説明

薄膜トランジスタ基板の製造方法、薄膜トランジスタ基板、及び表示装置

【課題】コンタクトエッチングの加工精度を上げて、精度良くコンタクトホールが形成されたTFT基板及び、そのTFT基板を工程が煩雑にならずに製造コストが抑制可能なTFT基板の製造方法を提供する。
【解決手段】厚膜レジスト部21と厚膜レジスト部よりも厚みの薄い薄膜レジスト部22と、開口部23とからなる膜厚差を有するパターンのレジスト層20を設け、レジスト層20の開口部の絶縁膜のエッチングと、レジスト層20の薄膜レジスト部22の除去と、薄膜レジスト部22の下層の絶縁膜のエッチングとを同じエッチング工程で行うことにより、ゲートコンタクトホール8及びシリコンコンタクトホール9を共に形成してTFT基板1を製造した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜トランジスタ基板の製造方法、薄膜トランジスタ基板、及び該薄膜トランジスタ基板を用いた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板の表面に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)が設けられた薄膜トランジスタ基板(以下、TFT基板ということもある)が公知である。TFT基板は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置等の表示装置のスイッチング素子として用いられている。TFT基板は、例えば半導体層としてのポリシリコン薄膜等にソース電極とドレイン電極が接続され、シリコン薄膜の上層又は下層にはゲート絶縁膜を挟んでゲート電極が積層されて構成されている。
【0003】
TFT基板は、図12に示すように、ソース配線(図示せず)に対して、ゲート電極(ゲート配線)101と接続する為のゲートコンタクトホール102と、ポリシリコン薄膜103を接続する為のシリコンコンタクトホール104とを同時に加工する必要がある。これらのコンタクトホール102、104の形成は、通常、図13(a)に示すように、基板110の表面にポリシリコン薄膜103、ゲート絶縁膜111、ゲート電極101、層間絶縁膜112を設けた後、層間絶縁膜112の表面にレジストパターン113を形成し、このレジストパターン113をマスクとして、層間絶縁膜112やゲート絶縁膜111をエッチングしてホール加工を行う。
【0004】
このホール加工の際、図13(a)に示す状態でドライエッチングを行うと、同図(b)に示すように、エッチングが進行する。ゲート電極101の部分において、ホール102aの深さがゲート電極101に到達した時点では、ゲート電極101よりも下層に位置するポリシリコン薄膜103上のホール104aは、ポリシリコン薄膜103まで到達していない。この状態から更にエッチングを行うと、同図(c)に示すように、ポリシリコン薄膜103に到達するホール104bが形成される。一方、ゲート電極101の上のホール102bは、層間絶縁膜112を超えてゲート電極101の部分までエッチングが進行し、ゲート電極101の膜厚が減少する膜減りが発生する。ゲート電極の膜減りが進行すると、最悪の場合、ゲート電極101を貫通することになってしまう。
【0005】
すなわち同図(c)に示すように、ゲート電極101の上層の被エッチング層は、層間絶縁膜112しかない。ゲートコンタクトホール102を形成するには、層間絶縁膜112のエッチングだけで良い。これに対し、ポリシリコン膜103の上層の被エッチング層は、層間絶縁膜112に加えてゲート絶縁膜111がある。シリコンコンタクトホール104を形成するには、層間絶縁膜112とゲート絶縁膜111の両方をエッチングする必要がある。ゲートコンタクトホール102とシリコンコンタクトホール104を同時にエッチングする場合、ゲートコンタクトホールは、ゲート絶縁膜111のエッチング時間だけ、過剰にエッチングが行われる。その結果、ゲート電極101の膜減りが発生する。
【0006】
したがって、ゲートコンタクトホール102とシリコンコンタクトホール104を同時にエッチングしたのでは、ゲート絶縁膜101の膜減りを発生させずに、ゲートコンタクトホール102とシリコンコンタクトホール104を一緒に形成することが困難であった。
【0007】
下記の特許文献1には、TFT基板の製造においてコンタクトエッチングを行う場合、ゲート電極及びポリシリコン膜に対し、コンタクトホールの加工精度を向上させるための手段が記載されている。この方法は、ゲート電極上にエッチングストッパ膜として酸化シリコン膜を形成し、ドライエッチングを行い第1段階目のエッチング加工を行った後、エッチングストッパ膜よりも下層に位置する絶縁膜をBHFウエットエッチングして穴空け加工することで、ゲート絶縁膜及びポリシリコン膜自体に対する過剰なエッチングを防止するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−273697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
コンタクトエッチングの加工精度を上げるためには、特許文献1に記載のコンタクトホール形成方法は効果的である。しかしながら、上記特許文献1に記載の方法は、加工工程においてドライエッチング防止膜を設ける必要があるという問題があった。ドライエッチング防止膜を形成すると、処理工程が一つ増えることになってしまい、作業が煩雑になると共に、製造コストが上昇してしまう。
【0010】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消しようとするものであり、コンタクトエッチングの加工精度を上げて、精度良くコンタクトホールが形成されたTFT基板を提供すること、及びTFT基板製造の際に工程が煩雑にならずに製造コストが抑制可能なTFT基板の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような課題を解決するために、本発明のTFT基板の製造方法は、ゲート絶縁膜を介して形成されている半導体薄膜とゲート電極の上に絶縁膜が形成されている積層体に、前記ゲート電極の上部に形成されるゲートコンタクトホールと、前記半導体薄膜の上部に形成される半導体コンタクトホールが、同じリソグラフィー工程で形成されている薄膜トランジスタ基板の製造方法であって、
前記リソグラフィー工程は、前記絶縁膜の表面に所定のパターンのレジスト層を形成するレジスト形成工程と、レジスト層を形成した前記積層体にエッチングによりコンタクトホールを形成するエッチング工程とを有し、
前記エッチング工程の前記レジスト層が、前記絶縁膜のホール非形成領域に形成される厚膜レジスト部と、
ゲートコンタクト領域又は半導体コンタクト領域のいずれか一方のコンタクト領域に形成される前記厚膜レジスト部よりも厚みの薄い薄膜レジスト部と、
前記ゲートコンタクト領域又は前記半導体コンタクト領域のうちの他方のコンタクト領域に形成される開口部と、
からなる膜厚差を有するパターンとして形成され、
前記エッチング工程は、前記レジスト層の開口部の絶縁膜のエッチングと、前記レジスト層の薄膜レジスト部の除去と、該レジスト層の下層の絶縁膜のエッチングとを行うことにより、前記ゲートコンタクトホール及び前記半導体コンタクトホールが共に形成されるものであることを要旨とするものである。
【0012】
また、本発明のTFT基板は、
ゲート絶縁膜を介して形成されている半導体薄膜とゲート電極の上に絶縁膜の、前記ゲート電極の上部のゲートコンタクトホールと、前記半導体薄膜の上部の半導体コンタクトホールが同じ工程で形成され、上記コンタクトホールを介して前記半導体薄膜とゲート電極にソース電極が接続されている薄膜トランジスタ基板において、
前記コンタクトホールが、
前記絶縁膜のコンタクトホール非形成領域に形成される厚膜レジスト部と、
ゲートコンタクト領域又は半導体コンタクト領域のいずれか一方のコンタクト領域に形成される前記厚膜レジスト部よりも厚みの薄い薄膜レジスト部と、
前記ゲートコンタクト領域又は前記半導体コンタクト領域のうちの他方のコンタクト領域に形成される開口部と、からなる膜厚差を有するパターン状のレジスト層が設けられ
前記レジスト層の開口部の絶縁膜のエッチングと、前記レジスト層の薄膜レジスト部の除去と該レジスト層の下層の絶縁膜のエッチングが行われ、前記ゲートコンタクトホールと前記半導体コンタクトホールが共に形成されたものであることを要旨とするものである
【0013】
また本発明の表示装置は、上記の薄膜トランジスタ基板をスイッチング素子として用いたことを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、厚膜レジスト部と、厚膜レジスト部よりも厚みの薄い薄膜レジスト部と、開口部とからなる膜厚差を有するパターンのレジスト層を設け、レジスト層の開口部の絶縁膜のエッチングと、前記レジスト層の薄膜レジスト部の除去と、該レジスト層の下層の絶縁膜のエッチングとを行うことにより、前記ゲートコンタクトホール及び前記半導体コンタクトホールが共に形成されるものであるから、コンタクトホール形成の際に過剰なエッチングを防止することができ、コンタクトエッチングの加工精度を上げて、精度良くコンタクトホールが形成されたTFT基板が得られる。更に該精度の良いコンタクトホールを有するTFT基板を製造する際、製造工程が煩雑にならずに製造コストを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1(a)、(b)は、本発明の第1実施例のトップゲート型のTFT基板の要部を示す断面図である。
【図2】図2は、図1の実施例のTFT基板の要部を示す平面図であり、ポリシリコン薄膜とゲート電極とソース配線とコンタクトホールを示している。
【図3】図3(a)〜(d)は、図1に示すTFT基板の製造方法を説明するための各工程を示す断面図である。
【図4】図4(e)〜(g)は、図1に示すTFT基板の製造方法を説明するための各工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)、(b)は、ゲートコンタクトホールとシリコンコンタクトホールを形成するレジスト形成工程の要部断面図であり、(a)はマスク露光の状態を示し、(b)は所定のパターンのレジスト層が形成された状態を示している。
【図6】図6は、図5(a)で用いた多階調フォトマスクの平面図である。
【図7】図7は、多階調フォトマスクの態様を示し、(a)はハーフトーンマスクの断面図であり、(b)はグレイトーンマスクの断面図である。
【図8】図8は、2枚のバイナリマスクを示す断面図である。
【図9】図9(a)〜(d)は、ゲートコンタクトホールとシリコンコンタクトホールのエッチング工程を示す要部断面図である。
【図10】図10(a)〜(c)は、本発明の第二実施例のエッチング工程を示す工程図である。
【図11】図11は、本発明の第三実施例のレジスト層を形成した状態の要部断面を示す説明図である。
【図12】図12は、従来のコンタクトホール形成方法を説明するための説明図である。
【図13】図13(a)〜(c)は、従来のコンタクトホール形成方法で過剰なエッチングが発生する場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。図1(a)、(b)は本発明の第一実施例のトップゲート型のTFT基板の要部を示す断面図である。図1(a)、(b)に示すように、TFT基板1は、厚さ0.5〜0.7mm程度の透明無アルカリガラス等からなるガラス基板2の表面全面にSiO/SiNO、SiO等からなる汚染防止膜としての下地絶縁膜3が、50〜200nm程度の膜厚に形成され、該下地絶縁膜3の表面に半導体層として所定のパターン状に半導体シリコン薄膜4が10〜300nm程度の膜厚に形成されている。半導体シリコン薄膜4は、アモルファスシリコン(a−Si)薄膜、低温ポリシリコン(LTPS)薄膜、高温ポリシリコン(HTPS)薄膜、微結晶シリコン(μc−Si)薄膜、連続粒界結晶シリコン(CGS)薄膜等を用いることができる。
【0017】
更に半導体シリコン薄膜4の表面全面に、SiO、SiN、SiN/SiO等からなるゲート絶縁膜5が、200〜500nm程度の膜厚に設けられ、該ゲート絶縁膜5の表面にW/TaN、Mo、MoW、Ti/Al等からなるゲート電極・配線6、16(以下、特に断りがないかぎり、ゲート配線も含めたゲート電極・配線のことをゲート電極ということもある)が所定のパターン状に、100〜300nm程度の膜厚に形成され、該ゲート電極6の上の全面にSiO/SIN、SiO/SiN/SiO、SiO、SiN等からなる層間絶縁膜7が、100〜500nm程度の膜厚に設けられている。
【0018】
更に層間絶縁膜7の上にはTi/Al/Ti、Ti/Al、TiN/Al/TiN、Mo/Al−Nd/Mo、Mo/Al/Mo等からなるソース電極10(ソース配線)が、100〜300nm程度の膜厚に所定のパターン状に設けられている。ソース電極10は、絶縁膜(ゲート絶縁膜5、層間絶縁膜7)のゲート電極16の上とポリシリコン薄膜4の上の、ゲートコンタクトホール8とシリコンコンタクトホール9が、該コンタクトホール8、9を用いて、ゲート電極16とポリシリコン薄膜4にそれぞれソース電極10が接続されていて、ゲート電極16とソース電極10及びポリシリコン薄膜4とソース電極10は電気的に接続されている。
【0019】
更にソース電極10の上の全面に、アクリル樹脂材料等からなる保護膜11が、1000〜3000nm程度の膜厚に設けられている。更に保護膜11の上には、ITO(Indium tin Oxide)、ZnO(酸化亜鉛)、IZO(Indium zinc Oxide)等からなる透明電極12が、所定の画素電極のパターンに、30〜100nm程度の膜厚に設けられている。透明電極12は、保護膜11に設けられたコンタクトホール13を用いて下層のソース電極10に電気的に接続されている。
【0020】
図2は図1の実施例のTFT基板の要部を示す平面図であり、ポリシリコン薄膜とゲート電極とソース配線とコンタクトホールを示している。尚、図1(a)は、図2のA−A断面を示し、図1(b)は図2のB−B断面を示している。図2は、TFT基板のうちの一部のTFTの部分のみを示したものである。特に図示しないが、TFT基板1は、平面視した状態で、複数の画素電極(透明電極)がマトリクス状に配置されている。TFT基板には、この画素電極に走査信号を供給するための各走査信号線(ゲートバスライン)15と、データ信号を供給するための各データ信号線(データバスライン、電源線)16とが、互いに交差するように設けられている。TFT基板1は、走査信号線15とデータ信号線16との交差部分に、スイッチング素子としてのTFTが、各々設けられている。各TFTは、図1(a)、(b)及び図2に示すように、半導体シリコン薄膜4の上に走査配線の一部であるゲート電極6が、ゲート絶縁膜を挟んで設けられ、半導体シリコン薄膜4のゲート電極6の両側の位置にデータ信号線(電源線)15と接続されたソース・ドレイン電極10、10とが接続されている。
【0021】
ソース・ドレイン電極10、10は、シリコンコンタクトホール9によりデータ信号線15に接続されている。またゲート配線16とデータ信号線15は、ゲートコンタクトホール8により接続されている。
【0022】
本発明は、TFT基板のゲートコンタクトホールとシリコンコンタクトホールを形成する場合、ホールを形成する絶縁膜の厚みの薄い部分に薄膜レジスト部を設け、ホールを形成する絶縁膜の厚みが厚い部分を開口部として形成し、レジスト層の開口部の絶縁膜のエッチングと、前記レジスト層の薄膜部の除去と該レジスト層の下層の絶縁膜のエッチングを行うことで、前記ゲートコンタクトホールと前記半導体コンタクトホールを共に形成したものである。以下、TFT基板の製造方法について説明する。
【0023】
図3(a)〜(d)、図4(e)〜(g)は、図1に示すTFT基板の製造方法を説明するための各工程を示す断面図である。ここでは低温ポリシリコン薄膜を用いたTFT基板の製造方法の一例を説明する。尚、図3(a)〜(d)及び図4(e)〜(g)において右側はシリコンコンタクトホールの部分を示し、左側はゲートコンタクトホールの部分を示している。以下、TFT基板の全体の製造方法について説明する。先ず図3(a)に示すようにガラス基板2を洗浄した後、ガラス基板2の表面にプラズマCVD法等を用いてSiO/SiNOを成膜して全面に下地絶縁膜3を形成する。
【0024】
次に、前駆体としてa−Si薄膜をプラズマCVD法で全面に成膜し、熱アニールにより脱水素化処理し、エキシマレーザーアニールによりレーザービームを照射して全面ポリシリコン膜を形成する。次いで、レジストパターン形成とドライエッチングによるリソグラフィー法で、所定のパターン状のポリシリコン薄膜4を形成する。
【0025】
次いで図3(b)に示すように、ポリシリコン薄膜4の上から、プラズマCVD法で全面にゲート絶縁膜5を形成する。次いでゲート絶縁膜5の上に、スパッタリング法でゲート電極6、16を形成する金属膜を成膜し、レジストパターン形成とエッチングによるリソグラフィー法により、所定のパターン状のゲート電極6、16形成する(図3(c)参照)。
【0026】
次に、特に図示しないが、マスク露光でn型TFT領域にレジストパターンを形成して、n型TFT領域をマスクした状態で、p型TFT領域のポリシリコン薄膜のソース・ドレイン領域に、ボロンをイオンドーピングして注入する。更に同様にマスク露光でp型TFT領域にレジストパターンを形成し、n型TFT領域のポリシリコン薄膜のソース・ドレイン領域にリンをイオンドーピングして注入する。その後、注入イオンの活性化処理を行い、ポリシリコン薄膜のソース・ドレイン領域を低抵抗化する。
【0027】
次に、図3(d)に示すように、ゲート電極6、16の上からプラズマCVD法で層間絶縁膜7を全面に成膜する。
【0028】
次に、図4(e)に示すように、レジストパターンを形成するレジスト形成工程とホールを形成するエッチング工程とからなるリソグラフィー工程により、ゲート電極16の上部のゲートコンタクトホール8と半導体シリコン薄膜4の上部のシリコンコンタクトホール9を形成する。本発明は、上記のゲートコンタクトホール8とシリコンコンタクトホール9が、同じリソグラフィー工程によりホール加工されて形成されている。そして、コンタクトホール形成方法に特定の方法を用いる点に大きな特徴がある(コンタクトホール形成方法の詳細は後述する)。
【0029】
次に、図4(f)に示すように、コンタクトホールを形成した層間絶縁膜の上からスパッタリング法によりTi/Al/Tiを全面に成膜した後、マスク露光とエッチングによるリソグラフィー法により所定のパターン状にソース・ドレイン電極、ソース配線、データ信号線等を形成する。
【0030】
次に、図4(g)に示すように、ソース電極上の保護膜11と所定の位置にソース電極と透明導電膜を接合するためのコンタクトホール13は、感光性アクリル樹脂膜の全面塗布とマスク露光により形成する。そして、その上からスパッタリング法を用いてITO膜を全面に形成した後、マスク露光とエッチングによるリソグラフィー法により所定のパターン状に透明導電膜からなる透明電極12を形成することで、図1に示すTFT基板1が得られる。
【0031】
以下、ゲートコンタクトホールとシリコンコンタクトホールを形成するための、リソグラフィー工程について説明する。リソグラフィー工程は、図4(d)に示す表面に層間絶縁膜7が形成された積層体に、所定のパターンのレジスト層20を形成するレジスト形成工程と、レジスト層20を形成した積層体に対してエッチングにより穴あけ加工を行うエッチング工程とからなる。
【0032】
図5(a)、(b)は、ゲートコンタクトホールとシリコンコンタクトホールを形成するレジスト形成工程の要部断面図であり、(a)はマスク露光の状態を示し、(b)は所定のパターンのレジスト層が形成された状態を示している。レジスト形成工程では、図5(a)に示すように、先ず層間絶縁膜7が形成された積層体の表面に、レジスト材料を塗工して全面に感光性レジスト層18を設ける。そしてグレイトーンマスクからなる多階調フォトマスク30を用いて露光を行った後、現像処理を行う。多階調フォトマスク30は、遮光部33と光を透過する透過光部31と半透過光部32を備えている。
【0033】
多階調フォトマスク30を用いてネガ型レジスト材料からなる感光性レジスト層18に露光を行い現像すると、図5図(b)に示すように、多階調フォトマスク30のパターンに対応した、パターン状のレジスト層20が形成される。すなわち、感光性レジスト層18は多階調フォトマスク30の透過光部31に対応する部分が完全に硬化して、厚膜レジスト部21として形成される。また、多階調フォトマスク30の遮光部33に対応する部分は、開口部23となる。また、多階調フォトマスク30の半透過光部32に対応する部分は、感光性レジスト層18の硬化が不完全であり、透過光部31と比較して厚みの薄い薄膜レジスト部22として形成される。レジスト層20は、透過光部31に対応する部分が厚膜レジスト部21となり、半透過光部32に対応する部分が薄膜レジスト部32となり、遮光部33に対応する部分が開口部23となって、膜厚差を有するパターンとして形成される。
【0034】
図5(b)に示すように、レジスト層20は、層間絶縁膜7の表面のホール非形成領域が、厚膜レジスト部21として形成されている。またゲート電極16の上のゲートコンタクト領域が、前記厚膜レジスト部21よりも厚みが薄い薄膜レジスト部22として形成されている。またゲート電極6よりも下層となる半導体シリコン薄膜4の上のシリコンコンタクト領域が、開口部23として形成されている。
【0035】
尚、上記ホール非形成領域とは、ゲート電極(ゲート配線)16のゲートコンタクトホール8が形成されるゲートコンタクト領域と半導体シリコン薄膜4のシリコンコンタクトホール9が形成されるシリコンコンタクト領域以外の、エッチングを行わない部分のことである。
【0036】
図6は図5(a)で用いた多階調フォトマスクの平面図である。図6の多階調フォトマスク30は、図2のTFT基板の平面図のパターンに対応するものである。図6に示すように、多階調フォトマスク30は、ゲート絶縁膜5よりも下層側まで到達するシリコンコンタクトホール9を形成する部分を遮光部33とし、ゲート絶縁膜5よりも上層のゲートコンタクトホール8を形成する部分は半透過光部32とし、それ以外の部分が透過光部31として形成されている。多階調フォトマスクマスク30の半透過光部32は、レジスト層20では、エッチングされる深さが浅い薄膜レジスト部22に対応し、多階調フォトマスク30の遮光部33は、レジスト層20では、エッチングされる深さが深い開口部23に対応している。
【0037】
尚、レジスト材料として、ネガ型の材料以外にポジ型の感光性レジスト材料を用いても良い。ポジ型の感光性レジストを用いる場合には、上記の遮光部と透過光部とが反転した状態に形成されている多階調フォトマスクを用いれば良い。
【0038】
図7は多階調フォトマスクの態様を示し、(a)はハーフトーンマスクの断面図であり、(b)はグレイトーンマスクの断面図である。多階調フォトマスクは、光を遮光する遮光部(黒)と光を透過する透過光部(白)の2階調でパターンが構成されているバイナリーマスクに対し、遮光部(黒)と透過光部(白)に加え光を半透過させる半透過光部(グレイ)からなる3階調以上のフォトマスクとして構成されている。多階調フォトマスクには、グレイトーンマスクとハーフトーンマスクがある。露光の際に用いる多階調フォトマスクとして、図7(a)に示すハーフトーンマスク30A、図7(b)に示すグレイトーンマスク30B、のいずれのマスクを用いてもよい。
【0039】
ハーフトーンマスク30Aは、図7(a)に示すように、半透過光部32の遮光膜をエッチング等の手段により、遮光部33の厚さよりも薄く形成することにより、光の透過量を減少させるようにして半透過光部32を構成したものである。グレイトーンマスク30Bは、図7(b)に示すように、半透過光部32として露光機解像限界以下の微細パターンを設けることで、光の回折効果により半透過光部32を構成したものである。多階調フォトマスクを用いた場合、バイナリマスクを用いた場合と比較して、膜厚差のあるレジスト層を形成する場合に、一度の露光と現像で膜厚差のあるレジストパターンを形成可能であるから、工程を短縮することができる。
【0040】
このようにレジスト層の形成は、ホール加工を行いたい箇所によって、レジスト層の膜厚差を形成可能な方法であれば、どのような方法を用いてもよい。例えば多階調フォトマスクを使用する代わりに、バイナリマスクを用いて膜厚差のあるレジストパターンを形成してもよい。
【0041】
多階調フォトマスクやバイナリマスク等のフォトマスクは、ガラス基板等の透明基板の表面に、Cr等の金属薄膜から形成される遮光膜を形成し、エッチング等の手段により遮光部と半透過光部を所定のパターンに形成することで製造することができる。
【0042】
バイナリマスクを用いて膜厚差のあるレジストパターンを形成するには、例えば透過光量の異なる複数のバイナリマスクを用いて行う方法や、複数のバイナリマスクを用いて、部分的に露光量を変化させて行う方法等が挙げられる。
【0043】
図8は2枚のバイナリマスクを示す断面図である。例えば複数のバイナリマスクを用いる場合、図8に示すように、薄膜レジスト部22と開口部23に対応する部分に遮光部42、43を設けた第一のバイナリマスク41と、開口部23に対応する部分にのみ遮光部43を設けた第二のバイナリマスク45を用いる。先ず、ネガ型の感光性レジスト層に対し、第一のバイナリマスク41を用いて露光と現像を行うと、遮光部42、43のところが開口部となり、透過光部44のところが厚膜レジスト層として形成される。更に、感光性レジスト層を塗工して第2のバイナリマスク45を用いて再度、露光と現像を行うと、引き続き遮光部43のところは開口部として形成される。しかし、前回の露光と現像では開口部として形成された遮光部42の部分は、第二のバイナリマスクには遮光部が形成されていないので、レジスト層が硬化して薄膜レジスト層として形成される。また、透過光部44に対応する部分は、前回の露光と現像でレジスト層が形成されているので厚膜レジスト部21として形成される。このようにレジスト層は、膜厚差のあるレジストパターンに形成することができる。
【0044】
また複数のバイナリマスクを用いて膜厚差のあるレジストパターンを形成するには、例えばネガ型レジスト層に露光する際に、厚膜レジスト部よりも薄膜レジスト部の部分のレジスト層に対する光量が少なくなるように、露光量を変化させてレジスト膜の膜厚が薄くなるようにしてもよい。
【0045】
図9(a)〜(d)は、ゲートコンタクトホールとシリコンコンタクトホールのエッチング工程を示す要部断面図である。第一実施例のエッチング工程は、開口部23の絶縁膜のエッチングを所定の厚みだけ行った後、レジスト層20の薄膜レジスト部22を除去し、更に開口部23と除去した薄膜レジスト部22の下層の絶縁膜7をエッチングするものである。
【0046】
エッチング工程は、先ず図9(a)に示すように、コンタクト第一エッチング工程を行う。コンタクト第一エッチング工程は、膜厚差のあるレジストパターンを設けた積層体に対し、適切なエッチングガス(C、SF、CF、O、Ar、H等)を用いてドライエッチングを行い、層間絶縁膜7をエッチングする。このときのエッチングは、層間絶縁膜7をエッチングすることができるが、レジスト層の薄膜レジスト部22がエッチングされない条件で行う。開口部23の層間絶縁膜7がエッチングされ、シリコンコンタクトホールの一部9aが形成される。一方、ゲート電極16上の層間絶縁膜7は薄膜レジスト部22が形成されているのでエッチングされない。
【0047】
コンタクト第一エッチング工程では、エッチング後のゲート電極16の上の層間絶縁膜7の膜厚D1と、半導体シリコン薄膜4上の絶縁膜(層間絶縁膜7+ゲート絶縁膜5)の膜厚D2が、次のコンタクト第二エッチング工程で、ゲート電極上の絶縁膜と、半導体シリコン薄膜上の絶縁膜を全部エッチングするのに掛かる時間が同じ時間になるように、エッチングを行うのが好ましい。
【0048】
次に、図9(b)、(c)に示すように、レジストアッシング工程を行う。レジストアッシング工程は、図9(a)に示すシリコンコンタクトホール9が途中まで形成された積層体に、レジスト層を酸素ラジカル等で分解、低分子量化し、揮発させ除去するプラズマアッシング法を用いてアッシング処理を行う。アッシング処理では、薄膜レジスト部22を除去する。アッシング処理を行うと、図9(b)に示すように積層体の全面のレジスト層20が処理され、厚膜レジスト部21と薄膜レジスト層22は、同じ速さで膜厚が減少する。そしてゲート電極の上にある薄膜レジスト部のレジスト膜が無くなって開口部22bとなった時点でアッシングを停止する。この時点では、図9(c)に示すように厚膜レジスト部21は、厚みが薄くなっているが、レジスト層20自体は残存している状態である。
【0049】
次に、図9(d)に示すように、コンタクト第二エッチング工程を行う。コンタクト第二エッチング工程では、コンタクト第一エッチング工程と同様に、適切なエッチングガスを用いたドライエッチングを行い、残りの絶縁膜のエッチングを行う。同図に示すように、ゲートコンタクトホール8とシリコンコンタクトホール9が形成される。このように、ゲートコンタクトホール8とシリコンコンタクトホール9は同じエッチング工程で一緒に形成される。
【0050】
上記のコンタクト第一エッチング工程で、ゲート電極16上の層間絶縁膜7と、半導体シリコン薄膜上の絶縁膜5、7を全部エッチングするのに掛かる時間が同じ時間になるように、エッチングを行っていれば、ゲートコンタクトホール8が層間絶縁膜を超えてゲート電極16までエッチングされることや、或いはシリコンコンタクトホール9が半導体シリコン薄膜4までエッチングされることを防止できる。その結果、ゲート電極16の膜減りや配線抵抗の高抵抗化、及び断線等や、半導体シリコン薄膜4の膜減りや突き抜けを防止することができる。
【0051】
第二エッチング工程の後にレジスト剥離工程を行う。レジスト剥離工程では、残存しているレジスト層20の除去を行う。レジスト層20の除去は、有機アルカリ溶液でレジストを除去するウエット剥離と、レジストを酸素ラジカル等で分解、低分子量化し、揮発させ除去するアッシングによるドライ剥離、或いはウエット剥離とドライ剥離の組み合わせ等のいずれの手段を用いても良い。レジスト剥離手段は、レジスト層20の材料等に応じて、適宜選択することができる。
【0052】
図10(a)〜(c)は本発明の第二実施例のエッチング工程を示す工程図である。第二実施例は、エッチング工程が、開口部23の絶縁膜のエッチングを行うと同時に、レジスト層の薄膜レジスト部22の除去と該薄膜レジスト部22の下層の絶縁膜のエッチングを行うものである。
【0053】
第二実施例のエッチング工程は、図10(a)に示すように、第一実施例と同様にしてレジスト形成工程で厚膜レジスト部21、薄膜レジスト部22、開口部23からなるレジスト層20を形成した積層体を用いる。先ず、適切なエッチングガス(C、SF、CF、O、Ar、H等)を用いてドライエッチングを行い、層間絶縁膜7をエッチングする。このときのエッチングは、層間絶縁膜7及びレジスト層20の両方に対してエッチングレートを持つようなエッチング条件を選択する。その結果、図10a)に示すように、レジスト層20の開口部23は層間絶縁膜7がエッチングされ、厚膜レジスト部21と薄膜レジスト部22の部分はレジスト層20がエッチングされる。
【0054】
図10(b)に示すように、ゲート電極16上の薄膜レジスト部22が完全に除去された段階では、半導体シリコン薄膜4上の絶縁膜(層間絶縁膜7)のエッチングは途中まで進行している。このとき、ゲート電極16上の層間絶縁膜7の膜厚と半導体シリコン薄膜4上の絶縁膜の膜厚が、残りのエッチングにおいて、これらの絶縁膜を除去する時間と同じ時間になるようにするのが好ましい。具体的には、薄膜レジスト部22や厚膜レジスト部21の厚み、ドライエッチングのエッチング条件等を選択して、上記条件となるようにすればよい。上記エッチング条件としては、ガス種、分圧、放電パワー等が挙げられる。
【0055】
図10(c)に示すように、エッチングを更に行い、ゲート電極16上の絶縁膜7と、半導体シリコン薄膜4上の絶縁膜5、7を除去することで、ゲートコンタクトホール8とシリコンコンタクトホール9が形成される。このように、ゲートコンタクトホール8とシリコンコンタクトホール9は同じエッチング工程で一緒に形成することができる。
【0056】
このエッチングを行う場合、これらの残りの絶縁膜を除去する時間が同じになるように、薄膜レジスト部22の除去と層間絶縁膜7のエッチングが行われていると、ゲート電極16及び半導体シリコン薄膜4まで到達する時間が同じ時間となって、過剰なエッチングを減らすことが可能となる。
【0057】
この第二実施例によれば、第一実施例と比較して、アッシングによるレジスト膜の除去工程を減らすことができ、処理時間を短縮することができるという利点がある。
【0058】
図11は本発明の第三実施例のレジスト層を形成した状態の要部断面を示す説明図である。第三実施例は図11に示すように、ボトムゲート構造のTFTを製造する場合の例である。第一実施例及び第二実施例は、トップゲート構造のTFTであるが、本発明は、第三実施例に示すようなボトムゲート構造のTFTに用いることもできる。
【0059】
ボトムゲート構造のTFTでは、例えば、図11に示すように、ガラス基板2上に下地絶縁膜3、ゲート電極6、16が設けられ、ゲート絶縁膜5を介して半導体シリコン薄膜4が設けられて、積層体が構成されている。この場合、レジスト層20は、半導体シリコン薄膜4の上部(シリコンコンタクト領域)に薄膜レジスト部22を設け、ゲート電極16の上部(ゲートコンタクト領域)に開口部23を設け、それ以外の部分(ホール非形成領域)が厚膜レジスト部21からなる、膜厚差を有するパターンとして構成されている。
【0060】
図11に示す膜厚差を有するパターンのレジスト層20が設けられた積層体に対し、上記の第一実施例又は第二実施例と同様のエッチング処理方法を用いてエッチング工程を行い、ゲートコンタクトホール8とシリコンコンタクトホール9を同じ処理工程で形成することができる。すなわち、第三実施例のTFT基板も、レジスト層20の開口部23の絶縁膜のエッチングと、レジスト層20の薄膜レジスト部22の除去とその下層の絶縁膜のエッチングが行われ、ゲートコンタクトホール9とシリコンコンタクトホール8が共に形成されたものである。
【0061】
本発明のTFT基板は、アクティブマトリクス型の液晶表示素子等のアレイ基板として用いることができる。また本発明のTFT基板は、液晶表示素子以外の各種表示素子のスイッチングデバイスとして利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 TFT基板
2 ガラス基板
4 半導体シリコン薄膜
5 ゲート絶縁膜
6、16 ゲート電極
7 層間絶縁膜
8 ゲートコンタクトホール
9 シリコンコンタクトホール
10 ソース電極
20 レジスト層
21 厚膜レジスト部
22 薄膜レジスト部
23 開口部
30 多階調フォトマスク
31 透過光部
32 半透過光部
33 遮光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート絶縁膜を介して形成されている半導体薄膜とゲート電極の上に絶縁膜が形成されている積層体に、前記ゲート電極の上部に形成されるゲートコンタクトホールと、前記半導体薄膜の上部に形成される半導体コンタクトホールが、同じリソグラフィー工程で形成されている薄膜トランジスタ基板の製造方法であって、
前記リソグラフィー工程は、前記絶縁膜の表面に所定のパターンのレジスト層を形成するレジスト形成工程と、レジスト層を形成した前記積層体にエッチングによりコンタクトホールを形成するエッチング工程とを有し、
前記エッチング工程の前記レジスト層が、前記絶縁膜のホール非形成領域に形成される厚膜レジスト部と、
ゲートコンタクト領域又は半導体コンタクト領域のいずれか一方のコンタクト領域に形成される前記厚膜レジスト部よりも厚みの薄い薄膜レジスト部と、
前記ゲートコンタクト領域又は前記半導体コンタクト領域のうちの他方のコンタクト領域に形成される開口部と、
からなる膜厚差を有するパターンとして形成され、
前記エッチング工程は、前記レジスト層の開口部の絶縁膜のエッチングと、前記レジスト層の薄膜レジスト部の除去と、該レジスト層の下層の絶縁膜のエッチングとを行うことにより、前記ゲートコンタクトホール及び前記半導体コンタクトホールが共に形成されるものであることを特徴とする薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項2】
前記エッチング工程が、前記開口部の絶縁膜のエッチングを所定の厚みだけ行った後、前記レジスト層の前記薄膜レジスト部を除去し、更に前記開口部と前記除去した薄膜レジスト部の下層の絶縁膜をエッチングすることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項3】
前記レジスト層の前記薄膜レジスト部の除去に、プラズマアッシング法を用いることを特徴とする請求項2記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項4】
前記エッチング工程が、前記開口部の絶縁膜のエッチングを行うと同時に、前記レジスト層の前記薄膜レジスト部の除去と該薄膜レジスト部の下層のエッチングを行うことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項5】
前記エッチング工程のエッチングが、ドライエッチングであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項6】
前記レジスト形成工程が、多階調フォトマスクを用いて露光を行うことにより膜厚差を有する前記レジスト層を形成するものであること特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項7】
前記多階調フォトマスクが、グレイトーンマスクであることを特徴とする請求項6記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項8】
前記多階調フォトマスクが、ハーフトーンマスクであることを特徴とする請求項6記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項9】
前記レジスト形成工程が、透過光量の異なる2種類のマスクを用いて露光を行うことにより膜厚差を有する前記レジスト層を形成するものであること特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項10】
前記レジスト形成工程が、2種類のマスクを用いそれぞれの露光量を変えることにより膜厚差を有する前記レジスト層を形成するものであること特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項11】
前記薄膜トランジスタ基板が、前記半導体薄膜の上に前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極が設けられているトップゲート構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項12】
前記薄膜トランジスタ基板が、前記ゲート電極の上にゲート絶縁膜を介して前記半導体薄膜が設けられているボトムゲート構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項13】
前記半導体薄膜が、アモルファスシリコン薄膜であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項14】
前記半導体薄膜が、ポリシリコン薄膜であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタ基板の製造方法。
【請求項15】
ゲート絶縁膜を介して形成されている半導体薄膜とゲート電極の上に絶縁膜の、前記ゲート電極の上部のゲートコンタクトホールと、前記半導体薄膜の上部の半導体コンタクトホールが同じ工程で形成され、上記コンタクトホールを介して前記半導体薄膜とゲート電極にソース電極が接続されている薄膜トランジスタ基板において、
前記コンタクトホールが、
前記絶縁膜のコンタクトホール非形成領域に形成される厚膜レジスト部と、
ゲートコンタクト領域又は半導体コンタクト領域のいずれか一方のコンタクト領域に形成される前記厚膜レジスト部よりも厚みの薄い薄膜レジスト部と、
前記ゲートコンタクト領域又は前記半導体コンタクト領域のうちの他方のコンタクト領域に形成される開口部と、からなる膜厚差を有するパターン状のレジスト層が設けられ
前記レジスト層の開口部の絶縁膜のエッチングと、前記レジスト層の薄膜レジスト部の除去と該レジスト層の下層の絶縁膜のエッチングが行われ、前記ゲートコンタクトホールと前記半導体コンタクトホールが共に形成されたものであることを特徴とする薄膜トランジスタ基板。
【請求項16】
請求項15に記載の薄膜トランジスタ基板をスイッチング素子として用いたことを特徴とする表示装置。
【請求項17】
薄膜トランジスタ基板を液晶表示装置のアレイ基板として用いたことを特徴とする請求項16に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−272691(P2010−272691A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123265(P2009−123265)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】