説明

半導体装置

【課題】電力が供給されない状況でも記憶内容の長時間にわたる保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い、新たな構造の半導体装置を提供することを目的の一とする。
【解決手段】第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を含む複数のメモリセルと、増幅回路と、スイッチ素子と、を含む読み出し回路と、リフレッシュ制御回路と、を有し、第1のチャネル形成領域と第2のチャネル形成領域は、異なる材料を主成分として構成され、第1のゲート電極と、第2のソース電極および第2のドレイン電極の一方は電気的に接続され、第2のソース電極および第2のドレイン電極の他方と、増幅回路の入力端子の一は電気的に接続され、増幅回路の出力端子は、スイッチ素子を介して第2のソース電極および第2のドレイン電極の他方と接続され、スイッチ素子の導通状態または非導通状態は、リフレッシュ制御回路によって制御される半導体装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する発明は、半導体素子を利用した半導体装置およびその作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を利用した記憶装置は、電力の供給がなくなると記憶内容が失われる揮発性のものと、電力の供給がなくなっても記憶内容は保持される不揮発性のものとに大別される。
【0003】
揮発性記憶装置の代表的な例としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)がある。DRAMは、記憶素子を構成するトランジスタを選択してキャパシタに電荷を蓄積することで、情報を記憶する。
【0004】
上述の原理から、DRAMでは、情報を読み出すとキャパシタの電荷は失われるため、情報の読み出しの度に、再度の書き込み動作が必要となる。また、記憶素子を構成するトランジスタにはオフ状態でのソースとドレイン間のリーク電流(オフ電流)等によって、トランジスタが選択されていない状況でも電荷が流出、または流入するため、データの保持期間が短い。このため、短い周期で再度の書き込み動作(リフレッシュ動作)が必要であり、消費電力を十分に低減することは困難である。また、電力の供給がなくなると記憶内容が失われるため、長期間の記憶の保持には、磁性材料や光学材料を利用した別の記憶装置が必要となる。
【0005】
揮発性記憶装置の別の例としてはSRAM(Static Random Access Memory)がある。SRAMは、フリップフロップなどの回路を用いて記憶内容を保持するため、リフレッシュ動作が不要であり、この点においてはDRAMより有利である。しかし、フリップフロップなどの回路を用いているため、記憶容量あたりの単価が高くなるという問題がある。また、電力の供給がなくなると記憶内容が失われるという点については、DRAMと変わるところはない。
【0006】
不揮発性記憶装置の代表例としては、フラッシュメモリがある。フラッシュメモリは、トランジスタのゲート電極とチャネル形成領域との間にフローティングゲートを有し、当該フローティングゲートに電荷を保持させることで記憶を行うため、データの保持期間は極めて長く(半永久的)、揮発性記憶装置で必要なリフレッシュ動作が不要であるという利点を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかし、書き込みの際に生じるトンネル電流によって記憶素子を構成するゲート絶縁層が劣化するため、書き込みを何度も繰り返すことで、記憶素子が機能しなくなるという問題が生じる。この問題を緩和するために、例えば、各記憶素子の書き込み回数を均一化する手法が採られるが、これを実現するためには、複雑な周辺回路が必要になってしまう。そして、このような手法を採用しても、根本的な寿命の問題が解消するわけではない。つまり、フラッシュメモリは、情報の書き換え頻度が高い用途には不向きである。
【0008】
また、フローティングゲートに電荷を注入し、または、その電荷を除去するためには、高い電圧が必要である。また、そのための回路も必要である。さらに、電荷の注入、または除去のためには比較的長い時間を要し、書き込みまたは消去の高速化が容易ではないという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭57−105889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の問題に鑑み、開示する発明の一態様では、電力が供給されない状況でも記憶内容の長時間にわたる保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い、新たな構造の半導体装置を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示する発明では、例えば、酸化物半導体のような、トランジスタのオフ電流を小さくできる材料を用いて半導体装置を構成する。酸化物半導体、特に、高純度化された酸化物半導体を用いて構成したトランジスタは、オフ電流が極めて小さいため、長期間にわたって情報を保持することが可能である。より具体的には、例えば、次のような構成を採用しうる。
【0012】
開示する発明の一態様は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を含む複数のメモリセルと、増幅回路と、スイッチ素子と、を含む読み出し回路と、リフレッシュ制御回路と、を有し、第1のトランジスタは、第1のチャネル形成領域と、第1のゲート電極と、第1のチャネル形成領域と第1のゲート電極の間の第1のゲート絶縁層と、第1のチャネル形成領域と電気的に接続する第1のソース電極および第1のドレイン電極と、を含み、第2のトランジスタは、第2のチャネル形成領域と、第2のゲート電極と、第2のチャネル形成領域と第2のゲート電極の間の第2のゲート絶縁層と、第2のチャネル形成領域と電気的に接続する第2のソース電極および第2のドレイン電極と、を含み、第1のチャネル形成領域と第2のチャネル形成領域は、異なる材料を主成分として構成され、第1のゲート電極と、第2のソース電極および第2のドレイン電極の一方は電気的に接続され、第2のソース電極および第2のドレイン電極の他方と、増幅回路の入力端子の一は電気的に接続され、増幅回路の出力端子は、スイッチ素子を介して第2のソース電極および第2のドレイン電極の他方と接続され、スイッチ素子の導通状態または非導通状態は、リフレッシュ制御回路によって制御される半導体装置である。
【0013】
上記において、第1のゲート電極と電気的に接続される容量素子を有する場合がある。また、リフレッシュ制御回路は、メモリセルのリフレッシュタイミングに合わせてスイッチ素子を導通状態とする機能を有する場合がある。そして、リフレッシュタイミングは、メモリセルあたり10秒に1回以下の頻度で存在する(つまり、リフレッシュの頻度が10秒に一回以下)の場合がある。
【0014】
また、上記において、第2のチャネル形成領域には、第1のチャネル形成領域を構成する材料と比較して、バンドギャップの大きい材料が適用される場合がある。また、第1のチャネル形成領域には動作速度の高まる材料が適用され、第2のチャネル形成領域にはオフ電流の小さくなる材料が適用される場合がある。例えば、上記において、第1のチャネル形成領域にはシリコンを主成分とする材料が適用される場合があり、第2のチャネル形成領域にはIn−Ga−Zn−O系の酸化物材料が適用される場合がある。
【0015】
なお、本明細書等において「主成分」という用語は、含有率(原子%)が最大の成分をいう場合に用いる。例えば、いわゆるシリコンウェハの主成分は、シリコンである、ということができる。
【0016】
なお、本明細書等において「上」や「下」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。また、「上」「下」という用語は説明の便宜のために用いる表現に過ぎない。
【0017】
また、本明細書等において「電極」や「配線」という用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」という用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0018】
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0019】
なお、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様に係る半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。例えば、従来の不揮発性メモリのように、浮遊ゲートへの電子の注入や、浮遊ゲートからの電子の引き抜きを行う必要がないため、ゲート絶縁層の劣化といった問題が全く生じない。すなわち、本発明の一態様に係る半導体装置では、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタをオン状態かオフ状態にすることによって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。また、情報を消去するための動作が不要であるというメリットもある。
【0021】
特に、第1のチャネル形成領域と第2のチャネル形成領域とを、異なる材料を主成分として構成することによって、極めて優れた特性の半導体装置が実現する。例えば、動作速度が高まる材料を第1のチャネル形成領域に用い、オフ電流が小さくなる材料を第2のチャネル形成領域に用いることで、これまでにない特徴を有する半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】半導体装置の回路図。
【図2】半導体装置の回路図。
【図3】半導体装置の回路図。
【図4】半導体装置の回路図。
【図5】半導体装置の断面図および平面図。
【図6】半導体装置の作製工程に係る断面図。
【図7】半導体装置の作製工程に係る断面図。
【図8】半導体装置の作製工程に係る断面図。
【図9】半導体装置の作製工程に係る断面図。
【図10】半導体装置を用いた電子機器を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0024】
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0025】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の基本的な回路構成およびその動作について、図1を参照して説明する。なお、回路図においては、酸化物半導体を用いたトランジスタであることを示すために、OSの符号を併せて付す場合があるが、当該符号は、酸化物半導体を用いることに限定する趣旨を示すものではない。
【0027】
図1(A)に示す半導体装置において、第1の配線(1st Line)とトランジスタ160のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配線(2nd Line)とトランジスタ160のドレイン電極とは、電気的に接続されている。また、トランジスタ160のゲート電極と、トランジスタ162のソース電極およびドレイン電極の一方は、容量素子164の電極の一方と電気的に接続され、第3の配線(3rd Line)とトランジスタ162のソース電極およびドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線(4th Line)と、トランジスタ162のゲート電極とは、電気的に接続されている。そして、第5の配線(5th Line)と、容量素子164の電極の他方は電気的に接続されている。
【0028】
ここで、トランジスタ162には、例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタが適用される。酸化物半導体、特に、高純度化された酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、トランジスタ162をオフ状態とすることで、トランジスタ160のゲート電極の電位を極めて長時間にわたって保持することが可能である。そして、容量素子164を有することにより、トランジスタ160のゲート電極に与えられた電荷の保持が容易になり、また、保持された情報の読み出しが容易になる。
【0029】
なお、トランジスタ160の構成などについては特に限定されない。情報の読み出し速度を向上させるという観点からは、例えば、単結晶シリコンを用いたトランジスタなど、スイッチング速度の高いトランジスタを適用するのが好適である。
【0030】
また、図1(C)に示すように、容量素子164を設けない構成とすることも可能である。
【0031】
図1(A)などに示す半導体装置では、トランジスタ160のゲート電極の電位保持が可能という特徴を生かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
【0032】
はじめに、情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、第4の配線の電位を、トランジスタ162がオン状態となる電位にして、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、第3の配線の電位が、トランジスタ160のゲート電極、および容量素子164に与えられる。すなわち、トランジスタ160のゲート電極には、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位を与える電荷(以下、低電位を与える電荷を電荷Q、高電位を与える電荷を電荷Qという)のいずれかが第3の配線を通じて与えられるものとする。なお、異なる三つまたはそれ以上の電位を与える電荷を適用して、記憶容量を向上させても良い。
【0033】
その後、第4の配線の電位を、トランジスタ162がオフ状態となる電位にして、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、トランジスタ160のゲート電極に与えられた電荷が保持される(保持)。トランジスタ162のオフ電流は極めて小さいから、トランジスタ160のゲート電極の電荷は長時間にわたって保持されることになる。
【0034】
次に、情報の読み出しについて説明する。第1の配線に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線に適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジスタ160のゲート電極に保持された電荷量に応じて、第2の配線は異なる電位をとる。一般に、トランジスタ160をnチャネル型とすると、トランジスタ160のゲート電極にQが与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Hは、トランジスタ160のゲート電極にQが与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ160を「オン状態」とするために必要な第5の配線の電位をいうものとする。したがって、第5の配線の電位をVth_HとVth_Lの中間の電位Vとすることにより、トランジスタ160のゲート電極に与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Qが与えられていた場合には、第5の配線の電位がV(>Vth_H)となれば、トランジスタ160は「オン状態」となる。Qが与えられていた場合には、第5の配線の電位がV(<Vth_L)となっても、トランジスタ160は「オフ状態」のままである。このため、第2の配線の電位を見ることで、保持されている情報を読み出すことができる。
【0035】
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合には、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。このように、所定のメモリセルの情報を読み出し、それ以外のメモリセルの情報を読み出さないようにするには、各メモリセルのトランジスタ160がそれぞれ並列に接続されている場合には、読み出しの対象ではないメモリセルの第5の配線に対して、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ160が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を第5の配線に与えればよい。また、各メモリセルのトランジスタ160がそれぞれ直列に接続されている場合には、読み出しの対象ではないメモリセルの第5の配線に対して、ゲート電極の状態にかかわらずトランジスタ160が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線に与えればよい。読み出しの対象ではないメモリセルについて、トランジスタ160が「オン状態」となるような電位を与えるか、トランジスタ160が「オフ状態」となるような電位を与えるかは、メモリセルの接続関係(例えば、メモリセルが直列に接続されているか、並列に接続されているか、など)に応じて決定することができる。
【0036】
次に、情報の書き換えについて説明する。情報の書き換えは、上記情報の書き込みおよび保持と同様に行われる。つまり、第4の配線の電位を、トランジスタ162がオン状態となる電位にして、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、第3の配線の電位(新たな情報に係る電位)が、トランジスタ160のゲート電極および容量素子164に与えられる。その後、第4の配線の電位を、トランジスタ162がオフ状態となる電位にして、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、トランジスタ160のゲート電極は、新たな情報に係る電荷が保持された状態となる。
【0037】
このように、開示する発明に係る半導体装置は、再度の情報の書き込みによって直接的に情報を書き換えることが可能である。このためフラッシュメモリなどにおいて必要とされる高電圧を用いてのフローティングゲートからの電荷の引き抜きが不要であり、消去動作に起因する動作速度の低下を抑制することができる。つまり、半導体装置の高速動作が実現される。また、この場合、従来のフローティングゲート型トランジスタにおいて指摘されているゲート絶縁膜(トンネル絶縁膜)の劣化という問題が存在しない。つまり、従来問題とされていた、電子をフローティングゲートに注入する際のゲート絶縁膜の劣化という問題を解消することができる。これは、原理的な書き込み回数の制限が存在しないことを意味するものである。
【0038】
なお、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極は、トランジスタ160のゲート電極と電気的に接続されることにより、不揮発性メモリ素子として用いられるフローティングゲート型トランジスタのフローティングゲートと同等の作用を奏する。このため、図中、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極とトランジスタ160のゲート電極が電気的に接続される部位をノードFGと呼ぶ場合がある。トランジスタ162がオフの場合、当該ノードFGは絶縁体中に埋設されたと見ることができ、ノードFGには電荷が保持される。酸化物半導体を用いたトランジスタ162のオフ電流は、シリコン半導体などで形成されるトランジスタの10万分の1以下であるため、トランジスタ162のリークによる、ノードFGに蓄積される電荷の消失を無視することが可能である。つまり、酸化物半導体を用いたトランジスタ162により、電力の供給が無くても情報の保持が可能という、実質的に不揮発な記憶装置を実現することが可能である。
【0039】
例えば、トランジスタ162の室温(25℃)でのオフ電流が10zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下であり、容量素子164の容量値が10fF程度である場合には、少なくとも10秒以上のデータ保持が可能である。なお、当該保持時間が、トランジスタ特性や容量値によって変動することはいうまでもない。
【0040】
図1(A)に示す半導体装置は、当該半導体装置を構成するトランジスタなどの要素が抵抗および容量を含むものとして、図1(B)のように考えることが可能である。図1(B)では、トランジスタ160および容量素子164が、それぞれ、抵抗および容量を含んで構成されると考えている。R1およびC1は、それぞれ、容量素子164の抵抗値および容量値であり、抵抗値R1は、容量素子164を構成する絶縁層による抵抗値に相当する。また、R2およびC2は、それぞれ、トランジスタ160の抵抗値および容量値であり、抵抗値R2はトランジスタ160がオン状態の時のゲート絶縁層による抵抗値に相当し、容量値C2はいわゆるゲート容量(ゲート電極と、ソース電極またはドレイン電極との間に形成される容量、および、ゲート電極とチャネル形成領域との間に形成される容量)の容量値に相当する。
【0041】
トランジスタ162がオフ状態にある場合のソース電極とドレイン電極の間の抵抗値(実効抵抗とも呼ぶ)をROSとすると、トランジスタ162のゲートリークが十分に小さい条件において、R1およびR2が、R1≧ROS、R2≧ROSを満たす場合には、電荷の保持期間(情報の保持期間ということもできる)は、主としてトランジスタ162のオフ電流によって決定されることになる。
【0042】
逆に、当該条件を満たさない場合には、トランジスタ162のオフ電流が十分に小さくとも、保持期間を十分に確保することが困難になる。トランジスタ162のオフ電流以外のリーク電流(例えば、トランジスタ160のソース電極とゲート電極の間において生じるリーク電流等)が大きいためである。このことから、本実施の形態において開示する半導体装置は、上述の関係を満たすものであることが望ましいといえる。
【0043】
一方で、C1とC2は、C1≧C2の関係を満たすことが望ましい。C1を大きくすることで、第5の配線によってノードFGの電位を制御する際に、第5の配線の電位を効率よくノードFGに与えることができるようになり、第5の配線に与える電位間(例えば、読み出しの電位と、非読み出しの電位)の電位差を低く抑えることができるためである。
【0044】
上述の関係を満たすことで、より好適な半導体装置を実現することが可能である。なお、R1およびR2は、トランジスタ160のゲート絶縁層や容量素子164の絶縁層によって決まる。C1およびC2についても同様である。よって、ゲート絶縁層の材料や厚さなどを適宜設定し、上述の関係を満たすようにすることが望ましい。
【0045】
本実施の形態で示す半導体装置においては、ノードFGが、フラッシュメモリ等のフローティングゲート型のトランジスタのフローティングゲートと同等の作用をするが、本実施の形態のノードFGは、フラッシュメモリ等のフローティングゲートと本質的に異なる特徴を有する。フラッシュメモリでは、コントロールゲートに印加される電圧が高いため、その電位の影響が、隣接するセルのフローティングゲートにおよぶことを防ぐために、セルとセルとの間隔をある程度保つ必要が生じる。このことは、半導体装置の高集積化を阻害する要因の一つである。そして、当該要因は、高電界をかけてトンネル電流を発生させるというフラッシュメモリの根本的な原理に起因するものである。
【0046】
一方、本実施の形態に係る半導体装置は、酸化物半導体を用いたトランジスタのスイッチングによって動作し、上述のようなトンネル電流による電荷注入の原理を用いない。すなわち、フラッシュメモリのような、電荷を注入するための高電界が不要である。これにより、隣接セルに対する、コントロールゲートによる高電界の影響を考慮する必要がないため、高集積化が容易になる。
【0047】
また、高電界が不要であり、大型の周辺回路(昇圧回路など)が不要である点も、フラッシュメモリに対するアドバンテージである。例えば、本実施の形態に係るメモリセルに印加される電圧(メモリセルの各端子に同時に印加される電位の最大のものと最小のものの差)の最大値は、2値(1ビット)の情報を書き込む場合、一つのメモリセルにおいて、5V以下、好ましくは3V以下とすることができる。
【0048】
なお、半導体装置の記憶容量を大きくするためには、高集積化以外に、多値化の手法を採ることもできる。例えば、メモリセルの一に3段階以上の情報を書き込む構成とすることで、2段階の情報を書き込む場合と比較して記憶容量を増大させることができる。例えば、上述のような、低電位を与える電荷Q、高電位を与える電荷Qに加え、他の電位を与える電荷Qをトランジスタ160のゲート電極に与えることで、多値化を実現することができる。この場合、メモリセルの占める面積が十分に小さくならない回路構成を採用しても、十分な記憶容量を確保することができる。
【0049】
なお、上記説明は、電子を多数キャリアとするn型トランジスタ(nチャネル型トランジスタ)を用いる場合についてのものであるが、n型トランジスタに代えて、正孔を多数キャリアとするp型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。
【0050】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0051】
(実施の形態2)
本実施の形態では、先の実施の形態において説明した半導体装置の応用例について説明する。具体的には、先の実施の形態において説明した半導体装置を複数用いた半導体装置の例について、図2乃至図4を参照して説明する。
【0052】
〈半導体装置の回路構成〉
図2には、図1(A)に相当する半導体装置をm×n個配列した半導体装置の例を示す。図2(A)は、半導体装置のブロック図であり、図2(B)は、図2(A)の一部を詳細に説明するための図である。
【0053】
本発明の一態様に係る半導体装置は、メモリセルアレイ1100と、読み出し回路1102と、第1の駆動回路1104と、第2の駆動回路1106と、リフレッシュ制御回路1110と、コマンド制御回路1112と、アドレス制御回路1114と、分周回路1116と、を有する(図2(A)参照)。なお、当該構成は一例に過ぎず、開示する発明がこれに限定されるものではない。例えば、駆動回路を一つにすることも可能であるし、三以上の駆動回路を有する構成とすることもできる。
【0054】
メモリセルアレイ1100は、データ記憶領域である。読み出し回路1102はメモリセルアレイ1100と電気的に接続されており、メモリセルアレイ1100に格納されたデータを読み出し、データ信号OUTPUTとして外部に出力する機能を有する。また、読み出し回路1102は、メモリセルアレイ1100をリフレッシュする機能を有する。第1の駆動回路1104は、読み出し回路1102を介してメモリセルアレイ1100と電気的に接続されており、第2の駆動回路1106は、メモリセルアレイ1100と電気的に接続されている。コマンド制御回路1112は、第1のクロック信号PRE_CLK、ライトイネーブル信号WE、および、アウトプットイネーブル信号OEを元に、読み出し回路1102、リフレッシュ制御回路1110、アドレス制御回路1114などに信号を出力する。分周回路1116は、第1のクロック信号PRE_CLKを元に、リフレッシュ制御回路1110に第2のクロック信号CLKを供給する。リフレッシュ制御回路1110は、コマンド制御回路1112からの信号および分周回路1116からの第2のクロック信号CLKを元に、リフレッシュタイミングに関する信号をアドレス制御回路1114に供給する。アドレス制御回路1114は、リフレッシュ制御回路1110からの信号、コマンド制御回路1112からの信号およびアドレス信号ADDRを元に、第1の駆動回路1104および第2の駆動回路1106に信号を供給する。そして当該信号を元に、第1の駆動回路1104および第2の駆動回路1106は、データの書き込み、読み出しなどを行うアドレスを指定する。
【0055】
また、メモリセルアレイ1100は、図1(A)に相当する半導体装置(以下、メモリセル1200)と、m本の信号線(信号線S_1〜信号線S_m)と、m本のワード線(ワード線WL_1〜ワード線WL_m)と、n本のビット線(ビット線BL_1〜ビット線BL_n)と、ソース線SLと、を有するm行n列のメモリセルアレイである(図2(B)参照)。つまり、メモリセル1200は、m×n個存在する。なお、n本のビット線には、それぞれ、スイッチ素子1202が接続されている。つまり、スイッチ素子1202はn個存在する。
【0056】
メモリセル1200はそれぞれ、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、容量素子を有する。メモリセル1200において、第1のトランジスタのゲート電極と、第2のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の一方と、容量素子の電極の一方とは、電気的に接続され、ソース線と、第1のトランジスタのソース電極(ソース領域)とは、電気的に接続されている。さらに、ビット線と、第2のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方と、第1のトランジスタのドレイン電極とは電気的に接続され、ワード線と、容量素子の電極の他方と、は電気的に接続され、信号線と、第2のトランジスタのゲート電極とは電気的に接続されている。つまり、ソース線は、図1(A)に示す構成における第1の配線(1st Line)に、ビット線は、第2の配線(2nd Line)および第3の配線(3rd Line)に、信号線は、第4の配線(4th Line)に、ワード線は、第5の配線(5th Line)に、それぞれ相当する。なお、当該構成は一例に過ぎず、開示する発明がこれに限定されるものではない。例えば、半導体装置の動作を妨げない限りにおいて各配線を共有化することが可能である。また、配線を共有化せずに独立させておいても良い。
【0057】
また、読み出し回路1102は、n個の増幅回路1204と、n個のスイッチ素子1206を有する(図2(B)参照)。ここで、増幅回路1204の入力端子の一は、対応するビット線と電気的に接続され、増幅回路1204の出力端子は、スイッチ素子1206を介してビット線と電気的に接続される。つまり、第2のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方と、増幅回路1204の入力端子の一は電気的に接続され、増幅回路1204の出力端子は、スイッチ素子1206を介して第2のトランジスタのソース電極またはドレイン電極の他方と接続される。また、増幅回路1204の入力端子の他の一は、リファレンス用の電源線と接続される(図示せず)。このような読み出し回路1102を有することにより、メモリセル1200のリフレッシュ動作を行うことが可能である。すなわち、スイッチ素子1206を導通状態とすることによって、ビット線の電位を増幅回路1204によって増幅し、再度、ビット線に与えることができる。
【0058】
上述の読み出し回路1102の詳細を、図3に示す。ビット線BLは、リードイネーブル信号REによって制御されるスイッチ素子1300を介して、増幅回路1204の入力端子の一と接続される。また、電位Vdataが与えられるデータ線は、ライトイネーブル信号WEによって制御されるスイッチ素子1302を介して、増幅回路1204の入力端子の一と接続される。増幅回路1204の入力端子の他の一は、リファレンス電位Vrefを与える配線と電気的に接続される。なお、当該読み出し回路は一例に過ぎず、その構成は適宜変更することが可能である。
【0059】
リフレッシュ制御回路1110とリフレッシュ制御回路1110に関連する回路の詳細を、図4に示す。
【0060】
図4(A)は、リフレッシュ制御回路1110その他の一例である。図4(A)に示すリフレッシュ制御回路1110は、NAND回路と、リフレッシュ用カウント回路1400と、アドレス生成回路1402と、を有する。NAND回路は、第2のクロック信号CLKと、ライトイネーブル信号WEとアウトプットイネーブル信号OEとの否定論理和から、これらの入力信号の否定論理積を出力する。リフレッシュ用カウント回路1400は、NAND回路からの信号を元に行数のカウントを行い、アドレス生成回路1402は、リフレッシュ用カウント回路1400においてカウントされたデータを元にアドレス信号を生成し、アドレス制御回路1114に出力する。当該構成を用いる場合、ライトイネーブル信号WEとアウトプットイネーブル信号OEが非アクティブの場合に、第2のクロック信号CLKがリフレッシュ用カウント回路1400を動作させ、行毎にリフレッシュ動作を行うことになる。メモリへのアクセスが存在すると、リフレッシュ動作が行われないため、リフレッシュの間隔は長くなる傾向にあるが、開示する発明に係る半導体装置では長期間のデータ保持が可能であるため、問題は生じない。
【0061】
図4(B)は、リフレッシュ制御回路1110その他の別の一例である。図4(B)に示すリフレッシュ制御回路1110は、リフレッシュ用カウント回路1400と、アドレス生成回路1402と、周波数検知回路1404と、切り替え制御回路1406と、リフレッシュクロック生成回路1408と、を有する。周波数検知回路1404は、第2のクロック信号CLKが所定の周波数を有しているかを判定する回路であり、代表的にはバンドパスフィルタが用いられる。切り替え制御回路1406は、周波数検知回路1404からの信号に応じて、リフレッシュ用カウント回路1400に直接第2のクロック信号CLKを入力するか、リフレッシュクロック生成回路1408に入力するかを決定する。リフレッシュクロック生成回路1408は、内部クロックによってリフレッシュ動作に必要な周波数のクロック信号を生成し、リフレッシュ用カウント回路1400に出力する。リフレッシュ用カウント回路1400と、アドレス生成回路1402の機能は、図4(A)の場合と同様である。当該構成では、第2のクロック信号CLKがリフレッシュ動作に適しているか否かを判定し、リフレッシュ動作に適した周波数のクロック信号を用いるため、第2のクロック信号CLKの周波数が変動する場合であっても、適切なリフレッシュ動作を行うことができる。
【0062】
図4(C)は、リフレッシュ制御回路1110その他の別の一例である。図4(C)に示すリフレッシュ制御回路1110は、リフレッシュ用カウント回路1400と、アドレス生成回路1402と、リフレッシュアドレス比較制御回路1410と、を有する。リフレッシュアドレス比較制御回路1410は、アドレス生成回路1402で生成されるアドレス信号と、外部アドレス信号(書き込みまたは読み出しに係るアドレスを指定するアドレス信号)とを比較して、比較結果をアドレス制御回路1114に出力する。当該構成では、アドレス生成回路1402で生成されるアドレス信号と、外部アドレス信号が一致しない場合にリフレッシュ動作を行う。
【0063】
なお、開示する発明は、上述のリフレッシュ制御回路1110その他の具体的構成に限定して解釈されない。
【0064】
〈半導体装置の動作1〉
次に、上述の半導体装置の書き込み動作、読み出し動作、および、リフレッシュ動作の一例について説明する。なお、ここでは、理解を容易にするため、2行×2列のメモリセルアレイで構成される半導体装置の動作について説明するが、開示する発明はこれに限定されない。
【0065】
第1行第1列のメモリセル1200(1,1)、および、第1行第2列のメモリセル1200(1,2)への書き込みを行う場合と、第1行第1列のメモリセル1200(1,1)、および、第1行第2列のメモリセル1200(1,2)からの読み出しを行う場合について説明する。なお、以下では、メモリセル1200(1,1)へ書き込むデータを”1”とし、メモリセル1200(1,2)へ書き込むデータを”0”とする。
【0066】
書き込みについて説明する。まず、第1行目の信号線S_1に電位V1を与え、1行目の第2のトランジスタをオン状態とする。また、第2行目の信号線S_2に電位0Vを与え、2行目の第2のトランジスタをオフ状態とする。また、第1列目のビット線BL_1に電位V2を与え、第2列目のビット線BL_2には電位0Vを与える。その結果、メモリセル1200(1,1)のノードFGには電位V2が、メモリセル1200(1,2)のノードFGには電位0Vが与えられる。ここで読み出し動作をする際、電位V2は、第1のトランジスタのしきい値電圧を超える電位差を与えるような電位とする。また、電位V2は、電位V1と同程度または電位V1以下とするのが好ましい。
【0067】
そして、第1行目の信号線S_1の電位を0Vとして、1行目の第2のトランジスタをオフ状態とすることで、書き込みが終了する。なお、書き込み動作の間、第1行目のワード線WL_1および第2行目のワード線WL_2は電位0Vとしておく。また、書き込み終了時には、第1列目のビット線BL_1の電位を変化させる前に第1行目の信号線S_1の電位を0Vとする。
【0068】
書き込み後において、メモリセルのしきい値は、データ”0”の場合にはVw0、データ”1”の場合にはVw1となる。ここで、メモリセルのしきい値とは、第1のトランジスタのソース電極とドレイン電極の間の抵抗状態が変化するワード線WLの電位をいうものとする。なお、ここでは、Vw0>0>Vw1とする。
【0069】
次に、読み出しについて説明する。まず、第1行目のワード線WL_1に電位0Vを与え、第2行目のワード線WL_2には電位VLを与える。電位VLはしきい値Vw1より低い電位とする。ワード線WL_1を電位0Vとすると、第1行目において、データ”0”が保持されているメモリセルの第1のトランジスタはオフ状態、データ”1”が保持されているメモリセルの第1のトランジスタはオン状態となる。ワード線WL_2を電位VLとすると、第2行目において、データ”0”、データ”1”のいずれが保持されているメモリセルであっても、第1のトランジスタはオフ状態となる。
【0070】
その結果、ビット線BL_1−ソース線SL間は、メモリセル1200(1,1)の第1のトランジスタがオン状態であるため低抵抗状態となり、ビット線BL_2−ソース線SL間は、メモリセル1200(1,2)の第1のトランジスタがオフ状態であるため、高抵抗状態となる。ビット線BL_1、ビット線BL_2に接続される読み出し回路は、ビット線の抵抗状態の違いから、データを読み出す。
【0071】
なお、読み出し動作の間、信号線S_1には電位0Vを、信号線S_2には電位VLを与え、第2のトランジスタを全てオフ状態としておく。第1行目のメモリセルにおいて、ノードFGの電位は0VまたはV2であるから、信号線S_1を電位0Vとすることで第2のトランジスタを全てオフ状態とすることができる。一方、2行目のノードFGの電位は、ワード線WL_2に電位VLが与えられると、書き込み直後の電位より低い電位となってしまう。これにより、第2のトランジスタがオン状態となることを防止するために、信号線S_2をワード線WL_2と同じ電位(電位VL)とする。つまり、読み出しを行わない行では、信号線Sとワード線WLとを同じ電位(電位VL)とする。以上により、第2のトランジスタを全てオフ状態とすることができる。
【0072】
読み出し回路として、図3に示す回路を用いる場合には、スイッチ素子1206を非導通状態とし、スイッチ素子1300を導通状態として、読み出し可能な状態とする。ソース線SLには定電位(例えば0V)を与えておき、また、読み出し対象のメモリセル1200が接続されるビット線BLのスイッチ素子1202を導通状態として、ビット線BLのプリチャージを行う。また、スイッチ素子1206を非導通状態とし、スイッチ素子1302を導通状態として、データ線を用いてプリチャージを行うことも可能である。ビット線BL−ソース線SL間が低抵抗である場合、増幅回路1204には低電位が入力され、データ信号OUTPUTは低電位となる。ビット線BL−ソース線SL間が高抵抗である場合、増幅回路1204には高電位が入力され、データ信号OUTPUTは高電位となる。
【0073】
次に、リフレッシュ動作の例について説明する。なお、開示する発明に係る半導体装置では、極めて長期間にわたってデータを保持することができるから、リフレッシュ動作の頻度は、例えば、一般的なDRAMなどの1/1000以下、好ましくは1/10000以下となる。より具体的には、開示する発明に係る半導体装置では、メモリセルあたりのリフレッシュ動作の頻度を10秒に1回以下、好ましくは10秒に1回以下とすることができる。このため、開示する発明に係る半導体装置では、リフレッシュ動作に起因する電力の消費を十分に抑制することができる。
【0074】
まず、リフレッシュ対象のメモリセル1200が接続されるビット線BLのスイッチ素子1202を導通状態として、ビット線BLのプリチャージを行う。なお、ここでは、ビット線BLのプリチャージを読み出し回路とは独立した配線を用いて行っているが、ビット線BLのプリチャージは、読み出し回路1102と共通する配線を用いて、読み出し回路1102側から行っても良い。例えば、読み出し回路として図3に示す回路を用いる場合には、データ線を用いてプリチャージを行うことが可能である。
【0075】
次に、スイッチ素子1202を非導通状態として、ビット線BLをフローティングとする。この状態で、リフレッシュ対象のメモリセル1200の第2のトランジスタがオン状態となるような電位を、リフレッシュ対象のメモリセル1200が接続される信号線に与える。すると、ビット線の電位はノードFGに保持される電荷量に応じて変動する。読み出し回路1102の増幅回路1204は、この変動を増幅して、電位0Vまたは電位V2として出力する。
【0076】
ここで、増幅回路1204の出力とビット線とを接続するスイッチ素子1206を導通状態とすると、電位0Vまたは電位V2がビット線に与えられる。リフレッシュ対象のメモリセル1200の第2のトランジスタはオン状態となっているから、リフレッシュ対象のメモリセル1200には、ノードFGに保持されていた電荷に応じて、再度、同じデータが書き込まれることになる。
【0077】
〈半導体装置の動作2〉
次に、半導体装置の動作の別の一例について説明する。なお、ここでは理解を容易にするため、2行×2列のメモリセルアレイで構成される半導体装置の動作について説明する。また、書き込むデータは上述の書き込み動作と同じとする。
【0078】
〈半導体装置の動作1〉に示す書き込み(1行目の書き込み)では、書き込み時のワード線WL_2の電位を電位0Vとしているため、例えばメモリセル1200(2,1)またはメモリセル1200(2,2)に書き込まれているデータがデータ”1”である場合には、ビット線BL_1とビット線BL_2の間に定常電流が流れる恐れがある。第1行目の書き込み時には、第2行目のメモリセルが有する第1のトランジスタがオン状態となり、ビット線BL_1とビット線BL_2が、ソース線を介して低抵抗で接続されるためである。ここで示す書き込み動作は、このような定常電流の発生を防止する方法である。
【0079】
まず、第1行目の信号線S_1に電位V1を与え、1行目の第2のトランジスタをオン状態とする。また、第2行目の信号線S_2に電位0Vを与え、2行目の第2のトランジスタをオフ状態とする。また、第1列目のビット線BL_1に電位V2を与え、2列目のビット線BL_2には電位0Vを与える。その結果、メモリセル1200(1,1)のノードFGには電位V2が、メモリセル1200(1,2)のノードFGには電位0Vが与えられる。ここでは、電位V2は第1のトランジスタのしきい値電圧を超える電位差を与える電位とする。そして、第1行目の信号線S_1の電位を0Vとして、1行目の第2のトランジスタをオフ状態とすることで、書き込みが終了する。
【0080】
なお、書き込み動作の間、第1行目のワード線WL_1の電位は電位0Vに、第2行目のワード線WL_2の電位は電位VLとしておく。第2行目のワード線WL_2を電位VLとすることで、第2行目において、データ”0”、データ”1”のいずれが保持されているメモリセルであっても、第1のトランジスタはオフ状態となる。また、書き込み動作の間、ソース線SLには電位V2を与える。書き込みデータが全て”0”の場合には、ソース線には電位0Vを与えても構わない。
【0081】
また、書き込み終了時には、第1列目のビット線BL_1の電位を変化させる前に第1行目の信号線S_1を電位0Vとする。書き込み後において、メモリセルのしきい値は、データ”0”の場合にはVw0、データ”1”の場合にはVw1となる。なお、ここでは、Vw0>0>Vw1とする。
【0082】
当該書き込み動作において、書き込みを行わない行(この場合には第2行目)のメモリセルの第1のトランジスタはオフ状態であるから、ビット線とソース線の間の定常電流が問題になるのは、書き込みを行う行のメモリセルのみである。書き込みを行う行のメモリセルにデータ”0”を書き込む場合には、該メモリセルが有する第1のトランジスタはオフ状態となるため、定常電流の問題は生じない。一方で、書き込みを行う行のメモリセルにデータ”1”を書き込む場合には、該メモリセルが有する第1のトランジスタはオン状態となるため、ソース線SLとビット線BL(この場合にはビット線BL_1)との間に電位差が存在する場合には、定常電流が発生する。そこで、ソース線SLの電位を、ビット線BL_1の電位V2と同じとすることで、ビット線とソース線の間の定常電流を防止できる。
【0083】
以上のように、当該書き込み動作によって、書き込み時の定常電流の発生を防止できることがわかる。つまり、当該書き込み動作では、書き込み動作時の消費電力を十分に抑制することができる。
【0084】
なお、読み出し動作、リフレッシュ動作については、上述の読み出し動作、リフレッシュ動作と同様である。
【0085】
上述のように、酸化物半導体のような、オフ電流が極めて小さくなる材料を用いることにより、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。これによって、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を十分に低減することができる。また、電力の供給がない状況であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
【0086】
また、上述の半導体装置では、情報の書き込みに高い電圧を必要とせず、素子の劣化の問題もない。そのため、従来の不揮発性メモリで問題となっている書き換え可能回数に制限はなく、信頼性が飛躍的に向上する。さらに、トランジスタをオン状態かオフ状態にすることによって、情報の書き込みが行われるため、高速な動作も容易に実現しうる。また、情報を消去するための動作が不要であるというメリットもある。
【0087】
また、動作速度の高い半導体材料を用いたトランジスタと、オフ電流の小さい半導体材料を用いたトランジスタと、を組み合わせて用いることにより、半導体装置の動作(例えば、情報の読み出し動作)の高速性を十分に確保することができる。また、動作速度の高い半導体材料を用いたトランジスタによって、高速動作が要求される各種回路(論理回路、駆動回路など)を好適に実現することが可能である。
【0088】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0089】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の構成およびその作製方法について、図5乃至図9を参照して説明する。
【0090】
〈半導体装置の断面構成および平面構成〉
図5は、半導体装置の構成の一例である。図5(A)には、半導体装置の断面を、図5(B)には、半導体装置の平面を、それぞれ示す。ここで、図5(A)は、図5(B)のA1−A2およびB1−B2における断面に相当する。図5(A)および図5(B)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ160を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ162を有するものである。ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料とは異なる材料とすることが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料とし、第2の半導体材料を酸化物半導体材料とすることができる。酸化物半導体以外の半導体材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、インジウムリン、またはガリウムヒ素等を用いることができ、単結晶半導体を用いるのが好ましい。このような半導体材料を用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、その特性により長時間の電荷保持を可能とする。
【0091】
なお、上記トランジスタは、いずれもnチャネル型トランジスタであるものとして説明するが、pチャネル型トランジスタを用いることができるのはいうまでもない。また、開示する発明の技術的な本質は、情報を保持するために酸化物半導体のようなオフ電流を十分に低減することが可能な半導体材料をトランジスタ162に用いる点にあるから、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
【0092】
図5におけるトランジスタ160は、第1の半導体材料(例えば、シリコンなど)を含む基板100に設けられたチャネル形成領域116と、チャネル形成領域116を挟むように設けられた不純物領域120と、不純物領域120に接する金属化合物領域124と、チャネル形成領域116上に設けられたゲート絶縁層108と、ゲート絶縁層108上に設けられたゲート電極110と、を有する。なお、図において、明示的にはソース電極やドレイン電極を有しない場合があるが、便宜上、このような状態を含めてトランジスタと呼ぶ場合がある。また、この場合、トランジスタの接続関係を説明するために、ソース領域やドレイン領域を含めてソース電極やドレイン電極と表現することがある。つまり、本明細書において、ソース電極との記載には、ソース領域が含まれうる。
【0093】
トランジスタ160の金属化合物領域124の一部には、電極126が接続されている。ここで、電極126は、トランジスタ160のソース電極やドレイン電極として機能する。また、基板100上にはトランジスタ160を囲むように素子分離絶縁層106が設けられており、トランジスタ160を覆って絶縁層128が設けられている。なお、高集積化を実現するためには、図5に示すようにトランジスタ160がサイドウォール絶縁層を有しない構成とすることが望ましい。一方で、トランジスタ160の特性を重視する場合には、ゲート電極110の側面にサイドウォール絶縁層を設け、そのサイドウォール絶縁層と重畳する領域に形成された不純物濃度が異なる領域を含めて不純物領域120を設けても良い。
【0094】
図5におけるトランジスタ162は、絶縁層128上に設けられたソース電極またはドレイン電極142a、およびソース電極またはドレイン電極142bと、ソース電極またはドレイン電極142a、およびソース電極またはドレイン電極142bと電気的に接続されている酸化物半導体層144と、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142b、酸化物半導体層144を覆うゲート絶縁層146と、ゲート絶縁層146上に酸化物半導体層144と重畳するように設けられたゲート電極148と、を有する。
【0095】
ここで、酸化物半導体層144は水素などの不純物が十分に除去されることにより、または、十分な酸素が供給されることにより、高純度化されたものであることが望ましい。水素濃度が十分に低減されて高純度化され、十分な酸素の供給により酸素欠乏に起因するエネルギーギャップ中の欠陥準位が低減された酸化物半導体層144では、キャリア濃度が1×1012/cm未満、望ましくは、1×1011/cm未満、より望ましくは1.45×1010/cm未満となる。例えば、室温(25℃)でのオフ電流(ここでは、単位チャネル幅(1μm)あたりの値)は10zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下、望ましくは1zA以下となる。このように、i型化(真性化)または実質的にi型化された酸化物半導体を用いることで、極めて優れたオフ電流特性のトランジスタ162を得ることができる。
【0096】
図5における容量素子164は、ソース電極またはドレイン電極142a、酸化物半導体層144、ゲート絶縁層146、絶縁層150および電極149、で構成される。すなわち、ソース電極またはドレイン電極142aは、容量素子164の一方の電極として機能し、電極149は、容量素子164の他方の電極として機能することになる。
【0097】
図5の容量素子164では、酸化物半導体層144、ゲート絶縁層146および絶縁層150を積層させることにより、ソース電極またはドレイン電極142aと、電極149との間の絶縁性を十分に確保することができる。なお、十分な容量を確保するために、ゲート絶縁層146および絶縁層150のいずれか一方を有しない構成の容量素子164を採用しても良い。また、酸化物半導体層144を有しない構成の容量素子164を採用しても良い。
【0098】
本実施の形態に示す構成では、トランジスタ160と、トランジスタ162とが、少なくとも一部が重畳するように設けられている。また、トランジスタ162や容量素子164が、トランジスタ160と重畳するように設けられている。例えば、容量素子164の電極149は、トランジスタ162のゲート電極148と、少なくとも一部が重畳して設けられている。また、容量素子164の電極149は、トランジスタ160のゲート電極110と少なくとも一部が重畳して設けられる構成としてもよい。このような平面レイアウトを採用することにより、高集積化が可能である。例えば、最小加工寸法をFとして、メモリセルの占める面積を9F〜25Fとすることが可能である。
【0099】
ゲート電極148を覆うように絶縁層150が設けられており、トランジスタ162および容量素子164の上には絶縁層151が設けられており、絶縁層151上には絶縁層152が設けられている。そして、ゲート絶縁層146、絶縁層150、絶縁層151、絶縁層152などに形成された開口には、電極154が設けられ、絶縁層152上には電極154と接続する配線156が形成されている。配線156は、メモリセルの一と他のメモリセルとを電気的に接続する。なお、図5では電極126および電極154を用いて、金属化合物領域124、ソース電極またはドレイン電極142b、および配線156を接続しているが、開示する発明はこれに限定されない。例えば、ソース電極またはドレイン電極142bを直接、金属化合物領域124に接触させても良い。または、配線156を直接、ソース電極またはドレイン電極142bに接触させても良い。
【0100】
なお、図5において、金属化合物領域124とソース電極またはドレイン電極142bを接続する電極126と、ソース電極またはドレイン電極142bと配線156を接続する電極154とは重畳して配置されている。つまり、トランジスタ160のソース電極やドレイン電極として機能する電極126と、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極142bと、が接する領域は、トランジスタ162のソース電極またはドレイン電極142bと、電極154が接する領域と重なっている。このようなレイアウトを採用することで、高集積化を図ることができる。もちろん、当該構成は一例であるから、開示する発明を当該構成に限定する必要はない。
【0101】
〈半導体装置の作製方法〉
次に、上記半導体装置の作製方法の一例について説明する。以下では、はじめに下部のトランジスタ160の作製方法について図6および図7を参照して説明し、その後、上部のトランジスタ162および容量素子164の作製方法について図8および図9を参照して説明する。
【0102】
〈下部のトランジスタの作製方法〉
まず、第1の半導体材料を含む基板100を用意する(図6(A)参照)。第1の半導体材料を含む基板100としては、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することができる。ここでは、第1の半導体材料を含む基板100として、単結晶シリコン基板を用いる場合の一例について示すものとする。なお、一般に「SOI基板」は、絶縁表面上にシリコン半導体層が設けられた構成の基板をいうが、本明細書等においては、絶縁表面上にシリコン以外の材料からなる半導体層が設けられた構成の基板も含むものとする。つまり、「SOI基板」が有する半導体層は、シリコン半導体層に限定されない。また、SOI基板には、ガラス基板などの絶縁基板上に絶縁層を介して半導体層が設けられた構成のものが含まれるものとする。
【0103】
なお、第1の半導体材料を含む基板100として、特に、シリコンなどの単結晶半導体基板を用いる場合には、半導体装置の読み出し動作を高速化することができるため好適である。
【0104】
基板100上には、素子分離絶縁層を形成するためのマスクとなる保護層102を形成する(図6(A)参照)。保護層102としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコン、酸窒化シリコンなどを材料とする絶縁層を用いることができる。なお、この工程の前後において、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、n型の導電性を付与する不純物元素やp型の導電性を付与する不純物元素を基板100に添加してもよい。半導体がシリコンの場合、n型の導電性を付与する不純物元素としては、例えば、リンや砒素などを用いることができる。また、p型の導電性を付与する不純物元素としては、例えば、硼素、アルミニウム、ガリウムなどを用いることができる。
【0105】
次に、上記の保護層102をマスクとしてエッチングを行い、保護層102に覆われていない領域(露出している領域)の、基板100の一部を除去する。これにより他の半導体領域と分離された半導体領域104が形成される(図6(B)参照)。当該エッチングには、ドライエッチングを用いるのが好適であるが、ウェットエッチングを用いても良い。エッチングガスやエッチング液については被エッチング材料に応じて適宜選択することができる。
【0106】
次に、半導体領域104を覆うように絶縁層を形成し、半導体領域104に重畳する領域の絶縁層を選択的に除去することで、素子分離絶縁層106を形成する(図6(C)参照)。当該絶縁層は、酸化シリコンや窒化シリコン、酸窒化シリコンなどを用いて形成される。絶縁層の除去方法としては、CMP(化学的機械的研磨)などの研磨処理やエッチング処理などがあるが、そのいずれを用いても良い。なお、半導体領域104の形成後、または、素子分離絶縁層106の形成後には、上記保護層102を除去する。
【0107】
ここで、CMP処理とは、被加工物の表面を化学的・機械的な複合作用により平坦化する手法である。より具体的には、研磨ステージの上に研磨布を貼り付け、被加工物と研磨布との間にスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨ステージと被加工物とを各々回転または揺動させて、被加工物の表面を、スラリーと被加工物表面との間での化学反応と、研磨布と被加工物との機械的研磨の作用により、被加工物の表面を研磨する方法である。
【0108】
なお、素子分離絶縁層106の形成方法として、絶縁層を選択的に除去する方法の他、酸素を打ち込むことにより絶縁性の領域を形成する方法などを用いることもできる。
【0109】
次に、半導体領域104の表面に絶縁層を形成し、当該絶縁層上に導電材料を含む層を形成する。
【0110】
絶縁層は後のゲート絶縁層となるものであり、例えば、半導体領域104表面の熱処理(熱酸化処理や熱窒化処理など)によって形成することができる。熱処理に代えて、高密度プラズマ処理を適用しても良い。高密度プラズマ処理は、例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガス、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などのうちいずれかの混合ガスを用いて行うことができる。もちろん、CVD法やスパッタリング法等を用いて絶縁層を形成しても良い。当該絶縁層は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))等を含む単層構造または積層構造とすることが望ましい。また、絶縁層の厚さは、例えば、1nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下とすることができる。
【0111】
導電材料を含む層は、アルミニウムや銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いて形成することができる。また、多結晶シリコンなどの半導体材料を用いて、導電材料を含む層を形成しても良い。形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。なお、本実施の形態では、導電材料を含む層を、金属材料を用いて形成する場合の一例について示すものとする。
【0112】
その後、絶縁層および導電材料を含む層を選択的にエッチングして、ゲート絶縁層108、ゲート電極110を形成する(図6(C)参照)。
【0113】
次に、半導体領域104にリン(P)やヒ素(As)などを添加して、チャネル形成領域116および不純物領域120を形成する(図6(D)参照)。なお、ここではn型トランジスタを形成するためにリンやヒ素を添加しているが、p型トランジスタを形成する場合には、硼素(B)やアルミニウム(Al)などの不純物元素を添加すればよい。ここで、添加する不純物の濃度は適宜設定することができるが、半導体素子が高度に微細化される場合には、その濃度を高くすることが望ましい。
【0114】
なお、ゲート電極110の周囲にサイドウォール絶縁層を形成して、不純物元素が異なる濃度で添加された不純物領域を形成しても良い。
【0115】
次に、ゲート電極110、不純物領域120等を覆うように金属層122を形成する(図7(A)参照)。当該金属層122は、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いて形成することができる。金属層122は、半導体領域104を構成する半導体材料と反応することによって低抵抗な金属化合物となる金属材料を用いて形成することが望ましい。このような金属材料としては、例えば、チタン、タンタル、タングステン、ニッケル、コバルト、白金等がある。
【0116】
次に、熱処理を施して、上記金属層122と半導体材料とを反応させる。これにより、不純物領域120に接する金属化合物領域124が形成される(図7(A)参照)。なお、ゲート電極110として多結晶シリコンなどを用いる場合には、ゲート電極110の金属層122と接触する部分にも、金属化合物領域が形成されることになる。
【0117】
上記熱処理としては、例えば、フラッシュランプの照射による熱処理を用いることができる。もちろん、その他の熱処理方法を用いても良いが、金属化合物の形成に係る化学反応の制御性を向上させるためには、ごく短時間の熱処理を実現できる方法を用いることが望ましい。なお、上記の金属化合物領域は、金属材料と半導体材料との反応により形成されるものであり、十分に導電性が高められた領域である。当該金属化合物領域を形成することで、電気抵抗を十分に低減し、素子特性を向上させることができる。なお、金属化合物領域124を形成した後には、金属層122は除去する。
【0118】
次に、金属化合物領域124の一部と接する領域に、電極126を形成する(図7(B)参照)。電極126は、例えば、導電材料を含む層を形成した後に、当該層を選択的にエッチングすることで形成される。導電材料を含む層は、アルミニウムや銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いて形成することができる。また、多結晶シリコンなどの半導体材料を用いて、導電材料を含む層を形成しても良い。形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。
【0119】
なお、電極126は、絶縁層128を形成した後に、絶縁層128に金属化合物領域124にまで達する開口を形成し、当該開口を埋め込むように形成することも可能である。
【0120】
この場合、例えば、開口を含む領域にPVD法によりチタン膜を薄く形成し、CVD法により窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口に埋め込むようにタングステン膜を形成する方法を適用することができる。ここで、PVD法により形成されるチタン膜は、被形成面の酸化膜(自然酸化膜など)を還元し、下部電極など(ここでは金属化合物領域124)との接触抵抗を低減させる機能を有する。また、その後に形成される窒化チタン膜は、導電性材料の拡散を抑制するバリア機能を備える。また、チタンや窒化チタンなどによるバリア膜を形成した後に、メッキ法により銅膜を形成してもよい。
【0121】
次に、上述の工程により形成された各構成を覆うように、絶縁層128を形成する(図7(C)参照)。絶縁層128は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。特に、絶縁層128に誘電率の低い(low−k)材料を用いることで、各種電極や配線の重なりに起因する容量を十分に低減することが可能になるため好ましい。なお、絶縁層128には、これらの材料を用いた多孔性の絶縁層を適用しても良い。多孔性の絶縁層では、密度の高い絶縁層と比較して誘電率が低下するため、電極や配線に起因する容量をさらに低減することが可能である。また、絶縁層128は、ポリイミド、アクリル等の有機絶縁材料を用いて形成することも可能である。なお、ここでは、絶縁層128の単層構造としているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。2層以上の積層構造としても良い。
【0122】
以上により、第1の半導体材料を含む基板100を用いたトランジスタ160が形成される(図7(C)参照)。このようなトランジスタ160は、高速動作が可能であるという特徴を有する。このため、当該トランジスタを読み出し用のトランジスタとして用いることで、情報の読み出しを高速に行うことができる。
【0123】
その後、トランジスタ162および容量素子164の形成前の処理として、絶縁層128にCMP処理を施して、ゲート電極110および電極126の上面を露出させる(図7(D)参照)。ゲート電極110および電極126の上面を露出させる処理としては、CMP処理の他にエッチング処理などを適用することも可能であるが、トランジスタ162の特性を向上させるために、絶縁層128の表面は可能な限り平坦にしておくことが望ましい。
【0124】
なお、上記の各工程の前後には、さらに電極や配線、半導体層、絶縁層などを形成する工程を含んでいても良い。例えば、配線の構造として、絶縁層および導電層の積層構造でなる多層配線構造を採用して、高度に集積化した半導体装置を実現することも可能である。
【0125】
〈上部のトランジスタの作製方法〉
次に、ゲート電極110、電極126、絶縁層128などの上に導電層を形成し、該導電層を選択的にエッチングして、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bを形成する(図8(A)参照)。
【0126】
導電層は、スパッタ法をはじめとするPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法を用いて形成することができる。また、導電層の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素や、上述した元素を成分とする合金等を用いることができる。マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、ネオジム、スカンジウムのいずれか、またはこれらを複数組み合わせた材料を用いてもよい。
【0127】
導電層は、単層構造であっても良いし、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、チタン膜や窒化チタン膜の単層構造、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜が積層された2層構造、窒化チタン膜上にチタン膜が積層された2層構造、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜とが積層された3層構造などが挙げられる。なお、導電層を、チタン膜や窒化チタン膜の単層構造とする場合には、テーパーを有するソース電極またはドレイン電極142a、およびソース電極またはドレイン電極142bへの加工が容易であるというメリットがある。
【0128】
また、導電層は、導電性の金属酸化物を用いて形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する場合がある)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)、または、これらの金属酸化物材料にシリコン若しくは酸化シリコンを含有させたものを用いることができる。
【0129】
導電層のエッチングは、形成されるソース電極またはドレイン電極142a、およびソース電極またはドレイン電極142bの端部が、テーパーとなるように行うことが好ましい。ここで、テーパー角は、例えば、30°以上60°以下であることが好ましい。ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bの端部をテーパーとなるようにエッチングすることにより、後に形成されるゲート絶縁層146の被覆性を向上し、段切れを防止することができる。
【0130】
上部のトランジスタのチャネル長(L)は、ソース電極またはドレイン電極142a、およびソース電極またはドレイン電極142bの下端部の間隔によって決定される。なお、チャネル長(L)が25nm未満のトランジスタを形成する場合に用いるマスク形成の露光を行う際には、数nm〜数10nmと波長の短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)を用いるのが望ましい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。従って、後に形成されるトランジスタのチャネル長(L)を、10nm以上1000nm(1μm)以下とすることも可能であり、回路の動作速度を高めることが可能である。また、微細化によって、半導体装置の消費電力を低減することも可能である。
【0131】
なお、絶縁層128の上には、下地として機能する絶縁層を設けても良い。当該絶縁層は、PVD法やCVD法などを用いて形成することができる。
【0132】
また、ソース電極またはドレイン電極142a、およびソース電極またはドレイン電極142b上に、それぞれ絶縁層を形成してもよい。絶縁層は、後に形成されるゲート電極の一部と重畳するように形成する。このような絶縁層を設けることにより、ゲート電極と、ソース電極またはドレイン電極との間の容量を低減することができる。
【0133】
次に、ソース電極またはドレイン電極142a、およびソース電極またはドレイン電極142bを覆うように酸化物半導体層を形成した後、当該酸化物半導体層を選択的にエッチングして酸化物半導体層144を形成する(図8(B)参照)。
【0134】
酸化物半導体層は、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系や、二元系金属酸化物であるIn−Zn−O系、In−Ga−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、Zn−Mg−O系、Sn−Mg−O系、In−Mg−O系や、単元系金属酸化物であるIn−O系、Sn−O系、Zn−O系などを用いて形成することができる。
【0135】
中でも、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体材料は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、電界効果移動度も高いため、半導体装置に用いる半導体材料としては好適である。
【0136】
In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体材料の代表例としては、InGaO(ZnO)(m>0)で表記されるものがある。また、Gaに代えてMの表記を用い、InMO(ZnO)(m>0)のように表記される酸化物半導体材料がある。ここで、Mは、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)などから選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。例えば、Mとしては、Ga、GaおよびAl、GaおよびFe、GaおよびNi、GaおよびMn、GaおよびCoなどを適用することができる。なお、上述の組成は結晶構造から導き出されるものであり、あくまでも一例に過ぎないことを付記する。
【0137】
酸化物半導体層をスパッタ法で作製するためのターゲットとしては、In:Ga:Zn=1:x:y(xは0以上、yは0.5以上5以下)の組成比を有するものを用いるのが好適である。例えば、In:Ga:ZnO=1:1:2[mol比](x=1、y=1)の組成比を有する酸化物半導体成膜用ターゲットなどを用いることができる。また、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol比](x=1、y=0.5)の組成比を有する酸化物半導体成膜用ターゲットや、In:Ga:ZnO=1:1:4[mol比](x=1、y=2)の組成比を有する酸化物半導体成膜用ターゲットや、In:Ga:ZnO=1:0:2[mol比](x=0、y=1)の組成比を有する酸化物半導体成膜用ターゲットを用いることもできる。
【0138】
本実施の形態では、非晶質構造の酸化物半導体層を、In−Ga−Zn−O系の酸化物半導体成膜用ターゲットを用いるスパッタ法により形成することとする。
【0139】
また、酸化物半導体としてIn−Zn−O系の材料を用いる場合、用いるターゲットの組成比は、原子数比で、In:Zn=50:1〜1:2(モル比に換算するとIn:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル比に換算するとIn:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=15:1〜1.5:1(モル比に換算するとIn:ZnO=15:2〜3:4)とする。例えば、In−Zn−O系酸化物半導体の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
【0140】
酸化物半導体成膜用ターゲット中の金属酸化物の相対密度は80%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは99.9%以上である。相対密度の高い酸化物半導体成膜用ターゲットを用いることにより、緻密な構造の酸化物半導体層を形成することが可能である。
【0141】
酸化物半導体層の形成雰囲気は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気、酸素雰囲気、または、希ガス(代表的にはアルゴン)と酸素との混合雰囲気とするのが好適である。具体的には、例えば、水素、水、水酸基、水素化物などの不純物が、濃度1ppm以下(望ましくは濃度10ppb以下)にまで除去された高純度ガス雰囲気を用いるのが好適である。
【0142】
酸化物半導体層の形成の際には、例えば、減圧状態に保持された処理室内に被処理物を保持し、被処理物の温度が100℃以上550℃未満、好ましくは200℃以上400℃以下となるように被処理物を熱する。または、酸化物半導体層の形成の際の被処理物の温度は、室温(25℃±10℃)としてもよい。そして、処理室内の水分を除去しつつ、水素や水などが除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて酸化物半導体層を形成する。被処理物を熱しながら酸化物半導体層を形成することにより、酸化物半導体層に含まれる不純物を低減することができる。また、スパッタによる損傷を軽減することができる。処理室内の水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプなどを用いることができる。また、ターボポンプにコールドトラップを加えたものを用いてもよい。クライオポンプなどを用いて排気することで、処理室から水素や水などを除去することができるため、酸化物半導体層中の不純物濃度を低減できる。
【0143】
酸化物半導体層の形成条件としては、例えば、被処理物とターゲットとの間との距離が170mm、圧力が0.4Pa、直流(DC)電力が0.5kW、雰囲気が酸素(酸素100%)雰囲気、またはアルゴン(アルゴン100%)雰囲気、または酸素とアルゴンの混合雰囲気、といった条件を適用することができる。なお、パルス直流(DC)電源を用いると、ごみ(成膜時に形成される粉状の物質など)を低減でき、膜厚分布も均一となるため好ましい。酸化物半導体層の厚さは、1nm以上50nm以下、好ましくは1nm以上30nm以下、より好ましくは1nm以上10nm以下とする。このような厚さの酸化物半導体層を用いることで、微細化に伴う短チャネル効果を抑制することが可能である。ただし、適用する酸化物半導体材料や、半導体装置の用途などにより適切な厚さは異なるから、その厚さは、用いる材料や用途などに応じて選択することもできる。
【0144】
なお、酸化物半導体層をスパッタ法により形成する前には、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、形成表面(例えば絶縁層128の表面)の付着物を除去するのが好適である。ここで、逆スパッタとは、通常のスパッタは、スパッタターゲットにイオンを衝突させる方法を指すが、逆に、基板の処理表面にイオンを衝突させることによってその表面を改質する方法のことをいう。処理表面にイオンを衝突させる方法としては、アルゴン雰囲気下で処理表面側に高周波電圧を印加して、被処理物付近にプラズマを生成する方法などがある。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などによる雰囲気を適用してもよい。
【0145】
その後、酸化物半導体層に対して、熱処理(第1の熱処理)を行うことが望ましい。この第1の熱処理によって酸化物半導体層中の、過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去し、酸化物半導体層の構造を整え、エネルギーギャップ中の欠陥準位を低減することができる。第1の熱処理の温度は、例えば、300℃以上550℃未満、または400℃以上500℃以下とする。
【0146】
熱処理は、例えば、抵抗発熱体などを用いた電気炉に被処理物を導入し、窒素雰囲気下、450℃、1時間の条件で行うことができる。この間、酸化物半導体層は大気に触れさせず、水や水素の混入が生じないようにする。
【0147】
熱処理装置は電気炉に限られず、加熱されたガスなどの媒体からの熱伝導、または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いても良い。例えば、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて熱処理を行う装置である。ガスとしては、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
【0148】
例えば、第1の熱処理として、熱せられた不活性ガス雰囲気中に被処理物を投入し、数分間熱した後、当該不活性ガス雰囲気から被処理物を取り出すGRTA処理を行ってもよい。GRTA処理を用いると短時間での高温熱処理が可能となる。また、短時間の熱処理であるため、被処理物の耐熱温度を超える温度条件であっても適用が可能となる。なお、処理中に、不活性ガスを、酸素を含むガスに切り替えても良い。酸素を含む雰囲気において第1の熱処理を行うことで、酸素欠損に起因するエネルギーギャップ中の欠陥準位を低減することができるためである。
【0149】
なお、不活性ガス雰囲気としては、窒素、または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等)を主成分とする雰囲気であって、水、水素などが含まれない雰囲気を適用するのが望ましい。例えば、熱処理装置に導入する窒素や、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(すなわち、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
【0150】
いずれにしても、第1の熱処理によって不純物を低減して、その後、酸素を補填し、i型(真性)半導体またはi型に限りなく近い酸化物半導体層を形成することで、極めて優れた特性のトランジスタを実現することができる。
【0151】
ところで、上述の熱処理(第1の熱処理)には水素や水などを除去する効果があるから、当該熱処理を、脱水化処理や、脱水素化処理などと呼ぶこともできる。当該脱水化処理や、脱水素化処理は、酸化物半導体層の形成後やゲート絶縁層の形成後、ゲート電極の形成後、などのタイミングにおいて行うことも可能である。また、このような脱水化処理、脱水素化処理は、一回に限らず複数回行っても良い。
【0152】
酸化物半導体層のエッチングは、上記熱処理の前、または上記熱処理の後のいずれにおいて行っても良い。また、素子の微細化という観点からはドライエッチングを用いるのが好適であるが、ウェットエッチングを用いても良い。エッチングガスやエッチング液については被エッチング材料に応じて適宜選択することができる。なお、素子におけるリークなどが問題とならない場合には、酸化物半導体層を島状に加工しないで用いても良い。
【0153】
次に、酸化物半導体層144に接するゲート絶縁層146を形成し、その後、ゲート絶縁層146上において酸化物半導体層144と重畳する領域にゲート電極148を形成する(図8(C)参照)。
【0154】
ゲート絶縁層146は、CVD法やスパッタ法等を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層146は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、などを含むように形成するのが好適である。ゲート絶縁層146は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。また、その厚さは特に限定されないが、半導体装置を微細化する場合には、トランジスタの動作を確保するために薄くするのが望ましい。例えば、酸化シリコンを用いる場合には、1nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下とすることができる。
【0155】
上述のように、ゲート絶縁層を薄くすると、トンネル効果などに起因するゲートリークが問題となる。ゲートリークの問題を解消するには、ゲート絶縁層146に、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、などの高誘電率(high−k)材料を用いると良い。high−k材料をゲート絶縁層146に用いることで、電気的特性を確保しつつ、ゲートリークを抑制するために膜厚を大きくすることが可能になる。なお、high−k材料を含む膜と、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウムなどのいずれかを含む膜との積層構造としてもよい。
【0156】
ゲート絶縁層146の形成後には、不活性ガス雰囲気下、または酸素雰囲気下で第2の熱処理を行うのが望ましい。熱処理の温度は、200℃以上450℃以下、望ましくは250℃以上350℃以下である。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の熱処理を行えばよい。第2の熱処理を行うことによって、トランジスタの電気的特性のばらつきを軽減することができる。また、ゲート絶縁層146が酸素を含む場合、脱水化処理や脱水素化処理がされた酸化物半導体層144に酸素を供給し、該酸化物半導体層144の酸素欠損を補填して、i型(真性)半導体またはi型に限りなく近い酸化物半導体層を形成することもできる。
【0157】
なお、本実施の形態では、ゲート絶縁層146の形成後に第2の熱処理を行っているが、第2の熱処理のタイミングはこれに限定されない。例えば、ゲート電極の形成後に第2の熱処理を行っても良い。また、第1の熱処理に続けて第2の熱処理を行っても良いし、第1の熱処理に第2の熱処理を兼ねさせても良いし、第2の熱処理に第1の熱処理を兼ねさせても良い。
【0158】
上述のように、第1の熱処理と第2の熱処理の少なくとも一方を適用することで、酸化物半導体層144を、その成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することができる。
【0159】
ゲート電極148は、ゲート絶縁層146上に導電層を形成した後に、当該導電層を選択的にエッチングすることによって形成することができる。ゲート電極148となる導電層は、スパッタ法をはじめとするPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法を用いて形成することができる。詳細は、ソース電極またはドレイン電極142aなどの場合と同様であり、これらの記載を参酌することができる。以上の工程により、トランジスタ162を形成することができる。
【0160】
次に、ゲート絶縁層146およびゲート電極148を覆うように、絶縁層150を形成し、その後、絶縁層150上において、ソース電極またはドレイン電極142aと重畳する領域に電極149を形成する(図8(D)参照)。絶縁層150を形成する前に、容量素子164を形成する領域のゲート絶縁層146を除去してもよい。容量素子164を形成する領域のゲート絶縁層146を除去することにより、容量素子164の容量を大きくすることができる。
【0161】
絶縁層150は、CVD法やスパッタ法等を用いて形成することができる。詳細は、ゲート絶縁層146などの場合と同様であり、これらの記載を参酌することができる。
【0162】
電極149は、絶縁層150上に導電層を形成した後に、当該導電層を選択的にエッチングすることによって形成することができる。電極149となる導電層は、スパッタ法をはじめとするPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法を用いて形成することができる。詳細は、ソース電極またはドレイン電極142aなどの場合と同様であり、これらの記載を参酌することができる。以上の工程により、容量素子164を形成することができる。
【0163】
容量素子用の電極となる電極149は、トランジスタ162のゲート電極148の少なくとも一部が重畳するように形成することが好ましい。また、電極149は、トランジスタ160のゲート電極110の少なくとも一部が重畳するように形成してもよい。このような構成を適用することで、回路面積を十分に縮小することができるためである。なお、このような構成を実現できるのは、ゲート電極148と電極149とを異なるレイヤーで形成しているからに他ならない。これらを同一レイヤーで形成する場合には、電極パターン形成の関係から、電極の間隔が十分に小さい構成とすることが困難であるのに対して、ゲート電極148と電極149とを異なるレイヤーとすることにより、これらの間隔を十分に小さくし、電極の一部が重畳するような構成とすることさえも可能になるのである。
【0164】
次に、絶縁層150および電極149上に、絶縁層151および絶縁層152を形成する(図9(A)参照)。絶縁層151および絶縁層152は、PVD法やCVD法などを用いて形成することができる。また、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。
【0165】
なお、絶縁層151や絶縁層152には、誘電率の低い材料や、誘電率の低い構造(多孔性の構造など)を用いることが望ましい。絶縁層151や絶縁層152の誘電率を低くすることにより、配線や電極などの間に生じる容量を低減し、動作の高速化を図ることができるためである。
【0166】
なお、本実施の形態では、絶縁層151と絶縁層152の積層構造としているが、本発明の一態様はこれに限定されない。1層としても良いし、3層以上の積層構造としても良い。また、絶縁層を設けない構成とすることも可能である。
【0167】
なお、上記絶縁層152は、その表面が平坦になるように形成することが望ましい。表面が平坦になるように絶縁層152を形成することで、半導体装置を微細化した場合などにおいても、絶縁層152上に、電極や配線などを好適に形成することができるためである。なお、絶縁層152の平坦化は、CMP処理などの方法を用いて行うことができる。
【0168】
次に、ゲート絶縁層146、絶縁層150、絶縁層151、絶縁層152に、ソース電極またはドレイン電極142bにまで達する開口153を形成する(図9(B)参照)。当該開口153の形成は、マスクなどを用いた選択的なエッチングにより行われる。
【0169】
ここで、上記の開口153は、電極126と重畳する領域に形成することが望ましい。このような領域に開口153を形成することで、電極のコンタクト領域に起因する素子面積の増大を抑制することができる。つまり、半導体装置の集積度を高めることができる。
【0170】
その後、上記開口153に電極154を形成し、絶縁層152および電極154に接する配線156を形成する(図9(C)参照)。
【0171】
電極154は、例えば、開口153を含む領域にPVD法やCVD法などを用いて導電層を形成した後、エッチング処理やCMP処理といった方法を用いて、上記導電層の一部を除去することにより形成することができる。
【0172】
より具体的には、例えば、開口153を含む領域にPVD法によりチタン膜を薄く形成し、CVD法により窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口153に埋め込むようにタングステン膜を形成する方法を適用することができる。ここで、PVD法により形成されるチタン膜は、被形成面の酸化膜(自然酸化膜など)を還元し、下部電極など(ここではソース電極またはドレイン電極142b)との接触抵抗を低減させる機能を有する。また、その後に形成される窒化チタン膜は、導電性材料の拡散を抑制するバリア機能を備える。また、チタンや窒化チタンなどによるバリア膜を形成した後に、メッキ法により銅膜を形成してもよい。
【0173】
なお、上記導電層の一部を除去して電極154を形成する際には、その表面が平坦になるように加工することが望ましい。例えば、開口153を含む領域にチタン膜や窒化チタン膜を薄く形成した後に、開口153に埋め込むようにタングステン膜を形成する場合には、その後のCMP処理によって、不要なタングステン、チタン、窒化チタンなどを除去すると共に、その表面の平坦性を向上させることができる。このように、電極154を含む表面を平坦化することにより、後の工程において、良好な電極、配線、絶縁層、半導体層などを形成することが可能となる。
【0174】
配線156は、スパッタ法をはじめとするPVD法や、プラズマCVD法などのCVD法を用いて導電層を形成した後、当該導電層をパターニングすることによって形成される。また、導電層の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素や、上述した元素を成分とする合金等を用いることができる。マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、ネオジム、スカンジウムのいずれか、またはこれらを複数組み合わせた材料を用いてもよい。詳細は、ソース電極またはドレイン電極142a、ソース電極またはドレイン電極142bなどと同様である。
【0175】
以上により、高純度化された酸化物半導体層144を用いたトランジスタ162、および容量素子164が完成する(図9(C)参照)。
【0176】
本実施の形態において示すトランジスタ162では、酸化物半導体層144は高純度化されている。また、酸化物半導体層144のキャリア密度は、一般的なシリコンウェハにおけるキャリア密度(1×1014/cm程度)と比較して、十分に小さい値(例えば、1×1012/cm未満、より好ましくは、1.45×1010/cm未満)をとる。そして、トランジスタ162の室温(25℃)でのオフ電流(ここでは、単位チャネル幅(1μm)あたりの値)は10zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下、望ましくは1zA以下となる。
【0177】
このように高純度化され、真性化された酸化物半導体層144を用いることで、トランジスタのオフ電流を十分に低減することができる。そして、このようなトランジスタを用いることで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能な半導体装置が得られる。
【0178】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0179】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子機器に適用する場合について、図10を用いて説明する。本実施の形態では、コンピュータ、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯情報端末(携帯型ゲーム機、音響再生装置なども含む)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)などの電子機器に、上述の半導体装置を適用する場合について説明する。
【0180】
図10(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、筐体701、筐体702、表示部703、キーボード704などによって構成されている。筐体701と筐体702の少なくとも一には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたノート型のパーソナルコンピュータが実現される。
【0181】
図10(B)は、携帯情報端末(PDA)であり、本体711には、表示部713と、外部インターフェイス715と、操作ボタン714等が設けられている。また、携帯情報端末を操作するスタイラス712などを備えている。本体711内には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯情報端末が実現される。
【0182】
図10(C)は、電子ペーパーを実装した電子書籍であり、電子書籍720は、筐体721と筐体723の2つの筐体で構成されている。筐体721および筐体723には、それぞれ表示部725および表示部727が設けられている。筐体721と筐体723は、軸部737により接続されており、該軸部737を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体721は、電源731、操作キー733、スピーカー735などを備えている。筐体721、筐体723の少なくとも一には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された電子書籍が実現される。
【0183】
図10(D)は、携帯電話機であり、筐体740と筐体741の2つの筐体で構成されている。さらに、筐体740と筐体741は、スライドし、図10(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。また、筐体741は、表示パネル742、スピーカー743、マイクロフォン744、操作キー745、ポインティングデバイス746、カメラ用レンズ747、外部接続端子748などを備えている。また、筐体740は、携帯電話機の充電を行う太陽電池セル749、外部メモリスロット750などを備えている。また、アンテナは、筐体741に内蔵されている。筐体740と筐体741の少なくとも一には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯電話機が実現される。
【0184】
図10(E)は、デジタルカメラであり、本体761、表示部767、接眼部763、操作スイッチ764、表示部765、バッテリー766などによって構成されている。本体761内には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたデジタルカメラが実現される。
【0185】
図10(F)は、テレビジョン装置であり、テレビジョン装置770は、筐体771、表示部773、スタンド775などで構成されている。テレビジョン装置770の操作は、筐体771が備えるスイッチや、リモコン操作機780により行うことができる。筐体771およびリモコン操作機780には、先の実施の形態に示す半導体装置が搭載されている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたテレビジョン装置が実現される。
【0186】
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が搭載されている。このため、消費電力を低減した電子機器が実現される。
【符号の説明】
【0187】
100 基板
102 保護層
104 半導体領域
106 素子分離絶縁層
108 ゲート絶縁層
110 ゲート電極
116 チャネル形成領域
120 不純物領域
122 金属層
124 金属化合物領域
126 電極
128 絶縁層
142a ソース電極またはドレイン電極
142b ソース電極またはドレイン電極
144 酸化物半導体層
146 ゲート絶縁層
148 ゲート電極
149 電極
150 絶縁層
151 絶縁層
152 絶縁層
153 開口
154 電極
156 配線
160 トランジスタ
162 トランジスタ
164 容量素子
701 筐体
702 筐体
703 表示部
704 キーボード
711 本体
712 スタイラス
713 表示部
714 操作ボタン
715 外部インターフェイス
720 電子書籍
721 筐体
723 筐体
725 表示部
727 表示部
731 電源
733 操作キー
735 スピーカー
737 軸部
740 筐体
741 筐体
742 表示パネル
743 スピーカー
744 マイクロフォン
745 操作キー
746 ポインティングデバイス
747 カメラ用レンズ
748 外部接続端子
749 太陽電池セル
750 外部メモリスロット
761 本体
763 接眼部
764 操作スイッチ
765 表示部
766 バッテリー
767 表示部
770 テレビジョン装置
771 筐体
773 表示部
775 スタンド
780 リモコン操作機
1100 メモリセルアレイ
1102 読み出し回路
1104 駆動回路
1106 駆動回路
1110 リフレッシュ制御回路
1112 コマンド制御回路
1114 アドレス制御回路
1116 分周回路
1200 メモリセル
1202 スイッチ素子
1204 増幅回路
1206 スイッチ素子
1300 スイッチ素子
1302 スイッチ素子
1400 リフレッシュ用カウント回路
1402 アドレス生成回路
1404 周波数検知回路
1406 切り替え制御回路
1408 リフレッシュクロック生成回路
1410 リフレッシュアドレス比較制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、を含む複数のメモリセルと、増幅回路と、スイッチ素子と、を含む読み出し回路と、リフレッシュ制御回路と、を有し、
前記第1のトランジスタは、第1のチャネル形成領域と、第1のゲート電極と、前記第1のチャネル形成領域と前記第1のゲート電極の間の第1のゲート絶縁層と、前記第1のチャネル形成領域と電気的に接続する第1のソース電極および第1のドレイン電極と、を含み、
前記第2のトランジスタは、第2のチャネル形成領域と、第2のゲート電極と、前記第2のチャネル形成領域と前記第2のゲート電極の間の第2のゲート絶縁層と、前記第2のチャネル形成領域と電気的に接続する第2のソース電極および第2のドレイン電極と、を含み、
前記第1のチャネル形成領域と前記第2のチャネル形成領域は、異なる材料を主成分として構成され、
前記第1のゲート電極と、前記第2のソース電極および前記第2のドレイン電極の一方は電気的に接続され、
前記第2のソース電極および前記第2のドレイン電極の他方と、増幅回路の入力端子の一は電気的に接続され、
前記増幅回路の出力端子は、前記スイッチ素子を介して前記第2のソース電極および前記第2のドレイン電極の他方と接続され、
前記スイッチ素子の導通状態または非導通状態は、前記リフレッシュ制御回路によって制御される半導体装置。
【請求項2】
前記第1のゲート電極と電気的に接続される容量素子を有する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記リフレッシュ制御回路は、前記メモリセルのリフレッシュタイミングに合わせて前記スイッチ素子を導通状態とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記リフレッシュタイミングは、メモリセルあたり10秒に1回以下の頻度で存在する請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2のチャネル形成領域は、酸化物材料で構成される、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のチャネル形成領域は、シリコンを主成分とする材料で構成される、請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−258303(P2011−258303A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104884(P2011−104884)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】