説明

半導体記憶装置およびその製造方法

【課題】デバイス間バラツキや誤動作が起こりにくく信頼性の高い、かつ消費電力が抑えられた不揮発性半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】不揮発性半導体記憶装置は、絶縁体上に形成された第1導電型の半導体層100と、半導体層100上に形成された電荷蓄積機能を有する電荷蓄積膜103及び電荷蓄積膜103上に形成されたゲート電極105aと、ゲート電極105aの下方の半導体層100に形成されたチャネル領域108と、チャネル領域108の両側に、半導体層100内に形成された第2導電型の拡散領域106,107と、半導体層100を延長して形成した第1導電型のボディコンタクト領域109と、延長した半導体層100上にゲート電極105aを延長し、ボディコンタクト領域109と、チャネル領域108の両側の拡散領域106,107を分離するゲート電極引き出し部105bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板等の絶縁体上に形成される半導体記憶装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
絶縁体上に形成される従来の半導体記憶装置について説明する。図11はその一形態の断面図である。絶縁基板900の上に半導体層901が設けられており、その上にメモリ膜及びゲート電極905が形成されている。メモリ膜は例えば、シリコン酸化膜等の第一の絶縁膜902、シリコン窒化膜等の電荷蓄積膜903の2層構造、あるいは図11に示したように、さらにシリコン酸化膜等の第二の絶縁膜904からなる3層構造をとる。 ゲート電極905の両側の半導体層901には、n型にドープされたソース領域906、ドレイン領域907が形成されている。また必要に応じ、メモリセルに隣接して、TFTからなる選択トランジスタが適宜設けられる(図示略)。
この半導体記憶装置への書き込みは、ゲート電極905とドレイン電極907に正の高電圧を印加し、ソース領域906〜ドレイン領域907間に電流を流してホットエレクトロンを発生させて、これを電荷蓄積膜903へ注入することにより行われる。
電荷蓄積膜903に電子が蓄積された状態で、ゲート電極905とドレイン領域907へ読出し電圧を印加すると、ソース領域906〜ドレイン領域907間に流れる読出し電流は、電荷蓄積膜903中の蓄積電子のポテンシャルの影響により、蓄積電子が無い場合に比較して、小さくなる。このため、電荷蓄積膜903の蓄積電荷状態が読み出し電流の大小として反映されるので、情報の書込みと読出しが可能となる。
また消去動作は、ゲート電極905に高い負の消去電圧を印加して、FNトンネリングによって電荷蓄積膜903へホールの注入を行い、蓄積電子を消去する(特許文献1)。
【0003】
しかし上記の半導体記憶装置においては、半導体層901(ボディ)がフローティング状態であり電位の制御性が悪いために、動作バラツキや誤動作を招く恐れがあった。そこで、これを改善するために、特許文献2では、ボディコンタクトを有した半導体記憶装置が提案されている。これを図12に示す。
この半導体記憶装置では、ソース領域906とドレイン領域907の一方、あるいは両方において半導体層901が厚くなっており、また半導体層901の別の領域に、半導体層と同じ導電型の不純物を高濃度ドープされたボディコンタクト領域909を有している。ソース領域906またはドレイン領域907と、ボディコンタクト領域909とは、素子分離用のフィールド酸化膜917によって分離されており、フィールド酸化膜917下の半導体層901を介して、ボディコンタクト909より半導体層901の電位を制御する構造となっている。
【特許文献1】特開平4−313274公報
【特許文献2】特開平8−172199公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、特許文献1の半導体記憶装置はボディ電位が不安定であり、特性バラツキや誤動作の恐れがあるため、特許文献2の半導体記憶装置では図12のようなボディコンタクトを設置した。
しかし、上記特許文献2の半導体記憶装置は、チャネル部908内で半導体層901の膜厚を変化させた複雑な構造であり、製造の際にデバイス間で構造そのものがばらつきやすいため、構造ばらつきに起因する特性ばらつきが問題となる。すなわち、半導体層901表面に対し、フォトリソグラフィ及びエッチングによって傾斜部を設けてから、材料膜の堆積、フォトリソグラフィ及びエッチングによってゲート電極905を形成するため、傾斜部とゲート電極905との位置関係が、フォトリソグラフィの目合せズレによって変化することになる。例えば図12のような構造の場合、ゲート電極905が相対的に紙面左寄りに形成された場合には、チャネル908において半導体層901が厚い部分が多くなり、逆にゲート電極905が相対的に紙面右寄りに形成された場合には、チャネル908において半導体層901が薄い部分が多くなる。このように、リソグラフィの目合せズレによって、チャネル908部分の半導体層の膜厚の分布が影響を受けることになり、デバイスの特性にも影響を与えることになる。つまり、リソグラフィの目合せズレがデバイスの特性をばらつかせるという問題がある。
また、チャネル部908内で半導体層901の膜厚を変化させた構造を得るためにエッチング技術を用いる特許文献2の技術では、加工時にチャネル部908の表面がエッチングに曝されることになり、ダメージを受けるため、デバイス特性が劣化し、これも特性ばらつきの原因となる。またさらには、傾斜部の形状のバラツキも特性バラツキの原因になる。
【0005】
本発明は、以上のような問題を解決し、デバイス間バラツキや誤動作が起こりにくく信頼性の高い、かつ消費電力が抑えられた半導体記憶装置を提供するものである。また本発明は、コストを抑え、特殊なプロセスを用いることなく簡単に製造することができる半導体記憶装置を提供するものである。更に、本発明は信頼性が高く、消費電力の少ない半導体記憶装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための、第一の発明の半導体記憶装置は、絶縁体上に形成された第1導電型の半導体層と、前記半導体層上に形成された電荷蓄積機能を有する電荷蓄積膜及び前記電荷蓄積膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の下方の前記半導体層に形成されたチャネル領域と、前記チャネル領域の両側に、前記半導体層内に形成された第2導電型の拡散領域と、前記半導体層を延長して形成した第1導電型のボディコンタクト領域と、前記延長した半導体層上に前記ゲート電極を延長し、前記ボディコンタクト領域と、前記チャネル領域の両側の拡散領域を分離するゲート電極引き出し部とを備える。
【0007】
上記発明によれば、ボディコンタクト領域よりボディ電位を制御し、動作時に発生する余剰キャリアを速やかに排出することにより、ボディ電位を安定化し、動作バラツキや誤動作を防ぐ。また、ボディ電位が制御できるため、消去時には、ボディ(蓄積層)と拡散領域に逆方向バイアスを印加することでホットキャリアを生成する、高速な消去が可能となる。
また、ボディコンタクト領域と拡散領域とがゲート電極引き出し部で仕切られた構造となっていることから、書込みまたは消去時などに、ボディコンタクト〜拡散領域間に逆方向バイアスに相当する電圧が印加されても、接合逆方向リーク電流を抑え、消費電力の増大を防ぐ。またこのリーク電流によってボディ電位が不安定化し誤動作することも防ぐ。
【0008】
前記第1導電型の半導体層がp型半導体であること、及び、前記ゲート電極が、前記p型半導体のフェルミレベルよりも高く前記p型半導体層の伝導帯下端よりも低いようなフェルミレベルを有する材質から成ることを特徴とする。
また別の実施形態の半導体記憶装置は、前記第1導電型の半導体層がn型半導体であること、及び、前記ゲート電極が、前記n型半導体のフェルミレベルよりも低く前記n型半導体層の荷電子帯上端よりも高いようなフェルミレベルを有する材質から成ることを特徴とする。
このようなゲート電極材料を用いることにより、非選択セルのメモリセルにおいてゲートがオフ電位のとき、そのゲート電極のポテンシャルによって、ゲート電極下の半導体層がほぼキャリア空乏状態となる。これにより、ボディコンタクト領域と拡散領域とが、この空乏状態の半導体層で分離されることになるので、両者の間に逆方向バイアスに相当する電圧が印加されても、リーク電流が抑えられる。待機状態のゲート電極へ特別な電圧を印加することなく、ゲートを通常のオフ状態にするだけで上述のような効果が得られるので、特殊な回路を用いることなく上記効果が得られる。
【0009】
本発明の一実施形態の半導体記憶装置は、前記絶縁体がガラス基板であることを特徴とする。
これにより、単結晶基板やSOI基板を用いるのに比べ、廉価に製造することができる。特にこの場合、装置製造には比較的低温のプロセスしか用いられないため、半導体層に結晶欠陥が多数含まれることになるが、本実施形態の半導体記憶装置では、書込み・消去時においてもこの結晶欠陥に起因するリーク電流が小さく、消費電力の増大を極力防ぐ。
【0010】
本発明の一実施形態の半導体記憶装置は、前記半導体層は島状に形成され、前記ゲート電極引き出し部の端部が前記島状半導体層の端部に一致するように形成したことを特徴とする。
このようにゲート電極引き出し部が半導体層端を跨ぐことなく配置されているため、半導体層端での、電界集中によるメモリ膜破壊や、構造不良によるメモリ膜破壊を防止する。このため、メモリ膜を薄膜化することができ、より低電圧で動作させることができるので、消費電力の削減や、周辺回路の簡略化が可能となる。従って、表示装置の半導体記憶装置として利用することができる。
【0011】
本発明の一実施形態の半導体記憶装置は、前記ゲート電極引き出し部が前記ボディコンタクト領域を囲むように配置される部分を有することを特徴とする。
この構造も、ゲート電極引き出し部が半導体層端を跨ぐことなく配置されているため、半導体層端での、電界集中によるメモリ膜破壊や、構造不良によるメモリ膜破壊を防止する。このため、メモリ膜を薄膜化することができ、より低電圧で動作させることができるので、消費電力の削減や、周辺回路の簡略化が可能となる。これに加え、ボディコンタクト部分がゲート電極引き出し部で囲まれ、拡散領域と仕切られた構造となっている。このことから、書込みまたは消去時などに、ボディコンタクト〜拡散領域間に逆方向バイアスに相当する電圧が印加されても、接合逆方向リーク電流を抑え、消費電力の増大を防ぐ。 またこのリーク電流によってボディ電位が不安定化し誤動作することも防ぐ。本実施形態の半導体記憶装置は、簡単な構造をとり、特殊なプロセス等を用いることなく簡便に製造することができるので、製造時の構造バラツキに起因する特性のバラツキや歩留まりの低下を極力防ぐことができる。また簡便に製造できることから、製造コストの増大も防ぐ。
【0012】
本発明の一実施形態の半導体記憶装置は、前記電荷蓄積膜が前記半導体層側より順に、第1の絶縁膜、電荷蓄積機能を有する絶縁体、及び第2の絶縁膜からなることを特徴とする。
この構造により、蓄積電荷は、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜によって外部へ流出することが防がれるので、長期保持に適している。また、絶縁体中に電荷が保持されているので、第1の絶縁膜や第2の絶縁膜の一部に損傷が発生しても、蓄積電荷が損傷箇所から一度に流出することがないので、信頼性が高い。
【0013】
本発明の一実施形態の半導体記憶装置は、前記ボディコンタクト領域が前記ゲート電極引き出し部の下方の半導体層領域と近接するか、または前記ゲート電極引き出し部とオーバーラップしている部分を有することを特徴とする。
これにより、消去動作を行う際に、ボディコンタクト領域からゲート電極下半導体層へキャリアが流れ込んで蓄積層が形成され、消去時にキャリアが発生する位置からボディコンタクト領域に到るまでの低抵抗な電流経路が出来るので、安定した高速な消去が可能となる。
【0014】
本発明の一実施形態の半導体記憶装置は、前記絶縁体上に、更にゲート絶縁膜、ゲート電極、第2導電型の拡散領域、チャネル領域及びボディコンタクト領域を有する薄膜トランジスタを形成したことを特徴とする。
上記構成により、回路用の薄膜トランジスタとメモリセルの両方にボディコンタクト領域を設置することで、双方ともボディ電位を制御して特性バラツキを抑えることができる。メモリセルが書込み状態であるか消去状態であるかを判別するのは、周辺回路の薄膜トランジスタを用いたセンシング動作によるため、この周辺回路用薄膜トランジスタのバラツキが大きいと、誤読み出しの原因となりうる。本実施形態では、周辺回路用薄膜トランジスタにもボディコンタクト領域を設置しボディ電位を制御することで、デバイス間バラツキを抑え、読出しウィンドウ(書込み状態と消去状態の読出し電流差)が比較的小さくても正しく判定することができる。従って、長期間保持しても信頼性の高い半導体記憶装置が得られる。また、本実施形態の半導体記憶装置では、特殊なプロセス等を用いることなく容易に、薄膜トランジスタ部もメモリ部の両方において、ゲート電極引き出し部が半導体層からはみ出さずに、かつボディコンタクト領域と拡散領域とがゲート電極引き出し部によって仕切られた構造とすることができる。
【0015】
一実施形態の半導体記憶装置は、前記ゲート電極から延長されたゲート電極引き出し部は、前記ボディコンタクト領域を囲むリング状部分を有することを特徴とする。
この構造によって、薄膜トランジスタのゲート電極引き出し部が半導体層端を跨ぐことなく配置されているため、半導体層端での、電界集中によるメモリ膜破壊や、構造不良によるメモリ膜破壊を防止する。
【0016】
本発明の半導体記憶装置の製造方法の一実施形態は、上記半導体記憶装置を製造する製造方法であって、絶縁体上に、半導体層、電荷蓄積機能を有する膜、及びゲート電極材料を堆積する工程と、前記電荷蓄積機能を有する膜及び前記ゲート電極材料を同一マスクパターンによってパターニングして、ソース・ドレイン領域を分離するゲート電極と、ソース・ドレイン領域とボディコンタクト領域を分離するゲート電極引き出し部を加工する工程を有することを特徴とする。
上記製造方法によって、フォト工程における目合せズレの影響を受けることなく、メモリセルのゲート電極端と半導体層端を合致させることができ、本発明の半導体記憶装置を容易に製造することができる。このため、製造コストを低く抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上に述べたように、本発明によれば、ガラス基板等の絶縁体上に、ボディコンタクト領域を備えたメモリセルを形成し、そのメモリセルにおいては接合逆方向リーク電流を抑えつつ、メモリ膜を薄膜化することが可能であるため、デバイス間バラツキや誤動作が起こりにくく信頼性の高い、かつ消費電力が抑えられた半導体記憶装置が得られる。さらに、本発明の半導体記憶装置は、ガラス基板等の絶縁体上に形成されるため、単結晶基板等を用いる半導体装置に比べてコストを抑えられる。また本発明の構造は特殊なプロセスを用いることなく簡単に製造することができるので、製造コストを大幅に増加させることなく得られる。
また、周辺回路に用いる薄膜トランジスタにも、類似の構造を適用しボディコンタクト領域を設けることで、さらに信頼性が高く、さらに消費電力の低い半導体記憶装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。以下において、主にp型デバイスについて説明するが、n型デバイスとして実施してもよい。n型デバイスの場合は、以下の記述において、不純物の導電型を逆導電型とし、印加電圧を逆バイアスとすればよい。ただし、以下に述べるように、ガラス基板等の耐熱性の低い基板を用いる場合には、製造の際に低温のプロセスを用いることになるが、このような場合には、n型デバイスよりもp型デバイスとしてメモリセルを形成した方が、書込み及び消去を繰り返し安定に行うことができ、より信頼性が高いため、好ましい。
また、以下において主に説明するp型デバイスの場合、電荷蓄積膜にホールが蓄積された状態、n型デバイスでは電子が蓄積された状態を書き込み状態と定義する。消去状態とは、電子ないしホールがほとんど蓄積されていない状態か、電子とホールが同程度蓄積され電気的に中和されている状態か、あるいは書き込み状態とは逆タイプのキャリア(p型デバイスの場合は電子、n型デバイスの場合はホール)が主に蓄積されている状態を指すこととする。
【0019】
(第1実施形態)
図1、2を用いて第1実施形態における半導体記憶装置の構成を説明する。図1(a)は本実施形態におけるメモリセル部の鳥瞰概略図であり、(b)はその平面概略図である。また図2はその断面概略図であり、図1の点線A−A’における断面を図2(a)、B−B’における断面を図2(b)に示す。
【0020】
第1実施形態の半導体記憶装置は、大面積平板状のガラスからなる絶縁性基板100上に膜厚50nm程度のシリコン等のn型半導体層101が島状に設けられる。半導体層101を島状に配置する場所は、例えば絶縁性基板100が液晶表示装置用基板である場合、各液晶表示画素電極の下方、または近傍である。また、絶縁性基板100は、樹脂基板を用いることもできる他、半導体基板の表面に絶縁膜が設けられた基板を用いることもでき、つまり基板表面が絶縁体であればよい。例えばSOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板を用いて、表面のシリコン層を島状に加工することによって、絶縁性基板100及び半導体層101を得ることもできる。この半導体層101の上に、第一絶縁膜102、電荷蓄積絶縁膜103、第二絶縁膜104の3層から成るメモリ膜、さらにその上に、ゲート電極105が順次堆積される。メモリ膜は第一絶縁膜102、電荷蓄積絶縁膜103の2層構造として第二絶縁膜104を省略することも可能であるが、電荷保持性能の面からは上記の通り3層構造が望ましい。
これら第一絶縁膜102、電荷蓄積絶縁膜103、第二絶縁膜104の3層は、例えばT字形のようにほぼ同じ平面形状にパターニングされ、その端部は島状の半導体層101からはみ出ることなく、島状の半導体層101の端部に一致するように形成されており、かつこれらは半導体層101を3つの領域に分断する。すなわち、拡散領域106を含む領域、拡散領域107を含む領域、及びボディコンタクト領域109を含む領域の、3つの領域である。拡散領域106、107はp型に高濃度にドープされており、これらはメモリセルのソース領域及びドレイン領域となる。これらの間の半導体層101内にはチャネル領域108が形成され、その上のゲート電極105とともに、MOSトランジスタ様の構造をなしている(図2(a)参照)。
【0021】
また、ゲート電極引き出し部105bによって分けられた半導体層101のもうひとつの領域にはn型の高濃度ドープがなされ、ボディコンタクト領域109が形成される。 ゲート電極105aとゲート電極引き出し部105bは連続的に一体としてゲート電極105が形成され、明瞭な境界はないが、ソース・ドレイン領域の間にチャネル領域を形成する部分がゲート電極105aであり、チャネル領域から外れた部分がゲート電極引き出し部105bである。ゲート電極105aの幅は数10nm〜数10μmであり、ゲート長を決定する。ゲート電極引き出し部105bの幅は、100nm〜100μm程度であり、より好ましくは、1μm〜20μmであり、ボディコンタクト領域と半導体記憶装置領域を分離する。ソース・ドレイン領域となる拡散領域106、107、ゲート電極引き出し部105b,ボディコンタクト領域109には、それぞれコンタクトプラグ110、111、112、113が設置されている(図1では各コンタクトプラグがそれぞれ2個形成され、その底部位置のみを示している)。
【0022】
上記において、メモリ膜を構成する第一絶縁膜102、電荷蓄積絶縁膜103、第二絶縁膜104としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、酸化ハフニウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化アルミニウム膜等の膜を用いることができる。第一絶縁膜102及び第二絶縁膜104に対し、電荷蓄積絶縁膜103の方が、電荷トラップ密度が高く、バンドギャップが小さいかまたは同程度となる組み合わせを選べばよい。例えば第一絶縁膜102及び第二絶縁膜104としてシリコン酸化膜、電荷蓄積絶縁膜103としてはシリコン窒化膜を用いるのがよい。この構成は、一般的な半導体装置製造ラインにおいて用いられる膜材料でもあり、生産コストを抑えるのに有利である。
【0023】
これらの膜は周知のCVD法によって形成することができるが、本実施形態では基板として、高価な単結晶半導体基板を使用せず、廉価なガラス基板等を用いる。ガラス基板を用いることで、低コストの生産を可能としている反面、基板の耐熱性が低いため、比較的低温プロセスであるプラズマCVD法を用いるのが好ましい。
第一絶縁膜102に関しては、半導体層101を酸化して形成することも可能であり、過酸化水素水等の酸化性水溶液によるウェット酸化法によって成膜することが可能である。電荷蓄積絶縁膜103としては、上記の他に、シリコン酸化膜等の絶縁膜内部にシリコンや金属の微細ドットを含有させたものを用いることもできる。
またゲート電極105としては、拡散領域106、107と同タイプの不純物を高濃度にドープされたポリシリコン、あるいはタングステンやモリブデン等の金属を用いることができる。ゲート電極105としては、これらのように、そのフェルミレベルが、n型半導体層101のフェルミレベルよりも低く、n型半導体層101の価電子帯上端よりも高いような性質を有する材質が好ましい。半導体層101がn型の場合は、半導体層101のフェルミレベルよりも高く伝導帯下端よりも低いフェルミレベルを有する材質が好ましい。これにより、ゲート電極105下の半導体層101が、ゲート電極105電位がオフ状態のとき、キャリア空乏状態となり、後述する本実施形態のメリットを効果的に発揮する。
【0024】
メモリ膜の膜厚は、半導体記憶装置の仕様によって適切に決定すればよく、一般的に言えば第一絶縁膜102の膜厚は3nm〜20nm程度、電荷蓄積膜絶縁膜103の膜厚は5nm〜50nm、第二絶縁膜104の膜厚は3nm〜50nm程度の範囲で設定する。 これらの膜は薄く設定した方が、書込みまたは消去を低電圧で行うことができ、低消費電力化することができる。特に、第一絶縁膜102を第二絶縁膜104よりも薄く設定するのが好ましい。第一絶縁膜102は薄いほどキャリア注入効率が上がり書込みまたは消去の速度が向上する。一方、第二絶縁膜104は第一絶縁膜102より厚くすることで、電荷蓄積絶縁膜103とゲート電極105の間のキャリアのやり取りを防ぎ、長期保持の面や、誤書込み・誤消去防止の面で有利となる。しかし一方、これらの膜が薄すぎると蓄積電荷が外部に流出したり、読出し動作で誤書き込みや誤消去が起こるディスターブの問題が発生する恐れもある。
そこで本実施例では、第一絶縁膜厚を6nm、第二絶縁膜厚を10nmとし、電荷蓄積絶縁膜103としてシリコン窒化膜を用いて、膜厚を10nmとする。この積層構造により、電荷蓄積絶縁膜103に蓄積された電荷が外部に漏れることを極力防ぎ、長時間保持が可能となる。すなわち、メモリ機能の安定性を損なわない範囲でできるだけメモリ膜を薄膜化するのが、低消費電力の面から好ましい。本実施形態の半導体記憶装置は、その有する特徴により、メモリ膜を薄膜化しても破壊が起こりにくい等の高信頼性を保ち、かつ接合リーク電流を防止して低消費電力化を阻害しない。このメリットについては後に詳述する。
【0025】
本実施形態の半導体記憶装置における記憶情報の読み出しは、電荷蓄積絶縁膜103中の電荷の多寡が、拡散領域106、107間のドライブ電流の多寡に影響することを利用する。すなわち、例えば拡散領域106をソース、拡散領域107をドレインとして使用する場合は、ソースとなる拡散領域106へグラウンド電位、ドレインとなる拡散領域107へ読出しドレイン電圧(例えば−4V)を印加し、ゲート電極105へ読出しゲート電圧(例えば−4V)を印加する。これにより、ソースとなる拡散領域106〜ドレインとなる拡散領域107間のチャネル領域108に電流が流れる。この時、書込み状態すなわち電荷蓄積絶縁膜103へホールが蓄積された状態であれば、この蓄積電子が、ゲート電極105がチャネル領域108へ及ぼす電界の影響を打ち消す。このため、消去状態(上記蓄積電子が実質的に無い状態)に比べ、ソースとなる拡散領域106〜ドレインとなる拡散領域107間に流れる電流が小さくなる。つまり、情報記憶を電荷蓄積絶縁膜103のトラップ電荷量と結びつけ、これをドライブ電流の多寡に反映させることにより、情報の記憶と読出しが可能となる。
以上の読出し動作の際、ボディコンタクト領域109からのボディ電位制御は、電位を与えないフローティング状態としてもよいが、グラウンド電位等の適当な電位を設定することで、書込み時に発生するホットホールを排出してデバイス内部のポテンシャル分布を安定させ、バラツキの少ない安定した読出し動作が可能となる。
【0026】
本半導体記憶装置への書込み動作は、上記読出し動作よりも高い電圧でトランジスタ動作させることによって発生する高エネルギーなキャリアを注入することによって行う。例えば、今度は上記とは逆に拡散領域107をソースとしてグラウンド電位とし、拡散領域106をドレインとして書込みドレイン電圧(例えば−6〜−15V)を印加する。ゲート電極105には書込みゲート電圧(例えば−6〜−18V)を印加する。この時、ソースとなる拡散領域107〜ドレインとなる拡散領域106間のチャネル領域108に大きな電流が流れ、ジュール熱により発熱し温度上昇する。この温度上昇により高エネルギーなキャリアが多量に発生する。発生した高エネルギーのキャリアの一部はゲート電極105の電界の影響により紙面上方向へ走り、電荷蓄積絶縁膜103中へ飛び込んでトラップされる。これにより、電荷蓄積絶縁膜103へ電子がトラップされた書込み状態を実現することができる。
なお、上記書込み動作の際には、ボディコンタクト領域109へ、グラウンド電位などの適当な電位を印加すればよい。このボディ電圧印加によって、書込み時に発生するキャリアをボディコンタクト領域から排出してボディ電位の変動を抑え、安定したバラツキの少ない書込みを行うことができる。以上の書込み動作により、FNトンネルを用いた電荷注入等よりも高速な書込みが可能となる。
【0027】
本半導体記憶装置の消去動作は、ボディコンタクト電位に対してゲート電極に高電位(例えば+25〜30V)を印加することによって、第1の絶縁膜を介したFNトンネルにより、電荷蓄積絶縁膜103へ電子を注入することによっても行うことができるが、より好ましい消去動作の形態として、次の方法を用いることができる。すなわち、ボディコンタクト領域109へグラウンド電位などを印加し、この電位に対して拡散領域106及び107へ負の消去電圧(例えば−8〜−15V)、ゲート電極105へ正の消去電圧(例えば5〜20V)を印加する。このとき、ゲート電極105下の半導体層101下に電子蓄積層が生じ、この電子蓄積層と拡散領域106、107との間に、強い逆方向バイアスが印加された接合が形成される。この時、接合部に逆方向リーク電流が発生し、この電流に起因して高エネルギーのキャリアが生成され、一部の電子はゲート電極105の電界によって、電荷蓄積絶縁膜103中に飛び込み、トラップされている電子の電荷を消去する。以上により、消去動作が行われるが、やはり本方法により、FNトンネルを用いた電荷注入等よりも高速な消去が可能となる。
【0028】
なお、ソースおよびドレインとなる拡散領域106、107は、図2(a)に示すようにチャネル領域108に接する側(ソース・ドレインが対向する側)において、ゲート電極105aと一部オーバーラップしているのが好ましい。これにより、寄生抵抗による電流減少や動作不良を防止する。また拡散領域106及び拡散領域107は、ゲート電極引き出し部105bとは、図1(b)に示すように0.3μm以上の距離Tをおいて設けられることが好ましい。例えば好ましい形態として、0.5μm〜5μm程度の距離をおいて設けることができる。拡散領域106及び拡散領域107がゲート電極引き出し部105bとオーバーラップしていると、読み出し動作時に、ゲート電極引き出し部105b下部の半導体層101を介しての電流も生じることになるが、一方、書込み動作において電荷蓄積絶縁膜103に電荷が注入され、読出し電流が電荷の影響を受けるのは、主に拡散領域106と拡散領域107に挿まれたチャネル領域108においてであり、上記半導体層101を介しての電流は、電荷の影響を受けにくい、一種の漏れ電流となる。拡散領域106及び拡散領域107とゲート電極引き出し部105bとを0.3μm以上離して設置すると、このようなゲート電極引き出し部105b下の漏れ電流を抑えることができ、蓄積電荷の多寡が読み出し電流に強く反映されることになるので、安定した読み出しが可能となる。
また、ボディコンタクト領域109の少なくとも一部も、図2(b)に示すようにゲート電極引き出し部105bとオーバーラップしているか、近接しているのが好ましい。これにより、消去動作を行う際に、ボディコンタクト領域からゲート電極下の半導体層へキャリアが流れ込んで蓄積層が形成され、消去時にキャリアが発生する位置からボディコンタクト領域に到るまでの低抵抗な電流経路が出来るので、安定した高速な消去が可能となる。
【0029】
以上においては、メモリセルをp型デバイスとして形成した場合を説明しているが、本実施形態のように、絶縁性基板100としてガラスを用いた場合には、このようにp型デバイスとしてメモリセルを形成するのが好ましい。ガラス基板を用いた場合、廉価に製造できるメリットがある反面、基板の耐熱性が低く、製造の際に高温のプロセスを用いることができない。このような場合には、n型デバイスとしてメモリセルを形成する場合よりもp型デバイスとしてメモリセルを形成した方が、書込みと消去を高速かつ安定に行うことができる。比較的低温のプロセスでメモリセルを製造した場合、書込みや消去の際に発生する高エネルギーなキャリアによって、メモリセルの絶縁膜や、絶縁膜と半導体層の界面等にダメージを受ける恐れがあるが、p型デバイスの方が、このダメージが起こりにくく、信頼性が高いメモリセルとなるのである。一方、SOI基板を用いた場合等、高温プロセスによる製造が可能な場合には、n型デバイスを用いても信頼性の高いメモリセルを得ることができる。
【0030】
ここで、本実施形態においては、ゲート電極引き出し部105bが島状の半導体層101からはみ出ることなく設置され、かつ拡散領域106、107とボディコンタクト領域109が、ゲート電極引き出し部105bによって分離されていることを特徴としている。この特徴によるメリットを以下に説明する。
【0031】
図3は、本実施形態とは異なり、ゲート電極引き出し端部117が島状の半導体層101の端部を跨ぎ、半導体層101からはみ出すように設置された場合の図である。図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)の点線C−C’における断面図である。
このような構造において、特に消去動作時などにおいて半導体層101とゲート電極105の間に高い電圧差を印加する場合に、半導体層101のエッヂに電界が集中しやすい。これは、図3(b)の断面図に示すように、半導体層101のエッヂ上端114a、エッヂ下端114bが角になっているためである。エッヂ上端114aにおいては、角の部分がゲート電極引き出し端部117に対向しており、電界集中しやすい構造になっている。一方、エッヂ下端114bは、直接ゲート電極引き出し端部117に対向していないものの、半導体層101のリソグラフィ加工時に側面がテーパになると、エッヂ下端114bの個所が鋭角になり、電界集中しやすくなる。このため、これらのポイントでメモリ膜が絶縁破壊を起こす恐れがある。これを防止するためにはメモリ膜を厚膜化する必要があり、これに伴って動作電圧も上昇させる必要が生じるので消費電力が上がってしまう。
【0032】
また、エッヂ部下端114b部においては、製造プロセスにおける各種ドライエッチやフッ酸水溶液によるウェットエッチによって、近傍のガラス基板100がエッチングされてエッヂ部下端114bが抉れた構造となってしまう場合がある。この部位のみCVD膜が堆積されにくく、メモリ膜が特異的に薄くなってしまう恐れがある。これによりゲート破壊を招き、歩留まりを低下させる。特に、メモリセルと通常のTFTを同一基板上に形成するプロセスにおいては、メモリセル部のメモリ膜とTFT部のゲート絶縁膜を作り分ける必要があるため、TFTのみを形成する場合に比べてエッチング工程数も多く、上述のような半導体層101エッヂ部での形状不良によるデバイス破壊が起こりやすい。
【0033】
また、図4は、上述した図3の半導体記憶装置と異なり、ゲート電極引き出し部105bを半導体層101からはみ出させずに、内側になるよう設置した場合の半導体記憶装置である。この半導体記憶装置はまた、本実施形態の半導体記憶装置とも異なり、拡散領域106、107とボディコンタクト領域109がゲート電極引き出し部105bによって完全に仕切られていない構造となっている。すなわち、高濃度にn型ドープされたボディコンタクト領域109は、ゲート電極引き出し部105bに覆われていないn型半導体層101の領域によって連続し、さらにこの領域を介して、p型ドープされた拡散領域106、107とpn接合を成している。
この図4の半導体記憶装置に対し、上述した本実施形態の半導体記憶装置と同じ書込み・消去動作を適用すると、書込み・消去時には、n型半導体層101を介して、拡散領域106、107の一方ないし両方と、ボディコンタクト領域109の間に、高い逆方向バイアスが印加される。
【0034】
ここで、半導体層101は、本実施形態のようにガラス絶縁基板100上に形成された場合、単結晶基板を用いた半導体装置の場合に比較して、半導体層の結晶性が高くなく、結晶欠陥や結晶粒界などの、イレギュラーな結晶構造を多く含んでいる。特に絶縁基板100がガラス基板からなる場合、低コストで生産できるメリットがある反面、比較的低温のプロセスしか用いることができないので、半導体層101の結晶欠陥密度もより大きなものとなる。このため、逆バイアス印加時にも、これらの欠陥を介した電流が流れやすく、逆接合リーク電流115が発生する。消去時に電圧を印加した際、このリーク電流115は実際の消去動作そのものには寄与しない無駄な電流であり、消費電力の上昇を招く。また書込み時にボディ電圧を印加する場合、ドレイン〜ボディにこの逆方向リーク電流が流れ、これも書込み動作そのものに寄与しない無駄な電流であるのみならず、ボディ電位の制御性を悪化させ、異常動作の原因となる可能性もある。
このような問題は、ガラス基板上に上記特許文献2のような構造を形成した場合にも発生する恐れがある。特許文献2の構造も、拡散領域〜ボディ間に接合が常時形成されているからである。ボディが薄膜の半導体によって形成されているためにボディの抵抗が高く、拡散領域〜ボディ間に逆方向リーク電流が発生すると、ボディ電位が不安定になり、かって誤動作の原因にもなりうるのである。
【0035】
一方、本実施形態の半導体記憶装置では、図2(b)に示す平面構造をとっており、この構造によって図3、図4のケースにおける問題をともに解決している。
まず、図3のケースとは異なり、本実施形態ではゲート電極引き出し部105bが半導体層101端を跨いでいない。このため、半導体層101端部のメモリ膜破壊が問題になることがなく、メモリ膜を薄膜化しても高い歩留まりが実現できる。メモリ膜が薄膜化できれば、メモリ膜に効率的に電界が加えられるため、動作電圧を低くすることができ、低消費電力動作の半導体記憶装置となっている。また、低電圧で動作が可能となることから、周辺回路を簡略化することができ、回路面積を小さくすることができる。
【0036】
さらに、図2に示す構造を持つ実施形態の半導体層置は、図4のケースとは異なり、拡散領域106、107とボディコンタクト領域109が、ゲート電極引き出し部105bによって完全に仕切られた平面構造となっている。例えば非選択のメモリセルにおいてゲート電極105がソースと同電位などの、いわゆるオフ状態の場合、ゲート電極105下の半導体層101は、ゲート電極105のポテンシャルによって空乏化している。そのため、拡散領域106、107とボディコンタクト領域109との間はこの空乏化した半導体層によって分断されていることになる。
これにより、他のセルに書込みを行う際に、非選択セルのドレインに書込みドレイン電圧が印加されても、非選択セルのドレインとボディコンタクト領域の間に大きな逆接合リークが発生することがない。ゲート電極105の材料として、そのフェルミレベルが、n型半導体層101のフェルミレベルよりも低く荷電子帯上端よりも高い材料を用いているため、このように、ゲート電極に特別な電圧を印加せず(特別な回路を必要とせず)、通常のオフ状態とするだけで、このような効果を得ることができる。
【0037】
また書込みを行う選択セルにおいても、ボディコンタクト領域と拡散領域の間の半導体層は、反転層が形成される上部を除いて空乏化するため、チャネル領域近傍での逆方向リークを抑え、ボディ電位を安定にしてバラツキを防止する。
【0038】
また、消去の際には、ゲート電極105に負の消去電圧を印加してゲート電極105下の半導体層101に生じる蓄積層と、拡散領域106、107との間に流れる逆方向電流を利用する。この場合も、本実施形態の構造をとることで、消去動作に寄与しないリークを極力減らすことができるので、消費電力を低下させることができる。
以上により、書込みまたは消去の際に、拡散領域106、107とボディコンタクト領域109の間に逆方向バイアスが印加されても、リーク電流が抑えられ、低消費電力で動作が安定した半導体記憶装置となっている。廉価製造を目的としてガラス基板上に半導体記憶装置を形成する場合にも、この効果を発揮する。つまり、本実施形態の構造は、SOIのような高価な基板を用いる場合以外にも、広く適用が可能である利点がある。また、本実施形態で設けられるボディコンタクトは、メモリの安定動作に対して充分な役割を果たすことができる。
【0039】
次に、本実施形態の半導体記憶装置の製造方法、特に、同一絶縁基板上にメモリセルと、周辺回路等に用いるTFTの両方を形成する場合について述べる。ここでは、形成されるTFTとしてはPMOSのみについて言及するが、NMOSを形成することも、周知の方法との組み合わせによって容易に実現できる。NMOS部においては半導体層をp型半導体とし、拡散領域をn型高濃度ドープ層とする。また、図においては説明の便宜上、メモリセルとTFTを隣接して配置しているが、実際の半導体記憶装置では、回路接続の必要に応じ、自由にレイアウトすればよい。
【0040】
まず、ガラス基板等の絶縁基板100上に、CVD等の周知の方法によって、厚さ50nm程度のn型シリコン等よりなる半導体層101を形成する。その上にメモリ膜として、やはりCVD等の周知の方法によって、例えばシリコン酸化膜からなる第一絶縁膜102を厚さ6nm、シリコン窒化膜からなる電荷蓄積絶縁膜103を厚さ10nm、シリコン酸化膜からなる第二絶縁膜104を厚さ10nm堆積する。さらにタングステン等の金属からなるゲート電極105材料膜を堆積する。その後、リソグラフィ及びエッチング技術によって、ゲート電極105材料膜から半導体層101に到る各層を所望の形状にパターニングする。
ここでのパターニングは、最終的に形成されるメモリセルとTFTの半導体層の形状に沿って、島状に加工されるものである。これを図5に示す。図5(b)は図5(a)の点線部における断面図である。島状に加工される半導体層101の大きさは、例えば、一辺が1μm〜100μmの大きさの正方形、1μm〜100μmの大きさの長方形などメモリセル、TFTの性能、仕様に応じて設定される。島状の半導体層101が配置される場所は、例えば絶縁基板100が液晶表示装置用基板である場合、各液晶表示画素電極の下方、または近傍である。
【0041】
次に図6に示すように、リソグラフィ技術を用い、例えば、ほぼT字形のフォトレジスト116をマスクとしたエッチングによって、メモリセル部のゲート電極105及び3層メモリ膜(103〜105)を加工する。このとき、フォトレジスト116は、図6(a)のように、露光機の目合せズレ分の余裕をもって島状の半導体層101からはみ出るように形成する。即ち、T字形の上辺横方向の両端および縦方向の下端が半導体層101からはみ出る。フォトレジスト116と半導体層101のオーバーラップ部分にゲート電極105が形成されることになるので、これにより、半導体層101からゲート電極105がはみ出ることなく、逆に半導体層101端からゲート電極105端が後退することもなく、ほぼオンラインで形成することができる。
一方この時、TFT形成部においては、ゲート電極105とメモリ膜102〜104が完全に除去され、半導体層101表面が露出している。
【0042】
次に、全面にTFT用のゲート絶縁膜材料としてシリコン酸化膜、及びTFT用のゲート電極材料としてタングステン等の金属を堆積した後、リソグラフィ及びエッチング技術を用いてこれらを加工する。例えば、図7(a)に示すように、TFTゲート絶縁膜202及びTFTゲート電極205によって、ソース領域とドレイン領域に分離するチャネル部分205aと、ゲート電極引出し部205bを形成する。チャネル部分205aを形成するゲート電極の幅は、数10nm〜数10μmであり、チャネル長を決定する。 ゲート電極引き出し部205bは、必ずしも半導体層101上に形成する必要はなく、図7(a)に示すように、絶縁基板100上に形成してもよい。このゲート電極引き出し部205bは、コンタクトプラグが設置できる大きさであればよい。
【0043】
この加工の際、TFTゲート電極205のエッチングは、方向性の強いドライエッチングと、方向性が弱く等方的なドライエッチングを組み合わせて行うのが好ましく、すでに加工したメモリセル用ゲート電極105の側面にサイドウォール状にTFTゲート電極205が残ることを極力防ぐ。TFTゲート絶縁膜202の加工に関しては、TFTゲート絶縁膜202の加工形状を良好なものとするため、方向性ドライエッチのみとする。この場合はメモリセルのゲート電極側面にサイドウォール状に絶縁膜が残るが(図示略)、このサイドウォールはTFTゲート絶縁膜レベル(数十nm)の充分薄い膜なので、問題にならない。なお、ここでは堆積したTFTゲート電極205材料とTFTゲート絶縁膜202材料をともにエッチングによって加工したが、TFTゲート電極205のみを加工し、ゲート絶縁膜202は全面に残しておいてもよい。この場合、全面に残されたゲート絶縁膜202は、続く注入工程において注入保護膜の役割を果たすことができる。
【0044】
引き続き、フォトレジストによるマスキングとイオン注入技術によって、メモリセルのボディコンタクト領域部をマスキングして、TFTとメモリセルの拡散領域部にp型不純物を注入する。次にメモリセルの拡散領域部をマスキングしてメモリセルのボディコンタクト領域部にn型不純物の注入を行う。その後、アニール処理を行うことによって、メモリセルのp型拡散領域106、107、TFTのp型拡散領域206、207、及びメモリセルのn型ボディコンタクト領域109をそれぞれ形成する。アニール時の拡散によって、各領域はゲート電極下にまで若干侵入し、ゲート電極の一部とオーバーラップする。
さらに全面に層間絶縁膜を形成したのち、リソグラフィ及びエッチングによってコンタクト孔を開口し、金属プラグを埋め込むことで、メモリセルのソース・ドレイン領域のコンタクトプラグ110、111、ゲート電極のコンタクトプラグ112、ボディコンタクト領域のコンタクトプラグ113、TFTのソース・ドレイン領域のコンタクトプラグ210、211、ゲート電極のコンタクトプラグ212がそれぞれ形成される。これらのコンタクトプラグは層間絶縁膜上で金属配線によって接続され、メモリ回路が構成される(図8(a)(b)ともに、層間絶縁膜、上部金属配線の図示略)。
【0045】
以上により、複雑なプロセスを必要とせずに、露光装置の目合せズレの影響を受けることなくメモリセルのゲート電極端と半導体層端を容易に合致させることができ、ゲート電極が半導体層上からはみ出さずに拡散領域とボディコンタクト領域を分離した、本実施形態の半導体記憶装置の構造を得ることができる。
なお上記においては、メモリセルのメモリ膜102〜104とゲート電極105を形成した後、TFT部のゲート絶縁膜202とゲート電極205を形成したが、逆に、TFT部のゲート絶縁膜202とゲート電極205を形成後、メモリセルのメモリ膜102〜104とゲート電極105を形成してもよい。また、上記実施形態では省略したが、周知の方法により、TFTの拡散領域の、ゲート電極側の端に、拡散領域よりも薄いp型(NMOSでは薄いn型)領域、いわゆるLDD領域を設けてもよく、TFTの耐圧を向上することができる。
【0046】
(第2実施形態)
図9(a)は第2の実施形態の半導体記憶装置の平面図であり、図の点線における断面図を図9(b)に示す。第2実施形態では、ゲート電極135aの両側の半導体層101中に、p型に高濃度ドープされた拡散領域136、137が設けられ、ソース領域とドレイン領域を形成する。そして、ゲート電極135aは半導体層101上を延長され、ゲート電極引き出し部を形成し、その先端部分にリング状部分135bを形成する。リング状部分135bの外側はn型半導体層101の端から余白をもって内側に配置される。リング状部分135bの内側の窓から半導体層101が露出する部分には、n型に高濃度ドープされたボディコンタクト部分139が形成される。また、このリング状部分135b以外の部分のメモリ膜102〜104の構成は上記第1の実施形態に準じている。
【0047】
本実施形態の半導体装置もまた、ゲート電極135aからゲート電極を引き出して形成したリング状部分135bは半導体層101端を跨ぐことなく設置されているので、上記第1実施形態同様、半導体層101端部においてゲート電界によるメモリ膜破壊を起こすことがない。このため、メモリ膜を薄膜化することができ、低消費電力化が可能となる。
特にこの図9のメモリセルの場合、第1の実施形態と異なる点は、ボディコンタクト領域139がリング状部分135bで取り囲まれていることにある。この構造によって、半導体層101の端部とリング状部分135bの端部とを一致させなくても、ボディコンタクト部分139と拡散領域136、137とがリング状部分135bによって仕切られた構造を得ることができる。このため、図4で説明したゲート電極引き出し部端と半導体層端の間の空白部分を通るリーク電流115が流れ込むことがない。
【0048】
本実施形態では特に、上記メモリセルの構造にならって、周辺回路等に用いるTFTもボディコンタクトを設置することができる。即ち、図10(a)(b)にメモリセル部と、TFT部を並べて示すように、TFT部を形成する島状の半導体層201は、TFT用ボディコンタクト領域239を形成するように大きく形成し、ゲート電極235aから引き出して、リング状部分235b部を半導体層101の上に形成する。そして、リング状部分235bがボディコンタクト領域239を囲む構造とする。
このゲート電極235aから引き出して形成したリング状部分235bによって、TFT動作時にボディコンタクト領域239からボディ電位を印加し、ボディ電位を制御することができ、TFT動作を安定化させて動作バラツキを減少させることができる。
メモリセルが書込み状態であるか消去状態であるかを判断するのは、周辺回路TFTを用いたセンシングによって行うため、書込み状態か消去状態かを判別するためのメモリセルのウィンドウには、周辺回路TFTのバラツキ分のマージンが必要となる。本実施形態では、周辺回路TFTにボディコンタクトを設置してボディ電位を制御することで、TFTのバラツキを抑えるため、上記マージンも少なくて済み、より小さいメモリセルウィンドウの書込み/消去判定が可能となる。これにより、長期間保持しても信頼性の高い半導体記憶装置が得られる。
【0049】
このように回路用TFTのゲート電極引き出し部が半導体層からはみ出ないように設置し、かつボディコンタクト領域239をリング状部分235bで取り囲む構造とするので、半導体層端をゲート電極引き出し部が覆う構造とならない。そのため、この部位での電界による破壊が起こらず、高い歩留まりが実現できる。特に低電圧化のためにゲート絶縁膜を薄膜化する場合には、本実施形態の構造による、半導体層端での破壊防止が効果的であり、メモリセルのメモリ膜もTFTのゲート絶縁膜もともに薄膜化することできるので、メモリ装置全体の低電圧化が可能となる。と同時に、メモリセル部のボディコンタクト領域139と拡散領域136・137、及びTFT部のボディコンタクト領域239と拡散領域236・237は、それぞれリング状部分135b、235bによって囲まれているため、第1実施形態で述べたように、ボディコンタクト領域と拡散領域の間に逆方向バイアスがかかってもリーク電流を極力抑えることができ、低消費電力の半導体記憶装置を得ることができる。
【0050】
図10は、同一基板上にメモリセル部と回路用TFT(PMOSのみ例示)部を混載した場合の模式図を示し、(a)は平面図、(b)は点線部における断面図を示すが、ここでも説明の便宜上、TFT部はPMOSのみを示している。しかし、リソグラフィ及びイオン注入の組み合わせによりNMOSも形成することが可能である。またメモリセル部とTFT部は、半導体層101と201に分離して隣接する構造を図示しているが、実際には回路接続の必要に応じ、自由にレイアウトすればよい。また、半導体層101と201は分離せずに一体化していてもよい。なお、この図では層間絶縁膜や上部配線は図示省略している。
本実施形態の半導体記憶装置の製造にあたっては、まずガラス等の絶縁基板100上にCVD等の方法によって50nm程度の厚さのn型半導体層を堆積し、これをリソグラフィとエッチングによって適宜島状に加工する(図中101、201)。次に、例えばTFT部のゲート絶縁膜に相当するシリコン酸化膜(例えば、厚さ30nm〜100nm程度)と、タングステン等の金属からなるゲート電極材料膜を堆積し、これをリソグラフィとエッチングによって加工して、TFT部のゲート絶縁膜202とTFT部のゲート電極を引き出すリング状部分235bを有するゲート電極235aを形成する。
この時、リング状部分235bは半導体層201からはみ出ることなく設置されるので、少なくとも露光機の目合せズレ分、半導体層201端から後退させて設計しておく。また、ゲート電極を引き出すリング状部分235bはリング状になっており、このリングの内部は後にボディコンタクト領域239となる。
【0051】
次にメモリ膜として、やはりCVD等の周知の方法によって、例えばシリコン酸化膜からなる第一絶縁膜102を厚さ6nm、シリコン窒化膜からなる電荷蓄積絶縁膜103を厚さ10nm、シリコン酸化膜からなる第二絶縁膜104を厚さ10nmを堆積することによりメモリ膜を形成する。さらにタングステン等の金属からなるゲート電極材料膜を堆積した後、リソグラフィ及びエッチング技術によって、メモリセル部のメモリ膜(102〜104)とリング状のゲート電極引き出し部135bを有するゲート電極135aを加工する。
このメモリセル用のゲート電極135aもまた、半導体層101からはみ出ることなく設置されるので、少なくとも露光機の目合せズレ分、半導体層101端から後退させて設計しておく。ゲート電極を引き出すリング状部分135bはリング状になっており、このリングの内部は後にボディコンタクト領域139となる。
このゲート電極135a及びリング状部分135bの加工時に、TFT部のゲート電極側壁にサイドウォール状に、ゲート電極135のエッチング残りが発生しないように、異方性エッチングと等方的なエッチングの組み合わせによって加工するのが望ましい。またTFT部のゲート電極側壁部にはメモリ膜がサイドウォール状に形成される(図示略)が、TFTにおいては充分薄いものであり、機能上問題にはならない。
【0052】
しかる後に、リソグラフィ、不純物イオン注入、及びアニール技術によって、メモリセル部のp型拡散領域136、137、TFT部のp型拡散領域236、237、メモリセル部のn型ボディコンタクト領域139、TFT部のボディコンタクト領域239を形成する。なお、ここでは前の工程において、メモリ膜102〜104をゲート電極135A及びリング状部分135bの形状に加工したが、ゲート電極135及びリング状部分135bのみを所定形状に加工し、メモリ膜102〜104は全面に残しておいてもよい。その場合はこのメモリ膜が不純物イオン注入時の注入保護膜として働く。
次に全面に層間絶縁膜(図示略)を堆積し、リソグラフィとエッチングによってコンタクト孔を形成し、金属の埋め込みによって、メモリセル部及びTFT部の、拡散領域(ソース・ドレイン)上のコンタクトプラグ110、111、210、211、ゲート電極上のコンタクトプラグ113、213、ボディコンタクト領域上のコンタクトプラグ112、212が形成される。これらのプラグは層間絶縁膜上で金属配線により接続され(図示略)、メモリ回路が構成される。
【0053】
なお上記においては、TFT部のゲート絶縁膜202とゲート電極235を形成した後、メモリセルのメモリ膜102〜104とゲート電極135を形成したが、逆に、メモリセルのメモリ膜102〜104とゲート電極135を形成した後にTFT部のゲート絶縁膜202とゲート電極235を形成してもよい。この場合は、TFT用のゲート絶縁膜材料がメモリセル部のゲート電極135の側壁にサイドウォール状に残るが、充分に薄いものであり機能上問題にならない。また、上記実施形態では省略したが、周知の方法により、TFTの拡散領域の、ゲート電極側の端に、拡散領域よりも薄いp型(NMOSでは薄いn型)領域、いわゆるLDD領域を設けてもよく、TFTの耐圧を向上することができる。
以上により、特殊なプロセスを用いることなく、容易に低消費電力半導体記憶装置を製造することができる。なお、本実施形態においても、TFTの拡散領域の、ゲート電極側の端に、拡散領域よりも薄いp型(NMOSでは薄いn型)領域、いわゆるLDD領域を設けてもよく、TFTの耐圧を向上することができる。
なお、上記第1実施形態と本第2実施形態とを組み合わせて、メモリセル部とTFT部の一方を第1実施形態、もう一方を第2実施形態に沿って形成することも可能である。
また、第1実施形態同様、特に、ガラス基板等の耐熱性の低い基板を用いて低温プロセスで半導体装置を形成する場合には、メモリセルはp型デバイスとして形成することが、より好ましい。これにより、n型デバイスとしてメモリセルを形成した場合よりも、信頼性の高い半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1実施形態の半導体記憶装置のメモリセルの概略図であり、(a)は鳥瞰図、(b)は平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の半導体記憶装置のメモリセルの断面概略図であり、(a)は図1の点線A―A‘における断面図、(b)は点線B−B’における断面図である。
【図3】ゲート電極が半導体層端を跨ぐように設置された場合の半導体記憶装置の概略図であり、(a)は平面図、(b)は点線C−C’における断面図である。
【図4】ゲート電極が半導体層上からはみ出ることなく設置され、かつゲート電極が拡散領域とボディコンタクト領域を分断していない構造の半導体記憶装置の概略平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の半導体記憶装置の製造方法を表す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の点線部における断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の半導体記憶装置の製造方法を表す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の点線部における断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の半導体記憶装置の製造方法を表す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の点線部における断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態の半導体記憶装置の製造方法を表す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)の点線部における断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の半導体記憶装置のメモリセルの概略図であり、(a)は平面図、(b)は点線における断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態の半導体記憶装置のメモリセルとTFTの概略図であり、(a)は平面図、(b)は点線における断面図である。
【図11】従来の絶縁基板上の半導体記憶装置の概略断面図である。
【図12】ボディコンタクトを有する、従来の絶縁基板上の半導体記憶装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0055】
100 絶縁基板
101 シリコン層
102 第一絶縁膜
103 電荷蓄積膜
104 第二絶縁膜
105 135 ゲート電極
106 107 136 137 拡散領域(ソース・ドレイン領域)
108 チャネル領域
109 139 ボディコンタクト領域
110 111 ソース・ドレインコンタクト
112 ゲートコンタクト
113 ボディコンタクト
114 半導体層のエッヂ部とゲート電極のオーバーラップ部
114a ゲート電極とオーバーラップした半導体層エッヂ部の上端
114b ゲート電極とオーバーラップした半導体層エッヂ部の下端
115 拡散領域とボディコンタクト領域の間に流れる逆方向リーク電流
116 フォトレジスト
202 回路用TFTのゲート絶縁膜
205 235 回路用TFTのゲート電極
206 207 236 237 回路用TFTの拡散領域(ソース・ドレイン領域)
209 239 回路用TFTのボディコンタクト領域
210 211 回路用TFTのソース・ドレインコンタクト
212 回路用TFTのゲートコンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体上に形成された第1導電型の半導体層と、
前記半導体層上に形成された電荷蓄積機能を有する電荷蓄積膜及び前記電荷蓄積膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の下方の前記半導体層に形成されたチャネル領域と、
前記チャネル領域の両側に、前記半導体層内に形成された第2導電型の拡散領域と、
前記半導体層を延長して形成した第1導電型のボディコンタクト領域と、
前記延長した半導体層上に前記ゲート電極を延長し、前記ボディコンタクト領域と、前記チャネル領域の両側の拡散領域を分離するゲート電極引き出し部と
を備える半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1導電型の半導体層がn型半導体であり、前記ゲート電極が、前記n型半導体のフェルミレベルよりも低く前記n型半導体層の荷電子帯上端よりも高いようなフェルミレベルを有する材質から成る請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1導電型の半導体層がp型半導体であり、前記ゲート電極が、前記p型半導体のフェルミレベルよりも高く前記p型半導体層の伝導帯下端よりも低いようなフェルミレベルを有する材質から成る請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記絶縁体は、ガラス基板である請求項1から3までのいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記半導体層は島状に形成され、前記ゲート電極引き出し部の端部が前記島状半導体層の端部に一致するように形成した請求項1から4までのいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記ゲート電極引き出し部は、前記ボディコンタクト領域を囲むように配置されるリング状部分を有する請求項1から4までのいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記電荷蓄積膜は、前記半導体層側より順に、第1の絶縁膜、電荷蓄積機能を有する絶縁体、及び第2の絶縁膜からなる請求項1から6までのいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ボディコンタクト領域は、前記ゲート電極引き出し部の下方の半導体層領域と近接するか、または前記ゲート電極引き出し部とオーバーラップしている部分を有する請求項1から7までのいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記絶縁体上に、更にゲート絶縁膜、ゲート電極、第2導電型の拡散領域、チャネル領域及びボディコンタクト領域を有する薄膜トランジスタを形成した請求項1から8までのいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記ゲート電極から延長されたゲート電極引き出し部は、前記ボディコンタクト領域を囲むリング状部分を有する請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
絶縁体上に、半導体層、電荷蓄積機能を有する膜及びゲート電極材料を堆積する工程と、
前記半導体層、電荷蓄積機能を有する膜及びゲート電極材料をパターニングして、ソース領域とドレイン領域の間に配置されるゲート電極と、ソース・ドレイン領域とボディコンタクト領域を分離するゲート電極引き出し部を加工する工程と
を有する半導体記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−123762(P2009−123762A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−293358(P2007−293358)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】