説明

半導体装置の製造方法

【課題】トランジスタのチャネルにおけるキャリアの移動度を向上させつつ、工程数の増加、品質の劣化およびチップサイズの増大を防ぐことができる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】Si基板1上に、PMOSトランジスタ2のチャネルに対し圧縮応力を導入する圧縮窒化膜13を形成する。次に、フッ素系ガスとOガスを混合した第1の混合ガスを用いて、NMOS領域5に形成された圧縮窒化膜13をエッチングする。次に、PMOS領域4では圧縮窒化膜13上に、NMOS領域5ではSi基板1上に、NMOSトランジスタ3のチャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜15を形成する。フッ素系ガスとOガスを混合した第2の混合ガスを用いて、PMOS領域4に形成された引張り窒化膜15を圧縮窒化膜13に対して選択的にエッチングする。この際に、第2の混合ガスのO分圧を第1のガスのO分圧よりも低くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PMOSトランジスタのチャネルに対し圧縮応力を導入する圧縮窒化膜を形成し、NMOSトランジスタのチャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜を形成して、それぞれのMOSトランジスタのチャネルにおけるキャリアの移動度を向上させた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI(Large Scale Integration)の高集積化および高性能化には、MOSトランジスタ(Metal Oxide Semiconductor field effect transistor)のチャネル長の微細化(スケーリング)が有効である。そして、チャネル長の微細化が進むと、それに加えてまたはそれに代えて、チャネルに応力を導入してキャリアの移動度を高めることが有効である。
【0003】
チャネルに応力を導入する方法として、MOSトランジスタ上に窒化膜を形成する方法が一般に用いられている。チャネルに応力を導入する窒化膜としては、チャネルに圧縮応力を導入する圧縮窒化膜と、チャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜の二種類がある。そして、キャリアの移動度を高めるためには、PMOSトランジスタ上には圧縮窒化膜を形成し、NMOSトランジスタ上には引張り窒化膜を形成する必要がある。従って、例えばLSIにおいてよく用いられるCMOS(Complementary MOS)を製造する場合、同一基板上に圧縮窒化膜と引張り窒化膜を混在させる必要がある(例えば、特許文献1、2、3、7、8参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−5626号公報
【特許文献2】特開2006−13322号公報
【特許文献3】特開2007−59473号公報
【特許文献4】特開2001−148375号公報
【特許文献5】特開平11−186236号公報
【特許文献6】特開2002−319574号公報
【特許文献7】特開2006−173432号公報
【特許文献8】特開2004−55610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PMOSトランジスタのチャネルに対し圧縮応力を導入する圧縮窒化膜を形成し、NMOSトランジスタのチャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜を形成する半導体装置の製造方法として以下のプロセスが考えられる。
【0006】
まず、図13に示すように、同一のSi基板1上に、PMOSトランジスタ2とNMOSトランジスタ3を形成する。Si基板1は、PMOSトランジスタ2が形成されたPMOS領域4とNMOSトランジスタ3が形成されたNMOS領域5を有する。
【0007】
次に、図14に示すように、Si基板1上のPMOS領域4とNMOS領域5を含む全面に引張り窒化膜15を形成する。引張り窒化膜15は、NMOSトランジスタ3のチャネルに対し引張り応力を導入する。そして、引張り窒化膜15上にストッパ酸化膜17を形成する。
【0008】
次に、図15に示すように、フォトリソグラフィを用いてパターニングされたレジスト16をSi基板1上のNMOS領域12を覆うように形成する。
【0009】
次に、図16に示すように、レジスト16をマスクとして、PMOS領域4に形成されたストッパ酸化膜17をエッチングする。そして、図17に示すように、レジスト16をマスクとして、PMOS領域4に形成された引張り窒化膜15をエッチングする。このエッチングを第1のエッチングと称する。その後、レジスト16をアッシングにより除去する。
【0010】
次に、図18に示すように、Si基板1上のPMOS領域4とNMOS領域5を含む全面に圧縮窒化膜13を形成する。即ち、PMOS領域4ではSi基板1上に、NMOS領域5では引張り窒化膜15及びストッパ酸化膜17上に圧縮窒化膜13を形成する。圧縮窒化膜13は、PMOSトランジスタ2のチャネルに対して圧縮応力を導入する。
【0011】
次に、図19に示すように、フォトリソグラフィを用いてパターニングされたレジスト14をSi基板1上のPMOS領域4を覆うように形成する。
【0012】
次に、図20に示すように、レジスト14をマスクとして、NMOS領域5に形成された圧縮窒化膜13をドライエッチングする。このエッチングを第2のエッチングと称する。第2のエッチングでは、ストッパ酸化膜17をストッパ膜として用いるため、引張り窒化膜15はエッチングされない。その後、レジスト14をアッシングにより除去する。なお、圧縮窒化膜13と引張り窒化膜15の形成順を入れ替えても、ストッパ酸化膜17を用いた同様のプロセスとなる。
【0013】
しかし、上記の製造方法では、第2のエッチングにおいて圧縮窒化膜13を引張り窒化膜15に対して十分高い選択比でエッチングすることができなかった(窒化膜などのエッチングについては、特許文献4、5、6参照)。そのため、両者の間にストッパ酸化膜17を形成せざるを得なかった。このことにより以下の3つの問題があった。
【0014】
第1に、ストッパ酸化膜17を形成することで工程数が増加する。
第2に、第1のエッチングを異方性エッチングで行うと、図21に示すように、ゲート電極の側壁などにストッパ酸化膜17の残渣が生じやすい。これは、ゲート電極の側壁ではストッパ酸化膜17がSi基板1の主面に対して垂直方向に厚く形成されているために生じる。この残渣によりNMOSトランジスタ3上の引張り窒化膜15を十分にエッチングすることができず、品質の劣化を招く。
第3に、第1のエッチングを等方性エッチングで行うと、図22に示すように、レジスト16の下のストッパ酸化膜17までエッチングされてしまう。このため、PMOS領域4とNMOS領域5の境界に十分な余裕18を持たせる必要があり、チップサイズの増大につながる。
【0015】
なお、上述した問題は圧縮窒化膜と引張り窒化膜の形成順を入れ替えても同様に起こり得る。
【0016】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、トランジスタのチャネルにおけるキャリアの移動度を向上させつつ、工程数の増加、品質の劣化およびチップサイズの増大を防ぐことができる半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施例では、フッ素系ガスとOガスを混合し、O分圧を10%以下にした混合ガスを用いて、引張り窒化膜を圧縮窒化膜に対して選択的にエッチングする。
【発明の効果】
【0018】
この実施例によれば、圧縮窒化膜と引張り窒化膜の選択比を高めることができるため、ストッパ酸化膜の形成が不要である。これにより、トランジスタのチャネルにおけるキャリアの移動度を向上させつつ、工程数の増加、品質の劣化およびチップサイズの増大を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図1に示すように、同一のSi基板1上に、PMOSトランジスタ2とNMOSトランジスタ3を形成する。Si基板1は、PMOSトランジスタ2が形成されたPMOS領域4とNMOSトランジスタ3が形成されたNMOS領域5を有する。PMOS領域4とNMOS領域5を分離酸化膜6で電気的に分離する。
【0020】
PMOSトランジスタ2とNMOSトランジスタ3として、それぞれSi基板1上にゲート絶縁膜(不図示)を形成し、このゲート絶縁膜上にゲート電極7を形成し、ゲート電極7の両側にソースドレイン8を形成する。ゲート電極7は典型的には多結晶シリコンで構成するが、これに限らずメタルゲートなどでもよい。ソースドレイン8はトランジスタのソース又はドレインのどちらかであるが、ここではソースとドレインを区別せずにソースドレイン8と呼ぶ。
【0021】
PMOSトランジスタ2およびNMOSトランジスタ3のSi基板1における電界集中を緩和するために、ソースドレイン8と接するようにLDD(lightly doped drain)9を形成する。さらに、ゲート電極7上とソースドレイン8の表面にシリサイド10を形成する。
【0022】
ゲート電極7の側壁とゲート電極7上のシリサイド10の側壁に、酸化膜11を形成する。さらに、酸化膜11の側壁にサイドウォールスペーサ12を形成する。サイドウォールスペーサ12は例えば窒化膜である。酸化膜11およびサイドウォールスペーサ12は、Si基板1へのイオン注入の際に所望のイオンプロファイルを得るためのマスクとなり、またゲート電極7を保護する。
【0023】
次に、図2に示すように、CHやCHガスなどを用いて、サイドウォールスペーサ12を除去する。このようにサイドウォールスペーサ12を除去する理由は、後述する窒化膜によりトランジスタのチャネルに効率的に応力を与えるためである。
【0024】
次に、図3に示すように、Si基板1上のPMOS領域4とNMOS領域5を含む全面に圧縮窒化膜13を形成する。圧縮窒化膜13として例えばプラズマSiN膜を形成する。圧縮窒化膜13は、PMOSトランジスタ2のチャネルに対して圧縮応力を導入する。なお、図示のように圧縮窒化膜13はシリサイド10や酸化膜11と接する。
【0025】
次に、図4に示すように、フォトリソグラフィを用いてパターニングされたレジスト14をSi基板1上のPMOS領域4を覆うように形成する。
【0026】
次に、図5に示すように、レジスト14をマスクとして、CHガス(フッ素系ガス)とOガスを混合した第1の混合ガスを用いて、NMOS領域5に形成された圧縮窒化膜13をドライエッチングする。ここで、第1の混合ガスのO分圧が80%になるようにガス流量を調整する。その後、レジスト14をアッシングにより除去する。ただし、NMOS領域5において表面に露出したシリサイド10を酸化させNMOSトランジスタ3のシート抵抗値を上昇させてしまうおそれがあるため、H/N系ガスによるアッシングを行う。
【0027】
次に、図6に示すように、Si基板1上のPMOS領域4とNMOS領域5を含む全面に引張り窒化膜15を形成する。即ち、PMOS領域4では圧縮窒化膜13上に、NMOS領域5ではSi基板1上に引張り窒化膜15を形成する。引張り窒化膜15は、NMOSトランジスタ3のチャネルに対し引張り応力を導入する。
【0028】
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィを用いてパターニングされたレジスト16をSi基板1上のNMOS領域5およびPMOS領域4のNMOS領域5に近接する領域を覆うように形成する。
【0029】
次に、図8に示すように、レジスト16をマスクとして、CFガス(フッ素系ガス)とOガスを混合した第2の混合ガスを用いて、PMOS領域4に形成された引張り窒化膜15を圧縮窒化膜13に対して選択的にエッチングする。ここで、第2の混合ガスのO分圧が10%以下になるようにガス流量を調整する。即ち、第2の混合ガスのO分圧を第1のガスのO分圧よりも低くする。
【0030】
なお、CFガスとOガスを混合した第2の混合ガスによるエッチングは等方性エッチングである。従って、レジスト16は、このエッチングによりPMOS領域4からNMOS領域5に向かう方向に目減り(後退)する。そこで、NMOS領域5の引張り窒化膜15がエッチングされるのを防ぐため、レジスト16の目減り分を考慮して、図7に示すようにレジスト16をPMOS領域4の一部にも形成している。
【0031】
次に、図9に示すように、レジスト16をアッシングにより除去する。以上の工程により、PMOS領域4には、PMOSトランジスタ2のチャネルに対し圧縮応力を導入する圧縮窒化膜13が形成され、NMOS領域5には、NMOSトランジスタ3のチャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜15が形成される。これにより、PMOSトランジスタ2のチャネルにおけるホールの移動度が向上し、NMOSトランジスタのチャネルにおける電子の移動度も向上する。
【0032】
図10は、混合ガスのO分圧に対する選択比を示す実験データである。混合ガスは、CFガスとOガスを混合したガスである。選択比とは、引張り窒化膜のエッチングレートを圧縮窒化膜のエッチングレートで除した値である。この実験データから、O分圧が下がるほど選択比が上昇することが分かる。
【0033】
これに対し、本実施の形態では、第2の混合ガスのO分圧を第1のガスのO分圧よりも低くして、第2の混合ガスのO分圧を10%以下にする。従って、上記の実験結果から、圧縮窒化膜13と引張り窒化膜15の選択比を3以上にすることができる。
【0034】
よって、比較例のようなストッパ酸化膜の形成が不要であるため、ストッパ酸化膜の形成による工程数の増加および品質の劣化を防ぐことができる。また、本実施の形態でも等方性エッチングに一般的に見られるレジストの後退は起こるが、比較例のようなストッパ膜の後退と比較して軽微であるため、チップサイズの増大を防ぐことができる。
【0035】
図11は、圧力、混合ガスのO分圧および電力に対する選択比を示す実験データである。混合ガスと選択比は図10と同じ意味であり、圧力とはチャンバ内の圧力であり、電力とはプラズマを生成する電力(W)である。なお、CFガスとOガスを混合した混合ガスの流量を500sccm、チャンバ内の温度を35℃とした。この実験データから、混合ガスのO分圧が、選択比に対して最も強い相関があることが分かる。従って、圧縮窒化膜13と引張り窒化膜15の選択比を所望の値にするためには、混合ガスのO分圧を調整することが有効である。
【0036】
図12は、O流量、N添加量、CH添加量、電力に対する選択比を示す実験データである。電力は図11と同じ意味であり、選択比とは、窒化膜のエッチングレートをアモルファスシリコン又はUSG酸化膜のエッチングレートで除した値である。なお、CF/O/N/CHをCF/Oの流量を500sccmに固定し、チャンバ内の圧力を67Pa、温度を35℃とした。この実験データから、アモルファスシリコンとUSG酸化膜の双方に対して選択比を上げるには、CHの流量を増加させるのが有効であることが分かる。
【0037】
これに対し、本実施の形態では、第1の混合ガスとしてCHガスとOガスを混合した混合ガスを用いている。これにより、CFガスとOガスを混合した混合ガスを用いた場合に比べて過剰なフッ素ラジカルを低減できる。また、第1の混合ガスの水素とエッチングするべき圧縮窒化膜13の窒素とがNHを形成するエッチングモードも起こる。これにより、シリサイドなどの下地に対する圧縮窒化膜13の選択比を上げることができる。よって、NMOS領域5の圧縮窒化膜13をエッチングする際に、シリサイドや酸化膜へのダメージを抑制することができるため、トランジスタ特性への悪影響を防ぐことができる。
【0038】
なお、CHガスに限らず、CHFなど、炭素と水素とフッ素を構成元素とする化合物のガスを含有する混合ガスを用いてもよい。
【0039】
また、本実施の形態では、第2の混合ガスとしてCFガスを含有する混合ガスを用いたが、これに限定されずC(x、yは任意)で表されるフッ素系ガスを含有する混合ガスを用いてもよい。
【0040】
また、本実施の形態では、第2の混合ガスとしてO分圧が10%以下であるガスを用いることで、選択比(引張り窒化膜のエッチングレートを圧縮窒化膜のエッチングレートで除した値)を3以上にしている。しかし、これに限らず、選択比が3以上になるように、第2の混合ガスのO分圧を調整すればよい。
【0041】
なお、PMOSトランジスタ2とNMOSトランジスタ3は上記の構成に限定されず、例えばサイドウォールスペーサがない電界効果型トランジスタであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】混合ガスのO分圧に対する選択比を示す実験データである。
【図11】圧力、混合ガスのO分圧および電力に対する選択比を示す実験データである。
【図12】O流量、N添加量、CH添加量、電力に対する選択比を示す実験データである。
【図13】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図15】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図16】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図17】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図18】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図19】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図20】比較例に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図21】比較例の問題点を説明するための断面図である。
【図22】比較例の問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 Si基板
2 PMOSトランジスタ
3 NMOSトランジスタ
4 PMOS領域
5 NMOS領域
13 圧縮窒化膜
15 引張り窒化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PMOSトランジスタが形成されたPMOS領域とNMOSトランジスタが形成されたNMOS領域を有するSi基板上に、前記PMOSトランジスタのチャネルに対し圧縮応力を導入する圧縮窒化膜を形成する工程と、
フッ素系ガスとOガスを混合した第1の混合ガスを用いて、前記NMOS領域に形成された前記圧縮窒化膜をエッチングする工程と、
前記圧縮窒化膜をエッチングした後に、前記PMOS領域では前記圧縮窒化膜上に、前記NMOS領域では前記Si基板上に、前記NMOSトランジスタのチャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜を形成する工程と、
フッ素系ガスとOガスを混合した第2の混合ガスを用いて、前記PMOS領域に形成された前記引張り窒化膜を前記圧縮窒化膜に対して選択的にエッチングする工程とを備え、
前記第2の混合ガスのO分圧を前記第1のガスのO分圧よりも低くすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
PMOSトランジスタが形成されたPMOS領域とNMOSトランジスタが形成されたNMOS領域を有するSi基板上に、前記PMOSトランジスタのチャネルに対し圧縮応力を導入する圧縮窒化膜を形成する工程と、
前記NMOS領域に形成された前記圧縮窒化膜をエッチングする工程と、
前記圧縮窒化膜をエッチングした後に、前記PMOS領域では前記圧縮窒化膜上に、前記NMOS領域では前記Si基板上に、前記NMOSトランジスタのチャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜を形成する工程と、
フッ素系ガスとOガスを混合した混合ガスを用いて、前記PMOS領域に形成された前記引張り窒化膜を前記圧縮窒化膜に対して選択的にエッチングする工程とを備え、
前記混合ガスのO分圧を10%以下にすることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
PMOSトランジスタが形成されたPMOS領域とNMOSトランジスタが形成されたNMOS領域を有するSi基板上に、前記PMOSトランジスタのチャネルに対し圧縮応力を導入する圧縮窒化膜を形成する工程と、
前記NMOS領域に形成された前記圧縮窒化膜をエッチングする工程と、
前記圧縮窒化膜をエッチングした後に、前記PMOS領域では前記圧縮窒化膜上に、前記NMOS領域では前記Si基板上に、前記NMOSトランジスタのチャネルに対し引張り応力を導入する引張り窒化膜を形成する工程と、
フッ素系ガスとOガスを混合した混合ガスを用いて、前記PMOS領域に形成された前記引張り窒化膜を前記圧縮窒化膜に対して選択的にエッチングする工程とを備え、
前記引張り窒化膜のエッチングレートを前記圧縮窒化膜のエッチングレートで除した値が3以上になるように、前記混合ガスのO分圧を調整することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記フッ素系ガスとしてCFガスを用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の混合ガスの前記フッ素系ガスとして、炭素と水素とフッ素を構成元素とする化合物のガスを用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
MOSトランジスタが形成されたSi基板上に窒化膜を形成する工程と、
炭素と水素とフッ素を構成元素とする化合物のガスとOガスを混合した混合ガスを用いて、前記窒化膜の一部をエッチングする工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記炭素と水素とフッ素を構成元素とする化合物のガスとして、CH又はCHFを用いることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−278044(P2009−278044A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130614(P2008−130614)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】