説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】チャネル領域を拡大し、駆動電流の増大を図ることを可能とした半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基板2に埋め込まれた埋込み絶縁膜3により絶縁分離された活性領域5と、活性領域5上に形成されたゲート絶縁膜6を介して当該活性領域5を跨ぐように形成されたゲート電極7と、ゲート電極7を挟んだ両側の活性領域5にイオン注入することによって形成されたソース領域8及びドレイン領域9とを備え、活性領域5に溝部10が設けられて、この溝部10の内側にゲート絶縁膜6を介してゲート電極7の一部が埋め込まれてなるトレンチ型のチャネル構造を有し、活性領域5の両側面に凹部11が対向して設けられて、これら凹部11の間に幅狭部12が形成されることによって、少なくとも溝部10の底面と幅狭部12との間に当該幅狭部12よりも幅広となるチャネル領域13が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の微細化に伴って、トランジスタの寸法も縮小される傾向にあり、この寸法縮小によりトランジスタのショートチャネル効果がより顕著になってきている。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などでは、メモリーセル寸法の縮小化によって、トランジスタのチャネル長も縮小されるため、トランジスタのパフォーマンスが低下してしまい、メモリーセルのリテンションや書き込み特性の悪化などが問題となってきている。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、半導体基板に溝(トレンチ)を形成してチャネルを3次元構造としたリセス(トレンチ)型FET(Field Effect Transistor)や、シリコンのフィンを形成してチャネルを3次元構造としたフィン型FETなどが開発されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【0004】
具体的に、トレンチ型FETは、半導体基板に溝を形成し、この溝内にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成することで、チャネルを3次元構造としたものである。一方、フィン型FETは、半導体基板上にシリコンのフィンを形成し、このフィンを跨ぐようにゲート電極を形成してチャネルを3次元構造としたものである。何れ場合も、ゲート長を長くすることができるため、短チャネル効果を抑制することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−064500号公報
【特許文献2】特開2007−027753号公報
【特許文献3】特開2007−305827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来のトレンチ型FETでは、活性領域の溝部の両側面に対で形成されるフィン状の側壁がチャネル領域として機能するものの、溝部の底部については側壁のチャネル領域よりも閾値電圧が高くなるために、チャネル領域として機能させることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体装置は、半導体基板に埋め込まれた埋込み絶縁膜により絶縁分離された活性領域と、活性領域上に形成されたゲート絶縁膜を介して当該活性領域を跨ぐように形成されたゲート電極と、ゲート電極を挟んだ両側の活性領域にイオン注入することによって形成されたソース領域及びドレイン領域とを備え、活性領域に溝部が設けられて、この溝部の内側にゲート絶縁膜を介してゲート電極の一部が埋め込まれてなるトレンチ型のチャネル構造を有し、活性領域の両側面に凹部が対向して設けられて、これら凹部の間に幅狭部が形成されることによって、少なくとも溝部の底面と幅狭部との間に当該幅狭部よりも幅広となるチャネル領域が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板に埋め込まれた埋込み絶縁膜により絶縁分離された活性領域と、活性領域上に形成されたゲート絶縁膜を介して当該活性領域を跨ぐように形成されたゲート電極と、ゲート電極を挟んだ両側の活性領域にイオン注入することによって形成されたドレイン領域及びソース領域とを備える半導体装置を製造する際に、半導体基板に埋込み絶縁膜が埋め込まれる溝部を形成した後に、この溝部の下方に等方性エッチングにより当該溝部よりも幅広となる凹部を形成することによって、活性領域の両側面において対向する凹部の間に幅狭部を形成する工程と、活性領域の上面に溝部を凹部の手前に至る深さで形成することによって、少なくとも溝部の底面と幅狭部との間に当該幅狭部よりも幅広となるチャネル領域を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明では、少なくとも溝部の底面と幅狭部との間に当該幅狭部よりも幅広となるチャネル領域を形成することで、このチャネル領域を拡大し、駆動電流の増大を図ることが可能である。また、ゲート電極によるトランジスタのオン/オフの制御性が向上するため、スイッチング特性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの構造を示す平面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの構造を示す断面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの動作を示す断面図である。
【図4】図4は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図5】図5は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図6】図6は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図7】図7は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図8】図8は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図9】図9は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図10】図10は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図11】図11は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図12】図12は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図13】図13は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図14】図14は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図15】図15は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図16】図16は、第1の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図17】図17は、第2の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの構造を示す断面図である。
【図18】図18は、第2の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図19】図19は、第2の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図20】図20は、第2の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図21】図21は、第2の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図22】図22は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの構造を示す平面図である。
【図23】図23は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図24】図24は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図25】図25は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図26】図26は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図27】図27は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの構造を示す断面図である。
【図28】図28は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【図29】図29は、第3の実施形態として示すトレンチゲートトランジスタの製造工程を順に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した半導体装置及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0012】
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として図1及び図2(a)〜(c)に示すトレンチゲートトランジスタ1を備えた半導体装置について説明する。なお、図2(a)は、図1中に示す線分A−A’による断面図、図2(b)は、図1中に示す線分B−B’による断面図、図2(c)は、図1中に示す線分C−C’による断面図を示す。
【0013】
このトレンチゲートトランジスタ1は、図1及び図2(a)〜(c)に示すように、半導体基板2と、この半導体基板2に形成された溝部2aに埋込み絶縁膜3を埋め込むことによって形成された素子分離領域4と、この素子分離領域4によって絶縁分離された活性領域5と、この活性領域5上に形成されたゲート絶縁膜6と、このゲート絶縁膜6を介して当該活性領域5を跨ぐように形成されたゲート電極7と、このゲート電極7を挟んだ両側の活性領域5に不純物イオンを注入することによって形成されたソース領域8及びドレイン領域9とを備え、活性領域5に溝部10が設けられて、この溝部10の内側にゲート絶縁膜6を介してゲート電極7の一部が埋め込まれてなるトレンチ型のチャネル構造を有している。
【0014】
トレンチゲートトランジスタ1では、このようなトレンチ型のチャネル構造を採用することによって、ゲート電極7の水平面積を増加させずに、このトレンチゲートトランジスタ1のチャネル長を長くすることができ、その結果、短チャネル効果を抑制することが可能である。
【0015】
半導体基板2は、所定濃度の不純物を含有する基板、例えばシリコン基板により形成されている。また、半導体基板2は、少なくとも表層がシリコンからなる基板であればよく、そのような基板としては、シリコン基板の他にも、埋め込み酸化(BOX:Buried Oxide)膜上にシリコン薄膜を形成したSOI(Silicon on Insulator)基板を用いてもよい。このようなSOI基板を用いた場合には、ソース・ドレイン間の接合容量を低減できることから、更なる微細化に対応することが可能である。
【0016】
素子分離領域4は、STI(Shallow Trench Isolation)と呼ばれるものであり、埋込み絶縁膜3を半導体基板2の表層に形成された溝部2aに埋め込むことによって、複数の活性領域5を区画形成している。
【0017】
活性領域5は、埋込み絶縁膜3(素子分離領域4)によって絶縁分離された半導体基板2の一部であって、その平面視形状は、例えば矩形の両端が丸みを帯びた形状である。また、この活性領域5は、半導体基板2の面内において横方向Xと縦方向Yとにそれぞれ所定の間隔で複数並んで設けられている。
【0018】
ゲート絶縁膜6は、例えば活性領域5の表面(上面)を熱酸化法により酸化したシリコン酸化膜からなり、ゲート電極7は、例えば不純物がドープされたシリコン膜29、窒化チタンなどのバリアメタル膜30、及びタングステン膜31を積層した少なくとも1層以上の導電膜からなる。さらに、タングステン膜31の上には、シリコン窒化膜32が設けられている。
【0019】
ソース領域8及びドレイン領域9は、各活性領域5のゲート電極7を挟んだ中央部と両端部に、それぞれイオン注入による不純物拡散層を形成しており、これら不純物拡散層のうち、中央部がドレイン領域9、両端部がソース領域8を形成している。
【0020】
なお、このトレンチゲートトランジスタ1は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)のセルアレイ領域内に配置されるメモリーセルの選択用トランジスタに用いられ、このセルアレイ領域は、1つの活性領域に2ビットのメモリーセルが配置された構造を有している。このため、上記ゲート電極7は、図1に示すように、活性領域5と交差する方向に所定の間隔で複数並んで設けられ、このうち、活性領域5を跨ぐ2つのゲート電極7がDRAMのワード線7aとして機能し、残りがダミーワード線7bとして機能することになる。
【0021】
また、このトレンチゲートトランジスタ1は、図示を省略するものの、更に、ゲート電極7の両側面を覆うサイドウォールスペイサと、ゲート電極7上に積層されたハードマスクと、ゲート電極7、ソース領域8及びドレイン領域9が形成された面上を覆う層間絶縁膜と、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールに埋め込まれたコンタクトプラグとを備えることによって、DRAM内のセルトランジスタを構成している。また、DRAM内には、周辺トランジスタや、ゲート線、ビット線、ワード線(ゲート電極7)、容量コンタクトプラグ、キャパシタ、配線等が設けられている。
【0022】
ところで、本発明を適用したトレンチゲートトランジスタ1では、活性領域5の両側面に凹部11が対向して設けられて、これら凹部11の間に幅狭部12が形成されることによって、少なくとも溝部10の底面と幅狭部12との間に当該幅狭部12よりも幅広となるチャネル領域13が形成されていることを特徴とする。また、第1の実施形態では、このチャネル領域13が溝部10の底面から当該溝部10の両側面に亘って形成されている。
【0023】
具体的に、活性領域5の長手方向と直交する方向の断面において、この活性領域5の互いに対向する側面から内方に向かって凹部11が形成されることによって、これら凹部11の間に括れた形状の幅狭部12が形成されている。また、これら凹部11には、上記埋込み絶縁膜3が埋め込まれている。なお、この凹部11には、上記埋込み絶縁膜3を埋め込まずに、空隙とすることも可能である。また、幅狭部12は、半導体基板2の一部であることから、この半導体基板2にバイアスを印加することも可能である。
【0024】
チャネル領域13は、活性領域5の上面に溝部10を凹部11の手前に至る深さで形成することによって、この溝部10の底面と幅狭部12との間に当該幅狭部12よりも幅広となる底部チャネル領域13aと、この底部チャネル領域13aの両端から上方に向かって立ち上がる一対の側部チャネル領域13bとを有して構成されている。
【0025】
また、側部チャネル領域13bの上部には、溝部10に埋め込まれたゲート電極7の側面を覆う第1のサイドウォール14が設けられ、さらに、この第1のサイドウォール及び側部チャネル領域13bの側面を覆う第2のサイドウォール15が設けられている。
【0026】
以上のような構造を有するトレンチゲートトランジスタ1では、図3に示すように、ゲート電極7に閾値電圧を印加することで、チャネル領域13のゲート電極側の表面に、底部チャネル領域13aから側部チャネル領域13bに亘って反転層領域Tが形成される。これにより、ソース領域8とドレイン領域9との間を高コンダクタンスとすることができる。
【0027】
一方、このトレンチゲートトランジスタ1では、動作時にチャネル領域13の半導体基板2側に、底部チャネル領域13aから側部チャネル領域13bに亘って完全空乏化領域Sが形成される。これにより、活性領域5をSOI構造とし、良好なサブスレッショナル特性を得ることが可能である。すなわち、小さい閾値電圧、高い駆動能力という特性を持つことになる。
【0028】
以上のように、本発明では、少なくとも溝部10の底面と幅狭部12との間に当該幅狭部12よりも幅広となるチャネル領域13を形成することで、このチャネル領域13を拡大し、駆動電流の増大を図ることが可能である。また、ゲート電極7によるトランジスタのオン/オフの制御性が向上するため、スイッチング特性に優れた半導体装置を提供することが可能となる。
【0029】
次に、本発明を適用した半導体装置の製造方法として、上記トレンチゲートトランジスタ1を製造する場合について、図4〜図16を参照しながら説明する。
なお、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0030】
上記トレンチゲートトランジスタ1を製造する際は、先ず、図4に示すように、加工前の上記半導体基板2としてシリコン基板を用意し、この半導体基板2の表面を例えば熱酸化により酸化させてシリコン酸化膜(第1の酸化膜)21を形成した後に、その上に例えばLP−CVD法によりシリコン窒化膜(第1の窒化膜)22を成膜する。
【0031】
そして、シリコン窒化膜22上にレジストを塗布した後、このレジストをリソグラフィ(Lithography)技術によりパターニングしながら、上記活性領域5に対応した形状のレジストパターン(図示せず。)を形成する。そして、このレジストパターンをマスクとして、シリコン窒化膜22及びシリコン酸化膜21を異方性ドライエッチングによりパターニングした後、レジストパターンを除去する。これにより、半導体基板2上には、上記活性領域5に対応した形状にパターニングされたシリコン酸化膜21及びシリコン窒化膜22が残存した状態となる。なお、本例では、厚さ約10nmのシリコン酸化膜21と、厚さ約100nmのシリコン窒化膜22とを形成した。
【0032】
次に、図5(a),(b)に示すように、パターニングされたシリコン窒化膜22をマスクとして、半導体基板2の表層を異方性ドライエッチングによりパターニングする。これにより、半導体基板2の表層には、第1の溝部23が形成されることになる。なお、本例では、深さ約100nmの第1の溝部23を形成した。その結果、第1の溝部23の間には、上記活性領域5に対応した形状を有するシリコンピラーが約80nmの幅Wで形成された。なお、図5(a)は、半導体基板2の表面を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0033】
次に、図6に示すように、半導体基板2上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜(第2の酸化膜)24を成膜した後、異方性ドライエッチングによりエッチバックを行い、第1の溝部23の側面にシリコン酸化膜24が残存した第1のサイドウォール14を形成する。なお、本例では、厚さ約10nmのシリコン酸化膜24を形成した。なお、図6は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0034】
次に、図7に示すように、半導体基板2を異方性ドライエッチングによりパターニングしながら、半導体基板2に第2の溝部25を形成する。なお、本例では、深さ約50nmの第2の溝部25を形成した。なお、図7は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0035】
次に、図8に示すように、半導体基板2上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜(第3の酸化膜)26を成膜した後、異方性ドライエッチングによりエッチバックを行い、第2の溝部25の側面にシリコン酸化膜26が残存した第2のサイドウォール15を形成する。なお、本例では、厚さ約10nmのシリコン酸化膜26を形成した。なお、図8は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0036】
次に、図9に示すように、半導体基板2を等方性エッチングによりパターニングしながら、第2の溝部25の下方に当該第2の溝部25よりも幅広となる凹部11を形成する。具体的に、等方性エッチングは、例えばアンモニア水、過酸化水素水、純水の混合液であるアンモニア過水液を用いたウェットエッチングにより行うことができる。なお、図9は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0037】
本例では、反応速度を2nm/分としたアンモニア過水液を用いて、25分のウェットエッチングを行った。その結果、第2の溝部25の下方には、深さ方向と幅方向に亘って約50nmの凹部11が形成された。また、上記シリコンピラーの互いに対向する側面から内方に向かって凹部11が形成されることで、これら凹部11の間に括れた形状の幅狭部12が約40nmの幅で形成された。
【0038】
なお、等方性エッチングは、このようなウェットエッチングで行う以外に、ドライエッチングにより行うことが可能であり、具体的に、ドライエッチングで行う場合は、例えば、塩素ガスと六フッ化硫黄ガスを含む混合ガスや、塩素ガスと臭化水素を含む混合ガスなどを用いることができる。
【0039】
次に、図10に示すように、半導体基板2上に埋込み絶縁膜3を成膜しながら、この埋込み絶縁膜3を第1及び第2の溝部23,25、並びに凹部11内に埋め込み形成する。なお、本例では、埋込み絶縁膜3にSOD(Spin On Dielectric)膜を用いたが、CVD法により成膜したシリコン酸化膜などを用いてもよい。また、埋込み絶縁膜3の上面からシリコンピラーの上面までの距離は約30nmである。なお、図10は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0040】
次に、図11に示すように、埋込み絶縁膜3が成膜された面を化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により研磨しながら、シリコン窒化膜22の表面が露出するまで平坦化を行う。これにより、凹部2aに埋込み絶縁膜3が埋め込まれてなる上記素子分離領域4と、この素子分離領域4により絶縁分離された複数の上記活性領域5が形成されることになる。なお、図11は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0041】
次に、図12に示すように、活性領域5上のシリコン窒化膜22を熱燐酸液により除去すると共に、シリコン酸化膜21をフッ酸液により除去した後、露出した活性領域5の表面(上面)を酸化させることによりシリコン酸化膜(第4の酸化膜)27を形成する。なお、本例では、熱酸化により厚さ10nmのシリコン酸化膜27を形成した。なお、図12は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0042】
次に、図13(a)〜(d)に示すように、この上にレジストを塗布した後、このレジストをリソグラフィ(Lithography)技術によりパターニングしながら、上記溝部10に対応した部分に開口部28aを有するレジストパターン28を形成する。なお、本例では、厚さ約350nmのレジストパターン28を形成した。また、レジストパターン28の開口部28aの幅は50nmである。なお、図13(a)は、本工程時における半導体基板2の表面を示す平面図であり、図13(b)は、図13(a)中の線分A−A’による断面図、図13(c)は、図13(a)中の線分B−B’による断面図、図13(d)は、図13(a)中の線分D−D’による断面図を示す。
【0043】
次に、図14(a)〜(c)に示すように、このレジストパターン28をマスクとして、その開口部28aから露出した活性領域5を異方性ドライエッチングによりパターニングしながら、凹部11の手前に至る深さの溝部10を形成する。これにより、活性領域5には、溝部10の底面と幅狭部12との間で当該幅狭部12よりも幅広となる底部チャネル領域13aと、この底部チャネル領域13aの両端から上方に向かって立ち上がる一対の側部チャネル領域13bとを有するチャネル領域13が形成される。
【0044】
なお、本例では、活性領域5の上面から120±10nmの深さでエッチングを行い、底部チャネル領域13aの最薄部の厚さthが30nm±10nm、側部チャネル領域13bの厚さtwが20nmとなるようにエッチングを行った。なお、図14(a)は、本工程時における図13(a)中の線分A−A’による断面図、図14(b)は、図13(a)中の線分B−B’による断面図、図14(c)は、図13(a)中の線分C−C’による断面図を示す。
【0045】
次に、図15に示すように、レジストパターン28を除去した後、シリコン酸化膜27をフッ酸液により除去した後、露出した活性領域5の表面(上面)を酸化させることによりゲート絶縁膜(シリコン酸化膜)6を形成する。また、ゲート絶縁膜6は、熱酸化によるシリコン酸化膜に限定せれず、CVD法により形成される高温酸化シリコン膜(HTO)や、高誘電率膜などであってもよい。なお、本例では、熱酸化により厚さ5nmのゲート絶縁膜6を形成した。
【0046】
そして、この上に上記ゲート電極7となるシリコン膜29を例えばLP−CVD法、バリアメタル膜30及びタングステン膜31を例えばプラズマスパッタリング法により順次積層しながら、シリコン膜29の一部を溝部10に埋め込み形成する。さらに、この上に例えばLP−CVD法によりシリコン窒化膜(第2の窒化膜)32を形成する。なお、本例では、厚さ80nmのシリコン膜29、厚さ10nmのバリアメタル膜30、厚さ50nmのタングステン膜31を形成し、厚さ200nmのシリコン窒化膜32を形成した。なお、図15は、本工程時における図13(a)中の線分A−A’による断面図を示す。
【0047】
次に、図16(a)〜(c)に示すように、シリコン窒化膜32上に上記ゲート電極7に対応した形状のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして、シリコン窒化膜32、タングステン膜31、バリアメタル膜30、シリコン膜29を異方性ドライエッチングによりパターニングした後、レジストパターンを除去する。これにより、上記ゲート電極7が形成される。
【0048】
その後、このゲート電極7を挟んだ両側の活性領域5に不純物イオン注入することによって上記ソース領域8及びドレイン領域9を形成する。なお、本例では、活性領域5のゲート電極7を挟んだ中央部にP又はAsイオン若しくはその両イオンを注入することによってドレイン領域9を形成すると共に、活性領域5のゲート電極7を挟んだ両端部にP又はAsイオン若しくはその両イオンを注入することによってソース領域8を形成した。なお、図16(a)は、本工程時における図13(a)中の線分A−A’による断面図、図16(b)は、本工程時における図13(a)中の線分B−B’による断面図、図16(c)は、本工程時における図13(a)中の線分C−C’による断面図を示す。
【0049】
以上のような工程を経ることによって、上記トレンチゲートトランジスタ1を製造することができる。
【0050】
以上のように、本発明では、半導体基板2に埋込み絶縁膜3が埋め込まれる溝部2a(第1及び第2の溝部23,25)を形成した後に、この溝部2aの下方に等方性エッチングにより当該溝部2aよりも幅広となる凹部11を形成することによって、活性領域5の両側面において対向する凹部11の間に幅狭部12を形成する工程と、活性領域5の上面に溝部10を凹部11の手前に至る深さで形成することによって、少なくとも溝部10の底面と幅狭部12との間に当該幅狭部12よりも幅広となるチャネル領域13を形成する工程とを経ることによって、活性領域5をSOI構造とし、良好なサブスレッショナル特性が得られるトレンチゲートトランジスタ1を製造することが可能である。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として図17(a)〜(c)に示すトレンチゲートトランジスタ50について説明する。
なお、図17(a)は、図1中に示す線分A−A’による断面図、図17(b)は、図1中に示す線分B−B’による断面図、図19(c)は、図1中に示す線分C−C’による断面図にそれぞれ対応する。
また、以下の説明では、上記トレンチゲートトランジスタ1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0052】
このトレンチゲートトランジスタ50は、溝部10に埋め込まれたゲート電極7の側面を覆う第1のサイドウォール14を短くし、底部チャネル領域13aの両端から上方に向かって立ち上がる一対の側部チャネル領域13bを長く形成した以外は、上記トレンチゲートトランジスタ1とほぼ同様の構成を有している。
【0053】
以上のような構造を有するトレンチゲートトランジスタ50では、上記図3に示すトレンチゲートトランジスタ1と同様に、ゲート電極7に閾値電圧を印加することで、チャネル領域13のゲート電極側の表面に、底部チャネル領域13aから側部チャネル領域13bに亘って反転層領域Tが形成される。これにより、ソース領域8とドレイン領域9との間を高コンダクタンスとすることができる。
【0054】
一方、このトレンチゲートトランジスタ50では、動作時にチャネル領域13の半導体基板2側に、底部チャネル領域13aから側部チャネル領域13bに亘って完全空乏化領域Sが形成される。これにより、活性領域5をSOI構造とし、良好なサブスレッショナル特性を得ることが可能である。すなわち、小さい閾値電圧、高い駆動能力という特性を持つことになる。
【0055】
上記トレンチゲートトランジスタ50を製造する際は、上記図4(a),(b)に示す工程の後に、図18に示すように、パターニングされたシリコン窒化膜22をマスクとして、半導体基板2の表層を異方性ドライエッチングによりパターニングする。このとき、上記図5に示す工程の場合よりも、半導体基板2の表層に形成される第1の溝部23の深さを浅くする。なお、本例では、深さ約30nmの第1の溝部23を形成した。その結果、第1の溝部23の底面は、シリコン酸化膜21の僅かに下方に位置することになる。なお、図18は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0056】
次に、図19に示すように、半導体基板2上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜(第2の酸化膜)24を成膜した後、異方性ドライエッチングによりエッチバックを行い、第1の溝部23の側面にシリコン酸化膜24が残存した第1のサイドウォール14を形成する。なお、本例では、厚さ約10nmのシリコン酸化膜24を形成した。なお、図19は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0057】
次に、図20に示すように、半導体基板2を異方性ドライエッチングによりパターニングしながら、半導体基板2に第2の溝部25を形成する。なお、図20は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0058】
次に、図21に示すように、半導体基板2上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜(第3の酸化膜)26を成膜した後、異方性ドライエッチングによりエッチバックを行い、第2の溝部25の側面にシリコン酸化膜26が残存した第2のサイドウォール15を形成する。なお、本例では、厚さ約10nmのシリコン酸化膜26を形成した。なお、図21は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0059】
なお、以降の工程については、上記トレンチゲートトランジスタ1を製造する場合と同様の工程、すなわち上記図9〜図16に示す工程を経ることによって、上記トレンチゲートトランジスタ50を製造することが可能である。
【0060】
以上のような工程を経ることによって製造されたトレンチゲートトランジスタ50では、上記トレンチゲートトランジスタ1の側部チャネル領域13bの高さが約50nmであるのに対して、約120nmの高さで側部チャネル領域13bを形成することができ、その結果、駆動能力を更に向上させることが可能である。
【0061】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態として図22及び図23(a)〜(c)に示すトレンチゲートトランジスタ60について説明する。
なお、図23(a)は、図22中に示す線分A−A’による断面図、図23(b)は、図22中に示す線分B−B’による断面図、図23(c)は、図22中に示す線分C−C’による断面図にそれぞれ対応する。
また、以下の説明では、上記トレンチゲートトランジスタ1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0062】
このトレンチゲートトランジスタ60は、溝部10に埋め込まれたゲート電極7の側面を覆う第1のサイドウォール14を省略し、側部チャネル領域13bを無くして底部チャネル領域13aのみとした以外は、上記トレンチゲートトランジスタ1とほぼ同様の構成を有している。
【0063】
以上のような構造を有するトレンチゲートトランジスタ60では、上記図3に示すトレンチゲートトランジスタ1と同様に、ゲート電極7に閾値電圧を印加することで、チャネル領域13(底部チャネル領域13a)のゲート電極側の表面に反転層領域Tが形成される。これにより、ソース領域8とドレイン領域9との間を高コンダクタンスとすることができる。
【0064】
一方、このトレンチゲートトランジスタ60では、動作時にチャネル領域13(底部チャネル領域13a)の半導体基板2側に完全空乏化領域Sが形成される。これにより、活性領域5をSOI構造とし、良好なサブスレッショナル特性を得ることが可能である。すなわち、小さい閾値電圧、高い駆動能力という特性を持つことになる。
【0065】
上記トレンチゲートトランジスタ60を製造する際は、上記図4(a),(b)に示す工程の後に、図24に示すように、パターニングされたシリコン窒化膜22をマスクとして、半導体基板2の表層を異方性ドライエッチングによりパターニングする。このとき、上記図5に示す工程の場合よりも、半導体基板2の表層に形成される第1の溝部23の深さを深くする。なお、本例では、深さ約150nmの第1の溝部23を形成した。その結果、第1の溝部23の底面は、上記第2の溝部25の底面とほぼ同じ位置にある。なお、図24は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0066】
次に、図25に示すように、半導体基板2上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜(第3の酸化膜)26を成膜した後、異方性ドライエッチングによりエッチバックを行い、第1の溝部23の側面にシリコン酸化膜26が残存した第2のサイドウォール15を形成する。なお、本例では、厚さ約10nmのシリコン酸化膜26を形成した。なお、図25は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0067】
次に、図26に示すように、半導体基板2を等方性エッチングによりパターニングしながら、第1の溝部23の下方に当該第1の溝部23よりも幅広となる凹部11を形成する。具体的に、等方性エッチングは、例えばアンモニア水、過酸化水素水、純水の混合液であるアンモニア過水液を用いたウェットエッチングにより行うことができる。なお、図26は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0068】
なお、本例では、反応速度を2nm/分としたアンモニア過水液を用いて、17分のウェットエッチングを行った。その結果、第1の溝部23の下方には、深さ方向と幅方向に亘って約35nmの凹部11が形成された。また、上記シリコンピラーの互いに対向する側面から内方に向かって凹部11が形成されることで、これら凹部11の間に括れた形状の幅狭部12が約30nmの幅で形成された。
【0069】
次に、図27に示すように、半導体基板2上に埋込み絶縁膜3を成膜しながら、この埋込み絶縁膜3を第1の溝部23及び凹部11内に埋め込み形成する。なお、図27は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0070】
次に、図28に示すように、埋込み絶縁膜3が成膜された面を化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により研磨しながら、シリコン窒化膜22の表面が露出するまで平坦化を行う。そして、活性領域5上のシリコン窒化膜22を熱燐酸液により除去すると共に、シリコン酸化膜21をフッ酸液により除去した後、露出した活性領域5の表面(上面)を酸化させることによりシリコン酸化膜(第4の酸化膜)27を形成する。なお、図28は、本工程時における図5(a)中の線分A−A’による断面図に対応する。
【0071】
次に、図29(a)〜(c)に示すように、この上にレジストを塗布した後、このレジストをリソグラフィ(Lithography)技術によりパターニングしながら、上記溝部10に対応した部分に開口部28aを有するレジストパターン28を形成する。そして、このレジストパターン28をマスクとして、その開口部28aから露出した活性領域5を異方性ドライエッチングによりパターニングしながら、凹部11の手前に至る深さの溝部10を形成する。これにより、活性領域5には、溝部10の底面と幅狭部12との間で当該幅狭部12よりも幅広となる底部チャネル領域13a(チャネル領域13)が形成される。
【0072】
なお、本例では、上記凹部11を形成する際のエッチング量が少ないことを反映して、活性領域5の上面から上記トレンチゲートトランジスタ1の場合よりも5nmほど深い約125nmの深さでエッチングを行い、底部チャネル領域13aの最薄部の厚さthが30nm±10nmとなるようにエッチングを行った。なお、図29(a)は、本工程時における図13(a)中の線分A−A’による断面図、図29(b)は、図13(a)中の線分B−B’による断面図、図29(c)は、図13(a)中の線分C−C’による断面図に対応する。
【0073】
なお、以降の工程については、上記トレンチゲートトランジスタ1を製造する場合と同様の工程、すなわち上記図15及び図16に示す工程を経ることによって、上記トレンチゲートトランジスタ60を製造することが可能である。
【0074】
以上のような工程を経ることによって製造されたトレンチゲートトランジスタ60では、底部チャネル領域13aのみが形成された構造のため、この底部チャネル領域13aにおいて高い駆動能力を得ることが可能である。
【0075】
なお、本発明は、上記トレンチゲートトランジスタ1,50,60をDRAMのメモリーセルに適用した場合に限らず、トレンチゲートトランジスタを備える半導体装置に対して幅広く適用することが可能であり、例えばメモリーセルを有しないロジック品等の半導体デバイス一般においても、本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…トレンチゲートトランジスタ(第1の実施形態) 2…半導体基板 2a…溝部 3…埋込み絶縁膜 4…素子分離領域 5…活性領域 6…ゲート絶縁膜 7…ゲート電極 7a…ワード線 7b…ダミーワード線 8…ソース領域 9…ドレイン領域 10…溝部 11…凹部 12…幅狭部 13…チャネル領域 13a…底部チャネル領域 13b…側部チャネル領域 14…第1のサイドウォール 15…第2のサイドウォール 21…シリコン酸化膜(第1の酸化膜) 22…シリコン窒化膜 23…第1の溝部 24…シリコン酸化膜(第2の酸化膜) 25…第2の溝部 26…シリコン酸化膜(第3の酸化膜) 27…シリコン酸化膜(第4の酸化膜) 28…レジストパターン 28a…開口部 29…シリコン膜 30…バリアメタル膜 31…タングステン膜 32…シリコン窒化膜(第2の窒化膜) 50…トレンチゲートトランジスタ(第2の実施形態) 60…トレンチゲートトランジスタ(第3の実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に埋め込まれた埋込み絶縁膜により絶縁分離された活性領域と、
前記活性領域上に形成されたゲート絶縁膜を介して当該活性領域を跨ぐように形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極を挟んだ両側の活性領域にイオン注入することによって形成されたソース領域及びドレイン領域とを備え、
前記活性領域に溝部が設けられて、この溝部の内側に前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極の一部が埋め込まれてなるトレンチ型のチャネル構造を有し、
前記活性領域の両側面に凹部が対向して設けられて、これら凹部の間に幅狭部が形成されることによって、少なくとも前記溝部の底面と前記幅狭部との間に当該幅狭部よりも幅広となるチャネル領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記チャネル領域は、前記溝部の底面から当該溝部の両側面に亘って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
半導体基板に埋め込まれた埋込み絶縁膜により絶縁分離された活性領域と、
前記活性領域上に形成されたゲート絶縁膜を介して当該活性領域を跨ぐように形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極を挟んだ両側の活性領域にイオン注入することによって形成されたソース領域及びドレイン領域とを備える半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板に前記埋込み絶縁膜が埋め込まれる溝部を形成した後に、この溝部の下方に等方性エッチングにより当該溝部よりも幅広となる凹部を形成することによって、前記活性領域の両側面において対向する凹部の間に幅狭部を形成する工程と、
前記活性領域の上面に溝部を前記凹部の手前に至る深さで形成することによって、少なくとも前記溝部の底面と前記幅狭部との間に当該幅狭部よりも幅広となるチャネル領域を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記チャネル領域を前記溝部の底面から当該溝部の両側面に亘って形成することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−29509(P2011−29509A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175681(P2009−175681)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】