走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラム
【課題】走行可能範囲の境界の位置をユーザに容易に把握させることを可能とし、ユーザの利便性を向上させた走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】車両2の現在のバッテリ7のSOC値を取得し(S1)、取得されたバッテリのSOC値の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2がEV走行によって走行可能な走行可能範囲の境界を算出し(S2)、算出された走行可能範囲の境界を液晶ディスプレイ15に表示された地図上に表示する(S3)。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされている途中に、算出された走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合に、スクロールを停止する(S8)ように構成する。
【解決手段】車両2の現在のバッテリ7のSOC値を取得し(S1)、取得されたバッテリのSOC値の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2がEV走行によって走行可能な走行可能範囲の境界を算出し(S2)、算出された走行可能範囲の境界を液晶ディスプレイ15に表示された地図上に表示する(S3)。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされている途中に、算出された走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合に、スクロールを停止する(S8)ように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図の所定エリアを表示装置に表示する走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用のナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などの携帯情報機器、パーソナルコンピュータ等では、地図情報として一般道路及び高速道路等の道路や施設名称等を各種記憶デバイスに記憶するか、又はサーバ等からダウンロードすることにより、利用者に対して所望のエリアの地図を表示することが可能となっている。
【0003】
一方で、近年においては、バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両等の車両が多く存在する。
【0004】
そこで従来より、現在のエネルギー残量で車両が走行できる走行可能範囲を、ナビゲーション装置等の地図表示機能を有する上記装置を用いてユーザに提供することが提案されている。例えば、特開平7−85397号公報には、電気自動車が備える表示装置に対して、自車周辺の地図を表示するとともに、現在のバッテリの残量と周囲の地形に基づいて走行可能範囲を算出し、地図上に表示する技術について記載されている。
【特許文献1】特開平7−85397号公報(第3頁〜第4頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ユーザが走行可能範囲を把握する場合には、走行可能範囲の境界の位置を把握することが必要である。しかしながら、上記走行可能範囲を表示装置に表示した場合に、現在の表示装置に表示する地図の縮尺によっては走行可能範囲の境界をユーザが把握できない場合がある。例えば、地図の縮尺が大きい場合には、走行可能範囲内の一部エリアのみしか表示されず、走行可能範囲の境界が表示されない場合もある。
そこで、そのような場合においては、表示装置に表示された地図を、ユーザの操作に基づいてスクロールすることが行われている。例えば、ユーザがスクロール方向を指定した場合に、そのスクロール方向へと表示装置に表示された地図がスクロールする。それによって、現在、表示装置に表示されているエリアの地図のみではなく、走行可能範囲の境界を含む他のエリアの地図についても表示装置に表示させることが可能となる。従って、ユーザは地図の縮尺を変更することなく走行可能範囲の境界の位置について把握することが可能となる。
【0006】
しかしながら、従来において地図のスクロールの停止位置はユーザの操作に基づいて決定されていた。従って、走行可能範囲の境界が表示装置の表示エリアに含まれる位置で正確に地図のスクロールを停止することは困難である。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに容易に把握させることを可能とし、ユーザの利便性を向上させた走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る走行案内装置(1)は、地図の所定エリアを表示装置(15)に表示する地図表示手段(33)と、ユーザの操作を受け付ける操作受付手段(33)と、前記操作受付手段により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール手段(33)と、車両(2)のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得手段(33)と、前記エネルギー残量取得手段により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出手段(33)と、前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止手段(33)と、を有することを特徴とする。
ここで、「車両」とはバッテリから供給される電力をエネルギーとして走行する電気自動車以外にも、ガソリンをエネルギーとして走行するガソリン自動車、電力及びガソリンをエネルギーとして走行するハイブリッド車両等も含む。
【0009】
また、請求項2に係る走行案内装置(1)は、請求項1に記載の走行案内装置であって、前記スクロール停止手段(33)は、前記走行可能範囲の境界の座標を取得する境界座標取得手段(33)と、前記表示エリアの中央位置の座標を取得する中央位置座標取得手段(33)と、前記中央位置座標取得手段により取得した座標が前記境界座標取得手段により取得した座標と一致するか否か判定する座標一致判定手段(33)と、を備え、前記座標一致判定手段によって座標が一致すると判定された場合に前記表示エリアスクロール手段による前記スクロールを停止することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る走行案内装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の走行案内装置であって、前記スクロール停止手段(33)によって前記表示エリアスクロール手段(33)による前記スクロールが停止された場合に、走行可能範囲の境界が前記表示装置(15)の表示エリアに含まれている旨を案内する案内手段(33)を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る走行案内装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行案内装置であって、前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置するエネルギー補給施設の内、前記車両(2)がエネルギーの補給を行う補給実施エネルギー補給施設の位置情報と該補給実施エネルギー補給施設での予定補給量を取得する予定補給情報取得手段(33)と、前記車両の前記補給実施エネルギー補給施設への到達時のエネルギーの残量を算出する到達時エネルギー算出手段(33)と、前記予定補給量と前記到達時のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設にてエネルギーを補給後の前記車両のエネルギーの残量を取得する補給後エネルギー残量取得手段(33)と、前記予定補給情報取得手段により取得した補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量を消費することによって前記車両が前記補給実施エネルギー補給施設から走行可能な走行可能範囲の境界を算出する補給後走行可能範囲算出手段(33)と、前記スクロール停止手段(33)は、前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記補給後走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る走行案内装置(1)は、請求項4に記載の走行案内装置であって、前記操作受付手段(33)により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置する複数のエネルギー補給施設から前記補給実施エネルギー補給施設を特定する補給施設特定手段(33)を有し、前記予定補給情報取得手段(33)は、前記補給施設特定手段によって特定された前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給実施エネルギー補給施設における予定補給量を取得することを特徴とすることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る走行案内装置(1)は、請求項4又は請求項5に記載の走行案内装置であって、前記車両(2)の目的地の位置情報を取得する目的地取得手段(33)と、前記目的地の位置情報と前記予定補給情報取得手段(33)により取得した前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設を経由して目的地へと至る経路を探索する経路探索手段(33)と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る走行案内方法は、地図の所定エリアを表示装置(15)に表示する地図表示ステップと、ユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、前記操作受付ステップにより受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロールステップと、車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得ステップと、前記エネルギー残量取得ステップにより取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出ステップと、前記表示エリアスクロールステップによって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
更に、請求項8に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、地図の所定エリアを表示装置(15)に表示する地図表示機能と、ユーザの操作を受け付ける操作受付機能と、前記操作受付機能により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール機能と、車両(2)のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得機能と、前記エネルギー残量取得機能により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出機能と、前記表示エリアスクロール機能によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
前記構成を有する請求項1に記載の走行案内装置によれば、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
また、請求項2に記載の走行案内装置によれば、走行可能範囲の境界の位置が表示エリアの中央位置となった場合にスクロールを停止させるので、ユーザは表示装置を視認した際に走行可能範囲の境界の位置を容易に把握することが可能となる。
【0018】
また、請求項3に記載の走行案内装置によれば、ユーザに対して走行可能範囲の境界が表示装置の表示エリアに含まれていることを確実に把握させることが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の走行案内装置によれば、エネルギー補給施設で補給を行う場合において、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中でエネルギー補給後の走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、エネルギー補給後の走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、エネルギーを補給することによってその後に走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0020】
また、請求項5に記載の走行案内装置によれば、現在のエネルギー残量で走行することが可能な走行可能範囲内にある複数のエネルギー補給施設から、ユーザがエネルギーの補給を希望するエネルギー補給施設を選択することができる。従って、ユーザの走行計画に適合した走行可能範囲を案内することが可能となる。
【0021】
また、請求項6に記載の走行案内装置によれば、目的地までの走行途中においてエネルギー補給施設でエネルギーの補給を行う場合に、該エネルギー補給施設を経由して目的地へと至る適切な経路を案内することが可能となる。
【0022】
また、請求項7に記載の走行案内方法によれば、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0023】
更に、請求項8に記載のコンピュータプログラムによれば、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る走行案内装置についてナビゲーション装置に具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態に係るナビゲーション装置1を車載機として搭載した車両2の車両制御システム3の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る車両制御システム3の概略構成図、図2は第1実施形態に係る車両制御システム3の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、車両2は外部電源からバッテリを充電することができる車両とする。そして、外部電源からバッテリを充電することができる車両としては、モータのみを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするプラグインハイブリッド車両があるが、以下に説明する第1実施形態及び第2実施形態ではプラグインハイブリッド車両を用いることとする。
【0026】
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る車両制御システム3は、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1と、エンジン4と、駆動モータ5と、発電機6と、バッテリ7と、プラネタリギヤユニット8と、車両制御ECU9と、エンジン制御ECU10と、駆動モータ制御ECU11と、発電機制御ECU12と、充電制御ECU13とから基本的に構成されている。
【0027】
ここで、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、車両周辺の地図や目的地までの案内経路を表示する液晶ディスプレイ15や、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16等を備えている。そして、GPS等によって車両2の現在位置を特定するととともに、目的地が設定された場合においては目的地までの経路の探索、並びに設定された案内経路に従った案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。また、ナビゲーション装置1は、後述するように、ユーザの操作に基づいて液晶ディスプレイ15に表示されている地図を他のエリアへとスクロールする。また、バッテリ7の現在のバッテリ残量(以下、SOC値)のみを消費する走行(即ちEV走行)によって走行可能な範囲(以下、走行可能範囲)の境界を算出する。更に、地図がスクロールされている途中に、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示されている地図のエリア(以下、表示エリアという)に含まれた場合に、スクロールを自動停止する。尚、ナビゲーション装置1の詳細な構成については後述する。
【0028】
また、エンジン4はガソリン、軽油、エタノール等の燃料によって駆動される内燃機関等のエンジンであり、車両2の第1の駆動源として用いられる。そして、エンジン4の駆動力であるエンジントルクはプラネタリギヤユニット8に伝達され、プラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。
【0029】
また、駆動モータ5はバッテリ7から供給される電力に基づいて回転運動するモータであり、車両2の第2の駆動源として用いられる。駆動モータはバッテリ7から供給された電力により駆動され、駆動モータ5のトルクである駆動モータトルクを発生する。そして、発生した駆動モータトルクにより駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。
特に、第1実施形態に示すようなプラグインハイブリッド車両では、基本的にバッテリの残量が所定値以下となるまでは駆動モータ5のみにより車両2が駆動され、駆動モータ5のみを駆動源とする所謂EV走行を行う。一方、バッテリの残量が所定値以下となった後はエンジン4も用いて車両が駆動され、エンジン4と駆動モータ5とを状況によって使い分けて駆動源とする所謂HV走行を行う。
更に、エンジンブレーキ必要時及び制動停止時において、駆動モータ5は回生ブレーキとして機能し、車両慣性エネルギーを電気エネルギーとして回生する。
【0030】
また、発電機6はプラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動され、電力を発生させる発電装置である。そして、発電機6は図示されない発電機用インバータを介してバッテリ7に接続されており、発生した交流電流を直流電流に変換し、バッテリ7に供給する。尚、駆動モータ5と発電機6を一体的に構成しても良い。
【0031】
また、バッテリ7は充電と放電とを繰り返すことができる蓄電手段としての二次電池であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が用いられる。更に、バッテリ7は車両2の側壁に設けられた充電コネクタ18と接続されている。そして、自宅や所定の充電設備を備えた充電施設において、充電コネクタ18をコンセント等の電力供給源に接続することにより、バッテリ7の充電を行うことが可能となる。更に、バッテリ7は上記駆動モータで発生した回生電力や発電機で発電された電力によっても充電される。
【0032】
また、プラネタリギヤユニット8はサンギヤ、ピニオン、リングギヤ、キャリア等によって構成され、エンジン4の駆動力の一部を発電機6へと分配し、残りの駆動力を駆動輪17へと伝達する。
【0033】
また、車両制御ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)9は、車両2の全体の制御を行う電子制御ユニットである。また、車両制御ECU9には、エンジン4の制御を行う為のエンジン制御ECU10、駆動モータ5の制御を行う為の駆動モータ制御ECU11、発電機6の制御を行う為の発電機制御ECU12、バッテリ7の制御を行う為の充電制御ECU13が接続されるとともに、ナビゲーション装置1が備える後述のナビゲーションECU33に接続されている。
そして、車両制御ECU9は、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラム等が記録されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0034】
また、エンジン制御ECU10、駆動モータ制御ECU11、発電機制御ECU12及び充電制御ECU13は、図示しないCPU、RAM、ROM等からなり、それぞれエンジン4、駆動モータ5、発電機6、バッテリ7の制御を行う。
【0035】
続いて、ナビゲーション装置1の構成について図2を用いて説明する。
図2に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両2の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(地図表示手段、操作受付手段、表示エリアスクロール手段、エネルギー残量取得手段、走行可能範囲算出手段、スクロール停止手段、境界座標取得手段、中央位置座標取得手段、座標一致判定手段、案内手段、予定補給情報取得手段、到達時エネルギー算出手段、補給後エネルギー残量取得手段、補給後走行可能範囲算出手段、補給施設特定手段、目的地取得手段、経路探索手段)33と、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル34と、ユーザに対して車両周辺の地図や走行可能範囲の境界を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスや充電施設の案内を出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37、プローブセンタやVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、から構成されている。
【0036】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両2の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両2の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0037】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された車両パラメータDB46、地図情報DB47、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0038】
ここで、車両パラメータDB46は、車両2に関する各種パラメータを記憶するDBである。具体的には、前面投影面積A[m2]、駆動機構慣性重量Wr[kN]、車重M[kg]、駆動輪の転がり抵抗係数μr、空気抵抗係数μl、コーナリング抵抗Rc[kN]等が記憶される。尚、各車両パラメータは後述するようにナビゲーションECU33によって、車両2がEV走行のみで走行可能な走行可能範囲の境界を算出するのに用いられる。
【0039】
ここで、地図情報DB47は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。尚、リンクデータには傾斜区間に関する情報(傾斜角度に関する情報(勾配等)を含む)、カーブに関する情報(開始点、終了点、旋回半径に関する情報を含む)も含まれる。また、第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、施設データには充電施設に関する充電施設情報についても含まれる。ここで、充電施設とは、駆動源への電力供給源とするバッテリに電力を供給する為の専用の充電設備を備えたエネルギー補給施設であり、例えば、自動車充電ステーション、ガソリンスタンド、ショッピングセンタ等が該当する。そして、地図情報DB47に記憶される充電施設情報としては、充電施設の位置座標、施設名称、充電料金、充電施設の営業時間等がある。
【0040】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの案内経路を設定する誘導経路設定処理、前記車両の走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出処理、ユーザの操作及び算出された走行可能範囲の境界に基づいて液晶ディスプレイ15に表示された地図のスクロールを行うスクロール処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、地図スクロール処理プログラム(図3参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0041】
タッチパネル34は、液晶ディスプレイ15のディスプレイ面の前面に設けられ、ユーザの操作を受け付ける操作手段である。タッチパネル34は、液晶ディスプレイ15に表示されている地図を他のエリアへとスクロールする際に、スクロール方向やスクロール速度を指定する際に操作される。また、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際に操作される。そして、ナビゲーションECU33は、液晶ディスプレイ15のディスプレイ画面のいずれかの位置がユーザに押下された場合に、押下された位置に応じて発生した電圧を検出することにより押下された位置を検知し、検出した位置に対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
尚、ユーザの操作を受け付ける操作手段としては、タッチパネル34の代わりに操作ボタンやリモコンを用いても良い。
【0042】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、ユーザにより所定の操作が行われた際、又は車両2のバッテリ7の充電が終了した後に、車両2の現在位置周辺の地図画像に重畳して車両2がEV走行のみで走行できる走行可能範囲の境界が表示される。また、ユーザによって所定の操作が行われた場合には、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされる。更に、走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれることによって液晶ディスプレイ15における地図のスクロールが停止した場合には、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨の案内を出力する。
【0043】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれることによって液晶ディスプレイ15における地図のスクロールが停止した場合には、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨の案内を出力する。
【0044】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB47の更新等が行われる。
【0045】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0046】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU33が実行する地図スクロール処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は第1実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図スクロール処理プログラムは車両2のバッテリ7の充電が終了した場合又はユーザにより所定の操作が行われた場合に実行され、EV走行のみで走行できる走行可能範囲の境界を算出するとともに、ユーザの操作及び算出された走行可能範囲の終点に基づいて液晶ディスプレイ15に表示された地図のスクロールを行うプログラムである。尚、以下の図3にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0047】
先ず、地図スクロール処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は車両2に搭載されたバッテリ7のSOC値(バッテリ7のエネルギー残量)を充電制御ECU13から取得する。
【0048】
次に、S2でCPU51は、前記S1で取得されたバッテリのSOC値の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2がEV走行のみによって走行可能な走行可能範囲の境界を算出する。
【0049】
以下に、上記S2の走行可能範囲の境界の算出処理について詳細に説明する。上記S2では、CPU51は具体的に以下の(a)〜(g)の処理を実行する。
(a)先ず、CPU51は現在位置検出部31により車両2の現在位置を検出する。また、検出した車両2の現在位置を地図上で特定するマップマッチングも行われる。
(b)次に、CPU51は車両の現在位置周辺(例えば、周囲50km以内)の地図情報及び交通情報を地図情報DB47、プローブセンタ、VICSセンタ等から取得する。ここで、取得する地図情報としては、例えば交差点に関する情報(位置、信号の有無、車線数に関する情報を含む)、道路の傾斜区間に関する情報(傾斜角度に関する情報を含む)、カーブに関する情報(開始点、終了点、旋回半径に関する情報を含む)がある。また、取得する交通情報としては、渋滞情報(渋滞の開始点、渋滞長、渋滞度、走行予定経路を構成する各リンクの平均車速に関する情報を含む)、規制情報(通行止めや車線規制に関する情報を含む)がある。
(c)次に、CPU51は、車両パラメータDB46を読み出し、車両2に関する各種パラメータ情報を取得する。具体的には、前面投影面積A[m2]、駆動機構慣性重量Wr[kN]、車重M[kg]、駆動輪の転がり抵抗係数μr、空気抵抗係数μl、コーナリング抵抗Rc[kN]等である。
(d)続いて、CPU51は、車両2の現在位置を中心とし、所定距離(例えば50km)を半径とした円を地図上に規定する。そして、規定した円の円周上に等間隔(例えば円周を8等分した際の分割点)で仮の目的地を複数設定する。
(e)地図情報に基づいて車両2の現在位置から設定された仮の目的地までの経路を仮の目的地毎にそれぞれ探索する。
(f)取得したSOC値、地図情報、交通情報及び車両パラメータ情報に基づいて、仮の目的地までの各経路を走行した場合に、車両の現在位置からEV走行のみで到達可能な到達可能地点を経路毎に特定する。尚、到達可能地点は、各経路を走行する際に駆動モータ5の駆動で消費される消費エネルギー量、並びに経路の走行中にバッテリ7に蓄えられると推定される回生エネルギー量をそれぞれ推定することによって特定される。
(g)そして、CPU51は各経路における到達可能地点を直線又は曲線で結ぶ。その結果、結ばれた線が走行可能範囲の境界として算出される。尚、走行可能範囲の境界は地図上の座標により特定される。
尚、上記具体例では、地図情報や車両パラメータ情報から到達可能点を特定しているが、車両の走行履歴に基づいて算出しても良い。例えば、過去に同一のリンクを走行した走行履歴がある場合には、過去の走行時における消費エネルギー量及び回生エネルギー量を用いて到達可能地点を特定しても良い。また、アクセル操作やブレーキ操作等の運転者の車両操作特性を過去の操作履歴から取得しても良い。その場合には、地図情報と車両操作特性とに基づいて、各走行経路を走行する際の消費エネルギー量及び回生エネルギー量を推定し、到達可能地点を特定する。
また、車両2が消費電力あたりに走行可能な距離を走行履歴等から算出し、その算出値に現在のSOC値を乗じた値を走行可能距離として定義しても良い。そして、車両2の現在位置を中心とし、走行可能距離を半径とした円を走行可能範囲の境界としても良い。
【0050】
その後、S3でCPU51は、車両2の現在位置周辺の地図を液晶ディスプレイ15に表示する。更に、前記S2で算出された走行可能範囲の境界を、液晶ディスプレイ15に表示された地図上に重ねて表示する。
【0051】
ここで、図4は前記S3において走行可能範囲の境界が表示された液晶ディスプレイ15の表示画面の一例を示した図である。尚、図4では1/64万の縮尺で地図を表示した場合の表示画面を示している。
図4に示すように液晶ディスプレイ15の表示画面61には、車両の現在位置周辺の地図画像62と、地図上にマッチングされた車両の現在位置を示す自車位置マーク63と、地図の表示エリアの中央位置を特定する中央カーソル64と、自車位置マーク63の周囲に表示された走行可能範囲の境界65とが表示される。ここで、走行可能範囲の境界65の線上が現在のSOC値でEV走行のみにより車両2が到達可能な最長の到達可能地点となる。即ち、境界65で囲まれたエリアが現在のSOC値でEV走行のみにより車両が到達可能なエリアとなる。そして、ユーザは走行可能範囲の境界65を参照することにより、現在のSOC値でEV走行のみにより車両が走行できる範囲を把握することが可能となる。
尚、図4では1/64万の縮尺で地図を表示した結果、液晶ディスプレイ15に走行可能範囲の全体を表示することが可能であるが、1/64万より大きい縮尺で地図を表示すると、走行可能範囲の全体を表示することができない場合がある。即ち、ユーザが境界付近の詳細な地形や施設を確認することを希望する場合に、地図の縮尺を大きな縮尺に変更することが考えられるが、その場合には走行可能範囲の全体が入らない場合がある。例えば、図5は1/5000の縮尺で地図を表示した場合の液晶ディスプレイ15の表示画面61を示しているが、図5に示す表示画面61には、走行可能範囲の境界65が表示されない。従って、ユーザは走行可能範囲の全体の形状を把握できない。その場合に、走行可能範囲の境界付近の地図を確認するために、ユーザは後述の地図のスクロール操作を実行すると考えられる。
【0052】
続いて、S4でCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、ユーザのスクロール操作を受け付けたか否か判定する。そして、ユーザのスクロール操作を受け付けたと判定した場合(S4:YES)には、S5へと移行する。一方、ユーザのスクロール操作を受け付けていないと判定した場合(S4:NO)には、S14へと移行する。
【0053】
S5では、CPU51は受け付けたユーザのスクロール操作に基づいて、液晶ディスプレイ15に表示される地図をスクロールするスクロール処理を行う。その結果、液晶ディスプレイ15に表示される地図の表示エリアが連続的に変更される。
【0054】
ここで、スクロール処理にはワンタッチスクロール処理と連続スクロール処理の2種類のスクロール処理が存在する。
先ず、ワンタッチスクロール処理について説明する。ワンタッチスクロール処理は、ユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面のいずれかの箇所を所定時間(例えば1sec)未満のみ接触したことをCPU51が検出した場合に実行される。そして、CPU51は、先ず図6に示すようにユーザが接触した地点Xの座標を取得する。次に、取得した地点Xの座標が地図の表示エリアの中央位置となるように地図を矢印69方向に所定距離だけスクロールする。その結果、ユーザが接触した地点Xを表示エリアの中央位置とした地図が液晶ディスプレイ15に新たに表示される。
【0055】
次に、連続スクロール処理について説明する。連続スクロール処理は、ユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面のいずれかの箇所を所定時間(例えば1sec)以上継続して接触したことをCPU51が検出した場合に実行される。そして、連続スクロール処理は、液晶ディスプレイ15の表示画面においてユーザの接触した箇所によってスクロール方向(8方向のいずれか)とスクロール速度(低速、高速のいずれか)が決定される。ここで、図7に示すように第1実施形態では、液晶ディスプレイ15の表示画面61は、16個のエリア71〜86に区分される。そして、エリア71、72にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印91方向へスクロールする。同様に、エリア73、74にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印92方向へスクロールする。エリア75、76にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印93方向へスクロールする。エリア77、78にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印94方向へスクロールする。エリア79、80にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印95方向へスクロールする。エリア81、82にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印96方向へスクロールする。エリア83、84にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印97方向へスクロールする。エリア85、86にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印98方向へスクロールする。また、中心に近いエリア71、73、75、77、79、81、83、85に接触したことを検出した場合より外側のエリア72、74、76、78、80、82、84、86に接触したことを検出した場合の方が、より高速で地図をスクロールする。
【0056】
続いて、S6においてCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている表示エリア(表示画面61)の中央位置の座標を地図情報DB47から取得する。
【0057】
その後、S7においてCPU51は、前記S2で算出した走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれているか否か判定する。第1実施形態では、前記S2で算出した走行可能範囲の境界の座標と前記S6で取得した表示エリアの中央位置の座標が一致していると判定した場合に、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定する。
【0058】
そして、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定された場合(S7:YES)には、CPU51はスクロール処理を停止する(S8)。その結果、図8に示すように、走行可能範囲の境界65が表示エリアの中央位置Yに位置する表示エリアの地図が液晶ディスプレイ15の表示画面61に表示される。
【0059】
その後、S9においてCPU51は、液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨を案内する。例えば、『現在、走行可能範囲の境界付近の地図を表示しています。』との音声を出力する。また、図8に示すように同内容の文章を液晶ディスプレイ15に表示するようにしても良い。
【0060】
次に、S10においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、現在地ボタンが押下されたか否か判定する。尚、第1実施形態では図8に示すように、表示画面61上に現在地ボタン99を設けているが、表示画面61の外に設けても良い。
【0061】
そして、現在地ボタンが押下されたと判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。S11ではCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図を車両2の現在位置周辺の地図へと切り替える。その後、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0062】
一方、現在地ボタンが押下されていないと判定された場合(S10:NO)には、S4へと戻る。
【0063】
また、前記S7において、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていないと判定された場合(S7:NO)には、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたか否か判定する(S12)。ここで、スクロール停止操作を受け付けた場合とは、具体的に連続スクロール処理中にユーザがタッチパネル34から手を放した場合が該当する。そして、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたと判定した場合(S12:YES)には、スクロール処理を停止する(S13)。一方、ユーザのスクロール停止操作を受け付けていないと判定した場合(S12:NO)にはS5へと移行し、継続してスクロール処理を実行する。
尚、前記S5においてワンタッチスクロール処理を行っている場合には、上記S12においてCPU51は、スクロール停止操作を受け付けたか否かではなく、ユーザが接触した地点(図6の地点X)が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたか否かを判定する。そして、ユーザが接触した地点が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたと判定された場合に、スクロール処理を停止する(S13)。スクロール処理を停止した後、S10へと移行する。
【0064】
一方、前記S4で、ユーザのスクロール操作を受け付けていないと判定された場合(S4:NO)には、S14へと移行する。S14においてCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が前記S5のスクロール処理が完了した後の地図であるか否か判定する。
【0065】
そして、液晶ディスプレイ15に表示されている地図がスクロール処理が完了した後の地図であると判定された場合(S14:YES)には、S10へと移行する。それに対して、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が車両2の現在地周辺の地図であると判定された場合(S14:NO)には、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0066】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、車両2の現在のバッテリ7のSOC値を取得し(S1)、取得されたバッテリのSOC値の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2がEV走行によって走行可能な走行可能範囲の境界を算出し(S2)、算出された走行可能範囲の境界を液晶ディスプレイ15に表示された地図上に表示する(S3)。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされている途中に、算出された走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合に、スクロールを停止する(S8)ので、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、走行可能範囲の境界の位置が表示エリアの中央位置となった場合にスクロールを停止させるので、ユーザは液晶ディスプレイ15を視認した際に走行可能範囲の境界の位置を容易に把握することが可能となる。
また、スクロールが停止された場合に、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨を案内する(S9)ので、ユーザに対して走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれていることを確実に把握させることが可能となる。
【0067】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るナビゲーション装置を車載機として搭載した車両の車両制御システムについて、図9乃至図12に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係る車両制御システム3等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車両制御システム3等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0068】
この第2実施形態に係る車両制御システムの概略構成は、第1実施形態に係る車両制御システム3とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る車両制御システム3とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係る車両制御システム3は、周辺の充電施設でバッテリの充電(即ちエネルギーの補給)を行う場合に、バッテリ充電後に車両がEV走行のみで走行可能な走行可能範囲についても案内する点で第1実施形態に係る車両制御システム3と異なっている。
【0069】
以下に、第2実施形態に係るナビゲーション装置においてナビゲーションECU33が実行する地図スクロール処理プログラムについて図9及び図10に基づき説明する。図9及び図10は第2実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図スクロール処理プログラムは車両2のバッテリ7の充電が終了した場合又はユーザにより所定の操作が行われた場合に実行される。尚、以下の図9及び図10にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0070】
ここで、S101〜S106の処理は、第1実施形態に係る地図スクロール処理プログラム(図3)のS1〜S6と同様の処理であるので、説明は省略する。
【0071】
次に、S107においてCPU51は、現在設定されている走行可能範囲の境界の内側で且つ液晶ディスプレイ15の現在の表示エリア内に位置する充電施設の位置座標を地図情報DB47から取得する。ここで、充電施設とは、駆動源への電力供給源とするバッテリに電力を供給する為の専用の充電設備を備えたエネルギー補給施設であり、例えば、自動車充電ステーション、ガソリンスタンド、ショッピングセンタ等が該当する。
尚、現在設定されている走行可能範囲の境界とは、地図スクロール処理プログラムが実行され、S102において走行可能範囲の境界が算出された時点では、S102において算出された走行可能範囲の境界が相当する。そして、その後に後述のS117で新たに走行可能範囲の境界が算出される度に、現在設定されている走行可能範囲の境界は、新たに算出された走行可能範囲の境界へと更新される。
【0072】
続いて、S108においてCPU51は、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれているか否か判定する。第2実施形態では、現在設定されている走行可能範囲の境界の座標と前記S106で取得した表示エリアの中央位置の座標が一致していると判定した場合に、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定する。
【0073】
そして、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定された場合(S108:YES)には、CPU51はスクロール処理を停止する(S109)。その結果、現在設定されている走行可能範囲の境界が表示エリアの中央に位置する表示エリアの地図が液晶ディスプレイ15の表示画面に表示される(図8参照)。
【0074】
その後、S110においてCPU51は、液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨を案内する。例えば、『現在、走行可能範囲の境界付近の地図を表示しています。』との音声を出力する。また、図8に示すように同内容の文章を液晶ディスプレイ15に表示するようにしても良い。その後、S113へと移行する。
【0075】
また、前記S108において、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていないと判定された場合(S108:NO)には、S111へと移行する。
【0076】
S111においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたか否か判定する。ここで、スクロール停止操作を受け付けた場合とは、具体的に連続スクロール処理中にユーザがタッチパネル34から手を放した場合が該当する。そして、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたと判定した場合(S111:YES)には、スクロール処理を停止する(S112)。一方、ユーザのスクロール停止操作を受け付けていないと判定した場合(S111:NO)にはS105へと移行し、継続してスクロール処理を実行する。
尚、前記S105においてワンタッチスクロール処理を行っている場合には、上記S111においてCPU51は、スクロール停止操作を受け付けたか否かではなく、ユーザが接触した地点(図6の地点X)が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたか否かを判定する。そして、ユーザが接触した地点が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたと判定された場合に、スクロール処理を停止する(S112)。スクロール処理を停止した後、S113へと移行する。
【0077】
S113においてCPU51は、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれているか否か判定する。第2実施形態では、前記S107で取得した充電施設の座標と前記S106で取得した表示エリアの中央位置の座標が一致していると判定した場合に、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定する。
【0078】
そして、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定された場合(S113:YES)には、S114へと移行する。それに対して、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていないと判定された場合(S113:NO)には、S120へと移行する。
【0079】
S114においてCPU51は、表示エリアの中央に位置する充電施設の案内を行う。ここで、図11は前記S114で充電施設の案内が行われた場合の液晶ディスプレイ15の表示画面101を示した図である。
図11に示すように液晶ディスプレイ15の表示画面101には、所定エリアの地図画像102と、地図の表示エリアの中央位置Zを特定する中央カーソル103と、充電施設の位置を特定する充電施設マーク104と、表示エリアの中央位置Zにある充電施設の情報を示す情報ウィンドウ105とが表示される。また、現在設定されている走行可能範囲の境界106が表示エリアに含まれる場合には、現在設定されている走行可能範囲の境界106についても表示される。ここで、情報ウィンドウ105には、充電施設の名称や車両2の現在地からの道なり距離が表示される。更に、充電料金や営業時間帯を表示しても良い。また、情報ウィンドウ105には、この充電施設でユーザが充電を実施することを希望する場合又は希望しない場合に操作される選択肢(「YES」、「NO」)も表示する。
【0080】
次に、S115においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、充電施設の案内が行われた充電施設においてユーザが充電を実施することを希望する操作を受け付けたか否か判定する。具体的には、液晶ディスプレイ15に表示された情報ウィンドウ105において「YES」の選択肢が操作された場合に、前記操作を受け付けたと判定する。
【0081】
そして、充電施設の案内が行われた充電施設においてユーザが充電を実施することを希望する操作を受け付けたと判定された場合(S115:YES)には、S116へと移行する。一方、充電施設の案内が行われた充電施設においてユーザが充電を実施することを希望する操作を受け付けていないと判定された場合(S115:NO)には、S120へと移行する。
【0082】
S116においてCPU51は、ユーザが情報ウィンドウ105において「YES」の選択肢を選択した充電施設を車両2がバッテリ7の充電を行う充電施設として特定し、その充電施設の充電情報を取得する。尚、取得される充電情報としては、充電施設の位置情報、充電施設到着時のSOC値、充電施設での予定充電量等がある。尚、充電施設到着時のSOC値については、CPU51が現在のSOC値、地図情報、車両の走行履歴等に基づいて算出する。また、予定充電量はユーザに入力させるように構成する。また、予定の充電時間をユーザに入力させて、入力された充電時間に基づいて予定充電量を算出しても良い。
【0083】
次に、S117でCPU51は、前記S116で取得された充電施設到着時のバッテリのSOC値及び充電施設での予定充電量の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2が充電施設でバッテリ7を充電した後にその充電施設からEV走行のみによって走行可能な走行可能範囲の境界を新たに算出する。そして、現在設定されている走行可能範囲をS117で新たに算出した走行可能範囲へと更新する。
具体的には、CPU51は、先ずユーザが充電を希望した充電施設で充電を実施した後の車両2のSOC値を算出する。充電施設到着時のバッテリのSOC値に充電施設での予定充電量を加えた値が、充電施設で充電後の車両2のSOC値となる。そして、充電施設で充電後の車両2のSOC値、地図情報、交通情報及び車両パラメータ情報に基づいて、充電を行う充電施設から仮の目的地までの経路を走行する場合の各経路に対してそれぞれEV走行のみで到達可能な到達可能地点を特定する。そして、CPU51は各経路における到達可能地点を直線又は曲線で結ぶ。その結果、結ばれた線が走行可能範囲の境界として算出される。
尚、S117における走行可能範囲の境界の算出方法の詳細については、既に説明したS102の走行可能範囲の境界の算出方法と基本的に同一であるので説明は省略する。
【0084】
続いて、S118でCPU51は、前記S117で算出された充電後の走行可能範囲の境界を、液晶ディスプレイ15に表示された地図上に重ねて表示する。尚、S117において走行可能範囲が更新された場合には、更新前に設定されていた走行可能範囲の境界は非表示となる。
【0085】
ここで、図12は前記S118において充電後の走行可能範囲の境界が表示された液晶ディスプレイ15の表示画面の一例を示した図である。尚、図12では1/64万の縮尺で地図を表示した場合の表示画面を示している。
図12に示すように液晶ディスプレイ15の表示画面101には、ユーザが充電を希望する充電施設周辺の地図画像102と、地図上にマッチングされた車両の現在位置を示す自車位置マーク107と、地図の表示エリアの中央位置を特定する中央カーソル103と、ユーザが充電を希望する充電施設の位置を特定する充電施設マーク108と、充電施設マーク108の周囲に表示された充電後の走行可能範囲の境界109と、が表示される。ここで、充電後の走行可能範囲の境界109の線上がユーザの希望する充電施設で充電を行った後にEV走行のみにより車両2が到達可能な最長の到達可能地点となる。即ち、境界109で囲まれたエリアが、充電施設で充電を行った場合にEV走行のみにより車両が到達可能なエリアとなる。そして、ユーザは充電後の走行可能範囲の境界109を参照することにより、EV走行のみにより車両が走行できる範囲を容易に把握することが可能となる。
尚、ユーザが大きい縮尺で充電後の走行可能範囲の境界109付近の詳細な地形や施設を確認することを希望する場合に、地図の縮尺を大きな縮尺に変更することが考えられるが、その場合には充電後の走行可能範囲の全体が入らない場合がある。その場合に、充電後の走行可能範囲の境界109付近の地図を確認するために、ユーザは上述した地図のスクロール操作を実行すると考えられる。そして、その場合において、充電後の走行可能範囲の境界109が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれた場合には、前記したように自動的にスクロールが停止され(S109)、充電後の走行可能範囲の境界109が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨が案内される(S110)。
【0086】
その後、S119でCPU51は、ユーザが充電を実施することを希望した充電施設に関する情報(施設ID等)をRAM52等に記憶する。その後、S120へと移行する。
【0087】
S120においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、現在地ボタンが押下されたか否か判定する。
【0088】
そして、現在地ボタンが押下されたと判定された場合(S120:YES)には、S121へと移行する。S121ではCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図を車両2の現在位置周辺の地図へと切り替える。その後、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0089】
一方、現在地ボタンが押下されていないと判定された場合(S120:NO)には、S104へと戻る。
【0090】
一方、前記S104で、ユーザのスクロール操作を受け付けていないと判定された場合(S104:NO)には、S122へと移行する。S122においてCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が前記S105のスクロール処理が完了した後の地図であるか否か判定する。
【0091】
そして、液晶ディスプレイ15に表示されている地図がスクロール処理が完了した後の地図であると判定された場合(S122:YES)には、S123へと移行する。それに対して、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が車両2の現在地周辺の地図であると判定された場合(S122:NO)には、当該地図スクロール処理グラムを終了する。
【0092】
S123においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、目的地を設定する操作を受け付けたか判定する。
【0093】
そして、目的地の設定操作を受け付けたと判定された場合(S123:YES)には、S124へと移行する。一方、目的地の設定操作を受け付けていないと判定された場合(S123:NO)には、S120へと移行する。
【0094】
S124においてCPU51は、表示エリアの中央位置を目的地と設定し、設定された目的地に関する情報(施設ID、位置座標等)を地図情報DB47から取得する。
【0095】
次に、S125においてCPU51は、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報がRAM52に記憶されているか否か判定する。ここで、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報は、ユーザが充電施設で充電を実施することを希望した場合に、前記S120において記憶されている。
【0096】
そして、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報がRAM52に記憶されていると判定された場合(S125:YES)には、S126へと移行する。それに対して、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報がRAM52に記憶されていないと判定された場合(S125:NO)には、S127へと移行する。
【0097】
S126においてCPU51は、出発地(例えば、車両の現在位置)からRAM52に記憶された充電施設を経由して目的地へと至る経路を探索する。そして、経路探索の結果に基づいて最適な案内経路(即ち、走行予定経路)を特定する。一方、S127においてCPU51は、出発地(例えば、車両の現在位置)から目的地へと至る経路を探索する。そして、経路探索の結果に基づいて最適な案内経路(即ち、走行予定経路)を特定する。尚、経路探索処理は、公知のダイクストラ法等を用いて行う。その後、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0098】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、ユーザから充電施設での充電を希望する操作を受け付けた場合(S116:YES)に、その充電施設到着時のバッテリのSOC値及び充電施設での予定充電量の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2が充電施設からEV走行のみによって走行可能な充電後の走行可能範囲の境界を算出し(S117)、算出された充電後の走行可能範囲の境界を液晶ディスプレイ15に表示された地図上に表示する(S118)。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされている途中に、算出された充電後の走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合に、スクロールを停止する(S109)ので、充電施設での充電後の走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、エネルギーを補給することによってその後に走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、ユーザの操作に基づいて、現在設定されている走行可能範囲の境界の内側に位置する複数の充電施設からバッテリの充電を実施する充電施設を特定するので、現在のSOC値で走行することが可能な走行可能範囲内にある複数の充電施設から、ユーザが充電を希望する充電施設を選択することができる。従って、ユーザの走行計画に適合した走行可能範囲を案内することが可能となる。
また、ユーザが充電を行うことを希望する充電施設を経由して目的地へと至る経路を探索するので、目的地までの走行途中において充電施設でバッテリの充電を行う場合に、充電施設を経由して目的地へと至る適切な経路を案内することが可能となる。
【0099】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、スクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアの中央に位置した場合にスクロールを停止することとしているが、スクロールの停止条件は他の条件であっても良い。例えば、スクロール途中で走行可能範囲の境界の少なくとも一部が表示エリアに表示された場合にスクロールを停止することとしても良い。
【0100】
また、前記S8、S109においてスクロールの停止処理が行われた場合に、スクロールが停止してから所定時間(例えば5sec)経過した後に、スクロールを再開する構成としても良い。
【0101】
また、第2実施形態において、ユーザがバッテリの充電を希望する充電施設として、充電施設を複数箇所選択しても良い。尚、充電施設が複数箇所選択された場合には、選択された充電施設毎に充電後の走行可能範囲の境界を算出することが望ましい。
【0102】
また、上記実施形態では本願発明をモータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両に適用した場合を説明したが、モータのみを駆動源とする電気自動車にも適用可能である。また、エンジンを駆動源とするエンジン自動車にも適用可能である。尚、ガソリン自動車に対して本願発明を適用する場合には、S1及びS101においてCPU51はバッテリのSOC値の代わりにガソリンの残量を取得する。また、S2及びS102において現在のガソリン残量で走行可能な走行可能範囲を算出する。更にS115において充電施設の代わりにガソリンスタンドを案内する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1実施形態に係る車両制御システムの概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る車両制御システムの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。
【図4】走行可能範囲の境界が表示された際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図5】1/5000の縮尺で地図を表示した場合の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図6】ワンタッチスクロールを説明した説明図である。
【図7】連続スクロールを説明した説明図である。
【図8】スクロールが停止された際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図9】第2実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。
【図11】充電施設の案内が行われた際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図12】充電後の走行可能範囲の境界が表示された際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ナビゲーション装置
2 車両
3 車両制御システム
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
33 ナビゲーションECU
34 タッチパネル
51 CPU
52 RAM
53 ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図の所定エリアを表示装置に表示する走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用のナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などの携帯情報機器、パーソナルコンピュータ等では、地図情報として一般道路及び高速道路等の道路や施設名称等を各種記憶デバイスに記憶するか、又はサーバ等からダウンロードすることにより、利用者に対して所望のエリアの地図を表示することが可能となっている。
【0003】
一方で、近年においては、バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両等の車両が多く存在する。
【0004】
そこで従来より、現在のエネルギー残量で車両が走行できる走行可能範囲を、ナビゲーション装置等の地図表示機能を有する上記装置を用いてユーザに提供することが提案されている。例えば、特開平7−85397号公報には、電気自動車が備える表示装置に対して、自車周辺の地図を表示するとともに、現在のバッテリの残量と周囲の地形に基づいて走行可能範囲を算出し、地図上に表示する技術について記載されている。
【特許文献1】特開平7−85397号公報(第3頁〜第4頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、ユーザが走行可能範囲を把握する場合には、走行可能範囲の境界の位置を把握することが必要である。しかしながら、上記走行可能範囲を表示装置に表示した場合に、現在の表示装置に表示する地図の縮尺によっては走行可能範囲の境界をユーザが把握できない場合がある。例えば、地図の縮尺が大きい場合には、走行可能範囲内の一部エリアのみしか表示されず、走行可能範囲の境界が表示されない場合もある。
そこで、そのような場合においては、表示装置に表示された地図を、ユーザの操作に基づいてスクロールすることが行われている。例えば、ユーザがスクロール方向を指定した場合に、そのスクロール方向へと表示装置に表示された地図がスクロールする。それによって、現在、表示装置に表示されているエリアの地図のみではなく、走行可能範囲の境界を含む他のエリアの地図についても表示装置に表示させることが可能となる。従って、ユーザは地図の縮尺を変更することなく走行可能範囲の境界の位置について把握することが可能となる。
【0006】
しかしながら、従来において地図のスクロールの停止位置はユーザの操作に基づいて決定されていた。従って、走行可能範囲の境界が表示装置の表示エリアに含まれる位置で正確に地図のスクロールを停止することは困難である。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに容易に把握させることを可能とし、ユーザの利便性を向上させた走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る走行案内装置(1)は、地図の所定エリアを表示装置(15)に表示する地図表示手段(33)と、ユーザの操作を受け付ける操作受付手段(33)と、前記操作受付手段により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール手段(33)と、車両(2)のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得手段(33)と、前記エネルギー残量取得手段により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出手段(33)と、前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止手段(33)と、を有することを特徴とする。
ここで、「車両」とはバッテリから供給される電力をエネルギーとして走行する電気自動車以外にも、ガソリンをエネルギーとして走行するガソリン自動車、電力及びガソリンをエネルギーとして走行するハイブリッド車両等も含む。
【0009】
また、請求項2に係る走行案内装置(1)は、請求項1に記載の走行案内装置であって、前記スクロール停止手段(33)は、前記走行可能範囲の境界の座標を取得する境界座標取得手段(33)と、前記表示エリアの中央位置の座標を取得する中央位置座標取得手段(33)と、前記中央位置座標取得手段により取得した座標が前記境界座標取得手段により取得した座標と一致するか否か判定する座標一致判定手段(33)と、を備え、前記座標一致判定手段によって座標が一致すると判定された場合に前記表示エリアスクロール手段による前記スクロールを停止することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る走行案内装置(1)は、請求項1又は請求項2に記載の走行案内装置であって、前記スクロール停止手段(33)によって前記表示エリアスクロール手段(33)による前記スクロールが停止された場合に、走行可能範囲の境界が前記表示装置(15)の表示エリアに含まれている旨を案内する案内手段(33)を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る走行案内装置(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行案内装置であって、前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置するエネルギー補給施設の内、前記車両(2)がエネルギーの補給を行う補給実施エネルギー補給施設の位置情報と該補給実施エネルギー補給施設での予定補給量を取得する予定補給情報取得手段(33)と、前記車両の前記補給実施エネルギー補給施設への到達時のエネルギーの残量を算出する到達時エネルギー算出手段(33)と、前記予定補給量と前記到達時のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設にてエネルギーを補給後の前記車両のエネルギーの残量を取得する補給後エネルギー残量取得手段(33)と、前記予定補給情報取得手段により取得した補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量を消費することによって前記車両が前記補給実施エネルギー補給施設から走行可能な走行可能範囲の境界を算出する補給後走行可能範囲算出手段(33)と、前記スクロール停止手段(33)は、前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記補給後走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る走行案内装置(1)は、請求項4に記載の走行案内装置であって、前記操作受付手段(33)により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置する複数のエネルギー補給施設から前記補給実施エネルギー補給施設を特定する補給施設特定手段(33)を有し、前記予定補給情報取得手段(33)は、前記補給施設特定手段によって特定された前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給実施エネルギー補給施設における予定補給量を取得することを特徴とすることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る走行案内装置(1)は、請求項4又は請求項5に記載の走行案内装置であって、前記車両(2)の目的地の位置情報を取得する目的地取得手段(33)と、前記目的地の位置情報と前記予定補給情報取得手段(33)により取得した前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設を経由して目的地へと至る経路を探索する経路探索手段(33)と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る走行案内方法は、地図の所定エリアを表示装置(15)に表示する地図表示ステップと、ユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、前記操作受付ステップにより受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロールステップと、車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得ステップと、前記エネルギー残量取得ステップにより取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出ステップと、前記表示エリアスクロールステップによって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
更に、請求項8に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、地図の所定エリアを表示装置(15)に表示する地図表示機能と、ユーザの操作を受け付ける操作受付機能と、前記操作受付機能により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール機能と、車両(2)のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得機能と、前記エネルギー残量取得機能により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出機能と、前記表示エリアスクロール機能によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
前記構成を有する請求項1に記載の走行案内装置によれば、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
また、請求項2に記載の走行案内装置によれば、走行可能範囲の境界の位置が表示エリアの中央位置となった場合にスクロールを停止させるので、ユーザは表示装置を視認した際に走行可能範囲の境界の位置を容易に把握することが可能となる。
【0018】
また、請求項3に記載の走行案内装置によれば、ユーザに対して走行可能範囲の境界が表示装置の表示エリアに含まれていることを確実に把握させることが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の走行案内装置によれば、エネルギー補給施設で補給を行う場合において、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中でエネルギー補給後の走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、エネルギー補給後の走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、エネルギーを補給することによってその後に走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0020】
また、請求項5に記載の走行案内装置によれば、現在のエネルギー残量で走行することが可能な走行可能範囲内にある複数のエネルギー補給施設から、ユーザがエネルギーの補給を希望するエネルギー補給施設を選択することができる。従って、ユーザの走行計画に適合した走行可能範囲を案内することが可能となる。
【0021】
また、請求項6に記載の走行案内装置によれば、目的地までの走行途中においてエネルギー補給施設でエネルギーの補給を行う場合に、該エネルギー補給施設を経由して目的地へと至る適切な経路を案内することが可能となる。
【0022】
また、請求項7に記載の走行案内方法によれば、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0023】
更に、請求項8に記載のコンピュータプログラムによれば、表示装置に表示された地図がスクロールされた際に、そのスクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合にスクロールを停止させることによって、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る走行案内装置についてナビゲーション装置に具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態に係るナビゲーション装置1を車載機として搭載した車両2の車両制御システム3の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る車両制御システム3の概略構成図、図2は第1実施形態に係る車両制御システム3の制御系を模式的に示すブロック図である。尚、車両2は外部電源からバッテリを充電することができる車両とする。そして、外部電源からバッテリを充電することができる車両としては、モータのみを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするプラグインハイブリッド車両があるが、以下に説明する第1実施形態及び第2実施形態ではプラグインハイブリッド車両を用いることとする。
【0026】
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る車両制御システム3は、車両2に対して設置されたナビゲーション装置1と、エンジン4と、駆動モータ5と、発電機6と、バッテリ7と、プラネタリギヤユニット8と、車両制御ECU9と、エンジン制御ECU10と、駆動モータ制御ECU11と、発電機制御ECU12と、充電制御ECU13とから基本的に構成されている。
【0027】
ここで、ナビゲーション装置1は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、車両周辺の地図や目的地までの案内経路を表示する液晶ディスプレイ15や、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16等を備えている。そして、GPS等によって車両2の現在位置を特定するととともに、目的地が設定された場合においては目的地までの経路の探索、並びに設定された案内経路に従った案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。また、ナビゲーション装置1は、後述するように、ユーザの操作に基づいて液晶ディスプレイ15に表示されている地図を他のエリアへとスクロールする。また、バッテリ7の現在のバッテリ残量(以下、SOC値)のみを消費する走行(即ちEV走行)によって走行可能な範囲(以下、走行可能範囲)の境界を算出する。更に、地図がスクロールされている途中に、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示されている地図のエリア(以下、表示エリアという)に含まれた場合に、スクロールを自動停止する。尚、ナビゲーション装置1の詳細な構成については後述する。
【0028】
また、エンジン4はガソリン、軽油、エタノール等の燃料によって駆動される内燃機関等のエンジンであり、車両2の第1の駆動源として用いられる。そして、エンジン4の駆動力であるエンジントルクはプラネタリギヤユニット8に伝達され、プラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。
【0029】
また、駆動モータ5はバッテリ7から供給される電力に基づいて回転運動するモータであり、車両2の第2の駆動源として用いられる。駆動モータはバッテリ7から供給された電力により駆動され、駆動モータ5のトルクである駆動モータトルクを発生する。そして、発生した駆動モータトルクにより駆動輪17が回転させられ、車両2が駆動される。
特に、第1実施形態に示すようなプラグインハイブリッド車両では、基本的にバッテリの残量が所定値以下となるまでは駆動モータ5のみにより車両2が駆動され、駆動モータ5のみを駆動源とする所謂EV走行を行う。一方、バッテリの残量が所定値以下となった後はエンジン4も用いて車両が駆動され、エンジン4と駆動モータ5とを状況によって使い分けて駆動源とする所謂HV走行を行う。
更に、エンジンブレーキ必要時及び制動停止時において、駆動モータ5は回生ブレーキとして機能し、車両慣性エネルギーを電気エネルギーとして回生する。
【0030】
また、発電機6はプラネタリギヤユニット8により分配されたエンジントルクの一部により駆動され、電力を発生させる発電装置である。そして、発電機6は図示されない発電機用インバータを介してバッテリ7に接続されており、発生した交流電流を直流電流に変換し、バッテリ7に供給する。尚、駆動モータ5と発電機6を一体的に構成しても良い。
【0031】
また、バッテリ7は充電と放電とを繰り返すことができる蓄電手段としての二次電池であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が用いられる。更に、バッテリ7は車両2の側壁に設けられた充電コネクタ18と接続されている。そして、自宅や所定の充電設備を備えた充電施設において、充電コネクタ18をコンセント等の電力供給源に接続することにより、バッテリ7の充電を行うことが可能となる。更に、バッテリ7は上記駆動モータで発生した回生電力や発電機で発電された電力によっても充電される。
【0032】
また、プラネタリギヤユニット8はサンギヤ、ピニオン、リングギヤ、キャリア等によって構成され、エンジン4の駆動力の一部を発電機6へと分配し、残りの駆動力を駆動輪17へと伝達する。
【0033】
また、車両制御ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)9は、車両2の全体の制御を行う電子制御ユニットである。また、車両制御ECU9には、エンジン4の制御を行う為のエンジン制御ECU10、駆動モータ5の制御を行う為の駆動モータ制御ECU11、発電機6の制御を行う為の発電機制御ECU12、バッテリ7の制御を行う為の充電制御ECU13が接続されるとともに、ナビゲーション装置1が備える後述のナビゲーションECU33に接続されている。
そして、車両制御ECU9は、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラム等が記録されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0034】
また、エンジン制御ECU10、駆動モータ制御ECU11、発電機制御ECU12及び充電制御ECU13は、図示しないCPU、RAM、ROM等からなり、それぞれエンジン4、駆動モータ5、発電機6、バッテリ7の制御を行う。
【0035】
続いて、ナビゲーション装置1の構成について図2を用いて説明する。
図2に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両2の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(地図表示手段、操作受付手段、表示エリアスクロール手段、エネルギー残量取得手段、走行可能範囲算出手段、スクロール停止手段、境界座標取得手段、中央位置座標取得手段、座標一致判定手段、案内手段、予定補給情報取得手段、到達時エネルギー算出手段、補給後エネルギー残量取得手段、補給後走行可能範囲算出手段、補給施設特定手段、目的地取得手段、経路探索手段)33と、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル34と、ユーザに対して車両周辺の地図や走行可能範囲の境界を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスや充電施設の案内を出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37、プローブセンタやVICSセンタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール38と、から構成されている。
【0036】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両2の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両2の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0037】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された車両パラメータDB46、地図情報DB47、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0038】
ここで、車両パラメータDB46は、車両2に関する各種パラメータを記憶するDBである。具体的には、前面投影面積A[m2]、駆動機構慣性重量Wr[kN]、車重M[kg]、駆動輪の転がり抵抗係数μr、空気抵抗係数μl、コーナリング抵抗Rc[kN]等が記憶される。尚、各車両パラメータは後述するようにナビゲーションECU33によって、車両2がEV走行のみで走行可能な走行可能範囲の境界を算出するのに用いられる。
【0039】
ここで、地図情報DB47は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。尚、リンクデータには傾斜区間に関する情報(傾斜角度に関する情報(勾配等)を含む)、カーブに関する情報(開始点、終了点、旋回半径に関する情報を含む)も含まれる。また、第1実施形態に係るナビゲーション装置1は、施設データには充電施設に関する充電施設情報についても含まれる。ここで、充電施設とは、駆動源への電力供給源とするバッテリに電力を供給する為の専用の充電設備を備えたエネルギー補給施設であり、例えば、自動車充電ステーション、ガソリンスタンド、ショッピングセンタ等が該当する。そして、地図情報DB47に記憶される充電施設情報としては、充電施設の位置座標、施設名称、充電料金、充電施設の営業時間等がある。
【0040】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの案内経路を設定する誘導経路設定処理、前記車両の走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出処理、ユーザの操作及び算出された走行可能範囲の境界に基づいて液晶ディスプレイ15に表示された地図のスクロールを行うスクロール処理等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、地図スクロール処理プログラム(図3参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0041】
タッチパネル34は、液晶ディスプレイ15のディスプレイ面の前面に設けられ、ユーザの操作を受け付ける操作手段である。タッチパネル34は、液晶ディスプレイ15に表示されている地図を他のエリアへとスクロールする際に、スクロール方向やスクロール速度を指定する際に操作される。また、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際に操作される。そして、ナビゲーションECU33は、液晶ディスプレイ15のディスプレイ画面のいずれかの位置がユーザに押下された場合に、押下された位置に応じて発生した電圧を検出することにより押下された位置を検知し、検出した位置に対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
尚、ユーザの操作を受け付ける操作手段としては、タッチパネル34の代わりに操作ボタンやリモコンを用いても良い。
【0042】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在位置から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、ユーザにより所定の操作が行われた際、又は車両2のバッテリ7の充電が終了した後に、車両2の現在位置周辺の地図画像に重畳して車両2がEV走行のみで走行できる走行可能範囲の境界が表示される。また、ユーザによって所定の操作が行われた場合には、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされる。更に、走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれることによって液晶ディスプレイ15における地図のスクロールが停止した場合には、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨の案内を出力する。
【0043】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU33からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれることによって液晶ディスプレイ15における地図のスクロールが停止した場合には、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨の案内を出力する。
【0044】
また、DVDドライブ37は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB47の更新等が行われる。
【0045】
また、通信モジュール38は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0046】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU33が実行する地図スクロール処理プログラムについて図3に基づき説明する。図3は第1実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図スクロール処理プログラムは車両2のバッテリ7の充電が終了した場合又はユーザにより所定の操作が行われた場合に実行され、EV走行のみで走行できる走行可能範囲の境界を算出するとともに、ユーザの操作及び算出された走行可能範囲の終点に基づいて液晶ディスプレイ15に表示された地図のスクロールを行うプログラムである。尚、以下の図3にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0047】
先ず、地図スクロール処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は車両2に搭載されたバッテリ7のSOC値(バッテリ7のエネルギー残量)を充電制御ECU13から取得する。
【0048】
次に、S2でCPU51は、前記S1で取得されたバッテリのSOC値の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2がEV走行のみによって走行可能な走行可能範囲の境界を算出する。
【0049】
以下に、上記S2の走行可能範囲の境界の算出処理について詳細に説明する。上記S2では、CPU51は具体的に以下の(a)〜(g)の処理を実行する。
(a)先ず、CPU51は現在位置検出部31により車両2の現在位置を検出する。また、検出した車両2の現在位置を地図上で特定するマップマッチングも行われる。
(b)次に、CPU51は車両の現在位置周辺(例えば、周囲50km以内)の地図情報及び交通情報を地図情報DB47、プローブセンタ、VICSセンタ等から取得する。ここで、取得する地図情報としては、例えば交差点に関する情報(位置、信号の有無、車線数に関する情報を含む)、道路の傾斜区間に関する情報(傾斜角度に関する情報を含む)、カーブに関する情報(開始点、終了点、旋回半径に関する情報を含む)がある。また、取得する交通情報としては、渋滞情報(渋滞の開始点、渋滞長、渋滞度、走行予定経路を構成する各リンクの平均車速に関する情報を含む)、規制情報(通行止めや車線規制に関する情報を含む)がある。
(c)次に、CPU51は、車両パラメータDB46を読み出し、車両2に関する各種パラメータ情報を取得する。具体的には、前面投影面積A[m2]、駆動機構慣性重量Wr[kN]、車重M[kg]、駆動輪の転がり抵抗係数μr、空気抵抗係数μl、コーナリング抵抗Rc[kN]等である。
(d)続いて、CPU51は、車両2の現在位置を中心とし、所定距離(例えば50km)を半径とした円を地図上に規定する。そして、規定した円の円周上に等間隔(例えば円周を8等分した際の分割点)で仮の目的地を複数設定する。
(e)地図情報に基づいて車両2の現在位置から設定された仮の目的地までの経路を仮の目的地毎にそれぞれ探索する。
(f)取得したSOC値、地図情報、交通情報及び車両パラメータ情報に基づいて、仮の目的地までの各経路を走行した場合に、車両の現在位置からEV走行のみで到達可能な到達可能地点を経路毎に特定する。尚、到達可能地点は、各経路を走行する際に駆動モータ5の駆動で消費される消費エネルギー量、並びに経路の走行中にバッテリ7に蓄えられると推定される回生エネルギー量をそれぞれ推定することによって特定される。
(g)そして、CPU51は各経路における到達可能地点を直線又は曲線で結ぶ。その結果、結ばれた線が走行可能範囲の境界として算出される。尚、走行可能範囲の境界は地図上の座標により特定される。
尚、上記具体例では、地図情報や車両パラメータ情報から到達可能点を特定しているが、車両の走行履歴に基づいて算出しても良い。例えば、過去に同一のリンクを走行した走行履歴がある場合には、過去の走行時における消費エネルギー量及び回生エネルギー量を用いて到達可能地点を特定しても良い。また、アクセル操作やブレーキ操作等の運転者の車両操作特性を過去の操作履歴から取得しても良い。その場合には、地図情報と車両操作特性とに基づいて、各走行経路を走行する際の消費エネルギー量及び回生エネルギー量を推定し、到達可能地点を特定する。
また、車両2が消費電力あたりに走行可能な距離を走行履歴等から算出し、その算出値に現在のSOC値を乗じた値を走行可能距離として定義しても良い。そして、車両2の現在位置を中心とし、走行可能距離を半径とした円を走行可能範囲の境界としても良い。
【0050】
その後、S3でCPU51は、車両2の現在位置周辺の地図を液晶ディスプレイ15に表示する。更に、前記S2で算出された走行可能範囲の境界を、液晶ディスプレイ15に表示された地図上に重ねて表示する。
【0051】
ここで、図4は前記S3において走行可能範囲の境界が表示された液晶ディスプレイ15の表示画面の一例を示した図である。尚、図4では1/64万の縮尺で地図を表示した場合の表示画面を示している。
図4に示すように液晶ディスプレイ15の表示画面61には、車両の現在位置周辺の地図画像62と、地図上にマッチングされた車両の現在位置を示す自車位置マーク63と、地図の表示エリアの中央位置を特定する中央カーソル64と、自車位置マーク63の周囲に表示された走行可能範囲の境界65とが表示される。ここで、走行可能範囲の境界65の線上が現在のSOC値でEV走行のみにより車両2が到達可能な最長の到達可能地点となる。即ち、境界65で囲まれたエリアが現在のSOC値でEV走行のみにより車両が到達可能なエリアとなる。そして、ユーザは走行可能範囲の境界65を参照することにより、現在のSOC値でEV走行のみにより車両が走行できる範囲を把握することが可能となる。
尚、図4では1/64万の縮尺で地図を表示した結果、液晶ディスプレイ15に走行可能範囲の全体を表示することが可能であるが、1/64万より大きい縮尺で地図を表示すると、走行可能範囲の全体を表示することができない場合がある。即ち、ユーザが境界付近の詳細な地形や施設を確認することを希望する場合に、地図の縮尺を大きな縮尺に変更することが考えられるが、その場合には走行可能範囲の全体が入らない場合がある。例えば、図5は1/5000の縮尺で地図を表示した場合の液晶ディスプレイ15の表示画面61を示しているが、図5に示す表示画面61には、走行可能範囲の境界65が表示されない。従って、ユーザは走行可能範囲の全体の形状を把握できない。その場合に、走行可能範囲の境界付近の地図を確認するために、ユーザは後述の地図のスクロール操作を実行すると考えられる。
【0052】
続いて、S4でCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、ユーザのスクロール操作を受け付けたか否か判定する。そして、ユーザのスクロール操作を受け付けたと判定した場合(S4:YES)には、S5へと移行する。一方、ユーザのスクロール操作を受け付けていないと判定した場合(S4:NO)には、S14へと移行する。
【0053】
S5では、CPU51は受け付けたユーザのスクロール操作に基づいて、液晶ディスプレイ15に表示される地図をスクロールするスクロール処理を行う。その結果、液晶ディスプレイ15に表示される地図の表示エリアが連続的に変更される。
【0054】
ここで、スクロール処理にはワンタッチスクロール処理と連続スクロール処理の2種類のスクロール処理が存在する。
先ず、ワンタッチスクロール処理について説明する。ワンタッチスクロール処理は、ユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面のいずれかの箇所を所定時間(例えば1sec)未満のみ接触したことをCPU51が検出した場合に実行される。そして、CPU51は、先ず図6に示すようにユーザが接触した地点Xの座標を取得する。次に、取得した地点Xの座標が地図の表示エリアの中央位置となるように地図を矢印69方向に所定距離だけスクロールする。その結果、ユーザが接触した地点Xを表示エリアの中央位置とした地図が液晶ディスプレイ15に新たに表示される。
【0055】
次に、連続スクロール処理について説明する。連続スクロール処理は、ユーザが液晶ディスプレイ15の表示画面のいずれかの箇所を所定時間(例えば1sec)以上継続して接触したことをCPU51が検出した場合に実行される。そして、連続スクロール処理は、液晶ディスプレイ15の表示画面においてユーザの接触した箇所によってスクロール方向(8方向のいずれか)とスクロール速度(低速、高速のいずれか)が決定される。ここで、図7に示すように第1実施形態では、液晶ディスプレイ15の表示画面61は、16個のエリア71〜86に区分される。そして、エリア71、72にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印91方向へスクロールする。同様に、エリア73、74にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印92方向へスクロールする。エリア75、76にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印93方向へスクロールする。エリア77、78にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印94方向へスクロールする。エリア79、80にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印95方向へスクロールする。エリア81、82にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印96方向へスクロールする。エリア83、84にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印97方向へスクロールする。エリア85、86にユーザが接触したことを検出した場合には、地図を矢印98方向へスクロールする。また、中心に近いエリア71、73、75、77、79、81、83、85に接触したことを検出した場合より外側のエリア72、74、76、78、80、82、84、86に接触したことを検出した場合の方が、より高速で地図をスクロールする。
【0056】
続いて、S6においてCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている表示エリア(表示画面61)の中央位置の座標を地図情報DB47から取得する。
【0057】
その後、S7においてCPU51は、前記S2で算出した走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれているか否か判定する。第1実施形態では、前記S2で算出した走行可能範囲の境界の座標と前記S6で取得した表示エリアの中央位置の座標が一致していると判定した場合に、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定する。
【0058】
そして、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定された場合(S7:YES)には、CPU51はスクロール処理を停止する(S8)。その結果、図8に示すように、走行可能範囲の境界65が表示エリアの中央位置Yに位置する表示エリアの地図が液晶ディスプレイ15の表示画面61に表示される。
【0059】
その後、S9においてCPU51は、液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨を案内する。例えば、『現在、走行可能範囲の境界付近の地図を表示しています。』との音声を出力する。また、図8に示すように同内容の文章を液晶ディスプレイ15に表示するようにしても良い。
【0060】
次に、S10においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、現在地ボタンが押下されたか否か判定する。尚、第1実施形態では図8に示すように、表示画面61上に現在地ボタン99を設けているが、表示画面61の外に設けても良い。
【0061】
そして、現在地ボタンが押下されたと判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。S11ではCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図を車両2の現在位置周辺の地図へと切り替える。その後、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0062】
一方、現在地ボタンが押下されていないと判定された場合(S10:NO)には、S4へと戻る。
【0063】
また、前記S7において、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていないと判定された場合(S7:NO)には、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたか否か判定する(S12)。ここで、スクロール停止操作を受け付けた場合とは、具体的に連続スクロール処理中にユーザがタッチパネル34から手を放した場合が該当する。そして、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたと判定した場合(S12:YES)には、スクロール処理を停止する(S13)。一方、ユーザのスクロール停止操作を受け付けていないと判定した場合(S12:NO)にはS5へと移行し、継続してスクロール処理を実行する。
尚、前記S5においてワンタッチスクロール処理を行っている場合には、上記S12においてCPU51は、スクロール停止操作を受け付けたか否かではなく、ユーザが接触した地点(図6の地点X)が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたか否かを判定する。そして、ユーザが接触した地点が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたと判定された場合に、スクロール処理を停止する(S13)。スクロール処理を停止した後、S10へと移行する。
【0064】
一方、前記S4で、ユーザのスクロール操作を受け付けていないと判定された場合(S4:NO)には、S14へと移行する。S14においてCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が前記S5のスクロール処理が完了した後の地図であるか否か判定する。
【0065】
そして、液晶ディスプレイ15に表示されている地図がスクロール処理が完了した後の地図であると判定された場合(S14:YES)には、S10へと移行する。それに対して、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が車両2の現在地周辺の地図であると判定された場合(S14:NO)には、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0066】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、車両2の現在のバッテリ7のSOC値を取得し(S1)、取得されたバッテリのSOC値の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2がEV走行によって走行可能な走行可能範囲の境界を算出し(S2)、算出された走行可能範囲の境界を液晶ディスプレイ15に表示された地図上に表示する(S3)。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされている途中に、算出された走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合に、スクロールを停止する(S8)ので、走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、現在のエネルギー残量で走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、走行可能範囲の境界の位置が表示エリアの中央位置となった場合にスクロールを停止させるので、ユーザは液晶ディスプレイ15を視認した際に走行可能範囲の境界の位置を容易に把握することが可能となる。
また、スクロールが停止された場合に、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨を案内する(S9)ので、ユーザに対して走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれていることを確実に把握させることが可能となる。
【0067】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るナビゲーション装置を車載機として搭載した車両の車両制御システムについて、図9乃至図12に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係る車両制御システム3等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車両制御システム3等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0068】
この第2実施形態に係る車両制御システムの概略構成は、第1実施形態に係る車両制御システム3とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る車両制御システム3とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係る車両制御システム3は、周辺の充電施設でバッテリの充電(即ちエネルギーの補給)を行う場合に、バッテリ充電後に車両がEV走行のみで走行可能な走行可能範囲についても案内する点で第1実施形態に係る車両制御システム3と異なっている。
【0069】
以下に、第2実施形態に係るナビゲーション装置においてナビゲーションECU33が実行する地図スクロール処理プログラムについて図9及び図10に基づき説明する。図9及び図10は第2実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図スクロール処理プログラムは車両2のバッテリ7の充電が終了した場合又はユーザにより所定の操作が行われた場合に実行される。尚、以下の図9及び図10にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置が備えているRAM52やROM53に記憶されており、CPU51により実行される。
【0070】
ここで、S101〜S106の処理は、第1実施形態に係る地図スクロール処理プログラム(図3)のS1〜S6と同様の処理であるので、説明は省略する。
【0071】
次に、S107においてCPU51は、現在設定されている走行可能範囲の境界の内側で且つ液晶ディスプレイ15の現在の表示エリア内に位置する充電施設の位置座標を地図情報DB47から取得する。ここで、充電施設とは、駆動源への電力供給源とするバッテリに電力を供給する為の専用の充電設備を備えたエネルギー補給施設であり、例えば、自動車充電ステーション、ガソリンスタンド、ショッピングセンタ等が該当する。
尚、現在設定されている走行可能範囲の境界とは、地図スクロール処理プログラムが実行され、S102において走行可能範囲の境界が算出された時点では、S102において算出された走行可能範囲の境界が相当する。そして、その後に後述のS117で新たに走行可能範囲の境界が算出される度に、現在設定されている走行可能範囲の境界は、新たに算出された走行可能範囲の境界へと更新される。
【0072】
続いて、S108においてCPU51は、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれているか否か判定する。第2実施形態では、現在設定されている走行可能範囲の境界の座標と前記S106で取得した表示エリアの中央位置の座標が一致していると判定した場合に、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定する。
【0073】
そして、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定された場合(S108:YES)には、CPU51はスクロール処理を停止する(S109)。その結果、現在設定されている走行可能範囲の境界が表示エリアの中央に位置する表示エリアの地図が液晶ディスプレイ15の表示画面に表示される(図8参照)。
【0074】
その後、S110においてCPU51は、液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて、走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨を案内する。例えば、『現在、走行可能範囲の境界付近の地図を表示しています。』との音声を出力する。また、図8に示すように同内容の文章を液晶ディスプレイ15に表示するようにしても良い。その後、S113へと移行する。
【0075】
また、前記S108において、現在設定されている走行可能範囲の境界が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていないと判定された場合(S108:NO)には、S111へと移行する。
【0076】
S111においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたか否か判定する。ここで、スクロール停止操作を受け付けた場合とは、具体的に連続スクロール処理中にユーザがタッチパネル34から手を放した場合が該当する。そして、ユーザのスクロール停止操作を受け付けたと判定した場合(S111:YES)には、スクロール処理を停止する(S112)。一方、ユーザのスクロール停止操作を受け付けていないと判定した場合(S111:NO)にはS105へと移行し、継続してスクロール処理を実行する。
尚、前記S105においてワンタッチスクロール処理を行っている場合には、上記S111においてCPU51は、スクロール停止操作を受け付けたか否かではなく、ユーザが接触した地点(図6の地点X)が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたか否かを判定する。そして、ユーザが接触した地点が表示エリアの中央位置となるまで地図をスクロールしたと判定された場合に、スクロール処理を停止する(S112)。スクロール処理を停止した後、S113へと移行する。
【0077】
S113においてCPU51は、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれているか否か判定する。第2実施形態では、前記S107で取得した充電施設の座標と前記S106で取得した表示エリアの中央位置の座標が一致していると判定した場合に、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定する。
【0078】
そして、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていると判定された場合(S113:YES)には、S114へと移行する。それに対して、充電施設が液晶ディスプレイ15に表示された地図の表示エリアに含まれていないと判定された場合(S113:NO)には、S120へと移行する。
【0079】
S114においてCPU51は、表示エリアの中央に位置する充電施設の案内を行う。ここで、図11は前記S114で充電施設の案内が行われた場合の液晶ディスプレイ15の表示画面101を示した図である。
図11に示すように液晶ディスプレイ15の表示画面101には、所定エリアの地図画像102と、地図の表示エリアの中央位置Zを特定する中央カーソル103と、充電施設の位置を特定する充電施設マーク104と、表示エリアの中央位置Zにある充電施設の情報を示す情報ウィンドウ105とが表示される。また、現在設定されている走行可能範囲の境界106が表示エリアに含まれる場合には、現在設定されている走行可能範囲の境界106についても表示される。ここで、情報ウィンドウ105には、充電施設の名称や車両2の現在地からの道なり距離が表示される。更に、充電料金や営業時間帯を表示しても良い。また、情報ウィンドウ105には、この充電施設でユーザが充電を実施することを希望する場合又は希望しない場合に操作される選択肢(「YES」、「NO」)も表示する。
【0080】
次に、S115においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、充電施設の案内が行われた充電施設においてユーザが充電を実施することを希望する操作を受け付けたか否か判定する。具体的には、液晶ディスプレイ15に表示された情報ウィンドウ105において「YES」の選択肢が操作された場合に、前記操作を受け付けたと判定する。
【0081】
そして、充電施設の案内が行われた充電施設においてユーザが充電を実施することを希望する操作を受け付けたと判定された場合(S115:YES)には、S116へと移行する。一方、充電施設の案内が行われた充電施設においてユーザが充電を実施することを希望する操作を受け付けていないと判定された場合(S115:NO)には、S120へと移行する。
【0082】
S116においてCPU51は、ユーザが情報ウィンドウ105において「YES」の選択肢を選択した充電施設を車両2がバッテリ7の充電を行う充電施設として特定し、その充電施設の充電情報を取得する。尚、取得される充電情報としては、充電施設の位置情報、充電施設到着時のSOC値、充電施設での予定充電量等がある。尚、充電施設到着時のSOC値については、CPU51が現在のSOC値、地図情報、車両の走行履歴等に基づいて算出する。また、予定充電量はユーザに入力させるように構成する。また、予定の充電時間をユーザに入力させて、入力された充電時間に基づいて予定充電量を算出しても良い。
【0083】
次に、S117でCPU51は、前記S116で取得された充電施設到着時のバッテリのSOC値及び充電施設での予定充電量の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2が充電施設でバッテリ7を充電した後にその充電施設からEV走行のみによって走行可能な走行可能範囲の境界を新たに算出する。そして、現在設定されている走行可能範囲をS117で新たに算出した走行可能範囲へと更新する。
具体的には、CPU51は、先ずユーザが充電を希望した充電施設で充電を実施した後の車両2のSOC値を算出する。充電施設到着時のバッテリのSOC値に充電施設での予定充電量を加えた値が、充電施設で充電後の車両2のSOC値となる。そして、充電施設で充電後の車両2のSOC値、地図情報、交通情報及び車両パラメータ情報に基づいて、充電を行う充電施設から仮の目的地までの経路を走行する場合の各経路に対してそれぞれEV走行のみで到達可能な到達可能地点を特定する。そして、CPU51は各経路における到達可能地点を直線又は曲線で結ぶ。その結果、結ばれた線が走行可能範囲の境界として算出される。
尚、S117における走行可能範囲の境界の算出方法の詳細については、既に説明したS102の走行可能範囲の境界の算出方法と基本的に同一であるので説明は省略する。
【0084】
続いて、S118でCPU51は、前記S117で算出された充電後の走行可能範囲の境界を、液晶ディスプレイ15に表示された地図上に重ねて表示する。尚、S117において走行可能範囲が更新された場合には、更新前に設定されていた走行可能範囲の境界は非表示となる。
【0085】
ここで、図12は前記S118において充電後の走行可能範囲の境界が表示された液晶ディスプレイ15の表示画面の一例を示した図である。尚、図12では1/64万の縮尺で地図を表示した場合の表示画面を示している。
図12に示すように液晶ディスプレイ15の表示画面101には、ユーザが充電を希望する充電施設周辺の地図画像102と、地図上にマッチングされた車両の現在位置を示す自車位置マーク107と、地図の表示エリアの中央位置を特定する中央カーソル103と、ユーザが充電を希望する充電施設の位置を特定する充電施設マーク108と、充電施設マーク108の周囲に表示された充電後の走行可能範囲の境界109と、が表示される。ここで、充電後の走行可能範囲の境界109の線上がユーザの希望する充電施設で充電を行った後にEV走行のみにより車両2が到達可能な最長の到達可能地点となる。即ち、境界109で囲まれたエリアが、充電施設で充電を行った場合にEV走行のみにより車両が到達可能なエリアとなる。そして、ユーザは充電後の走行可能範囲の境界109を参照することにより、EV走行のみにより車両が走行できる範囲を容易に把握することが可能となる。
尚、ユーザが大きい縮尺で充電後の走行可能範囲の境界109付近の詳細な地形や施設を確認することを希望する場合に、地図の縮尺を大きな縮尺に変更することが考えられるが、その場合には充電後の走行可能範囲の全体が入らない場合がある。その場合に、充電後の走行可能範囲の境界109付近の地図を確認するために、ユーザは上述した地図のスクロール操作を実行すると考えられる。そして、その場合において、充電後の走行可能範囲の境界109が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれた場合には、前記したように自動的にスクロールが停止され(S109)、充電後の走行可能範囲の境界109が液晶ディスプレイ15の表示エリアに含まれている旨が案内される(S110)。
【0086】
その後、S119でCPU51は、ユーザが充電を実施することを希望した充電施設に関する情報(施設ID等)をRAM52等に記憶する。その後、S120へと移行する。
【0087】
S120においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、現在地ボタンが押下されたか否か判定する。
【0088】
そして、現在地ボタンが押下されたと判定された場合(S120:YES)には、S121へと移行する。S121ではCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図を車両2の現在位置周辺の地図へと切り替える。その後、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0089】
一方、現在地ボタンが押下されていないと判定された場合(S120:NO)には、S104へと戻る。
【0090】
一方、前記S104で、ユーザのスクロール操作を受け付けていないと判定された場合(S104:NO)には、S122へと移行する。S122においてCPU51は、現在、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が前記S105のスクロール処理が完了した後の地図であるか否か判定する。
【0091】
そして、液晶ディスプレイ15に表示されている地図がスクロール処理が完了した後の地図であると判定された場合(S122:YES)には、S123へと移行する。それに対して、液晶ディスプレイ15に表示されている地図が車両2の現在地周辺の地図であると判定された場合(S122:NO)には、当該地図スクロール処理グラムを終了する。
【0092】
S123においてCPU51は、タッチパネル34から送信される検出信号に基づいて、目的地を設定する操作を受け付けたか判定する。
【0093】
そして、目的地の設定操作を受け付けたと判定された場合(S123:YES)には、S124へと移行する。一方、目的地の設定操作を受け付けていないと判定された場合(S123:NO)には、S120へと移行する。
【0094】
S124においてCPU51は、表示エリアの中央位置を目的地と設定し、設定された目的地に関する情報(施設ID、位置座標等)を地図情報DB47から取得する。
【0095】
次に、S125においてCPU51は、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報がRAM52に記憶されているか否か判定する。ここで、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報は、ユーザが充電施設で充電を実施することを希望した場合に、前記S120において記憶されている。
【0096】
そして、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報がRAM52に記憶されていると判定された場合(S125:YES)には、S126へと移行する。それに対して、ユーザが充電を実施することを希望する充電施設に関する情報がRAM52に記憶されていないと判定された場合(S125:NO)には、S127へと移行する。
【0097】
S126においてCPU51は、出発地(例えば、車両の現在位置)からRAM52に記憶された充電施設を経由して目的地へと至る経路を探索する。そして、経路探索の結果に基づいて最適な案内経路(即ち、走行予定経路)を特定する。一方、S127においてCPU51は、出発地(例えば、車両の現在位置)から目的地へと至る経路を探索する。そして、経路探索の結果に基づいて最適な案内経路(即ち、走行予定経路)を特定する。尚、経路探索処理は、公知のダイクストラ法等を用いて行う。その後、当該地図スクロール処理プログラムを終了する。
【0098】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による走行案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、ユーザから充電施設での充電を希望する操作を受け付けた場合(S116:YES)に、その充電施設到着時のバッテリのSOC値及び充電施設での予定充電量の他、地図情報及び車両2に関する各種情報に基づいて、車両2が充電施設からEV走行のみによって走行可能な充電後の走行可能範囲の境界を算出し(S117)、算出された充電後の走行可能範囲の境界を液晶ディスプレイ15に表示された地図上に表示する(S118)。そして、液晶ディスプレイ15に表示された地図がスクロールされている途中に、算出された充電後の走行可能範囲の境界が表示エリアに含まれた場合に、スクロールを停止する(S109)ので、充電施設での充電後の走行可能範囲の境界の位置をユーザに把握させることが可能となる。それによって、表示される地図の縮尺に関わらず、エネルギーを補給することによってその後に走行可能となる走行可能範囲をユーザが容易かつ正確に把握することができ、ユーザの利便性が向上する。
また、ユーザの操作に基づいて、現在設定されている走行可能範囲の境界の内側に位置する複数の充電施設からバッテリの充電を実施する充電施設を特定するので、現在のSOC値で走行することが可能な走行可能範囲内にある複数の充電施設から、ユーザが充電を希望する充電施設を選択することができる。従って、ユーザの走行計画に適合した走行可能範囲を案内することが可能となる。
また、ユーザが充電を行うことを希望する充電施設を経由して目的地へと至る経路を探索するので、目的地までの走行途中において充電施設でバッテリの充電を行う場合に、充電施設を経由して目的地へと至る適切な経路を案内することが可能となる。
【0099】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、スクロール途中で走行可能範囲の境界が表示エリアの中央に位置した場合にスクロールを停止することとしているが、スクロールの停止条件は他の条件であっても良い。例えば、スクロール途中で走行可能範囲の境界の少なくとも一部が表示エリアに表示された場合にスクロールを停止することとしても良い。
【0100】
また、前記S8、S109においてスクロールの停止処理が行われた場合に、スクロールが停止してから所定時間(例えば5sec)経過した後に、スクロールを再開する構成としても良い。
【0101】
また、第2実施形態において、ユーザがバッテリの充電を希望する充電施設として、充電施設を複数箇所選択しても良い。尚、充電施設が複数箇所選択された場合には、選択された充電施設毎に充電後の走行可能範囲の境界を算出することが望ましい。
【0102】
また、上記実施形態では本願発明をモータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両に適用した場合を説明したが、モータのみを駆動源とする電気自動車にも適用可能である。また、エンジンを駆動源とするエンジン自動車にも適用可能である。尚、ガソリン自動車に対して本願発明を適用する場合には、S1及びS101においてCPU51はバッテリのSOC値の代わりにガソリンの残量を取得する。また、S2及びS102において現在のガソリン残量で走行可能な走行可能範囲を算出する。更にS115において充電施設の代わりにガソリンスタンドを案内する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1実施形態に係る車両制御システムの概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る車両制御システムの制御系を模式的に示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。
【図4】走行可能範囲の境界が表示された際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図5】1/5000の縮尺で地図を表示した場合の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図6】ワンタッチスクロールを説明した説明図である。
【図7】連続スクロールを説明した説明図である。
【図8】スクロールが停止された際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図9】第2実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。
【図10】第2実施形態に係る地図スクロール処理プログラムのフローチャートである。
【図11】充電施設の案内が行われた際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【図12】充電後の走行可能範囲の境界が表示された際の液晶ディスプレイの表示画面を示した図である。
【符号の説明】
【0104】
1 ナビゲーション装置
2 車両
3 車両制御システム
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
33 ナビゲーションECU
34 タッチパネル
51 CPU
52 RAM
53 ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図の所定エリアを表示装置に表示する地図表示手段と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール手段と、
車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得手段と、
前記エネルギー残量取得手段により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出手段と、
前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止手段と、を有することを特徴とする走行案内装置。
【請求項2】
前記スクロール停止手段は、
前記走行可能範囲の境界の座標を取得する境界座標取得手段と、
前記表示エリアの中央位置の座標を取得する中央位置座標取得手段と、
前記中央位置座標取得手段により取得した座標が前記境界座標取得手段により取得した座標と一致するか否か判定する座標一致判定手段と、
を備え、
前記座標一致判定手段によって座標が一致すると判定された場合に前記表示エリアスクロール手段による前記スクロールを停止することを特徴とする請求項1に記載の走行案内装置。
【請求項3】
前記スクロール停止手段によって前記表示エリアスクロール手段による前記スクロールが停止された場合に、走行可能範囲の境界が前記表示装置の表示エリアに含まれている旨を案内する案内手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走行案内装置。
【請求項4】
前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置するエネルギー補給施設の内、前記車両がエネルギーの補給を行う補給実施エネルギー補給施設の位置情報と該補給実施エネルギー補給施設での予定補給量を取得する予定補給情報取得手段と、
前記車両の前記補給実施エネルギー補給施設への到達時のエネルギーの残量を算出する到達時エネルギー算出手段と、
前記予定補給量と前記到達時のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設にてエネルギーを補給後の前記車両のエネルギーの残量を取得する補給後エネルギー残量取得手段と、
前記予定補給情報取得手段により取得した補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量を消費することによって前記車両が前記補給実施エネルギー補給施設から走行可能な走行可能範囲の境界を算出する補給後走行可能範囲算出手段と、
前記スクロール停止手段は、前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記補給後走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行案内装置。
【請求項5】
前記操作受付手段により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置する複数のエネルギー補給施設から前記補給実施エネルギー補給施設を特定する補給施設特定手段を有し、
前記予定補給情報取得手段は、前記補給施設特定手段によって特定された前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給実施エネルギー補給施設における予定補給量を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項4に記載の走行案内装置。
【請求項6】
前記車両の目的地の位置情報を取得する目的地取得手段と、
前記目的地の位置情報と前記予定補給情報取得手段により取得した前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設を経由して目的地へと至る経路を探索する経路探索手段と、を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の走行案内装置。
【請求項7】
地図の所定エリアを表示装置に表示する地図表示ステップと、
ユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作受付ステップにより受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロールステップと、
車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得ステップと、
前記エネルギー残量取得ステップにより取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出ステップと、
前記表示エリアスクロールステップによって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止ステップと、を有することを特徴とする走行案内方法。
【請求項8】
コンピュータに搭載され、
地図の所定エリアを表示装置に表示する地図表示機能と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付機能と、
前記操作受付機能により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール機能と、
車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得機能と、
前記エネルギー残量取得機能により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出機能と、
前記表示エリアスクロール機能によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
地図の所定エリアを表示装置に表示する地図表示手段と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール手段と、
車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得手段と、
前記エネルギー残量取得手段により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出手段と、
前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止手段と、を有することを特徴とする走行案内装置。
【請求項2】
前記スクロール停止手段は、
前記走行可能範囲の境界の座標を取得する境界座標取得手段と、
前記表示エリアの中央位置の座標を取得する中央位置座標取得手段と、
前記中央位置座標取得手段により取得した座標が前記境界座標取得手段により取得した座標と一致するか否か判定する座標一致判定手段と、
を備え、
前記座標一致判定手段によって座標が一致すると判定された場合に前記表示エリアスクロール手段による前記スクロールを停止することを特徴とする請求項1に記載の走行案内装置。
【請求項3】
前記スクロール停止手段によって前記表示エリアスクロール手段による前記スクロールが停止された場合に、走行可能範囲の境界が前記表示装置の表示エリアに含まれている旨を案内する案内手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走行案内装置。
【請求項4】
前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置するエネルギー補給施設の内、前記車両がエネルギーの補給を行う補給実施エネルギー補給施設の位置情報と該補給実施エネルギー補給施設での予定補給量を取得する予定補給情報取得手段と、
前記車両の前記補給実施エネルギー補給施設への到達時のエネルギーの残量を算出する到達時エネルギー算出手段と、
前記予定補給量と前記到達時のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設にてエネルギーを補給後の前記車両のエネルギーの残量を取得する補給後エネルギー残量取得手段と、
前記予定補給情報取得手段により取得した補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量とに基づいて、前記補給後エネルギー残量取得手段により取得した前記車両のエネルギーの残量を消費することによって前記車両が前記補給実施エネルギー補給施設から走行可能な走行可能範囲の境界を算出する補給後走行可能範囲算出手段と、
前記スクロール停止手段は、前記表示エリアスクロール手段によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記補給後走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の走行案内装置。
【請求項5】
前記操作受付手段により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界の内側に位置する複数のエネルギー補給施設から前記補給実施エネルギー補給施設を特定する補給施設特定手段を有し、
前記予定補給情報取得手段は、前記補給施設特定手段によって特定された前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報と前記補給実施エネルギー補給施設における予定補給量を取得することを特徴とすることを特徴とする請求項4に記載の走行案内装置。
【請求項6】
前記車両の目的地の位置情報を取得する目的地取得手段と、
前記目的地の位置情報と前記予定補給情報取得手段により取得した前記補給実施エネルギー補給施設の位置情報とに基づいて、前記補給実施エネルギー補給施設を経由して目的地へと至る経路を探索する経路探索手段と、を有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の走行案内装置。
【請求項7】
地図の所定エリアを表示装置に表示する地図表示ステップと、
ユーザの操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作受付ステップにより受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロールステップと、
車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得ステップと、
前記エネルギー残量取得ステップにより取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出ステップと、
前記表示エリアスクロールステップによって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止ステップと、を有することを特徴とする走行案内方法。
【請求項8】
コンピュータに搭載され、
地図の所定エリアを表示装置に表示する地図表示機能と、
ユーザの操作を受け付ける操作受付機能と、
前記操作受付機能により受け付けられたユーザの操作に基づいて、前記表示装置に表示される地図を前記所定エリアから他のエリアへとスクロールする表示エリアスクロール機能と、
車両のエネルギーの残量を取得するエネルギー残量取得機能と、
前記エネルギー残量取得機能により取得されたエネルギーの残量を消費することによって前記車両が走行可能な走行可能範囲の境界を算出する走行可能範囲算出機能と、
前記表示エリアスクロール機能によって前記表示装置に表示された地図がスクロールされている途中に前記走行可能範囲算出手段によって算出された前記走行可能範囲の境界が前記表示装置に表示された地図の表示エリアに含まれた場合に、前記スクロールを停止するスクロール停止機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−122117(P2010−122117A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297110(P2008−297110)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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