説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】リークパスを確実に防止することができる、半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、ゲート絶縁膜を介して半導体基板上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極の側部に設けられた側壁絶縁膜と、前記半導体基板内における前記ゲート絶縁膜を挟むような位置に形成され、前記側壁絶縁膜により覆われた被覆領域と前記側壁絶縁膜により覆われていない露出領域とを有する、ソース又はドレイン領域と、前記ゲート電極及び前記側壁絶縁膜を覆うように形成された、エッチングストッパ膜と、前記半導体基板上に、前記エッチングストッパ膜を埋め込むように設けられた、層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を貫通するように設けられ、前記露出領域に接続される、第1セルコンタクトプラグとを具備する。前記エッチングストッパ膜は、前記被覆領域と前記露出領域との境界部分が完全に覆われるように、前記露出領域の一部を覆っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置には、電界効果型トランジスタが用いられることがある。図1は、電界効果型トランジスタを含む半導体装置100を示す概略断面図である。この半導体装置100は、半導体基板106を備えている。半導体基板106上には、ゲート絶縁膜112を介して、ゲート電極101が形成されている。ゲート電極101は、その上部に、シリサイド層110を有している。ゲート電極101の側部には、側壁絶縁膜102が形成されている。半導体基板106には、ゲート電極101を挟むような領域に、ソース及びドレイン領域(拡散領域105)が形成されている。また、半導体基板106には、ゲート電極101から離れた位置に、素子分離領域108が形成されている。拡散領域105は、ゲート電極101と素子分離領域108との間に形成されており、側壁絶縁膜102により覆われた部分(被覆領域)と、側壁絶縁膜102により覆われていない部分(露出領域)とを有している。露出領域には、シリサイド層109が形成されている。ゲート電極101、側壁絶縁膜102、及び素子分離領域108は、エッチングストッパ膜103により覆われている。エッチングストッパ膜103上には、層間絶縁膜104が形成されている。エッチングストッパ膜103には、露出領域のシリサイド層109を露出させる開口111が設けられている。層間絶縁膜104には、開口111を介してシリサイド層109に接続される、セルコンタクトプラグ107が埋め込まれている。拡散領域105は、セルコンタクトプラグ107を介して、図示しないビット線や容量電極などに接続されている。
【0003】
半導体装置100の製造過程では、半導体基板106上にゲート電極101などが形成される。その後、全面にエッチングストッパ膜103が堆積される。そして、エッチングストッパ膜103上に層間絶縁膜104が形成される。その後、セルコンタクトプラグ107を埋め込むための開口が、層間絶縁膜104及びエッチングストッパ膜103に設けられる。この開口は、エッチングにより、形成される。開口を形成する際に、開口を設ける位置が所望する位置からずれる場合がある。
【0004】
図2Aは、開口がフィールド方向(素子分離領域108方向)にずれた場合の断面を示す概略図である。通常、エッチングストッパ膜103をエッチングする際には、素子分離領域108がエッチングされ難い条件が用いられる。しかし、完全に素子分離領域108のエッチングを防止することは困難である。従って、開口を設ける位置がずれた場合、エッチングストッパ膜103をエッチングする際に、素子分離領域108の端部がエッチングされてしまうことがある。その結果、セルコンタクトプラグ107から素子分離領域108の端部を介したリークパスが形成され、電界効果型トランジスタの特性が悪化することがある。
【0005】
図2Bは、開口を設ける位置がゲート電極101側にずれた場合の様子を示す概略断面図である。この場合は、エッチングストッパ膜103をエッチングする際に、側壁絶縁膜102までもがエッチングされてしまうことがある。その結果、セルコンタクトプラグ107から側壁絶縁膜102の側部を介したリークパスが形成され、電界効果型トランジスタの特性が悪化することがある。
【0006】
半導体装置100として、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などに例示される高集積回路が用いられる場合、リークパスの抑制がより一層望まれる。
【0007】
リークパスの形成を防止するための技術が、特許文献1(特開平10−12723号公報)及び特許文献2(特開平11−163163号公報)及びに記載されている。
【0008】
特許文献1には、LOCOSのバーズビーク上に、エッチングストッパ層を選択的に形成しておくことが記載されている。これにより、セルフアラインコンタクトホール開口用のレジスト露光時のアライメントがLOCOS側にずれても、LOCOSあるいはそのバーズビークのエッチングが有効に防止される旨が記載されている。
【0009】
特許文献2には、素子分離絶縁膜、ゲート電極、ソース及びドレイン領域、及び側壁絶縁膜を形成した後全面に窒素を注入する点が記載されている。そして、素子分離絶縁膜及び側壁絶縁膜の上部にのみにSiON層を形成する点が記載されている。次に層間絶縁膜を形成した後、コンタクト孔を形成することが記載されている。特許文献2の記載によれば、コンタクト露光の目合わせがずれても素子分離絶縁膜及び側壁絶縁膜の上部がSiON膜であるため、オーバーエッチングによるゲート電極とドレイン領域又はドレイン領域とウエル間の短絡を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10−12723号公報
【特許文献2】特開平11−163163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の手法では、酸化膜(LOCOS)だけの上にエッチングストッパ層が形成される。従って、LOCOSとソース又はドレイン領域との界面が露出してしまうことがあり、リークパスを確実に防止することは困難である、という問題点があった。
【0012】
また、特許文献2の手法では、絶縁膜(素子分離絶縁膜及び側壁絶縁膜)上だけにエッチングストッパ膜が成膜される。そのため、各絶縁膜とソース又はドレイン領域との間の界面を確実に覆うことが難しく、リークパスを確実に防止することが困難である、という問題点があった。また、エッチングストッパ膜が窒素注入により形成されるため、トランジスタの特性への影響が懸念される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る半導体装置は、ゲート絶縁膜を介して半導体基板上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極の側部に設けられた側壁絶縁膜と、前記半導体基板内における前記ゲート絶縁膜を挟むような位置に形成され、前記側壁絶縁膜により覆われた被覆領域と前記側壁絶縁膜により覆われていない露出領域とを有する、ソース又はドレイン領域と、前記ゲート電極及び前記側壁絶縁膜を覆うように形成された、エッチングストッパ膜と、前記半導体基板上に、前記エッチングストッパ膜を埋め込むように設けられた、層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を貫通するように設けられ、前記露出領域に接続される、第1セルコンタクトプラグとを具備する。前記エッチングストッパ膜は、前記被覆領域と前記露出領域との境界部分が完全に覆われるように、前記露出領域の一部を覆っている。
【0014】
この発明によれば、被覆領域と露出領域との境界部分(側壁絶縁膜と露出領域との境界部分)が完全に覆われるように、エッチングストッパ膜が形成される。従って、第1セルコンタクトプラグを形成する際に、位置合わせが多少ずれたとしても、側壁絶縁膜が削られてしまうことがない。従って、リークパスの発生を確実に防止することが可能となる。
【0015】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、ゲート絶縁膜を介して半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、前記半導体基板内における前記ゲート絶縁膜を挟むような位置に、ソース又はドレイン領域を形成する工程と、前記ゲート電極の側部に、前記ソース又はドレイン領域に前記側壁絶縁膜により覆われた被覆領域と前記側壁絶縁膜により覆われていない露出領域とが形成されるように、側壁絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート電極、前記側壁絶縁膜、及び前記露出領域を覆うように、エッチングストッパ膜を形成する工程と、前記露出領域の一部が露出するように、前記エッチングストッパ膜に第1開口を形成する工程と、前記エッチングストッパ膜上に、層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜における前記第1開口に対応する位置をエッチングし、第1セルコンタクトプラグ用開口を形成する工程と、前記第1セルコンタクトプラグ用開口及び前記第1開口に、第1セルコンタクトプラグを埋め込む工程とを具備する。前記第1開口を形成する工程は、前記第1開口を、前記被覆領域と前記露出領域との境界部分が前記エッチングストッパ膜により完全に覆われるような開口径で、形成する工程を含んでいる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リークパスを確実に防止することができる、半導体装置及び半導体装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】半導体装置を示す概略断面図である。
【図2A】開口がフィールド方向にずれた場合における半導体装置の断面を示す概略図である。
【図2B】開口を設ける位置がゲート電極側にずれた場合の様子を示す概略断面図である。
【図3A】本発明の実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。
【図3B】本発明の実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。
【図3C】ロジック部における断面図を示す図である。
【図4】セル層の構成を示す概略断面図である。
【図5】半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。
【図6A】第1開口の位置が素子分離領域側にずれた場合の様子を示す断面図である。
【図6B】第1開口の位置がゲート電極側にずれた場合の様子を示す断面図である。
【図6C】第1セルコンタクトプラグ用開口31の位置が素子分離領域側にずれた場合の様子を示す断面図である。
【図6D】第1セルコンタクトプラグ用開口の位置がゲート電極側にずれた場合の様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
【0019】
図3A乃至図3Bは、本実施形態に係る半導体装置20を示す概略断面図である。本実施形態では、半導体装置20として、DRAMとロジック装置とが混載された装置が用いられるものとする。図3Aは、DRAMのセル部分におけるビットラインに沿う断面を示す図である。図3Bは、ビットラインに直交する方向に沿う断面を示す図である。図3Cは、ロジック部における断面図を示している。
【0020】
図3A乃至図3Cに示されるように、半導体装置20は、半導体基板1を有している。半導体基板1としては、例えば、シリコン基板が用いられる。半導体基板1上には、セル層、第1層、第2層、及び第3層が、この順番で積層されている。
【0021】
まず、図3A及び図3Bを参照して、DRAMのセル部分における構造を説明する。
【0022】
半導体基板1には、素子を区画する素子分離領域12が形成されている。素子分離領域12は、例えば、シリコン酸化膜などの絶縁膜により、形成される。セル層には、素子分離領域12によって区画された領域内に、電界効果型トランジスタ2が形成されている。電界効果型トランジスタ2は、第1エッチングストッパ膜4により、覆われている。第1エッチングストッパ膜4としては、例えば、シリコン窒化膜が用いられる。第1エッチングストッパ膜4上には、層間絶縁膜17(例えばシリコン酸化膜)が形成されている。層間絶縁膜17には、導電性の第1セルコンタクトプラグ3が埋められている。第1セルコンタクトプラグ3は、電界効果型トランジスタ2に接続されている。
【0023】
第1層には、ビットライン6、ビットコンタクト5、及び容量コンタクト14が形成されている。ビットコンタクト5は第1セルコンタクトプラグ3とビットライン6とを接続するように、形成されている。容量コンタクト14は、第1セルコンタクトプラグ3と第2層とを接続するように、形成されている。
【0024】
第2層には、第2ストッパー窒化膜7、下部電極8、容量絶縁膜9、第1上部電極10、及び第2上部電極11が形成されている。第2ストッパー窒化膜7は、下部電極8によって埋められた開口を有している。下部電極8は、第1層に設けられた容量コンタクト14に接続されている。下部電極8上には、容量絶縁膜9を介して、第1上部電極10が形成されている。第1上部電極10上には、第2上部電極11が形成されている。すなわち、電界効果型トランジスタ2は、第1セルコンタクトプラグ3及び容量コンタクト14を介して、下部電極8に接続されている。
【0025】
次いで、図3Cを参照して、ロジック部分における構造を説明する。
【0026】
ロジック部分においても、セル層には、電界効果型トランジスタ2が形成されている。また、ロジック部分では、セル層に、ゲート電極29が形成されている。層間絶縁膜17には、電界効果型トランジスタ2及びゲート電極29に接続されるセルコンタクトプラグが埋め込まれている。ロジック部分に設けられたセルコンタクトプラグは、第2セルコンタクトプラグ13と記載され、セル部分に設けられた第1セルコンタクトプラグ3と区別される。第1層には、第2セルコンタクトプラグ13を第2層に接続する、容量コンタクト14が埋め込まれている。第2層には、容量コンタクト14を第3層に接続する、スタックコンタクト15が埋め込まれている。第3層には、配線16が設けられている。配線16は、スタックコンタクト15に接続されている。
【0027】
次に、セル層の構成について詳細に説明する。図4は、セル層の構成を示す概略断面図である。
【0028】
まず、DRAMのセル部分における構成について説明する。
【0029】
図4に示されるように、電界効果型トランジスタ2は、ゲート電極21、拡散領域28(ソース及びドレイン領域)、及び側壁絶縁膜27を備えている。ゲート電極21は、半導体基板1上にゲート絶縁膜を介して形成されている。ゲート電極21は、その上部に、シリサイド層22を有している。側壁絶縁膜27は、ゲート電極21及びシリサイド層22の側部に形成されている。側壁絶縁膜27は、例えば、シリコン酸化膜により形成される。拡散領域28は、半導体基板1において、ゲート電極21が形成された領域を挟むような位置に、設けられている。
【0030】
拡散領域28は、ゲート電極21が形成された領域と素子分離領域12との間に設けられている。拡散領域28は、側壁絶縁膜27により覆われた領域(ソース/ドレインエクステンション領域25)、及び側壁絶縁膜27によって覆われていない領域(ソース/ドレイン領域24)を有している。ソース/ドレイン領域24には、シリサイド層26が形成されている。ソース/ドレイン領域24は一端でソース/ドレインエクステンション領域25と連続している。また、ソース/ドレイン領域24の他端は素子分離領域12に接している。
【0031】
ゲート電極22、側壁絶縁膜27、ソース/ドレイン領域24、及び素子分離領域12の上には、第1エッチングストッパ膜4が形成されている。第1エッチングストッパ膜4には、ソース/ドレイン領域24の一部を露出させる、第1開口23が設けられている。ここで、第1開口23の開口径は、ソース/ドレイン領域24とソース/ドレインエクステンション領域25との境界(側壁絶縁膜27とソース/ドレイン領域24との境界)及び素子分離領域12とソース/ドレイン領域24との境界が第1エッチングストッパ膜4により覆われるような大きさに、設定されている。
【0032】
層間絶縁膜17には、第1開口23上に、第1セルコンタクトプラグ3が設けられている。第1セルコンタクトプラグ3は、第1開口23を埋めるように設けられており、ソース/ドレイン領域24(シリサイド層26)に接続されている。ここで、第1開口23の開口径は、第1セルコンタクトプラグ3の径よりも小さい。従って、第1セルコンタクトプラグ3の底部には、第1エッチングストッパ膜4によって段差が生じている。
【0033】
続いて、ロジック部分の構成について説明する。
【0034】
ロジック部分においても、電界効果型トランジスタ2が設けられている。また、ロジック部分においては、電界効果型トランジスタ2に加え、ゲート電極29が設けられている。ゲート電極29は、素子分離領域12上に設けられている。ゲート電極29は、ゲート電極21と同様に、その上部にシリサイド層22を有している。また、ゲート電極29の側部には、側壁絶縁膜27が設けられている。
【0035】
ロジック部分においても、電界効果型トランジスタ2及びゲート電極29を覆うように、第1エッチングストッパ膜4が設けられている。第1エッチングストッパ膜4には、ソース/ドレイン領域24及びゲート電極29を露出させる、第2開口30が設けられている。層間絶縁膜17には、第2開口30上に、第2セルコンタクトプラグ13が埋め込まれている。
【0036】
第2開口30の開口径は、第1開口23の開口径よりも大きい。第2セルコンタクトプラグ13の底部には、段差は生じていない。ロジック部分は、高速動作することが要求される。第2開口30の開口径を大きくすることにより、第2セルコンタクトプラグ13とソース/ドレイン領域24(シリサイド層26)との間の接触抵抗を小さくすることができる。また、ゲート電極29と第2セルコンタクトプラグ13との間の接触抵抗が小さくすることができる。従って、高速動作に対応することが可能となる。
【0037】
続いて、本実施形態に係る半導体装置20の製造方法について説明する。図5は、半導体装置20の製造方法を示す概略断面図である。
【0038】
まず、半導体基板1を用意する。そして、図5(a)に示されるように、半導体基板1に、素子分離領域12、拡散層28、ゲート電極21及びゲート電極29、シリサイド層22、側壁絶縁膜27を形成する。その後、全面に第1エッチングストッパ膜4を堆積させる。第1エッチングストッパ膜4は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、堆積される。CVD法を用いることは、窒素注入などの手法によって第1エッチングストッパ膜4を形成する場合に比べ、トランジスタ特性に与える影響が小なく、好ましい。
【0039】
次いで、図5(b)に示されるように、第1エッチングストッパ膜4に、第1開口23及び第2開口30を形成する。この際、第1開口23は、第2開口30よりも小さい開口径となるように、形成される。また、第1開口23及び第2開口30は、ソース/ドレイン領域24とソース/ドレインエクステンション領域25との境界部分、及びソース/ドレイン領域24と素子分離領域12との境界部分が確実に第1エッチングストッパ膜4により被覆されるような開口径で、形成される。
【0040】
次いで、図5(c)に示されるように、全面に層間絶縁膜17が堆積される。そして、エッチングにより、層間絶縁膜17に、第1セルコンタクトプラグ用開口31及び第2セルコンタクトプラグ用開口32が形成される。第1セルコンタクトプラグ用開口31は、第1開口23よりも大きな開口径で、形成される。ソース/ドレイン領域24とソース/ドレインエクステンション領域25(側壁絶縁膜27)との境界部分は第1エッチングストッパ膜4により完全に覆われているため、セルコンタクトプラグ用の開口を形成する際に、側壁絶縁膜27の端部が削られてしまうことはない。同様に、素子分離領域12とソース/ドレイン領域24との境界部分も第1エッチングストッパ膜4により完全に覆われているため、素子分離領域12の端部が削られてしまうことはない。従って、リークパスの発生が防止される。
【0041】
その後、第1セルコンタクトプラグ用開口31及び第2セルコンタクトプラグ用開口32に、それぞれ、導電性の第1セルコンタクトプラグ3及び第2セルコンタクトプラグ13が埋め込まれる。これらセルコンタクトプラグを埋め込む際には、RFエッチングが行われることがある。このRFエッチング時においても、側壁絶縁膜27の端部や素子分離領域12の端部がエッチングされてしまうことが懸念される。しかし、本実施形態では、ソース/ドレイン領域24とソース/ドレインエクステンション領域25との境界部分、及びソース/ドレイン領域24と素子分離領域12との境界部分が第1エッチングストッパ膜4により被覆されている。従って、側壁絶縁膜27の端部及び素子分離領域12の端部がエッチングされてしまうことはない。
【0042】
その後、第1層、第2層、及び第3層が形成され、図3Aに示した半導体装置20が得られる。
【0043】
続いて、本実施形態の作用について説明する。
【0044】
本実施形態では、第1エッチングストッパ膜4に開口(第1開口23、第2開口30)を形成する工程と、層間絶縁膜17に開口(セルコンタクトプラグ用開口31、32)を形成する工程とが別々に行われる。そのため、第1開口23の開口径を、第1セルコンタクトプラグ用開口31の開口径よりも小さくすることができる。その結果、ソース/ドレイン領域24とソース/ドレインエクステンション領域25との境界部分(側壁絶縁膜27とソース/ドレインエクステンション領域25との境界部分)を確実に第1エッチングストッパ膜4で保護することができる。同様に、ソース/ドレイン領域24と素子分離領域12との境界部分も、第1エッチングストッパ膜4によって確実に保護される。従って、側壁絶縁膜27の端部及び素子分離領域12の端部が削られてしまうことが防止され、リークパスの発生を防止することができる。セルコンタクト用プラグ3を埋設する際にRFエッチングが行われる場合があるが、この際にも、側壁絶縁膜27の端部及び素子分離領域12の端部が削られてしまうことが防止され、リークパスの発生を防止することができる。
【0045】
図6Aは、第1開口23の位置が素子分離領域12側にずれた場合の様子を示す断面図である。本実施形態では、第1開口23の開口径が第1セルコンタクトプラグ3の径よりも小さい。従って、第1開口23の位置が多少ずれたとしても、ソース/ドレイン領域24と素子分離領域12との境界部分は、第1開口23によって保護される。従って、第1エッチングストッパ膜4のエッチング時等に素子分離領域12の端部が削られてしまうことが防止される。
【0046】
図6Bは、第1開口23の位置がゲート電極21側にずれた場合の様子を示す断面図である。本実施形態では、第1開口23の開口径が第1セルコンタクトプラグ3よりも小さい。従って、第1開口23の位置が多少ずれたとしても、側壁絶縁膜27とソース/ドレイン領域24との境界部分は、第1エッチングストッパ膜4によって保護される。従って、第1エッチングストッパ膜4のエッチング時に側壁絶縁膜27の端部が削られてしまうことが防止される。
【0047】
図6Cは、第1セルコンタクトプラグ用開口31の位置が素子分離領域12側にずれた場合の様子を示す断面図である。本実施形態では、ソース/ドレイン領域24と素子分離領域12との境界部分が第1エッチングストッパ膜4によって確実に保護される。従って、第1セルコンタクトプラグ用開口31の位置が多少ずれたとしても、第1セルコンタクトプラグ用開口31を形成するためのエッチングを行う時に、素子分離領域12の端部が削られることはない。
【0048】
図6Dは、第1セルコンタクトプラグ用開口31の位置がゲート電極21側にずれた場合の様子を示す断面図である。本実施形態では、ソース/ドレイン領域24と側壁絶縁膜27との境界部分が第1エッチングストッパ膜4によって確実に保護される。従って、第1セルコンタクトプラグ用開口の位置が多少ずれたとしても、第1セルコンタクトプラグ用開口31を形成するときに、側壁絶縁膜27の端部が削られることはない。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、ソース/ドレイン領域24の端部が第1エッチングストッパ膜4により確実に保護される。従って、第1セルコンタクトプラグを形成するためのエッチング時に、素子分離領域12の端部及び側壁絶縁膜27の端部が削られてしまうことがない。これにより、リークパスの発生が防止される。
【0050】
また、本実施形態では、ロジック部分における第2開口30の開口径が、DRAM部分における第1開口の開口径よりも、大きく設定される。その結果、ロジック部分では、電界効果型トランジスタ2とセルコンタクトプラグ(第2セルコンタクトプラグ13)とを低抵抗で接続することができる。従って、ロジック部分に求められる高速動作要求に対応することができる。
【0051】
尚、本実施形態で説明された半導体装置20では、図3Aに示したように、ビットライン6の上に容量素子(下部電極8、容量絶縁膜9、第1上部電極10、及び第2上部電極11)が形成されている。すなわち、本実施形態で説明された半導体装置20は、COB(Capacitor Over Bitline)構造を有するDRAMである。しかし、半導体装置20は、必ずしもCOB構造を有するものに限定されない。半導体装置20として、例えば、CUB(Capacitor Under Bitline)構造を有するDRAMが用いられてもよい。また、本実施形態では、半導体装置20として、DRAM部分とロジック部分とが混載された装置について説明したが、必ずしもDRAM部分とロジック部分が混載されている必要はない。また、本実施形態では、半導体装置20としてDRAMについて説明したが、必ずしも半導体装置20としてDRAMが用いられる必要はない。電界効果型トランジスタ2及びセルコンタクトプラグを含むものであれば、DRAM以外の装置が用いられてもよい。
【0052】
尚、リークパスを防止するために、層間絶縁膜17を形成した後、小さい開口径でセルコンタクトプラグ用開口を形成する手法が考えられる。この際、層間絶縁膜17と第1エッチングストッパ膜4を同時にエッチングすることが考えられる。しかし、このような手法では、高いアスペクト比で層間絶縁膜17をエッチングしなければならない。高いアスペクト比を得るためには、層間絶縁膜17がエッチングされ易い条件でエッチングを行う必要があり、過酷な条件でエッチングを行う必要がある。そのような過酷な条件に耐えうるように、エッチングレジストの厚みを厚くする必要がある。しかし、エッチングレジストを厚くすれば、高いアスペクト比が得られにくくなる。すなわち、リソグラフィー技術、エッチング技術、及び埋設技術として、高度な技術が要求される。これに対して、本実施形態では、第1セルコンタクトプラグ用開口31の開口径を小さくする必要はないので、製造時における難易度を下げることが可能である。また、第1開口23を形成する際には、第1エッチングストッパ膜4だけをエッチングすればよい。第1エッチングストッパ膜4の膜厚は、層間絶縁膜17と比較して十分に薄くすることが可能であり、エッチング時間も短くすることも可能である。従って、エッチングレジストの膜厚を薄くすることができる。すなわち、第1開口23の開口径を小さくすることは、容易である。
【0053】
リークパスを防止するため、セルコンタクトプラグ用の開口を形成した後に、イオン注入が行われる場合がある。この場合には、イオン注入のためのリソグラフィー工程が追加される。本実施形態では、リークパスが防止されるため、そのようなイオン注入処理は必要がない。注入する部分を開口するためのリソグラフィー工程を削減することができる。また、隣接するセルトランジスタのオフ電流低減効果およびLowering改善効果も期待できるため、更なる高集積化も可能になる。
【符号の説明】
【0054】
1 半導体基板
2 電界効果型トランジスタ
3 第1セルコンタクト
4 第1エッチングストッパ膜
5 ビットコンタクト
6 ビットライン
7 第2ストッパー窒化膜
8 下部電極
9 容量絶縁膜
10 第1上部電極
11 第2上部電極
12 素子分離領域
13 第2セルコンタクトプラグ
14 容量コンタクト
15 スタックコンタクト
16 配線
17 層間絶縁膜
20 半導体装置
21 ゲート電極
22 シリサイド層
23 第1開口
24 ソース/ドレイン領域
25 ソース/ドレインエクステンション領域
26 シリサイド層
27 側壁絶縁膜
28 ソース又はドレイン領域
29 ゲート電極
30 第2開口
31 第1セルコンタクトプラグ用開口
32 第2セルコンタクトプラグ用開口
100 半導体装置
101 ゲート電極
102 側壁絶縁膜
103 エッチングストッパ膜
104 層間絶縁膜
105 ソース又はドレイン領域
106 半導体基板
107 セルコンタクトプラグ
108 素子分離領域
109 シリサイド層
110 シリサイド層
111 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート絶縁膜を介して半導体基板上に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極の側部に設けられた側壁絶縁膜と、
前記半導体基板内における前記ゲート絶縁膜を挟むような位置に形成され、前記側壁絶縁膜により覆われた被覆領域と前記側壁絶縁膜により覆われていない露出領域とを有する、ソース又はドレイン領域と、
前記ゲート電極及び前記側壁絶縁膜を覆うように形成された、エッチングストッパ膜と、
前記半導体基板上に、前記エッチングストッパ膜を埋め込むように設けられた、層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜を貫通するように設けられ、前記露出領域に接続される、第1セルコンタクトプラグと、
を具備し、
前記エッチングストッパ膜は、前記被覆領域と前記露出領域との境界部分が完全に覆われるように、前記露出領域の一部を覆っている
半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体装置であって、
更に、
前記半導体基板内に設けられた素子分離領域
を具備し、
前記露出領域は、前記素子分離領域と接しており、
前記エッチングストッパ膜は、前記素子分離領域を被覆するように設けられており、
前記エッチングストッパ膜は、前記素子分離領域と前記露出領域との境界部分が完全に覆われるように、前記素子分離領域から前記露出領域の一部にまで伸びている
半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された半導体装置であって、
前記エッチングストッパ膜には、前記第1セルコンタクトプラグと前記露出領域とを接続させる第1開口が形成されており、
前記第1開口の開口径は、前記第1セルコンタクトプラグの径よりも、小さい
半導体装置。
【請求項4】
請求項3に記載された半導体装置であって、
更に、
前記半導体基板上に設けられた、電極素子と、
前記層間絶縁膜を貫通し、前記電極素子に接続される、第2セルコンタクトプラグと、
を具備し、
前記エッチングストッパ膜は、前記電極素子を被覆するように形成され、
前記エッチングストッパ膜には、前記第2セルコンタクトプラグを前記電極素子に接続させる、第2開口が設けられており、
前記第2開口の開口径は、前記第1開口の開口径よりも、大きい
半導体装置。
【請求項5】
ゲート絶縁膜を介して半導体基板上にゲート電極を形成する工程と、
前記半導体基板内における前記ゲート絶縁膜を挟むような位置に、ソース又はドレイン領域を形成する工程と、
前記ゲート電極の側部に、前記ソース又はドレイン領域に前記側壁絶縁膜により覆われた被覆領域と前記側壁絶縁膜により覆われていない露出領域とが形成されるように、側壁絶縁膜を形成する工程と、
前記ゲート電極、前記側壁絶縁膜、及び前記露出領域を覆うように、エッチングストッパ膜を形成する工程と、
前記露出領域の一部が露出するように、前記エッチングストッパ膜に第1開口を形成する工程と、
前記エッチングストッパ膜上に、層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜における前記第1開口に対応する位置をエッチングし、第1セルコンタクトプラグ用開口を形成する工程と、
前記第1セルコンタクトプラグ用開口及び前記第1開口に、第1セルコンタクトプラグを埋め込む工程と、
を具備し、
前記第1開口を形成する工程は、前記第1開口を、前記被覆領域と前記露出領域との境界部分が前記エッチングストッパ膜により完全に覆われるような開口径で、形成する工程を含んでいる
半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載された半導体装置の製造方法であって、
更に、
前記半導体基板内に、素子分離領域を形成する工程、
を具備し、
前記ソース又はドレイン領域を形成する工程は、前記露出領域が前記素子分離領域に接するように、前記ソース又はドレイン領域を形成する工程を備え、
前記エッチングストッパ膜を形成する工程は、前記素子分離領域を被覆するように前記エッチングストッパ膜を形成する工程を含み、
前記第1開口を形成する工程は、前記第1開口を、前記素子分離領域と前記露出領域との境界部分が完全に覆われるような開口径で、形成する工程を含んでいる
半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載された半導体装置の製造方法であって、
前記第1セルコンタクトプラグ用開口を形成する工程は、前記第1開口よりも大きな開口径で、前記第1セルコンタクト用プラグ開口を形成する工程を含んでいる
半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載された半導体装置の製造方法であって、
更に、
前記半導体基板上に、電極素子を形成する工程と、
前記エッチングストッパ膜に、第2開口を形成する工程と、
前記層間絶縁膜における前記第2開口に対応する位置をエッチングし、第2セルコンタクトプラグ用開口を形成する工程と、
前記第2セルコンタクトプラグ用開口及び前記第2開口に、第2セルコンタクトプラグを埋め込む工程と、
を具備し、
前記エッチングストッパ膜を形成する工程は、前記電極素子を被覆するように、前記エッチングストッパ膜を形成する工程を有し、
前記第2開口を形成する工程は、前記第2開口を、前記電極素子の一部が露出するように、形成する工程を含み、
前記第2開口を形成する工程は、前記第1開口の開口径よりも大きい開口径で、前記第2開口を形成する工程を含んでいる
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項5乃至8の何れかに記載された半導体装置の製造方法であって、
前記エッチングストッパ膜を形成する工程は、前記エッチングストッパ膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成する工程を有している
半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【公開番号】特開2012−43868(P2012−43868A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181981(P2010−181981)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】