説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】異なる金属組成比を持つFUSI化構造体、特に一体に形成されたゲート電極における金属拡散を防止できるようにする。
【解決手段】半導体装置は、第1のゲート電極104aを有するN型FETと第2のゲート電極104bを有するN型FETとを有している。第1のゲート電極104a及び第2のゲート電極104bは、接続部により一体に形成され且つ金属により互いの金属組成比が異なるようにフルシリサイド化されており、接続部の少なくとも一部には、第1のゲート電極104a及び第2のゲート電極104bを構成する金属の拡散を防止する拡散防止膜105が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、フルシリサイド(Fully Silicided:FUSI)構造を有する電界効果トランジスタを含む半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体集積回路装置に集積化される半導体素子の集積度が増しており、例えばMIS(metal-insulator-semiconductor)型電界効果トランジスタ(FET:field-effect transistor)を構成するゲート電極を微細化すると共に、ゲート絶縁膜を構成する絶縁性材料に高誘電体を用いてゲート絶縁膜の電気的薄膜化を実現する手法が用いられつつある。しかしながら、通常、ゲート電極に用いられるポリシリコンは不純物注入を行なってもその空乏化が避けられず、空乏化によりゲート絶縁膜の膜厚が電気的に増大した状態となるため、FETの性能の向上を妨げる要因となっている。
【0003】
近年、ゲート電極の空乏化を防止できるゲート電極構造が提案されている。すなわち、ゲート電極を構成するシリコン材料に金属材料を反応させて、シリコン材料の全体を金属によりシリサイド化するフルシリサイド(FUSI)構造もゲート電極の空乏化を抑制する有効な方法として報告されている。
【0004】
例えば、以下の非特許文献1には、FUSI構造の形成方法が提案されている。また、非特許文献2には、FUSI電極にN型FETとP型FETとで異なる材料、例えばN型FETにはNiSiを用い、P型FETにはNi3Siを用いる構成が提案されている。
【0005】
図34(a)〜図34(d)は非特許文献1に示される従来のMIS型FETの製造方法のFUSI電極の形成工程における要部の断面構成を示している。
【0006】
まず、図34(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板1の上部に素子分離膜2を形成し、その後、半導体基板1における素子分離膜2により区画されたN型FET領域A及びP型FET領域Bの上に、ゲート絶縁膜3及び導電性を有するポリシリコン膜を順次形成する。続いて、形成したポリシリコン膜をパターニングして、N型FET領域Aには第1のゲート電極形成膜4Aを形成し、P型FET領域Bには第2のゲート電極形成膜4Bを形成する。続いて、各ゲート電極形成膜4A、4Bの側面上に絶縁性のサイドウォールスペーサ5を形成し、さらに、形成した各サイドウォールスペーサ5をマスクとして、半導体基板1の活性領域にソースドレイン領域6をそれぞれ形成する。その後、半導体基板1の上に各ゲート電極形成膜4A、4B及びサイドウォールスペーサ5を覆うように層間絶縁膜7を形成し、形成した層間絶縁膜7に対して、化学機械研磨(CMP)法等により各ゲート電極形成膜4A、4Bを露出させる。
【0007】
次に、図34(b)に示すように、層間絶縁膜7の上にP型FET領域Bを開口するレジストパターン8を形成し、形成したレジストパターン8をマスクとしてP型FET領域Bの層間絶縁膜7から露出する第2のゲート電極形成膜4Bの上部をエッチングして除去する。
【0008】
次に、図34(c)に示すように、レジストパターン8を除去した後、各ゲート電極形成膜4A、4Bを露出する層間絶縁膜7の上にニッケルからなる金属膜9を堆積する。
【0009】
次に、図34(d)に示すように、半導体基板1に対して熱処理を行なって、それぞれポリシリコンからなる各ゲート電極形成膜4A,4Bと金属膜9とを互いに反応させることにより、N型FET領域Aには上部がシリサイド化された第1のゲート電極10Aが形成され、P型FET領域Bにはフルシリサイド化された第2のゲート電極10Bが形成される。非特許文献1においては、N型FETを構成する第1のゲート電極10Aの下部はポリシリコンのままであり、P型FETを構成する第2のゲート電極10Bの下部はNiSiである。
【0010】
また、非特許文献2においては、金属膜を厚く堆積することにより、第1のゲート電極10Aの全体をNiSiとし、第2のゲート電極10Bの全体をNi3Siとする構成が記載されている。
【0011】
さらに、N型FETとP型FETとを含むフリップフロップ回路を構成する場合には、図35に示すように、N型FET領域Aの第1のゲート電極14aとP型FET領域Bの第2のゲート電極14bを同電位とする場合がある。このとき、回路面積を縮小するために、第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bとを一体に形成して、共有ゲート電極14を設ける構成が採られる。
【0012】
また、半導体集積回路においては、比較的に高い抵抗を必要とする場合があり、FUSI化されていないシリコン材料を抵抗素子に用いる場合がある。図35に、素子分離領域12上の抵抗素子領域Cに形成された、FUSI化されていないポリシリコンからなる抵抗体本体20aと、該抵抗体本体20aの両端部に設けられFUSI化されたコンタクト形成領域20bとを有する抵抗素子20を示す。
【非特許文献1】2004 IEEE, Proposal of New HfSiON CMOS Fabrication Process (HAMDAMA) for Low Standby Power Device, T.Aoyama et.al
【非特許文献2】2004 IEEE, Dual Workfunction Ni-Silicide/HfSiON Gate Stacks by Phase-Controlled Full-Silicidation (PC-FUSI) Technique for 45nm-node LSTP and LOP Devices, K.Takahashi et.al
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記従来のFUSI化された共有ゲート電極14を有する半導体装置は、N型FET領域Aにおける第1のゲート電極14aとP型FET領域Bにおける第2のゲート電極14bとを構成するシリサイド材料における金属組成比を、第1のゲート電極14aと比べて第2のゲート電極14bが高くなるように設定する場合がある。この場合には、シリサイド化工程又はその後の熱処理工程において金属組成比が第1のゲート電極14aよりも高い第2のゲート電極14bから第1のゲート電極14aにシリサイド用の金属が拡散することがある。また、抵抗素子20においては、FUSI化されたコンタクト形成領域20bとFUSI化されていない抵抗体本体20aとの境界では、金属の拡散が顕著となる。これにより、共有ゲート電極14においては、第1のゲート電極14aと第2のゲート電極14bとの間に、第1のゲート電極14aを構成するシリサイド材料と第2のゲート電極14bを構成するシリサイド材料との中間の金属組成比を持つ中間相膜14cが形成される。同様に、抵抗素子20においては、抵抗体本体20aとコンタクト形成領域20bとの間に、コンタクト形成領域20bを構成するシリサイド材料と抵抗体本体20aを構成するポリシリコンとの中間の金属組成比を持つ中間相膜20cが形成される。
【0014】
図36に図35のXXXVI−XXXVI線における断面構成を示す。図36はN型FET領域Aにおける第1のゲート電極14aの組成をNiSiとし、P型FET領域における第2のゲート電極14bをNi3Siとした場合を示している。図36に示すように、共有ゲート電極14及び抵抗素子20のいずれにおいても、シリサイド化用の金属であるニッケル(Ni)が、その濃度が高い領域から低い領域へ拡散し、中間相膜14c、20cが形成される。
【0015】
これにより、例えば、FETにおいては、半導体基板11と共有ゲート電極14との間に形成されているゲート絶縁膜21と接するシリサイド材料に組成が異なる部分が生じるため、各FETのしきい値電圧が変動する。このNiの拡散によるしきい値電圧の変動を回避するには、例えばN型FET領域Aの第1のゲート電極14aとP型FET領域Bの第2のゲート電極14bとを分離し、それらの間を配線を介して接続するか、N型FET領域AとP型FET領域Bとの間隔を十分に大きくする必要がある。これらの方法は、いずれも回路面積が大きくなるという別の問題が生じる。また、抵抗素子20においても、中間相膜20cが抵抗素子20によってばらつくことにより、所望の抵抗値を得ることが困難となる。
【0016】
本発明は、異なる金属組成比を持つFUSI化構造体、特に一体に形成されたゲート電極における金属拡散を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置及びその製造方法を、異なる金属組成比を持つFUSI化構造体の境界部(接続部)にシリサイド化用の金属の拡散を防止する拡散防止領域を形成する構成とする。
【0018】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、第1のゲート電極を有する第1の電界効果トランジスタと第2のゲート電極を有する第2の電界効果トランジスタとを備えた半導体装置を対象とし、第1のゲート電極及び第2のゲート電極は、接続部により一体に形成され且つ金属により互いの金属組成比が異なるようにフルシリサイド化されており、接続部の少なくとも一部には、第1のゲート電極及び第2のゲート電極同士の金属の拡散を防止する拡散防止膜が形成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体装置において、拡散防止膜は接続部の界面の全体を覆う第1の導電体からなることが好ましい。
【0020】
また、本発明の半導体装置において、拡散防止膜は接続部の界面の一部を覆う第1の導電体からなることが好ましい。
【0021】
この場合に、接続部の下部には第2の導電体膜が設けられ、拡散防止膜は第2の導電体膜の上に設けられていてもよい。
【0022】
さらにこの場合に、拡散防止膜の上に第3の導電体膜が形成されていてもよい。
【0023】
また、接続部の上部には第2の導電体膜が設けられ、拡散防止膜は第2の導電体膜の下に設けられていてもよい。
【0024】
拡散防止膜が第1の導電体からなる場合に、該第1の導電体はシリサイド化されない他の金属又は金属化合物であることが好ましい。
【0025】
また、本発明の半導体装置において、拡散防止膜は接続部の界面の一部を覆う絶縁体からなることが好ましい。
【0026】
この場合に、接続部の下部には第2の導電体膜が設けられ、拡散防止膜は第2の導電体膜の上に設けられていてもよい。
【0027】
さらにこの場合に、拡散防止膜の上に第3の導電体膜が形成されていてもよい。
【0028】
この場合に、第2の導電体膜は、第1のゲート電極及び第2のゲート電極における金属組成比の中間の金属組成比を有するシリサイドからなることが好ましい。
【0029】
また、第3の導電体膜は、第1のゲート電極及び第2のゲート電極をシリサイド化する金属を含むことが好ましい。
【0030】
また、接続部の一側部には第2の導電体膜が設けられ、拡散防止膜は接続部の残部に設けられていてもよい。
【0031】
本発明の半導体装置において、拡散防止膜における第1のゲート電極及び第2のゲート電極との界面の面積は、接続部における第1のゲート電極及び第2のゲート電極との界面の面積よりも大きいことが好ましい。
【0032】
本発明の半導体装置において、第1の電界効果トランジスタ及び第2の電界効果トランジスタのうち、一方の導電型はN型であり、他方の導電型はP型であることが好ましい。
【0033】
この場合に、第1のゲート電極及び第2のゲート電極のうち金属組成比が高いゲート電極を有する電界効果トランジスタの導電型はP型であり、金属組成比が低いゲート電極を有する電界効果トランジスタの導電型はN型であることが好ましい。
【0034】
本発明の半導体装置は、シリコンを含む抵抗体本体と、該抵抗体本体の一部が金属によりフルシリサイド化されてなるコンタクト形成領域とを有する抵抗素子をさらに備え、抵抗体本体とコンタクト形成領域との接続部には、コンタクト形成領域から抵抗体本体への金属の拡散を防止する拡散防止膜が形成されていることが好ましい。
【0035】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、第1のゲート電極を有する第1の電界効果トランジスタ及び第2のゲート電極を有する第2の電界効果トランジスタを含む半導体装置の製造方法を対象とし、半導体領域の上に、シリコンからなり、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を有するシリコンゲート電極を形成する工程(a)と、シリコンゲート電極における第1のゲート電極形成領域と第2のゲート電極形成領域との接続部に、第1のゲート電極形成領域と第2のゲート電極形成領域との界面の少なくとも一部を露出する第1の溝部を形成する工程(b)と、第1の溝部に、シリコンゲート電極をシリサイド化する金属の拡散を防止する拡散防止膜を形成する工程(c)と、拡散防止膜が形成されたシリコンゲート電極の上に金属膜を形成する工程(d)と、金属膜に対して熱処理を行なって、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を互いの金属組成比が異なるようにフルシリサイド化することにより、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする。
【0036】
第1の半導体装置の製造方法において、拡散防止膜は金属膜によりシリサイド化されない他の金属又は金属化合物であることが好ましい。
【0037】
第1の半導体装置の製造方法は、工程(a)と工程(d)との間に、シリコンゲート電極における第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域のいずれか一方に対してその上部をエッチングにより除去する工程(f)をさらに備えていることが好ましい。
【0038】
第1の半導体装置の製造方法において、工程(d)は、シリコンゲート電極における第1のゲート電極形成領域上及び第2のゲート電極形成領域上において金属膜の膜厚を互いに異ならせる工程を含むことが好ましい。
【0039】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、第1のゲート電極を有する第1の電界効果トランジスタ及び第2のゲート電極を有する第2の電界効果トランジスタを含む半導体装置の製造方法を対象とし、半導体領域の上に、シリコンからなり、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を有するシリコンゲート電極を形成する工程(a)と、シリコンゲート電極における第1のゲート電極形成領域と第2のゲート電極形成領域との接続部に、第1のゲート電極形成領域と第2のゲート電極形成領域との界面の下部を残して第1の溝部を形成する工程(b)と、第1の溝部が形成されたシリコンゲート電極の上に金属膜を形成する工程(c)と、金属膜に対して熱処理を行なって、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を互いの金属組成比が異なるようにフルシリサイド化することにより、第1のゲート電極及び第2のゲート電極を形成する工程(d)とを備えていることを特徴とする。
【0040】
第2の半導体装置の製造方法は、工程(b)と工程(c)との間に、第1の溝部にシリコンゲート電極をシリサイド化する金属の拡散を防止する拡散防止膜を形成する工程(e)をさらに備えていることが好ましい。
【0041】
第2の半導体装置の製造方法において、拡散防止膜は、絶縁膜又は金属膜によりシリサイド化されない他の金属又は金属化合物であることが好ましい。
【0042】
第2の半導体装置の製造方法は、工程(a)と工程(c)との間に、シリコンゲート電極における第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域のいずれか一方に対してその上部をエッチングにより除去する工程(f)をさらに備えていることが好ましい。
【0043】
また、第2の半導体装置の製造方法において、工程(c)は、シリコンゲート電極における第1のゲート電極形成領域上及び第2のゲート電極形成領域上において金属膜の膜厚を互いに異ならせる工程を含むことが好ましい。
【0044】
第2の半導体装置の製造方法は、工程(b)において、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域における第1の溝部の壁面から露出する面積は、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域同士の接続部における界面の面積よりも大きいことが好ましい。
【0045】
第2の半導体装置の製造方法は、工程(a)よりも前に、半導体領域の上部に素子分離領域を選択的に形成する工程(g)をさらに備え、工程(a)は、素子分離領域上にシリコンからなり、抵抗体本体と該抵抗体本体と接続されたコンタクト形成領域とを有するシリコン抵抗体を形成する工程を含み、工程(b)は、シリコン抵抗体における抵抗体本体とコンタクト形成領域との接続部に、抵抗体本体とコンタクト形成領域との界面の少なくとも一部を露出する第2の溝部を形成する工程を含み、工程(c)は、第2の溝部に拡散防止膜を形成する工程を含み、工程(d)は、拡散防止膜が形成されたシリコン抵抗体におけるコンタクト形成領域の上に金属膜を選択的に形成する工程を含み、工程(e)は、熱処理により、金属膜によりコンタクト形成領域をフルシリサイド化する工程を含むことが好ましい。
【0046】
また、第2の半導体装置の製造方法は、工程(a)よりも前に、半導体領域の上部に素子分離領域を選択的に形成する工程(g)をさらに備え、工程(a)は、素子分離領域上にシリコンからなり、抵抗体本体と該抵抗体本体と接続されたコンタクト形成領域とを有するシリコン抵抗体を形成する工程を含み、工程(b)は、シリコン抵抗体における抵抗体本体とコンタクト形成領域との接続部に、抵抗体本体とコンタクト形成領域との界面の一部を露出する第2の溝部を形成する工程を含み、工程(c)は、第2の溝部が形成されたシリコン抵抗体におけるコンタクト形成領域の上に金属膜を選択的に形成する工程を含み、工程(d)は、熱処理により、金属膜によりコンタクト形成領域をフルシリサイド化する工程を含むことが好ましい。
【0047】
この場合に、工程(e)は、第2の溝部に拡散防止膜を形成する工程を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、互いに異なる金属組成比を持つFUSI化構造体(特に一体に形成されたゲート電極)に生じる金属拡散を防止又は抑制でき、金属拡散による中間相膜の発生を抑制できるため、回路面積を縮小できると共に電気特性のばらつきを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0050】
図1(a)及び図1(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置であって、(a)は平面構成を示し、(b)は(a)のIb−Ib線における断面構成を示している。図1(a)及び図1(b)に示すように、例えばシリコンからなる半導体基板101の主面は、シャロウトレンチ分離(STI)からなる素子分離領域102によって、N型FET領域A、P型FET領域B及び抵抗素子領域Cに区画されている。
【0051】
N型FET領域A及びP型FET領域Bには、互いに間隔をおき且つそれぞれ平面方形状の長辺を対向して配置されたN型活性領域103A及びP型活性領域103Bが形成されている。N型活性領域103A及びP型活性領域103Bの上には、例えば酸化ハフニウム(HfO2 )からなるゲート絶縁膜106を介在させ、且つ各活性領域103A、103Bの各長辺側の両側部と交差する共有ゲート電極104が形成されている。なお、ゲート絶縁膜106にHfO2 を用いたがこれに代えて、HfSiO、HfSiON、SiO2 又はSiON等を用いることができる。
【0052】
共有ゲート電極104は、N型FET領域AにおいてはNiSiからなる第1のゲート電極104aを構成し、P型FET領域BにおいてはNi3Siからなる第2のゲート電極104bを構成する。共有ゲート電極104における素子分離領域102上で第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部には、WSiからなり、該接続部においてニッケル(Ni)の拡散を防止する拡散防止膜105が形成されている。
【0053】
抵抗素子領域Cには、素子分離領域102上であって、ポリシリコンからなる抵抗体本体110aと、該抵抗体本体110aの両端部にそれぞれ設けられ、NiSiからなるコンタクト形成領域110bと、抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部に設けられたWSiからなる拡散防止膜105とから構成される抵抗素子110が形成されている。
【0054】
第1の実施形態においては、拡散防止膜105は、N型FET領域A及びP型FET領域Bにおいては、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部(界面)の全面を覆うと共に、幅寸法(ゲート長寸法)を共有ゲート電極104と一致させている。また、抵抗素子領域Cにおいても、拡散防止膜105は、抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部(界面)の全面を覆うと共に、幅寸法を抵抗体本体110a及びコンタクト形成領域110bと一致させている。
【0055】
以下、第1の実施形態に係る種々の変形例を示す。
【0056】
図2、図3及び図4は、図1(a)と同様の平面構成を示している。
【0057】
図2に示す第1変形例は、各拡散防止膜105が共有ゲート電極105及び抵抗素子110のそれぞれの幅寸法よりも大きく形成されている。図3に示す第2変形例は、各拡散防止膜105が幅方向には突き出さないものの、各接続部の一方の側部が覆われていない状態であり、従って、各接続部の一方の側部には所定の金属組成比と異なる中間相膜104c、110cがそれぞれ形成されている。図4に示す第3変形例は、各拡散防止膜105が幅方向には突き出すと共に、各接続部の一方の側部が拡散防止膜105によって覆われていない状態である。
【0058】
図5、図6及び図7は、図1(b)と同様の断面構成を示している。
【0059】
図5に示す第4変形例は、各拡散防止膜105が各接続部の下部を覆っていない状態であり、従って、各接続部の下部には所定の金属組成比と異なる中間相膜104c、110cがそれぞれ形成されている。図6に示す第5変形例は、各拡散防止膜105が各接続部の上部を覆っていない状態であり、従って、各接続部の上部には所定の金属組成比と異なる中間相膜104c、110cがそれぞれ形成されている。図7に示す第6変形例は、各拡散防止膜105が各接続部の上部及び下部を覆っていない状態であり、各接続部の上部及び下部には所定の金属組成比と異なる中間相膜104c、110cがそれぞれ形成されている。
【0060】
なお、第2〜第6の各変形例においては、拡散防止膜105が接続部の全面を覆わないことから、それぞれ中間相膜104c、110cが形成されるが、例えば図3に示す共有ゲート104の接続部に生じる中間相膜104cは、図36に示した従来例のように、素子分離領域102を越えて各活性領域103A、103Bの上側にまで到達することがないため、各FETのしきい値電圧を変動させるようなことはない。このことは、抵抗素子110においても同様であり、抵抗体本体110aの抵抗値を大きく変動させることはない。
【0061】
このように、第1の実施形態及びその変形例に係る半導体装置は、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部に、金属(ニッケル)の拡散を防止し且つシリサイド化されない導電性材料からなる拡散防止膜105を設けているため、共有ゲート電極104の電気抵抗の増大を抑制しながら、金属の拡散を防止することができる。このため、各FETのしきい値電圧のばらつき及び抵抗素子110の抵抗値のばらつきの防止を、回路面積を縮小しながら実現することができるので、半導体装置の性能の向上及び高集積化が可能となる。
【0062】
なお、第1の実施形態においては、拡散防止膜105の導電性材料としてWSiを用いたが、第1のゲート電極104a、第2のゲート電極104b及びコンタクト形成領域110bをシリサイド化するシリサイド反応工程において、シリコンと反応しない金属又は金属化合物であればよい。例えば、CoSi2、TiN、WN等を用いることができる。また、拡散防止膜105は単層膜に限られず、例えばTiNとWSiとからなる積層構造としてもよい。
【0063】
また、導電性を有する拡散防止膜105は、図1(a)、図1(b)及び図2に示すように、例えば第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部の全体を覆うように形成することが、金属の拡散を防止する効果としては最も大きいため、望ましい。しかしながら、図3〜図7の各変形例に示したように、拡散防止膜105を各接続部の一部に形成することによっても、金属が拡散する断面積が縮小することから金属の拡散が抑制されるため、中間相膜104c、110cの形成量も抑制することができる。従って、中間相膜104c、110cの形成を十分に小さい範囲に留めることができるので、前述したように、各変形例においても、回路面積の縮小及び電気的特性のばらつきを抑えることができる。
【0064】
また、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部の一部の界面の断面積よりも拡散防止膜105の断面積を大きくすることによって、拡散防止膜105の比抵抗が、第1のゲート電極104a及び第2のゲート電極104bの比抵抗よりも大きい場合であっても、拡散防止膜105による抵抗値の上昇を抑制することができる。これは、抵抗素子110においても同様である。
【0065】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法にいて図面を参照しながら説明する。
【0066】
図8(a)〜図8(c)乃至図15(a)〜図15(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の平面構成及断面構成を示している。
【0067】
まず、図8(a)〜図8(c)に示すように、シリコンからなる半導体基板101の上部にSTIからなる素子分離領域102を選択的に形成する。これにより、N型FET領域AにはN型活性領域103Aが形成され、P型FET領域BにはP型活性領域103BAが形成される。続いて、図示はしていないが、N型活性領域103AにP型ウェル領域及びP型しきい値制御注入領域をP型不純物イオンのイオン注入により形成し、P型活性領域103BにN型ウェル領域及びN型しきい値制御注入領域をN型不純物イオンのイオン注入により形成する。続いて、化学的気相堆積(CVD)法により、半導体基板101上のN型活性領域103A及びP型活性領域103Bに、それぞれ物理的な膜厚が3nmの酸化ハフニウム(HfO2 )からなるゲート絶縁膜106を堆積する。その後、CVD法により、半導体基板101の上に素子分離領域102及びゲート酸化膜106を含む全面にわたって膜厚が75nmのポリシリコン膜を順次堆積する。その後、ポリシリコン膜上に抵抗素子領域Cにのみ開口パターンを有するレジスト膜を形成し、その後、形成したレジスト膜をマスクとしてシリコン抵抗体120Cとなる領域に抵抗素子としての抵抗値を決定するための不純物注入を行なう。続いて、レジスト膜を除去した後、ポリシリコン膜上に膜厚が25nmの酸化シリコン(SiO2 )膜を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びエッチング法により、酸化シリコン膜及びポリシリコン膜に対して順次エッチングを行なって、N型FET領域A及びP型FET領域Bにおいては、それぞれ共有ゲート電極パターンを持つ、酸化シリコンからなる第1の保護絶縁膜121Aとポリシリコンからなる第1のシリコンゲート電極120Aとが形成される。これと同時に、抵抗素子領域Cにおいては、抵抗素子パターンを持つ、酸化シリコンからなる第2の保護絶縁膜121Cとポリシリコンからなるシリコン抵抗体120Cとが形成される。ここで、エッチングにドライエッチングを用いる場合には、エッチングガスとして、酸化シリコンにはフルオロカーボンを主成分とするガスを用い、ポリシリコンには塩素を主成分とするガスを用いる。この後、図示はしていないが、N型活性領域103Aには、第1の保護絶縁膜121AをマスクとしてN型エクステンション領域を形成し、P型活性領域103Bにも第1の保護絶縁膜121AをマスクとしてP型エクステンション領域を形成してもよい。その後、第1の保護絶縁膜121A及び第1のシリコンゲート電極120Aの両側面上に例えば窒化シリコンからなるサイドウォールスペーサを形成し、形成したサイドウォールスペーサ及び第1の保護絶縁膜121Aをマスクとして、N型活性領域103AにはN型ソースドレイン領域を形成し、続いて、P型活性領域103BにはP型ソースドレイン領域を形成する。続いて、CVD法により、半導体基板101の上に素子分離領域102、第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Cを含む全面にわたって、酸化シリコンからなる第3の保護絶縁膜122を堆積する。その後、堆積した第3の保護絶縁膜122を例えば化学機械研磨(CMP)法により平坦化して、第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Cをそれぞれ露出する。
【0068】
次に、図9(a)〜図9(d)に示すように、リソグラフィ法により、露出した第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Cを含め第3の保護絶縁膜122の上に第1のレジスト膜123を塗布し、塗布した第1のレジスト膜123に、第1のシリコンゲート電極120AにおけるN型FET領域AとP型FET領域Bとの接続部を露出する第1の開口パターン123aと、シリコン抵抗体120Cにおける抵抗体本体とコンタクト形成領域との接続部を露出する第2の開口パターン123cとをそれぞれ形成する。続いて、各開口パターン123a、123cが形成された第1のレジスト膜123をマスクとして、第1の保護膜121A及び第2の保護膜121Cと、第1のシリコンゲート電極121A及びシリコン抵抗体120Cとに対して異方性のエッチングを順次行なって、第1のシリコンゲート電極120Aの接続部に第1の開口部120aを形成すると共に、シリコン抵抗体120Cに第2の開口部120Cを形成する。このとき、第1の開口部120a及び第2の開口部120cからは、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cを完全に除去することが望ましいが、図9(d)に示すように、ポリシリコンが側壁又は底部上に残留しても構わない。ここでは、図9(a)及び図9(c)に示すように、第1の開口部120aの形成を容易にするために、第1のシリコンゲート電極120Aの開口部分と比べてその上の第1の保護絶縁膜121Aの開口部分を広くしている。これは、第2の開口部120cにおいても同様である。なお、各開口部120a、120cの平面形状をそれぞれ方形状としたが、後述の図10(d)で説明するように、拡散防止膜105の上面を第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cよりも低く形成する場合には、各開口部120a、120cの上部の平面形状をパターニングが容易な溝形状としてもよい。これは、複数のFETが隣接して形成される場合に、例えば第1の開口部120aの上部を溝形状とし、導電体からなる拡散防止膜105を第1のシリコンゲート電極120Aよりも厚く堆積すると、導電性の拡散防止膜105が溝形状部分に充填されることによって、隣接するゲート電極同士が短絡してしまうが、拡散防止膜105を第1のシリコンゲート電極120Aよりも薄く堆積すると、各開口部120a、120cの平面方形状の下部に拡散防止膜105がそれぞれ孤立して形成されるため、短絡のおそれがなくなるからである。また、各開口部120a、120cは、アライメントずれを考慮しても、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cに各開口部120a、120cの短辺部分が掛からないようにすることが望ましいが、たとえ短辺部分が掛かったとしても、図3及び図4に示した通り、特に問題はない。
【0069】
次に、図10(a)〜図10(d)に示すように、第1のレジスト膜123を除去した後、例えばCVD法により、第3の保護絶縁膜122の上に第1の開口部120a及び第2の開口部120cを埋めるようにWSi膜を堆積する。続いて、堆積したWSi膜に例えばエッチバックを行なって、WSi膜における第3の保護絶縁膜122上部分を除去することにより、第1のシリコンゲート電極120Aの第1の開口部120a及びシリコン抵抗体120Cの第2の開口部120cにそれぞれWSiからなる拡散防止膜105を形成する。このとき、各開口部120a、120cに残す拡散防止膜105の膜厚は、図14(b)で示されるシリサイド形成工程により形成される第1のゲート電極104a又は第2のゲート電極104bの厚さと同程度とすることが望ましい。しかしながら、互いに隣接するゲート電極同士等が拡散防止膜105により短絡することがなければ、拡散防止膜105の膜厚は、第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Bの途中であっても、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cの途中であってもよい。従って、図10(d)に示すように、各開口部120a、120cに残す拡散防止膜105の膜厚を第1のシリコンゲート電極120Aよりも薄くする場合には、各開口部120a、120cの上部の形状を溝形状としてもよい。ここで、各開口部120a、120cの上部とは、第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Cと対応する部分を指す。また、第1の実施形態においては、拡散防止膜105を各開口部120a、120cを埋めるように形成しているが、拡散防止膜105の一部にボイドが生じていても特に問題はない。
【0070】
次に、図11(a)〜図11(c)に示すように、リソグラフィ法により、第2の保護絶縁膜121Cの上に、シリコン抵抗体120Cの2つの拡散防止膜105に挟まれた領域をマスクする第2のレジスト膜124を形成し、形成した第2のレジスト膜124をマスクとして、第1の保護絶縁膜121Aと第2の保護絶縁膜121Cの両端部(コンタクト形成領域)とを例えばフッ酸を用いたウェットエッチングにより除去する。
【0071】
次に、図12(a)〜図12(c)に示すように、第2のレジスト膜124を除去した後、リソグラフィ法により、第3の保護絶縁膜122の上に、P型FET領域Bを開口する開口パターン125aを持つ第3のレジスト膜125を形成する。続いて、第3のレジスト膜125をマスクとして、P型FET領域Bにおける第1のシリコンゲート電極120Aに対して塩素ガスを主成分とするドライエッチングを行なうことにより、第1のシリコンゲート電極120Aから膜厚が25nmの第2のシリコンゲート電極120Bを得る。
【0072】
次に、図13(a)〜図13(c)に示すように、第3のレジスト膜125を除去した後、例えばスパッタ法により、第2の保護絶縁膜122の上に第1のシリコンゲート電極120A、第2のシリコンゲート電極120B、コンタクト形成領域となるシリコン抵抗体120C及び第2の保護絶縁膜121Cを含む前面にわたって、膜厚が35nmのニッケル(Ni)からなる金属膜126を堆積する。
【0073】
次に、図14(a)〜図14(c)に示すように、半導体基板101に対して、例えば高速熱処理(RTA)法により、温度が400℃の窒素雰囲気で熱処理を行なって、第1のシリコンゲート電極120A、第2のシリコンゲート電極120B及び各シリコン抵抗体120Cと金属膜126との間でそれぞれシリサイド化反応を起こすことにより、各ポリシリコンをフルシリサイド化する。すなわち、第1のシリコンゲート電極120AはNiSiからなるFUSI化された第1のゲート電極104aとなり、第2のシリコンゲート電極120BはNi3SiからなるFUSI化された第2のゲート電極104bとなる。これは、第2のシリコンゲート電極120Bの厚さを第1のシリコンゲート電極120Aよりも薄くしているため、第2のシリコンゲート電極120Bの方が第1のシリコンゲート電極120Aと比べて金属リッチな状態でシリサイド化されるからである。また、抵抗素子領域Cにおいては、拡散防止膜105の外側に位置するシリコン抵抗体120CはNiSiからなるコンタクト形成領域110bとなり、拡散防止膜105の内側に位置するシリコン抵抗体120Cは第2の保護絶縁膜121Cにより覆われているため、シリサイド化反応が起こらず、ポリシリコンからなる抵抗体本体110aとなる。また、このとき、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部及び抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部には、金属(ニッケル)の拡散を防止する導電性材料からなる拡散防止膜105が設けられているため、所定の金属組成比と異なる中間相膜の形成が防止される。なお、図9(d)に示したように、第1の開口部120aにポリシリコンが残った場合には、残ったポリシリコンにより中間相膜が形成されるものの、その形成量は微量である。また、図10(d)に示す第1の開口部120a及び第2の開口部120cにおいて、拡散防止膜105の膜厚が第1のシリコンゲート電極120A等のポリシリコン膜よりも薄い場合には、拡散防止膜105の上側においても中間相膜が形成されることがある。しかしながら、この場合においても、その形成量が少ないため、中間相膜の第1のゲート電極104a、第2のゲート電極104b及び抵抗体本体110aへの進入量は少ない。
【0074】
次に、図15(a)〜図15(c)に示すように、未反応の金属膜126を例えば硫酸と過酸化水素水との混合溶液によりエッチングして除去する。その後、図示はしていないが、N型FET領域A、P型FET領域B及び抵抗素子領域Cの全面に層間絶縁膜を堆積し、コンタクトホール及び配線を公知の方法により形成する。
【0075】
このように、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、N型FET領域A及びP型FET領域Bにおいては、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部の少なくとも一部に、抵抗素子領域Cにおいては、抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部の少なくとも一部に、金属の拡散を防止する導電性の拡散防止膜105を形成することにより、シリサイド用金属の拡散による中間相膜が各接続部に形成されることを防止することができる。
【0076】
さらに、FUSI化された共有ゲート電極104を有するN型FET及びP型FET並びにFUSI化されたコンタクト形成領域110bを有する抵抗素子110を同時に形成することができる。
【0077】
また、図9に示したように、第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Cを形成した状態で、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cにそれぞれ第1の開口部120a及び第2の開口部120cを形成したが、図12に示したP型FET領域Bにおける第1のシリコンゲート電極120Aの膜厚を減らして第2のシリコンゲート電極120Bを形成した後に、各開口部120a、120cを形成してもよい。
【0078】
また、第1の保護絶縁膜120A及び第2の保護絶縁膜120Cは必ずしも必要ではない。例えば、図9〜図12の各工程において、各レジスト膜123、124、125を用いることにより、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cを、それぞれ保護絶縁膜120A、120Cを設けることなく露出した状態で処理を行なってもよい。
【0079】
また、抵抗素子領域Cにおいては、図13に示した工程の後に、シリコン抵抗体120Cにおける拡散防止膜105に挟まれた領域(抵抗体本体110a)上に堆積された金属膜126を除去すれば、第2の保護絶縁膜121C及び第2のレジスト膜124を設ける必要はない。
【0080】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0081】
図16(a)及び図16(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置であって、(a)は平面構成を示し、(b)は(a)のXVIb−XVIb線における断面構成を示している。図16(a)及び図16(b)において、図1(a)及び図1(b)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0082】
図16(a)及び図16(b)に示すように、第2の実施形態においては、第1の実施形態と異なり、拡散防止膜135に絶縁性材料を用いている。このように、拡散防止膜135に例えば酸化シリコン(SiO2)を用いることにより、他の材料を用いる場合と比較して、製造工程の増加を抑えることができる。
【0083】
また、図16(b)に示すように、第2の実施形態においては、拡散防止膜135に絶縁性材料を用いていることから、各拡散防止膜135の下側には、共有ゲート電極104においては、NiSiからなる第1のゲート電極104aとNi3Siからなる第2のゲート電極104bとの中間の金属組成比を持つ中間相膜104cが形成され、抵抗素子領域Cにおいては、NiSiからなるコンタクト形成領域110bとポリシリコンからなる抵抗体本体110aとの中間の金属組成比を持つ中間相膜110cが形成されている。
【0084】
なお、中間相膜104c、110cは、必ずしも第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの間でシリサイド用の金属の相互拡散により形成された材料に限られず、導電性材料、例えばWSi、CoSi2、TiN又はWN等を用いることができる。
【0085】
また、図17の第1変形例に示すように、中間相膜104c、110cは、各拡散防止膜135の下側に限られず、側部に設けてもよい。
【0086】
さらには、図18の第2変形例に示すように、拡散防止膜105の上側にも中間相膜104c、110cが形成されていてもよい。いずれの場合も、絶縁性の拡散防止膜135によって、各接続部においてシリサイド用の金属が拡散する断面積が縮小されるため、各中間相膜104c、110cの形成量が抑制される。
【0087】
但し、第2の実施形態においては、拡散防止膜135と中間相膜104c、110cとの基板面に垂直な方向の断面積は、拡散防止膜135の方が中間相膜104c、110cよりも大きい方が好ましい。
【0088】
このように、第2の実施形態に係る半導体装置によると、金属の拡散を防止する絶縁性の拡散防止膜135を、N型FET領域A及びP型FET領域Bの共有ゲート電極104においては第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部の一部に設け、抵抗素子領域Cにおいては抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部の一部に設けるため、シリサイド用の金属の拡散が抑制される。このため、FETのしきい値電圧のばらつきや抵抗素子110の抵抗値のばらつきを小さい回路面積で実現することができる。
【0089】
その上、共有ゲート電極104の第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部及び抵抗素子110の抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部のそれぞれの残部には、導電性を持つ中間相膜104c、110cを残しているため、拡散防止膜135に絶縁性材料を用いても、共有ゲート電極104及び抵抗素子110は電気的な接続が確保されるので、半導体装置の性能向上及び高集積化を実現することができる。
【0090】
また、第2の実施形態においては、拡散防止膜135として酸化シリコンを用いたが、金属の拡散を防止できる絶縁性材料であればよく、例えば窒化シリコン(Si34)を用いることができる。
【0091】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法にいて図面を参照しながら説明する。
【0092】
図19(a)〜図19(d)乃至図25(a)〜図25(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の平面構成及断面構成を示している。図19〜図25において、図8〜図15に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0093】
まず、図19(a)〜図19(d)は、第1の実施形態の図9と同様に、N型FET領域A及びP型FET領域Bに跨ってパターニングされた第1のシリコンゲート電極120Aにおける第1のゲート電極と第2のゲート電極との接続部及び抵抗素子領域Cにパターニングされたシリコン抵抗体120Cにおける抵抗体本体とコンタクト形成領域との各接続部に対して、第1のレジスト膜123をマスクとして、第1の開口部120a及び第2の開口部120cをそれぞれ形成した状態を示している。ここで、第2の実施形態の特徴として、第1の開口部120a及び第2の開口部120cの底面上にポリシリコンを残す。このとき、図19(d)に示すように、ポリシリコンが各開口部120a、120cの側壁部分に残留しても構わない。さらに、図19(a)及び図19(c)に示すように、第1の開口部120a等の形成を容易にするために、第1のシリコンゲート電極120A等の開口部分よりもその上の第1の保護絶縁膜121Aの開口部分を広くしている。なお、各開口部120a、120cの形状は、拡散防止膜135の上面を第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cよりも低く形成する場合には、よりパターニングが容易な溝形状としてもよい。また、各開口部120a、120cは、アライメントずれを考慮しても、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cに各開口部120a、120cの短辺部分が掛からないようにすることが望ましいが、たとえ短辺部分が掛かったとしても問題はない。
【0094】
次に、図20(a)〜図20(c)に示すように、第1のレジスト膜123を除去した後、例えばCVD法により、第3の保護絶縁膜122の上に第1の開口部120a及び第2の開口部120cを埋めるようにシリコン酸化膜を堆積する。続いて、堆積したシリコン酸化膜に対して、例えばCMP法によりシリコン酸化膜における第3の保護絶縁膜122上部分を除去することにより、第1のシリコンゲート電極120Aの第1の開口部120a及びシリコン抵抗体120Cの第2の開口部120cにそれぞれ酸化シリコンからなる拡散防止膜135を形成する。なお、第2の実施形態においても、拡散防止膜135を各開口部120a、120cに埋めるように形成しているが、拡散防止膜105の一部にボイドが生じていても特に支障はない。
【0095】
次に、図21(a)〜図21(c)に示すように、リソグラフィ法により、第2の保護絶縁膜121Cの上に、シリコン抵抗体120Cの2つの拡散防止膜135に挟まれた領域をマスクする第2のレジスト膜124を形成し、形成した第2のレジスト膜124をマスクとして、第1の保護絶縁膜121Aと第2の保護絶縁膜121Cの両端部とを例えばフッ酸を用いたウェットエッチングにより除去する。
【0096】
次に、図22(a)〜図22(c)に示すように、第2のレジスト膜124を除去した後、リソグラフィ法により、第3の保護絶縁膜122の上に、P型FET領域Bを開口する開口パターン125aを持つ第3のレジスト膜125を形成する。続いて、第3のレジスト膜125をマスクとして、P型FET領域Bにおける第1のシリコンゲート電極120Aに対して塩素ガスを主成分とするドライエッチングを行なうことにより、第1のシリコンゲート電極120Aから膜厚が25nmの第2のシリコンゲート電極120Bを得る。
【0097】
次に、図23(a)〜図23(c)に示すように、第3のレジスト膜125を除去した後、例えばスパッタ法により、第2の保護絶縁膜122の上に第1のシリコンゲート電極120A、第2のシリコンゲート電極120B、コンタクト形成領域となるシリコン抵抗体120C及び第2の保護絶縁膜121Cを含む前面にわたって、膜厚が35nmのニッケル(Ni)からなる金属膜126を堆積する。
【0098】
次に、図24(a)〜図24(c)に示すように、半導体基板101に対して、例えば高速熱処理(RTA)法により、温度が400℃の窒素雰囲気で熱処理を行なって、第1のシリコンゲート電極120A、第2のシリコンゲート電極120B及び各シリコン抵抗体120Cと金属膜126との間でそれぞれシリサイド化反応を起こすことにより、各ポリシリコンをフルシリサイド化する。すなわち、第1のシリコンゲート電極120AはNiSiからなるFUSI化された第1のゲート電極104aとなり、第1のシリコンゲート電極120Aよりも薄膜化された第2のシリコンゲート電極120BはNi3SiからなるFUSI化された第2のゲート電極104bとなる。また、抵抗素子領域Cにおいては、拡散防止膜105の外側に位置するシリコン抵抗体120CはNiSiからなるコンタクト形成領域110bとなり、拡散防止膜105の内側に位置するシリコン抵抗体120Cは第2の保護絶縁膜121Cにより覆われているため、シリサイド化反応が起こらず、ポリシリコンからなる抵抗体本体110aとなる。また、このとき、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部及び抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部には、金属(ニッケル)の拡散を防止する絶縁性材料からなる拡散防止膜135が設けられているため、所定の金属組成比と異なる中間相膜104b、110bの形成が抑制される。なお、図19(b)及び図19(c)に示したように、第1の開口部120a及び第2の開口部120cの各底面上にポリシリコンを残しているため、導電性を有する中間相膜104c、110cがそれぞれ形成される。その結果、共有ゲート電極104及び抵抗素子110自体の電気的導通が可能となる。その上、各中間相膜104c、110cの量は微量であるため、中間相膜104c、110cの第1のゲート電極104a、第2のゲート電極104b及び抵抗体本体110aへの進入量は少ない。また、図21に示す第1の開口部120a及び第2の開口部120cにおいて、拡散防止膜135の膜厚が第1のシリコンゲート電極120A等のポリシリコン膜よりも薄い場合には、拡散防止膜135の上側においても中間相膜104c、110cが形成されることがある。しかしながら、この場合においても、各中間相膜104c、110cの形成量が少ないため、各中間相膜104c、110cの第1のゲート電極104a、第2のゲート電極104b及び抵抗体本体110aへのそれぞれの進入量は少ない。
【0099】
次に、図25(a)〜図25(c)に示すように、未反応の金属膜126を例えば硫酸と過酸化水素水との混合溶液によりエッチングして除去する。その後、図示はしていないが、N型FET領域A、P型FET領域B及び抵抗素子領域Cの全面に層間絶縁膜を堆積し、コンタクトホール及び配線を公知の方法により形成する。
【0100】
このように、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、N型FET領域A及びP型FET領域Bにおいては、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部の一部に、抵抗素子領域Cにおいては、抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部の一部に、金属の拡散を防止する絶縁性の拡散防止膜135を形成することにより、シリサイド用金属の拡散による中間相膜104c、110cの形成を抑制することができる。
【0101】
さらに、FUSI化された共有ゲート電極104を有するN型FET及びP型FET並びにFUSI化されたコンタクト形成領域110bを有する抵抗素子110を同時に形成することができる。
【0102】
また、第1の実施形態と同様に、図19に示す工程において、第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Cを形成した状態で、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cにそれぞれ第1の開口部120a及び第2の開口部120cを形成したが、図22に示したP型FET領域Bにおける第1のシリコンゲート電極120Aの膜厚を減らして第2のシリコンゲート電極120Bを形成した後に、各開口部120a、120cを形成してもよい。
【0103】
また、第1の保護絶縁膜120A及び第2の保護絶縁膜120Cは必ずしも必要ではない。例えば、図19〜図22の各工程において、各レジスト膜123、124、125を用いることにより、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cを、それぞれ保護絶縁膜120A、120Cを設けることなく露出した状態で処理を行なってもよい。
【0104】
また、抵抗素子領域Cにおいては、図23に示した工程の後に、シリコン抵抗体120Cにおける拡散防止膜135に挟まれた領域(抵抗体本体110a)上に堆積された金属膜126を除去すれば、第2の保護絶縁膜121C及び第2のレジスト膜124を設ける必要はない。
【0105】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0106】
図26(a)及び図26(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置であって、(a)は平面構成を示し、(b)は(a)のXXVIb−XXVIb線における断面構成を示している。図26(a)及び図26(b)において、図16(a)及び図16(b)に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0107】
図26(a)及び図26(b)に示すように、第3の実施形態においては、共有ゲート電極104の接続部に拡散防止膜135を設けることなく、各ゲート電極104a、104bよりも膜厚が小さい中間相膜104cを第1の開口部120aの底部に残す構成とする。抵抗素子110における抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの各接続部においても拡散防止膜135を設けずに、抵抗体本体110a及びコンタクト形成領域110bよりも膜厚が小さい中間相膜110cを第2の開口部120cの底部に残す構成とする。但し、第3の保護膜122の上に層間絶縁膜等の他の絶縁膜を形成すると、各中間相膜104c、110cの上には絶縁膜が充填される場合がある。
【0108】
なお、図27の一変形例に示すように、各中間相膜104c、110cを一方の側部から他方の側部に向けて膜厚を異ならせる(分布を持たせる)ように形成してもよい。
【0109】
このように、第3の実施形態に係る半導体装置によると、N型FET領域A及びP型FET領域Bの共有ゲート電極104においては、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部の膜厚を小さくし、抵抗素子領域Cにおいても抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部の膜厚を小さくすることにより、中間相膜104cの、110cのそれぞれの形成量を減らしている。すなわち、接続部における金属組成比が異なる界面の面積を小さくすることにより、シリサイド用の金属の拡散が抑制される。その結果、FETのしきい値電圧のばらつきや抵抗素子110の抵抗値のばらつきを小さい回路面積で実現することができる。
【0110】
その上、各接続部には導電性を持つ中間相膜104c、110cを残しているため、共有ゲート電極104及び抵抗素子110は電気的な接続が確保されるので、半導体装置の性能向上及び高集積化を実現することができる。
【0111】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法にいて図面を参照しながら説明する。
【0112】
図28(a)〜図28(d)乃至図33(a)〜図33(c)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程順の平面構成及断面構成を示している。図28〜図33において、図8〜図15に示す構成部材と同一の構成部材には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0113】
まず、図28(a)〜図28(d)は、第1の実施形態の図9と同様に、N型FET領域A及びP型FET領域Bに跨ってパターニングされた第1のシリコンゲート電極120Aにおける第1のゲート電極と第2のゲート電極との接続部及び抵抗素子領域Cにパターニングされたシリコン抵抗体120Cにおける抵抗体本体とコンタクト形成領域との各接続部に対して、第1のレジスト膜123をマスクとして、第1の開口部120a及び第2の開口部120cをそれぞれ形成した状態を示している。ここで、第3の実施形態の特徴として、第1の開口部120a及び第2の開口部120cの底面上にポリシリコンを残す。このとき、図28(d)に示すように、ポリシリコンが各開口部120a、120cの側壁部分に残留しても構わない。さらに、図28(a)及び図28(c)に示すように、第1の開口部120a等の形成を容易にするために、第1のシリコンゲート電極120A等の開口部分よりもその上の第1の保護絶縁膜121Aの開口部分を広くしている。なお、各開口部120a、120cの形状は、拡散防止膜135の上面を第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cよりも低く形成する場合には、よりパターニングが容易な溝形状としてもよい。また、各開口部120a、120cは、アライメントずれを考慮しても、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cに各開口部120a、120cの短辺部分が掛からないようにすることが望ましいが、たとえ短辺部分が掛かったとしても問題はない。
【0114】
次に、図29(a)〜図29(c)に示すように、第1のレジスト膜123を除去した後、リソグラフィ法により、第2の保護絶縁膜121Cの上に、シリコン抵抗体120Cの2つの第2の開口部120cに挟まれた領域をマスクする第2のレジスト膜124を形成し、形成した第2のレジスト膜124をマスクとして、第1の保護絶縁膜121Aと第2の保護絶縁膜121Cの両端部とを例えばフッ酸を用いたウェットエッチングにより除去する。
【0115】
次に、図30(a)〜図30(c)に示すように、第2のレジスト膜124を除去した後、リソグラフィ法により、第3の保護絶縁膜122の上に、P型FET領域Bを開口する開口パターン125aを持つ第3のレジスト膜125を形成する。続いて、第3のレジスト膜125をマスクとして、P型FET領域Bにおける第1のシリコンゲート電極120Aに対して塩素ガスを主成分とするドライエッチングを行なうことにより、第1のシリコンゲート電極120Aから膜厚が25nmの第2のシリコンゲート電極120Bを得る。
【0116】
次に、図31(a)〜図31(c)に示すように、第3のレジスト膜125を除去した後、例えばスパッタ法により、第2の保護絶縁膜122の上に第1のシリコンゲート電極120A、第2のシリコンゲート電極120B、コンタクト形成領域となるシリコン抵抗体120C及び第2の保護絶縁膜121Cを含む前面にわたって、膜厚が35nmのニッケル(Ni)からなる金属膜126を堆積する。
【0117】
次に、図32(a)〜図32(c)に示すように、半導体基板101に対して、例えば高速熱処理(RTA)法により、温度が400℃の窒素雰囲気で熱処理を行なって、第1のシリコンゲート電極120A、第2のシリコンゲート電極120B及び各シリコン抵抗体120Cと金属膜126との間でそれぞれシリサイド化反応を起こすことにより、各ポリシリコンをフルシリサイド化する。すなわち、第1のシリコンゲート電極120AはNiSiからなるFUSI化された第1のゲート電極104aとなり、第1のシリコンゲート電極120Aよりも薄膜化された第2のシリコンゲート電極120BはNi3SiからなるFUSI化された第2のゲート電極104bとなる。また、抵抗素子領域Cにおいては、拡散防止膜105の外側に位置するシリコン抵抗体120CはNiSiからなるコンタクト形成領域110bとなり、拡散防止膜105の内側に位置するシリコン抵抗体120Cは第2の保護絶縁膜121Cにより覆われているため、シリサイド化反応が起こらず、ポリシリコンからなる抵抗体本体110aとなる。また、このとき、第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部及び抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部には、それぞれ底面上にポリシリコンを残した第1の開口部120a及び第2の開口部120cを設けているため、所定の金属組成比と異なる導電性を有する中間相膜104b、110bの形成が抑制される。その結果、共有ゲート電極104及び抵抗素子110自体の電気的導通が可能となる。その上、各中間相膜104c、110cの量は微量であるため、中間相膜104c、110cの第1のゲート電極104a、第2のゲート電極104b及び抵抗体本体110aへの進入量は少ない。また、第3の実施形態においては、第2の実施形態と異なり、図31に示したシリサイド化工程において、第1の開口部120a及び第2の開口部120cの底面上に残したポリシリコンもシリサイド化されるため、第2の実施形態に係る中間相膜104c、110cと比べてその導電性は高くなる。
【0118】
次に、図33(a)〜図33(c)に示すように、未反応の金属膜126を例えば硫酸と過酸化水素水との混合溶液によりエッチングして除去する。その後、図示はしていないが、N型FET領域A、P型FET領域B及び抵抗素子領域Cの全面に層間絶縁膜を堆積し、コンタクトホール及び配線を公知の方法により形成する。
【0119】
このように、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、N型FET領域A及びP型FET領域Bにおける第1のゲート電極104aと第2のゲート電極104bとの接続部及び抵抗素子領域Cにおける抵抗体本体110aとコンタクト形成領域110bとの接続部に対してそれぞれ一部を残して除去することにより、シリサイド用金属の拡散による中間相膜104c、110cの形成を抑制することができる。
【0120】
さらに、FUSI化された共有ゲート電極104を有するN型FET及びP型FET並びにFUSI化されたコンタクト形成領域110bを有する抵抗素子110を同時に形成することができる。
【0121】
また、第1の実施形態と同様に、図28に示す工程において、第1の保護絶縁膜121A及び第2の保護絶縁膜121Cを形成した状態で、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cにそれぞれ第1の開口部120a及び第2の開口部120cを形成したが、図30に示したP型FET領域Bにおける第1のシリコンゲート電極120Aの膜厚を減らして第2のシリコンゲート電極120Bを形成した後に、各開口部120a、120cを形成してもよい。
【0122】
また、第1の保護絶縁膜120A及び第2の保護絶縁膜120Cは必ずしも必要ではない。例えば、図28〜図30の各工程において、各レジスト膜123、124、125を用いることにより、第1のシリコンゲート電極120A及びシリコン抵抗体120Cを、それぞれ保護絶縁膜120A、120Cを設けることなく露出した状態で処理を行なってもよい。
【0123】
また、抵抗素子領域Cにおいては、図23に示した工程の後に、シリコン抵抗体120Cにおける拡散防止膜135に挟まれた領域(抵抗体本体110a)上に堆積された金属膜126を除去すれば、第2の保護絶縁膜121C及び第2のレジスト膜124を設ける必要はない。
【0124】
なお、第1〜第3の各実施形態においては、N型FET領域A及びP型FET領域Bにおいて、各活性領域103A、103Bには、それぞれウェル領域、ソースドレイン領域及びしきい値制御注入領域が形成され、及び各ゲート電極104a、104bにはサイドウォールスペーサが形成されるが、ここでは省略している。
【0125】
また、各実施形態においては、第1のゲート電極104a及び第2のゲート電極104bの金属組成をNiSiとNi3Siとに設定したが、金属組成比はこれに限られない。さらには、各ゲート電極104a、104bに互いに異なる金属シリサイドを用いてもよく、例えば、第1のゲート電極104aにNiSiを用い、第2のゲート電極104bにPtSiを用いることができる。また、抵抗素子110におけるコンタクト形成領域110bの導電性材料をNiSiとしたが、Ni3Siとしてもよい。また、NiSi及びNi3Si以外の導電性材料を用いてもよい。
【0126】
また、各実施形態においては、FUSI構造と非FUSI構造の接続部を持つ素子の一例として抵抗素子110を説明したが、FETが非FUSI構造を採り、抵抗素子が低い金属組成比を持つ抵抗体本体と高い金属組成比を持つコンタクト領域との接続部を有するFUSI構造であっても、本発明は有効であることは明らかである。
【0127】
また、各実施形態においては、各FET領域A、B及び抵抗素子領域Cが1つの半導体基板101上に隣接して形成される例を示したが、各FET領域A、Bと抵抗素子領域Cとは必ずしも隣接して形成される必要はなく、さらには同一の半導体基板101に形成される必要もない。
【0128】
また、各実施形態においては、素子として、FET及び抵抗素子を例に示したが、一体に設けられ且つ金属組成比が異なる接続部を持つFUSI構造、又は一体に設けられFUSI構造と非FUSI構造との接続部を持つ他の素子であればよく、例えばFUSI化されない共有ゲート電極と、該共有ゲート電極にFUSI化されたコンタクト形成領域とを有するFETや、フューズ素子等にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、互いに異なる金属組成比を持つFUSI化構造体における金属拡散を防止又は抑制でき、金属拡散による中間相膜の発生を抑制できるので、回路面積を縮小できると共に電気特性のばらつきを防止することができ、特に、FUSI構造を有する電界効果トランジスタを含む半導体装置及びその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIb−Ib線における断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の第5変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の第6変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のVIIIb−VIIIb線における断面図であり、(c)は(a)のVIIIc−VIIIc線における断面図である。
【図9】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のIXb−IXb線における断面図であり、(c)は(a)のIXc−IXc線における断面図であり、(d)は(c)の一変形例を示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXb−Xb線における断面図であり、(c)は(a)のXc−Xc線における断面図であり、(d)は(c)の一変形例を示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXIb−XIb線における断面図であり、(c)は(a)のXIc−XIc線における断面図である。
【図12】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXIIb−XIIb線における断面図であり、(c)は(a)のXIIc−XIIc線における断面図である。
【図13】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXIIIb−XIIIb線における断面図であり、(c)は(a)のXIIIc−XIIIc線における断面図である。
【図14】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXIVb−XIVb線における断面図であり、(c)は(a)のXIVc−XIVc線における断面図である。
【図15】(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXVb−XVb線における断面図であり、(c)は(a)のXVc−XVc線における断面図である。
【図16】(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXVIb−XVIb線における断面図である。
【図17】本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図18】本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置を示す断面図である。
【図19】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXIXb−XIXb線における断面図であり、(c)は(a)のXIXc−XIXc線における断面図であり、(d)は(c)の一変形例を示す断面図である。
【図20】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXb−XXb線における断面図であり、(c)は(a)のXXc−XXc線における断面図である。
【図21】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXIb−XXIb線における断面図であり、(c)は(a)のXXIc−XXIc線における断面図である。
【図22】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXIIb−XXIIb線における断面図であり、(c)は(a)のXXIIc−XXIIc線における断面図である。
【図23】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXIIIb−XXIIIb線における断面図であり、(c)は(a)のXXIIIc−XXIIIc線における断面図である。
【図24】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXIVb−XXIVb線における断面図であり、(c)は(a)のXXIVc−XXIVc線における断面図である。
【図25】(a)〜(c)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXVb−XXVb線における断面図であり、(c)は(a)のXXVc−XXVc線における断面図である。
【図26】(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXVIb−XXVIb線における断面図である。
【図27】本発明の第3の実施形態の一変形例に係る半導体装置を示す平面図である。
【図28】(a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXVIIIb−XXVIIIb線における断面図であり、(c)は(a)のXXVIIIc−XXVIIIc線における断面図であり、(d)は(c)の一変形例を示す断面図である。
【図29】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXIXb−XXIXb線における断面図であり、(c)は(a)のXXIXc−XXIXc線における断面図である。
【図30】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXXb−XXXb線における断面図であり、(c)は(a)のXXXc−XXXc線における断面図である。
【図31】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXXIb−XXXIb線における断面図であり、(c)は(a)のXXXIc−XXXIc線における断面図である。
【図32】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXXIIb−XXXIIb線における断面図であり、(c)は(a)のXXXIIc−XXXIIc線における断面図である。
【図33】(a)〜(c)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXXXIIIb−XXXIIIb線における断面図であり、(c)は(a)のXXXIIIc−XXXIIIc線における断面図である。
【図34】(a)〜(d)は従来のFUSI構造を有するFETの製造工程を示す工程順の断面図である。
【図35】従来のFUSI化された共有ゲート電極を持つFETを示す平面図である。
【図36】従来のFUSI化された共有ゲート電極を持つFETにおける課題を示す断面図である。
【符号の説明】
【0131】
A N型領域
B P型領域
C 抵抗素子領域
101 半導体基板
102 素子分離領域
103A N型活性領域
103B P型活性領域
104 共有ゲート電極
104a 第1のゲート電極
104b 第2のゲート電極
104c 中間相膜
105 拡散防止膜
106 ゲート絶縁膜
110 抵抗素子
110a 抵抗体本体
110b コンタクト形成領域
110c 中間相膜
120A 第1のシリコンゲート電極
120a 第1の開口部
120B 第2のシリコンゲート電極
120C シリコン抵抗体
120c 第2の開口部
121A 第1の保護絶縁膜
121C 第2の保護絶縁膜
122 第3の保護絶縁膜
123 第1のレジスト膜
123a 第1の開口パターン
123c 第2の開口パターン
124 第2のレジスト膜
125 第3のレジスト膜
125a 開口パターン
126 金属膜
135 拡散防止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のゲート電極を有する第1の電界効果トランジスタと第2のゲート電極を有する第2の電界効果トランジスタとを備えた半導体装置であって、
前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極は、接続部により一体に形成され且つ金属により互いの金属組成比が異なるようにフルシリサイド化されており、
前記接続部の少なくとも一部には、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極同士の前記金属の拡散を防止する拡散防止膜が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記拡散防止膜は、前記接続部の界面の全体を覆う第1の導電体からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記拡散防止膜は、前記接続部の界面の一部を覆う第1の導電体からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接続部の下部には第2の導電体膜が設けられ、前記拡散防止膜は前記第2の導電体膜の上に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記拡散防止膜の上に第3の導電体膜が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記接続部の上部には第2の導電体膜が設けられ、前記拡散防止膜は前記第2の導電体膜の下に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の導電体は、シリサイド化されない他の金属又は金属化合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記拡散防止膜は、前記接続部の界面の一部を覆う絶縁体からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記接続部の下部には第2の導電体膜が設けられ、前記拡散防止膜は前記第2の導電体膜の上に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記拡散防止膜の上に第3の導電体膜が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第2の導電体膜は、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極における金属組成比の中間の金属組成比を有するシリサイドからなることを特徴とする請求項4、6及び9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第3の導電体膜は、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極をシリサイド化する金属を含むことを特徴とする請求項5又は10に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記接続部の一側部には第2の導電体膜が設けられ、前記拡散防止膜は前記接続部の残部に設けられていることを特徴とする請求項3又は8に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記拡散防止膜における前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極との界面の面積は、前記接続部における前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極との界面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3、8及び13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1の電界効果トランジスタ及び第2の電界効果トランジスタのうち、一方の導電型はN型であり、他方の導電型はP型であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極のうち前記金属組成比が高いゲート電極を有する電界効果トランジスタの導電型はP型であり、前記金属組成比が低いゲート電極を有する電界効果トランジスタの導電型はN型であることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
シリコンを含む抵抗体本体と、該抵抗体本体の一部が前記金属によりフルシリサイド化されてなるコンタクト形成領域とを有する抵抗素子をさらに備え、
前記抵抗体本体と前記コンタクト形成領域との接続部には、前記コンタクト形成領域から前記抵抗体本体への前記金属の拡散を防止する前記拡散防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項18】
第1のゲート電極を有する第1の電界効果トランジスタ及び第2のゲート電極を有する第2の電界効果トランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、
半導体領域の上に、シリコンからなり、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を有するシリコンゲート電極を形成する工程(a)と、
前記シリコンゲート電極における前記第1のゲート電極形成領域と前記第2のゲート電極形成領域との接続部に、前記第1のゲート電極形成領域と前記第2のゲート電極形成領域との界面の少なくとも一部を露出する第1の溝部を形成する工程(b)と、
前記第1の溝部に、前記シリコンゲート電極をシリサイド化する金属の拡散を防止する拡散防止膜を形成する工程(c)と、
前記拡散防止膜が形成された前記シリコンゲート電極の上に金属膜を形成する工程(d)と、
前記金属膜に対して熱処理を行なって、前記第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を互いの金属組成比が異なるようにフルシリサイド化することにより、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記拡散防止膜は、前記金属膜によりシリサイド化されない他の金属又は金属化合物であることを特徴とする請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
前記工程(a)と前記工程(d)との間に、
前記シリコンゲート電極における前記第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域のいずれか一方に対してその上部をエッチングにより除去する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする請求項18又は19に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項21】
前記工程(d)は、前記シリコンゲート電極における前記第1のゲート電極形成領域上及び第2のゲート電極形成領域上において、前記金属膜の膜厚を互いに異ならせる工程を含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項22】
第1のゲート電極を有する第1の電界効果トランジスタ及び第2のゲート電極を有する第2の電界効果トランジスタを含む半導体装置の製造方法であって、
半導体領域の上に、シリコンからなり、第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を有するシリコンゲート電極を形成する工程(a)と、
前記シリコンゲート電極における前記第1のゲート電極形成領域と前記第2のゲート電極形成領域との接続部に、前記第1のゲート電極形成領域と前記第2のゲート電極形成領域との界面の下部を残して第1の溝部を形成する工程(b)と、
前記第1の溝部が形成された前記シリコンゲート電極の上に金属膜を形成する工程(c)と、
前記金属膜に対して熱処理を行なって、前記第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域を互いの金属組成比が異なるようにフルシリサイド化することにより、前記第1のゲート電極及び第2のゲート電極を形成する工程(d)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項23】
前記工程(b)と前記工程(c)との間に、
前記第1の溝部に、前記シリコンゲート電極をシリサイド化する金属の拡散を防止する拡散防止膜を形成する工程(e)をさらに備えていることを特徴とする請求項22に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項24】
前記拡散防止膜は、絶縁膜又は前記金属膜によりシリサイド化されない他の金属又は金属化合物であることを特徴とする請求項22に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項25】
前記工程(a)と前記工程(c)との間に、
前記シリコンゲート電極における前記第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域のいずれか一方に対してその上部をエッチングにより除去する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項26】
前記工程(c)は、前記シリコンゲート電極における前記第1のゲート電極形成領域上及び第2のゲート電極形成領域上において、前記金属膜の膜厚を互いに異ならせる工程を含むことを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項27】
前記工程(b)において、前記第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域における前記第1の溝部の壁面から露出する面積は、前記第1のゲート電極形成領域及び第2のゲート電極形成領域同士の接続部における界面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項18又は22に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項28】
前記工程(a)よりも前に、前記半導体領域の上部に素子分離領域を選択的に形成する工程(g)をさらに備え、
前記工程(a)は、前記素子分離領域上に前記シリコンからなり、抵抗体本体と該抵抗体本体と接続されたコンタクト形成領域とを有するシリコン抵抗体を形成する工程を含み、
前記工程(b)は、前記シリコン抵抗体における前記抵抗体本体と前記コンタクト形成領域との接続部に、前記抵抗体本体と前記コンタクト形成領域との界面の少なくとも一部を露出する第2の溝部を形成する工程を含み、
前記工程(c)は、前記第2の溝部に前記拡散防止膜を形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記拡散防止膜が形成された前記シリコン抵抗体における前記コンタクト形成領域の上に前記金属膜を選択的に形成する工程を含み、
前記工程(e)は、前記熱処理により、前記金属膜により前記コンタクト形成領域をフルシリサイド化する工程を含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項29】
前記工程(a)よりも前に、前記半導体領域の上部に素子分離領域を選択的に形成する工程(g)をさらに備え、
前記工程(a)は、前記素子分離領域上に前記シリコンからなり、抵抗体本体と該抵抗体本体と接続されたコンタクト形成領域とを有するシリコン抵抗体を形成する工程を含み、
前記工程(b)は、前記シリコン抵抗体における前記抵抗体本体と前記コンタクト形成領域との接続部に、前記抵抗体本体と前記コンタクト形成領域との界面の一部を露出する第2の溝部を形成する工程を含み、
前記工程(c)は、前記第2の溝部が形成された前記シリコン抵抗体における前記コンタクト形成領域の上に前記金属膜を選択的に形成する工程を含み、
前記工程(d)は、前記熱処理により、前記金属膜により前記コンタクト形成領域をフルシリサイド化する工程を含むことを特徴とする請求項22又は23に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項30】
前記工程(e)は、前記第2の溝部に前記拡散防止膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項23に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate


【公開番号】特開2007−123431(P2007−123431A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−311552(P2005−311552)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】