説明

薄膜トランジスタ表示板、これを含む平板ディスプレイ表示装置及びその製造方法

本発明は、薄膜トランジスタ表示板とこれを含む液晶表示装置及びその製造方法に関し、薄膜トランジスタ表示板は液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置などで、各画素を独立的に駆動するための回路基板において、画素電極またはゲート線及びデータ線の拡張部を外部回路と接続させるコンタクト補助部材を、IZO及びITOの2重層で形成することに対する発明であって、IZOで形成された下部層とITOで形成された上部層を有するように形成する。前記のように画素電極またはコンタクト補助部材を二重層で形成することによって、エッチング過程で下部配線が損傷されることを防止し、グロステストの際に探針とコンタクト補助部材とのコンタクト抵抗の均一性を良好に確保することができる。また、コンタクト補助部材のみをIZOとITO二重層で形成することによって、グロステストの際に探針とコンタクト補助部材とのコンタクト抵抗の均一性を確保することができ、ITOの使用を減らすことによって製造単価を下げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線構造、これを用いた薄膜トランジスタ表示板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ表示板は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置などにおいて、各画素を独立的に駆動するための回路基板として使用される。薄膜トランジスタ表示板には、走査信号を伝達するゲート線と、画像信号を伝達するデータ線が形成されており、ゲート線及びデータ線と接続されている薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタと接続されている画素電極、ゲート線を覆って絶縁するゲート絶縁膜、及び薄膜トランジスタとデータ線を覆って絶縁する保護膜などを含んで構成されている。薄膜トランジスタは、ゲート線の一部であるゲート電極、チャネルを形成する半導体、データ線の一部であるソース電極とドレイン電極、ゲート絶縁膜、及び保護膜などで構成される。薄膜トランジスタは、ゲート線を通じて伝えられる走査信号によって、データ線を通じて伝えられる画像信号を画素電極に伝達または遮断するスイッチング素子である。
【0003】
このような薄膜トランジスタ表示板を使用する代表的装置として液晶表示装置があり、受光型表示装置である液晶表示装置、特に透過型及び半透過型液晶表示装置の薄膜トランジスタ表示板においては、画素電極の材料として透明な導電性物質を使用しなければならない。現在、一般的に使用されている透明電極の材料としては、ITO(indium tin oxide)とIZO(indium zinc oxide)があるが、これらは各々短所を有している。ITOの場合、フォトエッチング工程で強酸を用いてエッチングしなければならないが、このような強酸が絶縁膜のピンホールなどを通じて浸透して、データまたはゲート線を損傷させる問題がある。反面、IZOの場合には、強酸を用いなくてもフォトエッチングが可能であるため、下部配線を損傷させる問題はないが、ゲート及びデータ駆動ICを実装する前に探針を用いてパネルの異常有無を検査するグロステスト(Gross Test:GT)の段階で、探針に異物がついてコンタクト抵抗を大きくすることで、検査を難しくするという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が目的とする技術的課題は、このような問題点を解決するためのものであって、形成過程で下部配線を損傷することなく、かつグロステストも容易な薄膜トランジスタ表示板を備えることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために、本発明では、IZO及びITOの2重層で画素電極を形成したり、ゲート線及びデータ線の拡張部を外部回路と接続させるコンタクト補助部材をIZO及びITOの2重層で形成したりする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、画素電極をIZOとITOの二重層で形成することによって、エッチング過程で下部配線が損傷されることを防止し、グロステストの際に探針に異物がつくことを防止することができる。また、コンタクト補助部材のみをIZOとITOの二重層で形成することによって、グロステストの際に探針に異物がつくことを防止することができ、ITOの使用を減らすことによって、製造単価を下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な相異な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0008】
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似な部分については同一の図面符号を付した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”あるとする時、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“すぐ上に”あるとする時は、中間に他の部分がないことを意味する。
【0009】
以下、本発明の実施形態による液晶表示装置及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
具体的には、図1に示されているように、一実施形態は、薄膜トランジスタ表示板の表示領域に位置した薄膜トランジスタと、画素電極及び信号線の部分と周辺領域に位置した信号線の拡張部を含み、図1は液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図2は図1のII−II線による断面図である。
【0011】
絶縁基板110上に、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延在している複数のゲート線121が形成されている。
【0012】
各ゲート線121の一部は複数のゲート電極124をなす。また、各ゲート線121は外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部125を含む。ゲート線121のほとんどは表示領域に位置するが、ゲート線121の拡張部125は周辺領域に位置する。
【0013】
ゲート線121は、物理的性質が異なる二つの膜、つまり、下部膜121pとその上の上部膜121qを有する。上部膜121qは、ゲート信号の遅延や電圧降下を減らすように低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系金属からなる。これとは異なって、下部膜121pは、他の物質、特にITO(indium tin oxide)及びIZO(indium zinc oxide)との物理的、化学的、電気的コンタクト特性に優れた物質、例えば、モリブデン(Mo)、モリブデン合金[例:モリブデン−タングステン(MoW)合金]、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)などからなる。下部膜121pと上部膜121qとの組み合わせの例としては、クロム/アルミニウム−ネオジム(Nd)合金がある。図2において、ゲート電極124の下部膜と上部膜とは各々図面符号124p、124qで示されている。ゲート線121の拡張部125も上部膜125qと下部膜125pとを有する。
【0014】
また、下部膜121pと上部膜121qとの側面は各々傾斜しており、その傾斜角は基板110の表面に対して約30〜80度をなす。
【0015】
ゲート線121上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0016】
ゲート絶縁膜140上部には、水素化非晶質シリコン(hydrogenated amorphous silicon)(非晶質シリコンは、略してa−Siと記す。)などからなる複数の半導体150が形成されている。半導体150は主にゲート電極124上に形成されており、半導体150はゲート電極124より広い面積を覆っている。
【0017】
半導体150の上部には、シリサイド(silicide)またはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなる複数の島型オーミックコンタクト部材163、165が形成されている。島型オーミックコンタクト部材は二つに分けられており、互いに対をなして半導体上に位置する。
【0018】
半導体150とオーミックコンタクト部材163、165の側面も傾斜しており、その傾斜角は30〜80度をなす。
【0019】
オーミックコンタクト部材163、165及びゲート絶縁膜140上には、各々複数のデータ線171と複数のドレイン電極175とが形成されている。
【0020】
データ線171は、主に縦方向に延在してゲート線121と交差し、データ電圧を伝達する。各データ線171は、外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部179を有する。データ線171のほとんどは表示領域に位置するが、データ線171の拡張部179は周辺領域に位置する。
【0021】
各データ線171からドレイン電極175に向かって延在した複数の分岐がソース電極173をなす。一対のソース電極173とドレイン電極175は互いに分離されていて、ゲート電極124に対して互いに反対側に位置する。ゲート電極124、ソース電極173及びドレイン電極175は、半導体150と共に薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)をなし、薄膜トランジスタのチャネルはソース電極173とドレイン電極175との間の突出部150に形成される。
【0022】
データ線171とドレイン電極175とも、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、クロム(Cr)などの下部膜171p、175pと、その上に位置したアルミニウム系、または銀系金属である上部膜71q、175qとで構成される。データ線171の拡張部179も、上部膜179qと下部膜179pとを有する。
【0023】
データ線171及びドレイン電極175の下部膜171p、175pと上部膜171q、175qとも、ゲート線121と同様にその側面が約30〜80度の角度で各々傾斜している。
【0024】
オーミックコンタクト部材161、165は、その下部の半導体150と、その上部のデータ線171及びドレイン電極175との間にだけ存在し、コンタクト抵抗を低くする役割を果たす。線状半導体151は、ソース電極173及びドレイン電極175で覆われずに、露出された部分を有している。
【0025】
データ線171、ドレイン電極175及び露出された半導体150部分の上には、平坦化特性に優れていて感光性(photosensitivity)を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着によって形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなど誘電率4.0以下の低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素などからなる保護膜180が形成されている。
【0026】
保護膜180には、ドレイン電極175及びデータ線171の拡張部179を各々露出する複数のコンタクトホール185、189が形成されており、ゲート絶縁膜140と共にゲート線121の拡張部125を露出する複数のコンタクトホール182が形成されている。
【0027】
保護膜180上には、複数の画素電極901と、複数のコンタクト補助部材906、908が形成されている。
【0028】
画素電極901は、下部層901p及び上部層901qの二重層で構成される。ここで、下部層901pはIZOからなり、上部層901qはITOからなる。
【0029】
画素電極901は、コンタクトホール185を通じてドレイン電極175と各々物理的、電気的に接続され、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受ける。
【0030】
データ電圧が印加された画素電極901は、共通電圧の印加を受ける他の表示板(図示せず)の共通電極(図示せず)と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層(図示せず)の液晶分子を再配列させる。
【0031】
また、画素電極901と共通電極とは、キャパシタ(以下、“液晶キャパシタ”という。)をなして、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持しており、液晶キャパシタの電圧維持能力を強化するために、液晶キャパシタと並列に接続された他のキャパシタを設ける場合もある。
【0032】
画素電極901は、また、隣接するゲート線121及びデータ線171と重畳して開口率を高めているが、重畳しないこともある。
【0033】
コンタクト補助部材906、908は、コンタクトホール182、189を通じてゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と各々接続される。コンタクト補助部材906、908は、ゲート線121及びデータ線171の各拡張部125、179と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する役割を果たすものであって、必須なものではなく、これらの適用要否は選択的である。このようなコンタクト補助部材906、908も、下部膜906p、908pと上部膜906q、908qの二重膜で構成されている。ここで、下部膜906p、908pはIZOからなり、上部膜906q、908qはITOからなっている。
【0034】
このとき、IZO層901p、906p、908pは、50nm乃至150nmの厚さを有し、ITO層901q、906q、908qは、5nm乃至25nmの厚さを有する。特に、IZO層901p、906p、908pは90nmであり、ITO層901q、906q、908qは20nmであることが最も好ましい。
【0035】
IZO層とITO層との厚さを上記のような範囲で決めるに当たっては、エッチングにかかる時間をはじめとする工程条件と、グロステストの際にITO層が探針によって破壊されない条件、蒸着装備の限界及び光透過率を考慮した。
【0036】
まず、エッチングにかかる時間の場合、40nmのITO層をエッチングするのにITOのエッチング剤で130秒程度かかり、90nmのIZO層をエッチングするのにIZOのエッチング剤で約45秒程度かかり、90nmのIZO層と20nmのITO層をエッチングするのにIZOのエッチング剤で約60秒程度かかる。IZO層とITO層の厚さが厚くなるほどエッチングの時間が長くなり、特に、ITO層の厚さが一定の程度以上であれば、IZOのエッチング剤でエッチングすることが難しくなるという問題点がある。また、IZO層とITO層との厚さが厚くなりすぎれば、光透過率が低下するという問題点も発生する。このような問題点を考慮するとき、IZO層の厚さは150nm以下、ITO層の厚さは25nm以下であることが好ましい。
【0037】
次に、グロステストの際にITO層が探針によって破壊されないようにするためには、一定の厚さ以上にならなければならず、ITO層の蒸着装備の限界も考慮する時、ITO層の厚さは5nm以上が好ましい。また、画素電極の抵抗を考慮するとき、IZO層の厚さは50nm以上が好ましい。
【0038】
次に、図1及び図2に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法について、図3A乃至図6B及び図1と図2を参照して詳細に説明する。
【0039】
図3A、4A、5A及び6Aは、図1及び図2の液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図3Bは図3AのIIIb−IIIb´線による断面図であり、図4Bは図4AのIVb−IVb´線による断面図であって、図3Bの次の段階を示した断面図であり、図5Bは図5AのVb−Vb´線による断面図であって、図4Bの次の段階を示した断面図であり、図6Bは図6AのVIb−VIb´線による断面図であって、図5Bの次の段階を示した断面図である。
【0040】
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に二つの層の金属膜、つまり、下部金属膜と上部金属膜とをスパッタリング(sputtering)などで順次に積層する。上部金属膜はAl−Nd合金などアルミニウム系金属からなり、2、50nm程度の厚さを有することが好ましい。Al−Ndスパッタリングの標的は2atm%のNdを含むことが良い。
【0041】
図3A及び図3Bに示したように、上部金属膜と下部金属膜とを順次にパターニングして、複数のゲート電極124を含むゲート線121を形成する。
【0042】
図4A及び図4Bに示したように、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層(intrinsic amorphous silicon)、不純物非晶質シリコン層(extrinsic amorphous silicon)の三層膜を連続して積層し、不純物非晶質シリコン層と真性非晶質シリコン層とをフォトエッチングして、複数の不純物半導体160を含む真性半導体150を形成する。ゲート絶縁膜140の材料としては窒化ケイ素が良く、積層温度は250〜500℃、厚さは200〜500nm程度が好ましい。
【0043】
次に、図5A及び図5Bに示したように、二つの層の金属膜、つまり、下部膜と上部膜をスパッタリングなどで順次に積層する。下部膜は、モリブデン、モリブデン合金、クロムからなり、50nm程度の厚さを有することが好ましい。上部膜は250nm程度の厚さを有することが好ましく、標的材料としては、アルミニウムまたは2atomic%のNdを含むAl−Nd合金が適切であり、スパッタリング温度は150℃程度が好ましい。
【0044】
次に、上部膜をウェットエッチングで、下部膜をドライエッチングで順次にパターニングするか、または二つの膜を全てウェットエッチングでパターニングして、複数のソース電極173を各々含む複数のデータ線171と複数のドレイン電極175を形成する。下部膜171pがモリブデンまたはモリブデン合金膜の場合には、上部膜171qと一つのエッチング条件でパターニングすることができる。
【0045】
次いで、データ線171、ドレイン電極175で覆われずに露出された不純物半導体160部分を除去することによって、複数のオーミックコンタクト部材160を完成する一方、その下の真性半導体150部分を露出させる。露出された真性半導体150部分の表面を安定化させるために、酸素プラズマを次いで実施することが好ましい。
【0046】
次に、図6A及び図6Bに示すように、保護膜180を積層してその上に感光膜をコーティングした後、フォトマスクを通じて感光膜に光を照射した後、現像する。その後、アッシング工程などエッチング段階を通じて複数のコンタクトホール182、185、189を形成する。このような部分の除去はドライエッチングで行い、ゲート絶縁膜140と保護膜180とに対して実質的に同一のエッチング比を有するエッチング条件で実施する。
【0047】
最後に、図1及び図2に示したように、IZO及びITO膜を各々スパッタリングで積層してフォトエッチングし、二重層で形成された複数の画素電極901と複数のコンタクト補助部材906、908とを形成する。
【0048】
この時、エッチング剤としては、IZOのエッチング剤を使用する。IZOのエッチング剤は、塩酸、酢酸、超純水(Deionized water)及び界面活性剤が混合された物質である。IZOとITOとを積層する前の予熱(pre-heating)工程で使用する気体は窒素が好ましい。これはコンタクトホール182、185、189を通じて露出されている金属膜125、175、179の上部に金属酸化膜が形成されることを防止するためである。
【0049】
以上のように、画素電極901において、IZOを下部層とし、ITOを上部層とする二重層で形成すれば、フォトエッチングの際にクロム、アルミニウムなどのエッチング剤を使用することができるので、下部配線の損傷が減少し、また、グロステスト時の探針はITO層と接触するようになるので、探針に異物がつくことを防止することができる。
【0050】
一方、本発明の他の実施形態を示している図7乃至17Cを参照して、他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0051】
図7は本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図8と図9は、各々図7に示した薄膜トランジスタ表示板のVIII-VIII´線及びIX-IX´線による断面図である。
【0052】
図7乃至図9に示すように、本実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の層状構造は、基板110上に、複数のゲート電極124と、外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部125を含む複数のゲート線121とが形成されており、ゲート線121と電気的に分離された複数の蓄積電極線131が形成されている。
【0053】
ゲート線121と蓄積電極線131とは、物理的性質が異なる二つの膜、つまり、下部膜121p、131pと、その上の上部膜121q、131qとを有する。ゲート線の上部膜121qは、ゲート信号の遅延や電圧降下を減らすことができるように低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系の金属からなる。これとは異なって、下部膜121pは、他の物質、特にITO及びIZOとの物理的、化学的、電気的コンタクト特性に優れた物質、例えば、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)などからなる。下部膜121pと上部膜121qの組み合わせの例としては、クロム/アルミニウム−ネオジム(Nd)合金がある。
【0054】
蓄積電極線131もゲート線121と同様に下部膜131pと上部膜131qとを含み、蓄積電極線131には共通電圧などの予め決められた電圧が外部から印加される。画素電極901とゲート線121との重畳によって発生する蓄積容量が十分である場合、蓄積電極線131は省略することができる。この場合には後述するストレージキャパシタ用導電体177も省略する。
【0055】
ゲート線121と蓄積電極線131の下部膜121p、131pと上部膜121q、131qとの側面は各々傾斜しており、その傾斜角は基板110の表面に対して約30〜80度である。
【0056】
ゲート線121上には窒化ケイ素などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0057】
ゲート絶縁膜140上部には水素化非晶質シリコンなどからなる複数の線状半導体151が形成されており、線状半導体151は主に縦方向に延在しており、これから分岐の形態でのび出てゲート電極124を覆う複数の突出部154が形成されている。また、蓄積電極線131の一部を覆う線状半導体157も形成される。
【0058】
半導体151の上部には、シリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質で作られた複数の線状及び島型オーミックコンタクト部材161、165、167が形成されている。線状コンタクト部材161は複数の突出部163を有し、この突出部163と島型コンタクト部材165とは対をなして半導体151の突出部154上に位置する。一方、島型半導体157上には島型コンタクト部材167が形成される。
【0059】
半導体151、157とオーミックコンタクト部材161、165、167との側面も傾斜しており、傾斜角は30〜80゜である。
【0060】
オーミックコンタクト部材161、167、169及びゲート絶縁膜140上には、各々複数のデータ線171、複数のドレイン電極175、及び複数のストレージキャパシタ用導電体177が形成されている。
【0061】
データ線171は主に縦方向に延在してゲート線121と交差し、データ電圧を伝達する。各データ線171は外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部179を含む。データ線171のほとんどは表示領域に位置するが、データ線171の拡張部179は周辺領域に位置する。
【0062】
各データ線171からドレイン電極175に向かって枝形態で延在した複数の枝がソース電極173をなす。一対のソース電極173とドレイン電極175は互いに分離されていて、ゲート電極124に対して互いに反対側に位置する。ゲート電極124、ソース電極173及びドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に薄膜トランジスタをなし、薄膜トランジスタのチャネルは、ソース電極173とドレイン電極175の間の突出部154に形成される。
【0063】
ストレージキャパシタ用導電体177は、蓄積電極線131の一部と重畳しており、島型半導体157及び島型オーミックコンタクト部材167の上に形成される。
【0064】
データ線171、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177も、モリブデン、モリブデン合金、クロムなどの下部膜171p、175p、177pと、その上に位置したアルミニウム系または銀系金属である上部膜171q、175q、177qとからなる。そして、データ線171の拡張部179も、上部膜179qと下部膜179pとを有する。
【0065】
データ線171、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177の下部膜171p、175p、177pと上部膜171q、175q、177qとも、ゲート線121及び蓄積電極線131と同様にその側面が約30〜80度の角度で傾斜している。
【0066】
オーミックコンタクト部材161、165、167は、その下部の半導体151、157と、その上部のデータ線171、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177との間にだけ存在し、コンタクト抵抗を低くする役割を果たす。線状半導体151はソース電極173とドレイン電極175との間をはじめとして、データ線171及びドレイン電極175に覆われずに露出された部分を有しており、島型半導体157は、ストレージキャパシタ用導電体177の下部にあるオーミックコンタクト部材167の下部に存在する。
【0067】
データ線171、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、及び露出された半導体151部分の上には、平坦化特性に優れていて感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着(PECVD;plasma enhanced chemical vapor deposition)によって形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなど誘電率4.0以下の低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素などからなる保護膜180が形成されている。
【0068】
保護膜180には、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177の下部膜177p及びデータ線171の拡張部179を各々露出する複数のコンタクトホール185、187、189が形成されており、ゲート絶縁膜140と共にゲート線121の拡張部125を露出する複数のコンタクトホール182が形成されている。
【0069】
保護膜180上には、複数の画素電極901と、複数のコンタクト補助部材906、908が形成されている。
【0070】
画素電極901は、下部層901pと上部層901qとの二重層で形成されている。画素電極の下部膜901pはIZOからなり、画素電極901の上部膜901qはITOからなっている。
【0071】
画素電極901は、コンタクトホール185、187を通じてドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177と各々物理的、電気的に接続されてドレイン電極175からデータ電圧の印加を受け、導電体177にデータ電圧を伝達する。
【0072】
データ電圧が印加された画素電極901は、共通電圧の印加を受けた他の表示板の共通電極と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層の液晶分子を再配列させる。
また、画素電極901と共通電極とはキャパシタをなして、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持しており、電圧維持能力を強化するために液晶キャパシタと並列に接続された他のキャパシタを設け、これを“ストレージキャパシタ”という。ストレージキャパシタはこれと隣接する蓄積電極線131の重畳などで形成され、ストレージキャパシタ用導電体177を保護膜180の下に設けることで二つの間の距離を短くする。
【0073】
画素電極901は、また、隣接するゲート線121及びデータ線171と重畳して開口率を高めているが、重畳しないこともある。
【0074】
コンタクト補助部材906、908は、コンタクトホール182、189を通じてゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と各々接続される。コンタクト補助部材906、908は、ゲート線121及びデータ線171の各拡張部125、179と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する役割を果たす。
【0075】
このようなコンタクト補助部材906、908も、下部膜906p、908pと上部膜906q、908qとの二重膜で形成し、コンタクト補助部材の下部膜906p、908pはIZOからなり、上部膜906q、908qはITOからなっている。
【0076】
画素電極901とコンタクト補助部材906、908におけるIZO層901p、906p、908pは、50nm乃至150nmの厚さを有し、ITO層901q、906q、908qは、5nm乃至25nmの厚さを有する。特に、IZO層901p、906p、908pは90nmであり、ITO層901q、906q、908qは20nmであることが最も好ましい。
【0077】
以下、図7、図8及び図9に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法について、図10A乃至図17C及び図7、図8、図9を参照して詳細に説明する。
【0078】
図10Aは図7乃至図9に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図10B及び10Cは各々図10AのXb−Xb´線及びXc−Xc´線による断面図であり、図11A及び11Bは各々図10AのXb−Xb´線及びXc−Xc´線による断面図であって、図10B及び図10Cの次の段階での断面図であり、図12Aは図11A及び11Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図12B及び12Cは各々図12AのXIIb−XIIb´線及びXIIc−XIIc´線による断面図であり、図13A、14A、15Aと図13B、14B、15Bは各々図12AのXIIb−XIIb´線及びXIIc−XIIc´線による断面図であって、図12B及び12Cの次の段階を工程順序に沿って示したものであり、図16A及び図16Bは図15A及び15Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の断面図であり、図17Aは図16A及び図16Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図17B及び17Cは各々図17AのXVIIb−XVIIb´線及びXVIIc−XVIIc´線による断面図である。
【0079】
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に二つの層の金属膜、つまり、下部金属膜と上部金属膜をスパッタリングなどで順次に積層する。上部金属膜はAl−Nd合金などアルミニウム系金属からなり、250nm程度の厚さを有することが好ましい。Al−Ndスパッタリング標的は2atm%のNdを含むことが良い。
【0080】
図10A乃至図10Cに示したように、上部金属膜と下部金属膜とを順次にパターニングして複数のゲート電極124を含むゲート線121を形成し、ゲート線121と電気的に分離された複数の蓄積電極線131を形成する。
【0081】
次に、図11A及び11Bに示したように、窒化ケイ素からなるゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層、不純物非晶質シリコン層を連続して積層し、次いで二つの層の金属膜、つまり、下部膜と上部膜とをスパッタリングなどで順次に積層した後、感光膜210をコーティングする。その後、フォトマスクを通じて感光膜210に光を照射した後、現像する。現像された感光膜の厚さは図12B及び図12Cに示されているように、位置によって異なって形成する。この時、感光膜パターン212、214の中で薄膜トランジスタのチャネル部C、つまり、ソース電極173とドレイン電極175との間に位置した第1部分214は、データ線が形成される部分Aに位置した第2部分より厚さが薄くなるようにし、残りの部分Bの感光膜は全て除去する。この時、チャネル部Cに残っている感光膜214の厚さとA部分に残っている感光膜212の厚さとの比は、後述するエッチング工程での工程条件に応じて異なるようにしなければならず、第1部分214の厚さを第2部分212の厚さの1/2以下とすることが好ましい。
【0082】
このように、位置によって感光膜の厚さを異にする方法はいろいろあり得るが、露光マスクに透明領域と遮光領域とだけでなく、半透明領域を設けることがその例である。半透明領域にはスリットパターン、格子パターン、または透過率が中間であるか厚さが中間である薄膜が備えられる。スリットパターンを用いる時には、スリットの幅やスリット間の間隔がフォト工程に使用する露光器の分解能より小さいことが好ましい。他の例としては、リフローが可能な感光膜を用いることである。つまり、透明領域及び遮光領域のみを持った通常のマスクでリフロー可能な感光膜パターンを形成した後にリフローさせ、感光膜が残留しない領域に流れるようにすることによって、薄い部分を形成する。
【0083】
次いで、感光膜パターン212、214及びその下部の膜に対するエッチングを進行する。この時、A領域にあるデータ線及びその下部の膜がそのまま残っており、チャネル部Cには半導体だけが残っていなければならず、残りの部分Bにはゲート絶縁膜140が露出されなければならない。
【0084】
まず、図13A及び図13Bに示したように、残りの部分Bの露出されている導電体を除去して、その下部のオーミックコンタクト部材160を露出させる。この過程ではドライエッチングまたはウェットエッチング方法を全て用いることができ、この時、導電体はエッチングされ、感光膜212、214はほとんどエッチングされない条件下で行うことが良い。しかし、ドライエッチングの場合、導電体のみをエッチングし、感光膜212、214はエッチングされない条件を求めることが難しいので、感光膜パターン212、214も共にエッチングされる条件下で行い得る。この場合には、ウェットエッチングの場合より第1部分214の厚さを厚くして、この過程で第1部分214が除去されて下部の導電体が露出されることが生じないようにする。
【0085】
このようにすると、図13A及び図13Bに示したように、チャネル部C及びA領域の導電体、つまり、ソース/ドレイン用導電体178とストレージキャパシタ用導電体177とだけが残り、その他の部分Bの導電体は全て除去されて、その下部のオーミックコンタクト部材160が露出される。この時、残った導電体178は、ソース及びドレイン電極173、175が分離されずに接続されている点が図7乃至図9と異なる。
【0086】
次に、図14A及び図14Bに示したように、その他の部分Bの露出されたオーミックコンタクト部材160及びその下部の半導体150を感光膜の第1部分214と共にドライエッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは、感光膜212、214、オーミックコンタクト部材160、及び半導体150が同時にエッチングされ、ゲート絶縁膜140はエッチングされない条件下で行わなければならず、特に、感光膜212、214と半導体150とに対するエッチング比がほとんど同一の条件でエッチングすることが好ましい。例えば、SFとHClの混合気体や、SFとOの混合気体を用いると、ほとんど同一の厚さに二つの膜をエッチングすることができる。感光膜212、214と半導体150とに対するエッチング比が同一である場合、第1部分214の厚さは半導体150とオーミックコンタクト部材160との厚さを合せたものと同一であるか、またはそれより小さくなければならない。
【0087】
このようにすると、図14A及び図14Bに示したように、チャネル部Cの第1部分214が除去されてソース/ドレイン用導電体178が露出される。一方、A領域の第2部分212もエッチングされるので厚さが薄くなる。
【0088】
次いで、アッシング(ashing)を通じてチャネル部Cのソース/ドレイン用導電体178の表面に残存する感光膜の残りを除去する。
【0089】
次に、図15A及び図15Bに示したように、チャネル部Cのソース/ドレイン用導電体178及びその下部のオーミックコンタクト部材160をエッチングして除去する。この時、エッチングはソース/ドレイン用導電体178とオーミックコンタクト部材160のいずれに対してもドライエッチングだけで行うことができ、ソース/ドレイン用導電体178に対してはウェットエッチングで、オーミックコンタクト部材160に対してはドライエッチングで行うこともできる。前者の場合、ソース/ドレイン用導電体178とオーミックコンタクト部材160のエッチング選択比が大きい条件下でエッチングを行うことが好ましく、これは、エッチング選択比が大きくない場合、エッチング終点を求めることが難しいので、チャネル部Cに残る半導体の厚さを調節することが容易でないためである。ウェットエッチングとドライエッチングとを交互に行う後者の場合には、ウェットエッチングされるソース/ドレイン用導電体178の側面はエッチングされるが、ドライエッチングされるオーミックコンタクト部材160はほとんどエッチングされないので、階段状に作られる。オーミックコンタクト部材160及び半導体150をエッチングする際に用いるエッチング気体の例としては、CFとHClの混合気体や、CFとOの混合気体があり、CFとOを用いると均一な厚さに半導体150を残すことができる。この時、図15Bに示したように、半導体154の一部が除去されて厚さが薄くなり得、感光膜パターンの第2部分212がエッチングされてその下部のデータ線が露出されることがないように、感光膜パターンが厚いことが好ましいのは勿論である。
【0090】
このようにすると、ソース電極173とドレイン電極175とが分離されながらデータ線とその下部のオーミックコンタクト部材160が完成される。
【0091】
最後に、A領域に残っている感光膜の第2部分212を除去する。しかし、第2部分212の除去は、チャネル部Cのソース/ドレイン用導電体178を除去した後、その下のオーミックコンタクト部材160を除去する前に行われるようにしてもよい。
【0092】
前述したように、ウェットエッチングとドライエッチングとを交互に行うか、またはドライエッチングのみを用いることができる。後者の場合には、一つの種類のエッチングのみを用いるので工程が比較的に簡便であるが、適当なエッチング条件を求めることが難しい。反面、前者の場合には、エッチング条件を求めることが比較的に容易であるが、工程が後者に比べて面倒な点がある。
【0093】
次に、図16A及び図16Bに示したように、窒化ケイ素や、a−Si:C:O膜、またはa−Si:O:F膜を化学気相蒸着(CVD)法によって成長させたり、有機絶縁膜を塗布して保護膜180を形成したりする。
【0094】
次いで、図17A乃至図17Cに示したように、保護膜180をゲート絶縁膜140と共にフォトエッチングして、ドレイン電極175、ゲート線121の拡張部125、データ線171の拡張部179及びストレージキャパシタ用導電体177の各々を露出するコンタクトホール182、185、187、189を形成する。
【0095】
最後に、図7乃至図9に示したように、IZO層とITO層とを蒸着してフォトエッチングし、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177と接続される画素電極901、ゲート線及びデータ線の拡張部125、179と各々接続されるコンタクト補助部材906、908を形成する。この時、前記画素電極901とコンタクト補助部材906、908は下部膜901p、906p、908p及び上部膜901q、906q、908qの二重層で形成され、画素電極901及びコンタクト補助部材906、908の下部膜901p、906p、908pはIZOからなり、画素電極の上部膜901q、906q、908qはITOからなる。
【0096】
この時、エッチング剤としては、IZOのエッチング剤を使用する。IZOのエッチング剤は、塩酸、酢酸、超純水及び界面活性剤が混合された物質である。IZOとITOとを積層する前の予熱工程で用いる気体は、窒素が好ましい。これは、コンタクトホール182、185、189を通じて露出されている金属膜125、175、179の上部に金属酸化膜が形成されることを防止するためである。
【0097】
図7、図8及び図9に示された本発明の実施形態では、図1及び図2に示された実施形態による効果だけでなく、データ線171、173、175、177、179とその下部のコンタクト層パターン163、165、167及び半導体151、157とを一つのマスクを用いて形成し、この過程でソース電極173とドレイン電極175とを分離することによって、製造工程を単純化することができる。
【0098】
一方、本発明の他の実施形態を示している図18乃至図24Bを参照して、他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0099】
図18は本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図19は図18に示した薄膜トランジスタ表示板のXIXI-XIX´線による断面図である。
【0100】
絶縁基板110上にゲート信号を伝達する複数のゲート線121が形成されている。ゲート線121は主に横方向に延在しており、各ゲート線121の一部は複数のゲート電極124をなす。また、各ゲート線121は、下方向に突出した複数の突出部127と、外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部125とを含む。
【0101】
ゲート線121の側面は傾斜しており、その傾斜角は基板110の表面に対して約30〜80度をなす。
【0102】
ゲート線121上にはゲート絶縁膜140が形成されている。ゲート絶縁膜140の上部には水素化非晶質シリコンなどからなる複数の線状半導体151が形成されている。線状半導体151は主に縦方向に延在しており、これから複数の突出部154がゲート電極124に向かってのび出ている。また、線状半導体151はゲート線121と合う地点付近で幅が大きくなって、ゲート線121の広い面積を覆っている。
【0103】
半導体151の上部にはシリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなる複数の線状及び島型オーミックコンタクト部材161、165が形成されている。線状コンタクト部材161は複数の突出部163を有しており、この突出部163と島型コンタクト部材165とは対をなして半導体151の突出部154上に位置する。
【0104】
半導体151とオーミックコンタクト部材161、165との側面も傾斜しており、その傾斜角は基板110の表面に対して30〜80度をなす。
【0105】
オーミックコンタクト部材161、165及びゲート絶縁膜140上には、各々複数のデータ線171、複数のドレイン電極175、及び複数のストレージキャパシタ用導電体177が形成されている。
【0106】
データ線171は主に縦方向に延在してゲート線121と交差し、データ電圧を伝達する。各データ線171は、他の層または外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部179を含む。データ線171のほとんどは表示領域に位置するが、データ線171の拡張部は周辺領域に位置する。
【0107】
各データ線171からドレイン電極175に向かって延在した複数の枝がソース電極173をなす。一対のソース電極173とドレイン電極175とは互いに分離されていて、ゲート電極124に対して互いに反対側に位置する。ゲート電極124、ソース電極173及びドレイン電極175は互いに分離されていて、ゲート電極124に対して互いに反対側に位置する。ソース電極173とドレイン電極175とは半導体151の突出部154と共に薄膜トランジスタをなし、薄膜トランジスタのチャネルはソース電極173とドレイン電極175との間の突出部154に形成される。
【0108】
ストレージキャパシタ用導電体177は、ゲート線121の突出部127と重畳している。
【0109】
データ線171、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177も、ゲート線121と同様にその側面が約30〜80度の角度で各々傾斜している。
【0110】
オーミックコンタクト部材161、165は、その下部の半導体151とその上部のデータ線171及びドレイン電極175との間にだけ存在し、コンタクト抵抗を低くする役割を果たす。線状半導体151は、ソース電極173とドレイン電極175との間をはじめとして、データ線171及びドレイン電極175で覆われずに露出された部分を有しており、大部分の所では線状半導体151の幅がデータ線171の幅より小さいが、ゲート線121と合う部分で幅が大きくなって、表面のプロファイルを滑らかにしてデータ線171の断線を防止する。
【0111】
データ線171、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、露出された半導体151部分、及びこれらで覆われないゲート絶縁膜140上には、赤色、緑色、青色のカラーフィルターR、G、Bが形成されている。カラーフィルターR、G、Bはドレイン電極175とストレージキャパシタ用導電体177とを露出する開口部C1、C2を有している。
【0112】
赤色、緑色、青色のカラーフィルターR、G、B上には、平坦化特性に優れていて感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着によって形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなど誘電率4.0以下の低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素などからなる保護膜180が形成されている。
【0113】
保護膜180には、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、及びデータ線171の拡張部179を各々露出する複数のコンタクトホール185、187、189が形成されており、ゲート絶縁膜140と共にゲート線121の拡張部125を露出する複数のコンタクトホール182が形成されている。
【0114】
保護膜180上には、下部膜901p、906p、908p及び上部膜901q、906q、908qの二重層からなる複数の画素電極901と、複数のコンタクト補助部材906、908とが形成されている。画素電極901とコンタクト補助部材906、908の下部膜901p、906p、908pとはIZOからなり、その上部に位置した上部膜901q、906q、908qはITOからなっている。
【0115】
この時、IZO層901p、906p、908pは50nm乃至150nmの厚さを有し、ITO層901q、906q、908qは5nm乃至25nmの厚さを有する。特に、IZO層901p、906p、908pは90nmであり、ITO層901q、906q、908qは20nmであることが最も好ましい。
【0116】
画素電極901は、コンタクトホール185、187を通じてドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177と各々物理的、電気的に接続され、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受け、導電体177にデータ電圧を伝達する。
【0117】
データ電圧が印加された画素電極901は、共通電圧の印加を受ける他の表示板の共通電極と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層の液晶分子を再配列させる。
【0118】
また、画素電極190と共通電極とはキャパシタをなし、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持しており、電圧維持能力を強化するために液晶キャパシタと並列に接続された他のキャパシタを設け、これを“ストレージキャパシタ”という。ストレージキャパシタは、画素電極901及びこれと隣接するゲート線121の重畳などで形成され、ストレージキャパシタの静電容量、つまり、蓄積容量を増やすためにゲート線121を拡張した突出部127を設けて重畳面積を大きくする一方、画素電極190と接続され突出部127と重畳するストレージキャパシタ用導電体177を保護膜180下に設けることで二つの間の距離を短くする。
【0119】
画素電極901は、また、隣接するゲート線121及びデータ線171と重畳して開口率を高めているが、重畳しないこともある。
【0120】
コンタクト補助部材192、199は、コンタクトホール12、189を通じてゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と各々接続される。コンタクト補助部材906、908は、ゲート線121及びデータ線171の各拡張部125、179と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する役割を果たす。
【0121】
以下、図18及び図19に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法について、図20A乃至図24B及び図18と図19とを参照して詳細に説明する。
【0122】
図20Aは図18及び図19に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図20Bは図20AのXXb−XXb´線による断面図であり、図21Aは図20Aの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図21Bは図21AのXXIb−XXIb´線による断面図であり、図22Aは図21Aの段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図22Bは図22AのXXIIb−XXIIb´線による断面図であり、図23Aは図22Aの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図23Bは図23AのXXIIIb−XXIIIb´線による断面図であり、図24Aは図23Aの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図24Bは図24AのXXIVb-XXIVb´線による断面図である。
【0123】
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に金属膜をスパッタリングなどで積層する。
【0124】
図20A及び図20Bに示したように、金属膜を順次にパターニングして複数のゲート電極124と複数の突出部127を含むゲート線121とを形成する。
【0125】
図21A及び図21Bに示したように、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層、不純物非晶質シリコン層の3層膜を連続して積層し、不純物非晶質シリコン層と真性非晶質シリコン層をフォトエッチングして、複数の線状不純物半導体160と複数の突出部154を各々含む線状真性半導体151を形成する。ゲート絶縁膜140の材料としては窒化ケイ素が良く、積層温度は250〜500℃、厚さは200〜5、00nm程度が好ましい。
【0126】
次に、金属膜をスパッタリングなどによって積層する。
【0127】
図22A及び図22Bに示したように、金属膜をパターニングして複数のソース電極173を各々含む複数のデータ線171、複数のドレイン電極175、複数のストレージキャパシタ用導電体177を形成する。
【0128】
次いで、データ線171、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177で覆われずに露出された不純物半導体164部分を除去することによって、複数の突出部163を各々含む複数の線状オーミックコンタクト部材161と複数の島型オーミックコンタクト部材165を完成する一方、その下の真性半導体151部分を露出させる。露出された真性半導体151部分の表面を安定化させるために、酸素プラズマを次いで実施することが好ましい。
【0129】
次に、図23A及び図23Bに示したように、赤、緑、青の顔料を含む感光性有機物質を各々順次に塗布し、フォト工程によって赤、緑、青のカラーフィルターR、G、Bを順次に形成する。この時、フォト工程で赤、緑、青のカラーフィルターR、G、Bを形成する時、ドレイン電極175とストレージキャパシタ用導電体177とを露出する開口部C1、C2も共に形成する。なぜなら、以後に保護膜180にドレイン電極175とストレージキャパシタ用導電体パターン177とにコンタクトホールを形成する時、プロファイルを良好に形成するためである。
【0130】
次に、図24A及び24Bに示すように、基板110に低い誘電率を有して平坦化に優れた有機絶縁物質を塗布したり、4.0以下の低い誘電率を有するa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどのような低誘電率絶縁物質を化学気相蒸着によって積層したりして保護膜180を形成し、マスクを用いたフォトエッチング工程によってゲート絶縁膜140と共にパターニングして、コンタクトホール182、185、187、189を形成する。この時、ドレイン電極175とストレージキャパシタ用導電体177とを露出するコンタクトホール185、187は、カラーフィルターR、G、Bに形成されている開口部C1、C2の内側に形成する。このように、本発明では、カラーフィルターR、G、Bに予め開口部C1、C2を形成した後に、保護膜180をパターニングしてドレイン電極175とストレージキャパシタ用導電体177とを露出するコンタクトホール185、187を形成することによって、コンタクトホール185、187のプロファイルを良好に形成することができる。
【0131】
最後に、図18及び図19に示したように、IZO層とITO層とを蒸着し、マスクを使用してフォトエッチングすることによって、画素電極901及びコンタクト補助部材906、908を形成する。この時、エッチング剤としては、IZOのエッチング剤を用いる。IZOのエッチング剤は、塩酸、酢酸、超純水及び界面活性剤が混合された物質である。
【0132】
本発明の他の実施形態を示している図25乃至図35Cを参照して、他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0133】
図25は本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図26及び図27は各々図25に示した薄膜トランジスタ表示板を各々XXVI−XXVI´線及びXXVII-XXVII´線に沿って切断した断面図である。
【0134】
図25乃至図27に示したように、本実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の層状構造は、基板110上に複数のゲート電極124を含む複数のゲート線121が形成されており、外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部125を含む。そして、ゲート線121と電気的に分離された複数の蓄積電極線131とが形成されている。
【0135】
蓄積電極線131は、共通電圧などの予め決められた電圧の印加を外部から受ける。画素電極901とゲート線121との重畳によって発生する蓄積容量が十分である場合、蓄積電極線131とストレージキャパシタ用導電体177とは省略することもできる。
【0136】
ゲート線121と蓄積電極線131との側面は各々傾斜しており、その傾斜角は基板110の表面に対して約30〜80度をなす。
【0137】
ゲート線121上には窒化ケイ素などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0138】
ゲート絶縁膜140上部には水素化非晶質シリコンなどからなる複数の線状半導体151が形成されており、線状半導体151は主に縦方向に延在しており、これから分岐の形態でのび出てゲート電極124を覆う複数の突出部154が形成されている。また、蓄積電極線131の一部を覆う半導体157も形成され、前記突出部154と蓄積電極線の一部を覆う半導体157は接続されている。
【0139】
半導体151の上部にはシリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質からなる複数の線状オーミックコンタクト部材161、165、167が形成されている。線状コンタクト部材161は複数の突出部163を有し、この突出部163と島型コンタクト部材165とは対をなして半導体151の突出部154上に位置する。一方、蓄積電極線の一部を覆う半導体157上にはコンタクト部材167が形成され、蓄積電極線の一部を覆う半導体157が半導体の突出部154と接続されたように、蓄積電極線の一部を覆う半導体の上部に位置するコンタクト部材167も島型コンタクト部材165と接続される。
【0140】
半導体151、157とオーミックコンタクト部材161、165、167の側面も傾斜しており、傾斜角は30〜80度である。
【0141】
オーミックコンタクト部材161、165、167及びゲート絶縁膜140上には、各々複数のデータ線171、複数のドレイン電極175、及び複数のストレージキャパシタ用導電体177が形成されている。ここで、ドレイン電極175とストレージキャパシタ用導電体177とは相互接続されている。
【0142】
データ線171は主に縦方向に延在してゲート線121と交差し、データ電圧を伝達する。各データ線171は外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部179を含む。データ線171のほとんどは表示領域に位置するが、データ線171の拡張部179は周辺領域に位置する。
【0143】
各データ線171からドレイン電極175に向かって枝形状で延在した複数の枝がソース電極173をなす。一対のソース電極173とドレイン電極175は互いに分離されており、ゲート電極124に対して互いに反対側に位置する。ゲート電極124、ソース電極173及びドレイン電極175は、半導体151の突出部154と共に薄膜トランジスタをなし、薄膜トランジスタのチャネルはソース電極173とドレイン電極175との間の突出部154に形成される。ドレイン電極175でソース電極173の反対側はストレージキャパシタ用導電体177と接続されており、ストレージキャパシタ用導電体177は蓄積電極線131の一部と重畳し、半導体157及びオーミックコンタクト部材167の上に形成される。
【0144】
データ線171、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177も、ゲート線121及び蓄積電極線131と同様にその側面が基板110に対して約30〜80度の角度をなすように傾斜している。
【0145】
オーミックコンタクト部材161、165、167は、その下部の半導体151、157とその上部のデータ線171、ドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177の間にだけ存在し、コンタクト抵抗を低くする役割を果たす。線状半導体151は、ソース電極173とドレイン電極175との間をはじめとして、データ線171及びドレイン電極175で覆われずに露出された部分を有しており、半導体157はストレージキャパシタ用導電体177の下部にあるオーミックコンタクト部材167の下部に存在する。
【0146】
データ線171、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、及び露出された半導体151部分の上には、平坦化特性に優れていて感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着によって形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなど誘電率4.0以下の低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素などからなる保護膜180が形成されている。
【0147】
保護膜180には、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177、及びデータ線171の拡張部179を各々露出する複数のコンタクトホール185、187、189が形成されており、ゲート絶縁膜140と共にゲート線121の拡張部125を露出する複数のコンタクトホール182が形成されている。
【0148】
保護膜180上には、複数の画素電極901と、複数のコンタクト補助部材906、908とが形成されている。このような画素電極901は、下部膜901p及び上部膜901qの二重層で形成されている。ここで、画素電極の下部膜901pはIZOからなり、画素電極の上部膜901qはITOからなる。
【0149】
画素電極901は、コンタクトホール185、187を通じてドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177と各々物理的、電気的に接続されて、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受け、導電体177にデータ電圧を伝達する。
【0150】
データ電圧が印加された画素電極901は、共通電圧の印加を受けた他の表示板の共通電極と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層の液晶分子を再配列させる。
【0151】
また、画素電極901と共通電極とはキャパシタをなし、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持しており、電圧維持能力を強化するために液晶キャパシタと並列に接続された他のキャパシタを設け、これを“ストレージキャパシタ”という。ストレージキャパシタは、画素電極901と隣接する蓄積電極線131の重畳などで形成する。
【0152】
画素電極901は、また、隣接するゲート線121及びデータ線171と重畳して開口率を高めているが、重畳しないこともある。
【0153】
コンタクト補助部材906、908は、コンタクトホール182、189を通じてゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と各々接続される。コンタクト補助部材906、908は、ゲート線121及びデータ線171の各拡張部125、179と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する役割を果たす。
【0154】
このようなコンタクト補助部材906、908も、下部膜906p、908p及び上部膜906q、908qの二重膜で形成されており、コンタクト補助部材の下部膜906p、908pはIZOからなり、上部膜906q、908qはITOからなっている。
【0155】
画素電極901とコンタクト補助部材906、908との二重層において、IZO層901p、906p、908pは、50nm乃至150nmの厚さを有し、ITO層901q、906q、908qは、5nm乃至25nmの厚さを有する。特に、IZO層901p、906p、908pは90nmであり、ITO層901q、906q、908qは20nmであることが最も好ましい。
【0156】
以下、図25、図26及び図27に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法について、図28A乃至図35C、図25、図26、及び図27を参照して詳細に説明する。
【0157】
図28Aは、図25乃至図27に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図28B及び28Cは各々図28AのXXVIIIb−XXVIIIb´線及びXXVIIIc−XXVIIIc´線による断面図であり、図29A及び29Bは各々図28AのXXVIIIb−XXVIIIb´線及びXXVIIIc−XXVIIIc´線による断面図であって、図28B及び図28Cの次の段階での断面図であり、図30Aは図29A及び29Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図30B及び30Cは各々図30AのXXXb−XXXb´線及びXXXc−XXXc´線による断面図であり、図31A、32A、33Aと図31B、32B、33Bは各々図30AのXXXb−XXXb´線及びXXXc−XXXc´線による断面図であって、図30B及び30Cの次の段階を工程順序によって示したものであり、図34Aは図33A及び33Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図34B及び34Cは各々図34AのXXXIVb−XXXIVb´線及びXXXIVc−XXXIVc´線による断面図であり、図35Aは図34A乃至図34Cの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図35B及び35Cは各々図35AのXXXVb−XXXVb´線及びXXXVc−XXXVc´線による断面図である。
【0158】
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に、金属膜をスパッタリングなどで蒸着する。
【0159】
図28A乃至図28Cに示したように、金属膜をパターニングして複数のゲート電極124を含むゲート線121を形成し、ゲート線121と電気的に分離された複数の蓄積電極線131を形成する。
【0160】
次に、図29A及び図29Bに示したように、ゲート絶縁膜140、半導体層150、中間層160を化学気相蒸着法を用いて連続蒸着し、次いで金属膜をスパッタリングなどによって順次に蒸着し、その上に感光膜210をコーティングする。
【0161】
その後、マスクを通じて感光膜210に光を照射した後に現像して、図30B及び30Cに示したように、感光膜パターン212、214を形成する。この時、感光膜パターン212、214の中で薄膜トランジスタのチャネル部C、つまり、ソース電極173とドレイン電極175との間に位置した第1部分214は、データ線171、ソース電極173、ドレイン電極175、ストレージキャパシタ用導電体177及びデータ線の拡張部が形成される部分(A領域)に位置した第2部分212より厚さが薄くなるようにし、その他部分(B領域)の感光膜は全て除去する。この時、チャネル部Cに残っている第1部分214の厚さとA領域に残っている感光膜212の厚さとの比は、後述するエッチング工程で工程条件に応じて異なるようにしなければならず、第1部分214の厚さを第2部分212の厚さの1/2以下とすることが好ましい。
【0162】
このように、位置によって感光膜の厚さを異にする方法はいろいろあり得る。つまり、A領域の光透過量を調節するためにスリットや格子状のパターンを形成したり、半透明膜を用いたりすることができる。この時、スリットの間に位置したパターンの線幅やパターン間の間隔、つまり、スリットの幅は露光の際に使用する露光器の分解能より小さいことが好ましく、半透明膜を用いる場合には、マスクを製作する際に透過率を調節するために、異なる透過率を有する薄膜を用いたり、厚さが異なる薄膜を用いたりすることができる。
【0163】
このようなマスクを通じて感光膜に光を照射すれば、光に直接露出される部分では高分子が完全に分解され、スリットパターンや半透明膜が形成されている部分では光の照射量が少ないので、高分子は完全分解されない状態であり、遮光膜で覆われた部分では高分子がほとんど分解されない。次いで感光膜を現像すれば、高分子の分子が分解されない部分だけが残り、光が少なく照射された中央部分には、光に全く照射されない部分より薄い厚さの感光膜が残る。この時、露光時間を長くすれば、全ての分子が分解されるので、そのようにならないようにしなければならない。
【0164】
このような薄い厚さの感光膜214は、リフローが可能な物質からなる感光膜を用い、光が完全に透過できる部分と光が完全に透過できない部分に分けられた通常のマスクで露光した後に現像し、リフローさせ、感光膜が残留しない部分に感光膜の一部が流れるようにすることによって形成することもできる。
【0165】
次に、感光膜パターン214及びその下部の膜に対するエッチングを進行させる。この時、A領域にあるデータ線及びその下部の膜がそのまま残っており、チャネル部Cには半導体だけが残っていなければならず、残りの部分Bにはゲート絶縁膜140が露出されなければならない。
【0166】
まず、図31A及び図31Bに示したように、残りの部分Bの露出されている導電体を除去して、その下部のオーミックコンタクト部材160を露出させる。この過程ではドライエッチングまたはウェットエッチング方法を全て用いることができ、この時、導電体はエッチングされ、感光膜212、214はほとんどエッチングされない条件下で行うことが良い。しかし、ドライエッチングの場合、導電体のみをエッチングし、感光膜212、214はエッチングされない条件を求めることが難しいので、感光膜パターン212、214も共にエッチングされる条件下で行い得る。この場合には、ウェットエッチングの場合より第1部分214の厚さを厚くして、この過程で第1部分214が除去されて下部の導電体が露出されることが生じないようにする。
【0167】
このようにすると、図31A及び図31Bに示したように、チャネル部C及びA領域の導電体、つまり、データ線171、ソース/ドレイン用導電体178及びストレージキャパシタ用導電体177だけが残り、その他の部分Bの導電体は全て除去されて、その下部のオーミックコンタクト部材160が露出される。この時、残った導電体178は、ソース及びドレイン電極173、175が分離されずに接続されている点が、図25乃至図27と異なる。
【0168】
次に、その他の部分Bの露出されたオーミックコンタクト部材160及びその下部の半導体150を感光膜の第1部分214と共にドライエッチング方法で同時に除去する。この時のエッチングは、感光膜212、214、オーミックコンタクト部材160及び半導体150が同時にエッチングされ、ゲート絶縁膜140はエッチングされない条件下で行わなければならない。特に、感光膜212、214と半導体150に対するエッチング比がほとんど同一の条件でエッチングすることが好ましい。例えば、SFとHClの混合気体や、SFとOの混合気体を用いると、ほとんど同一の厚さに二つの膜をエッチングすることができる。感光膜212、214と半導体150とに対するエッチング比が同一である場合、第1部分214の厚さは、半導体150とオーミックコンタクト部材160との厚さを合せたものと同一であるか、またはそれより小さくなければならない。
【0169】
このようにすると、図32A及び図32Bに示したように、チャネル部Cの第1部分214が除去されて、ソース/ドレイン用導電体178が露出される。一方、A領域の第2部分212もエッチングされるので、厚さが薄くなる。
【0170】
次いで、アッシングを通じてチャネル部Cのソース/ドレイン用導電体178の表面に残存する感光膜の残りを除去する。
【0171】
次に、チャネル部Cのソース/ドレイン用導電体178及びその下部のオーミックコンタクト部材160をエッチングして除去する。この時、エッチングはソース/ドレイン用導電体178とオーミックコンタクト部材160との全てに対してドライエッチングだけで行うこともでき、ソース/ドレイン用導電体178に対してはウェットエッチングで、オーミックコンタクト部材160に対してはドライエッチングで行うこともできる。前者の場合、ソース/ドレイン用導電体178とオーミックコンタクト部材160とのエッチング選択比が大きい条件下でエッチングを行うことが好ましく、これはエッチング選択比が大きくない場合、エッチング終点を求めることが難しいので、チャネル部Cに残る半導体の厚さを調節することが容易でないためである。ウェットエッチングとドライエッチングとを交互に行う後者の場合には、ウェットエッチングされるソース/ドレイン用導電体178の側面はエッチングされるが、ドライエッチングされるオーミックコンタクト部材160はほとんどエッチングされないので、階段状に形状される。オーミックコンタクト部材160及び半導体150をエッチングする際に用いるエッチング気体の例としては、CFとHClの混合気体や、CFとOの混合気体があり、CFとOを用いると均一な厚さで半導体150を残すことができる。この時、図33Bに示したように、半導体154の一部が除去されて厚さが薄くなることもでき、感光膜パターンの第2部分212がエッチングされてその下部のデータ線が露出されることがないように、感光膜パターンが厚いことが好ましいのは勿論である。
【0172】
このようにすると、図33A及び図33Bに示したように、ソース電極173とドレイン電極175とが分離されながら、データ線171とその下部のオーミックコンタクト部材161、163、165とが完成される。
【0173】
最後に、A領域に残っている感光膜の第2部分212を除去する。しかし、第2部分212の除去は、チャネル部Cのソース/ドレイン用導電体178を除去した後、その下のオーミックコンタクト部材160を除去する前に行われるようにしてもよい。
【0174】
前述したように、ウェットエッチングとドライエッチングとを交互に行うか、またはドライエッチングのみを用いることができる。後者の場合には、一つの種類のエッチングのみを用いるので、工程が比較的に簡便であるが、適当なエッチング条件を求めることが難しい。反面、前者の場合には、エッチング条件を求めることが比較的に容易であるが、工程が後者に比べて面倒な点がある。
【0175】
このようにして、図33A及び図33Bに示した状態を完成した後、図34A乃至図34Cに示したように、赤、緑、青の顔料を含む感光性物質を塗布し、露光及び現像工程を通じたフォト工程によってパターニングして、赤、緑、青のカラーフィルターR、G、Bを順次に形成する同時に、赤、緑、青のカラーフィルターR、G、Bにドレイン電極175及びストレージキャパシタ用導電体177を露出する開口部C1、C2も共に形成する。
【0176】
この時、薄膜トランジスタのチャネル部Cの上部に赤または緑のカラーフィルターからなる光遮断層を形成することができ、これは薄膜トランジスタのチャネル部Cに入射する短波長の可視光線をより完全に遮断したり吸収させたりするためである。
【0177】
次に、基板110の上部に赤、緑、青のカラーフィルターR、G、Bを覆う保護膜180をアクリル系の有機物質で塗布したり、4.0以下の低誘電率絶縁物質を化学気相蒸着によって積層したりし、マスクを用いたフォトエッチング工程で保護膜180をゲート絶縁膜140と共にパターニングして、ドレイン電極175、ゲート線の拡張部125、データ線の拡張部179及びストレージキャパシタ用導電体179を各々露出するコンタクトホール182、185、187、189を形成する。この時、データ線の拡張部179及びストレージキャパシタ用導電体177を各々露出するコンタクトホール189、187は、カラーフィルターR、G、Bの開口部C1、C2の内側に形成して、コンタクトホール187、189のプロファイルを良好に形成する。
【0178】
最後に、図25乃至図27に示したように、IZO及びITO層を蒸着し、マスクを使用してフォトエッチング工程でエッチングして、画素電極901と、コンタクト補助部材906、908を形成する。この時、エッチング剤としてはIZOのエッチング剤を用いる。IZOのエッチング剤は、塩酸、酢酸、超純水及び界面活性剤が混合された物質である。
【0179】
一方、本発明の他の実施形態を示している図36乃至図45を参照して、他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板について詳細に説明する。
【0180】
図36は本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図37は図36のXXXVII−XXXVII´線による断面図である。
【0181】
本実施形態は、図1及び図2に示された実施形態とほとんど同一の構造を有しているが、画素電極901は単一層で形成されているという点が異なる。コンタクト補助部材906、908は、図1及び図2の実施形態と同様に、IZO及びITOの二重層で形成されている。以下、詳細に説明する。
【0182】
絶縁基板110上に、ゲート信号を伝達し、主に横方向に延在している複数のゲート線121が形成されている。
【0183】
各ゲート線121の一部は複数のゲート電極124をなす。また、各ゲート線121は外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部125を含む。ゲート線121のほとんどは表示領域に位置するが、ゲート線121の拡張部125は周辺領域に位置する。
【0184】
ゲート線121は、物理的性質が異なる二つの膜、つまり、下部膜121pとその上の上部膜121qとを含む。上部膜121qはゲート信号の遅延や電圧降下を減らすことができるように低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系金属からなる。これとは異なって、下部膜121pは、他の物質、特にITO及びIZOとの物理的、化学的、電気的コンタクト特性に優れた物質、例えば、モリブデン(Mo)、モリブデン合金[例:モリブデン−タングステン(MoW)合金]、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)などからなる。下部膜121pと上部膜121qとの組み合わせの例としては、クロム/アルミニウム−ネオジム(Nd)合金がある。図37において、ゲート電極124の下部膜と上部膜とは各々図面符号124p、124qで示されている。そして、ゲート線121の拡張部125も上部膜125qと下部膜125pとを含む。
【0185】
また、下部膜121pと上部膜121qとの側面は各々傾斜しており、その傾斜角は基板110の表面に対して約30〜80度をなす。
【0186】
ゲート線121上には、窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0187】
ゲート絶縁膜140の上部には、水素化非晶質シリコン(非晶質シリコンは、略してa−Siと記す。)などからなる複数の半導体150が形成されている。半導体150は主にゲート電極124上に形成されており、半導体150はゲート電極124より広い面積を覆っている。
【0188】
半導体150の上部にはシリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質で作られた複数の島型オーミックコンタクト部材163、165が形成されている。島型オーミックコンタクト部材は二つに分けられており、互いに対をなして半導体上に位置する。
【0189】
半導体150とオーミックコンタクト部材163、165の側面も傾斜しており、傾斜角は30〜80度をなす。
【0190】
オーミックコンタクト部材163、165及びゲート絶縁膜140上には、各々複数のデータ線171と複数のドレイン電極175とが形成されている。
【0191】
データ線171は主に縦方向に延在してゲート線121と交差し、データ電圧を伝達する。各データ線171は外部装置との接続のために幅が拡張されている拡張部179を含む。データ線171のほとんどは表示領域に位置するが、データ線171の拡張部179は周辺領域に位置する。
【0192】
各データ線171からドレイン電極175に向かって延在した複数の枝がソース電極173をなす。一対のソース電極173とドレイン電極175とは互いに分離されていて、ゲート電極124に対して互いに反対側に位置する。ゲート電極124、ソース電極173及びドレイン電極175は半導体150と共に薄膜トランジスタをなし、薄膜トランジスタのチャネルはソース電極173とドレイン電極175との間の突出部150に形成される。
【0193】
データ線171とドレイン電極175とも、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、クロム(Cr)などの下部膜171p、175pと、その上に位置したアルミニウム系または銀系金属である上部膜71q、175qとで構成される。そして、データ線171の拡張部179も上部膜179qと下部膜179pとを有する。
【0194】
データ線171及びドレイン電極175の下部膜171p、175pと上部膜171q、175qとも、ゲート線121と同様にその側面が約30〜80度の角度で傾斜している。
【0195】
オーミックコンタクト部材161、165は、その下部の半導体150とその上部のデータ線171及びドレイン電極175との間にだけ存在し、コンタクト抵抗を低くする役割を果たす。線状半導体151は、ソース電極173とドレイン電極175との間をはじめとして、データ線171及びドレイン電極175で覆われずに露出された部分を有している。
【0196】
データ線171、ドレイン電極175及び露出された半導体150部分の上には、平坦化特性に優れていて感光性を有する有機物質、プラズマ化学気相蒸着によって形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなど誘電率4.0以下の低誘電率絶縁物質、または無機物質である窒化ケイ素などからなる保護膜180が形成されている。
【0197】
保護膜180には、ドレイン電極175及びデータ線171の拡張部179を各々露出する複数のコンタクトホール185、189が形成されており、ゲート絶縁膜140と共にゲート線121の拡張部125を露出する複数のコンタクトホール182が形成されている。
【0198】
保護膜180上には、IZOの単一層からなる複数の画素電極901と、IZO及びITOの二重層からなる複数のコンタクト補助部材906、908とが形成されている。
【0199】
画素電極901は、コンタクトホール185を通じてドレイン電極175と各々物理的、電気的に接続され、ドレイン電極175からデータ電圧の印加を受ける。
【0200】
データ電圧が印加された画素電極901は、共通電圧の印加を受ける他の表示板(図示せず)の共通電極(図示せず)と共に電場を生成することによって、二つの電極の間の液晶層(図示せず)の液晶分子を再配列させる。
【0201】
また、画素電極901と共通電極とは、キャパシタ(以下、“液晶キャパシタ”と言う)をなして、薄膜トランジスタがターンオフされた後にも印加された電圧を維持しており、液晶キャパシタの電圧維持能力を強化するために液晶キャパシタと並列に接続された他のキャパシタを設ける場合もある。
【0202】
画素電極901は、また、隣接するゲート線121及びデータ線171と重畳して開口率を高めているが、重畳しないこともある。
【0203】
コンタクト補助部材906、908は、コンタクトホール182、189を通じてゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と各々接続される。コンタクト補助部材906、908は、ゲート線121及びデータ線171の各拡張部125、179と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する役割を果たすものであって、必須のものではなく、これらの適用可否は選択的である。このようなコンタクト補助部材906、908も、下部膜906p、908pと上部膜906q、908qとの二重膜からなっている。ここで、下部膜906p、908pはIZOからなり、上部膜906q、908qはITOからなっている。
【0204】
次に、図36及び図37に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を本発明の一実施形態によって製造する方法について、図38A乃至図45、図36、及び図37を参照して詳細に説明する。
【0205】
図38A、39A、40A及び41Aは、図36及び図37に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図38Bは図38AのXXXVIIIb−XXXVIIIb´線による断面図であり、図39Bは図39AのXXXIXb−XXXIXb´線による断面図であって、図38Bの次の段階を示した断面図であり、図40Bは図40AのXLb−XLb´線による断面図であって、図39Bの次の段階を示した断面図であり、図41Bは図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図40Bの次の段階を示した断面図であり、図42は図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図41の次の段階を示した断面図であり、図43は図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図42の次の段階でカラーフィルター表示板が結合された状態を示した断面図であり、図44は図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図43の次の段階を示した断面図であり、図45は図44に示した液晶表示装置を製造するためのシャドーマスクを示した図面である。
【0206】
まず、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上に二つの層の金属膜、つまり、下部金属膜と上部金属膜とをスパッタリングなどで順次に積層する。上部金属膜はAl−Nd合金などアルミニウム系金属からなり、250nm程度の厚さを有することが好ましい。Al−Ndのスパッタリング標的は2atm%のNdを含むことが良い。
【0207】
図38A及び図38Bに示したように、上部金属膜と下部金属膜とを順次にパターニングして、複数のゲート電極124を含むゲート線121を形成する。
【0208】
図39A及び図39Bに示したように、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層、不純物非晶質シリコン層の3層膜を連続して積層し、不純物非晶質シリコン層と真性非晶質シリコン層とをフォトエッチングして、複数の不純物半導体160を含む真性半導体150を形成する。ゲート絶縁膜140の材料としては窒化ケイ素が良く、積層温度は250〜500℃、厚さは200〜500nm程度が好ましい。
【0209】
次に、図40A及び図40Bに示したように、二つの層の金属膜、つまり、下部膜と上部膜とをスパッタリングなどで順次に積層する。下部膜はモリブデン、モリブデン合金、クロムからなり、50nm程度の厚さを有することが好ましい。上部膜は250nm程度の厚さを有することが好ましく、標的材料としては、アルミニウムまたは2atomic%のNdを含むAl−Nd合金が適切であり、スパッタリング温度は150℃程度が好ましい。
【0210】
次に、上部膜をウェットエッチングで、下部膜をドライエッチングで順次にパターニングするか、または二つの膜を全てウェットエッチングでパターニングして、複数のソース電極173を各々含む複数のデータ線171と複数のドレイン電極175とを形成する。下部膜171pがモリブデンまたはモリブデン合金膜である場合には、上部膜171qと一つのエッチング条件でパターニングすることができる。
【0211】
次に、データ線171、ドレイン電極175で覆われずに露出された不純物半導体160部分を除去することによって、複数のオーミックコンタクト部材160を完成する一方、その下の真性半導体150部分を露出させる。露出された真性半導体150部分の表面を安定化させるために、酸素プラズマを次いで実施することが好ましい。
【0212】
次に、図41A及び図41Bに示すように、保護膜180を積層し、その上に感光膜をコーティングした後、フォトマスクを通じて感光膜に光を照射した後に現像する。その後、アッシング工程などエッチング段階を通じて複数のコンタクトホール182、185、189を形成する。このような部分の除去はドライエッチングで行い、ゲート絶縁膜140と保護膜180に対して実質的に同一のエッチング比を有するエッチング条件で実施する。
【0213】
次に、図36及び図42に示したように、IZOを蒸着してフォトエッチングし、ドレイン電極上に形成されるコンタクトホール185を通じてドレイン電極175と接続される画素電極901と、ゲート線121及びデータ線171の拡張部125、179上に形成されるコンタクトホール182、189を通じてデータ線の拡張部125とゲート線の拡張部179と各々接続されるコンタクト補助部材906、908の下部層906p、908pとを形成する。IZOを積層する前の予熱工程で用いる気体は窒素が好ましい。これは、コンタクトホール182、185、189を通じて露出されている金属膜125、175、179の上部に金属酸化膜が形成されることを防止するためである。
【0214】
以上のように、画素電極901をIZOを用いて形成すれば、フォトエッチングの際にクロム、アルミニウムなどのエッチング剤を使用することができるので、下部配線の損傷が減少するという長所がある。しかし、ゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と各々接続されるコンタクト補助部材906、908をIZOで形成した場合には、グロステスト(Gross Test;GT)段階でコンタクト補助部材906、908のC、Si成分が探針の表面に吸着されることによって、検査を難しくする問題点がある。
【0215】
これを防止するために、本発明では、図36及び図37に示したように、IZOで形成したコンタクト補助部材の下部層906p、908p上にだけITOを別途に蒸着する。
【0216】
以下、IZOで形成したコンタクト補助部材の下部層906p、908pにだけITOを別途に蒸着する段階について、詳細に説明する。
【0217】
図43には、図36及び図42に示されているように、IZOだけで形成された画素電極901とコンタクト補助部材の下部層906p、908pとが形成されている薄膜トランジスタ表示板100に、共通電極270、カラーフィルター230及びブラックマトリックス220が形成されているカラーフィルター基板200を付着させた液晶表示装置を示した。
【0218】
図43に示されているように、IZOだけで形成された画素電極901及び保護膜180上に、液晶の配向を決定する配向膜11を形成する。そして、配向膜11上に液晶表示装置のセルギャップを維持するためのスペーサ320を形成する。そして、薄膜トランジスタ表示板の枠組みにシール材310を形成する。ここで、シール材310は、液晶を滴下する方式の場合には、閉曲線をなすように形成し、薄膜トランジスタ表示板とカラーフィルター表示板とを結合した後に注入する方式の場合には、注入口を設けなければならないので開曲線で形成する。
【0219】
液晶を滴下する方式の場合には、シール材310が取囲む空間に液晶を滴下して満たし、カラーフィルター表示板200を結合する。
【0220】
液晶を後で注入する方式の場合には、薄膜トランジスタ表示板とカラーフィルター表示板とを結合して、その間に液晶が注入される空間を形成した後、液晶を注入し、液晶注入口を密封する。
【0221】
シール材310の外部には、薄膜トランジスタ表示板に形成されている配線からカラーフィルター表示板の共通電極270に共通電位を印加するための短絡60を形成する。
【0222】
次に、図44に示されているように、上記の製造された液晶表示装置のゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と各々接続されるコンタクト補助部材906p、908p上にだけ別途のITO層906q、908qを形成する。
【0223】
このために、図45に示されているように、シャドーマスク(Shadow mask)5を用いて蒸発蒸着(Evaporation)する方法によって、ITO層906q、908qをIZOからなるコンタクト補助部材の下部層906p、908p上に形成する。
【0224】
蒸発蒸着は、薄膜で蒸着される物質を蒸発させることで基板に蒸着させる方法であって、熱的加熱によって蒸発させたり、電子ビームで加熱して蒸発させたりする方法などがある。
【0225】
物質にプラズマ状態のイオン衝撃を与えて基板に蒸着させるスパッタリングとは異なって、蒸発蒸着は低真空でも可能であり、高いエネルギーが要求されないという長所がある。また、シャドーマスクを用いて選択的に必要な部分にだけ蒸着することができるという長所がある。
【0226】
このような蒸発蒸着方法は、薄膜トランジスタ表示板100及びカラーフィルター基板200を付着させ、その間に液晶を注入して液晶パネルを形成し、大型基板をセル単位で切断した後に実施する。つまり、モジュール工程以前のビジュアルテストを進行する前に実施することが好ましい。
【0227】
蒸発蒸着方法によってITO層をIZOで形成されたコンタクト補助部材に形成する工程は、大型基板をセル単位で切断した後に、シャドーマスクを用いてコンタクト補助部材の部分だけを選択的に蒸着するため、基板の大型化にも柔軟に対応可能であるという長所がある。
【0228】
シャドーマスク5は、IZOで形成されたコンタクト補助部材の下部層906p、908pが形成されている部分だけが露出されるように、ボンディングパッドに対応する部分が切開されている。つまり、シャドーマスク5は、ゲート線の拡張部125と接続されるコンタクト補助部材の下部層906pに対応する部分であるゲート切開部5aと、データ線の拡張部179と接続されるコンタクト補助部材の下部層908pに対応する部分であるデータ切開部5bとを含む。
【0229】
従って、コンタクト補助部材906、908は、下部層906p、908pがIZOであり、上部層906q、908qがITOである二重層となるため、グロステストの際に探針とコンタクト補助部材の上層であるITO906q、908qが接触されるので、グロステストの際に探針に異物がつかない。
【0230】
一方、このような発明の核心は有機ELディスプレイにも適用可能であり、以下に有機ELディスプレイでの実施形態について説明する。有機ELディスプレイに対する内容は2つの実施形態に分けて記述し、図46から図62Bまでの図面と、図63から図67までの図面に各々示されている。実施形態を説明するに当たって、非晶質シリコンを薄膜トランジスタの半導体として用いる有機発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板を例に挙げて説明する。
【0231】
図46は本発明の他の実施形態による有機発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図47及び図48は各々図46のXLVII−XLVII´線及びXLVIII-XLVIII´線による断面図であり、図49及び図50は図46のXLIX−XLIX´線及びL−L´線による断面図である。
【0232】
絶縁基板110上にゲート信号を伝達する複数のゲート線121が形成されている。ゲート線121は主に横方向に延在しており、各ゲート線121の一部は突出して複数の第1ゲート電極124aをなす。また、ゲート線121と同一層で第2ゲート電極124bが形成されており、第2ゲート電極124bには縦方向に延在した蓄積電極133が接続されている。
【0233】
ゲート線121、第1及び第2ゲート電極124a、124b、及び蓄積電極133は物理的性質が異なる二つの膜を含むようにしてもよい。一つの導電膜はゲート信号の遅延や電圧降下を減らすことができるように低い比抵抗の金属、例えば、アルミニウム(Al)やアルミニウム合金などアルミニウム系金属からなることが好ましい。これとは異なって、他の導電膜は、他の物質、特にIZOまたはITOとの物理的、化学的、電気的コンタクト特性に優れた物質、例えば、モリブデン(Mo)、モリブデン合金[例:モリブデン−タングステン(MoW)合金]、クロム(Cr)などからなることが好ましい。下部膜と上部膜の組み合わせの例としては、クロム/アルミニウム−ネオジム(Nd)合金がある。
【0234】
ゲート線121と蓄積電極133の側面は傾斜しており、傾斜角は基板110に対して30〜80度をなす。
【0235】
ゲート線121上には窒化ケイ素(SiNx)などからなるゲート絶縁膜140が形成されている。
【0236】
ゲート絶縁膜140上部には、水素化非晶質シリコン(非晶質シリコンは、略してa−Siと記す。)などからなる複数の線状半導体151と島型半導体154bとが形成されている。線状半導体151は主に縦方向に延在しており、これから複数の突出部が第1ゲート電極124aに向かってのび出て、第1ゲート電極124aと重畳する第1チャネル部154aをなしている。また、線状半導体151は、ゲート線121と合う地点付近で幅が拡張されている。島型半導体154bは、第2ゲート電極124bと交差する第2チャネル部を含み、蓄積電極133と重畳する蓄積電極部157を有する。
【0237】
第1半導体151及び第2半導体154bの上部には、シリサイドまたはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質で作られた複数の線状及び島型オーミックコンタクト部材161、165a、163b、165bが形成されている。線状コンタクト部材161は複数の突出部163aを有しており、この突出部163aと島型コンタクト部材165aとは対をなして第1半導体151の突出部154a上に位置する。また、島型コンタクト部材163b、165bは第2ゲート電極124bを中心に対向して対をなし、第2半導体154bの上部に位置する。
【0238】
半導体151、154bとオーミックコンタクト部材161、165a、163b、165bとの側面も傾斜しており、傾斜角は30〜80度である。
【0239】
オーミックコンタクト部材161、165a、163b、165b及びゲート絶縁膜140上には各々複数のデータ線171、複数の第1ドレイン電極175a、複数の電源線172、及び第2ドレイン電極175bが形成されている。
【0240】
データ線171及び電源線172は、主に縦方向に延在してゲート線121と交差し、データ電圧と電源電圧とを各々伝達する。各データ線171から第1ドレイン電極175aに向かって延在した複数の枝が第1ソース電極173aをなし、各電源線172から第2ドレイン電極175bに向かって延在した複数の枝が第2ソース電極173bをなす。一対の第1及び第2ソース電極173a、173bと第1及び第2ドレイン電極175a、175bとは互いに分離されており、各々第1及び第2ゲート電極124a、124bに対して互いに反対側に位置する。
【0241】
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a及び第1ドレイン電極175aは、線状半導体151の突出部154aと共にスイッチング薄膜トランジスタをなし、第2ゲート電極124b、第2ソース電極173b及び第2ドレイン電極175bは、島型半導体154bと共に駆動薄膜トランジスタをなす。このとき、電源線172は島型半導体154bの蓄積電極部157と重畳する。
【0242】
データ線171、第1及び第2ドレイン電極175a、175b、及び電源線172は、モリブデン(Mo)、モリブデン合金を含むが、二重膜または三重膜の構造である場合にアルミニウム系の導電膜を含むようにしてもよい。二重膜の場合、アルミニウム系の導電膜はモリブデン系の導電膜下部に位置することが好ましく、三重膜の場合には、アルミニウム系の導電膜が中間層に位置することが好ましい。
【0243】
データ線171、第1及び第2ドレイン電極175a、175b及び電源線172も、ゲート線121と同様にその側面が約30〜80度の角度で傾斜している。
【0244】
オーミックコンタクト部材161、163b、165a、165bは、その下部の第1半導体151及び第2半導体154bと、その上部のデータ線171、第1ドレイン電極175a、175b、電源線172との間にだけ存在し、コンタクト抵抗を低くする役割を果たす。線状半導体151は、第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aとの間をはじめとして、データ線171及び第1ドレイン電極175aで覆われずに露出された部分を有しており、大部分の所では線状半導体151の幅がデータ線171の幅より小さいが、前述のようにゲート線121と合う部分で幅が大きくなって、ゲート線121による段差部分でデータ線171が断線することを防止する。
【0245】
データ線171、第1及び第2ドレイン電極175a、175b、電源線172、及び露出された半導体151、154b部分の上には、平坦化特性に優れていて感光性を有する有機物質、またはプラズマ化学気相蒸着によって形成されるa−Si:C:O、a−Si:O:Fなどの低誘電率絶縁物質などからなる保護膜180が形成されている。
【0246】
保護膜180を有機物質で形成する場合には、半導体151及び第2半導体154bが露出された部分に有機物質が直接接触することを防止するために、有機膜の下部に窒化ケイ素または酸化ケイ素からなる無機絶縁膜を追加的に形成するようにしてもよい。
【0247】
保護膜180には、第1ドレイン電極175a、第2ゲート電極124b、第2ドレイン電極175b、及びゲート線の拡張部125とデータ線の拡張部179を各々露出する複数のコンタクトホール185、183、181、182、189が形成されている。
【0248】
ここで、保護膜180に形成されているデータ線171及びゲート線121の拡張部125、179を露出するコンタクトホール182、189は、外部の駆動回路出力端とデータ線171及びゲート線121の拡張部125、179とを接続するためのものである。このとき、駆動回路出力端とゲート線121及びデータ線171の拡張部125、179との間には異方性導電フィルムが設けられ、物理的接着と電気的接続を図る。しかし、基板110の上部に駆動回路を直接形成する場合には、ゲート線121とデータ線171とは駆動回路の出力端と接続された状態で形成されるので、別途のコンタクトホールは要しない。場合によっては、ゲート駆動回路は基板110に直接形成し、データ駆動回路は別途のチップ形態で実装することもできるが、この場合にはデータ線171の拡張部179を露出するコンタクトホール189だけを形成する。
【0249】
コンタクトホール185、183、181、182、189は、第1及び第2ドレイン電極175a、175b、第2ゲート電極124b、及びゲート線の拡張部125とデータ線の拡張部179とを露出するが、コンタクトホール185、183、181、182、189では後で形成される導電膜とのコンタクト特性を確保するために、アルミニウム系の導電膜が露出されないことが好ましく、露出される場合には全面エッチングを通じて除去することが好ましい。
【0250】
保護膜180上には、複数の画素電極901、複数の接続部材902、及び複数のコンタクト補助部材906、908が形成されている。
【0251】
画素電極901は、コンタクトホール185を通じて第2ドレイン電極175bと各々物理的・電気的に接続されており、接続部材902はコンタクトホール181、183を通じて第1ドレイン電極175aと第2ゲート電極124bを接続する。コンタクト補助部材906、908は、コンタクトホール182、189を通じてゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179に各々接続されている。
【0252】
画素電極901、接続部材902及びコンタクト補助部材906、908は、IZO層901p、902p、906p、908pとITO層901q、902q、906q、908qとの二重層からなっており、好ましくは、画素電極901、接続部材902及びコンタクト補助部材906、908の下部がIZO層901p、902p、906p、908pであり、上部がITO層901q、902q、906q、908qである。
【0253】
保護膜180上部には、有機絶縁物質または無機絶縁物質からなっていて、有機発光セルを分離させるための隔壁803が形成されている。隔壁803は画素電極901の周縁周辺を囲んで有機発光層70が満たされる領域を限定している。
【0254】
隔壁803に囲まれた画素電極901上の領域には有機発光層70が形成されている。有機発光層70は赤色、緑色、青色のうちのいずれか一つの光を発する有機物質からなり、赤色、緑色及び青色の有機発光層70が順に反復的に配置されている。
【0255】
隔壁803上には、隔壁803と同一の模様のパターンからなっていて、金属のように低い比抵抗を有する導電物質からなる補助電極272が形成されている。補助電極272は、以後に形成される共通電極270と接触して、共通電極270の抵抗を減少させる役割を果たす。
【0256】
隔壁803、有機発光層70及び補助電極272上には共通電極270が形成されている。共通電極270はアルミニウムなどの低抵抗金属からなる。ここでは、背面発光型有機発光表示装置を例示しているが、前面発光型有機発光表示装置、または両面発光型有機発光表示装置の場合には、共通電極270をITOまたはIZOなどの透明な導電物質で形成する。
【0257】
図46乃至図50に示した有機発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する方法について、図51乃至図62B及び図46乃至図50を参照して詳細に説明する。
【0258】
図51、図53、図55、図57、図59、図61は、図46乃至図50の薄膜トランジスタ表示板の製造方法における中間段階を示した配置図であり、図52A、図52B及び図52Cは、図51のLIIa−LIIa´線、LIIb−LIIb´線及びLIIc−LIIc´線による断面図であり、図54A、図54B及び図54Cは、図53のLIVa−LIVa´線、LIVb−LIVb´線及びLVIc−LVIc´線による断面図であり、図56A、図56B、図56C及び図56Dは、図55のLVIa−LVIa´線、LVIb−LVIb´線、LVIc-LVIc´線及びLVId-LVId´線による断面図であり、図58A、図58B、図58C及び図58Dは、図57のLVIIIa−LVIIIa´線、LVIIIb−LVIIIb´線、LVIIIc−LVIIIc´線及びLVIIId−LVIIId´線による断面図であり、図60A、図60B、図60C及び図60Dは、図59のLXa−LXa´線、LXb−LXb´線、LXc−LXc´線及びLXd−LXd´線による断面図であり、図62A及び図62Bは、図61のLXIIa−LXIIa´線及びLXIIb−LXIIb´線による断面図である。
【0259】
まず、図51乃至図52Cに示すように、透明なガラスなどからなる絶縁基板110上にゲート用導電物質を積層し、感光膜パターンを用いたフォトエッチング工程でパターニングして、複数の第1ゲート電極124aを含むゲート線121と第2ゲート電極124b及び蓄積電極133とを形成する。
【0260】
次に、図53乃至図54Cに示したように、ゲート絶縁膜140、真性非晶質シリコン層、不純物非晶質シリコン層の3層膜を連続して積層し、不純物非晶質シリコン層と真性非晶質シリコン層とをフォトエッチングして、複数の線状不純物半導体164と複数の突出部154とを各々含む第1半導体151及び第2半導体154bを形成する。ゲート絶縁膜140の材料としては窒化ケイ素が良く、積層温度は250〜500℃、厚さは200〜500nm程度が好ましい。
【0261】
次に、図55乃至図56Dに示したように、アルミニウム、またはアルミニウム合金、またはクロム、またはモリブデン、またはモリブデン合金を含む導電膜を単一膜または多層膜で積層して、その上部に感光膜を形成し、これをエッチングマスクで導電膜をパターニングして、複数の第1ソース電極173aを有する複数のデータ線171、複数の第1及び第2ドレイン電極175a、175b、及び複数の第2ソース電極173bを有する電源線172を形成する。
【0262】
次に、データ線171、電源線72及び第1及び第2ドレイン電極175a、175bの上部の感光膜を除去するか、またはそのまま置いた状態で、露出された不純物半導体164の部分を除去することによって、複数の突出部163aを各々含む複数の線状オーミックコンタクト部材161と複数の島型オーミックコンタクト部材165a、165b、163bとを完成する一方、その下の線状真性半導体151及び島型真性半導体154bの一部分を露出させる。
【0263】
次に、真性半導体151、154bの露出された表面を安定化させるために、酸素プラズマを次いで実施することが好ましい。
【0264】
次に、図57乃至図58Dに示したように、有機絶縁物質または無機絶縁物質を塗布して保護膜180を形成し、フォト工程でドライエッチングして複数のコンタクトホール189、185、183、181、182を形成する。コンタクトホール181、182、185、183、189は第1及び第2ドレイン電極175a、175b、第2ゲート電極124bの一部、ゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179を露出する。
【0265】
次に、図59乃至図60Dに示したように、前記の画素電極901、接続部材902及びコンタクト補助部材906、908は、IZO層とITO層との二重層で形成し、下層はIZO層901p、902p、906p、908pで、上層はITO層901q、902q、906q、908qで形成する。
【0266】
次に、図36乃至図37Bに示したように、一つのマスクを用いたフォトエッチング工程で隔壁803と補助電極272とを形成し、図23乃至図25に示したように、有機発光層70と共通電極270とを形成する。
【0267】
上述した一実施形態とは異なって、画素電極901と接続部材902とを単一層で形成し、コンタクト補助部材906、908のみを二重層で形成することもできる。このように、コンタクト補助部材906、908のみを二重層で形成した有機ELディスプレイを構成する薄膜トランジスタ表示板についても、以下で説明する。
【0268】
図63は本発明の他の実施形態による有機発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図であり、図64及び図65は図63の薄膜トランジスタ表示板のLXIV−LXIV´線及びLXV−LXV´線による断面図であり、図66及び図67は図63の薄膜トランジスタ表示板のLXVI−LXVI´線及びLXVII−LXVII´線による断面図である。
【0269】
図63から図67に示された実施形態は、図46乃至図50に示された実施形態と、画素電極901と接続部材902の部分を除いてはほとんど同一の構造を有する。
【0270】
図63乃至図67に示された有機発光表示装置は、保護膜180上に形成される複数の画素電極901及び複数の接続部材902が二重層構造を有せず、単一層で形成される。従って、前記画素電極901と接続部材902とは、ITOまたはIZOで形成される単一層の構造を有する。前記画素電極901はコンタクトホール185を通じて第2ドレイン電極175bと各々物理的・電気的に接続されており、接続部材902は第1ドレイン電極175aと第2ゲート電極124bを接続するという点は、図46乃至図50の実施形態と同一である。
【0271】
図66と図67とに示されているように、本実施形態では、保護膜180がゲート線の拡張部125とデータ線の拡張部179とを露出するコンタクトホール182、189を有し、前記コンタクトホール182、189を通じてゲート線の拡張部125及びデータ線の拡張部179と接続されるようにコンタクト補助部材906、908が形成されている。ここで、前記コンタクト補助部材906、908はIZO層とITO層との二重層で形成し、下層はIZO層906p、908pからなり、上層はITO層906q、908qからなっている。
【0272】
一方、このような発明の核心は多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ表示板にも適用可能であり、以下に多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ表示板における実施形態について説明する。本多結晶シリコンの場合は、既存の非晶質シリコンの場合と大きく異ならないので、構造を中心に説明する。
【0273】
図68は本発明の他の実施形態による多結晶シリコン薄膜トランジスタ表示板の配置図であり、図69、図70及び図71は各々図68のLXIX−LXIX´線、LXX−LXX´線及びLXXI−LXXI´線による断面図である。
【0274】
絶縁基板110上に酸化ケイ素または窒化ケイ素からなる遮断層111が形成されており、遮断層111上にソース領域153、ドレイン領域155及びチャネル領域154が含まれた多結晶シリコン層150が形成されている。ここで、遮断層111は絶縁基板110と多結晶シリコン層150との接着性を向上させ、絶縁基板110内部に存在する導電性不純物が多結晶シリコン層150に拡散することを防止する役割を果たす。
【0275】
多結晶シリコン層150を含む基板110上にはゲート絶縁膜140が形成されている。そして、ゲート絶縁膜140上には一方向に長いゲート線121が形成されており、ゲート線121の一部が延長されて多結晶シリコン層150のチャネル領域154と重畳しており、重畳するゲート線121の一部分は薄膜トランジスタのゲート電極124として用いられる。そして、ソース領域153とチャネル領域154との間のドレイン領域155とチャネル領域154との間には、低濃度のドーピング領域152が形成されている。
【0276】
また、画素の蓄積容量を増加させるための蓄積電極線131が、ゲート線121と平行して、同一物質で同一層に形成されている。多結晶シリコン層150と重畳する蓄積電極線131の一部分は蓄積電極133となり、蓄積電極133と重畳する多結晶シリコン層150は蓄積電極領域157となる。ゲート線121の一側拡張部125は外部回路と接続するためにゲート線121の幅より広く形成されていることがある。つまり、ゲート線121の拡張部125は外部の回路との接触のために形成されるが、上記の拡張部125なしで直ちに回路と接続される実施形態の場合には、前記拡張部125は形成しない。
【0277】
ゲート線121及び蓄積電極線131が形成されているゲート絶縁膜140上に層間絶縁膜601が形成されている。層間絶縁膜601は、ソース領域153とドレイン領域155とを各々露出する第1及び第2コンタクトホール183、184を含んでいる。
【0278】
層間絶縁膜601上にゲート線121と交差して画素領域を定義するデータ線171が形成されている。データ線171の一部分または分岐型の部分は、第1コンタクトホール183を通じてソース領域153と接続されており、ソース領域153と接続されている部分173は、薄膜トランジスタのソース電極として用いられる。データ線171の一側拡張部179は外部回路と接続するためにデータ線171の幅より広く形成されている。
【0279】
そして、データ線171と同一層には、ソース電極173と一定の距離が離れて形成されていて、第2コンタクトホール184を通じてドレイン領域155と接続されているドレイン電極175が形成されている。
【0280】
ドレイン電極175及びデータ線171を含む第1層間絶縁膜601上に第2層間絶縁膜602が形成されている。第2層間絶縁膜602はドレイン電極175を露出する第3コンタクトホール185を有する。
【0281】
第2層間絶縁膜602上には第3コンタクトホール185を通じてドレイン電極175と接続されている画素電極901が形成されている。
【0282】
前記画素電極は下部膜901p及び上部膜901qの二重層からなっており、画素電極901の下部膜901pはIZOで形成され、その上部に位置した上部膜901qはITOで形成されている。
【0283】
一方、ゲート線121の拡張部125とデータ線171の拡張部179との上部には、図70及び図71に示されているように、コンタクト補助部材906、908が形成される。まず、ゲート線121の拡張部125は、基板110及び遮断層111の上に形成されたゲート絶縁膜140上に形成され、その上に第1層間絶縁膜601と第2層間絶縁膜602とが形成される。前記第1及び第2層間絶縁膜601、602にはゲート線121の拡張部125を露出させる第4コンタクトホール182が形成され、前記第4コンタクトホール182を通じてゲート線121の拡張部125と接触するコンタクト補助部材906が形成される。
【0284】
また、データ線171の拡張部179は、基板110、遮断層111、ゲート絶縁膜140及び第1層間絶縁膜601上に形成され、データ線171の拡張部179を覆う第2層間絶縁膜602がデータ線171の拡張部179上に形成される。前記第2層間絶縁膜602はデータ線171の拡張部179を露出させる第5コンタクトホール189を有し、前記第5コンタクトホール189を通じてコンタクト補助部材908がゲート線171の拡張部179と接触する。
【0285】
前記コンタクト補助部材906、908は、下部膜906p、908p及び上部膜906q、908qの二重層からなっており、コンタクト補助部材906、908の下部膜906p、908pはIZOで形成され、その上部に位置した上部膜906q、908qはITOで形成されている。
【0286】
上述のように、本実施形態による多結晶シリコンで形成された薄膜トランジスタ表示板において、画素電極901とコンタクト補助部材906、908とは全て二重層で形成されているが、画素電極901だけ二重層で形成されるか、またはコンタクト補助部材906、908だけ二重層で形成される実施形態も可能であり、コンタクト補助部材906、908のうちのゲート線121の拡張部125の上部に形成されるコンタクト補助部材906は、ゲート線の拡張部125を形成しない実施形態では、コンタクト補助部材906も形成しない。
【0287】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるわけではなく、添付した特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【0288】
本発明によれば、画素電極をIZOとITOとの二重層で形成することによって、エッチング過程で下部配線が損傷されることを防止し、グロステストの際に探針に異物がつくことを防止することができる。また、コンタクト補助部材のみをIZOとITOの二重層で形成することによって、グロステストの際に探針に異物がつくことを防止することができ、ITOの使用を減らすことによって、製造単価を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0289】
【図1】本発明の一実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図2】図1のII−II線による断面図である。
【図3A】図1及び図2の液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である
【図3B】図3AのIIIb−IIIb´線による断面図である。
【図4A】図1及び図2の液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図4B】図4AのIVb−IVb´線による断面図であって、図3Bの次の段階を示した断面図である。
【図5A】図1及び図2の液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図5B】図5AのVb−Vb´線による断面図であって、図4Bの次の段階を示した断面図である。
【図6A】図1及び図2の液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図6B】図6AのVIb−VIb´線による断面図であって、図5Bの次の段階を示した断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図8】各々図7のVII−VII´線及びIX−IX´線による断面図である。
【図9】各々図7のVII−VII´線及びIX−IX´線による断面図である。
【図10A】図7乃至図9に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図10B】図10AのXb−Xb´線による断面図である。
【図10C】図10AのXc−Xc´線による断面図である。
【図11A】図10AのXb−Xb´線による断面図であって、図10Bの次の段階での断面図である。
【図11B】図10AのXc−Xc´線による断面図であって、図10Cの次の段階での断面図である。
【図12A】図11A及び11Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図12B】各々図12AのXIIb−XIIb´線による断面図である。
【図12C】各々図12AのXIIc−XIIc´線による断面図である。
【図13A】図12AのXIIb−XIIb´線による断面図であって、図12Bの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図13B】図12AのXIIc−XIIc´による断面図であって、図12Cの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図14A】図12AのXIIb−XIIb´線による断面図であって、図12Bの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図14B】図12AのXIIc−XIIc´による断面図であって、図12Cの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図15A】図12AのXIIb−XIIb´線による断面図であって、図12Bの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図15B】図12AのXIIc−XIIc´による断面図であって、図12Cの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図16A】図15Aの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の断面図である。
【図16B】図15Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の断面図である。
【図17A】図16A及び図16Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図17B】図17AのXVIIb−XVIIb´線による断面図である。
【図17C】図17AのXVIIc−XVIIc´線による断面図である。
【図18】本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図19】図18に示した薄膜トランジスタ表示板のXIX−XIX´線による断面図である。
【図20A】図18及び図19に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図20B】図20AのXXb−XXb´線による断面図である。
【図21A】図20Aの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図21B】図21AのXXIb−XXIb´線による断面図である。
【図22A】図21Aの段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図22B】図22AのXXIIb−XXIIb´線による断面図である。
【図23A】図22Aの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図23B】図23AのXXIIIb−XXIIIb´線による断面図である。
【図24A】図23Aの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図24B】図24AのXXIVb−XXIVb´線による断面図である。
【図25】本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図26】図25のXXVI−XXVI´線による断面図である。
【図27】図25のXXVII−XXVII´線による断面図である。
【図28A】図25乃至図27に示した薄膜トランジスタ表示板を製造する第1段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図28B】図28AのXXVIIIb−XXVIIIb´線による断面図である。
【図28C】図28AのXXVIIIc−XXVIIIc´線による断面図である。
【図29A】図28AのXXVIIIb−XXVIIIb´線による断面図であって、図28Bの次の段階での断面図である。
【図29B】図28AのXXVIIIc−XXVIIIc´線による断面図であって、図28Cの次の段階での断面図である。
【図30A】図29A及び29Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図30B】図30AのXXXb−XXXb´線による断面図である。
【図30C】図30AのXXXc−XXXc´線による断面図である。
【図31A】図30AのXXXb−XXXb´線による断面図であって、図30Bの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図31B】図30AのXXXc−XXXc´線による断面図であって、図30Cの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図32A】図30AのXXXb−XXXb´線による断面図であって、図30Bの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図32B】図30AのXXXc−XXXc´線による断面図であって、図30Cの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図33A】図30AのXXXb−XXXb´線による断面図であって、図30Bの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図33B】図30AのXXXc−XXXc´線による断面図であって、図30Cの次の段階を工程順序に沿って示したものである。
【図34A】図33A及び33Bの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図34B】図34AのXXXIVb−XXXIVb´線による断面図である。
【図34C】図34AのXXXIVc−XXXIVc´線による断面図である。
【図35A】図34A乃至図34Cの次の段階での薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図35B】図35AのXXXVb−XXXVb´線による断面図である。
【図35C】図35AのXXXVc−XXXVc´線による断面図である。
【図36】本発明の他の実施形態による液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図37】図36のXXXVII−XXXVII´線による断面図である。
【図38A】図36及び図37に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図38B】図38AのXXXVIIIb−XXXVIIIb´線による断面図である。
【図39A】図36及び図37に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図39B】図39AのXXXIXb−XXXIXb´線による断面図であって、図38Bの次の段階を示した断面図である。
【図40A】図36及び図37に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図40B】図40AのXLb−XLb´線による断面図であって、図39Bの次の段階を示した断面図である。
【図41A】図36及び図37に示した液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板を製造する中間過程をその工程順序に沿って示した薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図41B】図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図40Bの次の段階を示した断面図である。
【図42】図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図41の次の段階を示した断面図である。
【図43】図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図42の次の段階でカラーフィルター表示板が結合された状態を示した断面図である。
【図44】図41AのXLIb−XLIb´線による断面図であって、図43の次の段階を示した断面図である。
【図45】図44に示した液晶表示装置を製造するためのシャドーマスクを示した図面である。
【図46】本発明の他の実施形態による有機発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図47】図46のXLVII−XLVII´線による断面図である。
【図48】図46のXLVIII−XLVIII´線による断面図である。
【図49】図46のXLIX−XLIX´線による断面図である。
【図50】図46のL−L´線による断面図である。
【図51】図46乃至図50の薄膜トランジスタ表示板の製造方法における中間段階を示した配置図である。
【図52A】図51のLIIa−LIIa´線による断面図である。
【図52B】図51のLIIb−LIIb´線による断面図である。
【図52C】図51のLIIc−LIIc´線による断面図である。
【図53】図46乃至図50の薄膜トランジスタ表示板の製造方法における中間段階を示した配置図である。
【図54A】図53のLIVa−LIVa´線による断面図である。
【図54B】図53のLIVb−LIVb´線による断面図である。
【図54C】図53のLVIc−LVIc´線による断面図である。
【図55】図46乃至図50の薄膜トランジスタ表示板の製造方法における中間段階を示した配置図である。
【図56A】図55のLVIa−LVIa´線による断面図である。
【図56B】図55のLVIb−LVIb´線による断面図である。
【図56C】図55のLVIc−LVIc´線による断面図である。
【図56D】図55のVId-LVId´線による断面図である。
【図57】図46乃至図50の薄膜トランジスタ表示板の製造方法における中間段階を示した配置図である。
【図58A】図57のLVIIIa−LVIIIa´線による断面図である。
【図58B】図57のLVIIIb−LVIIIb´線による断面図である。
【図58C】図57のLVIIIc−LVIIIc´線による断面図である。
【図58D】図57のLVIIId−LVIIId´線による断面図である。
【図59】図46乃至図50の薄膜トランジスタ表示板の製造方法における中間段階を示した配置図である。
【図60A】図59のLXa−LXa´線による断面図である。
【図60B】図59のLXb−LXb´線による断面図である。
【図60C】図59のLXc−LXc´線による断面図である。
【図60D】図59のLXd-LXd´線による断面図である。
【図61】図46乃至図50の薄膜トランジスタ表示板の製造方法における中間段階を示した配置図である。
【図62A】図61のLXIIa-LXIIa´線による断面図である。
【図62B】図61のLXIIb-LXIIb´線による断面図である。
【図63】本発明の他の実施形態による有機発光表示装置用薄膜トランジスタ表示板の構造を示した配置図である。
【図64】図63の薄膜トランジスタ表示板のLXIV−LXIV´線による断面図である。
【図65】図63の薄膜トランジスタ表示板のLXV−LXV´線による断面図である。
【図66】図63の薄膜トランジスタ表示板のLXVI−LXVI´線による断面図である。
【図67】図63の薄膜トランジスタ表示板のLXVII−LXVII´線による断面図である。
【図68】本発明の他の実施形態による多結晶シリコン薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【図69】図68のLXIX−LXIX´線による断面図である。
【図70】図68のLXX-LXX´線による断面図である。
【図71】図68のLXXI−LXXI´線による断面図である。
【符号の説明】
【0290】
110 絶縁基板
124 ゲート電極
131 蓄積電極線
140 ゲート絶縁膜
150 真性非晶質シリコン層
160 不純物非晶質シリコン層
170 導電体層
173 ソース電極
175 ドレイン電極
177 ストレージキャパシタ用導電体
180 保護膜
182、185、187、189 コンタクトホール
901 画素電極
906、908 コンタクト補助部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
前記絶縁基板上に形成されている第1信号線と、
前記第1信号線上に形成されている第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成されていて、前記第1信号線と交差している第2信号線と、
前記第1信号線及び前記第2信号線と電気的に接続されている薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成されていて、前記薄膜トランジスタの所定電極を露出させる第1コンタクトホールを有する第2絶縁膜と、
前記第2絶縁膜上に形成されており、前記第1コンタクトホールを通じて前記薄膜トランジスタの所定電極と接続されていて、IZO層とITO層との二重層からなっている画素電極と、
を有する薄膜トランジスタ表示板。
【請求項2】
前記画素電極をなすIZO層は50nmから150nmの間の厚さを有し、前記ITO層は5nmから25nmの間の厚さを有する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項3】
前記画素電極をなすIZO層の厚さは90nmであり、前記ITO層の厚さは20nmである、請求項2に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項4】
前記第1信号線と前記第2信号線とが交差して定義される画素領域に各々形成されており、前記第2絶縁膜によって覆われているカラーフィルターをさらに有する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項5】
前記第2絶縁膜は、前記第1信号線の拡張部を露出する第2コンタクトホールと、前記第2信号線の拡張部を露出する第3コンタクトホールとをさらに有し、
前記第2コンタクトホールを通じて第1信号線の拡張部と接続される第1コンタクト補助部材と、
前記第3コンタクトホールを通じて第2信号線の拡張部と接続される第2コンタクト補助部材とをさらに有する、請求項1に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項6】
前記第1コンタクト補助部材と前記第2コンタクト補助部材は、IZO層とITO層との二重層で形成されている、請求項5に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項7】
絶縁基板上に形成されていて、ゲート電極を含むゲート線と、
ゲート線を覆っているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体と、
前記ゲート線と交差して画素領域を定義し、ソース電極を含むデータ線と、
前記半導体上に前記ソース電極と所定間隔を置いて対向しているドレイン電極と、
前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有する保護膜と、
前記保護膜上部に形成されていて、前記第1コンタクトホールを通じて前記ドレイン電極と接続されているIZO層及びITO層の二重層で形成されている画素電極と、
を有する薄膜トランジスタ表示板。
【請求項8】
前記データ線は、前記ゲート線または前記ゲート線と同一層に形成されている蓄積電極線と重畳してストレージキャパシタを形成するストレージキャパシタ用導電体をさらに有する、請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項9】
前記ストレージキャパシタ用導電体は前記ドレイン電極と接続されている、請求項8に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項10】
前記保護膜は、アクリル系の有機物質または4.0以下の誘電率を有する化学気相蒸着膜からなる、請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項11】
前記ソース電極と前記ドレイン電極とが対向している所定間隔がなしているチャネル部を除いて、前記半導体は前記データ線と同一形状で形成されている、請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項12】
前記画素領域に各々形成されており、前記保護膜によって覆われているカラーフィルターをさらに含む、請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項13】
前記画素電極をなすIZO層は50nmから150nmの間の厚さを有し、前記ITO層は5nmから25nmの間の厚さを有する、請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項14】
前記画素電極をなすIZO層の厚さは90nmであり、前記ITO層の厚さは20nmである、請求項13に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項15】
前記保護膜は、前記ゲート線の拡張部を露出する第2コンタクトホールと、前記データ線の拡張部を露出する第3コンタクトホールをさらに有し、
前記第2コンタクトホールを通じてゲート線の拡張部と接続される第1コンタクト補助部材と、
前記第3コンタクトホールを通じてデータ線の拡張部と接続される第2コンタクト補助部材とをさらに有する、請求項7に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項16】
前記第1コンタクト補助部材と前記第2コンタクト補助部材は、IZO層とITO層との二重層で形成されている、請求項15に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項17】
絶縁基板上にゲート線及び前記ゲート線と接続されているゲート電極を含むゲート線を形成し、
ゲート絶縁膜を形成し、
半導体を形成し、
導電物質を積層しパターニングして、前記ゲート線と交差して前記ゲート電極に隣接するソース電極を含むデータ線、及び前記ゲート電極に対して前記ソース電極の対向側に位置するドレイン電極を形成し、
保護膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜と共に前記保護膜をパターニングして、前記ゲート線の拡張部、前記データ線の拡張部、及び前記ドレイン電極を各々露出するコンタクトホールを形成し、
IZO層とITO層とを連続蒸着しフォトエッチングして、前記コンタクトホールを通じて前記ゲートの拡張部、前記データ線の拡張部、及び前記ドレイン電極と各々接続されるコンタクト補助手段及び画素電極を形成し、
を含み、前記IZO層及び前記ITO層のフォトエッチングには塩酸が含まれたIZOエッチング剤を用いる薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項18】
前記IZOエッチング剤は、塩酸、酢酸、超純水、及び界面活性剤の混合物を含む、請求項17に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項19】
前記データ線及び前記半導体は、第1部分と、前記第1部分より厚さが厚い第2部分と、前記第1部分の厚さより厚さが薄い第3部分とを有する感光膜パターンを用いるフォトエッチング工程によって共に形成する、請求項17に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項20】
前記フォトエッチング工程で、前記第1部分は前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に位置するように形成し、前記第2部分は前記データ線上部に位置するように形成する、請求項19に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項21】
絶縁基板上にゲート線及びこれと接続されたゲート電極を含むゲート線を形成し、
前記ゲート線を覆うゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に半導体を形成し、
前記ゲート絶縁膜上部にデータ線と前記データ線の一部であるソース電極と互いに分離されて形成されているドレイン電極を形成し、
前記基板上に赤、緑、青の顔料を含む感光性物質を用いて前記データ線を覆う赤、緑、青のカラーフィルターを形成しながら、前記ドレイン電極を露出する第1開口部を形成し、
前記赤、緑、青のカラーフィルターを覆う保護膜を積層し、
前記保護膜をパターニングして前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを前記第1開口部の内側に形成し、
前記第1コンタクトホールを通じて前記ドレイン電極と接続される画素電極を形成すること、
を含み、前記画素電極を形成する段階は、IZO層とITO層とを連続蒸着し、塩酸が含まれたIZOエッチング剤を用いてフォトエッチングする段階である薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項22】
前記カラーフィルター形成段階の以前に、窒化ケイ素または酸化ケイ素を用いて層間絶縁膜を形成することをさらに含む、請求項21に記載の表示装置用薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項23】
前記IZOエッチング剤は、塩酸、酢酸、超純水、及び界面活性剤の混合物を含む、請求項21に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項24】
絶縁基板上に形成されていて、ゲート電極を含むゲート線と、
ゲート線を覆っているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体と、
前記半導体上に互いに分離されて形成されていて、同一層で作られたソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と接続されていて、前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線と、
前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有する保護膜と、
前記保護膜上部に形成されていて、前記第1コンタクトホールを通じて前記ドレイン電極と接続されている画素電極と、
前記ゲート線及びデータ線の拡張部を外部回路と接続させるコンタクト補助部材と
を有し、
前記コンタクト補助部材は、IZO層とITO層との二重層からなる薄膜トランジスタ表示板。
【請求項25】
前記コンタクト補助部材は、下部層であるIZO層と上部層であるITO層とからなる、請求項24に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項26】
絶縁基板上に形成されており、ゲート電極を含むゲート線と、ゲート線を覆っているゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されている半導体と、前記半導体上に互いに分離されて形成されていて、同一層で作られたソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と接続されていて、前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線と、前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有する保護膜と、前記保護膜上部に形成されていて、前記第1コンタクトホールを通じて前記ドレイン電極と接続されている画素電極と、前記ゲート線及びデータ線の拡張部を外部回路と接続させるコンタクト補助部材とを有し、前記コンタクト補助部材はIZO層とITO層との二重層からなる薄膜トランジスタ表示板と、
前記薄膜トランジスタ表示板と対向しており、第2絶縁基板上に形成されている共通電極を有するカラーフィルター基板と、
前記薄膜トランジスタ表示板と前記カラーフィルター基板の間に注入されている液晶層とを有する液晶表示装置。
【請求項27】
第1絶縁基板上にゲート線及びこれと接続されたゲート電極を含むゲート線を形成し、
前記ゲート線を覆うゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に半導体を形成し、
前記半導体上に、ソース電極及びドレイン電極と、前記ソース電極と接続され、前記ゲート線と交差して画素領域を定義するデータ線を形成し、
前記ドレイン電極を露出する第1コンタクトホールを有する保護膜を形成し、
前記保護膜上部に前記第1コンタクトホールを通じて前記ドレイン電極と接続される画素電極と、前記ゲート線及びデータ線の拡張部を外部回路と接続させるコンタクト補助部材とを形成し、
前記薄膜トランジスタ表示板と対向して共通電極を有するカラーフィルター基板を形成し、
前記薄膜トランジスタ表示板と前記カラーフィルター基板の間に液晶を注入してシール材で密封し、
前記コンタクト補助部材上にITO層を形成すること、
を有する液晶表示装置の製造方法。
【請求項28】
前記ITO層は、前記コンタクト補助部材に対応する部分に切開部を有するシャドーマスクを用いて形成する、請求項27に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項29】
前記ITO層は蒸発蒸着方法で形成する、請求項27に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項30】
前記蒸発蒸着工程は、前記薄膜トランジスタ表示板と前記カラーフィルター基板との間に液晶を注入してシール材で密封した後、基板をセル単位で切断して液晶パネルを形成した後に実施する、請求項29に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項31】
絶縁基板の上部に多結晶シリコンまたは非晶質シリコンからなる第1及び第2チャネル部を各々有する第1及び第2半導体と、
前記第1チャネル部と重畳する第1ゲート電極を有するゲート線と、
前記第2チャネル部と重畳する第2ゲート電極と、
前記第1及び第2半導体と前記第1及び第2ゲート電極との間に形成されているゲート絶縁膜と、
前記第1半導体の一部と接している第1ソース電極を有するデータ線と、
前記第1チャネル部を中心に前記第1ソース電極と対向して前記第1チャネル部と接し、前記第2ゲート電極と接続されている第1ドレイン電極と、
前記第2チャネル部の一部と接する第2ソース電極を有する電源電圧用電極と、
前記第2チャネル部を中心に前記第2ソース電極と対向する第2ドレイン電極と、
前記第2ドレイン電極と接続されており、前記ゲート線と前記データ線とで囲まれた画素領域に配置されている画素電極と、
前記画素領域の前記画素電極を露出する開口部を有する隔壁と、
前記隔壁上部に形成されていて、前記隔壁と同一の形状からなる補助電極と、
前記画素電極上部の前記開口部が形成されている有機発光層と、
前記補助電極及び前記有機発光層を覆っている共通電極と、
前記ゲート線の拡張部及びデータ線の拡張部と接続されているコンタクト補助部材と、
を有する薄膜トランジスタ表示板において、
前記コンタクト補助部材は、IZO層及びITO層との二重層で形成する薄膜トランジスタ表示板。
【請求項32】
前記コンタクト補助部材において、IZO層は下部層を、ITO層は上部層をなす、請求項31に記載薄膜トランジスタ表示板。
【請求項33】
前記画素電極はIZO層及びITO層の二重層で形成する、請求項31に記載の薄膜トランジスタ表示板
【請求項34】
前記画素電極において、IZO層は下部層を、ITO層は上部層をなす、請求項33に記載の薄膜トランジスタ表示板。
【請求項35】
絶縁基板の上部に非晶質シリコンまたは多結晶シリコンからなる第1及び第2半導体層を形成し、
前記第1ゲート電極を有するゲート線及び第2ゲート電極を形成し、
前記ゲート線及び第2ゲート電極と前記第1及び第2半導体層との間にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上部に第1及び第2ソース電極、データ線、第1及び第2ドレイン電極、電源電圧用電極を形成し、
前記第1及び第2ソース電極、データ線、第1及び第2ドレイン電極、電源電圧用電極を覆う層間絶縁膜を形成し、
前記層間絶縁膜上部に前記第2ドレイン電極と接続される画素電極と、ゲート線及びデータ線と各々接続されるコンタクト補助部材を形成し、
前記画素電極を露出する開口部を有する隔壁を形成し、
前記隔壁上部に補助電極を形成し、
前記隔壁によって区画された前記画素電極上の所定領域に有機発光層を形成し、
前記補助電極及び前記有機発光層と接する共通電極を形成し、
前記コンタクト補助部材は、IZO層及びITO層の二重層で形成する薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項36】
前記コンタクト補助部材において、IZO層は下部層を、ITO層は上部層をなす、請求項35に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項37】
前記画素電極はIZO層及びITO層の二重層で形成する、請求項36に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項38】
前記画素電極において、IZO層は下部層を、ITO層は上部層をなす、請求項37に記載の薄膜トランジスタ表示板の製造方法。
【請求項39】
絶縁基板と、
前記基板上に形成されている遮断層と、
前記遮断層上に形成されている多結晶シリコン層と、
前記多結晶シリコン層を覆っているゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されているゲート線と、
前記ゲート線を覆っている第1層間絶縁膜と、
前記第1層間絶縁膜に形成され、前記多結晶シリコン層にドーピングされて形成されたソース領域とドレイン領域との一部を各々露出させる第1コンタクトホール及び第2コンタクトホールと、
前記第1コンタクトホールを通じて前記ソース領域と接続されるソース電極を含むデータ線と、
前記第2コンタクトホールを通じて前記ドレイン領域と接続されるドレイン電極と、
前記データ線及びドレイン電極を覆い、ドレイン電極の一部を露出させる第3コンタクトホールを有する第2層間絶縁膜と、
前記第2層間絶縁膜上に、第3コンタクトホールを通じてドレイン電極と接続され、IZO層及びITO層の二重層で形成される画素電極と、
を有する薄膜トランジスタ表示板。
【請求項40】
第1層間絶縁膜と第2層間絶縁膜にはゲート線の拡張部を露出させる第4コンタクトホールを有し、第2層間絶縁膜にはデータ線の拡張部を露出させる第5コンタクトホールを有し、
前記第4コンタクトホールを通じてゲート線の拡張部と接触し、IZO層及びITO層の二重層で形成された第1コンタクト補助部材と、前記第5コンタクトホールを通じてデータ線の拡張部と接触し、二重層で形成された第2コンタクト補助部材とをさらに有する、請求項39に記載の請求項薄膜トランジスタ表示板。
【請求項41】
前記二重層において、IZO層は下部層を、ITO層は上部層をなす、請求項39または40に記載に薄膜トランジスタ表示板。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33A】
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【図33B】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図36】
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【図37】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図40A】
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【図40B】
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【図41A】
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【図41B】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52A】
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【図52B】
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【図52C】
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【図53】
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【図54A】
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【図54B】
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【図54C】
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【図55】
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【図56A】
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【図56B】
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【図56C】
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【図56D】
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【図57】
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【図58A】
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【図58B】
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【図58C】
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【図58D】
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【図59】
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【図60A】
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【図60B】
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【図60C】
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【図60D】
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【図61】
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【図62A】
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【図62B】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【公表番号】特表2007−506139(P2007−506139A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526831(P2006−526831)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002376
【国際公開番号】WO2005/027187
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】