説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】信頼性の高い半導体装置を高い製造歩留まりで提供し得る半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1応力膜38上に第1ストッパ膜39及び第2ストッパ膜40を形成する工程と、第1領域2を覆う第1マスク60をマスクとし、第1ストッパ膜をストッパとして、第2領域4内の第2ストッパ膜をエッチングするとともに、第1領域のうちの第2領域に近接する部分の第2ストッパ膜をサイドエッチングする工程と、第2ストッパ膜とエッチング特性が異なる第2応力膜42を形成する工程と、第2領域を覆い、第1領域側の端面が第2ストッパ膜上に位置する第2マスクとし、第2ストッパ膜をストッパとして、第2応力膜の一部が第1応力膜の一部及び第2ストッパ膜の一部と重なり合うように第2応力膜をエッチングする工程と、第1領域と第2領域との境界部におけるゲート配線20に達するコンタクトホールを形成する工程とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとを有するCMOS回路を含む半導体装置が注目されている。
【0003】
かかる半導体装置においては、例えば、PMOSトランジスタ形成領域内及びNMOSトランジスタ形成領域内に連続的にゲート配線が形成される。ゲート配線のうちのPMOSトランジスタ形成領域内の部分は、PMOSトランジスタのゲート電極として機能する。ゲート配線のうちのNMOSトランジスタ形成領域内の部分は、NMOSトランジスタのゲート電極として機能する。
【0004】
PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタが形成された半導体基板上には、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを覆うように層間絶縁膜が形成される。層間絶縁膜にはゲート配線に達するコンタクトホールが形成され、かかるコンタクトホール内に導体プラグが埋め込まれる。
【0005】
また、PMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させるための方法として、PMOSトランジスタのチャネル領域に圧縮応力が印加されるように、PMOSトランジスタを覆う絶縁膜(圧縮応力膜)を形成する方法がある。また、NMOSトランジスタのキャリア移動度を向上させるための方法として、NMOSトランジスタのチャネル領域に引っ張り応力が印加されるように、NMOSトランジスタを覆う絶縁膜(引張応力膜)を形成する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−208166号公報
【特許文献2】特開2008−16853号公報
【特許文献3】特開2007−235074号公報
【特許文献4】特開2008−124133号公報
【特許文献5】特開2009−206467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、提案されている技術では、ゲート電極へのコンタクト不良が発生する場合があった。
【0008】
本発明の目的は、ゲート電極へのコンタクト不良を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の一観点によれば、半導体基板の第1の領域内及び第2の領域内にゲート配線を連続的に形成し、前記ゲート配線の一部である第1のゲート電極を有する第1のトランジスタを前記第1の領域内に形成するとともに、前記ゲート配線の他の一部である第2のゲート電極を有する第2のトランジスタを前記第2の領域内に形成する工程と、前記半導体基板上に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを覆うように、第1の応力膜を形成する工程と、前記第1の応力膜上に、第1のエッチングストッパ膜を形成する工程と、前記第1のエッチングストッパ膜上に、前記第1のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なる第2のエッチングストッパ膜を形成する工程と、前記第1の領域を覆い、前記第2の領域を露出する第1のマスク層を形成する工程と、前記第1のマスク層をマスクとし、前記第1のエッチングストッパ膜をストッパとして、前記第2の領域内の前記第2のエッチングストッパ膜をエッチング除去し、更に、前記第1のマスク層の下に位置する前記第2のエッチングストッパ膜を、等方性エッチングする工程と、前記第1のマスク層をマスクとして、前記第2の領域内の前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜をエッチング除去する工程と、前記半導体基板上に、前記第2のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なる第2の応力膜を、前記第2のトランジスタ、前記第1の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2のエッチングストッパ膜を覆うように形成する工程と、前記第2の領域を覆い、前記第1の領域側の端面が前記第2のエッチングストッパ膜上に位置する第2のマスク層を、前記第2の応力膜上に形成する工程と、前記第2のマスク層をマスクとして、前記第2の応力膜の一部が前記第1の応力膜の一部及び前記第2のエッチングストッパ膜の一部と重なり合うように、前記第2の応力膜をエッチングする工程と、前記半導体基板上に、前記第1の応力膜、前記第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2のエッチングストッパ膜を覆うように絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜、第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜を貫通するコンタクトホールを、前記第1の領域と前記第2の領域との境界部における前記ゲート配線に達するように形成する工程と、前記コンタクトホール内に導体プラグを埋め込む工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0010】
実施形態の他の観点によれば、半導体基板の第1の領域内及び第2の領域内に連続的に形成されたゲート配線と、前記第1の領域内に形成され、前記ゲート配線の一部である第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成された第1のソース/ドレイン拡散層とを有する第1のトランジスタと、前記第2の領域内に形成され、前記ゲート配線の他の一部である第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成された第2のソース/ドレイン拡散層とを有する第2のトランジスタと、前記第1の領域内における前記半導体基板上に、前記第1のトランジスタを覆うように形成された第1の応力膜と、前記第1の応力膜上に形成された第1のエッチングストッパ膜と、前記第1のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なり、前記第1の領域上のうちの前記第2の領域に近接する部分を除く部分に形成された第2のエッチングストッパ膜と、前記第2の領域内における前記半導体基板上に前記第2のトランジスタを覆うように形成され、前記第1の領域側の縁部が前記第1の応力膜の一部、前記第1のエッチングストッパ膜の一部及び前記第2のエッチングストッパ膜の一部と重なり合っている第2の応力膜と、前記半導体基板上に、前記第1の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜、前記第2のエッチングストッパ膜及び前記第2の応力膜を覆うように形成された絶縁膜と、前記絶縁膜、前記第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜を貫通し、前記第1の領域と前記第2の領域との境界部における前記ゲート配線に達するコンタクトホール内に埋め込まれた導体プラグとを有し、前記第2のエッチングストッパ膜のうちの前記第2の領域側の端面は、前記第1の応力膜の前記第2の領域側の端面よりも後退していることを特徴とする半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
開示の半導体装置及びその製造方法によれば、第1のマスク層をマスクとして第2の領域内の第2のエッチングストッパ膜をエッチングする際に、第1の領域内の第2のエッチングストッパ膜の一部をも半導体基板の表面に対して平行な方向にエッチングする。このため、第1の領域と第2の領域との境界部におけるゲート配線に達するコンタクトホールを形成する際に、第2のエッチングストッパ膜によりエッチングが阻害されることを抑制する。しかも、第1の応力膜上に第1のエッチングストッパ膜が形成されているため、第2のエッチングストッパ膜をエッチングする際に、第1の応力膜がエッチングされるのを抑制し得る。しかも、かかる第1のエッチングストッパ膜は、コンタクトホールを形成する際に、第1の応力膜や第2の応力膜と一緒にエッチングし得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態による半導体装置を示す断面図である。
【図2】一実施形態による半導体装置を示す平面図である。
【図3】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図4】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図5】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図6】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図7】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図8】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その6)である。
【図9】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その7)である。
【図10】一実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図(その8)である。
【図11】CMOS回路のゲート配線にコンタクトホールを形成する場合を示す工程断面図(その1)である。
【図12】CMOS回路のゲート配線にコンタクトホールを形成する場合を示す工程断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図11及び図12は、CMOS回路のゲート配線にコンタクトホールを形成する場合を示す工程断面図である。なお、図11及び図12においては、ゲート配線120より下の部分については省略されている。
【0014】
PMOSトランジスタ形成領域102内及びNMOSトランジスタ形成領域104内には、PMOSトランジスタのゲート電極120aとNMOSトランジスタのゲート電極120bとを含むゲート配線120が形成される(図11(a)参照)。ゲート配線120の上部には、シリサイド層132が形成される。PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタが形成された半導体基板(図示せず)上には、全面に、圧縮応力膜138が形成される。圧縮応力膜138上には、例えばシリコン酸化膜のエッチングストッパ膜140が形成される。エッチングストッパ膜140上には、PMOSトランジスタ形成領域102を覆い、NMOSトランジスタ形成領域4を露出するフォトレジスト膜160が形成される。
【0015】
次に、図11(b)に示すように、フォトレジスト膜160をマスクとして、エッチングストッパ膜140及び圧縮応力膜138をエッチングする。
【0016】
次に、図11(c)に示すように、全面に、引張応力膜142を形成する。
【0017】
次に、引張応力膜142上に、フォトレジスト膜162を形成する。フォトレジスト膜162は、NMOSトランジスタ形成領域104のみならず、PMOSトランジスタ形成領域102のうちのNMOSトランジスタ形成領域104に近接している部分をも覆うように形成される。
【0018】
次に、図11(d)に示すように、フォトレジスト膜162をマスクとし、エッチングストッパ膜140をエッチングストッパとして、引張応力膜142をエッチングする。PMOSトランジスタ形成領域102の一部をも覆うようにフォトレジスト膜162が形成されているため、引張応力膜142のうちのPMOSトランジスタ形成領域102側の端面は、エッチングストッパ膜140上に位置する。引張応力膜142のエッチングはエッチングストッパ膜140で停止するため、PMOSトランジスタ形成領域102とNMOSトランジスタ形成領域104との境界部分において、圧縮応力膜138やシリサイド層132がエッチングされてしまうことはない。
【0019】
次に、図11(e)に示すように、全面に、層間絶縁膜144を形成する。
【0020】
次に、図12に示すように、開口部166が形成されたフォトレジスト膜164を形成する。
【0021】
次に、フォトレジスト膜164をマスクとして、層間絶縁膜144等をエッチングし、ゲート配線120に達するコンタクトホール146を形成する。
【0022】
このようにしてゲート配線120に達するコンタクトホール146を形成する場合には、コンタクトホール146を形成すべき箇所の一部にエッチングストッパ膜140の一部が存在し、エッチングストッパ膜140によりエッチングが阻害される。このため、図12に示すように、コンタクトホール146の下部においてコンタクトホール146の断面積が小さくなってしまったり、開口不良が生じてしまったりする虞がある。
【0023】
また、圧縮応力膜138は密着性が必ずしも良好ではない。このため、図11及び図12に示すように、圧縮応力膜138を形成した後に引張応力膜142を形成する場合には、圧縮応力膜138の剥がれが生じてしまう場合があり、PMOSトランジスタのチャネル領域に十分な圧縮応力を印加できない場合がある。
【0024】
圧縮応力膜が剥がれるのを防止するための方法として、引張応力膜を先に形成し、引張応力膜に対するパターニングを行った後に、圧縮応力膜を形成するようにすることが考えられる。引張応力膜は密着性が、圧縮応力膜に比べて良好であり、膜剥がれは生じにくい。引張応力膜を形成し、引張応力膜をパターニングした後に、圧縮応力膜を形成すれば、圧縮応力膜が剥がれるのを防止し得る。
【0025】
一方、コンタクトホール146の開口不良を防止する方法として、エッチングストッパ膜140をサイドエッチングすることにより、コンタクトホール146が形成される領域からエッチングストッパ膜146の端面を離間させることが考えられる。エッチングストッパ膜140がシリコン酸化膜の場合には、エッチングストッパ膜140をサイドエッチングする際には、例えばフッ酸を含むエッチング液が用いられる。
【0026】
しかしながら、引張応力膜は、フッ酸に対する耐性が低い。このため、引張応力膜を先に形成し、圧縮応力膜を後に形成するようにした場合には、エッチングストッパ膜140をサイドエッチングする際に、エッチングストッパ膜140の下に存在する引張応力膜までもがエッチングされてしまう。エッチングストッパ膜140の下に存在する引張応力膜がエッチングされてしまうと、トランジスタのチャネル領域に十分な引張応力を印加し得なくなってしまう。
【0027】
本願発明者は、鋭意検討した結果、以下のようにして信頼性の高い半導体装置を高い製造歩留まりで製造することに想到した。
【0028】
[一実施形態]
一実施形態による半導体装置及びその製造方法を図1乃至図10を用いて説明する。
【0029】
(半導体装置)
まず、本実施形態による半導体装置を図1乃至図2を用いて説明する。図1は、本実施形態による半導体装置を示す断面図である。図2は、本実施形態による半導体装置を示す平面図である。図1の紙面左側の図は、NMOSトランジスタ形成領域(第1トランジスタ形成領域)2を示しており、図2におけるA−A′線断面に対応している。図1における中央部の図は、PMOSトランジスタ形成領域(第2トランジスタ形成領域)4を示しており、図2におけるB−B′線断面に対応している。図1における紙面右側の図は、ゲート配線に沿った断面図であり、図2におけるC−C′線断面に対応している。
【0030】
図1に示すように、半導体基板10には、素子領域12a、12bを確定する素子分離領域14が形成されている。半導体基板10としては、例えばP型のシリコン基板が用いられている。NMOSトランジスタ形成領域2内、及び、PMOSトランジスタ形成領域4内には、それぞれ素子分離領域14により確定された素子領域12a、12bが形成されている。
【0031】
NMOSトランジスタ形成領域2における半導体基板10内には、P型ウェル16Pが形成されている。PMOSトランジスタ形成領域4における半導体基板10内には、N型ウェル16Nが形成されている。
【0032】
NMOSトランジスタ形成領域2には、ゲート絶縁膜18を介してゲート電極20aが形成されている。PMOSトランジスタ形成領域4には、ゲート絶縁膜18を介してゲート電極20bが形成されている。
【0033】
ゲート電極20a及びゲート電極20bは、NMOSトランジスタ形成領域2及びPMOSトランジスタ形成領域4内に連続的に形成されたゲート配線20の一部である。ゲート配線20としては、例えばポリシリコン膜等が用いられている。ゲート配線20は、かかるポリシリコン膜等の上に形成されたシリサイド層32等を含んでいてもよい。
【0034】
ゲート配線20は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界の近傍領域、即ち、境界部において、幅広に形成されている(図2参照)。即ち、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20には、幅広部(接続部)21が形成されている。このため、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20の幅は、素子領域12a、12b内におけるゲート配線20の幅より広く設定されている。ゲート配線20にこのような幅広部21を形成しているのは、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部の上方において、導体プラグ50aを埋め込むためのコンタクトホール46aがゲート配線20に達するように形成されるためである。
【0035】
NMOSトランジスタ形成領域2におけるゲート配線20には、N型のドーパント不純物が導入されており、これにより、NMOSトランジスタ34のゲート電極20aが形成されている。PMOSトランジスタ形成領域4におけるゲート配線20には、P型のドーパント不純物が導入されており、これにより、PMOSトランジスタ36のゲート電極20bが形成されている。このように、ゲート配線20のうちのNMOSトランジスタ形成領域2内の部分はNMOSトランジスタ34のゲート電極20aとなっており、ゲート配線20のうちのPMOSトランジスタ形成領域4内の部分はPMOSトランジスタ36のゲート電極20bとなっている。
【0036】
NMOSトランジスタ34のゲート電極20aとPMOSトランジスタ36のゲート電極20bとの境界は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界と一致している。
【0037】
ゲート配線20の側壁部分、即ち、NMOSトランジスタ34のゲート電極20aの側壁部分、及び、PMOSトランジスタ36のゲート電極20bの側壁部分には、サイドウォール絶縁膜22が形成されている。
【0038】
サイドウォール絶縁膜22が形成されたゲート電極20aの両側の半導体基板10内には、低濃度不純物拡散層(エクステンション領域)24aと高濃度不純物拡散層24bとを有するソース/ドレイン拡散層26が形成されている。
【0039】
サイドウォール絶縁膜22が形成されたゲート電極20bの両側の半導体基板10内には、低濃度不純物拡散層(エクステンション領域)28aと高濃度不純物拡散層28bとを有するソース/ドレイン拡散層30が形成されている。
【0040】
ゲート配線20の上部、及び、ソース/ドレイン拡散層26、30上には、それぞれシリサイド層32が形成されている。シリサイド層32としては、例えばニッケルシリサイド層やコバルトシリサイド層等が用いられている。ソース/ドレイン拡散層26、30上のシリサイド層32は、ソース/ドレイン電極として機能する。ゲート配線20の上部のシリサイド層32は、ゲート配線20とコンタクトホール46aに埋め込まれる導体プラグ50aとの接続を良好にし、接続部の低抵抗化を図るためのものである。
【0041】
こうして、NMOSトランジスタ形成領域2には、ゲート電極20aとソース/ドレイン拡散層26等とを有するNMOSトランジスタ(第1のトランジスタ)34が形成されている。また、PMOSトランジスタ形成領域4には、ゲート電極20bとソース/ドレイン拡散層30等とを有するPMOSトランジスタ(第2のトランジスタ)36が形成されている。
【0042】
NMOSトランジスタ形成領域2における半導体基板10上には、NMOSトランジスタ34を覆うように引張応力膜38が形成されている。引張応力膜38は、NMOSトランジスタ34のチャネル領域に引張応力を印加し、キャリア移動度の向上を図るものである。引張応力膜38としては、例えばシリコン窒化膜が用いられている。引張応力膜38の膜厚としては、例えば30〜100nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、引張応力膜38の膜厚を、例えば80nm程度とする。引張応力膜38のうちのPMOSトランジスタ形成領域4側の端面は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界と一致している。
【0043】
引張応力膜38上には、後述する第2のエッチングストッパ膜40とエッチング特性が異なる第1のエッチングストッパ膜39が形成されている。第1のエッチングストッパ膜39は、後述する第2のエッチングストッパ膜40をエッチングする際に、エッチングストッパとして機能するものである。一方、第1のエッチングストッパ膜39は、後述するコンタクトホール46aを形成する際には、エッチングを妨げないことが好ましい。本実施形態では、第1のエッチングストッパ膜39として、例えば圧縮応力膜42と同様の膜が用いられている。圧縮応力膜42は、フッ酸に対する耐性が高い。第2のエッチングストッパ膜40としてシリコン酸化膜を用いる場合には、第2のエッチングストッパ膜40をエッチングする際にはフッ酸を含むエッチング液が用いられる。第1のエッチングストッパ膜39として圧縮応力膜42と同様の膜を用いれば、第2のエッチングストッパ膜40をエッチングする際に、第1のエッチングストッパ膜39がエッチングストッパとして機能し得る。また、第1のエッチングストッパ膜39として圧縮応力膜42と同様の膜を用いれば、コンタクトホール46aを形成する際に、第1のエッチングストッパ膜39は圧縮応力膜42と一緒にエッチングされる。従って、コンタクトホール46aを形成する際に第1のエッチングストッパ膜39がエッチングを阻害することはない。
【0044】
圧縮応力膜42を形成する際には炭素を含む原料ガスが用いられる。このため、圧縮応力膜42には炭素が含まれている。第1のエッチングストッパ膜39として圧縮応力膜42と同様の膜を用いた場合には、第1のエッチングストッパ膜39には炭素が含まれている。一方、引張応力膜38を形成する際には炭素を含む原料ガスが用いられない。このため、第1のエッチングストッパ膜39の炭素の含有率は、引張応力膜38の炭素の含有率より高くなっている。第1のエッチングストッパ膜39の炭素の含有率が引張応力膜38の炭素の含有率に比べて高いことは、第1のエッチングストッパ膜39のフッ酸耐性が引張応力膜のフッ酸耐性に比べて高くなる要因の一つと考えられる。
【0045】
圧縮応力膜42には紫外線の照射は行われないが、引張応力膜38には紫外線が照射されている。このため、引張応力膜38の膜密度は圧縮応力膜42に比べて低くなっている。第1のエッチングストッパ膜39として圧縮応力膜42と同様の膜を用いる場合には、第1のエッチングストッパ膜には紫外線の照射は行われない。このため、第1のエッチングストッパ膜39の膜密度は、引張応力膜38の膜密度より高くなっている。膜密度を高くすることは、第1のエッチングストッパ膜39のフッ酸耐性を高める要因の一つと考えられる。
【0046】
第1のエッチングストッパ膜39の膜厚は、例えば10〜50nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、第1のエッチングストッパ膜39の膜厚を、例えば30nm程度とする。
【0047】
第1のエッチングストッパ膜39は、引張応力膜38の全上面上に存在している。このため、圧縮応力膜である第1のエッチングストッパ膜39の膜厚を増加させると、引張応力膜38によりNMOSトランジスタ34のチャネル領域に印加される引張応力が、第1のエッチングストッパ膜39により緩和されてしまう。そうすると、NMOSトランジスタ34のチャネル領域に十分な引張応力を印加することができなくなってしまう。このため、第1のエッチングストッパ膜39として圧縮応力膜を用いる場合には、第1のエッチングストッパ膜39の膜厚は、引張応力膜38の膜厚より薄いことが好ましい。更には、第1のエッチングストッパ膜39の膜厚を、引張応力膜38の膜厚の2分の1以下とすることがより好ましい。
【0048】
第1のエッチングストッパ膜39上には、第1のエッチングストッパ膜39とエッチング特性が異なる第2のエッチングストッパ膜40が形成されている。第2のエッチングストッパ膜40は、後述する圧縮応力膜(第2の応力膜)42をエッチングする際に、エッチングストッパとして機能するものである。第2のエッチングストッパ膜40としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。第2のエッチングストッパ膜40の膜厚は、例えば10〜50nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、第2のエッチングストッパ膜40の膜厚を、例えば30nm程度とする。第2のエッチングストッパ膜40は、NMOSトランジスタ形成領域2のうちのPMOSトランジスタ形成領域4に近接する部分を除く部分に形成されている。即ち、第2のエッチングストッパ膜40のPMOSトランジスタ形成領域4側の端面は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界から離間している。第2のエッチングストッパ膜40のPMOSトランジスタ形成領域4側の端面と、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界との間の距離Xは、例えば60nm程度とする。
【0049】
PMOSトランジスタ形成領域4における半導体基板10上には、PMOSトランジスタ36を覆うように圧縮応力膜(第2の応力膜)42が形成されている。圧縮応力膜42は、PMOSトランジスタ36のチャネル領域に圧縮応力を印加し、キャリア移動度の向上を図るものである。圧縮応力膜42のエッチング特性は、第2のエッチングストッパ膜40のエッチング特性と異なっている。圧縮応力膜42としては、例えばシリコン窒化膜が用いられている。圧縮応力膜42の膜厚としては、例えば30〜100nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、圧縮応力膜42の膜厚を、例えば80nm程度とする。圧縮応力膜42のうちのNMOSトランジスタ形成領域2側の縁部は、引張応力膜38の一部、第1のエッチングストッパ膜39の一部及び第2のエッチングストッパ膜40の一部と重なり合っている。圧縮応力膜42のNMOSトランジスタ形成領域2側の端面と、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界との間の距離Yは、例えば80nm程度とする。本実施形態では、引張応力膜38を形成した後に、圧縮応力膜42が形成されているため、圧縮応力膜42が剥がれるのを防止し得る。
【0050】
引張応力膜38、第1のエッチングストッパ膜39、第2のエッチングストッパ膜40及び圧縮応力膜42が形成された半導体基板10上には、層間絶縁膜44が形成されている。層間絶縁膜44の表面は、平坦化されている。層間絶縁膜44の膜厚は、例えば200〜500nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、層間絶縁膜44の膜厚を、例えば400nm程度とする。層間絶縁膜44としては、例えばシリコン酸化膜やPSG(Phospho Silicate Glass)膜等が用いられている。
【0051】
層間絶縁膜44、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38には、ゲート配線20に達するコンタクトホール46aが形成されている。かかるコンタクトホール46aは、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するように形成されている。コンタクトホール46aは、素子領域12aと素子領域12bの間に位置している素子分離領域14の上方に位置している。コンタクトホール46aは、層間絶縁膜44、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38を貫通している。第2のエッチングストッパ40のうちのPMOSトランジスタ形成領域4側の端面は、コンタクトホール46aから離間している。
【0052】
本実施形態において、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するようにコンタクトホール46aを形成するのは、以下のような理由によるものである。即ち、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界からずれた箇所にコンタクトホール46aを形成する場合には、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4のいずれかのサイズが大きくなってしまう。NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4のサイズを最小限にするためには、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するコンタクトホール46aを配することが好ましい。このような理由により、本実施形態では、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するようにコンタクトホール46aが形成されている。
【0053】
NMOSトランジスタ形成領域2における層間絶縁膜44、第2のエッチングストッパ膜40、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38には、NMOSトランジスタ34のソース/ドレイン電極32に達するコンタクトホール46bが形成されている。
【0054】
PMOSトランジスタ形成領域4における層間絶縁膜44及び圧縮応力膜42には、NMOSトランジスタ36のソース/ドレイン電極32に達するコンタクトホール46cが形成されている。
【0055】
コンタクトホール46a〜46cの上部の直径Dは、例えば80nm程度とする。
【0056】
コンタクトホール46a〜46cの底面及び側面には、バリアメタル膜48が形成されている。バリアメタル膜48は、例えばTi膜(図示せず)とTiN膜(図示せず)とを順次積層することにより形成されている。
【0057】
バリアメタル膜48が形成されたコンタクトホール46a〜46c内には、それぞれ導体プラグ50a〜50cが埋め込まれている。導体プラグ50a〜50cの材料としては、例えばタングステン(W)が用いられている。導体プラグ50aは、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に接続されている。導体プラグ50bは、NMOSトランジスタ34のソース/ドレイン電極32に接続されている。導体プラグ50cは、PMOSトランジスタ36のソース/ドレイン電極32に接続されている。
【0058】
導体プラグ50a〜50cが埋め込まれた層間絶縁膜44上には、層間絶縁膜52が形成されている。層間絶縁膜52としては、例えばシリコン酸化膜が用いられている。
【0059】
層間絶縁膜52には、配線58を埋め込むための溝54が形成されている。溝54の底面には、導体プラグ50a〜50cの上面が露出している。
【0060】
溝54内には、バリアメタル膜56が形成されている。バリアメタル膜56としては、例えばTa(タンタル)膜が用いられている。
【0061】
バリアメタル膜56が形成された溝54内には、配線58が埋め込まれている。配線58の材料としては、例えばCu(銅)等が用いられている。
【0062】
こうして、NMOSトランジスタ34とPMOSトランジスタ36とを有するCMOS回路を含む半導体装置が形成されている。
【0063】
このように、本実施形態によれば、第2のエッチングストッパ膜40のうちのPMOSトランジスタ形成領域4側の端面が、コンタクトホール46aから離間している。このため、本実施形態によれば、第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されることなく、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するようにコンタクトホール46aが形成されている。本実施形態によれば、層間絶縁膜44、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38を貫通する良好なコンタクトホール46aを形成することができる。そして、かかるコンタクトホール46a内に導体プラグ50aが埋め込まれるため、導体プラグ50aとゲート配線20とを確実に接続することができる。しかも、本実施形態によれば、引張応力膜38上に第1のエッチングストッパ膜39が形成されているため、第2のエッチングストッパ膜40をサイドエッチングする際に、引張応力膜39がエッチングされるのを防止し得る。しかも、かかる第1のエッチングストッパ膜39は、コンタクトホール46aを形成する際に、圧縮応力膜42と一緒にエッチングし得るため、コンタクトホール46aの形成を阻害することもない。しかも、本実施形態によれば、引張応力膜38を形成した後に、圧縮応力膜42が形成されているため、圧縮応力膜42が剥がれるのも防止し得る。従って、本実施形態によれば、信頼性の高い半導体装置を高い製造歩留まりで提供することができる。
【0064】
(半導体装置の製造方法)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法を図3乃至図10を用いて説明する。図3乃至図10は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
【0065】
まず、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、半導体基板10に、素子領域12a、12bを確定する素子分離領域14を形成する(図3(a)参照)。半導体基板10としては、例えばP型のシリコン基板を用いる。こうして、NMOSトランジスタ形成領域2内に、素子分離領域14により確定された素子領域12aが形成される。また、PMOSトランジスタ形成領域4内に、素子分離領域14により確定された素子領域12bが形成される。
【0066】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0067】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域2を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0068】
次に、フォトレジスト膜をマスクとし、例えばイオン注入法により、半導体基板10内にP型のドーパント不純物を導入する。これにより、NMOSトランジスタ形成領域2における半導体基板10内に、P型ウェル16Pが形成される。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を剥離する。
【0069】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0070】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ形成領域4を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0071】
次に、フォトレジスト膜をマスクとし、例えばイオン注入法により、半導体基板10内にN型のドーパント不純物を導入する。これにより、PMOSトランジスタ形成領域4における半導体基板10内に、N型ウェル16Nが形成される。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を剥離する。
【0072】
次に、例えば熱酸化法により、半導体基板10の表面にゲート絶縁膜18を形成する。ゲート絶縁膜18としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。ゲート絶縁膜18の膜厚は、例えば1.5nmとする。
【0073】
次に、全面に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition、化学気相堆積)法により、ポリシリコン膜を形成する。ポリシリコン膜は、ゲート配線20となるものである。ポリシリコン膜の膜厚は、例えば100nmとする。
【0074】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0075】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜をゲート配線20の平面形状にパターニングする。
【0076】
次に、フォトレジスト膜をマスクとしてポリシリコン膜をエッチングする。こうして、NMOSトランジスタ形成領域2内及びPMOSトランジスタ形成領域4内に、ポリシリコン膜により形成されたゲート配線20が連続的に形成される(図2参照)。
【0077】
ゲート配線20は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界の近傍領域、即ち、境界部において、幅広に形成される(図2参照)。即ち、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20の幅は、素子領域12a、12b内におけるゲート配線20の幅より広く設定される。NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20の幅をこのように設定するのは、かかる幅広の部分に達するようにコンタクトホール46aが形成されるためである。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
【0078】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0079】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域2を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0080】
次に、フォトレジスト膜とゲート配線20とをマスクとし、例えばイオン注入法により、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。これにより、NMOSトランジスタ形成領域2内におけるゲート配線20の両側の半導体基板10内に、N型の低濃度不純物領域(エクステンション領域)24aが形成される。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
【0081】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0082】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ形成領域4を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0083】
次に、フォトレジスト膜とゲート配線20とをマスクとし、例えばイオン注入法により、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。これにより、PMOSトランジスタ形成領域4内におけるゲート配線20の両側の半導体基板10内に、P型の低濃度不純物領域(エクステンション領域)28aが形成される。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
【0084】
次に、全面に、例えばCVD法により、絶縁膜を形成する。かかる絶縁膜は、サイドウォール絶縁膜となるものである。かかる絶縁膜としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。絶縁膜の膜厚は、例えば30nmとする。
【0085】
次に、例えば異方性エッチングにより、絶縁膜をエッチングする。これにより、ゲート配線20の側壁部分に、サイドウォール絶縁膜22が形成される。
【0086】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0087】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSトランジスタ形成領域2を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0088】
次に、フォトレジスト膜、ゲート配線20及びサイドウォール絶縁膜22をマスクとし、例えばイオン注入法により、N型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。これにより、NMOSトランジスタ形成領域2におけるゲート配線20の両側の半導体基板10内に、N型の高濃度不純物領域24bが形成される。こうして、低濃度不純物領域(エクステンション領域)24aと高濃度不純物領域24bとにより、エクステンションソース/ドレイン構造のソース/ドレイン拡散層26が形成される。
【0089】
ソース/ドレイン拡散層26を形成するためのN型のドーパント不純物の注入の際には、NMOSトランジスタ形成領域2内のゲート配線20にもN型のドーパント不純物が導入される。こうして、ゲート配線20のうちのNMOSトランジスタ形成領域2内の部分は、N型のドーパント不純物が導入されたゲート電極20aとなる。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
【0090】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜(図示せず)を形成する。
【0091】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、PMOSトランジスタ形成領域4を露出する開口部(図示せず)をフォトレジスト膜に形成する。
【0092】
次に、フォトレジスト膜、ゲート配線20及びサイドウォール絶縁膜22をマスクとし、例えばイオン注入法により、P型のドーパント不純物を半導体基板10内に導入する。これにより、PMOSトランジスタ形成領域4におけるゲート配線20の両側の半導体基板10内に、P型の高濃度不純物領域28bが形成される。こうして、低濃度不純物領域(エクステンション領域)28aと高濃度不純物領域28bとにより、エクステンションソース/ドレイン構造のソース/ドレイン拡散層30が形成される。
【0093】
ソース/ドレイン拡散層30を形成するためのP型のドーパント不純物の注入の際には、PMOSトランジスタ形成領域4内のゲート配線20にもP型のドーパント不純物が導入される。こうして、ゲート配線20のうちのPMOSトランジスタ形成領域4内の部分は、P型のドーパント不純物が導入されたゲート電極20bとなる。NMOSトランジスタ34のゲート電極20aとNMOSトランジスタ36のゲート電極20bとの境界は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界と一致する。この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜を除去する。
【0094】
次に、全面に、高融点金属膜を形成する。かかる高融点金属膜としては、例えばニッケル膜やコバルト膜等を形成する。高融点金属膜の膜厚は、例えば10nm程度とする。
【0095】
次に、熱処理を行うことにより、半導体基板10中のシリコン原子と高融点金属膜中の金属原子とを反応させる。また、ゲート配線20中のシリコン原子と高融点金属膜中の金属原子とを反応させる。熱処理温度は、例えば200〜300℃程度とする。
【0096】
次に、高融点金属膜のうちの未反応の部分をエッチング除去する。
【0097】
こうして、ソース/ドレイン拡散層26、30上に、それぞれシリサイド層32が形成される。ソース/ドレイン拡散層26、30上に形成されたシリサイド層32は、ソース/ドレイン電極として機能する。また、ゲート配線20の上部にも、シリサイド層32が形成される。
【0098】
こうして、NMOSトランジスタ形成領域2内に、ゲート電極20aとソース/ドレイン拡散層26等とを有するNMOSトランジスタ34が形成される。また、PMOSトランジスタ形成領域4内に、ゲート電極20bとソース/ドレイン拡散層30等とを有するPMOSトランジスタ36が形成される。
【0099】
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、引張応力膜(第1の応力膜)38を形成する(図3(b)参照)。引張応力膜38は、NMOSトランジスタ34のチャネル領域に引張応力を印加し、キャリア移動度の向上を図るものである。
【0100】
引張応力膜38は、例えば以下のようにして形成することができる。
【0101】
即ち、引張応力膜38は、例えば、平行平板型のプラズマCVD装置を用い、真空チャンバ内において形成される。引張応力膜38を形成する際の基板温度は、例えば400℃程度とする。真空チャンバ内には、例えば、Nガス、NHガス及びSiHガスが同時に供給される。Nガスの流量は、例えば500〜3000sccmとする。NHガスの流量は、例えば100〜1000sccmとする。SiHガスの流量は、例えば200〜500sccmとする。チャンバ内の圧力は、例えば1〜10Torrとする。印加する高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzとする。印加する高周波電力の大きさは、例えば100〜500W程度とする。引張応力膜38の成膜時間、即ち、プラズマの励起時間は、例えば10〜100秒程度とする。こうして、全面に、シリコン窒化膜が形成される。次に、紫外線照射装置を用い、シリコン窒化膜に紫外線を照射する。紫外線の光源としては、広帯域の紫外線光源を用いる。紫外線を照射する際の雰囲気は、例えばHe雰囲気とする。紫外線の照射時間は、例えば180〜600秒程度とする。
【0102】
こうして、シリコン窒化膜により形成された引張応力膜38が形成される。引張応力膜38の膜厚は、例えば30〜100nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、引張応力膜38の膜厚を、例えば80nm程度とする。
【0103】
引張応力膜38への紫外線照射により、引張応力膜38の膜密度が減少する。引張応力膜38の膜密度が減少することは、引張応力膜38のフッ酸耐性の低下の要因の一つと考えられる。
【0104】
また、引張応力膜38における炭素の含有率は、圧縮応力膜における炭素の含有率よりも低い。引張応力膜38における炭素の含有率が圧縮応力膜に比べて低いことも、引張応力膜38のフッ酸耐性が低くなっている要因の一つと考えられる。
【0105】
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、第1のエッチングストッパ絶縁膜39を形成する(図4(a)参照)。第1のエッチングストッパ膜39は、後工程において形成される第2のエッチングストッパ膜40をエッチングする際に、エッチングストッパとして機能するものである。従って、第1のエッチングストッパ膜39のエッチング特性は、第2のエッチングストッパ膜40のエッチング特性と異なっている。第2のエッチングストッパ膜40はエッチング液に含まれるフッ酸等に対する耐性が比較的低いため、エッチング液によりエッチングされるが、第1のエッチングストッパ膜39はフッ酸等に対する耐性が比較的強いため、殆どエッチングされない。引張応力膜38はフッ酸等に対する耐性が比較的低いが、フッ酸等に対する耐性が比較的高い第1のエッチングストッパ膜39が引張応力膜38上に形成されているため、引張応力膜38はエッチングされることなく第1のエッチングストッパ膜39により保護される。このように第1のエッチングストッパ膜39は、エッチング液に含まれるフッ酸等に対する耐性が引張応力膜38に比べて高いことが好ましい。一方、後工程においてコンタクトホール46aを形成する際には、第1のエッチングストッパ膜39はエッチングを妨げないことが好ましい。このため、第1のエッチングストッパ膜39としては、例えば後工程において形成される圧縮応力膜42と同様の膜を用いることができる。圧縮応力膜42は、エッチング液に含まれるフッ酸等に対する耐性が引張応力膜に比べて高い。第1のエッチングストッパ膜39として圧縮応力膜42と同様の膜を用いれば、コンタクトホール46aを形成する際には、第1のエッチングストッパ膜39は、エッチングを妨げることなく、圧縮応力膜42と一緒にエッチングし得る。
【0106】
第1のエッチングストッパ膜39として圧縮応力膜42と同様の膜を用いる場合には、第1のエッチングストッパ膜39は、例えば以下のようにして形成することができる。即ち、第1のエッチングストッパ膜39は、例えば、平行平板型のプラズマCVD装置を用い、真空チャンバ内において形成される。第1のエッチングストッパ膜39を形成する際の基板温度は、例えば400℃程度とする。真空チャンバ内には、例えば、Nガス、Hガス、NHガス、SiHガス、及び、(CHSiHガス(トリメチルシランガス)が同時に供給される。Nガスの流量は、例えば500〜3000sccmとする。Hガスの流量は、例えば500〜3000sccmとする。NHガスの流量は、例えば100〜1000sccmとする。SiHガスの流量は、例えば200〜500sccmとする。(CHSiHガスの流量は、例えば50〜150sccmとする。チャンバ内の圧力は、例えば1〜10Torrとする。印加する高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzとする。印加する高周波電力の大きさは、例えば100〜500W程度とする。第1のエッチングストッパ膜39の成膜時間、即ち、プラズマの励起時間は、例えば10〜100秒程度とする。こうして、シリコン窒化膜により形成された第1のエッチングストッパ膜39が形成される。第1のエッチングストッパ膜39の膜厚としては、例えば10〜50nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、第1のエッチングストッパ膜39の膜厚を、例えば30nm程度とする。
【0107】
第1のエッチングストッパ膜39は、最終的に引張応力膜38上に残存する。このため、圧縮応力膜である第1のエッチングストッパ膜39の膜厚が増加した場合には、引張応力膜38によりNMOSトランジスタ34のチャネル領域に印加される引張応力が、第1のエッチングストッパ膜39により緩和されてしまう。そうすると、NMOSトランジスタ34のチャネル領域に十分な引張応力を印加することができなくなってしまう。このため、第1のエッチングストッパ膜39の膜厚は、引張応力膜38の膜厚より薄いことが好ましい。更には、第1のエッチングストッパ膜39の膜厚を、引張応力膜38の膜厚の2分の1以下とすることがより好ましい。
【0108】
第1のエッチングストッパ膜39には紫外線の照射が行われていないため、第1のエッチングストッパ膜39の膜密度は圧縮応力膜の膜密度に比べて大きくなっている。このことは、第1のエッチングストッパ膜39のフッ酸耐性が引張応力膜38に比べて高くなる要因の一つと考えられる。
【0109】
また、第1のエッチングストッパ膜39を形成する際に炭素を含む原料ガスを用いているため、第1のエッチングストッパ膜39における炭素の含有率は引張応力膜38に比べて高い。第1のエッチングストッパ膜39における炭素の含有率が比較的高いことも、第1のエッチングストッパ膜39のフッ酸耐性が高い要因の一つと考えられる。
【0110】
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、第2のエッチングストッパ絶縁膜40を形成する。第2のエッチングストッパ膜40は、後工程において形成される圧縮応力膜(第2の応力膜)42をエッチングする際に、エッチングストッパとして機能するものである。従って、第2のエッチングストッパ膜40のエッチング特性は、後工程において形成される圧縮応力膜42のエッチング特性と異なっている。また、第2のエッチングストッパ膜40のエッチング特性は、第1のエッチングストッパ膜39のエッチング特性とも異なっている。第2のエッチングストッパ膜40としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。第2のエッチングストッパ膜40は、例えばTEOS(Tetraethoxysilane、テトラエトキシシラン)等を用いて形成される。第2のエッチングストッパ膜40の膜厚は、例えば10〜50nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、第2のエッチングストッパ膜40の膜厚を、例えば30nm程度とする。
【0111】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜60を形成する。
【0112】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜60をパターニングする(図4(b)参照)。これにより、NMOSトランジスタ形成領域2を覆い、PMOSトランジスタ形成領域4を露出するフォトレジスト膜60が形成される。フォトレジスト膜60のうちのPMOSトランジスタ形成領域4側の端面は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界と一致する。
【0113】
次に、フォトレジスト膜60をマスクとし、第1のエッチングストッパ膜39をエッチングストッパとして、第2のエッチングストッパ膜40を等方性エッチングする(図5(a)参照)。等方性エッチングを行うため、第2のエッチングストッパ膜40のうちのフォトレジスト膜60から露出している部分のみならず、第2のエッチングストッパ膜40のうちのフォトレジスト膜60により覆われている部分の一部もエッチングされる。即ち、NMOSトランジスタ形成領域2内の第2のエッチングストッパ膜40のうちのPMOSトランジスタ形成領域4に近接する部分が、半導体基板10の表面に対して平行な方向にエッチングされる(サイドエッチング)。換言すれば、フォトレジスト膜60の下に位置する第2のエッチングストッパ膜40が、フォトレジスト膜60の端部から所定の幅Xだけ半導体基板10の表面に対して平行な方向にエッチングされる。
【0114】
第2のエッチングストッパ膜40を等方性エッチングする際には、例えばウェットエッチングを用いることができる。エッチング液としては、例えば、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムとを含むエッチング液が用いられる。エッチング液におけるフッ化水素酸の濃度は、例えば0.5wt%程度とする。また、エッチング液におけるフッ化アンモニウムの濃度は、例えば20wt%程度とする。
【0115】
なお、エッチング液は、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムとを含むエッチング液に限定されるものではない。但し、第2のエッチングストッパ膜40に対するエッチングレートが、第1のエッチングストッパ膜39に対するエッチングレートより十分に速くなるようなエッチング液を用いることが好ましい。第2のエッチングストッパ膜40をエッチングする際に第1のエッチングストッパ膜39が過度にエッチングされ、引張応力膜38までもが過度に薄くなってしまった場合には、NMOSトランジスタ34のチャネル領域に十分な応力を印加することができなくなってしまうためである。
【0116】
なお、上記のようなエッチング液を用いた場合、引張応力膜38に対する第2のエッチングストッパ膜40のエッチングレートは、例えば0.9倍程度となる。このため、引張応力膜38上に第1のエッチングストッパ膜39が設けられていない場合には、第2のエッチングストッパ膜40をサイドエッチングする際に、引張応力膜38が過度にエッチングされてしまう。一方、第1のエッチングストッパ膜39に対する第2のエッチングストッパ膜40のエッチングレートは、上記のようなエッチング液を用いた場合には、例えば3倍程度となる。本実施形態では、第1のエッチングストッパ膜39が引張応力膜38上に設けられているため、引張応力膜38がエッチングされるのを防止しつつ、第2のエッチングストッパ膜40を確実にサイドエッチングすることができる。
【0117】
また、例えば、ケミカルドライエッチング法により、第2のエッチングストッパ膜40を等方性エッチングしてもよい。即ち、例えばリモートプラズマ型のドライエッチング装置を用い、エッチングガスを励起してラジカルを発生させ、かかるラジカルを半導体基板上に照射することにより、第2のエッチングストッパ膜40を等方性エッチングしてもよい。この場合にも、第2のエッチングストッパ膜40に対するエッチングレートが、第1のエッチングストッパ膜39に対するエッチングレートより十分に速くなるように、エッチングガス等を設定することが好ましい。
【0118】
サイドエッチング量X、即ち、第2のエッチングストッパ膜40のPMOSトランジスタ形成領域4側の端面と、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界との間の距離Xは、以下のような点を考慮して設定される。
【0119】
即ち、距離Xがあまりに小さい場合には、後工程においてエッチングによりコンタクトホール46aを形成する際に、第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されてしまうこととなる。第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されるのを防止するためには、第2のエッチングストッパ膜40のPMOSトランジスタ形成領域4側の端面の位置を、コンタクトホール46aから離間させることが好ましい。具体的には、距離Xをコンタクトホール46aの半径(D/2)より大きく設定することが好ましい。
【0120】
フォトレジスト膜60をパターニングする際や、後工程においてコンタクトホール46aを形成するためのフォトレジスト膜64をパターニングする際等には、フォトリソグラフィにおける位置合わせ誤差が生じる場合がある。コンタクトホール46aを形成する際に第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されるのを確実に防止するためには、フォトリソグラフィにおける位置合わせ誤差をも考慮することがより好ましい。このため、フォトリソグラフィにおける位置合わせ誤差の最大値をPとし、コンタクトホール46aの半径を(D/2)とすると、以下のような式(1)を満たすようにサイドエッチング量Xを設定することがより好ましい。
【0121】
(D/2)+P < X ・・・ (1)
上記の式(1)を満たすようにコンタクトホール46aの半径及びサイドエッチング量Xを設定すれば、コンタクトホール46aを形成する際に第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されるのをより確実に防止することが可能となる。
【0122】
なお、上記の式(1)を満たすことは、本発明の効果を得るための必須の設定ではない。例えば図9(a)においてD/2>Xとなったとしても、第2のエッチングストッパ膜40を横方向にエッチングすることにより、コンタクトホールの開口面積が狭くなることを抑制する効果を得ることはできる。
【0123】
こうして、NMOSトランジスタ形成領域2のうちのPMOSトランジスタ形成領域4に近接する部分を除く部分に第2のエッチングストッパ膜40が残存する。即ち、第2のエッチングストッパ膜40のPMOSトランジスタ形成領域4側の端面は、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界から離間した状態となる。第2のエッチングストッパ膜40のPMOSトランジスタ形成領域4側の端面と、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界との間の距離Xは、例えば60nm程度とする。
【0124】
次に、フォトレジスト膜60をマスクとして、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38を異方性エッチングする(図5(b)参照)。異方性エッチングは、例えば、平行平板型のドライエッチング装置を用い、真空チャンバ内において行われる。エッチングする際の基板温度は、例えば25℃程度とする。真空チャンバ内に導入するエッチングガスは、例えば、Cガス、Cガス、CFガス、CHFガス、CHガス、CHFガス、Oガス、COガス、Arガスを任意の組み合わせで混合して用いることができる。例えば、エッチングガスとして、CガスとOガスとArガスとの混合ガスを用いることができる。この場合、CガスとOガスとArガスとの流量比は、例えば、(1〜20):(1〜20):(300〜1000)とする。CガスとOガスとArガスとの混合ガスの総流量は、例えば300〜1000sccmの範囲内とする。チャンバ内の圧力は、例えば10〜300mTorrとする。印加する高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzとする。印加する高周波電力の大きさは、例えば100〜1000W程度とする。なお、エッチングの途中で、エッチングガスを他の組み合わせの混合ガスに切り換えるようにしてもよい。例えば、CHFガスとOガスとArガスとの混合ガスに切り換えるようにしてもよい。この場合、CHFガスとOガスとArガスとの流量比は、例えば、(5〜100):(1〜300):(0〜1000)とする。CHFガスとOガスとArガスとの混合ガスの総流量は、例えば300〜1000sccmの範囲内とする。
【0125】
次に、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜60を除去する(図6(a)参照)。
【0126】
次に、全面に、例えばプラズマCVD法により、圧縮応力膜(第2の応力膜)42を形成する(図6(b)参照)。圧縮応力膜42は、PMOSトランジスタ36のチャネル領域に圧縮応力を印加し、キャリア移動度の向上を図るものである。
【0127】
圧縮応力膜42は、例えば以下のようにして形成することができる。即ち、圧縮応力膜42は、例えば、平行平板型のプラズマCVD装置を用い、真空チャンバ内において形成される。圧縮応力膜42を形成する際の基板温度は、例えば400℃程度とする。真空チャンバ内には、例えば、Nガス、Hガス、NHガス、SiHガス、及び、(CHSiHガス(トリメチルシランガス)が同時に供給される。Nガスの流量は、例えば500〜3000sccmとする。Hガスの流量は、例えば500〜3000sccmとする。NHガスの流量は、例えば100〜1000sccmとする。SiHガスの流量は、例えば200〜500sccmとする。(CHSiHガスの流量は、例えば50〜150sccmとする。チャンバ内の圧力は、例えば1〜10Torrとする。印加する高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzとする。印加する高周波電力の大きさは、例えば100〜500W程度とする。圧縮応力膜42の成膜時間、即ち、プラズマの励起時間は、例えば10〜100秒程度とする。こうして、シリコン窒化膜により形成された圧縮応力膜42が形成される。圧縮応力膜42の膜厚としては、例えば30〜100nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、圧縮応力膜42の膜厚を、例えば80nm程度とする。本実施形態では、引張応力膜38を形成した後に、圧縮応力膜42を形成しているため、圧縮応力膜42が剥がれるのを防止し得る。
【0128】
次に、全面に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜62を形成する。
【0129】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜62をパターニングする(図7(a)参照)。フォトレジスト膜62は、PMOSトランジスタ形成領域4のみならず、NMOSトランジスタ形成領域2の一部をも覆うように形成される。具体的には、フォトレジスト膜62は、PMOSトランジスタ形成領域4を覆い、NMOSトランジスタ形成領域2側の端面が第2のエッチングストッパ膜40上に位置するように形成される。
【0130】
フォトレジスト膜62のNMOSトランジスタ形成領域2側の端面と、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界との間の距離Yは、以下のような点を考慮して設定される。
【0131】
即ち、距離Yがあまりに小さい場合には、後工程において第2のエッチングストッパ膜40をエッチングストッパとして圧縮応力膜42をエッチングする際に、第2のエッチングストッパ膜40が存在していない領域において、第1のエッチングストッパ膜39や引張応力膜38やシリサイド層32までもがエッチングされてしまう虞がある。圧縮応力膜42をエッチングする際に、引張応力膜38やシリサイド層32までもがエッチングされてしまうのを防止するためには、フォトレジスト膜62のNMOSトランジスタ形成領域2側の縁部が、第2のエッチングストッパ膜40上に位置することが好ましい。具体的には、距離Yを距離Xより大きく設定することが好ましい。
【0132】
フォトレジスト膜62をパターニングする際には、フォトリソグラフィにおける位置合わせ誤差が生じる場合がある。圧縮応力膜42をエッチングする際に引張応力膜38までもがエッチングされるのを確実に防止するためには、フォトリソグラフィにおける位置合わせ誤差をも考慮することがより好ましい。このため、フォトリソグラフィにおける位置合わせ誤差の最大値をQとすると、以下のような式(2)を満たすように距離Yを設定することがより好ましい。
【0133】
Y−Q > X ・・・ (2)
上記の式(2)を満たすように距離X及び距離Yを設定すれば、圧縮応力膜42をエッチングする際に引張応力膜38やシリサイド層32までもがエッチングされるのをより確実に防止することが可能となる。
【0134】
次に、フォトレジスト膜62をマスクとし、第2のエッチングストッパ膜40をエッチングストッパとして、圧縮応力膜42を異方性エッチングする(図7(b)参照)。異方性エッチングは、例えば、平行平板型のドライエッチング装置を用い、真空チャンバ内において行われる。エッチングする際の基板温度は、例えば25℃程度とする。真空チャンバ内に導入するエッチングガスは、例えば、Cガス、Cガス、CFガス、CHFガス、CHガス、CHFガス、Oガス、COガス、Arガスを任意の組み合わせで混合して用いることができる。例えば、エッチングガスとして、CガスとOガスとArガスとの混合ガスを用いることができる。この場合、CガスとOガスとArガスとの流量比は、例えば、(1〜20):(1〜20):(300〜1000)とする。CガスとOガスとArガスとの混合ガスの総流量は、例えば300〜1000sccmの範囲内とする。チャンバ内の圧力は、例えば10〜300mTorrとする。印加する高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzとする。印加する高周波電力の大きさは、例えば100〜1000W程度とする。なお、エッチングの途中で、エッチングガスを他の組み合わせの混合ガスに切り換えるようにしてもよい。例えば、CHFガスとOガスとArガスとの混合ガスに切り換えるようにしてもよい。この場合、CHFガスとOガスとArガスとの流量比は、例えば、(5〜100):(1〜300):(0〜1000)とする。CHFガスとOガスとArガスとの混合ガスの総流量は、例えば300〜1000sccmの範囲内とする。
【0135】
次に、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜62を除去する(図8(a)参照)。
こうして、NMOSトランジスタ形成領域2側の端面が第2のエッチングストッパ膜40上に位置するように、圧縮応力膜42が形成される。即ち、圧縮応力膜42の一部が引張応力膜38の一部及び第2のエッチングストッパ膜40の一部と重なり合うように、圧縮応力膜42が形成される。圧縮応力膜42のNMOSトランジスタ形成領域2側の端面と、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界との間の距離Yは、距離Xより大きく設定される。圧縮応力膜42のNMOSトランジスタ形成領域2側の端面と、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界との間の距離Yは、例えば80nm程度とする。
【0136】
次に、全面に、例えばCVD法により、層間絶縁膜44を形成する(図8(b)参照)。層間絶縁膜44の膜厚は、例えば200〜500nmの範囲内に設定することが好ましい。ここでは、層間絶縁膜44の膜厚を、例えば400nm程度とする。層間絶縁膜44としては、例えばシリコン酸化膜やPSG(Phospho Silicate Glass)膜等を形成する。
【0137】
次に、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学的機械的研磨)法により、層間絶縁膜44の表面を平坦化する。
【0138】
次に、例えばスピンコート法により、フォトレジスト膜64を形成する(図9(a)参照)。
【0139】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜64に開口部66a〜66cを形成する。開口部66aは、コンタクトホール46aを形成するためのものである。コンタクトホール46aを形成するための開口部66の半径(D/2)は、距離Xより小さく設定される。より好ましくは、コンタクトホール46aを形成するための開口部66の半径(D/2)は、上記の式(1)を満たすように設定される。PMOSトランジスタ形成領域2とNMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20の上方に開口部66aの中心が位置するように、開口部66aを形成する。開口部66b、66cは、それぞれコンタクトホール46b、46cを形成するためのものである。開口部66b、66cは、それぞれシリサイド層32の上方に位置するように形成される。ここでは、開口部66aの直径Dを、例えば80nm程度とする。
【0140】
次に、フォトレジスト膜64をマスクとして、層間絶縁膜44、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38をエッチングする。エッチングは、例えば、平行平板型のドライエッチング装置を用い、真空チャンバ内において行われる。エッチングする際の基板温度は、例えば25℃程度とする。真空チャンバ内に導入するエッチングガスは、例えば、Cガス、Cガス、CFガス、CHFガス、CHガス、CHFガス、Oガス、COガス、Arガスを任意の組み合わせで混合して用いることができる。
【0141】
具体的には、層間絶縁膜44をエッチングする際には、エッチングガスとして、例えばCガスとOガスとArガスとの混合ガスを用いることができる。この場合、CガスとOガスとArガスとの流量比は、例えば、(1〜50):(1〜50):(300〜1000)とする。CガスとOガスとArガスとの混合ガスの総流量は、例えば300〜1000sccmの範囲内とする。チャンバ内の圧力は、例えば10〜300mTorrとする。印加する高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzとする。印加する高周波電力の大きさは、例えば100〜1000W程度とする。
【0142】
また、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38をエッチングする際には、エッチングガスとして、例えばCHFガスとOガスとArガスとの混合ガスを用いることができる。この場合、CHFガスとOガスとArガスとの流量比は、例えば、(5〜100):(1〜300):(0〜1000)とする。CHFガスとOガスとArガスとの混合ガスの総流量は、例えば300〜1000sccmの範囲内とする。チャンバ内の圧力は、例えば10〜300mTorrとする。印加する高周波電力の周波数は、例えば13.56MHzとする。印加する高周波電力の大きさは、例えば100〜1000W程度とする。
【0143】
こうして、層間絶縁膜44、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38には、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するようにコンタクトホール46aが形成される。コンタクトホール46aは、層間絶縁膜44、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38を貫通する。コンタクトホール46aの上部の直径Dは、例えば80nm程度となる。
【0144】
NMOSトランジスタ形成領域2における層間絶縁膜44、第2のエッチングストッパ膜40、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38には、NMOSトランジスタ34のソース/ドレイン電極32に達するコンタクトホール46bが形成される。また、PMOSトランジスタ形成領域4における層間絶縁膜44及び圧縮応力膜42には、NMOSトランジスタ36のソース/ドレイン電極32に達するコンタクトホール46cが形成されている。
【0145】
第2のエッチングストッパ膜40のうちのPMOSトランジスタ形成領域4側の端面は、コンタクトホール46aが形成される箇所から離間しているため、コンタクトホール46aを形成する際に第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されることがない。従って、本実施形態によれば、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するコンタクトホール46aを、確実に形成することができる。
【0146】
本実施形態では、第1のエッチングストッパ膜39として、圧縮応力膜42と同様の膜を用いているため、コンタクトホール46aを形成する際における第1のエッチングストッパ膜39と圧縮応力膜42のエッチング特性は同様である。一方、コンタクトホール46aを形成する際における引張応力膜38のエッチングレートと圧縮応力膜39,42のエッチングレートとは互いに若干異なる。しかしながら、引張応力膜38のエッチングレートと圧縮応力膜39,42のエッチングレートとの差は、第2のエッチングストッパ膜40のエッチングレートと応力膜38,39,42のエッチングレートとの差と比較して無視できるほど小さい。従って、引張応力膜38のエッチングレートと圧縮応力膜39,42とのエッチングレートとが互いに若干異なっていても、コンタクトホール46aの形成が阻害されることはなく、特段の問題はない。
【0147】
この後、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜64を除去する。
【0148】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、バリアメタル膜48を形成する。バリアメタル膜48は、例えばTi膜(図示せず)とTiN膜(図示せず)とを順次積層することにより形成されている。Ti膜の膜厚は、例えば3〜10nm程度とする。TiN膜の膜厚は、例えば3〜10nm程度とする。
【0149】
次に、全面に、例えばCVD法により、導電膜を形成する。導電膜は、導体プラグ50a〜50cとなるものである。導電膜としては、例えばタングステン膜を形成する。導電膜の膜厚は、例えば50〜400nm程度とする。
【0150】
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜44の表面が露出するまで導電膜及びバリアメタル膜48を研磨する。これにより、バリアメタル膜48が形成されたコンタクトホール46a〜46c内に、それぞれ導体プラグ50a〜50cが埋め込まれる(図9(b)参照)。導体プラグ50aは、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に接続される。導体プラグ50bは、NMOSトランジスタ34のソース/ドレイン電極32に接続される。導体プラグ50cは、PMOSトランジスタ36のソース/ドレイン電極32に接続される。
【0151】
次に、全面に、例えばCVD法により、層間絶縁膜52を形成する(図10参照)。層間絶縁膜52としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。層間絶縁膜52の膜厚は、例えば100〜200nmとする。
【0152】
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、フォトレジスト膜52に配線58を埋め込むための溝54を形成する。溝54の底面には、導体プラグ50a〜50cの上面が露出する。
【0153】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、バリアメタル膜56を形成する。バリアメタル膜56としては、例えばTa膜が形成される。
【0154】
次に、全面に、例えばスパッタリング法により、シード層(図示せず)を形成する。かかるシード層は、後工程において導電膜を電気めっき法により埋め込み性良く形成するために用いられるものである。シード層としては、例えばCu膜を形成する。シード層の膜厚は、例えば1〜10nm程度とする。
【0155】
次に、全面に、例えば電気めっき法により、導電膜を形成する。導電膜としては、例えばCu膜を形成する。導電膜の膜厚は、例えば50〜400nmとする。
【0156】
次に、例えばCMP法により、層間絶縁膜52の表面が露出するまで、導電膜、シード層及びバリアメタル膜56を研磨する。これにより、バリアメタル膜56が形成された溝54内に、導電膜により形成された配線58が埋め込まれる。
【0157】
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
【0158】
このように、本実施形態によれば、PMOSトランジスタ形成領域4内の第2のエッチングストッパ膜40をエッチングする際に、NMOSトランジスタ形成領域2内の第2のエッチングストッパ膜40の一部をもサイドエッチングする。このため、本実施形態によれば、NMOSトランジスタ形成領域2とPMOSトランジスタ形成領域4との境界部におけるゲート配線20に達するコンタクトホール46aを形成する際に、第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されることがない。即ち、コンタクトホール46aをエッチングにより形成する際に、第2のエッチングストッパ膜40によりエッチングが阻害されることなく、層間絶縁膜44、圧縮応力膜42、第1のエッチングストッパ膜39及び引張応力膜38がエッチングされる。従って、本実施形態によれば、良好なコンタクトホール46aを形成することができ、導体プラグ50aとゲート配線20とを確実に接続することができる。しかも、本実施形態によれば、引張応力膜38上に第1のエッチングストッパ膜39が形成されているため、第2のエッチングストッパ膜40をサイドエッチングする際に、引張応力膜39がエッチングされるのを防止し得る。しかも、かかる第1のエッチングストッパ膜39は、コンタクトホール46aを形成する際に、圧縮応力膜42と一緒にエッチングし得るため、コンタクトホール46aの形成を阻害することもない。しかも、本実施形態によれば、引張応力膜38を形成した後に、圧縮応力膜42が形成されているため、圧縮応力膜42が剥がれるのも防止し得る。従って、本実施形態によれば、信頼性の高い半導体装置を高い製造歩留まりで製造することができる。
【0159】
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0160】
例えば、上記実施形態では、第1のエッチングストッパ膜39として、圧縮応力膜42と同様の膜を用いる場合を例に説明したが、第1のエッチングストッパ膜39は、圧縮応力膜42と同様の膜に限定されるものではない。応力とフッ酸耐性とは必ずしも直接には関係しないため、第1のエッチングストッパ膜39は、小さい応力しか生じさせない膜や、応力を生じさせない膜であってもよい。また、上記実施形態では、第1のエッチングストッパ膜39として、シリコン窒化膜を用いる場合を例に説明したが、第1のエッチングストッパ膜39は、シリコン窒化膜に限定されるものではない。第2のエッチングストッパ膜40をエッチングする際に、エッチングストッパとなり得る膜を、第1のエッチングストッパ膜39として適宜用いることができる。但し、第1のエッチングストッパ膜39は、コンタクトホール46aを形成する際に、圧縮応力膜42や引張応力膜38と一緒にエッチングされる膜であることが好ましい。例えば、第1のエッチングストッパ膜39として、圧縮応力膜ではない、一般的なSiCN膜を用いてもよい。第1のエッチングストッパ膜39として、一般的なSiCN膜を用いる場合、かかるSiCN膜における炭素濃度は、例えば1〜30%程度とすることができる。炭素を含有するシリコン窒化膜はフッ酸耐性が高いため、圧縮応力膜ではない一般的なSiCN膜も、圧縮応力膜と同様に、フッ酸耐性が高い。従って、第1のエッチングストッパ膜39として、圧縮応力膜ではない、一般的なSiCN膜を用いてもよい。また、第1のエッチングストッパ膜39として、引張応力膜38より膜密度が高い膜を適宜用いてもよい。膜密度が高い膜は、膜密度が低い膜と比較して、フッ酸耐性が高いためである。
【0161】
また、上記実施形態では、第1のエッチングストッパ膜39や圧縮応力膜42を形成する際に、炭素を含む原料ガスとして、(CHSiHガス(トリメチルシランガス)を用いる場合を例に説明したが、炭素を含む原料ガスはこれに限定されるものではない。第1のエッチングストッパ膜39や圧縮応力膜42を形成する際に、炭素を含む原料ガスとして、Si(CHガス(テトラメチルシランガス)等を用いてもよい。
【0162】
また、上記実施形態では、引張応力膜38としてシリコン窒化膜を形成したが、引張応力膜38はシリコン窒化膜に限定されるものではない。領域2内に形成されるトランジスタのチャネル領域に応力を印加し得る膜を適宜形成すればよい。
【0163】
また、上記実施形態では、圧縮応力膜42としてシリコン窒化膜を形成したが、圧縮応力膜42はシリコン窒化膜に限定されるものではない。領域4内に形成されるトランジスタのチャネル領域に応力を印加し得る膜を適宜形成すればよい。
【0164】
また、上記実施形態では、第2のエッチングストッパ膜40としてシリコン酸化膜を形成したが、第2のエッチングストッパ膜40はシリコン酸化膜に限定されるものではない。圧縮応力膜42とエッチング特性が異なり、且つ、第1のエッチングストッパ膜39とエッチング特性が異なる膜を、適宜第2のエッチングストッパ膜40として用いることができる。
【0165】
また、上記実施形態では、ポリシリコン膜により形成されたゲート配線20にドーパント不純物を適宜導入することによりゲート電極20a、20bを形成したが、ゲート配線20の材料はこれに限定されるものではない。例えば、ゲート配線20を金属膜により形成してもよい。
【0166】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0167】
(付記1)
半導体基板の第1の領域内及び第2の領域内にゲート配線を連続的に形成し、前記ゲート配線の一部である第1のゲート電極を有する第1のトランジスタを前記第1の領域内に形成するとともに、前記ゲート配線の他の一部である第2のゲート電極を有する第2のトランジスタを前記第2の領域内に形成する工程と、
前記半導体基板上に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを覆うように、第1の応力膜を形成する工程と、
前記第1の応力膜上に、第1のエッチングストッパ膜を形成する工程と、
前記第1のエッチングストッパ膜上に、前記第1のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なる第2のエッチングストッパ膜を形成する工程と、
前記第1の領域を覆い、前記第2の領域を露出する第1のマスク層を形成する工程と、
前記第1のマスク層をマスクとし、前記第1のエッチングストッパ膜をストッパとして、前記第2の領域内の前記第2のエッチングストッパ膜をエッチング除去し、更に、前記第1のマスク層の下に位置する前記第2のエッチングストッパ膜を、等方性エッチングする工程と、
前記第1のマスク層をマスクとして、前記第2の領域内の前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜をエッチング除去する工程と、
前記半導体基板上に、前記第2のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なる第2の応力膜を、前記第2のトランジスタ、前記第1の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2のエッチングストッパ膜を覆うように形成する工程と、
前記第2の領域を覆い、前記第1の領域側の端面が前記第2のエッチングストッパ膜上に位置する第2のマスク層を、前記第2の応力膜上に形成する工程と、
前記第2のマスク層をマスクとして、前記第2の応力膜の一部が前記第1の応力膜の一部及び前記第2のエッチングストッパ膜の一部と重なり合うように、前記第2の応力膜をエッチングする工程と、
前記半導体基板上に、前記第1の応力膜、前記第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2のエッチングストッパ膜を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜、第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜を貫通するコンタクトホールを、前記第1の領域と前記第2の領域との境界部における前記ゲート配線に達するように形成する工程と、
前記コンタクトホール内に導体プラグを埋め込む工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0168】
(付記2)
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のマスク層の下に位置する前記第2のエッチングストッパ膜を等方性エッチングする際には、フッ酸を含むエッチング液を用いてエッチングする
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0169】
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より炭素の含有率が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0170】
(付記4)
付記1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より膜密度が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0171】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の応力膜は、シリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0172】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の応力膜は、引張応力膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2の応力膜は、圧縮応力膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0173】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のエッチングストッパ膜の膜厚は、前記第1の応力膜の膜厚より小さい
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0174】
(付記8)
付記7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のエッチングストッパ膜の膜厚は、前記第1の応力膜の膜厚の2分の1以下である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0175】
(付記9)
付記1乃至8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のトランジスタは、NMOSトランジスタであり、
前記第2のトランジスタは、PMOSトランジスタである
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0176】
(付記10)
半導体基板の第1の領域内及び第2の領域内に連続的に形成されたゲート配線と、
前記第1の領域内に形成され、前記ゲート配線の一部である第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成された第1のソース/ドレイン拡散層とを有する第1のトランジスタと、
前記第2の領域内に形成され、前記ゲート配線の他の一部である第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成された第2のソース/ドレイン拡散層とを有する第2のトランジスタと、
前記第1の領域内における前記半導体基板上に、前記第1のトランジスタを覆うように形成された第1の応力膜と、
前記第1の応力膜上に形成された第1のエッチングストッパ膜と、
前記第1のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なり、前記第1の領域上のうちの前記第2の領域に近接する部分を除く部分に形成された第2のエッチングストッパ膜と、
前記第2の領域内における前記半導体基板上に前記第2のトランジスタを覆うように形成され、前記第1の領域側の縁部が前記第1の応力膜の一部、前記第1のエッチングストッパ膜の一部及び前記第2のエッチングストッパ膜の一部と重なり合っている第2の応力膜と、
前記半導体基板上に、前記第1の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜、前記第2のエッチングストッパ膜及び前記第2の応力膜を覆うように形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜、前記第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜を貫通し、前記第1の領域と前記第2の領域との境界部における前記ゲート配線に達するコンタクトホール内に埋め込まれた導体プラグとを有し、
前記第2のエッチングストッパ膜のうちの前記第2の領域側の端面は、前記第1の応力膜の前記第2の領域側の端面よりも後退している
ことを特徴とする半導体装置。
【0177】
(付記11)
付記10記載の半導体装置において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より炭素の含有率が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【0178】
(付記12)
付記10記載の半導体装置において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より膜密度が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【0179】
(付記13)
付記10乃至12のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第2の応力膜は、シリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【0180】
(付記14)
付記10乃至13のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1の応力膜は、引張応力膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2の応力膜は、圧縮応力膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【0181】
(付記15)
付記10乃至14のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1のエッチングストッパ膜の膜厚は、前記第1の応力膜の膜厚より小さい
ことを特徴とする半導体装置。
【0182】
(付記16)
付記15記載の半導体装置において、
前記第1のエッチングストッパ膜の膜厚は、前記第1の応力膜の膜厚の2分の1以下である
ことを特徴とする半導体装置。
【0183】
(付記17)
付記10乃至16のいずれかに記載の半導体装置において、
前記第1のトランジスタは、NMOSトランジスタであり、
前記第2のトランジスタは、PMOSトランジスタである
ことを特徴とする半導体装置。
【符号の説明】
【0184】
2…NMOSトランジスタ形成領域
4…PMOSトランジスタ形成領域
10…半導体基板
12a、12b…素子領域
14…素子分離領域
16N…N型ウェル
16P…P型ウェル
18…ゲート絶縁膜
20…ゲート配線
20a、20b…ゲート電極
21…幅広部
22…サイドウォール絶縁膜
24a…低濃度不純物領域、エクステンション領域
24b…高濃度不純物領域
26…ソース/ドレイン拡散層
28a…低濃度不純物領域、エクステンション領域
28b…高濃度不純物領域
30…ソース/ドレイン拡散層
32…シリサイド層
34…NMOSトランジスタ
36…PMOSトランジスタ
38…引張応力膜
39…第1のエッチングストッパ膜
40…第2のエッチングストッパ膜
42…圧縮応力膜
44…層間絶縁膜
46a〜46c…コンタクトホール
48…バリアメタル膜
50a〜50c…導体プラグ
52…層間絶縁膜
54…溝
56…バリアメタル膜
58…配線
60…フォトレジスト膜
62…フォトレジスト膜
64…フォトレジスト膜
66a〜66c…開口部
102…PMOSトランジスタ形成領域
104…NMOSトランジスタ形成領域
120…ゲート配線
120a、120b…ゲート電極
132…シリサイド層
138…圧縮応力膜
140…エッチングストッパ膜
142…引張応力膜
144…層間絶縁膜
146…コンタクトホール
164…フォトレジスト膜
166…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の第1の領域内及び第2の領域内にゲート配線を連続的に形成し、前記ゲート配線の一部である第1のゲート電極を有する第1のトランジスタを前記第1の領域内に形成するとともに、前記ゲート配線の他の一部である第2のゲート電極を有する第2のトランジスタを前記第2の領域内に形成する工程と、
前記半導体基板上に、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタを覆うように、第1の応力膜を形成する工程と、
前記第1の応力膜上に、第1のエッチングストッパ膜を形成する工程と、
前記第1のエッチングストッパ膜上に、前記第1のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なる第2のエッチングストッパ膜を形成する工程と、
前記第1の領域を覆い、前記第2の領域を露出する第1のマスク層を形成する工程と、
前記第1のマスク層をマスクとし、前記第1のエッチングストッパ膜をストッパとして、前記第2の領域内の前記第2のエッチングストッパ膜をエッチング除去し、更に、前記第1のマスク層の下に位置する前記第2のエッチングストッパ膜を、等方性エッチングする工程と、
前記第1のマスク層をマスクとして、前記第2の領域内の前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜をエッチング除去する工程と、
前記半導体基板上に、前記第2のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なる第2の応力膜を、前記第2のトランジスタ、前記第1の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2のエッチングストッパ膜を覆うように形成する工程と、
前記第2の領域を覆い、前記第1の領域側の端面が前記第2のエッチングストッパ膜上に位置する第2のマスク層を、前記第2の応力膜上に形成する工程と、
前記第2のマスク層をマスクとして、前記第2の応力膜の一部が前記第1の応力膜の一部及び前記第2のエッチングストッパ膜の一部と重なり合うように、前記第2の応力膜をエッチングする工程と、
前記半導体基板上に、前記第1の応力膜、前記第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2のエッチングストッパ膜を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜、第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜を貫通するコンタクトホールを、前記第1の領域と前記第2の領域との境界部における前記ゲート配線に達するように形成する工程と、
前記コンタクトホール内に導体プラグを埋め込む工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のマスク層の下に位置する前記第2のエッチングストッパ膜を等方性エッチングする際には、フッ酸を含むエッチング液を用いてエッチングする
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より炭素の含有率が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より膜密度が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の応力膜は、シリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の応力膜は、引張応力膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第2の応力膜は、圧縮応力膜である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体基板の第1の領域内及び第2の領域内に連続的に形成されたゲート配線と、
前記第1の領域内に形成され、前記ゲート配線の一部である第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成された第1のソース/ドレイン拡散層とを有する第1のトランジスタと、
前記第2の領域内に形成され、前記ゲート配線の他の一部である第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極の両側の前記半導体基板内に形成された第2のソース/ドレイン拡散層とを有する第2のトランジスタと、
前記第1の領域内における前記半導体基板上に、前記第1のトランジスタを覆うように形成された第1の応力膜と、
前記第1の応力膜上に形成された第1のエッチングストッパ膜と、
前記第1のエッチングストッパ膜とエッチング特性が異なり、前記第1の領域上のうちの前記第2の領域に近接する部分を除く部分に形成された第2のエッチングストッパ膜と、
前記第2の領域内における前記半導体基板上に前記第2のトランジスタを覆うように形成され、前記第1の領域側の縁部が前記第1の応力膜の一部、前記第1のエッチングストッパ膜の一部及び前記第2のエッチングストッパ膜の一部と重なり合っている第2の応力膜と、
前記半導体基板上に、前記第1の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜、前記第2のエッチングストッパ膜及び前記第2の応力膜を覆うように形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜、前記第2の応力膜、前記第1のエッチングストッパ膜及び前記第1の応力膜を貫通し、前記第1の領域と前記第2の領域との境界部における前記ゲート配線に達するコンタクトホール内に埋め込まれた導体プラグとを有し、
前記第2のエッチングストッパ膜のうちの前記第2の領域側の端面は、前記第1の応力膜の前記第2の領域側の端面よりも後退している
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より炭素の含有率が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項7記載の半導体装置において、
前記第1の応力膜は、シリコン窒化膜であり、
前記第2のエッチングストッパ膜は、シリコン酸化膜であり、
前記第1のエッチングストッパ膜は、前記第1の応力膜より膜密度が高いシリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第2の応力膜は、シリコン窒化膜である
ことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−38990(P2012−38990A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179384(P2010−179384)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】