像液でウェットエッチングする。このエッチングにより、下層レジスト23に開口24aよりも大きな開口23aが形成され、図示のような庇構造が形成させる。
次に、上層レジスト24及び下層レジスト23をマスクとして、開口24a,23a内を含む全面にゲートメタル(Ni:膜厚10nm程度/Au:膜厚300nm程度)を蒸着する。ここで図示の便宜上、上層レジスト24上に堆積されるゲートメタルの図示を省略する。
【0044】
その後、図8(b)に示すように、加温した有機溶剤を用いてリフトオフを行って下層レジスト23及び上層レジスト24と、上層レジスト24上のゲートメタルを除去する。以上により、凹部21及び開口14内を絶縁膜22を介して充填し、第3のn−GaN領域9cの上方へ突起する、Ni/Auからなるゲート電極25が形成される。
【0045】
しかる後、層間絶縁膜及び配線の形成等を経て、AlGaN/GaN・FETを形成する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、オン抵抗を大幅に低減し、優れたオーミック特性を有し、十分な高電圧動作且つ高出力を得ることができる、大電力供給用の電源回路に適用して好適な信頼性の高いAlGaN/GaN・FETが実現する。
【0047】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例について説明する。本実施形態では、電子供給層4とゲート電極26との間にゲート絶縁膜23が設けられた、いわゆる絶縁ゲート型のAlGaN/GaN・FETを例示した。これに対して本例では、電子供給層4とゲート電極26との間にゲート絶縁膜を有しない、いわゆるショットキー型のAlGaN/GaN・FETを例示する。
【0048】
図9及び図10は、第2の実施形態の変形例による化合物半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
本実施形態では先ず、第1の実施形態の図2(a)〜図4(b)と同様の諸工程を行い、図9(a)に示すように、図4(b)と同様の状態を得る。
【0049】
続いて、図9(b)に示すように、形成された開口14の底面に露出する絶縁膜5にその下層の電子供給層4の所定深さに達する凹部31を形成する。
詳細には、リソグラフィー及びドライエッチングにより、開口14の底面に露出する絶縁膜5に対して、絶縁膜5を貫通し、電子供給層4の所定深さに達する凹部31を形成する。凹部31は、第2の実施形態の図7(b)の凹部21よりも幅狭に形成される。
リソグラフィーに用いたレジストは剥離処理等により除去する。
【0050】
続いて、図10(a),(b)に示すように、ゲート電極32を形成する。
先ず、図10(a)に示すように、下層レジスト23(例えば、商品名PMGI:米国マイクロケム社製)及び上層レジスト24(例えば、商品名PFI32−A8:住友化学社製)をそれぞれ例えばスピンコート法により塗布形成する。紫外線露光により例えば0.8μm径程度の開口24aを上層レジスト24に形成する。
【0051】
次に、上層レジスト24をマスクとして、下層レジスト23をアルカリ現像液でウェットエッチングする。このエッチングにより、下層レジスト23に開口24aよりも大きな開口23aが形成され、図示のような庇構造が形成させる。
次に、上層レジスト24及び下層レジスト23をマスクとして、開口24a,23a内を含む全面にゲートメタル(Ni:膜厚10nm程度/Au:膜厚300nm程度)を蒸着する。ここで図示の便宜上、上層レジスト24上に堆積されるゲートメタルの図示を省略する。
【0052】
その後、図10(b)に示すように、加温した有機溶剤を用いてリフトオフを行って下層レジスト23及び上層レジスト24と、上層レジスト24上のゲートメタルを除去する。以上により、凹部31及び開口14内を充填し、第3のn−GaN領域9cの上方へ突起する、Ni/Auからなるゲート電極32が形成される。
【0053】
しかる後、層間絶縁膜及び配線の形成等を経て、AlGaN/GaN・FETを形成する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、オン抵抗を大幅に低減し、優れたオーミック特性を有し、十分な高電圧動作且つ高出力を得ることができる、大電力供給用の電源回路に適用して好適な信頼性の高いAlGaN/GaN・FETが実現する。
【0055】
以下、本件の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0056】
(付記1)電子走行層と、
前記電子走行層上方に形成された電子供給層と、
前記電子供給層に形成された第1の凹部及び第2の凹部と、
前記第1の凹部内及び前記第2の凹部内を埋め込み前記電子供給層の上方を覆う、不純物を含む化合物半導体層と、
前記第1の凹部上方の前記化合物半導体層上方に形成されたソース電極と、
前記第2の凹部上方の前記化合物半導体層上方に形成されたドレイン電極と、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記電子供給層上方に形成されたゲート電極と
を含み、
前記化合物半導体層は、前記ソース電極下方及び前記ドレイン電極下方に含まれる不純物の方が、前記ゲート電極近傍に含まれる不純物よりも濃度が大きいことを特徴とする化合物半導体装置。
【0057】
(付記2)前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記第1の凹部及び前記第2の凹部に対して、前記ゲート電極側の端部が当該ゲート電極側に偏倚する非対称位置に形成されていることを特徴とする付記1に記載の化合物半導体装置。
【0058】
(付記3)前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、その材料の一部が前記第1の凹部内及び前記第2の凹部内の前記化合物半導体層内に拡散していることを特徴とする付記1又は2に記載の化合物半導体装置。
【0059】
(付記4)前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、Ti,Al,M,Auが下層からこの順序で積層されてなり、前記MはTi,Ta,Ni,Mo,Ptから選ばれた1種であることを特徴とする付記3に記載の化合物半導体装置。
【0060】
(付記5)前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、Ta,Al,M,Auが下層からこの順序で積層されてなり、前記MはTi,Ta,Ni,Mo,Ptから選ばれた1種であることを特徴とする付記3に記載の化合物半導体装置。
【0061】
(付記6)前記電子供給層の上面と前記化合物半導体層の下面との間に絶縁膜が形成されていることを特徴とする付記1〜5のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
【0062】
(付記7)前記絶縁膜は、有機金属気相成長法により形成されたものであることを特徴とする付記6に記載の化合物半導体装置。
【0063】
(付記8)電子走行層上方に電子供給層を形成し、
前記電子供給層に第1の凹部及び第2の凹部を形成し、
前記第1の凹部内、前記第2の凹部内及び前記電子供給層を、不純物の添加量を漸減させながら化合物半導体層で覆い、
前記化合物半導体層上方の前記第1の凹部上方の位置にソース電極を形成し、
前記化合物半導体層上方の前記第2の凹部上方の位置にドレイン電極を形成し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記電子供給層上方にゲート電極を形成することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
【0064】
(付記9)前記ソース電極及び前記ドレイン電極を、前記第1の凹部及び前記第2の凹部に対して、前記ゲート電極側の端部が当該ゲート電極側に偏倚する非対称位置に形成することを特徴とする付記8に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【0065】
(付記10)前記化合物半導体層を、前記第1の凹部内及び前記第2の凹部内に含まれる転位数の方が、前記ゲート電極近傍に含まれる転位数よりも大きくなるように形成することを特徴とする付記8又は9に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【0066】
(付記11)前記化合物半導体層を、その形成温度を漸増させて形成することを特徴とする付記10に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【0067】
(付記12)前記ソース電極及び前記ドレイン電極を、Ti,Al,M,Auを下層からこの順序で積層して形成し、前記MはTi,Ta,Ni,Mo,Ptから選ばれた1種であることを特徴とする付記11に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【0068】
(付記13)前記ソース電極及び前記ドレイン電極を、Ta,Al,M,Auを下層からこの順序で積層して形成し、前記MはTi,Ta,Ni,Mo,Ptから選ばれた1種であることを特徴とする付記11に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【0069】
(付記14)前記電子供給層の上面と前記化合物半導体層の下面との間に絶縁膜を形成することを特徴とする付記8〜13のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【0070】
(付記15)前記絶縁膜を、有機金属気相成長法により、前記電子供給層の形成時のIn-situで形成することを特徴とする付記14に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0071】
1 SiC基板
2 核形成層
3 電子走行層
4 電子供給層
5,22 絶縁膜
6 素子分離構造
6a 分離溝
7,8,21,31 凹部
9 n−GaN層
9a 第1のn−GaN領域
9b 第2のn−GaN領域
9c 第3のn−GaN領域
11 レジストマスク
11a,14,23a,24a 開口
11b,12a,13a,12b,13b 端部
12 ソース電極
13 ドレイン電極
15,25,32 ゲート電極
23 下層レジスト
24 上層レジスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子走行層と、
前記電子走行層上方に形成された電子供給層と、
前記電子供給層に形成された第1の凹部及び第2の凹部と、
前記第1の凹部内及び前記第2の凹部内を埋め込み前記電子供給層の上方を覆う、不純物を含む化合物半導体層と、
前記第1の凹部上方の前記化合物半導体層上方に形成されたソース電極と、
前記第2の凹部上方の前記化合物半導体層上方に形成されたドレイン電極と、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記電子供給層上方に形成されたゲート電極と
を含み、
前記化合物半導体層は、前記ソース電極下方及び前記ドレイン電極下方に含まれる不純物の方が、前記ゲート電極近傍に含まれる不純物よりも濃度が大きいことを特徴とする化合物半導体装置。
【請求項2】
前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記第1の凹部及び前記第2の凹部に対して、前記ゲート電極側の端部が当該ゲート電極側に偏倚する非対称位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
【請求項3】
前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、その材料の一部が前記第1の凹部内及び前記第2の凹部内の前記化合物半導体層内に拡散していることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物半導体装置。
【請求項4】
前記電子供給層の上面と前記化合物半導体層の下面との間に絶縁膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体装置。
【請求項5】
電子走行層上方に電子供給層を形成し、
前記電子供給層に第1の凹部及び第2の凹部を形成し、
前記第1の凹部内、前記第2の凹部内及び前記電子供給層を、不純物の添加量を漸減させながら化合物半導体層で覆い、
前記化合物半導体層上方の前記第1の凹部上方の位置にソース電極を形成し、
前記化合物半導体層上方の前記第2の凹部上方の位置にドレイン電極を形成し、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極間の前記電子供給層上方にゲート電極を形成することを特徴とする化合物半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記ソース電極及び前記ドレイン電極を、前記第1の凹部及び前記第2の凹部に対して、前記ゲート電極側の端部が当該ゲート電極側に偏倚する非対称位置に形成することを特徴とする請求項5に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記化合物半導体層を、前記第1の凹部内及び前記第2の凹部内に含まれる転位数の方が、前記ゲート電極近傍に含まれる転位数よりも大きくなるように形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記化合物半導体層を、その形成温度を漸増させて形成することを特徴とする請求項7に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記電子供給層の上面と前記化合物半導体層の下面との間に絶縁膜を形成することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の化合物半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記絶縁膜を、有機金属気相成長法により、前記電子供給層の形成時のIn-situで形成することを特徴とする請求項9に記載の化合物半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−82217(P2011−82217A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230878(P2009−230878)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】