説明

垂直型トランジスタの回路接続アーキテクチャ

【課題】半導体層の中または半導体層に隣接した領域の間を接続するための構造を提供する。
【解決手段】半導体デバイス204は半導体材料の第1の層112と、第1の層の中に形成された第1のソース/ドレイン領域116を有する第1の電界効果トランジスタ180とを含み、チャネル領域160は第1の層の上に形成され、関連する第2のソース/ドレイン領域164はチャネル領域の上に形成される。このデバイスはまた、第1の層114の中に形成された第1のソース/ドレイン領域118を有する第2の電界効果トランジスタ190を含み、チャネル領域162は第1の層の上に形成され、関連する第2のソース/ドレイン領域166はチャネル領域の上に形成される。金属を含む導電層120は、各トランジスタの第1のソース/ドレイン領域の間に置かれて、1つの第1のソース/ドレイン領域から他の第1のソース/ドレイン領域に電流を導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非常に高密度の回路を製造する工程に関し、より具体的には垂直置換ゲート(vertical replacement gate、VRG)電界効果トランジスタを組み込んだ回路構造に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路に関して集積のレベルを増大する継続的な努力のおかげで、機能サイズは小さくなり、デバイスはよりコンパクトになり、動作電力も少なくなった。機能サイズとデバイスのプロファイルが小さくなるにつれて、半導体回路の速度は、たとえば金属酸化物半導体(MOS)トランジスタなどの個別のデバイスのスイッチング特性よりも、相互接続に関連する抵抗と静電容量に依存するようになってきている。具体的には、電流密度を増大するために、接続に低い抵抗を提供することが望ましい。
【0003】
これまで、半導体材料の中に深くドープされた領域を形成し、金属ワイヤへ接続するための面積集約的な(area intensive)接触ウィンドウを形成することによって、デバイスレベルで接触が作成されてきた。このようなウィンドウのサイズおよび金属接続の存在は面積をとり、デバイスレベルおよび金属レベルで他のワイヤリングを排除する。
【0004】
MOS電界効果トランジスタ(FET)の設計における最近の進歩は、垂直置換ゲートトランジスタを含む。1999年のTechnical Digest of the International Electron Devices Meetingの75ページにある、Hergenrotherらによる「The Vertical Replacement-Gate (VRG)MOSFET:A 50−nm Vertical MOSFET with Lithography-Independent Gate Length」を参照されたい。VRGトランジスタの構造はリソグラフィに伴う限界を克服し、トランジスタの幾何学的構成(geometry)を全体として小さくした。この改善は、たとえばSRAM回路など高密度回路のレイアウトを形成することを可能にした。しかし依然として、回路レイアウトの面積をさらに縮小し、線抵抗などの性能に関する限界をさらに低減することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体デバイスに関して集積のレベルをさらに高めるために、半導体層の中または半導体層に隣接した領域の間を接続するための構造が提供される。全体として、主表面が平面に沿って形成された半導体層を有する集積回路構造は、表面の中で離れた位置に形成される第1のドープ領域と第2のドープ領域とを含む。第1の領域とは伝導形が異なる第3のドープ領域が第1の領域の上に置かれる。金属を含む導電層は、第1の領域と第2の領域の間で、表面の上に形成され、ドープ領域の間に電気接続を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、半導体デバイスは半導体材料の第1の層と、第1の層の中に形成された第1のソース/ドレイン領域を有する第1の電界効果トランジスタとを含む。トランジスタのチャネル領域は第1の層の上に形成され、関連する第2のソース/ドレイン領域はチャネル領域の上に形成される。このデバイスはまた、第1の層の中に形成された第1のソース/ドレイン領域を有する第2の電界効果トランジスタも含む。第2のトランジスタのチャネル領域は第1の層の上に形成され、関連する第2のソース/ドレイン領域はチャネル領域の上に形成される。金属を含む導電層は各トランジスタの第1のソース/ドレイン領域の間に置かれ、1つの第1のソース/ドレイン領域から他の第1のソース/ドレイン領域へ電流を導く。
【0007】
関連する製造方法では、集積回路構造は、デバイスの形成に適し第1の平面に沿って形成された表面を有する半導体層を提供することによって製造される。離れた位置にある第1のトレンチと第2のトレンチが半導体層の上に形成され、導体層は半導体表面の上に形成されて、第1のトレンチと第2のトレンチとの間に広がる。複数の誘電体層が金属の導体層の上に形成され、第1のドープ領域、第2のドープ領域、および第3のドープ領域を伴う垂直型トランジスタが第1のトレンチの中に形成される。第1のドープ領域のうち少なくとも一部が、金属の導体層と電気的に接触して、半導体層の中に形成される。
【0008】
半導体デバイスを製造する別の関連する方法では、電界効果トランジスタのソース領域とドレイン領域からなるグループから選択された第1のデバイス領域は、半導体層の上に形成され、また、電界効果トランジスタのソース領域とドレイン領域からなるグループから選択された第2のデバイス領域は、同じく半導体層の上に形成される。導体層は第1のデバイス領域と第2のデバイス領域に隣接した位置におかれ、第1のデバイス領域と第2のデバイス領域との間に電気接続を実現する。第1の電界効果トランジスタゲート領域は第1のデバイス領域および導体層の上に形成され、第2の電界効果トランジスタゲート領域は第2のデバイス領域および導体層の上に形成される。
【0009】
本発明は、付随する図と共に次の詳細な説明を読むことにより、最良に理解される。
【0010】
一般的な慣行にしたがい、種々の記述された特徴はスケール通りに描かれているのではなく、本発明に関連する特定の機構を強調するように描かれている。図と本説明を通じて、同様の数字は同様の要素を示す。
【0011】
記述される実施形態は相補形MOS(CMOS)技術に基づく。NMOSトランジスタに組み込まれたPMOSトランジスタを有するCMOS集積回路はよく知られており、CMOS垂直MOSFETを製造する工程は、参照により本明細書に援用される、1999年6月18日に提出された「A CMOS Integrated Circuit Having Vertical Transistors and a Process for Fabricating Same」という題名の米国出願番号第290533号に記述されている。垂直型トランジスタMOSFET(NMOSタイプまたはPMOSタイプのいずれか)の製造に関するより全体的な説明は、参照により本明細書に援用される、共に譲渡された米国特許第6027975号に教示されている。さらに別の、共に譲渡された関連出願である、2000年3月20日に提出された米国出願番号第341,190号は、垂直MOSFETにおいてシリサイド(ケイ素化合物)を使用することを教示している。
【0012】
集積回路の中のトランジスタの製造に関して、主表面という用語は半導体層の表面を意味し、その周囲には、たとえば平坦化プロセスで複数のトランジスタが作成される。本明細書では「垂直」という用語は主表面に対してほぼ直交しているという意味であり、たとえば、典型的には、単結晶シリコン層の<100>の平面に沿ってその上にトランジスタデバイスが作成される。
【0013】
垂直型トランジスタという用語は、ソースからドレインへ流れる電流が垂直に流れるように、主表面に対して垂直に方向づけられた個別の半導体構成要素を伴うトランジスタを意味する。例として垂直FETに関しては、ソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域は主表面に対して比較的垂直な配列で形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による、製造の連続的な段階の間の回路構造を断面図で示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、製造の連続的な段階の間の回路構造を断面図で示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、製造の連続的な段階の間の回路構造を断面図で示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、製造の連続的な段階の間の回路構造を断面図で示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、製造の連続的な段階の間の回路構造を断面図で示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、製造の連続的な段階の間の回路構造を断面図で示す図である。
【図7】本発明の特徴を組み入れた回路の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜6は、本発明にしたがって、例としての回路機能を構成するための種々の製造段階における、集積回路構造10の部分的な断面図を示す。図の上に概念的な記号を重ねて、完全な回路を提供するために構造10の他の領域に作成される場合のある接続を示す。この記述から、複数の垂直CMOSトランジスタが単体として、または、たとえばバイポーラトランジスタ、コンデンサまたは抵抗器など他のデバイスと組み合わせて構成されて集積回路を形成し得る方法が明らかになる。図6の完成した回路構造は、半導体層の主表面の上に平面に沿って一対の離れたドープ領域(ソース/ドレイン領域)の間に形成された導電層を示す。導電層は平面の上に置かれ、ドープ領域の間に電気接続を提供する。
【0016】
図1を参照すると、結晶平面に沿い、層100の上部の上に形成された、暴露された主表面106を有する単結晶半導体層100が示されている。従来の手段で表面106の中に形成された分離トレンチ108は、堆積シリコン酸化物110で満たされている。トレンチの目的は、例としてのトランジスタの対が形成されるその下にある2つの領域の間に電気的な分離を実現することである。この例では、電気的に分離されたNタイプのタブ領域112とPタイプのタブ領域114を表面の中に形成してから、領域112と114の対の上に、接続するCMOS垂直型トランジスタの対を形成する。図示された領域112と114の対は従来、各領域がトレンチ108の異なる側面に接するように形成されてきた。たとえば、Nタイプのタブ領域112は、ホウ素の注入(300〜500keV、1×1013/cm)により形成されてもよく、Pタイプのタブ領域114はリンの注入(phosphorous implant)(300〜500keV、1×1013/cm)を受ける場合がある。
【0017】
領域112と114の形成に続いて、Pタイプのソース/ドレイン領域116が領域112の中に形成され、Nタイプのソース/ドレイン領域118が領域114の中に形成される。どちらのソース/ドレイン領域も表面106に沿っており、たとえばタブ領域112の上に、3×1015/cm〜10×1015/cmの50〜100keVのホウ素の注入と、タブ領域114の上に3×1015/cm〜10×1015/cmの50〜100のkeVのリンの注入など、イオン注入によって形成される場合がある。
【0018】
図2を参照すると、ソース/ドレイン領域116と118に隣接するかまたはその上に置かれ、分離トレンチ108の上に広がる導電層120を始めとして、多数の層が半導体層100の上に形成される。面抵抗を低減するために、導電性の材料は金属を含み、好ましい実施形態では、CVDによって形成されるタングステンシリサイド(WSi)などの金属シリサイドである。交互の材料は、コバルトシリサイドまたはチタンシリサイド、および、チタン窒化物およびタングステン窒化物を含む。特に、50ohm/平方より少ない抵抗性を有する他の面積抵抗の低い材料を使用して導電層120を形成する場合がある。
【0019】
薄い層122を始めとして、誘電体材料のいくつかの層が導電層120の上に形成される。この層122は、好ましくはシリコン窒化物で形成され、約5nmから約50nmの間の厚さを有して、NタイプのドーパントとPタイプのドーパントに対して拡散を防ぐ役割を果たす。層122の上に、比較的厚い絶縁層124が堆積し、ついで、別の薄い絶縁層126が堆積する。
【0020】
さらに図2を参照すると、シリコン酸化物からなる層130が、シリコン窒化物層126の上に堆積する。この層130は後に、上記の’975特許に教示された置換ゲートプロセスにしたがって除去される。しかし、層130の厚さは、続いて形成されるFETゲートの長さを画定する。このシリコン酸化物はテトラエチルオルトシリケート(TEOS)前駆物質からの従来の堆積物である場合もある。
【0021】
次に、絶縁層134、136、および138がシリコン酸化物層130の上に堆積する。層134は好ましくはシリコン窒化物であり、厚さは層126と同じである。層130の側面にそれぞれ接した2つの薄い層126と134は、オフセットスペーサ機能を提供する。これらは各々、約5nm〜約50nmの間の厚さを有し、一般には、層130の材料を除去する間にエッチングに抵抗する材料を含む。層126と134は両方とも、NタイプのドーパントとPタイプのドーパントに対して拡散を防ぐ役割を果たし、次に形成されるソース/ドレイン拡張領域の、各トランジスタのゲートに対する間隔を画定する。
【0022】
次の処理の間、絶縁層124と136は、ソリッドソース拡散(solid source diffusion)を通じて各トランジスタのまだ形成されていないソース/ドレイン拡張領域をドーピングする役割を果たし、ゲート酸化物に隣接する活性領域に抵抗性の低い電気接触をつくる。この目的のために、これらは高密度(1×1021/cmのオーダ)のドーパントを含む。NMOS FETでは、適切なドーパントはリンであり、PMOS FETではホウ素である。両方のタイプのトランジスタを作成するために、層124と136をマスキングして、対応するトランジスタの近くに適切なドーパントを提供しなければならない。これを達成する1つの手段は、1つのドーパントタイプの均一なフィルムを堆積させ、次に、従来のリソグラフィでエッチングして層の一部を除去し、次に反対のドーパントタイプの層を選択的に堆積させ、次にCMPを使用して両方の層を平坦化することである。このプロセスは層124と136の各々について実行される。層124と136の厚さを使用して、次に形成されるドレイン拡張領域の長さを制御する。
【0023】
層136はTEOS堆積酸化物であり、層134の上に形成され、材料の組成と厚さの点で層124に匹敵する。好ましくは、層138もシリコン窒化物の薄い層であり、一般には層122、126、および134と同じ材料で同じ厚さで形成すべきである。すなわち、続く処理の中では層138はCMP抑止層として機能し、たとえば少なくとも約25nmなど、この機能に適した厚さを有する。この層138はまた、NタイプのドーパントとPタイプのドーパントの両方に対して拡散を防ぐ役割も果たす。層122、124、126、130、134、136、および138はすべて、従来の化学蒸着(CVD)プロセスまたは別のよく知られた蒸着技法を使用して堆積してもよい。上記の一連の層に関して、別の実施形態はたとえば、レイヤの数を減らすなど大きな変更を含む場合があり、その時はトランジスタの各々に対してチャネル領域が垂直になるという結果になることに留意されたい。
【0024】
図2はまた、Nタイプのタブ領域112の上の第1のトレンチ142と、Pタイプのタブ領域114の上に形成された第2のトレンチ144を示す。トレンチは従来のフォトレジストのパターニングと、それに続く異方性のエッチングで、ソース/ドレイン領域116および118の多数の絶縁層の一部とストッピングの一部を除去することによって形成される。トレンチ142および144の形成という結果をもたらすエッチングの化学と他の詳細はよく知られており、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0025】
次に、選択的等方性エッチングをトレンチ142および144の各々の中で実行して、導電層120の、異方性のトレンチエッチングにより暴露された部分を除去することによって、各トレンチの中にくぼみ146を作成する。図3を参照のこと。導電層120の組成に依存して、エッチングの化学は変化する。たとえば、選択的ケイ素化合物ウェットエッチングに適した化学は、硫酸と過酸化水素の混合物である。
【0026】
くぼみ146の形成に続き、薄いコンフォーマル(conformal)なシリコン酸化物層148がトレンチ142および144の壁に沿って堆積し、同様に層138の暴露された表面上にも堆積する。酸化物層148は、くぼみ146の中に堆積し、同様にトレンチの他の壁部分に沿って堆積する。図4を参照のこと。
【0027】
異方性エッチングにより、シリコン酸化物材料148はトレンチ142および144の壁部分から除去されるが、シリコン酸化物誘導体の領域150はくぼみ146の中にとどまる。図5を参照のこと。誘導性領域150はシリコン酸化物を含むが、他の絶縁体(ドープされた材料またはドープされていない材料)を適用してもよい。
【0028】
ソース/ドレイン領域116および118の一部をトレンチエッチングプロセスにより暴露すると、トレンチ142および144の底でこれらの領域から単結晶シリコンがエピタキシャルに成長して、トレンチ142の中のチャネル領域160の上と下にソース/ドレイン拡張領域152を作成し、また、トレンチ144の中のチャネル領域162の上と下にソース/ドレイン拡張領域154を作成するのに適した、デバイス品質の結晶シリコン層が形成される。図6を参照のこと。チャネル領域160はソース/ドレイン領域116の上に形成され、ドープされていない場合もあり、Nタイプの材料で軽くドープされている場合もある。チャネル領域162はソース/ドレイン領域118の上に形成され、ドープされていない場合もあり、Pタイプの材料で軽くドープされている場合もある。チャネル領域160および162を形成するために使用される半導体材料は、単結晶シリコン−ゲルマニウム、またはシリコン−ゲルマニウム−炭素、または他の半導体材料であってもよい。さらに、トレンチの中に形成される結晶性の材料は、アモルファス層または多結晶の層として堆積し、続いてたとえば、従来のアニールによって再結晶化する場合がある。トレンチ142および144の上に堆積した半導体材料の一部は、たとえばCMPによって除去され、堆積した単結晶性の層をシリコン窒化物層138で平坦化する。パッド領域164および166は次に、標準の堆積、注入、リソグラフィおよびエッチング技法によって形成される。領域164および166は適切にドープされて、各関連するチャネル領域160または162に対して、ソース/ドレイン領域を提供する。
【0029】
PMOSトランジスタ180およびNMOSトランジスタ190は従来の処理により、領域112および114の上で完成する。パッド領域164および166は、シリコン窒化物などの誘導性材料の中に完全に包まれる。層192と202を参照のこと。これらの層が形成されると、シリコン酸化物層130は(たとえば、選択的HFエッチングにより)除去され、薄いゲート酸化物誘電領域210が熱によって成長する。ポリシリコンゲート領域200の堆積が続く。
【0030】
各トランジスタに関して、ゲート導体領域200がゲート酸化物領域210に隣接して形成されて、チャネル領域160または162を介して伝導を制御する。ゲート伝導体領域200は導電層120の上に形成されるが、絶縁層122、124および126によって導電層120とは分離している。シリコン窒化物の層134の一部とシリコン酸化物層136の一部は、導体領域200の上に置かれる。絶縁層192は各ソース/ドレイン領域164および166の一部をカバーし、各プラグ164、166の相対する側面に隣接した誘電スペーサ202が、従来のシリコン窒化物で好ましく形成される。ゲート入力接触220はゲート伝導体領域の両方に接続され、トランジスタ180および190の各々を交互に導電状態にする。
【0031】
導電層120は、好ましくは、トランジスタ180のソース/ドレイン領域116をトランジスタ190のソース/ドレイン領域と電気接続する連続的なフィルムである。絶縁体領域150は、ソース/ドレイン領域116または118に隣接する、対応するソース/ドレイン拡張領域152と154の各々と、導電層120が直に接触しないように分離する。絶縁体領域が存在しなかった場合、導体層120と結晶シリコンとの間のインタフェースに、電気的な性能に影響を与える転位が発生する。ソース/ドレイン領域の間を接続させる面積集約的な接触ウィンドウを除去することに加え、導体層120は、領域116と118の間に面積抵抗が低いパスを提供する。
【0032】
ソース/ドレイン領域164および166が、たとえばVddとVssなど異なる電圧レールに接続されたソース領域として機能し、ソース/ドレイン領域116および118がドレイン領域として機能すると、トランジスタは、ゲート入力接触部220に供給される信号に作用するインバータ回路240を形成する。インバータ出力信号はドレイン領域114および116から、導電層120に沿って、出力接触242に送信される。トランジスタ180および190の形成に関係するほかの詳細はよく知られている。2000年のProceedings of the International Solid-State Circuits Conferenceの134ページにある、Monroeらの「The Vertical Replacemnet-Gate(VRG)Process for Scalable, General-purpose Complementary Logic」を参照されたい。
【0033】
インバータ回路240の対は、2つのNタイプのVRGパストランジスタ260および270に組み合わされて、SRAMセル280を形成する場合がある。各パストランジスタ260および270のゲート電極272と、ワード線274の接続を概念的に示す図7を参照されたい。パストランジスタ260のソース274は、ビット線278上の信号に接続され、パストランジスタ270のソース276は、逆ビット線280に接続されて、ビット線278上に提供された信号とは逆の信号を受信する。
【0034】
回路構造の中の半導体領域での、抵抗の低い相互接続に役立つ構造が説明された。好ましい実施形態は集積回路を含む。本発明の特定の用途を示したが、ここに開示された原理は、本発明を種々の回路構造について種々の方法で実行するための基礎を提供し、その中には、III−V化合物および他の半導体材料で形成された構造が含まれる。例としての実施形態はVRG MOSFETに関するものであったが、多くの変形例が企図されている。これらには、層120などの導体層を使用して、他のタイプの半導体デバイス(垂直バイポーラトランジスタデバイス、ダイオードおよびさらに一般的には拡散領域など)を半導体層の中の他のデバイスまたは領域に接続することを含む。ここに明白には特定されていないさらに他の構成も本発明の範囲から逸脱するものでなく、本発明は首記の請求項によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0035】
10 集積回路構造
100 単結晶半導体層
106 主平面
108 分離トレンチ
110 堆積シリコン酸化物
112 Nタイプのタブ領域
114 Pタイプのタブ領域
116 Pタイプのソース/ドレイン領域
118 Nタイプのソース/ドレイン領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層の中または半導体層に隣接した領域の間を接続するための集積回路構造であって、
平面に沿って形成された主表面を有する半導体層と、
該平面から該表面の中に延長する離れた位置に形成された、該半導体層に付随する第1のドープ領域および第2のドープ領域と、
該平面の上に位置し、該第1のドープ領域の上にある、該第1のドープ領域とは伝導形が異なる単結晶の第3のドープ領域を含む、該主表面に対して垂直に形成されるMOSFETと、
前記第1のドープ領域と前記第2のドープ領域の間で前記平面の上に形成された導電層であって、前記ドープ領域の間に電気接続を提供する導電層とを備える集積回路構造。
【請求項2】
前記第1のドープ領域はMOSFETの第1のソース/ドレイン領域であり、前記第3のドープ領域は該MOSFETのチャネル領域である請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記第2のドープ領域はトランジスタの一部である請求項2に記載の構造。
【請求項4】
前記第2のドープ領域は前記主表面に対して垂直に形成された第2のMOSFETに関連する第2のソース/ドレイン領域であり、前記構造はさらに、前記第2のソース/ドレイン領域と並ぶ前記第2のMOSFETのチャネル領域を備える請求項2に記載の構造。
【請求項5】
前記第2のドープ領域の上にあり、該第2のドープ領域とは伝導形が異なる第4のドープ領域と、
該第4のドープ領域の上にあり、前記第2のドープ領域と伝導形が同じ第5のドープ領域と、
前記第3のドープ領域の上にあり、前記第1のドープ領域と伝導形が同じ第6のドープ領域とをさらに含み、
前記第1の領域、第2のドープ領域、第3のドープ領域、第4のドープ領域、第5のドープ領域、および第6のドープ領域ならびに導電層は2つの相互接続されたトランジスタとして構成される請求項1に記載の構造。
【請求項6】
前記第1のドープ領域および前記第2のドープ領域は、第1のソース/ドレイン領域および第2のソース/ドレイン領域であり、前記第3のドープ領域はチャネル領域である請求項1に記載の構造であって、該構造はさらに、
前記第2のソース/ドレイン領域の上に形成された第2のチャネル領域と、
前記チャネル領域のうちの一方(160)および前記第1のソース/ドレイン領域(116)と垂直に並び離れた位置にある第3のソース/ドレイン領域(152)、ならびに前記チャンネル領域のうちの他方(162)および前記第2のソース/ドレイン領域(118)と垂直に並び、離れた位置にある第4のソース/ドレイン領域(154)と、
両方のトランジスタの動作を同時に制御するように接続された導電素子とを備える請求項1に記載の構造。
【請求項7】
半導体デバイスであって、
半導体材料の第1の層と、
該第1の層の中に形成された第1のソース/ドレイン領域と、該第1の層の上に形成されたチャネル領域と、該チャネル領域の上に形成された第2のソース/ドレイン領域とを有する、該第1の層に対して垂直な第1の電界効果トランジスタと、
前記第1の層の中に形成された第1のソース/ドレイン領域と、該第1の層の上に形成されたチャネル領域と、該チャネル領域の上に形成された第2のソース/ドレイン領域とを有する、該第2の層に対して垂直な第2の電界効果トランジスタと、
該第1の層と該第1の電界効果トランジスタの間に延長する平面内の導電層であって、前記各トランジスタの第1のソース/ドレイン領域の間に置かれた金属を有し、1つの第1のソース/ドレイン領域から他の第1のソース/ドレイン領域へ電流を導く導電層とを備える半導体デバイス。
【請求項8】
半導体材料の第1の層に対して垂直に形成された複数の電界効果トランジスタを伴う半導体デバイスを製造する方法であって、
該電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域から成るグループから選択された第1のデバイス領域を半導体層の内に形成するステップと、
前記電界効果トランジスタのソース領域およびドレイン領域から成るグループから選択された第2のデバイス領域を前記半導体層の上に形成するステップと、
前記第1のデバイス領域と前記第2のデバイス領域に隣接して、金属を含む導体層を形成して、該第1のデバイス領域と該第2のデバイス領域との間に電気接続を実現するステップと、
前記第1のデバイス領域と前記導体層の上に第1の電界効果トランジスタゲート領域を形成するステップと、
前記第2のデバイス領域および前記導体層の上に第2の電界効果トランジスタゲート領域を形成するステップとを含む方法。
【請求項9】
半導体材料の層に対して垂直に形成された複数のトランジスタを伴う半導体デバイスを製造する方法であって、
半導体層の内の離れた位置の第1の拡散領域と第2の拡散領域を形成するステップと、
該第1の拡散領域と該第2の拡散領域との間に導体層を置いて、電気接続を実現するステップと、
第3の半導体領域および第4の半導体領域を、各々、離れた位置にある拡散領域のうち異なる1つの上で、前記半導体層の上に形成するステップと、
第5の半導体領域および第6の半導体領域を、各々、前記第3の半導体領域および前記第4の半導体領域のうち異なる1つの上に形成するステップであって、前記第3の領域および前記第5の領域は前記第1の領域および前記第2の領域のうち1つと垂直に並び、前記第4の領域および前記第6の領域は前記第1の領域および前記第2の領域の別の1つと垂直に並び、その結果できた構造は各々が他のトランジスタに接続された領域を有する2つのトランジスタを提供するステップとを含む方法。
【請求項10】
半導体材料の層に対して垂直に形成された複数のトランジスタを有する集積回路構造を製造する方法であって、
その上にデバイスを形成するのに適した半導体層を提供するステップであって、該層は第1の平面で形成された表面を含むステップと、
該半導体層の上で、離れた位置に第1のトレンチおよび第2のトレンチを形成するステップと、
該第1のトレンチと該第2のトレンチとの間で該半導体表面の上に広がる導体層を形成するステップと、
金属の導体層の上に複数の誘電体層を形成するステップと、
前記第1のトレンチの中に第1のドープ領域、第2のドープ領域、および第3のドープ領域を伴う垂直型トランジスタを形成し、該第1のドープ領域の少なくとも一部は前記半導体層の中に形成され前記金属導体層と電気接触するステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−62574(P2010−62574A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234206(P2009−234206)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【分割の表示】特願2001−256229(P2001−256229)の分割
【原出願日】平成13年8月27日(2001.8.27)
【出願人】(500587067)アギア システムズ インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】