説明

半導体装置およびフォトマスク

【課題】シェアードコンタクトホールの開口不良を抑制できる半導体装置およびフォトマスクを提供する。
【解決手段】シェアードコンタクトホールSC1、SC2は、ゲート電極層GE1、GE2とドレイン領域PIRとの双方に達している。平面視において、ゲート電極層GE1、GE2の一方側壁E2が、一方側壁E1の仮想延長線E1aよりも他方側壁E4側にずれて位置している。平面視において、ゲート電極層GE1、GE2のシェアードコンタクトホールSC1、SC2が達する部分の線幅D1の中心線(C2−C2)が、ゲート電極層GE1、GE2のチャネル形成領域CHN1、CHN2上に位置する部分の線幅D2の中心線(C1−C1)に対してずれて位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびフォトマスクに関し、特に、ゲート電極層と不純物領域との双方に達するシェアードコンタクトホールを有する半導体装置およびそのゲート電極層のパターニングに用いられるフォトマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲート電極層と不純物領域との双方に達するシェアードコンタクトホールを有する半導体装置は、たとえば特開平9−321152号公報、特開2004−273642号公報、特開2004−273972号公報、特開2004−327796号公報などに開示されている。
【特許文献1】特開平9−321152号公報
【特許文献2】特開2004−273642号公報
【特許文献3】特開2004−273972号公報
【特許文献4】特開2004−327796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シェアードコンタクトホールは通常、開口端部から深い位置ほど開口径が小さくなるテーパ状の断面形状を有している。このため、絶縁層などの被エッチング膜をエッチングしてシェアードコンタクトホールを形成する際に、エッチングの進行とともに被エッチング膜のエッチング面積も小さくなる。この被エッチング面積の縮小によりエッチングの進行が阻害され、結果としてシェアードコンタクトホールが活性層(不純物領域)まで到達しない開口不良などの導通上の不具合が発生する。
【0004】
たとえばシェアードコンタクトホール形成のためのエッチング時には、エッチングの途中でゲート電極層側壁に位置するサイドウォールスペーサの出っ張りによりエッチングが阻害される。このため、平面視において、サイドウォールスペーサの端部(シェアードコンタクトホール形成時のエッチングにより削れていない状態での端部)からシェアードコンタクトホールの長辺方向のエッジ部までの距離を大きく確保しないと、サイドウォールスペーサ上のライナー窒化膜をエッチングする工程で残渣が発生し、開口不良が生じる。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シェアードコンタクトホールの開口不良を抑制できる半導体装置およびフォトマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態の半導体装置は、半導体基板と、不純物領域と、絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、絶縁層とを備えている。半導体基板は、主表面を有している。不純物領域は、その主表面に形成されている。絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、半導体基板に形成されている。絶縁層は、不純物領域および絶縁ゲート型電界効果トランジスタの上に形成されている。絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、主表面に形成された1対のソース/ドレイン領域と、その1対のソース/ドレイン領域に挟まれるチャネル形成領域の上にゲート絶縁層を介して形成されたゲート電極層とを含んでいる。絶縁層は、ゲート電極層と不純物領域との双方に達するシェアードコンタクトホールを有している。ゲート電極層は、平面視において互いに対向する一方側壁と他方側壁とを有している。平面視において、ゲート電極層のシェアードコンタクトホールが達する部分の一方側壁が、ゲート電極層のチャネル形成領域上に位置する部分の一方側壁の仮想延長線上よりも他方側壁側にずれて位置している。平面視において、ゲート電極層のシェアードコンタクトホールが達する部分の線幅の中心線が、ゲート電極層のチャネル形成領域上に位置する部分の線幅の中心線に対してずれて位置している。
【0007】
本実施の形態において、中心線がずれて位置しているとは、双方の中心線が同一直線上に位置しないことを意味し、双方の中心線が互いに平行である場合を含み、かつ双方の中心線が互いに傾斜して交差する場合を含む概念である。
【発明の効果】
【0008】
本実施の形態の半導体装置によれば、平面視において、ゲート電極層のシェアードコンタクトホールが達する部分の一方側壁が、ゲート電極層のチャネル形成領域上に位置する部分の一方側壁の仮想延長線上よりも他方側壁側にずれて位置している。このため、ゲート電極層のシェアードコンタクトホールが達する部分の一方側壁とシェアードコンタクトホールのエッジとの間の距離を拡大することができる。これにより、シェアードコンタクトホール形成時のエッチング時に開口不良が生じることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、SRAMのメモリセルの等価回路図である。図1を参照して、SRAMは揮発性の半導体記憶装置であり、このSRAMのメモリセルはたとえばフルCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のメモリセルである。
【0010】
このSRAMではマトリックス(行列)状に配置された相補型データ線(ビット線)BL、/BLとワード線WLとの交差部にメモリセルが配置される。このメモリセルは1対のインバータ回路からなるフリップフロップ回路および2個のアクセストランジスタAT1、AT2で構成されている。このフリップフロップ回路により、クロスカップリングさせた2つの記憶ノードN1、N2が構成され、(High、Low)または(Low、High)の双安定状態が構成されている。このメモリセルは、所定の電源電圧が与えられている限り、双安定状態を保持し続ける。
【0011】
1対のアクセストランジスタAT1、AT2の各々は、たとえばnチャネルMOSトランジスタ(以下、nMOSトランジスタと称する)よりなっている。アクセストランジスタAT1のソース/ドレインの一方が記憶ノードN1に電気的に接続されており、ソース/ドレインの他方はビット線/BLに電気的に接続されている。またアクセストランジスタAT2のソース/ドレインの一方は記憶ノードN2に電気的に接続されており、ソース/ドレインの他方はビット線BLに電気的に接続されている。またアクセストランジスタAT1、AT2の各々のゲートはワード線WLに電気的に接続されている。このワード線WLによりアクセストランジスタAT1、AT2の導通、非導通状態が制御される。
【0012】
インバータ回路は1個のドライバトランジスタDT1(もしくはDT2)および1個の負荷トランジスタLT1(もしくはLT2)で構成されている。
【0013】
1対のドライバトランジスタDT1、DT2の各々は、たとえばnMOSトランジスタよりなっている。1対のドライバトランジスタDT1、DT2の各々のソースはGND(接地電位)に電気的に接続されている。またドライバトランジスタDT1のドレインは記憶ノードN1に電気的に接続されており、ドライバトランジスタDT2のドレインは記憶ノードN2に電気的に接続されている。さらにドライバトランジスタDT1のゲートは記憶ノードN2に電気的に接続されており、ドライバトランジスタDT2のゲートは記憶ノードN1に電気的に接続されている。
【0014】
1対の負荷トランジスタLT1、LT2の各々は、たとえばpチャネルMOSトランジスタ(以下、pMOSトランジスタと称する)よりなっている。1対の負荷トランジスタLT1、LT2の各々のソースはVdd電源電圧に電気的に接続されている。また負荷トランジスタLT1のドレインは記憶ノードN1に電気的に接続されており、負荷トランジスタLT2のドレインは記憶ノードN2に電気的に接続されている。また負荷トランジスタLT1のゲートは記憶ノードN2に電気的に接続されており、負荷トランジスタLT2のゲートは記憶ノードN1に電気的に接続されている。
【0015】
このメモリセルにデータを書込むときは、ワード線WLが選択されてアクセストランジスタAT1、AT2が導通状態とされ、所望の論理値に応じてビット線対BL、/BLに強制的に電圧が印加されることにより、フリップフロップ回路の双安定状態がいずれかに設定される。またこのメモリセルからデータを読出すときは、アクセストランジスタAT1、AT2が導通状態とされ、記憶ノードN1、N2の電位がビット線BL、/BLに伝達される。
【0016】
本実施の形態の半導体装置の構成においては、負荷トランジスタLT1のゲート電極層と負荷トランジスタLT2のドレイン領域とがシェアードコンタクトにより互いに電気的に接続されており、負荷トランジスタLT2のゲート電極層と負荷トランジスタLT1のドレイン領域とがシェアードコンタクトにより互いに電気的に接続されている。以下、その構成について説明する。
【0017】
図2〜図4は、本発明の実施の形態1における半導体装置の平面レイアウト構成を下から順に示す概略平面図である。また図5は、図2〜図4のV−V線に沿う概略断面図である。
【0018】
図2および図5を参照して、半導体基板SBの主表面には、たとえばSTI(Shallow Trench Isolation)よりなるトレンチ分離構造が形成されている。このトレンチ分離構造は、半導体基板SBの主表面に形成されたトレンチ分離用の溝TRと、その溝TR内を充填する充填物TIとを有している。
【0019】
このトレンチ分離構造により分離された半導体基板SBの主表面に、複数のSRAMメモリセルが形成されている。1つのSRAMメモリセル領域MC(図2中の破線で囲った領域)には、1対のドライバトランジスタDT1、DT2、1対のアクセストランジスタAT1、AT2および1対の負荷トランジスタLT1、LT2が形成されている。
【0020】
1対のドライバトランジスタDT1、DT2と1対のアクセストランジスタAT1、AT2との各々は、たとえばnMOSトランジスタよりなっており、半導体基板SBの主表面のp型ウエル領域PW1、PW2に形成されている。また1対の負荷トランジスタLT1、LT2の各々は、たとえばpMOSトランジスタよりなっており、半導体基板SBの主表面のn型ウエル領域NW内に形成されている。
【0021】
ドライバトランジスタDT1は、1対のソース/ドレイン領域となる1対のn型不純物領域NIR、NIRと、ゲート電極層GE1とを有している。1対のn型不純物領域NIR、NIRの各々は、p型ウエル領域PW1内の半導体基板SBの主表面に互いに間隔をあけて形成されている。ゲート電極層GE1は、1対のn型不純物領域NIR、NIRに挟まれるチャネル形成領域上にゲート絶縁層(図示せず)を挟んで形成されている。
【0022】
ドライバトランジスタDT2は、1対のソース/ドレイン領域となる1対のn型不純物領域NIR、NIRと、ゲート電極層GE2とを有している。1対のn型不純物領域NIR、NIRの各々は、p型ウエル領域PW2内の半導体基板SBの主表面に互いに間隔をあけて形成されている。ゲート電極層GE2は、1対のn型不純物領域NIR、NIRに挟まれるチャネル形成領域上にゲート絶縁層(図示せず)を挟んで形成されている。
【0023】
アクセストランジスタAT1は、1対のソース/ドレイン領域となる1対のn型不純物領域NIR、NIRと、ゲート電極層GE3とを有している。1対のn型不純物領域NIR、NIRの各々は、p型ウエル領域PW1内の半導体基板SBの主表面に互いに間隔をあけて形成されている。ゲート電極層GE3は、1対のn型不純物領域NIR、NIRに挟まれるチャネル形成領域上にゲート絶縁層(図示せず)を挟んで形成されている。
【0024】
アクセストランジスタAT2は、1対のソース/ドレイン領域となる1対のn型不純物領域NIR、NIRと、ゲート電極層GE4とを有している。1対のn型不純物領域NIR、NIRの各々は、p型ウエル領域PW2内の半導体基板SBの主表面に互いに間隔をあけて形成されている。ゲート電極層GE4は、1対のn型不純物領域NIR、NIRに挟まれるチャネル形成領域上にゲート絶縁層(図示せず)を挟んで形成されている。
【0025】
負荷トランジスタLT1は、1対のソース/ドレイン領域となる1対のp型不純物領域PIR、PIRと、ゲート電極層GE1とを有している。1対のp型不純物領域PIR、PIRの各々は、n型ウエル領域NW内の半導体基板SBの主表面に互いに間隔をあけて形成されている。ゲート電極層GE1は、1対のn型不純物領域PIR、PIRに挟まれるチャネル形成領域CHN1上にゲート絶縁層GIを挟んで形成されている。
【0026】
負荷トランジスタLT2は、1対のソース/ドレイン領域となる1対のp型不純物領域PIR、PIRと、ゲート電極層GE2とを有している。1対のp型不純物領域PIR、PIRの各々は、n型ウエル領域NW内の半導体基板SBの主表面に互いに間隔をあけて形成されている。ゲート電極層GE2は、1対のp型不純物領域PIR、PIRに挟まれるチャネル形成領域CHN2上にゲート絶縁層GIを挟んで形成されている。
【0027】
ドライバトランジスタDT1のドレイン領域とアクセストランジスタAT1の1対のソース/ドレイン領域の一方とは、同一のn型不純物領域NIRにより形成されている。またドライバトランジスタDT2のドレイン領域とアクセストランジスタAT2の1対のソース/ドレイン領域の一方とは、互いに同一のn型不純物領域NIRにより形成されている。
【0028】
ドライバトランジスタDT1のゲート電極層GE1と負荷トランジスタLT1のゲート電極層GE1とは、互いに同一の導電層により形成されている。またドライバトランジスタDT2のゲート電極層GE2と負荷トランジスタLT2のゲート電極層GE2とは、互いに同一の導電層により形成されている。
【0029】
主に図5を参照して、これらのトランジスタDT1、DT2、AT1、AT2、LT1、LT2の各々のゲート電極層、ソース/ドレイン領域に接するようにシリサイド層SCLが形成されている。またこれらのトランジスタDT1、DT2、AT1、AT2、LT1、LT2の各々のゲート電極層、ソース/ドレイン領域などを覆うように半導体基板SB上にライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1が順に積層して形成されている。ライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1には、複数のコンタクトホールCH1〜CH8および複数のシェアードコンタクトホールSC1、SC2が形成されている。
【0030】
主に図2を参照して、具体的には、ライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1には、ドライバートランジスタDT1、DT2の各々のソース領域に達するコンタクトホールCH1、CH2が形成されている。またライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1には、アクセストランジスタAT1、AT2の各々の1対のソース/ドレイン領域の一方(ドライバートランジスタDT1、DT2の各々のドレイン領域)に達するコンタクトホールCH3、CH4が形成されている。またライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1には、アクセストランジスタAT1、AT2の各々の1対のソース/ドレイン領域の他方に達するコンタクトホールCH5、CH6が形成されている。またライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1には、負荷トランジスタLT1、LT2の各々のソース領域に達するコンタクトホールCH7、CH8が形成されている。
【0031】
またライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1には、負荷トランジスタLT1のゲート電極層GE1と負荷トランジスタLT2のドレイン領域との双方に達するシェアードコンタクトホールSC1が形成されている。またライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1には、負荷トランジスタLT2のゲート電極層GE2と負荷トランジスタLT1のドレイン領域との双方に達するシェアードコンタクトホールSC2が形成されている。
【0032】
主に図5を参照して、上記の複数のコンタクトホールCH11〜CH18およびシェアードコンタクトホールSC1、SC2の各々の内部には導電層PL1(図5)が充填されている。層間絶縁層II1上には、絶縁層BL1と層間絶縁層II2とが順に積層して形成されている。この絶縁層BL1および層間絶縁層II2には複数の貫通孔が形成されており、複数の貫通孔の各々の内部には複数の導電層(第1メタル層)CL1の各々が埋め込まれている。これら複数の導電層CL1により導電層パターンが構成されている。
【0033】
主に図2を参照して、この導電層CL1により、シェアードコンタクトホールSC1内の導電層PL1とコンタクトホールCH4内の導電層PL1とが電気的に接続されている。これにより、負荷トランジスタLT1のゲート電極層GE1と、負荷トランジスタLT2のドレイン領域と、ドライバトランジスタDT2のドレイン領域と、アクセストランジスタAT2の1対のソース/ドレイン領域の一方とが電気的に接続されている。
【0034】
また導電層CL1により、シェアードコンタクトホールSC2内の導電層PL1とコンタクトホールCH3内の導電層PL1とが電気的に接続されている。これにより、負荷トランジスタLT2のゲート電極層GE2と、負荷トランジスタLT1のドレイン領域と、ドライバトランジスタDT1のドレイン領域と、アクセストランジスタAT1の1対のソース/ドレイン領域の一方とが電気的に接続されている。
【0035】
またコンタクトホールCH1、CH2、CH5〜CH8の各々の内部の導電層PL1も個別に導電層CL1と電気的に接続されている。
【0036】
主に図5を参照して、層間絶縁層II2上には、絶縁層BL2と層間絶縁層II3とが順に積層して形成されている。この絶縁層BL2および層間絶縁層II3には複数のビアホールVH11〜VH18が形成されており、複数のビアホールVH11〜VH18の各々に連通するように層間絶縁層II3の表面に導電層埋め込み用の溝が形成されている。
【0037】
複数のビアホールVH11〜VH18の各々には、導電層PL2が埋め込まれている。また複数の導電層埋め込み用の溝の各々には、複数の導電層(第2メタル層)CL2の各々が埋め込まれている。これら複数の導電層CL2により導電層パターンが形成されている。
【0038】
主に図3を参照して、ビアホールVH13およびコンタクトホールCH5を介してアクセストランジスタAT1の1対のソース/ドレイン領域の他方に電気的に接続される導電層CL2はビット線/BLとして機能する。またビアホールVH14およびコンタクトホールCH6を介してアクセストランジスタAT2の1対のソース/ドレイン領域の他方に電気的に接続される導電層CL2はビット線BLとして機能する。またビアホールVH15およびコンタクトホールCH7を介して負荷トランジスタLT1のソース領域に電気的に接続され、かつビアホールVH16およびコンタクトホールCH8を介して負荷トランジスタLT2のソース領域に電気的に接続される導電層CL2は電源線Vddとして機能する。これらのビット線BL、/BLおよび電源線Vddは、図中縦方向に沿って互いに並走するように延びている。
【0039】
またビアホールVH11、VH12、VH17、VH18の各々の内部の導電層PL2も個別に導電層CL2と電気的に接続されている。
【0040】
主に図5を参照して、層間絶縁層II3上には、絶縁層BL3と層間絶縁層II4とが順に積層して形成されている。この絶縁層BL3および層間絶縁層II4には複数のビアホールVH21〜VH24が形成されており、複数のビアホールVH21〜VH24の各々に連通するように層間絶縁層II4の表面に導電層埋め込み用の溝が形成されている。
【0041】
複数のビアホールVH21〜VH24の各々には、導電層(図示せず)が埋め込まれている。また複数の導電層埋め込み用の溝の各々には、複数の導電層(第3メタル層)CL3の各々が埋め込まれている。これら複数の導電層CL3により導電層パターンが形成されている。
【0042】
主に図4を参照して、ビアホールVH21、ビアホールVH11およびコンタクトホールCH1を介してドライバトランジスタDT1のソース領域に電気的に接続される導電層CL3はGND線として機能する。またビアホールVH22、ビアホールVH12およびコンタクトホールCH2を介してドライバトランジスタDT2のソース領域に電気的に接続される導電層CL3はGND線として機能する。またビアホールVH23、ビアホールVH17およびコンタクトホールCH9を介してアクセストランジスタAT1のゲート電極層GE3に電気的に接続され、かつビアホールVH24、ビアホールVH18およびコンタクトホールCH10を介してアクセストランジスタAT2のゲート電極層GE3に電気的に接続される導電層CL3はワード線WLとして機能する。これらのGND線およびワード線WLは、図中横方向に沿って互いに並走するように延びている。
【0043】
次に、本実施の形態の半導体装置におけるシェアードコンタクトホール付近の構成を詳細に説明する。
【0044】
図6は、本発明の実施の形態1における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。図6を参照して、シェアードコンタクトホールSC1は、負荷トランジスタLT1のゲート電極層GE1と負荷トランジスタLT2のドレイン領域(p型不純物領域)PIRとの双方に達している。また、シェアードコンタクトホールSC2は、負荷トランジスタLT2のゲート電極層GE2と負荷トランジスタLT1のドレイン領域(p型不純物領域)PIRとの双方に達している。
【0045】
ゲート電極層GE1は、平面視において互いに対向する一方側壁E1、E2と他方側壁E3、E4とを有している。平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の一方側壁E2が、ゲート電極層GE1の負荷トランジスタLT1のチャネル形成領域CHN1上に位置する部分の一方側壁E1の仮想延長線E1a上よりも他方側壁E3、E4側にずれて位置している。また平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールが達する部分の線幅D1の中心線(C2−C2線)が、ゲート電極層GE1の上記チャネル形成領域CHN1上に位置する部分の線幅D2の中心線(C1−C1線)に対して他方側壁E4側にずれて位置している。
【0046】
上記の一方側壁E1の仮想延長線E1aに対する一方側壁E2の位置のずれは、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分に切欠を設けることにより生じている。つまり、平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分は、その部分の一方側壁E2が一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して上他方側壁E3側に退行するような切欠を有している。
【0047】
また一方側壁E2は一方側壁E1と実質的に平行である。またゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の他方側壁E4とゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上の部分の他方側壁E3とは実質的に同一直線上に位置している。また平面視において、負荷トランジスタLT2のドレイン領域(p型不純物領域)PIRの端部と一方側壁E2との最短の距離Lは5nm以上であることが好ましい。
【0048】
またゲート電極層GE2もゲート電極層GE1と同様の構成を有している。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
【0049】
図7〜図15は、本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。図7を参照して、半導体基板SBにp型ウエルPW1、PW2、n型ウエルNWが形成される。また半導体基板SBの主表面にトレンチ分離用の溝TRが形成され、その溝TR内に充填物TIが埋め込まれることによりSTIよりなるトレンチ分離構造が形成される。
【0050】
図8を参照して、半導体基板SBの主表面上にゲート絶縁層GIとゲート電極用導電層GEが形成される。このゲート電極用導電層GE上には、たとえばポジ型のフォトレジストPRが塗布される。
【0051】
このフォトレジストPRに、フォトマスクPMのパターンが露光される。このフォトマスクPMは、露光光を透過する基板TSと、その基板TS上に形成された、露光光の透過を遮るための遮光パターン(たとえばクロム膜)LSとを有している。この露光の後、フォトレジストPRが現像される。
【0052】
図9を参照して、上記の現像により、露光光が照射されたフォトレジストPRの領域が除去されて、フォトレジストPRがパターニングされる。このフォトレジストPRのパターンをマスクとして、ゲート電極用導電層GEにエッチングが施される。これにより、ゲート電極用導電層がパターニングされて、ゲート電極層GE1〜GE4などが形成される。この後、フォトレジストPRのパターンがアッシングなどにより除去される。
【0053】
図10を参照して、ゲート電極層GE1〜GE4などをマスクとして不純物をイオン注入などすることにより、半導体基板SBの主表面にソース/ドレイン領域の低濃度領域が形成される。この際、n型不純物とp型不純物とが別々に注入されて、n型の低濃度領域とp型の低濃度領域PIRLとが形成される。
【0054】
図11を参照して、ゲート電極層GE1〜GE4上を覆うようにサイドウォールスペーサ用の絶縁層が形成される。この後、半導体基板SBの主表面が露出するまで全面エッチバックが施されることにより、ゲート電極層GE1〜GE4の各々の側壁にサイドウォールスペーサ用の絶縁層が残存して、サイドウォールスペーサSWが形成される。
【0055】
このサイドウォールスペーサSWとゲート電極層GE1〜GE4などをマスクとして不純物をイオン注入などすることにより、半導体基板SBの主表面にソース/ドレイン領域の高濃度領域が形成される。この際、n型不純物とp型不純物とが別々に注入されて、n型の高濃度領域とp型の高濃度領域PIRHとが形成される。
【0056】
このようにしてn型の低濃度領域と高濃度領域とによりLDD(Lightly Doped Drain)構造を有するn型のソース/ドレイン領域が形成される。またp型の低濃度領域PIRLと高濃度領域PIRHとによりLDD構造を有するp型のソース/ドレイン領域PIRが形成される。
【0057】
図12を参照して、半導体基板SBの主表面全面に高融点金属層が形成され、熱処理が施されることにより、ゲート電極層GE1〜GE4上および半導体基板SBの主表面上にシリサイド層SCLが形成される。この後、シリサイドにならなかった高融点金属層の部分が除去される。
【0058】
図13を参照して、ゲート電極層GE1〜GE4、サイドウォールスペーサSWなどを覆うように半導体基板SBの主表面上にライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1が順に積層して形成される。
【0059】
図14を参照して、ライナー窒化膜LNおよび層間絶縁層II1に、写真製版技術およびエッチング技術を用いてシェアードコンタクトホールSC1、SC2、コンタクトホールCH1〜CH10などが形成される。
【0060】
ここで、シェアードコンタクトホールSC1は、負荷トランジスタLT1のゲート電極層GE1と負荷トランジスタLT2のドレイン領域PIRとの双方に達するように(双方の表面を露出するように)形成される。またシェアードコンタクトホールSC2は、負荷トランジスタLT2のゲート電極層GE2と負荷トランジスタLT1のドレイン領域PIRとの双方に達するように(双方の表面を露出するように)形成される。
【0061】
図15を参照して、シェアードコンタクトホールSC1、SC2、コンタクトホールCH1〜CH10などを埋め込むように、たとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりタングステン(W)よりなる導電層が層間絶縁層II1上に形成される。この後、層間絶縁層II1の表面が露出するまで導電層がエッチバックされる。これにより、シェアードコンタクトホールSC1、SC2、コンタクトホールCH1〜CH10などを埋め込む、コンタクトプラグ層としての導電層PL1が形成される。
【0062】
この後、絶縁層の形成と導電層の形成とが繰り返されて、図5に示す本実施の形態の半導体装置が製造される。
【0063】
次に、図8に示したフォトマスクの構成について説明する。
図16は、本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法に用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す平面図である。また図17は、図16の領域Rを拡大して示す部分拡大平面図である。
【0064】
主に図16を参照して、ポジ型のフォトレジストを露光してゲート電極層をパターニングするためのフォトマスクPMにおいては、ゲート電極のパターンに対応する位置に遮光部LS1、LS2などが位置するように遮光パターンLSが形成される。またポジ型の場合、ゲート電極層のデザイン値に対して遮光部の寸法は若干大きくなるように設定される。このため、ゲート電極層のデザイン値GE1D、GE2Dに対して遮光パターンLSの各遮光部LS1、LS2のサイズは大きく設定される。特に各遮光部LS1、LS2の各々の端部においては露光光の回り込みが多くなるため、遮光部LS1、LS2の端部(第3パターン部分)LS1c、LS2cでは他の部分よりもゲート電極層のデザイン値GE1D、GE2Dに対するパターンサイズの拡大量が大きくなっている。
【0065】
本実施の形態では、遮光部LS1は、少なくとも第1パターン部分LS1aと、第2パターン部分LS1bと、第3パターン部分LS1cとを有している。第1パターン部分LS1aは、負荷トランジスタLT1のチャネル形成領域CHN1上に形成されるゲート電極層GE1の部分に対応している。第3パターン部分LS1cは、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1側の端部の部分に対応している。また第2パターン部分LS1bは、上記第1パターン部分LS1aと第3パターン部分LS1cとに挟まれるゲート電極層GE1の部分に対応しており、かつゲート電極層GE1の切欠が形成された部分に対応している。
【0066】
主に図17を参照して、遮光部LS1は、平面視において互いに対向する一方側壁E11、E12A、E12Bと他方側壁E13、E14A、E14Bとを有している。平面視において、第2パターン部分LS1bの一方側壁E12Aが、第1パターン部分LS1aの一方側壁E11の仮想延長線E11aよりも遮光部LS1の他方側壁側E13、E14A、E14B側にずれて位置している。また平面視において、第2パターン部分LS1bの線幅(2×W12)の中心線(C12−C12線)が、第1パターン部分LS1aの線幅(2×W11)の中心線(C11−C11線)に対して他方側壁E13、E14A、E14B側にずれて位置している。
【0067】
また一方側壁E12Aは第3パターン部LS1cの一方側壁E12Bよりも他方側壁E13、E14A、E14B側に位置している。
【0068】
本実施の形態によれば、図6に示すように、平面視において、ゲート電極層GE1の一方側壁E2が一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して他方側壁E3側に位置している。これにより、シェアードコンタクトホールSC1の形成時に開口不良が生じることを抑制することができる。以下、そのことを説明する。
【0069】
仮に、図18に示すように、ゲート電極層GE1、GE2の各々が直線状に延びており、切欠などを有していない場合を想定する。この場合、シェアードコンタクトホール形成途中における図18のXIX−XIX線に沿う概略断面は図19に示すようになる。図19を参照して、シェアードコンタクトホールは通常、開口端部から深い位置ほど開口径が小さくなるテーパ状の断面形状を有している。このため、シェアードコンタクトホールSC2が層間絶縁層II1を貫通してライナー窒化膜LNに達したとき、シェアードコンタクトホールSC2の底部において露出するライナー窒化膜LNのエッチング面積も小さくなる。
【0070】
またシェアードコンタクトホールSC2の形成のためのエッチング時には、ゲート電極層GE1の側壁に位置するサイドウォールスペーサSWの出っ張りがある。このため、サイドウォールスペーサSWに沿うライナー窒化膜LNの部分の下端部とシェアードコンタクトホールSC2の長辺方向のエッジ部の下端部との距離W1が小さくなる。
【0071】
さらにマスクの重ね合わせ誤差により、図19中において点線で示す位置から実線で示す位置にシェアードコンタクトホールSC2の形成位置がずれた場合には、さらに上記距離W1が小さくなる。
【0072】
このように上記距離W1が小さくなった場合には、マイクロローディング効果により、この距離W1の部分に層間絶縁層II1の残渣が生じる。この状態でライナー窒化膜LNをエッチングした場合、開口不良が生じる。
【0073】
これに対して、本実施の形態においては、図6に示すように、平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分は、その部分の一方側壁E2が一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して他方側壁E3側に退行している。これは、ゲート電極層GE2のシェアードコンタクトホールSC2が達する部分についても同じである。これにより、図20に示すように、サイドウォールスペーサSWに沿うライナー窒化膜LNの部分の下端部とシェアードコンタクトホールSC1の長辺方向のエッジ部の下端部との距離W2を図19に示す場合よりも大きくすることができる。このため、この距離W2の部分に残渣が生じにくくなり、シェアードコンタクトホールSC1形成時の開口不良を抑制することができる。
【0074】
またシェアードコンタクトホールSC2についても、同様に、開口不良が生じることを抑制することができる。
【0075】
(実施の形態2)
図21は、本発明の実施の形態2における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。図21を参照して、本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成と比較して、一方側壁E2が一方側壁E1に対して傾斜して交差する点において異なっている。具体的には、一方側壁E2は、一方側壁E1の仮想延長線E1aに対してチャネル形成領域CHN1から離れるほど他方側壁E4側へ退行するように傾斜しており、一方側壁E2は一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して角度θ1をなして交差している。
【0076】
また平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の線幅D1の中心線(C2−C2線)が、ゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上に位置する部分の線幅D2の中心線(C1−C1線)に対して他方側壁E4側へずれて位置している。また線幅D1の中心線(C2−C2線)は線幅D2の中心線(C1−C1線)に対して傾斜している。
【0077】
上記の一方側壁E1の仮想延長線E1aに対する一方側壁E2の位置のずれは、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分に切欠を設けることにより生じている。つまり、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分は、平面視において、一方側壁E2が一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して他方側壁E3側に退行し、かつ傾斜するような切欠を有している。
【0078】
またゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の他方側壁E4とゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上の部分の他方側壁E3とは実質的に同一直線上に位置している。また平面視において、負荷トランジスタLT2のドレイン領域(p型不純物領域)PIRの端部と一方側壁E2との最短の距離Lは5nm以上であることが好ましい。
【0079】
またゲート電極層GE2もゲート電極層GE1と同様の構成を有している。
これ以外の構成については、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0080】
次に、上記のゲート電極層を形成するためのフォトマスクの構成について説明する。
図22は、本発明の実施の形態2における半導体装置を製造するために用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す部分拡大平面図である。図22を参照して、本実施の形態のフォトマスクの遮光部LS1は、平面視において互いに対向する一方側壁E11、E12A、E12Bと他方側壁E13、E14A、E14Bとを有している。平面視において、第2パターン部分LS1bの一方側壁E12が、第1パターン部分LS1aの一方側壁E11の仮想延長線E11aよりも他方側壁側E13、E14A、E14B側にずれて位置している。また平面視において、第2パターン部分LS1bの線幅(2×W12)の中心線(C12−C12線)が、第1パターン部分LS1aの線幅(2×W11)の中心線(C11−C11線)に対して他方側壁E13、E14A、E14B側にずれて位置している。
【0081】
また一方側壁E12Aよりも遮光部LS1の先端側に位置する第3パターン部LS1cの一方側壁E12Bは、第2パターン部LS1bの一方側壁E12Aよりもさらに他方側壁E13、E14A、E14B側に退行している。
【0082】
これ以外の構成については、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0083】
本実施の形態によれば、図21に示すように、平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分は、その部分の一方側壁E2が一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して他方側壁E3側に退行している。これにより、実施の形態1と同様、シェアードコンタクトホールSC1の形成時に開口不良が生じることを抑制することができる。
【0084】
またシェアードコンタクトホールSC2についても、同様に、開口不良が生じることを抑制することができる。
【0085】
(実施の形態3)
上述の実施の形態1および2においては、ゲート電極層GE1(またはGE2)のシェアードコンタクトホールSC1(またはSC2)が達する部分の他方側壁E4が、ゲート電極層GE1(またはGE2)のチャネル形成領域CHN1(またはCHN2)上に位置する部分の他方側壁E3と同一直線上にある場合について説明した。しかし、本発明は、他方側壁E4が他方側壁E3と異なる直線上にある場合にも適用することができる。そこで、他方側壁E4が他方側壁E3と異なる直線上にある場合について実施の形態3および4にて説明する。
【0086】
図23は、本発明の実施の形態3における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。図23を参照して、本実施の形態の構成は、実施の形態1の構成と比較して、他方側壁E4が他方側壁E3と異なる直線上にある点において異なる。
【0087】
本実施の形態では、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の他方側壁E4は、ゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上の部分の他方側壁E3に対して実質的に平行に延び、かつその他方側壁E3に対して一方側壁E2側とは反対側にずれて位置している。またゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の線幅D1は、ゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上の部分の線幅D2と同じであってもよく、また異なっていてもよい。
【0088】
またゲート電極層GE2もゲート電極層GE1と同様の構成を有している。
これ以外の構成については、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0089】
次に、上記のゲート電極層を形成するためのフォトマスクの構成について説明する。
図24は、本発明の実施の形態3における半導体装置を製造するために用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す部分拡大平面図である。図24を参照して、本実施の形態のフォトマスクの遮光部LS1は、平面視において互いに対向する一方側壁E11、E12と他方側壁E13とを有している。平面視において、第2パターン部分LS1bの一方側壁E12が、第1パターン部分LS1aの一方側壁E11の仮想延長線E11aよりも遮光部LS1の他方側壁側E13側にずれて位置している。また平面視において、第2パターン部分LS1bの線幅(2×W12)の中心線(C12−C12線)が、第1パターン部分LS1aの線幅(2×W11)の中心線(C11−C11線)に対して他方側壁E13側にずれて位置している。
【0090】
また第2パターン部LS1bの一方側壁E12Aは、その一方側壁E12Aよりも遮光部LS1の先端側に位置する第3パターン部LS1cの一方側壁E12Bに対しても他方側壁E14A、14B側に退行している。
【0091】
また他方側壁E14Aは他方側壁E13よりも一方側壁E12Aとは反対側にずれて位置している。また他方側壁E14Bは他方側壁E14Aよりも一方側壁E12A、12Bとは反対側にずれて位置している。
【0092】
これ以外の構成については、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0093】
本実施の形態によれば、図23に示すように、平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分は、その部分の一方側壁E2が一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して他方側壁E3側に退行している。これにより、実施の形態1と同様、シェアードコンタクトホールSC1の形成時に開口不良が生じることを抑制することができる。
【0094】
またシェアードコンタクトホールSC2についても、同様に、開口不良が生じることを抑制することができる。
【0095】
(実施の形態4)
図25は、本発明の実施の形態4における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。図25を参照して、本実施の形態の構成は、実施の形態2の構成と比較して、他方側壁E4が他方側壁E3と異なる直線上にある点、および一方側壁E2および他方側壁E4の各々が、一方側壁E1および他方側壁E3各々に対して傾斜している点において異なる。
【0096】
本実施の形態では、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の一方側壁E2は、ゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上の部分の一方側壁E1に対してチャネル形成領域CHN1から離れるほど他方側壁E4側へ退行するように傾斜している。
【0097】
またゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の他方側壁E4は、ゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上の部分の他方側壁E3に対してチャネル形成領域CHN1から離れるほど一方側壁E2側とは反対側へ退行するように傾斜している。またゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分の線幅D1は、ゲート電極層GE1のチャネル形成領域CHN1上の部分の線幅D2と同じであってもよく、また異なっていてもよい。
【0098】
またゲート電極層GE2もゲート電極層GE1と同様の構成を有している。
これ以外の構成については、実施の形態2の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0099】
次に、上記のゲート電極層を形成するためのフォトマスクの構成について説明する。
図26は、本発明の実施の形態4における半導体装置を製造するために用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す部分拡大平面図である。図26を参照して、本実施の形態のフォトマスクの遮光部LS1は、平面視において互いに対向する一方側壁E11、E12と他方側壁E13とを有している。平面視において、第2パターン部分LS1bの一方側壁E12が、第1パターン部分LS1aの一方側壁E11の仮想延長線E11aよりも遮光部LS1の他方側壁側E13側にずれて位置している。また平面視において、第2パターン部分LS1bの線幅(2×W12)の中心線(C12−C12線)が、第1パターン部分LS1aの線幅(2×W11)の中心線(C11−C11線)に対して他方側壁E13側にずれて位置している。
【0100】
また一方側壁E12Aよりも遮光部LS1の先端側に位置する第3パターン部LS1cの一方側壁E12Bは、第2パターン部LS1bの一方側壁E12Aよりもさらに他方側壁E13側に退行している。
【0101】
また他方側壁E14Aは他方側壁E13よりも一方側壁E12A側とは反対側にずれて位置している。また他方側壁E14Cは他方側壁E14Aよりも一方側壁E12A側とは反対側にずれて位置している。また他方側壁E14Bは他方側壁E14Cよりも一方側壁E12A側とは反対側にずれて位置している。
【0102】
これ以外の構成については、実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0103】
本実施の形態によれば、図25に示すように、平面視において、ゲート電極層GE1のシェアードコンタクトホールSC1が達する部分は、その部分の一方側壁E2が一方側壁E1の仮想延長線E1aに対して他方側壁E3側に退行している。これにより、実施の形態1と同様、シェアードコンタクトホールSC1の形成時に開口不良が生じることを抑制することができる。
【0104】
またシェアードコンタクトホールSC2についても、同様に、開口不良が生じることを抑制することができる。
【0105】
本実施の形態においては、シェアードコンタクトホールが一方の負荷トランジスタのゲート電極層と他方の負荷トランジスタのドレイン領域とに達する構造について説明したが、シェアードコンタクトホールは他のトランジスタのゲート電極層と他の不純物領域とに達するものであってもよい。
【0106】
またシェアードコンタクトホールを有するデバイスとしてSRAMについて説明したが、本発明はシェアードコンタクトホールを有するものであればSRAM以外にも適用可能である。
【0107】
またSRAMを構成する各トランジスタがMOSトランジスタである場合について説明したが、本発明はMOSトランジスタに限定されず絶縁ゲート型電界効果トランジスタに適用することができる。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、ゲート電極層と不純物領域との双方に達するシェアードコンタクトホールを有する半導体装置およびそのゲート電極層のパターニングに用いられるフォトマスクに特に有利に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】SRAMのメモリセルの等価回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1における半導体装置の平面レイアウト構成を下から第1層目を示す概略平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1における半導体装置の平面レイアウト構成を下から第2層目を示す概略平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における半導体装置の平面レイアウト構成を下から第3層目を示す概略平面図である。
【図5】図2〜図4のV−V線に沿う概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第1工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第2工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第3工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第4工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第5工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第6工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第7工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図14】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第8工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図15】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法の第9工程を示す概略断面図であり、図5の断面に対応する断面で示す図である。
【図16】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造方法に用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す平面図である。
【図17】図16の領域Rを拡大して示す部分拡大平面図である。
【図18】仮に、ゲート電極層が直線状に延びており、切欠などを有していない場合の構成を示す概略平面図である。
【図19】図18の構造の製造時において開口不良が生じることを説明するための概略断面図である。
【図20】本発明の実施の形態1における半導体装置の製造時において開口不良の発生を抑制できることを説明するための概略断面図である。
【図21】本発明の実施の形態2における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。
【図22】本発明の実施の形態2における半導体装置を製造するために用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す部分拡大平面図である。
【図23】本発明の実施の形態3における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。
【図24】本発明の実施の形態3における半導体装置を製造するために用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す部分拡大平面図である。
【図25】本発明の実施の形態4における半導体装置のシェアードコンタクトホール付近を拡大して示す概略平面図である。
【図26】本発明の実施の形態4における半導体装置を製造するために用いられるフォトマスクの構成を概略的に示す部分拡大平面図である。
【符号の説明】
【0111】
AT1,AT2 アクセストランジスタ、BL,/BL ビット線、BL1〜BL3 絶縁層、CH1〜CH10 コンタクトホール、CHN1,CHN2 チャネル形成領域、CL1〜CL3 導電層、DT1,DT2 ドライバトランジスタ、GE ゲート電極用導電層、GE1〜GE4 ゲート電極層、GI ゲート絶縁層、II1〜II4 層間絶縁層、LN ライナー窒化膜、LS 遮光パターン、LS1 遮光部、LS1a〜LS1c パターン部分、LT1,LT2 負荷トランジスタ、MC メモリセル領域、N1,N2 記憶ノード、NIR n型不純物領域、NIRH n型高濃度領域、NIRL n型低濃度領域、NW n型ウエル領域、PIR p型不純物領域、PL1,PL2 導電層、PM フォトマスク、PR フォトレジスト、PW1,PW2 p型ウエル領域、SB 半導体基板、SC1,SC2 シェアードコンタクトホール、SCL シリサイド層、SW サイドウォールスペーサ、TI 充填物、TS 基板、VH11〜VH18,VH21〜VH24 ビアホール、WL ワード線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主表面を有する半導体基板と、
前記主表面に形成された不純物領域と、
前記半導体基板に形成された絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記不純物領域および前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタの上に形成された絶縁層とを備え、
前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、前記主表面に形成された1対のソース/ドレイン領域と、前記1対のソース/ドレイン領域に挟まれるチャネル形成領域の上にゲート絶縁層を介して形成されたゲート電極層とを含み、
前記絶縁層は、前記ゲート電極層と前記不純物領域との双方に達するシェアードコンタクトホールを有しており、
前記ゲート電極層は、平面視において互いに対向する一方側壁と他方側壁とを有しており、
平面視において、前記ゲート電極層の前記シェアードコンタクトホールが達する部分の前記一方側壁が、前記ゲート電極層の前記チャネル形成領域上に位置する部分の前記一方側壁の仮想延長線よりも前記他方側壁側にずれて位置しており、かつ
平面視において、前記ゲート電極層の前記シェアードコンタクトホールが達する部分の線幅の中心線が、前記ゲート電極層の前記チャネル形成領域上に位置する部分の線幅の中心線に対してずれて位置している、半導体装置。
【請求項2】
前記シェアードコンタクトホールが達する部分の前記ゲート電極層の前記他方側壁は、前記チャネル形成領域上の前記ゲート電極層の前記他方側壁とは同一直線上に位置している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記シェアードコンタクトホールが達する部分の前記ゲート電極層の前記他方側壁は、前記チャネル形成領域上の前記ゲート電極層の前記他方側壁とは異なる直線上に位置している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
平面視において、前記シェアードコンタクトホールが達する部分の前記ゲート電極層の前記一方側壁は、前記チャネル形成領域上の前記ゲート電極層の前記一方側壁に対して平行である、請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項5】
平面視において、前記シェアードコンタクトホールが達する部分の前記ゲート電極層の前記一方側壁は、前記チャネル形成領域上の前記ゲート電極層の前記一方側壁に対して傾斜している、請求項2または3に記載の半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において前記ゲート電極層のパターニングに用いられるフォトマスクであって、
露光光を透過する基板と、
前記基板上に形成された、前記露光光の透過を遮る遮光膜パターンとを備え、
前記遮光膜パターンは、前記チャネル領域上に形成される前記ゲート電極層の部分に対応する第1パターン部分と、前記第1パターン部分よりも前記シェアードコンタクトホール側に位置する第2パターン部分とを有し、
前記遮光膜パターンは、平面視において互いに対向する一方側壁と他方側壁とを有しており、
平面視において、前記第2パターン部分の前記一方側壁が、前記第1パターン部分の前記一方側壁の仮想延長線よりも前記遮光膜パターンの前記他方側壁側にずれて位置しており、かつ
平面視において、前記第2パターン部分の線幅の中心線が、前記第1パターン部分の線幅の中心線に対してずれて位置している、フォトマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−164211(P2009−164211A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339965(P2007−339965)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】