説明

絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。

【課題】ゲート電極の上方に層間絶縁層を形成するときに、ゲート電極に対向する基体の部分が酸化されることが無い、絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法は、(a)ソース/ドレイン領域13、チャネル形成領域12、チャネル形成領域12上に形成されたゲート絶縁膜30、ソース/ドレイン領域13を覆う絶縁層21、及び、チャネル形成領域12の上方の絶縁層21の部分に設けられたゲート電極形成用開口部22を備えた基体を準備し、(b)ゲート電極形成用開口部22内を導電材料層31,32で埋め込むことでゲート電極23を形成し、次いで、(c)絶縁層21を除去し、その後、(d)全面に、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、順次、成膜する工程を備え、前記工程(d)において、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で第1の層間絶縁層41を成膜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、所謂スケーリング則に基づきトランジスタの微細化を図ることにより、半導体装置の高集積化や動作速度の向上が図られている。絶縁ゲート電界効果トランジスタ(MISFET:Metal Insulator Semiconductor FET)の微細化に際しては、所謂短チャネル効果の影響を抑制することが必要となる。ゲート電極を半導体材料から構成する限り、短チャネル効果の要因の1つであるゲート電極の空乏化を効果的に抑制することはできない。そのため、ゲート電極を、金属や金属化合物等の導電材料から構成することが提案されている。ゲート電極を導電材料から形成する手法として、多結晶シリコン膜の代わりに例えば金属膜を成膜し、この金属膜を従来と同様にパターニングしてゲート電極の形成を行う方法の他、ゲート電極形成用開口部内に導電材料を埋め込む所謂ダマシン・プロセスによりゲート電極を形成する方法も提案されている(例えば、Atsushi Yagishita et al.,“High Performance Metal Gate MOSFETs Fabricated by CMP for 0.lμm Regime”, International Electron Devices Meeting 1998 Technical Digest pp.785-788(1998) 、あるいは、特開2005−303256を参照)。ダマシン・プロセスによりゲート電極を形成する方法においては、ダミーゲート電極を除去することにより形成したゲート電極形成用開口部内に、例えば酸化シリコンよりも比誘電率が大きい絶縁材料(例えば、酸化ハフニウム等)から成るゲート絶縁膜を形成し、次いで、ゲート電極を形成する。そして、これによって、絶縁ゲート電界効果トランジスタの特性の向上を図ることができる。
【0003】
以下、従来のダマシン・プロセスによりゲート電極を形成する方法の概要を、シリコン半導体基板等の模式的な一部端面図である、図2の(A)、(B)、図3の(A)、(B)、図13の(A)、(B)を参照して説明する。
【0004】
[工程−10]
先ず、ソース/ドレイン領域13、チャネル形成領域12、チャネル形成領域12上に形成され、酸化ハフニウムから成るゲート絶縁膜30、SiO2から成り、ソース/ドレイン領域13を覆う絶縁層21、及び、チャネル形成領域12の上方の絶縁層21の部分に設けられたゲート電極形成用開口部22を備えた基体10を準備する(図2の(A)及び(B)参照)。
【0005】
尚、基体10の製造方法については、実施例1において詳しく説明する。ここで、参照番号11はシリコン半導体基板であり、参照番号13Aはソース/ドレイン領域13の上部の部分に形成されたシリサイド層であり、参照番号17はサイドウオールである。
【0006】
[工程−20]
次いで、全面に、ゲート電極の仕事関数を規定するための金属材料(ハフニウム・シリサイド)から成る仕事関数制御層31、TiNから成るバリア層(図示せず)を、順次、形成する(図3の(A)参照)。その後、所謂ブランケットタングステンCVD法に基づき、全面にタングステンから成る導電材料層32を形成した後、CMP法に基づいた平坦化処理を行い、絶縁層21及びサイドウオール17の上の導電材料層32、バリア層、仕事関数制御層31、ゲート絶縁膜30を除去する。こうして、ゲート電極23を得ることができる(図3の(B)参照)。ここで、ゲート電極23は、チャネル形成領域12の上方にゲート絶縁膜30を介して形成されており、仕事関数制御層31、バリア層(図示せず)、及び、導電材料層32から構成されている。
【0007】
[工程−30]
次に、全面に、SiO2から成る層間絶縁層142を、例えば、高密度プラズマCVD法にて形成する(図13の(A)参照)。
【0008】
[工程−40]
その後、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、ゲート電極23の上方、及び、ソース/ドレイン領域13の上方の層間絶縁層142の部分にコンタクトプラグ形成用開口部43A,43Bを形成する。その後、全面に、Ti(下層)/TiN(上層)から成る第2のバリア層(図示せず)を形成し、ブランケットタングステンCVD法に基づき全面にタングステン層を形成した後、CMP法に基づいた平坦化処理を行うことで、コンタクトプラグ形成用開口部43A,43B内にコンタクトプラグ44A,44Bを形成することができる(図13の(B)参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2005−303256
【非特許文献1】Atsushi Yagishita et al.,“High Performance Metal Gate MOSFETs Fabricated by CMP for 0.lμm Regime”, International Electron Devices Meeting 1998 Technical Digest pp.785-788(1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような製造方法によって得られる絶縁ゲート電界効果トランジスタにあっては、[工程−30](図13の(A)参照)において、全面に、SiO2から成る層間絶縁層142をCVD法にて形成するが、係るCVD法において用いる原料ガスの組成には、通常、酸素原子あるいは酸素分子が含まれている。そのため、SiO2から成る層間絶縁層142を形成する際、雰囲気中の酸素原子あるいは酸素分子が、導電材料層32、バリア層、仕事関数制御層31、ゲート絶縁膜30を通過して、ゲート電極23に対向するシリコン半導体基板11の部分に到達し、係るシリコン半導体基板11の部分を酸化してしまう。尚、この酸化されたシリコン半導体基板11の部分を、図13の(A)及び(B)においては、参照番号30Aで示す。
【0011】
そして、このような現象が発生すると、結局、ゲート絶縁膜30の膜厚が厚くなったことと等価となってしまい、ゲート容量の低下等、絶縁ゲート電界効果トランジスタの特性劣化が生じてしまう。
【0012】
従って、本発明の目的は、ゲート電極の上方に層間絶縁層を形成するときに、ゲート電極に対向する基体の部分が酸化されることが無い、絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法(以下、本発明の第1の態様に係る製造方法と略称する)は、
(a)ソース/ドレイン領域、チャネル形成領域、チャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁膜、ソース/ドレイン領域を覆う絶縁層、及び、チャネル形成領域の上方の絶縁層の部分に設けられたゲート電極形成用開口部を備えた基体を準備し、
(b)ゲート電極形成用開口部内を導電材料層で埋め込むことでゲート電極を形成し、次いで、
(c)絶縁層を除去し、その後、
(d)全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜する、
工程を備え、
前記工程(d)において、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で第1の層間絶縁層を成膜することを特徴とする。
【0014】
ここで、本発明の第1の態様に係る製造方法においては、全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜するが、具体的には、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、ゲート電極及びソース/ドレイン領域上に、順次、成膜する。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法(以下、本発明の第2の態様に係る製造方法と略称する)は、
(a)ソース/ドレイン領域、チャネル形成領域、チャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁膜、ソース/ドレイン領域を覆う絶縁層、及び、チャネル形成領域の上方の絶縁層の部分に設けられたゲート電極形成用開口部を備えた基体を準備し、
(b)ゲート電極形成用開口部内を導電材料層で埋め込むことでゲート電極を形成し、次いで、
(c)全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜する、
工程を備え、
前記工程(c)において、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で第1の層間絶縁層を成膜することを特徴とする。
【0016】
ここで、本発明の第2の態様に係る製造方法においては、全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜するが、具体的には、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、ゲート電極及び絶縁層上に、順次、成膜する。
【0017】
本発明の第1の態様に係る製造方法にあっては前記工程(d)において、また、本発明の第2の態様に係る製造方法にあっては前記工程(c)において、酸素原子を含む成膜雰囲気中で第2の層間絶縁層を成膜することができる。そして、この場合、第1の層間絶縁層は窒化シリコン(SiN)又は炭化シリコン(SiC)から成り、第2の層間絶縁層は酸化シリコン(SiOX)から成ることが望ましい。
【0018】
上記の好ましい構成を含む本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る製造方法において、絶縁層は、下層絶縁層、及び、この下層絶縁層上に形成された上層絶縁層から構成されており、下層絶縁層は、少なくともソース/ドレイン領域を被覆している構成とすることもできる。そして、本発明の第1の態様に係る製造方法にあっては、前記工程(c)において、上層絶縁層を除去し、下層絶縁層を残すことが好ましい。更には、これらの場合、下層絶縁層は第1の層間絶縁層と同じ材料から構成され、上層絶縁層は第2の層間絶縁層と同じ材料から構成されていることが、限定するものではないが望ましく、具体的には、第1の層間絶縁層及び下層絶縁層は窒化シリコン(SiN)又は炭化シリコン(SiC)から成り、第2の層間絶縁層及び上層絶縁層は酸化シリコン(SiOX)から成ることが望ましい。ここで、本発明の第1の態様に係る製造方法においては、全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜するが、具体的には、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、ゲート電極及び下層絶縁層上に、順次、成膜する。一方、本発明の第2の態様に係る製造方法においては、全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜するが、具体的には、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、ゲート電極及び上層絶縁層上に、順次、成膜する。
【0019】
基体は、ゲート電極形成用開口部の側壁を構成するサイドウオールを更に備えていることが好ましい。そして、サイドウオールの少なくとも一部を構成する材料は、絶縁層(あるいは上層絶縁層)を構成する材料と異なっていることが望ましい。ゲート電極の側面部と接するサイドウオールの部分を構成する材料として、具体的には、SiNを例示することができる。絶縁層を下層絶縁層及び上層絶縁層から構成する場合、下層絶縁層がサイドウオールの側面上に延在していてもよい。ここで、本発明の第1の態様に係る製造方法においては、全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜するが、具体的には、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、ゲート電極、サイドウオール及びソース/ドレイン領域上に、順次、成膜し、あるいは又、ゲート電極、サイドウオール及び下層絶縁層上に、順次、成膜する。一方、本発明の第2の態様に係る製造方法においては、全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜するが、具体的には、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、ゲート電極、サイドウオール及び絶縁層上に、順次、成膜し、あるいは又、ゲート電極、サイドウオール及び上層絶縁層上に、順次、成膜する。
【0020】
以上に説明した好ましい構成を含む本発明の第1の態様に係る製造方法における前記工程(d)にあっては、あるいは又、以上に説明した好ましい構成を含む本発明の第2の態様に係る製造方法における前記工程(c)にあっては、第1の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含まない原料ガスを使用した化学的気相成長法[ALD(Atomic Layer Deposition)法を含む、例えばプラズマCVD法、高密度プラズマCVD法、常圧CVD法といった各種のCVD法]に基づき成膜(形成)することが好ましく、一方、第2の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含む原料ガスを使用した各種の化学的気相成長法[CVD法]に基づき成膜(形成)することが好ましい。但し、これに限定するものではなく、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種の物理的気相成長法[PVD法]によって、第1の層間絶縁層あるいは第2の層間絶縁層を成膜(形成)してもよい。尚、この場合、第1の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を含まない雰囲気中におけるPVD法に基づき成膜(形成)することが好ましく、また、第2の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を含む雰囲気中におけるPVD法に基づき成膜(形成)することが好ましい。
【0021】
以上に説明した好ましい構成を含む本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る製造方法(以下、これらを総称して、単に、本発明の製造方法と呼ぶ場合がある)にあっては、ゲート電極全体が導電材料層から構成されていてもよいし、ゲート電極の底面部及び側面部が、ゲート電極の仕事関数を規定するための仕事関数制御層から構成され、底面部と側面部とによって囲まれた中央部(残部)が導電材料層から構成されていてもよい。後者の場合、仕事関数制御層を構成する導電材料よりも、導電材料層を構成する導電材料の方が電気抵抗率の低いことが望ましい。前者の形態によれば、ゲート電極の形成工程をより単純なものとすることができるし、後者の形態によれば、ゲート電極の電気抵抗をより低くすることができる。また、ゲート電極の中央部と底面部との間、及び、中央部と側面部との間に、更に別の導電材料層が形成されている態様であってもよい。即ち、ゲート電極は3層以上の導電材料層が積層して形成されている態様とすることもできる。導電材料層を構成する導電材料、仕事関数制御層を構成する導電材料として、nチャネル型あるいはpチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタのチャネル形成領域との関係で好ましい仕事関数を有する導電材料を適宜選択すればよい。
【0022】
導電材料層や仕事関数制御層を構成する導電材料(金属材料)として、タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等の金属(これらの金属から成る合金をも含む);これら金属の窒化物等の化合物;金属シリサイド等の金属と半導体材料との化合物を挙げることができる。尚、仕事関数制御層を構成する導電材料として、チャネル形成領域との関係において良好な仕事関数の値を有する材料を適宜選択すればよい。例えば、チャネル形成領域がn型である場合には、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)等を含む導電材料(金属材料)を、チャネル形成領域がp型である場合には、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)等を含む導電材料(金属材料)を選択することができるが、これに限定するものではない。また、導電材料層をシリサイドから構成する場合、シリサイド中に含まれる不純物の種類及び量を制御することで、あるいは又、例えば、シリサイドにアルミニウムイオンを適切にイオン注入することで、nチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタとpチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタのゲート電極の仕事関数の値の最適化を図ることができる。ゲート電極は、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種のPVD法;ALD法、MOCVD法を含む各種のCVD法;電解メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法を単独で行うか、あるいは適宜組み合わせて行うことによりゲート電極形成用開口部を導電材料層で埋め込み、次いで、化学的・機械的研磨法(CMP法)やエッチバック法等により平坦化処理を行う周知のダマシン・プロセスにより形成することができる。
【0023】
絶縁層の除去は、絶縁層を構成する材料に適した方法に基づき行えばよく、適切なエッチャントを用いたドライエッチング法やウェットエッチング法を挙げることができる。
【0024】
本発明の製造方法にあっては、絶縁層にゲート電極形成用開口部を形成した後にゲート絶縁膜を形成してもよいし、ゲート絶縁膜を形成した後に絶縁層とゲート電極形成用開口部とを形成してもよい。尚、後者の場合、底部にゲート絶縁膜を残してゲート電極形成用開口部を形成する必要がある。ゲート絶縁膜を構成する材料として、従来から一般的に用いられているSiO2系材料、SiN系材料の他、比誘電率k(=ε/ε0)が概ね4.0以上の所謂高比誘電率材料を挙げることができる。高比誘電率材料としては、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ランタン(La2O)を例示することができる。あるいは又、HfSiO、ZrSiO、AlSiO、LaSiOといった金属シリケートを例示することもできる。ゲート絶縁膜は1種類の材料から形成されていてもよいし、複数種類の材料から形成されていてもよい。また、ゲート絶縁膜は単一膜(複数の材料から成る複合膜を含む)であってもよいし、積層膜であってもよい。nチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタのゲート絶縁膜とpチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタのゲート絶縁膜とは、同一材料から成る構成とすることもできるし、それぞれ異なる材料から成る構成とすることもできる。ゲート絶縁膜は広く周知の方法により形成することができる。特に、上述した高比誘電率材料から成るゲート絶縁膜を形成する方法として、ALD法、有機金属化学的気相成長法(MOCVD法)を含むCVD法を例示することができる。
【0025】
本発明の製造方法において、絶縁層を構成する材料として、上述したSiO2、SiN以外にも、SiON、SiOF、SiC、誘電率k(=ε/ε0)が例えば3.5以下の有機SOG、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂といった低誘電率絶縁材料(例えば、フルオロカーボン、アモルファス・テトラフルオロエチレン、ポリアリールエーテル、フッ化アリールエーテル、フッ化ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン、アモルファス・カーボン、シクロパーフルオロカーボンポリマー、フッ化フラーレン)を挙げることができ、あるいは又、絶縁層をこれらの材料の積層体から構成することもできる。
【0026】
チャネル形成領域の上方及びソース/ドレイン領域の上方に位置する層間絶縁層の部分には、ゲート電極及びソース/ドレイン領域に接続されたコンタクトプラグが設けられている形態とすることができる。コンタクトプラグを構成する材料として、不純物がドーピングされた多結晶シリコンや、タングステン(W)等の高融点金属材料を挙げることができる。コンタクトプラグは、層間絶縁層にコンタクトプラグ形成用開口部をRIE法といったドライエッチング法等により形成した後、周知の方法によりコンタクトプラグ形成用開口部内を上述した材料で埋め込むことにより形成することができる。具体的には、例えば、ブランケットタングステンCVD法によりコンタクトプラグ形成用開口部内にタングステンを埋め込み、次いで、層間絶縁層上の余剰のタングステン層を除去することによりコンタクトプラグを形成することができる。尚、密着層としてのTi層及びTiN層をコンタクトプラグ形成用開口部内に形成した後、ブランケットタングステンCVD法によりコンタクトプラグ形成用開口部内にタングステンを埋め込む態様であってもよい。
【0027】
ソース/ドレイン領域の頂面は、コンタクト抵抗値の低減のためにシリサイド層から構成されていることが望ましい。
【0028】
本発明の製造方法で用いられるソース/ドレイン領域やチャネル形成領域等を備えた基体として、シリコン半導体基板等の半導体基板の他、表面に半導体層が形成された支持体(例えば、ガラス基板、石英基板、表面に絶縁材料層が形成されたシリコン半導体基板、プラスチック基板、プラスチックフィルム等)を例示することができる。絶縁ゲート電界効果トランジスタは、例えば、半導体基板や半導体層のウェル領域等に形成される。絶縁ゲート電界効果トランジスタと絶縁ゲート電界効果トランジスタとの間には、例えばトレンチ構造の所謂素子分離領域が形成されていてもよい。素子分離領域は、LOCOS構造を有していてもよいし、トレンチ構造とLOCOS構造の組合せとしてもよい。更には、SIMOX法や基板貼合せ法によって得られたSOI構造を有する基体を用いてもよい。ソース/ドレイン領域、チャネル形成領域、チャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁膜、ソース/ドレイン領域を覆う絶縁層、及び、チャネル形成領域の上方の絶縁層の部分に設けられたゲート電極形成用開口部を備えた基体を準備する方法、即ち、係る基体を作製する方法は、周知の方法とすればよい。
【0029】
尚、「チャネル形成領域」とは、チャネルが形成され得る領域を意味し、現実にチャネルが形成されている領域のみを示すものではない。例えば、ゲート電極に対向して位置する半導体層や半導体基板の部分は、「チャネル形成領域」に該当する。また、「ゲート電極」には、「チャネル形成領域」と対向する電極の部分の他、この電極の部分から延在する引き出し電極の部分も含まれる。本発明の製造方法によって製造される絶縁ゲート電界効果トランジスタは、nチャネル型MISFET、pチャネル型MISFETだけでなく、例えばnチャネル型MOSとpチャネル型MOSとから構成されたCMOS半導体装置であってもよいし、nチャネル型MOSとpチャネル型MOSに加えてバイポーラトランジスタを含むBiCMOS半導体装置であってもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明の製造方法にあっては、ゲート電極を形成した後、全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜するが、この際、第1の層間絶縁層を、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で成膜する。従って、ゲート電極に対向する基体(例えば、シリコン半導体基板)の部分が酸化されてしまうといった現象の発生を確実に防止することができ、ゲート容量の低下等、絶縁ゲート電界効果トランジスタの特性劣化が生じてしまうといった問題の発生を確実に回避することができる。
【0031】
本発明の第1の態様に係る製造方法にあっては、ゲート電極の上方の構成要素の構成(層間絶縁層の構成)と、ソース/ドレイン領域の上方の構成要素の構成(絶縁層+層間絶縁層の構成)とを実質的に同じとすることが可能となるので、ゲート電極及びソース/ドレイン領域にコンタクトプラグを設ける際のコンタクトプラグ形成用開口部の形成を容易に行うことができる。
【0032】
また、本発明の製造方法において、絶縁層を下層絶縁層及び上層絶縁層から構成すれば、係る下層絶縁層をライナー層として機能させることが可能となり、これによって、チャネル形成領域に応力を加えることができる結果、絶縁ゲート電界効果トランジスタの駆動能力の向上を図ることができる。また、本発明の第1の態様に係る製造方法にあっては、上層絶縁層を除去し、下層絶縁層を残すので、絶縁層の除去の際、ソース/ドレイン領域に損傷が発生することが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【実施例1】
【0034】
実施例1は、本発明の第1の態様に係る絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法に関する。
【0035】
実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法によって得られた絶縁ゲート電界効果トランジスタは、図5に模式的な一部端面図を示すように、
(A)ソース/ドレイン領域13及びチャネル形成領域12、
(B)チャネル形成領域12の上方に形成されたゲート電極23、並びに、
(C)ゲート絶縁膜30、
を備えた絶縁ゲート電界効果トランジスタである。尚、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4にあっては、絶縁ゲート電界効果トランジスタを、nチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタとした。
【0036】
ゲート絶縁膜30は酸化ハフニウムから成る。また、ゲート電極23は、仕事関数制御層31及び導電材料層32から構成されている。ここで、仕事関数制御層31は、ゲート電極23の仕事関数を規定するための導電材料(金属材料)から構成されており、具体的には、ハフニウム・シリサイド,HfSiXから成る。また、導電材料層32は、仕事関数制御層31を構成する導電材料とは異なる導電材料(金属材料であり、具体的には、タングステン,W)から構成されている。そして、仕事関数制御層31は、チャネル形成領域12に対向するゲート電極23の底面部からゲート電極23の側面部に亙り形成されており、導電材料層32は、ゲート電極23の残部を占めている。実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタにあっては、ゲート電極23の側面部は、SiNから成るサイドウオール17と接している。また、ソース/ドレイン領域13の表面には、シリサイド層(具体的には、ニッケル・シリサイド層)13Aが形成されている。後述する実施例2〜実施例4においても同様である。
【0037】
また、ソース/ドレイン領域13、サイドウオール17及びゲート電極23の上には、窒化シリコン(SiN)から成る第1の層間絶縁層41が成膜(形成)されており、第1の層間絶縁層41上には、酸化シリコン(SiOXであり、例えば、X=2)から成る第2の層間絶縁層42が成膜(形成)されている。更には、チャネル形成領域12の上方に位置する第1の層間絶縁層41及び第2の層間絶縁層42の部分にはコンタクトプラグ形成用開口部43Aが設けられ、このコンタクトプラグ形成用開口部43A内にはタングステンから成り、ゲート電極23の頂部に接続されたコンタクトプラグ44Aが設けられている。一方、ソース/ドレイン領域13の上方に位置する第1の層間絶縁層41及び第2の層間絶縁層42の部分にはコンタクトプラグ形成用開口部43Bが設けられ、このコンタクトプラグ形成用開口部43B内にはタングステンから成り、ソース/ドレイン領域13を構成するシリサイド層13Aに接続されたコンタクトプラグ44Bが設けられている。尚、参照番号11はシリコン半導体基板である。
【0038】
以下、シリコン半導体基板等の模式的な一部端面図である図1の(A)、(B)、図2の(A)、(B)、図3の(A)、(B)、図4の(A)、(B)、及び、図5を参照して、以下、実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明する。
【0039】
[工程−100]
先ず、ソース/ドレイン領域13、チャネル形成領域12、チャネル形成領域12上に形成されたゲート絶縁膜30、SiO2から成り、ソース/ドレイン領域13を覆う絶縁層21、及び、チャネル形成領域12の上方の絶縁層21の部分に設けられたゲート電極形成用開口部22を備えた基体10を準備する。
【0040】
具体的には、シリコン半導体基板11に素子分離領域(図示せず)を形成した後、シリコン半導体基板11の表面にダミーゲート絶縁膜14を形成し、次いで、ダミーポリシリコン層15、SiNから成るハードマスク層を、順次、形成した後、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきダミーゲート電極15’を形成する。ダミーゲート電極15’は、ダミーポリシリコン層15及びハードマスク16の積層構造を有する。次いで、LDD構造を形成するための不純物の浅いイオン注入を行った後、ダミーゲート電極15’の側面に、サイドウオール17を形成するためのSiN層を形成し、SiN層をエッチバックすることによって、SiNから成るサイドウオール17を形成することができる。その後、不純物の深いイオン注入を行うことでソース/ドレイン領域13を形成する。次に、全面にニッケル層を成膜し、加熱処理を施すことで、ソース/ドレイン領域13の上部をシリサイド化し、ニッケル・シリサイドから成るシリサイド層13Aを得ることができる。その後、未反応のニッケル層を除去し、再度、加熱処理を行うことで、シリサイド層13Aの安定化を図る。以上によって、エクステンション領域とシリサイド層13A(低抵抗層)を備えたソース/ドレイン領域13を得ることができる。ソース/ドレイン領域13のエクステンション領域で挟まれた領域が、チャネル形成領域12となる。こうして、図1の(A)に示す状態を得ることができる。
【0041】
その後、全面にSiO2から成る絶縁層21を形成した後、CMP法に基づき平坦化処理を施すことで、絶縁層21の一部及びハードマスク16(場合によっては、更に、ダミーポリシリコン層15の一部及びサイドウオール17の一部)を除去する。こうして、図1の(B)に示す状態を得ることができる。
【0042】
次いで、露出したダミーゲート電極15’を、フッ素等のラジカルを使用するエッチング法によって除去し、更に、ダミーゲート絶縁膜14を、例えば希フッ酸等のウェットエッチング法により除去する。こうして、図2の(A)に示す状態を得ることができる。
【0043】
次いで、ゲート電極形成用開口部22の底部に露出したチャネル形成領域12の上にゲート絶縁膜30を形成する。実施例1にあっては、先ず、ゲート電極形成用開口部22の底部に露出したチャネル形成領域12の上、及び、ゲート電極形成用開口部22の側壁に、ゲート絶縁膜30を形成する。具体的には、全面に、酸化ハフニウムから成り、厚さ3.0nmのゲート絶縁膜30を形成する(図2の(B)参照)。このゲート絶縁膜30は、例えば、有機系のHfガスを原料ガスとして用いたCVD法に基づき形成することができるし、あるいは又、ハフニウムをターゲットとして用いたスパッタリング法に基づきハフニウム膜を形成した後、ハフニウム膜を酸化することで形成することができるし、ALD法に基づき形成することができる。
【0044】
[工程−110]
次に、ゲート電極形成用開口部22内を導電材料層で埋め込むことでゲート電極23を形成する。ところで、実施例1にあっては、ゲート電極23は、導電材料(金属材料)から成る仕事関数制御層31、及び、仕事関数制御層31を構成する導電材料(金属材料)とは異なる導電材料(金属材料)から成る導電材料層32から構成されている。従って、具体的には、先ず、スパッタリング法に基づき、全面に(具体的には、ゲート絶縁膜30の上に)、ハフニウム・シリサイド(HfSiX)から成り、厚さ15nmの仕事関数制御層31を形成する(図3の(A)参照)。
【0045】
その後、ゲート電極形成用開口部22の残部を導電材料層32で埋め込むことで、仕事関数制御層31及び導電材料層32から構成されたゲート電極23を得る。より具体的には、先ず、スパッタリング法に基づき、全面にTiNから成るバリア層(図示せず)を形成する。厚さ10nmのバリア層は、CVD法、あるいは、スパッタリング法、あるいは、ALD法(NH3ガス及びTiCl4ガスを交互に使用)に基づき、形成することができる。その後、所謂ブランケットタングステンCVD法に基づき、全面にタングステンから成り、厚さ0.2μmの導電材料層32を形成した後、CMP法に基づいた平坦化処理を行い、絶縁層21及びサイドウオール17上の導電材料層32、バリア層、仕事関数制御層31、ゲート絶縁膜30を除去する(図3の(B)参照)。こうして、ゲート電極23を得ることができる。ここで、ゲート電極23は、チャネル形成領域12の上方にゲート絶縁膜30を介して形成されており、仕事関数制御層31、バリア層、及び、導電材料層32から構成されている。
【0046】
[工程−120]
次に、絶縁層21を除去する(図4の(A)参照)。具体的には、C48ガス及びArガスを用いたドライエッチング法に基づき、絶縁層21を除去することができる。
【0047】
[工程−130]
その後、全面に、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、順次、成膜する。具体的には、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、ゲート電極23、サイドウオール17及びソース/ドレイン領域13(より具体的には、シリサイド層13A)上に、順次、成膜する。次いで、第2の層間絶縁層42の平坦化処理を行う。こうして、図4の(B)に示す構造を得ることができる。ここで、第1の層間絶縁層41を、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で成膜し、第2の層間絶縁層42を、酸素原子を含む成膜雰囲気中で第2の層間絶縁層を成膜する。より具体的には、第1の層間絶縁層41を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含まない原料ガスを使用したCVD法に基づき成膜した後、第2の層間絶縁層42を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含む原料ガスを使用したCVD法に基づき成膜する。成膜条件を以下の表1及び表2に例示する。
【0048】
[表1]
第1の層間絶縁層41のプラズマCVD法に基づく成膜条件
原料ガス:SiH4/NH3/N2=30〜800sccm/30〜800sccm/3000〜5000sccm
温度 :400゜C以下
圧力 :4×102Pa〜1.3×103Pa
【0049】
[表2]
第2の層間絶縁層42のプラズマ TEOS−CVD法に基づく成膜条件
原料ガス:TEOSガス/O2=500〜1000sccm/400〜1000sccm
温度 :400゜C以下
圧力 :4×102Pa〜1.3×103Pa
【0050】
[工程−140]
その後、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、ゲート電極23の上方、及び、ソース/ドレイン領域13の上方の第1の層間絶縁層41及び第2の層間絶縁層42にコンタクトプラグ形成用開口部43A,43Bを形成する。次いで、全面に、Ti(下層)/TiN(上層)の積層構造から成る第2のバリア層(図示せず)をスパッタリング法に基づき形成し、WF6ガス、H2ガス、SiH4ガスを用いたブランケットタングステンCVD法(成膜温度:400゜C)に基づき全面にタングステン層を形成した後、CMP法に基づいた平坦化処理を行うことで、コンタクトプラグ形成用開口部43A,43B内にコンタクトプラグ44A,44Bを形成することができる(図5参照)。その後、必要に応じて第2の層間絶縁層42の上に図示しない配線等を形成して、実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタを完成させることができる。
【0051】
実施例1にあっては、[工程−130]において、第1の層間絶縁層41を、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で成膜する。従って、ゲート電極23に対向する基体(シリコン半導体基板11)の部分が酸化されてしまうといった現象の発生を確実に防止することができ、ゲート容量の低下等、絶縁ゲート電界効果トランジスタの特性劣化が生じてしまうといった問題の発生を確実に回避することができる。また、ゲート電極23の上方の構成要素の構成(層間絶縁層41,42の構成)と、ソース/ドレイン領域13の上方の構成要素の構成(層間絶縁層41,42の構成)とは同じであるが故に、[工程−140]において、ゲート電極23及びソース/ドレイン領域13にコンタクトプラグ44A,44Bを設ける際のコンタクトプラグ形成用開口部43A,43Bの形成を容易に行うことができる。
【実施例2】
【0052】
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2にあっては、絶縁層は、下層絶縁層21A、及び、この下層絶縁層21A上に形成された上層絶縁層21Bから構成されており、下層絶縁層21Aは少なくともソース/ドレイン領域13を被覆しており(具体的には、ソース/ドレイン領域13及びサイドウオール17を被覆しており)、絶縁層を除去する工程においては、上層絶縁層21Bを除去し、下層絶縁層21Aを残す。ここで、下層絶縁層21Aは、第1の層間絶縁層41と同じ材料、より具体的には,SiNから構成され、上層絶縁層21Bは、第2の層間絶縁層42と同じ材料、より具体的には、SiOX(X=2)から構成されている。SiNから成る下層絶縁層21Aの成膜条件は、表1に示した成膜条件と同様とすることができる。また、SiO2から成る上層絶縁層21Bの成膜条件を、以下の表3あるいは表4に例示する。
【0053】
[表3]
上層絶縁層21Bの高密度プラズマCVD法に基づく成膜条件
原料ガス:SiH4/O2/Ar(又はHe、又はH2)=8〜120sccm/10〜240sccm/10〜120sccm
温度 :400゜C以下
圧力 :4×102Pa〜1.3×103Pa
【0054】
[表4]
上層絶縁層21BのO3−TEOS−CVD法に基づく成膜条件
原料ガス:O2とO3の混合ガス5〜10リットル/分中に10〜15重量%のTEOSガス(流量500〜1000ミリグラム/分)が含まれるガス
温度 :450゜C以下
圧力 :6.7×103Pa〜9.3×104Pa
【0055】
以下、シリコン半導体基板等の模式的な一部端面図である図6の(A)、(B)、図7の(A)、(B)、図8の(A)、(B)、図9の(A)、(B)、及び、図10を参照して、以下、実施例2の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明する。
【0056】
[工程−200]
先ず、ソース/ドレイン領域13、チャネル形成領域12、チャネル形成領域12上に形成されたゲート絶縁膜30、ソース/ドレイン領域13を覆う絶縁層21A,21B、及び、チャネル形成領域12の上方の絶縁層21A,21Bの部分に設けられたゲート電極形成用開口部22を備えた基体10を準備する。
【0057】
具体的には、先ず、実施例1の[工程−100]の前段と同様の工程を実行することで、図1の(A)に示す状態を得た後、CVD法にて、全面に、SiNから成り、ライナー層として機能する下層絶縁層21Aを、表1に例示した成膜条件に基づき成膜する。こうして、図6の(A)に示す状態を得ることができる。次に、全面にSiO2から成る上層絶縁層21Bを、表3あるいは表4に例示した成膜条件に基づき成膜した後、CMP法に基づき平坦化処理を施すことで、上層絶縁層21Bの一部、下層絶縁層21Aの一部、及び、ハードマスク16(場合によっては、更に、ダミーポリシリコン層15の一部及びサイドウオール17の一部)を除去する。こうして、図6の(B)に示す状態を得ることができる。
【0058】
次いで、露出したダミーゲート電極15’を、フッ素等のラジカルを使用するエッチング法によって除去し、更に、ダミーゲート絶縁膜14を、例えば希フッ酸等のウェットエッチング法により除去する。こうして、図7の(A)に示す状態を得ることができる。
【0059】
次いで、実施例1の[工程−100]と同様にして、ゲート電極形成用開口部22の底部に露出したチャネル形成領域12の上にゲート絶縁膜30を形成する(図7の(B)参照)。
【0060】
[工程−210]
その後、ゲート電極形成用開口部22内を仕事関数制御層31及び導電材料層32で埋め込むことでゲート電極23を形成する(図8の(A)及び(B)参照)。ゲート電極23は、実施例1と同様に、仕事関数制御層31、バリア層(図示せず)、及び、導電材料層32から構成されている。
【0061】
[工程−220]
次に、実施例1の[工程−120]と同様にして、上層絶縁層21Bを除去する(図9の(A)参照)。下層絶縁層21Aは残される。
【0062】
[工程−230]
その後、実施例1の[工程−130]と同様にして、全面に、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、順次、成膜する。具体的には、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、ゲート電極23、サイドウオール17及び下層絶縁層21A上に、順次、成膜する。次いで、第2の層間絶縁層42の平坦化処理を行う。こうして、図9の(B)に示す構造を得ることができる。
【0063】
[工程−240]
その後、実施例1の[工程−140]と同様にして、コンタクトプラグ44A,44Bを形成する(図10参照)。次いで、必要に応じて第2の層間絶縁層42の上に図示しない配線等を形成して、実施例2の絶縁ゲート電界効果トランジスタを完成させることができる。
【0064】
実施例2にあっても、[工程−230]において、第1の層間絶縁層41を、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で成膜する。従って、ゲート電極23に対向する基体(シリコン半導体基板11)の部分が酸化されてしまうといった現象の発生を確実に防止することができ、ゲート容量の低下等、絶縁ゲート電界効果トランジスタの特性劣化が生じてしまうといった問題の発生を確実に回避することができる。また、ゲート電極23の上方の構成要素の構成(層間絶縁層41,42の構成)と、ソース/ドレイン領域13の上方の構成要素の構成(絶縁層21A+層間絶縁層41,42の構成)とは、実質的に同じであるが故に、[工程−240]において、ゲート電極23及びソース/ドレイン領域13にコンタクトプラグ44A,44Bを設ける際のコンタクトプラグ形成用開口部43A,43Bの形成を容易に行うことができる。更には、[工程−220]において、上層絶縁層21Bを除去し、下層絶縁層21Aを残すので、係る絶縁層の除去の際、ソース/ドレイン領域13に損傷が発生することが無い。また、下層絶縁層21Aをライナー層として機能させ得るので、チャネル形成領域12に応力を加えることができる結果、絶縁ゲート電界効果トランジスタの駆動能力の向上を図ることができる。
【実施例3】
【0065】
実施例3は、本発明の第2の態様に係る絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法に関する。
【0066】
実施例3の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法によって得られた絶縁ゲート電界効果トランジスタも、図11の(B)に模式的な一部端面図を示すように、
(A)ソース/ドレイン領域13及びチャネル形成領域12、
(B)チャネル形成領域12の上方に形成されたゲート電極23、並びに、
(C)ゲート絶縁膜30、
を備えた絶縁ゲート電界効果トランジスタである。
【0067】
実施例3にあっては、実施例1と異なり、絶縁層21、サイドウオール17及びゲート電極23の上に、窒化シリコン(SiN)から成る第1の層間絶縁層41が成膜(形成)されており、第1の層間絶縁層41上には、酸化シリコン(SiOXであり、例えば、X=2)から成る第2の層間絶縁層42が成膜(形成)されている。更には、チャネル形成領域12の上方に位置する第1の層間絶縁層41及び第2の層間絶縁層42の部分にはコンタクトプラグ形成用開口部43Aが設けられ、このコンタクトプラグ形成用開口部43A内にはタングステンから成り、ゲート電極23の頂部に接続されたコンタクトプラグ44Aが設けられている。一方、ソース/ドレイン領域13の上方に位置する絶縁層21、第1の層間絶縁層41及び第2の層間絶縁層42の部分にはコンタクトプラグ形成用開口部43Bが設けられ、このコンタクトプラグ形成用開口部43B内にはタングステンから成り、ソース/ドレイン領域13を構成するシリサイド層13Aに接続されたコンタクトプラグ44Bが設けられている。
【0068】
以下、シリコン半導体基板等の模式的な一部端面図である図11の(A)、(B)を参照して、以下、実施例3の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明する。
【0069】
[工程−300]
先ず、実施例1の[工程−100]と同様にして、ソース/ドレイン領域13、チャネル形成領域12、チャネル形成領域12上に形成されたゲート絶縁膜30、SiO2から成り、ソース/ドレイン領域13を覆う絶縁層21、及び、チャネル形成領域12の上方の絶縁層21の部分に設けられたゲート電極形成用開口部22を備えた基体10を準備する。具体的には、実施例1の[工程−100]と同様の工程を実行すればよい。即ち、図1の(A)に示す状態を得た後、全面にSiO2から成る上層絶縁層21を形成し、次いで、CMP法に基づき平坦化処理を施すことで、絶縁層21の一部及びハードマスク16(場合によっては、更に、ダミーポリシリコン層15の一部及びサイドウオール17の一部)を除去する。こうして、図1の(B)に示す状態を得ることができる。次いで、露出したダミーゲート電極15’を、フッ素等のラジカルを使用するエッチング法によって除去し、更に、ダミーゲート絶縁膜14を、例えば希フッ酸等のウェットエッチング法により除去する。こうして、図2の(A)に示す状態を得ることができる。次いで、ゲート電極形成用開口部22の底部に露出したチャネル形成領域12の上にゲート絶縁膜30を形成した後(図2の(B)参照)、実施例1の[工程−110]と同様にして、ゲート電極形成用開口部22内を仕事関数制御層31及び導電材料層32で埋め込むことでゲート電極23を形成する(図3の(A)及び(B)参照)。ゲート電極23は、実施例1と同様に、仕事関数制御層31、バリア層(図示せず)、及び、導電材料層32から構成されている。
【0070】
[工程−310]
その後、実施例1と異なり、絶縁層21を除去すること無く、全面に、具体的には、絶縁層21、サイドウオール17及びゲート電極23上に、実施例1の[工程−130]と同様にして、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、順次、成膜する(図11の(A)参照)。
【0071】
[工程−320]
次いで、実施例1の[工程−140]と同様にして、コンタクトプラグ形成用開口部43A,43B内にコンタクトプラグ44A,44Bを形成する(図11の(B)参照)。その後、必要に応じて第2の層間絶縁層42の上に図示しない配線等を形成して、実施例3の絶縁ゲート電界効果トランジスタを完成させることができる。
【0072】
実施例3にあっては、[工程−310]において、第1の層間絶縁層41を、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で成膜する。従って、ゲート電極23に対向する基体(シリコン半導体基板11)の部分が酸化されてしまうといった現象の発生を確実に防止することができ、ゲート容量の低下等、絶縁ゲート電界効果トランジスタの特性劣化が生じてしまうといった問題の発生を確実に回避することができる。
【実施例4】
【0073】
実施例4は、実施例3の変形である。実施例4にあっては、絶縁層は、下層絶縁層21A、及び、この下層絶縁層21A上に形成された上層絶縁層21Bから構成されており、下層絶縁層21Aは少なくともソース/ドレイン領域13を被覆している(具体的には、ソース/ドレイン領域13及びサイドウオール17を被覆している)。ここで、下層絶縁層21Aは、第1の層間絶縁層41と同じ材料、より具体的には,SiNから構成され、上層絶縁層21Bは、第2の層間絶縁層42と同じ材料、より具体的には、SiOX(X=2)から構成されている。SiNから成る下層絶縁層21Aの成膜条件、及び、SiO2から成る上層絶縁層21Bの成膜条件は、それぞれ、表1、及び、表3あるいは表4に示した成膜条件と同様とすることができる。
【0074】
以下、シリコン半導体基板等の模式的な一部端面図である図12の(A)、(B)を参照して、以下、実施例4の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明する。
【0075】
[工程−400]
先ず、実施例2の[工程−200]と同様にして、ソース/ドレイン領域13、チャネル形成領域12、チャネル形成領域12上に形成されたゲート絶縁膜30、ソース/ドレイン領域13を覆う絶縁層21A,21B、及び、チャネル形成領域12の上方の絶縁層21A,21Bの部分に設けられたゲート電極形成用開口部22を備えた基体10を準備する(図6の(A)、(B)、図7の(A)、(B)参照)。そして、その後、実施例1の[工程−110]と同様にして、ゲート電極形成用開口部22内を仕事関数制御層31及び導電材料層32で埋め込むことでゲート電極23を形成する(図8の(A)及び(B)参照)。
【0076】
[工程−410]
次に、実施例3の[工程−310]と同様にして、全面に、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、順次、成膜する。具体的には、第1の層間絶縁層41、第2の層間絶縁層42を、ゲート電極23、サイドウオール17及び上層絶縁層21B上に、順次、成膜する(図12の(A)参照)。
【0077】
[工程−420]
その後、実施例1の[工程−140]と同様にして、コンタクトプラグ44A,44Bを形成する(図12の(B)参照)。次いで、必要に応じて第2の層間絶縁層42の上に図示しない配線等を形成して、実施例4の絶縁ゲート電界効果トランジスタを完成させることができる。
【0078】
実施例4にあっても、[工程−410]において、第1の層間絶縁層41を、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で成膜する。従って、ゲート電極に対向する基体(シリコン半導体基板11)の部分が酸化されてしまうといった現象の発生を確実に防止することができ、ゲート容量の低下等、絶縁ゲート電界効果トランジスタの特性劣化が生じてしまうといった問題の発生を確実に回避することができる。
【0079】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した絶縁ゲート電界効果トランジスタの構造、構成は例示であり、適宜、変更することができるし、実施例において説明した絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造条件等も例示であり、適宜、変更することができる。
【0080】
実施例1〜実施例4にあっては、絶縁ゲート電界効果トランジスタをnチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタとしたが、pチャネル型絶縁ゲート電界効果トランジスタとする場合には、例えば、仕事関数制御層31をルテニウム(Ru)やTiNから構成すればよい。あるいは又、ゲート電極の構成材料を変えることによりゲート電極の仕事関数を好適な値とする代わりに、ゲート絶縁膜の構成材料を変えることにより、仕事関数の値を調整する方法も提案されており(例えば、特開2006−24594号公報)、係る方法を本発明に適用することもできる。
【0081】
実施例においては、第1の層間絶縁層をSiNから構成したが、代替的に,SiCから構成することもできる。SiCから成る第1の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含まない原料ガスを使用したCVD法に基づき成膜する場合、具体的には、例えば、(SH33SiHガス、Heガス、NH3ガスの合計流量を700sccmとし、400゜C以下、1.3×102Pa〜1.3×103Paといった条件を採用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1の(A)及び(B)は、実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、図1の(B)に引き続き、実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図3】図3の(A)及び(B)は、図2の(B)に引き続き、実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図4】図4の(A)及び(B)は、図3の(B)に引き続き、実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図5】図5は、図4の(B)に引き続き、実施例1の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図6】図6の(A)及び(B)は、実施例2の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図7】図7の(A)及び(B)は、図6の(B)に引き続き、実施例2の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図8】図8の(A)及び(B)は、図7の(B)に引き続き、実施例2の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図9】図9の(A)及び(B)は、図8の(B)に引き続き、実施例2の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図10】図10は、図9の(B)に引き続き、実施例2の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図11】図11の(A)及び(B)は、実施例3の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図12】図12の(A)及び(B)は、実施例4の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、従来の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法及びその問題点を説明するための半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【符号の説明】
【0083】
10・・・基体、11・・・シリコン半導体基板、12・・・チャネル形成領域、13・・・ソース/ドレイン領域、13A・・・シリサイド層、14・・・ダミーゲート絶縁膜、15・・・ダミーポリシリコン層、15’・・・ダミーゲート電極、16・・・ハードマスク、17・・・サイドウオール、21・・・絶縁層、21A・・・下層絶縁層、21B・・・上層絶縁層、22・・・ゲート電極形成用開口部、23・・・ゲート電極、30・・・ゲート絶縁膜、31・・・仕事関数制御層、32・・・導電材料層、41・・・第1の層間絶縁層、42・・・第2の層間絶縁層、43A,43B・・・コンタクトプラグ形成用開口部、44A,44B・・・コンタクトプラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法であって、
(a)ソース/ドレイン領域、チャネル形成領域、チャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁膜、ソース/ドレイン領域を覆う絶縁層、及び、チャネル形成領域の上方の絶縁層の部分に設けられたゲート電極形成用開口部を備えた基体を準備し、
(b)ゲート電極形成用開口部内を導電材料層で埋め込むことでゲート電極を形成し、次いで、
(c)絶縁層を除去し、その後、
(d)全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜する、
工程を備え、
前記工程(d)において、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で第1の層間絶縁層を成膜することを特徴とする絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項2】
前記工程(d)において、酸素原子を含む成膜雰囲気中で第2の層間絶縁層を成膜することを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項3】
第1の層間絶縁層は、窒化シリコン又は炭化シリコンから成り、
第2の層間絶縁層は、酸化シリコンから成ることを特徴とする請求項2に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項4】
絶縁層は、下層絶縁層、及び、該下層絶縁層上に形成された上層絶縁層から構成されており、
下層絶縁層は、少なくともソース/ドレイン領域を被覆しており、
前記工程(c)においては、上層絶縁層を除去し、下層絶縁層を残すことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項5】
下層絶縁層は、第1の層間絶縁層と同じ材料から構成され、
上層絶縁層は、第2の層間絶縁層と同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項4に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項6】
第1の層間絶縁層及び下層絶縁層は、窒化シリコン又は炭化シリコンから成り、
第2の層間絶縁層及び上層絶縁層は、酸化シリコンから成ることを特徴とする請求項5に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項7】
前記工程(d)において、第1の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含まない原料ガスを使用した化学的気相成長法に基づき成膜することを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項8】
前記工程(d)において、第2の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含む原料ガスを使用した化学的気相成長法に基づき成膜することを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項9】
導電材料層はタングステンから成ることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項10】
絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法であって、
(a)ソース/ドレイン領域、チャネル形成領域、チャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁膜、ソース/ドレイン領域を覆う絶縁層、及び、チャネル形成領域の上方の絶縁層の部分に設けられたゲート電極形成用開口部を備えた基体を準備し、
(b)ゲート電極形成用開口部内を導電材料層で埋め込むことでゲート電極を形成し、次いで、
(c)全面に、第1の層間絶縁層、第2の層間絶縁層を、順次、成膜する、
工程を備え、
前記工程(c)において、酸素原子を含まない成膜雰囲気中で第1の層間絶縁層を成膜することを特徴とする絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項11】
前記工程(c)において、酸素原子を含む成膜雰囲気中で第2の層間絶縁層を成膜することを特徴とする請求項10に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項12】
第1の層間絶縁層は、窒化シリコン又は炭化シリコンから成り、
第2の層間絶縁層は、酸化シリコンから成ることを特徴とする請求項11に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項13】
絶縁層は、下層絶縁層、及び、該下層絶縁層上に形成された上層絶縁層から構成されており、
下層絶縁層は、少なくともソース/ドレイン領域を被覆していることを特徴とする請求項10に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項14】
下層絶縁層は、第1の層間絶縁層と同じ材料から構成され、
上層絶縁層は、第2の層間絶縁層と同じ材料から構成されていることを特徴とする請求項13に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項15】
第1の層間絶縁層及び下層絶縁層は、窒化シリコン又は炭化シリコンから成り、
第2の層間絶縁層及び上層絶縁層は、酸化シリコンから成ることを特徴とする請求項14に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項16】
前記工程(c)において、第1の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含まない原料ガスを使用した化学的気相成長法に基づき成膜することを特徴とする請求項10に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項17】
前記工程(c)において、第2の層間絶縁層を、酸素原子あるいは酸素分子を組成内に含む原料ガスを使用した化学的気相成長法に基づき成膜することを特徴とする請求項10に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。
【請求項18】
導電材料層はタングステンから成ることを特徴とする請求項10に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−198935(P2008−198935A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35007(P2007−35007)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】