説明

透明膜の段差の測定方法及び位相シフトマスクの作成方法

【課題】透明膜の段差の測定方法に関し、非接触、非破壊で且つ簡単な操作で高速、高精度に位相シフターの段差を測定すること。
【解決手段】第1の透明膜1の一部に形成された複数の第1の溝Sa1 ,…,San の段差量t1 ,….tn と該第1の溝Sa1 ,…,San からの反射光の偏光状態を示すパラメータの値との相関関係f1 を求めてデータベース化した後に、第2の透明膜42の一部に形成された第2の溝45の反射光の偏光状態を示すパラメータの第1の値を計測して、該第1の値と前記データベースの前記相関関係に基づいて該第2の溝45の第1の段差量を求める工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明膜の段差の測定方法及び位相シフトマスクの作成方法に関し、より詳しくは、半導体装置の製造におけるリソグラフィー工程において、位相シフトマスクに用いられる透明膜の段差の測定方法及び被投影原版として用いられる位相シフトマスクの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造においては、フォトリソグラフィー法によって膜をパターニングする工程を有している。フォトリソグラフィー法は、膜の上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像してパターニングした後に、フォトレジストのパターンをマスクに使用して膜をエッチングするといった工程を経て膜をパターニングする方法である。
【0003】フォトレジストを露光する場合には、例えば投影露光装置が用いられている。投影露光装置では、原画パターンが描かれた露光マスクを透過した光をレジストに照射することにより、その原画パターンをレジストに転写して潜像を形成することが行われる。投影露光装置がどの程度微細なパターンまで転写できるかを表す解像力は、露光マスク上のパターンがウェハ上に転写されたときに、隣接する2つのパターンが分離できるか否かで評価される。
【0004】この解像力を向上させる1つの手法として、例えば位相シフトマスクが知られている。位相シフトマスクは、隣接する2箇所の透過部分を透過する露光光に位相差を与える構造を有するものである。そのような露光光に位相差を生じさせるために、マスク基板を構成する透明膜の厚さを部分的に異なるような構造が例えば特開昭62-189468 号公報に記載されている。
【0005】180°の位相を変えるための透明膜の膜厚差Tは、透明膜の屈折率をn、露光光の波長をλとすると、T=λ/2(n−1)で与えられる。ところで、透明膜における厚さの差が実際にどのように現れているかを計測する方法として、例えば原子間力顕微鏡(AMF(atomic force microscope))等の膜厚計測手段を用いて透明膜の膜厚差(段差)を計測することが行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、AFMによる膜厚差の計測方法では、試料表面を針で走査するといった煩雑な手間を要し、作業の負担が大きい。また、AFM法によれば、レジストを用いて透明膜に段差を形成した後に、レジストを一旦除去した状態でその段差を測定することになるため、段差の値が不十分な場合には再びレジストのパターンを形成して段差をさらに深くするといった煩雑な工程を繰り返して段差の大きさを調整することになる。
【0007】それらのことから、AMF法を用いて位相シフトマスクの段差を計測することは、位相シフトマスクの製造工程を煩雑なものとし、スループットの低下を招いている。平坦な表面を有する基板の上に形成された構造物の寸法や断面形状を偏光解析法を用いて測定する手法については、例えば特開平9−237812号公報に記載がある。この測定方法は、偏光解析の光学的手法で得られた測定値と、ウェハ上に形成された構造物の幅又は断面形状(テーパ角)との間の相関を求め、この相関から任意の構造物の幅又は断面形状を求めるものである。
【0008】しかし、そこには、溝の深さを測定する手法は提案されていない。透明膜に形成された溝の深さを偏光解析法により測定する従来の方法は、一般に、透明基板と透明膜の界面での反射光が非常に小さいことが条件となる。しかし、位相シフトマスクを構成する透明基板とその上の透明膜は共に同じ屈折率の材料が用いられているので、位相シフトマスクの位相シフター部の段差の測定は実際は困難であった。そこで、偏光解析法を用いる場合には、高反射率のシリコン基板を用いて、基板と透明膜の界面の反射光強度が大きくなるようにして、間接的な測定を行っていた。
【0009】本発明の目的は、非接触、非破壊で且つ簡単な操作で高速、高精度に位相シフターの段差を測定する工程を含む透明膜の段差の測定方法及び位相シフトマスクの作成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)上記した課題は、図1、図2、図6及び図7に例示するように、第1の透明膜1の一部に形成された複数の第1の溝S1 ,…,Sn の段差量t1 ,….tn と該第1の溝S1 ,…,Sn からの反射光の偏光状態を示すパラメータの値との相関関係f1 を求めてデータベース化した後に、第2の透明膜42の一部に形成された第2の溝45の反射光の偏光状態を示すパラメータの第1の値を計測して、該第1の値と前記データベースの前記相関関係に基づいて該第2の溝45の第1の段差量を求めることを特徴とする透明膜の段差の測定方法によって解決する。
【0011】上記した透明膜の段差の測定方法において、前記パラメータは、偏光解析法によって測定されることを特徴とする。上記した透明膜の段差の測定方法において、前記パラメータは、前記偏光状態の複素振幅反射率比Ψ及び位相差Δであることを特徴とする。上記した透明膜の段差の測定方法において、前記第1の溝S1 ,…,Sn の前記段差量t1 ,…,tn は原子間力顕微鏡によって測定されることを特徴とする。
【0012】上記した透明膜の段差の測定方法において、前記第2の透明膜42の上にパターン43,44が形成されている場合に、前記パターン43,44の膜厚を予め測定した後に、前記データベースの前記相関関係から前記パターン43,44の膜厚を減算することにより前記第2の溝42の前記第1の段差量が求められることを特徴とする。
【0013】上記した透明膜の段差の測定方法において、前記パターン43,44は、遮光材料から構成されることを特徴とする。
(2)上記した課題は、図1、図2、図6及び図7に例示するように、試料用透明膜2の一部に形成された複数の第1の溝S1 ,…,Sn の段差量t1 ,…,tn と該第1の溝S1 ,…,Sn からの反射光の偏光状態を示すパラメータの値Δ1 ,…,Δn 及びΨ1 ,…,Ψn との相関関係f1 を求めてデータベース化する工程と、マスク用透明膜42の上にレジストパターン44を形成する工程と、前記レジストパターン44の膜厚を測定する工程と、前記レジストパターン44に覆われない部分の前記マスク用透明膜42をエッチングして第2の溝45を形成する工程と、前記第2の溝45の反射光の偏光状態を示すパラメータの第1の値Δ,Ψを計測して、該第1の値Δ,Ψと前記データベースの前記相関関係f1 に基づいて求めた段差量から前記レジストパターン44の前記膜厚を減算することにより、該第2の溝45の第1の段差量を求める工程と、前記第1の段差量が目標値に達したか否か判断する工程と、前記第1の段差量が前記目標値に達しない場合には、前記第2の溝45の反射光の偏光状態を示すパラメータと前記データベースの前記相関関係f1 に基づいて求められる前記第2の溝45の第2の段差量が前記目標値に達するまで前記第2の溝45のエッチングを繰り返す一方、前記第2の溝45の前記第1又は第2の段差量が目標値に達した場合には前記第マスク用透明膜のエッチングを停止して前記レジストを剥離する工程とを有することを特徴とする位相シフトマスクの作成方法によって解決する。
【0014】上記した位相シフトマスクの作成において、前記マスク用透明膜42の上には遮光パターン43が形成され、前記第2の溝45の前記第1及び第2の段差量は、前記データベースの前記相関関係から求められる値から前記遮光パターン43の膜厚をさらに減算した値であることを特徴とする。なお、上記した図番、符号は、本発明の理解を容易にするために引用したものであって、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0015】次に、本発明の作用について説明する。本発明によれば、AFM法などの手段で透明膜の複数の溝の段差量を計測する一方、偏光解析の光学的手法でそれらの溝のパラメータΔ、Ψを測定し、それらの結果に基づいて段差量とパラメータΔ、Ψとの相関関係をデータベース化した後に、偏光解析法によって被検出対象である溝のパラメータΔ、Ψを測定し、そのパラメータΔ、Ψをデータベースに当てはめて段差量を算定するようにしている。
【0016】これにより、透明膜に生じる段差を偏光解析法によるパラメータの測定を行うだけで、データベースから自動的に正確な溝の深さが引き出されることになる。従って、位相シフトマスクの位相シフター部の位相管理、位相調整を行う場合に、そのような透明膜の段差量の測定方法を適用すると、位相シフター部の溝の深さの測定がAFM法に比べて容易になる。
【0017】しかも、溝が形成される透明膜の上にレジストが残っていても、AFM法などによって1度だけレジストの膜厚を計測しておけば、データベースから算定された段差量からレジストの膜厚を減算すれば溝の段差量が決まるので、偏光解析のみを用いる測定法のように溝をエッチングする毎にレジストを除去して溝の段差を計測するといった煩雑な作業が不要になる。
【0018】しかも、位相シフトマスクを構成する基板を高反射材料から構成する必要はなくなり、基板材料や基板上の透明膜の材料の選択幅が広がる。
【0019】
【発明の実施の形態】そこで、以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態の位相シフトマスクの作成方法に必要な段差に関するデータを取得するためのフローチャート図、図2は、そのデータを取得するための膜厚測定の工程を示す断面図である。図3は、AMF法により膜厚を測定するための装置の構成図、図4は、偏光解析法により膜厚を測定するための装置の構成図である。
【0020】まず、図1の(1) と図2(a) に示すように、露光に使用される光を透過する材料、例えばガラスよりなる透明基板1の上に透明膜2を形成する。その透明膜2は、露光に使用される光を透過し且つ透明基板1よりもエッチングレートを大きく(例えば10倍以上)選択できる材料、例えばSOG(spin on glass) から構成されている。
【0021】次に、図1の(2) と図2(b) に示すように深さの異なる溝S1 ,S2 ,…,Sn を透明膜2に形成する。その溝S1 ,…,Sn は、複数のレジストマスクを使用することにより作り分けられ、且つエッチング時間を調整することによって深さが調整される。なお、溝S1 ,…,Sn の深さt1 ,t2 ,…,tn は、透明膜2の最上面から溝S1 ,…,Sn の底までの距離を示し、以下に段差又は膜厚差ともいう。
【0022】続いて、図1の(3) と図2(c) に示すように、図3に示すAFM装置10を用いて各溝S1 ,…,Sn 毎に深さt1 ,…,tn を測定する。AFM装置10によって測定された深さt1 ,…,tn は、各溝S1 ,…,Sn に関連付けられてデータ処理装置20に出力される。次に、図4に例示するような偏光解析(エリプソメトリー)装置30を用いることにより、図1の(4) と図2(d) に示すように、各溝S1 〜Sn の偏光解析を行ってそれらの溝S1 〜Sn 毎に偏光状態の変化を示す位相差Δ1 〜Δn と複素振幅反射率比Ψ1 〜Ψn を求める。
【0023】その偏光解析装置30において、複数の溝S1 ,…,Sn が形成された透明膜2を有する透明基板1をステージ31上に載置し、He−Ne(ヘリウム−ネオン)レーザ32から波長6328Åの光ビームを各溝S1 〜Sn に個々に照射する。He−Neレーザ32の出力光は、第1の偏光子33で所定の偏光角、例えば45℃の偏光角を有する直線偏光に変化され、溝S1 〜Sn 毎に所定の入射角、例えば70°の入射角で照射される。
【0024】そして、各溝S1 〜Sn を透過しさらに溝S1 ,…,Sn で反射された光ビームは楕円偏光状態を有する。そして、楕円偏光状態の光ビームは、回転検光子34で直線偏光に変換された後に、受光素子35に入射する。その際に、受光素子35による入射光の検出は、回転検光子34を回転させながら実行される。なお、回転検光子34の前又は後には反射した光ビームの位相を調整するための1/4波長板36が配置されている。
【0025】受光素子35は入射した光の強度に対応した信号を増幅器37に送り、増幅器37で増幅された信号は、A/D変換器38を介してデジタル信号の形で偏光処理装置39に送られる。偏光処理装置39は、供給されたデジタル信号に基づいて、受光素子35に入射した光ビームに基づいて位相差Δ、複素振幅反射率比Ψを求め、これらのパタメータΔ、Ψをデータ処理装置20に出力する。データ処理装置20では、偏光処理装置39から出力された位相差Δと複素振幅反射率比Ψが複数の溝S1 〜Sn 毎に対応付けられてデータベース化される。
【0026】データ処理装置20は、複数の溝S1 〜Sn 毎に位相差Δ1 ,Δ2 ,…,Δn及び複素振幅反射率比Ψ1 ,Ψ2 ,…,Ψn を対応付け、さらにそれらのパラメータΔ1 ,Δ2 ,…,Δn 、Ψ1 ,Ψ2 ,…,Ψn から重回帰分析法によって各溝S1 〜Sn 毎に予測段差(深さ)tを算出する。その予測段差tは、t=f(Δ,Ψ)(但し、Δ=Δ1 ,…,Δn 、Ψ= Ψ1 ,…,Ψn )で表される。さらに、データ処理装置20は、各溝S1 ,…,Sn について重回帰分析法により求めた予測段差tとAFM法により実測した深さt1 〜tn とを関連付けて相関関数f1 を求める。その相関関数f1 を図式化すると例えば図5に示すような段差量とパラメータΔ、Ψとの検量線が得られる。
【0027】そのような相関関数f1 は、透明膜2の材料が変わる度に算出されてデータ処理装置20に格納される。なお、上記した溝S1 ,…,Sn の深さをAFM法によって測定する代わりに、触針法、その他の方法によって溝S1 ,…,Sn の深さを実測してもよい。以上により溝S1 ,…,Sn の深さ(段差)に関するデータの取得作業が終了する。
【0028】次に、レベンソン型の位相シフトマスクを透過する露光光に位相差を与えるための段差を形成する工程を図6、図7を参照して説明する。まず、図6の(1) と図7(a) に示すように、ガラス等の透明基板41の上に酸化シリコンなどの透明膜42を形成した後に、透明膜42の上にクロムよりなる遮光膜を形成し、この遮光膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングして遮光パターン43を形成する。続いてその遮光パターン43の膜厚tc をAFM法によって少なくとも1回で測定する。
【0029】続いて、図6の(2) に示すように、透明膜32及び遮光膜43の上にレジストを塗布し、これを露光、現像してレジストパターン44を形成する。そのレジストパターン44の膜厚tr はAFM法によって求められる。レジストパターン44の膜厚tr はほぼ一定であるために任意の領域で短時間で少なくとも1回で検出される。
【0030】次に、図6の(3) と図7(b) に示すように、レジストパターン44から露出した透明膜42をエッチングして位相シフター部に溝45を目標値t0 よりも浅く形成する。透明膜42に形成された溝45の深さの目標値t0 は、透明膜2の最上面と溝45の底の高さに等しい膜厚の透明膜42により得られる光の位相差であって、位相差を180°とすると、t0 =λ/2(n−1)となる。ただし、λは、露光時に使用される光の波長であり、また、nは、透明膜42の屈折率である。
【0031】その後に、図6の(4) と図7(c) に示すように、偏光解析装置30を用いて溝45のパラメータΔ0 、Ψ0 を測定する。そして、図6の(5) に示すように、データ処理装置20にパラメータΔ0 、Ψ0 を入力して相関関数f1 に基づいて溝45の実際の段差量(深さ)tx を算出する。この場合、偏光解析装置30によって測定したパラメータΔ0 、Ψ0 を相関関係f1 に当てはめると、図8に示すように、その相関関係f1 からはレジストパターン44の膜厚tr と遮光パターン43の膜厚tc を加算した値が引き出される。そこで、相関関係f1 から算定される値tt からtr とtc を引いた値、即ちtt −(tr +tc )が実際の溝45の段差量tx となる。もとより、遮光パターン43が存在しない場合にはその膜厚tc は零であり、レジストパターン44が存在しない場合にはその膜厚tr は零になる。
【0032】溝45の測定の段差量tx が目標の深さt0 に達しない場合には、図7(d) に示すように透明膜2の追加エッチングを行って溝45の段差をさらに深くする。その後に、パラメータΔ、Ψを測定し、これに基づいて溝45の深さtx を求め、段差量tx が目標値t0 に一致しない場合にはさらに、透明膜2の追加エッチングを行うといった処理を繰り返して行う。追加のエッチング時間は、tx とt0 の差を見ながら調整する。
【0033】以上のような溝45の深さtx の測定とその後の追加エッチングは、図6の(6),(7) に示すようにtx =t0 =λ/2(n−1)となるまで繰り返して行われる。そして、tx =t0 となった時点でエッチング処理が終了となる。そして、図7(e) に示すようにレジストパターン44を剥離して位相シフトマスクを完成させる。
【0034】以上のように、露光マスクを構成する透明膜42に溝45を形成する際に、レジストパターン44を残したままで溝45の深さを高精度で測定することできるために、レジストパターン44を剥離するといった手間が省け、スループットが向上する。しかも、その溝45の深さの測定は、非接触、非破壊で且つ簡単な操作で短時間で行われる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、AFM法などの手段で透明膜の複数の溝の段差量を計測する一方、偏光解析の光学的手法でそれらの溝のパラメータΔ、Ψを測定し、それらの結果に基づいて段差量とパラメータΔ、Ψとの相関関係をデータベース化した後に、偏光解析法によって被検出対象である溝のパラメータΔ、Ψを測定し、そのパラメータΔ、Ψをデータベースに当てはめて段差量を算定するようにしたので、位相シフトマスクの位相シフター部の位相管理、位相調整にその方法を適用すると、位相シフター部の溝の深さの測定がAFM法に比べて容易になる。
【0036】しかも、溝が形成される透明膜の上にレジストが残っていても、AFM法などによって1度だけレジストの膜厚を計測しておけば、データベースから算定された段差量からレジストの膜厚を減算すれば溝の段差量が決まるので、溝をエッチングする毎にレジストを除去して溝の段差を計測するといった煩雑な作業を省くことができる。
【0037】しかも、位相シフトマスクを構成する基板を高反射材料から構成する必要はなくなり、基板材料や基板上の透明膜の材料の選択幅を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の位相シフトマスクの作成方法における溝の深さとパラメータΔ、Ψの相関関係を求めるフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の一実施形態の位相シフトマスクの作成方法における溝の深さとパラメータΔ、Ψの相関関係を求めるための透明膜の加工と膜厚測定とパラメータΔ、Ψ測定の工程を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態の位相シフトマスクの作成方法における溝の深さを測定する装置とデータ処理装置との接続関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態の位相シフトマスクの作成方法における溝のパラメータΔ、Ψを測定する偏光解析装置の構成図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態の位相シフトマスクの作成方法における溝のパラメータΔ、ΨとAFM法による溝の段差量(深さ)の相関関係の一例を示す図である。
【図6】図6は、図1で求めた溝の深さとパラメータΔ、Ψの相関関係を使用して露光マスクに溝を形成する工程を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図1で求めた溝の深さとパラメータΔ、Ψの相関関係を使用して露光マスクに溝を形成する工程を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態の位相シフトマスクの作成方法における溝のパラメータΔ、ΨとAFM法による溝の段差量(深さ)の相関関係が透明膜上の層によって変化する状態を示す図である。
【符号の説明】
1:透明基板、2:透明膜、3:針、S1 ,…,Sn :溝、10:AFM装置、20:データ処理装置、30:偏光解析装置、41:透明基板、42:透明膜、43:遮光パターン、44:レジストパターン、45:溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】第1の透明膜の一部に形成された複数の第1の溝の段差量と該第1の溝からの反射光の偏光状態を示すパラメータの値との相関関係を求めてデータベース化した後に、第2の透明膜の一部に形成された第2の溝の反射光の偏光状態を示すパラメータの第1の値を計測して、該第1の値と前記データベースの前記相関関係に基づいて該第2の溝の第1の段差量を求めることを特徴とする透明膜の段差の測定方法。
【請求項2】前記パラメータは、偏光解析法によって測定されることを特徴とする請求項1記載の透明膜の段差の測定方法。
【請求項3】前記パラメータは、前記偏光状態の複素振幅反射率比Ψ及び位相差Δであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の透明膜の段差の測定方法。
【請求項4】前記第1の溝の前記段差量は、原子間力顕微鏡によって測定されることを特徴とする請求項1記載の透明膜の段差の測定方法。
【請求項5】前記第2の透明膜の上にパターンが形成されている場合において、前記パターンの膜厚を予め測定した後に、前記データベースの前記相関関係から前記パターンの膜厚を減算することにより前記第2の溝の前記第1の段差量が求められることを特徴とする請求項1記載の透明膜の段差の測定方法。
【請求項6】前記パターンは、遮光材料から構成されることを特徴とする請求項5記載の透明膜の段差の測定方法。
【請求項7】試料用透明膜の一部に形成された複数の第1の溝の段差量と該第1の溝からの反射光の偏光状態を示すパラメータの値との相関関係を求めてデータベース化する工程と、マスク用透明膜の上にレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンの膜厚を測定する工程と、前記レジストパターンに覆われない部分の前記マスク用透明膜をエッチングして第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝の反射光の偏光状態を示すパラメータの第1の値を計測して、該第1の値と前記データベースの前記相関関係に基づいて求めた段差量から前記レジストパターンの前記膜厚を減算することにより、該第2の溝の第1の段差量を求める工程と、前記第1の段差量が目標値に達したか否か判断する工程と、前記第1の段差量が前記目標値に達しない場合には、前記第2の溝の反射光の偏光状態を示すパラメータと前記データベースの前記相関関係に基づいて求められる前記第2の溝の第2の段差量が前記目標値に達するまで前記第2の溝のエッチングを繰り返す一方、前記第2の溝の前記第1又は第2の段差量が目標値に達した場合には前記マスク用透明膜のエッチングを停止して前記レジストを剥離する工程とを有することを特徴とする位相シフトマスクの作成方法。
【請求項8】前記マスク用透明膜の上には遮光パターンが形成され、前記第2の溝の前記第1及び第2の段差量は、前記データベースの前記相関関係から求められる値から前記遮光パターンの膜厚をさらに減算した値であることを特徴とする請求項7記載の位相シフトマスクの作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2000−205828(P2000−205828A)
【公開日】平成12年7月28日(2000.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−10082
【出願日】平成11年1月19日(1999.1.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】