説明

内燃機関の排気管から吸気管に還流される還流ガスの冷却制御装置、制御方法、その方法を実現させるプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】排気ガスを還流する内燃機関と回転電機とを動力源とする車両において、還流弁の異常時の還流ガスの温度上昇を適確に抑制して吸気管周辺部品の過熱による劣化を抑制する。
【解決手段】ECUは、EGRバルブに開異常が生じると、EGRクーラの内部を流通するエンジン冷却水の流量を最大化するようにウォータポンプを制御する。ECUは、ウォータポンプによる冷却水の流量が最大化されている場合(S202にてYES)において、エンジン水温がしきい値αを超えた場合(S204にてYES)に、エンジン要求パワーを予め定められた上限値に制限し(S206)、エンジン要求パワーに基づいて、目標エンジン回転数を算出し(S208)、目標エンジン回転数になるように、MG(1)の回転数を制御する(S210)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気管から吸気管に還流される還流ガスの冷却制御に関し、特に、内燃機関の冷却水を利用して還流ガスを冷却する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用エンジン等に備えられる排気ガス還流装置(以下、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置とも記載する)は、排気ガスの一部をエンジンの吸気側に還流させることで、排気ガス中に含まれるNOxを低減させる。EGR装置においては、エンジンの排気管と吸気管とを連通する還流通路に設けられる還流弁をエンジンの運転状態に応じて制御することによって、還流ガスの流量が調整される。この還流弁が目標値よりも大きく開いてしまう開故障が発生した場合、正常時よりも大量の排気ガスが循環する。これにより、エンジンの燃焼状態が劣化したり、還流弁を含む吸気管周辺部品が高温の排気ガスによって過熱されて劣化したりするおそれがある。このような問題を解決する技術が、たとえば特開2007−76551号公報(特許文献1)、特開平9−25852号公報(特許文献2)に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された制御装置は、還流弁の開故障時のエンジンの燃焼状態の劣化を抑制する技術を開示する。特許文献1に開示された制御装置は、スロットルバルブと、排気系および吸気系を相互に連通させる管路およびその管路の一部に設けられ、開度に応じた量の排気ガスを排気系から吸気系へ循環させることが可能な循環量制御バルブを備えた排気ガス循環装置とを備える内燃機関を動力源の少なくとも一つとする車両を制御する。この制御装置は、循環量制御バルブが、所定値以上の開度を有する状態で固着している状態として規定される開固着状態であるか否かを判断するための判断手段と、内燃機関に対する要求トルクを特定するための要求トルク特定手段と、循環量制御バルブが開固着状態であると判断された場合において、要求トルクがしきい値以上であるとスロットルバルブが全開開度を含む所定値以上の開度を有する状態で内燃機関を動作させ、要求トルクがしきい値未満であると内燃機関を停止させるための制御手段とを含む。
【0004】
特許文献1に開示された制御装置によると、要求トルク特定手段によって、内燃機関に対する要求トルクが特定される。循環量制御バルブが開固着状態である場合において、要求トルクがしきい値以上であると、スロットルバルブが全開開度を含む所定値以上の開度を有する状態で内燃機関が動作される。これにより、燃焼状態が良好に維持され得る開度領域にスロットルバルブが制限された状態で内燃機関が動作されるので、燃焼状態の劣化を防止することができる。一方、要求トルクがしきい値未満であると、内燃機関が停止されるので、必然的に燃焼状態の劣化を防止することができる。
【0005】
特許文献2に開示されたエンジンのフェイルセーフ装置は、還流弁の開故障時の過熱による二次故障を防止する技術を開示する。特許文献2に開示されたフェイルセーフ装置は、排気通路と吸気通路を結ぶ排気還流通路と、排気還流通路を運転状態に応じて開閉する排気還流制御弁とを備えるエンジンにおいて、排気還流制御弁が目標値より大きく開く開故障時を診断するための手段と、開故障時にエンジン回転数が所定値以上になるとエンジンへの燃料噴射を停止するための手段とを含む。
【0006】
特許文献2に開示されたフェイルセーフ装置によると、排気還流制御弁が開いたままとなって排気還流量が過剰になる開故障時に、エンジン回転数が所定値以上になると、エンジンへの燃料噴射を停止することにより、エンジンに高出力を発生させる運転が行われることを回避する。これにより、高温排気ガスによって排気還流制御弁が過熱されて二次故障を引き起こしたり、エンジン本体の性能を悪化させたりすることを防止できる。
【特許文献1】特開2007−76551号公報
【特許文献2】特開平9−25852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示された制御装置においては、循環量制御バルブが開固着状態であっても、要求トルクがしきい値以上であると内燃機関の動作が継続される。特許文献2に開示されたフェイルセーフ装置においては、排気還流制御弁が開故障時であっても、エンジンの回転数が所定値以下であると内燃機関の動作が継続される。これらのように、内燃機関の動作が継続されると、還流弁が目標値よりも大きく開く異常時であるにも関わらず、還流ガスの温度上昇を抑制できず、還流弁を含む吸気管周辺部品が過熱により劣化してしまう場合が考えられる。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、排気ガスを還流する内燃機関と回転電機とを動力源とする車両において、還流弁の異常時の還流ガスの温度上昇を適確に抑制して、還流弁を含む吸気管周辺部品の過熱による劣化を抑制することができる冷却制御装置、制御方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明に係る冷却制御装置は、内燃機関と内燃機関に接続された回転電機とを動力源とする車両に備えられ、内燃機関の排気管と内燃機関の吸気管とを連通する還流通路を経由して排気管から吸気管に還流される還流ガスの冷却を制御する。車両には、還流ガスの流量を調整する還流弁と、内燃機関の冷却水が流通し、一部が還流通路と当接する冷却水配管と、冷却水の流量を調整するポンプ機構とが備えられる。冷却制御装置は、車両の状態に基づいて、内燃機関の要求パワーを算出するための手段と、還流弁が目標値よりも大きく開く異常状態であるか否かを判断するための手段と、異常状態である場合は異常状態でない場合に比べて、冷却水の流量が増加するように、ポンプ機構を制御するためのポンプ制御手段と、還流ガスの温度に関する予め定められた条件が満たされた場合は満たされない場合に比べて、要求パワーを減少させるための減少手段と、減少手段により要求パワーが減少された場合、内燃機関で生じる熱量を低減するように、内燃機関および回転電機の少なくともいずれかを制御するための制御手段とを含む。第5の発明に係る制御方法は、第1の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
【0010】
第1または5の発明によると、還流弁が目標値よりも大きく開く異常状態であると、ポンプ機構が制御されて、還流通路と当接する冷却水配管を流通する冷却水の流量が増加される。これにより、内燃機関の作動を継続しつつ、還流通路内の還流ガスの冷却効率を向上させることができる。さらに、還流ガスの温度に関する予め定められた条件が満たされると、内燃機関の要求パワーを減少され、減少された要求パワーに基づいて、内燃機関で生じる熱量を低減するように、内燃機関および回転電気の少なくともいずれかが制御される。このようにすると、たとえば、還流弁を含む吸気管周辺部品の温度が許容温度を越えると推測される温度まで還流ガスの温度が上昇した場合に、内燃機関で生じる熱量を低減し、還流ガスの温度を低下させることができる。これらにより、還流弁の異常時において、還流ガスの温度上昇を適確に抑制して、還流弁を含む吸気管周辺部品の過熱による劣化を抑制することができる。その結果、排気ガスを還流する内燃機関と回転電機とを動力源とする車両において、還流弁の異常時の還流ガスの温度上昇を適確に抑制して、還流弁を含む吸気管周辺部品の過熱による劣化を抑制することができる冷却制御装置および制御方法を提供することができる。
【0011】
第2の発明に係る冷却制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、予め定められた条件は、ポンプ制御手段により冷却水の流量が増加された場合において、冷却水の温度が予め定められた温度より高いという条件である。第6の発明に係る制御方法は、第2の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
【0012】
第2または6の発明によると、冷却水の温度が高い場合、還流ガスの冷却効率が低下し、還流ガスの温度が高いと推測される。そこで、ポンプ制御手段により冷却水の流量が増加された場合において、冷却水の温度が予め定められた温度より高い場合に、内燃機関の要求パワーが減少される。このようにすると、還流弁の異常時において、冷却水の温度が低く還流ガスの冷却効率が良好な場合には、要求パワーを減少することなく冷却水の流量増加のみにより還流ガスの温度上昇を抑制することができる。そのため、車両の走行パワーを低下させることなく、吸気管周辺部品の過熱による劣化を抑制することができる。
【0013】
第3の発明に係る冷却制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、車両には、内燃機関、回転電機および車両の駆動軸に接続された動力分配機構が備えられる。制御手段は、減少手段により要求パワーが減少された場合、分配機構を経由して内燃機関の回転数を低下させるように、回転電機を制御するための手段を含む。第7の発明に係る制御方法は、第3の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
【0014】
第3または7の発明によると、要求パワーが減少された場合、回転電機を制御して分配機構を経由して内燃機関の回転数を低下させることにより、内燃機関で生じる熱量を低減して、還流ガスの温度上昇を抑制することができる。
【0015】
第4の発明に係る冷却制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、吸気管内には、内燃機関に吸入される空気量を調整するスロットル弁が備えられる。運転制御手段は、減少手段により要求パワーが減少された場合、空気量を減少させるように、スロットル弁を制御するための手段を含む。第8の発明に係る制御方法は、第4の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
【0016】
第4または8の発明によると、要求パワーが減少された場合、スロットル弁を制御して内燃機関に吸入される空気量が減少させることにより、内燃機関で生じる熱量を低減して、還流ガスの温度上昇を抑制することができる。
【0017】
第9の発明に係るプログラムにおいては、第5〜8のいずれかの発明に係る制御方法をコンピュータに実行させる。第10の発明に係る記録媒体は、第5〜8のいずれかの発明に係る制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した媒体である。
【0018】
第9または10の発明によると、コンピュータ(汎用でも専用でもよい)を用いて、第5〜8のいずれかの発明に係る制御方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0020】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を搭載したハイブリッド車両10について説明する。なお、本発明が適用できる車両は、図1に示すハイブリッド車両10に限定されず、他の態様を有するハイブリッド車両であってもよい。
【0021】
ハイブリッド車両10は、エンジン100と、モータジェネレータ300A,300B(MG(1)300A、MG(2)300B)とを含む。なお、以下においては、説明の便宜上、MG(1)300AとMG(2)300Bとを区別することなく説明する場合には、モータジェネレータ300とも記載する。モータジェネレータ300がジェネレータとして機能する場合に回生制動が行なわれる。モータジェネレータ300がジェネレータとして機能するときには、車両の運動エネルギが電気エネルギに変換されて、回生制動力(回生ブレーキ)が発生し、車両が減速される。
【0022】
ハイブリッド車両10には、この他に、エンジン100やモータジェネレータ300で発生した動力を駆動輪12に伝達したり、駆動輪12の駆動をエンジン100やモータジェネレータ300に伝達したりする減速機14と、エンジン100が発生する動力を出力軸212とMG(1)300Aとに分配する動力分割機構200と、モータジェネレータ300を駆動するための電力を充電する走行用バッテリ310と、走行用バッテリ310の直流とモータジェネレータ300の交流とを変換しながら電流制御を行なうインバータ330と、エンジン100の動作状態を制御するエンジンECU406と、ハイブリッド車両10の状態に応じてモータジェネレータ300、インバータ330および走行用バッテリ310の充放電状態等を制御するMG_ECU402と、エンジンECU406およびMG_ECU402等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両10が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御するHV_ECU404等を含む。
【0023】
走行用バッテリ310とインバータ330との間には、昇圧コンバータ320が設けられている。走行用バッテリ310の定格電圧が、モータジェネレータ300の定格電圧よりも低いので、走行用バッテリ310からモータジェネレータ300に電力を供給するときには、昇圧コンバータ320で電力を昇圧する。
【0024】
図1においては、各ECUを別構成しているが、2個以上のECUを統合したECUとして構成してもよい。たとえば、図1に、点線で示すように、MG_ECU402とHV_ECU404とを統合したECU400とすることがその一例である。以下の説明においては、MG_ECU402とHV_ECU404とを区別することなくECU400と記載する。
【0025】
ECU400には、エンジンECU406、車速センサ、アクセル開度センサ、ブレーキストロークセンサ、スロットル開度センサ、MG(1)回転数センサ、MG(2)回転数センサ、エンジン回転数センサ、エアフロメータ(いずれも図示せず)、および監視ユニット340からの信号が入力されている。
【0026】
車速センサは、ドライブシャフト16の回転数から車速Vを検出し、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。
【0027】
アクセル開度センサは、アクセルペダルの開度(アクセル開度)ACCを検出し、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。
【0028】
ブレーキストロークセンサは、ブレーキペダルのストローク(ブレーキストローク)BSを検出し、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。
【0029】
スロットル開度センサは、エンジン100に吸入される空気量(吸収空気量)KLの調整に用いられるスロットルバルブ(図示せず)の開度(スロットル開度)を検出し、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。
【0030】
MG(1)回転数センサは、MG(1)300Aの回転数NM(1)を検出し、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。
【0031】
MG(2)回転数センサは、MG(2)300Bの回転数NM(2)を検出し、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。
【0032】
エンジン回転数センサは、エンジンECU406に接続され、エンジン100の出力軸であるクランクシャフト102の回転数(エンジン回転数)NEを検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU406を経由してECU400に送信する。
【0033】
エアフロメータは、エンジンECU406に接続され、エアクリーナ(図示せず)から吸気管を経由してエンジン100の燃焼室に導入される吸入空気量KLを検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU406を経由してECU400に送信する。
【0034】
監視ユニット340は、走行用バッテリ310に接続され、走行用バッテリ310の状態を監視する。監視ユニット340には、走行用バッテリ310に設けられた電圧センサ、電流センサ、温度センサ(いずれも図示せず)から、走行用バッテリ310の端子間電圧値、走行用バッテリ310の充放電電流値(バッテリ電流値)I、走行用バッテリ310の温度(バッテリ温度)TBなどの情報が入力される。また、監視ユニット340は、バッテリ電流値Iやバッテリ温度TBなどの情報に基づいて、走行用バッテリ310の残存容量を算出する。
【0035】
ECU400は、エンジンECU406、車速センサ、アクセル開度センサ、ブレーキストロークセンサ、スロットル開度センサ、MG(1)回転数センサ、MG(2)回転数センサ、監視ユニット340、エンジン回転数センサ、およびエアフロメータなどから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
【0036】
図2および図3を参照して、動力分割機構200についてさらに説明する。動力分割機構200は、サンギヤ202と、ピニオンギヤ204と、キャリア206と、リングギヤ208とを含む遊星歯車から構成される。
【0037】
ピニオンギヤ204は、サンギヤ202およびリングギヤ208と係合する。キャリア206は、ピニオンギヤ204が自転可能であるように支持する。サンギヤ202はMG(1)300Aの回転軸に連結される。キャリア206はエンジン100のクランクシャフト102に連結される。リングギヤ208は出力軸212に連結される。
【0038】
エンジン100、MG(1)300AおよびMG(2)300Bが、遊星歯車からなる動力分割機構200を経由して連結されることで、エンジン100、MG(1)300AおよびMG(2)300Bの回転数は、たとえば、図3に示すように、共線図において直線で結ばれる関係になる(図3は定常運転時の一例である)。
【0039】
図4および図5を参照して、本実施の形態に係るエンジン100について説明する。エンジン100は、吸気管110と、排気管120と、EGRパイプ130とを含む。
【0040】
このエンジン100においては、エアクリーナ(図示せず)から吸入される空気が、吸気管110を流通して、エンジン100の燃焼室に導入される。スロットルバルブ114の開度により、吸入空気量KLが調整される。スロットルバルブ114の開度は、エンジンECU406からの信号に基づいて作動するスロットルモータ112により制御される。混合気が燃焼した後の排気ガスは、排気管120の途中に設けられた、三元触媒コンバータ122を通って、大気に排出される。
【0041】
さらに、エンジン100には、バキュームセンサ118およびエンジン水温センサ124が設けられる。バキュームセンサ118は、スロットルバルブ114よりも下流側の吸気管110内の圧力を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU406に送信する。エンジン水温センサ124は、エンジン100内に形成されたウォータジャケットを流れる冷却水の温度(エンジン水温)を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU406に送信する。なお、バキュームセンサ118およびエンジン水温センサ124の検出検出結果を表わす信号は、エンジンECU406を経由してECU400にも送信される。
【0042】
エンジン100は、排気管120の排気ガスの一部をEGRパイプ130を経由して吸気管110へ再循環させ、新しい混合気と混ぜて燃焼温度を下げることにより、窒素酸化物(NOx)の発生を抑制したり、ポンピングロスを抑制したりして燃費向上を図っている。EGRパイプ130は、排気管120における三元触媒コンバータ122の下流側と、吸気管110におけるスロットルバルブ114の下流側とを連通する。三元触媒コンバータ122を通過した後の排気ガスが、還流ガスとして、EGRパイプ130を吸気管110側に流通する。
【0043】
EGRバルブ132は、EGRパイプ130の途中の内部に設けられる。エンジンECU406は、エンジンECU406あるいはECU400からの開指令あるいは閉指令により制御される。これにより、EGRバルブ132の開度が制御され、EGRパイプ130の還流ガスの流量が調整される。
【0044】
EGRパイプ130の途中には、EGRパイプ130内を流通する高温の還流ガスを冷却するEGRクーラ134が設けられる。EGRクーラ134の内部は、EGRパイプ130の外側にエンジン100の冷却水通路が設けられる二重管構造となっている。EGRクーラ134で還流ガスを冷却することにより、EGRバルブ132や吸気管110の過熱による劣化が抑制される。
【0045】
図5は、エンジン100の冷却回路の構造を示す。図5に示すように、エンジン100の冷却回路は、ラジエータ140と、エンジン100内に形成されたウォータジャケット(図示せず)と、ラジエータ140とエンジン100内とを接続する冷却水通路142,144と、冷却水通路142,144を連通するバイパス通路152と、冷却水通路144とバイパス通路152との接続部分に設けられ、冷却水の流路を切り換えるサーモスタット150と、サーモスタット150とエンジン100との間に設けられるウォータポンプ(W/P)160とから構成される。
【0046】
サーモスタット150は、サーモスタット150を流通する冷却水の温度に応じて、機械的に作動する切換弁である。サーモスタット150は、冷却水の温度が低いと、バイパス通路152から冷却水通路144のエンジン100側に冷却水が流通するように内部の弁を切り換える。サーモスタット150は、冷却水の温度が高いと、バイパス通路152からの冷却水通路144への冷却水の流通を遮断するように内部の弁を切り換える。このとき、冷却水は、ラジエータ140を経由して冷却水通路144に流通する。
【0047】
このような構成を有するエンジン100の冷却回路に対して、バイパス通路152と並列に冷却水通路142,144を接続する冷却水通路146が設けられる。冷却水通路146の一方端は、バイパス通路152および冷却水通路142の接続位置とエンジン100との間の冷却水通路142に接続される。冷却水通路146の他方端は、ウォータポンプ160とサーモスタット150との間の冷却水通路144に接続される。EGRクーラ134は、冷却水通路146の途中に設けられる。
【0048】
ウォータポンプ160は、エンジン100の冷却回路を循環する冷却水の流量を調整する。ウォータポンプ160は、エンジンECU406あるいはECU400からの制御信号により制御される。ウォータポンプ160の作動により、冷却水が図5の実線の矢印に示すように循環され、EGRクーラ134の内部を流通する。すなわち、EGRクーラ134は、エンジン100から流通する冷却水を用いて還流ガスを冷却する。
【0049】
本実施の形態において、EGRバルブ132が目標値よりも大きく開いてしまう異常(以下、単に開異常とも記載する)が発生した場合、高温の排気ガスに正常時よりも大量に還流されるため、EGRパイプ130、EGRバルブ132、吸気管110などの吸気系の部品が過剰に過熱されて劣化してしまうおそれがある。
【0050】
そこで、本実施の形態に係る冷却制御装置においては、EGRバルブ132が開異常である場合に、エンジン100の冷却回路を循環する冷却水の流量を増加し、エンジン100で生じる熱量を低減し、還流ガスの温度を低下させる。
【0051】
図6を参照して、本実施の形態に係る冷却制御装置の機能ブロック図について説明する。図6に示すように、この冷却制御装置は、異常検出部410と、流量算出部420と、W/P制御部430と、エンジン要求パワー算出部440と、目標エンジン回転数算出部450と、MG(1)制御部460とを含む。
【0052】
異常検出部410は、たとえばバキュームセンサ118からのバキューム圧に基づいて、EGRバルブ132に開異常を検出する。
【0053】
流量算出部420は、エンジン回転数NE、エンジン水温、および異常検出部410の検出結果に基づいて、エンジン100の冷却回路内に流通させる冷却水の要求流量Aを算出する。W/P制御部430は、要求流量Aに応じた制御信号をウォータポンプ160に送信する。
【0054】
エンジン要求パワー算出部440は、アクセル開度ACC、車速V、エンジン水温に基づいて、エンジン要求パワーを算出する。目標エンジン回転数算出部450は、エンジン要求パワーに基づいて、目標エンジン回転数を算出する。
【0055】
MG(1)制御部460は、MG(1)300Aの回転数MN(1)、MG(2)300Bの回転数MN(2)、エンジン回転数NE、および目標エンジン回転数に基づいて、エンジン回転数NEが目標エンジン回転数になるように、MG(1)300Aの回転数を制御する。
【0056】
このような機能ブロックを有する本実施の形態に係る制御装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECUに含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとして制御装置を実現した場合を説明する。なお、このようなプログラムを記録した記録媒体についても本発明の一態様である。
【0057】
図7を参照して、本実施の形態に係る冷却制御装置を構成するECU400が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0058】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU400は、エンジン100の冷却回路内に流通させる冷却水の要求流量Aを算出する。たとえば、ECU400は、エンジン回転数センサからのエンジン回転数NE、エンジン水温センサ124からのエンジン水温に基づいて、要求流量Aを算出する。
【0059】
S102にて、ECU400は、EGRバルブ132に開異常が生じたか否かを判断する。たとえば、ECU400は、ハイブリッド車両10の減速中においてEGRバルブ132に開指令を送信したあとに閉指令を送信し、そのときのバキュームセンサ118からのバキューム圧が変化しない場合に、開異常が生じたと判断する。なお、EGRバルブ132に開異常が生じたか否かを判断する方法はこれに限定されない。開異常が生じたと判断されると(S102にてYES)、処理はS104に移される。そうでないと(S102にてNO)、処理はS106に移される。
【0060】
S104にて、ECU400は、要求流量Aを最大値に変更する。なお、要求流量Aを増加するのであれば、必ずしも要求流量Aを最大値に変更することに限定されない。S106にて、ECU400は、要求流量Aに応じた制御信号をウォータポンプ160に送信する。
【0061】
図8を参照して、本実施の形態に係る冷却制御装置を構成するECU400がMG(1)300Aの回転数を制御する際に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
【0062】
S200にて、ECU400は、エンジン要求パワーを算出する。たとえば、ECU400は、アクセル開度ACCおよび車速Vに基づいてハイブリッド車両10の要求パワーとハイブリッド車両10が最も効率よく運行できるエンジン負担率とを算出し、ハイブリッド車両10の要求パワーとエンジン負担率との積をエンジン要求パワーとして算出する。なお、エンジン要求パワーの算出方法はこれに限定されない。
【0063】
S202にて、ECU400は、ウォータポンプ160の流量が最大値にされているか否かを判断する。たとえば、ECU400は、上述の図7のS104の処理を継続している場合に、ウォータポンプ160の流量が最大値にされていると判断する。最大値にされていると(S202にてYES)、処理はS204に移される。そうでないと(S202にてNO)、処理はS208に移される。
【0064】
S204にて、ECU400は、エンジン水温が予め定められたしきい値αを超えたか否かを判断する。しきい値αは、吸気系の部品を劣化させると予測される還流ガスの温度に対応するエンジン水温である。なお、しきい値αはこの値に限定されない。しきい値αを越えたと判断されると(S204にてYES)、処理はS206に移される。そうでないと(S204にてNO)、処理はS208に移される。
【0065】
S206にて、ECU400は、エンジン要求パワーを予め定められた上限値に制限する。なお、エンジン要求パワーを減少させるのであれば、必ずしもエンジン要求パワーを予め定められた上限値に制限することに限定されない。
【0066】
S208にて、ECU400は、エンジン要求パワーに基づいて、目標エンジン回転数を算出する。
【0067】
S210にて、ECU400は、目標エンジン回転数になるように、MG(1)300Aの回転数を制御する。たとえば、ECU400は、MG(1)300Aの回転数MN(1)、MG(2)300Bの回転数MN(2)を検出し、上述の図3で示した共線図上で、エンジン回転数NEが目標エンジン回転数になるように、MG(1)300Aの回転数を制御する。
【0068】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る冷却制御装置を構成するECU400により制御される還流ガスの温度について説明する。
【0069】
図9に示すように、時刻T(1)にてEGRバルブ132に開異常が生じると(S102にてYES)、ウォータポンプ160の流量が最大値にされる(S104、S106)。これにより、EGRクーラ134の冷却能力が向上し、流量が最大値にされない場合(図9の一点鎖線参照)に比べて、還流ガス温度の上昇が抑制される。
【0070】
エンジン水温がしきい値αとなる時刻T(2)までは、還流ガスの冷却効率が良好であり、還流ガスの温度が吸気系の部品を劣化させると予測される温度以下であると判断して、冷却水の流量を最大値にすることのみにより、還流ガスの温度上昇が抑制される。そのため、ハイブリッド車両10の走行パワーを低下させることなく、吸気管周辺部品の過熱による劣化を抑制することができる。
【0071】
その後、エンジン水温が徐々に上昇し、時刻T(2)でエンジン水温がしきい値αを越えると(S204にてYES)、エンジン要求パワーが制限され(S206)、制限されたエンジン要求パワーに応じて目標エンジン回転数が低下され(S208)、低下した目標エンジン回転数となるように、MG(1)300Aが制御される(S210)。これにより、エンジン回転数が低下するため、エンジン100の発熱量、すなわち排気ガスの温度が低下する。そのため、エンジン要求パワーを制限しない場合(図9の二点鎖線参照)に比べて、還流ガス温度の上昇がさらに抑制される。
【0072】
以上のように、本実施の形態に係る冷却制御装置によれば、EGRバルブが開異常である場合に、エンジンの冷却回路を循環する冷却水の流量を最大値にするとともに、冷却水の流量を最大値にしても、冷却水の温度がしきい値を越えて還流ガスの温度が高いと推測される場合には、エンジン回転数を低下させることにより還流ガスの温度を低下させる。これにより、EGRバルブが開異常である場合において、還流ガスの温度上昇を適確に抑制して、吸気管周辺部品の過熱による劣化を抑制することができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、冷却水の流量が最大値にされた場合であってかつエンジン水温がしきい値αを超えた場合に、エンジン要求パワーを制限した。これに対し、冷却水の流量が最大値にされたか否かに関わらず、エンジン水温がしきい値αを超えた場合に、エンジン要求パワーを制限するようにしてもよい。すなわち、図8に示したフローチャートのS202の処理を省略するようにしてもよい。
【0074】
また、本実施の形態において、還流ガスの温度センサを設け、その温度センサが検出した還流ガスの温度が吸気系の部品を劣化させると予測される温度に達した場合に、エンジン要求パワーを制限するようにしてもよい。すなわち、図8に示したフローチャートのS204の処理において、温度センサにより検出された還流ガスの温度が吸気系の部品を劣化させると予測される温度を越えたか否かを判断するようにしてもよい。
【0075】
<実施の形態の変形例>
ECU400が実行するプログラムの制御構造を、図10に示すフローチャートのように変形してもよい。なお、図10に示したフローチャートの中で、前述の図8に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについて処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0076】
S300にて、ECU400は、エンジン要求パワーに基づいて、要求スロットル開度Bを算出する。S302にて、ECU400は、スロットルバルブ114の開度が要求スロットル開度Bに応じた開度となるように、スロットルモータ112を制御する。
【0077】
このようにすると、エンジン水温がしきい値αを越えてエンジン要求パワーが制限されると(S204にてYES、S206)、制限されたエンジン要求パワーに応じて要求スロットル開度が減少する(S300)。これにより、スロットルバルブ114の開度が減少し(S302)、エンジン100の吸入空気量が減少する。そのため、エンジン100で生じる熱量を低減して、還流ガスの温度上昇を抑制することができる。
【0078】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態に係る冷却制御装置が搭載される車両の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両に搭載される動力分割機構を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両に搭載されるエンジン、MG(1)およびMG(2)の回転数の関係を示す共線図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るエンジンの構造を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るエンジンの冷却回路の構造を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る冷却制御装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る冷却制御装置を構成するECUの制御構造を示すフローチャート(その1)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る冷却制御装置を構成するECUの制御構造を示すフローチャート(その2)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る冷却制御装置により制御される還流ガスの温度のタイミングチャートである。
【図10】本発明の実施の形態の変形例に係る冷却制御装置を構成するECUの制御構造を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
10 ハイブリッド車両、12 駆動輪、14 減速機、16 ドライブシャフト、100 エンジン、102 クランクシャフト、110 吸気管、112 スロットルモータ、114 スロットルバルブ、118 バキュームセンサ、120 排気管、122 三元触媒コンバータ、124 エンジン水温センサ、130 EGRパイプ、132 EGRバルブ、134 EGRクーラ、140 ラジエータ、142,144,146 冷却水通路、150 サーモスタット、152 バイパス通路、160 ウォータポンプ、200 動力分割機構、202 サンギヤ、204 ピニオンギヤ、206 キャリア、208 リングギヤ、212 出力軸、300 モータジェネレータ、300A MG(1)、300B MG(2)、310 走行用バッテリ、320 昇圧コンバータ、330 インバータ、340 監視ユニット、400 ECU、402 MG_ECU、404 HV_ECU、406 エンジンECU、410 異常検出部、420 流量算出部、430 W/P制御部、440 エンジン要求パワー算出部、450 目標エンジン回転数算出部、460 MG(1)制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と前記内燃機関に接続された回転電機とを動力源とする車両に備えられ、前記内燃機関の排気管と前記内燃機関の吸気管とを連通する還流通路を経由して前記排気管から前記吸気管に還流される還流ガスの冷却制御装置であって、前記車両には、前記還流ガスの流量を調整する還流弁と、前記内燃機関の冷却水が流通し、一部が前記還流通路と当接する冷却水配管と、前記冷却水の流量を調整するポンプ機構とが備えられ、
前記冷却制御装置は、
前記車両の状態に基づいて、前記内燃機関の要求パワーを算出するための手段と、
前記還流弁が目標値よりも大きく開く異常状態であるか否かを判断するための手段と、
前記異常状態である場合は前記異常状態でない場合に比べて、前記冷却水の流量が増加するように、前記ポンプ機構を制御するためのポンプ制御手段と、
前記還流ガスの温度に関する予め定められた条件が満たされた場合は満たされない場合に比べて、前記要求パワーを減少させるための減少手段と、
前記減少手段により前記要求パワーが減少された場合、前記内燃機関で生じる熱量を低減するように、前記内燃機関および前記回転電機の少なくともいずれかを制御するための制御手段とを含む、冷却制御装置。
【請求項2】
前記予め定められた条件は、前記ポンプ制御手段により前記冷却水の流量が増加された場合において、前記冷却水の温度が予め定められた温度より高いという条件である、請求項1に記載の冷却制御装置。
【請求項3】
前記車両には、前記内燃機関、前記回転電機および前記車両の駆動軸に接続された動力分配機構が備えられ、
前記制御手段は、前記分配機構を経由して前記内燃機関の回転数を低下させるように、前記回転電機を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の冷却制御装置。
【請求項4】
前記吸気管内には、前記内燃機関に吸入される空気量を調整するスロットル弁が備えられ、
前記制御手段は、前記空気量を減少させるように、前記スロットル弁を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の冷却制御装置。
【請求項5】
内燃機関と前記内燃機関に接続された回転電機とを動力源とする車両に備えられ、前記内燃機関の排気管と前記内燃機関の吸気管とを連通する還流通路を経由して前記排気管から前記吸気管に還流される還流ガスの冷却制御方法であって、前記車両には、前記還流ガスの流量を調整する還流弁と、前記内燃機関の冷却水が流通し、一部が前記還流通路と当接する冷却水配管と、前記冷却水の流量を調整するポンプ機構とが備えられ、
前記冷却制御方法は、
前記車両の状態に基づいて、前記内燃機関の要求パワーを算出するステップと、
前記還流弁が目標値よりも大きく開く異常状態であるか否かを判断するステップと、
前記異常状態である場合は前記異常状態でない場合に比べて、前記冷却水の流量が増加するように、前記ポンプ機構を制御するポンプ制御ステップと、
前記還流ガスの温度に関する予め定められた条件が満たされた場合は満たされない場合に比べて、前記要求パワーを減少させる減少ステップと、
前記減少ステップにて前記要求パワーが減少された場合、前記内燃機関で生じる熱量を低減するように、前記内燃機関および前記回転電機の少なくともいずれかを制御する制御ステップとを含む、冷却制御方法。
【請求項6】
前記予め定められた条件は、前記ポンプ制御ステップにて前記冷却水の流量が増加された場合において、前記冷却水の温度が予め定められた温度より高いという条件である、請求項5に記載の冷却制御方法。
【請求項7】
前記車両には、前記内燃機関、前記回転電機および前記車両の駆動軸に接続された動力分配機構が備えられ、
前記制御ステップは、前記分配機構を経由して前記内燃機関の回転数を低下させるように、前記回転電機を制御するステップを含む、請求項5または6に記載の冷却制御方法。
【請求項8】
前記吸気管内には、前記内燃機関に吸入される空気量を調整するスロットル弁が備えられ、
前記運転制御ステップは、前記空気量を減少させるように、前記スロットル弁を制御するステップを含む、請求項5または6に記載の冷却制御方法。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれかに記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項5〜8のいずれかに記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−79549(P2009−79549A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249593(P2007−249593)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】