説明

電気光学装置及びその製造方法、並びに導電層の接続構造

【課題】画素の開口率を高める。
【解決手段】液晶装置1は、TFTアレイ基板10上の互いに異なる層に夫々形成されており、第2層間絶縁膜42を介して互いに電気的に絶縁された上部容量電極300及び下部容量電極71、サイドウォール91、接続用導電膜93、誘電体膜75及びコンタクトホール85を備えている。接続用導電膜93によれば、コンタクトホールを形成する際のマージンを確保するために広げざるを得なかった下部容量電極71及び上部容量電極300の面積を低減でき、画素毎の開口領域の間隙に位置する非開口領域を低減することが可能である。これにより、画素における非開口領域の幅W1をサイドウォール91の幅W2に応じて低減でき、非開口領域を狭めることによって画素における開口率を高めることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及びその製造方法、並びに、例えば半導体装置における配線或いは電極等の導電部を電気的に接続する接続構造の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置の一例である液晶装置では、画素部において保持された画像信号がリークすることを防ぐために、液晶容量と並列に保持容量が付加されることが多い。例えば特許文献1では、保持容量の製造方法が開示されている。特許文献1に開示された製造方法によれば、保持容量の下部電極に接続された、上部電極よりも上側の配線とのコンタクトホールのエッジと、保持容量の上部電極と距離は、2種類のマスクパターンによって決定されて絶縁が確保されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−290171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1による技術の如く2種類のマスクを用いて、保持容量の下部電極と、上部電極よりも上側の配線とをコンタクトホールを介して電気的に接続した場合、画素における開口領域を広げることが困難になる技術的問題点がある。より具体的には、画素を透過すべき光を遮る配線、遮光膜、半導体素子等の非光透過要素が形成された領域にコンタクトホールを形成する際には、例えばコンタクトホールが形成される絶縁層を部分に除去するために2種類のマスク間の位置合わせを考慮したマージンを確保して設計する必要がある。したがって、マージンを確保する分、画素における非開口領域の割合が大きくなり、画素における開口率を上げることによって表示性能を向上させることが困難となる問題点がある。
【0005】
また、互いに異なる層に形成された配線部等の導電部を互いに電気的に接続するために形成されるコンタクトホールが占めるスペースによって、当該コンタクトホールが形成された半導体装置における無駄な領域が増大し、当該装置のサイズの小型化が困難になる設計上の問題点もある。
【0006】
よって、本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、開口率を高めることができ、高品位の画像表示を可能とする電気光学装置及びその製造方法、並びに、例えば半導体装置等の装置のサイズの小型化を可能にする導電層の接続構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上で互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられる画素毎に形成された画素電極と、前記画素毎に設けられた第1導電層と、前記第1導電層の上層に形成されており、前記第1導電層から電気的に絶縁された第2導電層と、前記第2導電層の上層に形成され、前記第2導電層から電気的に絶縁された第3導電層と、前記第2導電層の端部の側に形成されており、前記第2導電層の厚み方向に沿って延在する絶縁膜からなるサイドウォールと、前記サイドウォールに対して前記端部と反対側に形成されるとともに、前記厚み方向に沿って延在し、前記第1導電層と前記第3導電層とを電気的に接続する接続用導電膜とを備える。
【0008】
本発明に係る電気光学装置では、画素において第2導電層が第1導電層の上側に形成されている。第2導電層及び第1導電層は、導電性を有する材料を用いて基板上の互いに異なる層の夫々に画素毎に、或いは複数の画素に渡って形成された電極部或いは配線部であってもよい。第2導電層及び第1導電層間には、これら導電層を互いに電気的に絶縁する他の層が形成されていてもよい。
【0009】
サイドウォールは、第2導電層の端部の側に形成されており、第2導電層の端部の側に形成された接続用導電膜と第2導電層とを電気的に絶縁する。ここで、「端部」とは、平面的にみて第2導電層の輪郭を規定する縁のうち第2導電層を部分的に除去することによって新たに形成された縁を含む部分である。サイドウォールは、例えば画素のうち第2導電層が除去された領域に平面的な広がりを持って延びる部分と、第2導電層の端部の側において第2導電層の厚み方向に沿って延びる部分とからなる絶縁膜を一旦形成した後、この絶縁膜のうち第2導電層の厚み方向に沿って延びる部分が残存するように、平面的な広がりを持って延びる部分を異方性エッチング法によって除去することによって形成されている。
【0010】
接続用導電膜は、第2導電層の端部からみてサイドウォールに対して反対側に形成されており、第2導電層の厚み方向に沿って延在されている。より具体的には、例えば接続用導電膜は、サイドウォールを形成する際に絶縁膜が部分的に除去されることによって露出した第1導電層の露出面から、サイドウォールの表面に沿って延在するように導電膜を形成した後、当該導電膜を所定の形状にパターニングすることによって形成される。
【0011】
第3導電層は、接続用導電膜を介して第1導電層に電気的に接続されている。第3導電層は、第2導電層上に形成されていれば如何なる導電部であってもよく、電気光学装置の設計及び構造に応じて第1導電層に電気的に接続されるべき部分であればよい。
【0012】
本発明に係る電気光学装置によれば、例えば第1導電層上に形成された第2導電層及び第2導電層上に形成された他の層にマスクを用いてコンタクトホールを形成することなく、第2導電層及び第1導電層が互いに電気的に絶縁された状態を維持しながら、接続用導電膜を介して第1導電層及び第3導電層を電気的に接続できる。
【0013】
尚、本明細書中では、コンタクトホールをマスクを用いて形成することなく、第2導電層からみてサイドウォールの反対側に形成された接続用導電膜を介して第1導電層及び第3導電層を電気的に接続することを“セルフアラインコンタクト”と称する。
【0014】
本発明に係る電気光学装置によれば、コンタクトホールの代わりにセルフアラインコンタクトを用いることによって、コンタクトホールを形成する際のマージンを確保するために広げざるを得なかった第1導電層及び第3導電層の面積を低減でき、画素毎の開口領域の間隙に位置する非開口領域を低減することが可能である。より具体的には、接続用導電膜及び第2導電層を電気的に絶縁できる範囲内でサイドウォールの幅を狭めることができ、画素における非開口領域を低減することによって、相対的に開口領域を広げ、開口率を高めることが可能である。
【0015】
ここで、「開口領域」とは、実質的に光が透過する画素内の領域であり、例えば、画素電極が形成される領域であって、透過率の変更に応じて液晶を抜けてきた出射光の階調を変化させることが可能となる領域であり、言い換えれば画素に集光される光が配線、遮光膜、半導体素子等で遮られることがない領域を意味する。「非開口領域」とは、表示に寄与する光が透過しない領域を意味し、例えば画素内に非透明な配線或いは電極等が配設されている領域を意味する。
【0016】
したがって、本発明に係る電気光学装置によれば、画素に占める開口領域の割合である開口率を高めることができ、電気光学装置の表示性能を高めることが可能である。特に、表示性能の更なる向上に対する要望に応えるべく画素ピッチの微小化が図られる際には、配線部或いは電極部を微細加工することによって非開口領域の面積を低減することが技術的にみてより一層困難となるため、セルフアラインコンタクトを用いることによって電気的な接続を図る手法は、開口率を高める観点において絶大な効果を奏する。
【0017】
加えて、本発明に係る電気光学装置によれば、コンタクトホールの代わりにセルフアラインコンタクトを用いることによって、基板上に形成されたコンタクトホールに応じて基板上に形成された多層構造に凹凸が生じることを低減できる。したがって、基板上に生じた凹凸が、例えば第2導電層及び第1導電層上に形成される画素電極の平坦性を損なわせてしまい、液晶装置等の電気光学装置の表示性能を低下させてしまうことを回避できる。
【0018】
本発明に係る電気光学装置によれば、コンタクトホールの代わりにセルフアラインコンタクトを用いることによって、基板上に形成されるコンタクトホールの個数を飛躍的に少なくすることが可能であり、電気光学装置を製造する際の歩留まりを向上させることが可能である。より具体的には、微小な異物が蓄積されることによってコンタクトホールが機能しなくなることを低減でき、接触不良等の不具合を低減することが可能である。
【0019】
このように、本発明に係る電気光学装置によれば、表示性能を高めることができると共に、製造時における歩留まりを向上させることが可能であり、品質及びコストの両方の観点において優れた電気光学装置を提供できる。
【0020】
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記端部は、前記第1導電膜が露出するように前記第2導電膜が部分的に切り欠かれた切り欠き部の内壁面に臨む部分を含んでいてもよい。
【0021】
この態様では、切り欠き部は、例えば平面的に見て接続用導電膜が位置する側が開口されるように異方性エッチング法等の既存のエッチング法を用いて第2導電層を部分的に除去することによって形成されている。端部は、切り欠き部の内壁面に臨む部分を有しており、サイドウォールは、例えばこの内壁面に臨む部分を覆うように形成されており、接続用導電膜及び第2導電層を電気的に絶縁している。
【0022】
したがって、接続用導電膜及び第1導電層が電気的に接続される接触部を広げるように第2導電層を部分的に除去した場合でも、サイドウォールは接続用導電膜及び第2導電層を確実に電気的に絶縁でき、且つ第1導電層及び接続用導電膜の接触領域をより大きくとることによって接続用導電膜及び第1導電層間の接触抵抗が低減される。
【0023】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記第2導電層の電位は、一定電位に維持されており、前記第1導電層は、前記第3導電層及び前記接続用導電膜を介して前記画素電極に電気的に接続されており、前記第2導電層及び前記第1導電層は、前記第2導電層及び前記第1導電層間に介在する誘電体膜と共に蓄積容量を構成していてもよい。
【0024】
この態様によれば、その動作時には、例えば走査線を介して画素の走査信号が供給されると共にデータ線及び薄膜トランジスタ等のスイッチング素子を介して画像信号が画素に供給され、当該画像信号が画素電極及び蓄積容量に書き込まれる。これらにより、複数の画素における、アクティブマトリクス駆動等の所定種類の動作が可能となる。この際、蓄積容量の存在により、画素電極における電位保持特性が向上し、コントラストやフリッカーといった表示特性の向上が可能となる。
【0025】
この態様では、接続用導電膜及び第2導電層間の絶縁性を維持できる範囲でサイドウォールの厚みを薄くすることが可能である。したがって、サイドウォールの厚みを薄くすることによって第2導電層の面積をサイドウォールに向かって広げておくことが可能であり、平面的に見て第2導電層及び第1導電層が互いに重なる重なり領域を増大させることができ、第2導電層、第1導電層及び誘電体膜から構成される蓄積容量の容量を高めることが可能である。これにより、蓄積容量による電位保持特性がより一層高められ、コントラストやフリッカーといった表示特性の更なる向上が可能となる。
【0026】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記第1導電層は、ポリシリコン膜であり、前記第2導電層の導電率は、前記ポリシリコン膜に比べて相対的に高くてもよい。
【0027】
この態様によれば、例えば複数の画素に渡って第2導電層が延在されている場合であっても、第2導電層の面積に応じて増大する電気抵抗の上昇分を相応に低減でき、その動作時に電気抵抗に起因して生じる表示性能の低下、より具体的には、電気光学装置によって画像を表示する際の応答性が低下することを抑制できる。
【0028】
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記データ線にソースが夫々電気的に接続され、且つ前記走査線にゲートが夫々電気的に接続された複数の薄膜トランジスタを備え、前記複数の薄膜トランジスタのうち前記データ線が延びる方向に沿って相隣接して配置された一対の薄膜トランジスタは、前記データ線が延びる方向に沿ってソース及びドレインの向きが相互にミラー対称となるように配置されており、前記一対の薄膜トランジスタの一方の薄膜トランジスタのソース及び前記データ線を電気的に接続するコンタクトホールと、前記一対の薄膜トランジスタの他方の薄膜トランジスタのソース及び前記データ線を電気的に接続するコンタクトホールとは共通であってもよい。
【0029】
この態様によれば、例えば複数の薄膜トランジスタの夫々は各画素に対応して形成されており、画素電極に画像信号を供給するためにデータ線及び第1導電層間の導通を切り換えるためのスイッチング素子として機能する。
【0030】
ここで、例えば、走査線、データ線、第2導電層、第1導電層及び薄膜トランジスタは、基板上で平面的に見て、画素電極に対応する各画素の開口領域を囲む非開口領域内に配置されている。即ち、これらの走査線、データ線、第2導電層、第1導電層及び薄膜トランジスタは、表示の妨げとならないように、各画素の開口領域ではなく、非開口領域内に配置されている。ここで特に、複数の薄膜トランジスタは夫々、マトリクス状に位置する複数の画素からなる画素領域においてデータ線が延びる列方向(例えばY方向)に相隣接して配置された一対の薄膜トランジスタにおける、列方向に対するソース及びドレインの向きが相互に逆となるように配置されている。列方向(例えばY方向)に沿って相隣接する一対の薄膜トランジスタは、当該列方向に沿ってミラー反転した薄膜トランジスタである。
【0031】
したがって、相隣接する画素において、ミラー対称に配置された一対の薄膜トランジスタの一方の薄膜トランジスタのソースおよびデータ線を電気的に接続するコンタクトホールと、一対の薄膜トランジスタの他方の薄膜トランジスタのソースおよびデータ線を電気的に接続するコンタクトホールと共通にすることが可能である。ここで、「コンタクトホール」とは、薄膜トランジスタ上に形成された層間絶縁膜を当該層間絶縁膜の厚み方向に貫通する穴を指しており、例えば、データ線がその内部に落としこまれる結果、薄膜トランジスタのソースと接する場合(即ち、所謂コンタクトホールである場合)や、内部に導電材料を埋め込み、その一端をデータ線に接触させ、他端をソースに接触させる場合(即ち、プラグとして形成される場合)を含む。
【0032】
従って、この態様によれば、通常の如く画素毎に別々にデータ線及びソースを電気的に接続する場合に比べて、コンタクトホールの個数を飛躍的に少なくことが可能となり、電気光学装置を製造する際の歩留まりを向上させることが可能である。加えて、コンタクトホールの個数が少なくなることに起因して、例えば走査線が延びる方向に沿って画素に占める非開口領域の割合を低減でき、開口率を高めることが可能である。
【0033】
この態様によれば、画素の狭ピッチ化による小型化・高精細化が実現しつつ、表示特性の向上を図ることが可能である。
【0034】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、基板上で互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線の交差に対応して設けられる画素毎に、第1導電層を形成する工程と、前記第1導電層の上層に、前記第1導電層から電気的に絶縁された第2導電層を形成する工程と、前記第2導電層の厚み方向に沿って延在する絶縁膜からなるサイドウォールを前記第2導電層の端部の側に形成する工程と、前記厚み方向に沿って延在する接続用導電膜を、前記サイドウォールに対して前記端部と反対側に形成する工程と、前記接続用導電膜を介して前記第1導電層に電気的に接続される第3導電層を前記第2導電層の上層に形成する工程とを備える。
【0035】
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、上述の電気光学装置と同様に、表示性能を高めることができると共に、製造時における歩留まりを向上させることが可能であり、品質及びコストの両方の観点において優れた電気光学装置を製造できる。
【0036】
本発明に係る導電層の接続構造は上記課題を解決するために、基板上で互いに電気的に絶縁された第2導電層及び第1導電層と、前記第2導電層の端部の側に形成されており、前記第2導電層の厚み方向に沿って延在された絶縁膜からなるサイドウォールと、前記端部からみて前記サイドウォールに対して反対側に形成されており、前記厚み方向に沿って延在された接続用導電膜と、前記第2導電層の上層側に形成されており、前記接続用導電膜を介して前記第1導電層に電気的に接続された第3導電層とを備える。
【0037】
本発明に係る接続構造によれば、上述の電気光学装置と同様にサイドウォールの厚みを薄くすることによって接続用導電膜及び第2導電層の間隔を狭めることができ、コンタクトホールを形成する場合に比べて当該接続構造のサイズを小さくできる。
【0038】
したがって、本発明に係る接続構造を半導体装置等の各種装置に応用することによって、当該装置のサイズを小型化することが可能である。
【0039】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら本発明に係る電気光学装置、及びその製造方法、並びに導電層の接続構造の各実施形態を説明する。
【0041】
<1:電気光学装置>
<1−1:電気光学装置の全体構成>
先ず、図1及び図2を参照しながら本実施形態に係る電気光学装置を説明する。図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た電気光学装置の平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。本実施形態では、電気光学装置の一例として、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例に挙げる。
【0042】
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素部が設けられる画素領域たる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0043】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
【0044】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。尚、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域が存在する。言い換えれば、本実施形態においては特に、TFTアレイ基板10の中心から見て、この額縁遮光膜53より以遠が周辺領域として規定されている。
【0045】
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
【0046】
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0047】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0048】
TFTアレイ基板10は例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板等の透明基板である。対向基板20もTFTアレイ基板10と同様に透明基板である。
【0049】
TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜が設けられている。例えば、画素電極9aはITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなり、配向膜は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0050】
対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0051】
対向基板20には、格子状又はストライプ状の遮光膜を設けるようにしてもよい。このような構成を採ることで、上部容量電極300として設けられた上側遮光膜と併せ、TFTアレイ基板10側からの入射光のチャネル領域1a´ないしその周辺への侵入を阻止するのをより確実に阻止することができる。
【0052】
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜により所定の配向状態をとる。
【0053】
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0054】
<1−2:画素部の電気的な接続構成>
次に、図3を参照しながら、液晶装置1の画素部の電気的な接続構成を詳細に説明する。図3は、液晶装置1の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
【0055】
図3において、液晶装置1の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素の夫々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0056】
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0057】
液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加されている。これにより、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラストやフリッカーといった表示特性の向上が可能となる。
【0058】
<1−3:画素部の具体的な構成>
次に、図4乃至図8を参照しながら画素部の具体的な構成を説明する。図4は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図5は、図4のA−A´断面図である。図6は、図4のB−B´断面図である。尚、図5及び図6では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。また、図5及び図6では、説明の便宜上画素電極9aより上側に位置する部分の図示を省略している。
【0059】
図4及び図5において、液晶装置1のTFTアレイ基板10上には、X方向及びY方向に対してマトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a´により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
【0060】
半導体層1aのうち図4中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するように走査線3aが配置されている。走査線3a及びデータ線6aが互いに交差する個所の夫々には画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0061】
データ線6aは、その上面が平坦化された図5に示す第2層間絶縁膜42を下地として形成されており、半導体層1aに含まれるTFT30の高濃度ソース領域1dにコンタクトホール81を介して電気的に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30を遮光する機能も有している。
【0062】
蓄積容量70は、本発明の「第1導電層」の一例である下部容量電極71と、本発明の「第2導電層」の一例である上部容量電極300とが誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。下部容量電極71は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極である。上部容量電極300は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されている。上部容量電極300は、その電位が本発明の「一定電位」の一例である固定電位に維持された固定電位側容量電極である。
【0063】
上部容量電極300は、例えば金属又は合金を含んでTFT30の上側に設けられており、TFT30を遮光する上側遮光膜(内蔵遮光膜)としても機能する。上部容量電極300は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。上部容量電極300は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等の他の金属を含んでもよい。
【0064】
下部容量電極71は、導電性のポリシリコン膜からなり、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極300とTFT30との間に配置される、光吸収層或いは遮光膜としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する機能を持つ。
【0065】
したがって、本実施形態では、上部容量電極300の導電率は、ポリシリコン膜で構成される下部容量電極71の導電率より相対的に高い。このような上部容量電極300及び下部容量電極71によれば、複数の画素に渡って第2導電層が延在されている場合であっても、上部容量電極300の面積に応じて増大する電気抵抗の上昇分を相応に低減でき、液晶装置1の動作時に電気抵抗に起因して生じる表示性能の低下、より具体的には、液晶装置1によって画像が表示される際の応答性が低下することを抑制できる利点がある。このような利点は、本実施形態のように上部容量電極300が図中Y方向に沿って互いに隣接する画素に亘って延在するように形成されている場合に限定されず、上部容量電極300が画像表示領域10aにおいてより大きな面積を占めるように複数の画素に渡って形成されている場合により顕著に現れる。
【0066】
尚、上部容量電極300は、例えば導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持っていてもよいし、下部容量電極71は、上部容量電極300と同様に、金属又は合金を含む単一層膜若しくは多層膜から構成されていてもよい。誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。
【0067】
TFT30の下側に下地絶縁膜12を介して格子状に設けられた下側遮光膜11aは、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30のチャネル領域1a´及びその周辺を遮光する。下側遮光膜11aは、上部容量電極300と同様に、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。
【0068】
下地絶縁層12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。画素電極9aは、下部容量電極71、コンタクトホール83、接続用導電膜93、及びコンタクトホール85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。コンタクトホール85は、第3層間絶縁層43を貫通するように形成された孔部の内壁にITO等の画素電極9aを構成する導電材料が成膜されることによって形成された、本発明の「第3導電層」の一例である画素電極9aの一部が延びている。
【0069】
図5において、ゲート電極と兼用される走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、走査線3aと半導体層1aとを絶縁する2層の絶縁膜2a及び2bを含むゲート絶縁膜2、低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えたLDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eは、半導体層1aの不純物領域を構成しており、チャネル領域1a´の両側にミラー対称に形成されている。TFT30によれば、TFT30の非動作時において低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに流れるオフ電流が低減され、TFT30の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。よって、その動作時に液晶装置1は高品位で画像を表示できる。
【0070】
走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。第1層間絶縁膜41上には下部容量電極71及び上部容量電極300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81が開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。データ線6aの上から第2層間絶縁膜42の全面及び接続用導電膜93を覆うように、コンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。画素電極9a及び不図示の配向膜は、第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
【0071】
図4及び図6において、走査線3a、データ線6a、下側遮光膜11a、及びTFT30は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、画素電極9aに対応する各画素の開口領域(即ち、各画素において、表示に実際に寄与する光が透過又は反射される領域)を囲む非開口領域内に配置されている。即ち、これらの走査線3a、データ線9a、下側遮光膜11a、及びTFT30は、表示の妨げとならないように、各画素の開口領域ではなく、非開口領域内に配置されている。本実施形態では特に、複数のTFT30は夫々、列方向(図4中、Y方向)に相隣接して配置された一対のTFT30における、列方向に対する高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eの向きが相互にミラー対称となるように配置されている。例えば、上下方向を、列方向(図4中、Y方向)とすれば、一対のTFT30は、上下反転した或いは上下ミラー反転したTFT30ということになる。ミラー対称に配置された複数のTFT30は、列方向に第i番目に配設されたTFT30(i)のソースと、列方向に第i+1番目に配設されたTFT30(i+1)のソースが共通とされている。
【0072】
コンタクトホール81は、TFT30(i)のソース及びTFT30(i+1)のソースをデータ線6aに電気的に接続している。換言すれば、TFT30(i)及びTFT30(i+1)は、互いに共通のコンタクトホール81を介してデータ線6aに電気的に接続されている。
【0073】
コンタクトホール81は、データ線6aを形成する導電層がその内部に落としこまれる結果、TFT30(i)及びTFT30(i+1)のソースと接するように形成されていてもよいし、内部に導電材料を埋め込み、その一端をデータ線6aの導電層に接触させ、他端をTFT30(i)及びTFT30(i+1)のソースに接触させてもよい。
【0074】
従って、コンタクトホール81のみによって、一対のTFT(図6中、TFT30(i)とTFT30(i+1))の両方についての高濃度ソース領域1dをデータ線6aに電気的に接続できる。
【0075】
コンタクトホール81によれば、画素毎に別々にデータ線6a及びソースを電気的に接続する場合に比べて、コンタクトホールの個数を飛躍的に少なくことが可能となり、電気光学装置を製造する際の歩留まりを向上させることが可能である。
【0076】
加えて、コンタクトホール81によれば、TFT30及びデータ線6aを電気的に接続するコンタクトホールの個数が少なくなることに起因して、非開口領域にコンタクトホールを形成するためのマージンとされるスペースを低減できる。これにより、図中X方向に沿って画素に占める非開口領域の割合を低減でき、その分開口領域を広げることによって開口率を高めることが可能である。
【0077】
このように、TFT30及びデータ線6aを電気的に接続するコンタクトホール81を隣接する画素で共通化することによって、画素の狭ピッチ化による小型化・高精細化を実現しつつ、表示特性の向上を図ることが可能である。
【0078】
次に、図7及び図8を参照しながら画素部におけるコンタクトホール85近傍の構成を詳細に説明する。図7は、図4のC−C´断面図を拡大して示した拡大図である。図8は、上部容量電極が部分的に切り欠かれた切り欠き部を図4のD−D´断面側から見た透視斜視図である。
【0079】
図7において、液晶装置1は、TFTアレイ基板10上の互いに異なる層に夫々形成されており、誘電体膜75を介して互いに電気的に絶縁された上部容量電極300及び下部容量電極71、サイドウォール91、接続用導電膜93、及びコンタクトホール85を備えている。
【0080】
サイドウォール91は、上部容量電極300からみて上部容量電極300の端部300aの側に形成されており、上部容量電極300の厚み方向に沿って延在された絶縁膜から構成されている。上部容量電極300の端部300aは、平面的にみて上部容量電極300の輪郭を規定する縁のうち上部容量電極300を部分的に除去することによって新たに形成された縁を含む部分である。
【0081】
サイドウォール91は、例えば画素のうち上部容量電極300が除去された領域に平面的な広がりを持って延びる部分と、上部容量電極300の端部300aの側において上部容量電極300の厚み方向に沿って延びる部分とからなる絶縁膜を一旦形成した後、この絶縁膜のうち上部容量電極300の厚み方向に沿って延びる部分が残存するように、平面的な広がりを持って延びる部分を異方性エッチング法によって除去することによって形成される。
【0082】
接続用導電膜93は、端部300aからみてサイドウォール91に対して反対側に形成されており、上部容量電極300の厚み方向に沿って延在されている。接続用導電膜93は、サイドウォール91を形成する際にサイドウォール91を構成する絶縁膜が部分的に除去されることによって露出した下部容量電極71の露出面から、サイドウォール91の表面に沿って第2層間絶縁膜42の上面に延在している。接続用導電膜93は、例えば下部容量電極71からサイドウォール91の表面に沿って第1層間絶縁膜42上に延在するように導電膜を形成した後、この導電膜を所定の形状にパターニングすることによって形成される。
【0083】
画素電極9aのうちコンタクトホール85の内壁面に延びる部分は、第2層間絶縁膜42上に延びる接続用導電膜93に接している。上部容量電極300及び下部容量電極と、これら電極間に介在する誘電体膜75とによって蓄積容量70が構成されつつ、画素電極9a及び下部容量電極71が接続用導電膜93を介して電気的に接続されている。したがって、本実施形態では、TFT30を介した画素電極9aへの画像信号の供給を可能にしつつ、画像を高品位で表示するための蓄積容量70を形成できる。
【0084】
尚、本実施形態では、下部71容量電極及び画素電極9aを接続用導電膜93を介して電気的に接続する場合を例に挙げているが、接続用導電膜93は、導電性を有する材料を用いてTFTアレイ基板10上の互いに異なる層の夫々に画素毎に、或いは複数の画素に渡って形成された電極部或いは配線部を互いに電気的に接続していてもよい。
【0085】
接続用導電膜93は、下部容量電極75上に形成された上部容量電極300及び上部容量電極300上に延びる第3層間絶縁膜43にマスクを用いて形成されたコンタクトホールを介することなく、且つ上部容量電極300及び下部容量電極75が互いに電気的に絶縁された状態を維持しつつ、下部容量電極71及び上部容量電極300を電気的に接続している。
【0086】
接続用導電膜93によれば、コンタクトホールを形成する際のマージンを確保するために広げざるを得なかった下部容量電極71及び上部容量電極300の面積を低減でき、画素毎の開口領域の間隙に位置する非開口領域を低減することが可能である。より具体的には、接続用導電膜93及び上部容量電極300を電気的に絶縁できる範囲内でサイドウォール91の幅W2を狭めることができる。これにより、画素における非開口領域の幅W1をサイドウォール91の幅W2に応じて低減でき、非開口領域を狭めることによって図4中のY方向に沿って画素における開口領域を広げることが可能である。より具体的には、従来、第3層間絶縁膜43に形成されたコンタクトホールを介して下部容量電極71及び画素電極9aを直接電気的に接続する場合に比べて、接続用導電膜93及び上部容量電極300の間隔を1/8から1/10に狭めることが可能である。
【0087】
したがって、本実施形態に係る液晶装置1によれば、画素に占める開口領域の割合である開口率を高めることができ、液晶装置1の表示性能を高めることができる。特に、表示性能の更なる向上に対する要望に応えるべく画素ピッチの微小化が図られる際には、配線部或いは電極部を微細加工することによって非開口領域の面積を低減することが技術的にみてより一層困難となるため、開口率を高める観点においてコンタクトホールの替わりに接続用導電膜93を用いることは絶大な効果を奏する。
【0088】
また、本実施形態に係る液晶装置1によれば、接続用導電膜93及び上部容量電極300間の絶縁性を維持できる範囲でサイドウォール91の厚みを薄くすることが可能であるため、サイドウォール91の厚みが薄くされた分、上部容量電極300の端部300aからみてサイドウォール91が形成されるべき側に向かって上部容量電極300の面積を広げておくことが可能であり、平面的に見て上部容量電極300及び下部容量電極が互いに重なる領域を増大させることができる。したがって、画素における開口率を低下させることなく、上部容量電極300、下部容量電極71及び誘電体膜75から構成される蓄積容量70の容量を高めることが可能である。これにより、蓄積容量による電位保持特性がより一層高められ、コントラストやフリッカーといった表示特性の更なる向上が可能となる。
【0089】
加えて、本実施形態に係る液晶装置1によれば、コンタクトホールの代わりに接続用導電膜93を用いて下部容量電極71及び上部容量電極300を電気的に接続することから、TFT基板上に形成された多層構造にコンタクトホールに応じた凹凸が生じることを低減できる。したがって、この凹凸が、上部容量電極300及び下部容量電極71上に形成される画素電極9aの平坦性を損なわせてしまい、液晶装置1の表示性能を低下させてしまうことを低減できる。
【0090】
また、本実施形態に係る液晶装置1によれば、接続用導電膜93を用いたセルフアライメントコンタクトによって下部容量電極71及び画素電極9aを電気的に接続することによって、TFTアレイ基板上10に形成されるコンタクトホールの個数を飛躍的に少なくすることが可能である。
【0091】
より具体的には、図4に示すように、Y方向に沿って隣接する2つの画素には、コンタクトホール83及び85の夫々が2つずつ形成されており、コンタクトホール81が一つ形成されている。したがって、1画素当たりに形成されたコンタクトホール2.5個であり、下部容量電極71及び上部容量電極300をコンタクトホールを介して電気的に接続する場合に比べてTFTアレイ基板10上に形成されるコンタクトホールの個数を低減できる。
【0092】
加えて、コンタクトホール81を互いに隣接する2つの画素で共用しているため、TFTアレイ基板10上に形成されるコンタクトホールの個数を格段に低減できることになる。
【0093】
これにより、コンタクトホールに微小な異物が蓄積されることによって生じる接触不良等の不具合を低減でき、液晶装置1を製造する際の歩留まりを向上させることが可能である。
【0094】
このように、本実施形態に係る液晶装置によれば、表示性能を高めることができると共に、製造時における歩留まりを向上させることが可能であり、品質及びコストの両方の観点において優れた液晶装置を提供できる。
【0095】
図8において、上部容量電極300の端部300aは、下部容量電極71が露出するように上部容量電極300が部分的に切り欠かれた切り欠き部95の内壁面96a、96b及び96cに臨む。尚、図8では、説明の便宜上、切り欠き部95、サイドウォール91及び第2層間絶縁膜42を覆うように形成された接続用導電膜93を図示していない。
【0096】
切り欠き部95は、例えば平面的に見てY方向に沿って延びる端部が部分的にX方向の一方に向かって開口されるように異方性エッチング法等の既存のエッチング法を用いて上部容量電極300を部分的に除去することによって形成されている。切り欠き部95は、上部容量電極300を切り欠いて形成された3つの内壁面96a、96b及び96cによって規定されている。
【0097】
サイドウォール91は、上部容量電極300に形成された切り欠き部95の内壁面96a、96b及び96cに沿って形成されており、例えば図7に示したサイドウォール91は、サイドウォール91のうち内壁面96bに沿って形成された部分である。サイドウォール91は、切り欠き部95の内壁面96a、96b及び96cで囲まれた空間に突出する下部容量電極71の表面を露出させつつ、上部容量電極300の端部300a及び接続用導電膜93を電気的に絶縁している。
【0098】
したがって、液晶装置1によれば、接続用導電膜93及び下部容量電極71が電気的に接続される接触部を広げることによって下部容量電極71及び接続用導電膜93の接触抵抗を低減でき、且つ上部容量電極300を部分的に除去した場合でも、サイドウォール91によって接続用導電膜93及び上部容量電極300の電気的な絶縁状態が維持されている。
【0099】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置1によれば、画素ピッチの微小化が進展した場合でも画素における開口率を向上させることが可能であり、且つコンタクトホールの形成時に生じる恐れがある接触不良等の不具合に起因する歩留まりの低下を抑制できる。これにより、高品位で画像を表示でき、且つ製造コストが低減された液晶装置等の電気光学装置を低減できる。加えて、コンタクトホールの存在によって生じるTFTアレイ基板1上の凹凸の低減、及び蓄積容量の容量値の向上によって更に液晶装置等の電気光学装置における表示性能を高めることが可能である。したがって、本実施形態に係る電気光学装置によれば、品質及びコストの両方の観点において優れた液晶装置等の電気光学装置を提供できるという格別の効果を奏する。
【0100】
<2:電気光学装置の製造方法>
次に、図9及び図10を参照しながら上述の電気光学装置の製造方法を説明する。図9及び図10は、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法における主要な製造工程を示した工程断面図である。尚、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法では、接続用導電膜93を介して画素電極9a及び下部容量電極71を電気的に接続する接続部分が形成される工程を中心に説明する。
【0101】
図9(a)において、TFTアレイ基板10上に第1層間絶縁膜41、下部容量電極71、誘電体膜75、上部容量電極300b、第2層間絶縁膜42a及びレジスト膜98を形成する。尚、図5及び図6において下部容量電極71の下層側に配設されている各要素は、下部容量電極71を形成する前に形成されている。データ線6a及びコンタクトホール81は、接続用導電膜93を形成する工程と並行して、或いは相前後する工程によって形成される。
【0102】
次に、図9(b)に示すように、レジスト膜98の上側から異方性エッチング法の既存のエッチング法を用いて、第2層間絶縁膜42aのうちレジスト膜98によって覆われていない部分をエッチングすることによって上部容量電極300bを部分的に露出させ、第2層間絶縁膜42を形成する。
【0103】
次に、図9(c)に示すように、上部容量電極300bのうち第2層間絶縁膜42によって覆われていない部分を異方性エッチング法によって除去した後、露出した誘電体膜75の表面及び上部容量電極300の端部、並び第2層間絶縁膜42の端部及び上面に沿って絶縁膜91aを形成する。
【0104】
次に、図10(a)に示すように、絶縁膜91aの上側から絶縁膜91aに異方性エッチング法を施すことによって、上部容量電極300の端部300aに沿ってサイドウォール91を形成する。ここで、絶縁膜91aのうち上部容量電極30の端部300aに沿って図中上下方向に延びる部分の厚みは、誘電体膜75の表面に沿って延びる部分及び第2層間絶縁膜42の上面に沿って延びる部分の夫々の厚みに比べて図中上下方向に沿って相対的に厚いため、絶縁膜91aに異方性エッチング法を均等に施した場合でも絶縁膜91aのうちサイドウォール91として機能する部分が残存することになる。
【0105】
次に、図10(b)に示すように、第2層間絶縁膜42の上面、サイドウォール91の表面、下部容量電極71の表面のうち誘電体膜75に覆われていない表面、及び第1層間絶縁膜の表面に沿って導電膜を形成した後、この導電膜を所定の形状にパターニングすることによって接続用導電膜93を形成する。接続用導電膜93は、下部容量電極71に接触し、且つ第2層間絶縁膜42の上面に延びている。
【0106】
次に、接続用導電膜93を覆うように第3層間絶縁膜43を形成した後、接続用導電膜93のうち第2層間絶縁膜42の上面に延びる部分が露出するように第3層間絶縁膜43にコンタクトホール85を形成し、接続用導電膜93に電気的に接続される画素電極9aを形成する。
【0107】
この後、画素電極9a上に配向膜及び液晶層を形成し、対向基板20を配設することによって液晶装置1が形成される。
【0108】
本実施形態に係る電気光学装置の製造方法では、サイドウォール91によって上部容量電極300との電気的な絶縁性を維持するようにコンタクトホールを形成することなく接続用導電膜93が形成されている。したがって、接続用導電膜93を形成する際には、コンタクトホールを形成する際に用いられるマスクを用いる必要がない。このように、コンタクトホールを形成しないことにより、マスクを用いることなく形成された接続用導電膜93を介して画素電極9a及び下部容量電極71を電気的に接続するセルフアライメントコンタクトによれば、従来絶縁層を貫通するコンタクトホールを介して当該絶縁層の上層及び下層の夫々に位置する導電部を電気的に接続する場合に比べて、マスクを用いない分、簡便に画素電極9a及び下部容量電極71を電気的に接続できる。
【0109】
したがって、上述の本実施形態に係る電気光学装置で説明した場合と同様に、表示性能を高められた液晶装置等の電気光学装置を製造できると共に、製造時における歩留まりを向上させることが可能であり、品質及びコストの両方の観点において優れた電気光学装置を製造できる。
【0110】
<3:導電層の接続構造>
次に、図11を参照しながら本実施形態に係る導電層の接続構造を説明する。図11は、本実施形態に係る接続構造の断面図であり、本実施形態に係る接続構造を備えた半導体装置において、図5に対応する断面を拡大して示した拡大図である。尚、本実施形態に係る接続構造は、絶縁層の上層及び下層の夫々に形成された配線及び電極等の導電部を互いに電気的に接続する構造を有する装置或いは基板であれば如何なる装置或いは基板にも適用可能である。
【0111】
図11において、接続構造400は、基板210に形成された本発明の「第2導電層」の一例である配線層230及び本発明の「第1導電層」の一例である配線層271、サイドウォール291、本発明の「接続用導電膜」の一例である接続用配線293、及び本発明の「第3導電層」の一例である配線層299を備えている。
【0112】
配線層271は、絶縁層241を介して基板210上に形成されており、配線層271上に形成された絶縁層275から図中左右方向に沿って絶縁層275から部分的に突出している。
【0113】
配線層230は、配線層271上に形成された絶縁層275を介して配線層271の上層側に形成されている。したがって、配線層271及び230は、絶縁層275を介して互いに電気的に絶縁されている。
【0114】
サイドウォール291は、配線層230からみて配線層230の端部230aの側に形成されており、配線層230の厚み方向に沿って延在された絶縁膜から構成されている。接続配線293は、配線層230の端部230aからみてサイドウォール291に対して反対側に形成された部分を有しており、配線層230の厚み方向に沿って延在されている。したがって、図中左右方向に沿ってサイドウォール291の両側の夫々に配線層230及び接続配線293が位置しており、配線層230及び接続配線293はサイドウォール291によって互いに電気的に絶縁されている。
【0115】
接続配線293は、配線層271のうち図中左右方向に沿って絶縁層275から突出した部分の表面からサイドウォール291の表面及び配線層230上に形成された絶縁層242の表面に沿って延在されている。配線層299は、接続配線293が絶縁層243から露出する部分に接触するように絶縁層243上に形成されている。
【0116】
したがって、接続配線293は、サイドウォール291によって配線層230と電気的に絶縁された状態で、配線層299及び配線層271を電気的に接続する。
【0117】
ここで、サイドウォール291は、接続配線293及び配線層230間の電気的に絶縁性を維持していればよい。したがって、接続配線293及び配線層230間の電気的に絶縁性を維持できる範囲でサイドウォール291の幅W3を狭めることによって、図中左右方向に沿った接続配線293及び配線層230の間隔を狭めることができ、絶縁層243に形成されたコンタクトホールを介して配線層299及び配線層271を電気的に接続する場合に比べて接続構造400のサイズを小さくできる。
【0118】
したがって、本実施形態に係る接続構造によれば、当該接続構造を備えた半導体装置等の各種装置において、接続構造400の小型化に応じて当該装置のサイズを小型化できるという格別の効果を奏する。
【0119】
<4:電子機器>
次に、図12を参照しながら上述した液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。本実施形態に係る電子機器は、上述の液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタである。図12は、上述した液晶装置を備えた電子機器の一例であるプロジェクタの構成例を示す平面図である。図12に示すように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0120】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0121】
ここで、各液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転される。尚、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
【0122】
尚、本実施形態に係る電子機器によれば、上述の液晶装置を具備してなるので、高品位の表示が可能であり、且つ小型サイズを有する、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本実施形態に係る電気光学装置の平面図である。
【図2】図1のH−H´断面図である。
【図3】液晶装置1の画像表示領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。
【図4】本実施形態に係る電気光学装置において相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図5】図4のA−A´断面図である。
【図6】図4のB−B´断面図である。
【図7】図4のC−C´断面図を拡大して示した拡大図である。
【図8】上部容量電極が部分的に切り欠かれた切り欠き部を図4のD−D´断面側から見た透視斜視図である。
【図9】本実施形態に係る電気光学装置の製造方法における主要な製造工程を示した工程断面図(その1)である。
【図10】本実施形態に係る電気光学装置の製造方法における主要な製造工程を示した工程断面図(その2)である。
【図11】本実施形態に係る接続構造の構造を示した拡大断面図である。
【図12】本実施形態に係る電気光学装置を備えた電子機器の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0124】
1・・・液晶装置、1a・・・半導体層、2・・・ゲート絶縁膜、3a・・・走査線、6a・・・データ線、10・・・TFTアレイ基板、11a・・・下側遮光膜、70・・・蓄積容量、71・・・下部容量電極、75・・・誘電体膜、91,291・・・サイドウォール、300・・・上部容量電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上で互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、
前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられる画素毎に形成された画素電極と、
前記画素毎に設けられた第1導電層と、前記第1導電層の上層に形成されており、前記第1導電層から電気的に絶縁された第2導電層と、
前記第2導電層の上層に形成され、前記第2導電層から電気的に絶縁された第3導電層と、
前記第2導電層の端部の側に形成されており、前記第2導電層の厚み方向に沿って延在する絶縁膜からなるサイドウォールと、
前記サイドウォールに対して前記端部と反対側に形成されるとともに、前記厚み方向に沿って延在し、前記第1導電層と前記第3導電層とを電気的に接続する接続用導電膜と、
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記端部は、前記第1導電膜が露出するように前記第2導電膜が部分的に切り欠かれた切り欠き部の内壁面に臨む部分を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2導電層の電位は、一定電位に維持されており、
前記第1導電層は、前記第3導電層及び前記接続用導電膜を介して前記画素電極に電気的に接続されており、
前記第2導電層及び前記第1導電層は、前記第2導電層及び前記第1導電層間に介在する誘電体膜と共に蓄積容量を構成すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第1導電層は、ポリシリコン膜であり、
前記第2導電層の導電率は、前記ポリシリコン膜に比べて相対的に高いこと
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記データ線にソースが夫々電気的に接続され、且つ前記走査線にゲートが夫々電気的に接続された複数の薄膜トランジスタを備え、
前記複数の薄膜トランジスタのうち前記データ線が延びる方向に沿って相隣接して配置された一対の薄膜トランジスタは、前記データ線が延びる方向に沿ってソース及びドレインの向きが相互にミラー対称となるように配置されており、前記一対の薄膜トランジスタの一方の薄膜トランジスタのソース及び前記データ線を電気的に接続するコンタクトホールと、前記一対の薄膜トランジスタの他方の薄膜トランジスタのソース及び前記データ線を電気的に接続するコンタクトホールとは共通であること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
基板上で互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線の交差に対応して設けられる画素毎に、第1導電層を形成する工程と、
前記第1導電層の上層に、前記第1導電層から電気的に絶縁された第2導電層を形成する工程と、
前記第2導電層の厚み方向に沿って延在する絶縁膜からなるサイドウォールを前記第2導電層の端部の側に形成する工程と、
前記厚み方向に沿って延在する接続用導電膜を、前記サイドウォールに対して前記端部と反対側に形成する工程と、
前記接続用導電膜を介して前記第1導電層に電気的に接続される第3導電層を前記第2導電層の上層に形成する工程と
を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
基板上で互いに電気的に絶縁された第2導電層及び第1導電層と、
前記第2導電層の端部の側に形成されており、前記第2導電層の厚み方向に沿って延在された絶縁膜からなるサイドウォールと、
前記端部からみて前記サイドウォールに対して反対側に形成されており、前記厚み方向に沿って延在された接続用導電膜と、
前記第2導電層の上層側に形成されており、前記接続用導電膜を介して前記第1導電層に電気的に接続された第3導電層と
を備えたことを特徴とする導電層の接続構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−192974(P2007−192974A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9583(P2006−9583)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】