説明

シリコンを含有するエピタキシャル層の形成

【課題】 シリコンを含有するエピタキシャル層の形成方法を提供する。
【解決手段】 特定の実施形態は、半導体デバイス、例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスにおけるエピタキシャル層の形成と処理に関する。特定の実施形態において、エピタキシャル層の形成は、プロセスチャンバ内の基板をシランや高次シランのような二つ以上のシリコン源を含む堆積ガスにさらすことを含んでいる。実施形態は、エピタキシャル層の形成中にリンドーパントのようなドーパント源を流すステップと、リンドーパントを含まずにシリコン源ガスによる堆積を続けるステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本出願は、2006年12月12日に出願した米国特許出願第11/609,590号の利益を主張し、その開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【背景】
【0002】
[0002]本発明の実施形態は、一般的には、シリコンを含有するエピタキシャル層の形成と処理のための方法及び装置に関する。特定の実施形態は、半導体デバイス、例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスにおけるエピタキシャル層の形成と処理のための方法及び装置に関する。
【0003】
[0003]MOSトランジスタのチャネルを通って流れる電流量は、チャネル内のキャリアの移動度に正比例し、高移動度MOSトランジスタの使用は、より多くの電流が流れることを可能にし、その結果より高速の回路性能を可能にする。MOSトランジスタのチャネル内のキャリヤの移動度は、チャネル内に機械的応力を生じることによって増加させることができる。圧縮歪みを受けているチャネル、例えば、シリコン上に成長させたシリコン-ゲルマニウムチャネル層は、ホール移動度を著しく高めて、pMOSトランジスタを与える。引っ張り歪みを受けているチャネル、例えば、弛緩したシリコン-ゲルマニウム上に成長させたシリコンチャネル薄層は、電子移動度を著しく高めて、nMOSトランジスタを与える。
【0004】
[0004]引っ張り歪みを受けているnMOSトランジスタチャネルは、一つ以上の炭素ドープシリコンエピタキシャル層を形成することによって与えることができ、pMOSトランジスタにおける圧縮歪みのSiGeチャネルに相補的でもよい。従って、炭素ドープシリコン層とシリコン-ゲルマニウムエピタキシャル層を、それぞれnMOSトランジスタとpMOSトランジスタのソース/ドレイン上に堆積させることができる。ソース領域とドレイン領域は、選択的Siドライエッチングによって平らであるか或いは凹部でもよい。適切に製造された場合、炭素ドープSiエピタキシーで覆われたnMOSのソースとドレインは、チャネル内に引っ張り歪みを与え、nMOS駆動電流を増加させる。
【0005】
[0005]炭素ドープSiエピタキシーを用いた陥凹(recessed)ソース/ドレインを持つnMOSトランジスタのチャネル内の電子移動度を高めるために、選択的堆積或いは堆積後処理によってソース/ドレイン上に炭素ドープシリコンエピタキシャル層を選択的に形成することが望ましい。更に、炭素ドープSiエピタキシャル層が置換型C原子を含有してチャネル内に引っ張り歪みを生じさせることも望ましい。より大きいチャネル引っ張り歪みは、炭素ドープシリコンのソースとドレイン内の置換型C含量の増加によって達成させることができる。
【0006】
[0006]一般に、100nm未満のCMOS(相補型金属酸化物半導体)デバイスは、接合深さが30nm未満であることを必要とする。選択的エピタキシャル堆積は、接合にシリコン含有物質(例えば、Si、SiGe、SiC)のエピタキシャル層(“エピ層”)を形成するためにしばしば用いられる。選択的エピタキシャル堆積は、シリコンモート(moats)上にエピ層の成長を可能にし、誘電体領域上に成長しない。選択的エピタキシーは、積み上げソース/ドレイン、ソース/ドレイン拡大、コンタクトプラグ又はバイポーラデバイスのベース層堆積のような半導体デバイスの中に使用できる。
【0007】
[0007]典型的な選択的エピタキシャルプロセスは、堆積反応とエッチング反応を含んでいる。堆積プロセス中、エピタキシャル層は、単結晶表面上に形成され、多結晶層は、既存の多結晶層及び/又はアモルファス層のような少なくとも第二層上に堆積される。堆積反応とエッチング反応は、エピタキシャル層と多結晶層に対して相対的に異なる反応速度で同時に行われる。しかしながら、堆積された多結晶層は、通常はエピタキシャル層より速い速度でエッチングされる。それ故、エッチングガスの濃度を変化させることによって、正味の選択的プロセスは、エピタキシー物質を堆積することになり、多結晶物質の限られた堆積か或いは全く堆積されない。例えば、選択的エピタキシープロセスは、単結晶シリコン表面上にシリコン含有物質のエピ層を形成することになるが、堆積はスペーサ上に全く残らない。
【0008】
[0008]シリコン含有物質の選択的エピタキシー堆積は、積み上げソース/ドレインやソース/ドレイン拡大の特徴部の形成で、例えば、シリコン含有MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)デバイスの形成で、有効な技術になっている。ソース/ドレイン拡大特徴部は、シリコン表面をエッチングして、陥凹ソース/ドレイン特徴部を作り、その後エッチングされた表面をシリコンゲルマニウム(SiGe)物質のような選択的に成長したエピ層で充填することにより製造される。選択的エピタキシーは、インサイチュ(in-situ)ドープしつつほぼ完全にドーパント活性化を可能にするので、ポストアニールプロセスが省略される。それ故、接合の深さは、シリコンエッチングと選択的エピタキシーによって正確に画成できる。もう一方で、極浅いソース/ドレイン接合は、必然的に直列抵抗を増加させることになる。また、シリサイド形成中の接合の消耗は、更に直列抵抗を増加させる。接合の消耗を補償するために、積み上げソース/ドレインは、接合上でエピタキシャル的且つ選択的に成長する。典型的には、積み上げソース/ドレイン層は非ドープシリコンである。
【0009】
[0009]しかしながら、最新の選択的エピタキシープロセスはいくつかの欠点を持つ。本エピタキシープロセス中に選択性を維持するために、前駆物質の化学的濃度だけでなく反応温度も堆積プロセス全体に制御し調整しなければならない。充分なシリコン前駆物質が加えられない場合には、エッチング反応が支配することになり、全体のプロセスは減速する。また、基板特徴部の有害なオーバーエッチングも生じることになる。不充分なエッチャント前駆物質が加えられる場合には、堆積反応が支配することになり、選択性を減少させて、基板表面全体に単結晶物質と多結晶物質を形成する。また、最新の選択的エピタキシープロセスは、通常、約800℃や1,000℃以上のような高い反応温度を必要とする。このような高い反応温度は、基板表面に対する熱量の問題と、起こり得る制御されない窒化反応とのために製造プロセス中は望ましくない。更に、より高いプロセス温度における典型的な選択的Si:Cエピタキシープロセスによって組み込まれるC原子のほとんどは、Si格子の非置換型(即ち、格子間)位置を占めている。成長温度を低下させることによって、置換型炭素レベルのより高い部分が達成できる(例えば、550℃の成長温度でほぼ100%)が、これらのより低温における遅い成長速度はデバイス応用に望ましくなく、このような選択的処理はより低温において起こり得ない場合がある。
【0010】
[0010]それ故、ドーパントが選択的なシリコン含有化合物をエピタキシャル的に堆積させる方法を持つことが求められている。更に、前記方法は、速い堆積速度を持ち且つ約800℃以下、好ましくは約700℃以下のようなプロセス温度を維持しつつ、種々の元素濃度を持つシリコン含有化合物を形成するのに有用でなければならない。このような方法は、トランジスタデバイスの製造において有効である。
【発明の概要】
【0011】
[0011]本発明の一実施形態は、シリコンを含有するエピタキシャル層を形成し処理する方法に関する。他の実施形態は、シリコンと炭素を含有するエピタキシャル層を含むトランジスタデバイスを作る製造方法に関する。
【0012】
[0012]本発明の一実施形態によれば、基板表面上にシリコン含有物質をエピタキシャル的に形成する方法であって、プロセスチャンバ内へ単結晶表面を含む基板を配置するステップと;基板を堆積ガスにさらして、単結晶表面上にエピタキシャル層を形成するステップであって、堆積ガスがモノシランと高次シランを含むシリコン源を含む、前記ステップを含む。特定の実施形態において、エピタキシャル膜は、基板の陥凹部上に形成される。
【0013】
[0013]一つ以上の実施形態において、方法は、更に、モノシランと高次シランとの比を調整するステップを含む。特定の実施形態において、シランと高次シランとの比は、4:1を超える。ある実施形態において、高次シランは、ジシラン、ネオペンタシラン及びこれらの混合物より選ばれる。一つ以上の実施形態において、方法は、炭素含有源、例えば、メチルシランを流すステップであって、アルゴンのような不活性キャリヤガスと共に流してもよい、前記ステップを含む。
【0014】
[0014]特定の実施形態において、高次シランはジシランを含み、モノシランとジシランとの比は約5:1である。一つ以上の実施形態において、方法は、基板を堆積ガスにさらした直後にプロセスチャンバをパージするステップを含む。ある実施形態において、方法は、更に、基板をエッチングガスにさらすステップを含む。特定の実施形態において、方法は、塩素とHClを含んでもよい、エッチングガスに基板をさらした直後にプロセスチャンバをパージするステップを含む。一実施形態によれば、単一プロセスサイクルは、堆積ステップ、エッチングガスにさらすステップ、プロセスチャンバをパージするステップを連続して含み、このプロセスサイクルは少なくとも二回繰り返される。他の実施形態において、方法は、基板を堆積ガスにさらす工程と、プロセスチャンバをパージして、所定の厚さを持つシリコン含有層の形成する工程を繰り返すステップを含んでもよい。一定の実施形態において、ネオペンタシラン源は、プロセスチャンバから約5フィート以内に位置する。一実施形態において、堆積ガスは、更に、ホウ素、ヒ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、炭素及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる元素供給源を含むドーパント化合物を含んでいる。
【0015】
[0015]一つ以上の実施形態において、エピタキシャル膜は、トランジスタ製造プロセスの製造ステップ中に形成され、方法は、更に、基板上にゲート誘電体を形成するステップと;ゲート誘電体上にゲート電極を形成するステップと;電極の反対側の基板上にソース/ドレイン領域を形成し且つソース/ドレイン領域の間にチャネル領域を画成するステップとを含む。
【0016】
[0016]上記は、本発明のある種の特徴と技術的利点をかなり広範囲に示している。開示された特定の実施形態が本発明の範囲内の他の構造又はプロセスを変更又は設計するための基準として容易に用いることができることは当業者に理解されるべきである。このような等価な構成が添付の特許請求の範囲に示される本発明の精神と範囲から逸脱しないことも当業者に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
[0017]本発明の上記特徴がより理解され得るように、上で簡単にまとめられた本発明のより詳しい説明は実施形態によって参照することができ、その一部は添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面が本発明の典型的な実施形態のみを示しているので、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきでなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を許容してもよいことは留意されるべきである。
【図1】図1は、いくつかのシリコン前駆物質のエピタキシャル成長速度と1000/温度とのグラフである。
【図2A】図2Aは、Si基板上のSi:Cエピタキシャル成長のコンフォーマリティとシラン源による誘電体構造を示すSEM写真である。
【図2B】図2Bは、シリコン基板上のSi:Cエピタキシャル成長のコンフォーマリティとジシラン源による誘電体構造を示すSEM写真である。
【図2C】図2Cは、シリコン基板上のSi:Cエピタキシャル成長のコンフォーマリティとネオペンタシラン源による誘電体構造を示すSEM写真である。
【図3】図3は、堆積とパージの交互ステップで成長した非選択的Si:Cエピタキシーの高分解能X線回折スペクトルである。
【図4】図4は、堆積、エッチング、パージの交互ステップで成長した非選択的Si:Cエピタキシーの高分解能X線回折スペクトルである。
【図5】図5は、本発明の実施形態の電界効果トランジスタ対の断面図である。
【図6】図6は、追加の層がデバイス上に形成された図5で示したPMOS電界効果トランジスタの断面図である。詳細な説明 [0026]本発明の実施形態は、一般的には、シリコン含有エピタキシャル層を形成し処理するための方法及び装置を提供する。特定の実施形態は、トランジスタの製造中にエピタキシャル層を形成し処理するための方法及び装置に関する。
【0018】
[0027]本明細書に用いられるエピタキシャル堆積は、基板上に単結晶層を堆積させることを意味するので、堆積された層の結晶構造は基板の結晶構造に適合する。従って、エピタキシャル層或いは膜は、基板の結晶構造に適合する結晶構造を持つ単結晶層或いは膜である。エピタキシャル層は、バルク基板と多結晶シリコン層とは区別される。
【0019】
[0028]出願全体に、“シリコン含有”物質、化合物、膜、又は層の用語は、少なくともシリコンを含有する組成物を含むと解釈されるべきであり、ゲルマニウム、炭素、ホウ素、ヒ素、リン、ガリウム及び/又はアルミニウムを含有してもよい。金属、ハロゲン又は水素のような他の元素も、通常は100万分の1部(ppm)の濃度でシリコン含有物質、化合物、膜又は層の中に組み込まれてもよい。シリコン含有物質の化合物或いは合金は、シリコンについてはSi、シリコンゲルマニウムについてはSiGe、シリコン炭素についてはSi:C、シリコンゲルマニウム炭素についてはSiGeCのような略号で表すことができる。略号は、化学量論的関係による化学式を表すものでなく、シリコン含有物質の具体的な還元/酸化状態を表すものでもない。
【0020】
[0029]本発明の一つ以上の実施形態は、一般的には、電子デバイスの製造中の基板の単結晶表面上にシリコン含有物質を選択的且つエピタキシャル的に堆積させるプロセスを提供する。単結晶表面(例えば、シリコン又はシリコンゲルマニウム)とアモルファス表面及び/又は多結晶表面(例えば、酸化物或いは窒化物)のような少なくとも第二表面を含有する基板は、エピタキシャルプロセスにさらされて、単結晶表面上にエピタキシャル層を形成するが第二表面上には限られた多結晶層を形成するか或いは全く形成しない。交互ガス供給プロセスとも言われるエピタキシャルプロセスは、エピタキシャル層の望ましい厚さに成長するまで堆積プロセスとエッチングプロセスのサイクルを繰り返すステップを含む。例示的な交互堆積プロセスとエッチングプロセスは、SelectiveEpitaxy ProcessWith AlternatingGas Supplyと題する米国特許出願公開第2006/0115934号として公開された、共同譲渡され同時係属中の米国特許出願第第11/001,774号に開示されており、この全体の開示内容は本明細書に援用されている。
【0021】
[0030]一つ以上の実施形態において、堆積プロセスは、基板表面を少なくともシリコン源とキャリヤガスを含有する堆積ガスにさらすステップを含む。堆積ガスは、また、ゲルマニウム源及び/又は炭素源だけでなく、ドーパント源を含んでもよい。堆積プロセス中、エピタキシャル層は、基板の単結晶表面上に形成され、多結晶/アモルファス層は、“第二表面”とも総合的に呼ばれる誘電体、アモルファス及び/又は多結晶の表面のような第二表面上に形成される。その後、基板はエッチングガスにさらされる。エッチングガスは、キャリヤガスとエッチャント、例えば、塩素ガス又は塩化水素を含む。エッチングガスは、堆積プロセス中に堆積されたシリコン含有物質を除去する。エッチングプロセス中、多結晶/アモルファス層は、エピタキシャル層より速い速度で除去される。それ故、堆積プロセスとエッチングプロセスの正味の結果は、第二表面上に多結晶/アモルファスシリコン含有物質の、たとえあったとしても成長を最小限にしつつ、単結晶表面上にエピタキシャル的に成長したシリコン含有物質を形成する。堆積プロセスとエッチングプロセスのサイクルは、必要に応じて繰り返され、望ましい厚さのシリコン含有物質を得ることができる。本発明の実施形態によって堆積され得るシリコン含有物質には、ドーパントを含む、シリコン、シリコンゲルマニウム、シリコン炭素、シリコンゲルマニウム炭素、又はこれらの変形例が含まれる。
【0022】
[0031]プロセスの一例において、エッチャントとして塩素ガスの使用は全体のプロセス温度を約800℃より低下させる。一般に、エッチャントは活性化させるために高い温度をしばしば必要とするので、堆積プロセスはエッチング反応よりも低温で行われることになる。例えば、シランは約500℃以下でシリコンを堆積させるために熱分解され、塩化水素は効果的なエッチャントとして働くために約700℃以上の活性化温度を必要とする。それ故、プロセスで塩化水素を用いる場合には、エッチャントを活性化させるためにより高い温度によって全体のプロセス温度が決定される。必要とされた全体のプロセス温度を下げることによって塩素は全体のプロセスに寄与する。塩素は、約500℃程度の温度で活性化させることができる。それ故、エッチャントとしてプロセスに塩素を組み込むことによって、エッチャントとして塩化水素を用いるプロセスより全体のプロセス温度を、例えば、約200℃〜300℃だけ顕著に低下させることができる。また、塩素は、塩化水素よりも速くシリコン含有物質をエッチングする。それ故、塩素エッチャントは、プロセスの全体の速度を増加させる。
【0023】
[0032]キャリヤガスとしてアルゴンとヘリウムの使用と関連するコスト問題のために、窒素は、典型的には好ましいキャリヤガスである。窒素はアルゴンより通常は極めて安価であるという事実にも関わらず、本発明の一つ以上の実施形態によれば、特にメチルシランがシリコン源ガスである実施形態において、アルゴンは好ましいキャリヤガスである。キャリヤガスとして窒素を用いることから生じる場合がある一つの欠点は、堆積プロセス中の基板上の物質の窒化である。しかしながら、800℃を超えるような高温は、このようにして窒素を活性化することを必要とする。それ故、一つ以上の実施形態によれば、窒素の活性化閾値より低い温度で行われるプロセスにおいて窒素は不活性キャリヤガスとして使用し得る。不活性キャリヤガスの使用は、堆積プロセスでいくつかの寄与がある。一つには、不活性キャリヤガスはシリコン含有物質の堆積速度を増加させることができる。水素はキャリヤガスとして用いることができるが、堆積プロセス中、水素は基板に吸収或いは反応する傾向があり、水素終端表面を形成する。水素終端表面は、むき出しのシリコン表面よりエピタキシャル成長に非常にゆっくりと反応する。それ故、不活性キャリヤガスの使用は、堆積反応に悪影響を及ぼさずに堆積速度を増加させる。
【0024】
[0033]本発明の第一実施形態によれば、堆積及びパージの交互ステップによる全面或いは非選択的エピタキシーは、連続堆積と比べて高次シランを用いて成長したエピタキシャル膜の結晶性が改善される。本明細書に用いられる“高次シラン”は、ジシラン或いは高級シラン前駆物質を意味する。一定の特定実施形態において、“高次シラン”は、ジシラン、ネオペンタシラン(NPS)、又はこれらの混合物を意味する。例示的プロセスは、プロセスチャンバ内に基板を装填するステップとプロセスチャンバ内の条件を望ましい温度と圧力に調整するステップを含む。その後、堆積プロセスを開始して、基板の単結晶表面上にエピタキシャル層を形成する。その後、堆積プロセスを終了する。その後、エピタキシャル層の厚さを求める。所定の厚さのエピタキシャル層に達している場合には、エピタキシャルプロセスを終了する。しかしながら、所定の厚さに達していない場合には、所定の厚さに達するまで堆積とパージのステップをサイクルとして繰り返す。この例示的プロセスの詳細を以下に記載する。
【0025】
[0034]基板は、パターン形成されなくてもパターン形成されてもよい。パターン形成された基板は、基板表面の中に或いはその上に形成された電子特徴部を含む基板である。パターン形成された基板は、通常は、単結晶表面と、誘電体、多結晶又はアモルファス表面のような非単結晶の少なくとも一つの第二表面を含有する。単結晶表面は、シリコン、シリコンゲルマニウム又はシリコン炭素のような物質から通常作られたむき出しの結晶質基板或いは堆積された単結晶層を含む。多結晶或いはアモルファス表面は、誘電物質、例えば、酸化物又は窒化物、詳しくは酸化シリコン或いは窒化シリコンだけでなく、アモルファスシリコン表面を含んでもよい。
【0026】
[0035]基板をプロセスチャンバ内に装填した後、プロセスチャンバ内の条件を所定の温度と圧力に調整する。温度は、行われる具体的なプロセスに調整される。一般に、プロセスチャンバは、エピタキシャルプロセスを全体に一貫した温度に維持される。しかしながら、一部のステップは、種々の温度で行われてもよい。プロセスチャンバは、約250℃〜約1,000℃、例えば、約500℃〜約800℃、より詳しくは約550℃〜約750℃の範囲の温度に保たれる。エピタキシャルプロセスを行うのに適した温度は、シリコン含有物質を堆積させるために用いられる具体的な前駆物質に左右されることになる。一例において、塩素(Cl)ガスがより一般的なエッチャントを用いたプロセスより低い温度でシリコン含有物質のエッチャントとして充分に働くことが分かった。それ故、一例において、プロセスチャンバを予熱する例示的温度は、約750℃以下、例えば、約650℃以下、より詳しくは約550℃以下である。特定の一実施形態において、エピタキシャル成長中の温度は、約560℃に維持される。
【0027】
[0036]プロセスチャンバは、通常は約0.1トール〜約600トール、例えば、約1トール〜約50トールの圧力に維持される。圧力は、プロセスステップ中とプロセスステップの間で変動してもよいが、たいていは一定に維持される。特定の実施形態において、圧力は、堆積とパージ中、約10トールに維持される。
【0028】
[0037]堆積プロセス中、基板を堆積ガスにさらして、エピタキシャル層を形成する。基板は、約0.5秒〜約30秒間、例えば約1秒〜約20秒間、より詳しくは約5秒〜約10秒間堆積ガスにさらされる。特定の実施形態において、堆積ステップは、約10秒〜11秒続く。堆積プロセスの個々のさらす時間は、その後のエッチングプロセスでさらす時間だけでなく、プロセス中に用いられる具体的な前駆物質や温度に関係して決定される。一般に、基板はエピタキシャル層の最大限の厚さを形成するのに充分に長く堆積ガスにさらされる。
【0029】
[0038]堆積ガスは、少なくともシリコン源とキャリヤガスを含有し、炭素源及び/又はゲルマニウム源のような少なくとも一つの第二元素供給源を含有してもよい。また、堆積ガスは、ホウ素、ヒ素、リン、ゲルマニウム及び/又はアルミニウムのようなドーパント源を供給するドーパント化合物を更に含んでもよい。別の実施形態において、堆積ガスは塩化水素又は塩素のような少なくとも一つのエッチャントを含んでもよい。
【0030】
[0039]シリコン源は、通常は約5sccm〜約500sccm、好ましくは約10sccm〜約300sccm、より好ましくは約50sccm〜約200sccmの範囲にある、例えば、100sccmの流量でプロセスチャンバに供給される。特定の実施形態において、シランは約60sccmで流される。シリコン含有化合物を堆積させるために堆積ガスに有効なシリコン源には、シラン、ハロゲン化シラン、オルガノシランが含まれる。シランには、シラン(SiH)や実験式Si(2x+2)を有する高級シラン、例えば、ジシラン(Si)、トリシラン(Si)、テトラシラン(Si10)等が含まれる。ハロゲン化シランには、実験式X’Si(2x+2-y)、ここで、X’=F、Cl、Br、又はIを有する化合物、例えば、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、テトラクロロシラン(SiCl)、ジクロロシラン(ClSiH)、トリクロロシラン(ClSiH)が含まれる。有機シランには、実験式RSi(2x+2-y)、ここで、R=メチル、エチル、プロピル又はブチルを有する化合物、例えば、メチルシラン((CH)SiH)、ジメチルシラン((CH)SiH)、エチルシラン((CHCH)SiH)、メチルジシラン((CH)Si)、ジメチルジシラン((CH)Si)、ヘキサメチルジシラン((CH)Si)が含まれる。有機シラン化合物は、堆積されたシリコン含有化合物に炭素を組み込む実施形態において有利なシリコン源だけでなく炭素源であることがわかった。一つ以上の実施形態によれば、アルゴン含有キャリヤガス中のメチルシランは、好ましいシリコン含有源とキャリヤガスの組合わせである。
【0031】
[0040]シリコン源は、通常はキャリヤガスと共にプロセスチャンバ内に供給される。キャリヤガスの流量は、約1slm(標準リットル毎分)〜約100slm、例えば、約5slm〜約75slm、より詳しくは約10slm〜50slm、例えば、10slmである。キャリヤガスには、窒素(N)、水素(H)、アルゴン、ヘリウム、これらの組み合わせが含まれてもよい。不活性キャリヤガスが好ましく、窒素、アルゴン、ヘリウム又はこれらの組み合わせが含まれる。キャリヤガスは、エピタキシャルプロセス中に用いられる前駆物質及び/又はプロセス温度に基づいて選ばれることになる。通常、キャリヤガスは、堆積とエッチングのステップのそれぞれを通して同じである。しかしながら、一部の実施形態は、具体的なステップにおいて異なるキャリヤガスを用いてもよい。
【0032】
[0041]典型的には、窒素は、低温(例えば、<800℃)プロセスを特徴とする実施形態においてキャリヤガスとして用いられる。低温プロセスは、一部にはエッチングプロセスにおいて塩素ガスを用いるために、利用しやすい。窒素は、低温堆積プロセス中不活性のままである。それ故、窒素は、低温プロセス中に堆積されたシリコン含有物質の中へ組み込まれない。また、窒素キャリヤガスは、水素キャリヤガスがするように水素終端表面を形成しない。基板表面上に水素キャリヤガスの吸収によって形成された水素終端表面は、シリコン含有層の成長速度を抑制する。最後に、窒素が水素、アルゴン又はヘリウムよりもはるかに安価であるので、低温プロセスは、キャリヤガスとして窒素を経済的に利用することができる。経済的な利点にもかかわらず、ある実施形態によれば、アルゴンは好ましいキャリヤガスである。
【0033】
[0042]一つ以上の実施形態において、用いられる堆積ガスは、また、少なくとも一つの第二元素供給源、例えば、炭素源及び/又はゲルマニウム源を含有する。炭素源をシリコン源とキャリヤガスと共にプロセスチャンバ内に堆積中に添加して、シリコン炭素物質のようなシリコン含有化合物を形成する。炭素源は、通常は約0.1sccm〜約20sccm、例えば、約0.5sccm〜約10sccm、より詳しくは約1sccm〜約5scmの範囲にある、例えば、約2sccmの流量でプロセスチャンバへ供給される。炭素源は、水素ガスに希釈され、300sccmの流量で流してもよい。シリコン含有化合物を堆積させるのに有用な炭素源には、有機シラン、エチレン、プロピル、ブチルのアルキル、アルケン及びアルキンが含まれる。このような炭素源には、メチルシラン(CHSiH)、ジメチルシラン((CH)SiH)、エチルシラン(CHCHSiH)、メタン(CH)、エチレン(C)、エチレン(C)、プロパン(C)、プロペン(C)、ブチン(C)等が含まれる。エピタキシャル層の炭素濃度は、約200ppm〜約5原子%、好ましくは約1原子%から約3原子%の範囲にあり、例えば、1.5原子%である。一実施形態において、炭素濃度は、エピタキシャル層の中で段階的でもよく、好ましくは、エピタキシャル層の最後の部分よりエピタキシャル層の最初の部分で炭素濃度がより低く段階的になってもよい。或いは、ゲルマニウム源と炭素源は、いずれも、シリコン源とびキャリヤガスと共にプロセスチャンバ内に堆積中に添加されて、シリコン炭素又はシリコンゲルマニウム炭素物質のようなシリコン含有化合物を形成することができる。
【0034】
[0043]或いは、ゲルマニウム源は、シリコン源とキャリヤガスと共にプロセスチャンバ内に添加されて、シリコンゲルマニウム物質のようなシリコン含有化合物を形成することができる。ゲルマニウム源は、通常は約0.1sccm〜約20sccm、好ましくは約0.5sccm〜約10sccm、より好ましくは約1sccm〜約5sccmの範囲にある、例えば、約2sccmの流量でプロセスチャンバ内に供給される。シリコン含有化合物を堆積させるのに有用なゲルマニウム源には、ゲルマン(GeH)、高級ゲルマン、有機ゲルマンが含まれる。高級ゲルマンには、実験式Ge(2x+2)を有する化合物、ジゲルマン(Ge)、トリゲルマン(Ge)テトラゲルマン(Ge10)等が含まれる。有機ゲルマンには、メチルゲルマン((CH)GeH)、ジメチルゲルマン((CH)GeH)、エチルゲルマン((CHCH)GeH)、メチルジゲルマン((CH)Ge)、ジメチルジゲルマン((CH)Ge)、ヘキサメチルジゲルマン((CH)Ge)のような化合物が含まれる。ゲルマンと有機ゲルマン化合物は、堆積されたシリコン含有化合物にゲルマニウムと炭素を組み込んでいる実施形態において有利なゲルマニウム源と炭素源、即ち、SiGe化合物やSiGeC化合物であることがわかった。エピタキシャル層におけるゲルマニウム濃度は、約1原子%〜約30原子%の範囲にあり、例えば、約20原子%である。ゲルマニウム濃度は、エピタキシャル層の中で段階的でもよく、好ましくはエピタキシャル層の上部よりエピタキシャル層の下部でゲルマニウム濃度が高い段階的になってもよい。
【0035】
[0044]堆積中に用いられる堆積ガスは、更に、ホウ素、ヒ素、リン、ガリウム又はアルミニウムのような元素ドーパント源を供給するために少なくとも一つのドーパント化合物を含んでもよい。ドーパントは、電子デバイスが必要とする制御された望ましい経路において方向性電子流のような様々な導電特性を有する堆積されたシリコン含有化合物を供給する。シリコン含有化合物の膜を具体的なドーパントでドープして、望ましい導電特性を達成する。一例において、シリコン含有化合物は、ジボランを用いて約1015原子/cm〜約1021原子/cmの範囲の濃度でホウ素を添加するようにp形にドープされる。一例において、p形ドーパントは、少なくとも5×1019原子/cmの濃度を有する。他の例において、p形ドーパントは、約1×1020原子/cm〜約2.5×1021原子/cmの範囲にある。他の一例において、シリコン含有化合物は、n形に、例えば、リン及び/又はヒ素によって約1015原子/cm〜約1021原子/cmの範囲にある濃度までドープされる。
【0036】
[0045]ドーパント源は、通常は約0.1sccm〜約20sccm、例えば、約0.5sccm〜約10sccm、より詳しくは約1sccm〜約5sccmの範囲にある、例えば、約2sccmの流量で堆積プロセス中にプロセスチャンバ内に供給される。ドーパント源として有用なホウ素含有ドーパントには、ボランや有機ボランが含まれる。ボランには、ボラン、ジボラン(B)、トリボラン、テトラボラン、ペンタボランが含まれ、アルキルボランには、実験式RBH(3-x)、ここで、R=メチル、エチル、プロピル又はブチル、x=1、2又は3を有する化合物が含まれる。アルキルボランには、トリメチルボラン((CH)B)、ジメチルボラン((CH)BH)、トリエチルボラン((CHCH)B)、ジエチルボラン((CHCH)BH)が含まれる。ドーパントには、また、アルシン(AsH)、ホスフィン(PH)、実験式RPH(3-x)、ここで、R=メチル、エチル、プロピル又はブチル、x=1、2又は3を有するようなアルキルホスフィンが含まれてもよい。アルキルホスフィンには、トリメチルホスフィン((CH).sub.3P)、ジメチルホスフィン((CH)PH)、トリエチルホスフィン((CHCH).sub.3P)、ジエチルホスフィン((CHCH)PH)が含まれる。アルミニウムやガリウムのドーパント源には、実験式RMX(3-x)、ここで、M=Al又はGa、R=メチル、エチル、プロピル又はブチル、X=Cl又はF、x=0、1、2又は3により記載されるようなアルキル化及び/又はハロゲン化誘導体が含まれてもよい。アルミニウムやガリウムのドーパント源の例としては、トリメチルアルミニウム(MeAl)、トリエチルアルミニウム(EtAl)、塩化ジメチルアルミニウム(MeAlCl)、塩化アルミニウム(AlCl)、トリメチルガリウム(MeGa)、トリエチルガリウム(EtGa)、塩化ジメチルガリウム(MeGaCl)、塩化ガリウム(GaCl)が挙げられる。
【0037】
[0046]一つ以上の実施形態によれば、堆積プロセスが終了した後、プロセスチャンバはパージガス又はキャリヤガスでフラッシュされてもよく更に/又はプロセスチャンバは真空ポンプで排気されてもよい。パージ及び/又は排気プロセスは、余分な堆積ガスと、反応副生成物と、他の汚染物質を除去する。例示的実施形態において、プロセスチャンバは、約5slmでキャリヤガスを流すことにより約10秒間パージすることができる。堆積とパージのサイクルは、多くのサイクルが繰り返されてもよい。一実施形態において、堆積とパージサイクルは、約90回繰り返される。
【0038】
[0047]本発明の他の態様において、全面又は非選択的プロセスは、高次シラン(例えば、ジシラン以上)源を用いて、低温、約600℃以下で行われる。このことは、堆積ステップ(非選択的堆積)中で酸化物や窒化物のような誘電体表面上の(多結晶よりは)アモルファス成長を援助し、次のエッチングステップによる誘電体表面上の層の除去を容易にし、結晶基板上に成長する単結晶層に対する損傷を最小限にする。
【0039】
[0048]図1は、1000/温度の関数として種々の温度で処理した<001>基板上のシリコンのエピタキシャル成長速度を示すグラフである。試料の各々を、600℃〜700℃で約5〜8トールの圧力で処理し、3-5slmで流れる水素キャリヤガス中に分配した。図1において“HOS”のラベルを付けた試料は、ネオペンタシランであり、バブラーを通る水素キャリヤガスの混合物中の液体ネオペンタシランの流速は約20〜300sccmに変動させた。図1に示すように、高次シランは、600℃における成長速度がトリシランの成長速度の約3倍、ジシランの成長速度の8倍、シランの成長速度の72倍を示した。
【0040】
[0049]ジシラン、ヘキサクロロジシラン、トリシラン、ネオペンタシランのような高次シランガスの使用は、一定利益を与える。基板上のエピタキシャル膜の形成におけるネオペンタシランの使用は、Silicon-Containing Layer Depositionwith SiliconCompoundsと題する米国特許出願公開第2004/0224089号として公開された、共同譲渡された米国出願第10/688,797号に記載されており、この全体の開示内容は本明細書に援用されている。ネオペンタシラン((SiH)Si)は、シリコン原子に結合した四つのシリル(-SiH)基を含有する第3級シランである。高次シランの使用は、より低い温度においてより大きい堆積速度を可能にし、また、炭素を組み込んでいるシリコン含有膜については、シリコン源ガスとしてモノシランの使用より置換型炭素原子のより多くの組み込みを可能にする。600℃のプロセス温度でシリコン源ガスのシリコンとしてシランと比較し、また、キャリヤガスとして窒素を、シリコン-炭素源としてメチルシラン(1%、水素で希釈した)用いて行われた全面堆積実験において、炭素の50%は、堆積された膜において置換型炭素であった。しかしながら、高次シランにおいて、ジシランは置換型炭素が約90%より大きい膜を生じ、ネオペンタシランは置換型炭素がほぼ100%の膜を生じた。
【0041】
[0050]一つ以上の実施形態において、プロセスチャンバに近接して、例えば、プロセスチャンバの約5フィート未満、より詳しくは約2又は3フィート未満に配置されるネオペンタシランアンプルを含む液体供給源キャビネットは、シリコン源のより大きい分配速度、その結果としてより大きい堆積速度を可能にする。
【0042】
[0051]本発明の他の態様は、堆積中、モノシラン(SiH)と、ネオペンタシランやジシランのような高次シランとを同時に流すことに関する。エピタキシャル堆積に適するが、堆積中に高次シランを用いるプロセスは、たいてい、モノシランを用いたプロセスと比べて非コンフォーマル成長を示す。より詳しくは、高次シランは、側壁のような垂直面上の堆積より陥凹領域の底やゲートの最上部のような水平面上により厚い堆積を生じる傾向がある。この非コンフォーマリティ成長は、選択性を得るためにゲート最上部上の望まれていない堆積物をエッチングする場合、側面がオーバーエッチングされ、アンダーカットと呼ばれることになることを引き起こすという問題になる。もう一方で、ソースガスとしてSiHを用いるプロセスは、コンフォーマル成長を示す傾向がある。モノシランと高次シランとを同時に流すことにより、特により低い堆積温度で、膜特性の調整が可能になる。(例えば、各々の供給源の流量を変えることによる)高次シランとモノシランの比は、堆積プロセスによって形成されるエピタキシャル層の形態を調整することに用いることができる。例えば、モノシランと高次シランとの流量比が少なくとも約4:1であるように比を調整すると、モノシランと高次シランとの流量比がより低いプロセスと比較して、有益な結果を与えることが分かった。より詳しくは、モノシランとジシランを基板の陥凹領域の上に2.4:1の比で流し、また、モノシランとジシランを約4:1で流す、プロセス実験を比較した。4:1の比で流すことから得られた試料は、2.4:1の比で流すことから得られた試料より形態がより滑らかになった。従って、少なくとも約4:1、ある実施形態においては約5:1のモノシランと高次シランとの比は、エピタキシャル膜の形態を改善するために使用できる。
【0043】
[0052]図2Aは、シリコン源としてシランを用いて誘電体構造上にエピタキシャル膜を堆積させた炭素を含有するシリコン膜のコンフォーマリティを示す写真である。誘電体構造上に堆積させた膜の走査型電子顕微鏡写真である、図2Aに示されるように、膜の上面は51nmであり、膜の側面は53nmを示す。図2Bは、シリコン源としてジシランを用いて誘電体構造上にエピタキシャル膜を堆積させた炭素を含有するシリコン膜のコンフォーマリティを示す写真である。図2Bに示されるように、膜の上面は、111nm厚であり、膜の側面は、58nm厚である。図2Cは、シリコン源としてネオペンタシランを用いて誘電体構造上にエピタキシャル膜を堆積させた炭素を含有するシリコン膜のコンフォーマリティを示す写真である。図2Cに示されるように、膜の上面は72nm厚であり、膜の側面は25nm厚である。従って、高次シランを用いる際にトレードオフがあり、より低い温度で堆積速度は速くなるが、コンフォーマル成長は一つの課題である。
【0044】
[0053]シリコン源としてSiHと高次シランを同時に流して添加してシリコン含有エピタキシャル膜を形成することにより、陥凹領域側壁上の成長を制御することができ、その結果として側壁は後の処理でのアンダーカットから保護され得ると考えられる。側壁の成長に加えて、高次シランとシラン(SiH)とを同時に流すことは、高次シラン単独で用いるプロセスによって達成される膜質を向上させると考えられる。同一プロセス条件下で、高次シランを用いるプロセスからSiHを取り除くと、陰影が強くなり膜結晶性が不充分な膜が生じた。本発明の実施形態は、特定の操作理論によって縛られるものではないが、シランと高次シランとを用いるプロセスにおいて、シランは、より小さな分子を与えて、ネオペンタシランのようなより大きな分子からの非晶質化の固有の張力を相殺するものと考えられる。
【0045】
[0054]本発明の他の態様は、Si:C膜のインサイチュリンドーピング或いは選択的エピタキシャル堆積のための方法に関する。一般に、シリコン堆積中のインサイチュリンドーピングは、成長速度を低下させ、結晶膜のエッチング速度を増加させるので、選択性を得ることを難しくする。言い換えれば、誘電体表面上で成長せずに基板の結晶表面上で結晶成長を得ることは難しい。また、インサイチュリンドーピングは、エピタキシャル膜の結晶性を低下させる傾向がある。
【0046】
[0055]ある実施形態において、デルタドーピングと呼ばれるものによって上記の課題の一つ以上が避けられる。言い換えれば、ドーパントガスのみ、例えば、リンドーパントガス、例えば、PHと、キャリヤガスが、非ドープ堆積後に流される。リンドーパントガスは、非ドープ堆積ステップの直後に、或いはその後のエッチングステップの後に、或いはパージステップの後に、或いはエッチングとパージステップの双方の後に流すことができる。エッチング及び/又はパージステップは、高品質膜を得るのに必要に応じて繰り返されてもよい。一つ以上の実施形態において、非ドープ層の形成中はキャリヤガスとホスフィンのようなドーパント源のみを流すことを含む。このように処理することによって、上記の望ましくない作用の一つ以上が避けられる。例えば、基板表面上にシリコン含有物質をエピタキシャル的に形成する方法は、プロセスチャンバ内に単結晶表面を含む基板を配置するステップと、次に非ドープ堆積ガスに基板をさらすステップであって、非ドープ堆積ガスは、シリコン源を含み、必要により炭素源を含んでもよく、ドーパントガスを含まず、基板上に第一非ドープ層を形成する、前記ステップを含む。その後、基板をドープ堆積ガスに連続してさらし、ここで、堆積ガスはドーパントガスとキャリヤガスを含み、第一非ドープ層上にドープ層を形成する。一つ以上の実施形態において、基板を、更に、非ドープ堆積ガスにさらして、単結晶表面上にエピタキシャル層を形成し、ここで、堆積ガスは、シリコン源と、炭素源を含み、ドーパント源を含まず、ドープ層上に第二非ドープ層を形成する。このようなプロセスの一例において、約560℃の成長温度と10トールの成長圧において、120sccmで流れるNPSと150sccmのシランと、626sccmのメチルシラン(1%、アルゴンで希釈した)と、5slmで流れる窒素キャリヤガス中のホスフィン(1%、水素で希釈した)を流すことによる第一堆積ステップを用いて膜を製造した。第一堆積ステップは、約15秒間行った。次に、第二堆積ステップは、キャリヤガス中のホスフィンのみを流すことにより行った。第二堆積ステップは、10トールの圧力と約560℃の温度で約3秒間行った。ホスフィンガス(1%ホスフィン、水素で希釈した)を、5slmで流れる窒素キャリヤガスと15sccmで流した。その後、エッチングステップを約14.5トールの圧力、約560℃の温度で、70sccmで流れる塩素と、5slmで流れる窒素と、300sccmで流れるHClによって行った。エッチングステップは、約7秒間行った。次に、パージステップを、同一温度と圧力で8秒間行い、この間、窒素ガスのみを5slmで流した。このようにした処理は、選択的エピタキシー中の選択性を改善すると考えられる。
【0047】
[0056]他の実施形態において、ドープ/非ドープ層のスタックは、エッチングの前に形成され、ドープされたSiCエピタキシー膜の直接エッチングを阻止する。従って、本発明の実施形態によれば、堆積は、エッチングの前に、少なくとも二つのステップ、ドープ堆積に続いて非ドープ堆積で行われる。従って、プロセスの実施形態の一つのサイクルは、上記のように、ドープ堆積に続いて、非ドープ堆積に続いて、エッチングに続いて、パージを含む。特定の例として、約560℃の成長温度と10トールの成長圧において、5slmのNと運ばれる120sccmで流れるNPSと、150sccmのシランと、626sccmのメチルシラン(1%、アルゴンで希釈した)と、5slmで流れる窒素キャリヤガス中のホスフィン(1%、水素で希釈した)を流すことによって膜を製造した。ホスフィンを含む第一堆積ステップは約5秒間行った。次に、第二堆積ステップはホスフィンを流さずに行ってドープ層をキャップした。その後、エッチングステップは、約14.5トールの圧力、約560℃の温度において、70sccmで流れる塩素と、5slmで流れる窒素と、300sccmで流れるHClによって行った。エッチングステップは、約7秒間行った。次に、パージステップは、同一温度と圧力で8秒間行い、その間、窒素ガスのみを5slmで流した。他の変形例も本発明の範囲に含まれることは当然のことである。例えば、堆積ステップに続いてエッチングステップ或いはパージステップのみが行われるか、或いは、エッチングステップ或いはパージステップが必要に応じて繰り返されて高品質膜を達成することができる。
【0048】
[0057]本発明の他の実施形態において、堆積とパージの交互ステップがシリコン含有膜成長プロセス中に用いられる。図3は、堆積とパージの交互ステップで成長した非選択的Si:Cエピタキシーの高分解能X線回折スペクトルを示すグラフである。これは、2%の置換型炭素濃度を示している。図4は堆積、エッチング、パージの交互ステップによる非選択的Si:Cエピタキシャル成長の高分解能X線回折スペクトルである。図4は、約1.3〜約1.48原子パーセントの炭素濃度を示している。約560℃の成長温度と10トールの成長圧において、120sccmのNと運ばれるネオペンタシラン(NPS)と、150sccmのシランと、5slmで流れる窒素キャリヤガス中の626sccmのメチルシラン(1%、アルゴンで希釈した)を流すことによって膜を製造した。堆積を約15秒間行った。次に、エッチングステップを約14.5トールの圧力、約560℃の温度において、70sccmで流れる塩素と、5slmで流れる窒素と、300sccmで流れるHClによって行った。エッチングステップを約7秒間行った。次に、パージステップを同一温度と圧力で8秒間行い、その間、窒素ガスのみを5slmで流した。
【0049】
[0058]他の実施形態において、ドープ/非ドープ層のスタックはエッチングの前に形成され、ドープされたSiCエピタキシー膜の直接エッチングを阻止する。従って、本発明の実施形態によれば、堆積は、エッチングの前に、少なくとも二つのステップ、ドープ堆積に続いて非ドープ堆積において行われる。従って、プロセスの実施形態の一つのサイクルは、上記のように、ドープ堆積に続いて、非ドープ堆積に続いて、エッチングに続いて、パージを含む。特定の例として、約560℃の成長温度と10トールの成長圧において、120sccmのNと運ばれるNPSと、150sccmのシランと、626sccmの(1%、アルゴンで希釈した)メチルシランと、5slmで流れる窒素キャリヤガス中の(1%、水素で希釈した)ホスフィンを流すことによって膜を製造した。ホスフィンを含む第一堆積ステップを約5秒間行った。次に、第二堆積ステップをホスフィンを流さずに行い、ホスフィンドープ層をキャップした。その後、エッチングステップを、約14.5トールの圧力、約560℃の温度において、70sccmで流れる塩素と、5slmで流れる窒素と、300sccmで流れるHClによって行った。エッチングステップは、約7秒間行った。次に、パージステップを同一温度と圧力で8秒間行い、その間、窒素ガスのみを5slmの流量で流した。
【0050】
[0059]一つ以上の実施形態によれば、方法は連続順序に従って行われるが、プロセスは本明細書に記載される的確なステップに限定されない。例えば、プロセス配列の順序が維持される限りステップの間に他のプロセスステップを挿入できる。エピタキシャル堆積の個々のステップを一つ以上の実施形態によってここで記載する。
【0051】
[0060]本発明の一つ以上の実施形態は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)集積回路デバイスを形成するのに特に有効な方法を提供し、これに関連して記載する。他のデバイスと用途も本発明の範囲内である。図5は、典型的なCMOSデバイスにおけるFET対を示す断面図の部分である。デバイス100は、ウェルを形成して、NMOSデバイスとPMOSデバイスのソース/ドレイン領域、ゲート誘電体、ゲート電極を得た後の半導体基板を備える。デバイス100は、従来の半導体プロセス、例えば、単結晶シリコンを成長させるプロセスやトレンチ開口内に誘電体を成長或いは堆積させることにより浅いトレンチ絶縁構造を形成させるプロセスを用いて形成することができる。これらの様々な構造を形成するための詳細な手順は当該技術において既知であり、本明細書に記載しない。
【0052】
[0061]デバイス100は、半導体基板155、例えば、p形物質でドープされたシリコン基板と、基板155上にp形エピタキシャルシリコン層165と、エピタキシャル層165内に画成されたp形ウェル領域120とn形ウェル領域150と、p-ウェル120内に画成されたn形トランジスタ(NMOSFET)110と、n-ウェル150内に画成されたp形トランジスタ(PMOS FET)140を備える。第一絶縁領域158は、NMOS110とPMOS140のトランジスタを電気的に絶縁し、第二絶縁領域160は、基板155上の他の半導体デバイスからトランジスタ110と140の対を電気的に絶縁する。
【0053】
[0062]本発明の一つ以上の実施形態によれば、NMOSトランジスタ110は、ゲート電極122と、第一ソース領域114と、ドレイン領域116を備える。NMOSゲート電極122の厚さは、拡張可能であり、デバイス性能に関係する問題に基づいて調整することができる。NMOSゲート電極122は、n形デバイスの仕事関数に対応する仕事関数を持つ。ソース・ドレイン領域は、ゲート電極112の反対側のn形領域である。チャネル領域118は、ソース領域114とドレイン領域116の間に挟まれている。ゲート誘電体層112は、チャネル領域118とゲート電極122を分けている。NMOSゲート電極122と誘電体層の形成するためのプロセスは、当該技術において既知であり、本明細書に記載しない。
【0054】
[0063]一つ以上の実施形態によれば、PMOSトランジスタ140は、ゲート電極152と、ソース領域144と、ドレイン領域146を備える。PMOSゲート電極152の厚さは、拡張可能であり、デバイス性能に関係する問題に基づいて調整することができる。PMOSゲート電極152は、n形デバイスの仕事関数に対応する仕事関数を持つ。ソース・ドレイン領域は、ゲート電極152の反対側のp形領域である。チャネル領域148は、ソース領域144とドレイン領域146の間に挟まれている。ゲート誘電体層142は、チャネル領域148とゲート電極152を分けている。誘電体142は、チャネル領域148からゲート電極152を電気的に絶縁する。図6に示されすぐ上に記載されるトランジスタ110と140の構造は単に例示であり、物質、層等の様々な変形例が本発明の範囲内であることは理解されるであろう。
【0055】
[0064]ここで図6を参照すると、図6は、スペーサ、ソース/ドレイン領域の上の層、例えば、シリサイド層の形成と、エッチング停止の形成後の図5のNMOSデバイス110の詳細を更に示す図である。図6に示されるPMOSデバイスが、以下に記載されるように、寸法及び/又は組成を調整してNMOSデバイスのチャネル内に生じる応力に影響を及ぼすことができる同様のスペーサと層を含有してもよいことは理解されるであろう。しかしながら、図示のために、NMOSデバイスのみが示され、詳細に記載されている。
【0056】
[0065]図6は、ゲート119の周りに組み込まれる適切な誘電物質から形成することができるスペーサ175を示す図である。スペーサ175の各々を囲んでいるオフセットスペーサ177が設けられてもよい。スペーサ175と177の形状、サイズ、厚さの形成のためのプロセスは当該技術において既知であり、本明細書に記載しない。ソース領域114とドレイン領域116の上に金属シリサイド層179が形成されてもよい。シリサイド層179は、スパッタリング或いはPVD(物理的気相成長)のようないかなる適切なプロセスによってもニッケル、チタン、又はコバルトのような適切な物質から形成することができる。シリサイド層179は、下に横たわる表面の部分に拡散してもよい。ドレイン領域116の上昇は矢印181によって示され、基板表面180からシリサイド層179の最上部までの距離として示されている。ソースドレイン領域のファセット183は、傾斜面として示されている。当業者が理解するように、上記例示的デバイスは、本明細書記載される方法によって更に変更することができるSi:Cエピタキシャル層を持つソース/ドレイン又はソース/ドレイン拡大を含むように変更されてもよい。
【0057】
[0066]本明細書全体に“一実施形態”、“ある実施形態”、“一つ以上の実施形態”又は“実施形態”ついて述べることは、実施形態と共に記載される具体的な特徴、構造、物質、又は特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体に様々な場所で“一実施形態において”、“ある実施形態において”、“一つ以上の実施形態において”又は“実施形態において”のような語句が出てくることは、必ずしも本発明の同一実施形態を意味しない。更に、具体的な特徴、構造、物質、又は特性は、一つ以上の実施形態において適切ないかなる方法においても組み合わせることができる。上記方法の説明の順序は限定するものと考えるべきでなく、方法は記載された操作を順序でなく又は省略もしくは追加して用いることができる。
【0058】
[0067]上記説明は例示のためであり限定するものではないことは理解すべきである。他の多くの実施形態は、上記説明を見る際に当業者に明らかになるであろう。それ故、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって、このような特許請求の範囲が権利を与える等価物の全範囲と共に決定される。
【符号の説明】
【0059】
100…デバイス、110…n形トランジスタ、112…ゲート誘電体層、114…第一ソース領域、116…ドレイン領域、118…チャネル領域、119…ゲート、120…p形ウェル領域、122…ゲート電極、140…n形トランジスタ、142…ゲート誘電体、144…ソース領域、146…ドレイン領域、148…チャネル領域、150…n形ウェル領域、152…ゲート電極、155…基板、158…第一絶縁領域、160…第二絶縁領域、165…p形エピタキシャルシリコン層、175…スペーサ、177…オフセットスペーサ、179…金属シリサイド層、181…矢印、183…ファセット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面上にシリコン含有物質をエピタキシャル的に形成する方法であって:
単結晶表面を含む基板をプロセスチャンバ内に配置するステップと;
該基板を堆積ガスにさらして、該単結晶表面上にエピタキシャル層を形成するステップであって、該堆積ガスが、モノシランと高次シランを含むシリコン源を含んでいる、前記ステップと;
を含む、前記方法。
【請求項2】
該膜が、基板の陥凹部上に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該モノシランと高次シランとの比を調整するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該シランと高次シランとの比が、4:1を超える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該高次シランが、ジシラン、ネオペンタシラン及びこれらの混合物より選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
炭素含有源を流すステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該炭素含有源が、メチルシランを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該炭素含有源が、不活性キャリヤガスと流される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該キャリヤガスが、アルゴンを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該高次シランが、ジシランを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該モノシランとジシランとの比が、約5:1である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該基板を該堆積ガスにさらした直後に該プロセスチャンバをパージするステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
該基板をエッチングガスにさらすステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
該基板をエッチングガスにさらした直後に該プロセスチャンバをパージするステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該エッチングガスが、塩素とHClを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
一つのプロセスサイクルが、堆積ステップと、エッチングガスにさらすステップと、該プロセスチャンバをパージするステップを連続して含み、該プロセスサイクルが、少なくとも二回繰り返される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
該基板を該堆積ガスにさらし且つ該プロセスチャンバをパージするプロセスを繰り返して、所定の厚さを有するシリコン含有層を形成するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
該ネオペンタシラン源が、該プロセスチャンバから約5フィート以内に位置する、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
該堆積ガスが、ホウ素、ヒ素、リン、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、炭素及びこれらの組み合わせからなる群より選ばれる元素供給源を含むドーパント化合物を更に含んでいる、請求項8に記載の方法。
【請求項20】
該ドーパントが、リンを含む元素供給源を含んでいる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該エピタキシャル膜が、トランジスタ製造プロセスの製造ステップ中に形成され、該方法が、更に:
基板上にゲート誘電体を形成するステップと;
該ゲート誘電体上にゲート電極を形成するステップと;
該電極の反対側の該基板上にソース/ドレイン領域を形成し且つ該ソース/ドレイン領域の間にチャネル領域を画成するステップと;
を含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公表番号】特表2010−512669(P2010−512669A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541510(P2009−541510)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/087050
【国際公開番号】WO2008/073926
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】