説明

ウェーハを検査するためのシステム及び方法

【課題】 半導体ウェーハを検査するための検査システム。
【解決手段】 この検査システムは、広帯域照明を供給するための照明設定を備える。広帯域照明は、異なるコントラスト、例えば明視野および暗視野広帯域照明であることができる。検査システムは、第1の画像収集装置および第2の画像収集装置を更に備え、半導体ウェーハが動く間、各々が半導体ウェーハの画像を収集するために広帯域照明を受け取るために構成される。システムは、広帯域照明の平行を可能にするための複数のチューブレンズを備える。システムはさらに、安定化メカニズムおよび対物レンズ組立体を備える。システムは、細線照明エミッタ、および半導体ウェーハの3次元画像をそれによって収集するために細線照明を受け取るための第3の画像収集装置を更に備える。システムは、第3の画像収集装置が、複数の方向に半導体ウェーハから反射される照明を受け取ることを可能にするための反射器組立体を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にウェーハ検査プロセスに関する。より詳しくは、本発明は半導体構造体を検査するための自動化システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製造された半導体構造体、例えば半導体ウェーハおよびダイの一貫して高い品質を確実にする能力は、半導体産業ではますます重要である。半導体ウェーハ製造技法は、増大する機能を半導体ウェーハのより小さい表面積に組み込むために一貫して改善されてきた。したがって、半導体ウェーハ製造のために用いられる写真製版プロセスは、半導体ウェーハのより小さい表面積に増大する機能(すなわち半導体ウェーハのより高い性能)の取込みを可能にするためにより精巧になってきた。従って、半導体ウェーハ上の潜在的欠陥のサイズは、典型的にミクロンからサブミクロンの範囲内にある。
【0003】
半導体ウェーハのメーカが製造された半導体ウェーハの一貫して高い品質を確実にするために半導体ウェーハ品質管理および検査手順を改善するますます差し迫った必要性を有することは、明白である。半導体ウェーハは、典型的に、表面微粒子、欠陥、起伏および他の不規則性の存在のような、その上にある欠陥を検出するために検査される。この種の欠陥は、半導体ウェーハの最終的な性能に影響を及ぼす可能性がある。したがって、それの製造中に欠陥のある半導体ウェーハを除去するかまたは抜き取ることが、決定的である。
【0004】
半導体検査システムおよびプロセスにおける進歩があった。例えば、より高解像度の画像処理システム、よりすばやいコンピュータおよび高精度機械処理システムが、作動してきた。加えて、半導体ウェーハ検査システム、方法および技法は歴史的に明視野照明、暗視野照明および空間フィルタリング技法の少なくとも1つを利用してきた。
【0005】
明視野画像形成によって、半導体ウェーハ上の小さい粒子が、画像収集装置の収集アパーチャから離れて光を散乱し、それによって画像収集装置に戻されるエネルギの低下に結びつく。粒子がレンズまたはデジタル化画素の光点像分布関数と比較すると小さい時、粒子を取り囲むごく近い領域からの明視野エネルギが粒子に対して一般に大量のエネルギの一因となり、それによって粒子を検出するのを困難にする。加えて、小さい粒径に起因するエネルギの非常に小さい低下が、粒子周辺のごく近い領域からの反射率変動によってしばしばマスクされ、それによって誤った欠陥検出の出現の増大に結びつく。上記の現象を克服するために、半導体検査システムは、半導体ウェーハのより小さい表面積の画像を収集する、より大きな解像度を備えたハイエンドのカメラを備えてきた。しかしながら、明視野画像は、一般により良い画素コントラストを有し、および、これは欠陥のサイズを推定するためにおよび暗欠陥を検査する時有利である。
【0006】
暗視野照明およびその利点は、従来技術において一般に周知である。暗視野画像形成は、いくつかの既存の半導体ウェーハ検査システムによって使用されてきた。暗視野画像形成は、典型的に光レイが検査されるべき対象物に入射する角度に依存する。検査されるべき対象物の水平面に対して低い角度(例えば3度から30度)で、暗視野画像形成は典型的に、表面微粒子、欠陥および他の不規則性のような、欠陥が存在する位置以外で暗い画像を生成する。暗視野画像形成の特定の用途は、明視野画像を生成するために用いられるレンズの解像力よりサイズが小さい欠陥を照らすことである。水平面に対してより大きな角度(例えば30度から85度)で、暗視野画像形成は典型的に明視野画像と比較して、より良いコントラストの画像を生成する。この種の高角度暗視野画像形成の特定の使用は、ミラー仕上げまたは透明対象物上の表面不規則性のコントラストを高める。加えて、高角度暗視野画像形成は傾けられた対象物の画像形成の画質を高める。
【0007】
半導体ウェーハの光反射率は、典型的に明視野および暗視野画像形成の各々によって得られる画像の品質上に重要な効果を有する。半導体ウェーハ上に存在するマイクロおよびマクロ構造体の両方が、半導体ウェーハの光反射率に影響を及ぼす。一般に、半導体ウェーハによって反射される光の量は、入射光の方向または角度、観察方向および半導体ウェーハの表面の光反射率の関数である。光反射率は、次に入射光の波長および半導体ウェーハの材料組成に依存している。
【0008】
検査のために提示される半導体ウェーハの光反射率を制御することは、一般にむずかしい。これは、半導体ウェーハがいくつかの層の材料から成ることができるからである。材料の各層は異なって、たとえば異なる速度で、光の異なる波長を透過することができる。加えて、層は異なる光透過性または反射率さえ有することができる。したがって、単一波長または狭帯域の波長の光または照明の使用が典型的に収集画像の品質に悪影響を与えることは、当業者にとって明らかであろう。単一波長または狭帯域の波長の頻繁な変更の必要性は複数空間フィルタまたは波長チューナの使用を必要とし、それは一般に不都合である。この種の課題を軽減するために、広帯域照明(すなわち広範囲の波長の照明)、例えば300ナノメートルと1000ナノメートルとの間の波長の範囲の広帯域照明を用いることが、重要である。
【0009】
広帯域照明は、高品質画像を達成するために、同じく、広範囲にわたる表面反射率を備えたウェーハを処理するために重要である。加えて、ウェーハ検査システムの欠陥検出能力は複数照明角度の使用、例えば明視野および暗視野照明両方の使用によって一般に高められる。市場に出ている既存のウェーハシステムは、複数角度の照明を利用せず、完全広帯域波長を備えていない。
【0010】
現在入手可能なウェーハ検査システムまたは装置は、典型的にウェーハ検査中に複数レスポンスを達成するために以下の方法の1つを用いる:
(1)複数照明を備えた複像収集装置(MICD)
【0011】
MICDは、複数の画像収集装置および複数の照明を用いる。MICDは、波長スペクトラムを狭帯域にセグメント化してかつ各セグメント化された波長スペクトラムを個々の照明に割り当てる原理に基づく。MICD法を使用するシステムの設計中に、各画像収集装置が、空間フィルタまたは特別にコーティングされたビーム分割器のような対応する光学付属品と共に、対応する照明(すなわち照明光源)と対にされる。例えば、明視野の波長は水銀アークランプおよび空間フィルタを用いて400から600ナノメートルの間に限定され、および、暗視野はレーザーを用いて650から700ナノメートルの間に限定される。MICD法は、欠点、例えば劣った画質および設計非柔軟性を経験する。劣った画質は、狭い波長による照明の使用と組み合わせられた、検査されたウェーハの変化する表面反射率に起因する。単一照明の波長の変更が典型的にウェーハ検査システムの光学設定全体の再構成を必要とするので、設計非柔軟性が生じる。加えて、MICD法は典型的に収集画像の品質を備えることなく単一の画像収集装置による異なる波長の照明の収集を可能にしない。
(2)複数照明を備えた単一画像収集装置(SICD)
【0012】
SICD法は、セグメント化された波長または広帯域波長のどちらかの、複数照明を収集するための単一画像収集装置を用いる。しかしながら、ウェーハが動く間、同時に複数照明レスポンスを得ることは、可能でない。換言すれば、ウェーハが動いている時、SICD法は1つの照明レスポンスを可能にするだけである。複数照明レスポンスを達成するために、SICD法は、ウェーハが静止である間、画像収集を必要とし、それはウェーハ検査システムのスループットに影響を及ぼす。
【0013】
広帯域明視野および暗視野または一般に複数照明を用いた、かつ複像収集装置を用いた同時、独立、高速の画像収集を使用する半導体ウェーハ検査システムは、それの実際の実現および動作利点に関しては理解の相対的欠如に起因して現在入手可能でない。既存の半導体ウェーハ検査システムは前に説明したようにMICDまたはSICDのいずれかを使用する。MICDを使用する装置は、広帯域を用いず、かつ劣った画質および柔軟でないシステム設定が欠点である。他方では、SICDを用いる装置は減弱するシステムスループットを経験し、かつ高速の同時複数照明レスポンスを得ることができない。
【0014】
明視野照明および暗視野照明器の両方を利用する1つの例示的な既存の半導体ウェーハ光検査システムが、(特許文献1)内に開示されている(KLA1)。KLA1内に開示される光検査システムの一実施態様は、前に説明したようにMICDを利用する。それは、半導体ウェーハの別々の明視野および暗視野画像を収集する複数カメラを用いる。収集された明視野および暗視野画像は次いで、半導体ウェーハ上の欠陥を検出するために別々にまたは共に処理される。加えて、KLA1の光検査システムは明視野および暗視野照明の別々の光源を用いて明視野および暗視野画像を同時に収集する。KLA1は、明視野および暗視野画像の収集を可能にするために照明波長スペクトラムのセグメント化、狭帯域照明源および空間フィルタを用いて同時画像収集を達成する。KLA1の光システムでは、カメラの1台が狭帯域レーザーおよび空間フィルタを使用して暗視野画像形成を受け取るように構成される。残りのカメラが、明視野照明および特殊コーティングを備えたビーム分割器を用いて波長スペクトラムの残りを受け取るように構成される。KLA1によって開示される光検査システムの欠点は、波長スペクトラムのセグメント化に起因する表面反射率の大きな変動を含む異なる半導体ウェーハを画像形成するためのそれの不適切性を含む。カメラはそれぞれの照明と密に連結され、特定のウェハータイプの画質を高める複数の入手可能な照明の組み合わせの柔軟性がない。そのようなタイプはその表面上に炭素コーティングされた層を有し、および、それらは、たとえば明視野単独を用いて、特定の照明角度で貧弱な反射特性を呈する。特定の欠陥を観察するために、明視野および高角度暗視野照明の組合せを必要とする。したがって、KLA1の光検査システムは複数の明視野および暗視野画像をそれによって収集するために複数の検査パス(次にシステムのスループットに影響を及ぼす複数の走査)を実行するための複数の光または照明源およびフィルタを必要とする。
【0015】
明視野および暗視野画像形成の両方を利用する追加的な例示的な既存の光検査システムが、(特許文献2)(AUGTECH1)および(特許文献3)(AUGTECH2)内に開示される。AUGTECH1およびAUGTECH2の光検査システムの暗視野画像形成は、低角度暗視野画像形成用の複数のレーザーおよび高角度暗視野画像形成用の光ファイバーリング光を利用する。加えて、AUGTECH1およびAUGTECH2の光検査システムは単一カメラセンサを使用し、および先に説明したSICD法に属する。したがって、AUGTECH1およびAUGTECH2の半導体ウェーハの検査は、明視野画像形成によってまたは暗視野画像形成によってまたは明視野画像形成および暗視野画像形成の組合せ経由で実行され、明視野画像形成および暗視野画像形成の各々が、他方が完了されると実行される。AUGTECH1およびAUGTECH2の検査システムは、同時、高速の、またはウェーハが動いている間の、および独立した明視野および暗視野画像形成が可能でない。したがって、各半導体ウェーハの複数のパスがそれの検査を完了するために必要とされ、製造スループットの低下および資源の使用の増大に結びつく。
【0016】
加えて、いくつかの既存の光検査システムは半導体ウェーハの新しく獲得した画像との比較のためにゴールデン画像すなわち基準画像を利用する。基準画像の導出は、典型的に既知のまたは手動で選択された「良い」半導体ウェーハのいくつかの画像を収集し、そして次に、それによって基準画像を導出するために統計的計算式または技法を適用する必要がある。上記の導出による欠点は、「良い」半導体ウェーハの手動の選択の不正確性または不整合性である。この種の基準画像を用いる光検査システムは、典型的に不正確なまたは一貫しない基準画像に起因する半導体ウェーハの誤った不合格が欠点である。半導体ウェーハのますます複雑な回路幾何学形状によって、基準画像を引き出すための「良い」半導体ウェーハの手動の選択への依存は、半導体検査産業によって設定される強化している高い品質基準と、ますます適合しなくなっている。
【0017】
ゴールデン基準画像を導き出すことは、多くの統計的技法および計算を必要とする。統計的技法の大部分は、非常に一般的でおよびそれら自体の利点を有する。現在入手可能な装置の最高水準の技術は、ゴールデン基準画素を算出するために、標準偏差と共に加算平均または平均のいずれかを用いる。この方法は、既知の良い画素にはよく機能するが、さもなければ、任意の欠陥またはノイズ画素が基準画素の最終的な加算平均または平均値に干渉して影響を及ぼすであろう。別の方法は中央値を使用し、それはノイズ画素に起因する干渉を減少させるが、ノイズの影響を実質的に除去するのは可能でない。入手可能な装置の全てが、とりわけ平均、中央値のような異なる種類の統計的技法を適用することによって誤差を減少させようとするが、それらは誤差を除去するためにいかなる特別なまたはユーザフレンドリな手続きも持たない。この種の特別な手続きは、最終的な基準画素値に影響を及ぼすであろう画素を除去するのを確かに助ける。
【0018】
(特許文献4)(AUGTECH3)が、半導体ウェーハ検査に用いられるゴールデン基準即ち基準画像を作り出すためのトレーニング方法を開示する。AUGTECH3内に開示される方法は、「既知の良質」または「欠陥のない」ウェーハを必要とする。この種のウェーハの選択は、手動でまたはユーザ実行される。統計的計算式または技法が次いで、基準画像を導き出すために適用される。そのようなものとして、「良質」ウェーハの正確で一貫した選択が、半導体検査の正確で一貫した品質のために重要である。更に、AUGTECH3は、基準画像の個々の画素を算出するために平均および標準偏差を用い、およびいかなる欠陥のある画素の存在も不正確な基準画素に至る。欠陥のある画素は、異物または他の欠陥に起因して生じ、それが統計的計算を混乱させ、かつ不正確な基準画素に至る。AUGTECH3の方法が半導体ウェーハの検査で不正確性、不整合性および誤りにさらされていることは、当業者にとって明らかであろう。
【0019】
加えて、AUGTECH3内に開示される光検査システムは半導体ウェーハを照らすためのフラッシュまたはストローブランプを用いる。異なるフラッシュまたはストローブ間の不整合性が、温度差異、電子的不整合性および他と異なるフラッシュまたはストローブ強度を含むがこれに限らず多数の要因に起因して生じるかもしれないことは、当業者によって認識されよう。この種の差異および不整合性は、「良い」半導体ウェーハでさえ固有である。システムがフラッシュランプに起因するこの種の差異を善処しない場合、この種の差異の存在はゴールデン基準画像の品質に影響を及ぼすであろう。加えて、照明強度および均一性は、ウェーハの平面性、表面の異なる位置の実装および光反射率を含むがこれに限らず複数要因に起因して半導体ウェーハの表面にわたって変化する。ランプのフラッシュ強度およびストローブ特性の変動を考慮に入れず、半導体ウェーハの異なる位置の収集画像との比較のために用いられる時、上記の方法で生成されるいかなる基準画像も信頼できなくなりかつ不正確である可能性がある。
【0020】
製品仕様、例えば半導体ウェーハサイズ、複雑さ、表面反射率および品質検査の判定基準の変動は、半導体産業内に普通にみられる。したがって、半導体ウェーハ検査システムおよび方法は製品仕様のこの種の変動を検査することが可能である必要がある。しかしながら、既存の半導体ウェーハ検査システムおよび方法は、特に半導体産業によって設定される強化している品質基準を前提として、製品仕様のこの種の変動を満足に検査することが一般にできない。
【0021】
例えば、典型的既存半導体ウェーハ検査システムは構成部品、例えば、固定的空間位置を有する、カメラ、照明器、フィルタ、偏光板、ミラーおよびレンズを含む従来の光学組立体を用いる。光学組立体の構成部品の導入または除去は、一般に光学組立体全体の再配置および再設計を必要とする。したがって、この種の半導体ウェーハ検査システムは柔軟性がない設計または構成を有しており、かつそれの変更のための比較的長いリードタイムを必要とする。加えて、従来の光学組立体の対物レンズと検査のために提示される半導体ウェーハとの間の距離は、典型的に暗視野照明に対する異なっている角度による光ファイバ照明の導入の容易さを可能にするにはあまりに短い。
【0022】
多数の他の既存の半導体ウェーハ検査システムおよび方法が、ある。しかしながら、技術的な専門知識および動作上のノウハウの現在の欠如のため、既存の半導体ウェーハ検査システムは、ウェーハが動く間、なお設計を有し、かつ配置的に柔軟に、検査のための同時明視野および暗視野画像形成を使用することができない。半導体ウェーハの資源効率的な、柔軟な、正確なおよびすばやい検査を可能にするための半導体ウェーハ検査システムおよび方法に対する必要性もまたある。これは、特に半導体ウェーハの電気回路構成の増強している複雑さおよび半導体産業の強化している品質基準を前提としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第5,822,055号、
【特許文献2】米国特許第6,826,298号、
【特許文献3】米国特許第6,937,753号、
【特許文献4】米国特許第6,324,298号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
構成的および設計自由度を与えるとともに、半導体ウェーハが動く間、検査を実行するために同時にかつ独立に明視野および暗視野画像形成の両方を使用することが可能な半導体ウェーハ検査システムおよび方法の欠如が現在ある。加えて、それの構成部品、例えば照明器、カメラ、対物レンズ、フィルタおよびミラーが柔軟なかつ調整可能な空間相互配置を有する半導体ウェーハ検査システムの必要性が、ある。半導体ウェーハの電気回路構成の増加している複雑さおよび半導体産業によって設定される強化している品質基準を前提として、半導体ウェーハ検査の正確度および整合性はますます決定的である。半導体ウェーハの収集画像との比較のためのゴールデン基準即ち基準画像の導出は、現在「良い」半導体ウェーハの手動の選択を必要とする。この種の手動の選択は、導き出された基準画像、したがって、半導体ウェーハのそれに伴う検査の不正確性および不整合性に結びつく可能性がある。したがって、半導体ウェーハの以降の収集画像が比較されることができる基準画像を導き出すための改善されたトレーニング方法またはプロセスに対する必要性が、ある。本発明は、上記の問題の少なくとも1つに対処しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の実施態様は、半導体ウェーハ、ダイ、LEDチップおよびソーラーウェーハを含むがこれに限らず、半導体構造体を検査するための検査システムおよび方法を提供する。この検査システムは、2次元(2D)および3次元(3D)ウェーハ検査を実行するために設計される。この検査システムは、更に欠陥検査を実行するために設計される。
【0026】
2Dウェーハ検査は2D光モジュールによって容易にされ、それが少なくとも2台の画像収集装置を含む。2Dウェーハ検査は、少なくとも2つの異なるコントラスト照明を、対応するコントラスト照明の画像を収集するために利用する。2Dウェーハ検査は、半導体ウェーハが動いている間に実行され、かつワンパスで完了される。3Dウェーハ検査は、少なくとも1台の画像収集装置および少なくとも1台の細線照明器を備える、3D光モジュールによって容易にされる。半導体ウェーハが半導体ウェーハの3D画像を収集するために動く間、レーザーまたは広帯域照明光源のいずれかまたは両方ともである細線照明器によって供給される細線照明が半導体ウェーハに向けられる。検査システムによって実行される欠陥検査は、欠陥検査光モジュールによって容易にされる。
【0027】
本発明の実施態様の第1の態様に従って、一検査システムであって、第1の広帯域照明および第2の広帯域照明を供給するための照明設定と、ウェーハから反射される第1の広帯域照明および第2の広帯域照明の少なくとも1つを受け取るための第1の画像収集モジュールと、ウェーハから反射される第1の広帯域照明および第2の広帯域照明の少なくとも1つを受け取るための第2の画像収集装置と、を備えるシステムが開示される。第1の画像収集装置および第2の画像収集装置は、それぞれウェーハの第1の画像および第2の画像を収集するために第1の広帯域照明および第2の広帯域照明の少なくとも1つを順に受け取るために構成される。ウェーハは、第1の画像と第2の画像の収集の間である距離だけ空間的に変位される。
【0028】
本発明の実施態様の第2の態様に従って、半導体構造体を検査するための一システムであって、広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明を供給するための照明設定ならびに複数の画像収集装置を備え、複数の画像収集装置の各々が、ウェーハによって反射される広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明の各々を受け取ることが可能である、システムが開示される。この複数の画像収集装置は、ウェーハのそれぞれ第1のコントラスト画像および第2のコントラスト画像の収集のために広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明の1つの逐次的な受取りのために構成される。ウェーハが動く間、第1のコントラスト画像の収集および第2のコントラスト画像の収集が生じる。
【0029】
本発明の実施態様の第3の態様に従って、一検査システムであって、広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明の少なくとも1つを受け取るための第1の画像収集装置と、広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明の少なくとも1つを受け取るための第2の画像収集装置と、を備えるシステムが開示される。第1の画像収集装置および第2の画像収集装置の各々による広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明の受取りが、ウェーハのそれぞれ第1のコントラスト画像および第2のコントラスト画像の収集を可能にする。第1の画像収集装置および第2の画像収集装置は、ウェーハが動く間、第1のコントラスト画像および第2のコントラスト画像の逐次的な収集を可能にするために空間的に構成される。
【0030】
本発明の実施態様の第4の態様に従って、一検査システムであって、第1の広帯域照明を供給するための照明設定と、ウェーハの第1の画像を収集するためにウェーハから反射される第1の広帯域照明を受け取るための第1の画像収集モジュールと、ウェーハの第2の画像を収集するためにウェーハから反射される第1の広帯域照明を受け取るための第2の画像収集装置と、を備えるシステムが開示される。第1の画像収集装置および第2の画像収集装置は、第1の画像および第2の画像を順に収集するために構成される。ウェーハは、第1の画像と第2の画像の収集の間で空間的に変位される。空間変位は、第1の画像および第2の画像の各々に対してエンコーダ値に基づいて、その後算出される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本発明の例示的な実施態様が、以下の図面を参照して以下に記載され、そこにおいて、
【0032】
【図1】本発明の例示的な一実施態様に従うウェーハを検査するための1つの例示的なシステムの部分平面図を示す。
【図2】図1のシステムの部分等角図を示す。
【図3】図2内に強調されるビュー「A」に従う図1のシステムの光検査ヘッドの分解部分等角図を示す。
【図4】図2内に強調されるビュー「B」に従う図1のシステムのロボットウェーハテーブルの分解部分等角図を示す。
【図5】図2内に強調されるビュー「C」に従う図1のシステムのロボットウェーハローダ/アンローダの分解部分等角図を示す。
【図6】図2内に強調されるビュー「D」に従う図1のシステムのウェーハスタックモジュールの分解部分等角図を示す。
【図7】図1のシステムの光検査ヘッドの部分等角図を示す。
【図8】図1のシステムの光検査ヘッドの部分正面図を示す。
【図9】図1のシステムの明視野照明器、低角度暗視野照明器、高角度暗視野照明器、第1の画像収集装置および第2の画像収集装置の間の照明の光レイパスを示す。
【図10】図9の明視野照明器によって供給される明視野照明によってたどられる例示的な第1のレイパスの流れ図である。
【図11】図9の高角度暗視野照明器によって供給される暗視野高角度照明によってたどられる例示的な第2のレイパスの流れ図である。
【図12】図9の低角度暗視野照明器によって供給される暗視野低角度照明によってたどられる例示的な第3のレイパスの流れ図である。
【図13】図1のシステムの細線照明器と3D画像収集装置またはカメラとの間の照明のレイパスを示す。
【図14】図1のシステムの検査明視野照明器、検査暗視野照明器および検査画像収集装置の間の照明の光レイパスを示す。
【図15】図14の検査明視野照明器と検査画像収集装置との間で明視野照明によってたどられる例示的な第4のレイパスの流れ図である。
【図16】図14の検査暗視野照明器と検査画像収集装置との間で暗視野照明によってたどられる例示的な第5のレイパスの流れ図である。
【図17】本発明によって提供されるウェーハを検査するための例示的な方法の方法流れ図である。
【図18】図17の方法の実行中に収集される画像と比較するために用いられる基準画像を作り出すための例示的な基準画像作成プロセスのプロセス流れ図である。
【図19】図17の方法の方法ステップのタイミングオフセットを伴う例示的な二次元ウェーハ走査プロセスのプロセス流れ図である。
【図20】図1のシステムの照明コンフィギュレータによって選択可能な照明構成のテーブルを示す。
【図21】第1の画像収集装置による第1の画像の収集および第2の画像収集装置による第2の画像の収集に対するタイミング図を示す。
【図22a】図1の第1の画像収集装置によって収集される第1の画像を示す。
【図22b】図1の第2の画像収集装置によって収集される第2の画像を示す。
【図22c】ウェーハが移動している時、第1の画像および第2の画像の収集に起因する画像オフセットを実証するための図22aの第1の画像および図22bの第2の画像の組み合わせを示す。
【図23】図17の方法の方法ステップで実行される例示的な二次元画像処理プロセスのプロセス流れ図である。
【図24】図17の方法の方法ステップで実行される第1の例示的な3次元ウェーハ走査プロセスのプロセス流れ図である。
【図25】図1のシステムの細線照明器と3D画像収集装置またはカメラとの間の照明の例示的な光レイパスを示す。
【図26】図17の方法の方法ステップで実行される第2の例示的な3次元ウェーハ走査プロセスのプロセス流れ図である。および
【図27】図17の方法の方法ステップで実行される例示的な検査プロセスのプロセス流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
半導体構造体、例えば半導体ウェーハおよびダイの検査は、半導体構造体の製造または製作におけるますます決定的なステップである。半導体ウェーハのための強化している品質基準に連結された半導体ウェーハの回路の増加している複雑さは、半導体ウェーハ検査システムおよび方法の改善に対する増加している必要性に至った。
【0034】
構成的または設計柔軟性を提供すると共に、半導体ウェーハの高速の検査を実行するための明視野および暗視野画像形成の両方を同時に使用することが可能な半導体ウェーハ検査システムおよび方法の欠如が、現在ある。加えて、それの構成部品、例えば照明器、カメラ、対物レンズ、フィルタおよびミラーが柔軟なかつ調整可能な空間相互配置を有する半導体ウェーハ検査システムの必要性がある。半導体ウェーハの電気回路構成の増加している複雑さおよび半導体産業によって設定される強化している品質基準を前提として、半導体ウェーハ検査の正確度および整合性はますます決定的である。半導体ウェーハの収集画像との比較のためのゴールデン基準即ち基準画像の導出は、現在「良い」半導体ウェーハの手動の選択を必要とする。この種の手動の選択は、導き出された基準画像、したがって、半導体ウェーハのそれに伴う検査の不正確性および不整合性に結びつく可能性がある。したがって、半導体ウェーハの以降の収集画像が比較されることができる基準画像を導き出すための改善されたトレーニング方法またはプロセスの必要性が、ある。
【0035】
本発明の実施態様は、先ほど確認した問題のうちの少なくとも1つに対処するための半導体構造体を検査するための例示的なシステム及び方法を提供する。
【0036】
簡潔さおよび明快さのために、本発明の実施態様の記述は以下に半導体ウェーハを検査するためのシステム及び方法に限定される。これが本発明を動作上の、機能的または性能特性のような本発明の種々の実施態様の間で優勢な基本原理が必要とされる他の用途から、除外しないことは、しかしながら当業者によって理解されよう。例えば、本発明によって提供されるシステム及び方法は、半導体ダイ、LEDチップおよびソーラーウェーハを含むがこれに限らず他の半導体構造体を検査するために用いられることができる。
【0037】
図1および図2に示すように半導体ウェーハ12を検査するための例示的なシステム10が、本発明の第1の実施態様に従って提供される。システム10は、また、必要に応じて他の半導体デバイスまたは構成部品を検査するために用いられることができる。好ましくは、システム10は光検査ヘッド14(図3に示す)、ウェーハ搬送テーブルまたはウェーハチャック16(図4に示す)、ロボットウェーハハンドラ18(図5に示す)、ウェーハスタックモジュール20(図6に示す)またはフィルムフレームカセットホルダ、XY−変位テーブル22および少なくとも一組の4個の振動絶縁装置24(図1および図2に示す)を備える。
【0038】
図7および図8で示す光検査ヘッド14は、複数の照明器および画像収集装置を備える。好ましくは、光検査ヘッド14は明視野照明器26、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30を含む。追加的な暗視野照明器が必要に応じてシステム10内に組み込まれることができることは、当業者によって理解されよう。低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30が単一暗視野照明器として集積化されることができ、それが必要に応じて柔軟に配置されることができることは当業者によって更に理解されよう。
【0039】
明視野照明器26、別名明視野照明光源または明視野照明エミッタは、明視野照明または光を供給するかまたは放射する。明視野照明器26は、たとえばフラッシュランプまたは白色発光ダイオードである。好ましくは、明視野照明器26は実質的に300ナノメートル以上1000ナノメートル以下の波長を備える広帯域明視野照明を供給する。明視野照明が代替波長および光学的性質であることができることは、しかしながら当業者によって理解されよう。
【0040】
明視野照明器26は、好ましくは第1の光ファイバ(図示せず)を備え、それを通して明視野照明が明視野照明器26から放射される前に進行する。好ましくは、第1の光ファイバは明視野照明の進行の方向を導くための導波管として働く。更に好ましくは、第1の光ファイバは明視野照明器26から放射される明視野照明の方向付けを容易にする。
【0041】
低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30は、また、暗視野照明光源として公知であり、かつ、暗視野照明を放射するかまたは供給する。暗視野照明器は、それらの対応する画像収集装置に入る直接透過された(または散乱されない)光の量の最小化を可能にする慎重に位置合わせされた照明または光源である。一般に、暗視野画像を収集するための画像収集装置は、サンプルまたは対象物によって散乱された照明または光を受け取る。暗視野画像は、明視野画像と比較して、一般に高められた画像コントラストを有する。明視野照明および暗視野照明は、コントラスト照明の例である。
【0042】
低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30は、たとえばフラッシュランプまたは白色発光ダイオードである。好ましくは、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々によって供給される暗視野照明は、明視野照明と実質的に類似した光学的性質である。より詳しくは、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々によって供給される暗視野照明は、好ましくは実質的に300ナノメートル以上1000ナノメートル以下の波長を備える広帯域暗視野照明である。あるいは、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30は異なる波長または他の光学的性質の暗視野照明を供給する。
【0043】
ウェーハテーブル16上に配置される半導体ウェーハ12の水平面に対して(またはウェーハテーブル16の水平面に対して)高角度暗視野照明器30と比較すると、低角度暗視野照明器28はより低角度である。例えば、低角度暗視野照明器28は好ましくは、ウェーハテーブル16上に配置される半導体ウェーハ12の水平面に対して3度と30度の間の角度で配置される。加えて、高角度暗視野照明器30は好ましくは、ウェーハテーブル16上に配置される半導体ウェーハ12の水平面に対して30度と85度の間の角度で配置される。上に述べた角度は好ましくは、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々の位置を調整することによって必要に応じて変更可能である。
【0044】
低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々は、好ましくは第2のおよび第3の光ファイバ(図示せず)を備え、それを通して暗視野照明がそこから放射される前に進行する。第2のおよび第3の光ファイバの両方が、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々を通して暗視野照明の進行の方向を導くための導波路として働く。加えて、第2の光ファイバが低角度暗視野照明器28から放射される暗視野照明の方向付けを容易にし、および、第3の光ファイバが高角度暗視野照明器30から放射される暗視野照明の方向付けを容易にする。明視野照明器26、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々によって供給される照明は、制御されることができ、かつ連続的に供給されるかまたはパルスにされるかのどちらかであることができる。
【0045】
明視野照明および暗視野照明両方の波長スペクトラムは、好ましくはウェーハ12の検査および欠陥検出の正確度を高める。広帯域照明は好ましくは、様々な表面反射率による広範囲にわたる半導体ウェーハ欠陥タイプの識別を可能にする。加えて、明視野照明および暗視野照明の両方の類似した広帯域波長はウェーハ12の検査が半導体ウェーハ12の反射特性に独立に実行されることを可能にする。これは、半導体ウェーハ12上の欠陥の検出が、好ましくは、異なる照明波長に対する半導体ウェーハ12の異なる感度または反射または分極に起因して望ましくなく影響されないことを意味する。
【0046】
好ましくは、それぞれ明視野照明器26および暗視野照明器28、30によって供給される明視野照明および暗視野照明の強度が、半導体ウェーハ12特性、例えば半導体ウェーハ12の材料に従い必要に応じて選ばれて変更されることができる。加えて、明視野照明および暗視野照明の各々の強度は、半導体ウェーハ12の収集される画像の品質を高めるためにかつ半導体ウェーハ12の検査を高めるために必要に応じて選ばれて変更されることができる。
【0047】
図7から図9に示すように、システム10は第1の画像収集装置32(すなわち第1のカメラ)および第2の画像収集装置34(すなわち第2のカメラ)を更に備える。第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の各々は、明視野照明器26によって供給される明視野照明ならびに低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々によって供給される暗視野照明を受け取ることが可能である。第1の画像収集装置32によって受け取られるかまたはそれに入る明視野および暗視野照明は、好ましくは対応する画像の収集のために第1の画像収集平面に焦点を合わせられる。第2の画像収集装置34によって受け取られるかまたはそれに入る明視野および暗視野照明は、好ましくは対応する画像の収集のために第2の画像収集平面に焦点を合わせられる。
【0048】
第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34は、モノクロまたはカラーのどちらかの画像を収集する。好ましくは、単一または3チップカラーセンサを用いて、ウェーハ12のカラー画像を収集する能力は、欠陥検出の正確度および速度の少なくとも1つを高める。例えば、半導体ウェーハ12のカラー画像を収集する能力は好ましくは、半導体ウェーハ12上の欠陥の誤った検出および対応してそれの誤った不合格を減少させるのを助ける。
【0049】
光検査ヘッド14は、第1の画像収集装置32とともに用いられる第1のチューブレンズ36を更に備える。加えて、光検査ヘッド14は第2の画像収集装置34とともに用いられる第2のチューブレンズ38を更に備える。第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38の各々が、好ましくは共通の光特性および機能を共有する。したがって、チューブレンズ36および38は単に明確にするためにだけ第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38とラベルをつけられている。光検査ヘッド14はさらに、複数の対物レンズ40、例えば4個の対物レンズ40を含む。対物レンズ40は回転可能なマウント42(図3に示す)に集合的に取り付けられ、それは検査位置(図示せず)または検査のために配置される半導体ウェーハ12より上にこの複数の対物レンズ40の各々を配置するために回転可能である。対物レンズ40は、対物レンズ組立体と集合的に称することができる。
【0050】
この複数の対物レンズ40の各々は、異なる拡大倍率を達成するために用いられておよびそれらは同焦点である。この複数の対物レンズ40の各々は好ましくは、異なる所定の拡大倍率係数、例えば5倍、10倍、20倍および50倍である。好ましくは、この複数の対物レンズ40の各々は、無限遠での補正収差を有する。この複数の対物レンズの各々がそれの異なる拡大倍率および性能を達成するために変更されるかまたは再設計されることができることは、しかしながら当業者によって理解されよう。
【0051】
低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々が、好ましくは検査位置に配置される半導体ウェーハ12の方へそこから暗視野照明を向けるかまたは焦点を合わせるための焦点合せ手段またはメカニズムを備える。低角度暗視野照明器28とウェーハ12の水平面との間の角度および高角度暗視野照明器30とウェーハ12の水平面との間の角度は、好ましくは欠陥検出の正確度を高めるために決定されて調整可能である。好ましくは、低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々が、検査位置に関して固定された空間位置を有する。代わりとして低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々の位置が、システム10の通常動作中に検査位置に関して可変的である。
【0052】
上記の通りに、明視野照明および暗視野照明の両方が、検査位置に焦点を合わせられる。検査位置に焦点を合わせられる明視野照明および暗視野照明は、検査位置に置かれる、半導体ウェーハ12またはそれの一部を照明する。
【0053】
図6に示すように、システム10はウェーハスタック20またはフィルムフレームカセットホルダを備える。ウェーハスタック20は好ましくは、複数の半導体ウェーハを保持するスロットを備える。半導体複数ウェーハの各々が、ロボットウェーハハンドラ18(図5に示す)によってウェーハテーブル16(図4に示す)またはウェーハチャックに順にロードされるかまたは積み換えられる。好ましくは、吸気または真空が半導体ウェーハ12をその上に固定するためにウェーハテーブル16に加えられる。ウェーハテーブル16は、好ましくは所定の数の小開口またはアパーチャを備え、それを通して真空が加えられ、ウェーハテーブル16の上への屈曲フレームテープおよびフレーム(両方とも図示せず)の信頼性が高いおよび平坦な位置を可能にする。ウェーハテーブル16は、また好ましくは、直径6インチ以上12インチ以下の範囲のウェーハサイズを処理するように設計されている。
【0054】
ウェーハテーブル16はXY−変位テーブル22(図1および図2に示す)に連結され、それはX−およびY−方向のウェーハテーブル16の変位を可能にする。ウェーハテーブル16の変位は、その上に配置される半導体ウェーハ12を対応して変位する。好ましくは、ウェーハテーブル16の変位およびそれゆえに、その上に配置される半導体ウェーハ12の変位は、半導体ウェーハ12の位置を検査位置に制御するために制御される。XY−変位テーブル22は、あるいはエアーギャップ線形ポジショナとして公知である。XY−変位テーブル22またはエアーギャップ線形ポジショナは、システム10の残りからウェーハテーブル16に伝達される振動の最小の影響でX−およびY−方向のウェーハテーブル16の高精度変位を容易にし、かつ、検査位置で、半導体ウェーハ12またはそれの一部の円滑で正確な位置決めを確実にする。XY−変位テーブル22およびウェーハテーブル16の組立体は、衝撃または振動を吸収してかつ組立体および他のモジュールまたはその上に取り付けられる付属品の平坦度を確実にするために緩衝装置または振動絶縁装置24(図2に示す)に取り付けられる。代替メカニズムまたは装置が、それの変位を制御し、かつ検査位置での半導体ウェーハ12の高精度精密位置決めを容易にするために、ウェーハテーブル16に連結されるかまたはそれとともに用いられることができることは、当業者によって認識されるであろう。
【0055】
半導体ウェーハ12が動いている間、そこにあり得る欠陥を検出するために半導体ウェーハ12の検査が実行される。つまり、 半導体ウェーハ12が検査位置にわたって変位されるにつれて、半導体ウェーハ12の画像、例えば明視野画像および暗視野画像の収集が、好ましくは生じる。あるいは、すべての新規な半導体ウェーハ12はユーザがウェーハテーブル16をプログラムすることによって(すなわちウェーハテーブル16のソフトウェア化制御によって)そのように選択をする場合、高解像度画像を収集するために画像形成手段の下で止められることができる。
【0056】
前述のように、システム10は第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38を更に備える。好ましくは、チューブレンズ36は対物レンズ40と第1の画像収集装置32との間に配置される。照明は、第1の画像収集装置32に入る前に第1のチューブレンズ36を通過する。更に好ましくは、第2のチューブレンズ38が対物レンズ40と第2の画像収集装置34との間に配置される。照明は、第2のチューブレンズ38を通過し、および第2の画像収集装置34に入る前にミラーまたはプリズム47によって偏向される。
【0057】
この複数の対物レンズ40の各々が、無限遠での補正収差を有する。したがって、対物レンズ40を通過した後に、照明または光は平行にされる。つまり、 対物レンズ40と第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38の各々との間を進行する照明は平行にされる。対物レンズ40と第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38の各々との間の照明の平行は、それぞれ第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の各々の位置決めの容易さおよび柔軟性を高める。異なる対物レンズ40が用いられる時(例えば、異なる拡大倍率係数が必要とされる時)、チューブレンズ36、38の実現はまた第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の各々に入る照明が再び焦点を合わせる必要性を除去する。加えて、照明の平行は、特に対物レンズ40と第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38の各々との間で、システム10への追加的な光学部品または付属品の導入および位置決めの容易さを増大する。更に好ましくは、照明の平行は、システム10の残りを再構成する必要性なしで、特に対物レンズ40と第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38の各々との間で、システム10への追加的な光学部品または付属品の現場導入および位置決めを可能にする。加えて、この配置は、既存の装置内に用いられるそれと比較して、対物レンズ40と半導体ウェーハ12との間のより長い作動距離を達成するのを助ける。対物レンズ40とウェーハとの間のより長い作動距離は、暗視野照明を効果的に用いるのに必要である。
【0058】
したがって、本発明のシステム10がシステム10の構成部品の柔軟なおよび現場設計および再構成を可能にすることが当業者によって認識されよう。本発明のシステム10は、システム10との間で光学部品または付属品の導入および除去の容易さを高める。
【0059】
第1のチューブレンズ36は、第1の画像収集平面上への平行にされた照明の焦点合せを容易にする。同様に、第2のチューブレンズ38は第2の画像収集平面上への平行にされた照明の焦点合せを容易にする。チューブレンズが、本記述においてシステム10とともに使用するために記載されているとはいえ、代替光デバイスまたはメカニズムが照明、より詳しくは明視野照明および暗視野照明の平行、およびそれぞれ第1の画像収集平面および第2の画像収集平面のどちらか上へのそれの以降の焦点合せを可能にするために用いられることができることが、当業者によって認識されよう。
【0060】
第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34は、好ましくは隣接する並列軸に沿って配置される。好ましくは、第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の空間位置は、システム10がより小さい総面積を占める(すなわち、空間効率的である)ように、第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34によって占められる空間を減少させるために決定される。
【0061】
好ましくは、システム10は複数のビーム分割器およびミラーまたは反射面を更に備える。ビーム分割器およびミラーまたは反射面は、好ましくは明視野照明ならびに低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々から暗視野照明を向けるために配置される。
【0062】
好ましくは、システム10は記憶メモリまたはデータベースを備えた中央処理装置(CPU)(別名ポストプロセッサ)(図示せず)を更に備える。CPUは、好ましくはシステム10の他の構成部品、例えば第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34と電気的に通信可能またはそれに連結される。第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34によって収集される画像は、好ましくは画像信号に変換されてCPUに伝送される。
【0063】
CPUは情報、より詳しくは、それによって半導体ウェーハ12上に存在する欠陥を検出するためにそれに対して伝送される、画像を処理するためにプログラム可能である。好ましくは、半導体ウェーハ12上の欠陥の検出はシステム10によっておよびより詳しくはCPUによって自動的に実行される。更に好ましくは、システム10による半導体ウェーハ12の検査は、自動でかつCPUによって制御される。代わりとして欠陥の検出のための半導体ウェーハ12の検査は、少なくとも1つの手入力によって容易にされる。
【0064】
CPUは、データベース内にそれに対して伝送される情報を記憶するためにプログラム可能である。加えて、CPUは検出欠陥を分類するためにプログラム可能である。加えて、CPUは好ましくはデータベース内に被処理情報、より詳しくは被処理画像および検出された欠陥を記憶するためにプログラムされる。画像の収集、収集画像の処理および半導体ウェーハ12上の欠陥の検出に関する更なる詳細が、下で提供される。
【0065】
明視野照明器26から放射されるかまたはそれによって供給される明視野照明および低角度暗視野照明器28および高角度暗視野照明器30の各々から放射される暗視野照明(以下に暗視野低角度またはDLA照明および暗視野高角度またはDHA照明とそれぞれ称する)が各々異なるレイパスまたは光パスをたどることが、上で与えられる記述を用いて、当業者によって理解されよう。
【0066】
明視野照明によってたどられる例示的な第1のレイパス100の流れ図が、図10内に示される。
【0067】
第1のレイパス100のステップ102において、明視野照明または光が明視野照明器26によって供給される。前述のように、明視野照明は好ましくは明視野照明器26の第1の光ファイバから放射される。好ましくは、第1の光ファイバは明視野照明器26から放射される明視野照明を方向付ける。明視野照明は、好ましくはコンデンサ44を通過する。コンデンサ44は、明視野照明を一点に集める。
【0068】
ステップ104において、明視野照明は第1の反射表面46または第1のミラーによって反射される。第1の反射表面46によって反射される明視野照明は、第1のビーム分割器48の方へ向けられる。
【0069】
第1のビーム分割器48は、ステップ106においてその上に当たる明視野照明の少なくとも一部を反射する。好ましくは、第1のビーム分割器48は30:70の反射/透過(R/T)比率を有する。第1のビーム分割器48のR/T比率がそれによって反射されるかまたは透過される明視野照明の強度または量を制御するために必要に応じて調整されることができることは、しかしながら当業者によって理解されよう。
【0070】
第1のビーム分割器48によって反射される明視野照明は、検査位置の方へ向けられる。より詳しくは、第1のビーム分割器48によって反射される明視野照明は、検査位置より上に直接配置される対物レンズ40の方へ向けられる。ステップ108において、明視野照明器26は、検査位置または検査位置に配置される半導体ウェーハ12に、対物レンズ40によって焦点を合わせられる。
【0071】
明視野照明器26によって供給され、かつ検査位置に焦点を合わせられる明視野照明が、検査位置に置かれる、半導体ウェーハ12、より詳しくは半導体ウェーハ12の一部を照明する。ステップ110において、明視野照明は検査位置に配置される半導体ウェーハ12によって反射される。
【0072】
半導体ウェーハ12によって反射される明視野照明は、ステップ112で対物レンズ40を通過する。前述のように、対物レンズ40は無限遠での補正収差を有する。したがって、対物レンズ40を通過する明視野照明は、対物レンズ40によって平行にされる。拡大鏡による明視野照明の拡大倍率の程度は、対物レンズ40の拡大倍率係数に依存している。
【0073】
対物レンズ40を通過する明視野照明は、第1のビーム分割器48の方へ向けられる。ステップ114において、明視野照明が第1のビーム分割器48に当たり、それの一部が第1のビーム分割器48中を透過される。ステップ114で第1のビーム分割器48中を透過される明視野照明の程度は、第1のビーム分割器48のR/T比率に依存する。第1のビーム分割器48中を透過される明視野照明は、第2のビーム分割器50の方へ進行する。
【0074】
システム10の第2のビーム分割器50は、好ましくは所定のR/T比率を有する立方ビーム分割器50である。好ましくは、R/T比率は、50/50である。R/T比率は、必要に応じて変更されることができる。立方ビーム分割器50が2つの光パスにそれによって受け取られる照明を分割するので、立方ビーム分割器50が好まれる。立方ビーム分割器50の構成および形状がこのためにより良い性能および位置合わせを提供することが、したがって、当業者によって認識されるであろう。第2のビーム分割器50によって反射されるかまたは透過される照明の程度は、第2のビーム分割器50のR/T比率に依存している。ステップ116において、明視野照明は第2のビーム分割器50に当たる。ビーム分割器に当たる明視野照明は、それを通して透過されるかまたはそれによって反射される。
【0075】
第2のビーム分割器50中を透過される明視野照明は、第1の画像収集装置32の方へ進行する。明視野照明は、ステップ120で第1の画像収集装置32に入る前にステップ118で第1のチューブレンズ36を通過する。第1のチューブレンズ36は、平行にされた明視野照明が第1の画像収集装置32の第1の画像収集平面上へ焦点を合わせるのを助ける。第1の画像収集平面上に焦点を合わせられる明視野照明は、第1の画像収集装置32による明視野画像の収集を可能にする。
【0076】
第1の画像収集平面によって収集される明視野画像は、好ましくは画像信号に変換される。画像信号は、その後CPUに伝送されるかまたはダウンロードされる。CPUへの画像信号の伝送は、また、データ転送として公知である。転送された明視野画像は、次いでCPUで処理されおよびそれに記憶されることのうち少なくとも1つである。
【0077】
第2のビーム分割器50によって反射される明視野照明は、第2の画像収集装置34の方へ進行する。明視野照明は、ステップ124で第2の画像収集装置34に入る前にステップ122で第2のチューブレンズ38を通過する。第2のチューブレンズ38は、平行にされた明視野照明が第2の画像収集平面上へ焦点を合わせるのを助ける。第2の画像収集平面に焦点を合わせられる明視野照明は、第2の画像収集装置34による明視野画像の収集を可能にする。
【0078】
第2の画像収集平面によって収集される明視野画像は、好ましくは画像信号に変換される。画像信号は、その後CPUに伝送されるかまたはダウンロードされる。プログラマブルコントローラへの画像信号の伝送は、また、データ転送として公知である。転送された明視野画像は、次いでCPUで処理されておよびそれに記憶されることのうち少なくとも1つである。
【0079】
暗視野高角度(DHA)照明によってたどられる例示的な第2のレイパス200の流れ図が、図11内に示される。
【0080】
第2のレイパス200のステップ202において、DHA照明が高角度暗視野照明器30によって供給される。前述のように、第2の光ファイバが好ましくは高角度暗視野照明器30から供給されるDHA照明を方向付けるのを助ける。好ましくは、DHA照明は光学部品または付属品、例えば対物レンズ40を通過する必要性を伴わずに検査位置で直接焦点を合わせられる。
【0081】
ステップ204において、検査位置に向けられるDHA照明が、検査位置に置かれる、半導体ウェーハ12またはその一部によって反射される。ウェーハから反射されたDHA照明は、ステップ206で対物レンズ40を通過する。無限遠での補正収差を有する対物レンズ40が、ステップ206でそれを通して通過するDHA照明を平行にする。
【0082】
対物レンズ40を通過するDHA照明は、第1のビーム分割器48の方へ向けられる。ステップ208において、DHA照明は第1のビーム分割器48に当たり、および、それの一部が第1のビーム分割器48中を透過される。第1のビーム分割器48中のDHA照明の透過の程度は、第1のビーム分割器48のR/T比率に依存している。
【0083】
第1のビーム分割器48中を透過されるDHA照明は、第2のビーム分割器50の方へ向けられる。ステップ210において、DHA照明は第2のビーム分割器50に当たる。第2のビーム分割器50に当たるDHA照明の透過または反射は、第2のビーム分割器50のR/T比率に依存している。
【0084】
第2のビーム分割器50中を透過されるDHA照明は、ステップ214で第1の画像収集装置32に入る前にステップ212で第1のチューブレンズ36を通過する。第1のチューブレンズ36は、第1の画像収集装置32の第1の画像収集平面上へ平行にされたDHA照明が焦点を合わせるのを助ける。第1の画像収集平面に焦点を合わせられるDHA照明は、暗視野画像、より詳しくは第1の画像収集装置32による暗視野高角度(DHA)画像の収集を可能にする。
【0085】
代わりとしてDHA照明は第2のビーム分割器50によって反射される。第2のビーム分割器50から反射されたDHA照明が、ステップ218で第2の画像収集装置34に入る前にステップ216で第2のチューブレンズ38を通過する。第2のチューブレンズ38は、第2の画像収集装置34の第2の画像収集平面上へ平行にされたDHA照明が焦点を合わせるのを助ける。第2の画像収集位置に焦点を合わせられるDHA照明は、暗視野画像、より詳しくは第2の画像収集装置34による暗視野高角度(DHA)画像の収集を可能にする。
【0086】
暗視野低角度(DLA)照明によってたどられる例示的な第3のレイパス250の流れ図が、図12内に示される
【0087】
第3のレイパス200のステップ252において、DLA照明が低角度暗視野照明器28によって供給される。第3の光ファイバが、好ましくは低角度暗視野照明器28によって供給されるDLA照明を方向付けるのを助ける。好ましくは、DLA照明は光学部品または付属品、例えば対物レンズ40を通過する必要性を伴わずに検査位置に直接焦点を合わせられる。
【0088】
ステップ254において、検査位置に向けられるDLA照明は、検査位置に置かれる、半導体ウェーハ12またはそれの一部によって反射される。ウェーハから反射されたDLA照明が、ステップ256で対物レンズ40を通過する。無限遠での補正収差を有する対物レンズ40が、ステップ256でそれを通して通過するDLA照明を平行にする。
【0089】
対物レンズ40を通過するDLA照明は、第1のビーム分割器48の方へ向けられる。ステップ258において、DLA照明が第1のビーム分割器48に当たり、および、それの一部が第1のビーム分割器48中を透過される。第1のビーム分割器48中のDLA照明の透過の程度は、第1のビーム分割器48のR/T比率に依存している。
【0090】
第1のビーム分割器48中を透過されるDLA照明は、第2のビーム分割器50の方へ向けられる。ステップ260において、DLA照明は第2のビーム分割器50に当たる。第2のビーム分割器50に当たるDLA照明の透過または反射は、第2のビーム分割器50のR/T比率に依存している。
【0091】
第2のビーム分割器50中を透過されるDLA照明は、ステップ264で第1の画像収集装置32に入る前にステップ262で第1のチューブレンズ36を通過する。第1のチューブレンズ36は、第1の画像収集装置32の第1の画像収集平面上へ平行にされたDLA照明が焦点を合わせるのを助ける。第1の画像収集平面に焦点を合わせられるDLA照明は、暗視野画像、より詳しくは第1の画像収集装置32による暗視野低角度(DLA)画像の収集を可能にする。
【0092】
代わりとしてDLA照明は第2のビーム分割器50によって反射される。第2のビーム分割器50から反射されたDLA照明が、ステップ268で第2の画像収集装置34に入る前にステップ266で第2のチューブレンズ38を通過する。第2のチューブレンズ38は、第2の画像収集装置34の第2の画像収集平面上へ平行にされたDLA照明が焦点を合わせるのを助ける。第2の画像収集位置に焦点を合わせられるDLA照明は、暗視野画像、より詳しくは第2の画像収集装置34による暗視野低角度(DLA)画像の収集を可能にする。
【0093】
DHA照明およびDLA照明が半導体ウェーハ12によって反射された後に好ましくは類似したレイパスをたどることが、上で与えられる記述から当業者によって認識されるであろう。しかしながら、DHA照明の第2のレイパス200およびDLA照明の第3のレイパス250は公知技術の技法を用いて必要に応じて、個々に変更されることができる。加えて、DHA照明およびDLA照明が検査位置に配置される半導体ウェーハ12に当たる角度は、欠陥検出の正確度を高めるために必要に応じて調整されることができる。例えば、DHA照明およびDLA照明が検査位置に配置される半導体ウェーハ12に当たる角度は、検査位置に配置される半導体ウェーハ12のタイプまたはシステム10のユーザが検出することを望むウェーハ欠陥のタイプに従い調整されることができる。
【0094】
第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の各々によって収集されるDHA画像およびDLA画像は好ましくは画像信号に変換され、それはその後CPUに伝送されるかまたはダウンロードされる。CPUに対する画像信号の伝送は、また、データ転送として公知である。転送されたDHA画像およびDLA画像は、必要に応じてCPUで処理されてそれに記憶されることのうち少なくとも1つである。
【0095】
前述のように、第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34は互いに対して所定の空間位置を有する。第1のチューブレンズ36および第2のチューブレンズ38と共に対物レンズ40の使用は、第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の空間位置決めを容易にする。他の光学部品または付属品、例えばミラーが明視野照明、DHA照明およびDLA照明を方向付けるために、かつ第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の空間位置決めを容易にするために用いられることができることが、当業者によって更に認識されよう。好ましくは、第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の空間位置は検査位置に関して固定される。第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の固定された空間位置は、好ましくはシステム10によるウェーハ検査の正確度および効率の少なくとも1つを高める。例えば、検査位置に対する第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34の固定された空間位置は、典型的にモバイル画像収集装置またはカメラの使用と関連する較正ロスおよび調整フィードバックロスを好ましくは減少させる。
【0096】
システム10の光検査ヘッド14は、好ましくは第3の照明器(以下に細線照明器52と称する)を更に備える。細線照明器52は、あるいは、細線照明エミッタとして公知である。細線照明器52は、細線照明を放射するかまたは供給する。細線照明器52は、好ましくは細線レーザー照明を供給するためのレーザー光源である。代わりとして、細線照明器52は広帯域細線照明を供給する広帯域照明器である。細線照明は好ましくは、検査位置に、より詳しくは、必要に応じて変更されることができる、所定の角度で検査位置に配置される半導体ウェーハ12に、向けられる。ミラー設定54またはミラーが、好ましくは検査位置に細線照明を向けるために細線照明器52に対して所定の位置に連結されるかまたは配置される。
【0097】
システム10の光検査ヘッド14は、好ましくは第3の画像収集装置(以下に三次元(3D)形状カメラ56と称する)を備える。好ましくは、3D形状カメラ56は半導体ウェーハ12によって反射される細線照明を受け取る。好ましくは、3D形状カメラ56に入る細線照明は、半導体ウェーハ12の3D画像をそれによって収集するために3D画像収集平面(図示せず)に焦点を合わせられる。細線照明器52および3D形状カメラ56を備える3D光設定が、図13内に示される。
【0098】
光検査ヘッド14は、3D形状カメラ56のための対物レンズ(以下に3D形状対物レンズ58と称する)を更に備える。半導体ウェーハ12によって反射される細線照明は、3D形状カメラ56に入る前に3D形状対物レンズ58を通過する。好ましくは、3D形状対物レンズ58は無限遠での補正収差を有する。したがって、3D形状対物レンズ58を通過する細線照明は、それによって平行にされる。光検査ヘッド14は、3D形状対物レンズ58および3D形状カメラ56とともに用いられるチューブレンズ60を更に備える。チューブレンズ60は、3D画像収集平面上への平行にされた細線照明の焦点合せを可能にする。3D形状対物レンズ58および3D形状カメラ56と共にチューブレンズ60の使用が、3D形状カメラ56の柔軟な位置決めおよび再構成を容易にする。加えて、3D形状対物レンズ58および3D形状カメラ56と共にチューブレンズ60の使用が、3D形状対物レンズ58とチューブレンズ60との間に追加的な光学部品または付属品を導入する容易さを可能にする。
【0099】
細線照明器52および3D形状カメラ56は好ましくは、半導体ウェーハ12の3D形状走査および検査を容易にするために協同的に動作する。好ましくは、細線照明器52および3D形状カメラ56はCPUに連結され、それが細線照明器52および3D形状カメラ56の動作を調整するかまたは同期させるのを助ける。更に好ましくは、半導体ウェーハ12の自動3D形状走査および検査が、システム10によって実行される。半導体ウェーハ12のこの自動3D形状走査および検査は好ましくは、CPUによって制御される。
【0100】
加えて、光検査ヘッド14は検査画像収集装置62を備える。検査画像収集装置62は、たとえばカラーカメラである。検査画像収集装置62は、好ましくはカラー画像を収集する。代わりとして検査画像収集装置62はモノクロ画像を収集する。検査画像収集装置62は好ましくは、半導体ウェーハ12上で検出される欠陥を確認して、分類して、検査することのうち少なくとも1つのために半導体ウェーハ12の検査画像を収集する。
【0101】
光検査ヘッド14は、それぞれ明視野照明および暗視野照明を供給するための検査明視野照明器62および検査暗視野照明器64を更に備える。検査画像収集装置60は、それぞれ検査明視野照明器62および検査暗視野照明器64によって供給され、かつ、半導体ウェーハ12の検査画像を収集するために、半導体ウェーハ12によって反射される明視野照明および暗視野照明を受け取る。代わりとして、検査画像収集装置60は半導体ウェーハ12の検査画像を収集するための代替照明器、例えば上で記載されているそれの1つによって供給される照明を収集する。検査画像収集装置60は、好ましくは半導体ウェーハ12の高解像度画像を収集する。
【0102】
検査明視野照明器62、検査暗視野照明器64、検査画像収集装置60およびその間にある照射パターンを示す図が、図14内に与えられる。検査明視野照明器62によって供給される明視野照明によってたどられる例示的な第4のレイパス300の流れ図が、図15内に示される。
【0103】
第4のレイパス300のステップ302において、明視野照明が検査明視野照明器62によって供給される。検査明視野照明器62によって供給される明視野照明が、第1の反射面66に向けられる。ステップ304において、明視野照明が第1の反射面66によって反射されてかつビーム分割器68の方へ向けられる。以降のステップ306において、ビーム分割器68に当たる明視野照明が、それによって反射されてかつ検査位置の方へ向けられる。ビーム分割器68によって反射される明視野照明の程度は、それのR/T比率に依存する。
【0104】
ステップ308において、明視野照明は、検査位置に置かれる半導体ウェーハ12またはそれの一部によって反射される。反射された明視野照明は、ステップ310で検査対物レンズ70を通過する。好ましくは、検査対物レンズ70は無限遠での補正収差を有する。したがって、ステップ310で検査対物レンズ70を通過する明視野照明は、検査対物レンズ70によって平行にされる。
【0105】
ステップ312において、明視野照明はビーム分割器68に当たり、および、それの一部がそれを通して透過される。ビーム分割器68を通過する明視野照明の程度は、ビーム分割器68のR/T比率に依存している。明視野照明は次いで、ステップ316で検査画像収集装置60に入る前にステップ314で検査チューブレンズ72を通過する。検査チューブレンズ72は、平行にされた明視野照明を検査画像収集装置60の画像収集平面上へ焦点を合わせる。検査画像収集装置60の画像収集平面に焦点を合わせられる明視野照明は、ステップ318での検査明視野画像の収集を容易にする。
【0106】
検査対物レンズ70と検査チューブレンズ72との間の明視野照明の平行は、好ましくはその間にある光学部品および付属品の導入の容易さを促進する。加えて、検査対物レンズ70と検査チューブレンズ72との間の明視野照明の平行が好ましくは、検査画像収集装置60の必要に応じて、柔軟な位置決めおよび再構成を可能にする。
【0107】
検査暗視野照明器64によって供給される暗視野照明によってたどられる例示的な第5のレイパス350の流れ図が、図16内に示される。
【0108】
第5のレイパス350のステップ352において、暗視野照明が検査暗視野照明器64によって供給される。検査暗視野照明器64によって供給される暗視野照明が、好ましくは検査位置に直接焦点を合わせられる。加えて、検査暗視野照明器64によって供給される暗視野照明が、好ましくは半導体ウェーハ12の水平面に対して所定の角度で検査位置に向けられる。この所定の角度は好ましくは高角度であって、かつ当業者に公知の技法を用いて必要に応じて調整されることができる。
【0109】
ステップ354において、暗視野照明は、検査位置に置かれる、半導体ウェーハ12またはそれの一部によって反射される。反射された暗視野照明は、次いでステップ356で検査対物レンズ70を通過する。ステップ356で検査対物レンズ70を通過する暗視野照明は、検査対物レンズ70によって平行にされる。
【0110】
ステップ358において、平行にされた暗視野照明はビーム分割器に当たり、および、それの一部がそれを通して透過される。ビーム分割器68を通過する暗視野照明の程度は、ビーム分割器68のR/T比率に依存している。暗視野照明は次いで、ステップ362で検査画像収集装置60に入る前にステップ360で検査チューブレンズ72を通過する。第4のチューブレンズ72が、平行にされた暗視野照明を検査画像収集装置60の画像収集平面上へ焦点を合わせる。検査画像収集装置60の画像収集平面に焦点を合わせられる暗視野照明は、ステップ364での検査暗視野画像の収集を容易にする。検査対物レンズ70と検査チューブレンズ72との間の明視野照明および暗視野照明の各々の平行は、システム10の設計および構成の容易さを高める。より詳しくは、検査対物レンズ70と検査チューブレンズ72との間の明視野照明および暗視野照明の各々の平行が、システム10の他の構成部品と共に検査画像収集装置60の位置決めまたは構成の容易さを高め、それによって検査明視野画像および検査暗視野画像の、半導体ウェーハ12が動く間の、収集を容易にする。
【0111】
収集された検査明視野画像および収集された検査暗視野画像は、好ましくは画像信号に変換されてかつ検査画像収集装置60からプログラマブルコントローラまで伝送されそこでそれらが処理され、かつデータベース内に記憶されるかまたは保存されることができる。
【0112】
検査画像収集装置60は、検査位置に対して固定された空間位置を有することができる。検査画像収集装置60の固定空間位置は、典型的にモバイル画像収集装置またはカメラの使用と関連する較正ロスおよび調整フィードバックロスを好ましくは減少させ(注:先の記載は、チューブレンズの使用によって可能になされる検査画像収集装置の固定位置の利点を強調するためである)、それによって収集される検査明視野画像および検査暗視野画像の品質を高める。
【0113】
システム10は振動絶縁装置24を更に備え、それは安定器メカニズムとして集合的に公知である。システムが通常動作にある時、システム10は好ましくは振動絶縁装置24または安定器メカニズム上に取り付けられる。好ましくは、システム10は、各々がシステム10の異なるコーナーに配置される4個の振動絶縁装置24を備える。振動絶縁装置24は、システム10を支持して安定させるのを助ける。各振動絶縁装置24は好ましくは圧縮可能な構造体または吸収缶であり、それがそれによってシステム10への地上振動の伝導を防ぐための緩衝器として機能するために地上振動を吸収する。システム10に対する望まない振動または物理的な動きを防ぐことによって、振動絶縁装置24は第1の画像収集装置32、第2の画像収集装置34、3D形状カメラ56および検査カメラ60の各々によって収集される画像の品質を高め、かつそれによって半導体ウェーハ12の検査の品質を改善するのを助ける。
【0114】
半導体ウェーハ12を検査するための例示的な方法400が、本発明の一実施態様に従って提供される。例示的な方法400の方法流れ図が、図17内に示される。半導体ウェーハ12を検査するための方法400は、半導体ウェーハ12上の欠陥の検出、分類および検査の少なくとも1つを可能にする。
【0115】
半導体ウェーハ12を検査するための例示的な方法400は、半導体ウェーハ12の収集画像が半導体ウェーハ12上の欠陥の検出、分類、および検査のうち少なくとも1つのために比較される基準画像(別名ゴールデン基準)を利用する。明確にするため、例示的な基準画像作成プロセス900の記述が例示的な方法400の記述の前に与えられる。例示的な基準画像作成プロセス900が、図18内に示される。
例示的な基準画像作成プロセス900
【0116】
基準画像作成プロセス900のステップ902において、半導体ウェーハ12上の所定の数の基準領域を含むレシピが、ロードされる。レシピは、好ましくはコンピューターソフトウェアプログラムによって作り出されるかまたは導き出される。代わりとしてレシピは手動で作り出される。レシピは、CPUのデータベース内に記憶されることができる。代わりとしてレシピは外部データベースまたはメモリ空間内に記憶される。
【0117】
所定の基準領域の各々が半導体ウェーハ12上の位置を代表し、それは未知の品質である。複数の基準領域の使用は、半導体ウェーハ12上の異なる位置での、または複数のウェーハの間の、表面変動の可能性を補正するのを助ける。この種の表面変動は、差異平面性および照明反射率を含むが、これに限定されるものではない。所定の数の基準領域が半導体ウェーハ12の表面領域全体を代表することができることは、当業者によって理解されよう。代わりとして所定の数の基準領域が複数のウェーハ上の複数の所定の位置を代表することができる。
【0118】
ステップ904において、第1の基準領域が選ばれる。以降のステップ906では、所定の数(「n」)の画像が選択された基準領域の第1の収集位置の中で収集される。より詳しくは、n画像が選択された基準領域の各所定の位置で収集される。選択された基準領域の所定の位置の数および位置は、必要に応じて変更されることができてかつソフトウェアプログラムおよび手入力の少なくとも1つによって容易にされることができる。
【0119】
n画像が、必要に応じて第1の画像収集装置32、第2の画像収集装置34、および検査画像収集装置62の少なくとも1つを用いて収集されることができる。代わりとしてn画像が異なる画像収集装置を用いて収集される。n画像の収集のために用いられる照明は、必要に応じて変更されることができ、かつたとえば明視野照明、DHA照明、およびDLA照明の1つまたは組合せである。n画像の収集のために用いられる照明のカラーおよび強度が、必要に応じて選ばれて変更されることができる。
【0120】
各位置での複像の収集は、好ましくは基準画像の収集中に用いられる照明、光設定および画像形成手段の変動を考慮して基準画像を作り出すことを可能にする。基準画像作成のこの方法は、照明条件の間の変動に起因する、欠陥検出および分類上の、望まない影響または効果を最小化する。加えて、選択された基準領域の複数の画像が各指定された照明条件に対して収集されることができる。好ましくは、各指定された照明条件での複像の収集が、フラッシュ毎のまたはストローブ毎の照明変動の正常化または補正を容易にする。
【0121】
n画像は、好ましくはCPUのデータベース内に記憶される。代わりとしてn画像は必要に応じて外部データベースまたはメモリ空間内に記憶される。ステップ908において、ステップ906で収集されたn画像が、位置合わせされて前処理される。好ましくは、ステップ906で収集されたn画像の下位画素が、登録される。n画像の下位画素の登録は、好ましくはバイナリ、グレイスケールまたは幾何学的パターンマッチングの1つ以上を用いて1枚以上のウェーハ上に形成されるトレース、バンプまたはパッドを含むがこれに限らず既知の基準を用いて実行される。
【0122】
ステップ910において、n画像の各々の基準強度が算出される。より詳しくは、選択された基準領域の所定の位置の各々で収集される各画像の基準強度が、算出される。好ましくは、n画像の各々の基準強度の計算が、半導体ウェーハ12(または複数のウェーハ)上の異なる位置または領域でカラー変動を正規化するかまたは補正するのを助ける。更に好ましくは、n画像の各々の基準強度の計算が半導体ウェーハ12(または複数のウェーハ)上の異なる位置または領域での他の表面変動を含むかまたは、補正するのを助ける。
【0123】
ステップ910はn基準強度の計算に結びつき、n基準強度の各々がn画像の1つに対応する。ステップ912において、強度の複数の統計情報、n画像の各々の各画素が、算出される。この複数の統計情報は、n画像の各々の各画素に対する加算平均、範囲、標準偏差、最大および最小強度を含むが、これに限定されるものではない。
【0124】
より詳しくは、加算平均は「n」画像の各々の各画素に対する基準強度の幾何平均である。幾何平均は一種の平均または加算平均であり、それは一組の数またはn数の中心傾向または標準値を示す。この一組の数が逓倍され、そして次に、得られる積のn乗根が得られる。幾何平均を得るための計算式が、下記に示される:
【0125】
【数1】

【0126】
算術平均または中央値の代わりに幾何平均の計算は、n画像の各々の各画素に対して算出される加算平均強度がデータセット内の極値に過度に影響を受けることを防ぐ。
【0127】
加えて、n画像の各画素に対する絶対強度の範囲(以下にRiと称する)が算出される。好ましくは、n画像の各画素に対するRiは、n画像の各画素に対する最大および最小絶対強度の間の値である。
【0128】
前述のように、ステップ906で収集される第1の基準領域のn画像の各々に対する各画素の強度の標準偏差もまた、算出される。より詳しくは、標準偏差は幾何学的な標準偏差であり、それは、その好適な加算平均が幾何平均である一組の数がどれほど分散されるかについて記述する。標準偏差を得るための計算式が、下記に示される:
【0129】
【数2】

ここで、μは一組の数{A、A、...、A}の幾何平均である。
【0130】
ステップ914において、半導体ウェーハ12または第1の基準領域上の位置のようなそれらの対応する情報と共に、収集されるn画像が、一時的に保存される。ステップ912で算出される統計情報は、好ましくはまた、ステップ914で一時的に保存される。好ましくは、上記のデータはCPUのデータベース内に保存される。代わりとして上記のデータは必要に応じて代替データベースまたはメモリ空間内に保存される。
【0131】
ステップ916において、選択された基準領域のより多くの画像が必要とされるかどうか、判定される。ステップ916は、好ましくはソフトウェア制御されてかつ自動的に予め形成される。好ましくは、ステップ916はステップ910および912によって得られる情報に対する依存で実行される。代わりとしてステップ916は手動で容易にされるかまたは公知技術の技法を用いて制御される。
【0132】
選択された基準領域のより多くの画像が必要とされることがステップ916で判定される場合、ステップ904から916が繰り返される。ステップ904から916は、必要に応じて任意の回数繰り返されることができる。第1の基準領域のどんな画像も必要とされないことがステップ916で判定される時、ステップ904から916が、所定の数の基準領域の次の基準領域(本記述のために第2の基準領域)に対して繰り返される必要があるかどうか判定するステップ918。ステップ918は、好ましくはソフトウェア制御されてかつ自動的に実行される。加えて、ステップ918は、好ましくはステップ910、912および916の少なくとも1つで得られた情報を用いて実行される。代わりとして、ステップ918は手動で容易にされるかまたは公知技術の技法を用いて制御される。
【0133】
第2の基準領域の画像が収集される必要があることがステップ918で判定される場合、すなわち、ステップ904から916が第2の基準領域に対して繰り返される必要がある場合、ステップ904から916を繰り返すために信号が生成される。ステップ904から918は、必要に応じて任意の回数繰り返されることができる。ステップ904から918の繰り返しは、好ましくはソフトウェア制御されて自動化される。
【0134】
ステップ904から918が繰り返される必要がないこと、すなわち所定の数の基準領域の次の基準領域の画像が必要とされないことがステップ918で判定される時、ゴールデン基準画像(以下に基準画像と称する)が、その時ステップ920で算出される。
【0135】
基準画像の計算は、好ましくはソフトウェア制御され、かつ一連のプログラム命令経由で実行される。以下の諸ステップは、基準画像を算出するために実行される例示的なステップである。以下の諸ステップと相補的な追加的なステップまたは技法が基準画像の計算において実行されることができることは、しかしながら当業者によって理解されよう。
【0136】
ステップ922において、定義済み限界値より大きい基準強度を有する画素が、判定される。加えて、定義済み範囲より大きい画素強度の範囲を有する画素が、ステップ922で判定される。ステップ922の定義済み限界および範囲は、ソフトウェアで選ばれて判定されるかまたは手動で判定されることができる。ステップ924では、定義済み値より大きい標準偏差を備えた強度の画素が、識別される。ステップ924の定義済み値は、ソフトウェアで選ばれて判定されるかまたは手動で判定されることができる。ステップ926では、所定の値または範囲の外側の基準強度を備えた画素がステップ922から924中に識別される場合、ステップ914で以前に保存された画像がステップ904から924の任意の1つ以上の繰返しのために再ロードされる。
【0137】
ステップ922から926が、特定の画素強度の画素を備えた画像の識別を容易にする。より詳しくは、ステップ922から926が、識別されるべき、定義済み限界または範囲の外側の基準強度を有する画素を含有する画像の識別、例えば「望ましくない」画像の識別を可能にする。より詳しくは、ステップ922から926が、基準画像計算から「望ましくない」画素を除去してかつ基準画像の最終的な基準画素値に「望ましくない」画素が影響することを防ぐのを助ける。
【0138】
「望ましくない」画像は、廃棄される。これは、欠陥のあるデータまたは画像の消去を容易にし、それによって生成された基準画像によるこの種の欠陥のあるデータの影響または存在を防ぐ。ステップ928では、定義済み限界および範囲内の画素(すなわち廃棄されない画像)を備える画像が、まとめられる。
【0139】
好ましくは、基準画像作成プロセス900が以下の画像データの導出に結びつく:
(a)まとめられた画像の各々の各画素の強度の正規化加算平均
(b)まとめられた画像の各々の各画素の強度の標準偏差
(c)まとめられた画像の各々の各画素の最大および最小強度
(d)ステップ702で決定される所定の数の基準領域の各々の加算平均基準強度
【0140】
ステップ928のまとめられた画像が、基準画像を代表する。基準画像が、対応する画像データと共にステップ928で更に保存される。基準画像およびそれらの対応する画像データが、好ましくはCPUのデータベース内に保存される。代わりとして、基準画像およびそれらの対応する画像データが代替データベースまたはメモリ空間内に保存される。ステップ922から926が基準画像およびそれらの対応するデータを記憶するために必要とされるメモリ空間の量またはサイズを減少させるのを助け、それによって方法400がより高い速度または正確度で実行されることを可能にすることができることが、当業者によって認識されよう。
【0141】
各画素の加算平均強度は、好ましくは基準画像を表示してかつ視覚化するために255に正規化される。各画素の加算平均強度が基準画像を表示してかつ視覚化するために代替値に正規化されることができることは、しかしながら当業者によって理解されよう。
【0142】
ステップ904から928が、第1の画像収集装置32、第2の画像収集装置34および検査カメラの少なくとも1つによって対応する数の画像を収集するために所定の回数繰り返されることができる。加えて、ステップ904から928は、必要に応じて、異なる照明または照明条件、例えば明視野照明、DHA照明、DLA照明および細線照明で画像を収集するために繰り返されることができる。ステップ904から928の繰り返しは、複数の照明または照明条件に対する、かつ必要に応じて複像収集装置による、基準画像の作成を可能にする。
【0143】
前述したように、照明条件の変動に起因するその後収集された画像の品質の変動に対して、半導体ウェーハ12(または複数のウェーハ)の複数の基準領域に対するおよび複数の照明条件での基準画像の導出が、計測性および必要とされる所での補正を確実にするのを助ける。例えば、半導体ウェーハ12の異なる基準領域(すなわち半導体ウェーハ12上の異なる位置)での基準画像の収集は、好ましくは半導体ウェーハ12上の異なる位置でのカラー変動に対する計測性および補正を確実にする。
【0144】
ステップ904から928は、好ましくはCPUによって実行されてかつ制御される。好ましくは、ステップ904から928はソフトウェアプログラムによって実行されてかつ制御されることの少なくとも1つである。代わりとしてステップ904から928の少なくとも1つが、必要であれば手動で補助されることができる。例示的な基準画像作成プロセス900によって作り出される基準画像が、それによって半導体ウェーハ12上の欠陥の検出、分類および検査の少なくとも1つを可能にするために未知の品質の半導体ウェーハ12のその後収集された画像との比較のために用いられる。
【0145】
前述のように、本発明は、それによって半導体ウェーハ12上に存在する欠陥を検出して、分類してかつ検査することのうち少なくとも1つのために半導体ウェーハ12の検査のための例示的な方法400を提供する。
【0146】
方法400のステップ402において、システム10によって検査されるべき半導体ウェーハ12が、ウェーハテーブル16上へロードされる。好ましくは、半導体ウェーハ12がロボットウェーハハンドラ18によってウェーハスタック20から抜き取られてウェーハテーブル16上に積み換えられる。吸気または真空が、半導体ウェーハ12をその上に固定するためにウェーハテーブル16に加えられる。
【0147】
半導体ウェーハ12は、好ましくはウェーハ識別番号(ID番号)またはバーコードを備える。ウェーハID番号またはバーコードは、半導体ウェーハ12の表面上へ、より詳しくは半導体ウェーハ12の表面の周辺で、彫刻されるかまたはタグを付けられる。ウェーハID番号またはバーコードは、半導体ウェーハ12を識別するのを助けてかつ半導体ウェーハ12がウェーハテーブル16上へ正しくまたは適切にロードされることを確実にする。
【0148】
ステップ404では、ウェーハテーブル16上へロードされる半導体ウェーハ12のウェーハマップが、得られる。ウェーハマップは、プログラマブルコントローラのデータベースからロードされることができる。代わりとしてウェーハマップは外部データベースまたはプロセッサから読み出されることができる。さらに代わりとしてウェーハマップは当業者に公知の方法または技法を用いて、可動支持プラットフォーム上へ、半導体ウェーハ12のローディングの際に準備されるかまたは導出されることができる。
【0149】
ステップ406では、1つ以上の基準位置がウェーハマップ上で収集されるかまたは決定され、および、ウェーハX、Y並進およびθ回転オフセットの少なくとも1つが当業者に公知の技法を用いて算出される。
【0150】
以降のステップ408では、ウェーハ走査走行パスおよび複数の画像収集位置が算出されるかまたは決定される。ステップ404で得られるウェーハマップは好ましくは、ウェーハ走査走行パスおよび複数の画像収集位置の計算を容易にする。好ましくは、ウェーハ走査走行パスの計算はいくつかの既知パラメータの少なくとも1つに依存している。この種の既知パラメータは、回転オフセット、ウェーハサイズ、ウェーハダイサイズ、ウェーハピッチ、検査面積、ウェーハ走査速度およびエンコーダ位置を含むが、これに限定されるものではない。複数の画像収集位置の各々は、画像が収集されるべき半導体ウェーハ12上の位置を反映するかまたは対応する。好ましくは、当業者に公知の技法を用いて必要に応じて、複数の画像収集位置の各々が変更されることができる。当業者に公知の技法を用いて必要に応じて、画像収集位置の数もまた、変更されることができる。
【0151】
好ましくは、ステップ404から408がシステム10によって、より詳しくはシステム10のプログラマブルコントローラによって、自動的に実行される。代わりとして、ステップ404から408の任意の1つが代替プロセッサによって、またはその助けを借りて実行されることができる。
【0152】
ステップ410では、システム10のプログラマブルコントローラが適切なゴールデン基準(以下に基準画像と称する)の可用性を判定する。基準画像が利用可能でない場合、基準画像がステップ412で上記の通りに例示的な基準画像作成プロセス900によって作り出される。
【0153】
好ましくは、基準画像は、ステップ414で例示的な二次元(2D)ウェーハ走査プロセス400を実行する前に、得られるかまたは作り出される。例示的な二次元(2D)ウェーハ走査プロセス500のプロセス流れ図が、図19内に示される。
例示的な二次元(2D)ウェーハ走査プロセス500
【0154】
2Dウェーハ走査プロセス500は、第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34による明視野画像および暗視野画像の収集を可能にする。
【0155】
2Dウェーハ走査プロセス500のステップ502では、第1の画像収集装置32が露光される。ステップ504では、第1の照明が供給される。第1の照明は、たとえば明視野照明器26によって供給される明視野照明、高角度暗視野照明器30によって供給されるDHA照明または低角度暗視野照明器28によって供給されるDLA照明である。ステップ504で供給される第1の照明の選択は、好ましくは照明コンフィギュレータ(図示せず)によって決定される。好ましくは、照明コンフィギュレータはシステム10の構成部品であり、かつ、システム10の照明器(28、30、52、64および66)に電子的に連結される。代わりとして照明コンフィギュレータはCPUの構成部品である。
【0156】
画像収集装置32および34は、明視野照明器26、DHA照明器30およびDLA照明器28によって供給される照明の任意の組合せを用いることができる。画像収集装置32によって用いられる第1の照明および画像収集装置34によって用いられる第2の照明に対する可能な組合せの少しが、図19のテーブル内に示される。第1の画像収集装置32および第2の画像収集装置34が実質的に類似した照明を用いる場合、この種の構成のスループットは可能な全ての構成で最高のものであろう。
【0157】
本記述のために、図20のテーブルで示す構成1が、照明コンフィギュレータによって選ばれることができる。したがって、第1の照明は明視野照明器26によって供給される明視野照明である。
【0158】
好ましくは、ステップ502および504が同時に実行される。ステップ502および504の性能は、図22aに示すように、第1の画像収集装置32による、第1の画像の収集を可能にする。ステップ506では、第1の画像収集装置32によって収集される第1の画像が、画像信号に変換され、データ転送プロセス経由でCPUに伝送されて好ましくはデータベースまたは記憶メモリ内に記憶される。
【0159】
ステップ508では、第2の画像収集装置34が露光される。ステップ510では、第2の照明が供給される。第1の照明と同様に、第2の照明の選択は好ましくは照明コンフィギュレータによって決定される。本記述のために、図20のテーブルで示す構成1が、照明コンフィギュレータによって選ばれる。したがって、第2の照明は高角度暗視野照明器30によって供給されるDHA照明である。第1の照明および第2の照明が必要に応じて代替照明、たとえば図20のテーブルで示す異なる構成のそれらであることができることは、しかしながら当業者によって認識されよう。
【0160】
好ましくは、ステップ508および510が同時に実行される。好ましくは、ステップ506がステップ508および510の実行と並んで生じる。ステップ508および510の実行は図22bに示すように、第2の画像収集装置34による第2の画像の収集を可能にする。ステップ512では、第2の画像収集装置34によって収集される第2の画像が、画像信号に変換され、データ転送プロセス経由でプログラマブルコントローラに伝送されて好ましくはデータベースまたは記憶メモリ内に記憶される。
【0161】
第1の画像収集装置32の露光、第1の照明の供給、第2の画像収集装置34の露光、第2の照明の供給およびデータ転送プロセスを示す図が、図21内に与えられる。ステップ502から512は、対応するセット数の半導体ウェーハ12の第1の画像および第2の画像を収集するために任意の回数繰り返されることができる。より詳しくは、ステップ502から512は好ましくは、ステップ408で算出される、ウェーハ走査走行パスに沿った複数の画像収集位置の各々で半導体ウェーハ12の第1の照明および第2の照明による画像を収集するために繰り返される。
【0162】
前述したように、第1の画像および第2の画像の各々が、画像信号に変換されてプログラマブルコントローラに伝送され、データベースまたは記憶メモリ内に記憶される。ステップ502から512の各々は、半導体ウェーハ12が動く間に、実行される。すなわち、半導体ウェーハ12がウェーハ走査走行パスに沿って動く間、第1の画像および第2の画像の収集が実行される。したがって、半導体ウェーハ12がステップ502、504(それは好ましくは同時に生じる)とステップ508、510(それは好ましくはまた同時に生じる)との間のウェーハ走査走行パスに沿って、所定の距離だけ変位されるということを、当業者は認識するであろう。所定の距離は、ウェーハ走査走行パスに沿った半導体ウェーハ12の変位の速度およびステップ502から512の任意の1つに対して必要とされる時間を含むがこれに限らずいくつかの要因に依存する。所定の距離は、たとえばCPUによって、必要に応じて制御されて変更されることができる。所定の距離の制御および変動は、ソフトウェアまたは手動で促進されることの少なくとも1つであることができる。
【0163】
したがって、第2の画像上へ重畳されるかまたはそれと比較される時、第1の画像は所定の画像オフセットを有する。図22cは、半導体ウェーハ12が動く間、第1の画像および第2の画像の収集に起因する得られる画像オフセットを実証する第1の画像および第2の画像の合成画像を示す。所定の画像オフセットは、ウェーハ走査走行パスに沿った半導体ウェーハ12の変位の速度およびステップ502から512の任意の1つに必要とされる時間を含むがこれに限らずいくつかの要因に依存する。所定の画像オフセットの制御および変動は、ソフトウェアまたは手動で促進されることのうち少なくとも1つであることができる。
【0164】
ステップ514では、XYエンコーダ値が読み出される。XYエンコーダ値は、好ましくはステップ504および510の各々の間に得られる。好ましくは、XYエンコーダ値はウェーハ走査走行パスに沿った半導体ウェーハ12の位置(XY−変位)を代表する。得られたXYエンコーダ値は、ステップ516で第1の画像と第2の画像との間の画像オフセット(粗オフセット)(すなわち第1の画像からの第2の画像の相対オフセット)を算出するために用いられる。微細画像オフセットは、パターンマッチング技法を用いて下位画素画像位置合わせを実行することによって算出される。最終的なオフセットは、粗および微細画像オフセットに所定の数学的計算式を適用することによって得られる。所定の数学的計算式は当業者に公知の技法を用いて必要に応じて、調整されることができる。
【0165】
方法400のステップ414で実行される2Dウェーハ走査プロセス500は、好ましくはウェーハ走査走行パスに沿った算出画像収集位置での半導体ウェーハ12の複像の収集に結びつく。
【0166】
方法400のステップ416では、例示的な二次元(2D)画像処理プロセス600が半導体ウェーハ12上の欠陥を識別するかまたは検出して、分類して、まとめてかつ記憶することのうち少なくとも1つに対して実行される。例示的な2D画像処理プロセス600のプロセス流れ図が、図23内に示される。
例示的な2D画像処理プロセス600
【0167】
2D画像処理プロセス600は、2Dウェーハ走査プロセス500で収集される画像の処理を容易にする。加えて、2D画像処理プロセス600はウェーハ12上の欠陥を識別するかまたは検出して、分類して、まとめてかつ記憶することのうち少なくとも1つを容易にする。
【0168】
2D画像処理プロセス600のステップ602において、第1の加工画像が選ばれてかつメモリ作業空間内にロードされる。第1の加工画像が、2Dウェーハ走査プロセス中に収集されかつ保存される、複数の第1の画像および第2の画像から選ばれる。本記述のために、第1の加工画像が2Dウェーハ走査プロセス500中に第1の画像収集装置32によって収集される第1の画像を代表する。
【0169】
ステップ604では、第1の加工画像の下位画素位置合わせが実行される。下位画素位置合わせは、1つ以上のテンプレートを用いたパターンマッチング技法を用いて実行される。それは、バイナリまたはグレイスケールまたは幾何学的パターンマッチング法の1つを用いて実行される。一旦位置合わせされると、各画像に対する基準強度がステップ606に示すように画像の一つ以上の定義済み関心領域から算出される。ステップ604および606は、第1の加工画像の前処理と集合的に称することができる。前処理が上記のステップに限られていないということを直ちに、認識されることができる。必要があれば、追加的なステップが、前処理に組み込まれることができる。
【0170】
以降のステップ608において、第1のゴールデン基準即ち基準画像が選ばれる。ステップ608で選ばれる第1の基準画像は、第1の加工画像に対応するかまたは合致する。好ましくは、第1の基準画像は、方法400のステップ412の例示的な基準作成プロセス900によって作り出される、ゴールデン基準即ち基準画像のデータベースまたはコレクションから選ばれる。例示的な基準作成プロセス900は、上で詳細に記載されてかつ図18内に示される。
【0171】
ステップ610では、第1の加工画像の各画素に対する定量的データ値が、算出される。ステップ612では、第1の加工画像の各画素に対する算出定量的データ値が、乗法または加算係数と共に所定の閾値によって参照される。
【0172】
ステップ614では、第1の加工画像は次いで608で選ばれた第1の基準画像と照合されるかまたはそれに対して評価される。第1の基準画像との第1の加工画像の照合または評価は、半導体ウェーハ12上の欠陥の検出または識別を容易にする。好ましくは、CPUは第1の加工画像と第1の基準画像との間の自動照合を遂行するためにプログラムされる。プログラマブルコントローラは好ましくは、それによって半導体ウェーハ12上の欠陥の検出または識別を可能にするために第1の基準画像と第1の加工画像を照合するための一連の計算命令またはアルゴリズムを実施する。
【0173】
1つ以上の欠陥の存在の判定が、2D画像処理プロセス600のステップ616で生じる。複数の欠陥がステップ616で検出されるかまたは識別される場合、アルゴリズムはとりわけ面積、長さ、幅、コントラスト、小型性、フィルファクタ、エッジ強さのいずれか1つまたは全てに基づいて最も大きいものから最も短いものまで欠陥を分類するであろう。さらに、アルゴリズムはユーザ定義の判定基準を満たすそれらの欠陥だけを欠陥のある関心領域(DROI)を算出するのに選ぶ。欠陥(または複数の欠陥)がステップ616で検出されるかまたは識別される場合、半導体ウェーハ12上のDROIがステップ618で算出される。好ましくは、DROIはステップ618でCPUによって動的に算出される。CPUは好ましくは、DROIの計算を可能にするためにプログラムされる(すなわち、一連の計算命令またはソフトウェアを含むかまたは具体化する)。
【0174】
ステップ620では、第2の加工画像の対応するDROIが検査される。より詳しくは、第2の加工画像は2Dウェーハ走査プロセス400中に第2の画像収集装置34によって収集される第2の画像である。すなわち、 第2の画像のDROI(それは第1の画像の対応画像)が、第2の加工画像の下位画素位置合わせを実行した後にステップ620で検査される。第2の加工画像のDROIの検査が、好ましくはステップ616で検出される欠陥の確認を容易にする。更に好ましくは、ステップ620がステップ606で検出される欠陥の分類を容易にする。
【0175】
システム10が、画像全体の代わりに第2の加工画像のDROIを処理する。加えて、ステップ616で、何の欠陥も見いだされない場合、この方法はステップ618より前方へスキップする。これは、第2の加工画像を処理するために必要な合計資源または処理帯域幅を更に減少させる。この種の高機能な処理順序が先行するステップの結果に基づいて動的に決定するということを直ちに、認識されることができる。これは、システム10スループットまたは時間当たりウェーハの改善を容易にする。
【0176】
ステップ622では、検出欠陥、より詳しくは欠陥の場所または位置、同じく、それの分類が保存される。好ましくは、検出欠陥ならびにそれの位置および分類が、CPUのデータベース内に保存される。代わりとして検出欠陥ならびにそれの位置および分類が、代替データベースまたはメモリ空間内に保存される。
【0177】
ステップ602から622が、2Dウェーハ走査プロセス500中に収集される画像を処理するために任意の回数繰り返されるかまたはループ化されることができる。2Dウェーハ走査プロセス500中に収集される画像の各々がメモリ作業空間内に順にロードされ、かつ半導体ウェーハ12上に存在するかもしれない欠陥の検出を容易にするために処理される。ステップ602から622およびそれの繰り返しは、ウェーハ走査走行パスに沿った複像収集位置のいずれかで半導体ウェーハ12上に存在するかもしれない、欠陥の検出、確認および分類の少なくとも1つを容易にする。
【0178】
ステップ624では、2D画像処理プロセス600によって検出された、複数の欠陥の各々ならびにそれの位置および分類が、好ましくはCPUのデータベース内に、まとめられて保存される。代わりとして欠陥ならびにそれの位置および分類が代替データベースまたはメモリ空間内にまとめられて保存される。
【0179】
2D画像処理プロセスは、好ましくは自動プロセスである。好ましくは、CPUは、2D画像処理プロセスを自動的に実行するために、一連の計算命令またはソフトウェアプログラムをプログラムされるかまたは含む。代わりとして2D画像処理プロセスは必要に応じて少なくとも1つの手入力によって容易にされることができる。
【0180】
方法400のステップ416の2D画像処理プロセス600の完了は、明視野照明、DHA照明およびDLA照明を用いて検出される、欠陥ならびにそれの位置および分類の統合および記憶に結びつく。
【0181】
方法400の以降のステップ418では、第1の例示的な三次元(3D)ウェーハ走査プロセス700が実行される。好ましくは、半導体ウェーハ12の3D形状のそれに伴う形成を容易にするために、第1の3Dウェーハ走査プロセス700が半導体ウェーハ12の3D形状画像の収集を可能にする。半導体ウェーハ12は、ステップ408で算出される、ウェーハ走査走行パスに沿った複像収集位置の任意の1つ以上で半導体ウェーハ12の3D画像を収集するための算出ウェーハ走査走行パスに沿って変位される。第1の例示的な3Dウェーハ走査プロセス700のプロセス流れ図が、図24内に示される。
例示的な3Dウェーハ走査プロセス700
【0182】
3Dウェーハ走査プロセスのステップ702では、細線照明が細線照明器52によって供給されるかまたはそれから放射される。ステップ704において、細線照明はミラー設定54によって検査位置に向けられる。
【0183】
以降のステップ706では、細線照明は、検査位置に置かれる、半導体ウェーハ12またはそれの一部、によって反射される。半導体ウェーハ12から反射された細線照明は、ステップ708で無限遠で補正された収差を有する3D形状対物レンズ58中を透過される。ステップ708での3D形状対物レンズ58中の細線照明の透過は、細線照明を平行にする。
【0184】
ステップ710では、平行にされた細線照明が次いでステップ712で3D形状カメラ56に入る前にチューブレンズ60を通過する。チューブレンズ60は好ましくは、3D形状カメラ56の画像収集平面上へ平行にされた細線照明の焦点を合わせる。3D画像収集平面に焦点を合わせられた細線照明は、ステップ714で半導体ウェーハ12の第1の3D形状画像の収集を可能にする。3D形状対物レンズ58とチューブレンズ60との間の細線照明の平行は、その間の光学部品または付属品の導入の容易さを促進し、および、3D形状カメラ56の柔軟な位置決めおよび再構成を可能にする。
【0185】
前述のように、細線照明はレーザーまたは広帯域光ファイバー照明光源によって供給される。加えて、細線照明は好ましくはそこに配置される半導体ウェーハ12の水平面に関して指定された角度で検査位置に向けられる。細線照明が検査位置に向けられる角度は、好ましくは当業者に公知の技法を用いて必要に応じて可変的である。細線照明の波長が、必要に応じて選ばれてかつ変更されることができることもまた、当業者によって認識される。好ましくは、細線照明の広帯域波長が欠陥検出、検証および分類の少なくとも1つの正確度を高めるために選ばれる。
【0186】
第1の3D画像が、画像信号に変換されてかつステップ716でCPUに伝送される。ステップ718では、第1の3D画像が3D高さ測定、共面性測定、欠陥を検出して分類することの少なくとも1つに対してCPUによって処理される。
【0187】
好ましくは、ステップ702から718が、対応する数の3D画像を収集して、収集された3D画像をCPUに伝送するために、任意の回数繰り返されることができる。ステップ702から718は、ウェーハ走査走行パスまたはウェーハ全体に沿った選択された画像収集位置のどちらかで実行されることができる。
【0188】
好ましくは、第1の3Dウェーハ走査プロセス700は、例示的な方法300がそれによって半導体ウェーハを検査する正確度を高める。より詳しくは、第1の3Dウェーハ走査プロセス700は方法300によって欠陥検出の正確度を高める。この種の検査は、詳細3D計量詳細この種の共面性、個々のダイの、同じくウェーハ全体の、はんだ球、金バンプ、反りのような3次元構造体の高さを与える。
【0189】
好ましくは、3D画像の処理の、ステップ718の結果およびそれの繰り返しが、CPUのデータベース内に保存される。代わりとして3D画像の処理のステップ718の結果およびそれの繰り返しが、必要に応じて代替データベースまたはメモリ空間内に保存される。
【0190】
例示的な第2の三次元(3D)ウェーハ走査プロセス750もまた、第1の例示的な3Dウェーハ走査プロセス700の代わりに用いられることができる。例示的な第2の3Dウェーハ走査プロセス750の光レイパスが図25内に示され、および、例示的な第2の3Dウェーハ走査プロセス750の対応するプロセス流れ図は図26に示すようである。
【0191】
第2の3Dウェーハ走査プロセス750のステップ752では、細線照明器52が細線照明を供給する。ステップ754では、細線照明は反射器組立体80によって検査位置に向けられる。反射器組立体80は、あるいは、プリズム組立体または2つのミラーもしくはプリズム設定として公知である。
【0192】
ステップ756では、細線照明は半導体ウェーハ12によって反射される。半導体ウェーハ12によって反射される細線照明は、半導体ウェーハ12の表面形状に従い異なる方向に反射されることができる。例えば、半導体ウェーハ12上の構造上のおよび幾何学的変動によって細線照明が半導体ウェーハ12によって異なる方向に反射される可能性がある(別名照明の分散)。
【0193】
半導体ウェーハ12の表面形状に従い、半導体ウェーハ12から反射される細線照明は、異なる方向に分散する可能性がある。複数の方向に半導体ウェーハ12から反射される細線照明の分散は、半導体ウェーハ12の表面形状の正確な測定を得ることをむずかしくする可能性がある。換言すれば、複数の方向に半導体ウェーハ12から反射される細線照明の分散は半導体ウェーハ12の正確な3D画像を収集することをむずかしくする可能性がある。これは、複数の方向に半導体ウェーハ12から反射される細線照明の分散が、3D形状カメラ56に入る不適切に減少されたかまたは増大された量の細線照明に、およびそれによってそれぞれより薄暗いまたはより明るい画像の収集に結びつく可能性があるからである。あまりに薄暗いかまたはあまりに明るい画像から、正確な測定を導き出すことは、むずかしい。したがって、あまりに薄暗いかまたはあまりに明るい画像を用いて半導体ウェーハ12の正確な表面形状を得ることは、むずかしい。
【0194】
半導体ウェーハ12によって反射された細線照明は、反射器組立体80によって受け取られる。より詳しくは、反射器組立体80は複数の方向に反射される細線照明を収集するために構成される。好ましくは、反射器組立体80は第1の対のミラーまたはプリズム82および第2の対のミラーまたはプリズム84を備える。ステップ758では、反射された細線照明は2つの光パス、すなわち、第1の対のミラーまたはプリズム82経由でまたはそれによって向けられる第1の光パス、および第2の対のミラーまたはプリズム84経由でまたはそれによって向けられる第2の光パスに沿って進行する。反射器組立体が必要に応じて異なる数の光パスに沿って収集された反射された細線照明を向けるために構成されることができることは、当業者によって理解されよう。
【0195】
第1の光パスおよび第2の光パスの各々に沿って進行する細線照明は、ステップ760で対物レンズ58を通過する。3D形状対物レンズ58を通過する2つの細線照明は、平行にされる。第1の対のミラーまたはプリズム82および第2の対のミラーまたはプリズム84は、好ましくは対称的に配置される。
【0196】
ステップ762では、2つの平行にされた細線照明はチューブレンズ60を通過する。2つの細線照明は、次いでステップ764で3D形状カメラ56に入る。チューブレンズ60は、3D形状カメラ56の画像収集平面上への2つの細線照明の焦点合せを容易にする。3D形状カメラ56の画像収集平面上への2つの細線照明の焦点合せは、ステップ766で半導体ウェーハ12の3D形状画像の2つのビューの収集を可能にする。
【0197】
反射器組立体80の使用なしで、複数の方向に半導体ウェーハ12から反射される細線照明の分散は3D形状カメラ56に入る不適切に減少されたかまたは増大された量の細線照明に、およびそれによってそれぞれあまりに薄暗いかまたはあまりに明るい画像の収集に、結びつく可能性がある。この種の画像は、典型的に廃棄される。あまりに薄暗いかまたはあまりに明るい画像の使用は、半導体ウェーハ12の、不正確な3D輪郭づけまたは、表面形状の測定に結びつく可能性がある。
【0198】
第2の3Dウェーハ走査プロセス750を実行するシステム10の能力は、単一3D画像収集装置56を用いた半導体ウェーハ12の3D形状の2つのビューの収集を可能にする。2つのビューが、ウェーハの3D輪郭づけまたは検査の正確度を改善する。加えて、2つの対称的に配置されたミラーまたはプリズム82、84の使用が、異なる方向に半導体ウェーハ12から反射される照明が3D画像収集装置56による収集のためにリダイレクトされることを可能にする。反射器組立体80が3D画像収集装置56の単一露光によって収集されるべき複数の方向(例えば2、3、4および5つの方向)に、半導体ウェーハ12から反射される照明を向けるために構成されることができることは、当業者によって理解されよう。
【0199】
ウェーハの同じ形状の2つのビューを受け取るために、既存の装置は複像収集装置を用いて高価な、大きなかつ複雑な設定を用いる。ウェーハのむらがある形状に起因し、反射レイが複像収集装置に所定のレイパスで一貫して戻らない。すなわち、 半導体ウェーハ12の表面上の構造上のおよび幾何学的変動に起因する照明の分散が典型的に半導体ウェーハ12の中で収集される単一ビュー画像の不正確さに結びつく。
【0200】
半導体ウェーハ12からの反射レイの強弱の変動(すなわち分散)を克服するために、本システム10は、異なる方向に半導体ウェーハ12から反射される照明が3D画像収集装置56によって収集されることを可能にする。これは、半導体ウェーハ12の3D輪郭づけおよび検査の正確度を改善するのを助ける。単一カメラ、より詳しくは3D画像収集装置56の使用がまたシステム10のコストおよびスペース効率も高める。さらに、半導体ウェーハ12の複数ビューを収集するための単一対物レンズおよび単一チューブレンズ(この場合、対物レンズ58およびチューブレンズ60)を用いる能力は、較正の容易さおよび正確度を高める。
【0201】
第1の例示的な3Dウェーハ走査プロセス700または第2の例示的な3Dウェーハ走査プロセス750の完了の後、全ての検出欠陥ならびにそれの位置および分類が、好ましくはステップ416および418を実行することによって得られる半導体ウェーハ12上に、まとめられる。欠陥の統合ならびにそれの位置および分類は、ステップ420での検査走査走行パスの計算を容易にする。好ましくは、検査走査走行パスはウェーハ走査走行パスに沿って半導体ウェーハ12上で検出される欠陥の位置に基づいて算出される。加えて、検査走査走行パスに沿った欠陥画像収集位置は、ステップ420で算出されるかまたは決定される。欠陥がステップ416および418中に検出された半導体ウェーハ12上の位置(すなわち半導体ウェーハ12のDROI)と、欠陥画像収集位置は好ましくは一致する。
【0202】
例示的な方法400のステップ422では、例示的な検査プロセス800が実行される。検査プロセス800は、ステップ416および418で検出される欠陥の検査を可能にする。好ましくは、検査プロセス800は第1のモード800a、第2のモード800bおよび第3のモード800cの少なくとも1つ経由で生じる。例示的な検査プロセス800のプロセス流れ図が、図27内に示される。
例示的な検査プロセス800
【0203】
前述のように、検査プロセス800は好ましくは3つの検査モード、すなわち、第1のモード800a、第2のモード800bおよび第3のモード800cを含む。ステップ802では、検査モード(すなわち第1のモード800a、第2のモード800bおよび第3のモード800cの1つ)が選ばれる。
検査プロセス800の第1のモード800a
【0204】
検査プロセス800の第1のモード800aのステップ804では、方法400のステップ416で実行される2D画像処理プロセス600中に検出される全ての欠陥の第1の画像および第2の画像が、まとめられて保存される。
【0205】
ステップ806では、半導体ウェーハ12上に検出される欠陥の、まとめられて保存された第1の画像および第2の画像が、オフライン検査のために外部記憶装置またはサーバーへアップロードされるかまたは転送される。
【0206】
ステップ808では、半導体ウェーハ12(すなわちウェーハテーブル16上の現在の半導体ウェーハ12)がアンロードされ、および、第2のウェーハがロボットアームによってウェーハテーブル16上へウェーハスタック20からロードされる。
ステップ810では、ステップ804から808の各々が、第2のウェーハに対して繰り返される。
【0207】
ステップ804から810が、順に、ウェーハスタック20のウェーハの数に従い、任意の回数繰り返される。ステップ804から810の繰り返しは、ウェーハスタック20の各ウェーハに対して得られる第1の画像および第2の画像の統合および保存、ならびにオフライン検査のための外部記憶装置またはサーバーへの、第1の画像および第2の画像のアップロードに結びつく。第1のモード800aがユーザ介入の必要がなくかつ製造に影響を及ぼすことなくステップ804から810の自動実行を可能にすることは、当業者によって認識されよう。ユーザが保存された画像のオフライン検査を実行することができる間、この方法は製造を続けることを可能にする。この方法はシステム10稼働率同じく生産性を増大する。
検査プロセス800の第2のモード800b
【0208】
検査プロセス800の第2のモード800bのステップ820では、複数の検査画像が、ステップ420で算出される、欠陥画像収集位置の各々で収集される。より詳しくは、検査明視野画像および検査暗視野画像が、図14内に示される検査画像収集装置60を用いてステップ420で算出される、欠陥画像収集位置の各々で収集される。すなわち、明視野照明器62を用いて検査明視野画像および暗視野照明器64を用いて検査暗視野画像が、ステップ416の2D画像処理プロセス600によって検出される、各欠陥の中で収集される。複数の検査画像の各々が、検査画像収集装置60によって収集される。好ましくは、複数の検査画像の各々は、カラーの画像である。
【0209】
それぞれ明視野検査画像および暗視野検査画像を収集するために用いられる明視野照明および暗視野照明の強度が、必要に応じて決定されかつ変更されることができることが本記述の開示によって提供されることが当業者によって理解されよう。例えば、複数の検査画像を収集するために用いられる照度は、システム10のユーザが検査することを望むウェーハ欠陥のタイプに基づいてまたは半導体ウェーハ12の材料に基づいて選ばれることができる。ユーザによって設定される明視野および暗視野照明の種々の組合せおよび種々の強度レベルを用いて複数の検査画像を収集することもまた、可能である。
【0210】
ステップ822では、ステップ420で算出される、欠陥画像収集位置の各々で収集される複数の検査画像がまとめられて保存される。欠陥画像収集位置の各々で収集された、まとめられて保存された検査画像が次いで、ステップ824でオフライン検査のための外部記憶装置またはサーバーにアップロードされる。
【0211】
ステップ826では、半導体ウェーハ12(すなわちウェーハテーブル16上の現在の半導体ウェーハ12)がアンロードされ、および、第2の半導体ウェーハ12がロボットウェーハハンドラ18によってウェーハテーブル16上へウェーハスタック20からロードされる。ステップ828では、ステップ402から422の各々が、第2の半導体ウェーハ12に対して繰り返される。第2の半導体ウェーハ12上で検出された欠陥の、まとめられて保存された第1の画像および第2の画像が、外部記憶装置またはサーバーにアップロードされる。
【0212】
検査プロセス800の第2のモード800bでは、ステップ820から828が、ウェーハスタック20の半導体ウェーハ12の数に従い、任意の回数繰り返されることができる。ステップ820から828の繰り返しは、ウェーハスタック20の各ウェーハに対して得られる収集された明視野検査画像および暗視野検査画像の統合および保存、ならびにオフライン検査のための外部記憶装置またはサーバーへの、第1の画像および第2の画像のアップロードに結びつく。
【0213】
ユーザが保存された画像のオフライン検査を実行することができる間、このモードは製造を続けることを可能にする。このモードは、機械効率に影響を及ぼすことなくオフライン検査のために種々の組合せ照明で各欠陥の複像を収集することを可能にしてかつ生産性を改善する。
検査プロセス800の第3のモード800c
【0214】
検査プロセス800の第3のモード800cは好ましくは、手入力、より詳しくはユーザによる入力またはコマンドによって初期化される。ステップ840において、ユーザが第1の欠陥画像収集位置で第1の検査明視野画像および第1の検査暗視野画像を収集する。ステップ842では、ユーザは収集された第1の検査明視野画像および第1の検査暗視野画像を手動で検査するかまたはチェックする。好ましくは、第1の検査明視野画像および第1の検査暗視野画像はユーザによってそれの目視検査を容易にするためにスクリーンまたはモニタ上に表示される。ユーザは、明視野および暗視野照明器を用いて異なる照明組合せで欠陥を観察することが可能である。
【0215】
ステップ844では、ユーザは第1の欠陥画像収集位置に対応する欠陥を受け入れるかまたは不合格にするかまたは再分類する。ステップ840から844が次いで、ステップ420で算出される、ありとあらゆる欠陥画像収集位置に対して順に繰り返される。
【0216】
ステップ840から844がありとあらゆる欠陥画像収集位置に対して順に繰り返されたあと、正欠陥およびそれらの分類が次いでステップ846でまとめられて保存される。まとめられ保存された正欠陥およびそれらの分類が、次いでステップ848で外部記憶装置またはサーバーへアップロードされるかまたは転送される。検査プロセス800の第3のモード800cでは、半導体ウェーハ12(すなわちウェーハテーブル16上の現在の半導体ウェーハ12)はステップ846の完了の後でだけアンロードされる。したがって、検査プロセスの第3のモード800cが各ウェーハの目視検査または検査を遂行するために連続的なユーザ存在を必要とすることは、当業者によって認識されよう。
【0217】
検査プロセス800のステップ848では、半導体ウェーハ12(すなわちウェーハテーブル16上の現在の半導体ウェーハ12)がアンロードされ、および、ロボットウェーハハンドラ18が次いでウェーハスタック20からウェーハテーブル16上へ第2の半導体ウェーハ12をロードする。ステップ840から848が、検査されるべき半導体ウェーハ12の数(またはウェーハスタック20内の半導体ウェーハ12の数)に従い任意の回数繰り返される。
【0218】
上記の記述によって提供される開示によって、検査プロセスの第1のモード800aおよび第2のモード800bが、外部記憶装置またはサーバーへの収集画像の比較的無差別の統合、記憶およびアップロードを遂行するということが、当業者によって理解されよう。第1のモード800aおよび第2のモード800bは、自動検査プロセスを代表する。ユーザは必要とされる限り、収集画像のオフライン検査のために外部記憶装置またはサーバーにアクセスすることが可能である。第1のモード800aおよび第2のモード800bは、ウェーハスタック20のウェーハの各々の連続検査または連続画像収集、統合、アップロードおよび記憶を可能にする。
【0219】
3つの検査モードだけ、すなわち、第1のモード800a、第2のモード800bおよび第3のモード800cが本記述内に記載されているとはいえ、当業者が3つの検査モード800a、800bおよび800cの各々のステップの代替検査プロセスまたは異なる置換または組合せを使用することができることは、当業者によって認識されよう。加えて、3つの検査モード8000a、800bおよび800cの各々が、本発明の範囲内において、公知技術の方法を用いて必要に応じて、修正されるかまたは変更されることができることは、当業者によって認識されよう。
【0220】
検査プロセス800の実行の後、確認された欠陥ならびにそれの位置および分類が、ステップ426でまとめられて保存される。確認された欠陥ならびにそれの位置および分類は、データベース内にまたは外部データベースもしくはメモリ空間内にまとめられて保存される。ウェーハマップもまた、ステップ426でアップデートされる。
【0221】
前述したように、収集された明視野画像、DHA画像およびDLA画像の各々が半導体ウェーハ12上の欠陥を識別するかまたは検出するために対応するゴールデン基準即ち基準画像と比較される。(図18に示す)本発明によって提供される例示的な基準画像作成プロセス900は、この種の基準画像の作成または導出を容易にする。基準画像作成プロセス900がまた、トレーニングプロセスと称することができることは、当業者によって理解されよう。
【0222】
前述したように、2Dウェーハ走査プロセス500中に収集される2D明視野画像、2D DHA画像、2D DLA画像の各々が、基準画像作成プロセス900によって作り出されるそれらの対応する基準画像と好ましくは照合される。
【0223】
例示的な比較プロセスは、2D画像処理プロセス600ですでに記載されている。しかしながら、増大された明快さのために、加工画像と基準画像との間の照合の概要が、下で提供される。第1に、選択された加工画像の下位画素位置合わせがテンプレート、トレース、バンプ、パッドおよび他のユニークなパターンを含むがこれに限らず既知の基準を用いて実行される。第2に、加工画像が収集された画像収集位置での半導体ウェーハ12の基準強度が、算出される。加工画像と照合するための適切な基準画像が、次いで選ばれる。適切な基準画像は、好ましくは基準画像作成プロセス900によって作り出される複数の基準画像から選ばれる。
【0224】
CPUは、加工画像が照合される適切な基準画像の選択および抽出を可能にするために好ましくはプログラムされる。好ましくは、基準画像作成プロセス900による基準画像の各画素の正規化平均または幾何学的平均、標準偏差、最大および最小強度の、計算および記憶が、加工画像が比較される適切な基準画像を抽出する速度および正確度を高める。
【0225】
加工画像の各画素に対する対応する定量的データが、次いで算出される。定量的データは、たとえば加工画像の各画素の正規化平均または幾何学的平均、標準偏差、最大および最小強度である。加工画像の各画素に対する定量的データ値は、次いで選択された基準画像の各画素の対応するデータ値に対して参照されるかまたは確認される。
【0226】
加工画像の画素と基準画像の画素との間の定量的データ値の比較が、欠陥の識別または検出を可能にする。好ましくは、所定の閾値がユーザによって設定される。加工画像の画素の定量的データ値と基準画像の画素との間の差異が、乗法、加算および定数値の1つによって所定の閾値に対して照合される。加工画像の画素の定量的データ値と基準画像の画素との間の差異が所定の閾値より大きい場合、欠陥(または複数欠陥)がフラグを立てられる。
【0227】
所定の閾値は、必要に応じて変更されることができる。好ましくは、所定の閾値は方法400の厳しさを調整するために変更される。加えて、所定の閾値は好ましくは、検出されるべき欠陥のタイプ、検査のために提示される半導体ウェーハ12の材料または照明条件に従い必要に応じて変更される。さらに、所定の閾値は顧客のまたはさらに一般的にいえば半導体産業の要件に従い変更されることができる。
【0228】
半導体ウェーハを検査するための例示的なシステム10および例示的な方法400が、上記されている。上の記述を提供された当業者は、システム10および方法400に対する変更が本発明の有効範囲から逸脱することなく、実行されることができると理解するであろう。例えば、方法400のステップの順序およびプロセス500、600、700、750、800および900のステップの順序は、本発明の範囲内において、変更されることができる。
【0229】
半導体ウェーハの正確なかつ費用効果的な検査を可能にすることが、本発明のシステム10および方法400の一目的である。半導体ウェーハが動いている間のシステム10および方法400による半導体ウェーハの自動検査の能力は、半導体ウェーハの検査の効率を高める。これは、いくつかの既存の半導体ウェーハ検査システムと同様に、検査位置で個々の半導体ウェーハをそれの画像収集のために減速して止めるために、かつ画像が収集された後で検査位置からの半導体ウェーハの以降の加速および搬送のために、時間が浪費されることがないからである。複像収集の間の既知の画像オフセットは、それによってその中に存在するかもしれない欠陥を検出するために収集画像の処理を容易にする。同じ半導体ウェーハに対する画像の特定の組に関するオフセットは、半導体ウェーハ内の欠陥の座標および、その後、フレーム全体内の半導体ウェーハの位置をソフトウェアが正確に決定することを可能にする。オフセットは好ましくは、X−およびY−変位モータ内のエンコーダ値を読み取ることによって決定されてかつ欠陥または複数欠陥の座標を算出するために用いられる。加えて、すべての検査位置での2つの画像の使用は、より正確な半導体ウェーハ検査を容易にするための2つの異なる画像形成技術の利点を組み合わせる。
【0230】
画像収集の時間同期が必要に応じて変更されることができることもまた、当業者によって理解されよう。より詳しくは、時間同期が収集画像の間の画像オフセットを補正するプログラマブルコントローラの能力を高めるために調整されることができる。本発明のシステム10および方法400は、検査品質の劣化を最小化するために画像の収集のための照明の供給と対応する画像収集装置の露光との間の正確な同期を容易にする。
【0231】
システム10によって用いられる照明が、高められた品質画像の収集のために光の完全可視スペクトル内にあることができる。システム10による画像の収集のために供給される照度およびそれらの組合せは、検出されるべき欠陥のタイプ、半導体ウェーハの材料および半導体ウェーハ検査の厳しさを含むがこれに限らず複数要因に従い必要に応じて容易に選ばれて変更されることができる。本発明によって提供されるシステム10および方法400はまた、半導体ウェーハ上の3D要素の高さの測定および半導体ウェーハが移動する間の、3D形状画像の解析を可能にする。
【0232】
本発明のシステム10は、半導体ウェーハ構造または特性の変更の要求を満たすために頻繁な空間再構成を必要としない光設定(すなわち光検査ヘッド14)を有する。加えて、システム10によるチューブレンズの使用が、システム10の、より詳しくは光検査ヘッド14の再構成および設計の容易さを可能にする。チューブレンズの使用が光学部品および付属品のシステムへの、より詳しくは対物レンズとチューブレンズとの間の、導入の容易さを高める。
【0233】
本発明のシステム10は、システム10に対する望まない振動を緩衝するための振動絶縁装置24(安定器メカニズムとして集合的に公知の)を含む。振動絶縁装置24は、第1の画像収集装置32、第2の画像収集装置34、3D形状カメラおよび検査画像収集装置62によって収集される画像の品質、およびしたがって、欠陥検出の正確度を高めるのを助ける。加えて、システム10のXY−変位テーブルは検査位置に対して半導体ウェーハの正確な変位および位置合わせを可能にする。
【0234】
背景技術で記載されているように、既存の基準画像導出または作成プロセスは「良い」半導体ウェーハの手動の選択を必要とし、導き出された基準画像の相対的不正確性および不整合性に結びつく。したがって、半導体ウェーハ検査の品質は悪影響を受けている。本発明のシステム10および方法400は、「良い」半導体ウェーハの手動の選択(すなわち主観的な選択)を伴わずに基準画像を作り出すことによって検査の高められた品質を達成する。基準画像作成プロセス900は半導体ウェーハの異なる位置にわたる強度の異なる閾値の適用を可能にし、したがって、半導体ウェーハにわたる非線形照明変動に適応する。方法400は、したがって、欠陥の誤ったまたは望まない検出の低減および最終的に半導体ウェーハ検査の高められた品質を容易にする。
【0235】
本発明は、未知の品質の半導体ウェーハの収集画像と基準画像を比較する解析的モデルを用いた自動欠陥検出を可能にする。本発明はまた、好ましくはデジタル化された画像(すなわち加工画像および基準画像)上のデジタル解析を実行することによって、自動欠陥検出を可能にする。
【0236】
本発明は、製造に影響を及ぼすことなく自動検査モード(またはオフライン検査で)を可能にし、かつ機械効率を改善するが、一方、既存の装置は手動の検査モードだけを提供し、それはオペレータが複数の異なる照明強度を用いてかつそれに注目することによってすべての欠陥を判断する必要がある。
【0237】
前述の方法で、本発明の実施態様によって提供される半導体ウェーハおよび構成部品を検査するための例示的なシステムおよび例示的な方法が、記載されている。例示的なシステム及び方法は、背景技術で言及された、既存の半導体検査システムおよび方法が直面する問題または課題の少なくとも1つに対処する。本発明が上記した実施態様の特定の形態、配置または構造に限られていないことは、しかしながら当業者によって理解されよう。多数の変更および/または修正が本発明の範囲内で、なされることができることは、この開示からみて当業者にとって明らかであろう。
【符号の説明】
【0238】
10 検査システム
12 半導体ウェーハ
14 光検査ヘッド
16 ウェーハ搬送テーブルまたはウェーハチャック
18 ロボットウェーハハンドラ
20 ウェーハスタックモジュール
22 X−Y変位テーブル
24 振動絶縁装置
26 明視野照明器
28 低角度暗視野照明器
30 高角度暗視野照明器
32 第1の画像収集装置
34 第2の画像収集装置
36 第1のチューブレンズ
38 第2のチューブレンズ
40 対物レンズ
42 回転可能なマウント
44 コンデンサ
46 第1の反射表面
47 ミラーまたはプリズム
48 第1のビーム分割器
50 第2のビーム分割器
52 細線照明器
54 ミラー設定
56 3D形状カメラ
58 3D形状対物レンズ
60 チューブレンズ 検査画像収集装置 検査カメラ
62 検査画像収集装置 検査明視野照明器
64 検査暗視野照明器
66 第1の反射面
68 ビーム分割器
70 検査対物レンズ
72 検査チューブレンズ
80 反射器組立体
82 第1の対のミラーまたはプリズム
84 第2の対のミラーまたはプリズム
100 第1のレイパス
200 第2のレイパス 第3のレイパス
250 第3のレイパス
300 第4のレイパス
350 第5のレイパス
400 検査方法
500 2Dウェーハ走査プロセス
600 2D画像処理プロセス
700 3Dウェーハ走査プロセス
750 第2の3Dウェーハ走査プロセス
800 検査プロセス
900 基準画像作成プロセス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一検査システムであって、
第1の広帯域照明および第2の広帯域照明を供給するための照明設定と、
ウェーハから反射される前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の少なくとも1つを受け取るための第1の画像収集装置と、
前記ウェーハから反射される前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の少なくとも1つを受け取るための第2の画像収集装置と、を備え、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置が、それぞれ前記ウェーハの第1の画像および第2の画像を収集するために前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の少なくとも1つを順に受け取るために構成され、
前記ウェーハが、前記第1の画像と前記第2の画像の収集の間である距離だけ空間的に変位される、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の各々が、明視野広帯域照明、暗視野高角度広帯域照明、暗視野低角度広帯域照明ならびに前記明視野広帯域照明、暗視野高角度広帯域照明および暗視野低角度広帯域照明の組合せの1つである、ことを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記照明設定が、
前記明視野広帯域照明を放射するための第1の照明エミッタと、
前記暗視野高角度広帯域照明を放射するための第2の照明エミッタであって、前記第2の照明によって放射される前記暗視野高角度広帯域照明の角度が、所定および調整可能の少なくとも1つである、エミッタと、
前記暗視野低角度広帯域照明を放射するための第3の照明エミッタであって、前記第3の照明器によって放射される前記暗視野低角度広帯域照明の角度が、所定および調整可能の少なくとも1つであるエミッタと、を備える請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の各々が、前記第1の照明エミッタ、前記第2の照明エミッタおよび前記第3の照明エミッタの少なくとも1つによって供給される、ことを特徴とする請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記第1の照明エミッタ、前記第2の照明エミッタおよび前記第3の照明エミッタの各々が、プログラマブルコントローラに連結され、前記プログラマブルコントローラが、前記第1の照明エミッタ、前記第2の照明エミッタおよび前記第3の照明エミッタによって放射される前記照明の強度および持続時間の少なくとも1つを制御するためである、ことを特徴とする請求項3に記載の検査システム。
【請求項6】
請求項1に記載の検査システムであって、さらに、
前記ウェーハによって反射される前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明を受け取るための対物レンズ組立体を備え、前記対物レンズ組立体によって受け取られる前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の各々が、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の1つによる以降の受取りのためにその後に平行にされかつ透過される、システム。
【請求項7】
前記対物レンズ組立体が、複数の対物レンズを備え、前記複数の対物レンズの各々が所定の拡大倍率係数を有し、前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の各々が、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の1つによる以降の受取りのためにその後に平行にされかつ透過される前に前記複数の対物レンズの1つによって受け取られる、ことを特徴とする請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
請求項6に記載の検査システムであって、さらに、
前記平行にされた第1の広帯域照明および前記平行にされた第2の広帯域照明の少なくとも1つを前記第1の画像収集装置の第1の画像収集平面上へ焦点を合わせるための第1のチューブレンズと、前記平行にされた第1の広帯域照明および前記平行にされた第2の広帯域照明の少なくとも1つを前記第2の画像収集装置の第2の画像収集平面上へ焦点を合わせるための第2のチューブレンズと、を備えるシステム。
【請求項9】
前記対物レンズ組立体と前記第1のチューブレンズおよび前記第2のチューブレンズの各々との間の前記第1の広帯域照明および前記第2の広帯域照明の前記平行が、前記対物レンズ組立体と前記第1のチューブレンズおよび前記第2のチューブレンズの各々との間の光学部品の導入の容易さを増大する、および、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の各々のために用いられる前記光設定の空間再構成を容易にする、のうち少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項8に記載の検査システム。
【請求項10】
請求項8に記載の検査システムであって、さらに、
細線照明を放射するための細線照明エミッタと、
前記ウェーハの三次元形状画像の収集をそれによって容易にするために前記ウェーハによって反射される細線照明を受け取るための第3の画像収集装置と、を備えるシステム。
【請求項11】
前記ウェーハが動く間、前記ウェーハの前記三次元形状画像の前記収集が実行される、ことを特徴とする請求項10に記載の検査システム。
【請求項12】
請求項11に記載の検査システムであって、さらに、
第1の方向におよび少なくとも1つの第2の方向に前記ウェーハから反射される細線照明を受け取るために構成される反射器組立体を備え、
前記反射器組立体が、前記ウェーハから反射される前記受け取られた細線照明を、前記第3の画像収集装置による以降の受取りのために所定の進行パスに沿って、前記第1の方向におよび前記少なくとも1つの第2の方向に向けるために更に構成されている、システム。
【請求項13】
前記第3の画像収集装置による以降の受取りのために前記所定の進行パスに沿って前記第1の方向におよび前記少なくとも1つの第2の方向に、前記ウェーハから反射される前記受け取られた細線照明の前記反射器組立体による前記方向付けが、前記第3の画像収集装置によって収集される前記ウェーハの前記三次元形状画像の前記品質を高める、ことを特徴とする請求項12に記載の検査システム。
【請求項14】
前記所定の進行パスに沿って前記反射器組立体によって向けられる前記細線照明が、前記対物レンズ組立体中を透過され、かつそれによって平行にされ、前記平行にされた細線照明が、前記第3の画像収集装置による以降の受取りの前に第3のチューブレンズ中を透過される、ことを特徴とする請求項13に記載の検査システム。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の検査システムであって、さらに、
前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の各々に伝達される振動を低下させるための安定化メカニズムを備え、
前記第1の画像および前記第2の画像の収集中に前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の各々に伝達される振動の低下が、前記収集された第1の画像および第2の画像の品質を高める、ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記ウェーハの前記空間変位が、ウェーハテーブルによって容易にされ、前記ウェーハテーブルが、それによって変位される前記ウェーハに伝達される振動をそれによって低下させるために低慣性モーメントを有し、前記ウェーハに伝達される前記振動の低下が、前記収集された第1の画像および第2の画像の品質を高めるためである、ことを特徴とする請求項15に記載の検査システム。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の検査システムであって、さらに、
前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の各々に連結されるプロセッサ、を備え、前記プロセッサが、前記第1の画像および前記第2の画像を前記ウェーハの前記空間変位と相関させ、前記第1の画像および前記第2の画像の一方で検出される欠陥サイトを前記第1の画像および前記第2の画像のもう一方の対応する位置と比較し、かつ識別およびそこからの欠陥の座標を生成するためである、システム。
【請求項18】
請求項17に記載の検査システムであって、さらに、
前記プロセッサによって生成される前記欠陥の識別に基づいて前記ウェーハを分類するための前記プロセッサに連結される出力モジュール、を備える、システム。
【請求項19】
前記第1の画像および第2の画像の前記一方で検出される前記欠陥サイトが前記第1の画像および前記第2の画像の前記もう一方で検出される前記欠陥サイトと一致する時、前記識別が欠陥の正識別であり、およびさもなければ前記識別が欠陥の負の識別である、請求項18に記載の検査システム。
【請求項20】
請求項19に記載の検査システムであって、さらに、
前記プロセッサに連結される検査画像収集装置を備え、前記検査画像収集装置が、それの所定の位置で前記ウェーハの画像を収集するためであり、前記所定の位置が、前記検出欠陥サイトに対応する、ことを特徴とするシステム。
【請求項21】
前記検査画像収集装置が、前記ウェーハの画像を収集するために前記明視野広帯域照明、暗視野高角度広帯域照明および暗視野低角度広帯域照明の少なくとも1つを受け取る、ことを特徴とする請求項20に記載の検査システム。
【請求項22】
半導体構造体を検査するための一システムであって、
広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明を放射するための照明設定と、
複数の画像収集装置であって、各々が、ウェーハによって反射される前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の各々を受け取ることが可能な、複数の画像収集装置と、を備え、前記複数の画像収集装置が、前記ウェーハのそれぞれ第1のコントラスト画像および第2のコントラスト画像の収集のために前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の1つの逐次的な受取りのために構成され、
前記ウェーハが動く間、前記第1のコントラスト画像の前記収集および前記第2のコントラスト画像の前記収集が生じる、ことを特徴とするシステム。
【請求項23】
前記ウェーハが、前記第1のコントラスト画像と前記第2のコントラスト画像の前記収集の間で所定の距離だけ、空間的に変位される、ことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムであって、さらに、
前記ウェーハによって反射される前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の各々を受け取るための対物レンズ組立体であって、前記対物レンズによって受け取られる前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明がそれによって平行にされる、組立体と、
平行にされた広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の各々を前記複数の画像収集装置の第1の画像収集装置の第1の画像収集平面上へ焦点を合わせるための第1のチューブレンズと、
平行にされた広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の各々を前記複数の画像収集装置の第2の画像収集装置の第2の画像収集平面上へ焦点を合わせるための第2のチューブレンズと、を備えるシステム。
【請求項25】
前記対物レンズ組立体が、複数の対物レンズを備え、前記複数の対物レンズの各々が所定の拡大倍率係数を有し、前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の各々が、前記第1のチューブレンズおよび前記第2のチューブレンズの1つによって受け取られる前に前記複数の対物レンズの1つ中を透過される、ことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記対物レンズ組立体と前記第1のチューブレンズおよび前記第2のチューブレンズの各々との間の前記照明の平行が、前記対物レンズと前記第1のチューブレンズおよび前記第2のチューブレンズの各々との間の光学部品の導入の容易さを増大する、前記ウェーハと前記対物レンズとの間の距離を最適化する、および、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の各々の空間再構成を容易にする、のうち少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムであって、さらに、
細線広帯域照明を放射するための細線広帯域照明エミッタと、
前記ウェーハの三次元形状画像の収集をそれによって容易にするために前記ウェーハから反射される細線広帯域照明を受け取るための前記複数の画像収集装置の第3の画像収集装置と、を備え、
前記ウェーハが動く間、前記ウェーハの前記三次元形状画像の前記収集が実行される、ことを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項27に記載のシステムであって、さらに、
第1の方向におよび少なくとも1つの第2の方向に前記ウェーハから反射される細線広帯域照明を受け取るために構成される反射器組立体を備え、前記反射器組立体が、前記ウェーハから反射される前記受け取られた細線広帯域照明を、前記第3の画像収集装置による以降の受取りのために所定の進行パスに沿って、前記第1の方向におよび前記少なくとも1つの第2の方向に向けるために更に構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第3の画像収集装置による以降の受取りのために前記所定の進行パスに沿って前記第1の方向におよび前記少なくとも1つの第2の方向に、前記ウェーハから反射される前記受け取られた細線広帯域照明の前記反射器組立体による前記方向付けが、前記第3の画像収集装置によって収集される前記ウェーハの前記三次元形状画像の前記品質を高める、ことを特徴とする請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記所定の進行パスに沿って前記反射器組立体によって向けられる前記細線広帯域照明が、前記対物レンズ組立体中を透過され、かつそれによって平行にされ、前記平行にされた細線広帯域照明が、前記第3の画像収集装置による以降の受取りの前に第3のチューブレンズ中を透過される、ことを特徴とする請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
一検査システムであって、
広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明の少なくとも1つを受け取るための第1の画像収集装置と、
前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の少なくとも1つを受け取るための第2の画像収集装置と、を備え、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置の各々による前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の受取りが、ウェーハのそれぞれ第1のコントラスト画像および第2のコントラスト画像の収集のためであり、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置が、前記ウェーハが動く間、前記第1のコントラスト画像および前記第2のコントラスト画像の逐次的な収集を可能にするために空間的に構成される、システム。
【請求項32】
前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の各々が、明視野広帯域照明、暗視野高角度広帯域照明、暗視野低角度広帯域照明ならびに前記明視野広帯域照明、暗視野高角度広帯域照明および暗視野低角度広帯域照明の組合せの1つである、ことを特徴とする請求項31に記載の検査システム。
【請求項33】
前記ウェーハが、前記第1のコントラスト画像および前記第2のコントラスト画像の収集の間である距離だけ空間的に変位される、ことを特徴とする請求項32に記載の検査システム。
【請求項34】
一検査システムであって、
広帯域照明を放射するための照明設定と、ウェーハの第1の画像を収集するための前記ウェーハから反射される前記広帯域照明を受け取るための第1の画像収集装置と、
ウェーハの第2の画像を収集するための前記ウェーハから反射される前記広帯域照明を受け取るための第2の画像収集装置と、を備え、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置が、前記第1の画像および前記第2の画像を順に収集するために構成され、前記ウェーハが、前記第1の画像と前記第2の画像の収集の間で空間的に変位され、
前記空間変位が、前記第1の画像および前記第2の画像の各々に対してエンコーダ値に基づいて、その後算出される、ことを特徴とする検査システム。
【請求項35】
一検査方法であって、
ウェーハの第1の画像を収集するために前記ウェーハから反射される広帯域第1のコントラスト照明および広帯域第2のコントラスト照明の1つを受け取るために第1の画像収集装置を露光するステップと、
前記ウェーハの第2の画像を収集するために前記ウェーハから反射される前記広帯域第1のコントラスト照明および前記広帯域第2のコントラスト照明の1つを受け取るために第2の画像収集装置を露光するステップと、を含み、
前記ウェーハが動く間、前記第1の画像収集装置および前記第2の画像収集装置が前記ウェーハの前記第1の画像および前記第2の画像の収集を可能にするために空間的に構成される、ことを特徴とする方法。
【請求項36】
前記ウェーハのそれぞれ前記第1の画像および前記第2の画像を収集するための前記第1の画像収集装置の前記露光と前記第2の画像収集装置の前記露光との間で所定の距離だけ前記ウェーハが変位される、ことを特徴とする請求項35に記載の検査方法。
【請求項37】
請求項36に記載の検査方法であって、さらに、
前記ウェーハの3次元画像を収集するために前記ウェーハから反射される細線照明を受け取るために第3の画像収集装置を露光するステップ、を含み、前記ウェーハの前記3次元画像を収集するために前記第3の画像収集装置を露光する前記ステップが、前記ウェーハが動く間に生じる、方法。
【請求項38】
請求項37に記載の検査方法であって、さらに、
第1の方向におよび少なくとも1つの第2の方向に前記ウェーハから反射される細線広帯域照明を受け取るために反射器組立体を構成するステップであって、前記反射器組立体が、前記ウェーハから反射される前記受け取られた細線照明を、前記第3の画像収集装置による以降の受取りのために所定の進行パスに沿って、前記第1の方向におよび前記少なくとも1つの第2の方向に向けるために更に構成されている、ステップを含む方法。
【請求項39】
前記第3の画像収集装置による以降の受取りのために前記所定の進行パスに沿って前記第1の方向におよび前記少なくとも1つの第2の方向に、前記ウェーハから反射される前記受け取られた細線広帯域照明の前記反射器組立体による前記方向付けが、前記第3の画像収集装置によって収集される前記ウェーハの前記三次元形状画像の前記品質を高める、ことを特徴とする請求項38に記載の検査方法。
【請求項40】
前記第3の画像収集装置の露光によって、前記第3の画像収集装置が、前記第1の方向に前記ウェーハから反射される前記細線広帯域照明および前記少なくとも1つの第2の方向に前記ウェーハから反射される前記細線広帯域照明の少なくとも1つを受け取る、ことを特徴とする請求項39に記載の検査方法。

【図1】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【図25】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22a】
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【図22b】
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【図22c】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2012−515331(P2012−515331A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545326(P2011−545326)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【国際出願番号】PCT/SG2010/000005
【国際公開番号】WO2010/082901
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511157572)セミコンダクター テクノロジーズ アンド インストゥルメンツ ピーティーイー リミテッド (6)
【Fターム(参考)】