説明

半導体装置の製造方法及び半導体装置

【課題】 誘電体膜の段差被覆性がよく、かつ誘電体物質の廃棄量を少なくする。
【解決手段】 下地膜8上に、パターニングされた下部電極11を形成する工程と、インクジェット方式の塗布機構を用いて、下部電極11上に誘電体物質を塗布する工程と、塗布された誘電体物質を加熱することにより、下部電極11上に誘電体膜12を形成する工程と、誘電体膜12上に上部電極を形成する工程とを具備する。上部電極を形成する工程は、下地膜8上及び誘電体膜12上に層間絶縁膜を形成する工程と、層間絶縁膜に、誘電体膜上に位置する開口部を形成する工程と、開口部の中及び層間絶縁膜上に導電体を堆積する工程と、層間絶縁膜上から導電体を除去することにより上部電極を形成する工程とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体膜を有する容量素子を具備する半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。特に本発明は、誘電体膜の段差被覆性がよく、かつ誘電体物質の廃棄量を少なくすることができる半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ中に形成される容量素子には、上部電極及び下部電極の間に誘電体膜を挟んだ構造を有するものがある。この容量素子を形成するためには、下部電極上に誘電体膜を成膜する必要がある。誘電体膜の成膜方法には、スピンコート法、誘電体物質をミスト化して成膜する方法などがある。
【0003】
スピンコート法の場合、誘電体膜は以下のようにして形成される。まず、誘電体物質を含む有機溶液を下地膜上全面に塗布し、回転による遠心力を用いて不要な有機溶液を除去する。次いで、300℃以下の温度によってソフトベークし、更に高温で焼結して結晶化させることにより、誘電体膜を形成する。スピンコート法においては、塗布する溶液の粘度、及び不要な有機溶液を除去するときの回転数により、成膜される誘電体膜の膜厚を調節することが可能である。しかし、成膜される誘電体膜の段差被覆性は、いずれのパラメータにもほとんど影響されない(例えば特許文献1参照)。
【0004】
誘電体物質をミスト化して成膜する方法は、例えば以下のようにして行われる。まず、誘電体物質を含む有機溶液と希釈用の揮発性溶液を混合する。そして、シリコン基板等を設置したチャンバー内を減圧した上で、有機溶液と揮発性溶液の混合液を、ミスト化してチャンバー内に噴出させる。これにより、シリコン基板上全面には誘電体物質が堆積し、薄膜が形成される。この方法で成膜される誘電体膜は、スピンコート法により成膜される誘電体膜と比べて段差被覆性がよい。なお、チャンバー内に噴出されたがシリコン基板上に堆積しなかった誘電体物質は、チャンバー外部に排気される(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−265203号公報(第3〜4段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
誘電体物質には鉛等の有害物質を含む場合があるため、なるべく誘電体物質が廃棄されない方法で誘電体膜を成膜するのが望ましい。また、誘電体膜には段差被覆性が求められる場合がある。
このような要求に対し、上述した誘電体膜の形成方法には、以下の課題がある。
【0006】
まず、スピンコート法により成膜される誘電体膜は、段差被覆性がそれほどよくない。このため、下地膜に大きな段差がある場合には、場所によって誘電体膜の膜厚に差が生じてしまう。また遠心力により除去された大量の有機溶液を廃棄する必要がある。
【0007】
また、誘電体物質をミスト化して成膜する方法により成膜される誘電体膜は、段差被覆性が、ミスト化した溶液の粘度に影響される。しかし、誘電体物質を含む有機溶液と希釈用の揮発性溶液に粘度差があるため、これらの混合比が段差被覆性に大きな影響を与える。そして、これらの混合比の調整が難しいため、所望の段差被覆性を得られない場合がある。さらに、成膜後に残った混合液は粘度が変化しているため再利用できず、廃棄せざるを得ない。
【0008】
また上述したいずれの方法も、全面に誘電体膜を成膜するものであり、成膜された誘電体膜をエッチングしてパターニングする必要がある。このため、誘電体物質に、エッチングによる廃棄損が生じる。
【0009】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、成膜時に廃棄される誘電体物質の量が少なく、かつ成膜された誘電体膜の段差被覆性がよい半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明にかかる、半導体装置の製造方法は、
下地膜上に下部電極を形成する工程と、
インクジェット方式の塗布機構を用いて、前記下部電極上に誘電体物質を塗布する工程と、
塗布された前記誘電体物質を加熱することにより、前記下部電極上に誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜上に上部電極を形成する工程と
を具備する。
【0011】
この半導体装置の製造方法によれば、誘電体物質(誘電体物質を含有する溶液を含む)は、インクジェット式の塗布機構を用いて下部電極上に塗布されている。このため、誘電体膜をエッチングによりパターニングする必要がない。また塗布時に廃棄される誘電体物質の量を、極めて少なくすることができる。
また下部電極の上面から誘電体物質を塗布しているため、誘電体膜の段差被覆性を高くすることができる。
【0012】
上部電極を形成する工程は、下地膜上及び誘電体膜上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、第1の層間絶縁膜に、誘電体膜上に位置する開口部を形成する工程と、開口部の中及び第1の層間絶縁膜上に導電体を堆積する工程と、第1の層間絶縁膜上から導電体を除去することにより上部電極を形成する工程とを具備していてもよい。
【0013】
この場合、第1の層間絶縁膜上から導電体を除去する工程は、導電体をエッチバックする工程又はCMPにより、導電体を研磨除去する工程であってもよい。
また、上部電極を形成する工程の後に、第1の層間絶縁膜上及び上部電極上に第2の層間絶縁膜を形成する工程と、第2の層間絶縁膜に、上部電極上に位置する接続孔を形成する工程と、接続孔の中及び第2の層間絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、導電膜をパターニングすることにより、上部電極に接続する配線を形成する工程とを更に具備していてもよい。
また、上部電極を形成する工程において、上部電極を、平面形状において誘電体膜より小さくし、平面配置において該誘電体膜の内側に位置させてもよい。
【0014】
なお誘電体膜は、例えばTa25、Nb25、ZrO2、又はMgPbNbOからなる。
【0015】
本発明に係る半導体装置は、
下地膜上に形成された下部電極と、
前記下部電極上に位置し、インクジェット式の塗布機構を用いて塗布された誘電体物質を加熱することにより形成された誘電体膜と、
前記誘電体膜上に形成された上部電極と
を具備する。
【0016】
本発明に係るインクジェット式の塗布機構は、
半導体基板を載置するステージと、
誘電体物質が溶解した溶液を前記半導体基板に吐出するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドと前記ステージの相対位置を変化させる移動機構と
を具備し、
前記ノズルヘッドは、
前記溶液を収容する圧力発生室と、
前記圧力発生室の壁に設けられ、前記圧力発生室の体積を変動させるピエゾ素子と、
前記圧力発生室の壁に設けられ、該圧力発生室の体積変動に従って、前記溶液を外部に吐出するノズル孔と
を有する。
【0017】
本発明に係る他のインクジェット式の塗布機構は、
半導体基板を載置するステージと、
誘電体物質が溶解した溶液を前記半導体基板に吐出するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドと前記ステージの相対位置を変化させる移動機構と、
を具備し、
前記ノズルヘッドは、
前記溶液を収容する圧力発生室と、
前記圧力発生室の壁に設けられ、前記溶液の一部分を気化させて体積膨張させるヒータと、
前記圧力発生室の壁に設けられ、前記溶液の体積膨張に従って、前記溶液を外部に吐出するノズル孔と
を有する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1及び図2それぞれの各図は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図であり、図3は、図2(B)の状態における半導体装置の平面概略図である。本実施例は、誘電体膜を含む容量素子を有する半導体装置を形成する方法であるが、誘電体膜はインクジェット方式の塗布機構を用いて形成される。
【0019】
まず、図1(A)に示すように、シリコン基板1に素子分離膜2を形成する。素子分離膜2は、例えばLOCOS法により形成されるが、トレンチアイソレーション法により、シリコン基板1に埋め込まれた状態に形成されてもよい。
次いで、シリコン基板1を熱酸化することにより、素子分離膜2の相互間である素子領域にゲート酸化膜3を形成する。次いで、ゲート酸化膜3を含む全面上にポリシリコン膜を堆積し、このポリシリコン膜をパターニングすることにより、ゲート電極4を形成する。次いで、ゲート電極4をマスクとして不純物イオンをシリコン基板1に注入する。これにより、シリコン基板1には低濃度不純物領域6a,6bが形成される。
【0020】
次いで、ゲート電極4上を含む全面上に酸化シリコン膜を形成し、この酸化シリコン膜をエッチバックする。これにより、ゲート電極4の側壁にはサイドウォール5が形成される。次いで、ゲート電極4及びサイドウォール5をマスクとして、不純物イオンをシリコン基板1に注入する。これにより、シリコン基板1には、ソースとなる不純物領域7b及びドレインとなる不純物領域7aが形成される。
【0021】
次いで、素子領域上を含む全面上に第1の層間絶縁膜8を形成する。次いで、第1の層間絶縁膜8上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布する。次いで、このフォトレジスト膜を露光及び現像することにより、第1の層間絶縁膜8上にレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして第1の層間絶縁膜8をエッチングする。これにより、ゲート電極4上に位置するコンタクトホール(図示せず)、不純物領域7a上に位置するコンタクトホール8a、及び不純物領域7b上に位置するコンタクトホール(図示せず)が形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0022】
次いで、図1(B)に示すように、第1の層間絶縁膜8上及びコンタクトホール内にバリア膜9を堆積し、更にバリア膜9の上にタングステン(W)膜を堆積する。次いで第1の層間絶縁膜8上からバリア膜9及びタングステン膜を除去する。これにより、コンタクトホール8a内にバリア膜9及びWプラグ10が埋め込まれる。このとき、他の図示しないコンタクトホール内にもバリア膜及びWプラグが埋め込まれる。
【0023】
次いで、Wプラグ10上及び第1の層間絶縁膜8上に、Pt膜を含む積層膜を形成する。次いで、この積層膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することにより、積層膜上にレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして積層膜をエッチングする。これにより、Wプラグ10上には容量素子の下部電極11が形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0024】
次いで図1(C)に示すように、下部電極11上に、誘電体物質を含む有機溶液を、インクジェット式の塗布機構を用いて塗布する。この塗布機構は、ステージ(図示せず)に載置したシリコン基板1に対し、ノズルヘッド100から、誘電体物質が溶解した有機溶液の液滴を吐出するものである。シリコン基板1を載置するステージ及びノズルヘッド100それぞれは、移動機構(図示せず)によって、シリコン基板1と平行な面内を縦横に移動することができる。このため、下部電極11上のみに有機溶液を塗布することができる。なお有機溶液に含まれる誘電体物質は、例えばTa25、Nb25、ZrO2、又はMgPbNbOであるが、これら以外であってもよい。
【0025】
次いで、下部電極11上に塗布した有機溶液を、300〜800℃の温度で10分〜2時間程度加熱処理する。これにより、有機溶液が蒸発すると共に、有機溶液に含まれる誘電体物質が結晶化し、この誘電体物質からなる誘電体膜12が形成される。なお、本実施形態において誘電体膜12は、下部電極11の周縁部には形成されない。
【0026】
次いで、図2(A)に示すように、第1の層間絶縁膜8上、下部電極11上及び誘電体膜12上に、第2の層間絶縁膜13を形成する。次いで、第2の層間絶縁膜13上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布する。次いで、このフォトレジスト膜を露光及び現像することにより、第2の層間絶縁膜13上にレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして、第2の層間絶縁膜13をエッチングする。これにより、第2の層間絶縁膜13には、誘電体膜12上に位置する開口部13aが形成される。開口部13aの底面では、誘電体膜12が、周縁部を除いて露出している。その後、レジストパターンを除去する。
【0027】
次いで、開口部13aの中及び第2の層間絶縁膜13上に、Pt膜を含む積層膜14aを堆積する。
次いで、図2(B)に示すように、積層膜14aをエッチバックする。これにより、積層膜14aが第2の層間絶縁膜13上から除去され、開口部13a内に、誘電体膜12上に位置する上部電極14が埋め込まれる。
なお、図2(B)及び図3に示すように、上部電極14は、平面形状が、誘電体膜12より小さく、また平面配置において、誘電体膜12の内側に位置する。
【0028】
次いで、図2(C)に示すように、上部電極14上及び第2の層間絶縁膜13上に第3の層間絶縁膜15を形成する。次いで、第3の層間絶縁膜15上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布する。次いでこのフォトレジスト膜を露光及び現像することにより、第3の層間絶縁膜15上にレジストパターンを形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとして第3の層間絶縁膜15をエッチングする。これにより、第3の層間絶縁膜15には、上部電極14上に位置するビアホール15aが形成される。その後、レジストパターンを除去する。
【0029】
次いで、ビアホール15a内及び第3の層間絶縁膜15上にバリア膜を形成し、さらにその上にAl合金膜を形成する。次いで、Al合金膜上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとしてAl合金膜及びその下層であるバリア膜をエッチングする。これにより、第3の層間絶縁膜15上には、バリア層16及び配線17が形成される。バリア層16及び配線17は、一部がビアホール15aに埋め込まれることにより、上部電極14に接続している。
その後、レジストパターンを除去する。
【0030】
図4は、図1(C)に示されたノズルヘッド100の断面概略図である。ノズルヘッド100の内部には、圧力発生室102が設けられている。圧力発生室102は、底面に、有機溶液を吐出するためのノズル孔102aが設けられており、また上面に、圧力発生室102に有機溶液を供給するための溶液供給路102bが設けられている。
【0031】
圧力発生室102の側壁面にはピエゾ素子104が設けられている。このピエゾ素子104は、塗布機構の制御部(図示せず)から信号電圧が入力されると、この信号電圧に従って周期的に伸縮し、圧力発生室102の容積を周期的に変動させる。この容積の変動によって有機溶液は、ノズル孔102aから液滴110として吐出され、また新たな有機溶液が、溶液供給路102bを介して圧力発生室102に供給される。吐出された液滴110は下部電極上に付着し、その後加熱されることにより誘電体膜となる。
またノズルヘッド100は、図示しない駆動機構により、シリコン基板1と平行な面内を縦横に移動することができる。
【0032】
このため、ノズルヘッド100の位置、及びピエゾ素子104に入力する信号電圧の周波数及び振幅を制御することにより、インクジェット式の塗布機構は、所望の位置に所望の量ほど、誘電体物質を含む有機溶液を塗布することができる。
【0033】
なお圧力発生室102の側壁面には、ピエゾ素子104の代わりにヒータが設けられていてもよい。この場合、塗布機構の制御部(図示せず)からヒータに信号電圧が入力されると、ヒータの周囲に位置する有機溶液が気化し、膨張する。これにより有機溶液は、ノズル孔102aから液滴110として吐出される。そして、気化した有機溶液は、周囲の有機溶液により冷却されて液化し、収縮する。これにより新たな有機溶液が溶液供給路102bを介して圧力発生室102に供給される。
【0034】
以上、本発明の第1の実施形態によれば、インクジェット式の塗布機構を用いて、下部電極11のみに誘電体物質を含む有機溶液を塗布することにより、誘電体膜のパターニングを不要にしている。また、塗布するに際し、廃棄される有機溶液の量も極めて少なくなる。このように、誘電体物質の廃棄量を極めて少なくすることで、製造コストを下げることができる。また、誘電体物質に有害物質が含まれる場合でも、これら有害物質の排出量を極めて少なくすることができる。
【0035】
また、下部電極11の上から誘電体物質を含む有機溶液を直接塗布している。このため、下部電極11の表面に、表面積を増やすための凹凸が形成されている場合、下部電極11に対する誘電体膜12の段差被覆性を高くすることができる。
なお本実施形態で形成される半導体装置は、例えば電子機器のドライバが有するロジック回路を構成するが、SRAMの一部を構成してもよい。
【0036】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。本実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
まず、図5(A)に示すように、シリコン基板1に素子分離膜2を形成し、さらに、ゲート酸化膜3、ゲート電極4、サイドウォール5、低濃度不純物領域6a,6b、不純物領域7a,7b、第1の層間絶縁膜8、コンタクトホール8a、バリア膜9、Wプラグ10、及び下部電極11を形成する。これらの形成方法は、第1の実施形態と同一である。
【0037】
次いで、インクジェット式の塗布機構を用いて、誘電体物質を含む有機溶液を下部電極11上に塗布する。次いで、塗布した有機溶液を加熱することにより誘電体物質を結晶化させ、誘電体膜12を形成する。この工程の詳細も第1の実施形態と同一である。
【0038】
次いで、誘電体膜12上、下部電極11上及び第1の層間絶縁膜8上に第2の層間絶縁膜13を形成する。次いで第2の層間絶縁膜13の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨し、平坦化する。次いで第2の層間絶縁膜13上に、誘電体膜12上に位置する開口部13aを形成する。開口部13aの形成方法は第1の実施形態と同一である。
【0039】
次いで、開口部13a内及び第2の層間絶縁膜13上に積層膜14aを堆積する。
次いで、図5(B)に示すように、積層膜14aを、CMP法を用いて第2の層間絶縁膜13上から研磨除去する。これにより、誘電体膜12上には上部電極14が形成される。
【0040】
次いで、図5(C)に示すように、第3の層間絶縁膜15、ビアホール15a、バリア層16及び配線17を形成する。これらの形成方法も第1の実施形態と同一である。
この第2の実施形態においても、インクジェット式の塗布機構を用いて誘電体膜12を形成しているため、第1の実施形態と同一の作用及び効果を得ることができる。
【0041】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(A)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【図2】(A)は図1(C)の次の工程を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【図3】図2(B)の状態における半導体装置の平面概略図。
【図4】図1(C)に示されたノズルヘッド100の断面概略図。
【図5】(A)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図、(B)は(A)の次の工程を説明するための断面図、(C)は(B)の次の工程を説明するための断面図。
【符号の説明】
【0043】
1…シリコン基板、2…素子分離膜、3…ゲート酸化膜、4…ゲート電極、5…サイドウォール、6a,6b…低濃度不純物領域、7a,7b…不純物領域、8…第1の層間絶縁膜、8a…コンタクトホール、9…バリア膜、10…Wプラグ、11…下部電極、12…誘電体膜、13…第2の層間絶縁膜、13a…開口部、14…上部電極、14a…積層膜、15…第3の層間絶縁膜、15a…ビアホール、16…バリア層、17…配線、100…ノズルヘッド、102…圧力発生室、102a…ノズル孔、102b…溶液供給路、104…ピエゾ素子、110…液滴


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地膜上に下部電極を形成する工程と、
インクジェット方式の塗布機構を用いて、前記下部電極上に誘電体物質を塗布する工程と、
塗布された前記誘電体物質を加熱することにより、前記下部電極上に誘電体膜を形成する工程と、
前記誘電体膜上に上部電極を形成する工程と
を具備する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記上部電極を形成する工程は、
前記下地膜上及び前記誘電体膜上に第1の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の層間絶縁膜に、前記誘電体膜上に位置する開口部を形成する工程と、
前記開口部の中及び前記第1の層間絶縁膜上に導電体を堆積する工程と、
前記第1の層間絶縁膜上から前記導電体を除去することにより、上部電極を形成する工程と
を具備する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の層間絶縁膜上から前記導電体を除去する工程は、前記導電体を、エッチバックする工程又はCMPにより前記導電体を研磨除去する工程である請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記上部電極を形成する工程の後に、
前記第1の層間絶縁膜上及び前記上部電極上に、第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の層間絶縁膜に、前記上部電極上に位置する接続孔を形成する工程と、
前記接続孔の中及び前記第2の層間絶縁膜上に、導電膜を形成する工程と、
前記導電膜をパターニングすることにより、前記上部電極に接続する配線を形成する工程と
を更に具備する請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記上部電極を形成する工程において、前記上部電極を、平面形状において前記誘電体膜より小さくし、平面配置において該誘電体膜の内側に位置させる、請求項2又は3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記誘電体膜はTa25、Nb25、ZrO2、又はMgPbNbOからなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
下地膜上に形成された下部電極と、
前記下部電極上に位置し、インクジェット式の塗布機構を用いて塗布された誘電体物質を加熱することにより形成された誘電体膜と、
前記誘電体膜上に形成された上部電極と
を具備する半導体装置。
【請求項8】
半導体基板を載置するステージと、
誘電体物質が溶解した溶液を前記半導体基板に吐出するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドと前記ステージの相対位置を変化させる移動機構と
を具備し、
前記ノズルヘッドは、
前記溶液を収容する圧力発生室と、
前記圧力発生室の壁に設けられ、前記圧力発生室の体積を変動させるピエゾ素子と、
前記圧力発生室の壁に設けられ、該圧力発生室の体積変動に従って、前記溶液を外部に吐出するノズル孔と
を有するインクジェット式の塗布機構。
【請求項9】
半導体基板を載置するステージと、
誘電体物質が溶解した溶液を前記半導体基板に吐出するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドと前記ステージの相対位置を変化させる移動機構と、
を具備し、
前記ノズルヘッドは、
前記溶液を収容する圧力発生室と、
前記圧力発生室の壁に設けられ、前記溶液の一部分を気化させて体積膨張させるヒータと、
前記圧力発生室の壁に設けられ、前記溶液の体積膨張に従って、前記溶液を外部に吐出するノズル孔と
を有するインクジェット式の塗布機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−12894(P2006−12894A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183659(P2004−183659)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】