説明

半導体シリコン基板の製造方法およびその製造装置

【課題】超臨界状態の二酸化炭素を使用する製造方法であって、信頼性の高い半導体シリ
コン基板を与えることのできる半導体シリコン基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの条件下、超臨界状態の二
酸化炭素の存在下に、被処理基板に対し洗浄を行なう洗浄工程、
温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、導電膜および絶縁膜か
らなる群より選ばれる少なくとも一つを形成する成膜工程、
温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの条件下、エッチングを行うエッチン
グ工程、ならびに
温度31〜80℃および圧力18〜40MPaの条件下、レジストを除去するレジスト
剥離工程、
のうち少なくとも2つの工程を有することを特徴とする半導体シリコン基板の製造方法

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体シリコン基板の製造方法に関し、さらに詳しくは、超臨界状態の二酸化
炭素の存在下に洗浄工程、成膜工程、エッチング工程およびレジスト剥離工程からなる群
より選ばれる少なくとも二つの工程を含む半導体シリコン基板の製造方法およびその製造
装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超臨界状態の二酸化炭素は液体と気体との双方の性質を兼ね備えた性質を有することか
ら、前記超臨界状態の二酸化炭素を半導体関連分野に活用することが近年提案されている

具体的には前記超臨界状態の二酸化炭素を被処理基板に供給して、前記被処理基板上に
銅拡散防止膜の形成および銅膜の形成の双方を行なう方法が提案されている(特許文献1
)。
この方法によれば、非常に微細なパターンにおいても銅拡散防止膜の形成および銅膜の
埋め込みが可能とされる。
一方、密閉可能な置換室、超臨界室、減圧室等の複数の処理室を備えた装置であって、
前記超臨界状態の二酸化炭素を用いて半導体シリコン基板を洗浄する装置も提案されてい
る(特許文献2)。
この装置によれば、前記超臨界状態の二酸化炭素を用いた半導体シリコン基板の乾燥工
程をより短い時間で処理することができるとされる。
【特許文献1】特開2004−228526号公報
【特許文献2】特開2004−207579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1に示された方法により得られた配線は、特にその配線パ
ターンが高アスペクト比であり微細になればなるほど、前記配線の抵抗値が期待される値
よりも大きくなったり、断線したりする等、その信頼性が低下する場合があった。
また、前記特許文献2に示された装置は複数の処理室を備えるため、各処理工程毎に被
処理基板を移動させる必要があることから、その装置は大規模かつ高価なものとなる場合
があった。
【0004】
本発明の第一の目的は、超臨界状態の二酸化炭素を使用する半導体シリコン基板の製造
方法の中でも、信頼性の高い半導体シリコン基板を与えることのできる半導体シリコン基
板の製造方法を提供することにある。
また本発明の第二の目的は、前記信頼性の高い半導体シリコン基板を製造するのに適し
た、簡易な構成の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、超臨界状態にある二酸化炭素を単に使用するだけでは、信頼性の高い半導
体シリコン基板を製造することができないことを見出した。
そして鋭意検討を重ねた結果、下記に示す温度および圧力の範囲の超臨界状態にある二
酸化炭素の存在下に、前記被処理基板に対して洗浄工程、成膜工程、エッチング工程およ
びレジスト剥離工程からなる群より選ばれる少なくとも二つの工程を含む半導体シリコン
基板の製造方法が本発明の第一の目的に適うことを見出した。
【0006】
さらには、前記容器中の二酸化炭素を温度31〜100℃および圧力18〜40MPa
の範囲に保つ第一の手段と、
前記容器中の二酸化炭素を温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの範囲
に保つ第二の手段と、
を少なくとも備えた装置が、本発明の第二の目的に適うことを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】
即ち本発明は、
[1]温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、被処理基板に対し洗浄を行なう洗浄工程、
温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、導電膜、絶縁膜およびバリア膜からなる群より選
ばれる少なくとも一つを形成する成膜工程、
温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの条件下、超臨界二酸化炭素およびエ
ッチング試薬の存在下に、前記被処理基板に対しエッチングを行うエッチング工程、なら
びに、
温度31〜80℃および圧力18〜40MPaの条件下、超臨界二酸化炭素およびレジ
スト剥離用試薬の存在下に、前記被処理基板に対しレジストを除去するレジスト剥離工程

のうち少なくとも2つの工程を有することを特徴とする半導体シリコン基板の製造方法
を提供するものであり、
[2]前記成膜工程を必須工程とし、
前記成膜工程は、前記被処理基板に対し配線構造を形成する工程であって、かつ、
温度200〜350℃以上および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸
化炭素の存在下に、前記被処理基板に対し、バリア膜を形成する第一の工程と、
温度150〜300℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、導電膜を形成する第二の工程と、
を少なくとも有することを特徴とする上記[1]に記載の半導体シリコン基板の製造方
法を提供するものであり、
[3]前記成膜工程を必須工程とし、
前記成膜工程は、前記被処理基板に対しキャパシタ構造を形成する工程であって、かつ

温度200〜350℃以上および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸
化炭素の存在下に、前記被処理基板に対し、導電膜を形成する第一の工程と、
温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、前記導電膜に接して絶縁膜を形成する第二の工程
と、
温度200〜350℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、前記絶縁膜に接して導電膜を形成する第三の工程
と、
を少なくとも有することを特徴とする上記[1]に記載の半導体シリコン基板の製造方
法を提供するものであり、
[4]前記各工程は、前記被処理基板を同一の容器内部に保持したまま実施することを特
徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の半導体シリコン基板の製造方法を提供す
るものであり、
[5]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法により得られた半導体シリコン基
板を含むことを特徴とする半導体装置を提供するものであり、
[6]内部に被処理基板を保持する基板設置台を備えた密閉可能な容器と、
前記容器に二酸化炭素を供給する供給手段と、
前記容器に試薬を供給する供給手段と、
前記容器の内部温度を調節するための温度制御手段と、
前記容器の内部圧力を調節するための圧力制御手段と、
を少なくとも備え、
かつ前記温度制御手段および圧力制御手段は、それぞれ、
前記容器中の二酸化炭素を温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの範囲に保
つ第一の手段と、
前記容器中の二酸化炭素を温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの範囲
に保つ第二の手段と、
を含むことを特徴とする、半導体シリコン基板製造装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、信頼性の高い半導体シリコン基板を与えることのできる半導体シリコ
ン基板の製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、前記信頼性の高い半導体シリコン基板を製造するのに適した、簡
易な構成の製造装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
最初に本発明の半導体シリコン基板の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、被処理基板に対し洗浄を行なう洗浄工程、前記被処理基板に対し
成膜を行なう成膜工程、前記被処理基板に対してエッチングを行なうエッチング工程、前
記被処理基板上のレジストを除去するレジスト剥離工程を少なくとも有するものである。
【0010】
ここで前記被処理基板としては、例えば、前記洗浄工程と前記成膜工程とを行なう前の
半導体シリコンウエハ等を挙げることができる。
本発明に使用する前記被処理基板は、半導体単結晶シリコンのインゴットを切断して得
られた半導体シリコンウエハそのものに限定されるものではなく、例えば、エピタキシャ
ル層形成工程、アイソレーション形成工程、ウエル形成工程、ゲート絶縁膜形成工程、ゲ
ート電極形成工程、スペーサ形成工程、ソース/ドレイン形成工程、キャパシタ構造形成
工程、コンタクト形成工程、メタル配線前層間絶縁膜形成工程、平坦化工程等の前工程に
代表される一つの工程もしくは二以上の工程を施したもの、
前記前工程以後の、コンタクトプラグ形成工程、層間絶縁膜形成工程、平坦化工程、メ
タル電極配線構造形成工程、パッシベーション膜形成工程等の後工程に代表される一つの
工程もしくは二以上の工程を施したもの等が含まれる。
【0011】
次に本発明における洗浄工程について説明する。
本発明における洗浄工程は、前記被処理基板に対し、洗浄を行なうものである。
前記洗浄工程は、超臨界状態の二酸化炭素の存在下に実施されることが必要である。
【0012】
ここで前記超臨界状態の二酸化炭素とは、温度31℃、圧力7.38MPaの二酸化炭
素の臨界点を超えた、温度および/または圧力の条件下にある二酸化炭素をいい、液体と
気体との双方の性質を兼ね備えたものである。
【0013】
本発明における前記洗浄工程は、上記超臨界状態の中でも、温度31〜100℃および
圧力18〜40MPaの条件下に実施されるものである。
前記温度が31℃未満の場合には、前記二酸化炭素は液体状態となるため、前記被処理
基板から脱離した汚染物質の前記被処理基板表面からの輸送や洗浄試薬の前記被処理基板
表面への輸送が遅くなり、洗浄効率が著しく低下する。
また前記温度が100℃を超える場合には、前記超臨界状態の二酸化炭素はガスに近い
低密度の特性を持つようになるため、汚染物質除去のための十分な溶解度を得ることがで
きない。
前記温度は35〜90℃の範囲が好ましく、40〜80℃の範囲であればさらに好まし
い。
【0014】
さらに前記圧力が圧力18MPa未満の場合も同様に、前記被処理基板表面の洗浄のた
めの十分な溶解度が得られず、得られた半導体シリコン基板の信頼性が低下する。
また前記圧力が40MPaを超える場合には、本発明の製造装置を構成するリアクター
、ポンプ、高圧バルブ、各種高圧配管部品等に対する負荷が大きくなり過ぎる。さらに、
40MPaを超える場合には、圧力に対する密度の上昇が無視できるほど小さくなり、前
記圧力以上の領域での溶解度の上昇は小さい。
したがって、40MPaを超える二酸化炭素圧力の使用は、前記の観点からプロセス上
効率的とはいえない。
前記圧力は、20〜40MPaの範囲が好ましく、23〜40MPaの範囲であればさ
らに好ましい。
【0015】
本発明における洗浄工程には、洗浄試薬を使用することができる。
前記洗浄試薬としては、例えば、具体的に、ヘキサフルオロアセチルアセトネート、ア
セチルアセトン、アセト酢酸エチル、マレイン酸ジメチル、1,1,1−トリフルオロペ
ンタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルペンタンジオン−3,5−ジオン、2,2,
7−トリメチルオクタン−2,4−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3
,5−ジオン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤、
ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ニトリロ三酢酸等の有機酸、
塩化水素、フッ化水素、リン酸等の無機酸、
アンモニア、エタノールアミン等の含窒素化合物、
水、メタノール、エタノール、プロパノール等の水酸基含有化合物、
パーフルオロポリエーテル(PFPE)等の界面活性剤を挙げることができる。
前記洗浄試薬は一種もしくは二種以上を併用して使用することができる。
【0016】
次に本発明における成膜工程について説明する。
本発明における成膜工程は、前記被処理基板に対し、導電膜、絶縁膜およびバリア膜の
うち少なくとも一つを形成するものである。
【0017】
前記成膜工程は、超臨界状態の二酸化炭素の存在下に実施されることが必要である。
本発明における前記成膜工程は、上記超臨界状態の中でも、温度150〜350℃およ
び圧力7.5〜12MPaの条件下に実施されるものである。
前記温度が150℃未満の場合には、成膜される膜の種類に関係なく、良好な膜質を持
つ膜を生成するのに十分な反応熱を与えることができない。また、前記温度が350℃を
超える場合は、高圧容器を含む各種ステンレス部分の耐圧性の低下、高圧シール部の劣化
等が生じる。
前記温度は150〜300℃の範囲が好ましく、150〜250℃の範囲であればさら
に好ましい。
【0018】
さらに前記圧力が7.5MPa未満の場合には、前記二酸化炭素密度が十分でないため
に、成膜前駆体の溶解が困難になる。前記圧力が12MPaを超える場合には、前記二酸
化炭素の粘度が高くなり、微細構造中への前駆体の進入が困難になり、結果として前記微
細構造中でのボイドなどの欠陥の発生や微細構造中での膜の不均一性の原因になる。
前記圧力は、8〜12MPaの範囲が好ましく、8〜11MPaの範囲であればさらに
好ましい。
【0019】
また、本発明の製造工程における前記成膜工程としては、例えば、エピタキシャル層形
成工程、アイソレーション形成工程、ウエル形成工程、ゲート絶縁膜形成工程、ゲート電
極形成工程、スペーサ形成工程、ソース/ドレイン形成工程、キャパシタ構造形成工程、
コンタクト形成工程、メタル配線前層間絶縁膜形成工程等の前工程から選ばれる少なくと
も一つの工程、
前記前工程以後の、コンタクトプラグ形成工程、層間絶縁膜形成工程、メタル電極配線
構造形成工程、パッシベーション膜形成工程等の後工程から選ばれる少なくとも一つの工
程等を挙げることができる。
【0020】
これらの工程の中でも、前記キャパシタ構造形成工程、前記コンタクトプラグ形成工程
、前記メタル電極配線構造形成工程等が好ましい。
【0021】
前記導電膜としては、例えば、配線膜、電極膜等を挙げることができる。
さらに具体的には銅、金、アルミニウム、タングステン等の金属膜、ポリシリコン等の
多結晶膜、タングステンシリサイド、モリブデンシリサイド、チタンシリサイド、コバル
トシリサイド、ニッケルシリサイド等のシリサイド膜、ルテニウムオキサイド、イリジウ
ムオキサド等の酸化膜、チタンナイトライド、タンタルナイトライド等の窒化膜等を挙げ
ることができる。
前記導電膜は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0022】
前記絶縁膜としては、例えば、MOS電界効果トランジスタ等に使用されるゲート膜、
素子間分離膜、容量絶縁膜、層間絶縁膜、パッシベーション膜等を挙げることができる。
さらに具体的には、例えば、酸化シリコン、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化アル
ミニウム等の酸化膜、シリコンナイトライド等の窒化膜、リンシリケートガラス、ボロン
シリケートガラス、ボロンリンシリケートガラス等のガラス膜等を挙げることができる。
前記絶縁膜は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0023】
前記バリア膜としては、例えば、チタンナイトライド、チタンタングステン、タングス
テンナイトライド、タンタルナイトライド等の無機膜等を挙げることができる。
前記バリア膜は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0024】
前記成膜工程は、前記成膜前駆体を前記被処理基板に作用させる方法、前記超臨界状態
の二酸化炭素に成膜前駆体を前もって溶解させておいて、かかる溶解物を前記被処理基板
に作用させる方法、前記超臨界状態の二酸化炭素に溶解した成膜前駆体と反応試薬とを前
記被処理基板上で反応させることにより実施することができる。
前記反応試薬としては、例えば、酸素、オゾン、水素、窒素、アンモニア、過酸化水素
、水等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
【0025】
前記成膜前駆体としては、例えば、バリア膜前駆体試薬、配線膜前駆体試薬、電極膜前
駆体試薬、容量絶縁膜前駆体試薬等を挙げることができる。
【0026】
前記被処理基板にバリア膜を形成する際には、例えば、前記超臨界状態の二酸化炭素の
存在下に、前記バリア膜前駆体試薬と、窒素、アンモニア等の一種もしくは二種以上の反
応試薬とを前記被処理基板上で反応させる等の方法により前記バリア膜を形成することが
できる。
前記バリア膜を形成する工程は、温度200〜350℃および圧力7.5〜12MPa
の条件下に実施することが好ましい。
前記条件は、温度250〜350℃および圧力8〜12MPaの範囲であればより好ま
しく、温度300〜350℃および圧力8〜11MPaの範囲であればさらに好ましい。
【0027】
前記バリア膜前駆体試薬としては、例えば、具体的には、ペンタキス(ジメチルアミノ
)タンタル等を挙げることができる。
例えば、前記ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタルとアンモニアを前記被処理基板上
で反応させた場合であれば、前記被処理基板上にはタンタルナイトライドが堆積する。こ
れにより前記被処理基板上にタンタルナイトライド膜を形成することができる。
【0028】
また、前記被処理基板に配線膜を形成する際には、例えば、前記超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記配線膜前駆体試薬と水素等の反応試薬とを前記被処理基板上で反応さ
せる等の方法により前記配線膜を形成することができる。
前記配線膜を形成する工程は、温度150〜300℃および圧力7.5〜12MPaの
条件下に実施することが好ましい。
前記条件は、温度200〜300℃および圧力8〜12MPaの範囲であればより好ま
しく、温度250〜300℃および圧力8〜11MPaの範囲であればさらに好ましい。
【0029】
前記配線膜前駆体試薬としては、例えば、具体的には、ヘキサフルオロアセチルアセト
ネート銅等を挙げることができる。
例えば、前記ヘキサフルオロアセチルアセトネート銅と水素とを前記被処理基板上で反
応させた場合であれば、前記被処理基板上には銅が堆積する。
これにより前記被処理基板上に銅膜を形成することができる。
【0030】
また、前記被処理基板に電極膜を形成する際には、例えば、前記超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記電極膜前駆体試薬と、水素、窒素、アンモニア等の一種もしくは二種
以上の反応試薬とを前記被処理基板上で反応させる等の方法により前記電極膜を形成する
ことができる。
前記電極膜を形成する工程は、温度200〜350℃および圧力7.5〜12MPaの
条件下に実施することが好ましい。
前記条件は、温度250〜350℃および圧力8〜12MPaの範囲であればより好ま
しく、温度300〜350℃および圧力8〜11MPaの範囲であればさらに好ましい。
【0031】
前記電極膜前駆体試薬としては、例えば、具体的にはテトラキス(N−エチル−N−メ
チルアミノ)チタニウム等を挙げることができる。
例えば、前記テトラキス(N−エチル−N−メチルアミノ)チタニウムとアンモニアと
を前記被処理基板上で反応させた場合には、前記被処理基板上にはチタニウムナイトライ
ドが堆積する。
これにより前記被処理基板上にチタニウムナイトライド膜を形成することができる。
【0032】
また、前記被処理基板に容量絶縁膜を形成する際には、例えば、前記超臨界状態の二酸
化炭素の存在下に、前記容量絶縁膜前駆体試薬を前記被処理基板に作用させる等の方法に
より前記容量絶縁膜を形成することができる。
前記容量絶縁膜を形成する工程は、温度150〜350℃および圧力7.5〜12MP
aの条件下に実施することが好ましい。
前記条件は、温度200〜350℃および圧力8〜12MPaの範囲であればより好ま
しく、温度250〜350℃および圧力8〜11MPaの範囲であればさらに好ましい。
前記容量絶縁膜前駆体試薬としては、例えば、具体的には、テトラキス(N−エチル−
N−メチルアミノ)ハフニウム等を挙げることができる。
例えば、前記テトラキス(N−エチル−N−メチルアミノ)ハフニウムと酸素とを前記
被処理基板上で反応させた場合であれば、前記被処理基板上には酸化ハフニウムが堆積す
る。
これにより前記被処理基板上に酸化ハフニウム膜を形成することができる。
【0033】
前記成膜前駆体は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0034】
次に本発明におけるエッチング工程について説明する。
本発明におけるエッチング工程は、前記被処理基板に対しエッチングを行うものである

【0035】
本発明における前記エッチング工程は、上記超臨界状態の中でも、温度31〜100℃
および圧力18〜40MPaの条件下に実施されるものである。
前記温度が31℃未満の場合には、前記二酸化炭素は液体状態となるため、前記被処理
基板に対するエッチング速度が遅くなり、エッチング効率が著しく低下する。
また前記温度が100℃を超える場合には、前記超臨界状態の二酸化炭素はガスに近い
低密度の特性を持つようになるため、エッチングのための十分な溶解度を得ることができ
ない。
前記温度は35〜90℃の範囲が好ましく、40〜80℃の範囲であればさらに好まし
い。
【0036】
さらに前記圧力が圧力18MPa未満の場合も同様に、前前記被処理基板に対するエッ
チング速度が遅くなり、エッチング効率が著しく低下する。
また前記圧力が40MPaを超える場合には、本発明の製造装置を構成するリアクター
、ポンプ、高圧バルブ、各種高圧配管部品等に対する負荷が大きくなり過ぎる。さらに4
0MPaを超える場合には、圧力に対する密度の上昇が無視できるほど小さくなり、前記
圧力以上の領域での溶解度の上昇は小さい。
したがって、40MPaを超える二酸化炭素圧力の使用は、前記の観点からプロセス上
効率的とはいえない。
前記圧力は、20〜40MPaの範囲が好ましく、23〜40MPaの範囲であればさ
らに好ましい。
【0037】
前記エッチング工程は、エッチング試薬の存在下に実施することができる。
前記エッチング試薬としては、例えば、フッ化水素酸等を挙げることができる。
【0038】
次に本発明におけるレジスト剥離工程について説明する。
本発明におけるレジスト剥離工程は、前記被処理基板に対し、前記被処理基板に対しレ
ジスト剥離を行うものである。
【0039】
本発明における前記レジスト剥離工程は、上記超臨界状態の中でも、温度31〜80℃
および圧力18〜40MPaの条件下に実施されるものである。
前記温度が31℃未満の場合には、前記二酸化炭素は液体状態となるため、前記被処理
基板に対するレジスト剥離速度が遅くなり、レジスト剥離効率が著しく低下する。
また前記温度が100℃を超える場合には、前記超臨界状態の二酸化炭素はガスに近い
低密度の特性を持つようになるため、レジスト剥離のための十分な溶解度を得ることがで
きない。
前記温度は35〜80℃の範囲が好ましく、40〜80℃の範囲であればさらに好まし
い。
【0040】
さらに前記圧力が圧力18MPa未満の場合も同様に、前記被処理基板に対すレジスト
剥離速度が遅くなり、レジスト剥離効率が著しく低下する。
また前記圧力が40MPaを超える場合には、本発明の製造装置を構成するリアクター
、ポンプ、高圧バルブ、各種高圧配管部品等に対する負荷が大きくなり過ぎる。さらに、
40MPaを超える場合には、圧力に対する密度の上昇が無視できるほど小さくなり、前
記圧力以上の領域での溶解度の上昇は小さい。したがって、40MPaを超える二酸化炭
素圧力の使用は、前記の観点からプロセス上効率的とはいえない。
前記圧力は、20〜40MPaの範囲が好ましく、23〜40MPaの範囲であればさ
らに好ましい。
【0041】
前記レジスト剥離工程は、レジスト剥離試薬の存在下に実施することができる。
前記レジスト剥離試薬としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等を
挙のアルコール類等を挙げることができる。
【0042】
本発明の製造方法は、上記に説明した工程を一つの製造装置内部で連続して実施するこ
とができる。
上記に説明した工程を経て、半導体シリコン基板を得ることができる。
そして前記半導体シリコン基板を使用して、DRAM等の半導体装置を得ることができ
る。
【0043】
次に本発明の製造装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の製造装置の構成を例示した概略図である。
容器1には、その内部に被処理基板を保持する基板設置台2が備えられていて、前記容
器1に前記被処理基板を設置した後に前記容器1内部を密閉することができる。
【0044】
前記容器1には、前記容器1の内部温度を調節するための温度制御手段として前記基板
設置台2を加熱するための温度制御器3と、前記容器1の内壁温度を下げるための冷却水
循環用水路4とが設けられている。前記冷却水循環用水路4は、冷却水循環器5と接続さ
れていて、前記冷却水循環用水路4の内部を冷却水が循環できる構造となっている。この
冷却水の循環により前記容器1の内壁の温度を下げることができる。
【0045】
前記基板設置台2に保持された前記被処理基板は、前記温度制御器3を通じて前記基板
設置台2に設けられたヒーター(図示せず)により加熱される。
【0046】
前記温度制御器3と前記冷却水循環器5は、前記容器1内部、前記基板設置台2等に設
けられた熱電対等の温度検出手段と連動して、前記容器1内部の前記基板設置台2の近傍
の温度を所定の温度に制御することが可能である。
【0047】
また前記冷却水循環器5により、前記容器1に対する過剰な加熱を防止することができ
、前記容器1内部の温度変化は前記容器1内部の前記基板設置台2および前記被処理基板
の近傍付近で特に精密に制御することができる。このため、前記被処理基板に対する洗浄
工程、成膜工程等の工程を、前記被処理基板の表面領域に対して行なうことができ、前記
被処理基板に対する迅速な加熱および冷却が可能となる。
【0048】
一方、前記容器1には、二酸化炭素を供給する手段として、二酸化炭素ボンベ6、高圧
バルブ7および二酸化炭素供給用高圧ポンプ8が設けられている。
【0049】
また、前記容器1には、前記容器1の内部圧力を調節するための圧力制御手段として、
二酸化炭素供給用高圧ポンプ8および背圧調整器10が設けられている。
【0050】
前記背圧調整器10に設けられた圧力検出手段により、前記容器1内部の圧力が高いと
きには前記背圧調整器10から、前記容器1内部の二酸化炭素を外部に放出することによ
り、前記容器1内部の圧力を下げることができる。また、前記容器1内部の圧力が低いと
きには前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ8を通じて前記容器1内部に二酸化炭素を供給す
ることにより、前記容器1内部の圧力を上げることができる。
【0051】
具体的には、例えば、前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ8は、二酸化炭素ボンベ6の二
酸化炭素を一定の流速により前記容器1内部へ供給する。一方、前記背圧調整器10は前
記容器1の圧力を所定の圧力に保つ様に作動する。
【0052】
すなわち、前記容器1内部の圧力が高いときには、前記背圧調整器10の弁が開き、前
記容器1内部の過剰の二酸化炭素を外部に放出して、前記容器1内部の圧力を下げること
ができる。また、前記容器1内部の圧力が低いときには、前記背圧調整器10の弁は閉じ
ているため、前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ8から二酸化炭素が前記容器1内部に供給
することにより、前記容器1内部の圧力を上げることができる。
【0053】
前記背圧調整器10は、前記背圧調整器10に設けられた圧力計等の圧力検出手段と連
動して、前記容器1内部の圧力を所定の圧力に制御することが可能である。
【0054】
また、前記容器1には試薬を供給する手段として、試薬容器11、試薬添加用ポンプ1
2および試薬添加用バルブ13が設けられている。
前記容器1内部への前記試薬の導入は、前記試薬添加用ポンプ12および試薬添加用バ
ルブ13を通じて実施される。
【0055】
なお、図1では便宜上、前記試薬を供給する手段として、一種類の試薬容器11等を例
示しているが、複数の試薬を使用する場合には、必要とする試薬容器を準備して、前記試
薬添加用ポンプ12に連結するか、あるいは前記試薬添加用ポンプ12に相当する複数の
ポンプを使用することができる。以下同様である。
【0056】
図2は、試薬溶解用チャンバを備えた本発明の製造装置の構成を例示した概略図である

前記試薬溶解用チャンバ14は、バルブ15、16を介して二酸化炭素供給用配管17
に接続されている。
前記試薬溶解用チャンバ14にはスクリューフィーダー等の固体移送手段が設けられて
いて(図示せず)、前記試薬が固体の場合であっても、前記試薬溶解用チャンバ14に前
記固体の試薬を供給することができる。
【0057】
本発明に使用する前記試薬が固体の場合には、前記容器1に前記固体の試薬等を導入す
る前に、前記固体試薬を前記試薬溶解用チャンバ14に導入し、予め超臨界状態の二酸化
炭素に溶解させてから、この溶解物を前記容器1に導入することが好ましい。
【0058】
図3は、試薬導入用マスフローコントローラ19を備えた本発明の製造装置の構成を例
示した概略図である。
図3に例示された製造装置には、気体試薬用ボンベ18前記マスフローコントローラ1
9およびチェックバルブ20の気体移送手段が設けられている。
前記マスフローコントローラ19により、前記容器1に対する前記気体試薬用ボンベ1
8の気体試薬の流量を制御することができる。また、前記チェックバルブ20により、前
記容器1から前記気体試薬用ボンベ18に、前記容器1の内容物が逆流することを防止す
ることができる。
【0059】
図1〜図3では、それぞれ前記液体試薬、固体試薬および気体試薬を使用する場合の製
造装置を例示したものであるが、本発明の製造装置はこれらの一種のみを使用する場合の
ものに限定されるものではなく、前記液体試薬、固体試薬および気体試薬からなる群より
選ばれる二種以上を使用することができる様に、適宜これらの製造装置を組み替えること
ができる。
【0060】
次に本発明に使用する前記試薬について説明する。
本製造装置に使用する試薬としては、例えば、洗浄試薬、成膜試薬、エッチング試薬、
レジスト除去試薬等を挙げることができる。
【0061】
前記洗浄試薬としては、例えば、具体的には、ヘキサフルオロアセチルアセトネート、
アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マレイン酸ジメチル、1,1,1−トリフルオロ
ペンタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルペンタンジオン−3,5−ジオン、2,2
,7−トリメチルオクタン−2,4−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−
3,5−ジオン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤、
ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ニトリロ三酢酸等の有機酸、
塩化水素、フッ化水素、リン酸等の無機酸、
アンモニア、エタノールアミン等の含窒素化合物、
水、メタノール、エタノール、プロパノール等の水酸基含有化合物、
パーフルオロポリエーテル(PFPE)等の界面活性剤を挙げることができる。
前記洗浄試薬は一種もしくは二種以上を併用して使用することができる。
【0062】
前記成膜試薬としては、例えば、バリア膜前駆体試薬、配線膜前駆体試薬、電極膜前駆
体試薬、容量絶縁膜前駆体試薬等を挙げることができる。
【0063】
前記バリア膜前駆体試薬としては、例えば、具体的には、ペンタキス(ジメチルアミノ
)タンタル等を挙げることができる。
【0064】
前記配線膜前駆体試薬としては、例えば、具体的には、ヘキサフルオロアセチルアセト
ネート銅等を挙げることができる。
【0065】
前記電極膜前駆体試薬としては、例えば、具体的にはテトラキス(N−エチル−N−メ
チルアミノ)チタニウム等を挙げることができる。
前記容量絶縁膜前駆体試薬としては、例えば、具体的には、テトラキス(N−エチル−
N−メチルアミノ)ハフニウム等を挙げることができる。
【0066】
前記エッチング試薬としては、例えば、フッ化水素酸等を挙げることができる。
【0067】
前記レジスト剥離試薬としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等を
挙のアルコール類等を挙げることができる。
【0068】
前記試薬は一種もしくは二種以上を使用することができる。
【0069】
次に本発明の製造装置を使用するときの温度および圧力について説明する。
本発明の製造装置は、先に説明した前記温度制御手段および圧力制御手段により、それ
ぞれ、前記容器1中の二酸化炭素を温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの範
囲に保つことができ、かつ、前記容器1中の二酸化炭素を温度150〜350℃および圧
力7.5〜12MPaの範囲に保つことができるものである。
この条件の下に、前記容器1内部の前記二酸化炭素は超臨界状態を保つことができる。
【0070】
前記した温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの範囲は、前記被処理基板に
対する洗浄工程を実施するために前記製造装置に必要とされる条件である。
前記温度が31℃未満の場合には、前記二酸化炭素は液体状態となるため、前記被処理
基板から脱離した汚染物質の前記被処理基板表面からの輸送や洗浄試薬の前記被処理基板
表面への輸送が遅くなり、洗浄効率が著しく低下する。 また前記温度が100℃を超え
る場合には、前記超臨界状態の二酸化炭素はガスに近い低密度の特性をもつようになるた
め、汚染物質除去のための十分な溶解度を得ることができない。
前記温度は35〜90℃の範囲が好ましく、40〜80℃の範囲であればさらに好まし
い。
【0071】
さらに前記圧力が圧力18MPa未満の場合も同様に、前記被処理基板表面の洗浄のた
めの十分な溶解度が得られず、得られた半導体シリコン基板の信頼性が低下する。また前
記圧力が40MPaを超える場合には、本発明の製造装置を構成するリアクター、ポンプ
、高圧バルブ、各種高圧配管部品等に対する負荷が大きくなり過ぎる。さらに、40MP
aを超える場合には、圧力に対する密度の上昇が無視できるほど小さくなり、前記圧力以
上の領域での溶解度の上昇は小さい。
したがって、40MPaを超える二酸化炭素圧力の使用は、前記の観点からプロセス上
効率的とはいえない。
前記圧力は、18〜40MPaの範囲であることが好ましく、20〜40MPaの範囲
であればより好ましく、23〜40MPaの範囲であればさらに好ましい。
【0072】
また、前記した温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの範囲は、前記被
処理基板に対する成膜工程を実施するために前記製造装置に必要とされる条件である。
前記温度が150℃未満の場合には、膜種に係らず、良好な膜質をもつ膜を生成するのに
十分な反応熱を与えることができない。また、前記温度が350℃を超える場合は、高圧
容器を含む各種ステンレス部分の耐圧性の低下、高圧シール部の劣化など安全性を確保す
ることが困難になる。
前記温度は150〜300℃の範囲が好ましく、150〜250℃の範囲であればさら
に好ましい。
【0073】
さらに前記圧力が7.5MPa未満の場合には、前記二酸化炭素密度が十分でないため
に、成膜前駆体の溶解が困難になる。前記圧力が12MPaを超える場合には、前記二酸
化炭素の粘度が高くなり、微細構造中への前駆体の進入が困難になり、結果として前記微
細構造中でのボイドなどの欠陥の発生や微細構造中での膜の不均一性の原因になる。
前記圧力は、8〜12MPaの範囲が好ましく、8〜11MPaの範囲であればさらに好
ましい。
【0074】
次に本発明の製造装置を使用した、半導体シリコン基板の連続処理方法について説明す
る。
図4は、本発明の製造装置の一実施態様を模式的に例示したものである。
また図5は、前記半導体シリコン基板の連続処理方法を説明するためのプロセスフロー
を例示したものである。
まず、前記被処理基板21を図5に例示した前記容器1内部の前記基板設置台2に保持
し、前記容器1内部を密閉する。
【0075】
次に図5に例示した様に、前記二酸化炭素ボンベ6、前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ
8並びに前記高圧バルブ7、9および24を通して二酸化炭素を前記容器1内部に導入す
る。
【0076】
次に前記基板設置台2に設けられたヒータ等の加熱手段(図示せず)により、前記被処
理基板を加熱する。熱電対22が前記被処理基板21に接して設けられていて、前記被処
理基盤21の温度を監視すると共に、その温度に応じて、前記温度制御器3により前記温
度が低い場合には前記ヒータ等の加熱手段により前記被処理基板21を加熱し、前記温度
が高い場合には前記容器1内部に設けられた前記冷却水循環用水路4に冷却水循環器5か
ら冷却水を供給して前記容器1を冷却することにより、前記被処理基板21を所定の温度
に保つことができる。この工程により、前記容器1内部の圧力および前記被処理基板の温
度を所定の値に制御することができる。
【0077】
次に、前記工程Aに必要な前記試薬を前記容器1に導入し、前記洗浄工程、前記成膜工
程等から選ばれる工程Aを実施する。
例えば、工程Aに使用する前記試薬が液体の場合には、前記試薬容器11から前記試薬
を試薬添加用ポンプ12、チェックバルブ25、高圧バルブ13および高圧バルブ24を
通じて前記容器1に導入することができる。
また例えば、工程Aに使用する前記試薬が気体の場合には、前記気体試薬用ボンベ18
から前記試薬を前記マスフローコントローラ19、チェックバルブ20、および高圧バル
ブ25を通じて前記容器1に導入することができる。
【0078】
また例えば、工程Aに使用する前記試薬が固体の場合には、前記試薬溶解用チャンバ1
4に前記固体試薬をスクリューフィーダー等の固体移送手段(図示せず)を用いて前記試
薬を前記試薬溶解用チャンバ14に導入し、高圧バルブ15を通して別途導入した超臨界
状態の二酸化炭素に溶解させてから、これを高圧バルブ16、高圧バルブ24を通じて前
記容器1に導入することができる。
なお、前記試薬のうち、気体試薬、液体試薬および固体試薬はそれぞれ独立に前記容器
1に導入してもよいし、これらの二つ以上の任意の組合せを前記容器1に導入してもよい

【0079】
また前記容器1の二酸化炭素供給用配管17にはこれらの前記試薬を効率的に混合する
ための混合ループ23が設けられている。この混合ループ23には混合ループ内部の二酸
化炭層を超臨界状態に変換するための加熱手段が設けられている。
本発明の実施態様においては前記混合ループ23に替えてもしくは前記混合ループ23
と共に別途混合槽を設けることができる(図示せず)。
また前記混合槽にはメカニカルスターラー等の撹拌手段を設けることができる。
前記試薬の導入は、前記工程Aを実施する前に実施してもよいし、前記工程Aを実施し
ながら連続的にあるいは間欠的に実施してもよい。
【0080】
次に前記工程Aの終了後、前記容器1へ純粋な二酸化炭素を供給しつつ、前記背圧調整
器10を適宜開放することにより、前記容器1内部の前記試薬等はパージング工程により
除去される。
【0081】
前記容器1内部を純粋な二酸化炭素により置換した後、前記被処理基板の温度および前
記容器1内部の圧力を次の工程である工程Xに適した所定の値に制御する。
ここで前記工程Aおよび前記工程Xとしては、例えば、それぞれ前記洗浄工程、前記成
膜工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等を挙げることができる。
前記工程Xは一種もしくは二種以上を実施することができる。
【0082】
前記工程Xに必要な前記試薬を前記容器1に導入し、前記工程Xを実施する。
前記工程Aの場合と同様、前記試薬の導入は、前記工程Xを実施する前に実施してもよ
いし、前記工程Xを実施しながら連続的にあるいは間欠的に実施してもよい。
【0083】
次に前記工程Xの終了後、前記容器1へ純粋な二酸化炭素を供給しつつ、前記背圧調整
器10を適宜開放することにより、前記容器1内部の前記試薬等はパージング工程により
除去される。
【0084】
以降、図5の(7)〜(10)の工程について、同様の操作を必要な回数だけ繰り返す
ことができる。
【0085】
操作終了後、前記容器1への二酸化炭素供給を中止し、前記背圧調整器10より前記容
器1内部の二酸化炭素を外部へ排出してから、得られた半導体シリコン基板を得ることが
できる。
【0086】
この様に前記半導体シリコン基板の連続処理方法によれば、超臨界二酸化炭素の存在の
下、前記工程A、前記工程X等の工程毎に前記被処理基板を前記容器1から取り出す必要
がなく連続的に処理することができる。また、前記製造装置はその容量を小さくすること
ができる。
さらに、前記製造装置には、前記基板設置台2にヒータ等の加熱手段が設けられている
ことから、前記被処理基板の温度を迅速に制御することができ、前記半導体シリコン基板
の連続処理方法に要する時間を短縮することができる。
【0087】
次に実施例により、本発明の製造方法および製造装置についてさらに詳細に説明する。
なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0088】
図6は、本発明の製造方法を説明するためのプロセスフローを示した図である。本発明
の製造方法および製造装置について、図4および図6を参照しつつ説明する。
【0089】
まず、前記被処理基板を前記容器1内部の前記基板設置台2に保持する。
この被処理基板は、半導体シリコンウエハを用いて先に説明した前記前工程を終え、続
いて前記後工程の内、前記コンタクトプラグ形成工程、層間絶縁膜形成工程、平坦化工程
の各工程を経て得られたものである。
【0090】
本発明の製造方法の洗浄工程を実施する際は、前記容器1内部の温度を31〜100℃
の範囲に加熱し、二酸化炭素を前記容器1内部に前記二酸化炭素ボンベ6、前記二酸化炭
素供給用高圧ポンプ8および前記高圧バルブ7、9を通して導入して、前記容器1内部の
圧力を18〜40MPaの範囲に調整した。
【0091】
最初に前記被処理基板の温度を50℃、前記容器1内部の圧力を20MPaとして、前
記試薬容器11から、試薬添加用ポンプ12および試薬添加用バルブ13を通して、前記
容器1内部に洗浄用試薬を導入し、前記被処理基板表面に付着したエッチング後の残渣、
有機系汚染物質等を除去する洗浄工程を実施した。
かかる残渣、有機系汚染物質等としては、例えば、反応性イオンエッチング、ウエット
エッチング、ドライエッチング、プラズマエッチング等のエッチング工程、化学機械研磨
(CMP)等の工程、前記レジスト除去後等に残留する固体または液体の残留物等が挙げ
られる。
【0092】
本実施例では、前記洗浄用試薬としてフッ化水素酸を使用した。
【0093】
前記洗浄工程終了後、前記容器1内部への前記洗浄用試薬の導入を中止し、純粋な二酸
化炭素を前記容器1内部に前記二酸化炭素ボンベ6、前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ8
および前記高圧バルブ7、9を通じて導入する一方、前記背圧調整器10から前記容器1
内部の洗浄試薬等を系外へ排出するパージング工程を実施した。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換された。
【0094】
前記被処理基板の温度を350℃、前記容器1内部の圧力を10MPaとして、前記試
薬容器11から、試薬添加用ポンプ12および試薬添加用バルブ13を通して、前記容器
1内部にバリア膜前駆体試薬を導入し、また、前記気体試薬用ボンベ18から、マスフロ
ーコントローラ19およびチェックバルブ20を通して、前記容器1内部に反応試薬を導
入することによって、前記被処理基板にバリア膜を形成する成膜工程を実施した。
【0095】
本実施例では、前記バリア膜前駆体試薬としてペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル
および反応試薬としてアンモニアを使用することにより、前記被処理基板にタンタルナイ
トライド膜を形成した。
【0096】
前記バリア膜を形成する成膜工程の終了後、前記容器1内部への前記バリア膜前駆体試
薬およびアンモニアの導入を中止し、先の場合と同様に純粋な二酸化炭素を前記容器1内
部に導入する一方、前記背圧調整器10から前記容器1内部の前記バリア膜前駆体、アン
モニアおよび反応副産物を系外へ排出するパージング工程を実施した。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換された。
【0097】
次に前記被処理基板の温度を200℃、前記容器1内部の圧力を10MPaとして、前
記試薬容器11から、試薬添加用ポンプ12および試薬添加用バルブ13を通して、前記
容器1内部に配線膜前駆体試薬を導入し、また、前記気体試薬用ボンベ18から、マスフ
ローコントローラ19およびチェックバルブ20を通して、前記容器1内部に反応試薬を
導入することによって、前記被処理基板に配線膜を形成する成膜工程を実施した。
【0098】
本実施例では、前記配線膜前駆体試薬としてヘキサフルオロアセチルアセトネート銅お
よび反応試薬として水素を使用することにより、前記バリア層が形成された前記被処理基
板に対し、さらに銅膜を形成した。
【0099】
前記配線膜を形成する成膜工程の終了後、前記容器1内部への前記配線膜前駆体試薬お
よび水素の導入を中止し、先の場合と同様に純粋な二酸化炭素を前記容器1内部に導入す
る一方、前記背圧調整器10から前記容器1内部の前記配線膜前駆体、水素および反応副
産物を系外へ排出するパージング工程を実施した。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換された。
【0100】
続いて前記基板設置台2の加熱を中止し、前記容器1を冷却した上で、前記容器1内部
の圧力を常圧に戻してから半導体シリコン基板を得た。
【0101】
上記に説明した通り、洗浄工程、バリア膜形成工程および配線膜形成工程により被処理
基板を連続して処理する方法により、前記半導体シリコン基板を得ることができる。
【0102】
前記半導体シリコン基板を使用して得られたDRAMの半導体装置は正常に作動し、信
頼性に優れるものであった。
【実施例2】
【0103】
図7は、本発明の製造方法を説明するためのフローを示した図である。本発明の製造方
法および製造装置について、図4および図7を参照しつつ説明する。
【0104】
まず、前記被処理基板を前記容器1内部の前記基板設置台2に保持した。
この被処理基板は、半導体シリコンウエハを用いて先に説明した前記前工程の内、エピ
タキシャル層形成工程、アイソレーション形成工程、ウエル形成工程、ゲート絶縁膜形成
工程、ゲート電極形成工程、スペーサ形成工程、ソース/ドレイン形成工程を経て得られ
たものであり、キャパシタ孔を有している。
【0105】
最初に、前記容器1内部の温度を31〜100℃の範囲に加熱し、二酸化炭素を前記容
器1内部に前記二酸化炭素ボンベ6、前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ8および前記高圧
バルブ7、9を通じて導入した。
続いて実施例1の場合と全く同様に前記被処理基板に対する洗浄工程を実施した。
【0106】
前記洗浄工程終了後、前記容器1内部への前記洗浄用試薬の導入を中止し、実施例1の
場合と同様に純粋な二酸化炭素を前記容器1内部に導入する一方、前記背圧調整器10か
ら前記容器1内部の洗浄用試薬等を系外へ排出するパージング工程を実施した。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換された。
【0107】
前記被処理基板の温度を350℃、前記容器1内部の圧力を10MPaとして、前記試
薬容器11から、試薬添加用ポンプ12および試薬添加用バルブ13を通して、前記容器
1内部に電極膜前駆体試薬を導入し、また、前記気体試薬用ボンベ18から、マスフロー
コントローラ19およびチェックバルブ20を通して、前記容器1内部に反応試薬を導入
することによって、前記被処理基板に電極膜を形成する成膜工程を実施した。
【0108】
本実施例では、前記電極膜前駆体試薬としてテトラキス(N−エチル−N−メチルアミ
ノ)チタニウムおよび反応試薬としてアンモニアを使用することにより、前記被処理基板
のキャパシタ孔に対し、下部電極として窒化チタン膜を形成した。
【0109】
前記電極膜を形成する成膜工程の終了後、前記容器1内部への前記電極膜前駆体試薬お
よびアンモニアの導入を中止し、先の場合と同様に純粋な二酸化炭素を前記容器1内部に
導入する一方、前記背圧調整器10から前記容器1内部の前記電極膜前駆体、アンモニア
および反応副産物等を系外へ排出するパージング工程を実施した。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換された。
【0110】
前記被処理基板の温度を300℃、前記容器1内部の圧力を10MPaとして、前記試
薬容器11から、試薬添加用ポンプ12および試薬添加用バルブ13を通して、前記容器
1内部に容量絶縁膜前駆体試薬を導入し、また、前記気体試薬用ボンベ18から、マスフ
ローコントローラ19およびチェックバルブ20を通して、前記容器1内部に反応試薬を
導入することによって、前記電極膜が形成された前記被処理基板に容量絶縁膜を形成する
成膜工程を実施した。
【0111】
本実施例では、前記容量絶縁膜前駆体試薬としてテトラキス(N−エチル−N−メチル
アミノ)ハフニウムおよび反応試薬として酸素を使用することにより、下部電極層が形成
された前記被処理基板に対し、さらに酸化ハフニウム膜を形成した。
【0112】
前記容量絶縁膜を形成する成膜工程の終了後、前記容器1内部への前記容量絶縁膜前駆
体試薬および酸素の導入を中止し、先の場合と同様に純粋な二酸化炭素を前記容器1内部
に導入する一方、前記背圧調整器10から前記容器1内部の前記容量絶縁膜前駆体、酸素
および反応副産物等を系外へ排出するパージング工程を実施した。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換された。
【0113】
前記被処理基板の温度を350℃、前記容器1内部の圧力を10MPaとして、前記試
薬容器11から、試薬添加用ポンプ12および試薬添加用バルブ13を通して、前記容器
1内部に電極膜前駆体試薬を導入し、また、前記気体試薬用ボンベ18から、マスフロー
コントローラ19およびチェックバルブ20を通して、前記容器1内部に反応試薬を導入
することによって、前記電極膜および前記容量絶縁膜が形成された前記被処理基板に電極
膜を形成する成膜工程を実施した。
【0114】
本実施例では、前記電極膜前駆体試薬としてテトラキス(N−エチル−N−メチルアミ
ノ)チタニウムおよび反応試薬としてアンモニアを使用することにより、前記被処理基板
に対し、上部電極として窒化チタン膜を形成した。
【0115】
前記上部電極膜を形成する成膜工程の終了後、前記容器1内部への前記電極膜前駆体試
薬およびアンモニアの導入を中止し、先の場合と同様に純粋な二酸化炭素を前記容器1内
部に導入する一方、前記背圧調整器10から前記容器1内部の前記電極膜前駆体、アンモ
ニアおよび反応副産物等を系外へ排出するパージング工程を実施した。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換された。
【0116】
続いて前記基板設置台2の加熱を中止し、前記容器1を冷却した上で、前記容器1内部
の圧力を常圧に戻してから半導体シリコン基板を得た。
【0117】
上記に説明した通り、洗浄工程、電極膜形成工程、容量絶縁膜形成工程および電極膜形
成工程により被処理基板を連続して処理することにより、半導体シリコン基板を得ること
ができる。
【0118】
前記半導体シリコン基板を使用して得られたDRAMの半導体装置は正常に作動し、信
頼性に優れるものであった。
【実施例3】
【0119】
実施例2に使用した被処理基板に換えて、図8に示す様に、表面にボロンリンシリケー
トガラス(boron phosphorous silicate glass)からなるガラス膜28および酸化シリコ
ンからなる酸化膜29を備えたものに対してドライエッチング処理を行いキャパシタ孔3
0が形成された被処理基板を使用する。
図8に示す様に、前記キャパシタ孔30は前記被処理基板の内部へ向かうに従って孔径
が小さくなるものである。
【0120】
図1に示す様に、最初に前記容器1内部の温度を31〜100℃の範囲に加熱し、二酸
化炭素を前記容器1内部に前記二酸化炭素ボンベ6、前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ8
および前記高圧バルブ7、9を通じて導入し、内部の圧力を18〜40MPaとする。
続いてフッ化水素酸の存在下に前記被処理基板に対するエッチング工程を実施する。
このエッチング工程により、前記ボロンリンシリケートガラスに対するエッチング速度
と前記酸化シリコンに対するエッチング速度の差を利用して前記キャパシタ孔30の形状
補正を行なうことができる。
続いて実施例2の場合と全く同様の方法により前記被処理基板を処理して半導体シリコ
ン基板を得ることができる。
【実施例4】
【0121】
実施例2に使用した被処理基板に換えて、図10に示す様に、表面に酸化シリコンから
なるガラス膜29およびレジスト膜を備えたものに対してドライエッチング処理を行いキ
ャパシタ孔30が形成された被処理基板を使用する。
図10に示す様に、前記キャパシタ孔30には前記ドライエッチング処理の際のデポジ
ット成分31が付着している。
【0122】
図1に示す様に、最初に前記容器1内部の温度を31〜100℃の範囲に加熱し、二酸
化炭素を前記容器1内部に前記二酸化炭素ボンベ6、前記二酸化炭素供給用高圧ポンプ8
および前記高圧バルブ7、9を通じて導入し、内部の圧力を18〜40MPaとする。続
いてアルコール類などのレジスト剥離試薬の存在下に前記被処理基板に対するレジスト剥
離工程を実施する。
前記レジスト剥離工程の終了後、前記容器1内部へのレジスト剥離用試薬の導入を中止
し、先の場合と同様に純粋な二酸化炭素を前記容器1内部に導入する一方、前記背圧調整
器10から前記容器1内部のレジスト剥離用試薬およびレジスト分解成分を系外へ排出す
るパージング工程を実施する。
この工程により前記容器1内部は純粋な二酸化炭素に置換される。
続いてフッ化水素酸の存在下に前記被処理基板に対するエッチング工程を実施する。
このエッチング工程により、前記キャパシタ孔30の前記デポジット成分31を除去す
ることができる。
続いて実施例2の場合と全く同様の方法により前記被処理基板を処理して半導体シリコ
ン基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】本発明の製造装置の構成を例示した概略図である。
【図2】固体試薬溶解用チャンバを備えた本発明の製造装置の構成を例示した概略図である。
【図3】気体試薬導入用マスフローコントローラを備えた本発明の製造装置の構成を例示した概略図である。
【図4】気体試薬、固体試薬および液体試薬を導入するための手段を備えた本発明の製造装置の構成を例示した概略図である。
【図5】前記半導体シリコン基板の製造方法を説明するためのプロセスフローを例示したものである。
【図6】実施例1の製造方法を説明するためのプロセスフローである。
【図7】実施例2の製造方法を説明するためのプロセスフローである。
【図8】実施例3のエッチング工程を説明するための被処理基板の模式要部断面図である。
【図9】実施例3の製造方法を説明するためのプロセスフローである。
【図10】実施例4のエッチング工程を説明するための被処理基板の模式要部断面図である。
【図11】実施例4の製造方法を説明するためのプロセスフローである。
【符号の説明】
【0124】
1 容器
2 基板設置台
3 温度制御器
4 冷却水循環用水路
5 冷却水循環器
6 二酸化炭素ボンベ
7、9、15、16、24、25 高圧バルブ
8 二酸化炭素供給用高圧ポンプ
10 背圧調整器
11 試薬容器
12 試薬添加用ポンプ
13 試薬添加用バルブ
14 固体試薬溶解用チャンバ
17 二酸化炭素供給用配管
18 気体試薬用ボンベ
19 マスフローコントローラ
20、26 チェックバルブ
21 被処理基板
22 熱電対
23 固体試薬溶解用チャンバ
27 試薬回収チャンバ
28 ガラス膜
29 酸化膜
30 キャパシタ孔
31 デポジット成分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭素の
存在下に、被処理基板に対し洗浄を行なう洗浄工程、
温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、導電膜、絶縁膜およびバリア膜からなる群より選
ばれる少なくとも一つを形成する成膜工程、
温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの条件下、超臨界二酸化炭素の存在下
に、前記被処理基板に対しエッチングを行うエッチング工程、ならびに
温度31〜80℃および圧力18〜40MPaの条件下、超臨界二酸化炭素の存在下に
、前記被処理基板に対しレジストを除去するレジスト剥離工程、
のうち少なくとも2つの工程を有することを特徴とする半導体シリコン基板の製造方法

【請求項2】
前記成膜工程を必須工程とし、
前記成膜工程は、前記被処理基板に対し配線構造を形成する工程であって、かつ、
温度200〜350℃以上および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸
化炭素の存在下に、前記被処理基板に対し、バリア膜を形成する第一の工程と、
温度150〜300℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、導電膜を形成する第二の工程と、
を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の半導体シリコン基板の製造方法

【請求項3】
前記成膜工程を必須工程とし、
前記成膜工程は、前記被処理基板に対しキャパシタ構造を形成する工程であって、かつ

温度200〜350℃以上および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸
化炭素の存在下に、前記被処理基板に対し、導電膜を形成する第一の工程と、
温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、前記導電膜に接して絶縁膜を形成する第二の工程
と、
温度200〜350℃および圧力7.5〜12MPaの条件下、超臨界状態の二酸化炭
素の存在下に、前記被処理基板に対し、前記絶縁膜に接して導電膜を形成する第三の工程
と、
を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の半導体シリコン基板の製造方法

【請求項4】
前記各工程は、前記被処理基板を同一の容器内部に保持したまま実施することを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載の半導体シリコン基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた半導体シリコン基板を含むこ
とを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
内部に被処理基板を保持する基板設置台を備えた密閉可能な容器と、
前記容器に二酸化炭素を供給する供給手段と、
前記容器に試薬を供給する供給手段と、
前記容器の内部温度を調節するための温度制御手段と、
前記容器の内部圧力を調節するための圧力制御手段と、
を少なくとも備え、
かつ前記温度制御手段および圧力制御手段は、それぞれ、
前記容器中の二酸化炭素を温度31〜100℃および圧力18〜40MPaの範囲に保
つ第一の手段と、
前記容器中の二酸化炭素を温度150〜350℃および圧力7.5〜12MPaの範囲
に保つ第二の手段と、
を含むことを特徴とする、半導体シリコン基板製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−149866(P2007−149866A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340753(P2005−340753)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】