説明

位置検出装置、露光装置、計測システム及び位置検出方法

【課題】複数のセンサーで同期して計測を行ない、結果を高速かつ高品質に信号処理部に伝送し、もって位置検出を高速かつ高精度に行なう位置検出装置を提供する。
【解決手段】位置検出装置200においては、センサー制御手段219,229,239及び269において、センサー211,212,221〜223,231及び261における検出結果のアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号としてそのデータを光通信ネットワークで構築された伝送手段270を介して信号処理手段280に転送している。従って、複数のセンサーにおいて同時に検出されたデータを、同時並列的にデジタル信号に変換し、伝送手段を介して実質的に同時に信号処理手段に提供することができ、複数のセンサーで同時に検出したデータを用いた位置検出処理や、リアルタイムでの位置検出処理を適切に行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体素子等の電子デバイスを製造する際の露光装置、あるいは検査装置等の計測システムに用いて好適な位置検出装置及び位置検出方法、及び、その位置検出装置を用いた露光装置及び計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、液晶表示素子、CCD等の撮像素子、プラズマディスプレイ素子あるいは薄膜磁気ヘッド等の電子デバイス(以下、電子デバイスと総称する)を製造する際には、露光装置を用いて、フォトマスクやレチクル(以下、レチクルと総称する)に形成された微細なパターンの像を、フォトレジスト等の感光剤を塗布した半導体ウエハやガラスプレート等の基板上に投影露光する。
この時用いられる露光装置としては種々の方式のものがあるが、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)やステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(スキャニング・ステッパ)が広く使用されている。ステッパは、レチクルと感光基板との相対的な位置合わせを行った後で、レチクルに形成されたパターンを感光基板上に設定された1つのショット領域に一括して転写し、転写後に感光基板をステップ移動させて他のショット領域の露光を順次行なう露光装置である。また、スキャニング・ステッパは、レチクルと感光基板とを連続的に相対移動(走査)させつつレチクルに形成されたパターンを逐次感光基板に転写し、転写後に感光基板を移動させて他のショット領域に対して再度走査露光を行なう露光装置である。
【0003】
例えば半導体デバイスの製造においては、このような露光装置を用いて基板としてのウエハ上の各ショット領域に複数層の回路パターンを重ねて形成するが、2層目以降の回路パターンをウエハ上に投影露光する際には、ウエハ上の既に形成されているパターン上にこれから露光するレチクルのパターン像を正確に位置合わせする必要がある。すなわち、レチクルのパターン像の投影位置に、ウエハを高精度に位置合わせ(アライメント)する必要がある。そのためのウエハあるいはウエハ上の各ショットの位置検出方法(アライメント計測方法)としては、数箇所(3箇所以上であって、通常は例えば6〜8箇所)のサンプルショット(以下、EGAショットと称する)について計測した位置情報に基づいて統計演算処理を行ないウエハ上の全てのショット領域の位置情報を得るエンハンスド・グローバル・アライメント(EGA)方式が主流となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ウエハステージにロードされるウエハは、プリアライメントされた状態でウエハステージに載置されるが、ファインアライメントとしてのEGA計測を実行できるレベル(精度)での位置決めはされていない。そのため、通常、EGA計測を実行する前にEGA計測に支障を来さない程度にウエハの位置を粗調整する、いわゆるサーチアライメントが行なわれる。サーチアライメントは、予め指定されたショット領域(例えば2箇所、以下サーチショットと称する)においてアライメントマーク(サーチアライメント用マーク)の位置を検出し、この検出結果に基づいてショット領域の座標値を補正するものである。
【0005】
また、前述したファインアライメントとしてのEGAやサーチアライメントにおいてアライメントマークの計測を行なう場合には、ウエハ上のマーク形成面にアライメント光学系の結像面(合焦面)を一致させる必要がある。そのため、光学系の結像面に対するウエハの相対的な位置を検出し、これが一致するように、例えばウエハステージの高さを調整するアライメントAF(オートフォーカス)が行なわれる。光学系の結像面とウエハ表面の相対的な位置を検出する方法としては、スリット状の光束でウエハ表面を照明し、照明されたウエハからの光束を対物光学系の瞳面で瞳分割し、瞳分割された光束の位置に基づいて結像面とウエハ表面の光軸方向の相対的な位置を検出するいわゆる瞳分割方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このような種々の信号処理を行なう露光装置の位置検出装置(アライメント系)においては、従来、これらの各センサー系の信号をアナログ信号によりセンサーから信号処理部に伝送し、信号処理部においてアナログ信号をデジタル信号にAD変換し、変換したデジタル信号をFIFOメモリ等のメモリに一旦保存した上でCPU上のメモリに転送し、EGA計測、サーチアライメントあるいはアライメントAF等の信号処理を行なっている。
【特許文献1】特開昭61−44429号公報
【特許文献2】特開平8−167550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年の電子デバイスの製造工程におけるスループットの向上及び高精細化の要求に伴って、ウエハのアライメント処理、すなわちウエハ上のマークやショット領域等の位置検出処理においても、これを短時間で効率よく行ないたいという要望がある。また、種々のセンサーからの検出信号を用いた複雑な信号処理を行ない、ウエハの位置検出あるいは位置合わせ等の処理を高精度に行ないたいという要望もある。
しかしながら、従来の位置検出装置においては、例えばセンサーの検出信号のような必要な信号をタイミングよく適切に伝送して信号処理に供することが難しい場合があり、改善が望まれていた。
【0008】
具体的には、例えば従来のアライメント系のように、センサーでの検出信号をアナログ信号の状態で信号処理部(CPU)まで伝送すると、伝送路路中においてノイズが重畳される場合があり、センサーでの検出結果の精度を低下させる可能性があった。
また、信号処理部は複数チャンネルのAD変換器を具備しているものの、そのチャンネル数は例えば4チャンネル程度とごく少ない数であり、同時にAD変換できる信号の数は限られていた。従って、複数のセンサーから転送されるアナログ信号を同時にデジタル信号に変換することが実質的に困難であり、複数のセンサーにおいて同期して所望のデータの検出を行なうことが難しかった。その結果、各センサーにおいて検出した計測データには時間的なずれが生じることとなり、同期してデータを取り込むことが必要な処理を適切に行なうことができない場合があった。
【0009】
また、アナログ信号としてのデータ伝送では、データ伝送速度に限界があり、スループットを向上させるための障害となっていた。また、AD変換した後にFIFOメモリを介してCPUからアクセス可能な主記憶にデータを転送していたため、ここでもデータの転送速度が十分ではなく、効率よく信号処理を行なうことができなかった。
また、アナログ信号によるデータ伝送では、通常、一連のデータの全てを伝送してから次のデータの伝送に切り換えることとなるため、この点においても各データを供する時間に差が生じることとなり、リアルタイム的な処理には不適切であった。
このように、従来のアナログ信号の伝送を主体としたアライメント系の伝送手段においては、スループットの向上を重視する信号処理を行なうためには性能が十分ではなく、その改善が望まれていた。
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ウエハ上のマークやショット領域の位置を検出する位置検出装置及び信号処理方法において、複数のセンサーで同期して検出を行ない、検出結果を高速かつ高品質に信号処理部に伝送されるようにし、もって所望の位置検出対象の位置を高速かつ高精度に検出することができる位置検出装置及び位置検出方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、所望の位置検出対象の位置を高速かつ高精度に検出することができる前述の位置検出装置によりウエハあるいはウエハ上のマークやショット領域の位置を高速かつ高精度に検出し、当該検出結果に基づいて露光処理を行なうことにより高精細で高スループットに露光処理を行なうことができる露光装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、所望の位置検出対象の位置を高速かつ高精度に検出することができる前述の位置検出装置によりウエハあるいはウエハ上のマークやショット領域の位置を高精度かつ高スループットで計測することのできる計測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明に係る位置検出装置(200)は、物体の位置検出に係る情報をそれぞれ検出する複数のセンサー(211,212,221〜223,231及び261)と、前記複数のセンサーの中の任意の1又は複数のセンサーの検出結果に基づいて、前記物体の位置検出に係る所望の信号処理を行なう信号処理手段(280)と、前記各センサーの検出結果を前記信号処理手段に伝送する伝送手段(270)とを有する位置検出装置(200)であって、前記複数のセンサーの中の任意の1又は複数のセンサー毎に設けられ、前記各センサーにおける検出結果のアナログ信号の各々をデジタル信号に変換し、この変換された複数のデジタル信号を前記伝送手段を介して前記信号処理手段に送出する1又は複数のセンサー制御手段(219,229,239及び269)をさらに有し、前記伝送手段は、前記複数のセンサーの中の少なくとも2以上のセンサーに対応して設けられた前記センサー制御手段から送出される前記複数のデジタル信号を同時に伝送する(図4参照)(請求項1)。
【0012】
このような構成の位置検出装置(200)においては、センサー制御手段(219,229,239及び269)において、センサー(211,212,221〜223,231及び261)における検出結果のアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号としてそのデータを伝送手段(270)を介して信号処理手段(280)に転送している。従って、複数のセンサーにおいて例えば同時に検出されたデータを、同時並列的にデジタル信号に変換し、伝送手段を介して高速に、従って実質的に同時に信号処理手段に提供することができる。その結果、複数のセンサーで同時に検出したデータを用いた位置検出処理や、リアルタイムでの位置検出処理を適切に行なうことができる。また、伝送中に検出結果の信号にノイズが重畳することを避けることができ、高精度な処理を行なうことができる。
【0013】
好適には、前記複数のセンサーは、2次元平面内における物体の位置検出用の複数のセンサー及びフォーカス用のセンサーの中の任意センサーを含む(請求項2)。
また好適には、前記信号処理手段から前記センサー又は前記センサー制御手段へのコマンドも、前記信号処理手段から前記伝送手段を介して前記センサー又は前記センサー制御手段に伝送される(請求項3)。
また好適には、前記センサー制御手段は、送出対象の前記デジタル信号を必要に応じて例えば圧縮する等の信号処理を施して加工し、当該加工結果の信号を前記伝送手段を介して前記信号処理手段に送出する(請求項4)。
【0014】
また好適には、前記伝送手段(270)を介して伝送される前記センサーの前記デジタル信号は、前記信号処理手段が具備する演算処理装置がアクセスする前記信号処理手段(280)内のメモリ(281)に直接的に転送される(図4参照)(請求項5)。
また好適には、前記伝送手段(270)は、光ネットワークである(請求項6)。
また好適には、前記伝送手段は、前記信号処理手段と複数の前記センサー制御手段との全てをループ状に接続するとともに、一方向にのみデータ転送可能な光ファイバーを含む(請求項7)。
【0015】
また好適には、前記信号処理手段は、前記伝送手段を介して順次接続される第1(290)及び第2の処理手段(280)を有し、前記第1の処理手段及び前記第2の処理手段は、前記センサー制御手段から前記伝送手段を介して伝送される前記デジタル信号を各々取り込み、前記第1の処理手段(290)は、前記デジタル信号に対して第1処理を施し、前記第2の処理手段(280)は、前記デジタル信号に対して前記第1処理とは異なる第2処理を施す(請求項8)。
また好適には、前記信号処理手段は、前記伝送手段を介して順次接続される第1及び第2の処理手段を有し、前記第1の処理手段(290)は、前記センサー制御手段から前記伝送手段を介して伝送される前記デジタル信号に対して第1処理を施し、前記第2の処理手段(280)は、前記第1の処理手段から前記伝送手段を介して伝送される前記第1処理後の信号に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施す(請求項9)。
【0016】
また、本発明に係る露光装置は、基板上に形成されたパターンの位置を計測する前述した何れかの位置検出装置(117,119及び115)と、前記計測結果に基づいて前記基板の位置合わせをする位置合わせ手段(114等)と、前記位置合わせされた基板(W)上に、投影光学系(109)を介して所定のパターンの投影光を照射し、前記パターンを転写露光する露光手段(102〜113等)とを有する(図1参照)(請求項10)。
好適には、前記基板の位置を計測する干渉計、前記投影光学系の結像特性を検出するセンサー及び当該露光装置に具備される他のセンサーの中の任意の干渉計あるいはセンサーにより計測された計測結果のアナログ信号をデジタル信号に変換した上で、前記伝送手段とは別の伝送手段を介して、当該任意の計測結果を使用する信号を、さらに前記伝送手段を介して当該計測結果を用いる信号処理手段に伝送する(請求項11)。
【0017】
また、本発明に係る計測システムは、基板上に形成されたパターンの位置を計測する前述した何れかの位置検出装置と、前記計測結果に基づいて前記基板の位置合わせをする位置合わせ手段と、前記位置合わせされた基板又は当該基板上に形成されたパターンの任意の被計測量を計測する計測手段とを有する(請求項12)。
【0018】
また、本発明に係る位置検出方法は、物体の位置検出に係る情報をそれぞれ検出する複数のセンサーについて、各センサーから検出されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、前記変換された複数のデジタル信号の内の任意の2以上のデジタル信号を同時に、前記物体の位置検出に係る所望の信号処理を施す信号処理手段に対して、光伝送手段を介して伝送し、前記信号処理手段において、前記伝送された前記複数のデジタル信号に対して前記所望の信号処理を施して、前記物体の位置検出を行なう(請求項13)。
【0019】
なお、本欄においては、各構成に対して、添付図面に示されている対応する構成の符号を記載したが、これはあくまでも理解を容易にするためのものであって、何ら本発明に係る手段が添付図面を参照して後述する実施の形態の態様に限定されることを示すものではない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ウエハ上のマークやショット領域の位置を検出する位置検出装置及び位置検出方法において、種々のセンサーから信号処理部へのデータ伝送を高速かつ同期して行なうことができるようにし、またノイズが重畳するのを避けて高品質なデータが伝送されるようにし、もって所望の位置検出対象の位置を高速かつ高精度に検出することができる位置検出装置及び位置検出方法を提供することができる。
また、所望の位置検出対象の位置を高速かつ高精度に検出することができる前述の位置検出装置によりウエハあるいはウエハ上のマークやショット領域の位置を高速かつ高精度に検出し、当該検出結果に基づいて露光処理を行なうことにより高精細で高スループットに露光処理を行なうことができる露光装置を提供することができる。
また、所望の位置検出対象の位置を高速かつ高精度に検出することができる前述の位置検出装置によりウエハあるいはウエハ上のマークやショット領域の位置を高精度かつ高スループットで計測することのできる計測システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
本実施形態においては、レチクルに形成された回路パターンの像を投影光学系を介してウエハ上の複数のショット領域に投影し転写する露光装置、及び、その際のウエハ上の各ショット領域のアライメント方法について説明する。
【0022】
まず、その露光装置の全体構成について説明する。
図1は、露光装置100の概略構成を示す図である。
露光装置100においては、超高圧水銀ランプやエキシマレーザ等の光源102から射出された照明光が反射鏡103で反射され、露光に必要な波長の光のみを透過させる波長選択フィルタ104に入射される。波長選択フィルタ4を透過した照明光は、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ又はロッド)105によって均一な強度分布の光束に調整され、レチクルブラインド(視野絞り)106に到達する。レチクルブラインド106は、複数のブレードが駆動系106aによってそれぞれ駆動されることにより開口Sの大きさを変化させ、照明光によるレチクルR上の照明領域を設定するものである。
【0023】
レチクルブラインド106の開口Sを通過した照明光は、反射鏡107で反射されてレンズ系108に入射する。このレンズ系108によってレチクルブラインド106の開口Sの像がレチクルステージ120上に保持されたレチクルR上に結像され、レチクルRの所望のパターン領域が照明される。なお、これら波長選択フィルタ104、オプティカルインテグレータ105、レチクルブラインド106及びレンズ系108により、露光装置100の照明光学系が構成される。
【0024】
レチクルステージ120は、投影光学系109の光軸と垂直な面内で2次元移動可能である。レチクルステージ120(レチクルR)の位置及び回転量は、図示しないレーザ干渉計によって検出され、その測定値であるレチクルステージ120(レチクルR)の位置情報は、後述するステージ制御系114、主制御系115及びアライメント制御系119にそれぞれ出力される。
【0025】
レチクルRの照明領域に存在する回路パターンやアライメントマークの像は、レジストが塗布されたウエハW上に投影光学系109によって結像される。これにより、ウエハステージ110上に載置されるウエハW上のショット領域に、レチクルRのパターン像やアライメントマーク像が露光される。
【0026】
ウエハステージ110は、ウエハWを真空吸着する図示せぬウエハホルダを有し、リニアモータ等の駆動装置111によって、投影光学系109の光軸と垂直で互いに直交するX方向及びY方向に移動される。これにより、投影光学系109に対してその像面側でウエハWが2次元移動され、例えばステップ・アンド・リピート方式(又はステップ・アンド・スキャン方式)で、ウエハW上(ウエハWの位置合わせせれたショット領域上)にレチクルRのパターン像が転写される。
【0027】
また、ステージ移動座標系XY上でのウエハステージ110(ウエハW)のX、Y方向の位置、及び回転量(ヨーイング量、ピッチング量、ローリング量)は、ウエハステージ110の端部に設けられた移動鏡(反射鏡)12にレーザ光を照射するレーザ干渉計113によって検出される。レーザ干渉計113の測定値(位置情報)は、ステージ制御系114、主制御系115及びアライメント制御系119にそれぞれ出力される。
【0028】
ステージ制御系114は、主制御系115及びレーザ干渉計113等からの位置情報に基づいて、駆動装置111等を介してレチクルステージ120及びウエハステージ110の移動をそれぞれ制御する。
【0029】
主制御系115は、駆動系106aを介したレチクルブラインド106の開口Sの大きさや形状の制御、アライメント制御系119から出力されるウエハW上のアライメントマークの位置情報に基づくEGA計算等を行ない、露光装置100全体を統括制御する。
また、主制御系115には、各種露光データを入力するための入力部121が接続されている。露光データとしては、ショット領域の各位置、サーチショットの位置、EGAショットの位置、サーチマークの位置及びファインマーク(EGAマーク)の位置等が入力される。
【0030】
露光装置100には、レチクルRとウエハWとの位置合わせを行なうために、例えばTTR(スルー・ザ・レチクル)方式のレチクル・アライメントセンサー116及びオフアクシス方式のウエハ・アライメントセンサー117が備えられている。
【0031】
レチクル・アライメントセンサー116は、露光光アライメント方式のアライメント系であって、露光用照明光を用いてレチクルR及び投影光学系109を介して基準マーク部材118上の基準マークを検出し、レチクルR上に形成されたアライメントマーク(レチクル・アライメントマーク)及び基準マークの像を撮像素子(CCD)により撮像し、その撮像信号をアライメント制御系119に出力する。これにより、レチクル・アライメントマークと基準マークの位置関係を直接的に観察できる。
なお、基準マーク部材118は、ウエハステージ110上に固定され、そのウエハWの表面と同じ高さに基準マークが形成されている。
【0032】
アライメント制御系119は、レチクル・アライメントセンサー116から入力されるレチクル・アライメントマークと基準マークの撮像信号に基づいて両マークの位置ずれ量を検出する。さらに、レーザ干渉計113等から入力されるウエハステージ110の位置測定値及びレチクルステージ120の位置測定値に基づいて、両マークの位置ずれ量が0(零)となる時のレチクルステージ120及びウエハステージ110の各位置を求める。これにより、ウエハステージ移動座標系XY上でのレチクルRの位置が検出される。換言すればレチクルステージ移動座標系とウエハステージ移動座標系XYとの対応付け(相対位置関係の検出)が行なわれる。アライメント制御系119は、その結果の位置情報を主制御系115に出力する。
【0033】
ウエハ・アライメントセンサー117は、FIA(Field Image Alignment)方式のアライメント系である。ウエハ・アライメントセンサー117は、投影光学系109とは別設される対物光学系を介して、ウエハW上のレジストを感光させない波長域の照明光、例えば波長が530〜800nm程度の広帯域光(ブロードバンド光)をウエハW上のアライメントマーク(ウエハ・アライメントマーク)に照射し、その対物光学系を通して撮像素子(CCD)の受光面上に指標マークの像とともにそのアライメントマークの像を形成し、両マーク像の撮像信号(光電変換信号、画像信号)をアライメント制御系119に出力する。
また、ウエハ・アライメントセンサー117はAF(オートフォーカス)機能を備えており、ウエハステージ110をウエハ・アライメントセンサー117の対物光学系の光軸に沿った方向に駆動し、ウエハW上のアライメントマークを前述の対物光学系の焦点面に配置する。
【0034】
ウエハ・アライメントセンサー117は、ウエハWを観察する1つの対物レンズに対して、サーチアライメント(サーチ計測)用の光学系とファインアライメント(EGA計測)用の光学系との2つの別個(一部共通)の光学系を有する構成である。すなわち、1つの対物レンズを介してウエハW上の所定の箇所に照明光を照射して得た観察光(反射光)を、ウエハ・アライメントセンサー117内でサーチ用光学系又はファイン用光学系に入射させる構成となっている。
【0035】
サーチ用光学系は、ファイン用光学系よりは低倍率であるものの広い視野範囲でウエハWを観察できるようになっており、また、ファイン用光学系は、サーチ用光学系よりも視野範囲は狭いものの高倍率でウエハWを観察できるようになっている。また、各光学系は各々2次元撮像素子を具備しており、各観察視野の画像を撮像できる構成となっている。これら各光学系を介して各撮像素子で撮像された撮像信号(光電変換信号)が、アライメント制御系119に出力される。
なお、ウエハ・アライメントセンサー117のこれらサーチ用光学系及びファイン用光学系の観察視野については、後述するウエハアライメントに係る信号処理系の説明の際に図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
ファインアライメント計測を行なう際には、アライメント制御系119は、ウエハ・アライメントセンサー117からの撮像信号に基づいて、ファイン用光学系内に配置されており、ファイン計測を行なう際に基準となる指標マークとアライメントマーク(ウエハ・アライメントマーク)との位置ずれ量を検出する。さらに、レーザ干渉計113から入力されるウエハステージ110の位置測定値を参照して、その位置ずれ量が0(零)となる時のウエハステージ110の位置をウエハステージ移動座標系XY上でのアライメントマークの座標値として求める。そして、アライメント制御系119は、その位置情報を主制御系115に出力する。
【0037】
主制御系115は、アライメント制御系119に対して信号処理条件等の指令を与えるとともに、アライメント制御系119から出力されるアライメントマークの位置情報(座標値)に基づいてサーチ計測及びファイン計測(EGA計算)を行なう。また、主制御系115は、計測したアライメントマークの位置情報に基づいて、ウエハWの位置の制御、及び、ウエハWの各ショット領域へのレチクルRのパターンの像の転写を制御する。
【0038】
具体的には、主制御系115は、予め指定された例えば2箇所のサーチショット領域のアライメントマーク(サーチアライメント用マーク)の位置を計測し、この計測結果に基づいてEGA計測が可能なようにウエハWの位置を調整する。また、サーチアライメントにより位置調整されたウエハWにおける予め指定された例えば6箇所のEGAショット領域のアライメントマーク(ファインアライメント用マーク)の位置を計測し、この計測結果に基づいてウエハW上の全てのショット領域の位置(例えばショットセンタ等の基準点の位置)の座標値を算出する。
【0039】
そして、主制御系115は、ウエハ・アライメントセンサー117のベースライン量に基づいてその算出した座標値を補正し、この補正した座標値をステージ制御系114に出力する。
ステージ制御系114は、主制御系115からの位置情報に基づいて、駆動装置11を介してウエハステージ10の移動を制御する。
そして、主制御系115の制御により、例えばステップ・アンド・リピート方式(又はステップ・アンド・スキャン方式)で、ウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
以上、露光装置100の全体の構成の説明である。
【0040】
次に、このような構成の露光装置100で用いるウエハW、及び、ウエハWに形成されたアライメントマークについて、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、露光装置100で用いるウエハW上のアライメントに用いるショット領域の例を示す図であり、図3は、アライメント計測対象のマークM及びウエハ・アライメントセンサー117の観察視野を説明するための図である。
露光装置100で用いるウエハWには、複数のショット領域がマトリックス状に配列されており、各ショット領域には前工程での露光及び現像等により各々回路パターンが形成されている。これらのショット領域の中に、図2に示すように、2箇所のサーチショット領域SS1及びSS2、及び、6箇所のファインアライメント(EGA)ショット領域ES1〜ES6の8箇所のショット領域が設定されている。
【0041】
これらのアライメント計測対象の各ショット領域SS1、SS2及びES1〜ES6には、各パターン領域の外側に、図3に示すような、サーチ計測とファイン計測(EGA計測)で同一のマークであり、また、X方向の位置計測とY方向の位置計測の両方に用いるアライメントマークMが形成されている。アライメントマークMは、X方向及びY方向を各々計測方向とする2次元方向計測用マークである。
なお、図3には、ウエハ・アライメントセンサー117の観察視野VS及びVFが示されているが、これについては後に説明する。
【0042】
次に、露光装置100におけるウエハアライメントに関する信号処理系(以下、ウエハアライメント系と称する)の構成について図4を参照して説明する。
図4は、そのウエハアライメント系200の構成を示す図である。
図4に示すように、ウエハアライメント系200は、後述する2台のサーチ系カメラ211及び212、サーチ部219、後述する3台のファイン系カメラ221〜223、ファイン部229、1台のフォーカスカメラ231、フォーカス部239、その他のセンサー(例えばウエハのプリアライメント用のセンサー等)261、その他の各センサー部269、光伝送路(光ファイバー)270及び信号処理部280を有する。また、信号処理部280は、内部に信号処理メモリ281を有する。
【0043】
なお、図4に示すサーチ系カメラ211及び212、サーチ部219、ファイン系カメラ221〜223、ファイン部229、フォーカスカメラ231、フォーカス部239、その他のセンサー261及びその他の各センサー部269は、図1に示した露光装置100においてウエハ・アライメントセンサー117を構成するものである。また、信号処理部280は、図1におけるアライメント制御系119と主制御系115を合わせて1の制御部として示したものである。
【0044】
図4に示すウエハアライメント系200において、2台のサーチ系カメラ211及び212は、サーチカメラ211及び観察カメラ212である。
サーチカメラ211は、ウエハWの所望のサーチマーク検出領域を、図3に示すような観察視野VSを所定の倍率で観察し、その映像信号(ビデオ信号)をサーチ部219に出力する2次元CCDカメラである。この時の観察視野VSは、図3に示すように、計測対象のアライメントマークMのウエハプリアライメント(ウエハステージにウエハを載せる前に行なわれるアライメント処理)による位置合わせ誤差を十分に吸収できる程度にある程度広い領域である。また、後述するファイン計測の際の観察視野VFよりも広い領域である。但し、サーチカメラ211の観察倍率は、後述するX方向計測用ファインカメラ221及びY方向計測用ファインカメラ222の観察倍率よりも低い。なお、本実施形態においてサーチ用観察視野VSは、1辺が約200μm程度の略正方形の領域である。観察領域VSのウエハW上の配置は、主制御系115及びステージ制御系114により駆動装置111を介してウエハWの位置が制御されることにより設定される。
【0045】
観察カメラ212は、使用者によるアシスト処理及び調整等のためにサーチカメラ211よりさらに広い視野でウエハW上を観察するためのカメラである。観察カメラ212は、例えば1辺が約500μm〜800μmの視野範囲でウエハW上を観察する。
【0046】
サーチ部219は、サーチカメラ211及び観察カメラ212の制御部(センサー制御手段)であるとともに、これらサーチ系カメラ211及び212と信号処理部280とのインターフェイス部である。サーチ部219には、データ伝送路270を介して信号処理部280からサーチカメラ211及び観察カメラ212の制御信号(図4参照)が入力される。サーチ部219は、これをサーチカメラ211及び観察カメラ212に出力する。これにより、サーチカメラ211及び観察カメラ212は、各々所望の動作に制御される。
【0047】
また、サーチ部219は、サーチカメラ211及び観察カメラ212から入力される映像信号(アナログ映像信号)から、信号処理部280から入力される制御信号に基づいて所望のタイミングの画像を取り込む。そして、その画像信号をAD変換してデジタル画像信号に変換した後、光伝送路270を介して図4に示した矢印方向に信号伝送して信号処理部280に送出する。
その際サーチ部219は、信号処理部280からの制御信号に基づいて、必要に応じてデジタル画像信号の圧縮等の符号化処理(信号の加工)を行った上で、その符号化した信号を光伝送路270を介して信号処理部280に送出する。
【0048】
ウエハアライメント系200の3台のファイン系カメラ221〜223は、X方向計測用ファインカメラ221、Y方向計測用ファインカメラ222及び指標マーク計測用カメラ223である。
X方向計測用ファインカメラ221及びY方向計測用ファインカメラ222は、ウエハWの所望のファインマーク検出領域を、各々図3に示すような観察視野VFX及びVFYで所定の倍率により観察し、その映像信号(ビデオ信号)をファイン部229に出力する2次元CCDカメラである。X方向計測用ファインカメラ221は、X方向を走査方向(走査線方向)として観察視野VFX内を撮像し、Y方向計測用ファインカメラ222は、Y方向を走査方向(走査線方向)として観察視野VFY内を撮像する。本実施形態においては、X方向計測用ファインカメラ221の観察視野VFXとY方向計測用ファインカメラ222の観察視野VFYとは同一の観察視野(観察視野VF)とするが、例えば計測対象のアライメントマークの各方向の計測に無効な成分を少しでも除外するように、異なる領域に設定してもよい。
なお、X方向計測用ファインカメラ221及びY方向計測用ファインカメラ222の観察倍率は、前述したサーチカメラ211の観察倍率よりも高い。また、X方向計測用ファインカメラ221及びY方向計測用ファインカメラ222の観察視野VFの範囲は、サーチカメラ211の観察視野VSよりも狭い。
【0049】
観察視野VFX及びVFYは、図3に示すように、サーチ計測時の観察視野VSよりも狭い領域である。本実施形態において、ファイン用観察視野VFは、1辺が約120μm程度の略正方形の領域である。
観察視野VFのウエハW上の配置は、主制御系115及びステージ制御系114により駆動装置111を介してウエハWの位置が制御されることにより設定される。
【0050】
指標マーク計測用カメラ223は、FIAの光学系の対物レンズの先端に付されているリファレンス用の指標マークを検出するためのカメラである。ウエハ・アライメントセンサー117の対物レンズに、温度や気圧等の環境条件等による位置変動、何らかの理由による機械的な位置変動、あるいは、振動又はドリフト等が生じた場合、ウエハ・アライメントセンサー117においては相対的に観察する像が移動したように見える。このような位置変動をキャンセルするために、対物レンズの先端に指標マークが付されており、指標マーク計測用カメラ223はこの指標マークの位置を検出する。なお、この指標マークを計測する際には、専用の赤外検出光が用いられる。なお、指標マークに照射され該マーク上で反射された赤外光は、指標カメラ223以外では検出されないように、他のカメラ211,212、221,222及び231の直前には赤外光カットフィルタが設けられている。
【0051】
ファイン部229は、X方向計測用ファインカメラ221〜指標マーク計測用カメラ223の制御部(センサー制御手段)であるとともに、これらファイン系カメラ221〜223と信号処理部280とのインターフェイス部である。ファイン部229には、光伝送路270を介して信号処理部280からX方向計測用ファインカメラ221〜指標マーク計測用カメラ223の制御信号(図4参照)が入力される。ファイン部229は、これを各カメラ221〜223に出力する。これにより、X方向計測用ファインカメラ221〜指標マーク計測用カメラ223は、各々所望の動作に制御される。
【0052】
また、ファイン部229は、X方向計測用ファインカメラ221〜指標マーク計測用カメラ223から入力される映像信号(アナログ映像信号)から、信号処理部280から入力される制御信号に基づいて所望のタイミングの画像を取り込む。そして、その画像信号をAD変換してデジタル画像信号に変換した後、光伝送路270を介して図4に示した矢印方向に信号伝送して信号処理部280に送出する。
その際ファイン部229は、信号処理部280からの制御信号に基づいて、必要に応じてデジタル画像信号の圧縮等の符号化処理(信号の加工)を行った上で、その符号化した信号を光伝送路270を介して信号処理部280に送出する。
【0053】
ウエハアライメント系200のフォーカスカメラ231は、ウエハ・アライメントセンサー117の照明光の光軸方向(フォーカス方向)における、その照明光の結像面に対するウエハW表面の相対的位置関係を検出するために、ウエハWの表面に斜め方向から入射した光束を検出するためのCCDカメラである。
【0054】
フォーカス部239は、フォーカスカメラ231の制御部(センサー制御手段)であるとともに、フォーカスカメラ231と信号処理部280とのインターフェイス部である。フォーカス部239には、光伝送路270を介して信号処理部280からフォーカス部239の制御信号(図4参照)が入力されるので、フォーカス部239は、これによりフォーカスカメラ231を制御する。
【0055】
また、フォーカス部239は、フォーカスカメラ231から入力される映像信号(アナログ映像信号)から、信号処理部280から入力される制御信号(図4参照)に基づいて所望のタイミングの画像を取り込む。そして、その画像信号をAD変換してデジタル画像信号に変換した後、光伝送路270を介して図4に示した矢印方向に信号伝送して信号処理部280に送出する。
その際フォーカス部239は、信号処理部280からの制御信号に基づいて、必要に応じてデジタル画像信号の圧縮等の符号化処理(信号の加工)を行った上で、その符号化した信号を光伝送路270を介して信号処理部280に送出する。
【0056】
その他のセンサー261は、サーチ系カメラ211及び212、ファイン系カメラ221〜223、及び、フォーカスカメラ231以外の、例えば波面収差測定装置や偏光収差測定装置等のセンサーである。また、その他の各センサー部269はその制御部(センサー制御手段)であるとともに信号処理部280とのインターフェイス部である。その他の各センサー部269には、光伝送路270を介して信号処理部280からこれらのセンサーの制御信号(図4参照)が入力される。その他の各センサー部269は、これを各センサーに出力する。これにより、各センサーが各々所望の動作に制御される。
【0057】
また、その他の各センサー部269は、接続される各センサーから入力される信号を、光伝送路270を介して図4に示した矢印方向に信号伝送して信号処理部280に送出する。入力される信号がアナログ信号である場合には、その他の各センサー部269は、信号処理部280から入力される制御信号に基づいて所望のタイミングで信号を取り込み、そのアナログ信号をAD変換してデジタル信号にして、信号処理部280に送出する。
その際その他の各センサー部269は、信号処理部280からの制御信号に基づいて、必要に応じてデジタル信号の圧縮等の符号化処理(信号の加工)を行った上で、その符号化した信号を光伝送路270を介して信号処理部280に送出する。
【0058】
光伝送路270は、サーチ部219、ファイン部229、フォーカス部239、その他の各センサー部269及び信号処理部280を接続する本発明に係る伝送手段である。本実施形態において、光伝送路270は、光ファイバーを伝送媒体として構成された光リンク等の高速なデジタル光信号伝送路、すなわち光通信ネットワークである。
本実施形態において、光伝送路270は、サーチ部219、ファイン部229、フォーカス部239、その他の各センサー部269及び信号処理部280(光伝送路270に接続されるこれらの構成部をノードと総称する)をループ状に接続する。これらの各ノードは、各々が光伝送路270のデータの送受信をコントロールするバスコントローラを具備しており、これらのコントローラが順次データパケットを送信し、受信し、あるいは中継することにより、任意のノード間で所望のデータパケットの送受信が行なわれる。
【0059】
このような構成の光伝送路270を介して、サーチ部219、ファイン部229、フォーカス部239及びその他の各センサー部269から信号処理部280へ、画像信号やセンサー出力信号等のデジタルデータが伝送される。信号処理部280に伝送されたデジタルデータは、入出力バッファ等を介するのみで、直ちに、すなわち実質的に直接、信号処理部(CPU)280内においてCPU280がアクセスする主記憶(メモリ)281に記憶される。
また、本実施形態においては、信号処理部280からサーチ部219、ファイン部229、フォーカス部239及びその他の各センサー部269へのコマンド、パラメータ等の制御信号の転送(伝送)も、この光伝送路270を介して行なわれる。
【0060】
図4に戻り、信号処理部280は、露光装置100の各部を制御する制御部である。ウエハアライメント系200に係る処理として、信号処理部280は、サーチ系カメラ211及び212、ファイン系カメラ221〜223、及び、フォーカスカメラ231を介して入力されるアライメントマーク等の撮像信号に基づいて、そのマークの所望方向の1次元信号波形を検出する。また、そのマークの信号波形に基づいて、そのマークの位置を検出する処理を行なう。また、ウエハ上の6箇所のEGAショットの位置計測結果に基づいて、演算統計処理によりウエハ上の全てのショット領域の位置を算出するEGA演算処理を行なう。
【0061】
信号処理部280は、演算処理を行なう図示しないCPUと、CPUが直接アクセスをするメモリ281を有する。本実施形態においては、前述したように、サーチ系カメラ211及び212、ファイン系カメラ221〜223、及び、フォーカスカメラ231等から光伝送路270を介してデジタルデータとして信号処理部280に入力される信号は、光伝送路270とのバッファとしてのメモリ等を介するのみで、直接的にメモリ281に記憶される。その結果、信号処理部280のCPUは、それらの信号に直ちにアクセスすることが可能となり、位置検出等の所望の処理を直ちに実行することができる。
【0062】
次に、このような構成のウエハアライメント系200の動作について図5を参照して説明する。
図5は、そのアライメント処理の流れを示すフローチャートである。
前工程が完了したウエハWがウエハステージ110にプリアライメントされた状態でロードされることによりアライメントが開始される(ステップS10)。
まず、ステージ制御系114が駆動装置111を介してウエハステージ110を駆動することでウエハ・アライメントセンサー117のサーチ用観察視野VSの視野中心に、第1のサーチショット領域SS1のアライメントマーク(第1のサーチマーク)を移動させる(ステップS12)。なお、ウエハWの位置は、ウエハステージ110を介してレーザ干渉計113により高精度にモニターされており、このモニター結果に基づきステージ制御系114がウエハWの位置を高精度に位置決めする。
【0063】
ウエハWの移動が完了すると、ウエハ・アライメントセンサー117は、フォーカス調整を行なった後に、ハロゲンランプ等からの照明ビームで照明されたサーチショット領域SS1を撮像する(ステップS14)。すなわち、サーチ用光学系のサーチカメラ211で、例えば図3に示すように設定される観察視野VSの画像を撮像する。
撮像して得られた撮像信号(画像信号)は、サーチ部219でデジタル信号に変換された後、光伝送路270を介して信号処理部280に出力され、信号処理部280内のメモリ281に記憶される。
なおこの時に指標マーク計測用カメラ223でも赤外光を用いて指標マークの計測を行なう。
【0064】
第1のサーチショット領域SS1の画像を取り込んだ信号処理部280は、取り込んだ画像信号に基づいて、第1のサーチマークの位置計測(サーチ計測)を行なう(ステップS16)。すなわち、第1のサーチマークのサーチカメラ211の視野を基準とした座標値(位置情報)を計測する。
【0065】
第1のサーチマークのサーチ位置計測が終了したら、次に計測すべきサーチマークの有無を判別する(ステップS18)。ここでは、次に計測すべきサーチマークとして第2のサーチマーク(サーチショットSS2に付随したマーク)が存在するので、この第2のサーチマークのサーチ位置計測を上記と同様にして行なう(ステップS12〜S16)。
すなわち、ステップS12の処理に戻って、ウエハ・アライメントセンサー117のサーチ用観察視野VSの視野中心に第2のサーチショット領域SS2のアライメントマークを移動させ(ステップS12)、フォーカス調整の後、ウエハ・アライメントセンサー117のサーチ用光学系のサーチカメラ211により、そのサーチ視野内を撮像する(ステップS14)。撮像された画像信号は、サーチ部219内でAD変換してデジタル信号に変換され、光伝送路270を介して信号処理部280に転送される。そして、サーチカメラ211で撮像された撮像信号に基づいて、第2のサーチショット領域SS2のサーチマークの座標値(位置情報)が求められる(ステップS16)。
【0066】
第1及び第2の2つのサーチマークの撮像が終了し、計測すべきサーチマークの計測が全て終了したら(ステップS18)、信号処理部280は、計測された各サーチマークの座標値、及び、対応する設計上の座標値に基づいて演算処理を行ない、EGAショット毎にウエハステージ移動座標系XY上でのファインマークの設計上の座標値を補正する(ステップS20)。
【0067】
このようなサーチアライメントによりファインマークの座標値(EGAショットの座標値)が補正されたら、次に、ファインアライメントとしてのEGAを実行する。
本実施形態においては、6箇所のEGAショットES1〜ES6に付随したアライメントマークの位置を計測してEGA処理を行なう。
まず、ウエハ・アライメントセンサー117のファイン光学系の観察視野VFの位置に、第1のEGAショットES1のファインアライメント用マークが配置されるようにウエハステージ110(ウエハW)を移動させる(ステップS24)。
【0068】
ウエハWの移動が完了すると、ウエハ・アライメントセンサー117は、フォーカス調整を行なった後に、ハロゲンランプ等からの照明ビームで照明されたEGAショット領域ES1を撮像する(ステップS26)。すなわち、X方向計測用ファインカメラ221及びY方向計測用ファインカメラ222で、各々観察視野VFX及びVFYの画像を撮像する。
撮像して得られた撮像信号(画像信号)は、ファイン部229でデジタル信号に変換された後、光伝送路270を介して信号処理部280に出力され、信号処理部280内のメモリ281に記憶される。
そして、信号処理部280は、取り込んだ画像信号に基づいて、ファインマークの位置計測を行なう(ステップS28)。
【0069】
第1のEGAショット領域ES1のアライメントマーク(ファインマーク)の位置計測が終了したら、次に計測すべきファインマークの有無を判別する(ステップS30)。ここでは、次に計測すべきファインマークとして第2のファインマーク(EGAショットES2に付随したマーク)が存在するので、この第2のファインマークの位置計測を上記と同様にして行なう(ステップS24〜S28)。
すなわち、ステップS24の処理に戻って、ウエハ・アライメントセンサー117のファイン用観察視野VFの視野中心に第2のEGAショット領域ES2のアライメントマークを移動させ(ステップS24)、フォーカス調整の後、ウエハ・アライメントセンサー117のファイン用光学系のX方向計測用ファインカメラ221及びY方向計測用ファインカメラ222により、ファイン視野(VFX及びVFY)内を撮像する(ステップS26)。撮像された画像信号は、ファイン部229内でAD変換してデジタル信号に変換され、光伝送路270を介して信号処理部280に転送される。そして、X方向計測用ファインカメラ221及びY方向計測用ファインカメラ222で各々撮像された撮像信号に基づいて、第2のEGAショット領域ES2のファインマークの座標値(位置情報)が求められる(ステップS28)。
【0070】
このような処理を、位置計測すべきEGAショットが存在する間順次繰り返し、全てのEGAショット(本実施形態においては、6個のEGAショットES1〜ES6)のマークMの位置計測が終了したら、それらの位置計測結果を用いてEGA演算を行なう。
すなわち、各アライメントマークの計測値と設計値とに基づいて最小二乗法等の統計演算処理を行ない、ウエハW上のショット領域の配列特性に関する位置情報としてのXシフト、Yシフト、Xスケール、Yスケール、回転、直交度等の誤差パラメータを算出する。
そして、これらの誤差パラメータに基づいて、ウエハW上の全てのショット領域に対して設計上の座標位置を補正する(ステップS32)。
【0071】
露光装置100においては、順次投入されるウエハWに対して、このようなアライメント処理を行なって各ショット領域の位置情報を獲得し、以後、順次その位置情報に基づいてウエハWを位置合わせし、ウエハWの各ショット領域に露光を行なう。
【0072】
このように、本実施形態の露光装置100においては、各カメラやセンサーにおいて検出した信号を、そのカメラやセンサーのインターフェイス部において直ちにAD変換し、変換結果のデジタル信号(検出信号)を、データ伝送路としての光通信ネットワーク270(光伝送路270)を介して、信号処理部280に伝送している。
従って、全てのセンサーについて、アナログ系の伝送ノイズを無くすことができ、精度よく検出信号を取り込むことができる。
また、光伝送路270のデータ伝送速度が高速であるために各データの伝送時間が短くなり、高速なデータ取り込みが可能となる。
また、光伝送路270により信号処理部280のCPUがアクセスするメモリ281に直接的にデータを転送しているので、CPUは直ちにそのデータを用いた処理を開始することができる。
【0073】
また、光伝送路270は種々のデータをパケットで伝送するものであるので、種々の種類のデータ(パケット)を実質的に同時に伝送することが可能となる。その結果、データをスムーズに伝送することができる。また、コマンドや制御パラメータ等をこの光伝送路270で伝送することも可能となり有効である。
また、画像の大量データを高速に転送することができるので、CCD等で取り込んだマークの画像を用いたリアルタイムでの信号処理が可能となる。
また、複数のカメラやセンサーから、同期してデータの取り込みが可能となる。また、センサー単位でのデータの同期取り込みも可能となり有効である。具体的には、例えばレチクルアライメントとFIAのベースラインチェックを行なっている時に同時にアライメントAFも行なう等の処理が可能となる。
【0074】
なお、本実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって本発明を何ら限定するものではない。本実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含み、また任意好適な種々の改変が可能である。
例えば、前述したウエハアライメント系200においては、サーチ系カメラ211及び212に対してサーチ部219、ファイン系カメラ221〜223に対してフォーカス部239、及び、フォーカスカメラ231に対してフォーカス部239というように、各CCDカメラに対してインターフェイス部を設けていた。しかしながら、このような入力センサーとインターフェイス部との構成は、このような場合に限られるものではなく、任意に変更してよい。
【0075】
また、サーチ部219、ファイン部229、フォーカス部239及びその他の各センサー部269等のセンサー制御手段は、必要に応じて信号処理部280への送出対象のデジタル信号に対して、圧縮等の符号化処理(信号の加工)を行なうものとしたが、この加工の形態、種類も、信号圧縮にのみ限られるものではなく任意の加工を行なってよい。例えば、画像信号に対するフィルタリング、必要な信号のみの抽出、所望の関数に基づく変換等の任意の処理を行なってよい。
【0076】
また、ウエハアライメント系200は、信号波形を生成したりEGA計測等を行なう信号処理部として、1つの信号処理部(CPU)280のみを具備する構成であったが、複数の信号処理部が協働して前述したような各処理を行なうような構成であってもよい。その場合には、それら複数の信号処理部も光伝送路270を介して接続するのが好適である。
また、そのような複数の信号処理部を具備する構成において、サーチ部219、ファイン部229、フォーカス部239及びその他の各センサー部269の各センサー制御手段、それらから送出されるデータ、及び、その複数の信号処理部の間でのデータ処理の形態、機能の分散形態、信号処理の方式等、すなわち信号処理系としてのアーキテクチャーは、任意に構成でよい。
【0077】
例えば、検出した信号の伝送については、例えば各センサー制御手段がデータを必要とする信号処理部に対して検出したデータ(信号)を送出するような構成でもよいし、センサー制御手段がデータを必要とする信号処理部の何れか1つにのみ検出したデータを送出し、その他の信号処理部には各信号処理部がそのデータを順次転送することによりデータを転送するような構成でもよい。また、センサー制御手段がデータを必要とする信号処理部にブロードキャスト送信するような構成でもよいし、あるいは、センサー制御手段がデータを必要とするか否かに関わらず全ての信号処理部にデータをブロードキャスト送信するような構成であってもよい。
【0078】
また、そのように複数の信号処理部がある場合には、各信号処理部が同じ信号処理を複数のデータに対して並列的に行なうような構成であってもよいし、各信号処理部の処理結果を順次後段の信号処理部に伝送して、後段の信号処理部で次の信号処理を行なうというように、複数の信号処理部を直列的に接続したような構成であってもよい。
前者の場合には、データ伝送の形態としては、各信号処理部は、センサー制御手段から送信される検出データを各々が受信して、各々が所望の信号処理を行なう形態が有効である。また、後者の場合には、各信号処理部は、その信号処理部における信号処理の結果を、データパケットとして光通信路270を介して後段の信号処理部に順次転送する形態が有効である。一例として図4には、前処理(例えばフィルタリング処理)を行なうための信号処理部(CPU)290を、信号処理部280と直列的に光伝送路270を介して接続した場合の構成を点線で示している。この例では、前処理用CPU290内のメモリ291に、デジタル変換された信号を取り込んで、CPU290にてフィルタリング処理し、そのフィルタリング処理後のデジタル信号を信号処理部280へ伝送するように構成されることになる。
何れにしても、このようなデータ伝送の方式、信号処理の方式等は、任意の構成でよい。
【0079】
また、前述した光伝送路270としての光ネットワークの物理的な仕様、通信プロトコル等も任意の規格、任意のプロトコルを使用してよい。
【0080】
また、サーチ計測のショット数は2以上であれば任意の数でよく、EGA計測のショット数は3以上であれば任意の数でよい。また、そのマークの形状も任意でよい。
その他、露光装置100の構成、EGA計測の方式(演算モデルや算出パラメータ等)等も、何ら本実施形態に限定されるものではなく、任意の構成、方式でよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した露光装置で処理するウエハ上に配置されるアライメント計測ショットを説明するための図である。
【図3】図3は、図1に示した露光装置のウエハ・アライメントセンサーの観察視野及び観察対象のマークの例を説明するための図である。
【図4】図4は、図1に示した露光装置のウエハアライメントに関する信号処理系(ウエハアライメント系)の構成を示す図である。
【図5】図5は、図1に示した露光装置を用いたウエハアライメント方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
100…露光装置
102…光源
103…反射鏡
104…波長選択フィルタ
105…オプティカルインテグレータ
106…レチクルブラインド
107…反射鏡
108…レンズ系
109…投影光学系
110…ウエハステージ
111…駆動装置
112…移動鏡
113…レーザ干渉計
114…ステージ制御系
115…主制御系
116…レチクル・アライメントセンサー
117…ウエハ・アライメントセンサー
118…基準マーク部材
119…アライメント制御系
120…レチクルステージ
121…入力部
200…ウエハアライメント系
211…サーチカメラ
212…観察カメラ
219…サーチ部
221…X方向計測用ファインカメラ
222…Y方向計測用ファインカメラ
223…指標マーク計測用カメラ
229…ファイン部
231…フォーカスカメラ
239…フォーカス部
261…その他のセンサー
269…その他の各センサー部
270…光伝送路
280…信号処理部
281…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の位置検出に係る情報をそれぞれ検出する複数のセンサーと、
前記複数のセンサーの中の任意の1又は複数のセンサーの検出結果に基づいて、前記物体の位置検出に係る所望の信号処理を行なう信号処理手段と、
前記各センサーの検出結果を前記信号処理手段に伝送する伝送手段と、を有する位置検出装置であって、
前記複数のセンサーの中の任意の1又は複数のセンサー毎に設けられ、前記各センサーにおける検出結果のアナログ信号の各々をデジタル信号に変換し、この変換された複数のデジタル信号を前記伝送手段を介して前記信号処理手段に送出する1又は複数のセンサー制御手段をさらに有し、
前記伝送手段は、前記複数のセンサーの中の少なくとも2以上のセンサーに対応して設けられた前記センサー制御手段から送出される前記複数のデジタル信号を同時に伝送することを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記複数のセンサーは、2次元平面内における物体の位置検出用の複数のセンサー及びフォーカス用のセンサーの中の任意センサーを含むことを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記信号処理手段から前記センサー又は前記センサー制御手段へのコマンドも、前記信号処理手段から前記伝送手段を介して前記センサー又は前記センサー制御手段に伝送されることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記センサー制御手段は、送出対象の前記デジタル信号を必要に応じて加工し、当該加工結果の信号を前記伝送手段を介して前記信号処理手段に送出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記伝送手段を介して伝送される前記センサーの前記デジタル信号は、前記信号処理手段が具備する演算処理装置がアクセスする前記信号処理手段内のメモリに直接的に転送されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記伝送手段は、光ネットワークであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記伝送手段は、前記信号処理手段と複数の前記センサー制御手段との全てをループ状に接続するとともに、一方向にのみデータ転送可能な光ファイバーを含むことを特徴とする請求項6に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記信号処理手段は、前記伝送手段を介して順次接続される第1及び第2の処理手段を有し、
前記第1の処理手段及び前記第2の処理手段は、前記センサー制御手段から前記伝送手段を介して伝送される前記デジタル信号を各々取り込み、
前記第1の処理手段は、前記デジタル信号に対して第1処理を施し、
前記第2の処理手段は、前記デジタル信号に対して前記第1処理とは異なる第2処理を施すことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の位置検出装置。
【請求項9】
前記信号処理手段は、前記伝送手段を介して順次接続される第1及び第2の処理手段を有し、
前記第1の処理手段は、前記センサー制御手段から前記伝送手段を介して伝送される前記デジタル信号に対して第1処理を施し、
前記第2の処理手段は、前記第1の処理手段から前記伝送手段を介して伝送される前記第1処理後の信号に対して、前記第1処理とは異なる第2処理を施すことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の位置検出装置。
【請求項10】
基板上に形成されたパターンの位置を計測する請求項1〜9の何れか一項に記載の位置検出装置と、
前記計測結果に基づいて前記基板の位置合わせをする位置合わせ手段と、
前記位置合わせされた基板上に、投影光学系を介して所定のパターンの投影光を照射し、前記パターンを転写露光する露光手段と
を有することを特徴とする露光装置。
【請求項11】
前記基板の位置を計測する干渉計、前記投影光学系の結像特性を検出するセンサー及び当該露光装置に具備される他のセンサーの中の任意の干渉計あるいはセンサーにより計測された計測結果のアナログ信号をデジタル信号に変換した上で、前記伝送手段とは別の伝送手段を介して、当該任意の計測結果を使用する
信号を、さらに前記伝送手段を介して当該計測結果を用いる信号処理手段に伝送することを特徴とする請求項10に記載の露光装置。
【請求項12】
基板上に形成されたパターンの位置を計測する請求項1〜8の何れか一項に記載の位置検出装置と、
前記計測結果に基づいて前記基板の位置合わせをする位置合わせ手段と、
前記位置合わせされた基板又は当該基板上に形成されたパターンの任意の被計測量を計測する計測手段と、
を有することを特徴とする計測システム。
【請求項13】
物体の位置検出に係る情報をそれぞれ検出する複数のセンサーについて、各センサーから検出されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、
前記変換された複数のデジタル信号の内の任意の2以上のデジタル信号を同時に、前記物体の位置検出に係る所望の信号処理を施す信号処理手段に対して、光伝送手段を介して伝送し、
前記信号処理手段において、前記伝送された前記複数のデジタル信号に対して前記所望の信号処理を施して、前記物体の位置検出を行なうことを特徴とする位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−78262(P2006−78262A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−261132(P2004−261132)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】