説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】半導体界面のダングリングボンドを終端させて、リーク電流が少ない半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】ボンディングパッド40が設けられる最上層の配線層39の上に、フッ素を含んだ介在層41としてCVD法によりよって形成されたフッ素含有酸化シリコン膜(SiOF)を設ける。この上にパッシベーション膜42としてプラズマCVD法により形成した窒化シリコン膜を設け、フッ素に対するバリアとする。この後熱処理を行い、フッ素をシリコン基板の表面に拡散させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関するものであり、特に多層配線構造における層間絶縁膜および装置表面をカバーするパッシベーション膜とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多層配線構造を有する半導体装置では、層間絶縁膜やパッシベーション膜として各種の絶縁膜が多く用いられている。この層間絶縁膜には、配線間の容量を低減するために低誘電率の絶縁膜、いわゆるlow−k膜を採用することが提案されており、これまでに実用化されている。
【0003】
このようなlow−k膜として、例えば特許文献1では、フッ素含有のシリコン酸化膜が用いられている。また、半導体装置の表面は、外部からの水分等の浸入を防止する目的としてパッシベーション膜で覆われるが、このパッシベーション膜としては、特許文献1に記載されているように、シリコン窒化膜を用いることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−252280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、半導体装置では、そのシリコン界面においてダングリングボンドが存在し、未終端のダングリングボンドがリーク電流の増加をもたらす要因となることが知られている。そこで、ダングリングボンドを水素やフッ素で終端させることが提案されている。しかし、水素でダングリングボンドを終端させると、結合が容易に外れてダングリングボンドが再発してしまう。このため、シリコンとの結合エネルギーが高く、結合状態が水素より安定しているフッ素を用いてダングリングボンドを終端させる方が好ましい。
【0006】
ところで、特許文献1では、層間絶縁膜としてlow−k膜を用いており、このlow−k膜中にフッ素を含有させている。このため、low−k膜に含有されたフッ素が半導体基板としてのシリコン界面まで拡散してダングリングボンドを終端させることが期待される。
【0007】
しかしながら、近年では多層配線構造を有する半導体装置において層間絶縁膜にはさらなる低誘電率化が要求されている。このため、層間絶縁膜には、フッ素含有層間絶縁膜よりも誘電率等において特性がより良好な炭素含有シリコン酸化膜が用いられている。このように、層間絶縁膜として炭素含有シリコン酸化膜を用いた場合には、フッ素によるダングリングボンドの終端効果が得られないこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体装置は、多層配線構造を有する半導体装置であって、最上層の配線層と、前記配線層の上方に形成されたパッシベーション膜との間に、フッ素を含んだ絶縁膜が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体装置によれば、多層配線構造における最上層の配線とパッシベーション膜との間にフッ素を含有する絶縁膜が介在する構成を有している。これにより、フッ素を含有する絶縁膜から半導体界面へ向ってフッ素を拡散させることができるため、半導体界面のダングリングボンドを拡散させたフッ素によって終端させることができる。したがって、多層配線構造における層間絶縁膜にフッ素を含有する絶縁膜を使用せずに、例えば炭素含有シリコン酸化膜を用いた場合であっても、半導体界面のダングリングボンドを終端するという効果が得られる。これにより、半導体装置におけるリーク電流を少なくすることができる。
【0010】
なお層間絶縁膜としてのフッ素非含有絶縁膜には、最終的にフッ素が含有されることになるが、炭素含有シリコン酸化膜の初期の特性を実質的に劣化させるものではない。また、通常のシリコン酸化膜を層間絶縁膜として用いた場合は、フッ素の含有は誘電率低下に対し効果を奏することが期待できる。また、本発明では、多層配線構造における層間絶縁膜としてフッ素含有膜を使用することを妨げない。これは、層間絶縁膜としてフッ素含有膜は、層間絶縁膜として要求される他の特性、特に、フッ素含有膜の膜構造の脆弱さに起因して製造工程中に生じる膜剥れの観点からフッ素の含有率が制限され、その結果として、層間絶縁膜としてのフッ素含有膜からのフッ素の拡散では、ダングリングボンドの終端効果は実質的に得ない、という発明者らの見識に基づく。本発明では、最上層配線上にフッ素含有絶縁膜が存在しているので、層間絶縁膜のフッ素含有率が制限を受けても、最上層配線上のフッ素含有絶縁膜からのフッ素が有効に働き半導体界面のダングリングボンドを終端させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のDRAMを示す断面模式図である。
【図2】本実施形態のDRAMの支え膜部分を示す拡大平面図である。
【図3】本実施形態のDRAMの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図4】本実施形態のDRAMの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図5】本実施形態のDRAMの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図6】本実施形態のDRAMの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図7】本実施形態のDRAMの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図8】本実施形態のDRAMの製造方法を説明するための工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した半導体装置について、図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態では、例えば半導体装置としてDRAM(Dynamic Random Access Memory)に、本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のDRAM(半導体装置)51は、多層配線構造を有しており、最上層の第3配線層39とこの第3配線層39の上方に設けられたパッシベーション膜42との間に、フッ素を含有する絶縁膜(第1絶縁膜、以下、介在膜という)41が設けられていることを特徴とする。具体的には、DRAM51は、半導体素子層52と、半導体素子層52を介してシリコン基板(半導体基板)1の上に設けられた多層配線層53と、多層配線層53の上に設けられた介在膜(第1絶縁膜)41と、介在膜41の上に設けられたパッシベーション膜(第2絶縁膜)42と、を備えて概略構成されている。なお、本実施形態のDRAM51には、メモリセル領域と、周辺回路領域とが設けられている。
【0014】
半導体素子層52は、図1に示すように、例えば、シリコン基板1上にトランジスタ、キャパシタが形成された積層構造体である。
【0015】
シリコン基板1は、分離絶縁膜2によって複数の活性領域に区画されている。本実施形態のDRAM51は、分離絶縁膜2により囲まれている1つの活性領域に2ビットのメモリセルが配置されるセル構造を有している。
すなわち、図1に示すように、メモリセル領域では、分離絶縁膜2により囲まれている1つの活性領域に、活性領域の両端部と中央部に個々に不純物拡散層が配置され、中央部にドレインとなる拡散領域6、その両端部側にソースとなる拡散領域6’,6’が形成されることで、トランジスタの基本構造が形成されている。
【0016】
活性化領域には、2つのトレンチ(溝)が形成されており、このトレンチ内を覆うようにゲート酸化膜3が形成されている。また、トレンチ内にはゲート酸化膜3を介してゲート電極が形成されている。
【0017】
ゲート電極は、ポリシリコン膜4とタングステン膜5とを積層して構成されており、さらに絶縁膜7で被覆されている。ポリシリコン膜4はCVD法での成膜時に不純物を含有させて形成するドープト多結晶シリコン膜を用いることができる。また、タングステン膜5は、タングステン(W)の代わりに、タングステンシリサイド(WSi)や高融点金属を用いることができる。
【0018】
シリコン基板1及び分離絶縁膜2の上には、絶縁膜7を覆うように層間絶縁膜9が形成されている。また、層間絶縁膜9の上には、層間絶縁膜13と層間絶縁膜17とが順次積層されている。これらの層間絶縁膜9,17は、SOD(Spin On Dielectrics)膜によって構成されており、膜厚はそれぞれ、200nm、100nmに形成されている。また層間絶縁膜13は、CVD膜によって構成されており、膜厚は100nmに形成されている。
【0019】
層間絶縁膜9には、拡散領域6,6’,6’と接するように形成されたエピタキシャル層8と、このエピタキシャル層8上に形成されたコンタクト10とが設けられている。また、コンタクト10の上面には、コンタクト14が層間絶縁膜13を貫通して設けられている。さらに、層間絶縁膜17には、コンタクト14と接するように形成されたビットライン15と、ビットライン15の上面を覆う絶縁膜16とが設けられている。
ドレインとなる拡散領域6は、エピタキシャル層8、コンタクト10及びコンタクト14を介してビットライン15に接続されている。
【0020】
層間絶縁膜17の上には、全面的にシリンダストッパ膜19が形成されている。このシリンダストッパ膜19は、例えば、減圧CVD法によって形成された50nm厚の窒化シリコン膜によって構成されている。また、シリンダストッパ膜19の上には、層間絶縁膜20と、層間絶縁膜21とが交互に積層して形成されている。
この層間絶縁膜20は、例えば、常圧CVD法によって形成された500nm厚の砒素リンケイ酸ガラス(BPSG[Boro Phospho Silicate Glass])膜によって構成されている。また、層間絶縁膜21は、例えば、プラズマCVD法によって形成された550〜700nm厚の酸化シリコン膜によって構成されている。
【0021】
ここで、拡散領域6’,6’と接するエピタキシャル層8上に形成されたコンタクト10の上面には、コンタクト18が層間絶縁膜13と層間絶縁膜17とを貫通して設けられている。また、コンタクト18の上には、シリンダストッパ膜19と層間絶縁膜20,21,20,21とを貫通するように容量下部電極22が形成されている。この容量下部電極22は、例えば、CVD法によって形成された25nm厚の窒化チタンとチタンとの積層構造体によって構成されている。
ソースとなる拡散領域6’は、エピタキシャル層8、コンタクト10及びコンタクト18を介して容量下部電極22に接続されている。
【0022】
容量下部電極22は、図1に示すように、シリンダ形状を有している。この容量下部電極22の高さ方向中央部及び上端部には、支え膜23が設けられており、この支え膜23によって隣接する容量下部電極22が連結されて支持されている。支え膜23は、ALD(Atomic Layer Deposition)法によって形成された100nm厚の窒化シリコン膜から構成されている。また、図2に示すように、支え膜23は、容量下部電極22の一列おきに配置されている。
【0023】
容量下部電極22及びこの容量下部電極22の上端部に設けられた支え膜23の上には、容量膜24、プレート電極サポート膜25、プレート電極26が順次積層されている。容量膜24は、例えば、ALD法によって形成された7nm厚の酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの積層構造体によって構成されている。また、プレート電極サポート膜25は、例えば、CVD法によって形成された10nm厚の窒化チタンと150nm厚のボロンドープシリコンゲルマニウムとの積層構造体によって構成されている。さらに、プレート電極26は、例えば、スパッタ法によって形成された100nm厚のタングステン層によって構成されている。このように、容量下部電極22、容量膜24、プレート電極サポート膜25及びプレート電極26により、データを蓄積する容量記憶部となるキャパシタが形成されている。
【0024】
層間絶縁膜21の上には、キャパシタを被覆するように層間絶縁膜27が設けられている。この層間絶縁膜27は、プラズマCVD法によって形成された400nm厚の酸化シリコン膜によって構成されている。
【0025】
半導体素子層52の周辺回路領域には、複数のトランジスタが形成されている。これらのトランジスタのタングステン膜5と拡散領域6とがそれぞれコンタクト11、コンタクト12及びコンタクト14を介してビットライン15と接続されている。また、絶縁膜16、シリンダストッパ膜19、層間絶縁膜20,21,27を貫通するスルーホール28がビットライン15と接続されている。
【0026】
多層配線層53は、半導体素子層52を介してシリコン基板1上に設けられており、複数の配線層及び層間絶縁膜から構成されている。本実施形態では、3層配線構造の場合について具体的に説明する。
【0027】
半導体素子層52を構成する層間絶縁膜27の上には、Cuストッパ膜29と、低誘電率膜30と、キャップ膜31とを順次積層した配線層間膜が設けられている。そして、複数の第1配線32が、上記配線層間膜を貫通するように設けられており、プレート電極26及びスルーホール28とそれぞれ接続されている。ここで、Cuストッパ膜29は、プラズマCVD法によって形成された30nm厚のシリコン炭窒化膜(SiCN)から構成されている。また、低誘電率膜30は、プラズマCVD法によって形成された110nm厚のフッ素含有酸化シリコン膜(SiOF)から構成されている。さらに、キャップ膜31は、プラズマCVD法によって形成された180nm厚の酸化シリコン膜から構成されている。更にまた、第1配線32は、めっき法によって形成された銅から構成されている。
【0028】
キャップ膜31及び第1配線層32の上には、Cuストッパ膜33と、低誘電率膜34と、キャップ膜35とを順次積層した配線層間膜が設けられている。そして、第2配線36が、配線層間膜を貫通するように設けられており、第1配線層32と接続されている。ここで、配線層間膜を構成する各膜の膜厚は、それぞれCuストッパ膜33が80nm、低誘電率膜34が570nm、キャップ膜35が210nmとされており、第2配線36は銅から構成されている。
【0029】
キャップ膜35及び第2配線層36の上には、Cuストッパ膜37と、層間絶縁膜38とを順次積層した配線層間膜が設けられている。また、層間絶縁膜38の上には、第3配線39と、ボンディングパッド40とが設けられている。そして、第3配線39が上記配線層間膜を貫通するように設けられており、第2配線層36と接続されている。ここで、Cuストッパ膜37は、80nm厚のシリコン炭窒化膜(SiCN)である。また、層間絶縁膜38は、700nm厚の酸化シリコン膜から構成されている。さらに、第3配線39及びボンディングパッド40はアルミニウムから構成されている。
【0030】
なお、多層配線層53を構成する各配線層間膜は、上述した材質に特に限定されるものではない。例えば、低誘電率膜30,34には、さらに低誘電率化した炭素含有酸化シリコン(SiCO)を用いても良いし、通常の酸化シリコンを用いても良い。また、層間絶縁膜38には、SiOFあるいはSiCOのいずれか一方を使用しても良い。
【0031】
介在膜41は、フッ素を含んだ絶縁膜であり、多層配線層53の上に設けられている。具体的には、介在膜41は、層間絶縁膜38の上に、第3配線39とボンディングパッド40とを被覆するように設けられている。この介在膜41は、シリコン基板1の界面へ向ってフッ素を拡散させるために設けられている。この介在膜41から拡散させたフッ素によって、シリコン基板1の界面のダングリングボンドを終端させることができる。
【0032】
介在膜41は、CVD法によって形成された500nm厚のフッ素含有酸化シリコン膜(SiOF)から構成されている。この500nmの膜厚における介在膜41中のフッ素濃度は、1×1018〜1×1020(atoms/cm)の範囲であることが好ましい。ここで、上記フッ素濃度が1×1018(atoms/cm)未満であると、シリコン基板1の界面へのフッ素の拡散が不十分となるために好ましくない。一方、上記フッ素濃度が1×1020(atoms/cm)を超えると、介在膜41が吸湿して多層配線層53から容易に剥離するために好ましくない。
【0033】
パッシベーション膜42は、介在膜41の上に全面的に設けられている。このパッシベーション膜42は、多層配線層53の表面を外的な損傷から保護するために設けられている。すなわち本実施形態のDRAM51では、最上層の配線層である第3配線層39の上に形成されたパッシベーション膜42との間に、フッ素を含んだ絶縁膜である介在膜41が設けられている。また、本実施形態のDRAM51におけるパッシベーション膜42は、フッ素の拡散に対するバリア性を有する絶縁膜が好ましく、例えば窒化シリコン膜がよい。例えば、パッシベーション膜42として、プラズマCVD法によって形成された550nm厚の窒化シリコン膜を用いることができる。
パッシベーション膜42がフッ素に対するバリア性を有することで、後述する熱処理の際に、フッ素の拡散がパッシベーション膜42によって阻害され、これにより、介在膜41からシリコン基板1側の層間膜へフッ素が拡散する。その結果、フッ素がシリコン基板1の表面に拡散し、ダングリングボンドを終端化できる。
また、パッシベーション膜42は、550nmと厚いため、長時間の熱処理によっても介在膜41からのフッ素の拡散を抑制できる。
【0034】
また、本実施形態のDRAM51におけるパッシベーション膜42は、膜中に水素を含有していることが好ましい。パッシベーション膜42中に含まれる水素がシリコン基板1の表面に拡散することにより、水素とフッ素によるダングリングボンド終端の効果を期待できる。なお、550nmの膜厚におけるパッシベーション膜42中の水素濃度は、1×1018〜1×1020(atoms/cm)の範囲であることが好ましい。ここで、上記水素濃度が1×1018(atoms/cm)未満であると、シリコン基板1の界面への水素の拡散効果が期待できないために好ましくない。一方、上記水素濃度が1×1020(atoms/cm)を超えると、パッシベーション膜42の膜質が低下して保護機能が不十分となるために好ましくない。
【0035】
図1に示すように、パッシベーション膜42の上には、ポリイミド膜からなるキャップ膜43が設けられている。ここで、ポリイミド膜はチップを外的損傷から保護するだけでなく、α線阻止能が高いため放射線損傷から保護する能力を有している。また、ボンディングパッド40の上には、介在膜41、パッシベーション膜42、キャップ膜43を貫通する開口部が設けられており、この開口部からボンディングパッド40の上面が露出されている。さらに、露出しているボンディングパッド40の上には、ボンディングワイヤ44が接続されている。このボンディングワイヤ44がパッケージに設けられた外部端子と接続されることにより、DRAM51とパッケージとが電気的に接続可能とされている。
【0036】
続いて、上記構成を有するDRAM(半導体装置)51の製造方法について説明する。本実施形態のDRAM(半導体装置)51の製造方法は、シリコン基板(半導体基板)上に複数の配線層を有する多層配線構造を形成する工程と、多層配線構造における最上層の配線層上にフッ素を含んだ絶縁膜(介在膜)を形成する工程と、絶縁膜(介在膜)上にパッシベーション膜を形成する工程と、少なくとも絶縁膜を形成した後に熱処理を施す工程と、を備えて概略構成されている。
【0037】
(半導体素子層の形成工程)
先ず、図3に示すように、半導体素子層52を形成する。半導体素子層52の形成は、先ず、シリコン基板1の表面に活性領域を分離するための溝を形成する。次に、この溝に絶縁膜を埋め込んで分離絶縁膜2を形成する。この分離絶縁膜2により、シリコン基板1の活性領域を分離する。次に、メモリセル領域の活性領域にトレンチを形成する。次に、シリコン基板1の表面及びトレンチ内に熱酸化法などによってゲート酸化膜3を形成する。次に、トレンチ内のゲート酸化膜3の上に、ポリシリコン膜4とタングステン膜5とを順次堆積する。次に、ポリシリコン膜4とタングステン膜5とをパターニングして、ゲート電極を形成する。
【0038】
次いで、例えばプラズマCVD法によりゲート電極の表面に絶縁膜7を形成する。次に、ゲート電極及び絶縁膜7をマスクとして、不純物注入を行い、窒素雰囲気中で熱処理を行うことにより不純物拡散層を形成する。この不純物拡散層が、ドレインとなる拡散領域6及びソースとなる拡散領域6’,6’となる。このようにして、トランジスタの基本構造を形成する。
【0039】
次に、シリコン基板1及び分離絶縁膜2の上に、絶縁膜7を覆うように層間絶縁膜9(200nm厚のSOD)を形成する。次に、層間絶縁膜9の上面を平坦化した後、エピタキシャル層8及びコンタクト10,11,12を形成する。次に、層間絶縁膜9の上に層間絶縁膜13(100nm厚のプラズマCVD法による酸化シリコン)を形成してから、コンタクト14を形成する。次に、ビットライン15と、絶縁膜16とを形成してから層間絶縁膜17を堆積する。次に、層間絶縁膜17の上面を平坦化してから、層間絶縁膜13と層間絶縁膜17とを貫通させてコンタクト18を形成する。
【0040】
次に、層間絶縁膜17の上に、シリンダストッパ膜19(50nm厚の減圧CVD法による窒化シリコン)を形成する。次に、シリンダストッパ膜19の上に、層間絶縁膜20(500nm厚の常圧CVD法によるBPSG)と、層間絶縁膜21(700nm厚のプラズマCVD法による酸化シリコン)とを積層して形成する。次に、シリンダストッパ膜19と層間絶縁膜20,21とを貫通するように容量下部電極22(25nm厚のCVD法による窒化チタンとチタンとの積層構造体)を形成する。次に、隣接する容量下部電極22を支持するために、支え膜23(100nm厚のALD法による窒化シリコン)を形成する。
【0041】
次に、層間絶縁膜21の上に、層間絶縁膜20(500nm厚の常圧CVD法によるBPSG)と、層間絶縁膜21(550nm厚のプラズマCVD法による酸化シリコン)とを積層して形成する。次に、層間絶縁膜20,21を貫通するように容量下部電極22(25nm厚のCVD法による窒化チタンとチタンとの積層構造体)を形成する。次に、隣接する容量下部電極22を支持するために、支え膜23(100nm厚のALD法による窒化シリコン)を形成する。次にウェット洗浄により、メモリセル領域の層間絶縁膜20,21,20,21を除去して、容量下部電極22を露出させる。
【0042】
次に、容量下部電極22の上に、容量膜24(7nm厚としたALD法による酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムとの積層構造体)、プレート電極サポート膜25(10nm厚のCVD法による窒化チタンと150nm厚のボロンドープシリコンゲルマニウムとの積層構造体)、プレート電極26(100nm厚のスパッタ法によるタングステン)とを順次形成する。このようにして、キャパシタを形成する。次に、層間絶縁膜21の上に、上記キャパシタを被覆するように層間絶縁膜27(400nm厚のプラズマCVD法による酸化シリコン)を形成する。最後に、周辺回路領域において、絶縁膜16、シリンダストッパ膜19及び層間絶縁膜20,21,27を貫通するようにスルーホール28を形成し、ビットライン15と接続する。
以上のようにして、トランジスタとキャパシタとを備える半導体素子層52を形成する。
【0043】
(多層配線構造の形成工程)
次に、図4に示すように、半導体素子層52を介してシリコン基板1の上に多層配線層53を形成する。多層配線層53の形成は、先ず、層間絶縁膜27の上に、Cuストッパ膜29(30nm厚のプラズマCVD法によるSiCN)と、低誘電率膜30(110nm厚のプラズマCVD法によるSiOF)と、キャップ膜31(180nm厚のプラズマCVD法による酸化シリコン)とを順次積層して配線層間膜を形成する。次に、上記配線層間膜を貫通するように複数の第1配線32(めっき法による銅)を形成し、プレート電極26あるいはスルーホール28とそれぞれ接続する。
【0044】
次に、キャップ膜31及び第1配線層32の上に、Cuストッパ膜33(80nm厚のSiCN)と、低誘電率膜34(570nm厚のSiOF)と、キャップ膜35(210nm厚の酸化シリコン)とを順次積層して配線層間膜を形成する。次に、上記配線層間膜を貫通するように第2配線36(めっき法による銅)を形成し、第1配線層32と接続する。
【0045】
次に、キャップ膜35及び第2配線層36の上に、Cuストッパ膜37(80nm厚のSiCN)と、層間絶縁膜38(700nm厚の酸化シリコン)とを順次積層して配線層間膜を形成する。次に、層間絶縁膜38の上に、第3配線39及びボンディングパッド40(アルミニウム)を形成する。また、第3配線39は、上記配線層間膜を貫通するように形成して、第2配線層36と接続する。
以上のようにして、3層配線構造の多層配線層53を形成する。なお、多層配線層53を構成する各配線層間膜は、上述した材質に特に限定されるものではない。例えば、低誘電率膜30,34には、さらに低誘電率化した炭素含有酸化シリコン(SiCO)を用いても良いし、通常の酸化シリコンを用いても良い。また、層間絶縁膜38には、SiOFあるいはSiCOのいずれか一方を使用しても良い。
【0046】
(介在膜の形成工程)
次に、図5に示すように、3層配線構造の多層配線層53における最上層の第3配線39の上に、フッ素を含んだ絶縁膜である介在膜41を形成する。介在膜41は、CVD法によって層間絶縁膜38の上にフッ素含有酸化シリコンを堆積させて、第3配線39とボンディングパッド40とを被覆するように形成する。CVDのプロセス条件としては、例えば、原料ガスとして、モノシラン(SiH):流量300〜1200sccm、亜酸化窒素(NO):流量5000〜20000sccm、フッ化珪素(SiF):120〜500sccmを用い、加熱温度:400〜450℃とする条件を用いることができる。また、介在膜41は、膜厚が500nmとなるように加熱時間を制御して成膜する。このようにして、本実施形態のDRAM51では、500nmの膜厚のフッ素濃度が1×1018〜1×1020(atoms/cm)の範囲となる介在膜41を形成する。
【0047】
次に、介在膜41を形成した後に熱処理を行っても良い。熱処理における雰囲気は、水素とすることが好ましい。熱処理温度は、介在膜41中のフッ素がシリコン基板1の界面へ拡散させるのに十分な温度とする。前記温度としては、例えば、500℃を用いることができる。また、熱処理時間は、介在膜41中のフッ素がシリコン基板1の界面へ拡散させるのに十分な時間とする。前記時間としては、例えば、120分間とすることができる。
【0048】
(パッシベーション膜の形成工程)
次に、図6に示すように、介在膜41の上にパッシベーション膜42を形成する。具体的には、パッシベーション膜42は、プラズマCVD法によって窒化シリコン膜を550nm厚となるように堆積させる。プラズマCVDのプロセス条件としては、例えば、原料ガスとして、モノシラン(SiH):流量700〜900sccm、窒素(N):流量2300〜2700sccm、アンモニア(NH):流量2800〜3300sccmを用い、加熱温度:400〜450℃とする条件を用いることができる。また、加熱時間を制御して、膜厚が550nmとなるように成膜する。ここで、本実施形態のDRAM51では、550nmの膜厚におけるパッシベーション膜42中の水素濃度は、1×1018〜1×1020(atoms/cm)の範囲となる。この水素濃度は、モノシランとアンモニアの流量に比例するが、プロセス条件における両者の流量はトレードオフとなるため、水素濃度の変更は困難である。このようにして、パッシベーション膜42を形成する。
【0049】
(熱処理工程)
次に、図6に示すように、介在膜41とパッシベーション膜42とを形成した後に熱処理を行っても良い。熱処理における雰囲気は、水素とすることが好ましい。熱処理温度は、介在膜41中のフッ素がシリコン基板1の界面へ拡散させるのに十分な温度とする。前記温度としては、例えば、500℃を用いることができる。また、熱処理時間は、介在膜41中のフッ素がシリコン基板1の界面へ拡散させるのに十分な時間とする。前記時間としては、例えば、120分間とすることができる。但し、介在膜41を形成した後に熱処理を行わなかった場合には、パッシベーション膜42を形成した後に熱処理を行う。
【0050】
ところで、上記熱処理により、介在膜41の膜中のフッ素をシリコン基板1の界面へ拡散させる必要があるが、同時にSiOF膜から構成される低誘電率膜30及び低誘電率膜34の膜中のフッ素も拡散する。一方、膜密度の高い窒化シリコン膜へのフッ素の拡散は困難であることが知られている。本実施形態では、フッ素の拡散を阻害する窒化シリコン膜から構成される層間膜には、パッシベーション膜42、支え膜23及びシリンダストッパ膜19が挙げられる。以下、窒化シリコン膜ごとに、フッ素の拡散について説明する。
【0051】
「支え膜23におけるフッ素の拡散」
図2に示すように、支え膜23は、平面視で容量下部電極22の間に一列置きに形成されている。そのため、図6に示すように、介在膜41から放出されたフッ素は、支え膜23,23の間から下層へ拡散することができる(図6中の矢印54を参照)。
【0052】
「シリンダストッパ膜19におけるフッ素の拡散」
シリンダストッパ膜19は、図6に示すように、容量下部電極22の底面部で開口している。したがって、フッ素は、上記開口から下層へ拡散することができる(図6中の矢印54を参照)。また、シリンダストッパ膜19の膜厚は50nmと薄いため、熱処理を十分な時間(例えば、加熱処理時間120分)行うことでシリンダストッパ膜19を通過して、フッ素をシリコン基板1の界面まで拡散させることができる(図6中の矢印55を参照)。
【0053】
「パッシベーション膜42におけるフッ素の拡散」
パッシベーション膜42は、550nmと厚いため、介在膜41からパッシベーション膜41へのフッ素の拡散が抑制される(図6中の矢印56を参照)。従って、介在膜41中のフッ素は、主としてシリコン基板1の界面へ拡散する。
このように、支え膜23、シリンダストッパ膜19及びパッシベーション膜42は、シリコン基板1の界面へのフッ素の拡散に対して障害とはならない。
【0054】
また、低誘電率膜30、低誘電率膜34、層間絶縁膜38がフッ素を含まないSiCO、あるいは酸化シリコンである場合でも、介在膜41からシリコン基板1の界面までフッ素を拡散させることでダングリングボンドの終端が可能である。上記の場合に、介在膜41からシリコン基板1の界面へフッ素を拡散させると、介在膜41とシリコン基板1との間のフッ素を含まない層間絶縁膜の一部にフッ素が残留し、フッ素を含有する膜となる。しかし、SiCO膜へのフッ素の残留は、SiCO膜の誘電率を劣化させることはない。一方、酸化シリコン膜へのフッ素の残留は、誘電率の低減効果が期待できる。また、低誘電率膜30、低誘電率膜34、層間絶縁膜38の少なくとも一つがSiOF膜である場合であっても、フッ素の含有率は膜剥れが生じない程度に制限される。このため、上記SiOF膜からのフッ素の拡散によるダングリングボンドの終端効果は得られない。したがって、介在膜41から拡散されたフッ素がシリコン基板1の界面に作用することにより、ダングリングボンドの終端がなされる。
【0055】
上記熱処理は、少なくとも介在膜41を形成した後に行う。すなわち、介在膜41を形成した後であれば、パッシベーション膜42を形成した後に行っても良いし、パッシベーション膜42を形成する前に行っても良い。ところで、シリコン基板1の界面のダングリングボンドは、一度終端させてもシリコンとの結合が弱い場所では、その後の加熱によってダングリングボンドが再発することがある。したがって、ダングリングボンドの終端処理、すなわち上記熱処理は、その加熱温度が許容可能な最終工程であるパッシベーション膜42の形成後に行うことが望ましい。但し、介在膜41の成膜後におけるダングリングボンドの終端処理も有効であるため、介在膜41の成膜後とパッシベーション膜42の成膜後とにそれぞれ上記熱処理を行ってもよい。
【0056】
また、パッシベーション膜42を形成した後に熱処理を行う際は、水素雰囲気中で熱処理することが好ましい。パッシベーション膜42は、水素を1×1019(atoms/cm)程度含んでいるため、水素雰囲気中で加熱することによりパッシベーション膜42からの水素放出が抑制される。さらに、パッシベーション膜42の膜中から水素が拡散し、この水素がシリコン基板1の界面に作用することにより、ダングリングボンドの終端がなされる。したがって、水素とフッ素とによるダングリングボンド終端の相乗効果が得られる。
【0057】
(キャップ膜形成工程〜ボンディング穴形成工程〜組立工程)
次に、図7に示すように、パッシベーション膜42の上にキャップ膜43を形成する。キャップ膜43の形成は、ポリイミドを溶解させた溶液をパッシベーション膜42の表面に塗布し、例えば200〜300℃で30分程度熱処理を行って硬化させる。ここで、キャップ膜43を構成するポリイミドは、500℃以上に加熱すると熱分解する。したがって、前述したフッ素の拡散のための熱処理は、キャップ膜43を形成する前に実施する。
次に、図8に示すように、ボンディングパッド40の上を覆っている介在膜41、パッシベーション膜42及びキャップ膜43に、ホトリソグラフィー及びドライエッチング技術を用いて穴を開けて、ボンディングパッド40の上面を露出させる。
最後に、組立工程を行う。組立工程では、ウェハをダイシング処理してチップとした後、露出しているボンディングパッド40の上にボンディングワイヤ44を接続する。これにより、ボンディングワイヤ44を通して、チップとパッケージに設けられた外部端子とを電気的に接続する。以上のようにして、本実施形態のDRAM51を製造する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態のDRAM51によれば、3層配線構造の多層配線層53における最上層の第3配線39とパッシベーション膜42との間にフッ素を含有する介在膜41を有している。これにより、介在膜41からシリコン基板1の界面へ向ってフッ素を拡散させることができるため、この拡散させたフッ素によりシリコン基板1の界面のダングリングボンドを終端させることができる。したがって、シリコン基板1の界面のダングリングボンドを終端するためリーク電流が減少し、リフレッシュ特性が向上されたDRAM51を提供することができる。
【0059】
また、本実施形態のDRAM(半導体装置)51によれば、多層配線層53における配線層間膜にフッ素を含有する絶縁膜を用いない場合であっても、介在膜41からシリコン基板1の界面へ向ってフッ素を拡散させることができる。このため、配線層間膜には、フッ素を含有する層間絶縁膜よりも誘電率等において特性がより良好な炭素含有シリコン酸化膜を用いることができる。したがって、絶縁膜のさらなる低誘電率化が可能となり、配線間の容量が低減されたDRAM51を提供することができる。
【0060】
本実施形態のDRAM(半導体装置)51の製造方法によれば、多層配線構造における最上層の第3配線39上にフッ素を含んだ介在膜41を形成し、この介在膜41を形成した後に熱処理を施す構成を有している。これにより、フッ素を含有する介在膜41からシリコン基板1の界面へ向ってフッ素を拡散させることができる。
【0061】
また、本実施形態の製造方法では、層間絶縁膜として実質的にフッ素を含有していない絶縁膜(例えば、炭素含有シリコン酸化膜)を用いることができる。この場合であっても、最終的に絶縁膜にはフッ素が含有されることになる。しかしながら、上記絶縁膜の初期の特性を実質的に劣化させるものではない。また、通常のシリコン酸化膜を層間絶縁膜として用いた場合は、この層間絶縁膜に対するフッ素の拡散は誘電率低下に対して効果を奏することが期待できる。
【0062】
また、本実施形態の製造方法では、多層配線構造における層間絶縁膜としてフッ素を含有する膜を用いることができる。層間絶縁膜としてのフッ素を含有する膜は、フッ素の含有率が制限されており、このフッ素を含有する膜からのフッ素の拡散では、ダングリングボンドの終端効果は実質的に得られない。しかしながら、本実施形態では、最上層の第3配線39上にフッ素を含有する介在膜41が存在しているため、層間絶縁膜のフッ素の含有率が制限を受けても、介在膜41から拡散したフッ素が有効に働いてシリコン基板1の界面のダングリングボンドを終端させることができる。
【符号の説明】
【0063】
1・・・シリコン基板(半導体基板)
2・・・分離絶縁膜
3・・・ゲート酸化膜
4・・・ポリシリコン膜
5・・・タングステン膜
6,6’・・・拡散領域
7,16・・・絶縁膜
8・・・エピタキシャル層
9,13,17,20,21,27,38・・・層間絶縁膜
10,11,12,14,18・・・コンタクト
15・・・ビットライン
19・・・シリンダストッパ膜
22・・・容量下部電極
23・・・支え膜
24・・・容量膜
25・・・プレート電極サポート膜
26・・・プレート電極
28・・・スルーホール
29,33,37・・・Cuストッパ膜
30,34・・・低誘電率膜
31,35,43・・・キャップ膜
32・・・第1配線
36・・・第2配線
39・・・第3配線
40・・・ボンディングパッド
41・・・介在膜(第1絶縁膜、フッ素を含んだ絶縁膜)
42・・・パッシベーション膜(第2絶縁膜)
44・・・ボンディングワイヤ
51・・・DRAM(半導体装置)
52・・・半導体素子層
53・・・多層配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層配線構造を有する半導体装置であって、
最上層の配線層と前記配線層の上に形成されたパッシベーション膜との間に、フッ素を含んだ絶縁膜が設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記パッシベーション膜として、フッ素に対するバリア性を有する膜を用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パッシベーション膜が、水素を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
それぞれがセルトランジスタおよびセルキャパシタを有する複数のメモリセルを含むメモリセル領域と周辺トランジスタを含む周辺回路領域を備える半導体装置であって、
前記複数のメモリセルおよび前記周辺トランジスタを覆う第1絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成された多層配線構造と、
前記多層配線構造を覆うパッシベーション膜と、
前記多層配線構造および前記パッシベーション膜の間に介在し、フッ素を含有する第2絶縁膜と、
を有する半導体装置。
【請求項5】
前記多層配線構造における層間絶縁膜の誘電率は、前記第1絶縁膜のそれよりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体基板上に複数の配線層を有する多層配線構造を形成する工程と、
前記多層配線構造における最上層の配線層上にフッ素を含んだ絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上にパッシベーション膜を形成する工程と、
前記フッ素を含んだ絶縁膜または前記パッシベーション膜の少なくとも一方を形成した後に熱処理を施す工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
フッ素を含んだ絶縁膜の形成工程において、1×1018〜1×1020atoms/cmの濃度範囲のフッ素を含有する絶縁膜を形成することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記パッシベーション膜を形成する際に、当該パッシベーション膜に水素を含ませることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記フッ素を含んだ絶縁膜又は前記パッシベーション膜の少なくとも一方を形成した後の熱処理を、水素雰囲気で行うことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記多層配線構造における層間絶縁膜としてフッ素を実質的に含まない層間絶縁膜を用いたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記フッ素を実質的に含まない層間絶縁膜が、low-k膜であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記多層配線構造における層間絶縁膜の少なくとも一部にフッ素を含有させた層間絶縁膜を用いたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
それぞれがセルトランジスタおよびセルキャパシタを有する複数のメモリセルをメモリセル領域に形成すると共に、周辺トランジスタを周辺回路領域に形成する工程と
前記複数のメモリセルおよび前記周辺トランジスタを覆う第1絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に形成された多層配線構造を設ける工程と、
フッ素を含有する第2絶縁膜で前記多層配線構造を覆う工程と、
前記第2絶縁膜を前記パッシベーション膜で覆う工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記多層配線構造における層間絶縁膜層としてフッ素を含有していない膜であって、その誘電率が前記第1絶縁膜のそれよりも小さい膜を用いて、前記多層配線構造を設ける請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記多層配線構造における層間絶縁膜層としてフッ素を含有する膜を用いて、前記多層配線構造を設ける請求項13に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−206094(P2010−206094A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52296(P2009−52296)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】