説明

正のアロステリックなモジュレーターとしてのアミド誘導体およびこれらの使用方法

本発明は、ニューロンのニコチン性受容体の正のアロステリックなモジュレーターである新規なアミド誘導体、それを含む組成物、このような化合物の調製方法、ならびにこのような化合物および組成物の使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューロンのニコチン性受容体の正のアロステリックなモジュレーターである新規なアミド誘導体、これを含む組成物、ならびにこのような化合物および組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は、リガンド開口型イオンチャネル(LGIC)のスーパーファミリーに属し、カチオンの流れをゲート開閉し、これはアセチルコリン(ACh)により制御される。nAChRは、筋接合部のニコチン性受容体、およびニューロンのニコチン性受容体(NNR)に分けることができる。NNRは、中枢神経系(CNS)および末梢神経系(PNS)に広く分布している。NNRは、CNSの機能ならびに多くの神経伝達物質、例えば、ACh、ノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンおよびGABAの放出を調節し、特に、広範囲にわたる生理作用を生じることにおいて重要な役割を果たしている。
【0003】
nAChRは、一般に、中枢のイオンチャネルを囲むタンパク質サブユニットから構成される五量体の集合体である。16種のサブユニットが、現在までに報告されており、これらは、α2−α10、β1−β4、γ、δおよびεと識別される。これらのサブユニットのうち、α2からα7およびβ2からβ4は、哺乳動物の脳内で高度に発現される。他の機能的に異なるnAChR複合体も存在し、例えば、5つのα7サブユニットはホモマーの機能のペンタマーとして受容体を形成することができ、または異なるサブユニットの組合せはα4β2およびα3β4の受容体の場合(例えば、Paterson,D.他、Prog.Neurobiol.2000年、61、75−111頁;Hogg,R.C.他、Rev.Physiol.、Biochem.Pharmacol.、2003年、147、1−46頁;Gotti,C.他、Prog.Neurobiol.、2004年、74、363−396頁を参照されたい。)のように一緒に複合化することができる。
【0004】
ホモマーのα7受容体は、α4β2受容体とともに、ヒトの脳内において最も豊富なニコチン性受容体の1つであり、海馬、皮質、視床核、腹側被蓋野および黒質に発現する(例えば、Broad,L.M.他、Drugs of the Future、2007年、32(2)、161−170頁を参照されたい。)。
【0005】
CNS中のニューロン信号伝達におけるα7NNRの役割も、活発に調査されている(例えば、Couturier,S.他、Neuron、1990年、5、847−56頁を参照されたい。)。α7NNRは、介在ニューロンの興奮性を調節し、興奮性および抑制性の神経伝達物質の放出を調節し、細胞の損傷の実験的なインビトロモデルにおいて神経保護効果をもたらすことが示されている(例えば、Alkondon,M.他、Prog.Brain Res.、2004年、145、109−20頁を参照されたい。)。
【0006】
生物物理学的な研究は、α7サブユニットを含むイオンチャネルが、異種発現系において発現した場合に迅速に活性化および脱感作し、そのうえ、他のNNRの組合せに比べて比較的より高いカルシウム透過性を示すことを表している(例えば、Dajas−Bailador,F.他、Trends Pharmacol.Sci.、2004年、25、317−24頁を参照されたい。)。
【0007】
NMRsは、一般に、学習、記憶、注意等の様々な認知機能に、したがって、CNS障害、すなわち、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、注意欠陥多動障害(ADHD)、トゥレット症候群、統合失調症、双極性障害、疼痛、TNF−α放出、炎症およびタバコ依存性に関与する(例えば、Keller,J.J.他、Behav.Brain Res.、2005年、162、143−52頁;Gundish,D.、Expert Opin.Ther.Patents、2005年、15(9)、1221−1239頁;De Luca,V.他、Acta Psychiatr.Scand.、2006年、114、211−5頁;Wong,H.他、Nature、2003年、421、384頁;Pavlov,V.A.他、Biochem.Soc.Trans.、2006年、34(6)、1037頁を参照されたい。)。
【0008】
より詳細には、α7NMRsは、注意欠陥障害、ADHD、AD、軽度認知障害(MCI)、老年認知症、レビー小体に関連する認知症、ダウン症候群に伴う認知症、エイズ認知症、ピック病および統合失調症に伴う認知障害に関連する状態および障害に関連している(例えば、Martin,L.F.他、Psychopharmacology(Berl)、2004年、174、54−64頁;Romanelli,M.N.他、Exp.Opin.Ther.Patents、2007年、17(11)、1365−1377頁を参照されたい。)。α7NNRは、ADの疾患進行を遅らせることも報告されている(D’Andrea,M.R.他、Curr.Pharm.Des.、2006、12、677−84頁)。
【0009】
したがって、α7NNRの活性の調節は、例えば、学習、記憶および注意の態様を包含する認知機能を含む、根底にある病理をもつ、AD、他の認知症、統合失調症および神経変性等の、上述の様々な疾患を予防および治療する有望な可能性を示している(例えば、Gotti,C.他、Curr.Pharm.Des.、2006年、12、407−428頁を参照されたい。)。
【0010】
NNRリガンドは、禁煙、体重管理においておよび潜在的な鎮痛剤として関係することも示唆されている(例えば、Balbani,A.P.S.他、Exp.Opin.Ther.Patents、2003年、13(7)、287−297頁;Gurwitz,D.、Exp.Opin.Invest.Drugs、1999年、8(6)、747−760頁;Vincler,M.、Exp.Opin.Invest.Drugs、2005年、14(10)、1191−1198頁;Bunnelle,W.H.他、Exp.Opin.Ther.Patents、2003年、13(7)、1003−1021頁;Decker,M.W.他、Exp.Opin.Invest.Drugs、2001年、10(10)、1819−1830頁;Vincler,M.他、Exp.Opin.Ther.Targets、2007年、11(7)、891−897頁を参照されたい。)。
【0011】
ニコチンは、注意および認知の能力を向上させ、不安を低減させ、知覚のゲート開閉を向上させ、投与時に鎮痛および神経保護の効果をもたらすことが知られている。このような効果は、様々なニコチン性受容体のサブタイプにおけるニコチンの非選択的効果により媒介される。しかし、ニコチンは、心血管および胃腸管の問題等の不利な結果ももたらす。したがって、サブタイプ選択性のニコチン性リガンドは、望まれない効果を伴わずに、ニコチンの有益な効果を有することができる可能性がある。
【0012】
PNU−282987およびSSR180711A等の、報告されたNNRリガンドの例は、α7NNRアゴニストである(例えば、Hajos,M.他、J.Pharmacol.Exp.Ther、2005年、312、1213−22頁;Pichat,P.他、Society for Neuroscience Abstract、2004年、number 583.3を参照されたい。)。
【0013】
別の化合物AR−R17779は、社会的認識、水迷路または認知領域の抑制回避モデルにおけるラットの能力を改善することが報告されている(Van Kampen,M.、他、Psychopharmacology(Berl)、2004年、172、375−83頁)。AR−R17779は、報告によれば、ラットにおける学習および記憶についての提案された細胞モデルにおいて、海馬の長期増強(LTP)の誘導も促進する(Hunter,B.E.他、Neurosci.Lett.、1994年、168、130−4頁)。化合物A−582941、α7NNRアゴニストは、ADおよび統合失調症等の神経変性疾患を伴う認知能力を向上させることが示されている(Bitner,R.S.他、J.Neuroscience、2007年、27(39)、10578−10587頁)。
【0014】
NNRリガンドの有益な効果にもかかわらず、NNRに影響を及ぼすアゴニストによる長期的治療が、NNRの持続的な活性化および脱感作により最適以下の利益をもたらし得るかどうかは不確かなままである。アゴニストと対照的に、正のアロステリックなモジュレーター(PAM)を投与することにより、目標受容体を直接的に刺激することなく内因性のコリン作動性伝達を強化することができる(例えば、Albuquerque,E.X.他、Alzheimer Dis.Assoc.Disord.2001年、15 Suppl 1、S19−25を参照されたい。)。ニコチン性PAMは、α7NNRにおけるAChの活性を選択的に調節することができる。それゆえに、つい最近、α7NNR選択性PAMが登場した(例えば、Faghih,R.他、Recent Patents on CNS Drug Discovery、2007年、2(2)、99−106頁を参照されたい。)。
【0015】
したがって、アゴニストのようにα7NNRを直接的に活性化することなく内因性のコリン作動性神経伝達を強化することができるPAMにより内在性の神経伝達物質アセチルコリンの効果を向上させることによって、α7NNRの機能を対象に定めたことは有益になる。実際に、チャネル活性を向上させるためのPAMは、ベンゾジアゼピン、バルビツール酸塩および神経ステロイドが明確な部位で作用するPAMとして振舞うGABA受容体に対して、臨床的に好結果であることが証明されている(例えば、Hevers,W.他、Mol.Neurobiol.、1998年、18、35−86頁を参照されたい。)。
【0016】
現在のところ、5−ヒドロキシインドール(5−HI)、イベルメクチン、ガランタミン、ウシ血清アルブミンおよびSLURP−1、アセチルコリンステラーゼ(AChE)由来のペプチド等のいくつかのNNRのPAMのみが知られている。最近、ゲニステイン、キナーゼ抑制剤が、α7の応答を増大させることが報告され、PNU−120596、尿素誘導体が、AChの効能および最大効力を増大させ、ラット中のアンフェタミンにより誘導される聴覚のゲート開閉の欠陥を改善することが報告されている。他のNNRのPAMは、キヌクリジン、インドール、ベンゾピラゾール、チアゾールおよびベンゾイソチアゾールの誘導体を包含する(例えば、Hurst,R.S.他、J.Neurosci.、2005年、25、4396−4405頁;Broad,L.M.他、Drugs of the Future、2007年、32(2)、161−170頁;US7160876を参照されたい。)。
【0017】
したがって、α7NNRを伴う状態を治療または予防するための新規なNNRのPAMおよび組成物を確認および製造することは有益である。このような化合物が、α7NNRを選択的に調整することによりニューロンのニコチン性受容体を対象とする化合物に伴う不利な効果を低減させつつ、改善された治療の効力をもたらすことができるならば、そのことは、さらに、特に有益である。
【0018】
したがって、本発明の様々な実施形態は、α7NNRのPAMの活性を示す新規なアミド誘導体を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第7160876号明細書
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】Paterson,D.他、Prog.Neurobiol.2000年、61、75−111頁
【非特許文献2】Hogg,R.C.他、Rev.Physiol.、Biochem.Pharmacol.、2003年、147、1−46頁
【非特許文献3】Gotti,C.他、Prog.Neurobiol.、2004年、 74、363−396頁
【非特許文献4】Broad,L.M.他、Drugs of the Future、2007年、32(2)、161−170頁
【非特許文献5】Couturier,S.他、Neuron、1990年、5、847−56頁
【非特許文献6】Alkondon,M.他、Prog.Brain Res.、2004年、145、109−20頁
【非特許文献7】Dajas−Bailador,F.他、Trends Pharmacol.Sci.、2004年、25、317−24
【非特許文献8】Keller,J.J.他、Behav.Brain Res.、2005年、162、143−52頁
【非特許文献9】Gundish,D.、Expert Opin.Ther.Patents、2005年、15(9)、1221−1239頁
【非特許文献10】De Luca,V.他、Acta Psychiatr.Scand.、2006年、114、211−5頁
【非特許文献11】Wong,H.他、Nature、2003年、421、384頁
【非特許文献12】Pavlov,V.A.他、Biochem.Soc.Trans.、2006年、34(6)、1037頁
【非特許文献13】Martin,L.F.他、Psychopharmacology(Berl)、2004年、174、54−64頁
【非特許文献14】Romanelli,M.N.他、Exp.Opin.Ther.Patents、2007年、17(11)、1365−1377頁
【非特許文献15】D’Andrea,M.R.他、Curr.Pharm.Des.、2006年、12、677−84頁
【非特許文献16】Gotti,C.他、Curr.Pharm.Des.、2006年、12、407−428頁
【非特許文献17】Balbani,A.P.S.他、Exp.Opin.Ther.Patents、2003年、13(7)、287−297頁
【非特許文献18】Gurwitz,D.、Exp.Opin.Invest.Drugs、1999年、8(6)、747−760頁
【非特許文献19】Vincler,M.、Exp.Opin.Invest.Drugs、2005年、14(10)、1191−1198頁
【非特許文献20】Bunnelle,W.H.他、Exp.Opin.Ther.Patents、2003年、13(7)、1003−1021頁
【非特許文献21】Decker,M.W.他、Exp.Opin.Invest.Drugs、2001年、10(10)、1819−1830頁
【非特許文献22】Vincler,M.他、Exp.Opin.Ther.Targets、2007年、11(7)、891−897頁
【非特許文献23】Hajos,M.他、J.Pharmacol.Exp.Ther、2005年、312、1213−22頁
【非特許文献24】Pichat,P.他、Society for Neuroscience Abstract、2004年、number 583.3
【非特許文献25】Van Kampen,M.、他、Psychopharmacology(Berl)、2004年、172、375−83頁
【非特許文献26】Hunter,B.E.他、Neurosci.Lett.、1994年、168、130−4頁
【非特許文献27】Bitner,R.S.他、J.Neuroscience、2007年、27(39)、10578−10587頁
【非特許文献28】Albuquerque,E.X.他、Alzheimer Dis.Assoc.Disord.、2001年、15 Suppl 1、S19−25
【非特許文献29】Faghih,R.他、Recent Patents on CNS Drug Discovery、2007年、2(2)、99−106頁
【非特許文献30】Hevers,W.他、Mol.Neurobiol.、1998年、18、35−86頁
【非特許文献31】Hurst,R.S.他、J.Neurosci.、2005年、25、4396−4405頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
(発明の要旨)
ある実施形態は、式(I)
【0022】
【化1】

の化合物(式中、
Aは、−C(O)NH−または−NHC(O)−であり、
、RおよびRは、独立して、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキルまたはハロゲンであり、
存在するそれぞれのRは、独立して、アシルオキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンまたはヒドロキシであり、
nは、0、1、2、3または4であり、
は、水素またはハロゲンであり、
およびRは、RまたはRの少なくとも1つがNRであるという条件で、独立して、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲンまたはNRであり、
およびRは、独立して、水素、アルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールアルキル、複素環もしくは複素環アルキルであり、またはR、Rおよびこれらが結合している窒素原子は、場合によって置換されている単環式ヘテロアリールもしくは場合によって置換されている単環式複素環を形成している。)
またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグに関する。
【0023】
別の実施形態は、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグの使用方法に関する。
【0024】
なお別の実施形態は、式(I)の化合物もしくは式(I)の化合物の治療に有効な組成物またはこれらの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを用いた、NNRにより調節される状態および障害の治療方法を対象とする。
【0025】
さらなる実施形態は、治療有効量の式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを投与することを含む、その治療を必要とする患者におけるα7ニコチン性アセチルコリン受容体により調節される障害または状態を治療する方法を対象とする。
【0026】
別の実施形態は、同位体標識した形の式(I)の化合物を、内在性のα7NNRを発現する細胞または組換え型のα7NNRを発現する細胞と相互作用させ、このような細胞に対するこのような同位体標識した形の化合物の効果を測定することを含む、α7NNRの活性に関連する状態または障害を評価および診断する方法に関する。
【0027】
様々な実施形態により、細胞ベースの検定において、例えば、新規なα7NNRアゴニストまたはα7NNRのPAMを確認する目的のための未変性なα7NNR受容体を発現する細胞または組織を用いる高処理方式において、NNRの機能に関連する疾患または状態を、治療もしくは予防または両方をするための他の有用な目標化合物を確認するための、NNRリガンド、より詳細にはPAM化合物の使用も説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】最大下のAChに誘発されたα7電流の増強の応答が、濃度が増加するPAM(実施例17)の存在下で測定され、10μMの参照PAM(N’−[(2Z)−3−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−5−メチル−1,3−チアゾール−2(3H)−イリデン]−N,N−ジメチル尿素)の効果に規格化された濃度応答曲線のグラフ表示である。
【図2】PAM(実施例12)について同じ方法で得られた濃度応答曲線である。10μMの参照PAM(N’−[(2Z)−3−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−5−メチル−1,3−チアゾール−2(3H)−イリデン]−N,N−ジメチル尿素)の存在下で、最大下のAChにより得られた応答は、100%とみなされ、いかなるPAMもなく最大下のAChの応答は、0%とみなされる。規格化されたPAMの増強は、(X軸に沿って表された)試験モジュレーターの濃度の関数として、Y軸上にプロットされている。
【図3】媒体またはPAM(実施例20)で治療してから、マウス体内でホルマリンに暴露させた後の侵害防御応答(リッキング時間)のグラフ表示である。2期(ホルマリン注射後20−45分)において、この時間間隔における疼痛緩和を表すリッキング行動の著しい低下(68%)が観測された。
【図4】知覚のゲート開閉のT:C(試験:条件付け)比に対する、媒体またはPAM(実施例20)の効果のグラフ表示である。用量0.01μmol/kgで、T:C比は23.7±8.9%減少した。PAM(実施例20)により知覚のゲート開閉を改善するこの効果は、統合失調症患者が、関連性のある知覚刺激に集中し、暗雑音を無視できることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
用語の定義
任意の置換基において、または本発明の化合物、もしくは本明細書における任意の他の式の化合物において1回より多く現れる変数について、それぞれの存在に対する変数の定義は、すべての他の存在における変数の定義から独立している。置換基の組合せは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。安定な化合物は、反応混合物から有用な程度の純度で単離され得る化合物である。
【0030】
本明細書中および添付の特許請求の範囲において用いられるように、以下の用語は以下の意味を有する。
【0031】
「アセチル」の用語は、−C(O)CH基を意味する。
【0032】
「アシル」の用語は、本明細書において定義されるカルボニル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルキル基を意味する。アシルの代表例には、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチルおよび1−オキソペンチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
「アシルオキシ」の用語は、酸素原子を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアシル基を意味する。アシルオキシの代表例には、アセチルオキシ、プロピオニルオキシおよびイソブチリルオキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
「アルケニル」の用語は、2から10個の炭素、好ましくは2、3、4、5または6個の炭素を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を含有する、直鎖または分鎖の炭化水素を意味する。アルケニルの代表例には、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニルおよび3−デセニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
「アルコキシ」の用語は、酸素原子を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルキル基を指す。アルコキシの代表例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
「アルコキシアルコキシ」の用語は、本明細書において定義される別のアルコキシ基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシアルコキシの代表例には、tert−ブトキシメトキシ、2−エトキシエトキシ、2−メトキシエトキシおよびメトキシメトキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
「アルコキシアルキル」の用語は、本明細書において定義されるアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシアルキルの代表例には、tert−ブトキシメチル、2−エトキシエチル、2−メトキシエチルおよびメトキシメチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
「アルコキシカルボニル」の用語は、本明細書において定義されるカルボニル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシカルボニルの代表例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
「アルコキシイミノ」の用語は、イミノ基としても定義される−C(=NH)−基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシイミノの代表例には、イミノ(メトキシ)メチル、エトキシ(イミノ)メチルおよびtert−ブトキシ(イミノ)メチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
「アルコキシスルホニル」の用語は、本明細書において定義されるスルホニル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシスルホニルの代表例には、メトキシスルホニル、エトキシスルホニルおよびプロポキシスルホニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
「アルキル」の用語は、1から6個の炭素原子を含有する直鎖または分鎖の炭化水素を意味する。アルキルの代表例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
「アルキルカルボニル」の用語は、親の分子の部分に、本明細書において定義されるようなカルボニル基を介して付け加えられた、本明細書において定義されるようなアルキル基を指す。アルキルカルボニルの代表例には、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチルおよび1−オキソペンチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
「アルキルシクロアルキル」の用語は、本明細書において定義されるシクロアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルキル基を意味する。アルキルシクロアルキルの代表例には、4−エチルシクロヘキシル、3−メチルシクロペンチルおよび2−イソプロピルシクロプロピルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
「アルキルスルホニル」の用語は、本明細書において定義されるスルホニル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルキル基を意味する。アルキルスルホニルの代表例には、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
「アルキルチオ」の用語は、硫黄原子を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアルキル基を意味する。アルキルチオの代表例には、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオおよびヘキシルチオが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
「アミノ」の用語は、−NR9091を指し、式中、R90およびR91は、水素および本明細書において定義されるようなアルキルから独立して選択される。アミノの代表例には、アミノ、メチルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジイソプロピルアミノおよびジエチルアミノ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
「アルキニル」の用語は、2から10個の炭素原子、好ましくは2、3、4または5個の炭素を含有し、少なくとも1つの炭素−炭素の三重結合を含有する、直鎖または分鎖の炭化水素基を意味する。アルキニルの代表例には、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−ブチニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
「アミド」の用語は、本明細書において定義されるカルボニル基を介して親の分子の部分に付加された、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノの基を意味する。アミドの代表例には、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニルおよびエチルメチルアミノカルボニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
「アリール」の用語は、フェニル、二環式アリールまたは三環式アリールを意味する。二環式アリールは、ナフチル、シクロアルキルに融合したフェニル、またはシクロアルケニルに融合したフェニルである。二環式アリールは、フェニル環の中に含有される任意の利用可能な炭素原子を介して親の分子の部分に結合されていなければならない。二環式アリールの代表例には、ジヒドロインデニル、インデニル、ナフチル、ジヒドロナフタレニルおよびテトラヒドロナフタレニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。三環式アリールは、アントラセンもしくはフェナントレン、シクロアルキルに融合した二環式アリール、シクロアルケニルに融合した二環式アリール、またはフェニルに融合した二環式アリールである。三環式アリールは、フェニル環の中に含有される任意の炭素原子を介して親の分子の部分に結合されている。三環式アリール環の代表例には、アズレニル、ジヒドロアントラセニル、フルオレニルおよびテトラヒドロフェナントレニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明のアリール基は、アルコキシ、アルキル、アリールオキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロチオアルコキシ、ヒドロキシル、メルカプト、チオアルコキシ、チオシクロアルコキシおよびチオアリールオキシからなる群から独立して選択される、1、2または3個の置換基で置換され得る。
【0051】
「アリールアルキル」の用語は、本明細書において定義されるアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるアリール基を意味する。アリールアルキルの代表例には、ベンジル、2−フェニルエチルおよび3−フェニルプロピルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
「アリールオキシ」の用語は、親の分子の部分に酸素原子を介して付け加えられた、本明細書において定義されるようなアリール基を意味する。アリールオキシの代表例には、フェノキシおよびトリルオキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
「カルボニル」の用語は、−C(O)−基を意味する。
【0054】
「カルボキシ」の用語は、−COH基を意味する。
【0055】
「カルボキシアルキル」の用語は、親の分子の部分に、本明細書において定義されるようなアルキル基を介して付け加えられた、本明細書において定義されるようなカルボキシ基を意味する。カルボキシアルキルの代表例には、カルボキシメチル、2−カルボキシエチルおよび3−カルボキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
「シアノ」の用語は、炭素を介して親の分子の部分に付加された−CN基を意味する。
【0057】
「シアノアルキル」の用語は、アルキル基を介して親の分子の部分に付加された−CN基を意味する。「シアノアルキル」の代表例には、3−シアノプロピルおよび4−シアノブチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
「シクロアルコキシ」の用語は、親の分子の部分に酸素原子を介して付け加えられた、本明細書において定義されるようなシクロアルキル基を意味する。シクロアルコキシの代表例には、シクロヘキシルオキシおよびシクロプロポキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
「シクロアルコキシアルキル」の用語は、アルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるシクロアルコキシ基を意味し、アルキルは、本明細書において定義される通りである。シクロアルコキシアルキルの代表例には、シクロブトキシメチル、シクロペンチルオキシメチル、2−(シクロペンチルオキシ)エチルおよびシクロヘキシルオキシメチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
「シクロアルキル」の用語は、3から10個の炭素を含有する飽和した環状炭化水素基を意味する。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられる。
【0061】
シクロアルキルは、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アミド、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、フルオロアルコキシ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、フェニル、オキソ、−NR9899、(NR9899)カルボニル、−SON(R98)(R99)、−NR98(C=O)NR9899、−NR98(C=O)Oアルキルおよび−N(R98)SO(R99)からなる群から独立して選択される、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9個の置換基で置換されており、R98およびR99は、アシル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルシクロアルキル、アルキルスルホニル、アミド、アリール、シアノアルキル、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、複素環、水素、ホルミル、ヒドロキシおよびヒドロキシアルキルからそれぞれ独立して選択される。
【0062】
「シクロアルキルアルキル」の用語は、本明細書において定義されるアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるシクロアルキル基を意味する。シクロアルキルアルキルの代表例には、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘプチルメチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
「フルオロアルコキシ」の用語は、本明細書において定義されるアルコキシ基を介して親の分子の部分に付加された、少なくとも1個のフルオロ基を意味する。フルオロアルコキシの代表例には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシおよび2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
「ホルミル」の用語は、−C(O)H基を意味する。
【0065】
「ハロ」または「ハロゲン」の用語は、−Cl、−Br、−Iまたは−Fを意味する。
【0066】
「ハロアルコキシ」の用語は、親の分子の部分に、本明細書において定義されるようなアルコキシ基を介して付け加えられた、本明細書において定義されるような少なくとも1種のハロゲンを意味する。ハロアルコキシの代表例には、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
「ハロアルキル」の用語は、親の分子の部分に、本明細書において定義されるようなアルキル基を介して付け加えられた、本明細書において定義されるような少なくとも1種のハロゲンを意味する。ハロアルキルの代表例には、ジフルオロメチル、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチルおよび2−クロロ−3−フルオロペンチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
「ハロシクロアルキル」の用語は、本明細書において定義されるシクロアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義される少なくとも1個のハロゲンを意味する。ハロシクロアルキルの代表例には、フルオロシクロヘキシル、ブロモシクロプロピルおよびtrans−2,3−ジクロロシクロペンチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0069】
「ハロシクロアルキルアルキル」の用語は、アルキル基を介して親の分子の部分に結合された、本明細書において定義されるハロシクロアルキル基を意味する。ハロシクロアルキルアルキルの代表例には、(4−フルオロシクロヘキシル)メチルおよび(2,2−ジフルオロシクロブチル)メチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
「ハロチオアルコキシ」の用語は、親の分子の部分に、本明細書において定義されるようなチオアルコキシ基を介して付け加えられた、本明細書において定義されるような少なくとも1種のハロゲンを意味する。ハロチオアルコキシの代表例には、2−クロロエチルスルファンおよびトリフルオロメチルスルファンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
「ヘテロアリール」の用語は、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリールを意味する。単環式ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄からなる基から選択される少なくとも1種のヘテロ原子を含有する5または6員環である。5員環は2つの二重結合を含有し、6員環は3つの二重結合を含有する。5または6員環のヘテロアリールは、適切なバランスが維持されるという条件で、ヘテロアリール中に含有される任意の炭素原子または任意の置換可能な窒素原子を介して、親の分子の部分に接続される。単環式ヘテロアリールの代表例には、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリルおよびトリアジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。二環式ヘテロアリールは、フェニルに融合した単環式ヘテロアリール、またはシクロアルキルに融合した単環式ヘテロアリール、またはシクロアルケニルに融合した単環式ヘテロアリール、または単環式ヘテロアリールに融合した単環式ヘテロアリールからなる。二環式へテロアリールは、適切なバランスが維持されるという条件で、二環式ヘテロアリール中に含有される任意の炭素原子または任意の置換可能な窒素原子を介して、親の分子の部分に接続される。二環式ヘテロアリールの代表例には、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾオキサゾール、1,3−ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、シンノリニル、フロピリジン、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラン、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジン、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、キノリニル、キノキサリニルおよびチエノピリジニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
ヘテロアリール基は、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アミド、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルコキシ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ハロチオアルコキシ、フェニル、クロロフェニル、チオアルコキシ、チオシクロアルコキシ、チオアリールオキシ、ニトロおよび−NRからなる群から独立して選択される、1、2、3または4個の置換基で場合によって置換されており、RおよびRは、独立して、アシル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルシクロアルキル、アルキルスルホニル、アミド、アリール、シアノアルキル、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、複素環、水素、ホルミル、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルである。
【0073】
「ヘテロアリールアルキル」の用語は、本明細書において定義されるアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義されるヘテロアリールを意味する。
【0074】
「複素環」または「複素環式」の用語は、単環式複素環または二環式複素環を意味する。単環式複素環は、O、NおよびSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、3、4、5、6または7員環である。3または4員環は、O、NおよびSからなる群から選択される1個のヘテロ原子を含有する。5員環は、0または1個の二重結合、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含有する。6または7員環は、環が、置換基と一緒になった場合、芳香環を形成している置換基、ならびにO、NおよびSからなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子により互変異性化しないという条件で、0、1または2個の二重結合を含有する。単環式複素環は、単環式複素環の中に含有されている任意の炭素原子または任意の窒素原子を介して親の分子の部分に結合されている。単環式複素環の代表例には、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニルおよびトリチアニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。二環式複素環は、フェニル基に融合した単環式複素環、シクロアルキルに融合した単環式複素環、シクロアルケニルに融合した単環式複素環または単環式複素環に融合した単環式複素環である。二環式複素環は、単環式複素環の中に含有されている任意の炭素原子または任意の窒素原子を介して親の分子の部分に結合されている。二環式複素環の代表例には、1,3−ベンゾジオキソリル、1,3−ベンゾジチオリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾチエニル、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、ヘキサヒドロピロロ[3,4−b]ピロール−1(2H)−イル、テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6(2H,7H,7aH)−イルおよび1,2,3,4−テトラヒドロキノリニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
複素環は、水素で置換されている、またはアシル、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アミド、カルボキシ、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、オキソ、−NR9899、(NR9899)カルボニル、−SON(R98)(R99)、−NR98(C=O)NR9899、−NR98(C=O)Oアルキルおよび−N(R98)SO(R99)から独立して選択される、0、1、2、3、4、5、6、7、8もしくは9個の置換基で場合によって置換されており、R98およびR99は、それぞれ独立して、アシル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルシクロアルキル、アルキルスルホニル、アミド、アリール、シアノアルキル、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、複素環、水素、ホルミル、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルである。
【0076】
「複素環アルキル」の用語は、本明細書において定義されるアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義される複素環を意味する。複素環アルキルの代表例には、(ピロリジン−2−イル)メチル、2−(モルホリン−4−イル)エチルおよび(テトラヒドロフラン−3−イル)メチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」の用語は、−OH基を意味する。
【0078】
「ヒドロキシアルキル」の用語は、本明細書において定義されるアルキル基を介して親の分子の部分に付加された、本明細書において定義される少なくとも1個のヒドロキシ基を意味する。ヒドロキシアルキルの代表例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシペンチルおよび2−エチル−4−ヒドロキシヘプチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
「イミノ」の用語は、−C(=NH)−基を意味する。
【0080】
「メルカプト」の用語は、−SH基を意味する。
【0081】
「ニトロ」の用語は、−NO基を意味する。
【0082】
「オキソ」の用語は、(=O)を意味する。
【0083】
「チオアルコキシ」の用語は、親の分子の部分に硫黄原子を介して付け加えられた、本明細書において定義されるようなアルキル基を指す。チオアルコキシの代表例には、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオおよびヘキシルチオが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0084】
「チオシクロアルコキシ」の用語は、親の分子の部分に硫黄原子を介して付け加えられた、本明細書において定義されるようなシクロアルキル基を指す。チオシクロアルコキシの代表例には、シクロペンチルスルファンおよびシクロヘキシルスルファンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
「チオアリールオキシ」の用語は、親の分子の部分に硫黄原子を介して付け加えられる、本明細書において定義されるようなアリール基を意味する。チオアリールオキシの代表例には、チオフェノキシおよびトリルスルファンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
「非経口的」の用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、関節内の注射および点滴を含む投与のモデルを指す。
【0087】
「正のアロステリックなモジュレーター(PAM)」は、限定するものではないがACh等の内在性のリガンド、または外因的に投与されたアゴニストの活性を向上させる化合物を意味する。
【0088】
「薬学的に許容できる塩」または「塩」の用語は、妥当な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激およびアレルギー応答等がなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触しての使用に適しており、合理的な利益/危険比に相応で、これらの意図した使用に有効である、それらの塩を指す。薬学的に許容できる塩は、当技術分野において周知である。この塩は、遊離した塩基の官能基を適切な有機酸と反応させることにより、本発明の化合物の最終的な単離および精製の間にインサイチュで、または別々に調製され得る。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ぺクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物等のより低級なハロゲン化アルキル、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルの硫酸塩等のジアルキル硫酸塩、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの、塩化物、臭化物およびヨウ化物等の長鎖のハロゲン化物、ベンジルおよびフェネチルの臭化物および他のもの等のハロゲン化アリールアルキル等の薬剤で四級化され得る。これにより、水または油に可溶性または分散性の生成物が得られる。
【0089】
薬学的に許容できる酸付加塩を形成するために用いられ得る酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸等の無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸等の有機酸が挙げられる。塩基付加塩は、薬学的に許容できる金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩等の適切な塩基と、またはアンモニアまたは有機の第一級、第二級もしくは第三級のアミンと、カルボン酸含有部分を反応させることにより、本発明の化合物の最終的な単離および精製の間にインサイチュで調製され得る。薬学的に許容できる塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウムの塩等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属をベースとしたカチオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウムおよびエチルアンモニウム等を含む無毒性の第四級のアンモニアおよびアミンのカチオンを含むが、これらに限定されるものではない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアンモニウム、エタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、ピリジニウムおよびピペラジニウムが挙げられる。
【0090】
「薬学的に許容できるエステル」または「エステル」の用語は、インビボで加水分解する、本発明の化合物のエステルを指し、ヒトの体内で容易に分解して親の化合物またはこの塩を残すものが挙げられる。薬学的に許容できる無毒性の本発明のエステルの例には、CからCのアルキルエステルおよびCからCのシクロアルキルエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(I)の化合物のエステルは、従来の方法に従って調製され得る。薬学的に許容できるエステルは、酸および酢酸等のアルキルカルボン酸と、または酸および安息香酸等のアリールカルボン酸と、ヒドロキシ基を含有する化合物を反応させることにより、ヒドロキシ基に付け加えられ得る。カルボン酸基を含有する化合物の場合において、薬学的に許容できるエステルは、カルボン酸基を含有する化合物から、この化合物を、トリエチルアミンおよびハロゲン化アルキル等の塩基、例えばヨウ化メチル、ヨウ化ベンジル、ヨウ化シクロペンチルまたはアルキルトリフレートと反応させることにより調製される。これらは、この化合物を、塩酸等の酸およびエタノールまたはメタノール等のアルコールと反応させることによっても調製され得る。
【0091】
「薬学的に許容できるアミド」または「アミド」の用語は、アンモニア、第一級のCからCのアルキルアミン、第一級のCからCのアルキルアミン、第二級のCからCのジアルキルアミンおよび第二級のCからCのジアルキルアミンから得られる本発明の無毒性なアミドを指す。第二級アミンの場合において、アミンは、1個の窒素原子を含有する5または6員環のヘテロ環の形でもあり得る。式(I)の化合物のアミドは、従来の方法に従って調製され得る。薬学的に許容できるアミドは、第一級または第二級のアミン基を含有する化合物から、アミノ基を含有する化合物を、アルキル酸無水物、アリール酸無水物、ハロゲン化アシルまたはハロゲン化アロイルと反応させることにより調製され得る。カルボン酸基を含有する化合物の場合において、薬学的に許容できるアミドは、カルボン酸基を含有する化合物から、この化合物を、トリエチルアミン等の塩基、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはカルボニルジイミダゾール等の脱水剤、およびアルキルアミン、ジアルキルアミンと、例えば、メチルアミン、ジエチルアミンおよびピペリジンと反応させることにより調製される。これらは、この化合物を、硫酸等の酸および酢酸等のアルキルカルボン酸と、または酸および安息香酸等のアリールカルボン酸と、モレキュラーシーブを添加する等の脱水条件下で反応させることによっても調製され得る。組成物は、薬学的に許容できるプロドラッグの形の本発明の化合物を含有することができる。
【0092】
「薬学的に許容できるプロドラッグ」または「プロドラッグ」の用語は、妥当な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激およびアレルギー応答等がなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触しての使用に適しており、合理的な利益/危険比に相応で、これらの意図した使用に有効である、本発明の化合物のそれらのプロドラッグを表す。本発明のプロドラッグは、式(I)の親の化合物に、例えば血液中の加水分解により、インビボで速やかに変形され得る。徹底的な議論が、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems、the A.C.S.Symposium SeriesのV.14に、ならびにEdward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(1987年)に示されている。
【0093】
「薬学的に許容できる担体」または「担体」の用語は、無毒性、不活性固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、カプセル封入材料または任意の種類の製剤の助剤を意味する。薬学的に許容できる担体として作用することができる材料のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロース等の糖、コーンスターチおよびジャガイモ澱粉等の澱粉、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース等のセルロースおよびこの誘導体、粉末トラガント、モルト、ゼラチン、タルク、カカオバターおよび坐薬ワックス、落花生油、綿実油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、とうもろこし油および大豆油等の油、プロピレングリコール等のグリコール、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル、寒天、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤、アルギン酸、パイロジェン不含の水、等張食塩水、リンガー液、エチルアルコールならびにリン酸緩衝溶液であり、同様に、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の他の無毒性の相溶性潤滑剤の他に、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、調味料および香料、保存料、保存料および抗酸化剤は、製剤の当業者の判断に従って、組成物中に存在することもできる。
【0094】
「治療有効量」の語句は、任意の医学的治療に適用可能な合理的な利益/危険比で障害を治療するための化合物の十分な量を意味する。
【0095】
アスタリスクは、受容体の正確なサブユニットの組成が不確かであることを示すために用いられ、例えば、α3β4*は、他のサブユニットとの組合せのα3およびβ4のタンパク質を含有する受容体を示すものと一般に認識され得るが、本明細書において用いられるα7の用語は、正確なサブユニットの組成が確かでも不確かでもある受容体を含むことを意図される。例えば、本明細書で用いられるα7は、ホモマーの(α7)受容体、および少なくとも1つのα7サブユニットを含有するNNRを示すα7*受容体を包含する。
本発明の化合物
ある実施形態は、式(I)
【0096】
【化2】

の化合物(式中、
Aは、−C(O)NH−または−NHC(O)−であり、
、RおよびRは、独立して、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキルまたはハロゲンであり、
存在するそれぞれのRは、独立して、アシルオキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択され、
nは、0、1、2、3または4であり、
は、水素またはハロゲンであり、
およびRは、RまたはRの少なくとも1つがNRであるという条件で、独立して、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲンまたはNRであり、
およびRは、独立して、水素、アルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールアルキル、複素環もしくは複素環アルキルであり、またはR、Rおよびこれらが結合している窒素原子は、場合によって置換されている単環式ヘテロアリールもしくは場合によって置換されている単環式複素環を形成している。)
またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグに関する。
【0097】
別の実施形態は、Aが−C(O)NH−である、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0098】
別の実施形態は、Aが−NHC(O)−である、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0099】
別の実施形態は、R、RおよびRが、独立して、水素またはハロゲンである、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0100】
別の実施形態は、Rが、アシルオキシ、アルコキシ、ハロゲンまたはヒドロキシであり、nが1である、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。本発明の別の実施形態において、ハロゲンは、フッ素または塩素である。
【0101】
別の実施形態は、Rが水素である、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0102】
別の実施形態は、Rがフッ素である、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。別の実施形態は、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、RおよびRが、水素、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールアルキルおよび複素環から独立して選択される、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。本発明の別の実施形態において、RおよびRの1つはアルキルであり、もう1つは水素またはアルキルである。
【0103】
別の実施形態は、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、RおよびRならびにこれらが結合している窒素原子が、単環式ヘテロアリールを形成している、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。本発明のさらなる実施形態において、単環式ヘテロアリールは、イミダゾール、ピラゾールおよびピロールである。
【0104】
別の実施形態は、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、RおよびRならびにこれらが結合している窒素原子が、単環式複素環を形成している、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。本発明の実施形態において、単環式複素環は、アゼチジン、ジアゼパン、ピペリジンおよびピロリジンである。
【0105】
別の実施形態は、Aが−C(O)NH−であり、Rが、水素またはフッ素であり、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、Rがアルキルであり、Rが、水素またはアルキルである、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0106】
別の実施形態は、Aが−C(O)NH−であり、Rが、水素またはフッ素であり、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、Rが、水素またはアルキルであり、Rが、アルキルカルボニルまたはアルキルスルホニルである、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0107】
別の実施形態は、Aが−C(O)NH−であり、Rが、水素またはフッ素であり、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、RおよびRならびにこれらが結合している窒素原子が、単環式複素環を形成している、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0108】
別の実施形態は、Aが−C(O)NH−であり、Rが、水素またはフッ素であり、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、RおよびRならびにこれらが結合している窒素原子が、単環式ヘテロアリールを形成している、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0109】
別の実施形態は、Aが−NHC(O)−であり、Rが、水素またはフッ素であり、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、RおよびRが、独立して、水素、アルコキシカルボニル、アルキルまたはハロアルキルである、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0110】
別の実施形態は、Aが−NHC(O)−であり、Rが、水素またはフッ素であり、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、Rが水素であり、Rが、シクロアルキルまたは複素環である、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0111】
別の実施形態は、Aが−NHC(O)−であり、Rが、水素またはフッ素であり、RまたはRの1つが水素であり、もう1つがNRであり、Rが水素であり、Rが、アリールアルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロアリールアルキルである、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグである。
【0112】
別の実施形態は、単環式ヘテロアリールが、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アミド、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ニトロおよび−NRから選択される、0、1、2または3個の置換基で場合によって置換されており、RおよびRが、独立して、アシル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルシクロアルキル、アルキルスルホニル、アミド、アリール、シアノアルキル、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、複素環、水素、ホルミル、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルである、式(I)の化合物である。
【0113】
さらなる実施形態において、RおよびRは、独立して、水素、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリール、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールまたは複素環である。
【0114】
別の実施形態は、単環式複素環が、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アミド、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、オキソおよび−NR9899からなる群から選択される、0、1、2または3個の置換基で場合によって置換されていてよく、R98およびR99が、独立して、水素、アシル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルシクロアルキル、アルキルスルホニル、アミド、アリール、シアノアルキル、シクロアルコキシアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、複素環、水素、ホルミル、ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルである、式(I)の化合物である。
【0115】
さらなる実施形態において、−NR9899は、独立して、水素、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリール、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールまたは複素環である。
【0116】
様々な実施形態の代表的な化合物には、
N−[3−(1H−ピロール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(3−ピペリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(3−ピロリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(アセチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(ジエチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[3−(メチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[3−(ジメチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−{3−[アセチル(メチル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(1H−ピロール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(4−ピロリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(4−アミノベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(メチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
4−[(ジフルオロメチル)チオ]−N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]ベンズアミド;
4−[(ジフルオロメチル)チオ]−N−[4−(メチルアミノ)ベンジル]ベンズアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−ピロリジン−1−イルフェニル)アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−ピペリジン−1−イルフェニル)アセトアミド;
2−(4−アゼチジン−1−イルフェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(3.3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
tert−ブチル4−[2−({4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニルカルバメート;
2−(4−アミノフェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(メチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(イソブチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
2−{4−[(シクロヘキシルメチル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
2−{4−[(4−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−{4−[(2−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−メチルブチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(キノリン−4−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[(5−エチル−2−フリル)メチル]アミノ}フェニル)アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)フェニル]アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(4−フェノキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
2−{4−[(シクロプロピルメチル)アミノ]フェニル}−N−{4−[ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−(4−{[(4−ブロモチエン−2−イル)メチル]アミノ}フェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(キノリン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
2−(4−{[(1−アセチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}フェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(シクロヘキシルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−({[5−(2−クロロフェニル)−2−フリル]メチル}アミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(4−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(シクロペンチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−{4−[(3−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(シクロブチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
2−[4−(シクロヘプチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−メチルブチル)アミノ]フェニル}アセトアミド:
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[(5−メチルチエン−2−イル)メチル]アミノ}フェニル)アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−ナフチルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3.3.5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(チエン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(ネオペンチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2.2,2−トリフルオロエチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;および
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−フェニルシクロヘキシル)アミノ]フェニル}アセトアミド
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
本発明の化合物は、非対称またはキラルの中心が存在する立体異性体として存在することができる。これらの立体異性体は、キラル元素の周りの置換基の配座に応じて「R」または「S」である。本明細書において用いられる「R」および「S」の用語は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E、Fundamental Stereochemistry、Pure Appl.Chem.、1976年、45、13−30頁に定義されるような配座である。本発明は、様々なその立体異性体および混合物を考慮し、本発明の範囲内に明確に含まれる。立体異性体には、鏡像異性体およびジアステレオマーならびに鏡像異性体またはジアステレオマーの混合物が挙げられる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、非対称またはキラルの中心を含有する市販の出発材料から、またはラセミ混合物を調製した後の普通の当業者に周知の解決法により、合成的に調製され得る。これらの解決方法は、(1)Furniss、Hannaford、SmithおよびTatchell、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」、第5編(1989年)、Longman Scientific&Technical、エセックス CM20 2JE、イングランドに記載のような、鏡像異性体混合物のキラル助剤への結合、再結晶またはクロマトグラフィーによる生成ジアステレオマー混合物の分離、および場合によって、助剤からの光学的に純粋な生成物の遊離、または(2)キラルクロマトグラフィーカラムによる光学対掌体混合物の直接分離、または(3)分別再結晶法により例示される。
【0118】
炭素−炭素二重結合および炭素−窒素二重結合の幾何異性体を含む化合物は、本発明に含まれる。炭素−炭素または炭素−窒素の二重結合の周りの置換基は、ZまたはEの配座であると呼ばれ、シクロアルキルまたはヘテロ環の周りの置換基は、cisまたはtransの配座であると呼ばれる。本明細書に記載の化合物のすべての幾何異性体の形およびこれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0119】
本発明の化合物は、自然界において最も豊富に見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する1種または複数の原子を含有する、放射標識または同位体標識された形で存在することができる。水素、炭素、リン、硫黄、フッ素、塩素およびヨウ素等の原子の同位体には、H、H、14C、32P、35S、18F、36Clおよび125Iが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらおよび/または他の原子の、他の放射性同位体を含有する化合物は、本発明の範囲内である。本発明の実施形態において、同位体標識化合物は、重水素(H)、トリチウム(H)または14C放射性同位体を含有する。本発明の同位体または放射標識化合物は、当業者に周知の一般的な方法により調製され得る。このような同位体および放射標識化合物は、標識されていない試薬の代わりに、容易に入手できる同位体または放射標識試薬を用いることにより、上記の実施例およびスキームにおいて開示された手順を行うことにより、都合よく調製され得る。本発明の同位体および放射標識化合物は、結合検定において、α7NNRのリガンドまたはモジュレーターの有効性を決定するための標準として用いられ得る。
【0120】
アミド、エステルおよびプロドラッグ
プロドラッグは、いくつかの確認されている望ましくない物理的または生物学的な特性を改善するために設計された、活性な薬剤の薬理学的に不活性な誘導体である。物理的特性は、通常、溶解度(高すぎるまたは不十分な、脂質または水の溶解度)または関連する安定性であるが、問題の生物学的特性には、これ自体が物理化学的特性に関連することがある、速すぎる代謝または低すぎる生物学的利用能が挙げられる。
【0121】
プロドラッグは、通常、a)活性な薬剤のエステル、ヘミエステル、炭酸エステル、硝酸エステル、アミド、ヒドロキサム酸、カルバミン酸塩、イミン、マンニッヒ塩基およびエナミンの形成、b)アゾ、グリコシド、ペプチドおよびエーテルの官能基による薬剤の官能化、c)薬剤のポリマー、塩、錯体、ホスホラミド、アセタール、ヘミアセタールおよびケタールの形の使用により調製される。例えば、Andrejus Korolkovasの「Essentials of Medicinal Chemistry」、John Wiley−Interscience Publications、John Wiley and Sons、New York(1988年)、97−118頁を参照されたく、この全体を、参照により本明細書に組み込む。
【0122】
エステルは、当業者に知られている一般的方法により、ヒドロキシル基またはカルボキシ基のいずれかを含有する、式(I)の基体から調製され得る。これらの化合物の一般的な反応は、ヘテロ原子の1つを別の原子により置き換える置換、例えば、
【0123】
【化3】

である。
【0124】
アミドは、同様に、アミノ基またはカルボキシ基のいずれかを含有する、式(I)の基体から調製され得る。エステルは、アミンまたはアンモニアと反応して、アミドを形成することもできる。
【0125】
【化4】

【0126】
式(I)の化合物からアミドを作製する別の方法は、カルボン酸およびアミンを一緒に加熱することである。
【0127】
【化5】

【0128】
スキーム2および3において、RおよびR’は、独立して、式(I)の基体、アルキルまたは水素である。プロドラッグ、アミドおよびエステルのための基体である、式(I)の様々な実施形態には、実施例9、19、20、22、28、29、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61および62が挙げられるが、これらに限定されるものではない。実施例5、15、27および46は、本発明の代表的なプロドラッグである。
【0129】
本発明の組成物
本発明は、治療有効量の式(I)の化合物を、薬学的に許容できる担体と組み合わせて含む医薬組成物も提供する。この組成物は、1種または複数の無毒性の薬学的に許容できる担体と一緒に配合された、本発明の化合物を含む。この医薬組成物は、固体または液体の形の経口投与のため、非経口注射のため、または直腸内投与のために配合され得る。
【0130】
本発明の医薬組成物は、ヒトまたは他の哺乳動物に、経口で、直腸内で、非経口で、槽内で、膣内で、腹腔内で、局所的に(粉末、軟膏または点滴により)、頬側に、または経口もしくは経鼻のスプレーとして投与され得る。
【0131】
非経口注射のための医薬組成物は、薬学的に許容できる無菌の水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳液、および無菌の注射可能な溶液または分散液に再構成するための無菌の粉末を含む。適切な水性または非水性の担体、希釈剤、溶媒または媒体の例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびグリセロール等ならびにこれらの適切な混合物)、植物油(オリーブ油等)および(オレイン酸エチル等の)注射可能な有機エステルまたはこれらの適切な混合物が挙げられる。組成物の適切な流動度は、例えば、レシチン等のコーティングの使用により、分散液の場合における必要な粒径の維持により、および界面活性剤の使用により維持され得る。
【0132】
これらの組成物は、保存料、加湿剤、乳化剤および分散剤等のアジュバントも含有することができる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールおよびソルビン酸等により確実になり得る。等張剤、例えば糖および塩化ナトリウム等を含むことが望ましいこともある。注射可能な医薬の形の吸収の延長は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらされ得る。
【0133】
いくつかの場合において、薬剤の効果を延長するために、しばしば、皮下注射または筋肉内注射からの薬剤の吸収を遅らせることが望ましい。これは、低い水溶性をもつ結晶質または非晶質の材料の液体懸濁液の使用により達成され得る。薬剤の吸収速度は、同様に結晶サイズおよび結晶の形に依存し得るその溶解速度に依存し得る。あるいは、非経口投与された薬剤の形は、油媒体中に薬剤を溶解または懸濁することにより投与され得る。
【0134】
活性化合物の他に、懸濁液は、懸濁剤、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天、トラガカントおよびこれらの混合物を含有することができる。
【0135】
必要に応じて、より有効な分布のために、本発明の化合物は、ポリマーマトリックス、リポソームおよびマイクロスフェア等の徐放性または標的輸送のシステムに組み込まれ得る。これらは、例えば、細菌保持フィルターを通して濾過することにより、または無菌の水または他のいくつかの無菌の注射可能媒体に使用直前に溶解され得る、無菌の固体組成物の形の無菌化剤を組み込むことにより無菌化され得る。
【0136】
注射可能なデポーの形は、ポリ乳酸−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中の薬剤のマイクロカプセル封入されたマトリックスを形成することにより作製される。薬剤のポリマーに対する比率および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬剤の放出速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポーの注射可能な製剤は、体組織に相溶性のリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬剤を捕捉することによっても調製される。
【0137】
この注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通して濾過することにより、または無菌の水または他の無菌の注射可能媒体に使用直前に溶解または分散され得る、無菌の固体組成物の形の無菌化剤を組み込むことにより無菌化され得る。
【0138】
注射可能な製剤、例えば無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液は、適切な分散剤、加湿剤および懸濁剤を用いる公知技術に従って配合され得る。無菌の注射可能な製剤は、1,3−ブタンジオール中溶液等の、無毒性の非経口で許容できる希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液、懸濁液または乳液でもあり得る。使用され得る許容できる媒体および溶媒には、水、リンガー液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から用いられている。この目的のために、人工のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌の固定油が用いられ得る。さらに、オレイン酸等の脂肪酸は、注射可能物質の製剤中に用いられる。
【0139】
経口投与のための固体製剤の形には、カプセル、錠剤、丸薬、粉末および顆粒が挙げられる。このような固体製剤の形において、本発明の1種または複数の化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム等の少なくとも1種の不活性な薬学的に許容できる担体ならびに/またはa)澱粉、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびサリチル酸等の充填剤もしくは増量剤、b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア等のバインダー、c)グリセロール等の湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカの澱粉、アルギン酸、特定のケイ酸および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶液緩染剤、f)第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール等の加湿剤、h)カオリンおよびベントナイトの粘土等の吸収剤ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびこれらの混合物等の潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤および丸薬の場合において、製剤の形は、緩衝剤を含むこともできる。
【0140】
同種の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールを用いた軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセル中の充填剤としても用いられ得る。
【0141】
錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒の固体製剤の形は、腸溶コーティング等のコーティングおよびシェルならびに医薬製剤の分野において周知の他のコーティングにより調製され得る。これらは、場合によって乳白剤を含有することができ、これらが(1種もしくは複数の)活性成分のみを、または遅延性の方法で腸管の特定の部分において放出する組成物でもあることができる。活性剤の遅延性の放出に有用な材料の例には、ポリマー基体およびワックスが挙げられ得る。
【0142】
本発明のある実施形態では、直腸内または膣内の投与のための組成物は、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬ワックス等の、周囲温度で固体であるが体温で液体であるため、直腸または膣の空洞中で融解し活性化合物を放出する適切な非刺激性の担体と、本発明の化合物を混合することにより調製され得る坐薬である。
【0143】
経口投与のための液体製剤の形には、薬学的に許容できる乳液、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。活性化合物の他に、液体製剤の形は、例えば、水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、とうもろこし油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油および胡麻油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにこれらの混合物等の他の溶媒、可溶化剤および乳化剤等の、当技術分野において一般的に用いられる不活性な希釈剤を含有することができる。
【0144】
不活性な希釈剤の他に、経口組成物は、加湿剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、調味料および香料等のアジュバントを含有することもできる。
【0145】
本発明の化合物の局所投与または経皮投与のための製剤の形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが挙げられる。本発明の所望の化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容できる担体、および必要とされ得るときには任意の必要な保存料または緩衝剤と混合される。眼の製剤、点耳薬、眼軟膏、粉末および溶液も、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0146】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物の他に、動物および植物の脂肪、油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛ならびにこれらの混合物を含有することができる。
【0147】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物の他に、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末またはこれらの基体の混合物を含有することができる。スプレーは、さらに、塩化フッ化炭化水素等の通例の噴霧剤を含有することができる。
【0148】
本発明の化合物および組成物は、リポソームの形でも投与され得る。当技術分野において知られているように、リポソームは、一般に、リン脂質または他の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体中に分散された単層状または多層状の水和液晶により形成される。リポソームを形成可能な任意の無毒性な生理学的に許容できる代謝可能な脂質が用いられ得る。リポソームの形の本組成物は、本発明の化合物の他に、安定剤および保存料等を含有することができる。本発明のある実施形態では、脂質は、別々にまたは一緒に用いられる、天然および人工のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームの形成方法は、当技術分野において公知である。例えば、参照により本明細書に組み込む、Prescott編、Methods in Cell Biology、Volume XIV、Academic Press、ニューヨーク、ニューヨーク州、(1976年)、33頁以降を参照されたい。
【0149】
本発明の化合物の局所投与のための製剤の形には、粉末、スプレー、軟膏および吸入剤が挙げられる。活性化合物は、無菌条件下で、薬学的に許容できる担体および任意の必要な保存料、緩衝剤または噴霧剤と混合される。眼の製剤、眼軟膏、粉末および溶液も、本発明の範囲内であるとみなされる。本発明の水性液体組成物も、特に有用である。
【0150】
なお別の実施形態は、式(I)の化合物の、放射標識または同位体標識された形を含む、放射標識または同位体標識された医薬組成物に関する。
【0151】
本発明の方法
本発明の化合物および組成物は、NNRの効果を、特にアロステリックな調整により調節するために有用である。このような化合物は、いくつかのNNR媒介の疾患および状態の治療および予防に有用であり得る。
【0152】
α7NNRは、学習、記憶および注意の態様を含む認知機能の向上に重要な役割を果たすことが示されている(Levin,E.D.、J.Neurobiol.、2002年、53、633−640頁)。このように、α7リガンドは、例えば、注意欠陥障害、ADHD、AD、MCl、老年認知症、エイズ認知症、ピック病、レビー小体に関連する認知症およびダウン症候群に伴う認知症ならびに統合失調症に伴う認知障害を含む認知障害の治療に適している。
【0153】
さらに、α7NNRは、インビトロ(Jonnala,R.B.他、J.Neurosci.Res.、2001年、66、565−572頁)およびインビボ(Shimohama,S.、Brain Res.、1998年、779、359−363頁)の両方におけるニコチンの神経保護効果に関係することが示されている。より詳細には、神経変性は、AD、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、レビー小体に関連する認知症および外傷性脳障害に起因するCNS機能減退が挙げられるが、これらに限定されるものではないいくつかの進行性CNS疾患の根底にある。例えば、ADに関連するβ−アミロイドペプチドによるα7NNRの機能障害は、疾患に伴う認知障害の発生における重要な要因に関係があるとされている(Liu,Q.−S.他、PNAS、2001年、98、4734−4739頁)。α7NNRの活性化は、この神経毒性を妨げることが示されている(Kihara,T.、J.Biol.Chem.、2001年、276、13541−13546頁)。このように、α7の活性を向上させる選択性リガンドは、アルツハイマー病および他の神経変性疾患における欠乏に対抗することができる。
【0154】
統合失調症は、知覚、認知および感情における異常を特徴とする複雑な疾患である。死後の患者においてこれらの受容体の欠乏が測定されることを含む重要なエビデンスは、この疾患におけるα7NNRの関与を示す(Leonard,S.、Eur.J.Pharmacol.、2000年、393、237−242頁)。知覚の処理(ゲート開閉)における欠乏は、統合失調症の特徴の1つである。これらの欠乏は、α7NNRにおいて作動するニコチン性リガンドにより規格化され得る(Adler,L.E.、Schizophrenia Bull.、1998年、24、189−202頁;Stevens,K.E.、Psychopharmacology、1998年、136、320−327頁)。このように、α7NNRリガンドは、統合失調症の治療において可能性を示す。
【0155】
脊髄中におけるα7NNRの集合は、ニコチン化合物の疼痛緩和効果に伴うセロトニン作動性伝達を調節する(Cordero−Erausquin,M.他、Proc.Nat.Acad.Sci.、2001年、98、2803−2807頁)。α7NNRリガンドは、急性疼痛、術後疼痛ならびに炎症性疼痛および神経因性疼痛を含む慢性疼痛状態を含む、疼痛状態の治療のための治療上の可能性を示す。そのうえ、α7NNRは、炎症性応答に関係し、α7NNRの活性化が腫瘍壊死因子(TNF)および炎症性応答を誘発する他のサイトカインの放出を抑制する初代マクロファージの表面に発現される(Wang,H.Nature、2003年、421、384−388頁)。TNF−αは、関節炎および乾癬および子宮内膜症を含む多様な炎症性疾患において、病理学的役割を果たす。したがって、選択性のα7NNRのリガンドおよびモジュレーターは、炎症および疼痛を含む状態の治療のための可能性を示す。
【0156】
本発明の化合物は、認知、神経変性および統合失調症に影響を及ぼす状態または障害を治療および予防するために有用である。統合失調症に伴う認知障害、すなわち、一般に利用可能な治療、例えば非定型の抗精神病薬による治療により適切に治療されない症状は、患者の能力が通常に機能するのをしばしば制限する(Rowley,M.、J.Med.Chem.、2001年、44、477−501頁)。このような認知障害は、特にα7NNR受容体の活性の減退を伴う、ニコチン性のコリン作動系の機能障害に関係している(Friedman,J.I.、Biol.Psychiatry、2002年、51、349−357頁)。このように、α7NNR受容体の活性化因子は、非定型の抗精神病薬により治療されている統合失調症患者の認知機能を向上させるための有用な治療を提供することができる。したがって、α7NNRモジュレーターおよび非定型の抗精神病薬の組合せは、改善された治療上の有用性を提供する。
【0157】
適切な非定型の抗精神病薬の例には、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、ゾテピンおよびイロペリドン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。したがって、式(I)の化合物が、非定型の抗精神病薬と組み合わせて投与され得ることも考えられる。
【0158】
統合失調症患者における測定可能な異常の1つは、P50の聴覚のゲート開閉欠乏、情報処理障害の徴候、および重要ではないまたは反復性の知覚情報を「濾過」する能力の減退である。これらの欠乏がニコチンにより規格化された臨床所見に基づくと、統合失調症をもつ患者の間における喫煙の高い普及率(>80%)が自己治療の形であり得ることを示唆している。薬理学的な研究は、ニコチンの作用のメカニズムが、α7NNRによるものであることを示している。α7選択性のリガンド、アゴニストおよびPAMによる、ヒトにおけるP50のゲート開閉欠乏の修復は、継続的な喫煙の中断につながり得る。したがって、α7のサブタイプに選択性があるNNRリガンドは、ニコチンに比べて改善された副作用特性を伴う、禁煙のための治療において用いられ得る。
【0159】
ある実施形態は、哺乳動物におけるNNRの調整または調節に関する状態および障害を治療または予防するための、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグの使用方法である。本発明の別の実施形態において、この方法は、α7NNRモジュレーターにより調節される状態および障害の治療または予防に有用である。
【0160】
NNRの調整または調節に関する状態および障害には、注意欠陥障害、ADHD、AD、MCI、統合失調症、老年認知症、エイズ認知症、ピック病、レビー小体に関連する認知症、ダウン症候群に伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳障害に伴うCNS機能減退、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、炎症、炎症性疼痛、神経因性疼痛、禁煙、抑うつおよび様々な他の状態が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0161】
別の実施形態は、注意欠陥障害、ADHD、AD、MCI、老年認知症、エイズ認知症、ピック病、レビー小体に関連する認知症、ダウン症候群に伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳障害に伴うCNS機能減退、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、炎症、炎症性疼痛、神経因性疼痛および抑うつから選択される状態または障害を治療または予防するために、治療有効量の式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを、これらを必要とする哺乳動物に投与する方法である。
【0162】
α7およびα4β2のNNRリガンド等の外因的に適用されるニコチン性リガンドのPAMとの組合せは、有益な効果を高めることが期待される。したがって、別の実施形態は、α7NNRおよびα4β2NNRのリガンドの少なくとも1種と組み合わせて、哺乳動物におけるNNRの調整または調節に関する状態および障害を治療または予防するために、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを使用する方法に関する。
【0163】
ある実施形態は、α7もしくはα4β2のNNRリガンドと組み合わせられる独立型の製品として、またはα7もしくはα4β2のNNRリガンドとの多剤混合薬の製品の成分として、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを投与することを含む、α7NNRにより調整または調節される障害または状態の治療方法である。
【0164】
別の実施形態は、ニコチン性アゴニストと共投与されるまたはこれと組み合わせた製剤中のニコチン性リガンドと組み合わせて、式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを含有する組成物を投与する方法である。
【0165】
ニコチン性リガンドの例には、5−[(2R)−アゼチジン−2−イルメトキシ]−2−クロロピリジン;(3R)−1−ピリジン−3−イルピロリジン−3−アミン;2−メチル−3−(2−(S)−ピロリジニルメトキシ)ピリジン;3−(5,6−ジクロロ−ピリジン−3−イル)−(1S,5S)−3,6−ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン;(R,R)−1−(ピリジン−3−イル)オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール;6,10−メタノ−6H−ピラジノ[2.3−h][3]ベンゾアゼピン;7,8,9,10−テトラヒドロ−(2S,4E)−N−メチル−5−(5−イソプロポキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミン;(2S.4E)−N−メチル−5−(5−メトキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミン;(2S.4E)−N−メチル−5−(5−エトキシ−3−ピリジル)−4−ペンテン−2−アミン;(2S,4E)−N−メチル−3−ピリミジン−4−ペンテン−2−アミン;(5aS.8S,10aR)−5a,6,9.10−テトラヒドロ−7H,11H−8,10a−メタノピリド[2’,3’:5.6]ピラノ[2.3−d]アゼピン:3−[1−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−メト−(E)−イリデン]−3,4,5,6−テトラヒドロ−[2,3’]ビピリジニル;3−[1−(2−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−メト−(E)−イリデン]−3,4,5,6−テトラヒドロ−[2,3’]ビピリジニル:および4−ブロモフェニル1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボキシレートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0166】
ある実施形態は、α7のニコチン性受容体のサブタイプにおける効果の強化につながる、ヒスタミンH3アンタゴニスト、5HT−6アンタゴニスト、ドーパミンD1アゴニスト、ムスカリン性受容体アンタゴニストおよびカリウムチャネル遮断剤等の、内在性アセチルコリンの放出を増大させるコリンエステラーゼ抑制剤または別の薬剤と組み合わせた、式(I)の組成物もしくは化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグの使用方法に関する。
【0167】
本発明の医薬組成物中における活性成分の実際の投与量は、特定の患者のために所望の治療上の応答を達成するのに有効である(1種または複数の)活性化合物の量、組成および投与の様式が得られるように変化され得る。選択された投与量は、特定の化合物の活性、投与経路、治療される状態の重症度ならびに治療される患者の状態および前の病歴に依存する。しかし、所望の治療上の効果を達成するために必要な量より少ない量で、この化合物の投与を開始すること、および所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、当技術分野における技術の範囲内である。
【0168】
上記または他の治療において用いられる場合において、治療有効量の化合物の1つは、純粋な形で、またはこのような形が薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグの形に存在して用いられ得る。あるいは、この化合物は、1種または複数の薬学的に許容できる担体と組み合わせて、本発明の化合物または薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを含有する医薬組成物として投与され得る。
【0169】
しかし、本発明の化合物および組成物の1日の全使用量は、妥当な医学的判断の範囲内において、治療する医師により決定されるものと理解される。任意の特定の患者についての具体的な治療上有効な用量は、治療される疾患および疾患の重症度、用いられる具体的な化合物の活性、用いられる具体的な組成、患者の年齢、体重、健康状態全体、性および食物、用いられる具体的な化合物の投与時間、投与経路および排泄速度、治療の期間、用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に用いられる薬剤ならびに医療分野において周知の同様な要因を含む様々な要因に依存する。例えば、所望の治療上の効果を達成するために必要な量より少ない量で、この化合物の投与を開始すること、および所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野における技術の範囲内である。
【0170】
ヒトまたは下等動物に投与される、本発明の化合物の1日の全用量は、約0.001mg/kg体重から約1g/kg体重の範囲である。用量は、約0.001mg/kg体重から約100mg/kg体重の範囲内であり得る。必要に応じて、有効な1日の用量は、投与の目的のために、多数の用量に分割され得る。その結果、単一の用量の組成物は、1日の用量を成すために、こうした用量またはこの約数を含有することができる。組み合わせて、共投与されて、または多剤混合薬として用いられる際に、用量は、最大限の利益を達成するように調節され得る。
【0171】
別の実施形態は、式(I)の化合物の同位体標識された形を、内因性α7NNRを発現する細胞、または組換え型α7NNRを発現する細胞と相互作用させることと、このような化合物の同位体標識された形の、このような細胞に対する効果を測定することとを含む、α7NNRの活性に関する状態または障害を評価または診断する方法に関する。放射標識化合物は、本明細書に記載の結合検定においてα7NNRのリガンドまたはモジュレーターの有効性を決定するための標準として用いられ得る。
【0172】
様々な実施形態は、公知のプロトコールにより、または生物活性の決定の節に記載のように、新規なα7NNRアゴニストまたはα7NNRのPAMを確認する目的で、未変性のα7NNRを発現する細胞または組織を用いる、細胞ベースの検定で、例えば高処理方式で、NNRの機能に関連する疾患または状態を、治療もしくは予防または両方のための他の有用な標的の化合物を確認するための、NNRリガンド、特にPAM化合物の使用も説明している。
【0173】
別の実施形態は、式(I)の化合物を、α7NNRを内在的に発現する細胞もしくは細胞系または組換え型のα7NNRを発現する細胞と、蛍光性媒体中で相互作用させること、および公知または生物活性の測定の節に記載の手順によりこうした蛍光の変化を測定することを含む、α7NNRアゴニストを確認する方法である。
【0174】
式(I)の化合物の調製
以下に記載の方法は、様々な鏡像異性体の使用を伴い得る。本発明の化合物は、この節、本発明の方法および実施例の節に記載の合成法に従って調製され得る。スキームに記載の特定の基は、本発明の範囲内に含有される特定の置換基を例示することを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。代表的な手順をスキーム4−6に示すが、これらに限定されるものではない。
【0175】
スキーム4において概説されるように、式(3)の化合物は、R、R、R、R、n、R、RおよびRが、式(I)において定義される通りである、式(I)の化合物を代表し、適宜調製され得る。式(1)の化合物は、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等の溶媒中で、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン等の塩基およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート等のカップリング試薬の存在下で、室温でまたは室温付近で、6から24時間の間、式(2)の化合物で処理されると、式(I)の化合物を代表する式(3)の化合物を与える。
【0176】
【化6】

【0177】
式(3)の化合物を形成するための代替的な条件および試薬には、式(1)の化合物および式(2)の化合物の等モル混合物を、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミン等であるがこれらに限定されない塩基の存在下または不存在下において、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンおよびクロロホルム等であるがこれらに限定されない溶媒中で、場合によって1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)等であるがこれらに限定されないカップリング助剤と一緒に、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOPCl)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ポリマー担持1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(PS−DCC)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)等であるがこれらに限定されないカップリング試薬と合わせることが挙げられる。一般的な反応は、0−65℃の間で行われることがあり、マイクロ波反応器中で行われてカップリングを促進することができる。
【0178】
あるいは、式(1)のカルボン酸は、一般に、ジクロロメタン等の溶媒中にカルボン酸を懸濁させ、次いで、塩化オキサリルおよび触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドを添加することにより、初めに、酸塩化物に転換され得る。溶媒を、蒸発により除去し、酸塩化物を、ピリジン中に再溶解することができる。ヒューニッヒ塩基の存在下で式(2)の化合物を添加することにより、式(3)の化合物を得る。この反応は、周囲温度または高温において、数時間から数日の範囲の時間にわたって行われ得る。
【0179】
スキーム5に概説するように、R、R、R、R、n、R、RおよびRが、式(I)において定義した通りである、式(I)の化合物を表す式(6)の化合物は、適宜調製され得る。
【0180】
【化7】

【0181】
式(5)の化合物を、室温または室温付近で6から24時間の時間の間、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等の溶媒中において、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン等の塩基、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート等のカップリング試薬の存在下で、式(4)の化合物で処理すると、式(I)の化合物を表す式(6)の化合物が得られる。
【0182】
式(6)の化合物を形成するための代替的な条件および試薬には、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミンおよびトリエチルアミン等であるがこれらに限定されるものではない塩基の存在下または不存在下において、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンおよびクロロホルム等であるがこれらに限定されるものではない溶媒中で、式(4)の化合物および式(5)の化合物の等モル混合物を、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOPCl)、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ポリマー担持1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(PS−DCC)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)等であるがこれらに限定されるものではないカップリング試薬と、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)等であるがこれらに限定されないカップリング助剤と一緒に合わせることが挙げられる。一般的な反応は、0−65℃の間において行われ得る、またはマイクロ波反応器の中において行われてカップリングを促進し得る。
【0183】
あるいは、式(5)のカルボン酸は、一般に、ジクロロメタン等の溶媒中にカルボン酸を懸濁させ、次いで、塩化オキサリルおよび触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドを添加することにより、初めに酸塩化物に転換され得る。溶媒を、蒸発により除去し、酸塩化物を、ピリジン中に再溶解することができる。ヒューニッヒ塩基の存在下で式(5)の化合物を添加することにより、式(6)の化合物を得る。この反応は、周囲温度または高温において、数時間から数日の範囲の時間にわたって行われ得る。
【0184】
スキーム6に概説するように、A、R、R、R、R、n、R、RおよびRが、式(I)において定義した通りである、式(I)の化合物を表す式(9)の化合物は、適宜調製され得る。
【0185】
【化8】

【0186】
式(7)の化合物を、ジクロロメタンおよびメタノール(1:1)等の溶媒混合物中において、マクロ孔質樹脂担持シアノボロハイドライド等の還元剤の存在下で、20から60℃の温度において、2から24時間、酢酸の存在下で、RおよびRが、独立して、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールもしくは複素環であり、またはRおよびRならびにこれらが結合している炭素原子が、シクロアルキルまたは複素環を形成している、式(8)のアルデヒドまたはケトンで処理すると、式(I)の化合物を表す式(9)の化合物が供給される。
【0187】
式(9)の化合物を形成するための代替的な条件および試薬には、ナトリウムシアノボロハイドライド、ナトリウムボロハイドライドおよびナトリウムトリアセトオキシボロハイドライド等の還元剤の存在下において、式(7)の化合物および式(8)の化合物の混合物を合わせることが挙げられる。水素は、炭素上パラジウムまたは炭素上白金等の適切な触媒の存在下で、場合によって高圧において、還元剤にもなることができる。水素源には、水素ガス、ギ酸、シクロヘキシルジエン等のシクロジエン、またはギ酸アンモニウム等のギ酸塩が挙げられる。ボロハイドライドが還元剤として用いられる場合に、酢酸または塩酸等であるがこれらに限定されるものではない酸の存在下において反応を行うのが有利であり得る。4Aモレキュラーシーブ等の水除去試薬は、反応速度および反応の完全性を向上させることができる。この反応は、反応を促進するために、上述のように加熱され得る。マイクロ波加熱も反応を促進する。例えば、適切な溶媒には、エステル(例えば、酢酸エチルおよび酢酸イソプロピル等)、エーテル(例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルおよび1,4−ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素(例えばジクロロメタンおよびトリクロロメタン等)、双極性非プロトン溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド等)およびアルコール(例えばメタノール等)またはこれらの溶媒の混合物が挙げられる。
【0188】
さらに、窒素保護基は、式(I)の化合物の合成中において、アミン基を保護するために用いられ得る。このような方法およびいくつかの適切な窒素保護基は、Greene and Wuts(Protective Groups In Organic Synthesis、Wiley and Sons、1999年)に記載されている。例えば、適切な窒素保護基には、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ベンジル(Bn)、アセチルおよびトリフルオロアセチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。より詳細には、Boc保護基は、トリフルオロ酢酸または塩酸等の酸での処理により除去され得る。CbzおよびBnの保護基を、接触水素化により除去することができ、アセチルおよびトリフルオロアセチルの保護基は、水性の有機またはアルコールの溶媒中で、ナトリウム、カリウムまたはリチウムの水酸化物の使用を含む様々な条件により除去され得る。
【0189】
本発明の化合物および中間体は、有機合成の当業者に周知の方法により単離および精製され得る。化合物を単離および精製するための従来の方法の例には、例えば、Longman Scientific&Technical、エセックス CM20 2JE、イングランド出版の、Furniss他による「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」、 第5版(1989年)に記載のように、場合による活性炭での前処理を伴う高温または低温における再結晶によりアルキルシラン基で誘導体化されたシリカゲル、アルミナまたはシリカ等の固体担体によるクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、様々な圧力における蒸留、真空下での昇華および粉砕が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0190】
本発明のいくつかの化合物は、少なくとも1つの塩基性部位を有し、これにより、この化合物は、酸で処理されて所望の塩を形成することができる。例えば、化合物は、室温でまたは室温超で酸と反応して、堆積し、冷却後の濾過により回収される所望の塩を提供することができる。この反応に適切な酸の例には、酒石酸、乳酸、コハク酸の他に、マンデル酸、アトロラクチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、炭酸、フマル酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、クエン酸またはヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸およびグルタミン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0191】
本発明は、化学的に合成される、または式(I)の化合物へのインビボでの生体内変換により形成される、薬学的に活性な化合物を予期する。
【0192】
本発明の化合物、組成物および方法は、本発明の範囲の例示であり限定ではないものとして意図された、以下の実施例および参照例を参照することによりよく理解される。
【実施例】
【0193】
略語
AChはアセチルコリン、DMSOはジメチルスルホキシド、ERKは細胞外信号調節キナーゼ、HPLCは高圧液体クロマトグラフィー、HEPESは4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、PAMは正のアロステリックなモジュレーター、PBSはリン酸緩衝生理食塩水、SDSはドデシル硫酸ナトリウム、Tweenはポリオキソエチレンソルビタンモノラウレートである。
【0194】
アミド形成の一般的手順(方法A)
96個の深いウエルのプレートの中に、N,N−ジメチルアセトアミド(0.4mL)中に溶解した4−(トリフルオロメチルチオ)安息香酸(23mg、0.10mmol)、次いで、N,N−ジメチルアセトアミド(0.3mL)中に溶解したO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)(48mg、0.12mmol、1.2当量)、N,N−ジメチルアセトアミド(0.3mL)中に溶解したトリエチルアミン(26mg、0.25mmol、2.4当量)、最後にアミン(N,N−ジメチルアセトアミド中0.2M溶液0.7mL、1.4当量)を添加した。これを、室温で終夜振盪した。反応溶液を、真空下で乾燥するまで濃縮し、1:1ジメチルスルホキシド/メタノール中に溶解し、水中アセトニトリル10−100%(A)およびトリフルオロ酢酸0.1%(B)の勾配を、2.0mL/分(0−0.1分 10%A、0.1−2.6分 10−100%A、2.6−2.9分 100%A、2.9−3.0分 100−10%A。)の流速で用いた、Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)Combi−HTS C8(2)5μm 100Å(2.1mm×30mm)での逆相HPLCにより精製して、生成物を得た。
【0195】
アミド形成のための一般的手順(方法B)
アミン(0.5mmol)および安息香酸(0.5mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中懸濁液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(iPrNEt、245μL、1.5mmol、3.0当量、Acros)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、285mg、0.75mmol、1.5当量、Aldrich)で処理した。この混合物を、室温で終夜攪拌し、ジクロロメタン(20mL)で希釈した。この溶液を、希塩化アンモニウム水溶液(2×7mL)、希重炭酸ナトリウム水溶液(2×7mL)および鹹水(2×7mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム下で乾燥、濾過および真空濃縮した。生成した材料を、フラッシュクロマトグラフィー[Analogixのあらかじめ充填されたシリカゲルカートリッジ、5−50%勾配の酢酸エチル/ヘキサン]または分取HPLC[Waters(登録商標) Xterra(登録商標)RP18 30×100mmカラム、流量40mL/分、5−95%勾配の緩衝剤(水酸化ナトリウムでpH10に調節した0.1M重炭酸アンモニウム水溶液)中アセトニトリル]のいずれかにより精製して、所望のアミド生成物をこの遊離塩基として得た。あるいは、この化合物を、Waters(登録商標) Symmetry(登録商標)C 30×100mmカラム(流量40mL/分、5−95%勾配の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中アセトニトリル)により精製して、溶媒の蒸発後にアミド生成物を得た。
【0196】
アミド形成の一般的手順(方法C)
フェニル酢酸(0.5mmol、1当量)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、285mg、0.75mmol、1.5当量)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中溶液を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(iPrNEt、245μL、1.5mmol、3.0当量)および4−(ジフルオロメチルチオ)アニリン(0.5mmol、1当量)で処理した。この混合物を、室温で終夜攪拌し、酢酸エチル(20mL)で希釈した。この溶液を、希塩化アンモニウム水溶液(2×7mL)、希重炭酸ナトリウム水溶液(2×7mL)および鹹水(2×7mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム下で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。生成した材料を、フラッシュクロマトグラフィー(Analogixのあらかじめ充填されたシリカゲルカートリッジ、5−50%勾配の酢酸エチル/ヘキサン]または分取HPLC[Waters(登録商標)Xterra(登録商標)RP18 30×100mmカラム、流量40mL/分、5−95%勾配の緩衝剤(水酸化ナトリウムでpH10に調節した0.1M重炭酸アンモニウム水溶液)中アセトニトリル]のいずれかにより精製して、所望のアミド生成物をこの遊離塩基として得た。
【0197】
あるいは、この化合物を、Waters(登録商標)Symmetry(登録商標)C 30×100mmカラム(流量40mL/分、5−95%勾配の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中アセトニトリル)により精製して、溶媒の蒸発後にアミド生成物を得た。
【0198】
還元的アミノ化の一般的手順(方法D)
2−(4−アミノフェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミドトリフルオロアセテート(実施例28)(50mg、1:1メタノール/ジクロロメタン1.0mL中0.12mmol)溶液に、アルデヒドまたはケトン(1:1メタノール/ジクロロメタン1.0mL中0.14mmol)の溶液を添加した。この混合物に、酢酸(34μL、0.59mmol)およびマクロ孔質樹脂担持シアノボロハイドライド(2.24mmol/g、158mg、0.36mmol)を添加し、この混合物を、55℃で終夜振盪した。冷却後に、この樹脂を、濾過により除去し、メタノール(2×2mL)で洗浄し、合わせた濾液を、減圧下で濃縮した。粗生成物を、逆相分取HPLC[Phenomenex(登録商標)Luna(登録商標)C8(2)5μm 100Å AXIA(商標)カラム(30mm×75mm)、(流量50mL/分、10−100%勾配の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中アセトニトリル)]により精製して、溶媒の蒸発後に生成物を得た。
【実施例1】
【0199】
N−[3−(1H−ピロール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 4.54−4.58(m,2H)、6.28(t,J=2.1Hz,2H)、7.22(d,J=6.4Hz,1H)、7.32(t,J=2.1Hz,2H)、7.38−7.47(m,2H)、7.51(s,1H)、7.81−7.87(m,J=8.2Hz,2H)、7.96−8.03(m,J=8.2Hz,2H)、9.32(t,J=6.0Hz,1H);MS(ESI+)m/z 377.0(M+H)
【実施例2】
【0200】
N−(3−ピペリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(3−(ピペリジン−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.63−1.71(m,2H)、1.85−1.93(m,4H)、3.46−3.55(m,4H)、4.56(s,2H)、7.44(t,J=3.7Hz,1H)、7.55(d,J=4.3Hz,2H)、7.59(s,1H)、7.83−7.88(m,J=8.2Hz,2H)、7.99−8.03(m,J=8.2Hz,2H)、9.36(t,J=5.8Hz,1H);MS(ESI+)m/z 395.1(M+H)
【実施例3】
【0201】
N−(3−ピロリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(3−(ピロリジン−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.90−1.99(m,4H)、3.18−3.26(m,4H)、4.43(s,2H)、6.51(dd,J=7.9,1.8Hz,1H)、6.60(s,1H)、6.63(d,J=7.6Hz,1H)、7.15(t,J=7.8Hz,1H)、7.82−7.86(m,J=8.2Hz,2H)、7.93−8.04(m,J=8.5Hz,2H);MS(ESI+)m/z 381.0(M+H)
【実施例4】
【0202】
N−[4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.03−2.23(m,2H)、2.84(s,3H)、3.12(ddd,J=12.5,11.2,1.2Hz,1H)、3.18(ddd,J=12.4,10.7,1.1Hz,1H)、3.35−3.48(m,2H)、3.52(dd,J=13.0,3.8Hz,1H)、3.60(dd,J=15.6,9.2Hz,1H)、3.72−3.79(m,2H)、4.37(s,2H)、6.70−6.76(m,J=8.8Hz,2H)、7.16−7.22(m,J=8.8Hz,2H)、7.79−7.85(m,J=8.5Hz,2H)、7.93−7.98(m,J=8.2Hz,2H);MS(ESI+)m/z 424.0(M+H)
【実施例5】
【0203】
N−[4−(アセチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、N−(4−(アミノメチル)フェニル)アセトアミドから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.03(s,3H)、4.44(d,J=5.2Hz,2H)、7.21−7.29(m,J=8.8Hz,2H)、7.47−7.53(m,J=8.5Hz,2H)、7.80−7.85(m,J=8.2Hz,2H)、7.92−8.01(m,J=8.5Hz,2H)、9.23(t,J=6.0Hz,1H);MS(ESI+)m/z 369.0(M+H)
【実施例6】
【0204】
N−[4−(ジエチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、4−(アミノメチル)−N,N−ジエチルアニリンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.01(t,J=7.2Hz,6H)、3.58(q,J=7.2Hz,4H)、4.56(s,2H)、7.50−7.57(m,4H)、7.83−7.88(m,J=8.2Hz,2H)、7.97−8.03(m,J=8.5Hz,2H)、9.36(t,J=6.0Hz,1H);MS(ESI+)m/z 383.1(M+H)
【実施例7】
【0205】
N−[4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.52(s,3H)、4.60(s,2H)、7.56−7.62(m,4H)、7.71(d,J=2.1Hz,1H)、7.80(d,J=2.1Hz,1H)、7.84−7.89(m,J=8.2Hz,2H)、7.98−8.05(m,J=8.5Hz,2H)、9.43(t,J=6.0Hz,1H);MS(ESI+)m/z 392.1(M+H)
【実施例8】
【0206】
N−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、N−(3−(アミノメチル)フェニル)メタンスルホンアミドから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.97(s,3H)、4.48(s,2H)、7.10(t,J=8.5Hz,2H)、7.18(s,1H)、7.32(t,J=7.8Hz,1H)、7.81−7.87(m,J=8.2Hz,2H)、7.96−8.01(m,J=8.5Hz,2H)、9.28(t,J=6.3Hz,1H)、9.73(s,1H);MS(ESI+)m/z 405.0(M+H)
【実施例9】
【0207】
N−[3−(メチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、3−(アミノメチル)−N−メチルアニリンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.87(s,3H)、4.51(s,2H)、7.13(d,J=7.9Hz,1H)、7.19(s,1H)、7.21(d,J=7.9Hz,1H)、7.41(t,J=7.8Hz,1H)、7.85(m,J=8.2Hz,2H)、8.00(m,J=8.5Hz,2H)、9.32(t,J=6.3Hz,1H);MS(ESI+)m/z 341.0(M+H)
【実施例10】
【0208】
N−[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、1−(4−(アミノメチル)フェニル)ピロリジン−2−オンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.06(dt,J=15.2,7.5Hz,2H)、2.49(t,J=8.1Hz,2H)、3.82(t,J=7.0Hz,2H)、4.46(s,2H)、7.30−7.36(m,J=8.5Hz,2H)、7.55−7.61(m,J=8.8Hz,2H)、7.81−7.85(m,J=8.5Hz,2H)、7.94−8.02(m,J=8.5Hz,2H)、9.26(t,J=6.1Hz,1H);MS(ESI+)m/z 395.0(M+H)
【実施例11】
【0209】
N−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、N−(4−(アミノメチル)フェニル)メタンスルホンアミドから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.95(s,3H)、4.46(s,2H)、7.14−7.21(m,J=8.5Hz,2H)、7.28−7.35(m,J=8.5Hz,2H)、7.81−7.85(m,J=8.2Hz,2H)、7.96−8.01(m,J=8.5Hz,2H)、9.25(t,J=6.0Hz,1H)、9.67(s,1H);MS(ESI+)m/z 405.0(M+H)
【実施例12】
【0210】
N−[3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 4.58(s,2H)、6.56(dd,J=2.4,1.8Hz,1H)、7.29(d,J=7.9Hz,1H)、7.47(t,J=7.8Hz,1H)、7.70(dd,J=8.1,1.4Hz,1H)、7.75(d,J=1.5Hz,1H)、7.81(s,1H)、7.83−7.87(m,J=8.2Hz,2H)、7.98−8.03(m,J=8.5Hz,2H)、8.43(d,J=2.4Hz,1H)、9.36(t,J=5.8Hz,1H);MS(ESI+)m/z 378.0(M+H)
【実施例13】
【0211】
N−[4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.18(s,3H)、2.27(s,3H)、4.56(s,2H)、6.10(s,1H)、7.41−7.48(m,4H)、7.83−7.87(m,J=8.2Hz,2H)、7.98−8.03(m,J=8.2Hz,2H)、9.35(t,J=6.0Hz,1H);MS(ESI+)m/z 406.0(M+H)
【実施例14】
【0212】
N−[3−(ジメチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、3−(ジメチルアミノ)ベンジルアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.09(s,6H)、4.52(s,2H)、7.19(d,J=7.6Hz,1H)、7.25(d,J=8.2Hz,1H)、7.29(s,1H)、7.43(t,J=7.8Hz,1H)、7.81−7.89(m,J=8.2Hz,2H)、7.94−8.05(m,J=8.5Hz,2H)、9.32(t,J=5.8Hz,1H);MS(ESI+)m/z 355.0(M+H)
【実施例15】
【0213】
N−{3−[アセチル(メチル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、N−(3−(アミノメチル)フェニル)−N−メチルアセトアミドから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.77(s,3H)、3.15(s,3H)、4.53(s,2H)、7.22(d,J=7.0Hz,1H)、7.27(s,1H)、7.32(d,J=6.1Hz,1H)、7.43(t,J=7.2Hz,1H)、7.81−7.86(m,J=8.2Hz,2H)、7.97−8.02(m,J=8.2Hz,2H)、9.31(t,J=6.1Hz,1H);MS(ESI+)m/z 383.1(M+H)
【実施例16】
【0214】
N−[4−(1H−ピロール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Aに従って、(4−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)メタンアミンから調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 4.51(s,2H)、6.27(t,J=2.1Hz,2H)、7.31(t,J=2.1Hz,2H)、7.40−7.44(m,J=8.5Hz,2H)、7.50−7.54(m,J=8.5Hz,2H)、7.82−7.86(m,J=8.2Hz,2H)、7.97−8.03(m,J=8.5Hz,2H)、9.31(t,J=6.1Hz,1H);MS(ESI+)m/z 377.0(M+H)
【実施例17】
【0215】
N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Bに従って、4−トリフルオロメチルチオ安息香酸(133mg)および4−(ジメチルアミノ)ベンジルアミンジヒドロクロリド(134mg)から調製した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 2.85(s,6H)、4.36(d,J=5.8Hz,2H)、6.57−6.75(m,J=8.8Hz,2H)、7.08−7.23(m,J=8.8Hz,2H)、7.76−7.86(m,J=8.5Hz,2H)、7.92−8.06(m,J=8.5Hz,2H)、9.08(t,J=5.8Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 355.1(M+H);元素分析C1717OS:C、H、N。
【実施例18】
【0216】
N−(4−ピロリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Bに従って、4−トリフルオロメチルチオ安息香酸(133mg)および(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)メタンアミン(127mg)から調製した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 1.84−1.99(m,4H)、3.12−3.23(m,4H)、4.35(d,J=6.1Hz,2H)、6.49(m,J=8.8Hz,2H)、7.13(m,J=8.8Hz,2H)、7.81(m,J=8.1Hz,2H)、7.93−8.00(m,2H)、9.06(t,J=5.9Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 381.1(M+H)
【実施例19】
【0217】
N−(4−アミノベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Bに従って、4−トリフルオロメチルチオ安息香酸(444mg)および4−(アミノメチル)アニリン(342mg)から調製した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 4.30(d,J=6.1Hz,2H)、4.95(s,2H)、6.47−6.54(m,J=8.5Hz,2H)、6.93−7.02(m,J=8.1Hz,2H)、7.77−7.84(m,J=8.1Hz,2H)、7.93−8.02(m,J=8.5Hz,2H)、9.02(t,J=5.9Hz,1H);MS(ESI+)m/z 326.9(M+H);元素分析C1513OS:C、H、N。
【実施例20】
【0218】
N−[4−(メチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド
この生成物を、方法Bに従って、4−トリフルオロメチルチオ安息香酸(61mg)および4−(アミノメチル)−N−メチルアニリン(128mg)から調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.84(s,3H)3.76(s,1H)4.52(d,J=5.2Hz,2H)6.24(s,1H)6.56−6.63(m,2H)7.14−7.21(m,2H)7.67−7.72(m,2H)7.76−7.83(m,2H);MS(DCI/NH)m/z 341.1(M+H)
【実施例21】
【0219】
4−[(ジフルオロメチル)チオ]−N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]ベンズアミド
密封管に、N,N−ジミチルホルムアミド(14mL)中の2−クロロ−2,2−ジフルオロ酢酸ナトリウム(0.525g、3.44mmol)および重炭酸ナトリウム(0.284g、3.38mmol)を充填した。この容器を窒素でパージし、4−メルカプト安息香酸(0.35g、2.270mmol)を添加した。この混合物を、80℃に3時間温めた。3時間後に、反応混合物を冷却および濾過して、沈殿物を除去した。N,N−ジメチルホルムアミドを、ジエチルエーテル200mLおよびジクロロメタン75mLで希釈し、酢酸0.5mLでpH4.8に酸性化した。生成した濁った溶液を、塩化ナトリウム水溶液3×150mLおよび鹹水2×150mLで抽出した。有機層を、カラムにかけるために、シリカ上に集めた。生成物を、シリカ(40gカラム、1:1酢酸エチル/ヘキサン溶離液)による濾過後に回収した。粗生成物、4−(ジフルオロメチルチオ)安息香酸を、そのまま次のステップにおいて用いた。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 7.21(t,J=56.3Hz,1H)7.62−7.70(AA’BB’,2H)8.00−8.08(AA’BB’,2H);MS(ESI−)m/z 202.8(M−H)
【0220】
この生成物を、方法Bに従って、4−ジフルオロメチルチオ安息香酸(61mg)および(4−(アミノメチル)−N,N−ジメチルアニリン(45mg)から調製した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 2.85(s,6H)、4.36(d,J=5.9Hz,2H)、6.68(d,J=8.7Hz,2H)、7.14(d,J=8.7Hz,2H)、7.57(t,J=56Hz,1H)、7.65(d,J=8.3Hz,2H)、7.92(d,J=8.3Hz,2H)、9.00(t,J=5.8Hz,1H);MS(DCI/NH)m/z 337.1(M+H);元素分析C1718OS:C、H、N。
【実施例22】
【0221】
4−[(ジフルオロメチル)チオ]−N−[4−(メチルアミノ)ベンジル]ベンズアミド
表題の化合物を、方法Bに従って、4−ジフルオロメチルチオ安息香酸(実施例22における通りに調製)(150mg)および4−(アミノメチル)−N−メチルアニリン(120mg)から調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.84(s,3H)4.52(d,J=5.09Hz,2H)6.60(m,J=8.48Hz,2H)6.85(t,J=56.45Hz,1H)7.18(m,J=8.48Hz,2H)7.61(m,J=8.14Hz,2H)7.71−7.83(m,2H);MS(DCI/NH)m/z 323(M+H)、340(M+NH
【実施例23】
【0222】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−ピロリジン−1−イルフェニル)アセトアミド
この生成物を、方法Cに従って、2−(4−(ピロリジン−1−イル)フェニル)酢酸(133mg)から調製した。H NMR(300MHz,CDOD)δ ppm 1.97−2.03(m,4H)、3.19−3.27(m,4H)、3.55(s,2H)、6.51−6.58(m,2H)、6.99(t,J=56.7Hz,1H)、7.10−7.17(m,2H)、7.47−7.54(m,2H)、7.60−7.66(m,2H);MS(DCI/NH)m/z 363.0(M+H)
【実施例24】
【0223】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−ピペリジン−1−イルフェニル)アセトアミド
この生成物を、方法Cに従って、2−(4−(ピペリジン−1−イル)フェニル)酢酸(65mg)から調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 1.56−1.65(m,2H)、1.67−1.79(m,4H)、3.15−3.23(m,4H)、3.66(s,2H)、6.74(t,J=57.1Hz,1H)、6.94−6.98(m,2H)、7.13(s,1H)、7.15−7.20(m,2H)、7.40−7.52(m,4H);MS(DCI/NH)m/z 377.1(M+H)
【実施例25】
【0224】
2−(4−アゼチジン−1−イルフェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Cに従って、2−(4−(アゼチジン−1−イル)フェニル)酢酸(293mg)から調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.41(dt,J=14.6,7.3Hz,2H)、3.65(s,2H)、3.93(t,J=7.1Hz,4H)、6.47−6.54(m,2H)、6.74(t,J=57.1Hz,1H)、7.12−7.19(m,2H)、7.41−7.51(m,4H);MS(DCI/NH)m/z 349.1(M+H)
【実施例26】
【0225】
2−[4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Cに従って、2−[4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル]酢酸(133mg)から調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 3.67(s,2H)、4.24(t,J=11.7Hz,4H)、6.51−6.55(m,2H)、6.74(t,J=57.0Hz,1H)、7.10(s,1H)、7.18−7.23(m,2H)、7.43−7.52(m,4H);MS(DCI/NH)m/z 385.0(M+H)
【実施例27】
【0226】
tert−ブチル4−[2−({4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニルカルバメート
この生成物を、方法Cに従って、2−(4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)フェニル)酢酸(2.76g)から調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 1.53(s,9H)、3.68−3.71(m,2H)、6.52(s,1H)、6.75(t,J=57.0Hz,1H)、7.09(s,1H)、7.21−7.27(m,2H)、7.35−7.42(m,2H)、7.42−7.52(m,4H);MS(DCI/NH)m/z 426.1(M+NH
【実施例28】
【0227】
2−(4−アミノフェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
tert−ブチル4−[2−({4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニルカルバメート(実施例27)(3.63g)を、室温で45分間、25%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン中で攪拌した。この混合物を、1,2−ジクロロエタン(25mL)で希釈し、2回蒸発させた。残留物を、酢酸エチル(15mL)およびヘキサン(15mL)から再結晶させた。生成物を、2−(4−アミノフェニル)−N−(4−(ジフルオロメチルチオ)フェニル)アセトアミドの、1:1のトリフルオロ酢酸塩、2,2,2−トリフルオロ酢酸塩として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 3.45−4.13(m,2H)3.62(s,2H)7.03(d,J=8.5Hz,2H)7.38(t,J=56.1Hz,1H)7.28(d,J=8.5Hz,2H)7.47−7.55(m,2H)7.64−7.72(m,2H)10.36(s,1H)MS(DCI/NH)m/z 309.0(M+H):元素分析C1514OSCHF:C、H、N。
【実施例29】
【0228】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(メチルアミノ)フェニル]アセトアミド
ギ酸(0.35mL、9.1mmol)を、無水酢酸(0.69mL、7.3mmol)に0℃で添加した。混合物を、60℃に2時間温め、次いで0℃に冷却した。この無水物混合物に、メチル2−(4−アミノフェニル)アセテート(0.95g、5.7mmol)のテトラヒドロフラン(14mL)中溶液を添加した。この混合物を、室温に温め、18時間攪拌した。反応混合物を、飽和した重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、エーテルで希釈した。エーテル層を分離し、硫酸ナトリウム下で乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカにより濾過(1%メタノール/ジクロロメタン溶離剤)して、メチル2−(4−ホルムアミドフェニル)アセテート(0.8g、4.14mmol、収率56%)を得た。生成物を、テトラヒドロフラン(14mL)中に溶解し、0℃に冷却した。ボランメチルスルフィド複合体(0.393mL、4.14mmol)を添加した。15分後に、混合物を室温に30分間温めた。この混合物を、再度0℃に冷却し、メタノール5mLを添加した。この混合物を濃縮し、残留物をシリカクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン溶離剤)により精製して、メチル2−(4−(メチルアミノ)フェニル)アセテートを得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.82(s,3H)、3.51(s,2H)、3.67(s,3H)、6.51−6.61(m,2H)、6.99−7.15(m,2H):MS(ESI+)m/z 179.9(M+H)
【0229】
メチル2−(4−(メチルアミノ)フェニル)アセテート(721mg、4.0mmol)を、テトラヒドロフラン(10mL)中に溶解し、水酸化リチウム(4.4mmol)の1M水溶液で処理した。3時間後に、混合物を、1N塩酸水溶液で酸性化し、濃縮してテトラヒドロフランを除去した。水相を、ジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、有機層を、乾燥および濃縮して、2−(4−(メチルアミノ)フェニル)酢酸(309mg、1.87mmol)を得た。
【0230】
この生成物を、方法Cに従って、2−(4−(メチルアミノ)フェニル)酢酸(54mg)から調製した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 2.64(d,J=5.2Hz,3H)、3.46(s,2H)、5.50(q,J=4.9Hz,1H)、6.43−6.53(m,2H)、6.99−7.09(m,2H)、7.37(t,J=56.1Hz,1H)、7.45−7.54(m,2H)、7.63−7.73(m,2H)、10.24(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 322.9(M+H)
【実施例30】
【0231】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アセトアミド
この生成物を、方法Cに従って、2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)酢酸(54mg)から調製した。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ ppm 2.85(s,6H)、3.50(s,2H)、6.64−6.71(m,2H)、7.09−7.16(m,2H)、7.37(t,J=56.1Hz,1H)、7.45−7.54(m,2H)、7.63−7.71(m,2H)、10.27(s,1H);MS(DCI/NH)m/z 337.1(M+H)
【実施例31】
【0232】
2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、2−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)酢酸(23mg)および4−トリフルオロメチルチオアニリン(28mg)から、方法Cに従って調製した。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm 2.98(s,6H)、3.66(s,2H)、6.72−6.78(m,2H)、7.14−7.19(m,2H)、7.19(s,1H)、7.43−7.51(m,2H)、7.52−7.57(m,2H);MS(ESI+)m/z 355.0(M+H)
【実施例32】
【0233】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(イソブチルアミノ)フェニル]アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、イソブチルアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.92(d,J=6.7Hz,6H)、1.69−1.89(m,1H)、2.83(dd,J=5.8,6.9Hz,2H)、3.48(s,2H)、6.54−6.66(m,2H)、7.03−7.12(m,2H)、7.33(t,J=55.8Hz,1H)、7.48−7.56(m,2H)、7.63−7.72(m,2H);MS(ESI+)m/z 365.0(M+H)
【実施例33】
【0234】
2−{4−[(シクロヘキシルメチル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、シクロヘキサンカルボアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.92(m,2H)、1.16(m,2H)、1.19(m,1H)、1.47−1.58(m,J=18.0,14.5,7.0,3.8Hz,1H)、1.62(m,1H)、1.68(m,2H)、1.76(m,2H)、2.87(ABX,2H)、3.49(s,2H)、6.63−6.69(m,2H)、7.07−7.13(m,2H)、7.33(t,J=56.1Hz,1H)、7.48−7.55(m,2H)、7.64−7.70(m,2H);MS(ESI−)m/z 403.1(M−H)
【実施例34】
【0235】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、2−メトキシベンズアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.47(s,2H)、3.82(s,3H)、4.22(s,2H)、6.58(d,J=8.2Hz,2H)、6.88(t,J=7.3Hz,1H)、6.99(d,J=8.5Hz,1H)、7.03−7.09(m,2H)、7.20−7.24(m,2H)、7.33(t,J=56.7Hz,1H)、7.48−7.54(m,2H)、7.62−7.69(m,2H)、10.34(s,1H);MS(ESI−)m/z 427.1(M−H)
【実施例35】
【0236】
2−{4−[(4−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、4−クロロベンズアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.44(s,2H)、4.24(s,2H)、6.47−6.55(m,2H)、6.98−7.06(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.34−7.38(m,4H)、7.48−7.53(m,2H)、7.63−7.68(m,2H)、10.32(s,1H);MS(ESI−)m/z 431.0(M−H)
【実施例36】
【0237】
2−{4−[(2−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、2−クロロベンズアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.45(s,2H)、4.32(s,2H)、6.44−6.53(m,2H)、7.00−7.07(m,2H)、7.24−7.29(m,2H)、7.33(t,J=56.6Hz,1H)、7.38(dd,J=6.9,5.2.Hz,1H)、7.44(d,J=6.6,2.7Hz,1H)、7.49−7.54(m,2H)、7.63−7.69(m,2H)、10.33(s,1H);MS(ESI−)m/z 431.0(M−H)
【実施例37】
【0238】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、3−メトキシベンズアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.46(s,2H)、3.71(s,3H)、4.24(s,2H)、6.56−6.61(m,2H)、6.79(dd,J=8.1,2.3Hz,1H)、6.91(dd,J=2.4,1.7Hz,1H)、6.93(dd,J=8.0,1.6Hz,1H)、7.01−7.06(m,2H)、7.22(t,J=7.6Hz,1H)、7.33(t,J=56.7Hz,1H)、7.48−7.53(m,2H)、7.64−7.68(m,2H)、10.33(s,1H);MS(ESI−)m/z 427.1(M−H)
【実施例38】
【0239】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−メチルブチル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、3−メチルブタナールを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.89(d,J=6.4Hz,6H)、1.44(m,2H)、1.66(七重線,J=6.6Hz,1H)、3.04(dd,J=7.8,7.4Hz,2H)、3.52(s,2H)、6.70−6.77(m,2H)、7.11−7.18(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.50−7.54(m,2H)、7.64−7.69(m,2H)、10.37(s,1H):MS(ESI+)m/z 379.1(M+H)
【実施例39】
【0240】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(キノリン−4−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、キノリン−4−カルボアルデヒドを用い、トリフルオロ酢酸塩として調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.47(s,2H)、4.99(s,2H)、6.55−6.60(m,2H)、7.05−7.09(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.49−7.53(m,2H)、7.53(m,1H)、7.64−7.68(m,2H)、7.76(d,J=5.2Hz,1H)、7.91(ddd,J=8.5,7.2,1.1Hz,1H)、8.06(ddd,J=8.4,7.0,1.1Hz,1H)、8.21(d,J=7.9Hz,1H)、9.02(d,J=5.2Hz,1H)、10.36(s,1H);MS(ESI−)m/z 448.1(M−H)
【実施例40】
【0241】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[(5−エチル−2−フリル)メチル]アミノ}フェニル)アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、2−(5−エチルフラン−2−イル)アセトアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.13(t,J=7.5Hz,3H)、2.56(q,J=7.6Hz,2H)、3.50(s,2H)、4.21(s,2H)、5.98(d,J=3.1Hz,1H)、6.18(d,J=3.1Hz,1H)、6.66−6.74(m,2H)、7.07−7.14(m,2H)、7.33(t,J=56.1Hz,1H)、7.49−7.54(m,2H)、7.63−7.70(m,2H)、9.47(s,1H):MS(ESI−)m/z 415.1(M−H)
【実施例41】
【0242】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)フェニル]アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、ジヒドロ−2H−ピラン−4(3H)−オンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.56(dq,J=11.7,4.3Hz,2H)、1.81(dd,J=12.5,2.1Hz,2H)、3.34(td,J=11.7,1.5Hz,2H)、3.60(tt,J=11.2,11.2,4.2,4.0Hz,1H)、3.67(s,2H)、3.90(dd,J=11.7,2.6Hz,2H)、7.14−7.19(m,2H)、7.34(t,J=56.2Hz,1H)、7.36−7.40(m,2H)、7.51−7.55(m,2H)、7.66−7.70(m,2H)、10.49(s,1H):MS(ESI−)m/z 391.1(M−H)
【実施例42】
【0243】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(4−フェノキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、4−フェノキシベンズアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.48(s,2H)、4.26(s,2H)、6.56−6.68(m,2H)、6.92−6.99(m,4H)、7.04−7.10(m,2H)、7.13(t,J=7.5Hz,1H)、7.33(t,J=56.0Hz,3H)、7.35−7.41(m,4H)、7.49−7.54(m,2H)、7.64−7.68(m,2H);MS(ESI−)m/z 489.1(M−H)
【実施例43】
【0244】
2−{4−[(シクロプロピルメチル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、シクロプロパンカルボアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.32(ddd,J=6.0,4.6,4.4Hz,2H)、0.56(ddd,J=8.1,6.6,4.5Hz,2H)、1.02(m,1H)、3.13(d,J=7.3Hz,2H)、3.67(s,2H)、7.20−7.25(m,2H)、7.34(t,J=56.0Hz,1H)、7.36−7.41(m,2H)、7.51−7.56(m,2H)、7.64−7.71(m,2H)、10.49(s,1H);MS(ESI+)m/z 363.0(M+H)
【実施例44】
【0245】
2−(4−{[(4−ブロモチエン−2−イル)メチル]アミノ}フェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、4−ブロモチオフェン−2−カルボアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.46(s,2H)、4.42(s,2H)、6.50−6.63(m,2H)、7.03(d,J=1.2Hz,1H)、7.03−7.07(m,2H)、7.33(t,J=56.1Hz,1H)、7.42(d,J=1.5Hz,1H)、7.49−7.54(m,2H)、7.64−7.69(m,2H)、10.34(s,1H);MS(ESI−)m/z 482.9(M−H)
【実施例45】
【0246】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(キノリン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、キノリン−2−カルボアルデヒドを用いて、トリフルオロ酢酸塩として調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.46(s,2H)、4.69(s,2H)、6.59−6.68(m,2H)、7.02−7.09(m,2H)、7.32(t,J=56.0Hz,1H)、7.48−7.52(m,2H)、7.62−7.66(m,2H)、7.73(m,1H)、7.74(d,J=8.5Hz,1H)、7.93(m,1H)、8.10(d,J=8.2Hz,1H)、8.13(m,1H)、8.65(d,J=8.5Hz,1H)、10.34(s,1H);MS(ESI−)m/z 448.1(M−H)
【実施例46】
【0247】
2−(4−{[(1−アセチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}フェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、1−アセチル−1H−インドール−3−カルボアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.61(s,3H)、3.48(s,2H)、4.40(s,2H)、6.68−6.78(m,2H)、7.06−7.14(m,2H)、7.28(t,J=7.5Hz,1H)、7.33(t,J=56.4Hz,1H)、7.34(t,J=7.6Hz,1H)、7.47−7.54(m,2H)、7.63−7.70(m,2H)、7.72(d,J=7.6Hz,1H)、7.80(s,1H)、8.30(d,J=8.2Hz,1H);MS(ESI−)m/z 478.1(M−H)
【実施例47】
【0248】
2−[4−(シクロヘキシルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、シクロヘキサノンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.13(qt,J=12.3,2.1Hz,1H)、1.25(qt,J=12.8,2.8Hz,2H)、1.32(m,2H)、1.60(dt,J=12.8,2.0Hz,1H)、1.75(dt,J=12.8,2.2Hz,2H)、1.88(ddd,J=11.0,3.5,1.9Hz,2H)、3.35(tt,J=10.8,3.5Hz,1H)、3.71(s,2H)、7.26−7.32(m,2H)、7.34(t,J=56.0Hz,1H)、7.39−7.48(m,2H)、7.48−7.57(m,2H)、7.63−7.74(m,2H)、10.52(s,1H);MS(ESI−)m/z 389.1(M−H)
【実施例48】
【0249】
2−[4−({[5−(2−クロロフェニル)−2−フリル]メチル}アミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、5−(2−クロロフェニル)フラン−2−カルボアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.48(s,2H)、4.32(s,2H)、6.45(d,J=3.4Hz,1H)、6.65−6.69(m,2H)、7.05(d,J=3.4Hz,1H)、7.06−7.11(m,2H)、7.30(td,J=7.7,1.7Hz,1H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.41(td,J=7.6,1.2Hz,1H)、7.50−7.54(m,2H)、7.52(m,1H)、7.65−7.69(m,2H)、7.80(dd,J=7.9,1.5Hz,1H)、10.34(s,1H);MS(ESI−)m/z 497.1(M−H)
【実施例49】
【0250】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(4−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、4−メトキシベンズアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.45(s,2H)、3.71(s,3H)、4.18(s,2H)、6.53−6.61(m,2H)、6.78−6.93(m,2H)、6.98−7.09(m,2H)、7.25−7.30(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.47−7.56(m,2H)、7.60−7.72(m,2H)、10.33(s,1H);MS(ESI−)m/z 427.1(M−H)
【実施例50】
【0251】
2−[4−(シクロペンチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、シクロペンタノンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.52−1.65(m,4H)、1.72−1.75(m,2H)、1.83−1.94(m,2H)、3.69(s,2H)、3.85(五重線,J=7.0Hz,1H)、7.20−7.27(m,2H)、7.34(t,J=56.0Hz,1H)、7.39−7.43(m,2H)、7.49−7.60(m,2H)、7.65−7.72(m,2H)、10.51(s,1H);MS(ESI+)m/z 377.2(M+H)
【実施例51】
【0252】
2−{4−[(3−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、3−クロロベンズアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.45(s,2H)、4.27(s,2H)、6.44−6.59(m,2H)、6.98−7.09(m,2H)、7.27(ddd,J=7.5,1.8,1.7Hz,1H)、7.31(ddd,J=7.5,1.8,1.7Hz,1H)、7.33(t,J=56.1Hz,1H)、7.34(t,J=7.7Hz,1H)、7.38(dd,J=1.9,1.7Hz,1H)、7.47−7.58(m,2H)、7.62−7.71(m,2H):MS(ESI−)m/z 431.0(M−H)
【実施例52】
【0253】
2−[4−(シクロブチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、シクロブタノンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.77(m,2H)、2.04(m,2H)、2.22(m,2H)、3.62(s,2H)、3.94(dt,J=15.6,7.9Hz,1H)、6.97−7.04(m,2H)、7.34(t,J=56.0Hz,1H)、7.29−7.33(m,2H)、7.50−7.57(m,2H)、7.65−7.73(m,2H)、10.46(s,1H);MS(ESI−)m/z 361.1(M−H)
【実施例53】
【0254】
2−[4−(シクロヘプチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、シクロヘプタノンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.41(m,2H)、1.46−1.60(m,6H)、1.68(m,2H)、1.91(m,2H)、3.55(ddd,J=13.9,9.5,4.1Hz,1H)、3.71(s,2H)、7.25−7.32(m,2H)、7.34(s,1H)、7.41−7.48(m,2H)、7.51−7.57(m,2H)、7.66−7.72(m,2H);MS(ESI−)m/z 403.1(M−H)
【実施例54】
【0255】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−メチルブチル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、2−メチルブタナールを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.87(t,J=7.5Hz,3H)、0.93(d,J=6.7Hz,3H)、1.16(dqd,J=7.6,7.5,6.3,1H)、1.41−1.51(dqd,J=7.6,7.5,6.0Hz,1H)、1.65(ddqdd,J=7.3,7.2,6.7,6.3,6.0Hz,1H)、2.89(dd,J=12.5,7.3Hz,1H)、3.02(dd,J=12.7,6.3Hz,1H)、3.55(s,2H)、6.80−6.89(m,2H)、7.18−7.22(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.50−7.55(m,2H)、7.62−7.71(m,2H)、10.40(s,1H);MS(ESI+)m/z 379.0(M+H)
【実施例55】
【0256】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[(5−メチルチエン−2−イル)メチル]アミノ}フェニル)アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、5−メチルチオフェン−2−カルボアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.35(s,3H)、3.46(s,2H)、4.34(s,2H)、6.59−6.62(m,2H)、6.61(d,J=3.4Hz,1H)、6.80(d,J=3.4Hz,1H)、7.02−7.08(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.48−7.55(m,2H)、7.63−7.71(m,2H);MS(ESI−)m/z 417.0(M−H)
【実施例56】
【0257】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−ナフチルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、2−ナフトアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.45(s,2H)、4.44(s,2H)、6.60−6.67(m,2H)、7.01−7.08(m,2H)、7.32(t,J=56.0Hz,1H)、7.46−7.49(m,2H)、7.49−7.52(m,2H)、7.53(dd,J=6.5,1.5Hz,1H)、7.62−7.67(m,2H)、7.84(dd,J=5.3,4.4Hz,2H)、7.86−7.89(m,2H)、10.32(s,1H);MS(ESI−)m/z 447.1(M−H)
【実施例57】
【0258】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3,3,5,5,−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.91(s,6H)、0.99(s,6H)、1.08(d,J=14.0Hz,1H)、1.13(t,J=12.2Hz,2H)、1.27(d,J=13.7Hz,1H)、1.65(d,J=11.6Hz,2H)、3.67(tt,J=11.9,3.4Hz,1H)、3.70(s,2H)、7.34(t,J=56.0Hz,1H)、7.24−7.30(m,2H)、7.40−7.44(m,2H)、7.50−7.56(m,2H)、7.67−7.71(m,2H)、10.52(s,1H);MS(ESI+)m/z 447.1(M+H)
【実施例58】
【0259】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(チエン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、チオフェン−2−カルボアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 3.46(s,2H)、4.43(s,2H)、6.56−6.66(m,2H)、6.96(dd,J=5.0,3.5Hz,1H)、7.03(dd,J=3.4,0.9Hz,1H)、7.33(dd,J=5.2,1.2Hz,1H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.47−7.57(m,2H)、7.62−7.70(m,2H):MS(ESI−)m/z 403.0(M−H)
【実施例59】
【0260】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(ネオペンチルアミノ)フェニル]アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、ピバルアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.97(s,9H)、2.88(s,2H)、3.53(s,2H)、6.79−6.88(m,2H)、7.10−7.19(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.48−7.57(m,2H)、7.63−7.73(m,2H)、10.38(s,1H);MS(ESI+)m/z 379.0(M+H)
【実施例60】
【0261】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサノンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.30−1.42(m,4H)、1.94(m,2H)、2.00(m,2H)、2.27(m,1H)、3.37(m,1H)、3.64(s,2H)、7.05−7.14(m,2H)、7.34(t,J=56.0Hz,1H)、7.32−7.38(m,2H)、7.50−7.56(m,2H)、7.64−7.71(m,2H);MS(ESI+)m/z 459.1(M+H)
【実施例61】
【0262】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、トリフルオロアセトアルデヒドを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMS−d)δ ppm 3.49(s,2H)、3.86(q,J=9.7Hz,2H)、6.65−6.71(m,2H)、7.06−7.12(m,2H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.50−7.54(m,2H)、7.63−7.70(m,2H)、10.36(s,1H);MS(ESI−)m/z 389.0(M−H)
【実施例62】
【0263】
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−フェニルシクロヘキシル)アミノ]フェニル}アセトアミド
この生成物を、方法Dに従って、3−フェニルシクロヘキサノンを用いて調製した。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.55(qd,J=11.9,2.1Hz,1H)、1.59−1.69(m,2H)、1.72−1.92(m,6H)、2.99(tt,J=11.1,2.1Hz,1H)、3.60(s,2H)、7.00−7.07(m,2H)、7.19(t,J=7.3Hz,1H)、7.21−7.26(m,2H)、7.26−7.33(m,4H)、7.33(t,J=56.0Hz,1H)、7.49−7.56(m,2H)、7.64−7.70(m,2H);MS(ESI−)m/z 465.2(M−H)
【0264】
生物活性の測定
アロステリックなモジュレーターとしての有効性を測定するために、本発明の化合物を、ゼノパス・オーサイト(Xenopus oocyte)、内因性または組換え型のα7NNRを発現する細胞または細胞系を用いた以下の検定に従って評価した。
【0265】
検定は、(i)α7NNRのcRNAまたはcDNAを注入したゼノパス・オーサイト(Xenopus oocyte)およびアセチルコリンまたは別のアゴニストにより誘発される電流応答に対する複合的効果の評価と、(ii)α7NNRを内在的に発現するIMR−32細胞、および蛍光イメージングプレートリーダ(FLIPR)に基づく検定を利用した、Ca2+流束または膜電位の変化の測定と、(iii)ウエスタンブロット検定を用いたリン酸ERK活性の測定とを含む。
【0266】
式(I)の化合物の、疼痛の低減における有効性を測定するために、本発明の化合物を、ホルマリンに誘導される持続的な侵害受容挙動の検定で評価した。
【0267】
DBA/2マウスの中での知覚のゲート開閉(N40)の検定を、本発明の化合物が、重要な刺激に集中し無関係な暗雑音を無視する試験動物の能力を向上させるか否かを測定するために用いた。
【0268】
シグマ受容体(σ1およびσ2)への結合を、選択性の検定として用いた。
(i)ゼノパス・ラエビス・オーサイト(Xenopus laevis oocyte)における二電極電位固定
ゼノパス・ラエビス・オーサイトを、文献(例えば、参照により本明細書に組み込む、Briggs,C.A.他、 Neuropharmacology、1995年、34、583−590頁;Briggs,C.A.他、Neuropharmacology、1998年、37、1095−1102頁を参照されたい。)に記載のように、電気生理学実験のために調製した。手短に言えば、メスの成体のゼノパス・ラエビスのカエルの卵巣から3から4個の葉を除去し、低Ca2+のバルト溶液(90mM NaCl、1.0mM KCl、0.66mM NaNO、2.4mM NaHCO、10mM HEPES、2.5mMピルビン酸ナトリウム、0.82mM MgClおよび0.5%(体積/体積) ペニシリン−ストレプトマイシン溶液、pH=7.55、Sigma)中で調製したコラゲナーゼ型1A(2mg/mL、Sigma)で、約1.5時間から約2時間の間、約18℃において、一定した攪拌の下で処理した後に濾胞除去して、単離された卵母細胞を得た。
【0269】
単離された卵母細胞に、約4ngから約6ngのヒトのα7NNRのcRNAを注入し、変形バルト溶液(90mM NaCl、1.0mM KCl、0.66mM NaNO、2.4mM NaHCO、10mM HEPES、2.5mMピルビン酸ナトリウム、0.74mM CaCl、0.82mM MgCl、0.5%(体積/体積) ペニシリン−ストレプトマイシン溶液、pH7.55)中で、加湿されたインキュベータ中において約18℃に保持し、注入後、約2から7日で使用した。応答を、Parallel Oocyte Electrophysiology Test Station(Abbott、Abbott Park、イリノイ州)を用いた二電極電位固定により測定した(例えば、参照により本明細書に組み込む、Trumbull,J.D.他、Receptors Channels、2003年、9、19−28頁を参照されたい。)。記録中は、卵母細胞を、Ba2+−OR2溶液(90mM NaCl、2.5mM KCl、2.5mM BaCl、1.0mM MgCl、5.0mM HEPESおよび0.0005mM アトロピン、pH7.4)中に浴して、Ca2+依存電流の活性化を防止し、室温(約20℃)において−60mVに保持した。試験化合物を、単独で約60秒間、次いでアゴニストとして0.1mMのアセチルコリン(ACh)の存在下で予備適用した。データを、参照PAM(10μMで、N’−[(2Z)−3−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−5−メチル−1,3−チアゾール−2(3H)−イリデン]−N,N−ジメチル尿素)の応答を100%として、いかなるPAMも含まない最大下のAChに対する応答を0%として規格化したアセチルコリン誘発電流のパーセンテージの強化として表した。
【0270】
図1は、卵母細胞中において0.1mMのAChに誘発されたα7の電流の強化における、実施例17についての濃度−応答の関係を示している。このグラフにおいて、EC50値は、0.18μMであり、規格化された強化の程度は94%である。図2は、卵母細胞中において0.1mMのAChに誘発されたα7の電流の強化における、実施例12についての濃度−応答の関係を示している。このグラフにおいて、EC50値は、3.7μMであり、強化の程度は61%である。
【0271】
(ii)内在性α7NNR発現細胞を用いた高処理カルシウム流束の検定
アロステリックなモジュレーターは、チャネル機能の速度論に影響を及ぼし、したがって、カルシウムの動態に影響を及ぼすので、検定が選択性アゴニストの存在下で行われた際に、新規なモジュレーターを確認でき、逆に、アロステリックなモジュレーターの存在下でスクリーニングまたは試験が行われた際に、新規なアゴニストを確認できることが示されている。このように、PAMおよびNNRアゴニストは、α7NNRを含む様々なニコチン性受容体を内在的に発現するIMR−32細胞を用いることにより確認され得る。このような検定は、α7NNRサブユニットを発現し、α7ニコチン性化合物のスクリーニングを従来的に行うことができないいくつかの細胞系とともに利用され得ることが考えられる。したがって、本明細書に記載のアロステリックなモジュレーター化合物は、IMR−32神経芽細胞腫または一次の分離ニューロン等の細胞系を用いた蛍光系の処理量の機能性検定を用いて確認され得る。
【0272】
IMR−32神経芽細胞腫およびニューロン等の細胞系は、いくつかのニコチン性受容体サブユニットを含有することが知られているが、現在の検定におけるα7の選択性アゴニストは、PAM存在下でのみ、カルシウムの応答を選択的に刺激する。任意の適切な選択性のα7アゴニストが用いられ得る。PNU−282987、SSR180711AおよびAR−R17779を含む文献に記載のもの、ならびに2−メチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール(例えばUS20050065178を参照されたい。)、 5−[6−(5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2イル)−ピリダジン−3−イル]−1H−インドール(例えばUS20050065178を参照されたい。)、3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(例えばUS2005/0137204およびUS2005/0245531を参照されたい。)および4−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(例えばWO2004/029053を参照されたい。)等の、先の特許出願に記載の他のもの等の、一連の構造種からの選択性のα7アゴニストが用いられ得る。
【0273】
IMR−32神経芽細胞腫細胞(ATCC)を、162cmの組織培養フラスコ中において、10%ウシ胎児血清ならびに1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mMの非本質的なアミノ酸および1%抗菌抗真菌剤を追加した最低限の本質的な媒体中で集蜜するまで成長させた。次いで、この細胞を、細胞解離緩衝剤を用いて解離させ、100μLの3.5×10細胞/mL細胞懸濁液を、透明な底をもち、ポリ−D−リジンであらかじめコーティングした黒色の96個のウエルのプレート中に入れ(約75000−100000細胞/ウエル)、5%CO、95%空気の雰囲気下の37℃の組織培養インキュベータ中で、24−48時間維持した。内在性のα7ニコチン性受容体を発現する、他のクローン細胞系または解離した一次皮質ニューロンも、この検定において用いられ得る。
【0274】
カルシウムの流束を、calcium−3検定キット(Molecular Devices、サニーベール、カリフォルニア州)またはFluo−4(Invitrogen、カールズバッド、カリフォルニア州)を用いて測定した。色素の保存溶液を、10または20mMのHEPESを含有するハンクのバランス電解液の緩衝剤(HBSS)に、供給元により供給されたそれぞれのバイアルを溶解することにより調製した。この保存溶液を、使用前に同じ緩衝剤を用いて1:20に希釈した。成長媒体を細胞から除去し、100μLの色素を入れ、室温で1から3時間インキュベーションした。蛍光測定を、励起波長480nmおよび発光波長520nmでの蛍光イメージングプレートリーダ(FLIPR)により、すべてのウエルから同時に読み取った。ベースラインの蛍光を、3倍濃縮のモジュレーター/試験化合物50μLを細胞プレートに添加し3から5分間インキュベーションした最初の10秒間に測定した。蛍光強度を、最初の1分間において毎分、次いでさらに2から4分間において2−5秒ごとに捕捉した。この手順に、4倍濃縮のアゴニスト50μLが続き、上述のように3から5分の時間の間、読み取りを行った。
【0275】
この検定は、384または1536個のウエルの方式等の他の方式にも適合し得る。蛍光の応答の変化の濃度依存性を、非線形回帰分析(GraphPad Prism、サンディエゴ、カリフォルニア州)またはAssay Explorer(Elsevier MDL、サンラモン、カリフォルニア州)により合わせて、EC50値を得た。アゴニスト単独では、いかなる応答をも誘発しなかった。しかし、アロステリックなモジュレーターの存在下において、アゴニストは、濃度に依存したカルシウムの応答の増大を誘発した。α7NNRの選択性アンタゴニスト、メチルリカコニチン(MLA)は、この効果がα7NNRにより媒介されることを示す応答を消失させた。
【0276】
PAMを、α7NNRを未変性に発現する細胞を用い、選択性のα7NNRアゴニストの存在下において、蛍光プレートリーダで、細胞内カルシウムに対する蛍光の変化を測定することにより確認した。PAM活性をもつ化合物は、検定がα7NNRのアゴニストの存在下で行われた場合にIMR−32神経芽細胞腫細胞系、内在性のα7NNRを発現する細胞系中でのカルシウムの蛍光の応答を誘発した。アゴニスト単独では、カルシウムの応答を誘発しなかった。しかし、アゴニストおよびモジュレーターを一緒に同時適用した場合にカルシウムの応答が誘発された。上記の実施例において、4−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン(例えばWO2004/029053を参照されたい。)を、濃度変化させた本発明の化合物の存在下における、1μMのアゴニストとして用いた。この検定において測定されるPAM化合物のEC50値は、一般に、1nMから>30μMの範囲であり得る。2−メチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール(US20050065178において公開)、 5−[6−(5−メチルヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2イル)−ピリダジン−3−イル]−1H−インドール(US20050065178において公開)、様々なキヌクリジン誘導体(例えば、US2005/0137204およびUS2005/0245531を参照されたい。)およびPNU−282987(例えば、Hajos,M.他、J Pharmacol.Exp Ther.、2005年、312、1213−22頁を参照されたい。)を含む他のα7NNRアゴニストも、この検定に適している。同様に、α7NNRを未変性に発現する一次ニューロンおよび他のクローン細胞系も利用され得る。膜電位の変化をモニターするもの等の他の蛍光測定も、この検定に適している。
【0277】
(iii)内在性α7NNR発現細胞を用いた高処理ERKリン酸化検定
ラット褐色細胞腫(PC−12)細胞(ATCC、マナッサス、バージニア州)を培養し、37℃のポリ−Dリジンでコーティングされたディッシュに、15%ウマ血清、2.5%ウシ胎児血清および2mMのL−グルタミン、ならびに5%COを追加したF−12K媒体中に維持した。細胞を、ポリ−D−リジンでコーティングされた黒色の壁で透明な底の96個のウエルのBiocoat(商標)プレート(BD Biosciences、ベッドフォード、マサチューセッツ州)に入れ、2−3日間成長させた。その後、培養媒体を、血清不含の媒体に置き換えて、終夜細胞を欠乏状態にした。結果のセクションで示すように、検定の日に、細胞媒体を除去し、細胞(60−80%の集密度)を、ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(D−PBS)(Ca2+、Mg2+および1mg/mLのD−グルコースを含む。)中で、アゴニストおよび/またはモジュレーターで処理した。
【0278】
別に示されなければ、PC−12細胞を、37℃で10分間、試験PAM化合物で処理し、次いで、100μL/ウエルの最終的な体積中で、37℃で5分間、選択性のα7NNRアゴニストに暴露する。処理後、媒体を処分し、付着細胞を、150μL/ウエルの3.7%ホルムアルデヒド/リン酸緩衝生理食塩水の存在下で、すぐに室温において30−60分間固定した。次いで、細胞を洗浄(4回/5分)し、200μL/ウエルの0.1%Triton X−100/PBSで透過化した。透過化された細胞を、Odyssey(登録商標)ブロッキング緩衝剤(100μL/ウエル)を用いてブロッキングし、プレートを4℃で終夜振盪した。抗トータルERK(ウサギ)および抗リン酸ERK(マウス)の抗体を両方とも、Odyssey(登録商標)ブロッキング緩衝剤中で、それぞれ1/1000および1/500に希釈し、室温で2−3時間の間に50μL/ウエルで一緒に添加した。多クローン性ウサギ抗ERK1/2および単クローン性マウス抗リン酸ERK1/2を、Sigma−Aldrich(セントルイス、ミズーリ州)から購入した。このプレートを、0.1%Tween 20/PBS(200μL/ウエル)で4回洗浄し、0.2%Tweenを追加したブロッキング緩衝剤中で1時間、二次抗体(1/1000希釈)とともにインキュベーションした。Alexa Fluor(登録商標)680で標識したヤギ抗ウサギ抗体を添加して、トータルERK標識(赤色)を認識し、IRDye(商標)800で標識したロバ抗マウス抗体を添加して、リン酸ERK標識(緑色)を認識した。Alexa Fluor(登録商標)680で標識したヤギ抗ウサギ抗体を、Molecular Plobes(ユージーン、オレゴン州)から得た。IRDye(商標)800CWで標識したロバ抗マウス抗体を、Rockland(ギルバーツビル、ペンシルベニア州)から購入した。プレートを、0.2%Tweenおよび0.01%SDS/PBSで4回洗浄し、Odyssey(登録商標)の赤外線走査装置を用いて走査した。ウエルの強度を定量化し、リン酸ERK信号を、Odyssey(登録商標)のソフトウエアによりトータルERK信号に規格化した。データ解析を、GraphPad Prism(GraphPad Software、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いて行った。
【0279】
PAMは、in−cellウエスタン解析により、ERK(細胞外受容体キナーゼ)のリン酸化の変化を測定することにより確認され得る。アロステリックなモジュレーターの活性をもつ化合物は、ERKリン酸化の濃度依存的な増大を誘発する。データを得るために、PNU−282987(例えば、Hajos他 J Pharmacol.Exp Ther.2005年、312、1213−22頁を参照されたい)等のα7NNRアゴニストを、α7の選択性アゴニストとして用いた。この検定における一般的なEC50値は、約10nMから約30μMの範囲である。2−メチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール、 5−[6−(5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2イル)−ピリダジン−3−イル]−1H−インドール(US20050065178に公開)、様々なキヌクリジン誘導体(例えばUS2005/0137204およびUS2005/0245531を参照されたい。)ならびに4−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナンおよび関連する類似物(例えばWO2004/029053を参照されたい。)を包含する他のα7ニコチン性受容体アゴニストも、この検定に適している。
【0280】
(iv)ホルマリン誘導の持続性侵害受容挙動の検定
侵害受容を、ホルマリン試験を用いて評価した。マウスを、開放したプレキシガラスの観察容器内に30分間置いて、マウスをこれらの周囲に慣らし、次いで、マウスをホルマリン投与のために取り出した。マウスを穏やかに保持しつつ、後足の背側に、2.5%ホルマリン20μLを、30番径の針で右後足の足底表面に注射した。この動物を、容器に戻し、ホルマリン注射後すぐに侵害受容挙動を観察した。鏡を、それぞれの容器内に置いて、邪魔のない観察を可能にした。侵害受容挙動を、ホルマリン注射後、連続した5分間(I期)および20−45分間(2期)の間、注射した足をリッキングする時間として定量化した。ホルマリンに誘導されるフリンチング/リッキングの挙動は二相性であった。最初の急性期(I期、0−5分)の後に、比較的短い静止した期間があり、次いで、持続的な強直性の応答(II期、20−45分)が続いた。
【0281】
ホルマリン注射前10分において、皮下に投与した参照PAM化合物(10%DMSO/HBC中で10mg/kgの(N−[4−(メチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド(実施例20)は、注射した足のフリッキング時間の侵害受容挙動を2期で68%低減し、PAM化合物がホルマリン誘導中枢神経感作への抑制的な効果を有することを示す図3において示されるように、この時間内における疼痛緩和を示している。
【0282】
(v)DBA/2マウスにおける知覚のゲート開閉の欠乏(N40のゲート開閉)の検定
知覚のゲート開閉は、重要な刺激に注意を払い、無関係な暗雑音を無視することを促進する、基本的な中枢神経系の機能である。知覚のゲート開閉の実例は、騒々しいパーティーで会話についていく能力である。知覚のゲート開閉の実験的測定は、反復性の聴覚刺激に応答した脳波(誘発電位)の抑制である。統合失調症患者は、反復性の刺激への応答を抑制することができないので、知覚のゲート開閉の欠乏を有しているとみなされる。DBA/2マウスは、反復性の聴覚刺激に応答するN40の誘発電位を抑制することが同様にできないことを示す系統である。
【0283】
DBA/2マウス(20−25g、8−10週、Harlan)を、ゲート開閉の実験のために用い、実験動物管理公認協会の承認された手順に従って取り扱った。マウスは、適宜、食物および水を与えられ、12時間の明/暗サイクル(照明点灯0600時間)に維持された。
【0284】
使用した外科的な技術は、すでに記載されたものと同様であった(Connolly PM、他(2003年)Brain Res 992(1)、85−95頁)。マウスに、海馬のCA3領域内における脳波図(EEG)を記録するために、定位的に三極のステンレス鋼ワイヤ電極(Plastics One、Roanoke、バージニア州、米国)を埋め込んだ。マウスを、まず、ケタミン140mg/kgで、2.8%ケタミン(Fort Dodge Animal Health、オーバーランドパーク、カンザス州、米国)、0.28%キシラジン(Phoenix Pharmaceuticals セントジョセフ、ミズーリ州、米国)および0.05%アセプロマジン(Phoenix Pharmaceuticals セントジョセフ、ミズーリ州、米国)の溶液で麻酔した。頭皮の切開を中心線に沿って行い、露出した頭蓋骨を3.0%過酸化水素で殺菌および乾燥した。3つのドリル穴(#68ドリルバイト)を、中央の頭蓋骨縫合から内外方向(ML)で1.0、1.8および2.6mmに開けた。すべての3つの穴は、十字縫合から前後方向(AP)で−1.8mmに位置し、したがって、それらの穴は、中央の頭蓋骨縫合に垂直な平面内にあった。ML2.6およびAP−1.8mmの穴は、海馬に向ける電極のためであった。ML1.0、AP−1.8mmおよびML1.8、AP−1.8mmの穴は、それぞれ、皮質および参照の電極のためであった。海馬の電極チップの深さは、皮質表面の下に、背腹方向(DV)で1.65−1.70mmであった。皮質および参照の電極の深さは、頭蓋骨表面からDV0.5mm、すなわち電極が、皮質組織に接触しているが貫入していない距離であった。2つの追加の穴を、固着ネジ(#00−90、1/16”)を配置するために反対側の頭蓋骨に開けた。次いで、これらのネジを、頭蓋骨中に打ち込んだ後に、定位的な電極ホルダーで脳内に三極の電極を下げた。電極を完全に挿入する前に、シアノアクリル酸系接着剤を、電極台座の下の頭蓋骨上に滴下した。次いで、電極および台座を完全に下げ、接着剤を数分間乾燥させた。台座を、歯科用アクリルで頭蓋骨に恒久的に貼り付けた。次いで、マウスを、実験を行う前に少なくとも4日間回復させた。
【0285】
EEGおよび誘発電位(EP)を得るために、無麻酔のマウスを、聴覚的に隔離された容器(Med Associates)の中で記録した。EEGの生体信号を、屈曲性のケーブルロープおよび電気的な回り継手(Plastics One)を用い、自由に動くマウスから記録し、差動AC増幅器(Grass Instrument Division、Astro−Med、ウエストワーウィック、ロードアイランド州、米国)で増幅した。EEGは、1000倍増幅され、バンドパスフィルターを、1および300Hzに設定した。聴覚のEPを、マウスから約15−20cmの距離の、記録容器内のスピーカーから、白色雑音対バースト(5m秒持続)120組を与えることにより生成した。対の最初の聴覚刺激、すなわち条件付け刺激の0.5秒後に、試験刺激と呼ぶ同一の聴覚刺激が続く。刺激対の間の時間の長さは15秒であった。対の間の間隔は、一般に、前の刺激対からの潜在的な影響を最小化する範囲である10−15秒であると報告されている(Adler LE、他(1986年)Biol Psychiatry 21、787−798頁;Connolly PM、他(2003年)Brain Res 992(1)、85−95頁;Stevens KE、他(1995年)Psychopharmacology 119、163−170頁)。記録容器内の聴覚刺激の音量は65dBであり、これは、記録容器の一定の60dBの暗雑音を5dB上回っていた。驚きの応答は、この比較的低水準の刺激によっては誘発されなかった。データ取得ソフトウエア(SciWorks、Datawave Technologies、バーソード、コロラド州、米国)を、1000HzのEEG信号をデジタル化し、最初の条件付け刺激の100m秒前に開始し、900m秒後に終了する、1秒のデータを取得するように設定した。このソフトウエアにより、120対の応答を、1つの複合的な誘発応答に平均化した。海馬のEPの振幅の測定を、ピーク検出分析ソフトウエア(SciWorks)を用い、完全にコンピュータ自動化した。聴覚刺激に対するEPの応答は、刺激後25−50m秒の反対の極性のピークが後にくる、刺激後10−25m秒の潜伏期におけるピークの偏差として確認された。これらの2つのピークの間の振幅の差異を、マイクロボルト(μV)でのN40の振幅として定義した。ヒトのP50に類似した、マウスのN40の振幅を、平均化された条件付け(CAMP)および試験(TAMP)の両方のEPについて測定し、2つの応答の間の比を、試験の振幅を条件付けの振幅で割ることにより得た。T:C(試験:条件付け)比と呼ぶこの計算は、治療を知覚のゲート開閉に対する効果について評価する測定であった。T:C比を、それぞれのマウスにおいて、全記録時間の間測定した。0.60未満の対照のT:C比をもつ、したがって知覚のゲート開閉の欠乏がないDBA/2マウスは、データ分析から除外した。
【0286】
マウスを記録容器内に置き、聴覚のEPの記録を開始する5分前に、薬剤を投与した。EPの記録を、記録開始後30分間続けた。すべての実験について、それぞれのマウスに、媒体の対照を含むすべての治療を、別々の日に、治療の間は少なくとも72時間で投与した。この被験体内の計画により、それぞれのマウスが、これ自体の対照として役立つことが可能になった。治療の順序を、すべての実験におけるそれぞれの動物について無作為化した。
【0287】
実施例20を、ジメチルスルホキシド5%、Solutol−HS15(BASF)5%およびリン酸緩衝食塩水(Sigma Chemical)90%の媒体の組合せを用いて溶解した。パーセンテージは、最終的な溶液の体積のものである。
【0288】
用量応答のために利用した統計分析は、有意な用量を確認するためのNewman−Keuls多重比較事後試験が後にくる、反復測定ANOVAであった。
【0289】
T:C比は、誘発される潜在的な抑制の指標であり、大きな比は弱い抑制を、小さな比はより大きな抑制を示す。したがって、薬剤によるT:C比の減少は、知覚のゲート開閉の治療上の改善とみなされる。図4は、0.01μmol/kgの用量のPAM(実施例20)が、DBA/2マウスにおけるT:C比を、媒体と比べて23.7±8.9%低下させたことを示している。したがって、PAM(実施例20)によるα7のニューロンのニコチン性受容体の正のアロステリックな調整は、知覚のゲート開閉を改善する能力を有する。これは、PAM(実施例20)が、統合失調症患者の、関連のある知覚刺激に集中し、無関係な雑音に気を散らさない能力を改善できることを示唆している。
【0290】
(vi)シグマ受容体の結合検定
本発明の化合物は、α−7NNRのPAMであり、シグマ受容体の阻害剤ではない、すなわち、シグマ受容体へのいかなる顕著な結合をも示さない(シグマ受容体リガンドおよびこれらの使用の例については、例えば米国特許第6057371号を参照されたい。)。
【0291】
シグマ受容体は、いくつかの精神活性剤と相互作用する結合部位である。シグマ受容体(σ1およびσ2)に対する公知のリガンドの特定の結合を阻害することを、試験化合物の選択性を測定するために用いた。この検定を、文献(非選択性σ:Shirayama,Y.、他 Eur.J.Pharmacol.(1993年)、237、117−126頁、σ1:Ganapathy,M.E.、他 J.Pharmacol.Exp.Ther.(1999年)289、251−260頁、σ2:Bowen,M.D.、他 Mol.Neuropharmacol.(1993年)3、117−126頁)にすでに記載されている通りに行った。非選択性σ受容体の供給源は、ラットの大脳皮質であった。σ1およびσ2の受容体の供給源は、それぞれ、ジャーカット細胞およびラットの大脳皮質であった。
【0292】
受容体に対する親和性を、試験化合物による特異的なリガンド(非選択性σについて、8nMの[H]1,3−ジ(2−トリル)グアニジン、σ1について、8nMの[H](+)ペンタゾシン、σ2について、5nMの[H]1,3−ジ(2−トリル)グアニジン)の競合的置換により測定した。非特異的な結合を、過剰な非標識の結合剤(10μMハロペリドール)を添加することにより測定した。
【0293】
結果を、表1に示すように、試験化合物(10μM)の存在下で得られた対照の特異的な結合のパーセント阻害(100−((測定した特異的な結合/対照の特異的な結合)×100))として表す。さらに、表1は、ゼノパス・ラエビス・オーサイト(Xenopus laevis oocyte)の検定における電位固定から選択された化合物についてのデータを含む。
【0294】
【表1】

【0295】
本発明の化合物は、天然の神経伝達物質、アセチルコリン、または外因的に投与されたアゴニストの効果を増大させることができるα7NNRのPAMである。理論により限定されるものではないが、PAMは、一般に、(i)受容体がより長い期間の間、開口なままであるように、受容体の脱感作を弱めることにより、および/または(ii)最大の受容体活性化を増大させることによりAChの効能を直接的に増幅することにより、アゴニスト(アセチルコリン)の応答を増幅する。いずれの場合においても、このような化合物は、一般に、アセチルコリンの内因的な伝達を促進し、このような効果は、α7受容体が発現される領域に局在化されるので、時間的および空間的に限定された様式でこのようにすることができる。アロステリックなモジュレーターの化合物は、本明細書に記載のカルシウムの応答により測定されるようなイオンチャネル機能の向上、または電流もしくは膜電位の研究等の他の取組みにより、α7NNRの機能を調節することができる。
【0296】
実施形態において、それらの化合物は、約0.1nMから約10μMの濃度範囲の間のこれらの検定においてPAMとして挙動する。α7NNRのアロステリックな調整は、記憶、細胞保護作用、遺伝子転写および疾患の改変に対する効果に重要である、重要な信号伝達過程を引き起こすことができる。したがって、哺乳動物への治療有効量の式(I)の化合物の投与は、α7NNRの効果を選択的に調節する方法を提供する。
【0297】
前述の詳細な説明および実施例は、単なる例示であり、本発明の範囲に対する限定としてとらえられるべきではないと理解される。開示された実施形態に対する様々な変化および変更は、当業者に明白である。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤および/または使用方法に関するものを限定なく含むこのような変化および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。このような改変は、添付の特許請求の範囲の中に含まれることが意図される。
【0298】
本明細書に引用したすべての参照文献は、これにより、これら全体を参照により本明細書に組み込む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物(式中、
Aは、−C(O)NH−または−NHC(O)−であり、
、RおよびRは、独立して、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキルまたはハロゲンであり、
存在するそれぞれのRは、独立して、アシルオキシ、アルコキシ、アルキル、ハロアルキル、ハロゲンまたはヒドロキシであり、
nは、0、1、2、3または4であり、
は、水素またはハロゲンであり、
およびRは、RまたはRの少なくとも1つがNRであるという条件で、独立して、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、シアノ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲンまたはNRであり、
およびRは、独立して、水素、アルケニル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールアルキル、複素環もしくは複素環アルキルであり、またはR、Rおよびこれらが結合している窒素原子は、場合によって置換されている単環式ヘテロアリールもしくは場合によって置換されている単環式複素環を形成している。)
またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項2】
が、水素またはフッ素である、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項3】
およびRが、独立して、水素、アルキル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキルおよびヘテロアリールアルキルから選択される、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項4】
およびRならびにこれらが結合している窒素原子が、1H−イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリルおよびトリアゾリルから選択されるヘテロアリールを形成している、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項5】
およびRならびにこれらが結合している窒素原子が、アゼチジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルおよびテトラヒドロピラニルから選択される複素環を形成している、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項6】
nが0であり、R、RおよびRが水素である、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項7】
単環式ヘテロアリールが、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アミド、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ニトロおよび−NRからなる群から選択される、0、1、2または3個の置換基で置換されており、RおよびRが、独立して、水素、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリール、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールまたは複素環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
単環式複素環が、アシルオキシ、アルケニル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アミド、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、オキソおよび−NR9899からなる群から選択される、0、1、2または3個の置換基で置換されており、R98およびR99が、独立して、水素、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリール、シクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールまたは複素環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Aが−C(O)NH−である、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項10】
Aが−NHC(O)−である、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項11】
N−[3−(1H−ピロール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(3−ピペリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(3−ピロリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(アセチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(ジエチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[3−(メチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(2−オキソピロリジン−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[3−(1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[3−(ジメチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド:
N−{3−[アセチル(メチル)アミノ]ベンジル}−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(1H−ピロール−1−イル)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(4−ピロリジン−1−イルベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−(4−アミノベンジル)−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
N−[4−(メチルアミノ)ベンジル]−4−[(トリフルオロメチル)チオ]ベンズアミド;
4−[(ジフルオロメチル)チオ]−N−[4−(ジメチルアミノ)ベンジル]ベンズアミド;
4−[(ジフルオロメチル)チオ]−N−[4−(メチルアミノ)ベンジル]ベンズアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−ピロリジン−1−イルフェニル)アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−ピペリジン−1−イルフェニル)アセトアミド;
2−(4−アゼチジン−1−イルフェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
tert−ブチル4−[2−({4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アミノ)−2−オキソエチル]フェニルカルバメート:
2−(4−アミノフェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(メチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(イソブチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
2−{4−[(シクロヘキシルメチル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
2−{4−[(4−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
2−{4−[(2−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−メチルブチル)アミノ]フェニル}アセトアミド:
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(キノリン−4−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[(5−エチル−2−フリル)メチル]アミノ}フェニル)アセトアミド:
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)フェニル]アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(4−フェノキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
2−{4−[(シクロプロピルメチル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
2−(4−{[(4−ブロモチエン−2−イル)メチル]アミノ}フェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(キノリン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド:
2−(4−{[(1−アセチル−1H−インドール−3−イル)メチル]アミノ}フェニル)−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(シクロヘキシルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−({[5−(2−クロロフェニル)−2−フリル]メチル}アミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(4−メトキシベンジル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(シクロペンチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−{4−[(3−クロロベンジル)アミノ]フェニル}−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド:
2−[4−(シクロブチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
2−[4−(シクロヘプチルアミノ)フェニル]−N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−[(2−メチルブチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[(5−メチルチエン−2−イル)メチル]アミノ}フェニル)アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2−ナフチルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(チエン−2−イルメチル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−[4−(ネオペンチルアミノ)フェニル]アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−(4−{[4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセトアミド;
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(2,2.2−トリフルオロエチル)アミノ]フェニル}アセトアミド:および
N−{4−[(ジフルオロメチル)チオ]フェニル}−2−{4−[(3−フェニルシクロヘキシル)アミノ]フェニル}アセトアミド;
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグ。
【請求項12】
治療有効量の請求項1に記載の式(I)の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを投与することを含む、このような治療を必要とする患者においてα7ニコチン性アセチルコリン受容体により調節される障害または状態を治療する方法。
【請求項13】
障害または状態が、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、アルツハイマー病、軽度認知障害、老年認知症、エイズ認知症、ピック病、レビー小体に関連する認知症、ダウン症候群に伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、外傷性脳障害に伴うCNS機能減退、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、炎症、炎症性疼痛、神経因性疼痛、禁煙、統合失調症、統合失調症に伴う認知障害および抑うつからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
障害または状態が、疼痛、急性疼痛、術後疼痛、慢性疼痛、炎症、炎症性疼痛、または神経因性疼痛である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
非定型の抗精神病薬、コリンエステラーゼ抑制剤、ヒスタミンH3アンタゴニスト、5HT2cアンタゴニスト、5HT−6アンタゴニスト、ドーパミンD1アゴニスト、ムスカリン性受容体アンタゴニスト、カリウムチャネル遮断剤、α7NNRリガンドまたはα4β2NNRリガンドと組み合わせて、投与することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
治療有効量の、請求項1に記載の化合物またはこの薬学的に許容できる塩、エステル、アミドもしくはプロドラッグを、薬学的に許容できる担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項17】
同位体標識した形の請求項1に記載の化合物を、内在性のα7NNRを発現する細胞または組換え型のα7NNRを発現する細胞と相互作用させ、前記細胞に対する前記同位体標識すなわち放射能標識した形の化合物の効果を測定することを含む、α7NNRの活性に関連する状態または障害を評価または診断する方法。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物を、蛍光媒体中で、内因的にα7NNRを発現する細胞もしくは細胞系または組換え型のα7NNRを発現する細胞と相互作用させ、このような蛍光の変化を測定することを含む、α7NNRアゴニストを確認する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−519354(P2011−519354A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503051(P2011−503051)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/038474
【国際公開番号】WO2009/145996
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】