説明

ストレインド・シリコン電圧制御発振器(VCO)

ストレインド・シリコン電圧制御発振器(VCO)は、ストレインド・シリコン層を有する第1Pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)装置を含み、ストレインド・シリコン層を有する第2PMOS装置に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は一般に電子機器に関し、より詳しくはストレインド・シリコン(strained-silicon)電圧制御発振器(VCO)に関するが、本発明の範囲はこれに制限されない。
【背景技術】
【0002】
電圧制御発振器(VCO)は、位相同期ループ(PLL)およびシンセサイザ内のコンポーネントとして長年にわたって使用され、また、特にクロック周波数生成領域において広範な適用性を有してきた。例えばPLLは、入力参照信号に由来する所望の出力周波数を有する出力クロック信号を生成するために、一般にフィードバック・コンフィギュレーション内で使用される。より明確には、PLL/シンセサイザは、比較的低周波数の入力信号に基づいて所望の動作/出力周波数を達成するために、マイクロプロセッサおよびワイヤレス送受信機内でしばしば使用される。
【0003】
これらの装置の動作速度を増加させるという要求、ならびに電子回路および装置の小型化に対する絶え間ない圧力に対して、動作雑音は、かかる回路および装置の設計における重要かつ制限的な要因となってきた。特にフリッカ雑音は、低周波数において、シリコンベースの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)装置内の支配的な雑音源になった。実際、フリッカ雑音は、しばしばベースバンド/低周波数回路の達成可能なダイナミック・レンジを制限し、無線周波数(RF)回路において重大な設計制限となる。VCOでは、装置レベルのフリッカ雑音は、位相雑音にアップコンバートされる。これによって、通信システムにおいて隣接するチャネルの干渉が生じることがある。
【0004】
MOSFET内のフリッカ雑音は、主にSi−SiOインターフェイス付近の荷電キャリヤのランダムなトラップおよびデトラップによる。かかるキャリヤのトラップ/デトラップのプロセスは、チャネルのキャリヤ密度を変調させるために作用し、荷電キャリヤの表面移動度に変動を生ぜしめる。酸化膜トラップおよび表面準位の時定数が遅いために、フリッカ雑音の雑音スペクトル密度は周波数に反比例し、したがって、一般に1/f雑音と呼ばれる。
【0005】
多くのVCOは、典型的には、NMOSテール電流源(tail-current source)およびオンチップ・インダクタおよびバラクタと同様に、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOSトランジスタ)と相互に結合されたpチャネル金属酸化膜半導体(PMOSトランジスタ)を使用する。多種多様の要因がVCO内の位相雑音の生成の原因となり得るが、テール電流源および相互に結合されたMOS装置内のフリッカ雑音は、雑音の主な原因であることが知られている。さらに、典型的なVCOを使用して構築されたトランシーバー・システムは、隣接したチャネルからの干渉を受けるか、あるいは、PLL/シンセサイザのループ帯域幅の外側に集積された位相雑音のために高い残余ビット誤り率を有する。
【0006】
過去において多種多様の雑音抑圧技術が試みられたが、これらのアプローチはすべて追加のコンポーネントまたは処理工程を必要とするので、費用および設計時間が増加する。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、添付図面中に示された実施例によって記述されるが、これらによって制限されるものではなく、図面中の同様の参照番号は同様の要素を表示する。
【0008】
以下の詳細な記述において、本発明の実施例についての理解をより完全なものとするために、多数の特定の詳細事項が述べられる。しかしながら、当業者は、かかる実施例がこれらの特定の詳細事項の範囲を越えて実施される場合があることを理解するであろう。また、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路については詳細に記述されない。
【0009】
ここでは多様な個別の動作について記述されるが、単なる記述の順序は、これらの動作が示された順序で必然的に行なわれることを意味すると解釈されるべきでない。
【0010】
本明細書全体にわたって用いられる「一実施例」または「ある実施例」とは、その実施例に関して記述された特定の機能、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたり様々な箇所で「一実施例において」または「ある実施例において」という文言が用いられるが、それらの全てが必ずしも同じ実施例または発明に関するものではない。さらに、特定の機能、構造、または特性は、1つまたはそれ以上の実施例において任意の適切な方法で組み合わされる場合もある。最後に、本出願において使用される用語「含む(comprising)」、「包含する(including)」、「有する(having)」、およびこれらと同種の用語は、同意語であると意図されている。
【0011】
ここでは、本発明の1つの実施例に従って、少なくとも1つのストレインド・シリコンMOSFET装置を含む電圧制御発振器(VCO)について記述される。より明確には、本発明の1つの実施例に従って、ストレインド・シリコンPMOS装置がPMOS装置内で増大した埋込チャネル伝導を生成するために制御バイアスと共に用いられ、それによってVCO内のフリッカ雑音および派生的な位相雑音が低減される。
【0012】
ここで使用されるように、ストレインド・シリコンとは、化合物内部の原子が互いに整列しようとする自然傾向によって「引き延ばされた(stretched out)」シリコンを称するが、本発明はこれに制限されない。一実施例によれば、シリコン原子よりも更に間隔を開けて原子が配置されている基板上にシリコンが堆積されると、シリコン内の原子は下部の原子と並ぶように引き延ばされ、効果的にシリコンが「引っ張られる(strained)」。ストレインド・シリコン内では、典型的には電子が受ける抵抗がより小さくなり、そのために電子は非ストレインド・シリコン内よりも速く流れることができる。しかしながら、残念なことに、少なくとも一部で電子の移動度/伝導が増大するために、MOSFET装置内でストレインド・シリコンを使用すると、装置の酸化物インターフェイス付近の酸化物トラップ内で電荷のトラッピングおよびデトラッピングが増加するという傾向によって装置内でフリッカ雑音が増加する。
【0013】
本発明の一実施例において、負電圧バイアスは、ストレインド・シリコンのPMOS装置の基板/ボデー(後部ゲートとも称される)に印加され、PMOS装置の酸化物インターフェイス(および対応するトラップ)から遠ざけるようにキャリヤ輸送(例えば正孔)を引きつけ、その結果PMOSトランジスタ内のフリッカ雑音が低減し、さらに、かかるPMOSトランジスタを使用するVCO内の位相雑音が低減する。バイアスは、固定および/または安定であってもよく、あるいは、バイアスは、時間に応じて変化してもよい。一実施例では、かかるバイアスを印加することにより、多数キャリヤの輸送は、ストレインド・シリコン層の下にある埋込シリコン・ゲルマニウムSiGeチャネル内で生じることを強いられ、その結果、多数キャリヤのフローが増加し、さらにフリッカ雑音も増大する。荷電キャリヤが酸化物インターフェイスから離れれば離れるほど、典型的にはキャリヤ・フローに対する制御がしにくくなるので、かかる埋込チャネル輸送は従来の装置において典型的には望ましくない。しかしながら、発振器に関連する少なくとも一部の正帰還配列のために、減少したゲート制御の影響は最小である。
【0014】
図1は、ストレインド・シリコンPMOS装置10の一例を図示し、そこではキャリヤ輸送は、Si/SiGe(リラックスド)インターフェイスで形成されたヘテロ接合の下部で生じる。図1に示すように、PMOS装置10は、その上に多様なエピタキシャル層を有するベース・シリコン基板15(PMOS装置ボデーとも称される)を含む。ここで使用される用語「基板」は、多様なプロセス動作によって所望のマイクロエレクトロニクス・コンフィギュレーションに変形される基礎的なワークピースである物理的なものをいう。基板は、半導体材料、非半導体材料、または、半導体および非半導体材料の組合せによって作られる。図1において、PMOS装置10は、Si基板15上に形成されたグレイデッドSiGe20の緩衝層を含むが、本発明はこれに制限されない。一実施例において、SiGe層20は、グレイデッドGeコンポジションを有するSi1−xGe緩衝層を表わす。リラックスドSiGe25の層は、グレイデッドSiGe膜20上に形成される。一実施例において、Si0.7Ge0.3のSiGeコンポジションがSiGe層20に使用される。ソースおよびドレイン領域30aおよび30bは、エピタキシに先立ってSi基板15内に形成されたP型ウェルを表わす。その後、ストレインドSi層35が、例えばリラックスドSiGe層25上のアプリケーションf Siによって、リラックスドSiGe層25上に形成される。次に、酸化層40がストレインド・シリコン層35上に形成され、その結果、図1の拡大図に示されるような酸化物インターフェイス37内にトラップが生じる。一実施例において、酸化層40はSiOで構成されてもよい。最後に、ポリシリコン・ゲート45が酸化層40上に形成され、図示されるように、ソース、ゲート、およびドレイン端子がその上に構築される。一実施例において、第4の端子/後部ゲート(図示せず)はボデー/Si基板15に関係し、PMOS装置10のボデーへの電圧バイアスの印加を促進する。
【0015】
ソースおよびドレイン端子は、ソース領域30aおよびドレイン領域30bにそれぞれ結合される。ソース/ドレイン端子は、FET(例えばNチャネルとPチャネルの両方)内の端子に関連し、それらの間で、ゲート端子に印加された電圧に起因する電界の影響下での半導体表面の反転に続いて電界の影響下で導電が生じる。結局、ソースおよびドレイン端子は、幾何学的対称に製作されるが、用語「ソース」および「ドレイン」は互換的に使用することができる。
【0016】
本発明の一実施例に従って、ソース30aおよびドレイン領域30bの間の導電は、酸化物インターフェイス37の下の埋込チャネル輸送として生じる。しかしながら、本発明の多様な実施例に関してここに記述された埋込チャネル輸送は、対応する装置(例えばPMOS装置10)内に引っ張りを生成するために適用されるプロセス、または、同様の目的を達成するために使用されるエピタキシャル層のシーケンスに対する不可知論であることに注目されたい。したがって、図1のPMOS装置は、特定の構成および構造に関して記述されたが、他の同様の構成および構造もまた、本発明の精神および範囲を逸脱することなく実行することができる。例えば、PMOS装置10のシリコンは、エピタキシャルSiGeを用いた二軸面内引張歪、伸張性フィルムによる引張り、および、機械的な力による引張り等の多様なメカニズムによって引き延ばすことができ、これについては、例えば、エレクトロン・デバイセズ・ミーティング2002、IEDM’02.ダイジェスト、インターナショナル、8−11、2002年12月、61〜64ページに掲載されたThompson,S.他による「50nmストレインド・シリコン・チャネル・トランジスタ、7層のCu相互接続、低いkのILD、および1μmSRAMセルを特色とする90nmロジック技術」と題する論文に記載されている。
【0017】
図2は、図1のストレインド・シリコンPMOS装置表面における平衡状態バンド図の一例を示す。図のように、価電子帯の電位のウェルは、リラックスドSiGe層内に存在する。このバンド・オフセットは、PMOS装置内に埋め込まれた電位のウェルを生じ、その中を正孔が流れる。それは、(例えば、酸化物インターフェイスから離れて)埋め込まれているので、正孔に対するランダムなトラップおよびデトラップは減少し、それによって装置内のフリッカ雑音が低くなるであろう。
【0018】
図3は、本発明の一実施例に従ったVCOの一例を図示する。VCO100は、図のように互いに結合された3つのストレインド・シリコンのPMOS装置(10a,10b,10c)、誘導性要素120、および容量性要素122を含むが、本発明の範囲はこれに制限されない。特に、PMOS装置10aおよびPMOS装置10bは、クロス結合するように示される。すなわち、ストレインド・シリコンPMOS装置10aのゲート領域118aは、ストレインド・シリコンPMOS装置10bのドレイン領域116bに結合される。また、ストレインド・シリコンPMOS装置10bのゲート領域118bは、ストレインド・シリコンPMOS装置10aのドレイン領域116aに結合される。さらに、ストレインド・シリコンPMOS装置10a,10bのソース端子112a,112bは共に結合され、一方、容量性要素122および誘導性要素120は、ストレインド・シリコンPMOS装置10a,10bの各ドレイン領域に結合される。さらに、ストレインド・シリコンPMOS装置10cのソース領域112cは、VCOへのテール電流源として誘導性要素120に結合される。
【0019】
本発明の一実施例に従って、図示されたストレインド・シリコンPMOS装置のそれぞれ(10a〜10cのそれぞれ)のボデー(114a〜114c)は、バイアス電圧源(Bias−1)に結合され、ストレインド・シリコン装置(10a,10b,10c)内で、埋込チャネル輸送を増大し、一方でフリッカ雑音の低減を促進する。同様に、ストレインド・シリコンPMOS装置10cを通って流れるテール電流は、ストレインド・シリコンPMOS装置10cのゲート領域118cへの第2のバイアス電圧源(Bias−2)のアプリケーションを通じて制御される。一実施例において、バイアス電圧源(例えばBias−1またはBias−2)の一方は、外部意思決定/フィード・バック回路(図示せず)に結合され、ストレインド・シリコン装置10a〜10cに動的な電圧制御を提供する。例えば、外部意思決定/フィード・バック回路は、フリッカ(または位相)雑音が許容しがたいレベルに近づいているかどうかを決定するためのシステムの最小感度(隣接したチャネル・パワーのような)を決定するために使用される。これに応答して、意思決定/フィード・バック回路によってBias−1電圧がよりネガティブになり、より多くの正孔を表面から遠ざけるように引きつけ、それによってシステム雑音が低減する。
【0020】
図示された実施例では、VCO100の各PMOS装置は、ストレインド・シリコンPMOS装置であると記述されたが、それにもかかわらず、ストレインド・シリコンPMOS装置(10a,10b,10c)の1つ以上が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、(例えば、ストレインド・シリコンを含まない)従来のPMOS装置で代替されてもよい。
【0021】
図4は、図3のVCO100におけるシミュレートされた位相雑音を示すグラフである。図4に関し、上述のストレインド・シリコン装置10a〜10cに代表されるより低いフリッカ雑音係数が使用されるときに、VCO100の位相雑音が改善されていることが理解される。異なるフリッカ雑音係数を使用することによって、埋込チャネルの正孔輸送の装置レベル効果に接近することが試みられる。
【0022】
図5は、本発明の一実施例に従って、1またはそれ以上のストレインド・シリコンPMOS装置を備えたVCO100を含む位相同期ループ(PLL)200を示す。図のように、PLL200は、(電圧制御発振器(VCO)100の周波数分割出力信号の形式で)参照信号204とフィードバック・クロック信号206との間の位相差を監視するための位相周波数検出器(PFD)202を含む。PFD202は、UP制御信号210およびDOWN制御信号212を生成し、それぞれがチャージ・ポンプ214にループ・フィルタ216を充電および放電させる。ループ・フィルタ216の両端に生成されるループ制御電圧218は、VCO100の出力周波数を決定する。さらに、チャージ・ポンプ214を駆動するUPおよびDOWN制御信号210,212は、適切なループ・フィルタ制御電圧218を設定し、PFD202に加わる入力信号間の位相エラーを最小限に維持する。さらに、バイアス・ジェネレータ220は、2つのバイアス電圧、BIAS−1およびBIAS−2を生成する。一実施例において、Bias−2は、ストレインド・シリコンPMOS装置10cを通るテール電流およびVCO100の出力を制御する。一実施例において、Bias−1は、ストレインド・シリコンPMOS装置10a〜10cのボデーに結合され、それぞれの装置を通る埋込チャネル輸送の量を制御する。一実施例では、Bias−1がよりネガティブになるにつれて、ストレインド・シリコンPMOS装置10a−10cを通る埋込チャネル輸送が増大し、それに対応してPLL200内の位相雑音が低減する。
【0023】
図6は、本発明の1つ以上の実施例に従った1またはそれ以上のストレインド・シリコンPMOS装置を有するVCOが組み込まれたPLL回路を使用する、多くの可能なシステムのうちの1つを示す。VCO100(図3に関して記述された)は、集積回路(IC)300の一部として、PLL回路200(図5に関して記述された)内で実行される。ある実施例において、IC300はマイクロプロセッサである。しかしながら、他の実施例では、IC300は特定用途向けIC(ASIC)であってもよい。
【0024】
図6に示された実施例では、図のように、システム302は、メイン・メモリ308、グラフィックス・プロセッサ310、大容量記憶装置312、および入力/出力モジュール314をさらに含み、これらは通信チャネル316を介して互いに結合されている。メモリ308としては、例えばスタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)およびダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)が含まれるが、これらに制限されない。大記憶装置312としては、例えば、ハードディスク・ドライブ、コンパクト・ディスク・ドライブ(CD)、デジタル・バーサティル・ディスク・ドライブ(DVD)等が含まれるが、これらに制限されない。入力/出力モジュール314としては、キーボード、カーソル制御装置、ディスプレイ、ネットワーク・インターフェイス等が含まれるが、これらに制限されない。通信チャネル316は、ペリフェラル・コントロール・インターフェイス(PCI)バス、インタストリー・スタンダード・アーキテクチャ(ISA)バス等を含む1またはそれ以上の有線またはワイヤレス通信チャネルを表わすが、これらに限定されない。多様な実施例において、システム302は、ワイヤレス携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスト、ポケットPC、タブレットPC、ノートPC、デスクトップ・コンピュータ、セットトップ・ボックス、エンターテインメント・ユニット、DVDプレーヤ、およびサーバ等である。
【0025】
ここでは特定の実施例について図示され、また記述されたが、同様の目的の達成を意図するものであれば、いかなる配列であっても示された特定の実施例の代わりに用いることができることを、当業者は理解するであろう。本出願は、本発明のあらゆる適応または変更をもカバーするように意図される。したがって、本発明が請求項およびこれと均等の範囲のみによって制限されることは明白に意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】Si/SiGe(リラックスド)インターフェイスで形成されたヘテロ接合の下部でキャリヤ輸送が生じる、ストレインド・シリコンPMOS装置の一例を示す。
【図2】図1のストレインド・シリコンPMOS装置の表面の平衡状態のバンド図を示す。
【図3】本発明の一実施例に従ったVCOを示す。
【図4】図3のVCO内のシミュレートされた位相雑音を示すグラフである。
【図5】本発明の一実施例に従って、1またはそれ以上のストレインド・シリコンのPMOS装置を有するVCOを含む位相同期ループ(PLL)を示す。
【図6】図5のPLL回路が使用されるシステムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレインド・シリコン層を有する第1PMOS装置を少なくとも具備することを特徴とする電圧制御発振器(VCO)。
【請求項2】
前記第1PMOS装置は、ソース領域、ドレイン領域、ゲート領域、およびボデーを含み、
前記ボデーは、少なくとも前記第1PMOS装置内の埋込チャネル伝導を増大させるためにバイアス電圧源に結合され、前記VCO内のフリッカ雑音を低減させることを特徴とする請求項1記載のVCO。
【請求項3】
前記第1PMOS装置にクロス結合された、ストレインド・シリコン層を有する第2PMOS装置をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のVCO。
【請求項4】
前記第1PMOS装置は、第1ソース領域、第1ドレイン領域、第1ゲート領域、および第1ボデーを含み、
前記第2PMOS装置は、第2ソース領域、第2ドレイン領域、第2ゲート領域、および第2ボデーを含み、
前記第2ゲート領域は前記第1のドレイン領域に結合され、また、前記第2ドレイン領域は前記第1ゲート領域に結合されることを特徴とする請求項3記載のVCO。
【請求項5】
前記第1および第2ボデーは、前記第1および第2PMOS装置内の埋込チャネル伝導を増大させるために前記第1バイアス電圧源に結合され、前記VCO内のフリッカ雑音を低減させることを特徴とする請求項4記載のVCO。
【請求項6】
ストレインド・シリコン層、第3ソース領域、第3ドレイン領域、第3ゲート領域、および第3ボデーを有する第3PMOS装置をさらに含み、前記第3PMOS装置は前記VCOにテール電流源を提供することを特徴とする請求項5記載のVCO。
【請求項7】
第1、第2、および第3ボデーは、前記第1、第2、および第3PMOS装置内の埋込チャネル伝導を増大させるために第1バイアス電圧源に結合され、前記VCO内のフリッカ雑音を低減させることを特徴とする請求項6記載のVCO。
【請求項8】
前記第3PMOS装置の前記ゲート領域は、第2バイアス電圧源に結合され、前記第3PMOS装置を通る前記テール電流を制御することを特徴とする請求項6記載のVCO。
【請求項9】
少なくとも1つの誘導性要素、および少なくとも1つの容量性要素をさらに含み、それぞれが前記第1PMOS装置のドレインと前記第2PMOS装置のドレインとの間に結合されることを特徴とする請求項6記載のVCO。
【請求項10】
第1ソース、第1ドレイン、第1ゲート、および第1ボデーを有する少なくとも第1ストレインド・シリコンPMOS装置と、
前記第1PMOS装置内の埋込チャネル伝導を増大させるために前記第1ボデーに結合され、前記VCO内のフリッカ雑音を低減させる制御バイアスと、
から構成されることを特徴とする電圧制御発振器(VCO)。
【請求項11】
第2ソース、第2ドレイン、第2ゲート、および第2ボデーを有する第2ストレインド・シリコンPMOS装置、および、
第3ソース、第3ドレイン、第3ゲート、および第3ボデーを有する第3ストレインド・シリコンのPMOS装置をさらに含み、
前記制御バイアスは、前記第2および第3の各PMOS装置内の埋込チャネル伝導を増大させるために前記第2および第3ボデーに結合され、前記VCO内のフリッカ雑音をさらに低減させることを特徴とする請求項10記載のVCO。
【請求項12】
前記第2ゲートは前記第1ドレインに結合され、また、前記第2ドレインは前記第1ゲートに結合されることを特徴とする請求項11記載のVCO。
【請求項13】
前記第3ストレインド・シリコンPMOS装置を通るテール電流を変調するために前記第3ストレインド・シリコンPMOS装置に結合された第2制御バイアスをさらに含むことを特徴とする請求項12記載のVCO。
【請求項14】
少なくとも1つの誘導性要素、および、少なくとも1つの容量性要素をさらに含み、それぞれが前記第1PMOS装置のドレインと前記第2PMOS装置のドレインとの間に結合されることを特徴とする請求項13記載のVCO。
【請求項15】
通信チャネルと、
DRAMと、
前記通信チャネルを介して前記DRAMに結合された集積回路(IC)と、
から構成されるシステムであって、
前記ICは出力クロック信号を生成するための位相同期ループ(PLL)を有し、前記PLLは電圧制御発振器を含み、前記電圧制御発振器は、
第1ボデー端子を有する少なくとも第1ストレインド・シリコンPMOS装置と、
各PMOS装置内の埋込チャネル伝導を増大させるために前記ストレインド・シリコンPMOS装置の前記ボデー端子に結合され、前記VCO内のフリッカ雑音を低減させる制御バイアスと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
ソース、ドレイン、ゲート、および第2ボデー端子を有する第2ストレインド・シリコンPMOS装置をさらに含み、前記第2ゲートは前記第1ドレインに結合され、また、前記第2ドレインは前記第1ゲートに結合されることを特徴とする請求項15記載のVCO。
【請求項17】
前記集積回路は、中央処理装置、前記中央処理装置に結合されたメイン・メモリ、および前記中央処理装置および前記メイン・メモリに結合された少なくとも1つの入力/出力モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項18】
前記集積回路は、マイクロプロセッサであることを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項19】
前記通信チャネルに結合されたネットワーキング・インターフェイスをさらに含むことを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは、セットトップ・ボックス、エンターテインメント・ユニット、およびDVDプレーヤから選択された1つであることを特徴とする請求項15記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−511113(P2007−511113A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534169(P2006−534169)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/032460
【国際公開番号】WO2005/034357
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】