説明

半導体素子のパターン構造物形成方法

【課題】磁性物質又は相変化物質を含む半導体素子のパターン構造物の形成方法を提供する。
【解決手段】基板上に、磁性物質又は少なくとも3つの元素を含む合金からなった相変化物質のいずれか一つの物質を含むエッチング対象膜を形成する段階と、少なくともアンモニア(NH)ガスを含むエッチングガスを使って前記エッチング対象膜をプラズマ反応性エッチングすることによってパターン構造物を形成する段階とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体素子のパターン構造物形成方法に関し、特に、磁性を有する遷移金属が含まれた半導体素子の磁性パターン構造物形成方法、それを利用した磁気メモリ素子の製造方法、そして、相変化物質が含まれたパターン構造物形成方法及びそれを利用した相変化メモリ素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気メモリ素子及び相変化メモリ素子は高速書き込み及び高速読み取り動作が可能であり、不揮発性を有するため次世代メモリとして注目を集めている。
【0003】
磁気メモリ素子には既存の半導体メモリ素子では使われていなかった磁性を有する金属物質が含まれる。
磁性物質は反応性エッチング工程又は物理的エッチング等を通してパターニングしているが、エッチング率が非常に低い。また、エッチング工程を実行するとパターンが腐食(corrosion)するか、或いは、パターン側壁に導電性ポリマーが付着するなどの問題が発生する。
特に、パターン側壁に導電性ポリマーが付着する場合、互いに絶縁されていなければならない磁気トンネル接合(MTJ)構造物の上部磁性体と下部磁性体が電気的に短絡されて磁気メモリ素子の不良が発生するという問題がある。
【0004】
また、相変化メモリ素子は、既存の半導体メモリ素子では使われない相変化物質が使われる。
相変化物質は一般的なエッチング方法によって狭いピッチのパターンを形成することが難しい。しかも、相変化物質はエッチングガスによるダメージの発生が大きく、エッチング後に相変化物質内に含まれる元素の成分が変化するという問題がある。
【0005】
従って、次世代メモリ素子に使われる物質をパターニングすることに適合したエッチング工程が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−356179号公報
【特許文献2】韓国特許第0719345号明細書
【特許文献3】特開2008−226922号公報
【特許文献4】韓国特許出願公開2007−0081752号明細書
【特許文献5】米国特許第6831019号明細書
【特許文献6】韓国特許出願公開2005−0111469号明細書
【特許文献7】韓国特許出願公開2006−0079455号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記従来の半導体素子のパターン構造物形成方法における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、磁性物質又は相変化物質を含む半導体素子のパターン構造物の形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による半導体素子のパターン構造物形成方法は、基板上に、磁性物質、又は少なくとも3つの元素を含む合金からなった相変化物質のいずれか一つの物質を含むエッチング対象膜を形成する段階と、少なくともアンモニア(NH)ガスを含むエッチングガスを使って前記エッチング対象膜をプラズマ反応性エッチングすることによってパターン構造物を形成する段階とを有することを特徴とする。
【0009】
前記磁性物質を含むエッチング対象膜は、Co、Fe、Tb、Ru、Pd、Pt、及びMnからなる群から選択される少なくとも2つの元素を含む合金物質を含むことが好ましい。
前記エッチング対象膜をエッチングするエッチングガスはふっ素含有ガスをさらに含むことが好ましい。
前記ふっ素含有ガスは、SF、NF、SiF、及びCFからなる群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
混合された前記エッチングガスに含まれる前記アンモニアガスの流量は、前記ふっ素含有ガスの流量と同一であるか、又は、前記ふっ素含有ガスの流量より多いことが好ましい。
前記パターン構造物を形成した後、前記パターン構造物に付着したポリマーを除去するための後処理を実行ことが好ましい。
【0010】
前記相変化物質を含むエッチング対象膜は、Ge、Sb、Te、In、及びBiからなる群から選択される少なくとも3つの元素を含む合金物質を含むことが好ましい。
前記エッチングガスは、Ar、CF、CO、Hbr、及びSFからなる群から選択される少なくとも一つをさらに含むことが好ましい。
前記パターン構造物に含まれる元素それぞれの含有量は、エッチング以前の前記エッチング対象膜に含まれる元素それぞれの含有量と比較する時、その含有量変化率が5%以内であることが好ましい。
前記パターン構造物間の間隔は、1000Å以内であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る半導体素子のパターン構造物形成方法によれば、エッチング工程時に膜内に含まれている元素を均一にエッチングすることができ、エッチング後の薄膜の組成成分の含有量変化を抑制することができるという効果がある。また、狭いピッチのパターン構造物を容易に形成することができるという効果がある。
また、側壁にポリマーが付着せずに、狭いピッチを有しながら、良好な垂直プロファイルを有するパターン構造物を形成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁性パターン形成方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る磁性パターン形成方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る磁性パターン形成方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る磁性パターン形成方法で磁性物質膜をエッチングする時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態によって磁性物質膜をエッチング及び後処理する時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
【図14】本発明の第5の実施形態によって磁性物質膜をエッチング及び後処理する時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
【図15】本発明の第6の実施形態によって磁性物質膜をエッチング及び後処理する時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
【図16】本発明の第1の実施形態のエッチング方法を利用して形成した磁気トンネル接合構造物のサンプルを示す断面図である。
【図17】一般的なエッチング方法を利用して形成した磁気トンネル接合構造物の比較サンプルを示す断面図である。
【図18】第1の実施形態の方法によって製造した各サンプルで測定した抵抗別磁気抵抗比を示すグラフである。
【図19】比較サンプルで測定した抵抗別磁気抵抗比を示すグラフである。
【図20】本発明の第7の実施形態に係る相変化パターン形成方法を説明するための断面図である。
【図21】本発明の第7の実施形態に係る相変化パターン形成方法を説明するための断面図である。
【図22】本発明の第7の実施形態に係る相変化パターン形成方法を説明するための断面図である。
【図23】本発明の第8の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図24】本発明の第8の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図25】本発明の第8の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図26】本発明の第8の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図27】本発明の第9の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図28】本発明の第9の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図29】本発明の第9の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【図30】サンプル1及びサンプル2と比較サンプル1の相変化パターンに対してエッチング前後の成分変化率を示すグラフである。
【図31】本発明の実施形態のメモリ素子が含まれた電子システムを示すブロック図である。
【図32】本発明の実施形態の半導体素子を含むメモリカードを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る半導体素子のパターン構造物形成方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
本明細書の各図面において、構造物のサイズは本発明の明確性を期するために実際より拡大して示すこともある。
本明細書において、第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明することに使用するが、構成要素は前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使われる。
【0015】
本明細書で使った用語は単に特定の実施形態を説明するために使われて、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なる意味で示さない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとすることであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または、付加の可能性をあらかじめ排除しないことと理解されなければならない。
【0016】
本明細書において、各層(膜)、領域、電極、パターンまたは、構造物らが対象体、基板、各層(膜)、領域、電極または、パターンらの「上に」、「上部に」または「下部」に形成されることで言及される場合には各層(膜)、領域、電極、パターンまたは、構造物らが直接基板、各階(膜)、領域、または、パターン上に形成されたり下に位置するものを意味したり、他の層(膜)、他の領域、他の電極、他のパターンまたは、他の構造物らが対象体や基板上に追加的に形成されることができる。
【0017】
本明細書に開示する本発明の実施形態に対して、特定の構造的乃至機能的説明は単に本発明の実施形態を説明するための目的で例示したものであり、本発明の実施形態は多様な形態で実施され、本文に説明された実施形態に限定されると解釈されてはいけない。
すなわち、本発明は多様な変更を加えることができ、色々な形態を有することができるところ、特定の実施形態を図面に例示して本文に詳細に説明するものである。しかし、これは本発明を特定の開始形態に対して限定しようとするのではなくて、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されなければならない。
【0018】
<第1の実施形態>
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態に係る磁性パターン形成方法を示す断面図である。
図1を参照すると、基板10上に少なくとも2つの元素を含む合金物質からなって磁性物質を含む磁性物質膜12を形成する。磁性物質膜12は、Co、Fe、Tb、Ru、Pd、Pt、Mnからなる群から選択される少なくとも2つの元素を含む合金物質を含む。
【0019】
本実施形態において、磁性物質膜12は、磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction)構造物を形成するための積層構造を有する。例えば、磁性物質膜12は、下部磁性膜12a、トンネルバリア膜12b、及び上部磁性膜12cを積層させて形成する。
【0020】
具体的には、下部磁性膜12aは、Co、Fe、Tb、Ru、Pd、Pt、Mn、Irからなる群から選択される少なくとも2つの元素のうちの少なくとも一つを蒸着させて形成する。下部磁性膜12aは、磁化方向が一方向に固定される。図中、下部磁性膜12aは単一膜で示しているが、複数の物質が積層された形状を有することがさらに望ましい。
【0021】
トンネルバリア膜12bは、絶縁性を有する金属酸化物からなり、一例として、マグネシウム酸化物(MgO)、アルミニウム酸化物(AlO)等から形成することができる。
【0022】
また、上部磁性膜12cは、Co、Fe、Tb、Ru、Pd、Pt、Mn、Niからなる群から選択される少なくとも2つの元素を含む合金物質を蒸着させて形成することができる。上部磁性膜12cは、磁化方向が一方向に固定されずに、磁化反転することができる。一例として、上部磁性膜12cは、CoFeB、CoFe、またはNiFeから形成することができる。
【0023】
本実施形態においては、下部磁性膜12aが磁化方向が固定された固定膜として使われ、上部磁性膜12cは磁化反転が可能な自由膜として説明した。しかし、これとは異なり、下部磁性膜12aが磁化反転が可能な自由膜で形成され、上部磁性膜12cが磁化方向が固定された固定膜で形成することもできる。
【0024】
図2を参照すると、磁性物質膜12上にマスク膜(図示せず)を形成する。マスク膜は金属又は金属窒化物からなる。マスク膜として使用される物質の例としてはチタン、チタン窒化物、タンタル、タンタル窒化物、タングステン、タングステン窒化物などを挙げることができる。これらは単独で使われたり、2つ以上が積層された形状を有することもできる。マスク膜をパターニングすることによってマスクパターン16を形成する。
【0025】
図3を参照すると、マスクパターン16をエッチングマスクとして用い、ふっ素含有ガス及びアンモニア(NH3)ガスを混合した混合ガスをエッチングガスとして使って磁性物質膜12をプラズマ反応性エッチングする。
これにより、下部磁性膜パターン14a、トンネルバリア膜パターン14b、及び上部磁性膜パターン14cを含む磁性パターン14を形成する。
【0026】
ふっ素含有ガスの例としては、SF、NF、SiF、CF等を挙げることができる。ふっ素含有ガスは1種又は、2種以上が使われることができる。磁性パターン14の側壁にポリマーが付着しないようにするために、ふっ素含有ガスはSFを使うことが最も望ましい。以下では、ふっ素含有ガスとしてSFを使うことで説明する。
【0027】
アンモニアガスは、磁性物質に含まれる金属と反応して金属アンモニウムを生成し、生成した金属アンモニウムが揮発することによって磁性物質膜をエッチングする。アンモニアガスは列挙された磁性物質膜をすばやくエッチングすることができる。
【0028】
また、SFは、磁性物質の金属と反応して金属フッ化物を生成し、生成した金属フッ化物が揮発することによって磁性物質膜をエッチングする。SFは、白金(Pt)などのような特定金属を早くエッチングすることができる。
SFに含まれる硫黄(S)は、アンモニアガスに含まれる窒素と結合して揮発するため、窒素によって生成されるポリマーを除去する。これに加えて、SFは、磁性物質膜がエッチングされた後、側壁に付着する導電性ポリマーをF基(F−)によって除去する。
【0029】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る磁性パターン形成方法で磁性物質膜をエッチングする時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
上述のように、エッチング工程時にアンモニアガス及びSFが共に流入する。SFはアンモニアガスに比べてマスクパターン16に対するエッチング選択比が低い。
【0030】
従って、SFが増加すればエッチング工程中にマスクパターン16が過度に消耗するため望ましくない。従って、磁性物質膜12をエッチングする主なエッチングガスはアンモニアガスであることが望ましい。しかし、アンモニアガスだけでエッチング工程を遂行する場合には磁性パターン14の側壁にポリマーが過度に生成されるために、側壁ポリマーが除去されるようにSF6が共に流入しなければならない。
【0031】
このような理由で、図4に示すように、アンモニアガスの流量はSFと同一であるか又はSFよりさらに多いことが望ましい。具体的には、SFとアンモニアとの流量比は1:1〜50であることが望ましい。
【0032】
図4に示していないが、エッチング工程を実行する時、アンモニアガス及びSFを混合した混合ガスに追加的に不活性ガスさらに流入することができる。不活性ガスは磁性物質膜12を物理的にエッチング(physical etch)するか、又はエッチングチャンバー内の圧力を調節したり、又は、プラズマを活性化させるなどの役割をする。不活性ガスはアルゴンを含む。しかし、不活性ガスは選択的に使われて、不活性ガスが含まれなくても磁性物質膜12を効果的にエッチングすることができる。
【0033】
磁性物質膜12をエッチングするに適合したエッチング条件は次のようである。
エッチング工程は、10〜300℃の温度、及び1〜10mTorrの圧力下で実行する。また付加的に、エッチング工程時に、700〜1500Wのマイクロウェーブパワー、200〜700WのR.Fバイアスパワーを負荷することができる。
【0034】
上述ように、本実施形態の方法によれば、磁性物質膜をエッチングするにあたって、塩素系列のガスを使わないことによって、磁性物質膜の腐食問題を減少させることができる。
また、炭素系列のガスを使わないことによって金属カーボニルの形成を抑制することができ、これにより非常に小さい線幅のパターンを形成することができる。また、物理的な方法でエッチングしないため、磁性物質がパターン構造物側壁に再蒸着(re−deposition)される問題を抑制することができる。
【0035】
従って、本実施形態によれば、磁気トンネル接合構造を有して、側壁に導電性ポリマーがほとんど生成されない磁性パターンを形成することができる。
【0036】
<磁気メモリ素子製造>
図5〜図9は、本発明の第2の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
【0037】
本実施形態の磁気メモリ素子は、スピン注入トルク−磁気メモリ素子(Spin Transfer Torque Magnetic Random Access Memory:STT−MRAM)である。本実施形態では図3及び図4を参照して説明したエッチング方法が同様に使われる。
【0038】
図5を参照すると、半導体基板100に素子分離パターン(図示せず)を形成してアクティブ領域及び素子分離領域を区分する。
半導体基板100にセル選択のためのMOSトランジスタを形成する。MOSトランジスタを形成するために、半導体基板100上にゲート酸化膜102及びゲート電極膜を形成する。この後、ゲート電極膜をパターニングしてゲート電極104を形成する。
次いで、ゲート電極104両側の半導体基板表面の下に不純物を注入して不純物領域106を形成する。ゲート電極104はワードラインとして提供され、第1方向に延長する形状を有する。図には示さなかったが、ゲート電極104の両側にゲートスペーサーを形成することもできる。
【0039】
半導体基板100上にMOSトランジスタを覆う第1層間絶縁膜108を形成する。
次に、第1層間絶縁膜108を貫いて不純物領域106と接触する第1コンタクトプラグ110を形成する。さらに、第1層間絶縁膜108上に第1コンタクトプラグ110と電気的に接続される導電パターン112を形成する。
【0040】
第1層間絶縁膜108上に導電パターン112を覆う第2層間絶縁膜114を形成する。次に、第2層間絶縁膜114の一部分を写真エッチング工程を通じて除去することによって、導電パターン112の上部面を露出する開口部を形成する。開口部はコンタクトホールの形状を有する。
【0041】
開口部内部に導電物質を充填し、第2層間絶縁膜114の上部面が露出するように導電物質を研磨することによって、下部電極コンタクト116を形成する。
【0042】
図6を参照すると、第2層間絶縁膜114及び下部電極コンタクト116上に磁気トンネル接合構造物として提供される薄膜を順に積層する。本実施形態では、バリア金属膜118、固定膜構造物120、トンネルバリア膜122、及び自由膜124を順に積層する。
【0043】
具体的には、バリア金属膜118は固定膜構造物に含まれる金属の異常成長を防止するために提供され、アモルファスの金属物質を含む。バリア金属膜118として使われる金属物質の例としてはタンタル、タンタル窒化物、チタン、チタン窒化物などが挙げられる。バリア金属膜118は例示した物質の中から選択される少なくとも一つから形成することができる。
【0044】
固定膜構造物120は、固定膜(pinning layer)120a、下部強磁性膜120b、反強磁性カップリングスペーサ膜120c、上部強磁性膜120dを含む。
固定膜120aは、下部強磁性膜120bの磁化方向を一方向に固定させる物質から形成する。固定膜120aとして使用することができる物質の例としてはマンガン鉄(FeMn)、マンガンイリジウム(IrMn)、マンガン白金(PtMn)、酸化マンガン(MnO)、硫化マンガン(MnS)、テルル化マンガン(MnTe)、フッ化マンガン(MnF2)、フッ化鉄(FeF2)、塩化鉄(FeCl2)、酸化鉄(FeO)、塩化コバルト(CoCl2)、酸化コバルト(CoO)、塩化ニッケル(NiCl2)、酸化ニッケル(NiO)、クロム(Cr)等を挙げることができる。
【0045】
固定膜120aは、例示した物質の中から選択される少なくとも一つから形成することができる。
上部強磁性膜120d、下部強磁性膜120bは、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)の中から選択される少なくとも一つを含む強磁性体から形成することが望ましい。例えば、上部強磁性膜、下部強磁性層は、鉄コバルト(CoFe)、鉄ニッケル(NiFe)または、ホウ素化鉄コバルト(CoFeB)から形成することができる。
反強磁性カップリングスペーサ膜120cは、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)または、ロジウム(Rh)から形成することができる。
【0046】
また、トンネルバリア膜122は、アルミニウム酸化膜、又は、マグネシウム酸化膜から形成することができる。トンネルバリア膜122をマグネシウム酸化膜で形成すれば磁気抵抗比がさらに優秀になる。従って、トンネルバリア膜122はマグネシウム酸化膜で形成することがさらに望ましい。
【0047】
自由膜124は、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)の中から選択される少なくとも一つを含む強磁性体から形成することが望ましい。自由膜124として使用することができる物質の例としては、鉄コバルト(CoFe)、鉄ニッケル(NiFe)、又は、ホウ素化鉄コバルト(CoFeB)等を挙げることができる。
【0048】
自由膜124上にはマスク膜126を形成する。マスク膜126は金属、又は、金属窒化物から形成される。マスク膜126として使われる物質の例としては、チタン、チタン窒化膜、タンタル、タンタル窒化膜、タングステン、タングステン窒化膜などを挙げることができる。これらは単独又は複合膜で使用することができる。
【0049】
図7を参照すると、マスク膜126を異方性エッチングすることによって、下部の磁気トンネル接合構造物に提供される薄膜をエッチングするためのマスクパターン126aを形成する。マスクパターン126aは下部電極コンタクト116の上部面とオーバーラップするように配置する。
【0050】
図8を参照すると、マスクパターン126aをエッチングマスクとして使って、下部の磁気トンネル接合構造物に提供される薄膜をエッチングすることによってバリア金属膜パターン118a、固定膜積層パターン121、トンネルバリア膜パターン122a及び自由膜パターン124aが積層された磁気トンネル接合構造物を形成する。
【0051】
この時、ふっ素含有ガス及びアンモニア(NH)ガスを混合した混合ガスをエッチングガスとして使うプラズマ反応性エッチングを通じて磁気トンネル接合構造物に提供する薄膜をエッチングする。磁気トンネル接合構造物を形成するためのエッチング工程の具体的な方法は図3及び図4を参照して説明したものと同様である。
【0052】
上述した方法のエッチング工程を遂行して完成された磁気トンネル接合構造物の側壁には導電性ポリマーがほとんど付着しない。従って、導電性ポリマーが生成されることによって、固定膜積層パターン121と自由膜パターン124aとが互いにショート(短絡)する不良が減少する。
【0053】
図に示していないが、磁気トンネル接合構造物表面に磁気トンネル接合構造物を保護するためのキャッピング膜を形成することができる。キャッピング膜は50〜300Åの厚さを有するように形成することができる。また、キャッピング膜はアルミニウム酸化物と同じように絶縁性を有する金属酸化物から形成することができる。
【0054】
図9を参照すると、磁気トンネル接合構造物を覆う第3層間絶縁膜128を形成する。
第3層間絶縁膜128の一部領域をエッチングして導電性を有するマスクパターン126aの上部面を露出するコンタクトホールを形成する。コンタクトホール内部に導電物質を満たし、第3層間絶縁膜128の上部面が露出するように導電物質を研磨することによって上部電極コンタクト130を形成する。
【0055】
第3層間絶縁膜128及び上部電極コンタクト130上に導電膜を形成してパターニングすることによって、ビットライン132を形成する。しかし、工程を単純化させるために、上部電極コンタクト130を形成しないで、マスクパターン126aと直接接触するようにビットライン132を形成することもできる。
上述した工程を通じて、磁気メモリ素子が完成される。
【0056】
磁気メモリ素子は、磁気トンネル接合構造物のトンネルバリア膜パターン両端の固定膜積層パターンと自由膜パターンの磁化方向が同一である場合(以下、平行状態)には低抵抗を有し、磁気トンネル接合のトンネルバリア膜パターン両端の固定膜積層パターンと自由膜パターンの磁化方向が互いに異なる場合(以下、反平行状態)には高抵抗を有することを利用してデータを保存する。
従って、平行状態と反平行状態との抵抗値の差が非常に大きいことが望ましい。このような抵抗値の変化は磁気抵抗比(Magnatoresistance Ratio、MR)といい、磁気抵抗比は高いことが望ましい。具体的には、磁気抵抗比は80%以上であることが望ましい。
【0057】
磁気トンネル接合構造物の側壁に導電性ポリマーが付着して固定膜積層パターンと自由膜パターンが短絡する時、反平行状態でも短絡した側壁部位を通じて電流が流れることになってMRが0%になる。
【0058】
しかし、本実施形態の方法によれば磁気トンネル接合構造物を形成するための多様な強磁性物質膜を容易にパターニングすることができる。しかも、磁気トンネル接合構造物の側壁に導電性ポリマーのような副産物はほとんど付着しない。磁気トンネル接合構造物に副産物が付着しないことによって、本実施形態の磁気メモリ素子は高い磁気抵抗比を有し、これにより優秀な動作特性を有する。また、本実施形態の磁気メモリ素子は磁気トンネル接合構造物に副産物が付着することによって発生する磁気メモリ素子の動作不良が減少し、高い信頼性を有する。
【0059】
<第3の実施形態>
図10〜図12は、本発明の第3の実施形態に係る磁気メモリ素子製造方法を示す断面図である。
本実施形態の磁気メモリ素子は、外部磁場を利用して磁化反転する磁気メモリ素子であり、本実施形態では第1の実施形態で説明したエッチング方法が同様に使われる。
【0060】
図10を参照すると、半導体基板200に素子分離パターンを形成してアクティブ領域及び素子分離領域を区分する。半導体基板にセル選択のためのMOSトランジスタを形成する。図には示さなかったが、MOSトランジスタのゲート電極204両側にゲートスペーサを形成することもできる。
【0061】
半導体基板200上にMOSトランジスタを覆う第1層間絶縁膜208を形成する。第1層間絶縁膜208を貫いて不純物領域206と接触する第1コンタクトプラグ210を形成する。
【0062】
第1層間絶縁膜208上にデジットライン(digit line)212aを形成する。デジットライン212aは高集積化のためにゲート電極204と互いにオーバーラップした位置に形成することができる。また、第1コンタクトプラグ210上にパッド電極212bを形成する。
【0063】
第1層間絶縁膜208上にデジットライン212a及びパッド電極212bを覆う第2層間絶縁膜214を形成する。第2層間絶縁膜214の一部分を写真エッチング工程を通じて除去することによってパッド電極212bの上部面を露出する開口部を形成する。開口部はコンタクトホールの形状を有する。
【0064】
開口部内部に導電物質を満たし、第2層間絶縁膜214の上部面が露出するように導電物質を研磨することによって、第2コンタクトプラグ216を形成する。
【0065】
第2コンタクトプラグ216上に導電膜を形成し、導電膜をエッチングすることによってバイパスライン(bypass line)218を形成する。バイパスライン218は磁気トンネル接合構造物をデジットライン212aと互いに対向するように形成するようにするために提供され、第2コンタクトプラグ216上部面からデジットライン212a上に延長する形状を有する。
バイパスライン218間のギャップを満たす第3層間絶縁膜219を形成する。
【0066】
図11を参照すると、前記第3層間絶縁膜219及びバイパスライン218上に磁気トンネル接合構造物として提供される薄膜を順に積層する。磁気トンネル接合構造物として提供される薄膜はmバリア金属膜、固定膜構造物、トンネルバリア膜、及び自由膜を含む。
【0067】
自由膜上にマスクパターン126aを形成する。
マスクパターン126aをエッチングマスクとして使って下方の磁気トンネル接合構造物として提供される薄膜をエッチングすることによってバリア金属膜パターン118a、固定膜積層パターン121、トンネルバリア膜パターン122a、及び自由膜パターン124aが積層された磁気トンネル接合構造物を形成する。
エッチング工程において、ふっ素含有ガス及びアンモニア(NH3)ガスを混合した混合ガスをエッチングガスとして使うプラズマ反応性エッチングを通じて磁性物質膜をエッチングする。
上述の工程は、図6〜図8を参照に説明したものと同様である。
【0068】
図12を参照すると、磁気トンネル接合構造物を覆う第4層間絶縁膜128aを形成する。第4層間絶縁膜128aの一部領域をエッチングして導電性を有するマスクパターンの上部面を露出するコンタクトホールを形成する。コンタクトホール内部に導電物質を満たし、第4層間絶縁膜128aの上部面が露出するように導電物質を研磨することによって上部電極コンタクト230を形成する。
【0069】
第4層間絶縁膜128a及び上部電極コンタクト230上に導電膜を形成してこれをパターニングすることによって、ビットライン232を形成する。
しかし、工程を単純化させるために、上部電極コンタクト230を形成せずに、マスクパターン126aと直接接触するようにビットライン232を形成することもできる。
【0070】
<第4の実施形態>
以下に説明する第4の実施形態の磁性パターン形成方法は、第1の実施形態の磁性パターン形成方法を同一に遂行した後、後処理をさらに遂行する。
【0071】
具体的には、図1及び図2を参照して説明したものと同様の工程を遂行して、図2に示した磁性物質膜12を形成する。以後、図3を参照して説明したように、磁性物質膜12をエッチングすることによって磁性パターン14を形成する。
【0072】
磁性パターン14を形成するためのエッチング工程が完了すれば、磁性パターンの表面クリーニング及び残留ポリマーを除去するための後処理を遂行する。後処理はエッチング工程が遂行されたエッチングチャンバ内でインシチュー(in−situ)で遂行することができる。
以下において、後処理に対してより詳細に説明する。
【0073】
図13は、本発明の第4の実施形態によって磁性物質膜をエッチング及び後処理する時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
【0074】
図13を参照すると、後処理工程は、アンモニアガス及びふっ素含有カスが使われる。
後処理工程として使われるふっ素含有ガスは、エッチング工程時に使ったガスと同一であることが望ましい。しかし、ふっ素含有ガスはエッチング工程時に使ったガスと異なるガスを使うこともできる。ふっ素含有ガスの例としてはSF、NF、SiF、CF等を挙げることができる。
【0075】
後処理工程において、磁性パターン14の表面を乾式クリーニングと残留ポリマーを除去するために、後処理工程時にはふっ素を含むガスを増加させ、ポリマーを生成させるエッチングガスであるアンモニアガスを減少させる。
従って、ふっ素含有ガスの流量は、アンモニアガスと同一であるか、又は、アンモニアガスよりさらに多いことが望ましい。具体的には、アンモニアガスとふっ素含有ガスの流量比は1:1〜50であることが望ましい。
【0076】
また、ふっ素含有ガスによって磁性パターン上に備わるエッチングマスクパターンが過度にエッチングされないようにエッチング工程より短い時間で、後処理工程を遂行する。
【0077】
後処理工程は、10〜300℃の温度、及び1〜10mTorrの圧力下で遂行できる。後処理工程において、温度及び圧力条件はそれ以前のエッチング工程と同一であることが望ましいが、エッチング工程と異なることもできる。
【0078】
また、後処理工程時に、700〜1500Wのマイクロウェーブパワー、200〜700WのR.Fバイアスパワーを加えることができる。後処理工程において、マイクロウェーブパワー、及びR.Fバイアスパワー条件は、それ以前のエッチング工程と同一であることが望ましいが、エッチング工程と異なることもできる。
【0079】
上述した方法によれば、磁気トンネル接合構造を有し、側壁に導電性ポリマーがほとんど生成されない磁性パターンを形成することができる。
また、磁性パターン形成のためのエッチング方法を利用して、磁気メモリ素子を形成することができる。
【0080】
一例として、図5〜図7を参照して説明したものと同じ工程を遂行した後、第4の実施形態に係るエッチング方法を通じて磁気トンネル接合構造物用薄膜をエッチングして磁気トンネル接合構造物を形成する。
次に、図9を参照して説明した工程を遂行し、図9に示したスピン注入トルク磁気メモリ素子を形成することができる。
【0081】
他の例として、図10を参照して説明したものと同じ工程を遂行した後、磁気トンネル接合構造物用薄膜及びマスクパターンを形成する。
この後、第4の実施形態に係るエッチング方法を通じて磁気トンネル接合構造物をエッチングする。
次いて、図11を参照して説明した工程を遂行し、図11に示した磁気メモリ素子を形成することができる。
【0082】
<第5の実施形態>
以下に説明する第5の実施形態の磁性パターン形成方法は、第1の実施形態の磁性パターン形成方法と同様に遂行した後、後処理をさらに遂行する。
【0083】
図14は、本発明の第5の実施形態によって磁性物質膜をエッチング及び後処理する時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
【0084】
図14を参照すると、後処理工程は、ふっ素含有ガスのみが使われて、アンモニアガスは使われない。後処理工程で使われるふっ素含有ガスはエッチング工程時に使ったガスと同一であることが望ましい。しかし、ふっ素含有ガスはエッチング工程時に使ったガスと異なるガスとして使うこともできる。ふっ素含有ガスの例としてはSF、NF、SiF、CF等を挙げることができる。
【0085】
後処理工程において、磁性パターン14(図3参照)の表面を乾式クリーニングと残留ポリマーを除去するために、後処理工程時にはふっ素を含むガスのみを流入して、ポリマーを生成させるエッチングガスであるアンモニアガスは流入しない。
【0086】
後処理工程で流入するふっ素含有ガスの流量は、エッチング工程時に流入するふっ素含有ガスと同一または、エッチング工程時に流入するふっ素含有ガスよりさらに多いことが望ましい。
【0087】
また、ふっ素含有ガスによって磁性パターン上に備わるエッチングマスクパターンが過度にエッチングされないようにエッチング工程より短い時間で、後処理工程を遂行する。
【0088】
後処理工程は、10〜300℃の温度、及び1〜10mTorrの圧力下で遂行できる。後処理工程において、温度及び圧力条件は、それ以前のエッチング工程と同一であることが望ましいが、エッチング工程と異なることもできる。
【0089】
また、後処理工程時に、700〜1500Wのマイクロウェーブパワー、200〜700WのR.Fバイアスパワーを加えることもできる。後処理工程において、マイクロウェーブパワー、及びR.Fバイアスパワー条件は、それ以前のエッチング工程と同一であることが望ましいが、エッチング工程と異なることもできる。
【0090】
上述した方法によれば、磁気トンネル接合構造を有して、側壁に導電性ポリマーがほとんど生成されない磁性パターンを形成することができる。
また、磁性パターン形成のためのエッチング方法を同様に使って、磁気メモリ素子を形成することができる。
【0091】
一例において、図5〜図7を参照して説明したものと同じ工程を遂行した後、第5の実施形態に係るエッチング方法を通じて磁気トンネル接合構造物用薄膜をエッチングして磁気トンネル接合構造物を形成する。
次いで、図9を参照して説明した工程を遂行し、図9に示したスピン注入トルク磁気メモリ素子を形成することができる。
【0092】
他の例において、図10を参照して説明したものと同じ工程を遂行した後、磁気トンネル接合構造物用薄膜及びマスクパターンを形成する。この後、第5の実施形態に係るエッチング方法を通じて磁気トンネル接合構造物をエッチングする。次に、図11を参照して説明した工程を遂行して、図11に示した磁気メモリ素子を形成することができる。
【0093】
<第6の実施形態>
以下に説明する第6の実施形態の磁性パターン形成方法は、磁性膜のエッチング方法とエッチング工程以後に後処理を遂行するという点で第1の実施形態と相違する。
【0094】
具体的には、図1及び図2を参照して説明したものと同じ工程を遂行して、図2に示した磁性物質膜12を形成する。この後、磁性物質膜をエッチングして磁性パターン14を形成して、磁性パターンに対して後処理をする。
【0095】
図15は、本発明の第6の実施形態により磁性物質膜をエッチング及び後処理する時の反応ガスの流入を示すタイミング図である。
【0096】
図15を参照すると、磁性物質膜12はアンモニア(NH)ガスをエッチングガスとして使ってエッチングする。アンモニアガスに追加的に不活性ガスをさらに流入させることができる。不活性ガスはアルゴンを含む。
【0097】
アンモニアガスは、磁性物質の金属と反応して金属アンモニウムを生成して、生成した金属アンモニウムが揮発することによって磁性物質膜をエッチングする。アンモニアガスは前記列挙した磁性物質膜12を素早くエッチングすることができる。
【0098】
エッチング工程は、10〜300℃の温度、及び1〜10mTorrの圧力下で遂行できる。また、エッチング工程時に、700〜1500Wのマイクロウェーブパワー、200〜700WのR.Fバイアスパワーを加えることもできる。
エッチング工程を通じて磁性パターン14を形成する。
【0099】
エッチング工程が完了した後、後処理のためにふっ素含有ガスを流入する。
この時、図15に示すように、アンモニアガスは用いない。
しかし、これとは異なって、アンモニアガスの流入量を減少させることもできる。上述の説明と同じように、ふっ素含有ガスを流入することによって、磁性パターン14の表面を乾式クリーニングと残留ポリマーを除去することができる。
【0100】
上述の工程を通じて、磁気トンネル接合構造を有して、側壁に導電性ポリマーがほとんど生成しない磁性パターン14を形成することができる。
また、磁性パターン形成のためのエッチング方法を同様に使って、磁気メモリ素子を形成することができる。
【0101】
一例において、図5〜図7を参照して説明したものと同じ工程を遂行して、第6の実施形態に係るエッチング方法を通じて磁気トンネル接合構造物用薄膜をエッチングして磁気トンネル接合構造物を形成する。
次に、図9を参照して説明した工程を遂行し、図9に示したスピン注入トルク磁気メモリ素子を形成することができる。
【0102】
他の例において、図10を参照して説明したものと同じ工程を遂行し、磁気トンネル接合構造物用薄膜及びマスクパターンを形成する。
この後、第6の実施形態に係るエッチング方法を通じて磁気トンネル接合構造物をエッチングする。
次に、図11を参照して説明した工程を遂行して、図11に示した磁気メモリ素子を形成することができる。
【0103】
<比較実験>
本発明の方法によって形成された磁気トンネル接合構造物及び本発明と異なった一般的な方法によって形成された磁気トンネル接合構造物に対し各々トンネルバリア膜パターンの抵抗別に磁気抵抗比を測定して、これを比較した。
【0104】
<サンプル>
図16は、本発明の第1の実施形態のエッチング方法を利用して形成した磁気トンネル接合構造物のサンプルを示す断面図である。
サンプルは以下に説明する方法で製造した。
【0105】
図16に示すように、基板10上に磁気トンネル接合物質膜を形成した。具体的には、Taからなるバリア金属膜を形成した。Ta膜上にはマンガン白金(PtMn)膜からなった固定膜を形成した。固定膜上にはCoFe膜、Ru膜及びCoFe膜を積層した。また、CoFe膜上にはMgO膜からなったトンネルバリア膜を形成した。MgO膜上にCoFeB膜からなる自由膜を形成した。
【0106】
磁気トンネル接合物質膜上にマスク膜を形成した。マスク膜はチタン膜及びチタン窒化膜を形成して、チタン窒化膜上にタンタル膜を蒸着させ形成した。この後、マスク膜をパターニングしてマスクパターン17a、17bを形成した。マスクパターン17a、17bはチタン/チタン窒化膜パターン17aとタンタル膜パターン17bが積層された形状を有する。
【0107】
次いで、図8を参照して説明したエッチング工程を通じて磁気トンネル接合物質膜をエッチングすることによって、磁性パターン(磁気トンネル接合構造物)14を形成した。エッチング工程時に使用したエッチングガスはSF6及びNH3であった。
【0108】
上記方法を用いて、トンネルバリアパターンの抵抗が異なる複数のサンプルを製造した。上記工程によって製造された磁気トンネル接合構造物の側壁には再蒸着による導電性ポリマーが発生しなかった。
【0109】
<比較サンプル>
図17は、一般的なエッチング方法を利用して形成した磁気トンネル接合構造物の比較サンプルを示す断面図である。
比較サンプルは、以下に説明する方法で製造した。
【0110】
図17に示すように、基板10上に磁気トンネル接合物質膜を形成した。磁気トンネル接合物質膜は、サンプル1で説明したものと同じ方法で形成した。
【0111】
磁気トンネル接合物質膜上にサンプル1と同じ方法でマスク膜パターン17a、17bを形成した。
次いで、Cl及びアルゴンをエッチングガスとして用い、磁気トンネル接合物質膜をエッチングすることによって、磁気トンネル接合構造物14を形成した。
【0112】
上記方法を用いて、トンネルバリアパターンの抵抗が異なる複数の比較サンプルを製造した。上記工程によって製造された一部の磁気トンネル接合構造物の側壁には再蒸着による導電性ポリマーが発生した。導電性ポリマーは、ハロゲンガスによるエッチング工程で磁性物質が容易に揮発しないためにエッチングされた磁性物質が再び磁気トンネル接合構造物14の側壁に付着して生成されたものである。
【0113】
本発明の第1の実施形態の方法によって製造した複数のサンプルに対し、各々磁気抵抗比を測定した。
図18は各サンプルで測定された抵抗別磁気抵抗比を示すグラフである。
【0114】
図18を参照すると、磁気トンネル接合構造物に含まれたトンネルバリア膜パターンの抵抗に関係なく、各サンプルの磁気抵抗比は約120%以上と高く測定された。また、各サンプル1では固定膜積層パターンと自由膜パターンが短絡して磁気抵抗比が20%以下と低くなる不良が発生しなかった。
【0115】
本発明と比較するために製造された複数の比較サンプルに対して各々磁気抵抗比を測定した。
図19は比較サンプルで測定された抵抗別磁気抵抗比を示すグラフである。
【0116】
図19を参照すると、磁気抵抗比が70%以下と低い値を有する比較サンプルが多発した。また、固定膜積層パターンと自由膜パターンが短絡して磁気抵抗比が0%と測定される比較サンプルも発生した。
【0117】
図18及び19の実験結果によれば、本発明の方法により磁性膜をエッチングすることによって高い磁気抵抗比を有する磁気トンネル接合構造物を製造することができることが分かった。また、磁気トンネル接合構造物を有する高性能を有する磁気メモリ素子を製造することができることが分かった。
【0118】
これに加えて、本発明によれば、磁気トンネル接合構造物の不良発生が減少するということが分かった。従って、本発明を適用する場合、磁気メモリ素子の製造収率が向上するということが分かった。
【0119】
以下では、相変化物質膜をエッチングして相変化パターンを形成することに適合したエッチング方法及びそれを利用した相変化メモリ素子の製造方法に対して説明する。
【0120】
<第6の実施形態>
図20〜図22は、本発明の第7の実施形態に係る相変化パターン形成方法を説明するための断面図である。
【0121】
図20を参照すると、基板50上に相変化物質を含む相変化膜52を形成する。
相変化膜52は、Ge、Sb、Te、In、Biのうちの少なくとも3つの元素を含む合金物質から形成することができる。
一例として、相変化膜52は、Ge、Sb、及びTeの合金物質(GeSbTe;以下、GST)、In、Sb、及びTeの合金物質(IST)、Ge、Bi、及びTeの合金物質(GBT)のような3相系列の物質から形成することができる。
本実施形態において、相変化膜はGSTから形成する。GSTはすでに常用化されている相変化形光情報保存装置(CD−RWやDVDなど)に広く使われてきた材料として非常に安定した評価がされているため、相変化膜52として適合する。
【0122】
図21を参照すると、相変化膜52上に第1マスク膜(図示せず)を形成する。第1マスク膜は、金属又は、金属窒化物からなることができる。第1マスク膜として使用することができる物質の例としてはチタン、チタン窒化物、タンタル、タンタル窒化物、タングステン、タングステン窒化物などを挙げることができる。これらは単独で使われたり、又は2つ以上が積層された形状を有することができる。
【0123】
第1マスク膜上には第2マスク膜(図示せず)が形成される。第2マスク膜は第1マスク膜をパターニングするためのエッチングマスクとして使われる。第2マスク膜はシリコン窒化物から形成することができる。
【0124】
第2マスク膜をパターニングすることによって第2マスクパターン56を形成する。第2マスクパターン56をエッチングマスクとして用い、第1マスク膜をエッチングする。上記工程によって相変化膜をエッチングするためのマスクとして使われる第1マスクパターン54が形成される。この時、第1マスクパターン54間の離隔される幅(d)は1000Åより狭く形成することができる。
【0125】
図22を参照すると、第1及び第2マスクパターン54、56をエッチングマスクとして用い、アンモニア(NH)ガスをエッチングガスとして使って相変化膜52をプラズマ反応性エッチングする。これにより、相変化パターン52aが形成される。
【0126】
アンモニアガスは、相変化膜52に含まれた相変化物質と反応して、反応物が揮発することによって相変化膜52をエッチングする。
【0127】
アンモニアガスをエッチングガスとして使う場合、相変化膜52に含まれたGe、Sb、Te元素のうち、特定元素が早くエッチングさせずに、各元素が均一な速度でエッチングされる。
従って、エッチング工程内で相変化膜52に含まれる各元素の含有比がほとんど変化しない。すなわち、エッチング工程を遂行する時に相変化膜52にエッチングダメージがほとんど発生しない。
具体的には、相変化パターン52aに含まれた元素それぞれの含有比は蒸着状態での相変化膜52に含まれた元素それぞれの含有比と比較する時、5%以内の差を有する。すなわち、蒸着状態とエッチング工程後の状態とで、Ge、Sb、Te元素は5%以内の成分含有の差を有する。
【0128】
また、エッチングされるべき部位の幅が非常に狭くてもエッチング速度が遅くならない。従って、相変化パターン52aは垂直プロファイルが良好なだけでなく、狭いピッチを有することができる。
具体的には、相変化パターン52aの側壁と基板50上aとの間の平坦面間の角度、接触角(R)は80°以上でありうる。また、相変化パターン52a間の間隔は1000Åより小さいこともあり得る。このように、狭い間隔を有する相変化パターン52aを形成しても、相変化パターン52aの間がエッチングされない未エッチング不良がほとんど発生しない。
【0129】
相変化膜52をエッチングするのに適合したエッチング条件は次のようである。
エッチング工程は、10〜300℃の温度、及び1〜10mTorrの圧力下で遂行される。また、エッチング工程時に、700〜1500Wのマイクロウェーブパワー、200〜700WのR.Fバイアスパワーを加えることもできる。
【0130】
本実施形態の方法と異なり、相変化膜52をエッチングするにあたって一般的に使われる塩素及びふっ素のようなハロゲン系列のガスを使う場合、相変化膜内に含まれた元素間の反応性の差によって元素間のエッチング速度が互いに異なる。これにより、エッチング工程後で生成される相変化パターン内の元素の含有比が大きく変わることになる。
相変化パターンに含まれる元素の特定成分が増加または、減少すれば、相変化パターンは相変化特性が悪くなったり、相変化特性を示すことができなくなる。また、相変化パターンで特定元素が大きく不足することになる場合には相変化パターン内の元素の結合力が弱くなることになって相変化パターンが崩壊するなどの問題が発生する。
【0131】
しかし、上述したように、本実施形態の方法によれば、相変化膜52をエッチングするにあたって塩素及びふっ素のようなハロゲン系列のガスを使わずに、アンモニアガスを使うので相変化膜52内に含まれる元素間の反応性がほとんど同一である。
従って、エッチング工程後にも相変化パターン52aに含まれる元素の含有比が大きく変わらずに均一に維持することができる。また、エッチング工程によって相変化パターン52a内の元素の結合力が弱くならないため、相変化パターン52aが崩壊するなどの問題がほとんど発生しない。従って、相変化パターン52aは相変化特性が良好であり、パターンの側壁プロファイルが優秀である。
【0132】
本発明とは異なり、一般的なエッチング工程を通じて相変化膜をエッチングすると、完成された相変化パターンの表面に残留するふっ素または、塩素を含むエッチングガスによってエッチング工程が完了した以後にも相変化パターンが継続して損傷する。
従って、相変化パターンの信頼性が非常に低下する。しかし、本実施形態のように、アンモニアガスを使って相変化膜52をエッチングする場合には完成された相変化パターン52aに窒素成分が残留して、相変化パターン52aの表面が保護される。
それにより、残留エッチングガスによって相変化パターン52aが損傷する問題がほとんど発生しない。これによって、相変化パターン52aの信頼性が高まる。
【0133】
また、一般的な物理的エッチング工程を遂行する場合、エッチング後に相変化パターンの含有比が変化することはないけれど、パターン形成時に側壁プロファイルが不良であるのみならず、相変化パターン間のギャップが狭い場合に未エッチング不良が多発することになる。しかし、上述したように、本実施形態の方法によれば、相変化膜を物理的エッチング工程を通じてエッチングしないため、狭いピッチを有する相変化パターン52aを容易に形成することができる。
【0134】
従って、本実施形態によれば、エッチング前後に相変化物質の組成が大きく変化しないようにしながら、狭いパターンピッチを有して、良好な垂直プロファイルを有する相変化パターンを形成することができる。
【0135】
<相変化メモリ素子製造>
図23〜図26は、本発明の第8の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
本実施形態の相変化メモリ素子を製造する時、図21及び図22を参照して説明したエッチング方法が同様に使われる。
【0136】
図23を参照すると、基板300にN型不純物を注入して不純物領域302を形成する。基板300の一部領域をエッチングして第1方向に延長する素子分離用トレンチ304を形成する。素子分離用トレンチ304内部を満たすように素子分離膜を形成して、これを平坦化することによって素子分離膜パターン306を形成する。
【0137】
基板300上に第1層間絶縁膜308を形成する。第1層間絶縁膜308を部分的にエッチングして不純物領域302を露出させる第1開口部(図示せず)を形成する。第1開口部を満たすようにシリコン膜を形成した後、第1層間絶縁膜308の上部面が露出するようにシリコン膜を研磨して第1開口部内部にシリコン膜パターンを形成する。
【0138】
次に、P型不純物をシリコン膜パターンの上部に注入して、N型不純物をシリコン膜パターンの下部に注入する。これで、第1開口部内部にN型不純物がドーピングされたシリコン膜パターン及びP型不純物がドーピングされたシリコン膜パターンを含むP−Nダイオード310が形成される。
【0139】
P−Nダイオード310上に金属シリサイド312a及び金属312bが積層されたパッド電極312を形成する。
【0140】
図24を参照すると、第1層間絶縁膜308及びパッド電極312上に第2層間絶縁膜314を形成する。第2層間絶縁膜314の一部分をエッチングすることによって、パッド電極312の上部を露出する第2開口部(図示せず)を形成する。
【0141】
第2開口部内部を満たす下部電極コンタクト316を形成する。
具体的には、第2開口部側壁及び底面についてバリア金属膜を形成し、バリア金属膜上に第2開口部内部を満たす金属膜を形成する。
この後、第2層間絶縁膜の上部面が露出するように金属膜及びバリア金属膜を研磨することによって、バリア金属膜パターン316a及び金属パターン316bを含む下部電極コンタクト316を形成する。バリア金属膜パターン316aはチタン、チタン窒化物などを含むことができ、これらは単独で形成されたり、又は2層以上積層することができる。又、金属パターン316bはタングステン、アルミニウム、銅などを含むことができる。
【0142】
第2層間絶縁膜314及び下部電極コンタクト316上に相変化膜318を形成する。
相変化膜318は、Ge、Sb、Te、In、Biのうちの少なくとも3つの元素を含む合金物質から形成することができる。本実施形態において、カルコゲナイド化合物のGSTを蒸着させ形成する。相変化膜318は、物理気相蒸着工程、化学気相蒸着工程、ゾル−ゲル工程、原子層積層工程、サイクリック化学気相蒸着工程などを利用して形成することができる。
【0143】
相変化膜318上に上部電極膜320を形成する。上部電極膜320はチタン窒化物を蒸着させ形成することができる。上部電極膜320上にハードマスク膜322を形成する。ハードマスク膜322はシリコン窒化物を蒸着させて形成することができる。
【0144】
図25を参照すると、ハードマスク膜322をパターニングしてハードマスクパターン322aを形成する。また、ハードマスクパターン322aをエッチングマスクとして利用して上部電極膜320をパターニングすることによって上部電極320aを形成する。
【0145】
続いて、上部電極320a及びハードマスクパターン322aをエッチングマスクとして利用して相変化膜318をエッチングする。
具体的には、アンモニア(NH3)ガスをエッチングガスとして使って相変化膜318をプラズマ反応性エッチングする。これで、相変化パターン318aが形成される。相変化膜318をエッチングする工程は、図22を参照して説明したものと同様である。
【0146】
上記工程を通じて形成された相変化パターン318aは、相変化膜318と比較する時に成分変化が殆どない。すなわち、相変化パターン318aは表面にエッチングダメージがほとんど発生しない。相変化パターン318aは垂直プロファイルが非常に良好である。また、相変化パターン318aの間の間隔が非常に狭くても相変化パターン318aの間のギャップ部位が未エッチングされる不良がほとんど発生しない。
【0147】
図26を参照すると、第2層間絶縁膜314上に上部電極322aを覆う第3層間絶縁膜324を形成する。
第3層間絶縁膜324の一部分をエッチングすることによって、上部電極320aの上部面を一部露出するコンタクトホールを形成する。コンタクトホール内部に導電物質を蒸着することによって、上部電極コンタクト326を形成する。上部電極コンタクト326は金属物質から形成することができる。具体的には、上部電極コンタクト326はタングステンから形成することができる。上部電極コンタクト326上に配線(図示せず)を形成する。
【0148】
上述したように、本実施形態によれば、工程不良が減少しながら高集積化された相変化メモリ素子を実現することができる。
【0149】
<第9の実施形態>
図27〜図29は本発明の第9の実施形態に係る相変化メモリ素子製造方法を説明するための断面図である。
本実施形態の相変化メモリ素子を製造する時、図21及び図22を参照して説明したエッチング方法が同様に使われる。すなわち、本実施形態で相変化膜をエッチングする方法は第7の実施形態と同一である。しかし、相変化メモリ素子の構造は第7の実施形態と差がある。
先に、図23を参照して説明した工程を同様に遂行する。
【0150】
図27を参照すると、第1層間絶縁膜308及びパッド電極312上に第2層間絶縁膜314を形成する。第2層間絶縁膜314を貫いてパッド電極312と接触する下部電極コンタクト316を形成する。
上記工程は、図24を参照して説明したのと同一である。
【0151】
第2層間絶縁膜314及び下部電極コンタクト316上に第3層間絶縁膜350を形成する。第3層間絶縁膜350はシリコン酸化物で形成され、高い緻密度を有するシリコン酸化物からなることが望ましい。一例において、第3層間絶縁膜350は高密度プラズマ工程を通じて形成されたシリコン酸化物で形成することができる。
【0152】
第3層間絶縁膜350の一部分をエッチングして、下部電極コンタクト316の上部面を露出する開口部352を形成する。開口部352は側壁傾斜を有することによって下部に行くほど内部幅が狭くなるように形成することが望ましい。この場合、下部電極コンタクト316と後続工程で形成される相変化パターンとの接触面積が減少する。
【0153】
図28を参照すると、開口部352内部を満たしながら第3層間絶縁膜350上に相変化膜354を形成する。相変化膜354上に上部電極膜356を形成する。上部電極膜356上にハードマスク膜358を形成する。
【0154】
図29を参照すると、ハードマスク膜358をパターニングしてハードマスクパターン358aを形成する。上部電極膜356をパターニングして上部電極356aを形成する。この時、上部電極356aは開口部352の入口部位の全面を覆うように形成することが望ましい。
【0155】
この後、上部電極356a及びハードマスクパターン358aをマスクとして用い、相変化膜354をエッチングすることによって相変化パターン354aを形成する。
具体的には、アンモニア(NH)ガスをエッチングガスとして使って相変化膜354をプラズマ反応性エッチングする。相変化膜354をエッチングする工程は、図22を参照して説明したのと同一である。
【0156】
次いで、第3層間絶縁膜350上に上部電極356aを覆う第4層間絶縁膜360を形成する。また、第4層間絶縁膜360を貫いて上部電極コンタクト362を形成する。上部電極コンタクト362上に配線(図示せず)を形成する。
【0157】
<第10の実施形態>
以下に説明する第10の実施形態の相変化パターン形成方法は、エッチングガス条件を除いて第7の実施形態の相変化パターン形成方法と同一である。従って、図20〜23を参照して説明する。
【0158】
具体的には、図20及び図21を参照して説明したものと同様の工程を遂行し、図21に示した相変化膜52、第1及び第2マスクパターン54、56を形成する。
【0159】
続いて、アンモニア(NH)ガス及び補助エッチングガスを流入して相変化膜をプラズマ反応性エッチングすることによって相変化パターン52aを形成する。
補助エッチングガスは、CF、CO、HBr、SF等を挙げることができ、これらのうちの少なくとも一つを使うことができる。
これに加えて、エッチング工程時に不活性ガスを流入することができる。不活性ガスはアルゴン、ヘリウムなどを挙げることができる。不活性ガスを流入することによってエッチングチャンバー内のエッチング雰囲気を調節することができる。
【0160】
補助エッチングガスを流入することによって、相変化パターン52aの形状を容易に調節することができる。すなわち、補助エッチングガスは形成しようとする相変化パターン52aの幅及び高さ、相変化パターン52aの間の間隔、相変化パターン52aの側壁傾斜などを考慮して流入量を調節することができる。また、補助エッチングガスの流入量を調節することによって、相変化膜のエッチング速度を調節することができる。
【0161】
エッチング工程は、10〜300℃の温度、及び1〜10mTorrの圧力下で遂行することができる。また、エッチング工程時に700〜1500Wのマイクロウェーブパワー、200〜700WのR.Fバイアスパワーを加えることができる。
【0162】
本実施形態の方法で相変化パターンを形成すれば、相変化膜52に含まれるGe、Sb、Te元素のうちの特定元素だけが早くエッチングされずに、各元素が均一な速度でエッチングされる。従って、エッチング工程中に相変化膜に含まれる各元素の含有比がほとんど変化しない。すなわち、エッチング工程で相変化膜にエッチングダメージがほとんど発生しない。
【0163】
また、エッチングされるべき部位の幅が非常に狭くてもエッチング速度が遅くならない。従って、相変化パターンは良好な垂直プロファイルを有する。
本実施形態に係るエッチング方法を利用して、相変化メモリ素子を形成することができる。
【0164】
一例において、図23及び図24を参照して説明したものと同じ工程を遂行した後、第10の実施形態に係るエッチング方法を通じて相変化膜をエッチングして相変化パターンを形成する。
次に、図26を参照して説明した工程を遂行して、図26に示した相変化メモリ素子を形成することができる。
【0165】
他の例として、図27及び28を参照して説明したものと同じ工程を遂行した後、第10の実施形態に係るエッチング方法を通じて相変化膜をエッチングして相変化パターンを形成する。
次に、図29を参照して説明した工程を遂行し、図29に示した相変化メモリ素子を形成することができる。
【0166】
<比較実験>
本発明に係る方法によって形成された相変化パターン、及び一般的な方法によって形成された相変化パターンに対しエッチング前後の成分変化率を測定して、これを比較した。
【0167】
<サンプル1>
基板上にGST膜を形成した。本発明の第7の実施形態のエッチング方法を利用してGST膜をエッチングして相変化パターンを形成した。すなわち、NHをエッチングガスとして利用したプラズマエッチングを通じてGST膜をエッチングすることによって相変化パターンを形成した。
【0168】
<サンプル2>
基板上にGST膜を形成した。本発明の第10の実施形態のエッチング方法を利用してGST膜をエッチングして相変化パターンを形成した。すなわち、NH及びArをエッチングガスとして利用したプラズマエッチングを通じてGST膜をエッチングすることによって相変化パターンを形成した。
【0169】
<比較サンプル1>
基板上にGST膜を形成した。本発明とは異なり、一般的に使われているHBr、CF、及びアルゴンをエッチングガスとして利用したプラズマエッチングを通じてGST膜をエッチングすることによって相変化パターンを形成した。
【0170】
図30は、サンプル1及び2と比較サンプル1の相変化パターンに対しエッチング前後の成分変化率を示すグラフである。
【0171】
図30に示すように、サンプル1及び2は、蒸着された状態のGST膜とエッチングされた後の相変化パターンで、各々Ge、Sb及びTe成分の含有変化率が5%以内であり、非常に小いことが分かる。このように、エッチング工程によって完成される相変化パターン内の各元素の含有量変化が殆どないことから、本発明の方法によってGST膜を形成すれば、GST膜内の特定元素だけが早くエッチングされるか、または、ゆっくりエッチングされることなく、ほとんど均一にエッチングされることが分かる。相変化パターン内の元素が蒸着状態のGST膜と近似に維持されることによって、相変化特性が良好であるのみならず、各元素が安定に結合される。
【0172】
一方、比較サンプル1は、蒸着された状態のGST膜とエッチングされた後の相変化パターンで各々Ge、Sb及びTe成分の含有変化率が相対的に非常に大きいことが分かる。特に、相変化パターン内のSbは大きく増加した反面、Teの場合、大きく減少した。これは、エッチング工程でGST膜内のTeは相対的に早くエッチングされる反面、Sbは相対的にゆっくりエッチングされて、完成した相変化パターン内のSb及びTeの成分変化が大きく見える。このように、相変化パターン内のGe、Sb及びTeの成分が変化する場合、相変化特性が悪くなることになるのみならず、各元素の結合が不安定になり、後続工程でパターンが崩壊するなどの問題が発生する。
【0173】
図31は、本発明の実施形態のメモリ素子が含まれた電子システムを示すブロック図である。
図31を参照すると、電子システム400は、制御器410、入出力装置420、及び記憶装置(メモリ)430を含む。
【0174】
制御器410、入出力装置420及びメモリ430はバス(bus)450を通じて接続される。
バス450は、データ及び/または動作信号が移動する通路に該当する。
制御器410は、少なくとも一つのマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、及びこれらと類似の機能を遂行することのできる論理素子のうち、少なくとも一つを含むことができる。
【0175】
入出力装置420は、キーパッド、キーボード及び表示装置(display device)等で選択された少なくとも一つを含むことができる。
【0176】
メモリ430はデータを保存する装置である。メモリ430はデータ及び/または、制御器410によって実行される命令語などを保存することができる。メモリ430は上述した実施形態の方法によって製造された磁気メモリ素子または、相変化メモリ素子を含むことができる。
電子システム400は、通信ネットワークでデータを伝送したり通信ネットワークからデータを受信するためのインターフェース440をさらに含むことができる。
インターフェース440は、有線または無線形態でありうる。例えば、インターフェース440は、アンテナまたは有無線トランシーバーなどを含むことができる。
【0177】
電子システム400は、モバイルシステム、個人用コンピュータ、産業用コンピュータ、または、多様な機能を遂行するシステムなどで具現される。例えば、モバイルシステムは個人携帯用情報端末機(PDA;Personal Digital Assistant)、携帯用コンピュータ、ウェブタブレット(web tablet)、モバイルフォン(mobile phone)、無線電話(wireless phone)、ラップトップ(laptop)コンピュータ、メモリカード、デジタル音楽システム(digital music system)、または、情報伝送/受信システムなどでありうる。
電子システム400が無線通信を遂行することのできる装置である場合、電子システム400は、CDMA、GSM、NADC、E−TDMA、WCDAM、CDMA2000のような3世代通信システムのような通信インターフェースプロトコルに使用される。
【0178】
図32は、本発明の実施形態のメモリ素子を含むメモリカードを示すブロック図である。
図32を参照すると、メモリカード500は記憶装置(メモリ)510、及びメモリ制御器520を含む。
【0179】
記憶装置510はデータを保存することができる。記憶装置510は電源供給が中断されても保存されたデータをそのまま維持する非揮発性特性を有することが望ましい。
記憶装置510は上述した実施形態によって製造された磁気メモリ素子または、相変化メモリ素子を含むことができる。
メモリ制御器520はホスト(host)の読み取り/書き込み要請に答えて記憶装置510に保存されたデータを読み取るか、又は、記憶装置510にデータを保存することができる。
【0180】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明は、不揮発性メモリ素子を内蔵する全ての電子機器に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0182】
10、50 基板
12 磁性物質膜
12a 下部磁性膜
12b トンネルバリア膜
12c 上部磁性膜
14 磁性パターン
16 マスクパターン
52 相変化膜
54 第1マスクパターン
56 第2マスクパターン
100、200 半導体基板
102 ゲート酸化膜
104、204 ゲート電極
106 不純物領域
108、208 第1層間絶縁膜
110 第1コンタクトプラグ
112 導電パターン
114 第2層間絶縁膜
116 下部電極コンタクト
118 バリア金属膜
120 固定膜構造物
120a 固定膜
120b 下部強磁性膜
120c 反強磁性カップリングスペーサ膜
120d 上部強磁性膜
121 固定膜積層パターン
122 トンネルバリア膜
124 自由膜
126a マスクパターン
128 第3層間絶縁膜
130 上部電極コンタクト
132、232 ビットライン
212a デジットライン
212b パッド電極
300 基板
302 不純物領域
306 素子分離膜パターン
308 第1層間絶縁膜
310 P−Nダイオード
312 パッド電極
312a 金属シリサイド
312b 金属
314 第2層間絶縁膜
316 下部電極コンタクト
316a バリア金属膜パターン
316b 金属パターン
318 相変化膜
320 上部電極膜
322 ハードマスク膜
324、350 第3層間絶縁膜
326 上部電極コンタクト
354a 相変化パターン
356a 上部電極
358a ハードマスクパターン
360 第4層間絶縁膜
362 上部電極コンタクト


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、磁性物質、又は少なくとも3つの元素を含む合金からなった相変化物質のいずれか一つの物質を含むエッチング対象膜を形成する段階と、
少なくともアンモニア(NH)ガスを含むエッチングガスを使って前記エッチング対象膜をプラズマ反応性エッチングすることによってパターン構造物を形成する段階とを有することを特徴とする半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項2】
前記磁性物質を含むエッチング対象膜は、Co、Fe、Tb、Ru、Pd、Pt、及びMnからなる群から選択される少なくとも2つの元素を含む合金物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項3】
前記エッチング対象膜をエッチングするエッチングガスは、ふっ素含有ガスをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項4】
前記ふっ素含有ガスは、SF、NF、SiF、及びCFからなる群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項5】
混合された前記エッチングガスに含まれる前記アンモニアガスの流量は、前記ふっ素含有ガスの流量と同一であるか、又は、前記ふっ素含有ガスの流量より多いことを特徴とする請求項3に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項6】
前記パターン構造物を形成した後、前記パターン構造物に付着したポリマーを除去するための後処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項7】
前記相変化物質を含むエッチング対象膜は、Ge、Sb、Te、In、及びBiからなる群から選択される少なくとも3つの元素を含む合金物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項8】
前記エッチングガスは、Ar、CF、CO、Hbr、及びSFからなる群から選択される少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項9】
前記パターン構造物に含まれる元素それぞれの含有量は、エッチング以前の前記エッチング対象膜に含まれる元素それぞれの含有量と比較する時、その含有量変化率が5%以内であることを特徴とする請求項7に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。
【請求項10】
前記パターン構造物間の間隔は、1000Å以内であることを特徴とする請求項7に記載の半導体素子のパターン構造物形成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−103467(P2011−103467A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252674(P2010−252674)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】