説明

ゲート誘電体上に完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を選択的に形成する方法、及びその完全シリサイド化ゲート電極を有する半導体デバイス

【課題】 完全シリサイド化ゲート電極及びその作成方法を提供する。
【解決手段】 本発明は、ゲート電極を完全にシリサイド化(FUSI)することにより、1つ又は複数のデバイス領域内に金属ゲート電極を選択的に作成する方法に関する。FUSIの選択的な形成は、従来のn+及びp+ドープ・ポリシリコン電極とは異なる、仕事関数と適合可能な金属ゲート電極をデバイス上に作成することを可能にする。各デバイス領域は、ポリシリコン・ゲート電極又は完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を含む少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)デバイスからなる。シリコン層及びGe含有層からなるゲート電極が、Ge含有層の選択的除去プロセスと組み合せて用いられる。Ge含有層は、FUSIの仕事関数と適合しない閾値電圧を有するデバイス上では除去されない。FUSIの仕事関数と適合するデバイスは、接合部シリサイド化ステップの前に除去されるGe含有層を有する。ゲート電極の残りの薄いシリコン層は、接合部シリサイド化ステップと同じステップ中に完全にシリサイド化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスの製造に関する。具体的には本発明は電界効果トランジスタ用の完全シリサイド化ゲート電極の作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリシリコンは、例えば電界効果トランジスタ(FET)、特に相補型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(CMOS−FET)のような半導体デバイス内のゲート電極として用いることができることは、当技術分野では周知である。一方、半導体デバイスの引き続く縮小化により、他の型のゲート電極、例えば、金属及び/又は完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極が、従来のポリシリコン・ゲート電極の代りに用いられている。金属及び/又はFUSIゲート電極は、ポリシリコン・ゲート電極に付随する、一般にポリ空乏化として知られる電荷の空乏化を縮小及び/又は防止することができる。ポリシリコン・ゲート電極とゲート誘電体の間の界面の近傍で起ると、ポリ空乏化はFETデバイスのチャネル領域内の誘導電荷を減少させて電流を低下させ性能を劣化させる可能性がある。ポリシリコン・ゲート電極を使用することと比べると、金属及び/又はFUSIゲート電極の使用はゲート誘電体の有効厚を減らしてゲートに付随するキャパシタンス即ちゲート・キャパシタンスを増加させることができる。ゲート・キャパシタンスの増加はFETデバイスのチャネル領域内の誘導電荷量を効果的に増加させ、これが高い駆動電流及びトランジスタ性能をもたらす。
【0003】
一方、複数の閾値電圧をもつデバイスを有する特定のデバイス領域内に金属ゲート電極を用いることが困難である可能性がある。金属ゲート及び/又はFUSIゲート電極は、シリコンの中間ギャップに近い仕事関数を有する傾向がある。シリコンの中間ギャップに近い仕事関数は望ましい閾値電圧よりも高くなる。閾値電圧を低くする標準的な方法は、デバイスのチャネル・ドープ濃度を低くすることであるが、これは短チャネル制御の劣化を生じる。結局、シリコンの中間ギャップに近い仕事関数を有する金属ゲート電極は、低い閾値電圧を有するFETに関するデバイス設計点を有しない。
【0004】
FUSIが高ドープn+ポリシリコンのFET(nFET)ゲート上で機能するとき、結果としてのFUSIゲート電極は操作可能な仕事関数値を有する可能性がある。しかし、高ドープp+ポリシリコンを有するFET(pFET)ゲート上でFUSIを機能させることは、意図されたデバイスに適合する又は望ましい仕事関数値を作るとは限らない。
【0005】
例えば、幾つかの最新のFETデバイスに関して、高ドープn+ポリシリコン電極による閾値電圧の大きさは、用いられた技術の型に応じて、例えば、0.15Vから0.55Vまで変化し得る。閾値電圧はCMOS−FETが動作及び又は停止するときを決めることが知られている。閾値電圧の低い値は高電流及び高電力消費のFETを生じ、一方閾値電圧の高い値は低電流及び低電力消費のFETを生じ得る。例えば、高性能デバイスの閾値電圧の大きさは0.15Vほどにも低く、一方低電力デバイスに対しては閾値電圧は0.55Vほどにも高くすることができる。一般に、半導体技術において、低電力、高性能、及び混合信号用途に関する設計に柔軟性をもたらすために、複数の閾値電圧が必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知の方法を用いてFUSIを適用すると、閾値電圧の大きさは、ゲート電極の仕事関数の変化により、凡そ250mV乃至500mVだけ増加する可能性がある。この閾値の増加は、高性能を達成するために閾値電圧の低い値を必要とするFETデバイスには望ましくないことが多い。閾値電圧の望ましい大きさを、例えば基板のチャネル領域内のドープ濃度を低くすることにより維持しながらFETデバイスにFUSIを適用することが可能である。この理由は、チャネルのドープ濃度を低くすることで閾値電圧の大きさを減らし、FUSIの適用による増加を相殺することができるからである。しかしながら、チャネルのドープ濃度を臨界レベルまで減少させると、正しく機能しないFETを生じる可能性がある。基板のドープ濃度が低すぎる場合にはソース/ドレイン領域は短絡する可能性があり、もはやゲート電極で制御可能ではなくなる可能性がある。これは停止不能で無用となるFETを生じる可能性がある。特に、既に低い閾値電圧値(0.15V−0.25V)を有するFETは、最新のFUSIとは適合できない。これらのデバイス上にFUSIゲート電極を用いることは、所望の低い閾値電圧値を達成するのに必要な基板ドープ濃度の低下により、停止させることができないFETを生じることになる。しかし、0.3V−0.55Vの範囲内の閾値電圧を有するFETは、ポリシリコン・ゲート電極を用いるときこれらのFETに関しては基板ドープ濃度が比較的高いので、FUSIゲート電極と適合可能である。0.3V−0.55Vの範囲内の閾値電圧を有するFETの上にFUSIゲート電極を用いることは、FUSIゲート電極の仕事関数の変化により生じる250mV−500mVの増加を考慮して基板ドープ濃度を減少させることによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、添付の図面に関連して記述される本発明の以下の詳細な説明からより完全に理解され認識されるであろう。
図を平易かつ明瞭にするために図面に示される要素は必ずしも一定の尺度では描かれてはいないことを認識されたい。例えば、幾つかの要素の寸法は、明瞭にするために他の要素に比べて誇大に示されている可能性がある。
【0008】
完全シリサイド化ゲート電極を半導体デバイス上に選択的に形成する必要がある。本発明は、完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を集積回路の選択されたデバイス領域内に形成する方法を提供する。例えば、本発明はFUSIゲート電極を、0.3V−0.5Vの範囲の仕事関数の閾値電圧を必要とするFETゲート・デバイス上に選択的に形成することを可能にするが、その場合、FUSIにより誘起される閾値電圧の増加には基板のドープ密度の削減により対応することができ、同時に、例えば閾値電圧が既に低いためにFUSIが望まれない他のデバイス内でのFUSIゲート電極の形成を防止することができる。さらに、本発明はソース/ドレインのシリサイド化プロセス中にFUSIゲート電極を形成する。FUSIゲート電極を用いることで、ゲート空乏化を削減又は排除してトランジスタの電流駆動を向上させることが可能になる。
【0009】
本発明の一実施形態は完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極をゲート誘電体上に選択的に形成する方法を提供する。この方法は、基板上に第1組及び第2組のゲート・デバイスを形成するステップと、1つ又は複数の第1組のゲート・デバイスを保護マスク層で覆うステップと、1つ又は複数の第2組のゲート・デバイスのゲート・スタック内のGe含有シリコン層を選択的に除去して、ゲート誘電体層の直接上に形成されたシリコン層を露出させるステップと、1つ又は複数の第1組のゲート・デバイス上の保護マスク層を除去するステップと、第1組のゲート・デバイスと、露出されたシリコン層を含む第2組のゲート・デバイスとを金属含有層で覆うステップと、第1組及び第2組のゲート・デバイスをアニールして、1つ又は複数の第2組のゲート・デバイスのゲート誘電体層の直接上にFUSIゲート電極を選択的に形成するステップとを含む。
【0010】
一実施形態によれば、アニールするステップは、第1組及び第2組のゲート・デバイスを約400℃から約900℃まで、好ましくは約420℃から約700℃までの高温環境でHe、Ar、又はNを含む気体環境に晒し、そして、約1秒から約120秒までの時間、急速熱アニール、スパイク・アニール、又はレーザ・アニールのプロセスを施すステップを含む。FUSIゲート電極を形成するシリコン層は、約10nmから約50nmまでの範囲の厚さ、好ましくは約15nmと約30nmの間の厚さを有する。
【0011】
別の実施形態によれば、アニールするステップはまた、第1組及び第2組のゲート・デバイスのソース/ドレイン領域と、1つ又は複数の第1組のゲート・デバイスのゲート・スタック内のGe含有シリコン層の多くとも一部分とをシリサイド化するステップを含む。
【0012】
本発明の別の実施形態は、1つ又は複数のp型FET(電界効果トランジスタ)を含む半導体基板上の1つ又は複数のn型FETに対してFUSIゲート電極を形成する方法を提供する。この方法は、1つ又は複数のp型FETを保護マスク層で覆うステップと、1つ又は複数のn型FETのゲート・スタック内のGe含有シリコン層を除去して1つ又は複数のn型FETのゲート誘電体層の直接上に形成されたシリコン層を露出させるステップと、1つ又は複数のp型FET上の保護マスク層を除去するステップと、1つ又は複数のn型FETの露出されたシリコン層を含む1つ又は複数のp型及びn型FETを、金属含有層で覆うステップと、1つ又は複数のp型及びn型FETをアニールして、1つ又は複数のn型FETのゲート誘電体層の直接上にFUSIゲート電極を選択的に形成するステップとを含む。
【0013】
本発明のさらに別の実施形態は、1つ又は複数のp型電界効果トランジスタ(FET)及び1つ又は複数のn型FETを含む半導体デバイスを提供するが、ここで、少なくとも一つのn型FETは、ゲート誘電体の直接上に形成された完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を含み、このFUSIゲート電極は約10nmと約50nmの間の範囲に厚さを有し、1つ又は複数のp型FETは多くとも部分的にシリサイド化されたゲート電極を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下の詳細な説明において、本発明の完全な理解を与えるために、多くの特定の細部、例えば、特定の構造体、コンポーネント、材料、寸法、加工ステップ及び/又は技法を説明する。しかし、当業者であれば、本発明はそれら特定の細部なしに実施可能であることを認識するであろう。他の例では、周知の構造体及び/又は加工ステップは、本発明の説明を不明瞭にしないように詳細には説明しなかった可能性がある。
【0015】
本発明は、完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を集積回路の選択されたデバイス領域内に形成する方法を提供する。例えば、本発明はFUSIゲート電極を、0.3V−0.5Vの範囲の閾値電圧を必要とするFETゲート・デバイス上に選択的に形成することを可能にするが、その場合、FUSIにより誘起される閾値電圧の増加には基板のドープ密度の削減により対応することができ、同時に、例えば閾値電圧が遥かに低いためにFUSIが望まれない他のデバイス内でのFUSIゲート電極の形成を防止することができる。さらに、本発明はソース/ドレインのシリサイド化プロセス中にFUSIゲート電極を形成する。FUSIゲート電極を用いることで、ゲート空乏化を削減又は排除して電界効果トランジスタのようなトランジスタの電流駆動を向上させることが可能になる。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。半導体基板100は、例えばデバイス領域111及び112のような2つのデバイス領域を含み得るものを準備することができる。他の数のデバイス領域を用いることもできる。デバイス領域は、少なくとも1つの半導体デバイスをその上に形成することができる、所定の又は予め割り当てられた、基板の領域又は範囲とすることができる。異なるデバイス領域、例えばデバイス領域111及び112は、後にそこに形成されるデバイスの型、及びデバイスに関連してそこに注入されるドーパントの型によって区別することができる。例えば、p+型ドーパントをデバイス領域111に注入して、ホールを電荷担体として用いるp型FET(pFET)デバイスをその上に形成又は作成することができる、基板の領域を形成することができる。同様に、n+型ドーパントをデバイス領域112に注入して、電子を電荷担体として用いるn型FET(nFET)デバイスをその上に形成又は作成することができる、基板の領域を形成することができる。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、ゲート電極の完全シリサイド化(FUSI)は、ある特定の型のデバイスに対して選択的に行う又は実施することができる。例えば、FUSIは、以下に図4乃至図8を参照しながら詳しく説明するように、デバイス領域112内に形成されるnFETデバイスに対して行い、デバイス領域111内に形成されるpFETデバイスに対しては行わないようにすることができる。当業者であれば、図1においてデバイス領域112及び111(1つにはFUSIを行い、他方には行わない)は例証のためのものであり、本発明は任意のデバイス又はデバイス領域に選択的に適用できることを認識するであろう。例えば、FUSIはデバイス領域111内で行いデバイス領域112では行わないようにすることができる。さらに、デバイス領域111はpFETデバイスではなくnFETデバイスを形成することができる領域とし、デバイス領域112はnFETデバイスではなくpFETを形成することができる領域とすることができる。
【0018】
基板100の材料は、例えば、Si、SiGe、SiGeC、SiC、Ge合金、GaAs、InAs、InP及び他のIII/V族又はII/VI族化合物半導体のような任意の型の半導体を含むことができる。基板100はまた、例えば、Si/SiGe、Si/SiC、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)又はシリコン・ゲルマニウム・オン・インシュレータ(SGOI)のような層状半導体を含むことができる。基板100は、ドープ型、非ドープ型、又はドープ及び非ドープ領域の両方を含む型とすることができ、また、歪み型、無歪み型、又は歪み及び無歪み領域の両方を含む型とすることができる。さらに基板100は、単一の結晶配向を有することができ、或いは、異なる結晶配向を有する複合半導体基板とすることができる。
【0019】
一実施形態によれば、例えば、デバイス領域111と112は、基板100内に形成された1つ又は複数のフィールド酸化物絶縁領域及び/又は浅いトレンチ分離(STI)領域によって、互いに電気的に絶縁することができる。例えば、STI領域121、122、及び123を形成又は作成してデバイス領域111及び112を画定することができる。STI領域121、122、及び123の作成又は形成は周知の半導体加工技術によって行うことができる。例えば、STI領域121、122、及び123は、リソグラフィとエッチングのステップの組合せにより、初めに基板100内にトレンチ開口部を作成し、次に開口部を化学気相堆積(CVD)プロセスによってトレンチ誘電体、例えば酸化物で充填し、次いで基板100の表面を、例えば化学機械研磨(CMP)プロセスにより平坦化することによって形成することができる。
【0020】
図2は、本発明の別の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。図1に示したSTI領域121、122、及び123の形成に続いて、デバイス領域111及び112を覆うゲート誘電体211の層を基板100の上に形成することができる。ゲート誘電体211は、酸化、CVD及び/又はプラズマ支援CVD,原子層及び/又はパルス堆積(ALD又はALPD)、蒸発、反応性スパッタリング、化学堆積又は他の類似のプロセス、及び/又はそれらの組合せのような周知のプロセスに従って形成することができる。
【0021】
ゲート誘電体211は1乃至3ナノメートル(nm)の範囲の厚さを有するように形成することができる。ゲート誘電体211の厚さは約1nmであることが典型的であり及び/又は好ましいが、本発明にはこの点に限定されず、他の厚さを用いることができる。ゲート誘電体211の材料は、例えば、二酸化シリコンSiO、酸窒化シリコンSiON、HfO、HfSiON、及び当技術分野で既知のゲート用として適切であり得る他の材料を含むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、続いて薄いシリコン層212をゲート誘電体層211の直接上に形成することができる。シリコン層212の形成は、例えばCVD又は他の周知の適切な半導体プロセスにより行うことができる。一実施形態によれば、シリコン層212は、10nmから50nmまでの範囲の厚さを有するように堆積させることができ、一般的には15nmから30nmまでの範囲が好ましい。他の厚さのシリコン層212を用いることもできる。
【0023】
図3は、本発明のさらに別の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。図2に示したシリコン層212の形成に続いて、Ge含有半導体層311をシリコン層212の上に堆積させることができる。例えばSiGeのシリコン合金層とすることができる半導体層311内のGeの濃度は15乃至50原子パーセントの範囲内で比較的高くすることができ、約30乃至約40原子パーセントの範囲内であることが好ましい。しかし、本発明はこの点に限定されず、他のレベルのGe濃度、例えば99原子パーセントまでの濃度を用いることができる。Ge含有層311内のGeの上記の濃度レベルは、Ge含有層311を次の選択的エッチング・プロセスにおいて、下層のシリコン層212とは対照的に、エッチング除去できることを保証する。一実施形態によれば、Ge含有層311の厚さは50nmから100nmまでの範囲とすることができ、70nmから85nmまでの範囲が好ましい。Ge含有層311の他の厚さを用いることができる。さらに、SiGe合金は、単結晶、アモルファス又は多結晶とすることができるが、多結晶が非常に好ましい。
【0024】
図4は、本発明のさらに別の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。図3に示したGe含有シリコン層311の形成に続いて、少なくとも1つのゲート・デバイスが各デバイス領域内に形成される。例えば、pFETゲート・デバイス411をデバイス領域111内に、nFETゲート・デバイス412をデバイス領域112内に形成することができる。ゲート・デバイス411及び412の形成は、それらに限定されないが、フォトリソグラフィ、エッチング、及び堆積を含むCMOS用の周知の半導体加工技術の組合せにより行うことができる。フォトリソグラフィ・プロセスは、例えば、フォロレジスト材料をGe含有層311に塗布するステップと、フォトレジスト材料を放射のパターンに露光するステップと、露光されたフォトレジストを通常のレジスト現像液中で現像してフォトマスク(図示せず)を形成するステップとを含むことができる。Ge含有層311、シリコン層212、及びゲート誘電体層211の一部分を含み得るゲート・スタック421及び422を保護するためのフォトマスクを形成した後、フォトマスクで保護されない領域内の層311、212、及び211の残り部分をエッチング除去することができる。その結果、ゲート・スタック421はGe含有層311a、シリコン層212a、及びゲート誘電体層211aを含むように形成することができ、ゲート・スタック422はGe含有層311b、シリコン層212b、及びゲート誘電体層211bを含むように形成することができる。
【0025】
エッチングは、典型的には、数例を挙げると反応性イオン・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、又はプラズマ・エッチングのような乾式エッチング・プロセスを用いて実施することができる。しかし本発明はこの点に限定されず、化学湿式エッチング・プロセスのような他のエッチング・プロセス及び/又は方法を用いることができる。ゲート・スタック421及び422を形成した後、スペーサ431、432、433及び434のようなスペーサを、パターン付けされたゲート・スタックの露出側壁上に、CVD堆積プロセス及びそれに続くエッチング・プロセスのようなプロセスにより形成することができる。スペーサ431、432、433及び434の材料は、例えば、酸化物、窒化物、酸窒化物、及び/又はそれらの任意の組合せを含むことができる。スペーサ431、432、433及び434の幅を十分に広くして、次にゲート・デバイス411及び412のソース/ドレイン領域上に形成されるシリサイド化コンタクトが、パターン付けされたゲート・スタックの縁部の下に侵食することを防止することができる。例えば、スペーサ431及び432をゲート・スタック421の周りに形成して、デバイス領域111内でスペーサ431及び432に隣接する、ゲート・スタック421のゲート電極(後に形成される)とソース/ドレイン領域との間を絶縁することができる。同じことがゲート・スタック422の周りに形成されるスペーサ433及び434に関しても言える。
【0026】
ゲート・スタック421及び422並びに周囲のスペーサ431、432、433及び434の形成に続いて、ソース/ドレイン拡散領域、例えば拡散領域441、442、443及び444をイオン注入プロセスにより形成することができる。ゲート・スタック421及び422並びに周囲のスペーサ431、432、433及び434は、ソース/ドレイン拡散領域441、442、443及び444の形成における注入マスクとして機能することができる。イオン注入プロセスの直後にアニール・プロセスを実施することは可能であるが、アニール・プロセスは、後に詳述するように、シリコン層212bへの可能性のあるGe拡散を防止、排除及び/又は最小にするために、好ましくはゲート・スタック422のGe含有層311bの除去後の後期段階で実施することができる。アニール・ステップはイオン注入ステップ中に注入されたドーパントを活性化するように機能する。イオン注入及びアニールの温度条件は、当業者には周知のことであり、用いるアニール手段及び技術に応じて、一般に900℃から1300℃までの範囲に及ぶ。1秒より短い間での1000℃−1100℃のアニール温度が一般に好ましい。
【0027】
図5は、本発明のさらにもう一つの実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。図4に示したゲート・デバイス411及び412の形成に続いて、酸化シリコン又は酸窒化シリコン又は他の適切な材料とすることができる保護マスク層511を堆積又は形成して、FUSIプロセスを施す又は受けさせることを予定しないゲート・デバイスを覆うことができる。換言すれば、そのゲート・デバイスについてFUSIを実施することは望ましくない性能をもたらす可能性があり、場合によっては、そのデバイスを正しく機能しない或いは全く機能しないようにする可能性がある。そのようなデバイスは、低い閾値電圧を有するある特定の型のnFETゲートを含む可能性がある。ある特定の型のpFETゲートもまた、それらの仕事関数をFUSIプロセスによって変更することが困難な可能性があるので、FUSIには適切でない可能性がある。
【0028】
図6は、本発明のさらに別の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。図5に示した保護マスク層511の形成に続いて、nFETゲート412のゲート・スタック422内のGe含有シリコン層311bを、例えばRIEのようなエッチング・プロセスにより選択的に除去することができる。pFETゲートであるゲート・デバイス411はマスク層511で保護されるので、Ge含有シリコン層311bを除去するプロセスは、ゲート・デバイス411の構造体及び従って性能に影響を及ぼさない。Ge含有シリコン層311bの除去は、ゲート・デバイス412を完全シリサイド化処理のようなさらに進んだ処理ステップに対して整える。
【0029】
ゲート・スタック422の上部のGe含有シリコン層311bを除去した後、図4を参照して上述したように、イオン注入後に熱処理をされていない場合、或いはそれに加えて、ソース/ドレイン拡散領域441、442、443及び444に注されたイオンを活性化するために、基板100にアニール・プロセスを施すことができる。前述のように、Ge含有シリコン層311bの除去後にアニール・プロセスを実施することにより、シリコン層212bの完全シリサイド化のために望ましい厚さを有するように、シリコン層212bをより良好に制御することができるが、その理由は、Ge含有シリコン層311bを除去する前にアニール・プロセスを実施した場合に起り得る、Ge含有層311bからのGeの拡散がなくなるためである。
【0030】
Ge含有層311bを除去し、ソース/ドレイン拡散領域441、442、443及び444に注されたイオンをアニール・プロセスにより活性化した後、保護マスク層511を、例えば湿式エッチング・プロセスにより選択的に除去又は取り除くことができるが、他の除去プロセスを用いることもできる。
【0031】
図7は、本発明のさらにもう一つの実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。図6に示したGe含有シリコン層311bの除去に続いて、金属又は金属含有層711を堆積させて、特に、ゲート・デバイス又は構造体412の露出したシリコン層212b、及びゲート・デバイス又は構造体411のゲート・スタック421を覆うことができる。この金属又は金属含有層711は、それらに限定されないが、スパッタリング、めっき、CVD,原子層堆積(ALD)又は化学溶液堆積を含む通常の堆積プロセスのうちの1つを適用することにより形成することができる。金属又は金属含有層711は、シリコンと接触させてアニール・プロセスを施すときに金属シリサイドを形成することができる少なくとも1つの金属元素を含むことができる。適切な金属には、それらに限定されないが、Co、Ni、Ti、W、Mo、Ta、Pt、Er、Yb及びそれらの合金又は多層が含まれる。好ましい金属にはNi、Co及びTiが含まれるが、Niが非常に好ましい。
【0032】
一実施形態において、金属シリサイドを形成するのに用いられる金属含有層711は、少なくとも1つの合金形成添加物を50原子重量パーセントまでの量で含むことができる。合金形成添加物は、存在するとき、金属含有層711を形成するのと同時に形成することができ、或いは、例えばイオン注入又は気相ドーピングのような幾つかの周知の技術を利用して、合金形成添加物を堆積したままの金属含有層に導入することができる。合金形成添加物の例は、C、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、In、Sn、La、Hf、Ta、W、Re、Ir、Pt、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Er及びこれらの混合物を含むことができる。当業者であれば、上記は全ての合金形成添加物の排他的なリストではなく他の添加物を用いることができることを認識することができる。
【0033】
図8は、本発明の付加的な実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。図7に示した金属又は金属含有層711の堆積に続いて、FUSIをゲート・スタック422に実施してゲート・デバイス412の電極を形成する。FUSIは、典型的には400℃から900℃までの高温環境において実施される又は行われるアニール・プロセスとすることができる。さらにアニール・プロセスは約420℃から約700℃までの温度範囲で実施することが好ましい。アニール・プロセスは、用いるアニール・プロセスの型に応じて種々の長さの時間実施することができる。例えば、炉アニールは、急速熱アニール、スパイク・アニール又はレーザ・アニールよりも長時間行うことができる。典型的には、急速熱アニールは約1秒から約120秒までの時間行われる。当業者であれば、その条件がシリコン層212b(図6)から転化させることができる完全シリサイド化ゲート電極812の形成をもたらすことができる限り、他の温度及び時間を用いることができることを理解するであろう。アニール・プロセスは典型的には、He、Ar、N又はフォーミング・ガスを含む気体環境内で実施される。図8に示すように、ゲート・デバイス411及び412のソース/ドレイン領域もまた、ゲート・スタック422のFUSIプロセス中にシリサイド化される。例えば、FUSIプロセスの後、ゲート・デバイス411はシリサイド化されたソース/ドレイン領域821及び822を含むことができ、ゲート・デバイス412はシリサイド化されたソース/ドレイン領域823及び824を有することができる。しかし、本発明の一実施形態によれば、ゲート・デバイス411内のGe含有シリコン層311aの一部分だけがシリサイド化されてシリサイド811を形成する。換言すれば、ゲート・スタック421は完全シリサイド化から保護され、FUSIはゲート・デバイス412のゲート・スタック422に対してだけ行われる。
【0034】
ゲート・デバイス412のゲート・スタック422に対するFUSIに続いて、金属又は金属含有層711を、当技術分野で既知の選択的エッチング法を適用して除去することができる。下層のゲート・デバイス又は構造体411及び412は、部分的シリサイド化ゲート・スタック421、及び、FUSI電極812を有する完全シリサイド化ゲート・スタック422を有し、そしてシリサイド化ソース/ドレイン領域821、822、823、及び824は露出される。FUSI電極812は、小さな電極面積の低いプロファイルを有する。より薄いFUSI電極は可能性のある側壁寄生キャパシタンスを削減することができる。
【0035】
本発明の特定の特徴を本明細書において図示し説明したが、当業者であれば、多くの修正、置き換え、変更、及び等価物に想到するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の趣旨の範囲に入る全ての修正及び変更を含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。
【図2】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。
【図3】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。
【図4】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。
【図5】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。
【図6】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。
【図7】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。
【図8】本発明の実施形態による完全シリサイド化ゲート電極を選択的に形成する方法の簡略化した説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート誘電体上に完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を選択的に形成する方法であって、
基板(100)上に第1組及び第2組のゲート・デバイス(411、412)を形成するステップと、
1つ又は複数の前記第1組のゲート・デバイス(411)を保護マスク層(511)で覆うステップと、
1つ又は複数の前記第2組のゲート・デバイス(412)のゲート・スタック内のGe含有シリコン層(311b)を選択的に除去してゲート誘電体層(211b)の直接上に形成されたシリコン層(212b)を露出させるステップと、
前記1つ又は複数の前記第1組のゲート・デバイス上の前記保護マスク層を除去するステップと、
前記第1組のゲート・デバイスと、露出された前記シリコン層を含む前記第2組のゲート・デバイスとを金属含有層(711)で覆うステップと、
前記第1組及び第2組のゲート・デバイスをアニールして、前記1つ又は複数の前記第2組のゲート・デバイスの前記ゲート誘電体層の直接上に前記FUSIゲート電極(812)を選択的に形成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記FUSIゲート電極を選択的に形成するステップは、前記金属含有層(711)で覆われた前記シリコン層(212b)を前記FUSIゲート電極(812)に転化させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アニールするステップは、前記第1組及び第2組のゲート・デバイス(411、412)を400℃乃至900℃、好ましくは420℃乃至700℃の高温環境に晒すステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アニールするステップは、前記第1組及び第2組のゲート・デバイス(411、412)をHe、Ar、又はNを含む気体環境に晒し、そして急速熱アニール、スパイク・アニール又はレーザ・アニールのプロセスを1秒乃至120秒間施すステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記シリコン層(212b)は10nm乃至50nmの範囲の厚さ、好ましくは15nmと30nmの間の厚さを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1組のゲート・デバイス(411)はp型電界効果トランジスタであり、前記第2組のゲート・デバイス(412)はn型電界効果トランジスタである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1組及び第2組のゲート・デバイスを前記アニールするステップは、前記第1組及び第2組のゲート・デバイス(411、412)のシリサイド化ソース/ドレイン領域(821、822、823、824)を形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1組及び第2組のゲート・デバイスを前記アニールするステップは、前記1つ又は複数の前記第1組のゲート・デバイス(411)のゲート・スタック内のGe含有シリコン層(311a)の多くとも一部分(811)をシリサイド化するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1組及び第2組のゲート・デバイスを金属含有層で覆うステップは、前記第1のゲート・デバイス(411)と、露出された前記シリコン層(212b)を含む前記第2組のゲート・デバイス(412)との直接上に前記金属含有層(711)を堆積させるステップを含み、
前記金属含有層は、シリコンと接触させてアニール・プロセスを施すとき、金属シリサイドを形成することができる少なくとも1つの金属元素を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの金属元素は、Ni、Co、及びTiから成る群から選択され、Niであることが好ましい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アニールするステップの後に、前記金属含有層(711)を選択的エッチングにより除去して前記第1組及び第2組のゲート・デバイスを露出させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記保護マスク層(511)は、前記第2組のゲート・デバイスの前記Ge含有シリコン層(311b)を選択的に除去するプロセスにおいて、前記第1組のゲート・デバイス(411)を保護するのに適した酸化シリコン又は酸窒化シリコンの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記Ge含有層(311b)を選択的に除去するステップの後に、前記第1組及び第2組のゲート・デバイスをアニールしてそれらのソース/ドレイン領域内に注入されたイオンを活性化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1組及び第2組のゲート・デバイスを形成するステップは、それらのゲート・スタック(421、422)を作成するステップを含み、
前記ゲート・スタックは選択的エッチングに適した前記Ge含有シリコン層(311b)を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記Ge含有シリコン層(311b)は、15乃至50原子パーセントの範囲、好ましくは30乃至40原子パーセントの範囲内のGe濃度を有するシリコン合金層である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記Ge含有シリコン層(311b)は、単結晶、アモルファス、又は多結晶のシリコン合金層、好ましくは多結晶のシリコン合金層である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記Ge含有シリコン層(311b)は、50nmと100nmの間の厚さ、好ましくは70nm乃至85nmの範囲の厚さを有する、請求14に記載の方法。
【請求項18】
1つ又は複数のp型FET(電界効果トランジスタ)を含む半導体基板上の1つ又は複数のn型FETのための完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を形成する方法であって、
前記1つ又は複数のp型FET(411)を保護マスク層(511)で覆うステップと、
前記1つ又は複数のn型FET(412)のゲート・スタック(422)内のGe含有シリコン層(311b)を除去して前記1つ又は複数のn型FETのゲート誘電体層(211b)の直接上に形成されたシリコン層(212b)を露出させるステップと、
前記1つ又は複数のp型FET上の前記保護マスク層を除去するステップと、
前記1つ又は複数のp型FETと、前記1つ又は複数のn型FETの前記露出されたシリコン層を含む前記1つ又は複数のn型FETとを金属含有層(711)で覆うステップと、
前記1つ又は複数のp型FET及び前記1つ又は複数のn型FETをアニールして前記1つ又は複数のn型FETの前記ゲート誘電体の直接上に前記FUSIゲート電極(812)を選択的に形成するステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記FUSIゲート電極を選択的に形成するステップは、前記金属含有層(711)で覆われた前記シリコン層(212b)を前記FUSIゲート電極(812)に転化させるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アニールするステップは、前記1つ又は複数のp型FET及び前記1つ又は複数のn型FET(411、412)を400℃乃至900℃、好ましくは420℃乃至700℃の高温環境に1秒乃至120秒間晒すステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アニールするステップは、急速熱アニール、スパイク・アニール又はレーザ・アニールのプロセスにおいて、前記1つ又は複数のp型FET及び前記1つ又は複数のn型FET(411、412)をHe、Ar、又はNを含む気体環境に晒すステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シリコン層(212b)は10nm乃至50nmの範囲の厚さ、好ましくは15nmと30nmの間の厚さを有する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記1つ又は複数のp型FET及び前記1つ又は複数のn型FETをアニールするステップは、前記1つ又は複数のp型FET及び前記1つ又は複数のn型FETのシリサイド化ソース/ドレイン領域(821、822、823、824)を形成するステップと、1つ又は複数のp型FET(411)のゲート・スタック(421)内のGe含有シリコン層(311a)の一部分(811)をシリサイド化するステップとをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記金属含有層(711)は、シリコンと接触させてアニール・プロセスを施すとき金属シリサイドを形成することができ、Ni、Co、及びTiから成る群から選択され、Niであることが好ましい、少なくとも1つの金属元素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記保護マスク層(511)は、前記1つ又は複数のn型FET(412)の前記Ge含有シリコン層(311b)を選択的に除去するプロセスにおいて、前記1つ又は複数のp型FET(411)を保護するのに適して酸化シリコン又は酸窒化シリコンの層を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記Ge含有シリコン層(311b)は、15乃至50原子パーセントの範囲、好ましくは30乃至40原子パーセントの範囲のGe濃度を有するシリコン合金層である、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記Ge含有シリコン層(311b)は、50nmと100nmの間の厚さ、好ましくは70nm乃至85nmの範囲の厚さを有する、請求18に記載の方法。
【請求項28】
1つ又は複数のp型電界効果トランジスタ(FET)(411)と、
1つ又は複数のn型FET(412)と
を含み、
少なくとも1つの前記n型FETは、ゲート誘電体(211b)の直接上に形成された完全シリサイド化(FUSI)ゲート電極を含み、
前記FUSIゲート電極は10nmと50nmの間の厚さを有し、
前記1つ又は複数のp型FETは多くとも部分的にシリサイド化されたゲート電極(811)を有する、
半導体デバイス。
【請求項29】
前記FUSIゲート電極(812)は、Ni、Co、及びTiから成る群から選択され、Niであることが好ましい金属元素を含み、
前記1つ又は複数のn型及びp型FETは、前記金属元素でシリサイド化されたソース/ドレイン領域を含む、
請求項28に記載の半導体デバイス。
【請求項30】
前記FUSIゲート電極(812)は、酸化シリコン又は酸窒化シリコンのゲート誘電体(211b)の直接上に形成され、
前記ゲート誘電体は1nmと3nmの間の厚さを有する、
請求項28に記載の半導体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−545168(P2009−545168A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521871(P2009−521871)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/068652
【国際公開番号】WO2008/014038
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】