説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】トランジスタの駆動力を調整する。
【解決手段】SRAMアクセス領域SAにおけるN型のMISトランジスタの上に、圧縮応力含有絶縁膜50および引っ張り応力含有絶縁膜51を形成する。一方、SRAMドライブ領域SDにおけるN型のMISトランジスタの上に、引っ張り応力含有絶縁膜51を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置分野において急速な微細化による高速化および低消費電力化が進んでいる。そのため、トランジスタ能力向上が急務となっているが、微細化だけでは能力の向上が図れない状況になってきている。そこで、MISトランジスタのチャネル領域にストレスを与えるなどの新規技術で能力向上を実現するケースが増加している。
【0003】
図26は、従来において、MISトランジスタの上にストレスを有する膜が形成された構造を示す断面図である。図26に示す構造では、Nチャネル型MISトランジスタ201を引っ張り応力の発生するLP−CVD(Low Pressure - Chemical Vapor Deposition)膜203で覆い、Pチャネル型MISトランジスタ202を圧縮応力の発生するプラズマCVD膜204で覆うことにより、各MISトランジスタの能力を向上している(例えば特許文献1参照)。
【0004】
図27は、従来においてSRAMを構成するトランジスタの配置を示す平面図である。図27に示すように、従来のSRAMにおいてはアクセストランジスタTrAの活性領域303の幅(チャネル幅)が、ドライブトランジスタTrDの活性領域304の幅よりも狭く形成されている。このような構造では、ドライブトランジスタTrDの能力をアクセストランジスタTrAの能力よりも高くすることにより、SRAMの誤動作を抑制することができる。
【特許文献1】特開2003−273240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のようにアクセストランジスタTrAの活性領域303の幅とドライブトランジスタTrDの活性領域の幅304に差を持たせる方法では、レイアウトが制限されるという不具合がある。また、製造時のリソグラフィー工程等においてレイアウトがずれた場合には、ゲート長やチャネル幅を所望の値に調整することができず、かえってトランジスタ特性のばらつきが大きくなるといった不具合もある。それを防止するために製造マージンを大きくとると、セルの微細化ができないといった不具合が生じる。
【0006】
このような不具合は、SRAMを構成するトランジスタに限って生じるものではなく、ウェハ上に形成されたどのようなトランジスタにおいても、能力を調整する必要があるときには生じるものである。
【0007】
そこで、本発明は、MISトランジスタの上に形成する膜によって、各トランジスタの駆動力を調整することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様の半導体装置は、半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタと、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方を覆う、圧縮応力を有する第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上方を覆う層間絶縁膜とを備える。
【0009】
本発明の第1態様の半導体装置によると、圧縮応力を有する第1の絶縁膜により、N型の第1のMISトランジスタの能力を低下させることができる。これにより、他のトランジスタの駆動力との調整を図ることが可能となる。
【0010】
本発明の第1態様の半導体装置において、前記半導体層のうちの一部である第2の活性領域の上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極と、前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第2のソース・ドレイン領域とを有する第2のMISトランジスタと、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方を覆う、引っ張り応力を有する第2の絶縁膜とをさらに備えていてもよい。この場合には、N型の第2のMISトランジスタの上に引っ張り応力を有する第2の絶縁膜を形成することにより第2のMISトランジスタの駆動力を向上させることができる。つまり、第1のMISトランジスタの駆動力を低下させ、第2のMISトランジスタの駆動力を向上させることができるため、2つのトランジスタの駆動力を調整することが可能となる。
【0011】
本発明の第1態様の半導体装置において、前記半導体層のうちの一部である第3の活性領域の上に形成された第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜の上に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第3のソース・ドレイン領域とを有する第3のMISトランジスタをさらに備えていてもよい。
【0012】
本発明の第1態様の半導体装置において、前記第3のソース・ドレイン領域および前記第3のゲート電極の上方は、圧縮応力を有する第3の絶縁膜によって覆われていてもよい。
【0013】
本発明の第1態様の半導体装置において、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方には、圧縮応力を有する前記第1の絶縁膜と引っ張り応力を有する絶縁膜との積層膜が形成され、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方には、圧縮応力を有する絶縁膜が形成されていなくてもよい。この場合にも、第1のMISトランジスタの駆動力を第2のMISトランジスタの駆動力よりも低くすることができる。
【0014】
本発明の第1態様の半導体装置において、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上には、引っ張り応力を有する膜が形成されておらず、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上には、引っ張り応力を有する前記第2の絶縁膜と圧縮応力を有する絶縁膜との積層膜が形成されていてもよい。この場合にも、第1のMISトランジスタの駆動力を第2のMISトランジスタの駆動力よりも低くすることができる。
【0015】
本発明の第1態様の半導体装置において、前記第1のMISトランジスタはSRAMのアクセストランジスタであって、前記第2のMISトランジスタはSRAMのドライブトランジスタであって、前記第3のMISトランジスタはSRAMのロードトランジスタであってもよい。この場合には、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低くすることができるため、SRAMの誤動作を確実に抑制することができる。
【0016】
本発明の第1態様の半導体装置において、前記第1のMISトランジスタはSRAMを構成するトランジスタであって、前記第2のMISトランジスタはロジック部を構成するトランジスタであってもよい。
【0017】
また、前記第1のN型MISトランジスタがSRAMを構成するトランジスタであって、前記第2のN型MISトランジスタがロジック部を構成するトランジスタである場合に、前記半導体層のうちの一部である第4の活性領域の上に形成された第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜の上に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第4のソース・ドレイン領域とを有する第4のMISトランジスタと、前記半導体層のうちの一部である第5の活性領域の上に形成された第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜の上に形成された第5のゲート電極と、前記第5の活性領域のうち前記第5のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第5のソース・ドレイン領域とを有する第5のMISトランジスタと、前記第4のソース・ドレイン領域および前記第4のゲート電極の上方を覆う、圧縮応力を有する第4の絶縁膜と、前記第5のソース・ドレイン領域および前記第5のゲート電極の上方を覆う、引っ張り応力を有する第5の絶縁膜とをさらに備え、前記第4のMISトランジスタはロジック部を構成するトランジスタであって、前記第5のMISトランジスタはSRAMを構成するトランジスタであってもよい。
【0018】
本発明の第2態様の半導体装置は、半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタと、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方を覆う、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上方を覆う層間絶縁膜とを備える。
【0019】
本発明の第2態様の半導体装置によると、引っ張り応力を有する第2の絶縁膜により、P型の第1のMISトランジスタの能力を低下させることができる。これにより、他のトランジスタの駆動力との調整を図ることが可能となる。
【0020】
本発明の第1態様の半導体装置の製造方法は、半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタを備える半導体装置の製造方法であって、前記第1のソース・ドレイン領域および前記ゲート電極の上方に、圧縮応力を有する第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、前記第1の絶縁膜の上方に層間絶縁膜を形成する工程(b)とを備える。
【0021】
本発明の第1態様の製造方法では、圧縮応力を有する第1の絶縁膜を形成することにより、N型の第1のMISトランジスタの能力を低下させることができる。これにより、他のトランジスタの駆動力との調整を図ることが可能となる。
【0022】
本発明の第1態様の製造方法において、前記半導体装置は、前記半導体層のうちの一部である第2の活性領域の上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極と、前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第2のソース・ドレイン領域とを有する第2のMISトランジスタをさらに備え、前記工程(b)の前に、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方に、引っ張り応力を有する第2の絶縁膜を形成する工程(c)をさらに備えていてもよい。この場合には、N型の第2のMISトランジスタの上に引っ張り応力を有する第2の絶縁膜を形成することにより第2のMISトランジスタの駆動力を向上させることができる。つまり、第1のMISトランジスタの駆動力を低下させ、第2のMISトランジスタの駆動力を向上させることができるため、2つのトランジスタの駆動力を調整することが可能となる。
【0023】
本発明の第1態様の製造方法において、前記半導体装置は、前記半導体層のうちの一部である第3の活性領域の上に形成された第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜の上に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第3のソース・ドレイン領域とを有する第3のMISトランジスタをさらに備えていてもよい。
【0024】
本発明の第1態様の製造方法において、前記第3のソース・ドレイン領域および前記第3のゲート電極の上方に、圧縮応力を有する第3の絶縁膜を形成する工程をさらに備えていてもよい。
【0025】
本発明の第1態様の製造方法において、前記工程(a)では、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方に、前記第1の絶縁膜と引っ張り応力を有する絶縁膜との積層膜を形成し、前記工程(c)では、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方に、前記第2の絶縁膜のみを形成してもよい。この場合にも、第1のMISトランジスタの駆動力を第2のMISトランジスタの駆動力よりも低くすることができる。
【0026】
本発明の第1態様の製造方法において、前記工程(a)では、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方に、前記第1の絶縁膜のみを形成し、前記工程(c)では、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方に、前記第2の絶縁膜と圧縮応力を有する絶縁膜との積層膜を形成してもよい。この場合にも、第1のMISトランジスタの駆動力を第2のMISトランジスタの駆動力よりも低くすることができる。
【0027】
本発明の第1態様の製造方法において、前記第1のMISトランジスタはSRAMのアクセストランジスタであって、前記第2のMISトランジスタはSRAMのドライブトランジスタであって、前記第3のMISトランジスタはSRAMのロードトランジスタであってもよい。
【0028】
本発明の第1態様の製造方法において、前記第1のMISトランジスタはSRAMを構成するトランジスタであって、前記第2のMISトランジスタはロジック部を構成するトランジスタであってもよい。
【0029】
前記第1のMISトランジスタがSRAMを構成するトランジスタであって、前記第2のMISトランジスタがロジック部を構成するトランジスタである場合に、前記半導体装置は、前記半導体層のうちの一部である第4の活性領域の上に形成された第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜の上に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第4のソース・ドレイン領域とを有する、ロジック部を構成する第4のMISトランジスタと、 前記半導体層のうちの一部である第5の活性領域の上に形成された第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜の上に形成された第5のゲート電極と、前記第5の活性領域のうち前記第5のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第5のソース・ドレイン領域とを有する、SRAMを構成する第5のMISトランジスタとをさらに備え、前記工程(b)の前に、前記第4のソース・ドレイン領域および前記第4のゲート電極の上方に、圧縮応力を有する第4の絶縁膜を形成する工程と、前記工程(b)の前に、前記第5のソース・ドレイン領域および前記第5のゲート電極の上方に、引っ張り応力を有する第5の絶縁膜を形成する工程とをさらに備えていてもよい。
【0030】
本発明の第2態様の半導体装置の製造方法は、半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方に、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、前記第1の絶縁膜の上方を覆う層間絶縁膜を形成する工程(b)とをさらに備えていてもよい。
【0031】
本発明の第2態様の製造方法によると、引っ張り応力を有する第2の絶縁膜により、P型の第1のMISトランジスタの能力を低下させることができる。これにより、他のトランジスタの駆動力との調整を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の半導体装置およびその製造方法によると、MISトランジスタの駆動力を調整することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の半導体装置およびその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の半導体装置では、SRAM用ロードトランジスタを形成するSRAMロード領域SL、SRAM用ドライブトランジスタを形成するSRAMドライブ領域SD、SRAM用アクセストランジスタを形成するSRAMアクセス領域SAが配置している。各領域SL、SD、SAはシャロートレンチ素子分離2によって互いに電気的に分離されている。
【0035】
SRAMロード領域SLには、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜11を挟んでゲート電極12が形成されている。そして、ゲート電極12の側面上には、オフセットサイドウォール13aと、オフセットサイドウォール13aの外側に配置するサイドウォール13bとが形成されている。半導体基板1のうちオフセットサイドウォール13a及びサイドウォール13bの下に位置する領域には、P型エクステンション領域14が形成され、P型エクステンション領域14の下に位置する領域にはN型ポケット領域15が形成されている。また、半導体基板1のうちサイドウォール13bの外側に位置する領域には、P型ソース・ドレイン領域16が形成されている。また、ゲート電極12およびP型ソース・ドレイン領域16の上にはシリサイド層17が形成されている。
【0036】
SRAMドライブ領域SDには、半導体基板1の上に、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜21を挟んでゲート電極22が形成されている。そして、ゲート電極22の側面上には、オフセットサイドウォール23aと、オフセットサイドウォール23aの外側に配置するサイドウォール23bとが形成されている。半導体基板1のうちオフセットサイドウォール23a及びサイドウォール23bの下に位置する領域にはN型エクステンション領域24が形成され、N型エクステンション領域24の下に位置する領域にはP型ポケット領域25が形成されている。また、半導体基板1のうちサイドウォール23bの外側に位置する領域にはN型ソース・ドレイン領域26が形成されている。また、ゲート電極22およびN型ソース・ドレイン領域26の上にはシリサイド層27が形成されている。
【0037】
SRAMアクセス領域SAには、半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜31を挟んでゲート電極32が形成されている。そして、ゲート電極32の側面上には、オフセットサイドウォール33aと、オフセットサイドウォール33aの外側に配置するサイドウォール33bとが形成されている。半導体基板1のうちサイドウォール33bの下に位置する領域にはN型エクステンション領域34が形成され、N型エクステンション領域34の下に位置する領域にはP型ポケット領域35が形成されている。また、半導体基板1のうちサイドウォール33bの外側に位置する領域には、N型ソース・ドレイン領域36が形成されている。また、ゲート電極32およびN型ソース・ドレイン領域36の上にはシリサイド層37が形成されている。
【0038】
SRAMロード領域SLの周囲を囲むシャロートレンチ素子分離2の上には、ゲート配線42と、ゲート配線42の上面上に設けられたシリサイド層47と、ゲート配線42の側面上に設けられたオフセットサイドウォール43aと、オフセットサイドウォール43aの側面上に設けられたサイドウォール43bとが形成されている。ゲート配線42は、SRAMにおける隣接する他のトランジスタ(図示せず)のゲート電極と共通の膜がシャロートレンチ素子分離2の上まで延びて形成されたものである。
【0039】
そして、SRAMロード領域SLにおけるゲート電極12およびP型ソース・ドレイン領域16ならびにSRAMドライブ領域SDにおけるゲート電極22およびN型ソース・ドレイン領域の上には、LP−CVD法により形成された引っ張り応力を発生させる絶縁膜(引っ張り応力を発生させる絶縁膜のことを、以下では「引っ張り応力含有絶縁膜」と称する)50が形成されている。なお、本明細書における応力とは、ゲート電極下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して印加される応力を意味するものである。従って、本明細書における引っ張り応力含有絶縁膜とは、ゲート電極下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して引っ張り応力を生じさせる絶縁膜を意味する。
【0040】
一方、SRAMアクセス領域SAにおけるゲート電極32およびN型ソース・ドレイン領域36の上には、引っ張り応力含有絶縁膜50と、その上に配置する、プラズマ−CVD法により形成された圧縮応力を発生させる絶縁膜(圧縮応力を発生させる絶縁膜を、以下では「圧縮応力含有絶縁膜」と称する)51が形成されている。本明細書における圧縮応力含有絶縁膜とは、ゲート電極下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して圧縮応力を生じさせる絶縁膜を意味する。なお、本実施形態の構造では、引っ張り応力含有絶縁膜50と圧縮応力含有絶縁膜51とが逆の順番で積層されていてもよい。
【0041】
そして、各領域SL、SD、SAにおいて、圧縮応力含有絶縁膜51および引っ張り応力含有絶縁膜50の上は、層間絶縁膜3によって覆われている。そして、各領域SL、SD、SAには、層間絶縁膜3、圧縮応力含有絶縁膜51および引っ張り応力含有絶縁膜50を貫通してシリサイド層17、27、37に到達するコンタクト4が形成されている。また、また、SRAMロード領域SL及びゲート配線42形成領域には、層間絶縁膜3および引っ張り応力含有絶縁膜50を貫通してP型ソース・ドレイン領域16の上のシリサイド層17とゲート配線42の上のシリサイド層47に接触するように、シェアードコンタクト5が形成されている。
【0042】
次に、本実施形態における半導体装置の製造方法について、図2(a)〜図5(b)を参照しながら説明する。図2(a)〜図5(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0043】
本実施形態の製造方法では、まず図2(a)に示す構造を得るために以下の工程を行う。まず、半導体基板1に形成されたシャロートレンチ素子分離2によって区画されたSRAMロード領域SL、SRAMドライブ領域SDおよびSRAMアクセス領域SAの半導体基板1からなる各活性領域上に、ゲート絶縁膜11、21、31およびゲート電極12、22、32を形成する。同時に、シャロートレンチ素子分離2の上に、ゲート配線42を形成する。次に、ゲート電極12、22、32およびゲート配線42の側面上に、オフセットサイドウォール13a、23a、33a、43aを形成する。
【0044】
続いて、SRAMドライブ領域SDおよびSRAMアクセス領域SAに、ゲート電極22、32及びオフセットサイドウォール23a、33aをマスクにして、N型不純物である例えばヒ素イオンを、加速エネルギー3KeV、ドーズ量1.5×1015個/cm2、TILT角0度の条件で注入し、N型エクステンション領域24、34を形成する。次に、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー10KeV、ドーズ量8.0×1012個/cm2、TILT角25度の条件で4回転注入(ウェハを回転させて4方向から注入)し、P型ポケット領域25、35を形成する。このP型ポケット領域25、35は、N型エクステンション領域24、34の底面を覆うように形成する。
【0045】
次に、SRAMロード領域SLに、ゲート電極12及びオフセットサイドウォール13aをマスクにして、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー0.5KeV、ドーズ量3.0×1014個/cm2、TILT角0度の条件で注入し、P型エクステンション領域14を形成する。次に、N型不純物である例えばリンイオンを、加速エネルギー30KeV、ドーズ量7.0×1012個/cm2、TILT角25度の条件で4回転注入し、N型ポケット領域15を形成する。このN型ポケット領域15は、P型エクステンション領域14の底面を覆うように形成する。
【0046】
次に、基板上の全面にシリコン窒化膜を形成した後、エッチバック法によりシリコン窒化膜をエッチングして、各ゲート電極12、22、32およびゲート配線42の側面上に、オフセットサイドウォール13a、23a、33a、43aを介してサイドウォール13b、23b、33b、43bを形成する。その後、SRAMドライブ領域SDおよびSRAMアクセス領域SAに、ゲート電極22、32、オフセットサイドウォール23a、33a及びサイドウォール23b、33bをマスクにして、N型不純物である例えば砒素イオンを、加速エネルギー20KeV、ドーズ量4.0×1015個/cm2、TILT角0度の条件で注入する。さらに連続して、N型不純物である例えばリンイオンを、加速エネルギー10KeV、ドーズ量1.0×1015個/cm2、TILT角7度の条件で注入し、N型ソース・ドレイン領域26、36を形成する。
【0047】
次に、SRAMロード領域SLに、ゲート電極12、オフセットサイドウォール13a及びサイドウォール13bをマスクにして、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー2KeV、ドーズ量4.0×1015個/cm2、TILT角7度の条件で注入し、P型ソース・ドレイン領域16を形成する。
【0048】
次に、各ゲート電極12、22、32の上、ゲート配線42の上およびソース・ドレイン領域16、26、36の上に、サリサイド技術を用いてシリサイド層17、27、37、47を選択的に形成する。以上の工程により、図2(a)に示す構造が得られる。
【0049】
次に、図2(b)に示す工程で、基板の上全体に、LP−CVD法により形成された引っ張り応力を発生させるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力含有絶縁膜50を形成する。
【0050】
次に、図3(a)に示す工程で、基板の上全体に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜51を形成する。
【0051】
次に、図3(b)に示す工程で、SRAMロード領域SLおよびSRAMドライブ領域SDを開口し、SRAMアクセス領域SAの上を覆うレジストからなる第1のマスク52を形成する。その後、第1のマスク52をエッチングマスクとしてエッチングを行うことにより、SRAMロード領域SLおよびSRAMドライブ領域SDにおける圧縮応力含有絶縁膜51をエッチオフする。
【0052】
次に、図4(a)に示す工程で、第1のマスク52を除去する。なお、この時点では、SRAMアクセス領域SAでは、圧縮応力含有絶縁膜51および引っ張り応力含有絶縁膜50が積層で存在する。1方、SRAMロード領域SLおよびSRAMドライブ領域SDには、引っ張り応力含有絶縁膜50のみが存在する。
【0053】
次に、図4(b)に示す工程で、基板上の全体に酸化膜からなる層間絶縁膜3を形成する。
【0054】
次に、図5(a)に示す工程で、各領域SL、SD、SAには、層間絶縁膜3、圧縮応力含有絶縁膜51および引っ張り応力含有絶縁膜50を貫通してシリサイド層17、27、37に到達するコンタクトホール4aを形成する。また、SRAMロード領域SL及びゲート配線42形成領域には、層間絶縁膜3および引っ張り応力含有絶縁膜50を貫通してP型ソース・ドレイン領域16の上のシリサイド層17とゲート配線42の上のシリサイド層47に到達するシェアードコンタクトホール5aを形成する。
【0055】
次に、図5(b)に示す工程で、コンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aに、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5を形成する。なお、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5は、TiNなどのバリア膜とタングステンなどの金属膜によって構成されている。以上の工程により、本実施形態の半導体装置が形成される。
【0056】
本実施形態の半導体装置によると、アクセストランジスタの上を引っ張り応力含有絶縁膜50および圧縮応力含有絶縁膜51で覆い、ドライブトランジスタの上を引っ張り応力含有絶縁膜50で覆っている。これらのトランジスタはN型MISトランジスタであるため、チャネルに引っ張り応力が加えられると駆動力が向上し、圧縮応力が加えられると駆動力が低下する。本実施形態では、SRAMドライブ領域SDは、引っ張り応力含有絶縁膜50で覆われているため、ドライブトランジスタの駆動力が向上する。一方、SRAMアクセス領域SAには、圧縮応力含有絶縁膜51および引っ張り応力含有絶縁膜50からなるが積層膜で覆われているため、引っ張り応力含有絶縁膜50の引っ張り応力が圧縮応力含有絶縁膜51の圧縮応力によって相殺されるため、ドライブトランジスタに比べてアクセストランジスタの駆動力の向上が図れない。したがって、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。よって、SRAMの誤動作を抑制することができ、ノイズマージンを改善することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがN型MISトランジスタである場合について説明した。しかしながら、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがP型MISトランジスタであってもよい。この場合には、アクセストランジスタを引っ張り応力含有絶縁膜および圧縮応力含有絶縁膜の積層膜で覆い、ドライブトランジスタを圧縮応力含有絶縁膜のみで覆えばよい。P型MISトランジスタでは、チャネルに圧縮応力が加えられると駆動力が向上し、引っ張り応力が加えられると駆動力が低下する。したがって、この場合にも、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。
【0058】
また、本実施形態では、アクセストランジスタ形成領域SAにおいて、引っ張り応力含有絶縁膜50の上に圧縮応力含有絶縁膜51を形成したが、これらの積層の順番は逆であってもよい。
【0059】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。本実施形態の半導体装置では、SRAMアクセス領域SAにおけるゲート電極32およびN型ソース・ドレイン領域36の上に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜61のみが形成されている。それ以外の構造は第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0060】
次に、本実施形態における半導体装置の製造方法について、図7(a)〜図10(b)を参照しながら説明する。図7(a)〜図10(b)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0061】
本実施形態の製造方法では、第1の実施形態で述べた方法と同様の方法を用いて、図7(a)に示す構造を形成する。
【0062】
次に、図7(b)に示す工程で、基板の上全体に、LP−CVD法により形成された引っ張り応力を発生させるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力含有絶縁膜60を形成する。
【0063】
次に、図8(a)に示す工程で、基板の上に、SRAMロード領域SLおよびSRAMドライブ領域SLを覆い、SRAMアクセス領域SAを開口するレジストからなる第1のマスク62を形成する。その後、第1のマスク62をエッチングマスクとしてエッチングを行うことにより、SRAMアクセス領域SAにおける引っ張り応力含有絶縁膜60をエッチオフする。
【0064】
次に、図8(b)に示す工程で、第1のマスク62を除去した後、基板の上全体に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜61を形成する。
【0065】
次に、図9(a)に示す工程で、基板の上に、SRAMアクセス領域SAを覆い、SRAMドライブ領域SDおよびSRAMロード領域SLを開口するレジストからなる第2のマスク63を形成する。その後、第2のマスク63をエッチングマスクとしてエッチングを行うことにより、SRAMドライブ領域SDおよびSRAMロード領域SLにおける圧縮応力含有絶縁膜61をエッチオフする。
【0066】
次に、図9(b)に示す工程で、第2のマスク63を除去する。なお、この時点では、SRAMアクセス領域SAでは圧縮応力含有絶縁膜61が存在し、SRAMロード領域SLおよびSRAMドライブ領域SDでは引っ張り応力含有絶縁膜60が存在している。
【0067】
次に、図10(a)に示す工程で、基板上の全体に酸化膜からなる層間絶縁膜3を形成した後、リソグラフィー法およびエッチング法を用いて、層間絶縁膜3、引っ張り応力含有絶縁膜50、圧縮応力含有絶縁膜51をエッチングして、シリサイド層17、27、37、47に到達するコンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aを形成する。
【0068】
次に、図10(b)に示す工程で、コンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aに、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5を形成する。なお、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5は、TiNなどのバリア膜とタングステンなどの金属膜によって構成されている。以上の工程により、本実施形態の半導体装置が形成される。
【0069】
本実施形態の半導体装置によると、アクセストランジスタの上を圧縮応力含有絶縁膜61で覆い、ドライブトランジスタの上を引っ張り応力含有絶縁膜60で覆っている。これらのトランジスタはN型MISトランジスタであるため、チャネルに引っ張り応力が加えられると駆動力が向上し、圧縮応力が加えられると駆動力が低下する。したがって、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。よって、SRAMの誤動作を抑制することができ、ノイズマージンを改善することができる。
【0070】
なお、本実施形態では、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがN型MISトランジスタである場合について説明した。しかしながら、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがP型MISトランジスタであってもよい。この場合には、アクセストランジスタを引っ張り応力含有絶縁膜で覆い、ドライブトランジスタを圧縮応力含有絶縁膜で覆えばよい。P型MISトランジスタでは、チャネルに圧縮応力が加えられると駆動力が向上し、引っ張り応力が加えられると駆動力が低下する。したがって、この場合にも、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。
【0071】
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。図11に示すように、本実施形態の半導体装置では、SRAMロード領域SLにおけるゲート電極12およびソース・ドレイン領域16の上およびSRAMアクセス領域SAにおけるゲート電極32およびソース・ドレイン領域36の上に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜70のみが形成されている。また、SRAMドライブ領域SDにおけるゲート電極22およびソース・ドレイン領域26の上に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜70と、LP−CVD法により形成された引っ張り応力を発生させるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力含有絶縁膜71との積層膜が形成されている。それ以外の構造は第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0072】
次に、本実施形態における半導体装置の製造方法について、図12(a)〜図15(b)を参照しながら説明する。図12(a)〜図15(b)は、本発明の第3の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0073】
本実施形態の製造方法では、第1の実施形態で述べた方法と同様の方法を用いて、図12(a)に示す構造を形成する。
【0074】
次に、図12(b)に示す工程で、基板の上全体に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜70を形成する。
【0075】
次に、図13(a)に示す工程で、圧縮応力含有絶縁膜70上に、LP−CVD法により形成された引っ張り応力を発生させるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力含有絶縁膜71を形成する。
【0076】
次に、図13(b)に示す工程で、SRAMドライブ領域SDを覆い、SRAMロード領域SLおよびSRAMアクセス領域を露出するレジストからなる第1のマスク72を形成する。
【0077】
次に、図14(a)に示す工程で、第1のマスク72をエッチングマスクとしてエッチングを行うことにより、SRAMロード領域SLおよびSRAMアクセス領域SAにおける引っ張り応力含有絶縁膜71を除去する。
【0078】
次に、図14(b)に示す工程で、第1のマスク72を除去する。なお、この時点では、SRAMロード領域SLおよびSRAMアクセス領域SAでは圧縮応力含有絶縁膜70が存在し、SRAMドライブ領域SDでは圧縮応力含有絶縁膜70及び引っ張り応力含有絶縁膜71が積層で存在している。
【0079】
次に、図15(a)に示す工程で、基板上の全体に酸化膜からなる層間絶縁膜3を形成した後、リソグラフィー法およびエッチング法を用いて、層間絶縁膜3、引っ張り応力含有絶縁膜71、圧縮応力含有絶縁膜70をエッチングして、シリサイド層17、27、37、47に到達するコンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aを形成する。
【0080】
次に、図15(b)に示す工程で、コンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aに、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5を形成する。なお、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5は、TiNなどのバリア膜とタングステンなどの金属膜によって構成されている。以上の工程により、本実施形態の半導体装置が形成される。
【0081】
本実施形態の半導体装置によると、アクセストランジスタの上を圧縮応力含有絶縁膜70で覆い、ドライブトランジスタの上を圧縮応力含有絶縁膜70および引っ張り応力含有絶縁膜71で覆っている。これらのトランジスタはN型MISトランジスタであるため、チャネルに引っ張り応力が加えられると駆動力が向上し、圧縮応力が加えられると駆動力が低下する。本実施形態では、SRAMアクセス領域は、圧縮応力含有絶縁膜70で覆われているため、アクセストランジスタの駆動力が低下する。一方、SRAMドライブ領域SDは圧縮応力含有絶縁膜70および引っ張り応力含有絶縁膜71からなるが積層膜で覆われているため、圧縮応力含有絶縁膜70の圧縮応力が引っ張り応力含有絶縁膜71の引っ張り応力によって相殺されるため、アクセストランジスタに比べてドライブトランジスタの駆動力の低下が抑制される。したがって、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。よって、SRAMの誤動作を抑制することができ、ノイズマージンを改善することができる。
【0082】
また、本実施形態では、ロードトランジスタの上を圧縮応力含有絶縁膜70で覆っている。ロードトランジスタはP型MISトランジスタであるため、チャネルに引っ張り応力が加えられると駆動力が低下し、圧縮応力が加えられると駆動力が向上する。したがって、本実施形態では、ロードトランジスタの駆動力も向上させることができる。
【0083】
なお、本実施形態では、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがN型MISトランジスタである場合について説明した。しかしながら、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがP型MISトランジスタであってもよい。この場合には、アクセストランジスタを引っ張り応力含有絶縁膜で覆い、ドライブトランジスタを圧縮応力含有絶縁膜および引っ張り応力含有絶縁膜で覆えばよい。P型MISトランジスタでは、チャネルに圧縮応力が加えられると駆動力が向上し、引っ張り応力が加えられると駆動力が低下する。したがって、この場合にも、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。
【0084】
(第4の実施形態)
図16は、本発明の第4の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。本実施形態の半導体装置では、SRAMロード領域SLにおけるゲート電極12およびソース・ドレイン領域16の上ならびにSRAMアクセス領域SAにおけるゲート電極32およびソース・ドレイン領域36の上が圧縮応力含有絶縁膜81により覆われ、SRAMドライブ領域SDにおけるゲート電極22およびソース・ドレイン領域26の上が引っ張り応力含有絶縁膜80により覆われている。それ以外の構造は第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0085】
次に、本実施形態における半導体装置の製造方法について、図17(a)〜図20(b)を参照しながら説明する。図17(a)〜図20(b)は、本発明の第4の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0086】
本実施形態の製造方法では、第1の実施形態で述べた方法と同様の方法を用いて、図17(a)に示す構造を形成する。
【0087】
次に、図17(b)に示す工程で、基板の上全体に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜81を形成する。
【0088】
次に、図18(a)に示す工程で、SRAMロード領域SLおよびSRAMアクセス領域SAの上を覆い、SRAMドライブ領域SDを開口するレジストからなる第1のマスク82を形成する。その後、第1のマスク62をエッチングマスクとしてエッチングを行うことにより、SRAMドライブ領域SDにおける圧縮応力含有絶縁膜81をエッチオフする。
【0089】
次に、図18(b)に示す工程で、第1のマスク62を除去した後、基板の上全体に、LP−CVD法により形成された引っ張り応力を発生させるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力含有絶縁膜80を形成する。
【0090】
次に、図19(a)に示す工程で、基板の上に、SRAMドライブ領域SDの上を覆い、SRAMロード領域SLおよびSRAMアクセス領域SAを開口するレジストからなる第2のマスク83を形成する。その後、第2のマスク83をエッチングマスクとしてエッチングを行うことにより、SRAMロード領域SLおよびSRAMアクセス領域SAに位置する引っ張り応力含有絶縁膜80をエッチオフする。
【0091】
次に、図19(b)に示す工程で、第2のマスク83を除去する。なお、この時点では、SRAMロード領域SLおよびSRAMアクセス領域SAに圧縮応力含有絶縁膜81が形成され、SRAMドライブ領域SDに引っ張り応力含有絶縁膜80が形成されている。
【0092】
次に、図20(a)に示す工程で、基板上の全体に酸化膜からなる層間絶縁膜3を形成した後、リソグラフィー法およびエッチング法を用いて、層間絶縁膜3、引っ張り応力含有絶縁膜80、圧縮応力含有絶縁膜81をエッチングして、シリサイド層17、27、37、47に到達するコンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aを形成する。
【0093】
次に、図20(b)に示す工程で、コンタクトホール4aおよびシェアードコンタクトホール5aに、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5を形成する。なお、埋め込みコンタクト4およびシェアードコンタクト5は、TiNなどのバリア膜とタングステンなどの金属膜によって構成されている。以上の工程により、本実施形態の半導体装置が形成される。
【0094】
本実施形態の半導体装置によると、アクセストランジスタの上を圧縮応力含有絶縁膜81で覆い、ドライブトランジスタの上を引っ張り応力含有絶縁膜80で覆っている。これらのトランジスタはN型MISトランジスタであるため、チャネルに引っ張り応力が加えられると駆動力が向上し、圧縮応力が加えられると駆動力が低下する。したがって、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。よって、SRAMの誤動作を抑制することができ、ノイズマージンを改善することができる。
【0095】
また、本実施形態では、ロードトランジスタの上を圧縮応力含有絶縁膜81で覆っている。ロードトランジスタはP型MISトランジスタであるため、チャネルに引っ張り応力が加えられると駆動力が低下し、圧縮応力が加えられると駆動力が向上する。したがって、本実施形態では、ロードトランジスタの駆動力も向上させることができる。
【0096】
なお、本実施形態では、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがN型MISトランジスタである場合について説明した。しかしながら、アクセストランジスタおよびドライブトランジスタがP型MISトランジスタであってもよい。この場合には、アクセストランジスタを引っ張り応力含有絶縁膜および圧縮応力含有絶縁膜の積層膜で覆い、ドライブトランジスタを圧縮応力含有絶縁膜のみで覆えばよい。P型MISトランジスタでは、チャネルに圧縮応力が加えられると駆動力が向上し、引っ張り応力が加えられると駆動力が低下する。したがって、この場合にも、アクセストランジスタの駆動力をドライブトランジスタの駆動力よりも低下させることができる。
【0097】
(第5の実施形態)
図21は、本発明の第5の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。本実施形態の半導体装置では、ロジック用Nチャネル型MISトランジスタを形成するN型ロジック領域LN、ロジック用Pチャネル型MISトランジスタを形成するP型ロジック領域LP、SRAM用Pチャネル型MISトランジスタを形成するP型SRAM領域SPおよびSRAM用Nチャネル型MISトランジスタを形成するN型SRAM領域SNが配置している。各領域LN、PL、PS、NSはシャロートレンチ素子分離2によって互いに電気的に分離されている。
【0098】
N型ロジック領域LNには、半導体基板101の上に、ゲート絶縁膜111を挟んでゲート電極112が形成されている。そして、ゲート電極112の側面上には、オフセットサイドウォール113aと、オフセットサイドウォール113aの外側に配置するサイドウォール113bとが形成されている。半導体基板101のうちオフセットサイドウォール113a及びサイドウォール113bの下に位置する領域には、N型エクステンション領域114が形成され、N型エクステンション領域114の下に位置する領域にはP型ポケット領域115が形成されている。また、半導体基板101のうちサイドウォール113bの外側に位置する領域には、N型ソース・ドレイン領域116が形成されている。また、ゲート電極112およびN型ソース・ドレイン領域116の上にはシリサイド層117が形成されている。
【0099】
N型ロジック領域LNにおけるゲート電極112、オフセットサイドウォール113a、サイドウォール113bおよびN型ソース・ドレイン領域116の上には、LP−CVD法によるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力含有絶縁膜150が形成されている。
【0100】
P型ロジック領域LPには、半導体基板101の上に、ゲート絶縁膜121を挟んでゲート電極122が形成されている。そして、ゲート電極122の側面上には、オフセットサイドウォール123aと、オフセットサイドウォール123aの外側に配置するサイドウォール123bとが形成されている。半導体基板101のうちオフセットサイドウォール123a及びサイドウォール123bの下に位置する領域には、P型エクステンション領域124が形成され、P型エクステンション領域124の下に位置する領域にはN型ポケット領域125が形成されている。また、半導体基板101のうちサイドウォール123bの外側に位置する領域にはP型ソース・ドレイン領域126が形成されている。また、ゲート電極122およびP型ソース・ドレイン領域126の上にはシリサイド層127が形成されている。
【0101】
P型ロジック領域LPにおけるゲート電極122、オフセットサイドウォール123a、サイドウォール123bおよびP型ソース・ドレイン領域126の上には、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜160が形成されている。
【0102】
また、P型SRAM領域SPには、半導体基板101の上に、ゲート絶縁膜131を挟んでゲート電極132が形成されている。そして、ゲート電極132の側面上には、オフセットサイドウォール133aと、オフセットサイドウォール133aの外側に配置するサイドウォール133bとが形成されている。半導体基板101のうちサイドウォール133bの下に位置する領域には、P型エクステンション領域134が形成され、P型エクステンション領域134の下に位置する領域には、N型ポケット領域135が形成されている。また、半導体基板101のうちサイドウォール133bの外側に位置する領域には、P型ソース・ドレイン領域136が形成されている。また、ゲート電極132およびP型ソース・ドレイン領域136の上にはシリサイド層137が形成されている。
【0103】
P型SRAM領域SPにおけるゲート電極132、オフセットサイドウォール133a、サイドウォール133bおよびP型ソース・ドレイン領域136の上には、プラズマCVD法によるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜160が形成されている。
【0104】
N型SRAM領域SNには、半導体基板101の上に、ゲート絶縁膜141を挟んでゲート電極142が形成されている。そして、ゲート電極142の側面上には、オフセットサイドウォール143aと、オフセットサイドウォール143aの外側に配置するサイドウォール143bとが形成されている。半導体基板101のうちオフセットサイドウォール143a及びサイドウォール143bの下に位置する領域には、N型エクステンション領域144が形成され、N型エクステンション領域144の下に位置する領域には、P型ポケット領域145が形成されている。また、半導体基板101のうちサイドウォール143bの外側に位置する領域には、N型ソース・ドレイン領域146が形成されている。また、ゲート電極142およびN型ソース・ドレイン領域146の上にはシリサイド層147が形成されている。
【0105】
N型SRAM領域SNにおけるゲート電極142、オフセットサイドウォール143a、サイドウォール143bおよびN型ソース・ドレイン領域146の上には、引っ張り応力含有絶縁膜150が形成されている。
【0106】
そして、各領域LN、PL、PS、NSにおいて、引っ張り応力含有絶縁膜150および圧縮応力含有絶縁膜160の上は、層間絶縁膜3によって覆われている。そして、各領域LN、PL、PS、NSには、引っ張り応力含有絶縁膜150、圧縮応力含有絶縁膜160および層間絶縁膜3を貫通してシリサイド層117、127、137、147に到達するコンタクト4が形成されている。
【0107】
次に、本実施形態における半導体装置の製造方法について、図22(a)〜図26(b)を参照しながら説明する。図22(a)〜図26(b)は、本発明の第5の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0108】
本発明の製造方法では、まず図22(a)に示す構造を形成するために以下のような工程を行う。まず、半導体基板101に形成されたシャロートレンチ素子分離102によって区画されたN型ロジック領域LN、P型ロジック領域LP、P型SRAM領域SP、N型SRAM領域SNの半導体基板101からなる各活性領域上に、ゲート絶縁膜111、121、131、141およびゲート電極112、122、132、142を形成する。次に、ゲート電極112、122、132、142の側面上に、オフセットサイドウォール113a、123a、133a、143aを形成する。
【0109】
続いて、N型ロジック領域LNおよびN型SRAM領域SNに、N型不純物である例えばヒ素イオンを、加速エネルギー3KeV、ドーズ量1.5×1015個/cm2、TILT角0度の条件で注入し、N型エクステンション領域114、144を形成する。次に、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー10KeV、ドーズ量8.0×1012個/cm2、TILT角25度の条件で4回転注入し、P型ポケット領域115、145を形成する。このP型ポケット領域115、145は、N型エクステンション領域114、144の底面を覆うように形成する。
【0110】
次に、P型ロジック領域LPおよびP型SRAM領域SPに、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー0.5KeV、ドーズ量3.0×1014個/cm2、TILT角0度の条件で注入し、P型エクステンション領域124、134を形成する。次に、N型不純物である例えばリンイオンを、加速エネルギー30KeV、ドーズ量7.0×1012個/cm2、TILT角25度の条件で4回転注入し、N型ポケット領域125、135を形成する。このN型ポケット領域125、135は、P型エクステンション領域124、134の底面を覆うように形成する。
【0111】
次に、基板上の全面に、LP−CVD法によるシリコン窒化膜を形成する。その後、エッチバック法によりシリコン窒化膜をエッチングして、各ゲート電極112、122、132、142の側面上に、オフセットサイドウォール113a、123a、133a、143aを介してサイドウォール113b、123b、133b、143bを形成する。その後、N型ロジック領域LNおよびN型SRAM領域SNに、N型不純物である例えば砒素イオンを、加速エネルギー20KeV、ドーズ量4.0×1015個/cm2、TILT角0度の条件で注する。さらに、N型不純物である例えばリンイオンを、加速エネルギー10KeV、ドーズ量1.0×1015個/cm2、TILT角7度の条件で注入する。これにより、N型ソース・ドレイン領域116、146を形成する。
【0112】
次に、P型ロジック領域LPおよびP型SRAM領域SPに、P型不純物である例えばボロンイオンを、加速エネルギー2KeV、ドーズ量4.0×1015個/cm2、TILT角7度の条件で注入し、P型ソース・ドレイン領域126、136を形成する。
【0113】
次に、各ゲート電極112、122、132、142の上およびソース・ドレイン領域116、126、136、146の上に、サリサイド技術を用いてシリサイド層117、127、137、147を選択的に形成する。
【0114】
次に、図22(b)に示す工程で、基板上の全面に、LP−CVD法により形成された引っ張り応力を発生させるシリコン窒化膜からなる引っ張り応力含有絶縁膜150を形成する。
【0115】
次に、図23(a)に示す工程で、基板上に、N型ロジック領域LN及びN型SRAM領域SNを覆い、P型SRAM領域SPおよびP型ロジック領域LPに開口を有するレジストからなる第1のマスク152を形成する。その後、第1のマスク152をエッチングマスクとしてエッチングを行うことにより、P型SRAM領域SPおよびP型ロジック領域LPに位置する引っ張り応力含有絶縁膜150を除去する。
【0116】
次に、図23(b)に示す工程で、基板上の全面に、プラズマCVD法により形成された圧縮応力を発生させるシリコン窒化膜からなる圧縮応力含有絶縁膜160を形成する。
【0117】
次に、図24(a)に示す工程で、基板上に、P型ロジック領域LP及びP型SRAM領域SPを覆い、N型ロジック領域LNおよびN型SRAM領域SNに開口を有するレジストからなる第2のマスク153を形成する。
【0118】
次に、図24(b)に示す工程で、第2のマスク153を除去する。なお、この時点では、P型SRAM領域SPおよびP型ロジック領域LPに圧縮応力含有絶縁膜160が形成され、N型ロジック領域LN及びN型SRAM領域SNに引っ張り応力含有絶縁膜150が形成されている。
【0119】
次に、図25(a)に示す工程で、基板上の全面に酸化膜からなる層間絶縁膜103を形成した後、リソグラフィー法およびエッチング法を用いて、層間絶縁膜103、引っ張り応力含有絶縁膜150および圧縮応力含有絶縁膜160をエッチングして、シリサイド層117、127、137、147に到達するコンタクトホール104aを形成する。
【0120】
次に、図25(b)に示す工程で、コンタクトホール104aに、埋め込みコンタクト104を形成する。なお、埋め込みコンタクト104は、TiNなどのバリア膜とタングステンなどの金属膜によって構成されている。以上の工程により、本実施形態の半導体装置が形成される。
【0121】
本実施形態では、ロジック領域ではMISトランジスタの駆動力を向上させることができると共に、SRAM領域ではMISトランジスタの駆動力を低下させることができる。このように、用途に応じて駆動力を調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
以上のように、本発明は、Nチャネル型MISトランジスタおよびPチャネル型MISトランジスタの能力の調整に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の第1の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図4】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図5】(a)、(b)は、第1の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図7】(a)、(b)は、第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】(a)、(b)は、第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】(a)、(b)は、第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】(a)、(b)は、第2の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図12】(a)、(b)は、第3の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】(a)、(b)は、第3の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図14】(a)、(b)は、第3の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図15】(a)、(b)は、第3の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図17】(a)、(b)は、第4の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図18】(a)、(b)は、第4の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図19】(a)、(b)は、第4の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図20】(a)、(b)は、第4の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図21】本発明の第5の実施形態における半導体装置の構造を示す断面図である。
【図22】(a)、(b)は、第5の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図23】(a)、(b)は、第5の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図24】(a)、(b)は、第5の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図25】(a)、(b)は、第5の実施形態における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図26】従来において、MISトランジスタの上にストレスを有する膜が形成された構造を示す断面図である。
【図27】従来においてSRAMを構成するトランジスタの配置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0124】
1 半導体基板
2 シャロートレンチ素子分離
3 層間絶縁膜
4 コンタクト
4a コンタクトホール
5 シェアードコンタクト
5a シェアードコンタクトホール
11、21、31 ゲート絶縁膜
12、22、32 ゲート電極
13a、23a、33a、43a オフセットサイドウォール
13b、23b、33b、43b サイドウォール
14、24、34 エクステンション領域
15、25、35 ポケット領域
16、26、36 ソース・ドレイン領域
17、27、37、47 シリサイド層
42 ゲート配線
50 引っ張り応力含有絶縁膜
51 圧縮応力含有絶縁膜
52 第1のマスク
60 引っ張り応力含有絶縁膜
61 圧縮応力含有絶縁膜
62 第1のマスク
63 第2のマスク
70 圧縮応力含有絶縁膜
71 引っ張り応力含有絶縁膜
72 第1のマスク
80 引っ張り応力含有絶縁膜
81 圧縮応力含有絶縁膜
82 第1のマスク
83 第2のマスク
101 半導体基板
102 シャロートレンチ素子分離
103 層間絶縁膜
104 コンタクト
104a コンタクトホール
105 シェアードコンタクト
105a シェアードコンタクトホール
111、121、131、141 ゲート絶縁膜
112、122、132、142 ゲート電極
113a、123a、133a、143a オフセットサイドウォール
114、124、134、144 エクステンション領域
115、125、135、145 ポケット領域
116、126、136、146 ソース・ドレイン領域
116、146 N型ソース・ドレイン領域
117、127、137、147 シリサイド層
123a オフセットサイドウォール
150 引っ張り応力含有絶縁膜
160 圧縮応力含有絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、 前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタと、
前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方を覆う、圧縮応力を有する第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上方を覆う層間絶縁膜とを備える、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記半導体層のうちの一部である第2の活性領域の上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極と、前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第2のソース・ドレイン領域とを有する第2のMISトランジスタと、
前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方を覆う、引っ張り応力を有する第2の絶縁膜とをさらに備える、半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置であって、
前記半導体層のうちの一部である第3の活性領域の上に形成された第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜の上に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第3のソース・ドレイン領域とを有する第3のMISトランジスタをさらに備える、半導体装置。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置であって、
前記第3のソース・ドレイン領域および前記第3のゲート電極の上方は、圧縮応力を有する第3の絶縁膜によって覆われている、半導体装置。
【請求項5】
請求項2に記載の半導体装置であって、
前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方には、圧縮応力を有する前記第1の絶縁膜と引っ張り応力を有する絶縁膜との積層膜が形成され、
前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方には、圧縮応力を有する絶縁膜が形成されていない、半導体装置。
【請求項6】
請求項2に記載の半導体装置であって、
前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上には、引っ張り応力を有する膜が形成されておらず、
前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上には、引っ張り応力を有する前記第2の絶縁膜と圧縮応力を有する絶縁膜との積層膜が形成されている、半導体装置。
【請求項7】
請求項3に記載の半導体装置であって、
前記第1のMISトランジスタはSRAMのアクセストランジスタであって、前記第2のMISトランジスタはSRAMのドライブトランジスタであって、前記第3のMISトランジスタはSRAMのロードトランジスタである、半導体装置。
【請求項8】
請求項2に記載の半導体装置であって、
前記第1のMISトランジスタはSRAMを構成するトランジスタであって、
前記第2のMISトランジスタはロジック部を構成するトランジスタである、半導体装置。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置であって、
前記半導体層のうちの一部である第4の活性領域の上に形成された第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜の上に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第4のソース・ドレイン領域とを有する第4のMISトランジスタと、
前記半導体層のうちの一部である第5の活性領域の上に形成された第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜の上に形成された第5のゲート電極と、前記第5の活性領域のうち前記第5のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第5のソース・ドレイン領域とを有する第5のMISトランジスタと、
前記第4のソース・ドレイン領域および前記第4のゲート電極の上方を覆う、圧縮応力を有する第4の絶縁膜と、
前記第5のソース・ドレイン領域および前記第5のゲート電極の上方を覆う、引っ張り応力を有する第5の絶縁膜とをさらに備え、
前記第4のMISトランジスタはロジック部を構成するトランジスタであって、前記第5のMISトランジスタはSRAMを構成するトランジスタである、半導体装置。
【請求項10】
半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタと、
前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方を覆う、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の上方を覆う層間絶縁膜とを備える、半導体装置。
【請求項11】
半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタを備える半導体装置の製造方法であって、 前記第1のソース・ドレイン領域および前記ゲート電極の上方に、圧縮応力を有する第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記第1の絶縁膜の上方に層間絶縁膜を形成する工程(b)とを備える、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置は、前記半導体層のうちの一部である第2の活性領域の上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の上に形成された第2のゲート電極と、前記第2の活性領域のうち前記第2のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたN型の第2のソース・ドレイン領域とを有する第2のMISトランジスタをさらに備え、
前記工程(b)の前に、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方に、引っ張り応力を有する第2の絶縁膜を形成する工程(c)をさらに備える、半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置は、前記半導体層のうちの一部である第3の活性領域の上に形成された第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜の上に形成された第3のゲート電極と、前記第3の活性領域のうち前記第3のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第3のソース・ドレイン領域とを有する第3のMISトランジスタをさらに備える、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第3のソース・ドレイン領域および前記第3のゲート電極の上方に、圧縮応力を有する第3の絶縁膜を形成する工程をさらに備える、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項12に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)では、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方に、前記第1の絶縁膜と引っ張り応力を有する絶縁膜との積層膜を形成し、
前記工程(c)では、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方に、前記第2の絶縁膜のみを形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項12に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記工程(a)では、前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方に、前記第1の絶縁膜のみを形成し、
前記工程(c)では、前記第2のソース・ドレイン領域および前記第2のゲート電極の上方に、前記第2の絶縁膜と圧縮応力を有する絶縁膜との積層膜を形成する、半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項13に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1のMISトランジスタはSRAMのアクセストランジスタであって、前記第2のMISトランジスタはSRAMのドライブトランジスタであって、前記第3のMISトランジスタはSRAMのロードトランジスタである、半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項12に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1のMISトランジスタはSRAMを構成するトランジスタであって、
前記第2のMISトランジスタはロジック部を構成するトランジスタである、半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体装置は、前記半導体層のうちの一部である第4の活性領域の上に形成された第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜の上に形成された第4のゲート電極と、前記第4の活性領域のうち前記第4のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第4のソース・ドレイン領域とを有する、ロジック部を構成する第4のMISトランジスタと、
前記半導体層のうちの一部である第5の活性領域の上に形成された第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜の上に形成された第5のゲート電極と、前記第5の活性領域のうち前記第5のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第5のソース・ドレイン領域とを有する、SRAMを構成する第5のMISトランジスタとをさらに備え、
前記工程(b)の前に、前記第4のソース・ドレイン領域および前記第4のゲート電極の上方に、圧縮応力を有する第4の絶縁膜を形成する工程と、
前記工程(b)の前に、前記第5のソース・ドレイン領域および前記第5のゲート電極の上方に、引っ張り応力を有する第5の絶縁膜を形成する工程とをさらに備える、半導体装置の製造方法。
【請求項20】
半導体層のうちの一部である第1の活性領域の上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の上に形成された第1のゲート電極と、前記第1の活性領域のうち前記第1のゲート電極の側方に位置する領域に形成されたP型の第1のソース・ドレイン領域とを有する第1のMISトランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
前記第1のソース・ドレイン領域および前記第1のゲート電極の上方に、引っ張り応力を有する第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記第1の絶縁膜の上方を覆う層間絶縁膜を形成する工程(b)とをさらに備える、半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−109973(P2007−109973A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300703(P2005−300703)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】