説明

相補的窒化膜トランジスタの垂直およびコモンドレイン

【課題】少ない材料で、電流搬送能力に優れた半導体デバイスを提供する。
【解決手段】 異なる平面に、オーミック接点を含む半導体デバイス、およびそのデバイスを製造するための方法であって、連続したステップで、異なる導電タイプの半導体層の半導体スタックをエッチングし、第1半導体層内に、第1の幅の第1開口部を形成し、別の半導体層を露出させ、次に別の層内に、より狭い幅の第2開口部を形成し、オーミック接点を収容するための別の層の一部を、露出した状態で残すことを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに関し、より詳細には、電力用半導体デバイス、およびこの電力用半導体デバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力に関する用途では、効率は、重要なパラメータである。ポータブル電子デバイス、例えばポータブルコンピュータでは、効率によって、商業的に望ましい機能、例えばより小型のバッテリーパックまたはより長いバッテリー寿命が得られる。
【0003】
電子デバイスにおける電源の効率を改良するために、電力用半導体デバイスの設計者は、大電力の要求を電力用デバイスが満たすことを可能とし、しかも、電力の散逸を低減するように、電力用半導体デバイスのターンオン時の抵抗値を高めることなく、電力用トランジスタの電流搬送能力を増加しようと努力してきた。
【0004】
デバイスの電流搬送能力を改善することは、半導体材料の効率的な利用を可能とし、半導体材料のコストを低減できるので、有利でもある。
【0005】
電流搬送能力のほかに、所定の構造上の特徴により、材料の使用を改善できる。例えば電力用半導体ではスイッチングデバイスを垂直ゲート構造にすると、セルのサイズを小さくでき、材料の消費量を低減できるので好ましい。すなわち、材料の単位面積当たりのセル数を多くし、よって性能を低下することなく、電力用半導体デバイスのコストを低減できる
【0006】
極めて周知の垂直ゲート構造は、ベース領域に隣接するトレンチ内に、ゲートが存在するトレンチタイプの電力用半導体スイッチングデバイス(例えばパワーMOSFET)である。かかるデバイスでは、通常、1つの主要表面の上に1つの電力用電気接点が形成され、対向する別の主要表面の上に、別の電力用電気接点が形成される。従って、かかるデバイスにおける電流パスは、デバイスの本体を貫通する。
【0007】
かかるデバイスは、電力を良好に取り扱うことができるが、デバイスからの熱を抽出することが、構造上の課題となることが多い。更に、電気接点の位置を決定するには、実装上の検討が必要となり、このことが、製造を複雑にしている。
【0008】
例えば、電力用半導体デバイスが2つの開口する接点を含むとき、パッケージの電気リード線に電気接点を接続するために、少なくとも2つのステップが必要となることが多い。
【0009】
従って、1つの表面にすべての接点を設けることが好ましい。かかる構造により、一方の側において、対応するリンク接点に電気接続することが可能となる(この接続は、実装中に1回のステップで実行できる)が、熱スプレッダー、ヒートシンクなどにより、反対側から熱が抽出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
垂直を向くゲート構造体と、デバイスの片側にパワー接点を備える半導体パワーデバイスは公知である。このデバイスは、上記した利点を有する。このデバイスの欠点は、ゲート構造体の下で、1つの接点からデバイスの本体の内部まで電流パスを延長させ、次に、第2パワー接点に向かって、上に延長させなければならないことである。このような長い電流パスによって、デバイスのターンオン時の抵抗値が大きくなる。
【0011】
上記した従来の技術の欠点を有しない電力半導体デバイスを得ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係わる半導体デバイスは、1つの導電タイプの導電性領域と、前記導電タイプとは別の導電タイプの導電性領域と、前記導電性領域と前記別の導電性領域との間に位置する別の導電タイプのベース領域と、前記ベース領域に隣接するゲート構造体と、前記導電性領域の表面にオーミック接続されたオーミック接点と、前記別の導電性領域の表面にオーミック接続された別のオーミック接点とを備えている。
【0013】
各オーミック接点は、ハンダ付け、ワイヤーボンディングなどにより、外部素子に電気接続するための接点表面を有する。双方の接点表面のデバイスに対する電気接続部を、デバイスの同じ側から形成できるように同じ表面を向いている。
【0014】
本発明の1つの様相によれば、2つの異なる平面に、オーミック接点が配置されている。すなわち、これらのオーミック接点は、同一平面上にはない。そのため、2つの接点の間の電流パスは短縮され、デバイスのターンオン時の抵抗は、従来のデバイスと比較して改善される。
【0015】
本発明の好ましい実施例に係わるデバイスは、導電性領域がソース領域であり、別の導電性領域がドレイン領域である電界効果トランジスタとなっている。好ましい実施例では、導電性領域、別の導電性領域、およびベース領域は、III族窒化物半導体、例えばGaNから構成されている。III族窒化物材料、例えばGaNを使用することは、材料のブレークダウン電圧特性が高く、電流搬送能力が高いので望ましいことである。
【0016】
本発明の別の実施例に係わるデバイスでは、導電性領域、別の導電性領域およびベース領域は、半導体から構成され、移動度を改善するために、ゲート構造体とベースとの間に、別の半導体から形成された別の導電性本体が挟持されている。好ましい実施例では、この別の半導体は、AlGaNから構成されている。
【0017】
本発明の別の様相によれば、相補的半導体デバイスは、
基板と、該基板に設けられた第1半導体デバイスと、前記基板に設けられた第2半導体デバイスとを備えている。第1半導体デバイスおよび前記第2半導体デバイスは、
導電性領域と、
別の導電性領域と、
前記導電性領域と前記別の導電性領域との間に位置し、前記導電性領域および前記別の導電性領域と反対の導電タイプのベース領域と、
前記ベース領域に隣接するゲート構造体と、
ある方向を向く電気接続のための面を含む、前記導電性領域の表面にオーミック接続されたオーミック接点と、
前記方向を向く電気接続のための面を含む、前記別の導電性領域の表面にオーミック接続された別のオーミック接点とを備え、前記導電性領域の前記表面は、第1平面上にあり、前記別の導電性領域の前記表面は、別の平面の上にあり、
前記第1デバイスの導電性領域および前記別の導電性領域は、1つの導電タイプであり、前記第2デバイスの前記導電性領域および前記別の導電性領域は、別の導電タイプである。
【0018】
好ましい実施例では、第1半導体デバイスおよび第2半導体デバイスは、各半導体デバイスにおける導電性領域がソース領域であり、各半導体デバイスにおける別の導電性領域が、ドレイン領域となっている電界効果トランジスタである。好ましい実施例では、各半導体デバイスにおける導電性領域、別の導電性領域、およびベース領域は、III族窒化物半導体、例えばGaNから構成されている。
【0019】
本発明に係わるデバイスを製造するための方法は、異なる導電タイプの導電性半導体層のスタックを有する半導体本体を設けるステップと、導電性半導体層を少なくとも貫通し、少なくとも別の半導体層で終端する、第1の幅を有する第1開口部を前記半導体本体内に形成するステップと、前記別の導電性半導体層を少なくとも貫通し、前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2の開口部を前記半導体本体内に形成し、前記別の導電性半導体層の一部を露出させるステップと、前記別の導電性半導体層の前記露出した部分に第1のオーミック接点を形成するステップと、前記別の半導体の導電層以外の導電性半導体層に第2接点を形成するステップとを備え、前記第1接点と前記第2接点は、異なる平面に配置されているが、同一方向を向いている。
【0020】
本発明の方法によると、同じダイ上にPNPまたはNPNバイポーラトランジスタ、もしくはNチャンネルまたはPチャンネルのFETを製造することが可能である。すなわち、本発明の方法により、垂直方向だけでなく、横方向にも互いにオフセットできる相補的集積回路を製造することが可能である。
【0021】
以下、添付図面を参照して行う本発明の次の詳細な説明から、本発明の上記以外の特徴および利点が明らかとなると思う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
まず、図1を参照する。本発明の第1実施例に係わる相補的デバイスは、基板10と、基板10の第1主要表面の第1部分に形成された第1電界効果トランジスタ12と、基板10の主要第1表面の第2部分に形成された第2電界効果トランジスタ14とを有する。本発明の第1実施例のデバイスでは、第1電界効果トランジスタ12と第2電界効果トランジスタ14とは、開口部16によって互いに物理的かつ電気的にアイソレートされている。
【0023】
本発明の第1の様相によれば、第1電界効果トランジスタ12は、III族窒化物半導体に基づくものである。好ましい実施例では、第1電界効果トランジスタ12を形成するのに使用されるIII族窒化物材料は、GaNである。
【0024】
詳細に説明すれば、第1電界効果トランジスタ12は、N+タイプのGaNから構成された第1導電性領域18と、N-タイプのGaNから構成された第2導電性領域20と、P+タイプのGaNから構成されたベース領域22と、N+タイプのGaNから構成された第3導電性領域24とを有している。
【0025】
第1導電性領域18は、ドレイン領域であり、第2導電性領域20は、ドリフト領域であり、第3導電性領域24は、第1電界効果トランジスタ12のソース領域である。第1電界効果トランジスタ12は、更に第1導電性領域18にオーミック接続された第1オーミック接点26、すなわちドレイン接点と、第4導電性領域24にオーミック接続された第2オーミック接点28、すなわちソース接点と、ゲート構造体30とを有する。
【0026】
ゲート構造体30は、ゲート電極32と、ゲート電極32とベース領域22との間に挟持されたゲート絶縁部34とを有する。ゲート電極32は、ゲート接点36に電気的に接続されている。
【0027】
本発明の好ましい実施例では、ゲート絶縁部34は、SiN、Al23、HfO、MgOまたはSiO2から構成され、オーミック接点26、28は、例えばTi、Al、Ni、Au、または任意の適当な金属スタック、例えばTiAlスタックから構成され、ゲート接点36は、任意の適当な導電性材料、例えばTiWまたはNiAuから構成され、ゲート電極32は、任意の適当な導電体から構成されている。
【0028】
本発明の第1の様相によれば、第1オーミック接点26および第2オーミック接点28は、表面26A、26Bを有し、これらの表面は、外部電気接続、ハンダ付け、ワイヤーボンディングなどに適している。双方の表面26A、26Bは、同じ方向を向いているが、異なる平面に配置されているので、これらは同一平面上にはない。その結果、デバイスのすべての接点26、28、36は、デバイスの片側にあるが、第1オーミック接点26と第2オーミック接点28との間の電流パスは短縮され、よって、デバイスのターンオン時の抵抗は改善されている。
【0029】
第2電界効果トランジスタ14は、P+タイプのGaNから構成された第1導電性領域28と、P-タイプのGaNから構成された第2導電性領域40と、N+タイプのGaNから構成されたベース領域40と、P+タイプのGaNから構成された第3導電性領域44とを有する。
【0030】
第1導電性領域38は、第2電界効果トランジスタ14のドレイン領域であり、第2導電性領域40はドリフト領域であり、第3導電性領域44はソース領域である。第2電界効果トランジスタは、更に第1オーミック接点46、すなわちドレイン接点と、第2オーミック接点48、すなわち、ソース接点と、ゲート構造体50とを備えている。
【0031】
ゲート構造体50は、ゲート電極52と、このゲート電極52とベース領域42との間に挟持されたゲート絶縁部54とを有する。第2電界効果トランジスタ14は、ゲート電極52に電気的に接続されたゲート接点56を更に含んでいる。
【0032】
上記説明から容易に明らかとなるように、第1電界効果トランジスタ12と第2電界効果トランジスタ14とは、一方の各領域が、他方の対応する領域に対して、導電タイプが逆となっているという点で、相補的デバイスである。従って、第1電界効果トランジスタ12は、Pタイプのベース領域を含み、Nチャンネルデバイスとなっているが、他方、第2電界効果トランジスタ14は、Nタイプのベース領域を含み、Pチャンネルデバイスとなっている。
【0033】
本発明に係わるデバイスを製造するには、まず基板10と、導電性GaN層のスタック60を備えるダイ58を設ける。より詳細に説明すれば、スタック60は、基板10の第1主要表面の頂部にある第1のN+タイプのGaN層62と、N-タイプのGaN層64と、第1のP+タイプのGaN層66と、第2のN+タイプのGaN層68と、P-タイプのGaN層70と、第2のP+タイプのGaN層72とを含んでいる。基板10は、任意の公知の基板材料、例えばサファイア、SiC、またはSiからなり、層62〜72は、任意の態様でスタック60を構成するよう、一方の層上に他方の層を、エピタキシャル成長させることができる。
【0034】
次に図2Aを参照する。第1ステップでは、第2のP+タイプのGaN層72の一部と、P-タイプのGaN層70の一部とを除去し、第2のN+タイプのGaN層68を露出させる。次に、第2のN+タイプのGaN層68を除去し、第1のP+タイプのGaN層66を露出し、図2Cから判るように、P-タイプのGaN層の下方に第2のN+タイプのGaN層68の第1部分、およびこの第1部分から離間したN+タイプのGaN層68の別の部分を残す。すなわち、第2のN+タイプのGaN層68の一部を除去し、この層の一部分68Aと、この層の別の部分68Bとの間に、開口部74を形成する。
【0035】
次に、図2Dを参照する。第1のP+タイプのGaN層66の一部、およびN-タイプのGaN層64の一部を除去し、第1のP+タイプのGaN層の第1部分66Aと第2部分66Bとの間、ならびに、N-タイプのGaN層の第1部分64Aと第2部分64Bとの間に、開口部76を形成する。この開口部76は、開口部74よりも幅が狭く、露出した表面78と共に、P+タイプの第1GaN層66の第1部分66Aは残される。
【0036】
次に図2Eを参照する。第1のN+タイプのGaN層62の一部を除去し、N+タイプのGaN層の第1部分62Aと第2部分62Bの間に開口部80を形成する。この開口部80は、開口部76よりも幅が狭いので、N+タイプのGaN層の第2部分62Bの表面82は、開口部76を貫通して露出した状態のままになる。
【0037】
次に図2Fを参照する。第1のN+タイプのGaN層の第2部分62Bの表面82に、第1オーミック接点26を形成し、第2のN+タイプのGaN層の第2部分68Bに、第2オーミック接点28を形成し、次にこれら接点をアニール処理する。
【0038】
次に図2Gを参照する。第1のP+タイプのGaN層の第1部分66Aの表面78の上に、第2電界効果トランジスタ14の第1接点46を形成し、第2のP+タイプのGaN層の上に、第2オーミック接点50を形成する。その後、第1接点46と第2接点50をアニール処理する。次に、ゲート構造体30およびゲート構造体50を形成し、図1に示されているような本発明の第1実施例に係わるデバイスを得る。
【0039】
このプロセスの完了前の、図2Gに示された構造と最終デバイスとの関係を示すために、図2Gにおける各領域には、図1に示された最終デバイスにおける対応する領域の符号を付けてある。
【0040】
本発明に係わる方法では、異なる導電タイプの複数の導電性半導体層を含む半導体本体を連続するステップでエッチングし、異なる平面にオーミック接点を形成できるように、種々の幅の開口部を形成する。
【0041】
次に図3を参照する。本発明の第2実施例のデバイスは、各ゲート構造30、50と、隣接する半導体スタックとの間に形成された、III族窒化物材料の半導体層84を更に有している。従って、この半導体層84は、ゲート構造体30と第1デバイス12の第2導電層20、ベース層22および第3導電領域24を含むスタックとの間に挟持されており、ゲート構造体50と第2デバイス14のベース領域42、第2導電性領域40、および第1導電性領域38を含むスタックとの間に、別の半導体層84が挟持されている。半導体層84は、各半導体スタック内の頂部半導体層24、38の上に更に延びている。
【0042】
半導体層84は、この層の上に形成される層の材料よりもバンドギャップが高いIII族窒化物材料から構成することが好ましい。好ましい実施例では、半導体層84はAlGaNから構成される。半導体層84を設けることによって、移動度が改善される。
【0043】
本発明の第2実施例のデバイスを製造するために、エピタキシャル法または同様の方法により、図2Eに示された構造の上に、AlGaN層を形成する。その後、表面78、82および開口部80の底部並びに側壁からAlGaNの一部を除去する。この同じステップにおいて、第1電界効果トランジスタ12の第1導電性領域24、および第2電界効果トランジスタ14の第3導電性領域38の上において、AlGaN層内に、オーミック接点28およびオーミック接点46をそれぞれ収容する開口部を形成する。
【0044】
次に図4を参照する。本発明の第3実施例のデバイスでは、第2電界効果トランジスタ12の第3導電性領域24の上に、ゲート接点36を延長させる。ゲート接点36を第3導電性領域24から絶縁するために、ゲート接点36の下方において第3導電性領域24の上に絶縁部34を延長させる。更に、第2電界効果トランジスタ14のゲート構造50の厚さを薄くし、第2電界効果トランジスタ14のベース領域42よりもわずかに厚くするが、第1導電性領域に達する程度には十分厚くならないようにする。更に、開口部80の底部の上に、オーミック接点26並びにオーミック接点48を延長させ、これらを互いにショートさせ、開口部80を満たすことが好ましい。
【0045】
次に図5を参照する。本発明の第4実施例のデバイスでは、第2実施例に係わるデバイス内の面積と同じ面積にわたって、半導体層84を形成する。この半導体層84は、上部に形成される層の材料のバンド幅よりも高いバンド幅を有するIII族窒化物材料から構成することが好ましい。
【0046】
本発明の好ましい実施例では、半導体層84は、AlGaN層から構成される。本発明の第4実施例のデバイスは、他のすべての点では、第3実施例のデバイスと同じである。
【0047】
次に図6を参照する。本発明の第5実施例のデバイスでは、オーミック接点26とゲート構造体30との間に開口部86が存在する。更にオーミック接点28は、第3導電性領域24には直接形成され、これに接続されるのではなく、半導体層84に直接形成されている。本発明の第5実施例のデバイスは、他のすべての点では、第4実施例のデバイスと同一である。
【0048】
図1および図3〜図6は、本発明に係わるデバイスの一部の断面を示す。特にこれらの断面図は、本発明に係わるデバイス内の代表的なセルの本体に沿うものである。
【0049】
本発明に係わるデバイスでは、セルを、角張っていない幾何学的形状、例えば円形、楕円形または多辺幾何学的形状、例えば正方形、長方形、六角形などを含む種々の形状とすることができる。
【0050】
以上、本発明の特定の実施例に関連して、本発明について説明したが、当業者には、上記以外の多くの変形例、変更例および他の用途が明らかであると思う。従って、本発明は、本明細書中に示した特定の実施例だけに限定されるものではなく、特許請求の範囲のみによって限定される。
【0051】
関連出願とのクロスレファレンス
本願は、「相補的窒化膜トランジスタの垂直コモンドレイン」を発明の名称とし、2004年2月12日に出願された米国仮特許出願第60/544、629号の権利を主張するものであり、本明細書では、この出願の内容を参考例として援用する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施例に係わるデバイスの一部の縦断面図である。
【図2A】本発明に係わるデバイスを製造するための方法におけるステップを示す。
【図2B】本発明に係わるデバイスを製造するための方法におけるステップを示す。
【図2C】本発明に係わるデバイスを製造するための方法におけるステップを示す。
【図2D】本発明に係わるデバイスを製造するための方法におけるステップを示す。
【図2E】本発明に係わるデバイスを製造するための方法におけるステップを示す。
【図2F】本発明に係わるデバイスを製造するための方法におけるステップを示す。
【図2G】本発明に係わるデバイスを製造するための方法におけるステップを示す。
【図3】本発明の第2実施例に係わるデバイスの一部の縦断面図である。
【図4】本発明の第3実施例に係わるデバイスの一部の縦断面図である。
【図5】本発明の第4実施例に係わるデバイスの一部の縦断面図である。
【図6】本発明の第5実施例に係わるデバイスの一部の縦断面図である。
【符号の説明】
【0053】
10 基板
12 第1電界効果トランジスタ
14 第2電界効果トランジスタ
16 開口部
18 第2導電性領域
20 第2導電性領域
22 ベース領域
24 第3導電性領域
26 第1オーミック接点
28 第2オーミック接点
30 ゲート構造体
32 ゲート電極
34 ゲート絶縁部
36 ゲート接点
38 第1導電性領域
40 第2導電性領域
42 ベース領域
44 第3導電性領域
46 第1オーミック接点
48 第2オーミック接点
50 ゲート構造体
52 ゲート電極
54 ゲート絶縁部
58 ダイ
60 スタック
62 N+タイプのGaN層
64 N-タイプのGaN層
66 第1のP+タイプのGaN層
68 第2のN+タイプのGaN層
70 P-タイプのGaN層
72 第2のP+タイプのGaN層
74、76 開口部
78 露出表面
80 開口部
82 表面
84 半導体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの導電タイプの導電性領域と、
前記導電タイプとは別の導電タイプの導電性領域と、
前記導電性領域と前記別の導電性領域との間に位置する別の導電タイプのベース領域と、
前記ベース領域に隣接するゲート構造体と、
ある方向を向く電気接続のための面を含む、前記導電性領域の表面にオーミック接続されたオーミック接点と、
前記方向を向く電気接続のための面を含む、前記別の導電性領域の表面にオーミック接続された別のオーミック接点とを備え、前記導電性領域の前記表面は、第1平面上にあり、前記別の導電性領域の前記表面は、別の平面上にある半導体デバイス。
【請求項2】
前記導電性領域は、ソース領域であり、前記別の導電性領域は、ドレイン領域である、請求項1記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記導電性領域、前記別の導電性領域および前記ベース領域は、III族窒化物半導体から構成されている、請求項1記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記III族窒化物半導体は、GaNである、請求項3記載の半導体デバイス。
【請求項5】
同じ平面に、前記ゲート構造体および前記別のオーミック接点が配置されている、請求項1記載の半導体デバイス。
【請求項6】
サファイア、SiまたはSiCのいずれかから構成された基板を更に含む、請求項1記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記導電性領域、前記別の導電性領域および前記ベース領域は、半導体から構成されており、かつ前記ゲート構造体と前記ベースとの間に挟持された前記半導体とは異なる別の半導体から形成された別の導電性本体を更に備え、移動度を改善するようになっている、請求項1記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記別の半導体は、AlGaN層から構成されている、請求項7記載の半導体デバイス。
【請求項9】
基板と、
前記基板に設けられた第1半導体デバイスと、
前記基板に設けられた第2半導体デバイスと、
前記第1半導体デバイスおよび前記第2半導体デバイスとを備え、
前記各半導体デバイスは、
導電性領域と、
別の導電性領域と、
前記導電性領域と前記別の導電性領域との間に位置し、前記導電性領域および前記別の導電性領域と反対の導電タイプのベース領域と、
前記ベース領域に隣接するゲート構造体と、
ある方向を向く電気接続のための面を含む、前記導電性領域の表面にオーミック接続されたオーミック接点と、
前記方向を向く電気接続のための面を含む、前記別の導電性領域の表面にオーミック接続された別のオーミック接点とを備え、前記導電性領域の前記表面は、第1平面上にあり、前記別の導電性領域の前記表面は、別の平面の上にあり、
前記第1デバイスの導電性領域および前記別の導電性領域は、1つの導電タイプであり、前記第2デバイスの前記導電性領域および前記別の導電性領域は、別の導電タイプである、相補的半導体デバイス。
【請求項10】
各半導体デバイスにおける前記導電性領域は、ソース領域であり、前記半導体デバイスにおける前記別の導電性領域は、ドレイン領域である、請求項9記載の半導体デバイス。
【請求項11】
各半導体デバイスにおける前記導電性領域、前記別の導電性領域および前記ベース領域は、III族窒化物半導体から構成されている、請求項9記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記III族窒化物半導体は、GaNである、請求項11記載の半導体デバイス。
【請求項13】
同じ平面に、前記ゲート構造体および前記別のオーミック接点が配置されている、請求項9記載の半導体デバイス。
【請求項14】
サファイア、Si、またはSiCのいずれかから構成された基板を更に含む、請求項9記載の半導体デバイス。
【請求項15】
各半導体デバイスにおいて、前記導電性領域、前記別の導電性領域および前記ベース領域は、半導体から構成されており、かつ移動度を改善するために、前記ゲート構造体と前記ベースとの間に挟持された前記半導体とは異なる別の半導体から形成された別の導電性本体を更に備える、請求項9記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記別の半導体は、AlGaN層から構成されている、請求項15記載の半導体デバイス。
【請求項17】
各々が2つの導電タイプのうちの少なくとも1つである、導電性半導体材料の複数の層を含む半導体本体を設けるステップと、
1つの導電性半導体層を少なくとも貫通し、少なくとも別の半導体層で終端する、第1の幅の第1開口部を前記半導体本体内に形成するステップと、
前記別の導電性半導体層を少なくとも貫通し、前記第1の幅よりも狭い第2の幅を有する第2の開口部を前記半導体本体内に形成し、前記別の導電性半導体層の一部を露出させるステップと、
前記別の導電性半導体層の前記露出した部分に第1のオーミック接点を形成するステップと、
前記別の半導体の導電層以外の導電性半導体層に第2接点を形成するステップとを備え、前記第1接点と前記第2接点が異なる平面に配置されているが、同一方向を向いている、半導体デバイスを形成する方法。
【請求項18】
前記第1オーミック接点および前記第2オーミック接点は、同一の導電タイプの半導体層にオーミック接続されており、同一の導電タイプの2つの半導体層の間に、別の導電タイプのベース層が挟持されている、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記ベース層に隣接してゲート構造体を形成するステップを更に含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記導電性半導体層は、III族窒化物半導体から構成されている、請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記III族窒化物半導体は、GaNである、請求項20記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−527623(P2007−527623A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553315(P2006−553315)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/004610
【国際公開番号】WO2005/079366
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(504392083)インターナショナル レクティファイアー コーポレイション (107)
【Fターム(参考)】