説明

不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法

【課題】コストを抑えた不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置は、ビット線BL0i〜BL2i、ビット線BL0i〜BL2iと交差するワード線WL0i、WL1i、及びビット線BL0i〜BL2i及びワード線WL0i、WL1iの交差部で両配線間に接続されたメモリセルMC0〜MC3を有する単位セルアレイMAT00を備える。さらに、不揮発性半導体記憶装置は、第1位置に設けられたビット線BL0iの側部に接し、第1位置よりも上方の第2位置に設けられたビット線BL1iまで積層方向に延びるコンタクトプラグCL1〜CL3と、第1位置と第2位置の間の第3位置に設けられたワード線WL0iの側部に接し、第2位置よりも上方の第4位置に設けられたワード線WL1iまで積層方向に延びるコンタクトプラグCL5、CL6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスポイント型メモリセルを積層した多層構造の不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリとしては、フローティングゲート構造を有するメモリセルをNAND接続又はNOR接続してメモリセルアレイを構成したフラッシュメモリが周知である。また、不揮発性で且つ高速なランダムアクセスが可能なメモリとして、強誘電体メモリも知られている。
【0003】
一方、メモリセルの更なる微細化を図る技術として、可変抵抗素子をメモリセルに使用した抵抗変化型メモリが提案されている。可変抵抗素子としては、カルコゲナイド化合物の結晶/アモルファス化の状態変化によって抵抗値を変化させる相変化メモリ素子、トンネル磁気抵抗効果による抵抗変化を用いるMRAM素子、導電性ポリマーで抵抗素子が形成されるポリマー強誘電性RAM(PFRAM)のメモリ素子、電気パルス印加によって抵抗変化を起こすReRAM素子等が知られている。(特許文献1参照)。
【0004】
この抵抗変化型メモリはトランジスタに変えてショットキーダイオードと抵抗変化素子の直列回路によりメモリセルを構成することができるので、積層が容易で3次元構造化することにより更なる高集積化が図れるという利点がある(特許文献2参照)。
【0005】
このような抵抗変化型メモリにおいても、従来のメモリと同様に、よりいっそう製造工程の簡略化し、低コスト化することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−344349号、段落0021
【特許文献2】特開2005−522045号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、コストを抑えた不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、複数の第1の配線、これら複数の第1の配線と交差する複数の第2の配線、及び前記第1の配線及び第2の配線の交差部で両配線間に接続されたメモリセルを有するセルアレイと、第1位置に設けられた前記第1の配線の側部に接し、前記第1位置よりも上方の第2位置に設けられた前記第1の配線まで積層方向に延びる第1コンタクトプラグと、前記第1位置と前記第2位置の間の第3位置に設けられた前記第2の配線の側部に接し、前記第2位置よりも上方の第4位置に設けられた前記第2の配線まで積層方向に延びる第2コンタクトプラグとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、複数の第1の配線、これら複数の第1の配線と交差する複数の第2の配線、及び前記第1の配線及び前記第2の配線の交差部で両配線間に接続されたメモリセルを有するセルアレイを形成する不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、前記第1の配線を形成する層及び前記メモリセルを形成する層を順次積層して第1積層構造を形成する工程と、前記第1積層構造を第1方向に延びるストライプ状にエッチングする工程と、前記第1積層構造の上層に前記第2の配線を形成する層及び前記メモリセルを形成する層を順次積層して第2積層構造を形成する工程と、前記第1の配線を除く前記第1積層構造及び前記第2積層構造を第1方向に交差する第2方向に延びるストライプ状にエッチングする工程と、前記第1積層構造に含まれる前記第1の配線の側部に接し且つ前記第2積層構造の上面まで積層方向に延びる第1コンタクトプラグを形成する工程と、前記第2積層構造の上層に前記第1の配線を形成する層及び前記メモリセルを形成する層を順次積層して第3積層構造を形成する工程と、前記第2の配線を除く前記第2積層構造及び前記第3積層構造を前記第1方向に延びるストライプ状にエッチングする工程と、前記第2積層構造に含まれる前記第2の配線の側部に接し且つ前記第3積層構造の上面まで積層方向に延びる第2コンタクトプラグを形成する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コストを抑えた不揮発性半導体記憶装置、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のブロック図である。
【図2A】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置のメモリセルアレイ1(単位セルアレイMAT00〜MAT04)の斜視図である。
【図2B】図2Aのメモリセルアレイ1の一部拡大斜視図(単位セルアレイMAT01を示す斜視図)である。
【図3A】図2BにおけるI−I′線で切断して矢印方向に見た断面図である。
【図3B】メモリセルMC0、MC1の拡大断面図である。
【図4A】第1実施形態に係るReRAM(可変抵抗素子VR)の一例を示す模式的な断面図である。
【図4B】第1実施形態に係るオーミック素子NOの具体例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係るビット線BL1iの上面図である。
【図6】第1実施形態に係るビット線BL0i、BL2iの上面図である。
【図7】第1実施形態に係るコンタクトプラグCL1〜CL8の接続を示す概略図である。
【図8】第1実施形態に係るコンタクトプラグCL1〜CL8の接続を示す斜視図である。
【図9】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図10】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図11】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図12】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図13】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図14】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図15】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図16】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図17】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図18】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図19】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図20】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図21】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図22】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図23】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図24】第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程を示す斜視図である。
【図25】第2実施形態に係るビット線BL1Aiの上面図である。
【図26】第2実施形態に係るビット線BL0Ai、BL2Aiの上面図である。
【図27】第3実施形態に係るビット線BL1Biの上面図である。
【図28】第3実施形態に係るビット線BL0Bi、BL2Biの上面図である。
【図29】第4実施形態に係るビット線BL1Ciの上面図である。
【図30】第4実施形態に係るビット線BL0Ci、BL2Ciの上面図である。
【図31】他の実施形態に係るコンタクトプラグCL1〜CL8の接続を示す概略図である。
【図32】他の実施形態に係るコンタクトプラグCL1〜CL8の接続を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態を説明する。
【0013】
[第1実施形態]
(第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の概略構成)
先ず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の概略構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置(不揮発性メモリ)のブロック図である。
【0014】
第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、後述するReRAM(可変抵抗素子)を使用したメモリセルをマトリクス状に配置したメモリセルアレイ1を備える。メモリセルアレイ1のビット線BL方向に隣接する位置には、メモリセルアレイ1のビット線BLを制御し、メモリセルのデータ消去、メモリセルへのデータ書き込み、及びメモリセルからのデータ読み出しを行うカラム制御回路2が設けられている。また、メモリセルアレイ1のワード線WL方向に隣接する位置には、メモリセルアレイ1のワード線WLを選択し、メモリセルのデータ消去、メモリセルへのデータ書き込み、及びメモリセルからのデータ読み出しに必要な電圧を印加するロウ制御回路3が設けられている。
【0015】
データ入出力バッファ4は、図示しない外部のホストにI/O線を介して接続され、書き込みデータの受け取り、消去命令の受け取り、読み出しデータの出力、アドレスデータやコマンドデータの受け取りを行う。データ入出力バッファ4は、受け取った書き込みデータをカラム制御回路2に送り、カラム制御回路2から読み出したデータを受け取って外部に出力する。外部からデータ入出力バッファ4に供給されたアドレスは、アドレスレジスタ5を介してカラム制御回路2及びロウ制御回路3に送られる。また、ホストからデータ入出力バッファ4に供給されたコマンドは、コマンド・インターフェイス6に送られる。コマンド・インターフェイス6は、ホストからの外部制御信号を受け、データ入出力バッファ4に入力されたデータが書き込みデータかコマンドかアドレスかを判断し、コマンドであれば受け取りコマンド信号としてステートマシン7に転送する。ステートマシン7は、この不揮発性メモリ全体の管理を行うもので、ホストからのコマンドを受け付け、読み出し、書き込み、消去、データの入出力管理等を行う。また、外部のホストは、ステートマシン7が管理するステータス情報を受け取り、動作結果を判断することも可能である。また、このステータス情報は書き込み、消去の制御にも利用される。
【0016】
また、ステートマシン7によってパルスジェネレータ9が制御される。この制御により、パルスジェネレータ9は任意の電圧、任意のタイミングのパルスを出力することが可能となる。ここで、形成されたパルスはカラム制御回路2及びロウ制御回路3で選択された任意の配線へ転送することが可能である。
【0017】
なお、メモリセルアレイ1以外の周辺回路素子は配線層に形成されたメモリアレイ1の直下のSi基板に形成可能であり、これにより、この不揮発性メモリのチップ面積はほぼ、メモリセルアレイ1の面積に等しくすることも可能である。
【0018】
図2Aは、メモリセルアレイ1の斜視図である。図2Bは、メモリセルアレイ1の一部拡大斜視図である。図3Aは、図2BにおけるI−I′線で切断して矢印方向に見たメモリセル1つ分の断面図である。
【0019】
メモリセルアレイ1は、図2Aに示すように、4つの単位セルアレイMAT01〜MAT04にて分割されて構成されている。各々の単位セルアレイMAT01〜MAT04は、メモリセルアレイ1の一部を有する。単位セルアレイMAT01〜MAT04は、図2Aに示すように2次元的に配置されている。なお、図2Aは、一例であり、メモリセルアレイ1は、4つ以上の単位セルアレイを有する構成であってもよい。また、メモリセルアレイ1は、3次元方向に積層された単位セルアレイを有する構成であってもよい。
【0020】
単位セルアレイMAT01は、図2Bに示すように、下層から上層へと複数本のビット線BL0i(i=0〜2)、ワード線WL0i、ビット線BL1i、ワード線WL1i、ビット線BL2iを有する。ビット線BL0i〜BL2iは、同一方向(カラム方向)に延びるように形成されている。ワード線WL0i、WL1iは、ビット線BL0i〜BL2iに直交(交差)する方向(ロウ方向)に延びるように形成されている。
【0021】
図3Aに示すように、ワード線WL0i、WL1iとビット線BL0i〜BL2iとの交差部に、メモリセルMC0〜MC3が形成されている。すなわち、ワード線WL0iは、その上下のメモリセルMC0,MC1で共有されている。ビット線BL1iは、その上下のメモリセルMC1,MC2で共有されている。ワード線WL1iは、その上下のメモリセルMC2,MC3で共有されている。
【0022】
メモリセルMC1、MC0は、図3Bに示すように、可変抵抗素子VRと非オーミック素子NOの直列接続回路からなる。図3Bは、メモリセルMC0、MC1を示す。
【0023】
図3Bに示すように、メモリセルMC0は、ビット線BL0iからワード線WL0iまで順に、バリアメタルBM、非オーミック素子NO、電極EL1、可変抵抗素子VR、電極EL2、及びストッパーSTにて構成されている。一方、メモリセルMC1は、ワード線WL0iからビット線BL1iまで順に、電極EL2、可変抵抗素子VR、電極EL1、非オーミック素子NO、バリアメタルBM、及びストッパーSTにて構成されている。また、メモリセルMC2は、メモリセルMC0と同様に構成され、メモリセルMC3は、メモリセルMC2と同様に構成されている。
【0024】
可変抵抗素子VRとしては、電圧印加によって、電流、熱、化学エネルギー等を介して抵抗値を変化させることができるもので、上下にバリアメタル及び接着層として機能する電極EL1,EL2が配置される。電極材としては、Pt,Au,Ag,TiAlN,SrRuO,Ru,RuN,Ir,Co,Ti,TiN,TaN,LaNiO,Al,PtIrOx, PtRhOx,Rh/TaAlN等が用いられる。また、配向性を一様にするようなメタル膜の挿入も可能である。また、別途バッファ層、バリアメタル層、接着層等を挿入することも可能である。
【0025】
可変抵抗素子VRは、カルコゲナイド等のように結晶状態と非結晶状態の相転移により抵抗値を変化させるもの(PCRAM)、金属陽イオンを析出させて電極間に架橋(コンタクティングブリッジ)を形成したり、析出した金属をイオン化して架橋を破壊することで抵抗値を変化させるもの(CBRAM)、電圧あるいは電流印加により抵抗値が変化するもの(ReRAM)(電極界面に存在する電荷トラップにトラップされた電荷の存在の有無により抵抗変化が起きるものと、酸素欠陥等に気韻する伝導パスの存在の有無により抵抗変化が起きるものとに大別される。)等を用いることができる。
【0026】
図4Aは、このReRAMの例を示す図である。図4Aに示す可変抵抗素子VRは、電極層11、13の間に記録層12を配置してなる。記録層12は、少なくとも2種類の陽イオン元素を有する複合化合物から構成される。陽イオン元素の少なくとも1種類は電子が不完全に満たされたd軌道を有する遷移元素とし、且つ隣接する陽イオン元素間の最短距離は、0.32nm以下とする。具体的には、化学式AxMyXz(AとMは互いに異なる元素)で表され、例えばスピネル構造(AM)、イルメナイト構造(AMO)、デラフォサイト構造(AMO)、LiMoN構造(AMN)、ウルフラマイト構造(AMO)、オリビン構造(AMO)、ホランダイト構造(AxMO)、ラムスデライト構造(AMO)ぺロブスカイト構造(AMO)等の結晶構造を持つ材料により構成される。
【0027】
図4Aの例では、AがZn、MがMn、XがOである。記録層12内の小さな白丸は拡散イオン(Zn)、大きな白丸は陰イオン(O)、小さな黒丸は遷移元素イオン(Mn)をそれぞれ表している。記録層12の初期状態は高抵抗状態であるが、電極層11を固定電位、電極層13側に負の電圧を印加すると、記録層12中の拡散イオンの一部が電極層13側に移動し、記録層12内の拡散イオンが陰イオンに対して相対的に減少する。電極層13側に移動した拡散イオンは、電極層13から電子を受け取り、メタルとして析出するため、メタル層14を形成する。記録層12の内部では、陰イオンが過剰となり、結果的に記録層12内の遷移元素イオンの価数を上昇させる。これにより、記録層12はキャリアの注入により電子伝導性を有するようになってセット動作が完了する。再生に関しては、記録層12を構成する材料が抵抗変化を起こさない程度の微小な電流値を流せば良い。プログラム状態(低抵抗状態)を初期状態(高抵抗状態)にリセットするには、例えば記録層12に大電流を充分な時間流してジュール加熱して、記録層12の酸化還元反応を促進すれば良い。また、セット時と逆向きの電場を印加することによってもリセット動作が可能である。
【0028】
ビット線BL0i〜BL2i、及びワード線WL0i、WL1iは、熱に強く、且つ抵抗値の低い材料が望ましく、例えばW,WSi,NiSi,CoSi等を用いることができる。
【0029】
非オーミック素子NOは、例えば図4Bに示すように、(a)MIM(Metal-Insulator-Metal)構造、(b)PIN構造(P+poly-Silicon - Intrinsic - N+poly-Silicon)等からなる。ここにもバリアメタル層、接着層を形成する電極EL2,EL3を挿入しても良い。また、MIM構造の場合にはバイポーラ動作を行うことが可能である。また、PIN構造(ダイオード構造)を使用する場合はその特性上、ユニポーラ動作を行うことができる。
【0030】
ストッパーSTは、タングステン(W)にて構成されている。電極EL1、EL2、及びバリアメタルBMは、チタン(Ti)/窒化チタン(TiN)にて構成されている。
【0031】
(ビット線BL0i〜BL2i、ワード線WL0i、WL1iの具体的形状)
次に、図5、及び図6を参照して、上記ビット線BL0i〜BL2i、ワード線WL0i、WL1iの具体的形状について説明する。
【0032】
図5は、ビット線BL1iを示す上面図である。なお、ワード線WL1iに関しても配線の延びる方向が90°異なるだけで基本パターンは殆ど変わらないので、括弧「()」内に符号を付して参考までに記載している。
【0033】
図5に示すように、ビット線BL1iは、メモリセル領域AR1、及び周辺領域AR2に亘って形成されている。ここで、メモリセル領域AR1は、メモリセルMCを設ける領域である。周辺領域AR2は、各層のビット線BL1i〜BL3i、及びワード線WL1i、WL2iに接して積層方向に延びるコンタクトプラグCL(CL1〜CL8)を設ける領域である。
【0034】
図5に示すように、メモリセル領域AR1において、ビット線BL1iは、カラム方向に平行に延び、且つロウ方向(カラム方向に直交する方向)に第1の間隔で配列された第1直線部BLaを有する。メモリセル領域AR1において、ビット線BL1iの上方及び下方には、これと直交する方向に延びるワード線WL1i及びワード線WL0iが設けられており、これらが交わる交差部には、メモリセルMC2、MC1が形成されている。
【0035】
図5に示すように周辺領域AR2において、所定位置からロウ方向の2n番目(nは正の整数)に位置するビット線BL1iは、そのカラム方向の一端側にコンタクト接続部BLbを有する。また、所定位置からロウ方向の2m番目(mは4の整数倍を除く整数)に位置するビット線BL1iは、カラム方向に対して45°傾いた方向に延びる第2直線部BLcを有する。また、ビット線BL1iは、コンタクト接続部BLbとロウ方向に隣接した島状部BLdを有する。
【0036】
コンタクト接続部BLbは、その上面及び下面で積層方向に延びるコンタクトプラグCL(上面からみて楕円形状)と接するように形成されている。コンタクト接続部BLbは、第1直線部BLaより大きなロウ方向の幅を有する。第2直線部BLcは、隣接する配線との接触を回避するために設けられている。コンタクト接続部BLb及び第2直線部BLcは、第1直線部BLaと一体形成されている。島状部BLdは、第1直線部BLa及びコンタクト接続部BLbと離間して設けられている。島状部BLdは、その上面及び下面でコンタクトプラグCLと接するように形成されている。
【0037】
図5に示すように、ワード線WL1iは、メモリセル領域AR1、及び周辺領域AR2に亘って形成されている。ワード線WL1iは、上記ビット線BL1iと同様に、第1直線部WLa、コンタクト接続部WLb、第2直線部WLc、及び島状部WLdを有する。なお、それらワード線WL1iの構成は、ビット線BL1iの構成と略同様であるので、その説明は省略する。
【0038】
図6は、ビット線BL0i、BL2iを示す上面図である。なお、ワード線WL0iに関しても配線の延びる方向が90°異なるだけで基本パターンは殆ど変わらないので、括弧「()」内に符号を付して参考までに記載している。
【0039】
図6に示すように、ワード線WL1iは、メモリセル領域AR1、及び周辺領域AR2に亘って形成されている。
【0040】
図6に示すようにメモリセル領域AR1において、ビット線BL0i、BL2iは、カラム方向に平行に延び、且つロウ方向に第1の間隔で配列された第1直線部BLaを有する。メモリセル領域AR1において、ビット線BL0i(BL2i)の上方(下方)には、これと直交する方向に延びるワード線WL0i(WL1i)が設けられており、これらが交わる交差部には、メモリセルMC0、MC3が形成されている。
【0041】
図6に示すように周辺領域AR2において、所定位置からロウ方向の2n番目(nは正の整数)に位置するビット線BL0i、BL2iは、そのカラム方向の一端側にコンタクト接続部BLeを有する。また、所定位置からロウ方向の2m番目(mは4の整数倍を除く整数)に位置するビット線BL0i、BL2iは、カラム方向に対して45°傾いた方向に延びる第2直線部BLcを有する。
【0042】
コンタクト接続部BLeは、その上面と側部において積層方向に延びるコンタクトプラグCLと接するように形成されている。コンタクト接続部BLeは、コンタクト接続部BLbよりもカラム方向の幅を細く形成されている。コンタクト接続部BLe及び第2直線部BLcは、第1直線部BLaと一体形成されている。
【0043】
図6に示すように、ワード線WL0iは、メモリセル領域AR1、及び周辺領域AR2に亘って形成されている。ワード線WL0iは、上記ビット線BL0i、BL2iと同様に、第1直線部WLa、コンタクト接続部WLe、及び第2直線部WLcを有する。なお、それらワード線WL0iの構成は、ビット線BL0i、BL2iの構成と略同様であるので、その説明は省略する。
【0044】
(コンタクトプラグCL1〜CL8の構成)
次に、図7及び図8を参照して、コンタクトプラグCL1〜CL8の構成を説明する。図7は、コンタクトプラグCL1〜CL8の構成を示す概略図である。図8は、コンタクトプラグCL1〜CL8の構成を示す斜視図である。
【0045】
図7及び図8に示すように、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、上述したメモリセル領域AR1、及び周辺領域AR2を有する。
【0046】
メモリセル領域AR1においては、上述した単位セルアレイMAT01が設けられている。なお、図7及び図8に示す具体的構成には、単位セルアレイMAT01のみを記載しているが、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、単位セルアレイMAT02〜MAT04も単位セルアレイMAT01と同様の構成を有する。
【0047】
周辺領域AR2においては、上述したようにメモリセル領域AR1から延びるワード線WL0i、WL1i、及びビット線BL0i〜BL2i(i=0〜2)が設けられている。また、周辺領域AR2には、コンタクトプラグCL1〜CL8、上部配線M2、及び下部配線M1が設けられている。なお、図8においては、下部配線M1を省略して示している。
【0048】
図7に示すように、上部配線M2は、単位セルアレイMAT01の上方に設けられている。下部配線M1は、単位セルアレイMAT01の下方に設けられている。
【0049】
コンタクトプラグCL1〜CL3は、下部配線M1の上面からビット線BL1iの下面まで積層方向に延びるように形成されている。コンタクトプラグCL1は、ビット線BL0iのコンタクト接続部BLeの上面と側部に接するように形成されている。コンタクトプラグCL1は、ビット線BL1iの島状部BLdの下面に接するように形成されている。コンタクトプラグCL2は、ビット線BL1iのコンタクト接続部BLbの下面に接するように形成されている。コンタクトプラグCL3は、ビット線BL1iの島状部BLdの下面に接するように形成されている。
【0050】
コンタクトプラグCL4は、ビット線BL1iの島状部BLdの上面から上部配線M2の下面まで積層方向に延びるように形成されている。コンタクトプラグCL4は、ビット線BL1iの島状部BLd、及び上部配線M2に接するように形成されている。コンタクトプラグCL4は、ビット線BL2iのコンタクト接続部BLeの上面と側部に接するように形成されている。
【0051】
コンタクトプラグCL5、CL6は、下部配線M1の上面からワード線WL1iの下面まで積層方向に延びるように形成されている。コンタクトプラグCL5は、ワード線WL0iのコンタクト接続部WLeの上面と側部に接するように形成されている。コンタクトプラグCL5は、ワード線WL1iの島状部WLdの下面に接するように形成されている。コンタクトプラグCL6は、ワード線WL1iのコンタクト接続部WLbに接するように形成されている。
【0052】
コンタクトプラグCL7は、ワード線WL1iの島状部WLdの上面から上部配線M2の下面まで積層方向に延びるように形成されている。コンタクトプラグCL7は、ビット線WL1iの島状部WLd、及び上部配線M2に接するように形成されている。
【0053】
コンタクトプラグCL8は、ワード線WL1iのコンタクト接続部WLbの上面から上部配線M2の下面まで積層方向に延びるように形成されている。コンタクトプラグCL8は、ビット線WL1iのコンタクト接続部WLb、及び上部配線M2に接するように形成されている。
【0054】
上記コンタクトプラグCL1〜CL8に関する構成は、以下のように換言することができる。すなわち、コンタクトプラグCL1〜CL3(第1コンタクトプラグ)は、第1位置に設けられたビットBL0i(第1の配線)の上面と側部に接し、第1位置よりも上方の第2位置に設けられたビット線BL1i(第1の配線)まで積層方向に延びるように形成されている。また、コンタクトプラグCL5,CL6(第2コンタクトプラグ)は、第1位置と第2位置の間の第3位置に設けられたワード線WL0iの上面と側部に接し、第2位置よりも上方の第4位置に設けられたワード線WL1iまで積層方向に延びるように形成されている。
【0055】
コンタクトプラグCL4(第3コンタクトプラグ)は、上部配線M2の下方の第5位置に設けられたビット線BL2iの上面と側部に接し、第5位置よりも下方の第6位置に設けられたビット線BL1iから上部配線M2まで積層方向に延びるように形成されている。コンタクトプラグCL7,CL8(第4コンタクトプラグ)は、第5位置と第6位置の間の第7位置に設けられたワード線WL1iから上部配線M2まで積層方向に延びるように形成されている。
【0056】
コンタクトプラグCL1(第5コンタクトプラグ)は、下部配線M1の上方の第8位置に設けられたビット線BL0iの上面と側部に接し、下部配線M1から第8位置の上方の第9位置に位置するビット線BL1iまで積層方向に延びるように形成されている。コンタクトプラグCL5(第6コンタクトプラグ)は、第8位置と第9位置の間の第10位置に設けられたワード線WL0iの上面と側部に接し、第9位置よりも上方の第11位置に設けられたワード線WL1iまで積層方向に延びるように形成されている。
【0057】
(第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程)
次に、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造工程について説明する。なお、以下に示す工程は、単位セルアレイMAT01の形成工程を示したものである。単位セルアレイMAT02〜MAT04についても単位セルアレイMAT01と同様の形成工程を経て製造される。
【0058】
先ず、シリコン基板(図示略)上に必要な周辺回路を構成するトランジスタ等(下部配線M1)を形成するためのFEOL(Front End Of Line)プロセスを実行し、その上に層間絶縁層を堆積させる。
【0059】
続いて、ワード線WL0i以降の上層部が形成される。
【0060】
図9〜図24は、ワード線WL0i以降の上層部の形成工程を工程順に示した斜視図である。これら図9〜図24を適宜参照しながら、上層部の形成プロセスを説明する。
【0061】
上述したように層間絶縁層が形成されたら、図9に示すように、その上に順次、層L11〜L17を堆積させる。ここで、層L11〜L17は、後に、ビット線BL0i、バリアメタルBM、非オーミック素子NO、電極EL1、可変抵抗素子VR、電極EL2、及びストッパーSTとなる。
【0062】
続いて、上記積層構造の上面に図示しないTEOS等のハードマスクを形成し、これをマスクとして第1の異方性エッチングを行う。これにより、図10に示すように、層L11〜L17を貫通する所定ピッチでカラム方向に延びる溝T1が形成される。ここで、層L11は、ビット線BL0iとなる。
【0063】
次に、溝T1に層間絶縁層IL11を埋め込む。この層間絶縁層IL11の材料は絶縁性が良く、低容量、埋め込み特性が良いものが好適である。続いて、CMP等による平坦化処理を行い、余分な層間絶縁層IL11の除去と、層L17の露出を行う。ここで、層L17(後にストッパーST)は、CMPによる平坦化処理を積層方向の所定位置で止める役割を果たす。この平坦化処理後の断面図を図11に示す。
【0064】
続いて、図12に示すように、CMPを行った面上に順次、層L21〜L27を堆積させる。層L21〜層L27は、後にワード線WL0i、電極EL2、可変抵抗素子VR、電極EL1、非オーミック素子NO、バリアメタルBM、及びストッパーSTとなる。
【0065】
次に、図12に示した積層構造の上面に図示しないTEOS等のハードマスクを形成し、これをマスクとして第2の異方性エッチングを行う。これにより、図13に示すように、層L21〜L27、層L12〜L17を貫通する所定ピッチでロウ方向に延びる溝T2が形成される。ここで、層L21は、ワード線WL0iとなる。
【0066】
上記図13に示す工程により、層L12〜L17は、バリアメタルBM、非オーミック素子NO、電極EL1、可変抵抗素子VR、電極EL2、及びストッパーSTとなる。つまり、図13に示す工程により、メモリMC0が形成される。
【0067】
続いて、溝T2に層間絶縁層L12を埋め込む。この層間絶縁層IL12の材料は絶縁性が良く、低容量、埋め込み特性が良いものが好適である。次に、CMP等による平坦化処理を行い、余分な層間絶縁層IL12の除去と、層L27の露出を行う。ここで、層L27(後にストッパーST)は、CMPによる平坦化処理を積層方向の所定位置で止める役割を果たす。この平坦化処理後の断面図を図14に示す。
【0068】
また、図14に示す工程において、周辺領域AR2に、層間絶縁層IL11、IL12を貫通するように、コンタクトプラグCL1〜CL3を形成する。ここで、コンタクトプラグCL1は、ビット線BL0iのコンタクト接続部BLeの上面と側部に接するように形成する。また、コンタクトプラグCL1〜CL3は、ビット線BL0iの下部に位置する下部配線M1(図7参照)に接するように形成する。
【0069】
次に、CMPを行った図14に示す面上に順次、層L31〜L37を堆積させる。層L31〜層L37は、後にビット線BL1i、バリアメタルBM、非オーミック素子NO、電極EL1、可変抵抗素子VR、電極EL2、及びストッパーSTとなる。
【0070】
続いて、図15に示した積層構造の上面に図示しないTEOS等のハードマスクを形成し、これをマスクとして第3の異方性エッチングを行う。これにより、図16に示すように、層L31〜L37、層L22〜L27を貫通する所定ピッチでカラム方向に延びる溝T3が形成される。ここで、層L31は、ビット線BL1iとなる。また、コンタクトプラグCL1の上面は、ビット線BL1iの島状部BLdに接することとなる。また、コンタクトプラグCL2の上面は、ビット線BL1iのコンタクト接続部BLbに接することとなる。コンタクトプラグCL3の上面は、ビット線BL1iの島状部BLdに接することとなる。
【0071】
上記図16に示す工程により、層L22〜L27は、電極EL2、可変抵抗素子VR、電極EL1、非オーミック素子NO、バリアメタルBM、及びストッパーSTとなる。つまり、図16に示す工程により、メモリMC1が形成される。
【0072】
次に、溝T3に層間絶縁層L13を埋め込む。この層間絶縁層IL13の材料は絶縁性が良く、低容量、埋め込み特性が良いものが好適である。続いて、CMP等による平坦化処理を行い、余分な層間絶縁層IL13の除去と、層L37の露出を行う。ここで、層L37(後にストッパーST)は、CMPによる平坦化処理を積層方向の所定位置で止める役割を果たす。この平坦化処理後の断面図を図17に示す。
【0073】
また、図17に示す工程において、周辺領域AR2に、層間絶縁層IL11〜IL13を貫通するように、コンタクトプラグCL5、CL6を形成する。ここで、コンタクトプラグCL5は、ワード線WL0iのコンタクト接続部WLeの上面と側部に接するように形成する。コンタクトプラグCL5、CL6は、ビット線BL0iの下部に位置する下部配線M1(図7参照)に接するように形成する。
【0074】
続いて、図18に示すように、CMPを行った図17に示す面上に順次、層L41〜L47を堆積させる。層L41〜層L47は、後にワード線WL1i、電極EL2、可変抵抗素子VR、電極EL1、非オーミック素子NO、バリアメタルBM、及びストッパーSTとなる。
【0075】
次に、図18に示した積層構造の上面に図示しないTEOS等のハードマスクを形成し、これをマスクとして第4の異方性エッチングを行う。これにより、図19に示すように、層L41〜L47、層L32〜L37を貫通する所定ピッチでロウ方向に延びる溝T4が形成される。ここで、層L41は、ワード線WL1iとなる。また、コンタクトプラグCL5の上面は、ワード線WL1iの島状部WLdに接することとなる。コンタクトプラグCL6の上面は、ビット線BL1iのコンタクト接続部BLbに接することとなる。
【0076】
上記図19に示す工程により、層L32〜L37は、バリアメタルBM、非オーミック素子NO、電極EL1、可変抵抗素子VR、電極EL2、及びストッパーSTとなる。つまり、図19に示す工程により、メモリMC2が形成される。
【0077】
続いて、溝T4に層間絶縁層L14を埋め込む。この層間絶縁層IL14の材料は絶縁性が良く、低容量、埋め込み特性が良いものが好適である。次に、CMP等による平坦化処理を行い、余分な層間絶縁層IL14の除去と、層L47の露出を行う。ここで、層L47(後にストッパーST)は、CMPによる平坦化処理を積層方向の所定位置で止める役割を果たす。この平坦化処理後の断面図を図20に示す。
【0078】
続いて、図21に示すように、CMPを行った図20に示す面上に、層L51を堆積させる。層L51は、後にビット線BL2iとなる。
【0079】
続いて、図21に示した層L51の上面に図示しないTEOS等のハードマスクを形成し、これをマスクとして第5の異方性エッチングを行う。これにより図22に示すように、層L51、層L42〜L47を貫通する所定ピッチでカラム方向に延びる溝T5が形成される。ここで、層L51は、ビット線BL2iとなる。
【0080】
上記図22に示す工程により、層L42〜L47は、電極EL2、可変抵抗素子VR、電極EL1、非オーミック素子NO、バリアメタルBM、及びストッパーSTとなる。つまり、図22に示す工程により、メモリMC3が形成される。
【0081】
次に、溝T5に層間絶縁層IL15を埋め込む。この層間絶縁層IL15の材料は絶縁性が良く、低容量、埋め込み特性が良いものが好適である。この処理後の断面図を図23に示す。
【0082】
続いて、層間絶縁層IL15の上に、さらに層間絶縁層IL6を堆積させる。その後、層間絶縁層IL16〜IL13を貫通するようにコンタクトプラグCL4を形成する。コンタクトプラグCL4は、ビット線BL2iのコンタクト接続部BLeの上面と側部に接するように形成する。コンタクトプラグCL4は、ビット線BL1iの島上部BLdの上面に接するように形成する。また、層間絶縁層IL16〜IL14を貫通するようにコンタクトプラグCL7、CL8を形成する。コンタクトプラグCL7は、ワード線WL1iの島状部WLdの上面に接するように形成する。コンタクトプラグCL8は、ワード線WL1iのコンタクト接続部WLbの上面に接するように形成する。これら処理後の断面図を図24に示す。
【0083】
そして、層間絶縁層IL6の上部(コンタクトプラグCL4、CL7、CL8の上面)に上部配線層M2を形成することで、図8に示す不揮発性半導体記憶装置が製造される。
【0084】
上記製造工程に係る要部は、以下のように換言することができる。すなわち、先ず、ビット線BL0i(第1の配線)を形成する層L11及びメモリセルMC0を形成する層L12〜L17を順次積層して第1積層構造(層L11〜L17)を形成する。次に、第1積層構造をカラム方向(第1方向)に延びるストライプ状にエッチングする。続いて、第1積層構造の上層にワード線WL0i(第2の配線)を形成する層L21及びメモリセルMC1を形成する層L22〜L27を順次積層して第2積層構造(層L21〜L27)を形成する。次に、ビット線BL0iを除く第1積層構造及び第2積層構造をロウ方向(第2方向)に延びるストライプ状にエッチングする。続いて、第1積層構造に含まれるビット線BL0iの上面と側部に接し且つ第2積層構造の上面まで積層方向に延びるコンタクトプラグCL1〜CL3を形成する。次に、第2積層構造の上層にビット線BL1iを形成する層L31及びメモリセルMC2を形成する層L32〜L37を順次積層して第3積層構造(層L31〜L37)を形成する。続いて、ワード線WL0iを除く第2積層構造及び第3積層構造をカラム方向に延びるストライプ状にエッチングする。そして、第2積層構造に含まれるワード線WL0iの上面と側部に接し且つ第3積層構造の上面まで積層方向に延びるコンタクトプラグCL5、CL6を形成する。
【0085】
(第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の効果)
次に、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の効果について説明する。第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記のような構成を有するので、リソグラフィ回数を抑制して、製造することが可能である。すなわち、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、その製造コストを抑えることができる。また、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、合わせズレを抑制することができる。
【0086】
[第2実施形態]
(第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の具体的構成)
次に、図25、及び図26を参照して、第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の具体的構成について説明する。図25は、ビット線BL1Aiを示す上面図であり、図26は、ビット線BL0Ai、BL2Aiを示す上面図である。なお、ワード線WL1Ai、WL0Aiに関しても配線の延びる方向が90°異なるだけで基本パターンは殆ど変わらないので、括弧「()」内に符号を付して参考までに記載している。
【0087】
第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、ビット線BL0Ai〜BL2Ai(ワード線WL0Ai、WL1Ai)の形状のみが第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0088】
図25に示すように、ビット線BL1Aiは、第2直線部BLbに替わって、第3直線部BLfを有する。第3直線部BLfは、ロウ方向に平行(カラム方向に対して90°の方向)に延びるように形成されている。
【0089】
また、ビット線BL1Aiは、第1実施形態と異なるコンタクト接続部BLg、及び島状部BLhを有する。コンタクト接続部BLg及び島状部BLhは、その上面及び下面でコンタクトプラグCLa(上方から見た断面が円形状)に接するように形成されている。
【0090】
図25に示すように、ワード線WL1Aiは、ビット線BL1Aiと略同様の
第3直線部WLf、コンタクト接続部WLg、及び島状部WLhを有する。
【0091】
図26に示すように、ビット線BL0Ai、BL2Aiは、第2直線部BLbに替わって、第3直線部BLfを有する。また、ビット線BL1Aiは、第1実施形態と異なるコンタクト接続部BLiを有する。コンタクト接続部BLiは、その側面でコンタクトプラグCLaに接するように形成されている。
【0092】
図26に示すように、ワード線WL0Aiは、ビット線BL0Ai、BL2Aiと略同様の第3直線部WLf、及びコンタクト接続部WLiを有する。
【0093】
(第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の効果)
以上のように第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1実施形態と略同様の構成を有するので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0094】
[第3実施形態]
(第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の具体的構成)
次に、図27、及び図28を参照して、第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の具体的構成について説明する。図27は、ビット線BL1Biを示す上面図であり、図28は、ビット線BL0Bi、BL2Biを示す上面図である。なお、ワード線WL1Bi、WL0Biに関しても配線の延びる方向が90°異なるだけで基本パターンは殆ど変わらないので、括弧「()」内に符号を付して参考までに記載している。
【0095】
第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、ビット線BL0Bi〜BL2Bi(ワード線WL0Bi、WL1Bi)の形状のみが第1及び第2実施形態と異なる。なお、第3実施形態において、第1及び第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0096】
図27に示すように、ビット線BL1Biは、第1及び第2実施形態と異なるコンタクト接続部BLjを有する。コンタクト接続部BLjは、その上面及び下面でコンタクトプラグCLに接するように形成されている。コンタクト接続部BLjは、カラム方向の所定位置に揃って形成されている。
【0097】
また、ビット線BL1Biは、第1及び第2実施形態と異なる島状部BLkを有する。島状部BLkは、コンタクト接続部BLjに対してカラム方向に所定ピッチを設けて規則的に並ぶように形成されている。島状部BLkは、その上面及び下面でコンタクトプラグCLに接するように形成されている。
【0098】
図27に示すように、ワード線WL1Biは、ビット線BL1Biと略同様のコンタクト接続部WLj、及び島状部WLkを有する。
【0099】
図28に示すように、ビット線BL0Bi、BL2Biは、第1及び第2実施形態と異なるコンタクト接続部BLlを有する。コンタクト接続部BLlは、その側面でコンタクトプラグCLに接するように形成されている。コンタクト接続部BLlは、カラム方向の所定位置に揃って形成されている。
【0100】
図28に示すように、ワード線WL0Aiは、ビット線BL0Bi、BL2Biと略同様のコンタクト接続部WLlを有する。
【0101】
(第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の効果)
以上のように第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1実施形態と略同様の構成を有するので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0102】
[第4実施形態]
(第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の具体的構成)
次に、図29、及び図30を参照して、第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の具体的構成について説明する。図29は、ビット線BL1Ciを示す上面図であり、図30は、ビット線BL0Ci、BL2Ciを示す上面図である。なお、ワード線WL1Ci、WL0Ciに関しても配線の延びる方向が90°異なるだけで基本パターンは殆ど変わらないので、括弧「()」内に符号を付して参考までに記載している。
【0103】
第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、ビット線BL0Ci〜BL2Ci(ワード線WL0Ci、WL1Ci)の形状のみが第1〜第3実施形態と異なる。なお、第4実施形態において、第1〜第3実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0104】
図29に示すように、ビット線BL1Ciは、第1〜第3実施形態と異なるコンタクト接続部BLmを有する。所定位置からロウ方向に1+4n(nは自然数)番目のビット線BL1Ciは、カラム方向の第1の位置に揃ってコンタクト接続部BLmを有する。所定位置からロウ方向に3+4n番目のビット線BL1Ciは、カラム方向の第2の位置に揃ってコンタクト接続部BLmを有する。コンタクト接続部BLmは、その上面及び下面でコンタクトプラグCLに接するように形成されている。
【0105】
また、ビット線BL1Ciは、第1〜第3実施形態と異なる島状部BLnを有する。島状部BLnは、コンタクト接続部BLlに対してカラム方向に所定ピッチを設けて並ぶように形成されている。島状部BLnは、その上面及び下面でコンタクトプラグCLに接するように形成されている。
【0106】
図29に示すように、ワード線WL1Ciは、ビット線BL1Ciと略同様のコンタクト接続部WLm、及び島上部WLnを有する。
【0107】
図30に示すように、ビット線BL0Ci、BL2Ciは、第1〜第3実施形態と異なるコンタクト接続部BLoを有する。所定位置からロウ方向に1+4n(nは自然数)番目のビット線BL0Ci、BL2Ciは、カラム方向の第1の位置に揃ってコンタクト接続部BLoを有する。所定位置からロウ方向に3+4n番目のビット線BL10Ci、BL2Ciは、カラム方向の第2の位置に揃ってコンタクト接続部BLoを有する。コンタクト接続部BLoは、その上面と側部でコンタクトプラグCLに接するように形成されている。
【0108】
図30に示すように、ワード線WL0Ciは、ビット線BL0Ci、BL2Ciと略同様のコンタクト接続部WLoを有する。
【0109】
(第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の効果)
以上のように第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1実施形態と略同様の構成を有するので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0110】
[その他の実施形態]
以上、不揮発性半導体記憶装置の第1〜第4実施形態を説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、追加、置換等が可能である。
【0111】
上記第1実施形態における不揮発性半導体記憶装置は、下層より順次、ビット線BL0i、ワード線WL0i、ビット線BL1i、ワード線WL1i、及びビット線BL2iを有する。しかしながら、上記構成に限らず、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、図31に示すように、下層より順次、ビット線BL0i’、ワード線WL0i’、ビット線BL1i’、ワード線WL1i’、ビット線BL2i’、ワード線WL2i’、ビット線BL3i’、ワード線WL3i’、及びビット線BL4i’を有するものであってもよい。
【0112】
また、例えば、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、ビット線BLとワード線WLとの位置関係を入れ替えた構成であってもよい。すなわち、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、図32に示すように、下層より順次、ワード線WL0i”、ビット線BL0i”、ワード線WL1i”、ビット線BL1i”、ワード線WL2i”、ビット線BL2i”、ワード線WL3i”、ビット線BL3i”、及びワード線WL4i”を有するものとしてもよい。このような場合、ビット線BL0i”とビット線BL2i”とビット線BL4i”とは、積層方向に並ぶコンタクトプラグCL1”、CL2”にて電気的に共通接続されている。ビット線BL1i”とビット線BL3i”とは、積層方向に並ぶコンタクトプラグCL3”、CL4”にて電気的に共通接続されている。
【0113】
例えば、本発明は、メモリセルの構造に特に限定されるものではなく、相変化メモリ素子、MRAM素子、PFRAM、RRAM等、種々のクロスポイント型の多層メモリに適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1…メモリセルアレイ、2…カラム制御回路、3…ロウ制御回路、4…データ入出力バッファ、5…アドレスレジスタ、6…コマンド・インターフェイス、7…ステートマシン、9…パルスジェネレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の配線、これら複数の第1の配線と交差する複数の第2の配線、及び前記第1の配線及び第2の配線の交差部で両配線間に接続されたメモリセルを有するセルアレイと、
第1位置に設けられた前記第1の配線の側部に接し、前記第1位置よりも上方の第2位置に設けられた前記第1の配線まで積層方向に延びる第1コンタクトプラグと、
前記第1位置と前記第2位置の間の第3位置に設けられた前記第2の配線の側部に接し、前記第2位置よりも上方の第4位置に設けられた前記第2の配線まで積層方向に延びる第2コンタクトプラグと
を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記セルアレイの上方に設けられた上部配線と、
前記上部配線の下方の第5位置に設けられた前記第1の配線の側部に接し、前記第5位置よりも下方の第6位置に設けられた前記第1の配線から前記上部配線まで積層方向に延びる第3コンタクトプラグと、
前記第5位置と前記第6位置の間の第7位置に設けられた前記第2の配線から前記上部配線まで積層方向に延びる第4コンタクトプラグと
を備えることを特徴とする請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記セルアレイの下方に設けられた下部配線と、
前記下部配線の上方の第8位置に設けられた前記第1の配線の側部に接し、前記下部配線から前記第8位置の上方の第9位置に位置する前記第1の配線まで積層方向に延びる第5コンタクトプラグと、
前記第8位置と前記第9位置の間の第10位置に設けられた前記第2の配線の側部に接し、前記第9位置よりも上方の第11位置に設けられた第2の配線まで積層方向に延びる第6コンタクトプラグと
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記メモリセルは、前記第1の配線と、当該第1の配線の上方及び下方に位置する前記第2の配線との間に設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
複数の第1の配線、これら複数の第1の配線と交差する複数の第2の配線、及び前記第1の配線及び前記第2の配線の交差部で両配線間に接続されたメモリセルを有するセルアレイを形成する不揮発性半導体記憶装置の製造方法であって、
前記第1の配線を形成する層及び前記メモリセルを形成する層を順次積層して第1積層構造を形成する工程と、
前記第1積層構造を第1方向に延びるストライプ状にエッチングする工程と、
前記第1積層構造の上層に前記第2の配線を形成する層及び前記メモリセルを形成する層を順次積層して第2積層構造を形成する工程と、
前記第1の配線を除く前記第1積層構造及び前記第2積層構造を第1方向に交差する第2方向に延びるストライプ状にエッチングする工程と、
前記第1積層構造に含まれる前記第1の配線の側部に接し且つ前記第2積層構造の上面まで積層方向に延びる第1コンタクトプラグを形成する工程と、
前記第2積層構造の上層に前記第1の配線を形成する層及び前記メモリセルを形成する層を順次積層して第3積層構造を形成する工程と、
前記第2の配線を除く前記第2積層構造及び前記第3積層構造を前記第1方向に延びるストライプ状にエッチングする工程と、
前記第2積層構造に含まれる前記第2の配線の側部に接し且つ前記第3積層構造の上面まで積層方向に延びる第2コンタクトプラグを形成する工程と
を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−171332(P2010−171332A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14413(P2009−14413)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】