半導体装置の製造方法および半導体装置
【課題】ゲート電極部と容量コンタクトプラグとのショートを防止する。
【解決手段】複数のゲート電極部10と該ゲート電極部10間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20を形成後、前記配線部上の前記耐エッチング膜17を除去する。これにより、CMP処理を経てコンタクトプラグ22を形成し、さらに、エッチングにより容量コンタクトホール24を開口して容量コンタクトプラグ25を形成した場合に、ゲート電極部10と容量コンタクトプラグ25とのショートを防止することができる。
【解決手段】複数のゲート電極部10と該ゲート電極部10間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20を形成後、前記配線部上の前記耐エッチング膜17を除去する。これにより、CMP処理を経てコンタクトプラグ22を形成し、さらに、エッチングにより容量コンタクトホール24を開口して容量コンタクトプラグ25を形成した場合に、ゲート電極部10と容量コンタクトプラグ25とのショートを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体装置においては、特許文献1に開示のように、ゲート電極部の上にシリコン窒化膜などからなるゲートハードマスクが形成されることがある。ゲート電極部およびゲートハードマスクを含むゲート配線上には、シリコン酸化膜などからなる絶縁性のゲート層間膜が形成され、ついで、セルフアラインによりゲート層間膜にプラグコンタクトホールが開口される。ついで、その上にタングステンなどの金属膜が成膜され、この金属膜がCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理により平坦化されることで、プラグコンタクトホールにコンタクトプラグが形成される。この際のCMP処理では、ゲートハードマスクも研磨される。その後、CVD(Chemical Vapor Deposition)により酸化シリコン膜などからなる層間絶縁膜が成膜され、この層間絶縁膜にはエッチングにより容量コンタクトホールが開口される。そして、この容量コンタクトホールに、コンタクトプラグと導通する容量コンタクトプラグが形成される。
【0003】
また、例えば特許文献2に開示されているように、例えば6F2セル構造が採用される半導体装置においては、容量コンタクトプラグの中心位置をプラグコンタクトの中心位置から意図的にゲート電極部側にオフセットしたレイアウトが採用されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−72167号公報
【特許文献2】特開2007−287794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、CMP処理において研磨レートの面内均一性が悪い場合には、研磨レートが速い部分が生じ、その部分では、ゲートハードマスクが過度に研磨され、薄膜化してしまう。このようにゲートハードマスクが薄膜化してしまうと、その後の工程で容量コンタクトホールをエッチングにより開口した際に、ゲートハードマスクもエッチングされ、その下のゲート電極部が露出してしまうことがあった。
また、図11および図12に示すように、容量コンタクトプラグ43の中心位置をコンタクトプラグ44の中心位置から意図的にゲート電極部42側にオフセットしたレイアウトの場合には、ゲートハードマスク40のエッジ部が特にエッチングされやすく、ゲート電極部42の露出が特に生じやすい傾向にあった。
このようにゲート電極部42が露出した場合に、開口された容量コンタクトホール41に容量コンタクトプラグ43を形成すると、ゲート電極部42と容量コンタクトプラグ43とがショートしてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体装置の製造方法は、複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを形成後、前記配線部上の前記耐エッチング膜を除去することを特徴とする。
【0007】
本発明の半導体装置の製造方法では、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクをゲート電極部と配線部との上に形成した後、配線部上の耐エッチング膜を除去し、各ゲート電極部ごとに、その上に耐エッチング膜が島状に孤立して残存するようにしている。
このようにゲート電極部上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクが形成されていると、CMP処理を経てコンタクトプラグを形成し、さらに、エッチングにより容量コンタクトホールを開口して容量コンタクトプラグを形成した場合に、ゲート電極部と容量コンタクトプラグとのショートを防止することができる。
すなわち、ゲートハードマスクが耐エッチング膜を備えていると、容量コンタクトホールを開口するためのエッチングが耐エッチング膜で止まり、それよりも下層にはエッチングが進行しなくなる。そのため、CMP処理によりゲートハードマスクが薄膜化するおそれがある場合でも、ゲート電極部が露出する程にはエッチングは進行しない。よって、ゲート電極部と容量コンタクトプラグとのショートを防止することができる。
また、配線部上の耐エッチング膜は除去され、配線部上には存在しない。そのため、容量コンタクトプラグ間が耐エッチング膜により導通してしまうこともない。
【発明の効果】
【0008】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、ゲート電極部と容量コンタクトプラグとのショートを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、ゲート配線形成工程を説明する断面図である。
【図2】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、コンタクトプラグ形成工程を説明する平面模式図である。
【図3】図2のA−A’線に沿う断面図である。
【図4】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、耐エッチング膜除去工程を説明する平面模式図である。
【図5】図4のB−B’線に沿う断面図である。
【図6】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、耐エッチング膜除去工程を説明する平面模式図である。
【図7】図6のC−C’線に沿う断面図である。
【図8】図6のD−D’線に沿う断面図である。
【図9】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、容量コンタクトプラグ形成工程を説明する平面模式図である。
【図10】図9のE−E’線に沿う断面について、部分的に示した断面図である。
【図11】従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、容量コンタクトプラグを形成する工程について説明する平面模式図である。
【図12】図11のF−F’線に沿う断面について、部分的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体装置の製造方法では、複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを形成後、配線部上の耐エッチング膜を除去する。
本発明の半導体装置の製造方法について、以下実施形態を挙げて、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体装置としてDRAMを採用した場合の製造例であり、ゲート配線を構成する複数のゲート電極部とこれらゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを設けてゲート配線を形成するゲート配線形成工程と、ゲート配線上に、プラグコンタクトホールが開口された第1層間絶縁膜を形成し、この第1層間絶縁膜上にコンタクトプラグ形成膜を形成した後、CMP処理し、前記プラグコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成工程と、配線部上の前記耐エッチング膜を除去する耐エッチング膜除去工程と、コンタクトプラグ上に第2層間絶縁膜を形成し、この第2層間絶縁膜にエッチングで容量コンタクトホールを開口し、この容量コンタクトホールにプラグコンタクトと導通する容量コンタクトプラグを形成する容量コンタクトプラグ形成工程とを有する。
以下、各工程について、順次説明する。
【0012】
[ゲート配線形成工程]
図1は、ゲート配線形成工程により形成されるゲート配線30を示す断面図であり、本実施形態で製造される半導体装置は、略平行に配置された複数本のゲート配線30を備えている。
ゲート配線形成工程では、まず、シリコン基板などの半導体基板S上に、熱酸化法などにより、シリコン酸化膜などからなるゲート絶縁膜25を形成する。ついで、ゲート絶縁膜25の上に、ゲート電極部10および配線部(図示略)を構成する導電膜として、ポリシリコン膜11と、タングステンなどからなる金属膜12とを形成する。また、この例では、ポリシリコン膜11と金属膜12との間に、バリア膜として、LP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法による例えば厚さが10nmのタングステンシリサイド膜26とスパッタ法による例えば厚さが10nmのタングステンナイトライド膜27とを形成する。
【0013】
ついで、ゲート電極部10および配線部を構成する導電膜の上に、ゲートハードマスク20を形成する。ゲートハードマスク20は、絶縁膜18、19間に耐エッチング膜17が配置された構成とされ、絶縁膜18、19としてはシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が使用されている。この例のゲートハードマスク20は、ゲート電極部10側から、シリコン窒化膜、耐エッチング膜17、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜が順次積層した4層構造とされている。耐エッチング膜17は、タングステンなどの金属膜からなり、エッチングに対する耐性を備えたストッパ膜として作用するものである。
ゲートハードマスク20のシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜はプラズマCVD法により形成し、タングステンなどの金属膜からなる耐エッチング膜はスパッタ法により形成する。
【0014】
ゲートハードマスク20を構成する各膜の厚みとしては、シリコン酸化膜は例えば100nm、シリコン窒化膜は例えば200nmである。また、耐エッチング膜17は、ほとんどエッチングされないため、20〜50nm程度の厚みであれば、充分にストッパ膜として作用する。
また、耐エッチング膜17は、ゲートハードマスク20の絶縁膜18、19間に配置されるが、その配置位置は、ゲートハードマスク20の下端(ゲート電極部10側の端部)から20nm以上上方であり、かつ、ゲートハードマスク20の高さ方向の中心よりも下方の範囲内とされることが好適である。ゲートハードマスク20の下端から20nm以上上方であると、耐エッチング膜17とゲート電極部10とが充分に絶縁される。また、ゲートハードマスク20の高さ方向の中心よりも下方であると、後述のコンタクトプラグ形成工程におけるCMP処理でゲートハードマスク20が研磨されても、耐エッチング膜17までは研磨されず、ストッパ膜としての作用を充分に発現することができる。
【0015】
ついで、これらの層をフォトリソグラフィとエッチングによりパターンニングして、半導体基板S上にゲートパターンを形成する。
ゲートハードマスク20のシリコン酸化膜のエッチングについては、例えば平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばCF4/Ar=100/200(ml/min)、圧力:100(mTorr)、RFパワー:1000(W)とする。シリコン窒化膜のエッチングについても、平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばCF4/CHF3/Ar/O2=100/100/100/200(ml/min)、圧力:100(mTorr)、RFパワー:1000(W)とする。耐エッチング膜のエッチングについては、耐エッチング膜がタングステンからなる場合には、例えば、マイクロ波プラズマエッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばCl2/SF6=150/50(ml/min)、圧力10(mTorr)、マイクロ波パワー1000(W)、RFパワー20(W)とする。
【0016】
ゲート電極部10および配線部を構成する導電膜のエッチングについては、例えばマイクロ波プラズマエッチング装置を用い、タングステンなどからなる金属膜12のエッチング条件は、例えばCl2/SF6=150/50(ml/min)、圧力10(mTorr)、マイクロ波パワー1000(W)、RFパワー20(W)とする。マイクロ波プラズマエッチング装置内で引き続き行うポリシリコン膜11のエッチング条件は、例えばHBr/O2=200/10(ml/min)、圧力10(mTorr)、マイクロ波パワー1000(W)、RFパワー20(W)とする。
【0017】
また、この例では、金属膜12のエッチング後、ポリシリコン膜11をエッチングする前に、LP−CVD法による例えば厚さが10nmのシリコン窒化膜を成膜し、ついで、このシリコン窒化膜のうち、ポリシリコン膜11の上に形成された部分をエッチングしている。これにより、ゲート電極部10および配線部の側面を覆うシリコン窒化膜13を形成する。ついで、このようにしてシリコン窒化膜13を形成した後、熱酸化法により、例えば厚さが5nmのシリコン酸化膜14をこのシリコン窒化膜13の外側に形成する。その後、LP−CVD法による厚さが例えば20nmのシリコン窒化膜15を成膜する。
これにより、図1に示すように、ゲート電極部10および配線部(図示略)の側面には、シリコン窒化膜13/シリコン酸化膜14/シリコン窒化膜15の3層構造からなるサイドウォール16が形成され、ゲート電極部10と配線部の上には、ゲートハードマスク20が積層したゲート配線30を形成することができる。
【0018】
[コンタクトプラグ形成工程]
図2は、コンタクトプラグ形成工程により、図示略のソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグ22が形成された様子を示す平面模式図であり、図3は、図2のA−A’に沿う断面図である。
上述のようにゲート配線30を形成した後、ゲート配線30を覆うように、ゲート配線30上に絶縁性のゲート層間膜(第1層間絶縁膜)を形成する。ゲート層間膜としては、埋め込み性の良いシリコン酸化膜が好適であり、例えばSOG(Spin on Glass)膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、O3−TEOS膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、BPSG(Boron Phospho Silicate Glass)膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、HDP(High Density Plasma)法などにより形成される。
【0019】
ゲート層間膜を形成した後、セルフアラインにより、このゲート層間膜にプラグコンタクトホール21を開口する。セルフアラインにおけるエッチングについては、例えば2周波平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばC4F6/Ar/O2=20/1000/20(ml/min)、圧力20(mTorr)、上部RFパワー1000(W)、下部RFパワー2000(W)とする。
【0020】
プラグコンタクトホール21を開口した後、コンタクトプラグ22を形成するためのコンタクトプラグ形成膜を全面に成膜し、ついで、このコンタクトプラグ形成膜をCMP処理する。これにより、図2および図3に示すように、コンタクトプラグ22をプラグコンタクトホール21に形成することができる。
この際のCMP処理により、コンタクトプラグ形成膜とともに、コンタクトプラグ形成膜に覆われていたゲートハードマスク20のうち、上側の絶縁膜18の一部も研磨される。その結果、絶縁膜18が薄膜化される。
コンタクトプラグ形成膜としては、CVD法によるタングステンなどの金属膜が使用される。
【0021】
[耐エッチング膜除去工程]
図4は、耐エッチング膜除去工程の様子を示す平面模式図であり、図5は、図4のB−B’に沿う断面図である。
また、図6は、耐エッチング膜除去工程により、配線部29上の耐エッチング膜17が除去された様子を示す平面模式図であり、図7は、図6のC−C’線に沿う断面図、図8は、図6のD−D’線に沿う断面図である。
コンタクトプラグ形成工程により、上述のようにコンタクトプラグ22を形成した後、ゲートハードマスク20中の耐エッチング膜17のうち、配線部29上に形成された耐エッチング膜17をフォトリソグラフィとエッチングにより除去する。これにより、後に形成する容量コンタクトプラグ同士が耐エッチング膜17により導通しないように、耐エッチング膜17を分断することができる。
【0022】
具体的には、図4および図5に示すように、配線部29上のゲートハードマスク20は露出し、ゲート電極部10上のゲートハードマスク20がカバーされるように、かつ、ゲート配線30と交差する方向に延びるように、フォトレジスト23をパターン形成する。そして、ゲートハードマスク20中の絶縁膜18であるシリコン窒化膜と、耐エッチング膜17とをエッチングする。
このエッチングにより、図6〜図8に示すように、各ゲート電極部10上には耐エッチング膜17が残存する(図7)。一方、配線部29上にはゲートハードマスク中の絶縁膜19のみが残存し、耐エッチング膜は除去されて残存しない(図8)。このように、各ゲート電極部10間で耐エッチング膜17が分断され、各ゲート電極部10ごとに、その上に耐エッチング膜17が島状に孤立して形成された状態となる。
【0023】
ここでのエッチング条件としては、ゲート配線形成工程の説明において、ゲートハードマスク20中のシリコン窒化膜および耐エッチング膜のエッチングについて例示した条件を好適に採用できる。
なお、ここでのエッチングは、容量コンタクトプラグ間が導通しないように、耐エッチング膜17を分断することが目的であるため、この目的が達成される限り、配線部29上の一部に耐エッチング膜が多少残存していても問題はない。
【0024】
[容量コンタクトプラグ形成工程]
図9は、容量コンタクトプラグ形成工程により、容量コンタクトプラグが容量コンタクトホールに形成された様子を示す平面模式図である。図10は、図9のE−E’に沿う断面について、部分的に示した断面図である。
これら図9および図10においては、容量コンタクトプラグ25の中心位置をコンタクトプラグ22の中心位置から意図的にゲート電極部10側にオフセットしてレイアウトしている。このようなレイアウトは、例えば6F2セル構造を採用する場合などにおいて好適に採用される。
【0025】
耐エッチング膜除去工程により、上述のように配線部29上の耐エッチング膜を除去した後、図10に示すように、コンタクトプラグ22を覆う層間絶縁膜(第2層間絶縁膜)28を形成する。この例では、図示は略すが、まず、下層の層間絶縁膜をプラズマCVDで形成した後、ビットコンタクト(図示略)とビット線(図示略)とを形成し、その上に、上層の層間絶縁膜を形成し、2層構造の層間絶縁膜28としている。
上層の層間絶縁膜には、ゲート層間膜と同様に、埋め込み性の良いシリコン酸化膜が好適に使用され、例えばSOG膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、O3−TEOS膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、BPSG膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、HDP法などにより形成される。
【0026】
こうして層間絶縁膜28を形成した後、セルフアラインにより、この層間絶縁膜28に容量コンタクトホール24を開口する。セルフアラインにおけるエッチングについては、例えば2周波平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばC4F6/Ar/O2=20/1000/20(ml/min)、圧力20(mTorr)、上部RFパワー1000(W)、下部RFパワー2000(W)とする。
【0027】
その後、容量コンタクトホール24に、ポリシリコンなどからなり、コンタクトプラグ22と導通する容量コンタクトプラグ25を形成する。
【0028】
以上説明したように本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20をゲート電極部10と配線部29との上に形成した後、配線部29上の耐エッチング膜を除去し、各ゲート電極部10ごとに、その上に耐エッチング膜17が島状に孤立して残存するようにしている。
このようにゲート電極部10上に、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20が形成されていると、CMP処理を経てコンタクトプラグ22を形成し、さらに、エッチングにより容量コンタクトホール24を開口して容量コンタクトプラグ25を形成した場合に、ゲート電極部10と容量コンタクトプラグ25とのショートを防止することができる。
すなわち、ゲートハードマスク20が耐エッチング膜17を備えていると、容量コンタクトホール24を開口するためのエッチングが耐エッチング膜17で止まり、それよりも下層にはエッチングが進行しなくなる。そのため、CMP処理によりゲートハードマスク20が薄膜化するおそれがある場合でも、ゲート電極部10が露出する程にはエッチングは進行しない。よって、ゲート電極部10と容量コンタクトプラグ25とのショートを防止することができる。
また、配線部上の耐エッチング膜は除去されている。そのため、容量コンタクトプラグ間が耐エッチング膜により導通してしまうこともない。
【0029】
また、例えば6F2セル構造を採用する場合などにおいては、図9および図10に示したように、容量コンタクトプラグ25の中心位置をコンタクトプラグ22の中心位置から意図的にゲート電極部10側にオフセットしてレイアウトする場合がある。このような場合、ゲートハードマスク20のエッジ部は、容量コンタクトホール24を形成する際のエッチングにより、よりエッチングされやすく、そのため、容量コンタクトプラグ25とゲート電極部10とはよりショートしやすい。本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ゲート電極部10上には、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20が形成されるため、このように容量コンタクトプラグ25とゲート電極部10とがショートしやすいこのようなレイアウトの半導体装置の製造においても、耐エッチング膜17によりエッチングの進行をくい止め、このようなショートを効果的に防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
10:ゲート電極部
17:耐エッチング膜
18,19:絶縁膜
20:ゲートハードマスク
21:プラグコンタクトホール
22:コンタクトプラグ
24:容量コンタクトホール
25:容量コンタクトプラグ
28:層間絶縁膜
29:配線部
30:ゲート配線
S:半導体基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体装置においては、特許文献1に開示のように、ゲート電極部の上にシリコン窒化膜などからなるゲートハードマスクが形成されることがある。ゲート電極部およびゲートハードマスクを含むゲート配線上には、シリコン酸化膜などからなる絶縁性のゲート層間膜が形成され、ついで、セルフアラインによりゲート層間膜にプラグコンタクトホールが開口される。ついで、その上にタングステンなどの金属膜が成膜され、この金属膜がCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理により平坦化されることで、プラグコンタクトホールにコンタクトプラグが形成される。この際のCMP処理では、ゲートハードマスクも研磨される。その後、CVD(Chemical Vapor Deposition)により酸化シリコン膜などからなる層間絶縁膜が成膜され、この層間絶縁膜にはエッチングにより容量コンタクトホールが開口される。そして、この容量コンタクトホールに、コンタクトプラグと導通する容量コンタクトプラグが形成される。
【0003】
また、例えば特許文献2に開示されているように、例えば6F2セル構造が採用される半導体装置においては、容量コンタクトプラグの中心位置をプラグコンタクトの中心位置から意図的にゲート電極部側にオフセットしたレイアウトが採用されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−72167号公報
【特許文献2】特開2007−287794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、CMP処理において研磨レートの面内均一性が悪い場合には、研磨レートが速い部分が生じ、その部分では、ゲートハードマスクが過度に研磨され、薄膜化してしまう。このようにゲートハードマスクが薄膜化してしまうと、その後の工程で容量コンタクトホールをエッチングにより開口した際に、ゲートハードマスクもエッチングされ、その下のゲート電極部が露出してしまうことがあった。
また、図11および図12に示すように、容量コンタクトプラグ43の中心位置をコンタクトプラグ44の中心位置から意図的にゲート電極部42側にオフセットしたレイアウトの場合には、ゲートハードマスク40のエッジ部が特にエッチングされやすく、ゲート電極部42の露出が特に生じやすい傾向にあった。
このようにゲート電極部42が露出した場合に、開口された容量コンタクトホール41に容量コンタクトプラグ43を形成すると、ゲート電極部42と容量コンタクトプラグ43とがショートしてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体装置の製造方法は、複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを形成後、前記配線部上の前記耐エッチング膜を除去することを特徴とする。
【0007】
本発明の半導体装置の製造方法では、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクをゲート電極部と配線部との上に形成した後、配線部上の耐エッチング膜を除去し、各ゲート電極部ごとに、その上に耐エッチング膜が島状に孤立して残存するようにしている。
このようにゲート電極部上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクが形成されていると、CMP処理を経てコンタクトプラグを形成し、さらに、エッチングにより容量コンタクトホールを開口して容量コンタクトプラグを形成した場合に、ゲート電極部と容量コンタクトプラグとのショートを防止することができる。
すなわち、ゲートハードマスクが耐エッチング膜を備えていると、容量コンタクトホールを開口するためのエッチングが耐エッチング膜で止まり、それよりも下層にはエッチングが進行しなくなる。そのため、CMP処理によりゲートハードマスクが薄膜化するおそれがある場合でも、ゲート電極部が露出する程にはエッチングは進行しない。よって、ゲート電極部と容量コンタクトプラグとのショートを防止することができる。
また、配線部上の耐エッチング膜は除去され、配線部上には存在しない。そのため、容量コンタクトプラグ間が耐エッチング膜により導通してしまうこともない。
【発明の効果】
【0008】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、ゲート電極部と容量コンタクトプラグとのショートを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、ゲート配線形成工程を説明する断面図である。
【図2】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、コンタクトプラグ形成工程を説明する平面模式図である。
【図3】図2のA−A’線に沿う断面図である。
【図4】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、耐エッチング膜除去工程を説明する平面模式図である。
【図5】図4のB−B’線に沿う断面図である。
【図6】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、耐エッチング膜除去工程を説明する平面模式図である。
【図7】図6のC−C’線に沿う断面図である。
【図8】図6のD−D’線に沿う断面図である。
【図9】本発明の実施形態である半導体装置の製造方法を説明する図であって、容量コンタクトプラグ形成工程を説明する平面模式図である。
【図10】図9のE−E’線に沿う断面について、部分的に示した断面図である。
【図11】従来の半導体装置の製造方法を説明する図であって、容量コンタクトプラグを形成する工程について説明する平面模式図である。
【図12】図11のF−F’線に沿う断面について、部分的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体装置の製造方法では、複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを形成後、配線部上の耐エッチング膜を除去する。
本発明の半導体装置の製造方法について、以下実施形態を挙げて、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体装置としてDRAMを採用した場合の製造例であり、ゲート配線を構成する複数のゲート電極部とこれらゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを設けてゲート配線を形成するゲート配線形成工程と、ゲート配線上に、プラグコンタクトホールが開口された第1層間絶縁膜を形成し、この第1層間絶縁膜上にコンタクトプラグ形成膜を形成した後、CMP処理し、前記プラグコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成工程と、配線部上の前記耐エッチング膜を除去する耐エッチング膜除去工程と、コンタクトプラグ上に第2層間絶縁膜を形成し、この第2層間絶縁膜にエッチングで容量コンタクトホールを開口し、この容量コンタクトホールにプラグコンタクトと導通する容量コンタクトプラグを形成する容量コンタクトプラグ形成工程とを有する。
以下、各工程について、順次説明する。
【0012】
[ゲート配線形成工程]
図1は、ゲート配線形成工程により形成されるゲート配線30を示す断面図であり、本実施形態で製造される半導体装置は、略平行に配置された複数本のゲート配線30を備えている。
ゲート配線形成工程では、まず、シリコン基板などの半導体基板S上に、熱酸化法などにより、シリコン酸化膜などからなるゲート絶縁膜25を形成する。ついで、ゲート絶縁膜25の上に、ゲート電極部10および配線部(図示略)を構成する導電膜として、ポリシリコン膜11と、タングステンなどからなる金属膜12とを形成する。また、この例では、ポリシリコン膜11と金属膜12との間に、バリア膜として、LP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法による例えば厚さが10nmのタングステンシリサイド膜26とスパッタ法による例えば厚さが10nmのタングステンナイトライド膜27とを形成する。
【0013】
ついで、ゲート電極部10および配線部を構成する導電膜の上に、ゲートハードマスク20を形成する。ゲートハードマスク20は、絶縁膜18、19間に耐エッチング膜17が配置された構成とされ、絶縁膜18、19としてはシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜が使用されている。この例のゲートハードマスク20は、ゲート電極部10側から、シリコン窒化膜、耐エッチング膜17、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜が順次積層した4層構造とされている。耐エッチング膜17は、タングステンなどの金属膜からなり、エッチングに対する耐性を備えたストッパ膜として作用するものである。
ゲートハードマスク20のシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜はプラズマCVD法により形成し、タングステンなどの金属膜からなる耐エッチング膜はスパッタ法により形成する。
【0014】
ゲートハードマスク20を構成する各膜の厚みとしては、シリコン酸化膜は例えば100nm、シリコン窒化膜は例えば200nmである。また、耐エッチング膜17は、ほとんどエッチングされないため、20〜50nm程度の厚みであれば、充分にストッパ膜として作用する。
また、耐エッチング膜17は、ゲートハードマスク20の絶縁膜18、19間に配置されるが、その配置位置は、ゲートハードマスク20の下端(ゲート電極部10側の端部)から20nm以上上方であり、かつ、ゲートハードマスク20の高さ方向の中心よりも下方の範囲内とされることが好適である。ゲートハードマスク20の下端から20nm以上上方であると、耐エッチング膜17とゲート電極部10とが充分に絶縁される。また、ゲートハードマスク20の高さ方向の中心よりも下方であると、後述のコンタクトプラグ形成工程におけるCMP処理でゲートハードマスク20が研磨されても、耐エッチング膜17までは研磨されず、ストッパ膜としての作用を充分に発現することができる。
【0015】
ついで、これらの層をフォトリソグラフィとエッチングによりパターンニングして、半導体基板S上にゲートパターンを形成する。
ゲートハードマスク20のシリコン酸化膜のエッチングについては、例えば平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばCF4/Ar=100/200(ml/min)、圧力:100(mTorr)、RFパワー:1000(W)とする。シリコン窒化膜のエッチングについても、平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばCF4/CHF3/Ar/O2=100/100/100/200(ml/min)、圧力:100(mTorr)、RFパワー:1000(W)とする。耐エッチング膜のエッチングについては、耐エッチング膜がタングステンからなる場合には、例えば、マイクロ波プラズマエッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばCl2/SF6=150/50(ml/min)、圧力10(mTorr)、マイクロ波パワー1000(W)、RFパワー20(W)とする。
【0016】
ゲート電極部10および配線部を構成する導電膜のエッチングについては、例えばマイクロ波プラズマエッチング装置を用い、タングステンなどからなる金属膜12のエッチング条件は、例えばCl2/SF6=150/50(ml/min)、圧力10(mTorr)、マイクロ波パワー1000(W)、RFパワー20(W)とする。マイクロ波プラズマエッチング装置内で引き続き行うポリシリコン膜11のエッチング条件は、例えばHBr/O2=200/10(ml/min)、圧力10(mTorr)、マイクロ波パワー1000(W)、RFパワー20(W)とする。
【0017】
また、この例では、金属膜12のエッチング後、ポリシリコン膜11をエッチングする前に、LP−CVD法による例えば厚さが10nmのシリコン窒化膜を成膜し、ついで、このシリコン窒化膜のうち、ポリシリコン膜11の上に形成された部分をエッチングしている。これにより、ゲート電極部10および配線部の側面を覆うシリコン窒化膜13を形成する。ついで、このようにしてシリコン窒化膜13を形成した後、熱酸化法により、例えば厚さが5nmのシリコン酸化膜14をこのシリコン窒化膜13の外側に形成する。その後、LP−CVD法による厚さが例えば20nmのシリコン窒化膜15を成膜する。
これにより、図1に示すように、ゲート電極部10および配線部(図示略)の側面には、シリコン窒化膜13/シリコン酸化膜14/シリコン窒化膜15の3層構造からなるサイドウォール16が形成され、ゲート電極部10と配線部の上には、ゲートハードマスク20が積層したゲート配線30を形成することができる。
【0018】
[コンタクトプラグ形成工程]
図2は、コンタクトプラグ形成工程により、図示略のソース領域またはドレイン領域に接続するコンタクトプラグ22が形成された様子を示す平面模式図であり、図3は、図2のA−A’に沿う断面図である。
上述のようにゲート配線30を形成した後、ゲート配線30を覆うように、ゲート配線30上に絶縁性のゲート層間膜(第1層間絶縁膜)を形成する。ゲート層間膜としては、埋め込み性の良いシリコン酸化膜が好適であり、例えばSOG(Spin on Glass)膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、O3−TEOS膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、BPSG(Boron Phospho Silicate Glass)膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、HDP(High Density Plasma)法などにより形成される。
【0019】
ゲート層間膜を形成した後、セルフアラインにより、このゲート層間膜にプラグコンタクトホール21を開口する。セルフアラインにおけるエッチングについては、例えば2周波平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばC4F6/Ar/O2=20/1000/20(ml/min)、圧力20(mTorr)、上部RFパワー1000(W)、下部RFパワー2000(W)とする。
【0020】
プラグコンタクトホール21を開口した後、コンタクトプラグ22を形成するためのコンタクトプラグ形成膜を全面に成膜し、ついで、このコンタクトプラグ形成膜をCMP処理する。これにより、図2および図3に示すように、コンタクトプラグ22をプラグコンタクトホール21に形成することができる。
この際のCMP処理により、コンタクトプラグ形成膜とともに、コンタクトプラグ形成膜に覆われていたゲートハードマスク20のうち、上側の絶縁膜18の一部も研磨される。その結果、絶縁膜18が薄膜化される。
コンタクトプラグ形成膜としては、CVD法によるタングステンなどの金属膜が使用される。
【0021】
[耐エッチング膜除去工程]
図4は、耐エッチング膜除去工程の様子を示す平面模式図であり、図5は、図4のB−B’に沿う断面図である。
また、図6は、耐エッチング膜除去工程により、配線部29上の耐エッチング膜17が除去された様子を示す平面模式図であり、図7は、図6のC−C’線に沿う断面図、図8は、図6のD−D’線に沿う断面図である。
コンタクトプラグ形成工程により、上述のようにコンタクトプラグ22を形成した後、ゲートハードマスク20中の耐エッチング膜17のうち、配線部29上に形成された耐エッチング膜17をフォトリソグラフィとエッチングにより除去する。これにより、後に形成する容量コンタクトプラグ同士が耐エッチング膜17により導通しないように、耐エッチング膜17を分断することができる。
【0022】
具体的には、図4および図5に示すように、配線部29上のゲートハードマスク20は露出し、ゲート電極部10上のゲートハードマスク20がカバーされるように、かつ、ゲート配線30と交差する方向に延びるように、フォトレジスト23をパターン形成する。そして、ゲートハードマスク20中の絶縁膜18であるシリコン窒化膜と、耐エッチング膜17とをエッチングする。
このエッチングにより、図6〜図8に示すように、各ゲート電極部10上には耐エッチング膜17が残存する(図7)。一方、配線部29上にはゲートハードマスク中の絶縁膜19のみが残存し、耐エッチング膜は除去されて残存しない(図8)。このように、各ゲート電極部10間で耐エッチング膜17が分断され、各ゲート電極部10ごとに、その上に耐エッチング膜17が島状に孤立して形成された状態となる。
【0023】
ここでのエッチング条件としては、ゲート配線形成工程の説明において、ゲートハードマスク20中のシリコン窒化膜および耐エッチング膜のエッチングについて例示した条件を好適に採用できる。
なお、ここでのエッチングは、容量コンタクトプラグ間が導通しないように、耐エッチング膜17を分断することが目的であるため、この目的が達成される限り、配線部29上の一部に耐エッチング膜が多少残存していても問題はない。
【0024】
[容量コンタクトプラグ形成工程]
図9は、容量コンタクトプラグ形成工程により、容量コンタクトプラグが容量コンタクトホールに形成された様子を示す平面模式図である。図10は、図9のE−E’に沿う断面について、部分的に示した断面図である。
これら図9および図10においては、容量コンタクトプラグ25の中心位置をコンタクトプラグ22の中心位置から意図的にゲート電極部10側にオフセットしてレイアウトしている。このようなレイアウトは、例えば6F2セル構造を採用する場合などにおいて好適に採用される。
【0025】
耐エッチング膜除去工程により、上述のように配線部29上の耐エッチング膜を除去した後、図10に示すように、コンタクトプラグ22を覆う層間絶縁膜(第2層間絶縁膜)28を形成する。この例では、図示は略すが、まず、下層の層間絶縁膜をプラズマCVDで形成した後、ビットコンタクト(図示略)とビット線(図示略)とを形成し、その上に、上層の層間絶縁膜を形成し、2層構造の層間絶縁膜28としている。
上層の層間絶縁膜には、ゲート層間膜と同様に、埋め込み性の良いシリコン酸化膜が好適に使用され、例えばSOG膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、O3−TEOS膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、BPSG膜を成膜後にアニール処理を行い表面を平坦にする方法、HDP法などにより形成される。
【0026】
こうして層間絶縁膜28を形成した後、セルフアラインにより、この層間絶縁膜28に容量コンタクトホール24を開口する。セルフアラインにおけるエッチングについては、例えば2周波平行平板型エッチング装置を用い、エッチング条件は、例えばC4F6/Ar/O2=20/1000/20(ml/min)、圧力20(mTorr)、上部RFパワー1000(W)、下部RFパワー2000(W)とする。
【0027】
その後、容量コンタクトホール24に、ポリシリコンなどからなり、コンタクトプラグ22と導通する容量コンタクトプラグ25を形成する。
【0028】
以上説明したように本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20をゲート電極部10と配線部29との上に形成した後、配線部29上の耐エッチング膜を除去し、各ゲート電極部10ごとに、その上に耐エッチング膜17が島状に孤立して残存するようにしている。
このようにゲート電極部10上に、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20が形成されていると、CMP処理を経てコンタクトプラグ22を形成し、さらに、エッチングにより容量コンタクトホール24を開口して容量コンタクトプラグ25を形成した場合に、ゲート電極部10と容量コンタクトプラグ25とのショートを防止することができる。
すなわち、ゲートハードマスク20が耐エッチング膜17を備えていると、容量コンタクトホール24を開口するためのエッチングが耐エッチング膜17で止まり、それよりも下層にはエッチングが進行しなくなる。そのため、CMP処理によりゲートハードマスク20が薄膜化するおそれがある場合でも、ゲート電極部10が露出する程にはエッチングは進行しない。よって、ゲート電極部10と容量コンタクトプラグ25とのショートを防止することができる。
また、配線部上の耐エッチング膜は除去されている。そのため、容量コンタクトプラグ間が耐エッチング膜により導通してしまうこともない。
【0029】
また、例えば6F2セル構造を採用する場合などにおいては、図9および図10に示したように、容量コンタクトプラグ25の中心位置をコンタクトプラグ22の中心位置から意図的にゲート電極部10側にオフセットしてレイアウトする場合がある。このような場合、ゲートハードマスク20のエッジ部は、容量コンタクトホール24を形成する際のエッチングにより、よりエッチングされやすく、そのため、容量コンタクトプラグ25とゲート電極部10とはよりショートしやすい。本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、ゲート電極部10上には、耐エッチング膜17を備えたゲートハードマスク20が形成されるため、このように容量コンタクトプラグ25とゲート電極部10とがショートしやすいこのようなレイアウトの半導体装置の製造においても、耐エッチング膜17によりエッチングの進行をくい止め、このようなショートを効果的に防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
10:ゲート電極部
17:耐エッチング膜
18,19:絶縁膜
20:ゲートハードマスク
21:プラグコンタクトホール
22:コンタクトプラグ
24:容量コンタクトホール
25:容量コンタクトプラグ
28:層間絶縁膜
29:配線部
30:ゲート配線
S:半導体基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを形成後、前記配線部上の前記耐エッチング膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記ゲートハードマスクでは、絶縁膜間に前記耐エッチング膜が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁膜としてシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜を備え、
前記ゲートハードマスクは、前記ゲート電極部側から、シリコン窒化膜、耐エッチング膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜が順次積層した4層構造であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
耐エッチング膜が金属膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記金属膜がタングステンからなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを設けてゲート配線を形成するゲート配線形成工程と、
前記ゲート配線上に、プラグコンタクトホールが開口された第1層間絶縁膜を形成し、前記第1層間絶縁膜上にコンタクトプラグ形成膜を形成した後、CMP処理し、前記プラグコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成工程と、
前記配線部上の前記耐エッチング膜を除去する耐エッチング膜除去工程と、
前記コンタクトプラグ上に第2層間絶縁膜を形成し、該第2層間絶縁膜にエッチングで容量コンタクトホールを開口し、該容量コンタクトホールに前記プラグコンタクトと導通する容量コンタクトプラグを形成する容量コンタクトプラグ形成工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記ゲートハードマスクでは、絶縁膜間に前記耐エッチング膜が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁膜としてシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜を備え、
前記ゲートハードマスクは、前記ゲート電極部側から、シリコン窒化膜、耐エッチング膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜が順次積層した4層構造であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
耐エッチング膜が金属膜であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記金属膜がタングステンからなることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
ゲート電極部の上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクが積層されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを形成後、前記配線部上の前記耐エッチング膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記ゲートハードマスクでは、絶縁膜間に前記耐エッチング膜が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁膜としてシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜を備え、
前記ゲートハードマスクは、前記ゲート電極部側から、シリコン窒化膜、耐エッチング膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜が順次積層した4層構造であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
耐エッチング膜が金属膜であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記金属膜がタングステンからなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
複数のゲート電極部と該ゲート電極部間を接続する配線部との上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクを設けてゲート配線を形成するゲート配線形成工程と、
前記ゲート配線上に、プラグコンタクトホールが開口された第1層間絶縁膜を形成し、前記第1層間絶縁膜上にコンタクトプラグ形成膜を形成した後、CMP処理し、前記プラグコンタクトホールにコンタクトプラグを形成するコンタクトプラグ形成工程と、
前記配線部上の前記耐エッチング膜を除去する耐エッチング膜除去工程と、
前記コンタクトプラグ上に第2層間絶縁膜を形成し、該第2層間絶縁膜にエッチングで容量コンタクトホールを開口し、該容量コンタクトホールに前記プラグコンタクトと導通する容量コンタクトプラグを形成する容量コンタクトプラグ形成工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記ゲートハードマスクでは、絶縁膜間に前記耐エッチング膜が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁膜としてシリコン窒化膜およびシリコン酸化膜を備え、
前記ゲートハードマスクは、前記ゲート電極部側から、シリコン窒化膜、耐エッチング膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜が順次積層した4層構造であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
耐エッチング膜が金属膜であることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記金属膜がタングステンからなることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
ゲート電極部の上に、耐エッチング膜を備えたゲートハードマスクが積層されたことを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−258098(P2010−258098A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104420(P2009−104420)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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