説明

半導体装置

【課題】微細化が容易で、短チャネル効果が生じにくい半導体装置を提供する。
【解決手段】トランジスタのチャネル長方向の断面形状において、アスペクト比の大きいゲート電極上に半導体層を形成することで、トランジスタを微細化しても短チャネル効果が生じにくいチャネル長を確保できる。また、半導体層と重畳し、ゲート電極より下層に絶縁層を介して下部電極を設ける。下部電極と重畳する半導体層は、下部電極の電位(電界)により導電型が付与され、ソース領域及びドレイン領域が形成される。半導体層の、ゲート絶縁層を介してゲート電極と対向する領域は、ゲート電極がシールドとして機能し、下部電極の電界の影響を受けない。すなわち、不純物導入工程を用いることなく、自己整合によりチャネル形成領域、ソース領域及びドレイン領域を形成することができる。これにより、微細化が容易で、短チャネル効果が生じにくい半導体装置が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置および半導体装置の作製方法に関する。特に、半導体集積回路の微細化技術に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、半導体素子、電気光学装置、記憶装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【背景技術】
【0003】
半導体素子のひとつとしてトランジスタが広く知られており、SRAMやDRAMなどの記憶装置、液晶素子やEL素子などを用いた表示装置などに盛んに使用されている。また、これら半導体装置の高集積化、高精細化の要求により、一つのトランジスタが占める面積を少なくすることが求められている。しかしながら、一つのトランジスタの占有面積が小さくなり、特にトランジスタのチャネル長が100nm以下となると、短チャネル効果によりソースとドレインが意図せず導通してしまうパンチスルー現象が起きやすくなり、トランジスタがスイッチング素子として機能しなくなることが問題視されていた。
【0004】
このような問題に対して、トランジスタを3次元に形成し、一つのトランジスタの占有面積を縮小しつつ、トランジスタの実効的なチャネル長を短チャネル効果が生じない程度に維持する方法が考えられてきた。
【0005】
例えば、特許文献1では、逆スタガ構造のトランジスタにおいて、トランジスタのチャネルを2つのゲート電極を横切るように設け、ゲート電極の段差分をチャネル長に加算する構成が示されている。
【0006】
さらに、特許文献2では、特許文献1の構成に加え、それぞれのゲート電極の厚さをそれぞれのゲート電極の幅よりも厚くして、相対的にゲート電極の厚み分のチャネル長を長くする構成が示されている。
【0007】
また、特許文献3では、逆スタガ構造のトランジスタにおいて、ゲート電極を凹状にし、トランジスタのチャネルをゲート電極の凹状の段差を横切るように設け、ゲート電極の段差分をチャネル長に加算する構成が示されている。
【0008】
さらに、特許文献4では、特許文献3の構成に加え、、凹状のゲート電極の厚さを凹状のゲート電極の段差間の間隔より厚くして、相対的にゲート電極の厚み分のチャネル長を長くする構成が示されている。これにより、一つのトランジスタの占有面積が縮小され、平面寸法が微細化しても短チャネル効果によるパンチスルー現象を起しにくいチャネル長を確保することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−110095号公報
【特許文献2】特開平5−110096号公報
【特許文献3】特開平5−110097号公報
【特許文献4】特開平5−110098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の構成では一つのトランジスタに対してゲート電極を複数形成する必要がある。また、ゲート電極に、ゲート電極を凹状とするための窪みを形成する必要がある。また、ソース領域及びドレイン領域の形成を、レジストをマスクとして用いたイオン注入法により行うため、レジストマスク形成のためのフォトリソグラフィ工程における位置合わせ誤差を考慮する必要があり、トランジスタの微細化が難しいという問題がある。
【0011】
そこで本発明の一様態は、微細化が容易な半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0012】
本発明の一様態は、微細化しても短チャネル効果が生じにくい半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0013】
生産性の良い半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0014】
信頼性の良い半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0015】
消費電力の少ない半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0016】
本明細書で開示する発明の一態様は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
トランジスタのゲート電極を、トランジスタのチャネル長方向の断面形状において、ゲート電極の高さが底辺の長さ以上となるように形成する。そして、該ゲート電極上に、ゲート絶縁層を介して半導体層を形成する。半導体層の、ゲート絶縁層を介してゲート電極と対向する領域にチャネルが形成される。このような構成とすることで、実効的なチャネル長を、トランジスタを上面から見たときのチャネル長の2倍以上とすることが可能となり、微細化しても短チャネル効果が生じにくく、信頼性の高い半導体装置を実現することができる。
【0018】
また、半導体層と重畳し、ゲート電極より下層に絶縁層を介して電極(以下、「下部電極」ともいう)を設ける。下部電極と重畳する半導体層は、下部電極の電位(電界)により導電型が付与され、ソース領域及びドレイン領域が形成される。半導体層のうち、ゲート絶縁層を介してゲート電極と対向する領域は、ゲート電極がシールドとして機能するため、下部電極からの電界の影響を受けない。
【0019】
すなわち、不純物導入工程を用いることなく、自己整合によりチャネル形成領域、ソース領域及びドレイン領域を形成することができる。不純物導入工程を不要とすることができるため、半導体装置の生産性を向上させることができる。また、トランジスタの微細化が容易となる。
【0020】
また、下部電極の電位を調節することにより、ソース領域及びドレイン領域の抵抗値を変化させることができる。
【0021】
本発明の一態様は、基板上に下部電極が形成され、下部電極上に絶縁層を介してゲート電極が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁層が形成され、ゲート絶縁層上に半導体層が形成され、半導体層は、下部電極と対向する第1の領域および第2の領域と、ゲート電極と対向する第3の領域を有し、ゲート電極の高さは、ゲート電極の、チャネル長の方向の断面における底辺の長さ以上であることを特徴とする半導体装置である。
【0022】
半導体層の、第1の領域または第2の領域のどちらか一方がソース領域として機能し、他方がドレイン領域として機能する。また、半導体層の第3の領域にチャネルが形成される。
【0023】
チャネル長の方向の断面におけるゲート電極の高さを底辺の長さで割った値(アスペクト比)は、1以上が好ましく、2以上がさらに好ましい。ゲート電極のアスペクト比が大きいほど短チャネル効果が抑制され、信頼性の高い半導体装置を実現することができる。
【0024】
また、下部電極を少なくとも第1の電極と第2の電極に分けて形成し、半導体層の第1の領域と重畳する第1の電極に第1の電位を供給し、半導体層の第2の領域と重畳する第2の電極に第2の電位を供給し、第1の領域と第2の領域の抵抗値を異ならせることができる。すなわち、半導体層のソース領域とドレイン領域の抵抗値を異ならせることができる。
【0025】
本発明の一態様は、基板上に、第1の電極と第2の電極が形成され、第1の電極及び第2の電極の上層に絶縁層を介してゲート電極が形成され、ゲート電極上にゲート絶縁層を介して半導体層が形成され、半導体層は、第1の電極と重畳する第1の領域と、第2の電極と重畳する第2の領域と、ゲート電極と対向する第3の領域を有し、ゲート電極の高さは、前記ゲート電極の、チャネル長の方向の断面における底辺の長さ以上であることを特徴とする半導体装置である。
【0026】
なお、第1の電極および第2の電極は、ゲート電極と重畳していなくてもよい。
【0027】
また、第1の電極と第2の電極に極性の異なる電位を供給して、第1の領域と第2の領域に異なる導電型を付与することができる。すなわち、一つの半導体素子を、トランジスタ、ダイオード、光電変換素子等に切り替えて用いることができる。また、一つのトランジスタを、p型トランジスタまたはn型トランジスタに任意に切り替えることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一様態によれば、微細化が容易な半導体装置を提供することができる。
【0029】
本発明の一様態によれば、微細化しても短チャネル効果を生じにくい半導体装置を提供することができる。
【0030】
本発明の一様態によれば、生産性の良い半導体装置を提供することができる。
【0031】
本発明の一様態によれば、信頼性の良い半導体装置を提供することができる。
【0032】
本発明の一様態によれば、消費電力の少ない半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】半導体装置の構成を説明する図。
【図2】半導体装置の作製工程を説明する図。
【図3】半導体層の作製方法の一例を説明する図。
【図4】半導体装置の構成を説明する図。
【図5】半導体装置の構成を説明する図。
【図6】半導体装置の構成を説明する図。
【図7】半導体装置の構成を説明する図。
【図8】半導体装置の構成を説明する図。
【図9】半導体装置の構成を説明する図。
【図10】CPUの具体例を示す図。
【図11】電子機器の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に開示される発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し、以下に開示される発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に開示される発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0035】
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0036】
トランジスタは半導体素子の一種であり、電流や電圧の増幅や、導通または非導通を制御するスイッチング動作などを実現することができる。本明細書におけるトランジスタは、IGFET(Insulated Gate Field Effect Transistor)や薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を含む。
【0037】
また、電圧とは2点間における電位差のことをいい、電位とはある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいう。ただし、一般的に、ある一点における電位と基準となる電位(例えば接地電位)との電位差のことを、単に電位もしくは電圧と呼び、電位と電圧が同義語として用いられることが多い。このため、本明細書では特に指定する場合を除き、電位を電圧と読み替えてもよいし、電圧を電位と読み替えてもよいこととする。
【0038】
また、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0039】
また、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」の用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0040】
また、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。
【0041】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様であるトランジスタの構成及び作製方法について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0042】
図1(A1)は、トランジスタ100の上面を示しており、図1(B1)は、図1(A1)におけるX1−X2で示した部位の断面を示している。また、図1(A2)は、トランジスタ100の上面を示しており、図1(B2)は、図1(A2)におけるX1−X2で示した部位の断面を示している。なお、図1(B1)及び図1(B2)は、トランジスタ100のチャネル長方向の断面図である。
【0043】
トランジスタ100は、基板101上に電極102が形成されている。また、電極102上に絶縁層103が形成され、絶縁層103上にゲート電極104が形成されている。ゲート電極104は、高さ(厚さ)が、チャネル長方向の断面における底辺の長さよりも高い形状を有している。
【0044】
また、ゲート電極104上にゲート絶縁層105が形成され、ゲート絶縁層105上に島状の半導体層106が形成されている。また、島状の半導体層106上に絶縁層108が形成され、絶縁層108上に絶縁層109が形成されている。また、絶縁層109上にソース電極111a及びドレイン電極111bが形成され、絶縁層108及び絶縁層109に形成されたコンタクトホール110を介して島状の半導体層106に電気的に接続されている。また、ソース電極111a及びドレイン電極111b上に絶縁層112が形成されている。なお、コンタクトホール110は、半導体層106中のソース領域107aが形成される領域上と、ドレイン領域107bが形成される領域上に、それぞれ形成されている。
【0045】
電極102に電位を供給し、電極102と重畳する島状の半導体層106に電界を加えることで、島状の半導体層106中にキャリアを生じさせる。図1(A2)及び図1(B2)は、電極102に島状の半導体層106中にキャリアを生じさせる電位を供給し、島状の半導体層106中の電極102と重畳する領域にソース領域107a及びドレイン領域107bが形成された状態を示している。なお、島状の半導体層106のうち、ゲート絶縁層105を介してゲート電極104と対向する領域は、電極102から生じる電界がゲート電極104で遮断されキャリアが生じない。このため、島状の半導体層106の、ゲート絶縁層105を介してゲート電極104と対向する領域は、チャネル形成領域107cとなる。
【0046】
例えば、島状の半導体層106を真性(i型)半導体または実質的に真性な半導体を用いて形成し、電極102に正の電位を供給すると、ソース領域107a及びドレイン領域107bがn型化され、チャネル形成領域107cはi型または実質的にi型のままとなる。また、電極102に供給する電位の大きさにより、ソース領域107a及びドレイン領域107bのキャリア濃度を変化させることが可能である。よって、電極102に供給する電位の大きさにより、ソース領域107a及びドレイン領域107bの抵抗値を制御することが可能となる。
【0047】
なお、真性半導体は、理想的には、不純物を含まずにフェルミレベルが禁制帯のほぼ中央に位置する半導体であるが、本明細書では、ドナーとなる不純物またはアクセプタとなる不純物を添加して、フェルミレベルが禁制帯のほぼ中央に位置するようにした半導体も含む。
【0048】
また、島状の半導体層106の、ゲート絶縁層105を介してゲート電極104と対向する領域は、ゲート電極104がシールドとして機能し、電極102の電位(電界)に影響されない。すなわち、自己整合によりチャネル形成領域107cが形成される。また、イオン注入法などによる不純物導入工程を用いずにソース領域107a及びドレイン領域107bを形成することが可能であるため、微細化が可能で、生産性に優れた半導体装置を作製することができる。
【0049】
また、ゲート電極104を、チャネル長方向の断面形状において、高さが底辺の長さ以上となる形状とし、ゲート電極104を覆って島状の半導体層106を形成することで、トランジスタの占有面積を小さくしつつ、トランジスタのチャネル長を短チャネル効果が生じにくい長さにすることができる。具体的には、底辺の長さが50nmで、高さが50nmのゲート電極104を覆って島状の半導体層106を形成すると、上面から見たチャネル長は50nmであるが、実効的なチャネル長は100nm以上となる。すなわち、実効的なチャネル長を、上面から見たチャネル長(ゲート電極104のチャネル長方向の断面形状における底辺の長さ)の2倍以上とすることができる。ゲート電極104の高さを底辺の長さで割った値(アスペクト比)は、1以上が好ましく、2以上がさらに好ましい。
【0050】
続いて、本実施の形態に開示するトランジスタ100の作製方法の一例について、図2を用いて説明する。
【0051】
まず、基板101上に電極102を形成する。基板101に使用することができる基板に大きな制限はないが、ガラス基板、セラミック基板、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、基板101にステンレス合金等の金属の基板を用いることもできる。基板101に導電性の基板を用いる場合は、基板101を電極102として用いることで、電極102を省略することができる。
【0052】
ガラス基板としては、例えば、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板を用いるとよい。他に、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、基板101として、可撓性基板(フレキシブル基板)を用いてもよい。可撓性基板を用いる場合、可撓性基板上に、トランジスタを直接作製してもよいし、他の作製基板上にトランジスタを作製し、その後可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板とトランジスタとの間に、剥離層を設けるとよい。
【0053】
また、基板101と電極102の間に、下地層を設けてもよい。下地層は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンから選ばれた材料を、単層でまたは積層して形成することができ、基板101からの不純物元素の拡散を防止する機能を有する。なお、本明細書中において、窒化酸化とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、酸化窒化とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものを示す。なお、各元素の含有量は、例えば、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)等を用いて測定することができる。下地層は、スパッタリング法、CVD法、塗布法、印刷法等を適宜用いることができる。
【0054】
また、下地層に、塩素、フッ素などのハロゲン元素を含ませることで、基板101からの不純物元素の拡散を防止する機能をさらに高めることができる。下地層に含ませるハロゲン元素の濃度は、SIMS(二次イオン質量分析計)を用いた分析により得られる濃度ピークにおいて、1×1015/cm以上1×1020/cm以下とすればよい。
【0055】
次に、スパッタリング法、真空蒸着法、またはメッキ法を用いて電極102となる導電層を形成する。導電層は必要に応じて選択的にエッチングしてもよい。導電層を選択的にエッチングする場合は、導電層上にレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法により、導電層の不要部分を除去すればよい。導電層上に形成するレジストマスクは印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法等を適宜用いることができる。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0056】
なお、特段の説明が無い限り、本明細書で言うフォトリソグラフィ工程には、レジストマスクの形成工程と、導電層または絶縁層のエッチング工程と、レジストマスクの剥離工程が含まれているものとする。
【0057】
電極102となる導電層の材料としては、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた金属元素、上述した金属元素を成分とする合金、上述した金属元素を組み合わせた合金、上述した金属元素の窒化物などを用いて形成することができる。また、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ベリリウム(Be)のいずれか一または複数から選択された金属元素を含む材料を用いてもよい。
【0058】
また、電極102となる導電層は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウムを用いた単層構造、アルミニウム上にチタンを積層する二層構造、窒化チタン上にチタンを積層する二層構造、窒化チタン上にタングステンを積層する二層構造、窒化タンタル上にタングステンを積層する二層構造、Cu−Mg−Al合金上にCuを積層する二層構造、チタンと、そのチタン上にアルミニウムを積層し、さらにその上にチタンを形成する三層構造などがある。
【0059】
また、電極102となる導電層は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素を含む材料の積層構造とすることもできる。
【0060】
次に、電極102上に、絶縁層103を形成する。絶縁層103は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンから選ばれた材料を、単層でまたは積層して形成することができる。
【0061】
また、絶縁層103として、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0、z>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0、z>0))、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどのhigh−k材料を用いることで、実質的な(例えば、酸化シリコン換算の)絶縁層の厚さを変えないまま、物理的な絶縁層を厚くすることにより、この後形成するゲート電極104と電極102間に生じる漏れ電流(リーク電流)を低減できる。さらには、high−k材料と、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、及び酸化ガリウムのいずれか一以上との積層構造とすることができる。絶縁層103の厚さは、10nm以上300nm以下、より好ましくは50nm以上200nm以下とするとよい。
【0062】
絶縁層103は、スパッタリング法、CVD法等により形成する。また、絶縁層103の形成は、スパッタリング法やCVD法などの他、μ波(例えば周波数2.45GHz)を用いた高密度プラズマCVD法などの成膜方法を適用することができる。
【0063】
また、絶縁層103に酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)を導入して絶縁層103を酸素過剰な状態としてもよい。酸素の導入は、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、酸素を含む雰囲気下で行うプラズマ処理などを用いることができる。例えば、酸素を含む雰囲気下で行うプラズマ処理を行う場合は、アッシング装置を用いることができる。
【0064】
本実施の形態では、絶縁層103として、スパッタリング法により電極102上に酸化シリコンを100nmの厚さで形成する。
【0065】
次に、絶縁層103上に導電層を形成し、フォトリソグラフィ工程により導電層を選択的にエッチング除去し、ゲート電極104(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成する。なお、レジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。また、チャネル長(L)の短い微細なトランジスタを作製するときは、パターンの解像度を向上させるために、フォトリソグラフィの光源としてi線(365nm)以下の波長の短い光を用いることが好ましい。
【0066】
ゲート電極104に用いる導電層は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた金属元素、上述した金属元素を成分とする合金、上述した金属元素を組み合わせた合金、上述した金属元素の窒化物などを用いて形成することができる。また、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ベリリウム(Be)のいずれか一または複数から選択された金属元素を含む材料を用いてもよい。
【0067】
また、ゲート電極104となる導電層は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウムを用いた単層構造、アルミニウム上にチタンを積層する二層構造、窒化チタン上にチタンを積層する二層構造、窒化チタン上にタングステンを積層する二層構造、窒化タンタル上にタングステンを積層する二層構造、Cu−Mg−Al合金上にCuを積層する二層構造、チタンと、そのチタン上にアルミニウムを積層し、さらにその上にチタンを形成する三層構造などがある。
【0068】
また、ゲート電極104となる導電層は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素を含む材料の積層構造とすることもできる。
【0069】
また、ゲート電極104となる導電層に、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物や、窒素を含むインジウム錫酸化物や、窒素を含むインジウムガリウム酸化物や、窒素を含むインジウム亜鉛酸化物や、窒素を含む酸化錫や、窒素を含むインジウム酸化物や、金属窒化物(InN、ZnNなど)を用いてもよい。
【0070】
これらの材料は5eV以上の仕事関数を有し、ゲート絶縁層105を介してこの後形成する半導体層106と対向させることで、トランジスタの電気特性のしきい値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのn型トランジスタを実現できる。
【0071】
なお、例えば、半導体層106に窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いる場合、少なくとも半導体層106より高い窒素濃度、具体的には窒素濃度が7原子%以上のインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いればよい。
【0072】
また、ゲート電極104となる導電層は、上記5eV以上の仕事関数を有する材料、上記透光性を有する導電性材料、または上記金属元素を含む材料を適宜組み合わせた積層構造とすることもできる。
【0073】
ゲート電極104となる導電層のエッチングは、ドライエッチング法でもウェットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。ドライエッチング法で行う場合のエッチングガスとしては、塩素(Cl)、三塩化硼素(BCl)、四塩化珪素(SiCl)もしくは四塩化炭素(CCl)などを代表とする塩素系ガス、四フッ化炭素(CF)、六フッ化硫黄(SF)、三フッ化窒素(NF)もしくはトリフルオロメタン(CHF)などを代表とするフッ素系ガス、臭化水素(HBr)または酸素を適宜用いることができる。また用いるエッチング用ガスに不活性気体を添加してもよい。また、ドライエッチングとしては、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)法や、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いることができる。
【0074】
本実施の形態では、ゲート電極104となる導電層として、厚さ100nmのタングステンを形成し、フォトリソグラフィ工程によりアスペクト比2(チャネル長方向の断面における底辺の長さが50nm)のゲート電極104を形成する(図2(A)参照)。
【0075】
なお、ゲート電極104の側面の形状を、順テーパーとすることが好ましい。順テーパーとは、断面において、下地となる層に他の層が厚さを増して接する構成をいう。テーパー角とは、テーパー形状を有する層(例えば、ゲート電極104)を、その断面(基板の表面と直交する面)に垂直な方向から観察した際に、当該層の側面と底面がなす傾斜角を示す。テーパー角が90°未満である場合を順テーパーといい、テーパー角が90°以上である場合を逆テーパーという。層の端部を順テーパー形状とすることで、その上に形成する層が途切れてしまう現象(段切れ)を防ぎ、被覆性を向上させることができる。
【0076】
次に、ゲート電極104上にゲート絶縁層105を形成する。ゲート絶縁層105は、絶縁層103と同様の材料及び方法で形成することができる。ゲート絶縁層105の厚さは、1nm以上300nm以下、より好ましくは100nm以下とするとよい。また、この後形成する半導体層106に酸化物半導体を用いる場合は、ゲート絶縁層105に、加熱により酸素放出される材料を用いることが好ましい。「加熱により酸素放出される」とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm以上であることをいう。
【0077】
また、ゲート絶縁層105に酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)を導入してゲート絶縁層105を酸素過剰な状態としてもよい。酸素の導入は、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、酸素を含む雰囲気下で行うプラズマ処理などを用いることができる。例えば、酸素を含む雰囲気下で行うプラズマ処理を行う場合は、アッシング装置を用いることができる。
【0078】
本実施の形態では、ゲート絶縁層105として、ゲート電極104上に酸化シリコンを50nmの厚さで形成する。
【0079】
次に、ゲート絶縁層105上に半導体膜を形成し、フォトリソグラフィ工程により島状の半導体層106を形成する。島状の半導体層106を形成するための半導体膜としては、多結晶半導体、微結晶半導体、非晶質半導体等を用いることができる。また、半導体膜の材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、またはガリウムヒ素等を挙げることができる。上記半導体膜は、スパッタリング法、CVD法により形成することができる。
【0080】
また、半導体層106を形成するための半導体膜に酸化物半導体を用いることもできる。酸化物半導体は、エネルギーギャップが3.0eV以上と大きく、また、酸化物半導体を適切な条件で加工して得られたトランジスタにおいては、オフ電流を使用時の温度条件下(例えば、25℃)において、100zA(1×10−19A)以下、もしくは10zA(1×10−20A)以下、さらには1zA(1×10−21A)以下とすることができる。このため、消費電力の少ない半導体装置を実現することができる。
【0081】
酸化物半導体膜は、スパッタリング法により形成することができる。半導体膜に酸化物半導体を用いる場合は、酸化物半導体に水素、水酸基及び水分がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室で、ゲート電極104及びゲート絶縁層105が形成された基板101を予備加熱し、基板101に吸着した水素、水分などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。なお、この予備加熱の処理は省略することもできる。またこの予備加熱は、ゲート絶縁層105の形成前に、ゲート電極104まで形成した基板101にも同様に行ってもよい。
【0082】
また、酸化物半導体として非晶質酸化物半導体を用いてもよいが、結晶性酸化物半導体を用いることが好ましい。半導体層106に結晶性酸化物半導体を用いることで、可視光や紫外光の照射よるトランジスタの電気的特性変化を抑制し、信頼性の高い半導体装置とすることができる。さらに、該結晶性酸化物半導体は、単結晶構造ではなく、非晶質構造でもない構造であり、c軸配向を有した結晶性酸化物半導体(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor; CAAC−OSとも呼ぶ)である。
【0083】
ここで、図3にc軸配向を有した結晶性酸化物半導体を得る方法について、三つ例示しておく。一つ目は、成膜温度を400℃以上450℃以下として酸化物半導体の成膜を行い、図3(A)に示す矢印の方向にc軸配向させる方法である。二つ目は、膜厚を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の加熱処理を行い、図3(B)に示す矢印の方向にc軸配向させる方法である。三つ目は、一層目の膜厚を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の加熱処理を行い、2層目の成膜を行い、図3(C)に示す矢印の方向にc軸配向させる方法である。
【0084】
図3(A)、図3(B)、及び図3(C)に示すように、いずれの方法であっても、酸化物半導体層144の表面の凹凸に対して垂直な方向に結晶成長が行われ、c軸配向した結晶性酸化物半導体を得ることができる。
【0085】
酸化物半導体としては、亜鉛を含む金属酸化物半導体を用いることができる。また、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物半導体や、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物半導体、In−Sn−Zn系酸化物半導体、In−Al−Zn系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn系酸化物半導体、Al−Ga−Zn系酸化物半導体、Sn−Al−Zn系酸化物半導体や、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物半導体、Sn−Zn系酸化物半導体、Al−Zn系酸化物半導体、Zn−Mg系酸化物半導体、Sn−Mg系酸化物半導体、In−Mg系酸化物半導体や、In−Ga系の材料、In系酸化物半導体、Sn系酸化物半導体、Zn系酸化物半導体などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiOを含ませてもよい。酸化物半導体は、少なくともIn、Ga、Sn及びZnから選ばれた一種以上の元素を含有する。
【0086】
ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物半導体とは、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を有する酸化物半導体、という意味であり、その組成比は問わない。また、InとGaとZn以外の元素を含んでもよい。このとき、酸化物半導体の化学量論比に対し、Oを過剰にすると好ましい。Oを過剰にすることで酸化物半導体の酸素欠損に起因するキャリアの生成を抑制することができる。
【0087】
また、酸化物半導体は、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を用いることができる。ここで、Mは、Zn、Ga、Al、Mn及びCoから選ばれた一または複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、またはGa及びCoなどがある。
【0088】
また、酸化物半導体としてIn−Zn系酸化物半導体を用いる場合、原子数比で、In/Zn=0.5〜50、好ましくはIn/Zn=1〜20、さらに好ましくはIn/Zn=1.5〜15とする。Znの原子数比を好ましい前記範囲とすることで、トランジスタの電界効果移動度を向上させることができる。ここで、化合物の原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
【0089】
本実施の形態では、半導体膜として酸化物半導体をIn−Ga−Zn系酸化物ターゲットを用いてスパッタリング法により30nmの厚さで形成する。酸化物半導体膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、又は希ガスと酸素の混合雰囲気下においてスパッタリング法により形成することができる。
【0090】
ここで、酸化物半導体膜を形成するスパッタリング装置について、以下に詳細を説明する。
【0091】
酸化物半導体を形成する成膜室は、リークレートを1×10−10Pa・m/秒以下とすることが好ましく、それによりスパッタリング法により成膜する際、膜中への不純物の混入を低減することができる。
【0092】
リークレートを低くするには、外部リークのみならず内部リークを低減する必要がある。外部リークとは、微小な穴やシール不良などによって真空系の外から気体が流入することである。内部リークとは、真空系内のバルブなどの仕切りからの漏れや内部の部材からの放出ガスに起因する。リークレートを1×10−10Pa・m/秒以下とするためには、外部リーク及び内部リークの両面から対策をとる必要がある。
【0093】
外部リークを減らすには、成膜室の開閉部分はメタルガスケットでシールするとよい。メタルガスケットは、フッ化鉄、酸化アルミニウム、または酸化クロムによって被覆された金属材料を用いると好ましい。メタルガスケットはOリングと比べ密着性が高く、外部リークを低減できる。また、フッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどの不動態によって被覆された金属材料を用いることで、メタルガスケットから生じる水素を含む放出ガスが抑制され、内部リークも低減することができる。
【0094】
成膜室の内壁を構成する部材として、水素を含む放出ガスの少ないアルミニウム、クロム、チタン、ジルコニウム、ニッケルまたはバナジウムを用いる。また、前述の材料を鉄、クロム及びニッケルなどを含む合金材料に被覆して用いてもよい。鉄、クロム及びニッケルなどを含む合金材料は、剛性があり、熱に強く、また加工に適している。ここで、表面積を小さくするために部材の表面凹凸を研磨などによって低減しておくと、放出ガスを低減できる。あるいは、前述の成膜装置の部材をフッ化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロムなどの不動態で被覆してもよい。
【0095】
さらに、スパッタガスを成膜室に導入する直前に、スパッタガスの精製機を設けることが好ましい。このとき、精製機から成膜室までの配管の長さを5m以下、好ましくは1m以下とする。配管の長さを5m以下または1m以下とすることで、配管からの放出ガスの影響を長さに応じて低減できる。
【0096】
成膜室の排気は、ドライポンプなどの粗引きポンプと、スパッタイオンポンプ、ターボ分子ポンプ及びクライオポンプなどの高真空ポンプとを適宜組み合わせて行うとよい。また、成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。ターボ分子ポンプは大きいサイズの分子の排気が優れる一方、水素や水の排気能力が低い。そこで、水の排気能力の高いクライオポンプ及び水素の排気能力の高いスパッタイオンポンプを組み合わせることが有効となる。また、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプ等の吸着型の真空ポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体層に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0097】
成膜室の内側に存在する吸着物は、内壁に吸着しているために成膜室の圧力に影響しないが、成膜室を排気した際のガス放出の原因となる。そのため、リークレートと排気速度に相関はないが、排気能力の高いポンプを用いて、成膜室に存在する吸着物をできる限り脱離し、予め排気しておくことが重要である。なお、吸着物の脱離を促すために、成膜室をベーキングしてもよい。ベーキングすることで吸着物の脱離速度を10倍程度大きくすることができる。ベーキングは100℃以上450℃以下で行えばよい。このとき、不活性ガスを添加しながら吸着物の除去を行うと、排気するだけでは脱離しにくい水などの脱離速度をさらに大きくすることができる。
【0098】
スパッタリング法において、プラズマを発生させるための電源装置は、RF電源装置、AC電源装置、DC電源装置等を適宜用いることができる。
【0099】
酸化物半導体をスパッタリング法で作製するためのターゲットは、例えば、In、Ga、及びZnを含む金属酸化物を、In:Ga:ZnO=1:1:1[mol数比]の組成比で有するターゲットを用いることができる。また、In:Ga:ZnO=1:1:2[mol数比]の組成比を有するターゲット、またはIn:Ga:ZnO=1:1:4[mol数比]の組成比を有するターゲット、In:Ga:ZnO=2:1:8[mol数比]の組成比を有するターゲットを用いることもできる。
【0100】
また、金属酸化物ターゲットの相対密度は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。相対密度の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体層を緻密な膜とすることができる。
【0101】
なお、スパッタリングガスは、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気、酸素雰囲気、希ガス及び酸素の混合ガスを適宜用いる。また、スパッタリングガスには、水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。例えば、スパッタガスとしてアルゴンを用いる場合は、純度9N、露点−121℃、含有HO量0.1ppb以下、含有H量0.5ppb以下が好ましく、酸素を用いる場合は、純度8N、露点−112℃、含有HO量1ppb以下、含有H量1ppb以下が好ましい。
【0102】
酸化物半導体の成膜は、減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持し、基板温度を100℃以上600℃以下好ましくは300℃以上500℃以下として行う。
【0103】
基板を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体に含まれる水素、水分、水素化物、または水酸化物などの不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減される。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて酸化物半導体膜を形成する。
【0104】
また、酸化物半導体中のNaやLiなどのアルカリ金属の濃度は、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下とするとよい。
【0105】
成膜条件の一例としては、基板とターゲットの間との距離を100mm、圧力0.6Pa、直流(DC)電源電力0.5kW、スパッタガスとして酸素(酸素流量比率100%)を用いる条件が適用される。なお、パルス直流電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、ごみともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一となるために好ましい。
【0106】
なお、上記スパッタリング装置を用いても、酸化物半導体膜は少なからず窒素を含んで形成される場合がある。例えば、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定される酸化物半導体膜中の窒素濃度が、5×1018atoms/cm未満で含まれる場合がある。
【0107】
また、ゲート絶縁層105の形成と島状の半導体層106となる酸化物半導体膜の形成は、途中で大気に触れることなく連続して行うことが好ましい。大気に触れることなく連続して行うことで、ゲート絶縁層105と酸化物半導体膜の界面に、水、水素、ハイドロカーボンなどの不純物が付着することを防ぐことができる。
【0108】
次いで、第1の加熱処理を行う。この第1の加熱処理によって酸化物半導体膜中の過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去(脱水化または脱水素化)し、酸化物半導体膜を高純度化することができる。
【0109】
第1の加熱処理は、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、または超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、250℃以上750℃以下、または400℃以上基板の歪み点未満の温度で行う。例えば、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体膜に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行う。
【0110】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性ガスが用いられる。
【0111】
例えば、第1の加熱処理として、650℃以上700℃以下の高温に加熱した不活性ガス中に基板を移動させて入れ、数分間加熱した後、基板を移動させて高温に加熱した不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
【0112】
加熱処理を、窒素または希ガスなどの不活性ガス、酸素、超乾燥エアのガス雰囲気下で行なう場合は、これらの雰囲気に水、水素などが含まれないことが好ましい。また、加熱処理装置に導入する窒素、酸素、または希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
【0113】
また、脱水化又は脱水素化処理を行った酸化物半導体膜に、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)を導入して酸化物半導体膜中に酸素を供給してもよい。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、酸素を含む雰囲気下で行うプラズマ処理などを用いることができる。
【0114】
水分または水素などの不純物が低減されて高純度化された酸化物半導体(purified OS)は、その後、酸化物半導体に酸素を供給して、酸化物半導体内の酸素欠損を低減することによりi型(真性)の酸化物半導体又はi型に限りなく近い(実質的にi型化した)酸化物半導体とすることができる。チャネルが形成される半導体層にi型または実質的にi型化された酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。具体的には、酸化物半導体層の水素濃度は5×1019atoms/cm以下、望ましくは5×1018atoms/cm以下、より望ましくは5×1017atoms/cm以下とする。なお、上述の酸化物半導体層中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS)で測定されるものである。
【0115】
次いで、酸化物半導体膜をフォトリソグラフィ工程により選択的にエッチング除去し、島状の半導体層106を形成する(図2(B)参照)。また、島状の半導体層106を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0116】
なお、酸化物半導体膜のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体膜のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO−07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0117】
次に、島状の半導体層106上に、絶縁層108を形成する。絶縁層108は、ゲート絶縁層105と同様の材料及び方法で形成することができる。なお、島状の半導体層106に酸化物半導体を用いる場合、絶縁層108として、または、絶縁層108と積層して、酸化物半導体と同種の成分を含む金属酸化物層を形成してもよい。
【0118】
本実施の形態では、絶縁層108として、膜厚100nmの酸化シリコンをスパッタリング法を用いて形成する。成膜時の基板温度は、室温以上300℃以下とすればよく、本実施の形態では100℃とする。酸化シリコンのスパッタリング法による成膜は、希ガス(代表的にはアルゴン)雰囲気下、酸素雰囲気下、または希ガスと酸素の混合雰囲気下において行うことができる。また、ターゲットには、酸化シリコンまたはシリコンを用いることができる。例えば、シリコンをターゲットに用いて、酸素を含む雰囲気下でスパッタリング法による成膜を行うと酸化シリコンを形成することができる。
【0119】
また、島状の半導体層106に酸化物半導体を用いた場合、絶縁層108形成後に、減圧雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、または超乾燥エア雰囲気下で第2の加熱処理(好ましくは200℃以上600℃以下、例えば250℃以上550℃以下)を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下で450℃、1時間の第2の加熱処理を行ってもよい。第2の加熱処理を行うと、酸化物半導体層が絶縁層108と接した状態で昇温される。なお、上記雰囲気に水、水素などが含まれないことが好ましい。
【0120】
島状の半導体層106に酸化物半導体を用いた場合、島状の半導体層106と酸素を含む絶縁層108とを接した状態で熱処理を行うと、酸素を含む絶縁層108から島状の半導体層106へ酸素を供給することができる。酸化物半導体中へ酸素が供給されることにより、脱水化または脱水素化により生じた酸化物半導体中の酸素欠損を補い、酸化物半導体をi型(真性)化することができる。
【0121】
次に、絶縁層108上に絶縁層109を形成する。絶縁層109は、表面凹凸を低減するための平坦化絶縁層として機能する絶縁層が好ましい。絶縁層109としては、例えばポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機絶縁材料を用いることができる。また上記有機絶縁材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等の単層、又は積層を用いることができる(図2(C)参照)。
【0122】
また、絶縁層109形成後にCMP処理を行い、絶縁層109の表面凹凸を軽減させてもよい。ここで、CMP処理とは、被加工物の表面を化学的・機械的な複合作用により平坦化する手法である。より具体的には、研磨ステージの上に研磨布を貼り付け、被加工物と研磨布との間にスラリー(研磨剤)を供給しながら研磨ステージと被加工物とを各々回転または揺動させて、被加工物の表面を、スラリーと被加工物表面との間での化学反応と、研磨布と被加工物との機械的研磨の作用により、被加工物の表面を研磨する方法である。
【0123】
上記CMP処理によって、絶縁層109の表面の二乗平均平方根(RMS)粗さを1nm以下(好ましくは0.5nm以下)とすることができる。CMP処理を行うことにより、後に電極または配線等が形成される表面の平坦性を向上させ、半導体装置の高集積化を容易とし、信頼性を向上させることができる。
【0124】
なお、CMP処理は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。複数回に分けてCMP処理を行う場合は、高い研磨レートの一次研磨を行った後、低い研磨レートの仕上げ研磨を行うのが好ましい。このように研磨レートの異なる研磨を組み合わせることによって、絶縁層109の表面の平坦性をさらに向上させることができる。
【0125】
次に、絶縁層108及び絶縁層109の一部をフォトリソグラフィ工程により選択的にエッチングしてコンタクトホール110を形成し、島状の半導体層106の一部を露出させる。絶縁層108及び絶縁層109のエッチングは、ドライエッチング法でもウェットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。
【0126】
次に、絶縁層103上に導電層を形成し、フォトリソグラフィ工程により導電層を選択的にエッチング除去し、ソース電極111a及びドレイン電極111b(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成する(図2(D)参照)。ソース電極111a及びドレイン電極111bの形成は、ゲート電極104と同様の材料及び方法により行うことができる。以上の工程により、トランジスタ100を形成することができる。
【0127】
また、ソース電極111a及びドレイン電極111b上に、さらに絶縁層112を形成してもよい。例えば、プラズマCVD法やスパッタリング法等を用いて窒化シリコン層を形成する。絶縁層112には、水分や、水素イオンや、OHなどの不純物をほとんど含まず、更にこれらの外部からの侵入を防ぐことのできる無機絶縁物である窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウムなどを用いると良い。本実施の形態では、絶縁層112に窒化シリコンを用いる(図2(D)参照)。
【0128】
トランジスタ100の形成後、さらに大気中で100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以下での加熱処理を行ってもよい。この加熱処理は一定の加熱温度を保持して加熱してもよいし、室温から加熱温度への昇温と加熱温度から室温までの降温を1サイクルとする処理を複数回繰り返して行ってもよい。
【0129】
本実施の形態によれば、トランジスタの占有面積が小さくても短チャネル効果が生じにくく信頼性の高い半導体装置を作製することができる。また、半導体装置の消費電力を低減することができる。また、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0130】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0131】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明したトランジスタ100と一部異なる構成を有するトランジスタ150について、図4を用いて説明する。
【0132】
図4(A)は、トランジスタ150の上面を示しており、図4(B)及び図4(C)は、図4(A)におけるY1−Y2で示した部位の断面を示している。なお、図4(B)及び図4(C)は、トランジスタ150のチャネル長方向の断面図である。
【0133】
本実施の形態に示すトランジスタ150は、実施の形態1で説明したトランジスタ100とゲート絶縁層の構成が異なる。半導体素子の微細化が進むと、スケーリング則に従いゲート絶縁層の薄膜化が要求される。ゲート絶縁層の薄膜化が進むと、ピンホールなどの欠陥によるリーク電流の増大や、絶縁耐圧の低下等が問題となる。そこで、トランジスタ150のゲート絶縁層を陽極酸化法により形成する。
【0134】
図4(B)は、ゲート電極104の上に陽極酸化法により酸化層115を形成し、酸化層115を介して半導体層106を形成するトランジスタ150の断面構成を示している。酸化層115はゲート絶縁層として機能する。酸化層115は、陽極酸化可能な材料により形成し、電解溶液中でゲート電極104の表面を酸化させることにより形成できる。陽極酸化可能な材料の一例としては、アルミニウム、タンタル、チタン等を挙げることができる。例えば、ゲート電極104としてアルミニウムを用いて陽極酸化法を行うと、酸化層115として酸化アルミニウムを形成することができる。
【0135】
酸化層115は、陽極酸化の条件により、膜質(緻密な酸化層、多孔質の酸化層等)を変化させて形成することができる。本実施の形態では、酸化層115をゲート絶縁層として用いるため、ゲート電極104上に緻密な酸化層を形成する。
【0136】
例えば、電解溶液として、3%の酒石酸のエチレングリコール溶液をアンモニア水で中和して、PH=6.8から7.2程度に調整したものを使用する。この電解溶液中において、白金を陰極、ゲート電極104を陽極として、化成電流5〜6mA/cm、化成電圧10Vとして、両電極間に電流を流すことにより、ゲート電極104の表面に緻密で強固な膜質の酸化層を形成することができる。
【0137】
この陽極酸化膜の膜厚は、化成電圧の大きさによって制御することができる。化成電圧1Vあたり0.1nmから1.5nmの厚さの陽極酸化膜を形成することができる。陽極酸化法は原理的にピンホールが生じにくく、試料表面に意図せず付着物等が存在しても、付着物とゲート電極104の間に電解溶液が入り込んで酸化されるため、非常に均一な被膜を形成することができる。
【0138】
ゲート電極104としてタンタルを用いて陽極酸化法を行うと、酸化層115として酸化タンタルを形成することができる。また、ゲート電極104としてチタンを用いて陽極酸化法を行うと、酸化層115として酸化チタンを形成することができる。このように、酸化層115には、ゲート電極104の構成元素が含有されることとなる。
【0139】
また、図4(C)に示すように、酸化層115を形成し、酸化層115上にゲート絶縁層105を形成しても良い。
【0140】
ゲート電極104上に陽極酸化法により酸化層115を形成し、酸化層115をゲート絶縁層として用いることにより、信頼性の高い半導体装置を実現することができる。
【0141】
また、陽極酸化法により、電極102の表面に酸化層を形成しても良い。
【0142】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0143】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本明細書で開示するトランジスタを用いた半導体装置の一例として、記憶装置の構成例について図5及び図6を用いて説明する。
【0144】
図5(A)は、記憶装置が有するメモリセル210の上面を示しており、図5(B)は、図5(A)におけるZ1−Z2で示した部位の断面を示している。また、図5(C)は、メモリセル210の等価回路図である。また、図5(D)は、メモリセル210を複数有する記憶装置の概念図である。本実施の形態に示すメモリセル210は、いわゆるDRAM(Dynamic Random Access Memory)に相当する構成を有する。
【0145】
メモリセル210はトランジスタ201と容量素子202を有する。トランジスタ201は、上記実施の形態で説明するトランジスタを適用することができる。トランジスタ201のソース領域107a及びドレイン領域107bは、電極102に電位を供給することで形成される。容量素子202は、ドレイン領域107bと電極102を電極とし、絶縁層103及びゲート絶縁層105を誘電体層として形成される。電極102はメモリセル210の全面に形成されているため、ドレイン領域107bの面積を調整することで、容量素子202の容量値を決定することができる。また、電極102を容量素子202の一方の電極として用いることができるため、新たに容量素子用の電極を設ける必要が無く、メモリセル210の微細化が容易となる。
【0146】
図5(C)において、トランジスタ201のソースまたはドレインの一方はビット線BLに電気的に接続され、トランジスタ201のゲートはワード線WLに電気的に接続され、トランジスタ201のソースまたはドレインの他方は容量素子202の一方の電極に電気的に接続され、容量素子202の他方の電極は共通電極に電気的に接続している。
【0147】
トランジスタ200は、微細化しても短チャネル効果が生じにくい構成を有するトランジスタであるため、容量素子202に蓄積された電荷を長時間にわたって保持することが可能である。また、トランジスタ200の半導体層106(ソース領域107a、ドレイン領域107b、及びチャネル形成領域107cを含む層)に酸化物半導体を用いると、トランジスタ200のオフ電流を極めて小さくすることが可能となる。このため、容量素子202に蓄積された電荷をさらに長時間保持することが可能となる。
【0148】
次に、メモリセル210の、情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、ワード線WLの電位を、トランジスタ201がオン状態となる電位として、トランジスタ201をオン状態とする。これにより、ビット線BLの電位が容量素子202の一方の電極に与えられる(書き込み)。その後、ワード線WLの電位を、トランジスタ201がオフ状態となる電位として、トランジスタ201をオフ状態とすることにより、容量素子202の一方の電極の電位が保持される(保持)。
【0149】
次に、情報の読み出しについて説明する。トランジスタ201がオン状態となると、浮遊状態であるビット線BLと容量素子202とが導通し、ビット線BLと容量素子202の間で電荷が再分配される。その結果、ビット線BLの電位が変化する。ビット線BLの電位の変化量は、容量素子202の一方の電極の電位(あるいは容量素子202に蓄積された電荷)によって、異なる値をとる。
【0150】
例えば、容量素子202の一方の電極の電位をV、容量素子202の容量をC、ビット線BLが有する容量成分(以下、ビット線容量とも呼ぶ)をCB、電荷が再分配される前のビット線BLの電位をVB0とすると、電荷が再分配された後のビット線BLの電位は、(CB×VB0+C×V)/(CB+C)となる。従って、メモリセル210の状態として、容量素子202の一方の電極の電位がV1とV0(V1>V0)の2状態をとるとすると、電位V1を保持している場合のビット線BLの電位(=CB×VB0+C×V1)/(CB+C))は、電位V0を保持している場合のビット線BLの電位(=(CB×VB0+C×V0)/(CB+C))よりも高くなることがわかる。
【0151】
そして、ビット線BLの電位を所定の電位と比較することで、情報を読み出すことができる。なお、情報を読み出すと、容量素子202に保持された電荷が減少するため、読み出し終了後に、再度情報の書き込みを行う。
【0152】
このように、図5に示す半導体装置は、微細化しても短チャネル効果が生じにくいトランジスタ201を有するため、微細化してもオフ電流の増加が抑えられ、容量素子202に蓄積された電荷を長時間にわたって保持することが可能である。また、半導体装置の作製時に不純物導入工程を不要とすることができるため、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0153】
また、トランジスタ201の半導体層106に酸化物半導体を用いると、トランジスタ201のオフ電流を極めて小さくすることが可能となる。このため、容量素子202に蓄積された電荷をさらに長時間保持することが可能となる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
【0154】
次に、図5(D)に示す半導体装置について、説明を行う。図5(D)に示す記憶装置は、上部にメモリセル210を複数有するメモリセルアレイ220を有し、下部に、メモリセルアレイ220を動作させるために必要な駆動回路230を有する。
【0155】
図5(D)に示した構成とすることにより、駆動回路230をメモリセルアレイ220の直下に設けることができるため、半導体装置の小型化を図ることができる。
【0156】
また、本明細書で開示するトランジスタを用いて、SRAM(Static Random Access Memory)に相当するメモリセルを構成することも可能である。
【0157】
図6に、SRAMに相当する構成の半導体装置の一例を示す。図6に示すメモリセルアレイ1140は、複数のメモリセル1150がマトリクス状に配列された構成とすることができる。また、メモリセルアレイ1140は、第1の配線(ワード線WL)、第2の配線(ビット線BL)及び第3の配線(反転ビット線/BL)をそれぞれ複数本有する。
【0158】
メモリセル1150は、第1のトランジスタ1151、第2のトランジスタ1152、第3のトランジスタ1153、第4のトランジスタ1154、第5のトランジスタ1155、及び第6のトランジスタ1156を有している。第1のトランジスタ1151と第2のトランジスタ1152は、選択トランジスタとして機能する。また、第3のトランジスタ1153と第4のトランジスタ1154のうち、一方はn型トランジスタ(ここでは、第4のトランジスタ1154)であり、他方はp型トランジスタ(ここでは、第3のトランジスタ1153)である。つまり、第3のトランジスタ1153と第4のトランジスタ1154によってCMOS回路が構成されている。同様に、第5のトランジスタ1155と第6のトランジスタ1156によってCMOS回路が構成されている。
【0159】
第1のトランジスタ1151、第2のトランジスタ1152、第4のトランジスタ1154、第6のトランジスタ1156は、nチャネル型のトランジスタであり、第3のトランジスタ1153と第5のトランジスタ1155は、pチャネル型のトランジスタである。なお、本明細書で開示するトランジスタを用いたCMOS回路の構成例については、他の実施の形態で詳細に説明する。
【0160】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0161】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3で説明したメモリセルと異なる構成を有するメモリセルの例について、図7を用いて説明する。図7(A)に示すメモリセル1170は、第1の配線SL、第2の配線BL、第3の配線S1、第4の配線S2と、第5の配線WLと、トランジスタ1171(第1のトランジスタ)と、トランジスタ1172(第2のトランジスタ)と、容量素子1173とから構成されている。
【0162】
トランジスタ1171及びトランジスタ1172は、上記実施の形態で説明したトランジスタを適用することができる。また、トランジスタ1172は、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いることが好ましい。
【0163】
ここで、トランジスタ1171のゲート電極と、トランジスタ1172のソース電極またはドレイン電極の一方と、容量素子1173の一方の電極とは、ノードAに電気的に接続されている。また、第1の配線SLと、トランジスタ1171のソース電極とは、電気的に接続され、第2の配線BLと、トランジスタ1171のドレイン電極とは、電気的に接続され、第3の配線S1と、トランジスタ1172のソース電極またはドレイン電極の他方とは、電気的に接続され、第4の配線S2と、トランジスタ1172のゲート電極とは、電気的に接続され、第5の配線WLと、容量素子1173の他方の電極とは、電気的に接続されている。
【0164】
次に、回路の動作について具体的に説明する。
【0165】
メモリセル1170への書込みを行う場合は、第1の配線SLを0V、第5の配線WLを0V、第2の配線BLを0V、第4の配線S2を2Vとする。データ”1”を書き込む場合には第3の配線S1を2V、データ”0”を書き込む場合には第3の配線S1を0Vとする。このとき、トランジスタ1172はオン状態となる。なお、書き込み終了にあたっては、第3の配線S1の電位が変化する前に、第4の配線S2を0Vとして、トランジスタ1172をオフ状態にする。
【0166】
その結果、データ”1”の書込み後にはトランジスタ1171のゲート電極に接続されるノードAの電位が約2V、データ”0”の書込み後にはノードAの電位が約0Vとなる。
【0167】
メモリセル1170の読み出しを行う場合は、第1の配線SLを0V、第5の配線WLを2V、第4の配線S2を0V、第3の配線S1を0Vとし、第2の配線BLに接続されている読出し回路を動作状態とする。このとき、トランジスタ1172は、オフ状態となる。
【0168】
第5の配線WLを2Vとした場合のトランジスタ1171の状態について説明する。トランジスタ1171の状態を決めるノードAの電位は、第5の配線WLとノードA間の容量C1と、トランジスタ1171のゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極間の容量C2に依存する。
【0169】
なお、読出し時の第3の配線S1は0Vとしたが、フローティング状態や0V以上の電位に充電されていても構わない。データ”1”とデータ”0”は便宜上の定義であって、逆であっても構わない。
【0170】
書き込み時の第3の配線S1の電位は、書込み後にトランジスタ1172がオフ状態となり、また、第5の配線WLの電位が0Vの場合にトランジスタ1171がオフ状態である範囲で、データ”0”、”1”の電位をそれぞれ選べばよい。読出し時の第5の配線WLの電位は、データ”0”の場合にトランジスタ1171がオフ状態となり、データ”1”の場合にトランジスタ1171がオン状態となるように選べばよい。また、トランジスタ1171のしきい値電圧も、一例である。上述したトランジスタ1171の状態を変えない範囲であれば、どのようなしきい値でも構わない。
【0171】
また、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極を有する選択トランジスタと、容量素子を有するメモリセルを用いるNOR型の半導体記憶装置の例について図7(B)を用いて説明する。
【0172】
図7(B)に示すメモリセルアレイは、i行(iは3以上の自然数)j列(jは3以上の自然数)にマトリクス状に配列された複数のメモリセル1180と、i本のワード線WL(ワード線WL_1乃至ワード線WL_i)と、i本の容量線CL(容量線CL_1乃至容量線CL_i)と、j本のビット線BL(ビット線BL_1乃至ビット線_j)と、ソース線SLと、を具備する。
【0173】
さらに、複数のメモリセル1180のそれぞれ(メモリセル1180(M,N)(ただし、Mは1以上i以下の自然数、Nは1以上j以下の自然数)ともいう)は、トランジスタ1181(M,N)と、容量素子1183(M,N)と、トランジスタ1182(M,N)と、を備える。
【0174】
なお、半導体記憶装置において、容量素子は、第1の容量電極、第2の容量電極、が誘電体層を介して対向した構成を有する。容量素子は、第1の容量電極と第2の容量電極の間に印加される電圧に応じて電荷を蓄積する。
【0175】
トランジスタ1181(M,N)は、n型トランジスタであり、ソース電極、ドレイン電極、第1のゲート電極、及び第2のゲート電極を有する。なお、本実施の形態の半導体記憶装置において、必ずしもトランジスタ1181をn型トランジスタにしなくてもよい。
【0176】
トランジスタ1181(M,N)のソース電極及びドレイン電極の一方は、ビット線BL_Nに接続され、トランジスタ1181(M,N)の第1のゲート電極は、ワード線WL_Mに接続され、トランジスタ1181(M,N)の第2のゲート電極は、ゲート線BGL_Mに接続される。トランジスタ1181(M,N)のソース電極及びドレイン電極の一方がビット線BL_Nに接続される構成にすることにより、メモリセル毎に選択的にデータを読み出すことができる。
【0177】
トランジスタ1181(M,N)は、メモリセル1180(M,N)において選択トランジスタとしての機能を有する。
【0178】
トランジスタ1181(M,N)としては、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタを用いることができる。
【0179】
トランジスタ1182(M,N)は、p型トランジスタである。なお、本実施の形態の半導体記憶装置において、必ずしもトランジスタ1182をp型トランジスタにしなくてもよい。
【0180】
トランジスタ1182(M,N)のソース電極及びドレイン電極の一方は、ソース線SLに接続され、トランジスタ1182(M,N)のソース電極及びドレイン電極の他方は、ビット線BL_Nに接続され、トランジスタ1181(M,N)のゲート電極は、トランジスタ1182(M,N)のソース電極及びドレイン電極の他方に接続される。
【0181】
トランジスタ1182(M,N)は、メモリセル1180(M,N)において、出力トランジスタとしての機能を有する。トランジスタ1182(M,N)としては、例えば単結晶シリコンをチャネル形成領域に用いるトランジスタを用いることができる。
【0182】
容量素子1183(M,N)の第1の容量電極は、容量線CL_Mに接続され、容量素子1183(M,N)の第2の容量電極は、トランジスタ1181(M,N)のソース電極及びドレイン電極の他方に接続される。なお、容量素子1183(M,N)は、保持容量としての機能を有する。
【0183】
ワード線WL_1乃至ワード線WL_iのそれぞれの電圧は、例えばデコーダを用いた駆動回路により制御される。
【0184】
ビット線BL_1乃至ビット線BL_jのそれぞれの電圧は、例えばデコーダを用いた駆動回路により制御される。
【0185】
容量線CL_1乃至容量線CL_iのそれぞれの電圧は、例えばデコーダを用いた駆動回路により制御される。
【0186】
ゲート線駆動回路は、例えばダイオード及び第1の容量電極がダイオードのアノードに電気的に接続される容量素子を備える回路により構成される。
【0187】
本実施の形態で開示したメモリセルは、実施の形態3で開示したメモリセルよりも回路構成が複雑となるが、情報の読み出し時に容量素子1173に保持された電荷の減少が生じないため、読み出し終了後に、再度情報の書き込みを行う必要が無い。よって、実施の形態3で開示したメモリセルよりも少ない消費電力で動作することが可能となる。
【0188】
本実施の形態に開示するメモリセルに、上記実施の形態で開示した微細化しても短チャネル効果が生じにくいトランジスタを適用することで、微細化してもオフ電流の増加が抑えられ、消費電力の少ない半導体装置を実現し、また、ノードAの電位を長時間保持することが可能である。また、半導体装置の作製時に不純物導入工程を不要とするとこができるため、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0189】
また、トランジスタ1172のチャネル形成領域に酸化物半導体を用いることで、トランジスタ1172をオフ電流が極めて少ないトランジスタとすることができるため、ノードAの電位をさらに長時間保持することが可能となる。つまり、リフレッシュ動作が不要となるか、または、リフレッシュ動作の頻度を極めて低くすることが可能となるため、消費電力を低減することができる。また、電力の供給がない場合であっても、長期にわたって記憶内容を保持することが可能である。
【0190】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0191】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本明細書で開示するトランジスタを用いたインバーター回路(反転回路)の構成例について、図8を用いて説明する。
【0192】
図8(A)は、インバーター回路300の上面を示しており、図8(B)は、図8(A)におけるJ1−J2及びK1−K2で示した部位の断面を示している。なお、J1−J2断面は、トランジスタ350のチャネル長方向の断面であり、K1−K2断面は、トランジスタ360のチャネル長方向の断面である。また、図8(C)は、インバーター回路300の等価回路図である。
【0193】
インバーター回路300は、トランジスタ350及びトランジスタ360を有する。トランジスタ350は、基板101上に電極302を有し、トランジスタ360は、基板101上に電極312を有する。電極302及び電極312は、上記実施の形態で説明した電極102と同様の機能を有する。電極302及び電極312は、電極102をフォトリソグラフィ工程により選択的にエッチングして形成することができる。
【0194】
ゲート電極304及びゲート電極314は、上記実施の形態で説明したゲート電極104と同様の材料及び方法で形成することができる。半導体層306及び半導体層316は、上記実施の形態で説明した半導体層106と同様の材料及び方法で形成することができる。また、ソース電極311a、ドレイン電極311b、ソース電極321a、及びドレイン電極321bは、上記実施の形態で説明したソース電極111a、及びドレイン電極111bと同様の材料及び方法で形成することができる。なお、コンタクトホール110は、半導体層306中のソース領域307aが形成される領域上と、ドレイン領域307bが形成される領域上と、半導体層316中のソース領域317aが形成される領域上と、ドレイン領域317bが形成される領域上に、それぞれ形成されている。
【0195】
また、ゲート電極304及びゲート電極314は、入力端子321に電気的に接続され、ドレイン電極311b及びドレイン電極321bは出力端子322に電気的に接続されている。
【0196】
本実施の形態において、半導体層306及び半導体層316には、加えられる電界によってn型またはp型の半導体となりえる材料を用いる。本実施の形態では、半導体層306及び半導体層316として微結晶シリコンを用いる。
【0197】
トランジスタ350が有する電極302に正の電位を供給することにより、電極302と重畳する半導体層306中に、n型のソース領域307aとn型のドレイン領域307bを形成することができる。また、半導体層306中の、ゲート絶縁層105を介してゲート電極304と対向する領域が、チャネル形成領域307cとなる。また、トランジスタ360が有する電極312に負の電位を供給することにより、電極312と重畳する半導体層316中に、p型のソース領域317aとp型のドレイン領域317bを形成することができる。また、半導体層316中の、ゲート絶縁層105を介してゲート電極314と対向する領域が、チャネル形成領域317cとなる。
【0198】
すなわち、トランジスタ350をn型のトランジスタ(nチャネル型のトランジスタ)として動作させることができる。また、トランジスタ360をp型のトランジスタ(pチャネル型のトランジスタ)として動作させることができる。本明細書で開示するトランジスタを用いることで、不純物導入工程を行うことなく、CMOS回路を形成することが可能となる。
【0199】
また、電極302及び電極312に供給する電位により、ソース領域307a、ソース領域317a、ドレイン領域307b、及びドレイン領域317bの抵抗値を変化させることができる。また、電極302及び電極312に供給する電位により、トランジスタ350とトランジスタ360の導電型を入れ替えることも可能であり、トランジスタ350とトランジスタ360を同じ導電型とすることも可能である。
【0200】
次に、インバーター回路300の動作について説明する。n型のトランジスタとして動作するトランジスタ350のソース電極311aに電源電位Vssを供給し、p型のトランジスタとして動作するトランジスタ360のソース電極321aに電源電位Vddを供給する。なお、電源電位Vddとは、電源電位Vssよりも相対的に高い電位である。
【0201】
入力端子321に電源電位Vddが入力されると、トランジスタ350及びトランジスタ360のゲート電極に電源電位Vddが供給される。この時、p型のトランジスタとして動作するトランジスタ360はオフ状態となる。一方、n型のトランジスタとして動作するトランジスタ350はオン状態となり、ソース電極311aとドレイン電極311bが導通され、出力端子322から電源電位Vssが出力される。
【0202】
入力端子321に電源電位Vssが入力されると、トランジスタ350及びトランジスタ360のゲート電極に電源電位Vssが供給される。この時、n型のトランジスタとして動作するトランジスタ350はオフ状態となる。一方、p型のトランジスタとして動作するトランジスタ360はオン状態となり、ソース電極321aとドレイン電極321bが導通され、出力端子322から電源電位Vddが出力される。
【0203】
このように、インバーター回路300は、入力された信号を反転して出力するため、NOT回路とも呼ばれる。また、トランジスタ350及びトランジスタ360のチャネル幅を調整することにより、出力信号の電流値を増減させることができる。また、何らかの影響により歪みや振幅減衰が生じたパルス信号波形を、正しく補正することも可能である。
【0204】
また、電極302及び電極312に供給する電位を入れ替えることで、インバーター回路300をバッファー回路として動作させることもできる。
【0205】
本実施の形態に開示するインバーター回路300は、微細化しても短チャネル効果が生じにくいトランジスタを有するため、待機時の消費電力を低減することができる。また、本実施の形態に開示するインバーター回路300を用いることで、高集積化が容易な半導体装置を提供することができる。また、半導体装置の作製時に不純物導入工程を不要とするとこができるため、半導体装置の生産性を向上させることができる。
【0206】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0207】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本明細書で開示する半導体装置の一例として、光電変換素子の構成について、図9を用いて説明する。
【0208】
図9(A)は、光電変換素子400の上面を示しており、図9(B)は、図9(A)におけるL1−L2で示した部位の断面を示している。なお、L1−L2断面は、光電変換素子400のチャネル長方向の断面である。また、図9(C)は、光電変換素子400の等価回路図である。
【0209】
光電変換素子400は、基板101上に電極502a及び電極502bを有する。電極502a及び電極502bは、上記実施の形態で説明した電極102をフォトリソグラフィ工程により選択的にエッチングして形成することができる。その他の構成及び作製方法は、上記実施の形態で説明したトランジスタと同様とすることができる。
【0210】
電極502aに供給される電位により、半導体層106の、電極502aと重畳する第1領域507aの導電型が決定される。また、電極502bに供給される電位により、半導体層106の、電極502bと重畳する第2領域507bの導電型が決定される。本実施の形態では、電極502aに負の電位を供給し、第1領域507aをp型の半導体領域とする。また、電極502bに正の電位を供給し、第2領域507bをn型の半導体領域とする。また、半導体層106の、ゲート絶縁層105を介してゲート電極104と対向する第3領域507cは、i型半導体のままとなる。このようにして、半導体層106中にp型半導体領域、i型半導体領域、n型半導体領域を形成することができる。
【0211】
i型半導体領域に光が照射されると、i型半導体領域中の正孔と電子が励起され、正孔はp型半導体領域に移動し、電子はn型半導体領域に移動する。この現象を利用することで、光電変換素子400を光センサーや太陽電池として用いることができる。また、ゲート電極104の電位を調節することにより、光電変換素子400の光感度を調節することができる。
【0212】
電極502a及び電極502bの両方に、正の電位もしくは負の電位を供給すると、光電変換素子をトランジスタとして機能させることができる。すなわち、本実施の形態で開示する半導体装置は、一つの半導体素子をn型トランジスタ、p型トランジスタ、または光電変換素子に、任意に切り替えて使用することができる。
【0213】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0214】
(実施の形態7)
本明細書で開示するトランジスタを少なくとも一部に用いて、CPU(Central Processing Unit)を構成することができる。
【0215】
図10(A)は、CPUの具体的な構成を示すブロック図である。図10(A)に示すCPUは、基板1190上に、演算回路(ALU:Arithmetic logic unit)1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース(Bus I/F)1198、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース(ROM I/F)1189を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けても良い。勿論、図10(A)に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
【0216】
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
【0217】
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
【0218】
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
【0219】
図10(A)に示すCPUでは、レジスタ1196に、記憶素子が設けられている。レジスタ1196の記憶素子には、上記実施の形態に記載されている記憶装置を用いることができる。
【0220】
図10(A)に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有する記憶素子において、位相反転素子によるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。位相反転素子によるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内の記憶素子への、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内の記憶素子への電源電圧の供給を停止することができる。
【0221】
電源停止に関しては、図10(B)または図10(C)に示すように、記憶素子群と、電源電位Vddまたは電源電位Vssの与えられているノード間に、スイッチング素子を設けることにより行うことができる。以下に図10(B)及び図10(C)の回路の説明を行う。
【0222】
図10(B)及び図10(C)では、記憶素子への電源電位の供給を制御するスイッチング素子に酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタを含む記憶回路の構成の一例を示す。
【0223】
図10(B)に示す記憶装置は、スイッチング素子1141と、記憶素子1142を複数有する記憶素子群1143とを有している。具体的に、各記憶素子1142には、上記実施の形態に記載されている記憶装置を用いることができる。記憶素子群1143が有する各記憶素子1142には、スイッチング素子1141を介して、電源電位Vddが供給されている。さらに、記憶素子群1143が有する各記憶素子1142には、信号INの電位と、電源電位Vssが与えられている。
【0224】
図10(B)では、スイッチング素子1141としてトランジスタを用いており、該トランジスタは、そのゲート電極に与えられる信号SigAによりスイッチングが制御される。
【0225】
なお、図10(B)では、スイッチング素子1141がトランジスタを一つだけ有する構成を示しているが、特に限定されず、トランジスタを複数有していても良い。スイッチング素子1141が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていても良いし、直列に接続されていても良いし、直列と並列が組み合わされて接続されていても良い。
【0226】
また、図10(B)では、スイッチング素子1141により、記憶素子群1143が有する各記憶素子1142への、電源電位Vddの供給が制御されているが、スイッチング素子1141により、電源電位Vssの供給が制御されていても良い。
【0227】
また、図10(C)には、記憶素子群1143が有する各記憶素子1142に、スイッチング素子1141を介して、電源電位Vssが供給されている、記憶装置の一例を示す。スイッチング素子1141により、記憶素子群1143が有する各記憶素子1142への、電源電位Vssの供給を制御することができる。
【0228】
記憶素子群と、電源電位Vddまたは電源電位Vssの与えられているノード間に、スイッチング素子を設け、一時的にCPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置への情報の入力を停止している間でも、CPUの動作を停止することができ、それにより消費電力を低減することができる。
【0229】
ここでは、CPUを例に挙げて説明したが、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のLSIにも応用可能である。
【0230】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0231】
(実施の形態8)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明した半導体装置を用いた電子機器の例について説明する。
【0232】
図11(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、本体3001、筐体3002、表示部3003、キーボード3004などによって構成されている。ノート型のパーソナルコンピュータが有する記憶装置やCPU等の半導体装置に、本明細書で開示する半導体装置を適用することができる。本明細書で開示する半導体装置を適用することにより、消費電力が少なく、信頼性の高いノート型のパーソナルコンピュータとすることができる。また、表示部3003が有する画素トランジスタに、本明細書で開示するトランジスタを適用することも可能である。
【0233】
図11(B)は、携帯情報端末(PDA)であり、本体3021には表示部3023と、外部インターフェース3025と、操作ボタン3024等が設けられている。また操作用の付属品としてスタイラス3022がある。PDAが有する記憶装置やCPU等の半導体装置に、本明細書で開示する半導体装置を適用することができる。本明細書で開示する半導体装置を適用することにより、消費電力が少なく、信頼性の高いPDAとすることができる。また、表示部3023が有する画素トランジスタに、本明細書で開示するトランジスタを適用することも可能である。
【0234】
図11(C)は、電子書籍の一例を示している。例えば、電子書籍は、筐体2702及び筐体2704の2つの筐体で構成されている。筐体2702及び筐体2704は、軸部2712により一体とされており、該軸部2712を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0235】
筐体2702には表示部2705が組み込まれ、筐体2704には表示部2707が組み込まれている。表示部2705及び表示部2707は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図11(C)では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部(図11(C)では表示部2707)に画像を表示することができる。電子書籍が有する記憶装置やCPU等の半導体装置に、本明細書で開示する半導体装置を適用することができる。本明細書で開示する半導体装置を適用することにより、消費電力が少なく、信頼性の高い電子書籍とすることができる。また、表示部2705及び表示部2707が有する画素トランジスタに、本明細書で開示するトランジスタを適用することも可能である。
【0236】
また、図11(C)では、筐体2702に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2702において、電源端子2721、操作キー2723、スピーカー2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0237】
また、電子書籍は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0238】
図11(D)は、携帯電話であり、筐体2800及び筐体2801の二つの筐体で構成されている。筐体2801には、表示パネル2802、スピーカー2803、マイクロフォン2804、ポインティングデバイス2806、カメラ用レンズ2807、外部接続端子2808などを備えている。携帯電話が有する記憶装置やCPU等の半導体装置に、本明細書で開示する半導体装置を適用することができる。本明細書で開示する半導体装置を適用することにより、消費電力が少なく、信頼性の高い携帯電話とすることができる。また、表示パネル2802が有する画素トランジスタに、本明細書で開示するトランジスタを適用することも可能である。また、筐体2800には、携帯型情報端末の充電を行う太陽電池セル2810、外部メモリスロット2811などを備えている。また、アンテナは筐体2801内部に内蔵されている。
【0239】
また、表示パネル2802はタッチパネルを備えており、図11(D)には映像表示されている複数の操作キー2805を点線で示している。なお、太陽電池セル2810で出力される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路も実装している。太陽電池セル2810に、上記実施の形態で開示した光電変換素子を適用することができる。
【0240】
表示パネル2802は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネル2802と同一面上にカメラ用レンズ2807を備えているため、テレビ電話が可能である。スピーカー2803及びマイクロフォン2804は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再生などが可能である。さらに、筐体2800と筐体2801は、スライドし、図11(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。
【0241】
外部接続端子2808はACアダプタ及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータなどとのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット2811に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動に対応できる。
【0242】
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであってもよい。上記実施の形態で示した半導体装置を適用することにより、消費電力が少なく、信頼性の高い携帯電話とすることができる。
【0243】
図11(E)は、デジタルビデオカメラであり、本体3051、表示部(A)3057、接眼部3053、操作スイッチ3054、表示部(B)3055、バッテリー3056などによって構成されている。デジタルビデオカメラが有する記憶装置やCPU等の半導体装置に、本明細書で開示する半導体装置を適用することができる。本明細書で開示する半導体装置を適用することにより、消費電力が少なく、信頼性の高いデジタルビデオカメラとすることができる。また、表示部(A)3057及び表示部(B)3055が有する画素トランジスタに、本明細書で開示するトランジスタを適用することも可能である。
【0244】
図11(F)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置は、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。テレビジョン装置が有する記憶装置やCPU等の半導体装置に、本明細書で開示する半導体装置を適用することができる。本明細書で開示する半導体装置を適用することにより、消費電力が少なく、信頼性の高いテレビジョン装置とすることができる。また、表示部9603が有する画素トランジスタに、本明細書で開示するトランジスタを適用することも可能である。
【0245】
テレビジョン装置の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0246】
なお、テレビジョン装置は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0247】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0248】
100 トランジスタ
101 基板
102 電極
103 絶縁層
104 ゲート電極
105 ゲート絶縁層
106 半導体層
108 絶縁層
109 絶縁層
110 コンタクトホール
112 絶縁層
115 酸化層
144 酸化物半導体層
150 トランジスタ
200 トランジスタ
201 トランジスタ
202 容量素子
210 メモリセル
220 メモリセルアレイ
230 駆動回路
300 インバーター回路
302 電極
304 ゲート電極
306 半導体層
312 電極
314 ゲート電極
316 半導体層
321 入力端子
322 出力端子
350 トランジスタ
360 トランジスタ
400 光電変換素子
1140 メモリセルアレイ
1141 スイッチング素子
1142 記憶素子
1143 記憶素子群
1150 メモリセル
1151 トランジスタ
1152 トランジスタ
1153 トランジスタ
1154 トランジスタ
1155 トランジスタ
1156 トランジスタ
1170 メモリセル
1171 トランジスタ
1172 トランジスタ
1173 容量素子
1180 メモリセル
1181 トランジスタ
1182 トランジスタ
1183 容量素子
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
2702 筐体
2704 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2712 軸部
2721 電源端子
2723 操作キー
2725 スピーカー
2800 筐体
2801 筐体
2802 表示パネル
2803 スピーカー
2804 マイクロフォン
2805 操作キー
2806 ポインティングデバイス
2807 カメラ用レンズ
2808 外部接続端子
2810 太陽電池セル
2811 外部メモリスロット
3001 本体
3002 筐体
3003 表示部
3004 キーボード
3021 本体
3022 スタイラス
3023 表示部
3024 操作ボタン
3025 外部インターフェース
3051 本体
3053 接眼部
3054 操作スイッチ
3056 バッテリー
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド
107a ソース領域
107b ドレイン領域
107c チャネル形成領域
111a ソース電極
111b ドレイン電極
307a ソース領域
307b ドレイン領域
307c チャネル形成領域
311a ソース電極
311b ドレイン電極
317a ソース領域
317b ドレイン領域
317c チャネル形成領域
321a ソース電極
321b ドレイン電極
502a 電極
502b 電極
507a 領域
507b 領域
507c 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に下部電極が形成され、
前記下部電極上に絶縁層を介してゲート電極が形成され、
前記ゲート電極上にゲート絶縁層が形成され、
前記ゲート絶縁層上に半導体層が形成され、
前記半導体層は、
前記下部電極と対向する第1の領域および第2の領域と、前記ゲート電極と対向する第3の領域を有し、
前記ゲート電極の高さは、前記ゲート電極の、チャネル長の方向の断面における底辺の長さ以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第3の領域にチャネルが形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記チャネル長は、前記底辺の長さの2倍以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1または請求項3のいずれか一項において、
前記半導体層は、酸化物半導体であることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記ゲート絶縁層は、前記ゲート電極と同種の元素を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
基板上に、第1の電極と第2の電極が形成され、
前記第1の電極及び前記第2の電極の上層に絶縁層を介してゲート電極が形成され、
前記ゲート電極上にゲート絶縁層を介して半導体層が形成され、
前記半導体層は、
前記第1の電極と重畳する第1の領域と、前記第2の電極と重畳する第2の領域と、前記ゲート電極と対向する第3の領域を有し、
前記ゲート電極の高さは、前記ゲート電極の、チャネル長の方向の断面における底辺の長さ以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第3の領域にチャネルが形成されることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7において、
前記第1の領域と前記第2の領域は、互いに異なる導電型を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項6乃至請求項8のいずれか一項において、
前記チャネル長は、前記底辺の長さの2倍以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項6乃至請求項9のいずれか一項において、
前記ゲート絶縁層は、前記ゲート電極と同種の元素を含むことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−199534(P2012−199534A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−47988(P2012−47988)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】