説明

液晶表示装置の製造方法

【課題】配線破断を軽減する構造を有する液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上にゲート配線及び信号配線、ゲート絶縁膜、半導体パターン、データ配線、保護膜、ドレーン電極を露出させる第1接触孔及び信号配線を露出させ、側辺の長さが幅より大きく形成される複数の第2接触孔、第1及び第2接触孔を通じてドレーン電極に連結される画素電極及び信号配線に連結される信号配線補助パッドを形成する液晶表示装置の製造方法であって、信号配線を形成する段階では、信号配線に一対一に対応する複数の信号リードを有する信号伝送用フィルムを含み、信号伝送用フィルムには複数の信号リードのうちの高電圧信号を伝送する第1信号リードと低電圧信号を伝送する第2信号リードとの間にダミーリードが形成され、ダミーリードに対応するダミー配線が基板に形成され、ダミー配線は信号配線より酸化傾向が小さい特性を有する導電物質で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は現在広く使用されている平板表示装置のうちの一つであって、電極が形成されている二枚の基板とその間に挿入されている液晶層を含んでおり、二枚の基板に形成された電極に電圧を印加して液晶層の液晶分子を再配列させることによって透過する光の量を調節する表示装置である。
【0003】
液晶表示装置のうち現在主に使用されているものは、二枚の基板に電極が各々形成されており電極に印加される電圧をスイッチングする薄膜トランジスタを有している薄膜トランジスタ液晶表示装置である。
【0004】
薄膜トランジスタが形成される基板(以下、“薄膜トランジスタ基板”という)の中央には画面が表示される表示領域が位置する。
【0005】
表示領域には複数のゲート線及びデータ線が交差して定義された複数の画素領域がマトリックス形状に配列されている。それぞれの画素領域にはゲート線及びデータ線に電気的に連結される薄膜トランジスタ及び画素電極が形成されている。また、薄膜トランジスタはゲート線を通じて伝達されるゲート信号によって、データ線を通じて伝達されるデータ信号を制御して画素電極に伝送する。
【0006】
表示領域の外にはゲート線及びデータ線に各々連結されている複数のゲートパッド及びデータパッドが形成されており、このパッドは外部駆動集積回路と直接連結され、外部駆動集積回路からゲート信号及びデータ信号を受信してゲート線及びデータ線に伝達する。
【0007】
ゲート信号及びデータ信号を伝達するためにゲート用印刷回路基板及びデータ用印刷回路基板が薄膜トランジスタ基板に連結される。この時、薄膜トランジスタ基板とデータ用印刷回路基板との間には、電気的な信号をデータ信号に変換してデータ線に出力するデータ駆動集積回路が実装されているデータ信号伝送用フィルムが連結されている。また、薄膜トランジスタ基板とゲート用印刷回路基板との間には電気的な信号をゲート信号に変換してゲート線に出力するゲート駆動集積回路が実装されているゲート信号伝送用フィルムが連結されている。
【0008】
この時、ゲート用印刷回路基板を使用せずにデータ用印刷回路基板からゲート信号を制御するゲート制御信号を出力し、このような信号を薄膜トランジスタ基板を通じてゲート信号伝送用フィルム上のゲート駆動集積回路に伝達してゲート駆動信号を制御することもできる。
【0009】
ゲート制御信号はゲート駆動集積回路が出力するゲートオン電圧(Von)及びゲートオフ電圧(Voff)、薄膜トランジスタ基板内のデータ電圧差異に対する基準になる共通電圧(Vcom)を含む各種制御信号を含んでいる。
【0010】
このようなゲート制御信号を伝送するための制御信号配線は高速動作のために低抵抗導電物質で形成される。通常の場合、低抵抗特性を有するアルミニウムが低抵抗配線物質として使用される。しかし、アルミニウムは物理的及び化学的特性が不安定であるため、アルミニウムより相対的に高抵抗特性を有する他の金属物質と二重層あるいは三重層構造として低抵抗配線に利用される。
【0011】
しかし、透明な導電物質であるITO(indium tin oxide)を使用して画素電極を形成したり、パッド部の信頼性を確保する場合に、アルミニウム系列の金属とITOの接触特性がよくないため接触部でのアルミニウム層を除去する。
【0012】
制御信号部の制御信号配線の構造は次のような工程を通じて形成される。
【0013】
基板上に金属層及びアルミニウム層を順次蒸着した後、写真エッチングして二重層構造の信号配線を形成し、その上部を絶縁膜で覆う。次に、絶縁膜に接触孔を形成し、接触孔を通じて露出された信号配線のアルミニウム層部分をエッチングして除去する。更に、保護膜の接触孔を通じて露出された金属層部分に接触する信号配線補助パッドを形成する。この時、アルミニウム層の露出された部分を完全に除去する過程でアルミニウム層が絶縁膜内側にさらにエッチングされるアンダーカット領域が発生する。
【0014】
液晶表示装置に強い静電気が発生すると、この静電気は基板内にある他の部分より相対的に非常に大きなキャパシターを有する二つの制御信号配線、特にゲートオフ電圧配線及び共通電圧配線に蓄積される。その後、静電気放出過程でゲートオフ電圧配線及び共通電圧配線に蓄積された電荷を放出する。この時、これら配線に沿って静電気放出によるサージ電流が流れるようになり、それによるジュール熱が発生する。
【0015】
特に、アンダーカット領域では他の部分とは異なり電圧降下が集中する。これはアンダーカット領域での金属層の上部に静電気を受け入れ、又、静電気を放出する低抵抗のアルミニウム層または他の導電層が存在しないためである。それで、このようなアンダーカット領域で電圧降下が集中し、それによってジュール熱が多く発生し、このジュール熱が過大になると、金属層を溶かして配線破断を誘発させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が達成しようとする技術的課題は、静電気放出によって引き起こされる配線破断を軽減する構造を有する液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このような課題を解決するために本発明では、基板上にゲート電極及びゲート線を含むゲート配線及び信号配線を形成する段階と、ゲート配線及び信号配線を覆うゲート絶縁膜を形成する段階と、ゲート絶縁膜上に半導体パターンを形成する段階と、ゲート線に絶縁されて交差するデータ線、半導体の一部分に接触するソース電極、ソース電極に対応して半導体層の他の部分に接触するドレーン電極を含むデータ配線を形成する段階と、データ配線及び半導体パターンを覆う保護膜を形成する段階と、ドレーン電極を露出させる第1接触孔及び信号配線を露出させ、側辺の長さが幅より大きく形成される複数の第2接触孔を形成する段階と、第1及び第2接触孔を通じてドレーン電極に連結される画素電極及び信号配線に連結される信号配線補助パッドを形成する段階とを含み、信号配線を形成する段階では、信号配線に一対一に対応する複数の信号リードを有する信号伝送用フィルムを含み、信号伝送用フィルムには複数の信号リードのうちの高電圧信号を伝送する第1信号リードと低電圧信号を伝送する第2信号リードとの間にダミーリードが形成され、ダミーリードに対応するダミー配線が基板に形成され、ダミー配線は信号配線より酸化傾向が小さい特性を有する導電物質で形成される液晶表示装置の製造方法を提供する。
【0018】
ここで、信号配線はアルミニウムを含む二重層構造で形成する段階と、第2接触孔は信号配線を覆うゲート絶縁膜及び保護膜を写真エッチング工程によって乾式エッチングしてアルミニウム層を露出させ、アルミニウム層の露出された部分をアルミニウムエッチング液で湿式エッチングすることによって形成する段階とを含むことが好ましい。
【0019】
また、ゲート配線はゲート線に連結されるゲートパッドをさらに含み、データ配線はデータ線に連結されるデータパッドをさらに含み、第1及び第2接触孔の形成時にゲートパッドを露出させる第3接触孔及びデータパッドを露出させる第4接触孔を各々形成する段階と、ドレーン電極及び信号配線補助パッドの形成時に、ゲートパッド及びデータパッドを覆う補助ゲートパッド及び補助データパッドを形成する段階とを含むことが好ましい。
【0020】
さらに、第3接触孔は側辺の長さが幅より大きく形成する段階と、第4接触孔は側辺の長さが幅より大きく形成する段階とを含むことが好ましい。
【0021】
また、半導体パターン及びデータ配線は、部分的に厚さの異なる感光膜パターンを利用した写真エッチング工程で共に形成する段階を含むことが好ましい。
【0022】
感光膜パターンは、データ配線の上部で第1厚さを有する第1部分と、ソース電極とドレーン電極との間の上部で第1厚さより薄い第2厚さを有する第2部分とで形成される段階を含むことが好ましい。
【0023】
半導体パターン及びデータ配線の形成は、ゲート絶縁膜上に半導体層及び導電層を蒸着した後、感光膜パターンを形成する段階と、感光膜パターンをマスクとして導電層をエッチングして半導体層の一部を露出させる段階と、半導体層の露出された部分及び感光膜パターンの第2部分を除去して除去して半導体パターンを完成し、ソース電極とドレーン電極との間に導電層の一部を露出させる段階と、導電層の露出された部分を除去してデータ配線を完成する段階と、感光膜パターンの第1部分を除去する段階とを含むことが好ましい。
【0024】
感光膜パターンは、第1領域と、第1領域より低い透過率を有する第2領域と、第1領域より高い透過率を有する第3領域とを含む光マスクを用いて形成する段階を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明では、配線を露出させる接触孔を形成する時、接触孔の側辺の長さを接触孔の幅より大きく形成する。
【0026】
本発明は配線を露出させる接触孔部分を形成する時、接触孔の側辺の長さを接触孔の幅より大きく形成することによって、配線に蓄積された静電気を放出しながら引き起こされる接触孔と配線との境界部での電圧降下によるジュール熱量を減らすことができるので配線破断防止に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の第1実施例による信号配線の平面図である。
【図2】図2は、図1に示した切断線II−II´による信号配線の断面図である。
【図3】図3は、図1に示した切断線III−III´による信号配線の断面図である。
【図4A】図4Aは、信号配線の他の平面図である。
【図4B】図4Bは、信号配線の他の平面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施例による液晶表示装置の概略図である。
【図6】図6は、本発明の第3実施例による液晶表示装置の平面図であって、図5に示した液晶表示装置の画素部及び接触部の拡大図である。
【図7】図7は、本発明の第3実施例による液晶表示装置の平面図であって、図5に示した液晶表時装置の制御信号部の拡大図である。
【図8】図8は、図6に示した切断線VIII−VIII'による画素部及び接触部の概略的な断面図である。
【図9】図9は、図7に示した切断線IX−IX'による制御信号部の概略的な断面図である。
【図10A】図10Aは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図10B】図10Bは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図10C】図10Cは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図10D】図10Dは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図11A】図11Aは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図11B】図11Bは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図11C】図11Cは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図11D】図11Dは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図12A】図12Aは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図12B】図12Bは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図12C】図12Cは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図12D】図12Dは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図13A】図13Aは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図13B】図13Bは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図13C】図13Cは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図13D】図13Dは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図14A】図14Aは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図14B】図14Bは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図14C】図14Cは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図14D】図14Dは、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図15】図15は、本発明の第4実施例による液晶表示装置の平面図であって、図5に示した液晶表示装置の画素部及び接触部の拡大図である。
【図16】図16は、本発明の第4実施例による液晶表示装置の平面図であって、図5に示した液晶表示装置の制御信号部の拡大図である。
【図17】図17は、図15に示した切断線XVII−XVII'による画素部及び接触部の概略的な断面図である。
【図18】図18は、図15に示した切断線XVIII−XVIII'による画素部及びパッド部の概略的な断面図である。
【図19】図19は、図16に示した切断線XIX−XIX'による制御信号部の概略的な断面図である。
【図20A】図20Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図20B】図20Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図20C】図20Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図20D】図20Dは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図20E】図20Eは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図21A】図21Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図21B】図21Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図21C】図21Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図21D】図21Dは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図21E】図21Eは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図22A】図22Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図22B】図22Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図22C】図22Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図23A】図23Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図23B】図23Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図23C】図23Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図24A】図24Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図24B】図24Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図24C】図24Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図25A】図25Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図25B】図25Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図25C】図25Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図26A】図26Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図26B】図26Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図26C】図26Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図26D】図26Dは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図26E】図26Eは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図27A】図27Aは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図27B】図27Bは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図27C】図27Cは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図27D】図27Dは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【図27E】図27Eは、本発明の第4実施例による液晶表示装置の製造工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明について説明する。
【0029】
図1は本発明の第1実施例による制御信号部での信号配線の平面図であり、図2及び図3は図1に示した切断線II−II´及びIII−III´による信号配線の断面図である。
【0030】
基板10上に500〜1500Åの下部金属層201であるクロム層及び2500〜3500Åの上部金属層202であるアルミニウム層の二重層構造を有する信号配線220が形成されている。
【0031】
このような二重層構造の信号配線220を第1絶縁膜つまり、ゲート絶縁膜30及び第2絶縁膜つまり、保護膜70が覆っており、第1及び第2絶縁膜30、70と信号配線220の上部金属層202であるアルミニウム層とには下部金属層201であるクロム層を露出させる接触孔270が形成されている。
【0032】
接触孔270は信号配線220の形状に沿って形成され、側辺(L)の長さが幅(W)より大きく形成される。その一例が図1に提示されており、接触孔270の側辺(L)は接触孔270の幅(W)方向に対して傾いた形状を有し、この場合、接触孔270の側辺(L)が接触孔270の幅(w)方向に斜めに横切り、接触孔270の側辺(L)の長さが接触孔270の幅と同一になる場合より信号配線220と境界をなす部分である側辺(L)の長さを長くすることができる。
【0033】
信号配線220と境界をなす側辺(L)の長さを長くするために接触孔270の側辺(L)は突出形状を有することができる。この時、突出形状の少なくとも一辺が信号配線220と重畳するのが好ましい。
【0034】
接触孔の突出形状は、図4A及び図4Bに示すように、信号配線220の上部または中央部に位置するように形成することができる。
【0035】
信号配線220を露出させる接触孔270は、信号配線220を覆っている第1及び第2絶縁膜30、70をマスクを用いる写真エッチング工程によって乾式エッチングして上部金属層202であるアルミニウム層を露出させた後、上部金属層202であるアルミニウム層の露出された部分を湿式エッチングして形成する。この時、上部金属層202であるアルミニウム層の露出された部分を十分に除去するために湿式エッチング作業を進行し、この過程で上部金属層202であるアルミニウム層が絶縁膜30、70の内側にさらにエッチングされて、図面に示したように、アンダーカット領域200が発生することがある。その後、第2絶縁膜つまり、保護膜70上に接触孔270を通じて露出された信号配線220の下部金属層201であるクロム層を覆う制御信号補助パッド層280を形成する。制御信号補助パッド層280はITOまたはIZOのような透明導電物質で形成することができる。
【0036】
このように製作された制御信号部の信号配線220は信号伝送用フィルムの信号リードに結合され信号伝送用フィルムとの間で信号伝送を行う。
【0037】
一方、液晶表示パネルに強い静電気が発生すると、この静電気は基板内の他の部分より相対的に非常に大きなキャパシターを有している二つの制御信号配線、特にゲートオフ電圧を伝送する信号配線と共通電圧を伝送する信号配線に蓄積される。その後、静電気放出過程でこれら配線に蓄積された電荷を放出するようになり、この時、これら信号配線に沿って静電気放出によるサージ電流が流れ、それに伴いジュール熱が発生する。
【0038】
特に、アンダーカット領域200での信号配線220の下部金属層201であるクロム層部分は上部に静電気を受け入れる導電物質層、特に低抵抗金属である上部金属層202のアルミニウム層が存在しないため電圧降下が大きく起こり、電圧降下に比例してジュール熱が大きく発生する。しかし、本発明でのアンダーカット領域200では、接触孔270を信号配線220と境界をなす部分である側辺Lの長さを延長させるようにパターニングすることによって下部金属層201であるクロム層と上部金属層202であるアルミニウム層との境界線を長く延長したため、上部金属層202であるアルミニウム層から下部金属層201であるクロム層に静電気を放出する過程で起こる電圧降下の大きさを小さくすることができる。従って、この部分で発生するジュール熱の大きさを小さくすることができるので、信号配線の破断現象を防止することができる。
【0039】
ジュール熱は下記の式によって計算できる。
【0040】
(数式1)
ジュール熱∝R×i×i
(この時、R=D/Lであり、Dは電荷の移動に対する垂直距離、即ちアンダーカット領域でのクロム層の幅を示し、Lは電荷の移動に対する水平距離、即ちアンダーカット領域でのクロム層とアルミニウム層の境界線の長さ、即ち接触孔の側辺の長さを示す。)
本発明の実施例による信号配線では、アンダーカット領域200でのクロム層とアルミニウム層の境界線の長さを延長したためサージ電流が移動する時に障害となる金属層の抵抗を減らし、それに伴うジュール熱を減少させることができる。
【0041】
例えば、信号配線の幅が23μmである場合、図1に示したように、接触孔270の側辺Lを信号配線の幅方向に対して傾いた形状を有するように改善してその側辺Lの長さを230μmに延長すると、接触孔の側辺Lが信号配線の幅方向と同一になるように形成した場合より下部金属層201であるクロム層で発生する単位長さ当りジュール熱を最少1/10に減少させることができる。
【0042】
上述の本発明の実施例では、信号配線220より大きく形成された接触孔270を例としたが、接触孔270を信号配線220より小さく形成した場合、つまり接触孔270を信号配線220の内部領域に位置するように形成した場合にも本発明は適用が可能である。また、本発明の実施例による制御信号部の構造で、接触孔の形状は提示された実施例に限定されず、信号配線と境界をなす側辺の長さを信号配線の幅より大きくする条件で多様な変容が可能である。
【0043】
以下、このような信号配線を有する制御信号部を含む液晶表示装置について次の図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
図5は本発明の第2実施例による液晶表示装置の概略図である。
【0045】
基板10上に横方向に複数のゲート線22が形成されており、ゲート線22と絶縁され交差して縦方向に複数のデータ線62が形成されている。
【0046】
ゲート線22とデータ線62が交差して定義された複数の画素領域Pがマトリックス形状に配列されており、このような複数の画素領域Pが集まって画像を表示する表示画面Dをなす。それぞれの画素領域Pにはゲート線22及びデータ線62と連結されている薄膜トランジスタTFTが形成されており、薄膜トランジスタTFTと連結されている画素電極PEも形成されている。表示領域Dの外側(斜線を付けた部分)にはブラックマトリックス11が形成されていて表示領域Dの外に漏洩する光を遮断している。
【0047】
基板10の上部には液晶表示装置を駆動するためのゲート用及びデータ用電気信号を出力する印刷回路基板100が位置しており、基板10と印刷回路基板100はデータ信号伝送用フィルム300を通じて互いに電気的に連結されている。
【0048】
データ信号伝送用フィルム300には映像信号を出力するデータ駆動集積回路350が実装されており、データ駆動集積回路350からデータ線62に映像信号を伝達する複数のデータ信号用リード310が形成されている。この時、データ信号用リード310とデータ線62は接触部C2を通じて互いに連結される。
【0049】
基板10の左側部には複数のゲート信号伝送用フィルム400が基板10に電気的に連結されており、ゲート信号伝送用フィルム400にはゲート信号を出力するゲート駆動集積回路450が実装されており、ゲート駆動集積回路450からゲート線22にゲート信号を伝達するゲート信号用リード410が形成されている。この時、ゲート信号用リード410とゲート線22は接触部C1を通じて互いに連結される。
【0050】
表示領域Dの外にはゲート信号制御用信号配線220が形成されており、ゲート信号制御用信号配線220は、接触部C3、C4を通じて、データ信号伝送用フィルム300のゲート信号制御用信号リード320及びゲート信号伝送用フィルム400のゲート信号制御用信号リード420に連結されている。
【0051】
ここで、接触部C3、C4を通じて上部データ及びゲート信号伝送用フィルム300、400のゲート信号制御用信号リード320、420に連結される基板10の信号制御用信号配線220は図1乃至図3に示されているような配線の構造を有することができる。つまり、基板10上に信号配線220が形成され、その上部を絶縁膜が覆っており、絶縁膜に信号配線220を露出させる接触孔270が形成されており、この接触孔270は側辺Lの長さが幅Wより大きく形成されている。そして、このような接触孔270を通じて信号配線220と連結される補助パッドが形成される。
【0052】
このような配線部の構造は下部基板10とカラーフィルター及び共通電極などが形成されている上部基板(図示せず)の接触部にも適用できる。つまり、上部基板と下部基板が互いに付着される液晶表示装置で、上部基板の共通電極に共通電圧信号を送るために下部基板10に形成される共通電圧用配線部分の構造にも適用することができる。
【0053】
この場合、下部基板10の共通電圧用配線は図1乃至図3に示されているような配線の構造を有することができる。つまり、基板10上に上部基板と接触する共通電圧用パッドが形成され、その上部を絶縁膜が覆っており、絶縁膜に共通電圧用パッドを露出させる接触孔が形成されており、この接触孔は側辺の長さが幅より大きく形成されている。そして、このような接触孔を通じて共通電圧用パッドと連結される補助パッドが形成されている。このような共通電圧用パッドに上部基板の共通電極を接触させるとよい。
【0054】
一方、このような構造の液晶表示装置で、印刷回路基板100から出力されたゲート信号制御用信号は図面の矢印方向のようにデータ信号伝送用フィルム300のゲート信号制御用信号リード320を通じて薄膜トランジスタ基板10のゲート信号制御用信号配線220に伝達され、ゲート信号伝送用フィルム400のゲート信号制御用信号リード420を通じてゲート駆動集積回路450に入力される。
【0055】
そして、ゲート信号制御用信号によってゲート駆動集積回路450ではゲート信号をゲート信号用リード410を通じて基板10のゲート線22に出力する。
【0056】
一方、データ信号伝送用フィルム300以外に印刷回路基板100と基板10を連結する信号伝送用フィルムが別途に形成されることができる。
【0057】
図6及び図7は本発明の第3実施例による液晶表示装置の平面図であって、図6は図5のP部分の画素部及び接触部C1、C2を拡大して示したものであり、図7は図5の制御信号部の接触部C4を拡大して示したものである。図8は図6の切断線VIII−VIII´による断面構造を示したものであり、図9は図7の切断線IX−IX´による断面構造を示したものである。
【0058】
制御信号部の接触部C3での配線の構造は接触部C4での配線の構造と同一なので、これに関する説明は省略する。
【0059】
絶縁基板10上にクロム系列またはモリブデン系列などの導電物質からなる500〜1000Åの厚さの下部金属層201上に、低抵抗特性を有するアルミニウム系列からなる1500〜2500Åの厚さの上部金属層202で構成された二重層構造のゲート配線22、24、26及びゲート信号制御用信号配線223、224、225が形成されている。この時、ゲート配線22、24、26及びゲート信号制御用信号配線223、224、225は単一層あるいは三重層以上にも形成されることができる。
【0060】
ゲート配線22、24、26は、横方向にのびているゲート線22、ゲート電極26、ゲート線22の端に連結されゲート信号伝送用フィルム400のゲート信号用リード410を通じてゲート信号の印加を受けてゲート線22に伝達するゲートパッド24を含む。
【0061】
ゲート信号制御用信号配線223、224、225は、図5に示されているように、基板10の上部でゲート線22と垂直な方向の長軸を有して延長され、基板10の左側部ではゲート線22と平行な方向の長軸を有して延長される。図7に示したゲート信号制御用信号配線223、224、225は基板10の上部に位置し接触部C3でデータ信号伝送用フィルム300と連結される。
【0062】
ゲート配線22、24、26及びゲート信号制御用信号配線223、224、225は窒化ケイ素のような絶縁物質からなるゲート絶縁膜30で覆われている。
【0063】
ゲート電極26上部のゲート絶縁膜30上には非晶質ケイ素のような半導体物質からなる半導体パターン42が形成されており、半導体パターン42上には不純物がドーピングされている非晶質ケイ素のような不純物がドーピングされた半導体物質からなる抵抗性接触層パターン55、56が形成されている。
【0064】
抵抗性接触層パターン55、56及びゲート絶縁膜30上にはモリブデン(Mo)系列またはクロム(Cr)系列で形成された下部金属層601とアルミニウム(Al)系列で形成された上部金属層602とで構成された二重層構造のデータ配線62、64、65、66が形成されている。
【0065】
データ配線62、64、65、66は縦方向に延びているデータ線62、ソース電極65、ドレーン電極66、データ線62に連結されデータ信号伝送用フィルム300のデータ信号用リード310から画像信号の印加を受けてデータ線62に伝達するデータパッド64を含む。
【0066】
データ配線62、64、65、66もゲート配線22、24、26及びゲート信号制御用信号配線223、224、225と同様に単一層または三重層以上に形成されることができる。
【0067】
ここで、ゲート電極26、半導体パターン42、ソース電極65及びドレーン電極66は薄膜トランジスタ(TFT)をなしている。
【0068】
データ配線62、64、65、66、半導体パターン42及びゲート絶縁膜30上には窒化ケイ素または有機絶縁物質からなる保護膜70が形成されている。
【0069】
画素部では、保護膜70とドレーン電極66の上部金属層602であるアルミニウム層にドレーン電極66の下部金属層601を露出させる接触孔72が形成されている。そして、接触部C1では、保護膜70、ゲート絶縁膜30及びゲートパッド24の上部金属層202であるアルミニウム層に、ゲートパッド24の下部金属層201を露出させる接触孔74が形成されており、接触部C2では、保護膜70及びデータパッド64の上部金属層602であるアルミニウム層に、データパッド64の下部金属層601を露出させる接触孔76が形成されている。また、接触部C4では、保護膜70、ゲート絶縁膜30及びゲート信号制御用信号配線223、224、225の上部金属層202であるアルミニウム層に、ゲート信号制御用信号配線223、224、225の下部金属層201を露出させる接触孔273、274、275が各々形成されている。
【0070】
ゲート信号制御用信号配線223、224、225を露出させる接触孔273、274、275は信号配線223、224、225の形状に沿って形成され、側辺の長さが幅より大きくなるように形成されている。また、ゲートパッド24及びデータパッド64を露出させる接触孔74、76も、ゲートパッド24及びデータパッド64の形状に沿って形成され、側辺の長さが幅より大きくなるように形成されている。図面において、接触孔74、76、273、274、275の各々は下部金属層201、601と境界をなす側辺が下部金属層201、601の幅方向に対して傾いた形状を有している。
【0071】
このように、本発明では、接触孔74、76、273、274、275と配線24、64、223、224、225がなす境界線の長さを延長させるように接触孔の形状を改善することによって、接触孔74、76、273、274、275部分で上部金属層202、602であるアルミニウム層と下部金属層201、601の境界部分の長さを長く延長する。従って、アルミニウム層である上部金属層202、602から下部金属層201、601に静電気を放出する過程で起こる電圧降下を減らすことができ、これによってその部分で発生するジュール熱の大きさを縮小させることができるので、配線の破断現象を防止することができる。
【0072】
この時、ドレーン電極66を露出させる接触孔72は下部金属層601より保護膜70にさらに大きな幅を有するように形成するのが好ましい。この場合、接触孔72は上部が下部より広くオープンされているため、後述の画素電極82が接触孔72を通じてドレーン電極66の下部金属層601に安定的に接触することができるという長所がある。データパッド64を露出させる接触孔76はドレーン電極66を露出させる接触孔72と同時に形成されるので、図面に示したように、接触孔72と同一な断面構造を有する。
【0073】
保護膜70上にはITOなどの透明導電物質からなる画素電極82、補助ゲートパッド84、補助データパッド86、ゲート信号制御用補助パッド283、284、285が形成されている。
【0074】
画素電極82は接触孔72を通じてドレーン電極66と連結されて画像信号の伝達を受ける。補助ゲートパッド84及び補助データパッド86は接触孔74、76を通じてゲートパッド24及びデータパッド64に各々連結されており、これらはパッド24、64と後述のデータ及びゲート信号伝送用フィルム300、400のリード310、410との接着性を補完する。
【0075】
ゲート信号制御用補助パッド283、284、285は接触孔273、274、275を通じてゲート信号制御用信号配線223、224、225と連結される。そして、ゲート信号制御用補助パッド283、284、285は、ゲート信号制御用信号配線223、224、225とデータ信号伝送用フィルム300のゲート信号制御用信号リード323、324、325との接着性を補完する。なお、このような配線部の構造は、上部基板と下部基板が互いに付着される液晶表示装置で、上部基板の共通電極に共通電圧信号を送るために下部基板10に形成される共通電圧用配線部分の構造にも適用することができる。
【0076】
一方、このような基板にゲート信号伝送用フィルム400及びデータ信号伝送用フィルム300が導電性粒子251及び接着剤252からなる異方性導電膜250によって付着される。
【0077】
ゲート信号伝送用フィルム400のゲート信号用リード410は接触部C1で異方性導電膜250の導電性粒子251によって基板の補助ゲートパッド84と電気的に連結される。また、データ信号伝送用フィルム300のデータ信号用リード310は接触部C2で異方性導電膜250の導電性粒子251によって基板の補助データパッド86と電気的に連結される。また、データ信号伝送用フィルム300にもゲート信号制御用信号リード323、324、325が形成されており、このゲート信号制御用信号リード323、324、325は接触部C3で異方性導電膜250の導電性粒子251によって基板のゲート信号制御用信号配線223、224、225に電気的に連結される。
【0078】
ゲート信号制御用信号リード323、324、325は20V程度のゲートオン電圧(Von)を伝送する信号リード323、0V以下のゲートオフ電圧(Voff)を伝送する信号リード324、7V程度の共通電圧(Vcom)を伝送する信号リード325以外に複数のゲート制御信号を伝送する信号配線を含んでおり、基板10のゲート信号制御用信号配線223、224、225に電気的に接触してゲート制御信号を伝達する。
【0079】
それぞれの信号リード323、324、325を通じてゲートオン電圧、ゲートオフ電圧、共通電圧が基板のそれぞれの信号配線223、224、225に伝達される。この場合、ゲートオン電圧を伝送する信号配線223とゲートオフ電圧を伝送する信号配線224との間にはゲートオン電圧とゲートオフ電圧の差異に該当する電位差がかかる。また、ゲートオフ電圧を伝送する信号配線224と共通電圧を伝送する信号配線225との間にもゲートオン電圧と共通電圧の差異に該当する電位差がかかる。同様に、図面に示されていない他の信号配線の間にも所定大きさの電位差がかかる。
【0080】
このような電位差は液晶表示装置を製作したり使用している間に、湿気がある環境下で制御信号部に浸透する水分中の陰イオン粒子が信号配線223、224、225と電気化学的に反応するようにして、信号配線223、224、225を溶かす現象を誘発する。しかし、このような問題は次に提示される技術で克服することができる。
【0081】
基板10の信号配線に対応して付着されるデータ信号伝送用フィルム300に、基板の高電圧信号配線(例えばゲートオン電圧を伝送する信号配線223)と低電圧信号配線(例えばゲートオフ電圧を伝送する信号配線224)との間に空間的に位置する厚いダミーリードを形成する。即ち、本発明は信号伝送用フィルムに数〜数十μmのダミーリードを形成し、このダミーリードが基板10の数百〜数千Å厚さの信号配線223、224、225のうちの高電圧信号配線223及び低電圧信号配線224の間に空間的に位置するように信号伝送用フィルム上に配列する。
【0082】
データ信号伝送用フィルム300と基板10が異方性導電膜250を媒介にして熱圧着を通じて付着される時、ダミーリードがある異方性導電膜250の接着剤252部分はその組織が厚いダミーリードに押されながら圧着され、この時、陰イオン粒子の移動を阻止することができる程度に組織が稠密になる。従って、ダミーリードはその周辺に存在する陰イオンの移動を防ぐ障壁の役割を果たすと言える。
【0083】
この場合、水分が制御信号部に浸透するとしても、厚いダミーリードが水分中の陰イオン粒子が高電圧信号配線223に浸透することを防ぐ。
【0084】
この時、このダミーリードに高電圧信号配線223が伝送する信号電圧、例えばゲートオン電圧と同一な大きさの電圧を印加する場合、高電圧信号配線223とダミーリードとの間には同電位が形成される。この場合、高電圧信号配線223の周辺に陰イオン粒子が浸透するとしても高電圧信号配線223の周辺に等電位がかかるため陰イオン粒子は高電圧信号配線223の周辺空間に方向を失ってフローティングされる。
【0085】
従って、高電圧信号配線が陰イオン粒子と電気化学反応を起こす場合は殆どなく、液晶表示装置駆動時にも、陰イオン粒子による損傷を受けない。
【0086】
ここで、データ信号伝送用フィルム300のダミーリードに対応して電気的に連結されるダミー配線を基板10の高電圧信号配線223と低電圧信号配線224との間に形成する場合には、高電圧信号配線223周辺部にさらに大きくて安定した等電位をかかるようにすることができるという長所がある。
【0087】
この時、制御信号部の信号配線は通常の金属物質、例えば、ゲート配線またはデータ配線形成用導電物質で形成されることができる。また、制御信号部の信号配線は酸化傾向の小さい導電物質、例えば銅系列、銀系列、クロム系列またはモリブデン系列または窒化クロムまたは窒化モリブデンで形成されるのが電気分解から影響をあまり受けないことができるので有利である。または、ダミー配線がITOやIZOのように酸化されている導電物質で形成される場合にも陰イオン粒子による反応を減らすことができるので有利である。また、ダミー配線が信号配線より酸化傾向が小さい場合にも同様に有利である。
【0088】
一方、データ及びゲート信号伝送用フィルム300、400のリード310、410、323、324、325は、接触孔74、76、273、274、275の長さ方向には接触孔74、76、273、274、275を全部覆い、接触孔74、76、273、274、275の幅方向には接触孔74、76、273、274、275の一辺のみを覆うように形成されることができる。
【0089】
このような本発明の液晶表示装置の構造では、ゲート及びデータ信号伝送用フィルム400、300のリード310、410、323、324、325または異方性導電膜250を用いて、基板のパッドまたは配線84、86、283、284、285上部の接触孔74、76、273、274、275を覆うことによって接触部C1、C2、C3、C4で発生する腐食を防止することができ、接着力を補強することができて接触部C1、C2、C3、C4の接触特性を確保することができる。
【0090】
以下、本発明の第3実施例による液晶表示装置の製造方法について前の図5乃至図9と図10A乃至図14Dを参照して詳細に説明する。
【0091】
まず、図10A、図10B、図10C、図10Dに示されているように、基板10上に下部金属層201を蒸着し、その上にアルミニウム系列からなる上部金属層202を積層する。次に、マスクを用いた写真エッチング工程で上記二つの金属層201、202をエッチングして、基板10上に二重層構造のゲート配線22、24、26とゲート信号制御用信号配線223、224、225を形成する。ゲート配線22、24、26はゲート線22、ゲートパッド24及びゲート電極26を含む。
【0092】
次に、図11A、図11B、図11C、図11Dに示されているように、ゲート絶縁膜30、半導体層、不純物がドーピングされた半導体層を順次に積層する。次に、マスクを用いた写真エッチング工程で不純物がドーピングされた半導体層と半導体層をエッチングして島形の半導体パターン42と抵抗性接触層パターン52を形成する。
【0093】
次に、図12A、図12B、図12C、図12Dに示されているように、下部金属層601を蒸着し、その上にアルミニウム系列からなる上部金属層602を積層する。次に、マスクを用いた写真エッチング工程で二つの金属層601、602をエッチングしてデータ配線62、64、65、66を形成する。データ配線62、64、65、66はデータ線62、データパッド64、ソース電極65、ドレーン電極66を含む。
【0094】
次に、ソース電極65及びドレーン電極66をマスクとして一体型である島形の抵抗性接触層パターン52をエッチングしてソース電極65に接触する抵抗性接触層パターン55及びドレーン電極66に接触する抵抗性接触層パターン56に分離する。
【0095】
次に、図13A、図13B、図13C、図13Dに示されているように、データ配線62、64、65、66上に窒化ケイ素または、有機絶縁物質のような絶縁物質を蒸着して保護膜70を形成する。
【0096】
次に、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド64、ゲート信号制御用信号配線223、224、225に位置する接触孔72、74、76、273、274、275を定義するマスクを用いて写真エッチング工程により保護膜70とゲート絶縁膜30を乾式エッチングし、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド64、ゲート信号制御用信号配線223、224、225の上部金属層202、602であるアルミニウム層を露出させる。そして、上部金属層202、602であるアルミニウム層の露出された部分をアルミニウムエッチング液で湿式エッチングして除去する。
【0097】
このようにして、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド64及びゲート信号制御用信号配線223、224、225の下部金属層201、601であるクロム層を露出させる接触孔72、74、76、273、274、275を形成する。
【0098】
次に、ドレーン電極66及びデータパッド64の上部金属層602であるアルミニウム層の側面部分が露出されるようにその上部に位置する保護膜70を側面エッチングし接触孔72、76を階段形状に形成する。この場合、後述の画素電極82が上部が下部より広くオープンされる形状の接触孔72を通じてドレーン電極66と安定的に接触できるという特徴がある。
【0099】
この時、信号配線223、224、225を露出させる接触孔273、274、275は信号配線223、224、225の形状に沿って長く形成し、その側辺の長さが幅より大きくなるように形成するのが好ましい。また、ゲートパッド24及びデータパッド64を露出させる接触孔74、76も、ゲートパッド24及びデータパッド64の形状に沿って長く形成し、その側辺の長さが幅より大きくなるように形成する。
【0100】
次に、図14A、図14B、図14C、図14Dに示されているように、ITOからなる透明物質層を蒸着しマスクを使用する写真エッチング工程を通じてドレーン電極66に連結される画素電極82、ゲートパッド24及びデータパッド64に各々連結される補助ゲートパッド84及び補助データパッド86、ゲート信号制御用配線223、224、225に連結されるゲート信号制御用補助パッド283、284、285を形成する。ここで、ITOからなる画素電極82、補助パッド84、86、283、284、285はアルミニウム層でなくその下部金属層201、601であるクロム層に直接接触する。
【0101】
次に、図6、図7、図8、図9に示されているように、下部薄膜トランジスタ基板を用意し、データ信号伝送用フィルム300及びゲート信号伝送用フィルム400を異方性導電膜250を用いて薄膜トランジスタ基板に付着する。
【0102】
この時、薄膜トランジスタ基板の補助ゲートパッド84、補助データパッド86、ゲート信号制御用信号配線223、224、225はデータ及びゲート信号伝送用フィルム300、400のゲート信号用リード410、データ信号用リード310、ゲート信号制御用信号リード323、324、325に各々一対一対応で電気的に連結される。
【0103】
図15及び図16は本発明の第4実施例による液晶表示装置の平面図であって、図15は図5のP部分の画素部及び接触部C1、C2を拡大して示したものであり、図16は図5の制御信号部の配線の接触部C4を拡大して示したものである。そして、図17及び図18は図15での切断線XVII−XVII’及びXVIII−XVIII’による断面構造を示したものであり、図19は図16での切断線XIX−XIX’による断面構造を示したものである。
【0104】
制御信号部の接触部C3での配線の構造は接触部C4での配線の構造と同一なのでこれに関する説明は省略する。
【0105】
絶縁基板10上にクロム系列またはモリブデン系列のような導電物質からなる500〜1000Å厚さの下部金属層201上に低抵抗特性があるアルミニウム系列からなる1500〜2500Å厚さの上部金属層202で構成された二重層構造のゲート配線22、24、26、28及びゲート信号制御用信号配線223、224、225が形成されている。ゲート配線22、24、26、28及びゲート信号制御用信号配線223、224、225は二重層構造以外に単一膜または三重層以上の構造で形成することもできる。
【0106】
ゲート配線22、24、26、28はゲート線22、ゲートパッド24、ゲート電極26からなるゲート線部22、24、26と、ゲート線22と平行して共通電極電圧などの電圧を外部から印加される維持蓄電器用保持電極28とを含んでいる。
【0107】
維持蓄電器用保持電極28は後述の画素電極82と連結された維持蓄電器用導電体パターン68と重畳して画素の電荷保存能力を向上させる維持蓄電器を構成し、後述の画素電極82とゲート線22との重なりで発生する保持容量が十分大きい場合には形成しないこともある。
【0108】
ゲート信号制御用信号配線は図5に示したように、基板10の上部でゲート線
22と垂直な方向に延長され、基板10の左側部ではゲート線22と平行な方向
に延長される。
【0109】
ゲート配線22、24、26、28及びゲート信号制御用配線223、224、225の上は、窒化ケイ素などからなる2500〜4000Å厚さのゲート絶縁膜30が覆っている。
【0110】
ゲート絶縁膜30上には非晶質ケイ素のような半導体物質からなる800〜1500Å厚さの半導体パターン42、48が形成されており、半導体パターン42、48上には不純物が高濃度にドーピングされている非晶質ケイ素のような不純物がドーピングされた半導体物質からなる500〜800Å厚さの抵抗性接触層パターン55、56、58が形成されている。
【0111】
半導体パターン42、48は薄膜トランジスタ用半導体パターン42及び維持蓄電器用半導体パターン48を含み、ソース電極65とドレーン電極66との間の領域、つまり、薄膜トランジスタのチャンネル領域を除けば、データ配線62、64、65、66、68及び抵抗性接触層パターン55、56、58と同一な模様をしている。つまり、維持蓄電器用半導体パターン48は維持蓄電器用導電体パターン68及び維持蓄電器用接触層パターン58と同一である反面、薄膜トランジスタ用半導体パターン42は、後述のデータ線62、データパッド64、ソース電極65、ドレーン電極66から構成されるデータ線部62、64、65、66とは同一で、ソース電極65とドレーン電極66との間に位置する薄膜トランジスタのチャンネルとして定義される領域をさらに含んでいる。
【0112】
抵抗性接触層パターン55、56、58上にはクロム系列またはモリブデン系列などのような導電物質からなる500〜1000Å厚さの下部金属層601が形成されている。また、下部金属層601上に低抵抗特性があるアルミニウム系列からなる1500〜2500Å厚さの上部金属層602で構成された二重層構造のデータ配線62、64、65、66、68が形成されている。データ配線62、64、65、66、68も、ゲート配線22、24、26、28及びゲート信号制御用信号配線223、224、225のように単一膜または三重膜で形成されることができる。
【0113】
データ配線62、64、65、66、68は縦方向に形成されているデータ線62、データパッド64、薄膜トランジスタのソース電極65、ドレーン電極66からなるデータ線部62、64、65、66と、維持蓄電器用保持電極28上に位置している維持蓄電器用導電体パターン68とを含んでいる。
【0114】
抵抗性接触層パターン55、56、58はその下部の半導体パターン42、48とその上部のデータ配線62、64、65、66、68の接触抵抗を低下させる役割を果たし、データ配線62、64、65、66、68と同一な形態を有する。この時、一つの抵抗性接触層パターン55は一体をなすデータ線62、データパッド64、ソース電極65に接触しており、他の抵抗性接触層パターン56はドレーン電極66に接触しており、また他の接触層パターン58は維持蓄電器用導電体パターン68に接触している。
【0115】
データ配線62、64、65、66、68を含む露出された全面には窒化ケイ素のような絶縁物質からなる保護膜70が形成されている。
【0116】
画素部では、保護膜70とドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン68の上部金属層602であるアルミニウム層に、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン68の下部金属層601を露出させる接触孔72、78が各々形成されている。そして、接触部C1では、保護膜70、ゲート絶縁膜30及びゲートパッド24の上部金属層202であるアルミニウム層に、ゲートパッド24の下部金属層201を露出させる接触孔74が形成されており、接触部C2では、保護膜70及びデータパッド64の上部金属層602であるアルミニウム層にデータパッド64の下部金属層601を露出させる接触孔76が形成されている。また、接触部C4では、保護膜70、ゲート絶縁膜30及びゲート信号制御用信号配線223、224、225の上部金属層202であるアルミニウム層にゲート信号制御用信号配線223、224、225の下部金属層201を露出させる接触孔273、274、275が各々形成されている。
【0117】
この時、ゲート信号制御用信号配線223、224、225を露出させる接触孔273、274、275は信号配線223、224、225の形状に沿って形成され、側辺の長さが幅より大きくなるように形成されている。また、ゲートパッド24及びデータパッド64を露出させる接触孔74、76も、ゲートパッド24及びデータパッド64の形状に沿って形成され、側辺の長さが幅より大きくなるように形成されている。図面から、接触孔74、76、273、274、275各々は下部金属層201、601と境界をなす側辺が下部金属層201、601の幅方向に対して傾いた形状を有している。
【0118】
このように、本発明では、接触孔74、76、273、274、275と配線24、64、223、224、225とがなす境界線の長さを長くするように接触孔の形状を改善することによって、接触孔74、76、273、274、275部分で上部金属層202、602であるアルミニウム層と下部金属層201、601の境界部分の長さを長く延長する。従って、アルミニウム層である上部金属層202、602から下部金属層201、601に静電気を放出する過程で起こる電圧降下を減らすことができ、これによってこの部分で発生するジュール熱の大きさを小さくすることができて、配線の破断現象を防止することができる。
【0119】
図15から、ゲートパッド24及びデータパッド64を露出させる接触孔74、76各々はゲートパッド24及びデータパッド64の形状に沿って形成され、側辺の長さが幅より大きくなるように形成されている。接触孔74、76各々はゲートパッド24及びデータパッド64の下部金属層201、601と境界をなす側辺が下部金属層201、601の幅方向に対して傾いた形状を有している。
【0120】
この時、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン68を露出させる接触孔72、78は下部金属層601よりも保護膜70にさらに大きい幅を持たせるように形成するのが好ましい。この場合、接触孔72、78の上部が下部より広くオープンされているため、後述の画素電極82が接触孔72、78を通じてドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン68の下部金属層601に安定的に接触することができるという長所がある。データパッド64を露出させる接触孔76はドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン68を露出させる接触孔72、78と同時に形成されるので、図17、18に示したように、接触孔72、78と同一な形状で形成される。
【0121】
保護膜70上にはITOなどの透明導電物質からなる画素電極82、補助ゲートパッド84、補助データパッド86、ゲート信号制御用補助パッド283、284、285が形成されている。
【0122】
画素電極82は接触孔72、78を通じてドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン68と連結されて画像信号の伝達を受ける。補助ゲートパッド84及び補助データパッド86は接触孔74、76を通じてゲートパッド24及びデータパッド64と各々連結されており、これらはパッド24、64と後述のデータ及びゲート信号伝送用フィルム300、400のリード310、410との接着性を補完する。
【0123】
ゲート信号制御用補助パッド283、284、285は接触孔273、274、275を通じてゲート信号制御用信号配線223、224、225と連結される。そして、ゲート信号制御用補助パッド283、284、285は、ゲート信号制御用信号配線223、224、225とデータ信号伝送用フィルム300のゲート信号制御用信号リード323、324、325との接着性を補完する。
【0124】
一方、このような基板にゲート信号伝送用フィルム400及びデータ信号伝送用フィルム300が導電性粒子251及び接着剤252からなる異方性導電膜250によって付着される。
【0125】
ゲート信号伝送用フィルム400のゲート信号用リード410は接触部C1で、異方性導電膜250の導電性粒子251によって基板の補助ゲートパッド84と電気的に連結される。また、データ信号伝送用フィルム300のデータ信号用リード310は接触部C2で、異方性導電膜250の導電性粒子251によって基板の補助データパッド86と電気的に連結される。
【0126】
また、データ信号伝送用フィルム300にもゲート信号制御用信号リード323、324、325が形成されており、このゲート信号制御用信号リード323、324、325は接触部C3で、異方性導電膜250の導電性粒子251によって基板のゲート信号制御用信号配線223、224、225に電気的に連結される。ゲート信号制御用信号リード323、324、325は20V程度のゲートオン電圧(Von)を伝送する信号リード323、0V以下のゲートオフ電圧(Voff)を伝送する信号リード324、7V程度の共通電圧(Vcom)を伝送する信号リード325以外に複数のゲート制御信号を伝送する信号配線を含んでおり、基板10のゲート信号制御用信号配線223、224、225に電気的に接触してゲート制御信号を伝達する。
【0127】
制御信号部に関する他の構造は本発明の第3実施例による液晶表示装置を説明する過程を通じて説明した通りであるので、これに関する説明を省略する。
【0128】
以下、本発明の第4実施例による薄膜トランジスタ基板の製造方法について前の図15乃至図19と図20A乃至図27Eを参照して説明する。
【0129】
まず、図20A、図20B、図20C、図20D、図20Eに示すように、クロム系列またはモリブデン系列からなる下部金属層201を蒸着し、その上にアルミニウム系列からなる上部金属層202を蒸着する。
【0130】
次に、マスクを用いた写真エッチング工程で二つの金属層201、202をエッチングして基板10上に二重層構造のゲート配線22、24、26、28とゲート信号制御用信号配線223、224、225を形成する。この時、ゲート配線22、24、26、28はゲート線22、ゲートパッド24、ゲート電極26からなるゲート線部22、24、26及び維持蓄電器用保持電極28を含む。
【0131】
次に、図21A、図21B、図21C、図21D、図21Eに示すように、ゲート絶縁膜30を形成し、ゲート絶縁膜30上に半導体パターン42、48、抵抗性接触層パターン55、56、58、下部金属層601及びアルミニウム系列からなる上部金属層602からなる二重層構造のデータ配線62、64、65、66、68を形成する。
【0132】
この時、データ配線62、64、65、66、68はデータ線62、データパッド64、ソース電極65、ドレーン電極66からなるデータ線部62、64、65、66及び維持蓄電器用パターン68を含む。
【0133】
データ配線62、64、65、66、68の下端にはそれと同一なパターンを有する抵抗性接触層パターン55、56、58が接触しており、抵抗性接触層パターン55、56、58の下端には薄膜トランジスタ用半導体パターン42及び維持蓄電器用半導体パターン48を含む半導体パターン42、48が接触している。薄膜トランジスタ用半導体パターン42はデータ線部62、64、65、66とは同一で、ソース電極65とドレーン電極66との間に位置する薄膜トランジスタのチャンネルに定義される領域をさらに含む。
【0134】
このようなデータ配線62、64、65、66、68、抵抗性接触層パターン55、56、58、半導体パターン42、48は一つのマスクのみを用いて形成することができる。これを図22A乃至図25Cを参照して詳細に説明する。
【0135】
まず、図22A、図22B、図22Cに示すように、ゲート配線22、24、26、28を含む露出された全面に窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜30、半導体層40、不純物がドーピングされた半導体層50を化学気相蒸着法を用いて連続蒸着する。そして、次いで、下部金属層601とその上に上部金属層602を蒸着し、その上に感光膜を塗布する。
【0136】
次に、マスクを通じて感光膜に光を照射した後、現像して感光膜パターン112、114を形成する。この時、感光膜パターン112、114はデータ配線部分Aに位置した感光膜の第1部分112が薄膜トランジスタのチャンネル部C、即ちソース電極65とドレーン電極66との間に位置した感光膜の第2部分114より厚くなるように形成し、その他の部分Bは残留しないように形成される。感光膜の第2部分114と感光膜の第1部分112の厚さの比は後述のエッチング工程での工程条件に従って異なるようにしなければならず、第2部分114の厚さを第1部分112厚さの1/2以下とするのが好ましい。
【0137】
このように、部分的に異なる厚さを有する感光膜パターンは部分的に異なる透過率を有する一つのマスクを使用して形成する。光透過量を調節するために主にスリット(slit)または格子形態のパターン、あるいは半透明膜があるマスクを使用する。この時、スリットの間に位置したパターンの線幅やパターン間の間隔、即ちスリットの幅は露光時使用する露光器の分解能より小さいのが好ましく、半透明膜を用いる場合にはマスクを製作する時に透過率を調節するために異なる透過率を有する薄膜を用いたり厚さの異なる薄膜を用いることができる。
【0138】
このようなマスクを通して感光膜に光を照射すると、光に直接露出される部分Bでは高分子が完全に分解され、スリットパターンや半透明膜に対応する部分Cでは光の照射量が少ないので高分子が完全には分解されない状態であり、遮光幕に覆われた部分Aでは高分子が殆ど分解されない。この時、露光時間が長くなると全ての分子が分解されるのでそのようにならないように、適当な時間だけ露光しなければならない。
【0139】
このように選択露光された感光膜を現像すると、高分子の分子が分解されていない部分のみが残り、光が少しだけ照射された中央部分には光が全く照射されない部分より厚さの薄い感光膜が残る。
【0140】
次に、図23A、図23B、図23Cに示すように、現像された感光膜パターン112、114をマスクにして、感光膜が全然残っていない部分Bの露出されているアルミニウム系列の上部導電層602と下部導電層601を除去して、その下部の不純物がドーピングされた半導体層50を露出させる。
【0141】
このようにすると、チャンネル部C及びデータ配線部Aにある導電体パターン67、68のみが残り、その他の部分Bの導電層は除去されて、その下部に位置する不純物がドーピングされた半導体層50が露出される。導電体パターンのうち一つは維持蓄電器用導電体パターン68であり、導電体パターン67はソース電極65とドレーン電極66がまだ分離されずに一体である状態で存在するデータ配線金属層である。
【0142】
次に、図24A、図24B、図24Cに示すように、その他の部分Bの露出された不純物がドーピングされた半導体層50及びその下部の半導体層40を感光膜の第2部分114と共に乾式エッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは感光膜パターン112、114と不純物がドーピングされた半導体層50及び半導体層40が同時にエッチングされゲート絶縁膜30はエッチングされない条件下で行わなければならず、特に感光膜パターン112、114と半導体層40に対するエッチング比が殆ど同一な条件でエッチングするのが好ましい。例えば、SF6とHClの混合気体、またはSF6とO2の混合気体を用いると殆ど同一な厚さで二つの膜をエッチングすることができる。
【0143】
感光膜パターン112、114と半導体層40に対するエッチング比が同一な場合、感光膜の第2部分114の厚さは半導体層40と不純物がドーピングされた半導体層50の厚さを合せたものと同一であったりそれより小さくなければならない。
【0144】
このようにすると、チャンネル部Cに位置した感光膜の第2部分114が除去されてチャンネル部Cの導電体パターン67が露出され、その他の部分Bの不純物がドーピングされた半導体層50及び半導体層40が除去されてその下部のゲート絶縁膜30が露出される。一方、データ配線部Aの感光膜の第1部分112もエッチングされるので厚さが薄くなる。
【0145】
この段階で薄膜トランジスタ用半導体パターン42及び維持蓄電器用半導体パターン48を含む半導体パターン42、48が完成される。
【0146】
そして、薄膜トランジスタ用半導体パターン42上には抵抗性接触層パターン57が半導体パターン42と同一なパターンに形成されており、維持蓄電器用半導体パターン48上にも抵抗性接触層パターン58が維持蓄電器用半導体パターン48と同一なパターンに形成されている。
【0147】
次に、アッシング(ashing)を通じてチャンネル部Cの導電体パターン67表面に残っている感光膜の第2部分の残留物を除去する。
【0148】
次に、図25A、図25B、図25Cに示すように、残っている感光膜パターンの第1部分112をマスクにしてチャンネル部Cに位置する二重層の導電体パターン67及びその下部の抵抗性接触層パターン57部分をエッチングして除去する。
【0149】
この時、半導体パターン42の一部が除去されて厚さが薄くすることができ、感光膜パターンの第1部分112も所定の厚さでエッチングされる。この時のエッチングはゲート絶縁膜30がエッチングされない条件で行わなければならない。また、感光膜パターンの第1部分112がエッチングされてその下部のデータ配線62、64、65、66、68が露出されることのないように感光膜パターンが厚いのが好ましいことはもちろんである。
【0150】
このようにすると、導電体パターン67でソース電極65とドレーン電極66が分離されてデータ線62、ソース電極65及びドレーン電極66が完成され、その下部の抵抗性接触層パターン55、56、58が完成される。
【0151】
最後に、データ配線部Aに残っている感光膜パターンの第1部分112をアッシング作業によって除去すると、図21C、図21D、図21Eに示したような断面構造を得ることができる。
【0152】
次に、図26A、図26B、図26C、図26D、図26Eに示すように、データ配線62、64、65、66、68上に窒化ケイ素などの絶縁物質を蒸着して保護膜70を形成する。
【0153】
次に、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド64、維持蓄電器用導電体パターン68、ゲート信号制御用信号配線223、224、225に位置する接触孔72、74、76、78、273、274、275を定義するマスクを使用する写真エッチング工程によって保護膜70とゲート絶縁膜30を乾式エッチングしてドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド64、維持蓄電器用導電体パターン68、ゲート信号制御用信号配線223、224、225の上部金属層202、602であるアルミニウム層を露出させる。そして、上部金属層202、602であるアルミニウム層の露出された部分をアルミニウムエッチング液で湿式エッチングして除去する。
【0154】
このようにして、ドレーン電極66、ゲートパッド24、データパッド64、維持蓄電器用導電体パターン68及びゲート信号制御用信号配線223、224、225の下部金属層である201、601クロム層を露出させる接触孔72、74、76、78、273、274、275を形成する。
【0155】
次に、ドレーン電極66、維持蓄電器用導電体パターン68及びデータパッド64の上部金属層602であるアルミニウム層の側面部分が露出されるようにその上部に位置する保護膜70を側面エッチングして接触孔72、78、76を階段形状に形成する。この場合、後述の画素電極82が、上部が下部より広くオープンされる形状の接触孔72、78を通じて、ドレーン電極66及び維持蓄電器用導電体パターン68と安定的に接触できるという特徴がある。
【0156】
この時、信号配線223、224、225を露出させる接触孔273、274、275は信号配線223、224、225の形状に沿って長く形成し、その側辺の長さがその幅より大きくなるように形成するのが好ましい。また、ゲートパッド24及びデータパッド64を露出させる接触孔74、76も、ゲートパッド24及びデータパッド64の形状に沿って長く形成し、その側辺の長さがその幅より大きくなるように形成する。
【0157】
次に、図27A、図27B、図27C、図27D、図27Eに示すように、ITOからなる透明物質層を蒸着しマスクを使用する写真エッチング工程によりドレーン電極66に連結される画素電極82、ゲートパッド24及びデータパッド64に各々連結される補助ゲートパッド84及び補助データパッド86、ゲート信号制御用配線223、224、225に連結されるゲート信号制御用補助パッド283、284、285を形成する。ここで、ITOからなる画素電極82、補助パッド84、86、283、284、285はアルミニウム層でなくその下部金属層201、601であるクロム層に直接接触する。
【0158】
このようにして、下部薄膜トランジスタ基板を用意し、データ信号伝送用フィルム300及びゲート信号伝送用フィルム400を異方性導電膜250を用いて薄膜トランジスタ基板に付着する(図5、図6、図7、図8、図9参照)。この時、薄膜トランジスタ基板の補助ゲートパッド84、補助データパッド86、ゲート信号制御用信号配線223、224、225はデータ及びゲート信号伝送用フィルム300、400のゲート信号用リード410、データ信号用リード310、ゲート信号制御用信号リード323、324、325に各々一対一対応で電気的に連結される。
【0159】
上述の本発明の実施例による液晶表示装置では、配線またはパッドより大きく
形成された接触孔を例としてあげたが、接触孔を配線またはパッドより小さく形成した場合、即ち接触孔を配線またはパッドの内部領域に位置するように形成した場合にも本発明は適用が可能である。また、本発明の実施例による液晶表示装置で、接触孔の形状は提示された実施例に限定されず、信号配線と境界をなす側辺の長さが信号配線の幅より大きく形成される条件で多様に変容が可能である。
【符号の説明】
【0160】
10 基板
22 ゲート線
24 ゲートパッド
26 ゲート電極
28 維持蓄電器用維持電極
30 第1絶縁膜(ゲート絶縁膜)
40 半導体層
50 不純物がドーピングされた半導体層
42 薄膜トランジスタ用半導体パターン
48 維持蓄電器用半導体パターン
55、56、57 抵抗性接触層パターン
62 データ線
64 データパッド
65 ソース電極
66 ドレーン電極
67 導電体パターン
68 維持蓄電器用導電体パターン
70 第2絶縁膜(保護膜)
72、74、76 接触孔
82 画素電極
84 補助ゲートパッド
86 補助データパッド
100 印刷回路基板
112、114 感光膜パターン
200 アンダーカット領域
201、601 クロム層(下部金属層)
202、602 アルミニウム層(上部金属層)
220 信号配線
223、224、225 ゲート信号制御用信号配線
250 異方性導電膜
251 導電性粒子
252 接着剤
270、273、274、275 接触孔
280 制御信号補助パッド
283、284、285 ゲート信号制御用補助パッド
300 データ信号伝送用フィルム
310 データ信号用リード
320、323、324、325 ゲート信号制御用信号リード
350 データ駆動集積回路
400 ゲート信号伝送用フィルム
410 ゲート信号用リード
420 ゲート信号制御用信号リード
450 ゲート駆動集積回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にゲート電極及びゲート線を含むゲート配線及び信号配線を形成する段階と、
前記ゲート配線及び前記信号配線を覆うゲート絶縁膜を形成する段階と、
前記ゲート絶縁膜上に半導体パターンを形成する段階と、
前記ゲート線に絶縁されて交差するデータ線、前記半導体の一部分に接触するソース電極、前記ソース電極に対応して前記半導体層の他の部分に接触するドレーン電極を含むデータ配線を形成する段階と、
前記データ配線及び前記半導体パターンを覆う保護膜を形成する段階と、
前記ドレーン電極を露出させる第1接触孔及び前記信号配線を露出させ、側辺の長さが幅より大きく形成される複数の第2接触孔を形成する段階と、
前記第1及び第2接触孔を通じて前記ドレーン電極に連結される画素電極及び前記信号配線に連結される信号配線補助パッドを形成する段階と、
を含み、
前記信号配線を形成する段階では、
前記信号配線に一対一に対応する複数の信号リードを有する信号伝送用フィルムを含み、
前記信号伝送用フィルムには前記複数の信号リードのうちの高電圧信号を伝送する第1信号リードと低電圧信号を伝送する第2信号リードとの間にダミーリードが形成され、
前記ダミーリードに対応するダミー配線が前記基板に形成され、
前記ダミー配線は前記信号配線より酸化傾向が小さい特性を有する導電物質で形成される、液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記信号配線はアルミニウムを含む二重層構造で形成する段階と、
前記第2接触孔は前記信号配線を覆うゲート絶縁膜及び保護膜を写真エッチング工程によって乾式エッチングしてアルミニウム層を露出させ、前記アルミニウム層の露出された部分をアルミニウムエッチング液で湿式エッチングすることによって形成する段階と、
を含む請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記ゲート配線は前記ゲート線に連結されるゲートパッドをさらに含み、
前記データ配線は前記データ線に連結されるデータパッドをさらに含み、
前記第1及び第2接触孔の形成時に前記ゲートパッドを露出させる第3接触孔及び前記データパッドを露出させる第4接触孔を各々形成する段階と、
前記ドレーン電極及び前記信号配線補助パッドの形成時に、前記ゲートパッド及び前記データパッドを覆う補助ゲートパッド及び補助データパッドを形成する段階と、
を含む請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記第3接触孔は側辺の長さが幅より大きく形成する段階と、
前記第4接触孔は側辺の長さが幅より大きく形成する段階と、
を含む請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記半導体パターン及び前記データ配線は、部分的に厚さの異なる感光膜パターンを利用した写真エッチング工程で共に形成する段階を含む、請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記感光膜パターンは、前記データ配線の上部で第1厚さを有する第1部分と、前記ソース電極と前記ドレーン電極との間の上部で第1厚さより薄い第2厚さを有する第2部分とで形成される段階を含む、請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記半導体パターン及び前記データ配線の形成は、
前記ゲート絶縁膜上に半導体層及び導電層を蒸着した後、前記感光膜パターンを形成する段階と、
前記感光膜パターンをマスクとして前記導電層をエッチングして前記半導体層の一部を露出させる段階と、
前記半導体層の露出された部分及び前記感光膜パターンの第2部分を除去して除去して前記半導体パターンを完成し、前記ソース電極と前記ドレーン電極との間に前記導電層の一部を露出させる段階と、
前記導電層の露出された部分を除去して前記データ配線を完成する段階と、
前記感光膜パターンの第1部分を除去する段階と、
を含む請求項6に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記感光膜パターンは、第1領域と、前記第1領域より低い透過率を有する第2領域と、前記第1領域より高い透過率を有する第3領域とを含む光マスクを用いて形成する段階を含む、請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図26E】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図27D】
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【図27E】
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【公開番号】特開2011−242785(P2011−242785A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138501(P2011−138501)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【分割の表示】特願2008−83064(P2008−83064)の分割
【原出願日】平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】