説明

運転支援装置

【課題】ドライバに与える違和感を軽減することができる運転支援装置を提供する。
【解決手段】 運転支援装置1のECU7は、自車両の現在位置と地図データベース13の情報とに基づいて、目標車速設定地点での自車両の目標車速等を演算するパラメータ演算部8と、車速センサ5により検出された車速及び目標車速等に基づいて、自車両の目標減速度を演算すると共に、その目標減速度から減速アシスト制御量の変更回数を決定する目標減速度演算部10と、目標減速度演算部10により求められた目標減速度及び車速センサ5により検出された車速に基づいて、シフト段数及びブレーキ制御量を演算する制駆動配分演算部11と、シフト段数及びブレーキ制御量に応じてシフト及びブレーキを制御する車両制御部12とを有している。目標減速度演算部10は、目標減速度が高いほど減速アシスト制御量の変更回数を少なくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の加減速制御を行う運転支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の運転支援装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の運転支援装置は、車両の周囲情報及び運転者の意図に基づいて車両の目標減速度を決定し、この目標減速度に基づいて変速機の変速段と補助制動力とを決定し、この決定結果に応じて変速機及びブレーキを制御することで、車両の減速制御を行うというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−63211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、最初に決定された目標減速度が大きい場合に、減速制御の実行中に減速制御量が変更されると、ドライバに違和感を与えるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、ドライバに与える違和感を軽減することができる運転支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の運転支援装置は、自車の車速を検出する車速検出手段と、自車が走行するルートの所定位置での目標車速を設定する車速設定手段と、自車の車速と目標車速とに基づいて、自車の目標加減速制御量を演算する制御量演算手段と、目標加減速制御量に応じて自車の加減速制御を行う制御手段と、目標加減速制御量を変更する回数を決定する変更回数決定手段とを備え、変更回数決定手段は、制御量演算手段により演算された目標加減速制御量が大きいほど、目標加減速制御量を変更する回数を少なくすることを特徴とするものである。
【0007】
このような運転支援装置においては、自車の車速を検出すると共に、自車が走行するルートの所定位置での目標車速を設定し、これら自車の車速及び目標車速に基づいて、自車の目標加減速制御量を演算し、その目標加減速制御量に応じて自車の加減速制御を行う。このとき、目標加減速制御量が大きい場合には、自車の加減速制御の実行中に目標加減速制御量を変更すると、ドライバにとって違和感が生じることがある。そこで、最初に演算された目標加減速制御量が大きいほど、目標加減速制御量を変更する回数を少なくすることにより、ドライバに与える違和感を軽減することができる。
【0008】
好ましくは、自車の運転者の加減速操作を検出する操作検出手段を更に備え、制御手段は、自車の加減速制御の実行中に、操作検出手段により自車の加減速動作と一致する加減速操作が検出されたときは、運転者の加減速操作が終了するまで自車の加減速制御を継続する。
【0009】
自車の運転者が加減速操作を行っている最中に、自車の加減速制御を終了させると、自車の加減速度が変化し、ドライバにとって違和感が生じることがある。そこで、自車の減速制御の実行中に運転者の減速操作が検出されたときは、その減速操作が終了するまで自車の減速制御を継続し、自車の加速制御の実行中に運転者の加速操作が検出されたときは、その加速操作が終了するまで自車の加速制御を継続する。これにより、ドライバに与える違和感をより軽減することができる。
【0010】
また、好ましくは、自車が走行するルートの道路環境を検出する道路環境検出手段を更に備え、車速設定手段は、自車が走行するルートの道路環境に応じた目標車速を設定する。
【0011】
このように自車が走行するルートの道路環境を検出することにより、道路環境に適した理想的な目標車速を設定することができる。なお、道路環境としては、例えばカーブ等の減速要因、制限速度や道幅、歩行者の有無、交差点、悪路等が含まれる。
【0012】
このとき、道路環境検出手段は、自車が走行するルートの道路環境として減速要因を検出し、車速設定手段は、自車が走行するルートにおける減速要因の手前位置での目標車速を設定し、制御手段は、目標加減速制御量に応じて、変速機の変速段及びブレーキ油圧を変更して自車の減速制御を行うことが好ましい。
【0013】
自車が走行するルートにおける減速要因(カーブ等)の手前位置での目標車速を設定することにより、自車はカーブ等を適切な速度で走行することができる。また、変速機の変速段及びブレーキ油圧を変更して自車の減速制御を行うことにより、自車の減速制御を安定化させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自車の加減速制御を行う際に、ドライバに与える違和感を軽減することができる。これにより、ドライバにとって十分に安心感のある走行を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係わる運転支援装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】カーブ手前の目標車速設定地点の一例を示す図である。
【図3】図1に示したECUにより実行される減速アシスト制御処理手順を示すフローチャートである。
【図4】図3に示した減速制御開始条件判断処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図5】減速アシスト制御量の変更回数の一例を示すグラフである。
【図6】図3に示した減速制御終了条件判断処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図7】自車両の減速アシスト制御のイメージを示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係わる運転支援装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係わる運転支援装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態の運転支援装置1は、自車両の減速アシスト制御に関する運転支援を行う装置である。
【0018】
運転支援装置1は、自車両のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ2と、自車両のブレーキペダルの操作量(踏込量)を検出するブレーキセンサ3と、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信し、自車両の現在位置を緯度・経度の座標データとして取得するGPS受信機4と、自車両の車速を検出する車速センサ5と、自車両のシフト(変速機)のポジションを検出するシフトポジションセンサ6と、ECU(Electronic Control Unit)7とを備えている。
【0019】
ECU7は、CPU、ROMやRAM等のメモリ及び入出力回路等により構成されている。ECU7は、パラメータ演算部8と、制御モード判断部9と、目標減速度演算部10と、制駆動配分演算部11と、車両制御部12と、地図情報を格納した地図データベース13とを有している。
【0020】
地図データベース13には、カーブや下り坂等の減速要因の手前の地点における目標速度が予め記憶されている。なお、目標速度は、過去の走行を基にした学習により取得しても良い。
【0021】
パラメータ演算部8は、GPS受信機4により取得された自車両の現在位置と地図データベース13の情報とに基づいて、図2に示すような目標車速設定地点(例えばカーブ等の減速要因の手前5mの地点)Pでの自車両の目標車速Vref、目標車速設定地点Pまでの残距離s、目標車速設定地点Pまでの平均路面勾配θを演算する。なお、路面勾配は、自車両の現在位置と目標車速設定地点Pとの高度差から求められる。
【0022】
制御モード判断部9は、アクセル開度センサ2により検出された自車両のアクセル開度、ブレーキセンサ3により検出されたブレーキペダルの操作量、車速センサ5により検出された自車両の車速V、パラメータ演算部8により求められた目標車速設定地点Pでの自車両の目標車速Vref及び目標車速設定地点までの残距離sに基づいて、減速アシスト制御の開始条件または終了条件を満たしているかどうかを判断する。
【0023】
目標減速度演算部10は、車速センサ5により検出された自車両の車速V、パラメータ演算部8により求められた目標車速設定地点Pでの自車両の目標車速Vref、目標車速設定地点Pまでの残距離s及び平均路面勾配θに基づいて、自車両の目標減速度を演算する。また、目標減速度演算部10は、その目標減速度から減速アシスト制御量の演算回数(変更回数)を決定する。
【0024】
制駆動配分演算部11は、目標減速度演算部10により求められた目標減速度、車速センサ5により検出された自車両の車速V、シフトポジションセンサ6により検出されたシフトのポジションに基づいて、減速アシスト制御量としてシフトの変速段数(シフト段数)及びブレーキ油圧の制御量(ブレーキ制御量)を演算する。
【0025】
車両制御部12は、制駆動配分演算部11により求められたシフト段数及びブレーキ制御量に応じて、シフト及びブレーキをそれぞれ制御する。
【0026】
図3は、ECU7により実行される減速アシスト制御処理手順を示すフローチャートである。同図において、まず減速アシスト制御の開始条件を満たしているかどうかを判断する(手順S21)。この制御開始条件判断処理の手順の詳細を図4に示す。
【0027】
図4において、まずアクセル開度センサ2により検出されたアクセル開度がゼロ(アクセルOFF)であるかどうかを判定する(手順S51)。アクセル開度がゼロであるときは、パラメータ演算部8により求められた目標車速設定地点Pまでの残距離sが閾値以下であるかどうかを判定する(手順S52)。目標車速設定地点Pまでの残距離sが閾値以下であるときは、車速センサ5により検出された車速Vとパラメータ演算部8により求められた目標車速Vrefとの車速差が閾値以上であるかどうかを判定する(手順S53)。車速Vと目標車速Vrefとの車速差が閾値以上であるときは、減速アシスト制御の開始条件を満たしていると判断する(手順S54)。
【0028】
一方、手順S51でアクセル開度がゼロでないと判定されたとき、手順S52で目標車速設定地点Pまでの残距離sが閾値以下でないと判定されたとき、手順S53で車速Vと目標車速Vrefとの車速差が閾値以上でないと判定されたときは、減速アシスト制御の開始条件を満たしていないと判断する(手順S55)。
【0029】
図3に戻り、手順S21で減速アシスト制御の開始条件を満たしていると判断されたときは、下記式を用いて目標減速度を計算する(手順S22)。
【数1】


なお、減速アシスト率及び登降坂アシスト率は、ドライバに積極的にブレーキペダルを踏ませる為のものであり、予め設定された値となっている。
【0030】
続いて、減速アシスト制御量の変更回数(更新回数)が決定しているかどうかを判断し(手順S23)、減速アシスト制御量の変更回数が決定していないときは、減速アシスト制御量の変更回数を設定する(手順S24)。
【0031】
このとき、手順S22で求められた目標減速度が高いときは、途中で減速度を変化させると運転者に違和感を与えるおそれがあるため、目標減速度が高いほど減速アシスト制御量の変更回数を少なくする。例えば図5に示すように、目標減速度が高いときは、減速アシスト制御量の変更回数を1回とし、目標減速度が低くなるに従い、減速アシスト制御量の変更回数を2回、3回と多くする。なお、減速アシスト制御量の変更回数を設定する際には、路面勾配による加減速分を一定量補償するのが望ましい。
【0032】
また、減速アシスト制御量の変更回数が2回以上あるときは、減速アシスト制御量の変更タイミングも設定しておく。減速アシスト制御量の変更タイミングは、目標車速設定地点Pまでの残距離sによって決定する。例えば減速アシスト制御量の変更回数が2回のときは、減速アシスト制御量の変更タイミング地点を目標車速設定地点Pまでの残距離sの中間位置に設定する。ただし、目標車速設定地点Pまでの残距離sが短すぎるときは、減速アシスト制御量を変更しないようにしても良い。
【0033】
手順S23で減速アシスト制御量の変更回数が決定していると判断されたとき、または手順S24で減速アシスト制御量の変更回数を設定したときは、手順S22で求められた目標減速度、車速センサ5により検出された車速V、シフトポジションセンサ6により検出されたシフトのポジションに基づいて、シフトによる推定減速度を計算する(手順S25)。そして、そのシフトによる推定減速度から、目標減速度を越えない最適なシフト段数を選択する(手順S26)。続いて、目標減速度からシフトによる推定減速度を差し引くことで、ブレーキ制御量を求める(手順S27)。
【0034】
このとき、出来る限りダウンシフトによるエンジンブレーキを活用することで、ブレーキパッドの摩耗を抑えるようにする。ただし、目標車速設定地点Pまでの残距離sが短い場合には、シフト制御を行っても、実際に減速度が発生するまでに目標車速設定地点Pを越えてしまう可能性がある。従って、そのような場合には、シフト制御を行わないようにする。また、目標車速設定地点Pまでの残距離sが長く、目標減速度が小さい場合には、ブレーキ制御を行うと緩ブレーキ状態となり、ブレーキ制御を行わない運転に比べてパッド摩耗が進む可能性がある。従って、そのような場合には、ブレーキ制御を行わないようにする。
【0035】
続いて、手順S26で選択されたシフト段数及び手順S27で求められたブレーキ制御量に応じた制御指令値をそれぞれ決定し、各制御指令値をシフト及びブレーキに送出することで、シフトの変速段数及びブレーキ油圧を制御する(手順S28)。
【0036】
続いて、減速アシスト制御の終了条件を満たしているかどうかを判断する(手順S29)。この制御終了条件判断処理の手順の詳細を図6に示す。
【0037】
図6において、まずブレーキセンサ3により検出されたブレーキペダルの操作量がゼロ(ブレーキOFF)であるかどうかを判定する(手順S61)。ブレーキペダルの操作量がゼロであるときは、GPS受信機4により取得された自車両の現在位置に基づいて、自車両が目標車速設定地点Pを通過したかどうかを判定する(手順S62)。自車両が目標車速設定地点Pを通過したときは、減速アシスト制御の終了条件を満たしていると判断する(手順S63)。
【0038】
一方、手順S61でブレーキペダルの操作量がゼロでない(ブレーキON)と判定されたとき、手順S62で自車両が目標車速設定地点Pを通過していないと判定されたときは、減速アシスト制御の終了条件を満たしていないと判断する(手順S64)。
【0039】
図3に戻り、手順S29で減速アシスト制御の終了条件を満たしていないと判断されたときは、GPS受信機4により取得された自車両の現在位置に基づいて、減速アシスト制御量の変更タイミングかどうかを判断する(手順S30)。減速アシスト制御量の変更タイミングであるときは、手順S22に戻り、減速アシスト制御量の変更タイミングでないときは、手順S29に戻る。
【0040】
一方、手順S29で減速アシスト制御の終了条件を満たしていると判断されたときは、自車両の減速アシスト制御処理を終了する。このとき、シフト段数が低いままでは、減速動作が続いて燃費を悪化させるため、減速アシスト制御終了前にシフト段数を上げておく。また、ブレーキが急に抜かれると、運転者に違和感を与えるおそれがあるため、減速アシスト制御終了時にブレーキ量を徐減する。
【0041】
ここで、手順S21は、パラメータ演算部8及び制御モード判断部9により実行される。手順S22〜S24は、パラメータ演算部8及び目標減速度演算部10により実行される。手順S25〜S27は、制駆動配分演算部11により実行される。手順S28は、車両制御部12により実行される。手順S29は、パラメータ演算部8及び制御モード判断部9により実行される。手順S30は、パラメータ演算部8により実行される。
【0042】
以上において、車速センサ5は、自車の車速を検出する車速検出手段を構成する。GPS受信機4とECU7のパラメータ演算部8及び地図データベース13とは、自車が走行するルートの所定位置での目標車速を設定する車速設定手段を構成する。ECU7の目標減速度演算部10(図3の手順S22)及び制駆動配分演算部11は、自車の車速と目標車速とに基づいて、自車の目標加減速制御量を演算する制御量演算手段を構成する。ECU7のパラメータ演算部8、制御モード判断部9(図3の手順S29)及び車両制御部12は、目標加減速制御量に応じて自車の加減速制御を行う制御手段を構成する。ECU7の目標減速度演算部10(図3の手順S23,S24)は、目標加減速制御量を変更する回数を決定する変更回数決定手段を構成する。
【0043】
アクセル開度センサ2及びブレーキセンサ3は、自車の運転者の加減速操作を検出する操作検出手段を構成する。地図データベース13は、自車が走行するルートの道路環境を検出する道路環境検出手段を構成する。
【0044】
図7は、自車両の減速アシスト制御のイメージを示すタイミング図である。本例では、減速アシスト制御量の変更(更新)回数を2回としている。
【0045】
同図において、自車両が制御開始地点に達すると、アクセル操作がONからOFFとなると共に、シフト段数が6速から5速に下がり、ブレーキ制御量がゼロから上昇する。すると、自車両が目標車速設定地点Pに近づくにつれて、自車両の車速が徐々に目標車速に近づいていく。
【0046】
そして、ブレーキ操作がOFFからONに切り換わった後、自車両が減速アシスト制御量の変更タイミング地点に達すると、シフト段数が5速から4速に下がり、ブレーキ制御量が更に上昇する。すると、自車両の車速が更に目標車速に近づくようになる。
【0047】
その後、自車両が目標車速設定地点Pに達しても、ブレーキ操作がON状態となっているため、減速アシスト制御はそのまま継続される。その後、ブレーキ操作がONからOFFに切り換わると、減速アシスト制御が終了する。このとき、シフト段数が4速から6速に上がり、ブレーキ制御量がゼロとなる。
【0048】
ところで、フィードバック制御等により減速アシスト制御量を連続的に変化させると、ドライバが自身のブレーキ操作量とは異なる減速感を感じ、違和感が生じる。減速アシスト制御量を固定すると、ドライバはエンジンブレーキのような減速感を感じるようになり、安心感をもったブレーキ操作が可能となる。このとき、減速アシスト制御量を固定したままでは、目標車速設定地点Pにおいて自車両が目標車速に対してオーバースピード状態となることがあるため、目標車速設定地点Pまでの残距離sに応じて減速アシスト制御量を段階的に変えるようにする。ただし、目標減速度が大きい場合には、途中で減速アシスト制御量を変更すると、ドライバにとって違和感が生じる。
【0049】
これに対し本実施形態では、目標減速度が大きいほど減速アシスト制御量の変更(更新)回数を少なくするようにしたので、精度の高い減速アシスト制御を行いつつ、ドライバに違和感を与えることが抑制されるようになる。
【0050】
また、ドライバがブレーキペダルを踏んでいる間に減速アシスト制御を終了させると、減速度が変化し、ドライバにとって違和感が生じる。本実施形態では、減速アシスト制御の実行中にドライバがブレーキペダルを踏んだときは、ドライバがブレーキペダルを離すまで減速アシスト制御を継続して行うので、ドライバに違和感を与えることが一層抑制されるようになる。また、ドライバがブレーキペダルを離すと、減速アシスト制御が終了するので、やはりドライバに違和感を与えることが抑制される。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、減速アシスト制御の実行中に、ブレーキペダルが踏まれていない場合には、自車両が目標車速設定地点Pを通過したときに、減速アシスト制御を終了するものとしたが、自車両が目標車速設定地点Pを通過していなくても、アクセルペダルが踏まれた時点で、減速アシスト制御を終了するようにしても良い。
【0052】
また、本実施形態は、自車両の減速アシスト制御に関する運転支援を行うものであるが、本発明の運転支援装置は、自車両の加速アシスト制御に関する運転支援を行うものにも適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1…運転支援装置、2…アクセル開度センサ(操作検出手段)、3…ブレーキセンサ(操作検出手段)、4…GPS受信機(車速設定手段)、5…車速センサ(車速検出手段)、7…ECU、8…パラメータ演算部(車速設定手段)、9…制御モード判断部(制御手段)、10…目標減速度演算部(制御量演算手段、変更回数決定手段)、11…制駆動配分演算部(制御量演算手段)、12…車両制御部(制御手段)、13…地図データベース(車速設定手段、道路環境検出手段)。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の車速を検出する車速検出手段と、
前記自車が走行するルートの所定位置での目標車速を設定する車速設定手段と、
前記自車の車速と前記目標車速とに基づいて、前記自車の目標加減速制御量を演算する制御量演算手段と、
前記目標加減速制御量に応じて前記自車の加減速制御を行う制御手段と、
前記目標加減速制御量を変更する回数を決定する変更回数決定手段とを備え、
前記変更回数決定手段は、前記制御量演算手段により演算された目標加減速制御量が大きいほど、前記目標加減速制御量を変更する回数を少なくすることを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記自車の運転者の加減速操作を検出する操作検出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記自車の加減速制御の実行中に、前記操作検出手段により前記自車の加減速動作と一致する前記加減速操作が検出されたときは、前記運転者の加減速操作が終了するまで前記自車の加減速制御を継続することを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記自車が走行するルートの道路環境を検出する道路環境検出手段を更に備え、
前記車速設定手段は、前記自車が走行するルートの道路環境に応じた前記目標車速を設定することを特徴とする請求項1または2記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記道路環境検出手段は、前記自車が走行するルートの道路環境として減速要因を検出し、
前記車速設定手段は、前記自車が走行するルートにおける前記減速要因の手前位置での前記目標車速を設定し、
前記制御手段は、前記目標加減速制御量に応じて、変速機の変速段及びブレーキ油圧を変更して前記自車の減速制御を行うことを特徴とする請求項3記載の運転支援装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−952(P2011−952A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145493(P2009−145493)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】