説明

枚葉式洗浄装置

【課題】被洗浄物の裏面と洗浄装置との接触によって発生する被洗浄物間の相互汚染を防止し、洗浄液、および洗浄した汚れが被洗浄物に再付着することを抑制することができる枚葉式洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、前記被洗浄物の側面を保持するチャックピンと、前記被洗浄物の直下に配設され、液体を吐出する吐出口を有したフランジと、前記フランジの外側に配設され、前記フランジから吐出される液体の液はねを防止する液はね防止板とを具備し、前記フランジにより前記被洗浄物の裏面を非接触な状態で液体浮上させ、前記チャックピンで該被洗浄物の側面を保持して該被洗浄物を洗浄するものであることを特徴とする枚葉式洗浄装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体シリコンウェーハや、フォトマスクにデバイスパターンが形成されている基板等を1枚ずつ洗浄する枚葉式洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体等の製造工程において、シリコンウェーハや、フォトマスク等の半導体製造に使用される基板に処理を施す際、有機物、金属等の塵埃、異物といったパーティクルが基板に付着していると、基板面内で均一な処理が施せず、また、そのような基板から他の基板に間接的に相互汚染するので、製品製造の歩留りが低下する原因となる。そのため、通常基板に処理を施す前は洗浄装置で基板を洗浄することにより基板からパーティクル等を除去している。
【0003】
このような被洗浄物を洗浄するための洗浄装置には、従来から、複数枚の被洗浄物を同時に洗浄できるバッチ式洗浄装置と、被洗浄物を1枚ずつ洗浄する枚葉式洗浄装置がある。バッチ式洗浄装置は、近年における半導体基板の大口型化に伴い、複数枚の半導体基板を同時に取り扱うことが困難となってきている上、装置自体も大型化する必要があるため、枚葉式洗浄装置が広く使用されるようになってきた。
【0004】
図4に従来の枚様式洗浄装置の概略図を示す。この枚葉式洗浄装置101は、回転可能なテーブル102と、該テーブル102をその中心軸で回転させるための回転駆動部108と、被洗浄物105の表面を洗浄するための表面用ノズル106と、被洗浄物105の裏面を洗浄するための裏面用ノズル107とを具備している。
テーブル102は、被洗浄物105を保持するために、アーム104上に被洗浄物105を引っ掛けるためのピン103が複数本取り付けられている。また、裏面用ノズル107は、アーム104の中心から突出するように設置され、非回転である。
【0005】
このような枚葉式洗浄装置101を使用して被洗浄物の表裏面を洗浄するには、テーブル102で被洗浄物105を保持し、回転駆動部108によりテーブル102を回転させることにより被洗浄物105を回転させ、たとえば表面用ノズル106より薬液を被洗浄物の表面側に吐出するとともに、裏面は超純水等の洗浄液を裏面用ノズル107に形成された吐出口から吐出させて洗浄する。
なお、このような洗浄は通常、ダウンフローの雰囲気ガスが流通しているチャンバーあるいはクリーンルーム内で行われる。
また、洗浄液に超音波振動子(不図示)により超音波を重畳し、その超音波が被洗浄物に伝搬されて洗浄する枚葉式洗浄装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、このような装置101で被洗浄物を洗浄すると、高速回転するテーブル102の回転風圧により被洗浄物105から飛散した洗浄液が舞い上がって再び被洗浄物105に付着するため、パーティクルを完全に除去することはできなかった。また、裏面用ノズル107から伝わって垂れてきた余分な洗浄液が回転するテーブル102や回転機構ではじかれて飛散するといった問題もあり、被洗浄物105の表裏面に再付着する洗浄液によるパーティクルを減少させることが課題となっていた。
また、超音波振動子付きノズルで洗浄液に超音波を重畳することにより被洗浄物表面にダメージが発生するという問題もあった。
【0007】
このような洗浄液の被洗浄物への再付着の問題に対し、裏面用ノズルの先端に特許文献2に開示するようなテーパー形状の傘を設け、回転風圧による洗浄液の舞い上がりを抑制し、被洗浄物への洗浄液の再付着を防止するといった対策が採られていたが、それでもなお不十分であり、被洗浄物に洗浄液が再付着し、パーティクル数を減らすことは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−95458号公報
【特許文献2】特開2005−251806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さらに、上記従来技術であると、被洗浄物105の裏面がアーム104に直接接触しているため、その接触箇所から被洗浄物に傷や汚染が発生したり、被洗浄物間の相互汚染を引き起こすという問題があった。また、被洗浄物105の保持部分の洗浄が困難であり、洗浄後の残渣が付着しやすいという問題もあった。
【0010】
また、前記したように被洗浄物に超音波を伝搬して洗浄する場合、超音波振動子と被洗浄物とが平行状態を保っていることが重要であり、被洗浄物と超音波振動子の平行度が僅かながらにもずれていると面内で洗浄ムラが発生してしまう。
これらのため、被洗浄物の超音波振動子との平行度を保つことが重要な課題となった。
【0011】
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、被洗浄物の裏面と洗浄装置との接触によって発生する被洗浄物裏面の汚染や被洗浄物間の相互汚染を防止し、洗浄した残渣等の汚れが被洗浄物に再付着することを抑制するとともに面内で均一な洗浄をすることができる枚葉式洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明によれば、被洗浄物の表面を洗浄液で洗浄する表面ノズルを具備し、前記被洗浄物を中心軸で回転させながら前記表面ノズルから吐出した洗浄液で前記被洗浄物の表面を洗浄する枚葉式洗浄装置において、少なくとも、前記被洗浄物の側面を保持するチャックピンと、前記被洗浄物の直下に配設され、液体を吐出する吐出口を有したフランジとを具備し、前記フランジにより前記被洗浄物を裏面が非接触な状態で液体浮上させ、前記チャックピンで該被洗浄物の側面を保持して該被洗浄物を洗浄するものであることを特徴とする枚葉式洗浄装置が提供される。
【0013】
このように、本発明の枚葉式洗浄装置は、少なくとも、前記被洗浄物の側面を保持するチャックピンと、前記被洗浄物の直下に配設され、液体を吐出する吐出口を有したフランジとを具備し、前記フランジにより前記被洗浄物を裏面が非接触な状態で液体浮上させ、前記チャックピンで該被洗浄物の側面を保持して該被洗浄物を洗浄するので、被洗浄物の裏面とフランジとの接触による傷の発生や、洗浄した残渣等の汚染の被洗浄物への再付着、および被洗浄物間の相互汚染を抑制することができる。また、フランジに対して被洗浄物を水平に液体浮上させて、側面をチャックピンで保持するので、被洗浄物に機械的な応力がかからず、洗浄中に被洗浄物の水平度を安定して保つことができ、洗浄液に超音波を重畳して洗浄する場合であっても、振動子との平行度を維持して面内で洗浄ムラが発生するのを抑制することができる。
【0014】
このとき、前記フランジは複数の吐出口を有することができる。
このように、前記フランジは複数の吐出口を有することで、洗浄中に被洗浄物がより安定してフランジ上で浮上して水平度を保つことができる。
【0015】
またこのとき、前記フランジは上下動自在であることができる。
このように、前記フランジが上下動自在であれば、被洗浄物の洗浄位置と、被洗浄物のフランジ上への受け渡し位置とで高さを変えることができ、被洗浄物の受け渡しが容易になるとともに、洗浄位置では確実に洗浄液の飛散を防止することができる。
【0016】
またこのとき、前記フランジの外側に配設され、前記フランジから吐出される液体の液はねを防止する液はね防止板を具備することができる。
このように、前記フランジの外側に配設され、前記フランジから吐出される液体の液はねを防止する液はね防止板を具備することで、回転駆動により飛散した洗浄液がはねて被洗浄物に再付着するのを抑制することができる
【0017】
またこのとき、前記フランジの吐出口から吐出する液体として、洗浄液を使用し、前記被洗浄物の裏面も洗浄することができる。
このように、前記フランジの吐出口から吐出する液体として、洗浄液を使用することで前記被洗浄物の裏面も洗浄することができ、被洗浄物の裏面を非接触の状態に保ちつつ、表裏面を効率的に洗浄することができる。
【0018】
またこのとき、前記フランジから吐出された液体に超音波振動を印加する振動手段を前記フランジに配設し、前記重畳された超音波を前記被洗浄物に伝搬して該被洗浄物を洗浄することができる。
このように、前記フランジから吐出された液体に超音波振動を印加する振動手段を前記フランジに配設し、前記重畳された超音波を前記被洗浄物に伝搬して該被洗浄物を洗浄すれば、洗浄効果を向上することができ、前記被洗浄物の水平度を安定して保ちながら洗浄できるので、前記被洗浄物と振動手段との平行度が維持され面内の洗浄ムラを抑制することができる。また、このとき、被洗浄物の裏面から表面側に超音波が伝搬され、表面側も同時に超音波洗浄することができる。
【0019】
またこのとき、前記フランジから吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、前記被洗浄物の浮上量をm[mm]、kを任意の整数としたとき、mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であることが好ましい。
このように、前記フランジから吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、前記被洗浄物の浮上量をm[mm]、kを任意の整数としたとき、mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であれば、被洗浄物の裏面から表面側に確実に超音波を伝搬させ、表面の超音波による洗浄効果をより向上させることができ、被洗浄物を効率良く洗浄することができる。
【0020】
またこのとき、前記mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内となるように前記フランジから吐出される液体の吐出量と前記被洗浄物を回転させる回転数を制御するものとすることができる。
このように、前記フランジから吐出される液体の吐出量と前記被洗浄物を回転させる回転数を制御することによって、前記mの値を確実にλ/2×kの値に対して±20%の範囲内とすることができる。
【0021】
またこのとき、前記フランジは外周部に土手が設けられて上面が浅皿状に形成されたものとすることができる。
【0022】
特に、前記フランジは外周部に土手が設けられて上面が浅皿状に形成されたものであり、前記フランジから吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、前記被洗浄物の浮上量をm[mm]、前記フランジの土手の高さをh[mm]、kを任意の整数としたとき、h+mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であることが好ましい。
【0023】
このように、前記フランジは外周部に土手が設けられて上面が浅皿状に形成されたものである場合、前記フランジから吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、前記被洗浄物の浮上量をm[mm]、前記フランジの土手の高さをh[mm]、kを任意の整数としたとき、h+mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であれば、被洗浄物の裏面から表面側に確実に超音波を伝搬させ、表面の超音波による洗浄効果をより向上させることができ、被洗浄物を効率良く洗浄することができる。
【0024】
このとき、前記h+mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内となるように前記フランジから吐出される液体の吐出量と前記被洗浄物を回転させる回転数を制御するものとすることができる。
このように、前記フランジから吐出される液体の吐出量と前記被洗浄物を回転させる回転数を制御することによって、前記h+mの値を確実にλ/2×kの値に対して±20%の範囲内とすることができる。
【0025】
またこのとき、前記被洗浄物を搬送するロボットハンドを具備し、該ロボットハンドで前記フランジ上の前記被洗浄物を、該被洗浄物の裏面を非接触で受け渡しすることができるものであることが好ましい。
このように、前記被洗浄物を搬送するロボットハンドを具備し、該ロボットハンドで前記フランジ上の前記被洗浄物を、該被洗浄物の裏面を非接触状態のままで受け渡しすることで、前記被洗浄物の裏面を非接触で洗浄して搬送することができ裏面の傷および汚染を防止するとともに被洗浄物間の相互汚染を抑制し、洗浄後の汚れが被洗浄物に再付着するのを抑制する効果をより効果的に奏することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、枚葉式洗浄装置において、少なくとも、前記被洗浄物の側面を保持するチャックピンと、前記被洗浄物の直下に配設され、液体を吐出する吐出口を有したフランジとを具備し、前記フランジにより前記被洗浄物を裏面が非接触な状態で液体浮上させ、前記チャックピンで該被洗浄物の側面を保持して該被洗浄物を洗浄するので、被洗浄物の裏面とフランジとの接触による裏面の傷および洗浄後の残渣等による汚染を防止するとともに被洗浄物間の相互汚染を抑制することができる。また、フランジにより被洗浄物を水平に液体浮上させて、側面をチャックピンで保持するので、洗浄中に被洗浄物の水平度を安定して保つことができ、洗浄液に超音波を重畳して洗浄する際、振動手段との平行度を維持して面内で洗浄ムラが発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る枚葉式洗浄装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る枚葉式洗浄装置のフランジ上の被洗浄物をロボッハンドで受け渡しする様子を示す概略説明図である。
【図3】本発明に係る枚葉式洗浄装置の別の実施形態を示す概略断面図である。
【図4】従来の枚葉式洗浄装置の一例を示す概略図である。
【図5】本発明に係る枚葉式洗浄装置の別の実施形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来より、例えば、半導体等の製造工程において、半導体製造に使用される基板を洗浄するための洗浄装置には、枚葉式洗浄装置が使用されている。
しかし、従来の枚葉式洗浄装置を使用して洗浄した場合、被洗浄物の裏面と洗浄装置との接触によって被洗浄物の裏面に傷が発生したり、洗浄した残渣等の汚れが被洗浄物に再付着したり、あるいは被洗浄物間の相互汚染が発生したりするといった問題があった。また、従来のように被洗浄物を機械的にチャックして保持すると、機械的応力が加わり、被洗浄物が反ったり、大口径化した基板であれば自重によるたわみが発生して、平行度を保つのが困難であったため、超音波洗浄を行った際、基板面内での洗浄にムラが生じたりするといった問題もあった。
【0029】
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、被洗浄物の裏面を洗浄装置と非接触で保持しながら洗浄することで、被洗浄物裏面の傷や、被洗浄物間の相互汚染が発生したり、洗浄した残渣等の汚れが被洗浄物に再付着するのを抑制することができることに想到した。
【0030】
そして、被洗浄物を液体浮上させ、その状態でチャックピンにより被洗浄物の側面を保持すれば、被洗浄物を洗浄装置と非接触で保持でき、従来の液体浮上させずに被洗浄物の側面及び裏面を保持する場合に発生するような機械的応力がかからず被洗浄物がたわみにくいため、また、従来の液体浮上させずに被洗浄物の側面のみを保持する場合と比べ、被洗浄物を液体で浮上させることにより、その状態でのチャックピンの保持力を弱くすることができるので、被洗浄物がたわみにくくなり、被洗浄物が安定して水平度を保つことができることに想到した。そして、超音波を利用して洗浄する場合において、振動手段との平行度を維持して被洗浄物の面内で洗浄ムラが発生するのを抑制することができることを見出した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
【0031】
図1は、本発明の枚葉式洗浄装置の一実施形態を示す概略断面図である。
図1に示すように、本発明の枚葉式洗浄装置1は、被洗浄物5の側面を保持するチャックピン3、被洗浄物5の表面を洗浄する洗浄液を吐出する表面ノズル6、被洗浄物を液体浮上させるためのフランジ2を具備している。フランジ2の外周部には土手8が設けられており、上面が窪んだ浅皿状に形成されている。また、フランジ2の浅皿状の上面の底部には液体を吐出する吐出口7が設けられている。
【0032】
上記のような構成のフランジ2により、被洗浄物5を液体浮上させて、その裏面がフランジ2と非接触な状態とし、被洗浄物5にフランジ2側への吸着力が働くことにより、フランジ2に対して平行度を保った状態で水平に保持できるようになっている。
また、チャックピン3は、フランジ2の土手8の上部に設置されている。
【0033】
フランジ2には、フランジ2を支持し、下方に延伸する円筒状の部材16が連設されている。この円筒状の部材16は軸11とベアリングで接続されており、中空モータ9によって、円筒状の部材16、フランジ2が軸11を中心に回転できるようになっている。そして、フランジ2によって液体浮上され、チャックピン3によって側面を保持された被洗浄物5をその中心軸で回転させることができるようになっている。
【0034】
ここで、例えば図1に示すように、フランジ2の外周下部と本体固定部材12の上部にそれぞれ対向するレール状の部材を組み合わせるようにして設けることができる。こうすることで、洗浄装置1の内部の軸部等に液が侵入するのを防ぐことができる。しかし、特にこれに限定されることはない。
また、枚葉式洗浄装置1の外周上部には、主に表面ノズル6から吐出した洗浄液が飛散しないようにするためのカップ14が設けられている。すなわち、被洗浄物5の表面側から降り飛ばされて飛散した洗浄液は主にカップ14で受け止められ、被洗浄物5の裏面側から下流した洗浄液は主に液はね防止板4で飛散しないように受け止められる。従って、本発明では表面側、裏面側および側面から飛散した洗浄液さえも受け止められ、浮遊して被洗浄物5に再付着するのを抑制することができるようになっている。
【0035】
本発明の枚葉式洗浄装置1により被洗浄物5を洗浄する際には、フランジ2により被洗浄物5を液体浮上させて、その裏面がフランジ2と非接触な状態でチャックピン3によって被洗浄物5の側面を保持しての中空モータ9の回転駆動力で中心軸周りに回転させながら、表面ノズル6から吐出した洗浄液により被洗浄物5の表面を洗浄するようになっている。
このように被洗浄物5を洗浄することで、接触による被洗浄物5の裏面に傷や洗浄後の残渣による汚染が発生したり、被洗浄物間の相互汚染が発生したりするのを抑制することができる。
【0036】
このとき、フランジ2は上下動自在であることができ、例えば、図1に示すような、フランジ上下動用シリンダ10を用いてフランジ2を上下動させることができる。
このように、フランジ10が上下動自在であれば、被洗浄物5の洗浄位置(図1で示された位置)と、被洗浄物5のフランジ2への受け渡し位置(フランジを上昇させ、カップ14より高い位置)とで高さを変えることができ、被洗浄物5の受け渡しが容易になるとともに、洗浄位置では確実に洗浄液の飛散を防止することができる。
【0037】
また、フランジ2の外側には、フランジ2を取り囲むようにして液はね防止板4を配設することができる。
このように、液はね防止板4を具備することにより、フランジ2の吐出口7から吐出される液体が下流して回転機構等により振り飛ばされて飛散して舞い上がったり、洗浄装置1の部材にはじかれて再び被洗浄物5に付着するのを抑制することができ、液体を洗浄液排出ライン13を通って排出させることができる。
【0038】
またこのとき、フランジ2の吐出口から吐出する液体として、洗浄液を使用し、被洗浄物5の裏面も洗浄することができる。
このように、フランジ2の吐出口から吐出する液体として、洗浄液を使用すれば、被洗浄物5の裏面も同時に洗浄することができ、被洗浄物5の裏面を非接触の状態に保ちつつ、表裏面を効率的に洗浄することができる。また、被洗浄物5を液体浮上させて保持しているので、裏面全体を容易に洗浄することができる。
【0039】
被洗浄物5が、例えば半導体基板のように、その後処理工程において処理装置と基板の裏面が直接接触することが多いような場合、基板間の相互汚染を防止するためには基板の裏面の洗浄も非常に重要であり、被洗浄物の裏面を非接触で洗浄する本発明は特に有用である。
【0040】
そして、前記したように、液はね防止板4で被洗浄物5から流れ落ちた洗浄液の飛散を防止できるので、被洗浄物の裏面を洗浄した洗浄液および洗浄液の汚れが被洗浄物5に再付着することを抑制することができる。
【0041】
ここで、表面ノズル6から吐出する洗浄液に超音波を印加し、その洗浄液に重畳された超音波を被洗浄物5に伝搬して超音波洗浄しても良い。
この場合、表面ノズルに超音波振動子を配設し、その振動子により表面ノズル6から吐出する洗浄液に超音波を印加するようにれば良い。
【0042】
このように超音波が重畳された洗浄液で洗浄することで、洗浄効果を向上することができる。また、本発明の枚葉式洗浄装置1は、フランジ2により被洗浄物5が水平度を保った状態でチャックピンにより側面を保持するので、洗浄中に被洗浄物が安定して水平度を保つことができるので、超音波洗浄による被洗浄物の表面側の面内での洗浄ムラが発生するのを抑制することができる。
【0043】
またこのとき、フランジ2は複数の吐出口7を有することができる。
このように、フランジ2は複数の吐出口7を有することで、洗浄中に被洗浄物5がより安定して水平度を保つことができる。
また、フランジ2から吐出される液体は圧力制御され、流量の揺らぎを低減させた状態で供給されることが望ましい。
【0044】
またこのとき、被洗浄物5を搬送するロボットハンドを具備し、該ロボットハンドでフランジ上の被洗浄物5を、該被洗浄物5の裏面を非接触のまま維持して受け渡しすることができる。
図2は、ロボットハンド31でフランジ2上の被洗浄物5を受け渡しする様子を示す概略説明図である。
図2(A)に示すように、ロボットハンド31は、被洗浄物5を保持するためのハンド32、被洗浄物5を受け渡しする際の被洗浄物5の位置をガイドするためのガイドピン33、ハンド32を支持するアーム34により構成されている。ハンド32による被洗浄物5の保持方法は、特に限定されないが、例えばエッジクリップ方式とすることができる。
【0045】
そして、このようなロボットハンド31を用いてフランジ2に被洗浄物5を渡す際には、図2(B)に示すように、ロボットハンド31がフランジ2の直上まで前進した後、所定位置まで下降し、同時にフランジ2もロボットハンド31との間隔が所定間隔となる受け渡し位置まで上昇し、吐出口7から液体を吐出する。
【0046】
次に、ハンド32の被洗浄物5の保持を解除すると、被洗浄物5は裏面が非接触の状態でフランジ2側に吸着される。
その後、フランジ2が被洗浄物5の位置が洗浄位置となる位置まで下降し、チャックピン3により被洗浄物の側面を保持する。
【0047】
また、フランジ2から被洗浄物5を受け取る際には、同様にロボットハンド31がフランジ2の直上まで前進し、フランジ2が上昇すると共に、ロボットハンド31が洗浄済みの被洗浄物5を保持する位置まで下降する。
次に、ハンド32により被洗浄物5を保持した後、フランジ2の吐出口7から液体の吐出を止め、ロボットハンド31で被洗浄物5を搬送する。
【0048】
このようにして、フランジ2上の被洗浄物5をロボットハンド31で受け渡しすることで、被洗浄物5の裏面を非接触の状態のままで受け渡しすることができる。
【0049】
図3は、本発明の枚葉式洗浄装置の別の実施形態を示す概略断面図である。
図3に示すように、この本発明の枚葉式洗浄装置21は、前述した形態と同様の構成のフランジ2と、被洗浄物5の側面を保持するためのチャックピン3を具備している。そして、フランジ2の外側に液はね防止板4が配設されている。
この態様では、チャックピン3は、液はね防止板4の上部に設置されている。
【0050】
液はね防止板4には、一端が先広の円筒形状の部材16が連設されている。この円筒状の部材16は軸11とベアリングで接続されており、中空モータ9によって、円筒状の部材16、および液はね防止板4が軸11を中心に回転するようになっている。そして、フランジ2によって液体浮上され、液はね防止板4の上部に設置されたチャックピン3によって側面を保持された被洗浄物5をその中心軸で回転させることができるようになっている。この形態ではフランジ2は回転しない。
【0051】
また、フランジ2は、フランジ2の吐出口7から吐出された液体に超音波振動を印加する振動手段15を具備している。超音波が重畳された液体は超音波の伝搬膜として作用し、超音波を被洗浄物に伝搬する。
この本発明の枚葉式洗浄装置21は、フランジ2により被洗浄物5を水平度を保った状態で液体浮上させ、さらに被洗浄物5の側面をチャックピン3で保持するので、被洗浄物5が安定して水平度を保つことができるようになっている。
また、振動手段15はフランジ2の上面に対して、平行となるように設置されているので、フランジ2の直上に保持される被洗浄物5の裏面に対して平行となり均等に超音波を伝搬することができるようになっている。
【0052】
そして、本発明の枚葉式洗浄装置21により被洗浄物5を洗浄する際には、フランジ2により被洗浄物5をその裏面がフランジ2と非接触な状態で液体浮上させ、さらにチャックピン3によって被洗浄物5の側面を保持して、中空モータ9の回転駆動力で中心軸周りに回転させ、フランジ2の吐出口から吐出した液体に振動手段15により超音波振動を印加し、その液体に重畳した超音波を被洗浄物5に伝搬し、被洗浄物5の裏面を超音波洗浄することができる。また、被洗浄物5の裏面から表面側に超音波が伝搬し、表面ノズル6から吐出した洗浄液により被洗浄物5の表面を超音波洗浄することができる。
【0053】
このように被洗浄物5を洗浄することで、超音波により洗浄効果を向上しつつ、接触による被洗浄物5の裏面に傷が発生したり、被洗浄物間の相互汚染が発生したりするのを抑制することができる。また、洗浄した残渣等の汚れが被洗浄物5に再付着することを抑制
することができる。
また、液はね防止板4によりフランジ2の吐出口7から吐出される液体の飛散を防止でき、下流した液体が被洗浄物に再付着するのを抑制することができる。
【0054】
ここで、例えば表面にデバイスパターンを有する半導体基板やフォトマスクのような、超音波洗浄によってダメージを受けやすい被洗浄物を洗浄する場合、表面ノズルから吐出する洗浄液に直接超音波を印加することなく、裏面から印加する超音波として、被洗浄物5に対して透過性のある超音波を使用して、該超音波をフランジ2から吐出された液体に印加し、液体に重畳された超音波が被洗浄物5を透過し、被洗浄物5の表面側の表面ノズル6から吐出された洗浄液に伝搬されることにより被洗浄物5の表面を間接的に超音波洗浄することで、被洗浄面である表面にダメージが発生するのを抑制することができ、かつ、超音波振動の高い洗浄効果を得ることができる。
【0055】
このように、超音波を印加することによって洗浄効果を高めて被洗浄物5を洗浄する場合には、被洗浄物が振動手段15との平行度を保つことによって超音波が被洗浄物5に均一に伝搬されることが重要であり、洗浄中の被洗浄物5がフランジ2に対して安定して水平度を保つことで、振動手段15との平行度を維持できる効果を有する本発明の枚葉式洗浄装置21は特に有効である。
【0056】
このとき、フランジ2から吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、被洗浄物5の浮上量をm[mm]、フランジ2の土手8の高さをh[mm]、kを任意の整数としたとき、h+mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であることが好ましく、h+m=λ/2×kを満たすことがより好ましい。
このように、フランジ2から吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、被洗浄物5の浮上量をm[mm]、フランジ2の土手8の高さをh[mm]、kを任意の整数としたとき、h+mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であれば、被洗浄物の裏面に到達した超音波が表面側に確実に伝搬し、表面側にダメージを発生させることなく、効率良く洗浄できる。さらに、h+m=λ/2×kを満たしていれば、この作用をより効果的に奏することができる。従って、超音波による洗浄効果をより向上させることができ、被洗浄物を効率良く洗浄することができる。
【0057】
このとき、フランジ2から吐出される液体の吐出量と被洗浄物5を回転させる回転数を制御することによって、h+mの値が確実にλ/2×kの値に対して±20%の範囲内となるようにすることができる。
【0058】
ここで、フランジ2の土手8の高さhは、上記の条件を満たしつつ、浅皿状の窪みが深すぎてフランジ2の上面で滞留や乱流の発生や影響がない高さとすることが望ましい。このような土手8の高さの調整は事前のフランジの加工段階で行われる。そして、kの値を変更して加工可能な土手の高さに調整することができる。例えば、周波数が1MHzの場合には、k=2として、高さhと被洗浄物5の浮上量mの和が1.5mmとなるように、高さhを調整することができる。
【0059】
このとき、フランジ2は上下動自在であることができ、例えば、図3に示すような、フランジ上下動用シリンダ10を用いてフランジ2を上下動させることができる。
このように、フランジ10が上下動自在であれば、被洗浄物5の洗浄位置と、被洗浄物5のフランジ2への受け渡し位置とで高さを変えることができ、被洗浄物5の受け渡しが容易になるとともに、洗浄位置では確実に洗浄液の飛散を防止することができる。
またこの場合、フランジ2は上下動して、被洗浄物5との間隔を変えることで、伝搬膜としての液体の膜厚を調整できるようになっている。
また、フランジ2が下降して、フランジ2と被洗浄物5との間隔を一定間隔以上に広げることで、乾燥時にフランジ2の上面に残っている液体から遠ざけられ、被洗浄物5の乾燥を効率的に行うことができる。
【0060】
またこのとき、フランジ2の吐出口から吐出する液体として、洗浄液を使用し、被洗浄物5の裏面も洗浄することができる。
このように、フランジ2の吐出口から吐出する液体として、洗浄液を使用すれば、被洗浄物5の裏面も同時に洗浄することができ、被洗浄物5の裏面を非接触の状態に保ちつつ、表裏面を効率的に洗浄することができる。
あるいは、フランジ2の吐出口から吐出する液体として、脱気水を用い、超音波印加時の伝搬水とすることもできる。
【0061】
このとき、フランジ2は複数の吐出口7を有することができる。
このように、フランジ2は複数の吐出口7を有することで、洗浄中に被洗浄物5がより安定して水平度を保つことができる。
また、フランジ2から吐出される液体は圧力制御され、流量の揺らぎを低減させた状態で供給されることが望ましい。
【0062】
また、前記した形態と同様にして、フランジ2上の被洗浄物5をロボットハンド31で受け渡しすることによって、被洗浄物5の裏面を非接触で受け渡しすることができる。
【0063】
図5は、本発明の枚葉式洗浄装置の別の実施形態を示す概略断面図である。
図5に示すように、この本発明の枚葉式洗浄装置41は、上面が平坦なフランジ2を具備している。また、このフランジ2の外側に液はね防止板4が配設され、液はね防止板4の上部に被洗浄物5の側面を保持するためのチャックピン3が設けられている。
この液はね防止板4には、一端が先広の円筒形状の部材16が連設されている。この円筒状の部材16は軸11とベアリングで接続されており、中空モータ9によって、円筒状の部材16、および液はね防止板4が軸11を中心に回転するようになっている。
【0064】
そして、上記した図3に示す枚葉式洗浄装置21と同様に、フランジ2により被洗浄物5を水平度を保った状態で液体浮上させ、さらに被洗浄物5の側面をチャックピン3で保持して被洗浄物5をその中心軸で回転させるので、被洗浄物5が安定して水平度を保つことができるようになっている。
【0065】
この態様でフランジ2から吐出する液体に超音波を印加して洗浄する場合には、フランジ2から吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、被洗浄物5の浮上量をm[mm]、kを任意の整数としたとき、mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であることが好ましい。
このように、フランジ2から吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、被洗浄物5の浮上量をm[mm]、kを任意の整数としたとき、mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であれば、被洗浄物の裏面に到達した超音波が表面側に確実に伝搬し、表面側にダメージを発生させることなく、効率良く洗浄できる。さらに、m=λ/2×kを満たしていれば、この作用をより効果的に奏することができる。従って、超音波による洗浄効果をより向上させることができ、被洗浄物を効率良く洗浄することができる。
【0066】
また、フランジ2から吐出される液体の吐出量と被洗浄物5を回転させる回転数を制御することによって、mの値が確実にλ/2×kの値に対して±20%の範囲内となるようにすることができる。
表1に、図5に示すような本発明の枚葉式洗浄装置41を用いてフランジ2から吐出される液体の吐出量と被洗浄物5を回転させる回転数を制御しながらシリコンウェーハを液体浮上させた際の浮上量mを示す。
【0067】
表1に示すように、吐出量と回転数を変更することによって浮上量mも変化していることが分かる。そして、フランジ2から吐出する液体に印加する超音波に対して浮上量mを上記の範囲に調整するためには表1のような関係を基に吐出量と回転数を制御すれば良く、例えば周波数が1MHzの超音波を用いる場合には、k=1とした場合、λ/2×kの値は0.742となり、この値に対してmが±20%の範囲内になるような吐出量と回転数で洗浄を行えば良い。
なお、図5のその他の部材については図3と同様である。
【0068】
【表1】

【0069】
また、図5に示す本発明の枚葉式洗浄装置41の態様では、チャックピン3は、液はね防止板4の上部に設置され、フランジ2は回転せず、円筒状部材16、および液はね防止板4が軸11を中心に回転することによって、チャックピン3によって側面を保持された被洗浄物5をその中心軸で回転させることができるようになっているが、フランジ2が図5に示すような上面が平坦なものであり、かつ、図1に示すような、チャックピン3がフランジ2の上部に設置され、フランジ2が軸11を中心に回転することによってチャックピン3によって側面を保持された被洗浄物5をその中心軸で回転させることができるような構成とすることもできる。
【0070】
図5の態様では、フランジ2の上面が平坦であるので図1の上面が浅皿状のものに比べて、上面の研磨加工が容易で簡単に構成できるとともに、洗浄後の被洗浄物5である基板の乾燥も容易であるという利点がある。
【実施例】
【0071】
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0072】
(実施例)
図1に示すような、枚葉式洗浄装置を用い、半導体基板を100枚洗浄した。
また、図2に示すようなロボットハンドを用い、フランジ上の被洗浄物の受け渡しを行った。フランジに3箇所の吐出口を設け、吐出口から洗浄液を吐出させて洗浄を行った。洗浄後すぐに乾燥させ、基板100枚の表面に付着するパーティクル数をパーティクルカウンターで計測し、洗浄前と洗浄後のパーティクルの残留率の100枚分の平均値をそれぞれ比較した。
その結果、洗浄後のパーティクルの残留率の平均値は4%であり、後述の比較例と比べ改善されていることが確認できた。
また、基板の裏面の外周部のパーティクル数を評価したところ洗浄前より増加しているものは見受けらず、裏面の傷や洗浄後の残渣等が再付着することによる汚れは発生しておらず、また100枚の基板間の相互汚染による影響が抑制できていることが確認できた。
【0073】
(比較例)
図4に示すような、従来の枚葉式洗浄装置を用い、実施例と同様の半導体基板を100枚洗浄し、実施例と同様な評価を行った。
その結果、洗浄後のパーティクルの残留率の平均値は約20%であり実施例と比べ大きくなっていることが確認できた。
また、基板の裏面の外周部のパーティクル数を評価したところ、一部の基板で、特にテーブルに接触していた箇所のパーティクルが増加していることが確認でき、裏面の汚染あるいは相互汚染による影響を受けていることが確認できた。
【0074】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0075】
1、21、41…枚葉式洗浄装置、2…フランジ、3…チャックピン、
4…液はね防止板、5…被洗浄物、6…表面ノズル、
7…吐出口、8…土手、9…中空モータ、10…フランジ上下動用シリンダ、
11…軸、12…固定部材、13…洗浄液排出ライン、
14…カップ、15…振動手段、16…円筒状部材、31…ロボットハンド、
32…ハンド、33…ガイドピン、34…アーム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物の表面を洗浄液で洗浄する表面ノズルを具備し、前記被洗浄物を中心軸で回転させながら前記表面ノズルから吐出した洗浄液で前記被洗浄物の表面を洗浄する枚葉式洗浄装置において、少なくとも、
前記被洗浄物の側面を保持するチャックピンと、
前記被洗浄物の直下に配設され、液体を吐出する吐出口を有したフランジとを具備し、
前記フランジにより前記被洗浄物を裏面が非接触な状態で液体浮上させ、前記チャックピンで該被洗浄物の側面を保持して該被洗浄物を洗浄するものであることを特徴とする枚葉式洗浄装置。
【請求項2】
前記フランジは複数の吐出口を有することを特徴とする請求項1に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項3】
前記フランジは上下動自在であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項4】
前記フランジの外側に配設され、前記フランジから吐出される液体の液はねを防止する液はね防止板を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項5】
前記フランジの吐出口から吐出する液体として、洗浄液を使用し、前記被洗浄物の裏面も洗浄することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項6】
前記フランジから吐出された液体に超音波振動を印加する振動手段を前記フランジに配設し、前記重畳された超音波を前記被洗浄物に伝搬して該被洗浄物を洗浄することができるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項7】
前記フランジから吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、前記被洗浄物の浮上量をm[mm]、kを任意の整数としたとき、mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項8】
前記mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内となるように前記フランジから吐出される液体の吐出量と前記被洗浄物を回転させる回転数を制御するものであることを特徴とする請求項7に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項9】
前記フランジは外周部に土手が設けられて上面が浅皿状に形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項10】
前記フランジは外周部に土手が設けられて上面が浅皿状に形成されたものであり、前記フランジから吐出された液体に印加する超音波の波長をλ[mm]、前記被洗浄物の浮上量をm[mm]、前記フランジの土手の高さをh[mm]、kを任意の整数としたとき、h+mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項11】
前記h+mの値がλ/2×kの値に対して±20%の範囲内となるように前記フランジから吐出される液体の吐出量と前記被洗浄物を回転させる回転数を制御するものであることを特徴とする請求項10に記載の枚葉式洗浄装置。
【請求項12】
前記被洗浄物を搬送するロボットハンドを具備し、該ロボットハンドで前記フランジ上の前記被洗浄物を、該被洗浄物の裏面を非接触で受け渡しすることができるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の枚葉式洗浄装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−10652(P2010−10652A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22870(P2009−22870)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(590002172)株式会社プレテック (41)
【Fターム(参考)】