応力制御を伴う窒化シリコン膜
アセンブリは、互いに重ねて形成された窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物スタックを備え、これら窒化物エッチストップ層の各々は、膜形成プロセスを使用して形成される。多層窒化物スタックを形成する方法は、単一ウエハ堆積チャンバに基板を配置し、堆積の直前に基板に熱的ショックを与えることを含む。第1の窒化物エッチストップ層が基板上に堆積される。第2の窒化物エッチストップ層が第1の窒化物エッチストップ層上に堆積される。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は、半導体デバイスにおいて制御された応力(引張り又は圧縮)を機械的に生成するための窒化物エッチストップ膜及び多層窒化物エッチストップスタックを形成する方法に関する。
【背景】
【0002】
[0002]今日の集積回路は、半導体に形成される非常に多くのトランジスタ、キャパシタ、レジスタ又はその他の半導体デバイスを含む。デバイスが小さくなるほど、それは、デバイスの性能を高めデバイスの信頼性を増すための鍵となってくる。しかしながら、デバイスを小さくするにつれて、そのための技術はより複雑となり、1つの世代のデバイスから次の世代のデバイスへと予想された性能の向上を維持するには新しい方法が必要とされてくる。これは、主として、ミクロ電子工学の主たる半導体材料、すなわち、シリコン(Si)、又は、より広義では、Siベースの材料に関連してくる。デバイス性能の最も重要な尺度は、キャリア移動度である。深部サブミクロン生成のデバイスにおいてキャリア移動度を高く保つのは非常に難しい。キャリア移動度をより良くするのに期待できる方法は、デバイス製造のための原材料として使用される半導体をわずかに変性させることである。張力で歪まされたSiがキャリア特性に影響を及ぼすことは知られており、そのことは、最近において更に研究されてきている。チャネル領域における機械的応力は、MOSデバイスの性能及び信頼性に著しく影響する。(例えば、カリフォルニア州サンフランシスコ、IEDM2000、NECコーポレーションのイトー氏等による「エッチストップ窒化物の機械的応力効果及び深部サブミクロントランジスタ構造に対するその影響(Mechanicalstress effect of etch-stop nitride and its impact on deep submicron transistordesign)」参照)。窒化物エッチストップ膜によりSi基板に引張り応力が生ぜしめられることは知られている。従って、MOSデバイスの製造において高応力窒化物エッチストップ膜について多くの関心が寄せられている。
【0003】
[0003]引張り応力は、MOSデバイスのチャネルにおいて応力(その下のシリコンにおける歪へ変換される)を生成するための窒化物エッチストップを形成することによって得られる。デバイス移動度は、チャネルに歪を導入することによって広く検討されてきている。この種の1つの技術は、コンタクトエッチストップ窒化物層をストレッサーとして使用することである。増大されたキャリア移動度及び速度を介して増大されたデバイス電流を達成するため、より高い特定の応力レベルを満足するのにより厚い窒化物層が使用される。
【概要】
【0004】
[0004]本発明の1つの態様は、膜形成プロセスを使用して互いに重ねて形成された窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物スタックを備えるアセンブリに関する。
【0005】
[0005]本発明の別の態様は、単一ウエハ堆積チャンバに基板を配置するステップと、堆積の直前に基板に熱的にショックを与えるステップとを含む多層窒化物スタックを形成する方法に関する。第1の窒化物エッチストップ層が基板上に堆積される。第2の窒化物エッチストップ層がその第1の窒化物エッチストップ層上に堆積される。
【0006】
[0006]本発明の他の態様は、単一ウエハ堆積チャンバに基板を配置するステップと、堆積の直前に基板に熱的にショックを与えるステップとを含む窒化物エッチストップ層を形成する方法に関する。その窒化物エッチストップ層は、基板上に堆積される。
【0007】
[0007]本発明の別の態様は、基板上に窒化物スペーサーを形成し、次いで、窒化物エッチストップ層又は多層窒化物エッチストップスタックを形成する方法に関する。その窒化物スペーサーは、下の膜上(基板上)に形成又は堆積される。1つの態様では、基板は、その窒化物スペーサーの形成又は堆積前に熱的にショックを与えられる。他の態様では、窒化物エッチストップ層が窒化物スペーサー上及び基板上に形成される。別の態様では、基板は、窒化物エッチストップ層の形成前に熱的にショックを与えられる。他の態様では、少なくとも2つの窒化物エッチストップの層を備える多層窒化物エッチストップスタックが窒化物スペーサー上及び基板上に形成される。別の態様では、基板は、多層窒化物エッチストップスタックのうちの少なくとも1つの層又は多層窒化物エッチストップスタックの層のすべての形成前に、熱的にショックを与えられる。
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、同様の要素には同様の参照符号を付して示す添付図面に、これに限定する意味ではなく、一例として例示されている。本発明は、本発明の実施形態を例示するのに使用されている添付図面及び以下の説明を参照することによって最も良く理解されよう。ここで注意すべきことは、以下の説明において、本発明の“1つの”実施形態へ参照するとは、必ずしも同じ実施形態を参照するということではなく、それらのうちの少なくとも1つの実施形態を参照するという意味であるということである。
【詳細な説明】
【0009】
[0021]典型的な実施態様について、その特定の構成及び技法に関して説明する。特許請求の範囲の記載の範囲内で種々な変形及び変更がなされうることは、当業者には理解されよう。更に又、よく知られた要素、デバイス、コンポーネント、回路、処理ステップ等については詳述しない。
【0010】
[0022]本発明の典型的な実施形態は、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ構造のチャネルの如き半導体デバイスにおいて制御された応力(引張り又は圧縮)を機械的に生成するための多層窒化物エッチストップ膜を形成する技術に関する。又、本発明の典型的な実施形態は、同様の半導体デバイスにおいて制御された応力(引張り又は圧縮)を機械的に生成するための窒化物エッチストップ膜を形成する新規な技術にも関する。
【0011】
[0023]図1Aは、典型的な半導体デバイス9(例えば、MOSトランジスタ)を例示している。図1Aは、半導体デバイス9において引張り応力を生成するためデバイス9に組み入れられた引張り応力誘導層として作用する窒化物エッチストップ層を例示している。デバイス9は、ソース15及びドレイン16の領域を生成した基板12を含む。基板12は、当業分野にて知られるように、ソース領域15及びドレイン領域16を生成するため注入されている。デバイス9は、酸化シリコン、窒化された酸化シリコン、酸化物-窒化物-酸化物、又は高-K誘電体の如き薄いゲート誘電体層18によって基板12のチャネル領域13から分離されているゲート電極10を含む。ゲート電極10は、典型的には、そのゲート電極10の抵抗を最小とするため、ポリシリコンの如きドープされた半導体材料で形成される。このゲート電極10の材料は、又、金属でもよい。ゲート電極10及び誘電体層18は、ほぼ、ソース領域15とドレイン領域16との間に形成される。ゲート電極10及び誘電体層18を生成する方法は、当業分野において知られている。以下に説明する実施形態を使用して形成される窒化物エッチストップ層17は、ソース領域15及びドレイン領域16並びにゲート電極10を覆うようにして基板12上に堆積される。
【0012】
[0024]ソース領域15及びドレイン領域16は、ゲート電極10及びゲート誘電体層18の両側に形成される。ゲート電極及びソース/ドレイン領域に対する抵抗を減ずることによりコンタクトを改善するためゲート電極10、ソース領域15及びドレイン領域16上にケイ化物が形成される(図示せず)。ケイ化物は、コバルト又はニッケルの如き金属材料で形成される。ケイ化物膜が含まれる実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、そのケイ化物上及び前述した構造のすべてを含む基板12上に形成される。
【0013】
[0025]1つの実施形態では、デバイス9は、ゲート電極10の各側に形成されたスペーサー14を含む。ポリサイド製造プロセスの如きある特定の実施形態では、スペーサー14は、ゲートスタック(ゲート誘電体及びゲート電極)が製造中にソース及び/又はドレイン金属コンタクトに対して短絡させられないようにするために使用される。しかしながら、スペーサーのない実施形態も可能である。スペーサー14が含まれるときには、基板12上に形成される窒化物エッチストップ層17は、スペーサー14をも覆う。
【0014】
[0026]ある実施形態では、ゲート電極10、ソース領域15及びドレイン領域16へのコンタクトのため、窒化物エッチストップ層17に経路が生成される。導電性トレース(例えば、メタリゼーション)(図示していない)が、窒化物エッチストップ層17の上部に、ソース領域、ドレイン領域及びゲート領域に達するようにそれら経路を通して形成される。
【0015】
[0027]窒化物エッチストップ層17は、ソース領域15、ドレイン領域16、ゲート誘電体層18、ゲート電極10及びスペーサー14を覆うようにして基板12の上に形状が一致するように形成される。1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、引張り応力又は等価な歪をシリコンチャネル12へ導入するための引張り応力誘導層として作用する。この引張り応力は、電子移動度を高め、そして、駆動電流及び回路性能を増大させる。
【0016】
[0028]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、約2000−1000オングストロームの厚さを有し、且つ約1−2ギガパスカル(GPa)の真性膜応力を有する。窒化物エッチストップ層17は、引張り応力を基板12内に、1つの実施形態では、チャネル領域13に誘導する(図1A−図1B)。1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、チャネル領域13又は基板12に約150−450メガパスカル(MPa)の範囲の引張り応力を誘導する。
【0017】
[0029]1つの実施形態では、基板12は、トランジスタ、キャパシタ及びレジスタの如き半導体デバイスを形成するのに典型的に使用される半導体基板である。基板12は、又、当業分野において知られる単結晶シリコン、多結晶シリコン、シリコン・オン・インシュレータ、シリコン・オン・シリコンゲルマニウム又は他の適当な半導体基板を含む。
【0018】
[0030]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、基板12が窒化物エッチストップ層17の堆積前に熱的ショックを受ける単一ウエハ堆積チャンバ(以下参照)にて形成される。基板への熱的ショックを与えるのは、窒化物エッチストップ層の堆積の直前又は直前に素早く(quicklyjust immediately or momentarily)対象物を処理温度に至らせることにより行われる。基板は、堆積前のある期間(予熱)の間はその処理温度に対して平衡状態又は安定化状態とはされていない。1つの実施形態では、基板12は、通常の方法を使用して形成されたゲートスタック(ゲート誘電体層18及びゲート電極10)、ソース及びドレイン領域15及び16、及びスペーサー14を備える。窒化物エッチストップ層17は、図1Aに示されるように、基板12上にコンフォーマル膜として形成される。基板12は、単一ウエハ堆積チャンバ内に配置される。このチャンバは、所望の処理温度及び処理圧力に設定される。基板12は、最初に、例えば、堆積チャンバのヒータに接触させないことにより、低温に保たれる。基板12は、窒化物エッチストップ層17の堆積の直前に処理温度に曝される。従って、基板12は、窒化物エッチストップ層17の堆積前ではその処理温度に対して平衡状態又は安定化状態とはされていない。1つの実施形態では、基板12に熱的ショックを与えると、引張り応力が約5−15%増大し、窒化物エッチストップ層17自体においても、チャネル領域13又は基板12においても、その真性応力が約5−15%増大する。窒化物エッチストップ層17を堆積する前に基板12に熱的ショックを与えると、窒化物エッチストップ層を形成する通常の方法に比べて、膜の真性応力がより良くなり、又、チャンネル領域の引張り応力がより良くなる。
【0019】
[0031]処理温度は、特定の前駆物質に対して最適な(例えば、特定のシリコンソースガス及び窒化ソースガスに対して最適な)範囲に従って選択される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃である。
【0020】
[0032]処理圧力は、堆積チャンバを低圧力堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0021】
[0033]窒化物エッチストップ層17は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを前駆物質として使用して堆積される。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、ビス第三ブチルアミノシラン(BTBAS)であり、窒化ソースガスは、アンモニア(NH3)である。他の実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、ジクロロシラン(DCS)、ヘキサクロロジシラン(HCD)、テトラヨウ化シリコン(SiI4)、塩化シリコン(SiCL4)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(Si(NMe2)4)、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン(CH3NHNH2)及びヒドラジノシラン(例えば、ビス(ジメチルヒドラジノ)メチルシラン、トリス(ジメチルヒドラジノ)t−ブチルシラン、トリス(ジメチルヒドラジノ)エチルシラン、ビス(ジメチルヒドラジノ)エチルシラン及びテトラキス(ジメチルヒドラジノ)シランの如き他のシリコンソース物質を使用して堆積される。窒化物ソースガスは、又、ヒドラジン(N2H4)でもよい。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きく100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。
【0022】
[0034]1つの実施形態では、BTBAS処理のための処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、シラン処理のための処理温度は、約550℃から約675℃の範囲である。更に別の実施形態では、ジシラン処理のための処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。
【0023】
[0035]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、1(NH3:BTBAS)より大きい比率でNH3及びBTBASを使用し、約675℃の処理温度及び約140トルの処理圧力を使用して、形成される。
【0024】
[0036]相補的MOS処理フローにおける如きある場合には、同じ集積回路ダイ又はNMOS構造のための同じ半導体ウエハにおいてP型チャネルMOS(PMOS)トランジスタのソース及び/又はドレインとなる半導体材料の領域は、引張り応力誘導層を形成する前に適当な層によって覆われる。この層は、その引張り応力誘導層を介してPMOSトランジスタ構造のチャネルに引張り応力が誘導されないように設計される。何故ならば、引張り応力は、このようなトランジスタ構造においてより高いキャリア移動度及び速度を与えないからである。
【0025】
[0037]図1Bは、デバイス9と類似のデバイスのチャネル領域に引張り応力を誘導する別の実施形態を例示している。図1Bに示すデバイス11は、ソース領域15及びドレイン領域16がそこに生成された基板12を含む。このデバイス11は、酸化シリコン、窒化された酸化シリコン、酸化物-窒化物-酸化物又は高K誘電体の如き薄いゲート誘電体層18によって基板12のチャネル13から分離されたゲート電極10を含む。ゲート電極10は、典型的には、このゲート電極10の抵抗を最小とするためポリシリコンの如きドープされた半導体材料で形成される。ゲート電極10の材料は、金属であってもよい。ソース領域15及びドレイン領域16は、ゲート電極10の両側に形成される。ゲート電極10及びゲート誘電体層18は、典型的には、ゲートスタックと称される。ゲート電極及びソース/ドレイン領域に対する抵抗を減ずることによりコンタクトを改善するため、ゲート電極10、ソース領域15及びドレイン領域16上にケイ化物が形成される(図示していない)。ケイ化物は、コバルト又はニッケルの如き金属材料で形成される。1つの実施形態では、デバイス11は、ゲート電極10の各側に形成されたスペーサー14を含む。ポリサイド製造プロセスの如きある特定の実施形態では、スペーサー14は、製造中にソース及び/又はドレイン金属コンタクトに対してゲートスタックが短絡させられないようにするために使用される。しかしながら、これらスペーサーなしの実施形態も可能である。
【0026】
[0038]デバイス11は、デバイス9と類似しているが、図1Aのデバイス9と違って、図1Bのデバイス11は、互いに重ねて形成された複数の窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物エッチストップスタック19を含む。1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19は、互いに重ねられた2つの窒化物エッチストップ層を有する二重窒化物エッチストップスタックである。複数の窒化物エッチストップ層の各々は、別個の膜形成又は堆積プロセスを使用して形成される。1つの実施形態では、構造要素がそこに形成された基板12は、堆積チャンバに配置される。第1の窒化物エッチストップ層が形成される。それから、基板12は、その堆積チャンバから外される。別の仕方として、基板12は、第2の窒化物エッチストップ層の堆積前に低温とされる。それから、第2の窒化物エッチストップ層が、第1の窒化物エッチストップ層の上部に形成され、多層窒化物エッチストップスタック19が形成される。窒化物エッチストップ層の複数の層は、各層を堆積するプロセスを繰り返すことにより形成される。1つの実施形態では、各層は、基板12が各窒化物エッチストップ層の堆積の直前に熱的ショックを受けた後に形成される。1つの実施形態では、各層は、別々の膜形成プロセスによって形成され、例えば、基板12は、各窒化物エッチストップ層が形成された後堆積チャンバから出され、次の窒化物エッチストップ層を形成するためその堆積チャンバへ戻される。
【0027】
[0039]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタックの各層は、互いに実質的に等しい厚さを有する。1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19は、互いに重ねて形成された2つの窒化物エッチストップ層を有する二重スタック膜である。この実施例では、各窒化物エッチストップ層は、約300オングストロームの厚さで、多層窒化物エッチストップスタック19の全体の厚さは、約600オングストロームとなる。勿論、多層窒化物エッチストップスタック19の厚さは、この多層窒化物エッチストップスタック19を組み入れる特定のデバイスのアプリケーション、リミテーション及び/又は構成に従って他の適当な厚さでよく、層数も適当な数でよい。
【0028】
[0040]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19の各層は、基板12が、その多層窒化物エッチストップスタック19の各層の堆積前に熱的ショックを受ける単一ウエハ堆積チャンバ(以下参照)にて形成される。1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19の各層は、窒化物エッチストップ層である。1つの実施形態では、基板12は、多層窒化物エッチストップスタック19の形成前に通常の方法を使用して形成されるゲートスタック(ゲート誘電体層18及びゲート電極10)、ソース領域15,ドレイン領域16及びスペーサー14を備える。多層窒化物エッチストップスタック19は、図1Bに示されるように、基板12上のコンフォーマル膜を構成する。
[0041]多層窒化物エッチストップスタック19を形成するため、基板12は、単一ウエハ堆積チャンバに配置される。そのチャンバは、所望の処理温度及び処理圧力に設定される。基板12は、最初に、例えば、堆積チャンバのヒータに接触させないことにより、低温に保たれる。基板12は、多層窒化物エッチストップスタック19の層を堆積する直前に処理温度に曝される。従って、基板12は、多層窒化物スタック19の各層の堆積前に処理温度まで予熱されないし、又、その処理温度の安定化状態とされていない。窒化物エッチストップの第1の層が形成される。それから、基板12は、冷却されるか、又は、そのチャンバから出される。それから、窒化物エッチストップの第2の層がそのチャンバにて形成される。基板12は、窒化物エッチストップ層の第2の層の堆積前に熱的ショックを受ける。
【0029】
[0042]1つの実施形態では、多層窒化物スタック19を形成することにより、チャネル領域における応力が約20%増大させられる。別の仕方として、多層窒化物スタック19における各層の堆積前に基板12に熱的ショックを与えることにより、引張り応力が約5−10%増大させられ、多層窒化物エッチストップスタック19及びチャネル領域13における両者の真性応力が約5−10%増大させられる。
【0030】
[0043]処理温度は、特定の前駆物質に対して最適な(例えば、特定のシリコンガス及び窒化ソースガスに対して最適な)範囲に従って選択される。多層窒化物エッチストップスタック19における層の各々に対して、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。処理圧力は、その堆積チャンバを低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0031】
[0044]多層窒化物スタック19における各層は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを前駆物質として使用して堆積される。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、窒化物エッチストップ層19の各層は、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランの如き他のシリコンソース物質を使用して堆積される。窒化ソースガスは、ヒドラジン(N2H4)でもよい。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。
【0032】
[0045]1つの実施形態では、BTBASプロセスを使用する多層窒化物エッチストップスタック19の各層のための処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、シランプロセスを使用する窒化物エッチストップスタック19の各層のための処理温度は、約550℃から約675℃の範囲である。更に別の実施形態では、ジシランプロセスを使用する窒化物エッチストップ層19の各層のための処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。
【0033】
[0046]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19の各層は、1(NH3:BTBAS)より大きい比率でNH3及びBTBASを使用し、約675℃の処理温度及び約140トルの処理圧力を使用して形成される。
【0034】
[0047]図2は、窒化物エッチストップ層17の真性応力が増大するにつれて、基板、例えば、チャネル領域13に誘導される引張り応力が増大することを例示している。例えば、約50nmの厚さの窒化物エッチストップ層17の場合には、その層に形成される真性応力が約1から1.8GPaまで増大するにつれて、チャネル領域13に誘導される平均応力は、約175MPaから約250MPaまで増大する。別の例として、約80nmの厚さの窒化物エッチストップ層17の場合には、その膜に形成される真性応力が約1から1.8GPaまで増大するにつれて、チャネル領域13に誘導される平均応力は、約200MPaから約340MPaまで増大する。従って、窒化物エッチストップ層17の真性応力を増大させると、チャネル領域13の引張り応力が一定の割合で増大する。
【0035】
[0048]図3は、窒化物エッチストップ層17の厚さを増大させると、チャネル領域13の応力が増大することを例示している。図3に示されるように、約1.2GPaの真性応力値を有する窒化物エッチストップ層17の場合には、窒化物エッチストップ層17の厚さが約20nmから約100nmまで増大するにつれて、チャネル領域に形成される平均応力は、約125MPaから260MPaまで増大する。又、約1.5GPaの真性応力値を有する窒化物エッチストップ層17の場合には、窒化物エッチストップ層17の厚さが約20nmから約100nmまで増大するにつれて、チャネル領域に形成される平均応力は、約160MPaから325MPaまで増大する。又、約1.8GPaの真性応力値を有する窒化物エッチストップ層17の場合には、窒化物エッチストップ層17の厚さが約20nmから約100nmまで増大するにつれて、チャネル領域に形成される平均応力は、約200MPaから380MPaまで増大する。従って、窒化物エッチストップ層17の厚さを調整することにより、チャネル領域13に誘導される平均引張り応力を調整することができる。
【0036】
[0049]更に又、図3は、多層窒化物エッチストップスタック19の如き多層窒化物エッチストップスタックを形成することにより、チャネル領域13に形成される引張り応力を増大させる(単一窒化物エッチストップ層17に比べて)ことができることをも例示している。ある特定の厚さでは、窒化物エッチストップ層が、同じ特定の厚さの単一層(例えば、窒化物エッチストップ層17)と違って多層(例えば、多層窒化物スタック19又は二重窒化物スタック)であるときには、チャネル領域13に形成される引張り応力は、多層窒化物層の場合の方が実質的により高くなる(例えば、約20%より高い)。従って、膜の厚さを不必要に増大させることなしにチャネル領域の引張り応力の値を増大するためには、窒化物エッチストップ層を、多層窒化物エッチストップスタック19として形成する。例えば、図3に示されるように、1.2GPa、1.5GPa又は1.8GPaの真性値を有する互いに重ね合わせて形成した2つの窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物エッチストップスタック19では、チャネル領域に誘導される平均引張り応力は多層窒化物層の場合により高い。
【0037】
[0050]1つの実施形態では、スペーサー14は、窒化物エッチストップ層17又は多層窒化物エッチストップスタック19を作るのに使用されたのと同じ堆積プロセスを使用して窒化物で形成される。スペーサー14を窒化物で形成すると、チャネル領域13に応力が誘導される。図4は、スペーサー14を窒化物で形成すると、基板に誘導される引張り応力の量が改善されることを例示している。1つの実施形態では、窒化物スペーサー14は、下側膜、例えば、ソース領域15及びドレイン領域16が形成され、その上にゲート誘電体層18及びゲート電極10が形成された基板12の上に堆積される。1つの実施形態では、基板12は、前述したように、窒化物スペーサー14の堆積又は形成前に熱的ショックを与えられる。1つの実施形態では、窒化物スペーサー14が形成された後、窒化物エッチストップ層(例えば、窒化物エッチストップ層17に類似の)又は多層窒化物エッチストップスタック(例えば、多層窒化物エッチストップスタック19に類似の)が基板及び窒化物スペーサー14上に形成される。
【0038】
[0051]図4に例示されるように、チャネル領域13に形成される平均応力は、基板12の上に窒化物エッチストップ層17のみが形成されている場合に最も低い(例えば、約205MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタック19が基板12上に形成されるときに改善される(例えば、約235MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、窒化物エッチストップ層17が基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が窒化物で形成されるときにより改善される(例えば、約250MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタックが基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が窒化物で形成される場合が最も高いものとして改善される(例えば、約270MPa)。
【0039】
[0052]同様に、図4に例示されるように、チャネル領域13に形成される平均応力は、窒化物エッチストップ層17のみが基板12上に形成されているときに最も低い(例えば、1.8GPaの真性応力及び80nmの厚さを有する窒化物エッチストップ層17の場合に約350MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタック19が基板12上に形成されるときに改善される(例えば、約400MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、窒化物エッチストップ層17が基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が最も低い真性応力(引張り)の窒化物で形成される場合により改善される(例えば、約410MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタックが基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が最も低い真性応力(引張り)の窒化物で形成される場合に最も高いものとして改善される(例えば、約450MPa)。従って、チャネル領域13の引張り応力を調整するためには、基板12上の窒化物エッチストップ層を必要以上に厚くする必要なしにチャネル応力を増大させるようにスペーサー14は、最も低い真性応力(引張り)の窒化物で形成される。
【0040】
[0053]更に又、チャネル領域13の引張り応力は調整可能である。例えば、前述した窒化物エッチストップ層17が基板12上に形成されたり、前述した多層窒化物エッチストップスタック19が基板12上に形成されたり、スペーサー14が窒化物で形成されたりする。チャネル領域13の応力を調整するため、これらの1つ以上の任意の組み合わせがなされる。これらの方法を使用すると、基板上に形成される窒化物エッチストップ層を厚くし過ぎることなく、チャネル領域13の応力を増大させることができる。
【0041】
[0054]ある実施形態では、基板のチャネル応力を調整するため、窒化物エッチストップ層、多層窒化物エッチストップスタック及び窒化物スペーサーのうちの任意の1つ又はそれ以上のものにドーパントを加える。窒化物エッチストップ層、多層窒化物エッチストップスタック及び窒化物スペーサーの各々は、特定の膜、スタック又はスペーサーの堆積プロセスにドーパントを加えることにより調整される。ある実施形態では、水素(H2)、ゲルマン(GeH4)及び亜酸化窒素笑気(N2O)の如きドーパントが、窒化物エッチストップ層、多層窒化物エッチストップスタック及び/又は窒化物スペーサーを調整するためその堆積プロセスに加えられる。これらのドーパントは、窒化シリコンアモルファス膜構造を調整することにより、基板のチャネル応力を増大(例えば、GeH4)させたり、減少(例えば、N2O)させたりする。更に又、これらの膜、スタック又はスペーサーのいずれかにドーパントを加えることにより、それらの堆積割合を増大させたり減少させたりすることもできる。例えば、これらの膜、スタック又はスペーサーのうちのいずれかの堆積割合を増大するため、H2又はGeH4がその堆積プロセスに加えられる。
【0042】
[0055]図5は、前述した窒化物エッチストップ層を堆積する典型的な方法500を例示している。1つの実施形態では、ボックス502にて、基板が堆積チャンバに配置される。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又はレジスタ)又は前述したように基板の上部に形成された他の構造部分を有する。1つの実施形態では、堆積チャンバは、以下の実施形態にて説明される単一ウエハ堆積チャンバである。ボックス504にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを、例えば、760トルより低い圧力の低圧堆積チャンバとするような圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0043】
[0056]ボックス506にて、基板は、基板上に窒化物エッチストップ膜を堆積する直前又は直前に処理温度にて熱的ショックを受ける。1つの実施形態では、基板は、窒化物エッチストップ層を堆積する直前までは処理温度より実質的に低い温度に保たれる。例えば、堆積チャンバは、窒化物エッチストップ膜の堆積のために基板を載せるヒータを有する。この実施例では、基板は、堆積の直前に堆積チャンバのヒータの上に降ろされる。別の仕方として、堆積チャンバのヒータは、堆積時間まではより低い温度に設定される。別の場合には、堆積チャンバは、堆積チャンバを急速に加熱できるようにする加熱ランプ又は他の適当な加熱装置を有する。この実施例では、加熱ランプ又は装置は、堆積の直前に基板に熱的ショックを与えるため付勢される。
【0044】
[0057]ボックス508にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。これら前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちの任意のものである。別の実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。もう1つ別の実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及NH3を含む。前駆物質は、堆積の前及び基板に熱的ショックを与える前には、前駆物質の流量を安定化するために堆積チャンバからそらされている。基板に熱的ショックが与えられた後(又は基板に熱的ショックが与えられたすぐ直後)、前駆物質は、膜の堆積のためそれらの安定化された流量(及び所望の流量)にて堆積チャンバ内へ向けられる。
【0045】
[0058]ボックス510にて、窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。この堆積は、約200−1000オングストロームの膜が形成されるに十分な時間中続けられる。
【0046】
[0059]図6は、前述したような多層窒化物スタックを堆積する典型的な方法600を例示している。1つの実施形態では、ボックス602にて、基板が堆積チャンバに配置される。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又はレジスタ)又は前述したように基板の上部に形成される他の構造部分を有する。1つの実施形態では、この堆積チャンバは、以下の実施形態において説明される単一ウエハ堆積チャンバである。ボックス604にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを、低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0047】
[0060]ボックス606にて、基板は、基板上に窒化物エッチストップ膜を堆積する直前又は直前に処理温度で熱的ショックを与えられる。1つの実施形態では、基板は、窒化物エッチストップ層の堆積の直前まで処理温度より実質的に低い温度に維持される。基板は、堆積の直前に堆積チャンバのヒータの上に降ろされるか、又は別の仕方として、堆積チャンバのヒータは、前述したのと同様に堆積時間までより低い温度に設定される。
【0048】
[0061]ボックス608にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。その前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちの任意のものである。1つの実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。前駆物質は、堆積前及び基板に熱的ショックを与える前に、前駆物質の流量を安定化するため、堆積チャンバからそらされている。基板に熱的ショックが与えられた後(又は基板に熱的ショックが与えられた直後)、前駆物質は、膜の堆積のため安定化された流量(及び所望の流量)で堆積チャンバ内へ向けられる。
【0049】
[0062]ボックス610にて、第1の窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。1つの実施形態では、約100−800オングストロームの膜を形成するに十分な時間中堆積が続けられる。それから、基板は低い温度とされる。1つの実施形態では、第1の窒化物エッチストップ膜が形成された基板は、第2の窒化物エッチストップ膜の堆積前に堆積チャンバから外される。
【0050】
[0063]1つの実施形態では、基板は、低い温度とされた後、第2の窒化物エッチストップ膜の堆積のため堆積チャンバへ戻される。ボックス612にて、第2の窒化物エッチストップ膜が、多層窒化物エッチストップスタックを形成するため、第1の窒化物エッチストップ膜の上部に形成される。基板は、第2の窒化物エッチストップ層の堆積前に前述したのと同様に熱的ショックを与えられても良い(必ずしも必要でないが)。別の実施形態では、基板は、第1の窒化物エッチストップ膜の堆積の後に堆積チャンバから外されない。この場合には、基板をヒータ又は加熱装置から離すか、又は加熱ランプを消勢させる。基板は低い温度とされ、堆積チャンバは、第2の窒化物エッチストップ膜を堆積するため再び処理温度に設定され、基板がヒータへ戻されるか、又はランプが付勢される。1つの実施形態では、堆積は、約100−800オングストロームの第2の膜を形成するのに十分な時間の間続けられる。
【0051】
[0064]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタックの合計の厚さは、約200−1000オングストロームであり、この多層窒化物エッチストップスタックの各層は、互いに厚さが等しい。しかしながら、アプリケーションによっては、層の厚さを互いに実質的に異ならせても良い。
【0052】
[0065]図7は、前述したような多層窒化物スタックを堆積する典型的な方法700を例示している。1つの実施形態では、ボックス702にて、基板が堆積チャンバに配置される。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又レジスタ)又は前述したような基板の上部に形成された他の構造部分を含む。1つの実施形態では、堆積チャンバは、以下の実施形態にて説明される単一ウエハ堆積チャンバである。ボックス704にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0053】
[0066]ボックス706にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。これら前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちのいずれかである。別の実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。前駆物質は、堆積前及び基板が処理温度に安定化される前には、堆積チャンバからそらされている。基板が安定化された後、前駆物質は、膜の堆積のためそれらの安定化された流量(及び所望の流量)で堆積チャンバ内へ向けられる。
【0054】
[0067]ボックス708にて、第1の窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。1つの実施形態では、約100−800オングストロームの膜を形成するに十分な時間の間堆積が続けられる。それから、基板は低い温度にされる。ボックス710にて、多層窒化物スタックを形成するため、第2の窒化物エッチストップ膜が第1の窒化物エッチストップ膜の上部に形成される。1つの実施形態では、約100−800オングストロームの膜を形成するに十分な時間の間堆積が続けられる。1つの実施形態では、第1の窒化物エッチストップ膜が形成された基板は、第2の窒化物エッチストップ膜の堆積前に堆積チャンバから外される。方法700と方法600との1つの違いは、多層窒化物エッチストップスタックのいずれの層の堆積前にも基板に熱的ショックが与えられないことである。
【0055】
[0068]図8は、前述したような窒化物スペーサーを堆積する典型的な方法800を例示している。1つの実施形態では、ボックス802にて、基板が堆積チャンバに配置される。1つの実施形態では、堆積チャンバは、以下の実施形態にて説明される単一ウエハ堆積チャンバである。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又はレジスタ)又は前述したように基板の上部に形成される他の構造部分を有する。1つの実施形態では、基板は、ソース領域、ドレイン領域及びゲート誘電体、及びその上に形成されたゲート電極を含む。それから、ゲート誘電体及びゲート電極の各側に1つのスペーサーが形成される(図1A−図1Bに示されるのと同様に)。1つの実施形態では、最初に、窒化物膜が基板の全面及びゲート誘電体及びゲート電極上に堆積される。それから、スペーサーを形成するためエッチングが使用される。
【0056】
[0069]ボックス804にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0057】
[0070]ボックス806にて、基板上に窒化物スペーサーを堆積する直前又は直前に処理温度でもって基板に熱的ショックが与えられる。1つの実施形態では、基板は、窒化物エッチストップ層を堆積する直前まで処理温度より実質的に低い温度に保たれる。例えば、堆積チャンバは、窒化物エッチストップ膜の堆積のために基板が載せられるヒータを有する。この実施例では、基板は、堆積の直前に堆積チャンバのヒータの上部に降ろされる。更に別の仕方として、堆積チャンバのヒータは、堆積時間まで低い温度に設定される。別の例では、堆積チャンバは、堆積チャンバを急速に加熱できる加熱ランプ又は他の適当な加熱装置を有する。この実施例では、加熱ランプ又は装置は、基板に熱的ショックを与えるため堆積の直前に付勢される。
【0058】
[0071]ボックス808にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。これら前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化物ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちのいずれかである。別の実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。前駆物質は、堆積前及び基板に熱的ショックを与える前には、前駆物質の流量を安定化するため堆積チャンバからそらされている。基板に熱的ショックが与えられた後(基板に熱的ショックが与えられた直後)、前駆物質は、スペーサーを形成するのに使用される膜の堆積のため、それらの安定化された流量(及び所望の流量)で堆積チャンバ内へ向けられる。
【0059】
[0072]ボックス810にて、窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。約200−1000オングストロームの膜を形成するに十分な時間中堆積が続けられる。ボックス812にて、その窒化物エッチストップ膜は、スペーサーを形成するためエッチングされる。
【0060】
[0073]図9は、本発明の典型的な実施形態を実施するのに使用される単一ウエハ化学気相堆積チャンバの側断面を例示している。例示のため、本発明の典型的な実施形態を実施するのに使用できるほぼ5−6リットルのチャンバについて説明する。
【0061】
[0074]図9は、リアクタ100が、基板(図示していない)上に膜(例えば、シリコン構成膜、窒化物エッチストップ膜、又は誘電体膜)を形成するため処理ガス、前駆体ガス又は反応ガスが導入される反応チャンバ108を定めるチャンバ本体106を備えるところを例示している。チャンバ本体106は、チャンバが約760トルより低い圧力を維持できるようにする材料で構成されている。1つの典型的な実施形態では、チャンバ本体106は、アルミニウム合金材料で構成される。チャンバ本体106は、このチャンバ本体106を冷却するのに温度制御された流体を送り込むための通路110を含む。リアクタ100は、温度制御された流体通路を備えており、“低温壁”リアクタと称される。チャンバ本体106を冷却することにより、反応性種の存在及び高温度によるチャンバ本体106を構成するのに使用されている材料の腐食を防ぐことができる。
【0062】
[0075]チャンバ本体106には、反応チャンバ108、チャンバ蓋126、1つ又はそれ以上の分配ポート(例えば、ポート123、124及び125)、フェイスプレート(又はシャワーヘッド)130、ブロッカープレート128及び抵抗加熱アセンブリ104がある。抵抗加熱アセンブリ104は、ニッケル又は他の適当な加熱素子で形成されるヒータチューブ114の長さに亘って設けられるいくつかの加熱素子(ロッド)112を含む。ヒータチューブ114の端部には、焼結窒化アルミニウム(AIN)で形成された加熱ディスク116が設けられている。この加熱ディスク116内には、モリブデンで形成された螺旋状加熱素子(コイル)118がある。それらロッド112及びコイル118は、ろう付けによって接合されている。ロッド112は、AINセラミックスリーブ120で熱的に絶縁されている。コイル118は、電気的抵抗の大部分を与えており、従って、反応チャンバ加熱の大部分を与える。加熱ディスク116の端部には、サセプタと称する凹所が設けられており、このサセプタ122内に、基板102の如きウエハ又は基板が配置される(図10)。
【0063】
[0076]図9は、チャンバ本体108が、更に、リフターアセンブリ136を収容しているところを例示している。このリフターアセンブリ136は、ウエハ基板を反応チャンバへ入れたり出したりするのを助ける。このリフターアセンブリ136は、ステッパモータで良い。リフターアセンブリ136は、ウエハ基板を反応チャンバ108へ入れたり出したりするのを助けるため軸105にそってヒータアセンブリを上げたり下げたりする。
【0064】
[0077]1つの実施形態において、図11は、基板132(この基板132は多くの実施形態における基板102である)が、例えば、自動移送機構(図示していない)によって入口ポート134を通して反応チャンバ108内に配置されるところを例示している。1つの実施形態では、自動移送機構は、移送ブレード166に結合し、その移送ブレード166を制御する。その移送ブレード166は、開口134を通して基板132を挿入して基板132を反応チャンバ108内のサセプタ122内へ装填させる。基板132が装填されるときに、リフターアセンブリ136は、サセプタ122の表面が入口ポート134より下となるように、軸105にそって下位の方向にヒータアセンブリ104及びサセプタ122を下降させる。サセプタ122が下降されるとき、基板132は、反応チャンバ108に配置される。基板132が装填されるとき、入口ポート134は閉じられ、リフターアセンブリ136が、ヒータアセンブリ104及びサセプタ122を、フェイスプレート130に向かう上位の方向(例えば、上方)へと移動又は進める。1つの典型的な実施形態では、基板のこのような進行は、基板132がフェイスプレート130から短い距離(例えば、400−900ミル)のところにきたときに停止される。
【0065】
[0078]チャンバ108は、又、コンタクトリフトプレート144をも含む。このコンタクトリフトプレート144は、一組のリフトピン142を結合して有している。これらリフトピン142は、堆積前には加熱アセンブリ104の上方に基板132を保持しており、堆積のためにサセプタ122上に基板132をセットする。
【0066】
[0079]リフトピン142は、基板132の熱的ショックが必要とされるか又は所望されるときに特に有用である。例えば、加熱アセンブリ104は、反応チャンバ108を処理温度に設定する。リフトピン142は、膜(例えば、窒化物エッチストップ膜)の堆積の用意ができるまで、基板132を低い温度に保つ。堆積を開始する用意ができるとき、基板132は、サセプタを上昇させ、リフトピン142が基板132をサセプタ122上に下降セットさせることにより、熱的ショックを与えられる。1つの実施形態では、移送ブレード166が基板132をその上にした状態で開口134を通して挿入されるとき、リフターアセンブリ104が軸105にそって下位の方向に移動させられる。リフターアセンブリ136の動作により、リフトピン142は、加熱ディスク116の上面の上方に延びて静止していることになる(図10)。基板132は、リフトピン142に接触し、堆積プロセスが始まるまでリフトピン上に保持される。堆積が始められるとき、リフトアセンブリ136は、基板132がサセプタ122上に置かれるようにリフトピン142を通過するまで加熱アセンブリ104を上位の方向に(上方に)移動させる。
【0067】
[0080]堆積が完了したとき、基板132は、先ず図10及び図11に例示されるようにサセプタ122の表面から分離させられて、チャンバ108から外される(例えば、堆積の完了時)。移送ブレード166が開口134を通して基板132を支持するリフトピン142のヘッドの下に挿入される。リフトピン142は、リフトピン142を上下に移動させるコンタクトリフトピン144に結合される。次に、リフターアセンブリ136がヒータアセンブリ104を下位の方向に移動させる(例えば、下降させる)。加熱アセンブリ104がリフターアセンブリ136の動作により下位の方向に移動するとき、リフトピン142は、静止したままとされ、最終的には、加熱ディスク116の上面の上方に延びており、基板132をサセプタ122から分離させる。従って、基板132は、移送ブレード166と接触させられる。それから、基板132は、移送ブレード166により入口ポート134を通して外される。
【0068】
[0081]前述した機構は、次の基板又は次の膜堆積のために繰り返される。1つの適当なリフターアセンブリ136の詳細な説明は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアル社に譲渡されている米国特許第5772773号明細書になされている。
【0069】
[0082]1つの典型的な実施形態では、堆積又は処理の用意ができたとき、ガスパネル(図示していない)によって制御される処理材(ガス又は液体)又は前駆物質が、ポート123、124及び125を通して反応チャンバ108内へ別々に導入される。ブロッカープレート128は、ガス流を通す複数の孔(図示していない)を有している。1つの実施形態では、ポート123、124及び125のうちの1つ、例えば。ポート124からガスがブロッカープレートへ供給される。
【0070】
[0083]反応チャンバ108は、又、この反応チャンバ108内の処理温度を監視するため温度指示器をも含む。1つの実施例では、温度指示器は、サセプタ122の表面(又はサセプタ122によって支持された基板132の表面)での温度についてのデータを都合良く与えるように配置される熱電温度計である。
【0071】
[0084]図9から図11は、更に、反応チャンバ108が温度制御ライナー又は絶縁ライナー109で裏打ちされているところを例示している。前述したように、チャンバ本体106は、低温壁チャンバ効果を生成するよう温度制御された流体のための通路110を含む。反応チャンバ108内の反応温度は、800℃又はそれ以上もの高い温度である。反応チャンバ108にて膜を形成するのに使用される化学物質の場合には、高温度であると反応チャンバ108のチャンバ本体106が容易に腐食されてしまう。従って、ある実施形態では、チャンバ本体106には、このチャンバ本体106を冷却する水又は他の冷却流体の如き温度制御された流体のための通路110が設けられる。こうすることにより、チャンバ本体106が容易に腐食させられてしまうような高温過ぎるような温度とチャンバ本体106がなってしまうことが防止される。低温壁チャンバに関連する1つの問題は、チャンバの低温壁に近接している反応チャンバ108内の領域が急峻な温度低下を受けがちであるということである。これらの領域における急峻な温度低下は、反応チャンバ108にて形成される特定の膜の堆積のために望ましくない又は不利な粒子の凝結の形成を促進させてしまう。例えば、窒化シリコン(Si3N4)を形成するための堆積プロセスにおけるHCD及びNH3の反応は、NH4Clを形成させてしまう。NH4Clは、形成されるSi3N4の汚染を防止するために清掃する必要のある望ましくない副産塩である。温度が約150℃より低い温度へ低下するとき、NH4Clの如き凝結が起こる。これらの粒子は、チャンバ壁から分離するようになる。これら分離した粒子は、ウエハ基板上の粒子形成の核生成座を形成する。1つの実施形態では、反応チャンバ108は、粒子の望ましくない凝結を防止するため温度制御ライナーで裏打ちされる。
【0072】
[0085]温度制御ライナー109は、チャンバ本体106の低温壁効果による望ましくない反応を防止する特定のレベルに反応チャンバ108の温度を維持するように作用する。1つの典型的な実施形態では、温度制御ライナー109は、温度制御流体が通されるコンジットである。1つの実施形態では、温度制御流体は、膜形成のアプリケーションに応じて、温度制御ライナー109を150℃より高い温度に、又は別の仕方では、200℃より高い温度に維持することができなければならない。別の実施形態では、温度制御ライナー109は、温度制御ライナー109が150℃より高い温度、又は別の仕方では、200℃より高い温度を維持できるようにする硬質アルマイトで形成される。
【0073】
[0086]1つの実施形態では、温度制御ライナー109は、この温度制御ライナー109
がチャンバ本体106の壁に沿って幾つかの物理的接触点を有するようにして、チャンバ本体106の壁に結合される。(例えば、図10に例示される接触点159参照)。温度制御ライナー109とチャンバ本体106の壁との間の物理的接触を最小とすることにより、伝導点が最小とされ、チャンバ本体106への熱損失が最小とされる。
【0074】
[0087]更に別の実施形態では、温度制御ライナー109は、150℃より高い温度又は200℃より高い温度を維持できる型のセラミック材料で形成される。温度制御ライナー109は、他の適当な耐腐食性材料で形成される。温度制御ライナー109のために使用される硬質アルマイト、セラミック又は他の適当な材料は、加熱アセンブリ104からの放射熱を吸収することができるものでなければならず、且つ、熱をチャンバ本体106へ伝達してチャンバ本体106を熱くしてしまう程に伝導性が良過ぎてはならない。実際には、硬質アルマイト、セラミック又は他の適当な材料は、熱を絶縁して、熱がチャンバ本体106の低温壁へ伝達されないようにするものでなければならない。
【0075】
[0088]本発明の実施形態は、半導体基板において引張り応力及び対応する歪を生成する他の方法に関連して使用される。例えば、シリコン材料において引張り応力及び対応する歪を生成することによりキャリア移動度を高める方法は、シリコンゲルマニウム基板上にシリコンの層を形成することを含む。シリコンゲルマニウム格子は、その格子により大きなゲルマニウム原子が存在するため純粋なシリコン格子よりも一般的にはより広い空間とされている。シリコン格子の原子は、より広く拡散されたシリコンゲルマニウム格子と整列するので、引張り歪がそのシリコン層に生成される。それらのシリコン原子は、本質的に互いに引っ張り合っている。シリコンゲルマニウム基板上に成長したシリコンに関連して、その基板は、前述したようなある実施形態による熱的ショックを与える技法で形成された窒化物エッチストップ層や、前述したようなある実施形態又はそれらの組み合わせによる多層窒化物エッチストップスタックで覆われる。窒化物エッチストップ層又は多層窒化物エッチストップスタック層の厚さは、特定の引張り応力値が得られるように制御される。従って、本発明の実施形態は、単独で、又は既存の方法と組み合わせて、半導体基板において歪を生成する方法として使用される。
【0076】
[0089]本発明の実施形態にて説明した種々な膜は、1つのチャンバ(その同じ場所で)又はクラスターツールとして配列される種々のチャンバにて形成される。図12は、いくつかの処理チャンバを含む典型的なクラスターツール1100を例示している。例えば、このクラスターツール1100は、酸化シリコン堆積チャンバ1102、アニーリングチャンバ1104、窒化シリコン堆積チャンバ1105及びポリシリコン堆積チャンバ1106を含む。酸化シリコン堆積チャンバ1102、窒化シリコン堆積チャンバ1105及びポリシリコン堆積チャンバ1106の各々は、前述したリアクタ100のような反応チャンバでよい。
【0077】
[0090]クラスターツール1100は、又、前述したチャンバの1つへ堆積されるべきウエハ(又は基板)を取り扱うウエハクリップ1112を含むウエハハンドラ1109を有する移送チャンバ1108をも含む。ウエハクリップ1112は、図11において前述した移送ブレード166でよい。移送チャンバ1108は、更に、処理すべき基板を貯蔵するロードロックシステム1110に結合される。1つの実施例では、ウエハハンドラ1109は、処理プロトコルに従って、ロードロックシステム1110から基板(例えば、ウエハ)を取り出してその基板を適当なチャンバ内に配置する。ウエハハンドラ1109は、又、その処理が完了するとき、その基板をそのチャンバから取り出してその基板を次の処理チャンバ又はロードロックシステム1110内へと移動させる。
【0078】
[0091]移送チャンバ1108は、典型的には、大気状態に比べて減少させられた圧力に設定される。移送チャンバ1108は、又、チャンバが作動する処理圧力に近い圧力に設定されもする。クラスターツール1100は、ウエハがロードロックシステム1110にあるとき、他のチャンバ内への他の基板の装填により各チャンバ内の動作状態に衝撃が与えられないようにする圧力に設定される。例えば、酸化シリコン層を堆積し、窒化シリコン層を堆積し、ポリシリコン層を堆積し、それから基板をアニーリングするというような複数の処理が含まれるとき、ウエハハンドラ1109が、各処理のため基板を1つのチャンバから次のチャンバへと移動させるのに使用される。
【0079】
[0092]複数の膜のすべては、前述したクラスターツール1100を使用して形成されるか、又は、その同じ場所で又は同じチャンバ(すなわち、反応チャンバ108)で形成される。その同じ場所で形成するか又はクラスターツール1100を使用して形成するか、いずれの方法でも、1つの膜の上に別の膜を重ねて堆積する前に膜が酸化雰囲気に対して露出されないようにすることにより、それら膜の間の界面を清浄なものとすることができる。
【0080】
[0093]図13は、本発明の実施形態による窒化物エッチストップ層又は多層窒化物層を形成する典型的な方法1200を例示している。ボックス1202にて、基板が堆積チャンバに配置される。この点で、基板は、チャンバにおいて一組のリフトピンの上に置かれており、堆積チャンバのヒータ上には載せられない。1つの実施形態では、堆積チャンバは、単一ウエハ堆積チャンバであるリアクタ100である。ボックス1204にて、堆積チャンバは、不活性ガスでパージされる。1つの実施形態では、その不活性ガスは、窒素、ヘリウム又はアルゴンである。このパージングにより、堆積のための清浄な環境が与えられる。1つの実施形態では、パージングは、約2−8SLMにて堆積チャンバ内へ不活性ガスを流すことによって行われる。
【0081】
[0094]ボックス1206にて、堆積チャンバのヒータは、所望の処理温度(例えば、400−700℃)に設定される。ボックス1208にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力(例えば、50−300トル)に設定される。1つの実施形態では、不活性ガスは、堆積チャンバが所望の処理圧力に達するように調整される。
【0082】
[0095]ボックス1210にて、堆積チャンバにおけるキャリアガス流が安定化される。1つの実施形態では、キャリアガスの流量は、先ず所望の流量に設定される。キャリアガスは、最初は、堆積チャンバの堆積領域をバイパスするようにして流される。例えば、キャリアガスは、その流量が安定化されるまでは、堆積チャンバの排出ラインへ流される。ボックス1212にて、堆積チャンバ内のシリコンソース(例えば、BTBAS)流が安定化される。1つの実施形態では、シリコンソースは、液体ソースである。1つの実施形態では、先ず、シリコンソースガスの流量は、所望の流量に設定される。シリコンソースは、最初は、堆積チャンバの堆積領域をバイパスするようにして流される。例えば、シリコンソースは、その流量が安定化されるまでは、堆積チャンバの排出ラインへ流される。
【0083】
[0096]ボックス1214にて、基板に熱的ショックが与えられる。1つの実施形態では、堆積チャンバのヒータは、基板に接触又は基板を支持するように上昇させられる。それから、基板は、堆積の開始の用意ができるとすぐに、処理温度又はヒータの温度でショックを与えられる。
【0084】
[0097]ボックス1216にて、窒化ソースガス(例えば、NH3)が堆積チャンバ内へ導入される。堆積の前に窒化ソースガスを予め流すことにより、基板の表面が予め窒化され、それにより、堆積すべき窒化物エッチストップ層の核生成を高めることができる。窒化ソースガスは、堆積チャンバ内へ直接的に導入され、キャリアガス及びシリコンソースの場合のようにチャンバをバイパスさせる必要はない。その1つの理由は、シリコンソース及びキャリアガスの流量が、形成される膜の均一性を高めるのに混合される前及び堆積前に安定化される必要があるということである。
【0085】
[0098]ボックス1218にて、シリコンソースは、キャリアソースガスと混合される。混合の用意ができたとき、キャリアガス及びシリコンソースは、混合された後、チャンバ内へ直接的に流される。ボックス1220にて、窒化物エッチストップが基板の上部に形成される。ボックス1222にて、窒化物エッチストップ層が所望の厚さに形成されるとき、シリコンソースが閉じられる。ボックス1224にて、窒化ソースガスの流入は、窒化物エッチストップ層の後窒化のためある短い時間の間続けられる。
【0086】
[0099]複数の窒化物エッチストップ層を互いに重ねて形成するとき、基板は、堆積チャンバから出され、次の層のために戻される。別の仕方として、基板は、例えば、ヒータから引き上げられて低い温度とされ、基板が次の堆積の用意ができるまで、シリコンソースはそらされる。すべての層が堆積されるまで、窒化物エッチストップ層を堆積する同じプロセスが繰り返される。
【0087】
[0100]1つの実施形態では、堆積チャンバは、基板処理システム、例えば、クラスターツール1100及びリアクタ100の動作のすべてを制御するシステムコントローラ(コントローラ1180)に結合される。本発明の1つの実施形態では、システムコントローラ1180は、ハードディスクドライブ(メモリ1182)、フロッピーディスクドライブ及びプロセッサ1184を含む。プロセッサ1184は、シングルボードコンピュータ(SBC)、アナログ及びデジタル入力/出力ボード、インターフェイスボード及びステッパモータコントローラボードを含む。
【0088】
[0101]1つの実施形態では、システムコントローラ1180は、メモリ1182の如きコンピュータ読取り可能な媒体に記憶されたコンピュータプログラムであるシステム制御ソフトウエアを実行する。好ましくは、メモリ1182は、ハードディスクドライブであるが、このメモリ1182は、他の種類のメモリでもよい。コンピュータプログラムは、特定のプロセスの、タイミング、ガスの混合、チャンバの圧力、チャンバの温度、加熱アセンブリ、サセプタ位置及び他のパラメータを指令する命令のセットを含む。勿論、例えば、フロッピーディスクを含む別のメモリドライブ又は他の適当なドライブに記憶されているような他のコンピュータプログラムもコントローラ1180を制御するのに使用できる。ユーザとコントローラ1180との間のインターフェイスとして、モニター、キーボード及び/又はマウスの如き入力/出力デバイス1186を使用できる。こうして、システムコントローラ1180は、ここで説明した実施形態を実施する命令を実行することができる。
【0089】
[0102]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層又は多層窒化物エッチストップ層が基板上に形成されるように命令のセットが書き込まれる。これら命令は、基板を単一ウエハ堆積チャンバに配置し、窒化物エッチストップ層の堆積の直前に基板に熱的ショックを与えるように命令する。それら命令は、基板を所望の堆積温度より実質的に低い温度に維持し、窒化物エッチストップ堆積の直前に所望の堆積温度で基板にショックを与えるように命令する。別の仕方として、それら命令は、堆積前に単一ウエハ堆積チャンバのヒータの上方で一定距離のところに基板を維持し、窒化物エッチストップ堆積の直前に基板をヒータに接触させ基板に熱的ショックが与えられるように命令する。これら命令は、更に、基板上に窒化物エッチストップ層を堆積するように命令する。
【0090】
[0103]別の実施形態では、命令は、第1の窒化物エッチストップ層を基板上に堆積し、第2の窒化物エッチストップ層を第1の窒化物エッチストップ層上に堆積させて、多層窒化物エッチストップスタックを形成するように命令する。これら命令は、第1の窒化物エッチストップ層を堆積する前に基板に熱的ショックを与えるように命令し、更に別の仕方として、第2の窒化物エッチストップ層を堆積する前に基板に熱的ショックを与えるように命令する。これら命令は、更に、第1の窒化物エッチストップ層がそこに堆積された基板を単一ウエハ堆積チャンバから移動させ、第1の窒化物エッチストップ層の上に第2の窒化物エッチストップ層を堆積する直前に基板に熱的ショックを与えるように命令する。
【0091】
[0104]本発明を幾つかの実施形態について説明してきたが、本発明は、これら説明した実施形態に限定されるものではないことは当業者には認識できるであろう。本発明の方法及び装置は、特許請求の範囲の記載の精神及び範囲内で種々変更及び変形して実施することのできるものである。従って、本明細書の記載は、それに限定するものでなく、単なる例示としてみなされるべきものである。
【0092】
[0105]典型的な実施形態について開示したが、それら開示した実施形態に対して、特許請求の範囲の記載により限定される本発明の精神及び範囲内に入る種々の変更及び変形をなすことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1A】窒化物エッチストップ層を組み込んだデバイスの典型的な実施形態を例示する図である。
【図1B】多層窒化物スタックを組み込んだデバイスの典型的な実施形態を例示する図である。
【図2】デバイスチャネル領域において引張り応力を誘導せしめる真性膜応力の効果を例示する図である。
【図3】デバイスチャネル領域において引張り応力を誘導せしめるための窒化物エッチストップ層の膜厚さの効果を例示する図である。
【図4】デバイスチャネル領域において引張り応力の誘導に対するスペーサー応力の効果を例示する図である。
【図5】窒化物エッチストップ層を形成する典型的な方法を例示する図である。
【図6】基板上に多層窒化物スタックを形成する典型的な方法を例示する図である。
【図7】基板上に多層窒化物スタックを形成する別の典型的な方法を例示する図である。
【図8】基板上に窒化物スペーサーを形成する典型的な方法を例示する図である。
【図9】本発明の多くの実施形態のために使用される単一ウエハ堆積チャンバの典型的な実施形態を例示する図である。
【図10】本発明の多くの実施形態のために使用される単一ウエハ堆積チャンバの典型的な実施形態を例示する図である。
【図11】本発明の多くの実施形態のために使用される単一ウエハ堆積チャンバの典型的な実施形態を例示する図である。
【図12】本発明の多くの実施形態のために使用される典型的なクラスターツールを例示する図である。
【図13】本発明の実施形態による窒化物エッチストップ層を形成するための典型的な方法を例示する図である。
【符号の説明】
【0094】
9…半導体デバイス、10…ゲート電極、11…半導体デバイス、12…基板、13…チャネル領域、14…スペーサー、15…ソース領域、16…ドレイン領域、17…窒化物エッチストップ層(引張り応力誘導層)、18…ゲート誘電体層、19…多層窒化物エッチストップスタック、100…リアクタ、102…基板、104…ヒータアセンブリ、106…チャンバ本体、108…反応チャンバ、109…温度制御ライナー、110…通路、116…加熱ディスク、118…螺旋状加熱素子、122…サセプタ、132…基板、134…入口ポート、136…リフターアセンブリ、142…リフトピン、144…コンタクトリフトプレート、166…移送ブレード、1100…クラスターツール、1102…堆積チャンバ、1104…アニーリングチャンバ、1105…窒化シリコン堆積チャンバ、1106…ポリシリコン堆積チャンバ、1108…移送チャンバ、1109…ウエハハンドラ、1110…ロードロックシステム、1112…ウエハクリップ
【分野】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は、半導体デバイスにおいて制御された応力(引張り又は圧縮)を機械的に生成するための窒化物エッチストップ膜及び多層窒化物エッチストップスタックを形成する方法に関する。
【背景】
【0002】
[0002]今日の集積回路は、半導体に形成される非常に多くのトランジスタ、キャパシタ、レジスタ又はその他の半導体デバイスを含む。デバイスが小さくなるほど、それは、デバイスの性能を高めデバイスの信頼性を増すための鍵となってくる。しかしながら、デバイスを小さくするにつれて、そのための技術はより複雑となり、1つの世代のデバイスから次の世代のデバイスへと予想された性能の向上を維持するには新しい方法が必要とされてくる。これは、主として、ミクロ電子工学の主たる半導体材料、すなわち、シリコン(Si)、又は、より広義では、Siベースの材料に関連してくる。デバイス性能の最も重要な尺度は、キャリア移動度である。深部サブミクロン生成のデバイスにおいてキャリア移動度を高く保つのは非常に難しい。キャリア移動度をより良くするのに期待できる方法は、デバイス製造のための原材料として使用される半導体をわずかに変性させることである。張力で歪まされたSiがキャリア特性に影響を及ぼすことは知られており、そのことは、最近において更に研究されてきている。チャネル領域における機械的応力は、MOSデバイスの性能及び信頼性に著しく影響する。(例えば、カリフォルニア州サンフランシスコ、IEDM2000、NECコーポレーションのイトー氏等による「エッチストップ窒化物の機械的応力効果及び深部サブミクロントランジスタ構造に対するその影響(Mechanicalstress effect of etch-stop nitride and its impact on deep submicron transistordesign)」参照)。窒化物エッチストップ膜によりSi基板に引張り応力が生ぜしめられることは知られている。従って、MOSデバイスの製造において高応力窒化物エッチストップ膜について多くの関心が寄せられている。
【0003】
[0003]引張り応力は、MOSデバイスのチャネルにおいて応力(その下のシリコンにおける歪へ変換される)を生成するための窒化物エッチストップを形成することによって得られる。デバイス移動度は、チャネルに歪を導入することによって広く検討されてきている。この種の1つの技術は、コンタクトエッチストップ窒化物層をストレッサーとして使用することである。増大されたキャリア移動度及び速度を介して増大されたデバイス電流を達成するため、より高い特定の応力レベルを満足するのにより厚い窒化物層が使用される。
【概要】
【0004】
[0004]本発明の1つの態様は、膜形成プロセスを使用して互いに重ねて形成された窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物スタックを備えるアセンブリに関する。
【0005】
[0005]本発明の別の態様は、単一ウエハ堆積チャンバに基板を配置するステップと、堆積の直前に基板に熱的にショックを与えるステップとを含む多層窒化物スタックを形成する方法に関する。第1の窒化物エッチストップ層が基板上に堆積される。第2の窒化物エッチストップ層がその第1の窒化物エッチストップ層上に堆積される。
【0006】
[0006]本発明の他の態様は、単一ウエハ堆積チャンバに基板を配置するステップと、堆積の直前に基板に熱的にショックを与えるステップとを含む窒化物エッチストップ層を形成する方法に関する。その窒化物エッチストップ層は、基板上に堆積される。
【0007】
[0007]本発明の別の態様は、基板上に窒化物スペーサーを形成し、次いで、窒化物エッチストップ層又は多層窒化物エッチストップスタックを形成する方法に関する。その窒化物スペーサーは、下の膜上(基板上)に形成又は堆積される。1つの態様では、基板は、その窒化物スペーサーの形成又は堆積前に熱的にショックを与えられる。他の態様では、窒化物エッチストップ層が窒化物スペーサー上及び基板上に形成される。別の態様では、基板は、窒化物エッチストップ層の形成前に熱的にショックを与えられる。他の態様では、少なくとも2つの窒化物エッチストップの層を備える多層窒化物エッチストップスタックが窒化物スペーサー上及び基板上に形成される。別の態様では、基板は、多層窒化物エッチストップスタックのうちの少なくとも1つの層又は多層窒化物エッチストップスタックの層のすべての形成前に、熱的にショックを与えられる。
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、同様の要素には同様の参照符号を付して示す添付図面に、これに限定する意味ではなく、一例として例示されている。本発明は、本発明の実施形態を例示するのに使用されている添付図面及び以下の説明を参照することによって最も良く理解されよう。ここで注意すべきことは、以下の説明において、本発明の“1つの”実施形態へ参照するとは、必ずしも同じ実施形態を参照するということではなく、それらのうちの少なくとも1つの実施形態を参照するという意味であるということである。
【詳細な説明】
【0009】
[0021]典型的な実施態様について、その特定の構成及び技法に関して説明する。特許請求の範囲の記載の範囲内で種々な変形及び変更がなされうることは、当業者には理解されよう。更に又、よく知られた要素、デバイス、コンポーネント、回路、処理ステップ等については詳述しない。
【0010】
[0022]本発明の典型的な実施形態は、金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ構造のチャネルの如き半導体デバイスにおいて制御された応力(引張り又は圧縮)を機械的に生成するための多層窒化物エッチストップ膜を形成する技術に関する。又、本発明の典型的な実施形態は、同様の半導体デバイスにおいて制御された応力(引張り又は圧縮)を機械的に生成するための窒化物エッチストップ膜を形成する新規な技術にも関する。
【0011】
[0023]図1Aは、典型的な半導体デバイス9(例えば、MOSトランジスタ)を例示している。図1Aは、半導体デバイス9において引張り応力を生成するためデバイス9に組み入れられた引張り応力誘導層として作用する窒化物エッチストップ層を例示している。デバイス9は、ソース15及びドレイン16の領域を生成した基板12を含む。基板12は、当業分野にて知られるように、ソース領域15及びドレイン領域16を生成するため注入されている。デバイス9は、酸化シリコン、窒化された酸化シリコン、酸化物-窒化物-酸化物、又は高-K誘電体の如き薄いゲート誘電体層18によって基板12のチャネル領域13から分離されているゲート電極10を含む。ゲート電極10は、典型的には、そのゲート電極10の抵抗を最小とするため、ポリシリコンの如きドープされた半導体材料で形成される。このゲート電極10の材料は、又、金属でもよい。ゲート電極10及び誘電体層18は、ほぼ、ソース領域15とドレイン領域16との間に形成される。ゲート電極10及び誘電体層18を生成する方法は、当業分野において知られている。以下に説明する実施形態を使用して形成される窒化物エッチストップ層17は、ソース領域15及びドレイン領域16並びにゲート電極10を覆うようにして基板12上に堆積される。
【0012】
[0024]ソース領域15及びドレイン領域16は、ゲート電極10及びゲート誘電体層18の両側に形成される。ゲート電極及びソース/ドレイン領域に対する抵抗を減ずることによりコンタクトを改善するためゲート電極10、ソース領域15及びドレイン領域16上にケイ化物が形成される(図示せず)。ケイ化物は、コバルト又はニッケルの如き金属材料で形成される。ケイ化物膜が含まれる実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、そのケイ化物上及び前述した構造のすべてを含む基板12上に形成される。
【0013】
[0025]1つの実施形態では、デバイス9は、ゲート電極10の各側に形成されたスペーサー14を含む。ポリサイド製造プロセスの如きある特定の実施形態では、スペーサー14は、ゲートスタック(ゲート誘電体及びゲート電極)が製造中にソース及び/又はドレイン金属コンタクトに対して短絡させられないようにするために使用される。しかしながら、スペーサーのない実施形態も可能である。スペーサー14が含まれるときには、基板12上に形成される窒化物エッチストップ層17は、スペーサー14をも覆う。
【0014】
[0026]ある実施形態では、ゲート電極10、ソース領域15及びドレイン領域16へのコンタクトのため、窒化物エッチストップ層17に経路が生成される。導電性トレース(例えば、メタリゼーション)(図示していない)が、窒化物エッチストップ層17の上部に、ソース領域、ドレイン領域及びゲート領域に達するようにそれら経路を通して形成される。
【0015】
[0027]窒化物エッチストップ層17は、ソース領域15、ドレイン領域16、ゲート誘電体層18、ゲート電極10及びスペーサー14を覆うようにして基板12の上に形状が一致するように形成される。1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、引張り応力又は等価な歪をシリコンチャネル12へ導入するための引張り応力誘導層として作用する。この引張り応力は、電子移動度を高め、そして、駆動電流及び回路性能を増大させる。
【0016】
[0028]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、約2000−1000オングストロームの厚さを有し、且つ約1−2ギガパスカル(GPa)の真性膜応力を有する。窒化物エッチストップ層17は、引張り応力を基板12内に、1つの実施形態では、チャネル領域13に誘導する(図1A−図1B)。1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、チャネル領域13又は基板12に約150−450メガパスカル(MPa)の範囲の引張り応力を誘導する。
【0017】
[0029]1つの実施形態では、基板12は、トランジスタ、キャパシタ及びレジスタの如き半導体デバイスを形成するのに典型的に使用される半導体基板である。基板12は、又、当業分野において知られる単結晶シリコン、多結晶シリコン、シリコン・オン・インシュレータ、シリコン・オン・シリコンゲルマニウム又は他の適当な半導体基板を含む。
【0018】
[0030]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、基板12が窒化物エッチストップ層17の堆積前に熱的ショックを受ける単一ウエハ堆積チャンバ(以下参照)にて形成される。基板への熱的ショックを与えるのは、窒化物エッチストップ層の堆積の直前又は直前に素早く(quicklyjust immediately or momentarily)対象物を処理温度に至らせることにより行われる。基板は、堆積前のある期間(予熱)の間はその処理温度に対して平衡状態又は安定化状態とはされていない。1つの実施形態では、基板12は、通常の方法を使用して形成されたゲートスタック(ゲート誘電体層18及びゲート電極10)、ソース及びドレイン領域15及び16、及びスペーサー14を備える。窒化物エッチストップ層17は、図1Aに示されるように、基板12上にコンフォーマル膜として形成される。基板12は、単一ウエハ堆積チャンバ内に配置される。このチャンバは、所望の処理温度及び処理圧力に設定される。基板12は、最初に、例えば、堆積チャンバのヒータに接触させないことにより、低温に保たれる。基板12は、窒化物エッチストップ層17の堆積の直前に処理温度に曝される。従って、基板12は、窒化物エッチストップ層17の堆積前ではその処理温度に対して平衡状態又は安定化状態とはされていない。1つの実施形態では、基板12に熱的ショックを与えると、引張り応力が約5−15%増大し、窒化物エッチストップ層17自体においても、チャネル領域13又は基板12においても、その真性応力が約5−15%増大する。窒化物エッチストップ層17を堆積する前に基板12に熱的ショックを与えると、窒化物エッチストップ層を形成する通常の方法に比べて、膜の真性応力がより良くなり、又、チャンネル領域の引張り応力がより良くなる。
【0019】
[0031]処理温度は、特定の前駆物質に対して最適な(例えば、特定のシリコンソースガス及び窒化ソースガスに対して最適な)範囲に従って選択される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃である。
【0020】
[0032]処理圧力は、堆積チャンバを低圧力堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0021】
[0033]窒化物エッチストップ層17は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを前駆物質として使用して堆積される。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、ビス第三ブチルアミノシラン(BTBAS)であり、窒化ソースガスは、アンモニア(NH3)である。他の実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、シラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、ジクロロシラン(DCS)、ヘキサクロロジシラン(HCD)、テトラヨウ化シリコン(SiI4)、塩化シリコン(SiCL4)、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン(Si(NMe2)4)、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン(CH3NHNH2)及びヒドラジノシラン(例えば、ビス(ジメチルヒドラジノ)メチルシラン、トリス(ジメチルヒドラジノ)t−ブチルシラン、トリス(ジメチルヒドラジノ)エチルシラン、ビス(ジメチルヒドラジノ)エチルシラン及びテトラキス(ジメチルヒドラジノ)シランの如き他のシリコンソース物質を使用して堆積される。窒化物ソースガスは、又、ヒドラジン(N2H4)でもよい。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きく100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。
【0022】
[0034]1つの実施形態では、BTBAS処理のための処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、シラン処理のための処理温度は、約550℃から約675℃の範囲である。更に別の実施形態では、ジシラン処理のための処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。
【0023】
[0035]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層17は、1(NH3:BTBAS)より大きい比率でNH3及びBTBASを使用し、約675℃の処理温度及び約140トルの処理圧力を使用して、形成される。
【0024】
[0036]相補的MOS処理フローにおける如きある場合には、同じ集積回路ダイ又はNMOS構造のための同じ半導体ウエハにおいてP型チャネルMOS(PMOS)トランジスタのソース及び/又はドレインとなる半導体材料の領域は、引張り応力誘導層を形成する前に適当な層によって覆われる。この層は、その引張り応力誘導層を介してPMOSトランジスタ構造のチャネルに引張り応力が誘導されないように設計される。何故ならば、引張り応力は、このようなトランジスタ構造においてより高いキャリア移動度及び速度を与えないからである。
【0025】
[0037]図1Bは、デバイス9と類似のデバイスのチャネル領域に引張り応力を誘導する別の実施形態を例示している。図1Bに示すデバイス11は、ソース領域15及びドレイン領域16がそこに生成された基板12を含む。このデバイス11は、酸化シリコン、窒化された酸化シリコン、酸化物-窒化物-酸化物又は高K誘電体の如き薄いゲート誘電体層18によって基板12のチャネル13から分離されたゲート電極10を含む。ゲート電極10は、典型的には、このゲート電極10の抵抗を最小とするためポリシリコンの如きドープされた半導体材料で形成される。ゲート電極10の材料は、金属であってもよい。ソース領域15及びドレイン領域16は、ゲート電極10の両側に形成される。ゲート電極10及びゲート誘電体層18は、典型的には、ゲートスタックと称される。ゲート電極及びソース/ドレイン領域に対する抵抗を減ずることによりコンタクトを改善するため、ゲート電極10、ソース領域15及びドレイン領域16上にケイ化物が形成される(図示していない)。ケイ化物は、コバルト又はニッケルの如き金属材料で形成される。1つの実施形態では、デバイス11は、ゲート電極10の各側に形成されたスペーサー14を含む。ポリサイド製造プロセスの如きある特定の実施形態では、スペーサー14は、製造中にソース及び/又はドレイン金属コンタクトに対してゲートスタックが短絡させられないようにするために使用される。しかしながら、これらスペーサーなしの実施形態も可能である。
【0026】
[0038]デバイス11は、デバイス9と類似しているが、図1Aのデバイス9と違って、図1Bのデバイス11は、互いに重ねて形成された複数の窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物エッチストップスタック19を含む。1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19は、互いに重ねられた2つの窒化物エッチストップ層を有する二重窒化物エッチストップスタックである。複数の窒化物エッチストップ層の各々は、別個の膜形成又は堆積プロセスを使用して形成される。1つの実施形態では、構造要素がそこに形成された基板12は、堆積チャンバに配置される。第1の窒化物エッチストップ層が形成される。それから、基板12は、その堆積チャンバから外される。別の仕方として、基板12は、第2の窒化物エッチストップ層の堆積前に低温とされる。それから、第2の窒化物エッチストップ層が、第1の窒化物エッチストップ層の上部に形成され、多層窒化物エッチストップスタック19が形成される。窒化物エッチストップ層の複数の層は、各層を堆積するプロセスを繰り返すことにより形成される。1つの実施形態では、各層は、基板12が各窒化物エッチストップ層の堆積の直前に熱的ショックを受けた後に形成される。1つの実施形態では、各層は、別々の膜形成プロセスによって形成され、例えば、基板12は、各窒化物エッチストップ層が形成された後堆積チャンバから出され、次の窒化物エッチストップ層を形成するためその堆積チャンバへ戻される。
【0027】
[0039]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタックの各層は、互いに実質的に等しい厚さを有する。1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19は、互いに重ねて形成された2つの窒化物エッチストップ層を有する二重スタック膜である。この実施例では、各窒化物エッチストップ層は、約300オングストロームの厚さで、多層窒化物エッチストップスタック19の全体の厚さは、約600オングストロームとなる。勿論、多層窒化物エッチストップスタック19の厚さは、この多層窒化物エッチストップスタック19を組み入れる特定のデバイスのアプリケーション、リミテーション及び/又は構成に従って他の適当な厚さでよく、層数も適当な数でよい。
【0028】
[0040]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19の各層は、基板12が、その多層窒化物エッチストップスタック19の各層の堆積前に熱的ショックを受ける単一ウエハ堆積チャンバ(以下参照)にて形成される。1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19の各層は、窒化物エッチストップ層である。1つの実施形態では、基板12は、多層窒化物エッチストップスタック19の形成前に通常の方法を使用して形成されるゲートスタック(ゲート誘電体層18及びゲート電極10)、ソース領域15,ドレイン領域16及びスペーサー14を備える。多層窒化物エッチストップスタック19は、図1Bに示されるように、基板12上のコンフォーマル膜を構成する。
[0041]多層窒化物エッチストップスタック19を形成するため、基板12は、単一ウエハ堆積チャンバに配置される。そのチャンバは、所望の処理温度及び処理圧力に設定される。基板12は、最初に、例えば、堆積チャンバのヒータに接触させないことにより、低温に保たれる。基板12は、多層窒化物エッチストップスタック19の層を堆積する直前に処理温度に曝される。従って、基板12は、多層窒化物スタック19の各層の堆積前に処理温度まで予熱されないし、又、その処理温度の安定化状態とされていない。窒化物エッチストップの第1の層が形成される。それから、基板12は、冷却されるか、又は、そのチャンバから出される。それから、窒化物エッチストップの第2の層がそのチャンバにて形成される。基板12は、窒化物エッチストップ層の第2の層の堆積前に熱的ショックを受ける。
【0029】
[0042]1つの実施形態では、多層窒化物スタック19を形成することにより、チャネル領域における応力が約20%増大させられる。別の仕方として、多層窒化物スタック19における各層の堆積前に基板12に熱的ショックを与えることにより、引張り応力が約5−10%増大させられ、多層窒化物エッチストップスタック19及びチャネル領域13における両者の真性応力が約5−10%増大させられる。
【0030】
[0043]処理温度は、特定の前駆物質に対して最適な(例えば、特定のシリコンガス及び窒化ソースガスに対して最適な)範囲に従って選択される。多層窒化物エッチストップスタック19における層の各々に対して、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。処理圧力は、その堆積チャンバを低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0031】
[0044]多層窒化物スタック19における各層は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを前駆物質として使用して堆積される。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、窒化物エッチストップ層19の各層は、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランの如き他のシリコンソース物質を使用して堆積される。窒化ソースガスは、ヒドラジン(N2H4)でもよい。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。
【0032】
[0045]1つの実施形態では、BTBASプロセスを使用する多層窒化物エッチストップスタック19の各層のための処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、シランプロセスを使用する窒化物エッチストップスタック19の各層のための処理温度は、約550℃から約675℃の範囲である。更に別の実施形態では、ジシランプロセスを使用する窒化物エッチストップ層19の各層のための処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。
【0033】
[0046]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタック19の各層は、1(NH3:BTBAS)より大きい比率でNH3及びBTBASを使用し、約675℃の処理温度及び約140トルの処理圧力を使用して形成される。
【0034】
[0047]図2は、窒化物エッチストップ層17の真性応力が増大するにつれて、基板、例えば、チャネル領域13に誘導される引張り応力が増大することを例示している。例えば、約50nmの厚さの窒化物エッチストップ層17の場合には、その層に形成される真性応力が約1から1.8GPaまで増大するにつれて、チャネル領域13に誘導される平均応力は、約175MPaから約250MPaまで増大する。別の例として、約80nmの厚さの窒化物エッチストップ層17の場合には、その膜に形成される真性応力が約1から1.8GPaまで増大するにつれて、チャネル領域13に誘導される平均応力は、約200MPaから約340MPaまで増大する。従って、窒化物エッチストップ層17の真性応力を増大させると、チャネル領域13の引張り応力が一定の割合で増大する。
【0035】
[0048]図3は、窒化物エッチストップ層17の厚さを増大させると、チャネル領域13の応力が増大することを例示している。図3に示されるように、約1.2GPaの真性応力値を有する窒化物エッチストップ層17の場合には、窒化物エッチストップ層17の厚さが約20nmから約100nmまで増大するにつれて、チャネル領域に形成される平均応力は、約125MPaから260MPaまで増大する。又、約1.5GPaの真性応力値を有する窒化物エッチストップ層17の場合には、窒化物エッチストップ層17の厚さが約20nmから約100nmまで増大するにつれて、チャネル領域に形成される平均応力は、約160MPaから325MPaまで増大する。又、約1.8GPaの真性応力値を有する窒化物エッチストップ層17の場合には、窒化物エッチストップ層17の厚さが約20nmから約100nmまで増大するにつれて、チャネル領域に形成される平均応力は、約200MPaから380MPaまで増大する。従って、窒化物エッチストップ層17の厚さを調整することにより、チャネル領域13に誘導される平均引張り応力を調整することができる。
【0036】
[0049]更に又、図3は、多層窒化物エッチストップスタック19の如き多層窒化物エッチストップスタックを形成することにより、チャネル領域13に形成される引張り応力を増大させる(単一窒化物エッチストップ層17に比べて)ことができることをも例示している。ある特定の厚さでは、窒化物エッチストップ層が、同じ特定の厚さの単一層(例えば、窒化物エッチストップ層17)と違って多層(例えば、多層窒化物スタック19又は二重窒化物スタック)であるときには、チャネル領域13に形成される引張り応力は、多層窒化物層の場合の方が実質的により高くなる(例えば、約20%より高い)。従って、膜の厚さを不必要に増大させることなしにチャネル領域の引張り応力の値を増大するためには、窒化物エッチストップ層を、多層窒化物エッチストップスタック19として形成する。例えば、図3に示されるように、1.2GPa、1.5GPa又は1.8GPaの真性値を有する互いに重ね合わせて形成した2つの窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物エッチストップスタック19では、チャネル領域に誘導される平均引張り応力は多層窒化物層の場合により高い。
【0037】
[0050]1つの実施形態では、スペーサー14は、窒化物エッチストップ層17又は多層窒化物エッチストップスタック19を作るのに使用されたのと同じ堆積プロセスを使用して窒化物で形成される。スペーサー14を窒化物で形成すると、チャネル領域13に応力が誘導される。図4は、スペーサー14を窒化物で形成すると、基板に誘導される引張り応力の量が改善されることを例示している。1つの実施形態では、窒化物スペーサー14は、下側膜、例えば、ソース領域15及びドレイン領域16が形成され、その上にゲート誘電体層18及びゲート電極10が形成された基板12の上に堆積される。1つの実施形態では、基板12は、前述したように、窒化物スペーサー14の堆積又は形成前に熱的ショックを与えられる。1つの実施形態では、窒化物スペーサー14が形成された後、窒化物エッチストップ層(例えば、窒化物エッチストップ層17に類似の)又は多層窒化物エッチストップスタック(例えば、多層窒化物エッチストップスタック19に類似の)が基板及び窒化物スペーサー14上に形成される。
【0038】
[0051]図4に例示されるように、チャネル領域13に形成される平均応力は、基板12の上に窒化物エッチストップ層17のみが形成されている場合に最も低い(例えば、約205MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタック19が基板12上に形成されるときに改善される(例えば、約235MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、窒化物エッチストップ層17が基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が窒化物で形成されるときにより改善される(例えば、約250MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタックが基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が窒化物で形成される場合が最も高いものとして改善される(例えば、約270MPa)。
【0039】
[0052]同様に、図4に例示されるように、チャネル領域13に形成される平均応力は、窒化物エッチストップ層17のみが基板12上に形成されているときに最も低い(例えば、1.8GPaの真性応力及び80nmの厚さを有する窒化物エッチストップ層17の場合に約350MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタック19が基板12上に形成されるときに改善される(例えば、約400MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、窒化物エッチストップ層17が基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が最も低い真性応力(引張り)の窒化物で形成される場合により改善される(例えば、約410MPa)。チャネル領域13に形成される平均応力は、多層窒化物エッチストップスタックが基板12上に形成されることに加えてスペーサー14が最も低い真性応力(引張り)の窒化物で形成される場合に最も高いものとして改善される(例えば、約450MPa)。従って、チャネル領域13の引張り応力を調整するためには、基板12上の窒化物エッチストップ層を必要以上に厚くする必要なしにチャネル応力を増大させるようにスペーサー14は、最も低い真性応力(引張り)の窒化物で形成される。
【0040】
[0053]更に又、チャネル領域13の引張り応力は調整可能である。例えば、前述した窒化物エッチストップ層17が基板12上に形成されたり、前述した多層窒化物エッチストップスタック19が基板12上に形成されたり、スペーサー14が窒化物で形成されたりする。チャネル領域13の応力を調整するため、これらの1つ以上の任意の組み合わせがなされる。これらの方法を使用すると、基板上に形成される窒化物エッチストップ層を厚くし過ぎることなく、チャネル領域13の応力を増大させることができる。
【0041】
[0054]ある実施形態では、基板のチャネル応力を調整するため、窒化物エッチストップ層、多層窒化物エッチストップスタック及び窒化物スペーサーのうちの任意の1つ又はそれ以上のものにドーパントを加える。窒化物エッチストップ層、多層窒化物エッチストップスタック及び窒化物スペーサーの各々は、特定の膜、スタック又はスペーサーの堆積プロセスにドーパントを加えることにより調整される。ある実施形態では、水素(H2)、ゲルマン(GeH4)及び亜酸化窒素笑気(N2O)の如きドーパントが、窒化物エッチストップ層、多層窒化物エッチストップスタック及び/又は窒化物スペーサーを調整するためその堆積プロセスに加えられる。これらのドーパントは、窒化シリコンアモルファス膜構造を調整することにより、基板のチャネル応力を増大(例えば、GeH4)させたり、減少(例えば、N2O)させたりする。更に又、これらの膜、スタック又はスペーサーのいずれかにドーパントを加えることにより、それらの堆積割合を増大させたり減少させたりすることもできる。例えば、これらの膜、スタック又はスペーサーのうちのいずれかの堆積割合を増大するため、H2又はGeH4がその堆積プロセスに加えられる。
【0042】
[0055]図5は、前述した窒化物エッチストップ層を堆積する典型的な方法500を例示している。1つの実施形態では、ボックス502にて、基板が堆積チャンバに配置される。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又はレジスタ)又は前述したように基板の上部に形成された他の構造部分を有する。1つの実施形態では、堆積チャンバは、以下の実施形態にて説明される単一ウエハ堆積チャンバである。ボックス504にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを、例えば、760トルより低い圧力の低圧堆積チャンバとするような圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0043】
[0056]ボックス506にて、基板は、基板上に窒化物エッチストップ膜を堆積する直前又は直前に処理温度にて熱的ショックを受ける。1つの実施形態では、基板は、窒化物エッチストップ層を堆積する直前までは処理温度より実質的に低い温度に保たれる。例えば、堆積チャンバは、窒化物エッチストップ膜の堆積のために基板を載せるヒータを有する。この実施例では、基板は、堆積の直前に堆積チャンバのヒータの上に降ろされる。別の仕方として、堆積チャンバのヒータは、堆積時間まではより低い温度に設定される。別の場合には、堆積チャンバは、堆積チャンバを急速に加熱できるようにする加熱ランプ又は他の適当な加熱装置を有する。この実施例では、加熱ランプ又は装置は、堆積の直前に基板に熱的ショックを与えるため付勢される。
【0044】
[0057]ボックス508にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。これら前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちの任意のものである。別の実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。もう1つ別の実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及NH3を含む。前駆物質は、堆積の前及び基板に熱的ショックを与える前には、前駆物質の流量を安定化するために堆積チャンバからそらされている。基板に熱的ショックが与えられた後(又は基板に熱的ショックが与えられたすぐ直後)、前駆物質は、膜の堆積のためそれらの安定化された流量(及び所望の流量)にて堆積チャンバ内へ向けられる。
【0045】
[0058]ボックス510にて、窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。この堆積は、約200−1000オングストロームの膜が形成されるに十分な時間中続けられる。
【0046】
[0059]図6は、前述したような多層窒化物スタックを堆積する典型的な方法600を例示している。1つの実施形態では、ボックス602にて、基板が堆積チャンバに配置される。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又はレジスタ)又は前述したように基板の上部に形成される他の構造部分を有する。1つの実施形態では、この堆積チャンバは、以下の実施形態において説明される単一ウエハ堆積チャンバである。ボックス604にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを、低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0047】
[0060]ボックス606にて、基板は、基板上に窒化物エッチストップ膜を堆積する直前又は直前に処理温度で熱的ショックを与えられる。1つの実施形態では、基板は、窒化物エッチストップ層の堆積の直前まで処理温度より実質的に低い温度に維持される。基板は、堆積の直前に堆積チャンバのヒータの上に降ろされるか、又は別の仕方として、堆積チャンバのヒータは、前述したのと同様に堆積時間までより低い温度に設定される。
【0048】
[0061]ボックス608にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。その前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちの任意のものである。1つの実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。前駆物質は、堆積前及び基板に熱的ショックを与える前に、前駆物質の流量を安定化するため、堆積チャンバからそらされている。基板に熱的ショックが与えられた後(又は基板に熱的ショックが与えられた直後)、前駆物質は、膜の堆積のため安定化された流量(及び所望の流量)で堆積チャンバ内へ向けられる。
【0049】
[0062]ボックス610にて、第1の窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。1つの実施形態では、約100−800オングストロームの膜を形成するに十分な時間中堆積が続けられる。それから、基板は低い温度とされる。1つの実施形態では、第1の窒化物エッチストップ膜が形成された基板は、第2の窒化物エッチストップ膜の堆積前に堆積チャンバから外される。
【0050】
[0063]1つの実施形態では、基板は、低い温度とされた後、第2の窒化物エッチストップ膜の堆積のため堆積チャンバへ戻される。ボックス612にて、第2の窒化物エッチストップ膜が、多層窒化物エッチストップスタックを形成するため、第1の窒化物エッチストップ膜の上部に形成される。基板は、第2の窒化物エッチストップ層の堆積前に前述したのと同様に熱的ショックを与えられても良い(必ずしも必要でないが)。別の実施形態では、基板は、第1の窒化物エッチストップ膜の堆積の後に堆積チャンバから外されない。この場合には、基板をヒータ又は加熱装置から離すか、又は加熱ランプを消勢させる。基板は低い温度とされ、堆積チャンバは、第2の窒化物エッチストップ膜を堆積するため再び処理温度に設定され、基板がヒータへ戻されるか、又はランプが付勢される。1つの実施形態では、堆積は、約100−800オングストロームの第2の膜を形成するのに十分な時間の間続けられる。
【0051】
[0064]1つの実施形態では、多層窒化物エッチストップスタックの合計の厚さは、約200−1000オングストロームであり、この多層窒化物エッチストップスタックの各層は、互いに厚さが等しい。しかしながら、アプリケーションによっては、層の厚さを互いに実質的に異ならせても良い。
【0052】
[0065]図7は、前述したような多層窒化物スタックを堆積する典型的な方法700を例示している。1つの実施形態では、ボックス702にて、基板が堆積チャンバに配置される。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又レジスタ)又は前述したような基板の上部に形成された他の構造部分を含む。1つの実施形態では、堆積チャンバは、以下の実施形態にて説明される単一ウエハ堆積チャンバである。ボックス704にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0053】
[0066]ボックス706にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。これら前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちのいずれかである。別の実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。前駆物質は、堆積前及び基板が処理温度に安定化される前には、堆積チャンバからそらされている。基板が安定化された後、前駆物質は、膜の堆積のためそれらの安定化された流量(及び所望の流量)で堆積チャンバ内へ向けられる。
【0054】
[0067]ボックス708にて、第1の窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。1つの実施形態では、約100−800オングストロームの膜を形成するに十分な時間の間堆積が続けられる。それから、基板は低い温度にされる。ボックス710にて、多層窒化物スタックを形成するため、第2の窒化物エッチストップ膜が第1の窒化物エッチストップ膜の上部に形成される。1つの実施形態では、約100−800オングストロームの膜を形成するに十分な時間の間堆積が続けられる。1つの実施形態では、第1の窒化物エッチストップ膜が形成された基板は、第2の窒化物エッチストップ膜の堆積前に堆積チャンバから外される。方法700と方法600との1つの違いは、多層窒化物エッチストップスタックのいずれの層の堆積前にも基板に熱的ショックが与えられないことである。
【0055】
[0068]図8は、前述したような窒化物スペーサーを堆積する典型的な方法800を例示している。1つの実施形態では、ボックス802にて、基板が堆積チャンバに配置される。1つの実施形態では、堆積チャンバは、以下の実施形態にて説明される単一ウエハ堆積チャンバである。この基板は、少なくとも1つの半導体デバイス(例えば、トランジスタ、キャパシタ又はレジスタ)又は前述したように基板の上部に形成される他の構造部分を有する。1つの実施形態では、基板は、ソース領域、ドレイン領域及びゲート誘電体、及びその上に形成されたゲート電極を含む。それから、ゲート誘電体及びゲート電極の各側に1つのスペーサーが形成される(図1A−図1Bに示されるのと同様に)。1つの実施形態では、最初に、窒化物膜が基板の全面及びゲート誘電体及びゲート電極上に堆積される。それから、スペーサーを形成するためエッチングが使用される。
【0056】
[0069]ボックス804にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力及び温度に設定される。1つの実施形態では、処理温度は、約550℃から約700℃の範囲である。別の実施形態では、処理温度は、約675℃である。更に別の実施形態では、処理温度は、約400℃から約700℃の範囲である。1つの実施形態では、処理圧力は、堆積チャンバを低圧堆積チャンバとする圧力、例えば、760トルより低い圧力である。1つの実施形態では、処理圧力は、約50−500トルである。更に別の実施形態では、処理圧力は、約140トルである。
【0057】
[0070]ボックス806にて、基板上に窒化物スペーサーを堆積する直前又は直前に処理温度でもって基板に熱的ショックが与えられる。1つの実施形態では、基板は、窒化物エッチストップ層を堆積する直前まで処理温度より実質的に低い温度に保たれる。例えば、堆積チャンバは、窒化物エッチストップ膜の堆積のために基板が載せられるヒータを有する。この実施例では、基板は、堆積の直前に堆積チャンバのヒータの上部に降ろされる。更に別の仕方として、堆積チャンバのヒータは、堆積時間まで低い温度に設定される。別の例では、堆積チャンバは、堆積チャンバを急速に加熱できる加熱ランプ又は他の適当な加熱装置を有する。この実施例では、加熱ランプ又は装置は、基板に熱的ショックを与えるため堆積の直前に付勢される。
【0058】
[0071]ボックス808にて、前駆物質が堆積チャンバ内へ導入される。これら前駆物質は、シリコンソースガス及び窒化物ソースガスを含む。1つの実施形態では、シリコンソースガスは、BTBASであり、窒化ソースガスは、NH3である。別の実施形態では、シリコンソースガスは、シラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラヨウ化シリコン、塩化シリコン、テトラキス(ジメチルアミノ)シラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルシラン、トリス(イソプロピルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、モノメチルヒドラジン及びヒドラジノシランのうちのいずれかである。別の実施形態では、窒化ソースガスは、N2H4である。1つの実施形態では、前駆物質は、0(NH3:BTBAS)より大きいが100より小さい比率でBTBAS及びNH3を含む。前駆物質は、堆積前及び基板に熱的ショックを与える前には、前駆物質の流量を安定化するため堆積チャンバからそらされている。基板に熱的ショックが与えられた後(基板に熱的ショックが与えられた直後)、前駆物質は、スペーサーを形成するのに使用される膜の堆積のため、それらの安定化された流量(及び所望の流量)で堆積チャンバ内へ向けられる。
【0059】
[0072]ボックス810にて、窒化物エッチストップ膜が基板上に形成される。約200−1000オングストロームの膜を形成するに十分な時間中堆積が続けられる。ボックス812にて、その窒化物エッチストップ膜は、スペーサーを形成するためエッチングされる。
【0060】
[0073]図9は、本発明の典型的な実施形態を実施するのに使用される単一ウエハ化学気相堆積チャンバの側断面を例示している。例示のため、本発明の典型的な実施形態を実施するのに使用できるほぼ5−6リットルのチャンバについて説明する。
【0061】
[0074]図9は、リアクタ100が、基板(図示していない)上に膜(例えば、シリコン構成膜、窒化物エッチストップ膜、又は誘電体膜)を形成するため処理ガス、前駆体ガス又は反応ガスが導入される反応チャンバ108を定めるチャンバ本体106を備えるところを例示している。チャンバ本体106は、チャンバが約760トルより低い圧力を維持できるようにする材料で構成されている。1つの典型的な実施形態では、チャンバ本体106は、アルミニウム合金材料で構成される。チャンバ本体106は、このチャンバ本体106を冷却するのに温度制御された流体を送り込むための通路110を含む。リアクタ100は、温度制御された流体通路を備えており、“低温壁”リアクタと称される。チャンバ本体106を冷却することにより、反応性種の存在及び高温度によるチャンバ本体106を構成するのに使用されている材料の腐食を防ぐことができる。
【0062】
[0075]チャンバ本体106には、反応チャンバ108、チャンバ蓋126、1つ又はそれ以上の分配ポート(例えば、ポート123、124及び125)、フェイスプレート(又はシャワーヘッド)130、ブロッカープレート128及び抵抗加熱アセンブリ104がある。抵抗加熱アセンブリ104は、ニッケル又は他の適当な加熱素子で形成されるヒータチューブ114の長さに亘って設けられるいくつかの加熱素子(ロッド)112を含む。ヒータチューブ114の端部には、焼結窒化アルミニウム(AIN)で形成された加熱ディスク116が設けられている。この加熱ディスク116内には、モリブデンで形成された螺旋状加熱素子(コイル)118がある。それらロッド112及びコイル118は、ろう付けによって接合されている。ロッド112は、AINセラミックスリーブ120で熱的に絶縁されている。コイル118は、電気的抵抗の大部分を与えており、従って、反応チャンバ加熱の大部分を与える。加熱ディスク116の端部には、サセプタと称する凹所が設けられており、このサセプタ122内に、基板102の如きウエハ又は基板が配置される(図10)。
【0063】
[0076]図9は、チャンバ本体108が、更に、リフターアセンブリ136を収容しているところを例示している。このリフターアセンブリ136は、ウエハ基板を反応チャンバへ入れたり出したりするのを助ける。このリフターアセンブリ136は、ステッパモータで良い。リフターアセンブリ136は、ウエハ基板を反応チャンバ108へ入れたり出したりするのを助けるため軸105にそってヒータアセンブリを上げたり下げたりする。
【0064】
[0077]1つの実施形態において、図11は、基板132(この基板132は多くの実施形態における基板102である)が、例えば、自動移送機構(図示していない)によって入口ポート134を通して反応チャンバ108内に配置されるところを例示している。1つの実施形態では、自動移送機構は、移送ブレード166に結合し、その移送ブレード166を制御する。その移送ブレード166は、開口134を通して基板132を挿入して基板132を反応チャンバ108内のサセプタ122内へ装填させる。基板132が装填されるときに、リフターアセンブリ136は、サセプタ122の表面が入口ポート134より下となるように、軸105にそって下位の方向にヒータアセンブリ104及びサセプタ122を下降させる。サセプタ122が下降されるとき、基板132は、反応チャンバ108に配置される。基板132が装填されるとき、入口ポート134は閉じられ、リフターアセンブリ136が、ヒータアセンブリ104及びサセプタ122を、フェイスプレート130に向かう上位の方向(例えば、上方)へと移動又は進める。1つの典型的な実施形態では、基板のこのような進行は、基板132がフェイスプレート130から短い距離(例えば、400−900ミル)のところにきたときに停止される。
【0065】
[0078]チャンバ108は、又、コンタクトリフトプレート144をも含む。このコンタクトリフトプレート144は、一組のリフトピン142を結合して有している。これらリフトピン142は、堆積前には加熱アセンブリ104の上方に基板132を保持しており、堆積のためにサセプタ122上に基板132をセットする。
【0066】
[0079]リフトピン142は、基板132の熱的ショックが必要とされるか又は所望されるときに特に有用である。例えば、加熱アセンブリ104は、反応チャンバ108を処理温度に設定する。リフトピン142は、膜(例えば、窒化物エッチストップ膜)の堆積の用意ができるまで、基板132を低い温度に保つ。堆積を開始する用意ができるとき、基板132は、サセプタを上昇させ、リフトピン142が基板132をサセプタ122上に下降セットさせることにより、熱的ショックを与えられる。1つの実施形態では、移送ブレード166が基板132をその上にした状態で開口134を通して挿入されるとき、リフターアセンブリ104が軸105にそって下位の方向に移動させられる。リフターアセンブリ136の動作により、リフトピン142は、加熱ディスク116の上面の上方に延びて静止していることになる(図10)。基板132は、リフトピン142に接触し、堆積プロセスが始まるまでリフトピン上に保持される。堆積が始められるとき、リフトアセンブリ136は、基板132がサセプタ122上に置かれるようにリフトピン142を通過するまで加熱アセンブリ104を上位の方向に(上方に)移動させる。
【0067】
[0080]堆積が完了したとき、基板132は、先ず図10及び図11に例示されるようにサセプタ122の表面から分離させられて、チャンバ108から外される(例えば、堆積の完了時)。移送ブレード166が開口134を通して基板132を支持するリフトピン142のヘッドの下に挿入される。リフトピン142は、リフトピン142を上下に移動させるコンタクトリフトピン144に結合される。次に、リフターアセンブリ136がヒータアセンブリ104を下位の方向に移動させる(例えば、下降させる)。加熱アセンブリ104がリフターアセンブリ136の動作により下位の方向に移動するとき、リフトピン142は、静止したままとされ、最終的には、加熱ディスク116の上面の上方に延びており、基板132をサセプタ122から分離させる。従って、基板132は、移送ブレード166と接触させられる。それから、基板132は、移送ブレード166により入口ポート134を通して外される。
【0068】
[0081]前述した機構は、次の基板又は次の膜堆積のために繰り返される。1つの適当なリフターアセンブリ136の詳細な説明は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアル社に譲渡されている米国特許第5772773号明細書になされている。
【0069】
[0082]1つの典型的な実施形態では、堆積又は処理の用意ができたとき、ガスパネル(図示していない)によって制御される処理材(ガス又は液体)又は前駆物質が、ポート123、124及び125を通して反応チャンバ108内へ別々に導入される。ブロッカープレート128は、ガス流を通す複数の孔(図示していない)を有している。1つの実施形態では、ポート123、124及び125のうちの1つ、例えば。ポート124からガスがブロッカープレートへ供給される。
【0070】
[0083]反応チャンバ108は、又、この反応チャンバ108内の処理温度を監視するため温度指示器をも含む。1つの実施例では、温度指示器は、サセプタ122の表面(又はサセプタ122によって支持された基板132の表面)での温度についてのデータを都合良く与えるように配置される熱電温度計である。
【0071】
[0084]図9から図11は、更に、反応チャンバ108が温度制御ライナー又は絶縁ライナー109で裏打ちされているところを例示している。前述したように、チャンバ本体106は、低温壁チャンバ効果を生成するよう温度制御された流体のための通路110を含む。反応チャンバ108内の反応温度は、800℃又はそれ以上もの高い温度である。反応チャンバ108にて膜を形成するのに使用される化学物質の場合には、高温度であると反応チャンバ108のチャンバ本体106が容易に腐食されてしまう。従って、ある実施形態では、チャンバ本体106には、このチャンバ本体106を冷却する水又は他の冷却流体の如き温度制御された流体のための通路110が設けられる。こうすることにより、チャンバ本体106が容易に腐食させられてしまうような高温過ぎるような温度とチャンバ本体106がなってしまうことが防止される。低温壁チャンバに関連する1つの問題は、チャンバの低温壁に近接している反応チャンバ108内の領域が急峻な温度低下を受けがちであるということである。これらの領域における急峻な温度低下は、反応チャンバ108にて形成される特定の膜の堆積のために望ましくない又は不利な粒子の凝結の形成を促進させてしまう。例えば、窒化シリコン(Si3N4)を形成するための堆積プロセスにおけるHCD及びNH3の反応は、NH4Clを形成させてしまう。NH4Clは、形成されるSi3N4の汚染を防止するために清掃する必要のある望ましくない副産塩である。温度が約150℃より低い温度へ低下するとき、NH4Clの如き凝結が起こる。これらの粒子は、チャンバ壁から分離するようになる。これら分離した粒子は、ウエハ基板上の粒子形成の核生成座を形成する。1つの実施形態では、反応チャンバ108は、粒子の望ましくない凝結を防止するため温度制御ライナーで裏打ちされる。
【0072】
[0085]温度制御ライナー109は、チャンバ本体106の低温壁効果による望ましくない反応を防止する特定のレベルに反応チャンバ108の温度を維持するように作用する。1つの典型的な実施形態では、温度制御ライナー109は、温度制御流体が通されるコンジットである。1つの実施形態では、温度制御流体は、膜形成のアプリケーションに応じて、温度制御ライナー109を150℃より高い温度に、又は別の仕方では、200℃より高い温度に維持することができなければならない。別の実施形態では、温度制御ライナー109は、温度制御ライナー109が150℃より高い温度、又は別の仕方では、200℃より高い温度を維持できるようにする硬質アルマイトで形成される。
【0073】
[0086]1つの実施形態では、温度制御ライナー109は、この温度制御ライナー109
がチャンバ本体106の壁に沿って幾つかの物理的接触点を有するようにして、チャンバ本体106の壁に結合される。(例えば、図10に例示される接触点159参照)。温度制御ライナー109とチャンバ本体106の壁との間の物理的接触を最小とすることにより、伝導点が最小とされ、チャンバ本体106への熱損失が最小とされる。
【0074】
[0087]更に別の実施形態では、温度制御ライナー109は、150℃より高い温度又は200℃より高い温度を維持できる型のセラミック材料で形成される。温度制御ライナー109は、他の適当な耐腐食性材料で形成される。温度制御ライナー109のために使用される硬質アルマイト、セラミック又は他の適当な材料は、加熱アセンブリ104からの放射熱を吸収することができるものでなければならず、且つ、熱をチャンバ本体106へ伝達してチャンバ本体106を熱くしてしまう程に伝導性が良過ぎてはならない。実際には、硬質アルマイト、セラミック又は他の適当な材料は、熱を絶縁して、熱がチャンバ本体106の低温壁へ伝達されないようにするものでなければならない。
【0075】
[0088]本発明の実施形態は、半導体基板において引張り応力及び対応する歪を生成する他の方法に関連して使用される。例えば、シリコン材料において引張り応力及び対応する歪を生成することによりキャリア移動度を高める方法は、シリコンゲルマニウム基板上にシリコンの層を形成することを含む。シリコンゲルマニウム格子は、その格子により大きなゲルマニウム原子が存在するため純粋なシリコン格子よりも一般的にはより広い空間とされている。シリコン格子の原子は、より広く拡散されたシリコンゲルマニウム格子と整列するので、引張り歪がそのシリコン層に生成される。それらのシリコン原子は、本質的に互いに引っ張り合っている。シリコンゲルマニウム基板上に成長したシリコンに関連して、その基板は、前述したようなある実施形態による熱的ショックを与える技法で形成された窒化物エッチストップ層や、前述したようなある実施形態又はそれらの組み合わせによる多層窒化物エッチストップスタックで覆われる。窒化物エッチストップ層又は多層窒化物エッチストップスタック層の厚さは、特定の引張り応力値が得られるように制御される。従って、本発明の実施形態は、単独で、又は既存の方法と組み合わせて、半導体基板において歪を生成する方法として使用される。
【0076】
[0089]本発明の実施形態にて説明した種々な膜は、1つのチャンバ(その同じ場所で)又はクラスターツールとして配列される種々のチャンバにて形成される。図12は、いくつかの処理チャンバを含む典型的なクラスターツール1100を例示している。例えば、このクラスターツール1100は、酸化シリコン堆積チャンバ1102、アニーリングチャンバ1104、窒化シリコン堆積チャンバ1105及びポリシリコン堆積チャンバ1106を含む。酸化シリコン堆積チャンバ1102、窒化シリコン堆積チャンバ1105及びポリシリコン堆積チャンバ1106の各々は、前述したリアクタ100のような反応チャンバでよい。
【0077】
[0090]クラスターツール1100は、又、前述したチャンバの1つへ堆積されるべきウエハ(又は基板)を取り扱うウエハクリップ1112を含むウエハハンドラ1109を有する移送チャンバ1108をも含む。ウエハクリップ1112は、図11において前述した移送ブレード166でよい。移送チャンバ1108は、更に、処理すべき基板を貯蔵するロードロックシステム1110に結合される。1つの実施例では、ウエハハンドラ1109は、処理プロトコルに従って、ロードロックシステム1110から基板(例えば、ウエハ)を取り出してその基板を適当なチャンバ内に配置する。ウエハハンドラ1109は、又、その処理が完了するとき、その基板をそのチャンバから取り出してその基板を次の処理チャンバ又はロードロックシステム1110内へと移動させる。
【0078】
[0091]移送チャンバ1108は、典型的には、大気状態に比べて減少させられた圧力に設定される。移送チャンバ1108は、又、チャンバが作動する処理圧力に近い圧力に設定されもする。クラスターツール1100は、ウエハがロードロックシステム1110にあるとき、他のチャンバ内への他の基板の装填により各チャンバ内の動作状態に衝撃が与えられないようにする圧力に設定される。例えば、酸化シリコン層を堆積し、窒化シリコン層を堆積し、ポリシリコン層を堆積し、それから基板をアニーリングするというような複数の処理が含まれるとき、ウエハハンドラ1109が、各処理のため基板を1つのチャンバから次のチャンバへと移動させるのに使用される。
【0079】
[0092]複数の膜のすべては、前述したクラスターツール1100を使用して形成されるか、又は、その同じ場所で又は同じチャンバ(すなわち、反応チャンバ108)で形成される。その同じ場所で形成するか又はクラスターツール1100を使用して形成するか、いずれの方法でも、1つの膜の上に別の膜を重ねて堆積する前に膜が酸化雰囲気に対して露出されないようにすることにより、それら膜の間の界面を清浄なものとすることができる。
【0080】
[0093]図13は、本発明の実施形態による窒化物エッチストップ層又は多層窒化物層を形成する典型的な方法1200を例示している。ボックス1202にて、基板が堆積チャンバに配置される。この点で、基板は、チャンバにおいて一組のリフトピンの上に置かれており、堆積チャンバのヒータ上には載せられない。1つの実施形態では、堆積チャンバは、単一ウエハ堆積チャンバであるリアクタ100である。ボックス1204にて、堆積チャンバは、不活性ガスでパージされる。1つの実施形態では、その不活性ガスは、窒素、ヘリウム又はアルゴンである。このパージングにより、堆積のための清浄な環境が与えられる。1つの実施形態では、パージングは、約2−8SLMにて堆積チャンバ内へ不活性ガスを流すことによって行われる。
【0081】
[0094]ボックス1206にて、堆積チャンバのヒータは、所望の処理温度(例えば、400−700℃)に設定される。ボックス1208にて、堆積チャンバは、所望の処理圧力(例えば、50−300トル)に設定される。1つの実施形態では、不活性ガスは、堆積チャンバが所望の処理圧力に達するように調整される。
【0082】
[0095]ボックス1210にて、堆積チャンバにおけるキャリアガス流が安定化される。1つの実施形態では、キャリアガスの流量は、先ず所望の流量に設定される。キャリアガスは、最初は、堆積チャンバの堆積領域をバイパスするようにして流される。例えば、キャリアガスは、その流量が安定化されるまでは、堆積チャンバの排出ラインへ流される。ボックス1212にて、堆積チャンバ内のシリコンソース(例えば、BTBAS)流が安定化される。1つの実施形態では、シリコンソースは、液体ソースである。1つの実施形態では、先ず、シリコンソースガスの流量は、所望の流量に設定される。シリコンソースは、最初は、堆積チャンバの堆積領域をバイパスするようにして流される。例えば、シリコンソースは、その流量が安定化されるまでは、堆積チャンバの排出ラインへ流される。
【0083】
[0096]ボックス1214にて、基板に熱的ショックが与えられる。1つの実施形態では、堆積チャンバのヒータは、基板に接触又は基板を支持するように上昇させられる。それから、基板は、堆積の開始の用意ができるとすぐに、処理温度又はヒータの温度でショックを与えられる。
【0084】
[0097]ボックス1216にて、窒化ソースガス(例えば、NH3)が堆積チャンバ内へ導入される。堆積の前に窒化ソースガスを予め流すことにより、基板の表面が予め窒化され、それにより、堆積すべき窒化物エッチストップ層の核生成を高めることができる。窒化ソースガスは、堆積チャンバ内へ直接的に導入され、キャリアガス及びシリコンソースの場合のようにチャンバをバイパスさせる必要はない。その1つの理由は、シリコンソース及びキャリアガスの流量が、形成される膜の均一性を高めるのに混合される前及び堆積前に安定化される必要があるということである。
【0085】
[0098]ボックス1218にて、シリコンソースは、キャリアソースガスと混合される。混合の用意ができたとき、キャリアガス及びシリコンソースは、混合された後、チャンバ内へ直接的に流される。ボックス1220にて、窒化物エッチストップが基板の上部に形成される。ボックス1222にて、窒化物エッチストップ層が所望の厚さに形成されるとき、シリコンソースが閉じられる。ボックス1224にて、窒化ソースガスの流入は、窒化物エッチストップ層の後窒化のためある短い時間の間続けられる。
【0086】
[0099]複数の窒化物エッチストップ層を互いに重ねて形成するとき、基板は、堆積チャンバから出され、次の層のために戻される。別の仕方として、基板は、例えば、ヒータから引き上げられて低い温度とされ、基板が次の堆積の用意ができるまで、シリコンソースはそらされる。すべての層が堆積されるまで、窒化物エッチストップ層を堆積する同じプロセスが繰り返される。
【0087】
[0100]1つの実施形態では、堆積チャンバは、基板処理システム、例えば、クラスターツール1100及びリアクタ100の動作のすべてを制御するシステムコントローラ(コントローラ1180)に結合される。本発明の1つの実施形態では、システムコントローラ1180は、ハードディスクドライブ(メモリ1182)、フロッピーディスクドライブ及びプロセッサ1184を含む。プロセッサ1184は、シングルボードコンピュータ(SBC)、アナログ及びデジタル入力/出力ボード、インターフェイスボード及びステッパモータコントローラボードを含む。
【0088】
[0101]1つの実施形態では、システムコントローラ1180は、メモリ1182の如きコンピュータ読取り可能な媒体に記憶されたコンピュータプログラムであるシステム制御ソフトウエアを実行する。好ましくは、メモリ1182は、ハードディスクドライブであるが、このメモリ1182は、他の種類のメモリでもよい。コンピュータプログラムは、特定のプロセスの、タイミング、ガスの混合、チャンバの圧力、チャンバの温度、加熱アセンブリ、サセプタ位置及び他のパラメータを指令する命令のセットを含む。勿論、例えば、フロッピーディスクを含む別のメモリドライブ又は他の適当なドライブに記憶されているような他のコンピュータプログラムもコントローラ1180を制御するのに使用できる。ユーザとコントローラ1180との間のインターフェイスとして、モニター、キーボード及び/又はマウスの如き入力/出力デバイス1186を使用できる。こうして、システムコントローラ1180は、ここで説明した実施形態を実施する命令を実行することができる。
【0089】
[0102]1つの実施形態では、窒化物エッチストップ層又は多層窒化物エッチストップ層が基板上に形成されるように命令のセットが書き込まれる。これら命令は、基板を単一ウエハ堆積チャンバに配置し、窒化物エッチストップ層の堆積の直前に基板に熱的ショックを与えるように命令する。それら命令は、基板を所望の堆積温度より実質的に低い温度に維持し、窒化物エッチストップ堆積の直前に所望の堆積温度で基板にショックを与えるように命令する。別の仕方として、それら命令は、堆積前に単一ウエハ堆積チャンバのヒータの上方で一定距離のところに基板を維持し、窒化物エッチストップ堆積の直前に基板をヒータに接触させ基板に熱的ショックが与えられるように命令する。これら命令は、更に、基板上に窒化物エッチストップ層を堆積するように命令する。
【0090】
[0103]別の実施形態では、命令は、第1の窒化物エッチストップ層を基板上に堆積し、第2の窒化物エッチストップ層を第1の窒化物エッチストップ層上に堆積させて、多層窒化物エッチストップスタックを形成するように命令する。これら命令は、第1の窒化物エッチストップ層を堆積する前に基板に熱的ショックを与えるように命令し、更に別の仕方として、第2の窒化物エッチストップ層を堆積する前に基板に熱的ショックを与えるように命令する。これら命令は、更に、第1の窒化物エッチストップ層がそこに堆積された基板を単一ウエハ堆積チャンバから移動させ、第1の窒化物エッチストップ層の上に第2の窒化物エッチストップ層を堆積する直前に基板に熱的ショックを与えるように命令する。
【0091】
[0104]本発明を幾つかの実施形態について説明してきたが、本発明は、これら説明した実施形態に限定されるものではないことは当業者には認識できるであろう。本発明の方法及び装置は、特許請求の範囲の記載の精神及び範囲内で種々変更及び変形して実施することのできるものである。従って、本明細書の記載は、それに限定するものでなく、単なる例示としてみなされるべきものである。
【0092】
[0105]典型的な実施形態について開示したが、それら開示した実施形態に対して、特許請求の範囲の記載により限定される本発明の精神及び範囲内に入る種々の変更及び変形をなすことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1A】窒化物エッチストップ層を組み込んだデバイスの典型的な実施形態を例示する図である。
【図1B】多層窒化物スタックを組み込んだデバイスの典型的な実施形態を例示する図である。
【図2】デバイスチャネル領域において引張り応力を誘導せしめる真性膜応力の効果を例示する図である。
【図3】デバイスチャネル領域において引張り応力を誘導せしめるための窒化物エッチストップ層の膜厚さの効果を例示する図である。
【図4】デバイスチャネル領域において引張り応力の誘導に対するスペーサー応力の効果を例示する図である。
【図5】窒化物エッチストップ層を形成する典型的な方法を例示する図である。
【図6】基板上に多層窒化物スタックを形成する典型的な方法を例示する図である。
【図7】基板上に多層窒化物スタックを形成する別の典型的な方法を例示する図である。
【図8】基板上に窒化物スペーサーを形成する典型的な方法を例示する図である。
【図9】本発明の多くの実施形態のために使用される単一ウエハ堆積チャンバの典型的な実施形態を例示する図である。
【図10】本発明の多くの実施形態のために使用される単一ウエハ堆積チャンバの典型的な実施形態を例示する図である。
【図11】本発明の多くの実施形態のために使用される単一ウエハ堆積チャンバの典型的な実施形態を例示する図である。
【図12】本発明の多くの実施形態のために使用される典型的なクラスターツールを例示する図である。
【図13】本発明の実施形態による窒化物エッチストップ層を形成するための典型的な方法を例示する図である。
【符号の説明】
【0094】
9…半導体デバイス、10…ゲート電極、11…半導体デバイス、12…基板、13…チャネル領域、14…スペーサー、15…ソース領域、16…ドレイン領域、17…窒化物エッチストップ層(引張り応力誘導層)、18…ゲート誘電体層、19…多層窒化物エッチストップスタック、100…リアクタ、102…基板、104…ヒータアセンブリ、106…チャンバ本体、108…反応チャンバ、109…温度制御ライナー、110…通路、116…加熱ディスク、118…螺旋状加熱素子、122…サセプタ、132…基板、134…入口ポート、136…リフターアセンブリ、142…リフトピン、144…コンタクトリフトプレート、166…移送ブレード、1100…クラスターツール、1102…堆積チャンバ、1104…アニーリングチャンバ、1105…窒化シリコン堆積チャンバ、1106…ポリシリコン堆積チャンバ、1108…移送チャンバ、1109…ウエハハンドラ、1110…ロードロックシステム、1112…ウエハクリップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重ねて形成された窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物スタックを備え、上記窒化物エッチストップ層の各々は、膜形成処理を使用して形成されるアセンブリ。
【請求項2】
上記窒化物エッチストップ層の各々は、互いに実質的に等しい厚さを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
上記多層窒化物スタックは、該多層窒化物スタックが上に形成される基板に対して引張り応力を誘導する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
上記多層窒化物スタックは、半導体デバイス上に形成されるコンフォーマル(conformal)膜である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
上記多層窒化物スタックは、半導体デバイス上に形成されるコンフォーマル膜及び半導体デバイスのスペーサー壁のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
ソース領域及びドレイン領域と、上記ソース領域と上記ドレイン領域との間に形成されたチャネル領域とを有する基板と、
上記基板上に形成されたゲートスタックと、
上記基板上に形成され、互いに重ねて形成された複数の窒化物層を有する窒化物スタックを含む引張り応力誘導層と、
を備える半導体デバイス。
【請求項7】
上記複数の窒化物層の各層は、互いに実質的に等しい厚さを有する、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
上記窒化物スタックは、上記チャネル領域に対して引張り応力を誘導する、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
上記引張り応力は、約150−450メガパスカルの値である、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
上記ゲートスタックの各側に堆積されたスペーサーを更に備え、各スペーサーは、窒化物で形成されている、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
各スペーサーは、制御される低い引張り応力窒化物で形成される、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
上記ゲートスタックの各側に堆積されたスペーサーを更に備え、各スペーサーは、互いに重ねて形成された複数の窒化物層を有する別の窒化物スタックで形成される、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
上記窒化物スタックは、200オングストロームから1000オングストロームまでの範囲の合計の厚さを有する、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
半導体デバイスを形成する方法において、
基板を与えるステップと、
上記基板上に半導体デバイスを形成するステップと、
上記基板上に引張り応力誘導層を形成するステップと、
を備え、上記引張り応力誘導層は、互いに重ねて形成される複数の窒化物層を含むような方法。
【請求項15】
上記半導体デバイスは、ソース領域及びドレイン領域と、そこに形成されるゲートスタックとを有し、上記引張り応力誘導層は、上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上に形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記基板上に上記引張り応力誘導層を形成する前に半導体デバイス上にケイ化物層を形成するステップを更に備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記ソース領域、ドレイン領域及びゲートスタックに対するコンタクトを生成するステップを更に備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
上記引張り応力誘導層は、上記基板におけるチャネル領域へ引張り応力を誘導する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
上記基板は、シリコン構成基板、単結晶シリコン基板、ゲルマニウムシリコン基板及びシリコン・オン・インシュレータ基板のうちの1つである、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
上記引張り応力誘導層は、約150メガパスカルと約450メガパスカルとの間の範囲の引張り応力を上記基板に誘導する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
上記引張り応力誘導層は、単一ウエハ堆積チャンバにて形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
上記引張り応力誘導層は、上記基板が堆積チャンバにて熱的ショックを与えられた直後に形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
半導体デバイスを形成する方法において、
単一ウエハ堆積チャンバに基板を配置し、堆積の直前に上記基板に熱的ショックを与えるステップと、
上記基板上に該基板に引張り応力を誘導する第1の窒化物エッチストップ層を堆積するステップと、
を備える方法。
【請求項24】
上記基板に熱的ショックを与えるステップは、上記基板を所望の堆積温度より実質的に低い温度に維持し、上記堆積の直前に上記所望の堆積温度で上記基板にショックを与えることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記基板に熱的ショックを与えるステップは、上記堆積前に上記単一ウエハ堆積チャンバのヒータの上方で一定距離離れたところに上記基板を維持し、上記堆積の直前に上記基板を上記ヒータに接触させることを含み、上記ヒータは、上記基板を所望の堆積温度へと加熱するように設定される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
上記基板は、ソース領域及びドレイン領域と、そこに形成されたゲートスタックとを有し、上記引張り応力誘導層は、上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上に形成される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
上記第1の窒化物エッチストップ層を堆積する前に上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上にケイ化物層を形成するステップを更に備える、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
上記第1の窒化物エッチストップ上に第2の窒化物エッチストップ層を堆積するステップを更に備え、上記第2の窒化物エッチストップ層及び第1の窒化物エッチストップは、上記基板に上記引張り応力を誘導する窒化物スタックを形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
上記第2の窒化物エッチストップ層を堆積するステップは、
上記第1の窒化物エッチストップ層がそこに堆積された上記基板を、上記単一ウエハ堆積チャンバから取り出す段階と、
上記第2の窒化物エッチストップ層を堆積する直前に上記基板に熱的ショックを与える段階と、
を含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
上記基板に熱的ショックを与える段階は、所望の堆積温度より実質的に低い温度に上記基板を維持し、上記堆積の直前に上記基板に上記所望の堆積温度でショックを与えることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
上記基板に熱的ショックを与える段階は、上記堆積の前に上記単一ウエハ堆積チャンバのヒータの上方で一定距離離れたところに上記基板を維持し、上記堆積の直前に上記基板を上記ヒータに接触させるようにすることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
上記基板は、ソース領域及びドレイン領域と、そこに形成されたゲートスタックとを有し、上記引張り応力誘導層は、上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上に形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
上記第1の窒化物エッチストップ層を堆積する前に上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上にケイ化物層を形成するステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項1】
互いに重ねて形成された窒化物エッチストップ層を有する多層窒化物スタックを備え、上記窒化物エッチストップ層の各々は、膜形成処理を使用して形成されるアセンブリ。
【請求項2】
上記窒化物エッチストップ層の各々は、互いに実質的に等しい厚さを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
上記多層窒化物スタックは、該多層窒化物スタックが上に形成される基板に対して引張り応力を誘導する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
上記多層窒化物スタックは、半導体デバイス上に形成されるコンフォーマル(conformal)膜である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
上記多層窒化物スタックは、半導体デバイス上に形成されるコンフォーマル膜及び半導体デバイスのスペーサー壁のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
ソース領域及びドレイン領域と、上記ソース領域と上記ドレイン領域との間に形成されたチャネル領域とを有する基板と、
上記基板上に形成されたゲートスタックと、
上記基板上に形成され、互いに重ねて形成された複数の窒化物層を有する窒化物スタックを含む引張り応力誘導層と、
を備える半導体デバイス。
【請求項7】
上記複数の窒化物層の各層は、互いに実質的に等しい厚さを有する、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
上記窒化物スタックは、上記チャネル領域に対して引張り応力を誘導する、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
上記引張り応力は、約150−450メガパスカルの値である、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
上記ゲートスタックの各側に堆積されたスペーサーを更に備え、各スペーサーは、窒化物で形成されている、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
各スペーサーは、制御される低い引張り応力窒化物で形成される、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
上記ゲートスタックの各側に堆積されたスペーサーを更に備え、各スペーサーは、互いに重ねて形成された複数の窒化物層を有する別の窒化物スタックで形成される、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
上記窒化物スタックは、200オングストロームから1000オングストロームまでの範囲の合計の厚さを有する、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
半導体デバイスを形成する方法において、
基板を与えるステップと、
上記基板上に半導体デバイスを形成するステップと、
上記基板上に引張り応力誘導層を形成するステップと、
を備え、上記引張り応力誘導層は、互いに重ねて形成される複数の窒化物層を含むような方法。
【請求項15】
上記半導体デバイスは、ソース領域及びドレイン領域と、そこに形成されるゲートスタックとを有し、上記引張り応力誘導層は、上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上に形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
上記基板上に上記引張り応力誘導層を形成する前に半導体デバイス上にケイ化物層を形成するステップを更に備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
上記ソース領域、ドレイン領域及びゲートスタックに対するコンタクトを生成するステップを更に備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
上記引張り応力誘導層は、上記基板におけるチャネル領域へ引張り応力を誘導する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
上記基板は、シリコン構成基板、単結晶シリコン基板、ゲルマニウムシリコン基板及びシリコン・オン・インシュレータ基板のうちの1つである、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
上記引張り応力誘導層は、約150メガパスカルと約450メガパスカルとの間の範囲の引張り応力を上記基板に誘導する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
上記引張り応力誘導層は、単一ウエハ堆積チャンバにて形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
上記引張り応力誘導層は、上記基板が堆積チャンバにて熱的ショックを与えられた直後に形成される、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
半導体デバイスを形成する方法において、
単一ウエハ堆積チャンバに基板を配置し、堆積の直前に上記基板に熱的ショックを与えるステップと、
上記基板上に該基板に引張り応力を誘導する第1の窒化物エッチストップ層を堆積するステップと、
を備える方法。
【請求項24】
上記基板に熱的ショックを与えるステップは、上記基板を所望の堆積温度より実質的に低い温度に維持し、上記堆積の直前に上記所望の堆積温度で上記基板にショックを与えることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記基板に熱的ショックを与えるステップは、上記堆積前に上記単一ウエハ堆積チャンバのヒータの上方で一定距離離れたところに上記基板を維持し、上記堆積の直前に上記基板を上記ヒータに接触させることを含み、上記ヒータは、上記基板を所望の堆積温度へと加熱するように設定される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
上記基板は、ソース領域及びドレイン領域と、そこに形成されたゲートスタックとを有し、上記引張り応力誘導層は、上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上に形成される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
上記第1の窒化物エッチストップ層を堆積する前に上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上にケイ化物層を形成するステップを更に備える、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
上記第1の窒化物エッチストップ上に第2の窒化物エッチストップ層を堆積するステップを更に備え、上記第2の窒化物エッチストップ層及び第1の窒化物エッチストップは、上記基板に上記引張り応力を誘導する窒化物スタックを形成する、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
上記第2の窒化物エッチストップ層を堆積するステップは、
上記第1の窒化物エッチストップ層がそこに堆積された上記基板を、上記単一ウエハ堆積チャンバから取り出す段階と、
上記第2の窒化物エッチストップ層を堆積する直前に上記基板に熱的ショックを与える段階と、
を含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
上記基板に熱的ショックを与える段階は、所望の堆積温度より実質的に低い温度に上記基板を維持し、上記堆積の直前に上記基板に上記所望の堆積温度でショックを与えることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
上記基板に熱的ショックを与える段階は、上記堆積の前に上記単一ウエハ堆積チャンバのヒータの上方で一定距離離れたところに上記基板を維持し、上記堆積の直前に上記基板を上記ヒータに接触させるようにすることを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
上記基板は、ソース領域及びドレイン領域と、そこに形成されたゲートスタックとを有し、上記引張り応力誘導層は、上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上に形成される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
上記第1の窒化物エッチストップ層を堆積する前に上記ソース領域及びドレイン領域と上記ゲートスタックとの上にケイ化物層を形成するステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−506262(P2008−506262A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520460(P2007−520460)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/023933
【国際公開番号】WO2006/014471
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/023933
【国際公開番号】WO2006/014471
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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