説明

半導体装置、半導体集合部材及び半導体装置の製造方法

【課題】様々なオン抵抗の素子を容易に製造することができる半導体装置、半導体集合部材及び半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る半導体装置は、素子部と、第1の電極部と、第2の電極部と、延出部と、を備える。素子部は、基板に設けられる。第1の電極部は、素子部の上に設けられ、素子部と導通する。第2の電極部は、素子部の上において第1の電極部と離間して設けられ、素子部と導通する。延出部は、素子部の上に設けられ、第1の電極部及び第2の電極部の周縁部から基板の周縁部に向けて延出して設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置、半導体集合部材及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタやダイオードのオン抵抗は、オン状態でどれだけの電流を流せるかの指標である。オン抵抗には多くのバリエーションが存在し、半導体装置の設計及び製造では、顧客の要求する仕様に合わせるため、個々の仕様に応じたマスクパターンの組み(マスクセット)を用意している。このように、顧客の要求に応じてマスクセットを用意することは、半導体装置の設計及び製造において大きな負担となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−27934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、様々なオン抵抗の素子を容易に製造することができる半導体装置、半導体集合部材及び半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、素子部と、第1の電極部と、第2の電極部と、延出部と、を備える。
素子部は、基板に設けられる。
第1の電極部は、素子部の上に設けられ、素子部と導通する。
第2の電極部は、素子部の上において第1の電極部と離間して設けられ、素子部と導通する。
延出部は、素子部の上に設けられ、第1の電極部及び第2の電極部の周縁部から基板の周縁部に向けて延出して設けられる。
【0006】
また、他の実施形態に係る半導体装置は、複数の素子部と、第1の電極部と、第2の電極部と、第1の連結部と、第2の連結部と、を備える。
複数の素子部は、基板に設けられる。
第1の電極部は、複数の素子部の上に設けられ、複数の素子部のそれぞれと導通する。
第2の電極部は、複数の素子部の上において第1の電極部と離間して設けられ、複数の素子部のそれぞれと導通する。
第1の連結部は、隣接する素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する第1の電極部を繋ぐ。
第2の連結部は、隣接する素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する第2の電極部を繋ぐ。
【0007】
また、他の実施形態に係る半導体集合部材は、ウェーハに形成された複数の素子区分を備える。
複数の素子区分のそれぞれは、複数の素子部と、第1の電極部と、第2の電極部と、第1の連結部と、第2の連結部と、を備える。
第1の電極部は、複数の素子部の上に設けられ、複数の素子部のそれぞれと導通する。
第2の電極部は、複数の素子部の上において第1の電極部と離間して設けられ、複数の素子部のそれぞれと導通する。
第1の連結部は、隣接する素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する第1の電極部を繋ぐ。
第2の連結部は、隣接する素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する第2の電極部を繋ぐ。
【0008】
また、他の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、ウェーハに複数の素子部を形成する工程と、複数の素子部の上において、複数の素子部のそれぞれと導通する第1の電極部、複数の素子部のそれぞれと導通し第1の電極部と離間する第2の電極部、隣接する素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する第1の電極部を繋ぐ第1の連結部及び隙間を跨ぎ、隣接する第2の電極部を繋ぐ第2の連結部を形成する工程と、隙間に沿ってウェーハを分割するとともに隙間を跨ぐ第1の連結部の途中及び第2の連結部の途中を切断する工程と、切断によって形成された第1の連結部の端部及び第2の連結部の端部をエッチングしてウェーハの切断面から後退させる工程と、を備える。
【0009】
また、他の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、ウェーハに複数の素子部を形成する工程と、複数の素子部の上において、複数の素子部のそれぞれと導通する第1の電極部、複数の素子部のそれぞれと導通し第1の電極部と離間する第2の電極部、隣接する素子部のあいだに設けられた隙間を繋ぎ、隣接する第1の電極部を繋ぐ第1の連結部及び隙間を跨ぎ、隣接する第2の電極部を繋ぐ第2の連結部を形成する工程と、複数の素子部を素子区分として素子区分の単位で特性の評価を行い、予め定められた条件を満たしている場合には素子区分の単位でウェーハを分割し、予め定められた条件を満たしていない場合には素子区分内の隙間に沿ってウェーハを分割する工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
【図4】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
【図5】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
【図6】第2の実施形態に係る半導体集合部材を例示する模式的平面図である。
【図7】第2の実施形態に係る半導体集合部材を例示する模式的平面図である。
【図8】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図9】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図10】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図11】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図12】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図13】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的断面図である。
【図14】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的断面図である。
【図15】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図16】第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図17】電極部の形状を例示する模式的平面図である。
【図18】第4の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図19】第4の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【図20】第5の実施形態に係る半導体装置の一例である半導体モジュールを例示する模式的平面図である。
【図21】他の接続部材の例を説明する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比係数などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比係数が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1〜図5は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図1〜図5では、第1の実施形態に係る半導体装置110及び半導体装置110A〜110Eを例示している。
【0013】
先ず、図1(a)に表した半導体装置110について説明する。図1(a)に表したように、半導体装置110は、基板10と、複数の素子部1a〜1hと、第1の電極部10a〜10hと、第2の電極部20a〜20hと、第1の連結部11と、第2の連結部21と、を備える。
【0014】
基板10は、例えばシリコンからなるウェーハを矩形に切り出したものである。基板10の上には、複数の素子部1a〜1hが形成されている。ここで、複数の素子部1a〜1hについての総称を、単に素子部1ということもある。素子部1は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオードなど、各種の機能素子である。素子部1は、ウェーハプロセスによって形成される。
【0015】
図1(a)に例示した半導体装置110では、一例として8つの素子部1a〜1hが設けられている。素子部1a〜1hのうち、X方向に沿った4つの素子部1a〜1dの列と、X方向に沿った4つの素子部1e〜1hの列とが、Y方向(X方向と直交する方向)に沿って並べられている。
以下の説明では、X方向に沿ってa個の素子部1が配置され、Y方向に沿ってb個の素子部1が配置された構成を、a×bということにする。例えば、図1(a)に表した半導体装置110は、4×2の半導体装置110である。
【0016】
4×2の半導体装置110において、8つの素子部1a〜1hの間には、隙間50a〜50dが設けられている。隙間50aは、素子部1a及び1eと、素子部1b及び1fと、のあいだに設けられる。隙間50bは、素子部1b及び1fと、素子部1c及び1gと、のあいだに設けられる。隙間50cは、素子部1c及び1gと、素子部1d及び1hと、のあいだに設けられる。隙間50dは、素子部1a〜1dと、素子部1e〜1hと、のあいだに設けられる。
隙間50a〜50dは、必要に応じて基板10の分割線(ダイシングライン)として選択される。
【0017】
第1の電極部10aは、素子部1aの上に形成される。第1の電極部10bは、素子部1bの上に形成される。同様に、第1の電極部10c〜10hのそれぞれは、素子部1c〜1hのそれぞれの上に形成されている。
第1の電極部10a〜10hは、それぞれ素子部1a〜1hと導通する。
【0018】
第2の電極部20aは、素子部1aの上に形成される。第1の電極部20bは、素子部1bの上に形成される。同様に、第2の電極部20c〜20hのそれぞれは、素子部1c〜1hのそれぞれの上に形成されている。
第2の電極部20a〜20hは、それぞれ素子部1a〜1hと導通する。
また、第2の電極部20a〜20hは、第1の電極部10a〜10hと離間して設けられる。
【0019】
ここで、素子部1がMOSFETの場合、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hは、ボンディングワイヤ等の外部接続部材が接続される電極パッドとしても利用される。第1の電極部10a〜10hは、例えばゲート電極と導通した電極パッドであり、第2の電極部20a〜20hは、例えばソース電極と導通した電極パッドである。なお、図示しないドレイン電極は、基板10の裏面に形成された電極と導通している。
【0020】
第1の連結部11は、第1の電極部10a〜10hのうち隣接する第1の電極部のあいだを繋ぐ。第1の連結部11は、隣接する第1の電極部のあいだに配置される隙間(隙間50a〜50dのいずれか)を跨いで形成される。
【0021】
図1(a)に例示した半導体装置110では、第1の電極部10a及び10bのあいだを繋ぐ第1の連結部11、並びに、第1の電極部10e及び10fのあいだを繋ぐ第1の連結部11は、隙間50aを跨いで形成される。
【0022】
また、第1の電極部10c及び10dのあいだを繋ぐ第1の連結部11、並びに、第1の電極部10g及び10hのあいだを繋ぐ第1の連結部11は、隙間50cを跨いで形成される。
【0023】
また、第1の電極部10a及び10eのあいだを繋ぐ第1の連結部11、第1の電極部10b及び10fのあいだを繋ぐ第1の連結部11、第1の電極部10c及び10gのあいだを繋ぐ第1の連結部11、並びに、第1の電極部10d及び10hのあいだを繋ぐ第1の連結部11は、隙間50dを跨いで形成される。
【0024】
第1の連結部11は、第1の電極部10a〜10hと同じ材料によって一体的に設けられていても、第1の電極部10a〜10hとは別体で設けられていてもよい。図1(a)に例示した半導体装置110では、第1の連結部11と第1の電極部10a〜10hとが一体的に設けられている。
【0025】
第2の連結部21は、第2の電極部20a〜20hのうち隣接する第2の電極部のあいだを繋ぐ。第2の連結部21は、隣接する第2の電極部のあいだに配置される隙間(隙間50a〜50dのいずれか)を跨いで形成される。
【0026】
図1(a)に例示した半導体装置110では、第2の電極部20a及び20bのあいだを繋ぐ第2の連結部21、並びに、第2の電極部20e及び20fのあいだを繋ぐ第2の連結部21は、隙間50aを跨いで形成される。
【0027】
また、第2の電極部20b及び20cのあいだを繋ぐ第2の連結部21、並びに、第2の電極部20f及び20gのあいだを繋ぐ第2の連結部21は、隙間50bを跨いで形成される。
【0028】
また、第2の電極部20c及び20dのあいだを繋ぐ第2の連結部21、並びに、第2の電極部20g及び20hのあいだを繋ぐ第2の連結部21は、隙間50cを跨いで形成される。
【0029】
また、第2の電極部20a及び20eのあいだを繋ぐ第2の連結部21、並びに、第2の電極部20d及び20hのあいだを繋ぐ第2の連結部21は、隙間50dを跨いで形成される。
【0030】
第2の連結部21は、第2の電極部20a〜20hと同じ材料によって一体的に設けられていても、第2の電極部20a〜20hとは別体で設けられていてもよい。図1(a)に例示した半導体装置110では、第2の連結部21と第2の電極部20a〜20hとが一体的に設けられている。
【0031】
また、半導体装置110では、2×2の素子部1に設けられた第1の電極部10a、10b、10e及び10fが、互いに隙間50a及び50dに寄せて配置されている。
また、2×2の素子部1に設けられた第1の電極部10c、10d、10g及び10hも、互いに隙間50c及び50dに寄せて配置されている。
【0032】
半導体装置110では、第1の電極部10a、10b、10e及び10fを繋ぐ第1の連結部11と、第1の電極部10c、10d、10g及び10hを繋ぐ第1の連結部11と、のあいだに、導通部31が設けられている。
【0033】
ここで、導通部31は、第1の連結部11の一つでもある。すなわち、導通部31は、素子部1b及び素子部1cのあいだに設けられた隙間50bを跨ぎ、隣接する第1の電極部10b及び10cを繋ぐものでもある。同様に、導通部31は、素子部1f及び素子部1gのあいだに設けられた隙間50bを跨ぎ、隣接する第1の電極部10f及び10gを繋ぐものでもある。
【0034】
導通部31は隙間50dに沿って形成されている。この導通部31によって、第1の電極部10a、10b、10e及び10fの組みと、第1の電極部10c、10d、10g及び10hの組みと、が電気的に導通する状態になる。
【0035】
図1(a)に例示した4×2の合計8つの素子部1a〜1hでは、それぞれの第1の電極部10a〜10hが、第1の連結部11及び導通部31によって電気的に導通状態になっている。
また、それぞれの第2の電極部20a〜20hが、第2の連結部21によって電気的に導通状態になっている。
【0036】
したがって、半導体装置110は、8つの素子部1a〜1hを一つに合わせた構造になる。例えば、素子部1がMOSFETの場合、8つの素子部1a〜1hの例えばゲート電極と導通する第1の電極部10a〜10hが一つのゲート電極部(例えば、ゲート電極パッド)として機能し、例えばソース電極と導通する第2の電極部20a〜20hが一つのソース電極部(例えば、ソース電極パッド)として機能することになる。
これにより、8つの素子部1a〜1hについて、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hがそれぞれ電気的に共通化される。
【0037】
図1(b)に表した半導体装置110Aは、図1(a)に表した4×2の半導体装置110を分割して2×2にしたものである。
すなわち、半導体装置110Aは、図1(a)に表した4×2の半導体装置110の隙間50bをダイシングラインDL1として基板10を分割して形成されている。図1に表した例では、4×2の半導体装置110の隙間50bをダイシングラインDL1として分割することにより、素子部1a、1b、1e及び1fによる2×2の半導体装置110Aと、素子部1c、1d、1g及び1hによる2×2の半導体装置110Aと、が形成される。
【0038】
ダイシングラインDL1によって基板10を分割すると、隙間50bを跨ぐ第2の連結部21が切断される。第2の連結部21が切断されると、第2の電極部20b、20c、20f及び20gのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部211が形成される。
また、ダイシングラインDL1によって基板10を分割すると、隙間50bを跨ぐ導通部31も切断される。導通部31が切断されると、延出部311が形成される。
【0039】
本実施形態に係る半導体装置110Aでは、4×2の半導体装置110と素子部1、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hと同じ構成から、2×2の製品展開を行うことができるようになる。
すなわち、素子部1、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hを形成する際に用いるマスクパターンを変更することなく、4×2の半導体装置110のほか、2×2の半導体装置110Aをダイシングラインの変更のみで形成できることになる。
【0040】
図2は、半導体装置110Bを説明する模式的平面図である。
半導体装置110Bは、例えば半導体装置110Aを分割して形成される。すなわち、図2(a)に表した2×2の半導体装置110Aの隙間50aをダイシングラインDL2として基板10を分割すると、図2(b)に表した1×2の半導体装置110Bが形成される。
【0041】
図2に表した例では、図2(a)に表した2×2の半導体装置110Aの隙間50aをダイシングラインDL2として分割することにより、素子部1a及び1eによる1×2の半導体装置110Bと、素子部1b及び1fによる1×2の半導体装置110Bと、が形成される(図2(b)参照)。
【0042】
ダイシングラインDL2によって基板10を分割すると、隙間50aを跨ぐ第2の連結部21が切断される。第2の連結部21が切断されると、第2の電極部20a、20b、20e及び20fのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部211が形成される。
【0043】
また、ダイシングラインDL2によって基板10を分割すると、隙間50aを跨ぐ第1の連結部11が切断される。第1の連結部11が切断されると、第1の電極部10a、10b、10e及び10fのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部111が形成される。
また、ダイシングラインDL2によって基板10を分割すると、隙間50bを跨ぐ導通部31も切断される。導通部31が切断されると、延出部311が形成される。
【0044】
本実施形態に係る半導体装置110Bによれば、4×2の半導体装置110と同じ素子部1、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hでありながら、1×2の半導体装置110Bの製品展開を行うことができるようになる。
すなわち、半導体装置110から半導体装置110Aを形成し、さらに半導体装置110Aから半導体装置110Bを形成することにより、4×2の半導体装置110と素子部1の構成、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hと同じ構成から、2×2、さらには1×2の製品展開を行うことができるようになる。
【0045】
なお、上記では、半導体装置110Aを分割して半導体装置110Bを形成する例を説明したが、4×2の半導体装置110の隙間50a、50b及び50cをそれぞれ分割して、1×2の半導体装置110Bを直接形成するようにしてもよい。
【0046】
図3は、半導体装置110Cを説明する模式的平面図である。
半導体装置110Cは、例えば半導体装置110Bを分割して形成される。すなわち、図3(a)に表した1×2の半導体装置110Bの隙間50dをダイシングラインDL3として基板10を分割すると、図3(b)に表した1×1の半導体装置110Cが形成される。
【0047】
図3に表した例では、図3(a)に表した1×2の半導体装置110Bの隙間50dをダイシングラインDL3として分割することにより、素子部1aによる1×1の半導体装置110Cと、素子部1eによる1×1の半導体装置110Cと、が形成される(図3(b)参照)。
【0048】
ダイシングラインDL3によって基板10を分割すると、隙間50dを跨ぐ第2の連結部21が切断される。第2の連結部21が切断されると、第2の電極部20a及び20eのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部211が形成される。
【0049】
また、ダイシングラインDL3によって基板10を分割すると、隙間50dを跨ぐ第1の連結部11が切断される。第1の連結部11が切断されると、第1の電極部10a及び10eのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部111が形成される。
【0050】
また、ダイシングラインDL3によって基板10を分割すると、隙間50dに沿って設けられた導通部31は除去される。導通部31の幅を、ダイシングソーによる分割幅よりも細くしておくことで、導通部31の延びる方向に沿った基板10のダイシングによって導通部31が除去されることになる。
【0051】
本実施形態に係る半導体装置110Cによれば、4×2の半導体装置110と同じ素子部1、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hでありながら、1×1の半導体装置110Cの製品展開を行うことができるようになる。
すなわち、半導体装置110から半導体装置110Aを形成し、さらに半導体装置110Aから半導体装置110Bを形成し、さらに半導体装置110Bから半導体装置110Cを形成することにより、4×2の半導体装置110と素子部1の構成、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hと同じ構成から、2×2さらには1×2、さらには1×1の製品展開を行うことができるようになる。
【0052】
なお、上記では、半導体装置110Bを分割して半導体装置110Cを形成する例を説明したが、4×2の半導体装置110の隙間50a、50b、50c及び50dをそれぞれ分割して、1×1の半導体装置110Cを直接形成するようにしてもよい。
【0053】
図4は、半導体装置110Dを説明する模式的平面図である。
半導体装置110Dは、例えば半導体装置110を分割して形成される。すなわち、図4(a)に表した4×2の半導体装置110の隙間50aをダイシングラインDL4として基板10を分割すると、図4(b)に表した3×2の半導体装置110D及び1×2の半導体装置110Bが形成される。
【0054】
図4に表した例では、図4(a)に表した4×2の半導体装置110の隙間50aをダイシングラインDL4として分割することにより、素子部1b、1c、1d、1f、1g及び1hによる半導体装置110Dと、素子部1a及び1eによる2×1の半導体装置110Bと、が形成される(図4(b)参照)。
【0055】
ダイシングラインDL4によって基板10を分割すると、隙間50aを跨ぐ第2の連結部21が切断される。第2の連結部21が切断されると、第2の電極部20a、20b、20e及び20fのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部211が形成される。
【0056】
また、ダイシングラインDL4によって基板10を分割すると、隙間50aを跨ぐ第1の連結部11が切断される。第1の連結部11が切断されると、第1の電極部10a、10b、10e及び10fのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部111が形成される。
また、ダイシングラインDL4によって基板10を分割すると、隙間50bを跨ぐ導通部31も切断される。導通部31が切断されると、延出部311が形成される。
【0057】
本実施形態に係る半導体装置110Dによれば、4×2の半導体装置110と同じ素子部1、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hでありながら、3×2の半導体装置110D及び1×2の半導体装置110Bの製品展開を行うことができるようになる。
すなわち、素子部1、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hを形成する際に用いるマスクパターンを変更することなく、3×2の半導体装置110D及び1×2の半導体装置110Bを形成できることになる。
【0058】
図5は、半導体装置110Eを説明する模式的平面図である。
半導体装置110Eは、例えば半導体装置110Dを分割して形成される。すなわち、図5(a)に表した3×2の半導体装置110Dの隙間50dをダイシングラインDL5として基板10を分割すると、図5(b)に表した3×1の半導体装置110Eが形成される。
【0059】
図5に表した例では、図5(a)に表した3×2の半導体装置110Dの隙間50dをダイシングラインDL5として分割することにより、素子部1b、1c及び1dによる3×1の半導体装置110Eと、素子部1f、1g及び1hによる3×1の半導体装置110Eと、が形成される(図5(b)参照)。
【0060】
ダイシングラインDL5によって基板10を分割すると、隙間50dを跨ぐ第2の連結部21が切断される。第2の連結部21が切断されると、第2の電極部20d及び20hのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部211が形成される。
【0061】
また、ダイシングラインDL5によって基板10を分割すると、隙間50dを跨ぐ第1の連結部11が切断される。第1の連結部11が切断されると、第1の電極部10b、10c、10d、10f、10g及び10hのそれぞれ周縁から外方に延びる延出部111が形成される。
【0062】
また、ダイシングラインDL5によって基板10を分割すると、隙間50dに沿って設けられた導通部31は除去される。導通部31の幅を、ダイシングソーによる分割幅よりも細くしておくことで、導通部31の延びる方向に沿った基板10のダイシングによって導通部31を除去されることになる。
【0063】
なお、導通部31が除去されると、第1の電極部10bと、第1の電極部10c及び10dと、のあいだの導通がなくなるため、ボンディングワイヤや金属端子等の接続用導体を用いて、外部または内部で導通をとるようにすればよい。
第1の電極部10fと、第1の電極部10g及び10hと、のあいだの導通についても同様である。
【0064】
本実施形態に係る半導体装置110Eによれば、4×2の半導体装置110と同じ素子部1、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hでありながら、3×1の半導体装置110Bの製品展開を行うことができるようになる。
すなわち、半導体装置110から半導体装置110Dを形成し、さらに半導体装置110Dから半導体装置110Eを形成することにより、4×2の半導体装置110と素子部1の構成、第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hと同じ構成から、3×2さらには3×1の製品展開を行うことができるようになる。また、1×2の半導体装置110Bも同時に形成できるようになる。
【0065】
なお、上記では、半導体装置110Dを分割して半導体装置110Eを形成する例を説明したが、4×2の半導体装置110の隙間50a及び50dをそれぞれ分割して、3×1の半導体装置110Eを直接形成するようにしてもよい。
【0066】
このように、本実施形態では、例えば4×2の半導体装置110のほか、ダイシングラインDL1〜DL5のいずれかで基板10を分割することによって、素子部1の数が異なる半導体装置110A〜110Eを製造することができる。
【0067】
半導体装置110、110A〜110Eでは、素子部1の数に応じたオン抵抗を有する。つまり、同じマスクパターンを用いて素子部1や電極部を形成した状態で、必要に応じて基板10を分割し、オン抵抗の異なる素子を容易に製造することが可能になる。
【0068】
しかも、複数の素子部1にそれぞれ設けられた第1の電極部や第2の電極部を共通化できる。これにより、ボンディングワイヤ等の接続部材を取り付ける際、第1の電極部及び第2の電極部のそれぞれ導通する配線(電極部を含む)上の少なくとも1箇所に接続すれば、全ての素子部1との導通を得られることになる。
【0069】
また、上記説明した半導体装置110A〜110Eでは、ダイシングラインDL1〜DL5に沿って基板10を分割する際、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31のうち少なくとも1つを切断している。このため、基板10を分割する際、ダイシングソーの側面が導体である第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31に接触し、切断時の摩擦によって生じる静電気を第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31から電極部を介して基板10へ放出できることになる。これにより、半導体装置110A〜110Eの静電気による影響及び静電気に起因する集塵の影響を抑制することが可能になる。
【0070】
(第2の実施形態)
図6〜図7は、第2の実施形態に係る半導体集合部材を例示する模式的平面図である。
図6〜図7では、ウェーハ100に複数の素子区分Bが形成された状態の半導体集合部材250及び260を例示している。
【0071】
図6に表したように、半導体集合部材250は、ウェーハ100に形成された複数の素子区分Bを備える。
ウェーハ100には、X方向及びY方向に沿って複数の素子区分Bが配置されている。複数の素子区分Bは、X方向及びY方向に沿って揃った状態で配置されている。したがって、隙間S1はウェーハ100のX方向に沿って直線的に設けられ、隙間S2はウェーハ100のY方向に沿った直線的に設けられる。
【0072】
複数の素子区分Bのそれぞれは、全て同じ構成になっている。図6に例示した素子区分Bは、例えば、図1(a)に表した半導体素子110と同じ4×2の素子部1を備えた構成になっている。
すなわち、複数の素子区分Bのそれぞれは、ウェーハ100上に設けられた複数の素子部1a〜1hと、複数の素子部1a〜1hの上に設けられた第1の電極部10a〜10hと、複数の素子部1a〜1hの上に設けられた第2の電極部20a〜20hと、第1の連結部11と、第2の連結部21と、を有している。
【0073】
また、複数の素子区分Bのそれぞれは、導通部31を備えている。
また、第1の電極部10a、10b、10e及び10fは、互いに隙間50a及び50dに寄せて配置されている。
また、第1の電極部10c、10d、10g及び10hも、互いに隙間50c及び50dに寄せて配置されている。
【0074】
このような半導体集合部材250では、X方向に沿って配置される複数の素子区分Bにおいて、隙間50dは、X方向に沿って直線状に並ぶ。また、Y方向に沿って配置される複数の素子区分Bにおいて、隙間50a、50b及び50cは、Y方向に沿って直線状に並ぶ。
【0075】
隙間50a、50b、50c及び50d、並びに隙間S1及びS2は、ウェーハ100のダイシングラインとして必要に応じて選択される。隙間50a、50b、50c及び50d、並びに隙間S1及びS2のうちいずれをダイシングラインとして選択するかによって、所望のa×bの半導体装置を形成することができる。
【0076】
例えば、隙間S1及びS2に沿ってウェーハ100をダイシングすると、図1(a)に表した4×2の半導体装置110が形成される。
また、隙間S1及びS2並びに隙間50bに沿ってウェーハ100をダイシングすると、図1(b)に表した2×2の半導体装置110Aが形成される。
同様に、隙間50a、50b、50c及び50d、並びに隙間S1及びS2にいずれを選択するかによって、1×2の半導体装置110B、1×1の半導体装置110C、3×2の半導体装置110D、3×1の半導体装置110Eなど、各種の製品展開を実現できることになる。
【0077】
図7に表したように、半導体集合部材260は、ウェーハ100に形成された複数の素子区分Bを備える点で半導体集合部材260と同様であるが、複数の素子区分Bの構成が同一でない点で相違する。
【0078】
半導体集合部材260では、4×2の素子部1を備えた素子区分Bと、3×2の素子部1を備えた素子区分B1と、2×2の素子部1を備えた素子区分B2と、がウェーハ100に配列されている。
具体的には、ウェーハ100の中央部には4×2の素子部1を備えた素子区分Bを配置し、その周辺に生じる空き領域に3×2の素子部1を備えた素子区分B1及び2×2の素子部1を備えた素子区分B2を配置する。
なお、a×bの素子部1の構成や、レイアウトは、図7に例示したものに限定されない。
【0079】
このように、構成の異なる複数の素子区分B、B1及びB2を備えた半導体集合部材260であっても、隙間S1はウェーハ100のX方向に沿って直線的に並び、隙間S2はウェーハ100のY方向に沿った直線的に並ぶ。
【0080】
また、X方向に沿って配置される複数の素子区分B、B1及びB2において、隙間50dは、X方向に沿って直線状に並ぶ。また、Y方向に沿って配置される複数の素子区分B、B1及びB2において、隙間50a、50b及び50cは、Y方向に沿って直線状に並ぶ。
【0081】
したがって、隙間50a、50b、50c及び50d、並びに隙間S1及びS2のうちいずれをダイシングラインとして選択するかによって、所望のa×bの半導体装置を形成することができる。
半導体集合部材260では、構成の異なる複数の素子区分B、B1及びB2を備えることで、ウェーハ100をダイシングした際の無駄を抑制でき、一つのウェーハ100から各種構成の半導体装置(例えば、半導体装置110、110A〜110E)を効率良く製造することができるようになる。
【0082】
なお、第2の実施形態に係る半導体集合部材250及び260において、素子区分のa×bの素子部1の構成や、レイアウトは、図6及び図7に例示したものに限定されない。
【0083】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、半導体装置の製造方法の例である。
図8〜図16は、第3の実施形態に係る製造方法を例示する模式図である。
【0084】
先ず、図8に例示したように、ウェーハ100に複数の素子部1を形成する。各素子部1のあいだには隙間が設けられている。図8では、一例として、4×2の素子部1を一組み(素子区分B)とし、複数の素子区分Bがウェーハ100に形成されている。
素子区分Bを形成した後は、ウェーハ100の表面に一様に導体膜400を形成する。
【0085】
図9は、複数の素子部による一組の素子ユニットを拡大した模式的平面図である。
図10は、1つの素子部を拡大した模式的平面図である。
図9に表したように、一組の素子区分Bには、例えば4×2の素子部1が形成されている。素子部1a〜1hのあいだには、隙間50a〜50dが設けられている。素子部1は、所定のフォトリソグラフィや不純物注入等によって所定の機能が設けられる。素子部1の上には、導体層400が一様に形成される。
【0086】
図10は、MOSFETが素子部に形成された際の模式的平面図である。
図10に表したように、複数のゲート電極16がX方向に延在して形成されている。そのX方向に対して交差するY方向に、ゲート配線17が延在している。ゲート配線17は、複数のゲート電極16と導通していて、例えば環状に設けられている。
【0087】
ゲート電極16は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法でトレンチ内に多結晶シリコンを埋め込むことで形成され、このときにトレンチ開口端よりも上方の半導体層表面上におけるゲート配線を形成する部分にも多結晶シリコンを形成することでゲート配線17を形成する。
【0088】
ゲート電極16上には図示しない絶縁層が設けられる。ソース領域上の絶縁層には開口が設けられ、後に形成する第1の主電極40と導通するようになっている。また、ゲート配線17上の絶縁層にも開口が設けられ、後に形成する第1の電極部10a〜10hと導通するようになっている。
【0089】
MOSFETにおいては、第1の主電極40はソース電極として機能する。第1の主電極40は、第2の電極部20a〜20hと接続される。なお、第1の主電極40が第2の電極部20a〜20hを兼用してもよい。
ウェーハ100の裏面には、図示しない第2の主電極が形成される。第2の主電極はドレイン電極として機能する。
【0090】
第1の電極部10a〜10h及び第2の電極部20a〜20hは、絶縁層上に一様に形成した導体層400(図9参照)をパターニングすることで形成される。
図11は、導体層をパターニングした状態を例示する模式的平面図である。
図11では、一組の素子区分Bのパターンについて示している。導体層をパターニングすると、第1の電極部10a〜10h、第2の電極部20a〜20h、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31が形成される。第1の連結部11及び第2の連結部21は、隙間50a〜50dを跨ぐように形成される。導通部31は、隙間50dに沿って形成される。
導体層をパターニングした後は、第1の電極部10a〜10h、第2の電極部20a〜20h、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31の上に保護膜を形成しておく。保護膜には、例えばポリイミドが用いられる。
【0091】
次に、ウェーハ100を所望のサイズに分割する。先に説明したように、a×bの構成に応じたダイシングラインでウェーハ100をダイシングする。本実施形態では、a×bの構成にかかわらず、ウェーハ100のダイシングを行うまでの工程を共通化することができる。すなわち、この工程までに用いられるマスクパターンの共通化を図ることができる。
【0092】
図12は、1×2に分割された状態を例示する模式的平面図である。
a×bの構成によっては、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31の途中が切断される場合がある。図12に例示した1×2の構成では、隙間50aをダイシングラインとしてウェーハ100を分割しているため、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31の途中が切断され、延出部111、211及び311になっている。
【0093】
図12(a)に表したように、ウェーハ100を矩形に切り出して得られた基板10の外縁101には、延出部111、211及び311の端部が露出している。そこで、図12(b)に表したように、ウェーハ100をダイシングした後、基板10の外縁101に露出する延出部111、211及び311の端部を後退させる。例えば、延出部111、211及び311の材料である金属をエッチングすることで、端部を基板10の外縁101よりも内側に後退させる。
【0094】
図13は、図12(b)のA−A線矢視の模式的断面図である。
図14は、図12(b)のB−B線矢視の模式的断面図である。
図13に表したように、基板10には、n形のドレイン層14、n形のドリフト層12、p形のベース領域13が設けられ、基板10の裏面には、ドレイン電極である第2の主電極22が設けられている。
ゲート電極16上には絶縁層23、24が設けられ、これら絶縁層23、24によってゲート電極16と、第1の主電極40とが絶縁分離されている。
第1の主電極40及び第1の電極部10a〜10hは、絶縁層24の上に形成される。これらは、絶縁層24上において絶縁層35によって絶縁分離されている。
第1の電極部10a〜10hは、絶縁層24に設けられた開口を介してゲート電極16と接続されている。
第1の主電極40及び第1の電極部10a〜10hの上には、保護膜60が形成されている。保護膜60の一部には開口Hが設けられ、この開口Hから露出する第1の電極部10a〜10hにボンディングワイヤ等を接続できるようになっている。
【0095】
絶縁層24と保護膜60との間において第1の電極部10a〜10hから外方に延出する部分が延出部111である。この延出部111の端部111aは、基板10の外縁101よりも内側に後退している。延出部111の端部111aをエッチングする際、絶縁層24及び保護膜60はエッチングされない。したがって、延出部111の端部111aのみが基板10の外縁101よりも後退する状態になる。
【0096】
図14に表したように、第1の主電極40である第2の電極部20a〜20hの部分は、絶縁層24上に設けられる。第2の電極部20a〜20hは、保護膜60と絶縁層24とのあいだに設けられる。絶縁層24と保護膜60との間において、第2の電極部20a〜20hからは外方に延出する部分が延出部211である。この延出部211の端部211aは、基板10の外縁101よりも内側に後退している。上記と同様、延出部211の端部211aをエッチングする際に絶縁層24及び保護膜60はエッチングされず、端部211aのみが基板10の外縁101よりも後退する状態になる。
【0097】
このように、延出部111及び211の端部111a及び211aが基板10の外縁101よりも後退していることで、導体である延出部111及び211の端部111a及び211aの露出を防止することができるようになる。
【0098】
図15〜図16は、他の製造方法を説明する模式的平面図である。
他の製造方法では、ウェーハ100に複数の素子部1による素子区分Bを形成し、その上に導体層400を一様に形成するまでは先に説明した製造方法と同じである。
他の製造方法においては、導体層400を形成した後、ウェーハ100から切り出して得る素子部1のa×bの構成に応じて導体層400をパターニングし、a×bの構成に応じた第1の電極部10a〜10h、第2の電極部20a〜20h、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31を形成する。
これにより、ウェーハ100に複数の素子部1を形成するまでは同じマスクパターンを用いることができる。
【0099】
図15(a)に表したように、4×2の素子部1による半導体装置を構成する場合には、第1の電極部10a、10b、10e及び10fを繋ぐ第1の連結部11と、第1の電極部10c、10d、10g及び10hを繋ぐ第1の連結部11と、これらのあいだを繋ぐ導通部31と、第2の電極部20a〜20hを繋ぐ第2の連結部21と、を形成するマスクパターンを用いる。
そして、ウェーハ100から4×2の素子部1ごとに切り出して半導体装置とする。
【0100】
また、図15(b)に表したように、2×2の素子部1による半導体装置を構成する場合、素子部1a、1b、1e及び1fについては、第1の電極部10a、10b、10e及び10fを繋ぐ第1の連結部11と、第2の電極部20a、20b、20e及び20fを繋ぐ第2の連結部21と、を形成するマスクパターンを用いる。
また、素子部1c、1d、1g及び1hについては、第1の電極部10c、10d、10f及び10hを繋ぐ第1の連結部11と、第2の電極部20c、20d、20g及び20hを繋ぐ第2の連結部21と、を形成するマスクパターンを用いる。
そして、ウェーハ100から2×2の素子部1ごとに切り出して半導体装置とする。この際、ダイシングラインDLには金属等の導体がないことから、ウェーハ100の切断面には導体が露出しないことになる。
【0101】
図16に表したように、1×2の素子部1による半導体装置を構成する場合、素子部1a及び1eについては、第1の電極部10a及び10eを繋ぐ第1の連結部11と、第2の電極部20a及び20eを繋ぐ第2の連結部21と、を形成するマスクパターンを用いる。
また、素子部1b及び1f、素子部1c及び1g、素子部1d及び1hについても同様である。
そして、ウェーハ100から1×2の素子部1ごとに切り出して半導体装置とする。この際、ダイシングラインDLには金属等の導体がないことから、ウェーハ100の切断面には導体が露出しないことになる。
【0102】
このような他の製造方法においては、複数の素子部1を形成するまでの工程は、先に説明した製造方法と共通であり、その後の導体層400のパターニングによって種々の電極部の形状を作成することができる。
【0103】
図17は、電極部の形状を例示する模式的平面図である。
図17(a)に表したように、4×2の素子部1を一つの半導体装置にする場合、素子部1a〜1hに共通する第1の電極部10−1及び第2の電極部20−1を形成するマスクパターンを用いる。第1の電極部10−1は、4×2の素子部1の中央部において素子部1a〜1hに跨って形成される。第2の電極部20−1は、第1の電極部10−1の周辺を囲む状態で素子部1a〜1hに跨って形成される。
【0104】
図17(b)に表したように、2×2の素子部1を一つの半導体装置にする場合、素子部1a、1b、1e及び1fに共通する第1の電極部10−2及び第2の電極部20−2と、素子部1c、1d、1g及び1hに共通する第1の電極部10−3及び第2の電極部20−3と、を形成するマスクパターンを用いる。
第1の電極部10−2は、素子部1a、1b、1e及び1fによる2×2の素子部1の中央部において素子部1a、1b、1e及び1fに跨って形成される。第2の電極部20−2は、第1の電極部10−1の周辺を囲む状態で素子部1a、1b、1e及び1fに跨って形成される。
また、第1の電極部10−3は、素子部1c、1d、1g及び1hにおいて2×2の素子部1の中央部において素子部1c、1d、1g及び1hに跨って形成される。第2の電極部20−3は、第1の電極部10−2の周辺を囲む状態で素子部1c、1d、1g及び1hに跨って形成される。
【0105】
このような第1の電極部10−1、10−2及び10−3、第2の電極部20−1、20−2及び20−3によれば、複数の素子部1のあいだを共通の第1の電極部10−1、10−2及び10−3、第2の電極部20−1、20−2及び20−3で繋ぐことができる。つまり、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31を、第1の電極部10−1、10−2及び10−3、第2の電極部20−1、20−2及び20−3に兼用させることができる。これにより、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31を別途設ける場合に比べて、導体の幅を広くすることができ、素子部1に跨る第1の電極部10−1、10−2及び10−3、第2の電極部20−1、20−2及び20−3の低抵抗化を図ることができることになる。
【0106】
なお、第1の電極部10−1、10−2及び10−3、並びに第2の電極部20−1、20−2及び20−3の形状は、図17に例示したものには限定されず、素子部のa×bの構成に合わせて適宜の形状を用いることができる。
【0107】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、半導体装置の製造方法の例である。
図18〜図19は、第4の実施形態に係る製造方法を例示する模式的平面図である。
【0108】
第4の実施形態に係る製造方法では、ウェーハ100に複数の素子区分Bを形成するまでは第3の実施形態に係る製造方法と同様である。本実施形態では、例えば4×2の素子部1による素子区分Bが複数形成される。素子区分Bには、図1に例示した第1の電極部10a〜10h、第2の電極部20a〜20h、第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31が形成されているものとする。
【0109】
図18では、説明の便宜上、ウェーハ100に形成された素子区分Bを矩形枠で示している。素子区分Bを形成した後、ウェーハ100の素子区分Bの単位で所定の電気的な検査を行う。電気的な検査は、ウェーハ100に図示しないプローブを接触させて、電気的な導通や特性の検査を行う。検査において予め定められた条件を満たしていない素子区分Bがある場合には、検査データ上でその素子区分BにマークMが付される。例えば、予め定められた特性を満たしている素子部1の割合及び分布が予め定められた条件を満たしていない素子ブロックBについてマークMが付される。図18では、素子区分B10にこのマークMが付されている。
【0110】
ここで、検査において予め定められた条件を満たしている素子区分Bについては、4×2の素子区分Bの単位でウェーハ100を分割し、半導体装置として利用することができる。なお、必要に応じて、4×2から、さらに分割して2×2、3×1、1×1など、別のサイズの半導体装置にしてもよい。
【0111】
一方、検査において予め定められた条件を満たしていない素子区分B10については、図19(a)に表したように、隙間50bを跨ぐ第2の連結部21及び導通部31を切断する。第2の連結部21及び導通部31を切断するには、例えば隙間50bでウェーハ100をハーフダイシングする。
【0112】
なお、他の切断方法としては、例えば、切断したい第2の連結部21及び導通部31の両端に大電流を流し、ジュール熱によって切断することも可能である。大電流によって第2の連結部21及び導通部31を切断する方法を採用する場合、第2の連結部21及び導通部31の一部の幅を細くしておくと、より効果的に切断可能である。
【0113】
このように、第2の連結部21及び導通部31を切断することにより、素子区分B10内での電気的な導通が得られる範囲を分離でき、その範囲で別個に電気的特性の再検査を行うことができるようになる。
【0114】
第2の連結部21及び導通部31を切断した後は、2×2の素子区分B11及びB12のそれぞれについて、電気的な特性の検査を行う。この検査において予め定められた条件を満たしている場合には、隙間50bでウェーハ100をダイシングして、2×2の素子区分B11及びB12による半導体装置を形成する。
【0115】
一方、検査において予め定められた条件を満たしていない素子区分B11及びB12がある場合には、条件を満たしていない素子区分の中央に設けられた隙間を跨ぐ第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31を切断する。図19(b)では、素子区分B11及びB12の両方とも条件を満たしていない場合を例示している。ここでは、隙間50a及び50cを跨ぐ第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31を切断する。
【0116】
第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31を切断した後は、1×2の素子区分のそれぞれについて、電気的な特性の検査を行う。図19(b)に表した例では、1×2の素子区分B111、B112、B121及びB122のそれぞれについて検査を行う。この検査において予め定められた条件を満たしている場合には、条件を満たしている素子区分B111、B112、B121及びB122を切り離すため、隙間50a、50b及び50cに沿ったダイシングを行う。そして、1×2の素子区分による半導体装置を形成する。
【0117】
一方、検査において予め定められた条件を満たしていない素子区分がある場合には、その素子区分の中央に設けられた隙間50dを跨ぐ第1の連結部11、第2の連結部21及び導通部31を切断する。図19(c)では、素子区分B111、B112、B121及びB122が条件を満たしていない場合を例示している。隙間50dに沿ってウェーハ100をダイシングすることで、1×1の素子部1a〜1hによる半導体装置が形成される。
そして、1×1の素子部1a〜1bのそれぞれについて、電気的な特性の検査を行い、予め定められた条件を満たしているもののみを選択する。
【0118】
このように、条件を満たしていない素子区分があった場合には、順次分割して再検査を行うようにすると、条件を満たした素子区分を無駄なく利用することが可能となる。すなわち、4×2の素子区分Bで条件性を満たしている場合には4×2の素子区分Bを利用でき、満たしていない場合には条件を満たすようになるまで分割していくことで、条件を満たしている素子部を有効に利用した半導体装置を形成することができる。
【0119】
なお、上記説明した分割の例では、条件を満たしていない素子区分を順次半分に分割していく例を説明したが、これは一例である。例えば、条件を満たしていない4×2の素子区分B1を分割する際、隙間50aまたは50cで分割して、1×2の素子区分と、3×2の素子区分と、に分割してもよい。また、隙間50dで分割して、4×1の素子区分にしてもよい。
【0120】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、パッケージを含む半導体装置の例である。
図20は、第5の実施形態に係る半導体装置の一例である半導体モジュールを例示する模式的平面図である。
図20に表したように、半導体モジュール200は、先に説明した半導体装置110、110A〜110Eと、少なくとも2つの外部端子と、パッケージとなる封止部材PKGと、を備えている。
【0121】
一例として、図20に表した半導体モジュール200では、図1に表した半導体装置110が適用されている。半導体装置110の素子部1がMOSFETである場合、3つの外部端子T1〜T3が設けられる。
【0122】
半導体装置110の第1の電極部10a〜10hのうち少なくとも一つと、外部端子T1と、は第1の接続部材CT1によって接続されている。また、半導体装置110の第2の電極部20a〜20hのうち少なくとも一つと、外部端子T2と、は第2の接続部材CT2によって接続されている。外部端子T3は、半導体装置110を搭載する台座部Dと一体になっている。半導体装置110を台座部Dに搭載することで、半導体装置110の裏面の電極(図13、図14に示す第2の主電極22)と外部端子T3とが台座部Dを介して導通状態になる。
【0123】
第1の接続部材CT1及び第2の接続部材CT2には、例えば金属板が用いられている。第1の接続部材CT1及び第2の接続部材CT2として金属板を用いる場合、例えば、はんだによって電極部及び外部端子と接合される。
【0124】
封止部材PKGは、例えばモールド樹脂である。封止部材PKGは、外部端子T1〜T3の一部、第1の接続部材CT1、第2の接続部材CT2、半導体装置110を封止する。封止部材PKGからは3つの外部端子T1〜T3が外部に延出する。素子部1がMOSFETの場合、外部端子T1は例えばゲート電極と導通するゲート端子、外部端子T2は例えばソース電極と導通するソース端子、外部端子T3は例えばドレイン電極と導通するドレイン端子となる。
【0125】
図21は、他の接続部材の例を説明する模式的平面図である。
図21に例示した半導体モジュール200では、第1の接続部材CT1及び第2の接続部材CT2がボンディングワイヤになっている。
ボンディングワイヤを用いる場合、接続位置の自由度が高い。例えば、外部端子T1と第1の電極部10a〜10hとを導通させる第1の接続部材CT1では、第1の電極部10a〜10hを繋ぐ導通部31の略中央に接続することが好ましい。この位置に第1の接続部材CT1を接続すると、第1の外部端子T1から入力した信号が、第1の電極部10a〜10hへ均等に送られる。したがって、第1の電極部10a〜10hのあいだでの信号の遅延を抑制することができる。
【0126】
また、ボンディングワイヤを用いる場合、一つの外部端子T1及びT2から複数の電極部に対して複数本のボンディングワイヤを接続するようにしてもよい。例えば、第2の外部端子T2と、第2の電極部20a〜20hと、の接続において、第2の外部端子T2から各第2の電極部20a〜20hにそれぞれボンディングワイヤを接続するようにしてもよい。第2の電極部20a〜20hが例えばソース電極と導通する場合、複数本のボンディングワイヤを接続することで、大電流に対応できるようになる。
【0127】
なお、図20及び図21に例示した半導体モジュール200では、半導体装置110を適用する例を説明したが、他の半導体装置110A〜110Eを適用してもよい。
【0128】
上記のように、本実施形態によれば、素子部1を形成する際に用いるマスクパターンを共通化することができるとともに、ウェーハ100の切断位置の変更によって異なるオン抵抗の素子を容易に形成することが可能となる。
【0129】
なお、前述の各実施の形態および各変形例においては、素子部1が主としてMOSFETである例を示したが、素子部1はこれに限定されず、例えば、IGBT、ダイオード、MOSFETとSBD(Schottky Barrier Diode)との混載素子、などの素子でもよい。また、半導体装置110では、4×2の素子部1を備えたものを例示したが、a×bが4×2よりも大きいものであっても適用可能である。
【0130】
上記に本実施の形態およびその変形例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。すなわち、前述の各実施の形態またはその変形例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものもや、各実施の形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【0131】
以上説明したように、実施形態に係る半導体装置及びその製造方法によれば、様々なオン抵抗の素子を容易に製造することができるようになる。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1…素子部、1a〜1h…素子部、10…基板、10a〜10h…第1の電極部、11…第1の連結電極、20a〜20h…第2の電極部、21…第2の連結部、31…導通部、50a〜50d…隙間、100…ウェーハ、110,110A〜110E…半導体装置、111…延出部、211…延出部、311…延出部、200…半導体モジュール、250,260…半導体集合部材、B…素子区分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に設けられた素子部と、
前記素子部の上に設けられ、前記素子部と導通する第1の電極部と、
前記素子部の上において前記第1の電極部と離間して設けられ、前記素子部と導通する第2の電極部と、
前記素子部の上に設けられ、前記第1の電極部及び前記第2の電極部の周縁部から外方に向けて延出した延出部と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
基板に設けられた複数の素子部と、
前記複数の素子部の上に設けられ、前記複数の素子部のそれぞれと導通する第1の電極部と、
前記複数の素子部の上において前記第1の電極部と離間して設けられ、前記複数の素子部のそれぞれと導通する第2の電極部と、
隣接する前記素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する前記第1の電極部を繋ぐ第1の連結部と、
前記隙間を跨ぎ、隣接する前記第2の電極部を繋ぐ第2の連結部と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
前記第1の電極部の周縁部及び前記第2の電極部の周縁部から外方に向けて延出した延出部をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記延出部の端部は、前記基板の外周よりも後退していることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記基板の主面に沿った第1の方向及び前記第1の方向と直交する第2の方向に沿ってそれぞれ少なくとも2つの前記素子部が設けられ、
前記第1の連結部は、前記素子部のそれぞれに設けられた前記第1の電極部を電気的に接続する導通部をさらに備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記導通部は、前記隙間に沿って設けられたことを特徴とする請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の方向及び前記第2の方向に沿ってそれぞれ2つ設けられた4つの前記素子部において、前記4つの素子部にそれぞれ設けられた前記第1の電極部は、前記4つの素子部のあいだに設けられた前記第1の方向に沿った隙間及び前記第2の方向に沿った隙間のそれぞれに寄せて配置されたことを特徴とする請求項5または6記載の半導体装置。
【請求項8】
ウェーハに形成された複数の素子区分を備え、
前記複数の素子区分のそれぞれは、
前記ウェーハに設けられた複数の素子部と、
前記複数の素子部の上に設けられ、前記複数の素子部のそれぞれと導通する第1の電極部と、
前記複数の素子部の上において前記第1の電極部と離間して設けられ、前記複数の素子部のそれぞれと導通する第2の電極部と、
隣接する前記素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する前記第1の電極部を繋ぐ第1の連結部と、
前記隙間を跨ぎ、隣接する前記第2の電極部を繋ぐ第2の連結部と、
を有することを特徴とする半導体集合部材。
【請求項9】
前記ウェーハの第1の方向及び前記第1の方向と直交する第2の方向に沿ってそれぞれ少なくとも2つの前記素子部が設けられ、
前記第1の連結部は、前記素子部のそれぞれに設けられた前記第1の電極部を電気的に接続する導通部をさらに備えたことを特徴とする請求項8記載の半導体集合部材。
【請求項10】
前記導通部は、前記隙間に沿って設けられたことを特徴とする請求項9記載の半導体集合部材。
【請求項11】
前記第1の方向及び前記第2の方向に沿ってそれぞれ2つ設けられた4つの前記素子部において、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿ってそれぞれ隣接する前記素子部に設けられた前記第1の電極部は、互いに前記隣接する素子部のあいだに設けられた隙間の側に寄せて配置されたことを特徴とする請求項9または10記載の半導体集合部材。
【請求項12】
前記複数の素子区分のそれぞれにおいて、前記素子区分に含まれる前記複数の素子部の数が同じであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載の半導体集合部材。
【請求項13】
前記複数の素子区分のそれぞれにおいて、前記素子区分に含まれる前記複数の素子部の数が相違することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載の半導体集合部材。
【請求項14】
第1の外部端子と、
第2の外部端子と、
前記第1の外部端子と前記第1の電極部とを接続する第1の接続部材と、
前記第2の外部端子と前記第2の電極部とを接続する第2の接続部材と、
前記第1の外部端子の一部、前記第2の外部端子の一部、前記第1の接続部材、前記第2の接続部材、前記基板、前記素子部、前記第1の電極部、前記第2の電極部及び前記延出電極を封止する封止部材と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項15】
第1の外部端子と、
第2の外部端子と、
前記第1の外部端子と複数の前記第1の電極部のうち少なくとも1つとを接続する第1の接続部材と、
前記第2の外部端子と複数の前記第2の電極部のうち少なくとも1つとを接続する第2の接続部材と、
前記第1の外部端子の一部、前記第2の外部端子の一部、前記第1の接続部材、前記第2の接続部材、前記基板、前記素子部、前記第1の電極部、前記第2の電極部及び前記延出電極を封止する封止部材と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項16】
ウェーハに複数の素子部を形成する工程と、
前記複数の素子部の上において、前記複数の素子部のそれぞれと導通する第1の電極部、前記複数の素子部のそれぞれと導通し前記第1の電極部と離間する第2の電極部、隣接する前記素子部のあいだに設けられた隙間を跨ぎ、隣接する前記第1の電極部を繋ぐ第1の連結部及び前記隙間を跨ぎ、隣接する前記第2の電極部を繋ぐ第2の連結部を形成する工程と、
前記隙間に沿って前記ウェーハを分割するとともに前記隙間を跨ぐ前記第1の連結部の途中及び前記第2の連結部の途中を切断する工程と、
切断によって形成された前記第1の連結部の端部及び前記第2の連結部の端部をエッチングして前記ウェーハの切断面から後退させる工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
ウェーハに複数の素子部を形成する工程と、
前記複数の素子部の上において、前記複数の素子部のそれぞれと導通する第1の電極部、前記複数の素子部のそれぞれと導通し前記第1の電極部と離間する第2の電極部、隣接する前記素子部のあいだに設けられた隙間を繋ぎ、隣接する前記第1の電極部を繋ぐ第1の連結部及び前記隙間を跨ぎ、隣接する前記第2の電極部を繋ぐ第2の連結部を形成する工程と、
前記複数の素子部を素子区分として前記素子区分の単位で特性の評価を行い、予め定められた条件を満たしている場合には前記素子区分の単位で前記ウェーハを分割し、前記予め定められた条件を満たしていない場合には前記素子区分内の前記隙間に沿って前記ウェーハを分割する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−104513(P2012−104513A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248867(P2010−248867)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】