説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】高耐圧MISFETを含む半導体装置の信頼性向上を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜という異なる種類の膜から形成する。具体的に、高耐圧MISFETQ4では、ゲート絶縁膜GOX4を、酸化シリコン膜PREOX1と、この酸化シリコン膜PREOX1上に形成された酸化シリコン膜OX1と、酸化シリコン膜OX1上に形成された窒化シリコン膜SN1と、窒化シリコン膜SN1上に形成された酸化シリコン膜OX2から形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、特に、同一の半導体基板上に不揮発性メモリと、ゲート耐圧の高い高耐圧MISFETを備える半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2004−296683号公報(特許文献1)および特開2004−047889号公報(特許文献2)には、不揮発性メモリセルであるMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタの半導体基板とメモリゲート電極の間に形成される第1酸化シリコン膜と窒化シリコン膜と第2酸化シリコン膜からなる積層膜(ONO膜という)を、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜として使用する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−296683号公報
【特許文献2】特開2004−047889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、半導体チップには、内部回路と入出力回路(I/O(Input/Output)回路)が形成されている。内部回路には、不揮発性メモリやCPU(Central Processing Unit)が形成されており、例えば、不揮発性メモリは、MONOS型トランジスタから形成され、CPUを構成するロジック回路は、ゲート耐圧が低く、電流駆動力の大きな低耐圧MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)から形成される。一方、不揮発性メモリの昇圧回路や入出力回路は、ゲート電極に比較的大きな電圧が印加されることから、ゲート耐圧の高い高耐圧MISFETから形成される。
【0005】
低耐圧MISFETと高耐圧MISFETの相違点の1つは、半導体基板とゲート電極の間に形成されるゲート絶縁膜の膜厚である。つまり、高耐圧MISFETでは、ゲート電極に大きな電圧が印加されるので、ゲート電極に比較的大きな電圧が印加された場合であってもゲート絶縁膜が破壊されないように、ゲート絶縁膜の膜厚が厚くなっている。すなわち、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜の膜厚は、低耐圧MISFETのゲート絶縁膜の膜厚よりも厚く形成されている。
【0006】
ゲート絶縁膜は、例えば、酸化シリコン膜から形成される。したがって、高耐圧MISFETのゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜という一種類の膜から形成されることになる。この場合、例えば、ゲート絶縁膜を構成する酸化シリコン膜にピンホールが形成されると、高耐圧MISFETでは、ゲート電極に比較的高い電圧が印加されるので、ゲート絶縁膜に形成されたピンホールを介して、ゲート電極と半導体基板の間にリーク電流が流れ、高耐圧MISFETの動作不良を招くことになる。つまり、ゲート絶縁膜を酸化シリコン膜という一種類の膜から形成すると、この酸化シリコン膜にピンホールが形成される場合、このピンホールが酸化シリコン膜を貫通するように形成されやすくなる。この結果、ゲート電極に比較的大きな電圧を印加する高耐圧MISFETでは、酸化シリコン膜に形成されたピンホールを介したリーク電流が発生しやすくなり、高耐圧MISFETの信頼性低下を招くことになる。
【0007】
本発明の目的は、高耐圧MISFETを含む半導体装置の信頼性向上を図ることができる技術を提供することにある。
【0008】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
代表的な実施の形態における半導体装置は、半導体基板のメモリセル形成領域に形成されたメモリセルと、前記半導体基板の高耐圧MISFET形成領域に形成された高耐圧MISFETとを有する。このとき、前記メモリセルは、(a)前記半導体基板上に形成され、前記メモリセルの第1電位障壁膜として機能する第1酸化シリコン膜と、(b)前記第1酸化シリコン膜上に形成され、前記メモリセルの電荷蓄積膜として機能する窒化シリコン膜とを有する。さらに、(c)前記窒化シリコン膜上に形成され、前記メモリセルの第2電位障壁膜として機能する第2酸化シリコン膜と、(d)前記第2酸化シリコン膜上に形成された第1ゲート電極と、(e)前記半導体基板内に形成された第1ソース領域および第1ドレイン領域とを有する。一方、前記高耐圧MISFETは、(f)前記半導体基板上に形成された第1絶縁膜と、(g)前記第1絶縁膜上に形成された前記第1酸化シリコン膜と、(h)前記第1酸化シリコン膜上に形成された前記窒化シリコン膜と、(i)前記窒化シリコン膜上に形成された前記第2酸化シリコン膜とを有する。さらに、(j)前記第2酸化シリコン膜上に形成された第2ゲート電極と、(k)前記半導体基板内に形成された第2ソース領域および第2ドレイン領域とを有する。ここで、前記高耐圧MISFETでは、前記第1絶縁膜と前記第1酸化シリコン膜と前記窒化シリコン膜と前記第2酸化シリコン膜からなる積層膜が、前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜として機能することを特徴とするものである。
【0011】
また、代表的な実施の形態における半導体装置の製造方法は、半導体基板のメモリセル形成領域に形成されたメモリセルと、前記半導体基板の高耐圧MISFET形成領域に形成された高耐圧MISFETとを有する半導体装置の製造方法に関する。この半導体装置の製造方法は、(a)前記半導体基板の主面全面に第1絶縁膜を形成する工程と、(b)前記半導体基板の前記メモリセル形成領域に形成されている前記第1絶縁膜を除去する工程とを有する。そして、(c)前記(b)工程後、前記半導体基板の前記主面全面に第1酸化シリコン膜を形成することにより、前記メモリセル形成領域では、前記半導体基板上に前記第1酸化シリコン膜を形成し、かつ、前記高耐圧MISFET形成領域では、前記第1絶縁膜上に前記第1酸化シリコン膜を形成する工程とを有する。さらに、(d)前記(c)工程後、前記第1酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜を形成する工程と、(e)前記(d)工程後、前記窒化シリコン膜上に第2酸化シリコン膜を形成する工程と、(f)前記(e)工程後、前記第2酸化シリコン膜上に第1導体膜を形成する工程とを有する。次に、(g)前記(f)工程後、前記第1導体膜をパターニングすることにより、前記メモリセル形成領域では、前記メモリセルの第1ゲート電極を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域では、前記高耐圧MISFETの第2ゲート電極を形成する工程とを有する。続いて、(h)前記(g)工程後、前記メモリセル形成領域に形成されている前記第1ゲート電極をマスクとして、順次、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜をエッチングすることにより、前記第2酸化シリコン膜からなる前記メモリセルの第2電位障壁膜、前記窒化シリコン膜からなる前記メモリセルの電荷蓄積膜、前記第1酸化シリコン膜からなる前記メモリセルの第1電位障壁膜を形成する。これとともに、前記高耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2ゲート電極をマスクとして、順次、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜、前記第1絶縁膜をエッチングすることにより、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜、および、前記第1絶縁膜の積層膜からなる前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜を形成する。その後、(i)前記(h)工程後、前記メモリセル形成領域の前記半導体基板内に、前記メモリセルの第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に、前記高耐圧MISFETの第2ソース領域および第2ドレイン領域を形成する工程を有する。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0013】
高耐圧MISFETを含む半導体装置の信頼性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における非接触タイプのICカードを示す図である。
【図2】実施の形態1におけるICカードの概略回路構成を示す回路ブロック図である。
【図3】半導体基板に形成されているMONOS型トランジスタ、低耐圧MISFET、中耐圧MISFET、および、高耐圧MISFETのデバイス構造を示す断面図である。
【図4】一般的な高耐圧MISFETのゲート電極近傍を拡大して示す図である。
【図5】実施の形態1における高耐圧MISFETのゲート電極近傍を拡大して示す図である。
【図6】比較例1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図20】図19に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図21】図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図22】図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図23】図22に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図24】図23に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図25】実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図26】図25に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図27】図26に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図28】図27に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図29】図28に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図30】図29に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図31】図30に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図32】図31に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図33】図32に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図34】図33に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図35】図34に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図36】図35に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図37】図36に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図38】図37に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図39】図38に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図40】図39に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図41】比較例2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図42】図41に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図43】図42に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図44】図43に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図45】図44に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図46】図45に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図47】図46に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図48】図47に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図49】図48に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図50】図49に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図51】図50に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図52】図51に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図53】図52に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図54】実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図55】図54に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図56】図55に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図57】図56に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図58】図57に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図59】図58に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図60】図59に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図61】図60に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図62】図61に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図63】図62に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図64】図63に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図65】図64に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図66】実施の形態3における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【図67】図66に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0016】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0017】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0018】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0019】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0020】
(実施の形態1)
ICカードは、メモリやマイクロプロセッサを内蔵した半導体チップ(ICチップ)をカードに搭載したものである。このICカードは、磁気カードに比べて格段に多くの情報を記憶することができるとともに、偽造やデータの改ざんがされにくく、セキュリティ性が高いという利点を有している。
【0021】
このようなICカードには、まず、接点タイプのICカードがある。この接点タイプのICカードは、ICカードの表面に8つの接触電極を有しており、この接触電極にリーダの接触端子を接続させることにより、ICカードへ情報の読み書きを行なう。つまり、接点タイプのICカードはリーダに挿入することで、リーダの接触端子とICカードの接触電極が擦れ合って接続される。したがって、ICカードをリーダに挿入するたびに、ICカードの接触電極とリーダの接触端子が擦れ合うため、ICカードの接触電極に磨耗や汚れの付着が発生し、ICカードとリーダとの接触不良が生じやすい。さらに、接点タイプのICカードでは、表面に形成されている接触電極における静電気放電によって、半導体チップの内部に形成されている集積回路が破壊されるおそれも生じる。また、接点タイプのICカードの表面に形成されている接触電極は、ICカードの中心に対して偏った位置にあるので、ICカードをリーダに挿入する際、前後・左右・表裏の方向を確認して挿入しなければならない煩わしさもある。
【0022】
そこで、近年では、接触電極を使用する接点タイプのICカードに代わって、電磁誘導を使用する非接触タイプのICカードが実用化されている。この非接触タイプのICカードは、ICカードをリーダの発生する電磁界に近づけるだけで、ICカードへ情報の読み書きを行なうことができるように構成されている。したがって、非接触タイプのICカードによれば、リーダとの接続に接触電極を使用しなくてもよいので、接触電極の磨耗の問題も発生せず、また、ICカードをリーダに挿入する機構も不必要となる利点がある。さらには、非接触タイプのICカードでは、方向性や位置合わせも気にしなくてよいので、取り扱いが大変便利になるという利点も有している。
【0023】
本実施の形態1では、半導体装置として、上述した利点を有する非接触タイプのICカードを例に挙げて、本発明の技術的思想を説明する。図1は、本実施の形態1における非接触タイプのICカード1を示す図である。図1において、本実施の形態1におけるICカード1は、矩形形状をしており、ICカード1の内部に、半導体チップCHPと、アンテナコイル3が埋め込まれている。半導体チップCHPの内部には、トランジスタなどの半導体素子からなる集積回路が形成されており、集積回路が形成された半導体チップCHPがアンテナコイル3と接続されている。このアンテナコイル3は、例えば、プラスチック板上に導体を付着させたシートを貼り付け、この導体をパターニングすることにより形成することができる。
【0024】
次に、上述した非接触タイプのICカード1の回路構成について説明する。図2は、本実施の形態1におけるICカード1の概略回路構成を示す回路ブロック図である。図2に示すように、半導体チップCHPの接続端子LA、LBには、プラスティックカードの外周部近傍に埋め込まれたアンテナとなるアンテナコイル3が接続されている。このアンテナコイル3は、ICカード1の動作時に、カード端末機(リーダライタ)からの電波を受け、電力供給や情報通信などを行なう際に使用されるものである。
【0025】
半導体チップCHPは、図2に示すように、RF部アナログ回路4、および、マイコン部5から構成されている。RF部アナログ回路4は、整流回路6、レギュレータ7、基準電圧回路8、受信回路9、送信回路10、ならびに、検出回路11からなる。マイコン部5は、CPU12、ROM13、RAM(Random Access Memory)14、およびEEPROM15から構成されている。
【0026】
整流回路6には、アンテナコイル3の両端部がそれぞれ接続されている。整流回路6は、リーダライタなどの外部装置RWから放射される電波を受けることにより、アンテナコイル3に電磁誘導によって電流が流れ、このアンテナコイル3の両端発生した交流電圧を整流して直流電圧に変換するように構成されている。
【0027】
レギュレータ7には、整流回路6が接続されており、レギュレータ7は、上述した整流回路6が整流した直流電圧を安定化し、内部電源電圧Vddを生成するように構成されている。基準電圧回路8は、例えば、バンドギャップ回路からなり、レギュレータ7に用いられる基準電圧Vrefを生成するようになっている。
【0028】
受信回路9は、アンテナコイル3が受信した搬送波の振幅を入力ディジタル信号に対応させて変化させたASK(Amplitude Shift Keying:振幅シフトキーイング)信号のデータを復調してCPU12に出力するように構成されている。
【0029】
送信回路10は、CPU12から出力されたデータをASK変調し、アンテナコイル3から送信するように構成されている。検出回路11は、搬送波の周波数、内部電源電圧Vddの電圧レベル、ICカード1内の温度などを検出し、異常の際にCPU12にリセット信号を出力して、CPU12をリセットさせるように構成されている。
【0030】
マイコン部5において、CPU12、ROM13、RAM14、およびEEPROM15は、内部バスBにより相互にそれぞれ接続されている。CPU12は、ROM13に格納されたプログラムに基づいてICカード1におけるすべての制御を司る。
【0031】
ROM13は読み出し専用メモリであり、ICカード1の制御プログラムなどが格納されている。RAM14は揮発性メモリからなり、ICカード1の接触動作時に、ICカード1から入出力されるデータを一時的に格納する。
【0032】
EEPROM15は電気的に消去/書き換えが可能なメモリであり、外部装置RWとの間での通信を暗号化するために暗号化鍵や金融決済情報など、またRAM14に一時的に格納されたデータなどを格納する。
【0033】
上述したように、ICカード1に内蔵されている半導体チップCHPには、様々な種類の回路が形成されており、それぞれの回路に適したトランジスタ(MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が使用されている。
【0034】
例えば、EEPROM15は、書き込み動作および消去動作とも電気的に書き換え可能な不揮発性メモリの一種であり、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリとも呼ばれる。このEEPROM15のメモリセルは、記憶(メモリ)用の例えばMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)型トランジスタから構成される。EEPROM15の書き込み動作および消去動作には、例えば、トンネル現象が利用される。
【0035】
CPU(回路)12は、中央演算処理部とも呼ばれ、コンピュータなどの心臓部にあたる。このCPU12は、記憶装置から命令(プログラム)を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算や制御を行なうものである。このようなCPU12は、例えば、電流駆動力の大きな低耐圧MISFETから構成されている。つまり、CPU12は、内部電源電圧Vddによって動作する回路であり、半導体チップCHPに形成されているMISFETの微細化に伴って、微細化されたMISFETを駆動する内部電源電圧Vddも低電圧化(約1.5V)されている。したがって、CPU12は、低電圧化された内部電源電圧Vddよりも大きな電圧が印加されないことと、CPU12には高速処理が要求されることから、CPU12には、電流駆動力の大きな低耐圧MISFETが使用される。
【0036】
一方、上述したEEPROM15は、MONOS型トランジスタから構成されるメモリセルがアレイ状(行列状)に配置されたメモリセルアレイと、このメモリセルアレイを制御する周辺回路から形成されている。この周辺回路の中には、メモリセルに情報を書き込む書き込み動作や、メモリセルに記憶されている情報を消去する消去動作に使用される昇圧回路が含まれている。つまり、EEPROM15も基本的に、内部電源電圧Vddで動作するようになっているが、EEPROM15の書き込み動作や消去動作の際、内部電源電圧Vddよりも高い電圧が必要となる。このため、EEPROM15を構成する周辺回路の中には、内部電源電圧Vddから、内部電源電圧Vddよりも高い電圧を生成する昇圧回路が含まれている。この昇圧回路は、内部電源電圧Vddよりも高い電圧を取り扱うため、昇圧回路を構成するトランジスタは、上述した低耐圧MISFETよりも耐圧(ゲート耐圧)の大きな中耐圧MISFET(例えば、5V系MISFET)が使用される。
【0037】
さらに、本実施の形態1における半導体チップCHPでは、中耐圧MISFETよりも耐圧(ゲート耐圧)が大きな高耐圧MISFETも使用される。この高耐圧MISFETは、例えば、半導体チップCHPの接続端子(パッド)LA、LBと、RF部アナログ回路4の間に形成されるI/O(Input/Output)回路(入出力回路)や、RF部アナログ回路を構成するトランジスタに使用される。
【0038】
このように、I/O回路やRF部アナログ回路に高耐圧MISFETを使用する理由について説明する。本実施の形態1で対象としている半導体装置は、非接触タイプのICカード1である。このICカード1では、磁場を発生している外部装置RWにICカード1を近づけることにより、ICカード1に埋め込まれているアンテナコイル3を貫く磁束を変化させる。すると、電磁誘導によって、アンテナコイル3に誘導起電力が発生し、この誘導起電力が、I/O回路を介して、RF部アナログ回路4に入力される。そして、RF部アナログ回路4で、誘導起電力に基づいて、内部電源電圧Vddの生成や、送受信信号の処理が行なわれる。
【0039】
このとき、電磁誘導によって発生する誘導起電力は、アンテナコイル3を貫く磁束の時間変化が大きくなればなるほど、大きくなる。したがって、ICカード1を外部装置RWに近づける近づけ方によっては、アンテナコイル3を貫く磁束の時間変化が予想以上に大きくなり、予想外に大きな誘導起電力が発生することが考えられる。このように大きな誘導起電力が発生した場合であっても、ICカード1は故障せずに正常に動作することが要求される。このことから、非接触タイプのICカード1では、予想外に大きな誘導起電力が発生することも考慮し、大きな誘導起電力が発生しても破壊されない程度の耐圧を有するMISFETを使用する必要がある。特に、誘導起電力が印加されるI/O回路やRF部アナログ回路4では、予想外に大きな誘導起電力に対しても破壊されない高耐圧MISFETを使用する必要があるのである。
【0040】
以上のように、非接触タイプのICカード1に内蔵される半導体チップCHPには、少なくとも、性能の異なる4種類のトランジスタが使用されることがわかる。例えば、EEPROM15のメモリセルには、MONOS型トランジスタが使用され、EEPROM15の周辺回路の一部を構成する昇圧回路には、中耐圧MISFETが使用される。そして、CPU12には、低耐圧MISFETが使用され、I/O回路やRF部アナログ回路4には、高耐圧MISFETが使用される。
【0041】
続いて、上述したMONOS型トランジスタ、低耐圧MISFET、中耐圧MISFET、および、高耐圧MISFETのデバイス構造について図面を参照しながら説明する。図3は、MONOS型トランジスタ、低耐圧MISFET、中耐圧MISFET、および、高耐圧MISFETのデバイス構造を示す断面図である。具体的に、図3では、半導体基板1Sのメモリセル(EEPROM15のメモリセル)形成領域MCRにMONOS型トランジスタQ1が形成され、半導体基板1Sの低耐圧MISFET形成領域LTRに低耐圧MISFETQ2が形成されている。そして、半導体基板1Sの中耐圧MISFET形成領域MTRに中耐圧MISFETQ3が形成され、半導体基板1Sの高耐圧MISFET形成領域HTRに高耐圧MISFETQ4が形成されている。
【0042】
まず、図3において、メモリセルを構成するMONOS型トランジスタQ1の構成について説明する。半導体基板1S上には素子を分離する素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで分離された活性領域にMONOS型トランジスタQ1が形成されている。メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内には、ウェル分離層NISOが形成されており、このウェル分離層NISO上にp型ウェルPWL1が形成されている。半導体基板1Sおよびp型ウェルPWL1には、ボロン(ホウ素)などのp型不純物が導入されている。一方、ウェル分離層NISOには、リンや砒素などのn型不純物が導入されている。半導体基板1Sに形成されたp型ウェルPWL1上にMONOS型トランジスタQ1が形成されている。
【0043】
具体的に、半導体基板1S内に形成されたp型ウェルPWL1上に第1電位障壁膜EB1が形成されており、この第1電位障壁膜EB1上に電荷蓄積膜ECが形成されている。そして、この電荷蓄積膜EC上に第2電位障壁膜EB2が形成され、この第2電位障壁膜EB2上に導電膜からなるメモリゲート電極G1が形成されている。メモリゲート電極G1は、低抵抗化を図るため、例えば、ポリシリコン膜PF1とシリサイド膜CSの積層膜から構成されている。シリサイド膜CSは、例えば、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、または、プラチナシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜などから形成されている。メモリゲート電極G1の両側の側壁には、酸化シリコン膜(ライト酸化シリコン膜)LOX1を介して、LDD(Lightly Doped Drain)構造を形成するため、例えば、絶縁膜からなるサイドウォールSWが形成されている。
【0044】
サイドウォールSW直下の半導体基板1S内には、半導体領域として、n型不純物拡散領域EX1が形成されており、このn型不純物拡散領域EX1の外側に、n型不純物拡散領域NR1が形成されている。そして、n型不純物拡散領域NR1の表面には、低抵抗化のためのシリサイド膜CSが形成されている。
【0045】
サイドウォールSWは、MONOS型トランジスタQ1の半導体領域であるソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするために形成されたものである。すなわち、MONOS型トランジスタQ1のソース領域およびドレイン領域は、n型不純物拡散領域EX1とn型不純物拡散領域NR1より形成されている。このとき、n型不純物拡散領域EX1の不純物濃度は、n型不純物拡散領域NR1の不純物濃度よりも低くなっている。したがって、サイドウォールSW下のソース領域およびドレイン領域を低濃度のn型不純物拡散領域EX1とすることにより、メモリゲート電極G1の端部下における電界集中を抑制できる。
【0046】
上記のように構成されたMONOS型トランジスタQ1において、第1電位障壁膜EB1は、例えば、酸化シリコン膜OX1から形成されている。この第1電位障壁膜EB1は、電荷蓄積膜ECに蓄積された電荷が半導体基板1Sへリークすることを抑制する電位障壁膜として機能するとともに、トンネル絶縁膜としても機能する。すなわち、MONOS型トランジスタQ1は、半導体基板1Sから第1電位障壁膜EB1を介して電荷蓄積膜ECに電子を注入したり、電荷蓄積膜ECに蓄積した電子を半導体基板1Sに放出したりすることにより、データの記憶や消去を行なうので、第1電位障壁膜EB1は、トンネル絶縁膜としても機能するのである。なお、この第1電位障壁膜EB1は、酸化シリコン膜OX1に限らず、窒素を導入した酸化シリコン膜で形成することもできる。
【0047】
そして、この第1電位障壁膜EB1上に形成されている電荷蓄積膜ECは、電荷を蓄積する機能を有している。具体的に、本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECを窒化シリコン膜SN1から形成している。本実施の形態1におけるメモリセルの記憶部は、電荷蓄積膜ECに蓄積される電荷の有無によって、メモリゲート電極G1下の半導体基板1S内を流れる電流を制御することにより、情報を記憶するようになっている。つまり、電荷蓄積膜ECに蓄積される電荷の有無によって、メモリゲート電極G1下の半導体基板1S内を流れる電流のしきい値電圧が変化することを利用して情報を記憶している。
【0048】
本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECとしてトラップ準位を有する絶縁膜を使用している。このトラップ準位を有する絶縁膜の一例として窒化シリコン膜SN1が挙げられるが、窒化シリコン膜SN1に限らず、例えば、酸化アルミニウム膜(アルミナ)、酸化ハフニウム膜または酸化タンタル膜など、窒化シリコン膜よりも高い誘電率を有する高誘電率膜を使用してもよい。電荷蓄積膜ECとしてトラップ準位を有する絶縁膜を使用する場合、電荷は絶縁膜に形成されているトラップ準位に捕獲される。このようにトラップ準位に電荷を捕獲することにより、絶縁膜中に電荷を蓄積するようになっている。
【0049】
従来、電荷蓄積膜ECとしてポリシリコン膜が主に使用されてきたが、電荷蓄積膜ECとしてポリシリコン膜を使用した場合、電荷蓄積膜ECを取り囲む絶縁膜のどこか一部に欠陥があると、電荷蓄積膜ECが導電膜であるため、異常リークにより電荷蓄積膜ECに蓄積された電荷がすべて抜けてしまうことが起こりうる。
【0050】
そこで、本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECとして、絶縁膜である窒化シリコン膜SN1が使用されている。この場合、データ記憶に寄与する電荷は、窒化シリコン膜SN1中に存在する離散的なトラップ準位(捕獲準位)に蓄積される。したがって、電荷蓄積膜ECを取り囲む絶縁膜中の一部に欠陥が生じても、電荷は電荷蓄積膜ECの離散的なトラップ準位に蓄積されているため、すべての電荷が電荷蓄積膜ECから抜け出てしまうことがない。このため、本実施の形態1におけるMONOS型トランジスタQ1によれば、データ保持の信頼性向上を図ることができる。
【0051】
このような理由から、電荷蓄積膜ECとして、窒化シリコン膜SN1に限らず、離散的なトラップ準位を含むような膜を使用することにより、データ保持特性の向上を図ることができる。さらに、本実施の形態1では、電荷蓄積膜ECとしてデータ保持特性に優れた窒化シリコン膜SN1を使用している。このため、電荷蓄積膜ECからの電荷の流出を防止するために設けられている第1電位障壁膜EB1および第2電位障壁膜EB2の膜厚を薄くすることができる。これにより、メモリセルを駆動する電圧を低電圧化することができる利点も有していることになる。
【0052】
そして、電荷蓄積膜EC上に形成されている第2電位障壁膜EB2は、例えば、酸化シリコン膜OX2から形成されている。ここで、本実施の形態1におけるMONOS型トランジスタQ1では、第1電位障壁膜EB1の膜厚が、第2電位障壁膜EB2の膜厚よりも薄くなっている。具体的に、第1電位障壁膜EB1を構成する酸化シリコン膜OX1の膜厚は、第2電位障壁膜EB2を構成する酸化シリコン膜OX2の膜厚よりも薄くなっている。これは、本実施の形態1におけるMONOS型トランジスタQ1では、半導体基板1S(p型ウェルPWL1)から第1電位障壁膜EB1を介して電子を電荷蓄積膜ECに注入することにより、書き込み動作を行ない、かつ、半導体基板1S(p型ウェルPWL1)から第1電位障壁膜EB1を介して正孔を電荷蓄積膜ECに注入することにより、消去動作を行なうためである。つまり、本実施の形態1におけるMONOS型トランジスタQ1は、第1電位障壁膜EB1をトンネル絶縁膜として使用しており、第1電位障壁膜EB1をトンネル絶縁膜として機能させるには、膜厚を非常に薄くする必要があるからである。このことを表現するため、本実施の形態1では、トンネル絶縁膜として使用する第1電位障壁膜EB1の膜厚が第2電位障壁膜EB2の膜厚よりも薄くなっていると表現している。なお、上述した書き込み動作とは、電荷蓄積膜ECに電子を注入して、MONOS型トランジスタQ1のしきい値電圧を高くする動作をいい、消去動作とは、電荷蓄積膜ECに正孔を注入して、MONOS型トランジスタQ1のしきい値電圧を低くする動作として定義される。以上のようにして、メモリセル形成領域MCRにMONOS型トランジスタQ1が形成されている。
【0053】
次に、図3において、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成された低耐圧MISFETQ2の構成について説明する。半導体基板1S上には素子を分離する素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで分離された活性領域に低耐圧MISFETQ2が形成されている。低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内には、ウェル分離層NISOが形成されており、このウェル分離層NISO上にp型ウェルPWL2が形成されている。半導体基板1Sおよびp型ウェルPWL2には、ボロン(ホウ素)などのp型不純物が導入されている。一方、ウェル分離層NISOには、リンや砒素などのn型不純物が導入されている。半導体基板1Sに形成されたp型ウェルPWL2上に低耐圧MISFETQ2が形成されている。
【0054】
低耐圧MISFETQ2では、半導体基板1S内に形成されたp型ウェルPWL2上にゲート絶縁膜GOX2が形成されており、このゲート絶縁膜GOX2上にゲート電極G2が形成されている。ゲート絶縁膜GOX2は、例えば、酸化シリコン膜OX4から形成され、ゲート電極G2は、低抵抗化のため、例えば、ポリシリコン膜PF2とシリサイド膜CSの積層膜から形成されている。シリサイド膜CSは、例えば、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、または、プラチナシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜などから形成されている。
【0055】
ゲート電極G2の両側の側壁には、サイドウォールSWが形成されており、このサイドウォールSW下の半導体基板1S内には、半導体領域として、n型不純物拡散領域EX2が形成されている。サイドウォールSWは、例えば、酸化シリコン膜などの絶縁膜から形成されている。そして、n型不純物拡散領域EX2の外側にn型不純物拡散領域NR2が形成され、このn型不純物拡散領域NR2の表面にシリサイド膜CSが形成されている。
【0056】
サイドウォールSWは、低耐圧MISFETQ2の半導体領域であるソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするために形成されたものである。すなわち、低耐圧MISFETQ2のソース領域およびドレイン領域は、n型不純物拡散領域EX2とn型不純物拡散領域NR2より形成されている。このとき、n型不純物拡散領域EX2の不純物濃度は、n型不純物拡散領域NR2の不純物濃度よりも低くなっている。したがって、サイドウォールSW下のソース領域およびドレイン領域を低濃度のn型不純物拡散領域EX2とすることにより、ゲート電極G2の端部下における電界集中を抑制できる。
【0057】
続いて、図3において、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成された中耐圧MISFETQ3の構成について説明する。半導体基板1S上には素子を分離する素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで分離された活性領域に中耐圧MISFETQ3が形成されている。中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内には、ウェル分離層NISOが形成されており、このウェル分離層NISO上にp型ウェルPWL3が形成されている。半導体基板1Sおよびp型ウェルPWL3には、ボロン(ホウ素)などのp型不純物が導入されている。一方、ウェル分離層NISOには、リンや砒素などのn型不純物が導入されている。半導体基板1Sに形成されたp型ウェルPWL3上に中耐圧MISFETQ3が形成されている。
【0058】
中耐圧MISFETQ3では、半導体基板1S内に形成されたp型ウェルPWL3上にゲート絶縁膜GOX3が形成されており、このゲート絶縁膜GOX3上にゲート電極G3が形成されている。ゲート絶縁膜GOX3は、例えば、酸化シリコン膜OX3と酸化シリコン膜OX4の積層膜から形成され、ゲート電極G3は、低抵抗化のため、例えば、ポリシリコン膜PF2とシリサイド膜CSの積層膜から形成されている。シリサイド膜CSは、例えば、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、または、プラチナシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜などから形成されている。
【0059】
ゲート電極G3の両側の側壁には、サイドウォールSWが形成されており、このサイドウォールSW下の半導体基板1S内には、半導体領域として、n型不純物拡散領域EX3が形成されている。サイドウォールSWは、例えば、酸化シリコン膜などの絶縁膜から形成されている。そして、n型不純物拡散領域EX3の外側にn型不純物拡散領域NR3が形成され、このn型不純物拡散領域NR3の表面にシリサイド膜CSが形成されている。
【0060】
サイドウォールSWは、中耐圧MISFETQ3の半導体領域であるソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするために形成されたものである。すなわち、中耐圧MISFETQ3のソース領域およびドレイン領域は、n型不純物拡散領域EX3とn型不純物拡散領域NR3より形成されている。このとき、n型不純物拡散領域EX3の不純物濃度は、n型不純物拡散領域NR3の不純物濃度よりも低くなっている。したがって、サイドウォールSW下のソース領域およびドレイン領域を低濃度のn型不純物拡散領域EX3とすることにより、ゲート電極G3の端部下における電界集中を抑制できる。
【0061】
次に、図3において、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成された高耐圧MISFETQ4の構成について説明する。半導体基板1S上には素子を分離する素子分離領域STIが形成されており、この素子分離領域STIで分離された活性領域に高耐圧MISFETQ4が形成されている。高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内には、ウェル分離層NISOが形成されており、このウェル分離層NISO上にp型ウェルPWL4が形成されている。半導体基板1Sおよびp型ウェルPWL4には、ボロン(ホウ素)などのp型不純物が導入されている。一方、ウェル分離層NISOには、リンや砒素などのn型不純物が導入されている。半導体基板1Sに形成されたp型ウェルPWL4上に高耐圧MISFETQ4が形成されている。
【0062】
高耐圧MISFETQ4では、半導体基板1S内に形成されたp型ウェルPWL4上にゲート絶縁膜GOX4が形成されており、このゲート絶縁膜GOX4上にゲート電極G4が形成されている。ゲート絶縁膜GOX4は、例えば、酸化シリコン膜PREOX1と、酸化シリコン膜OX1と、窒化シリコン膜SN1と、酸化シリコン膜OX2の積層膜から形成されている。このとき、本実施の形態1では、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1とを合わせた膜厚が、酸化シリコン膜OX2の膜厚よりも厚くなっている。なお、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1は同じ種類の膜から形成されているので、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1とは一体化しているということができる。また、ゲート電極G4は、低抵抗化のため、例えば、ポリシリコン膜PF1とシリサイド膜CSの積層膜から形成されている。シリサイド膜CSは、例えば、コバルトシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、または、プラチナシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜などから形成されている。
【0063】
ゲート電極G4の両側の側壁には、酸化シリコン膜(ライト酸化シリコン膜)LOX1を介して、サイドウォールSWが形成されており、このサイドウォールSW下の半導体基板1S内には、半導体領域として、n型不純物拡散領域EX4が形成されている。サイドウォールSWは、例えば、酸化シリコン膜などの絶縁膜から形成されている。そして、n型不純物拡散領域EX4の外側にn型不純物拡散領域NR4が形成され、このn型不純物拡散領域NR4の表面にシリサイド膜CSが形成されている。
【0064】
サイドウォールSWは、高耐圧MISFETQ4の半導体領域であるソース領域およびドレイン領域をLDD構造とするために形成されたものである。すなわち、高耐圧MISFETQ4のソース領域およびドレイン領域は、n型不純物拡散領域EX4とn型不純物拡散領域NR4より形成されている。このとき、n型不純物拡散領域EX4の不純物濃度は、n型不純物拡散領域NR4の不純物濃度よりも低くなっている。したがって、サイドウォールSW下のソース領域およびドレイン領域を低濃度のn型不純物拡散領域EX4とすることにより、ゲート電極G4の端部下における電界集中を抑制できる。
【0065】
次に、図3に示すように、MONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4を形成した半導体基板1Sの上方には多層配線が形成されている。以下に、多層配線の構成について説明する。図3に示すように、MONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4を形成した半導体基板1S上には、MONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4を覆うように窒化シリコン膜SN2が形成されており、この窒化シリコン膜SN2上にコンタクト層間絶縁膜CILが形成されている。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、オゾンとTEOS(tetra ethyl ortho silicate)とを原料に使用した熱CVD法により形成されるオゾンTEOS膜と、このオゾンTEOS膜上に設けられたTEOSを原料に使用したプラズマCVD法により形成されるプラズマTEOS膜との積層膜から形成されている。そして、このコンタクト層間絶縁膜CILおよび窒化シリコン膜SN2を貫通して、MONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4のソース領域やドレイン領域に達するプラグPLGが形成されている。このプラグPLGは、例えば、チタン膜と、チタン膜上に形成された窒化チタン膜と、窒化チタン膜上に形成されたタングステン膜とをコンタクトホールCNTに埋め込むことにより形成されている。チタン膜および窒化チタン膜は、タングステン膜を構成するタングステンがシリコン中へ拡散することを防止するために設けられている膜である。なお、コンタクト層間絶縁膜CILは、酸化シリコン膜(SiO膜)、SiOF膜のいずれかの膜から形成されていてもよい。
【0066】
続いて、コンタクト層間絶縁膜CIL上に第1配線層として配線L1が形成されている。具体的に、配線L1は、プラグPLGを形成したコンタクト層間絶縁膜CIL上に形成されたバリア絶縁膜(図示せず)と層間絶縁膜IL1に埋め込まれるように形成されている。つまり、バリア絶縁膜(図示せず)と層間絶縁膜IL1を貫通して底部でプラグPLGが露出する配線溝に、バリア導体膜と、銅を主体とする膜(以下、銅膜と記載する)を埋め込むことにより、配線L1が形成されている。つまり、配線L1は、配線溝の側面と底面を覆うように形成されたバリア導体膜と、バリア導体膜上で配線溝を埋め込むように形成された銅膜から形成されている。さらに、配線L1上に多層配線が形成されるが、本実施の形態1では、その説明を省略する。以上のようにして、半導体基板1S上にMONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4が形成され、このMONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4の上方に配線L1が形成されている。
【0067】
本実施の形態1における半導体装置は上記のように構成されており、まず、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4の相違点の1つについて説明する。低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3、および、高耐圧MISFETQ4の相違点の1つは、ゲート耐圧が異なる点である。ここでいうゲート耐圧とは、ゲート電極と半導体基板1S内のチャネル形成領域との間の耐圧を意味している。具体的に、ゲート耐圧は、低耐圧MISFETQ2よりも中耐圧MISFETQ3の方が高くなっており、さらに、中耐圧MISFETQ3よりも高耐圧MISFETQ4の方が高くなっている。
【0068】
この関係を実現するデバイス構造が図3に示されている。例えば、低耐圧MISFETQ2のゲート絶縁膜GOX2は、比較的薄い酸化シリコン膜OX4から形成されている一方、中耐圧MISFETQ3のゲート絶縁膜GOX3は、比較的厚い酸化シリコン膜OX3と比較的薄い酸化シリコン膜OX4の積層膜から形成されている。したがって、低耐圧MISFETQ2のゲート絶縁膜GOX2(酸化シリコン膜OX4)は、中耐圧MISFETQ3のゲート絶縁膜GOX3(酸化シリコン膜OX3+酸化シリコン膜OX4)よりも薄く構成されている。このことは、低耐圧MISFETQ2のゲート耐圧よりも、中耐圧MISFETQ3のゲート耐圧の方が高いことを意味している。
【0069】
次に、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4は、酸化シリコン膜PREOX1と、酸化シリコン膜OX1と、窒化シリコン膜SN1と、酸化シリコン膜OX2から形成されている。したがって、図3から明らかなように、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4は、中耐圧MISFETQ3のゲート絶縁膜GOX3よりも厚く形成されていることがわかる。このことから、高耐圧MISFETQ4のゲート耐圧は、中耐圧MISFETQ3のゲート耐圧よりも高くなっている。
【0070】
ここで、本実施の形態1の特徴は、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4の構成にある。以下に、この特徴について説明する。
【0071】
まず、第1特徴点は、図3に示すように、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜という異なる種類の膜から形成している点にある。具体的に、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4では、ゲート絶縁膜GOX4を、酸化シリコン膜PREOX1と、この酸化シリコン膜PREOX1上に形成された酸化シリコン膜OX1と、酸化シリコン膜OX1上に形成された窒化シリコン膜SN1と、窒化シリコン膜SN1上に形成された酸化シリコン膜OX2から形成している。これにより、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4の信頼性向上を図ることができる。この理由について図面を参照しながら説明する。
【0072】
図4は、一般的な高耐圧MISFETQPのゲート電極近傍を拡大して示す図である。図4において、半導体基板内に形成されたp型ウェルPWL上に酸化シリコン膜OXからなるゲート絶縁膜が形成されており、この酸化シリコン膜OX上にゲート電極Gが形成されている。このように構成されている一般的な高耐圧MISFETQPでは、例えば、図4に示すように、ゲート絶縁膜を構成する酸化シリコン膜OXにピンホールPH1が形成されると、高耐圧MISFETQPでは、ゲート電極Gに比較的高い電圧が印加されるので、酸化シリコン膜OXに形成されたピンホールPH1を介して、ゲート電極Gと半導体基板の間にリーク電流が流れ、高耐圧MISFETQPの動作不良を招くことになる。つまり、ゲート絶縁膜を酸化シリコン膜OXという一種類の膜から形成すると、この酸化シリコン膜OXにピンホールPH1が形成される場合、このピンホールPH1が酸化シリコン膜OXを貫通するように形成されやすくなる。この結果、ゲート電極Gに比較的大きな電圧を印加する高耐圧MISFETQPでは、酸化シリコン膜OXに形成されたピンホールPH1を介したリーク電流が発生しやすくなり、高耐圧MISFETQPの信頼性低下を招くことになる。
【0073】
これに対し、図5は、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4のゲート電極近傍を拡大して示す図である。図5において、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4は、半導体基板内に形成されたp型ウェルPWL4上にゲート絶縁膜GOX4を有しており、このゲート絶縁膜GOX4上にゲート電極G4が形成されている。このとき、ゲート絶縁膜GOX4は、酸化シリコン膜PREOX1と、酸化シリコン膜OX1と、窒化シリコン膜SN1と、酸化シリコン膜OX2からなる積層膜で形成されている。
【0074】
例えば、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1は、半導体基板を熱酸化する熱酸化法で形成される。したがって、酸化シリコン膜PREOX1にピンホールPH2が形成されると、この酸化シリコン膜PREOX1上に形成される酸化シリコン膜OX1も半導体基板を熱酸化して形成されるものであるため、同じ位置にピンホールPHが形成されやすくなる。このことから、例えば、図5に示すように、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1を貫通するピンホールPH2が形成される。
【0075】
ところが、本実施の形態1では、酸化シリコン膜OX1上に種類の異なる窒化シリコン膜SN1を形成している。この窒化シリコン膜SN1は、例えば、熱酸化法とは異なるCVD法(Chemical Vapor Deposition)で形成されるため、ピンホールPH2上の窒化シリコン膜SN1にピンホールが形成されることはほとんどないと考えられる。すなわち、熱酸化法で形成された酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1上に、熱酸化法とは異なるCVD法で窒化シリコン膜SN1を形成しているので、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1に形成されたピンホールPH2と同じ位置の窒化シリコン膜SN1にピンホールが形成されることは確率的に極めて低いということができる。このことから、図5に示すように、たとえ酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1を貫通するピンホールPH2が形成されたとしても、このピンホールPH2は、窒化シリコン膜SN1および窒化シリコン膜SN1上に形成される酸化シリコン膜OX2を貫通することはない。つまり、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4では、ゲート絶縁膜GOX4を製法も種類も異なる酸化シリコン膜PREOX1、OX1、OX2と窒化シリコン膜SN1の積層膜で形成しているので、ゲート絶縁膜GOX4を貫通するピンホールPH2は形成されにくくなるのである。この結果、ゲート電極Gに比較的大きな電圧を印加する高耐圧MISFETQ4であっても、ピンホールPH2がゲート絶縁膜GOX4を貫通していないため、ピンホールPH2を介したリーク電流を抑制することができる。したがって、図5に示す本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4によれば、図4に示す一般的な高耐圧MISFETQPに比べて、信頼性向上を図ることができる。
【0076】
続いて、本実施の形態1における第2特徴点は、図3に示すように、MONOS型トランジスタQ1の第1電位障壁膜EB1を構成する酸化シリコン膜OX1と、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を構成する酸化シリコン膜OX1とを同じ膜から形成し、MONOS型トランジスタQ1の電荷蓄積膜ECを構成する窒化シリコン膜SN1と、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を構成する窒化シリコン膜SN1とを同じ膜から形成している点にある。さらに、MONOS型トランジスタQ1の第2電位障壁膜EB2を構成する酸化シリコン膜OX2と、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を構成する酸化シリコン膜OX2とを同じ膜で形成している点が第2特徴点である。つまり、MONOS型トランジスタQ1のONO膜(酸化シリコン膜OX1+窒化シリコン膜SN1+酸化シリコン膜OX2)を高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4の一部として利用している点が本実施の形態1における第2特徴点である。
【0077】
これにより、後述するように、MONOS型トランジスタQ1と高耐圧MISFETQ4とを備える半導体装置の製造方法において、MONOS型トランジスタQ1と高耐圧MISFETQ4の製造工程の一部を共有化することができるので、製造工程の簡略化を図ることができるのである。つまり、本実施の形態1では、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を製法も種類も異なる酸化シリコン膜PREOX1、OX1、OX2と窒化シリコン膜SN1から構成して信頼向上を図ることができるという特徴構造を、製造工程を工夫することにより簡略化して製造できるという顕著な効果を得ることができるのである。
【0078】
次に、本実施の形態1における第3特徴点は、図3に示すように、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4において、MONOS型トランジスタQ1と同じ構成を有するONO膜の下層に酸化シリコン膜PREOX1を形成している点にある。例えば、第1特徴点で説明したように、ゲート絶縁膜GOX4を貫通するピンホールを形成しない観点からは、MONOS型トランジスタQ1と同じ構成を有するONO膜だけで、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を構成することが考えられる。
【0079】
しかし、MONOS型トランジスタQ1のONO膜は、酸化シリコン膜OX1をトンネルして電子を電荷蓄積膜ECに注入することにより書き込み動作を行ない、かつ、酸化シリコン膜OX1をトンネルして正孔を電荷蓄積膜ECに注入することにより消去動作を行なうように構成されている。すなわち、ONO膜を構成する酸化シリコン膜OX1は、電子や正孔をトンネルさせる機能を有しており、トンネル効果を起こさせるために、非常に薄い膜から構成されている。
【0080】
したがって、MONOS型トランジスタQ1に使用されているONO膜を、そのまま高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4に使用すると、以下に示す不都合が生じる。例えば、高耐圧MISFETQ4をオンしている場合、ゲート電極G4の下層のチャネル形成領域に電流が流れる。この場合、ONO膜を構成する酸化シリコン膜OX1が非常に薄い膜であるので、この電流を構成する電子が非常に薄い酸化シリコン膜OX1をトンネルして酸化シリコン膜OX1上に形成されている窒化シリコン膜SN1のトラップ準位に捕獲されることが生じる。この結果、高耐圧MISFETQ4のしきい値電圧が変動することになる。つまり、MONOS型トランジスタQ1に使用されているONO膜を、そのまま高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4に使用すると、不本意なトンネル効果によって、高耐圧MISFETQ4のしきい値電圧が変動してしまう問題点が発生する。このため、MONOS型トランジスタQ1に使用されているONO膜を、そのまま高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4に使用することはできないのである。
【0081】
そこで、本実施の形態1では、図3に示すように、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4として、MONOS型トランジスタQ1に使用されているONO膜を使用するとともに、このONO膜の下層に酸化シリコン膜PREOX1を形成している。これにより、トンネル絶縁膜として機能していた酸化シリコン膜OX1の下層に比較的厚い酸化シリコン膜PREOX1が形成されることになるので、トンネル効果によって窒化シリコン膜SN1に電荷が注入されることを抑制することができる。この結果、高耐圧MISFETQ4のしきい値電圧の変動を抑制することができるのである。このように、本実施の形態1において、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を構成する酸化シリコン膜PREOX1は、トンネル効果を抑制して、電荷がONO膜を構成する窒化シリコン膜SN1に注入されることを抑制する機能を有していることになる。以上のことから、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4では、第3特徴点を実現する構成例として、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1とを合わせた膜厚が、酸化シリコン膜OX2の膜厚よりも厚くなるように構成している。
【0082】
続いて、本実施の形態1における第4特徴点は、図3に示すように、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4の一部に酸化シリコン膜よりも誘電率の高い窒化シリコン膜SN1を使用している点である。窒化シリコン膜SN1は、酸化シリコン膜よりも誘電率の高い膜である。したがって、窒化シリコン膜SN1をゲート絶縁膜GOX4の一部に使用する場合、高耐圧MISFETQ4のゲート容量(ゲート電極G4を上部電極とし、ゲート絶縁膜GOX4を容量絶縁膜とし、チャネル形成領域を下部電極とする容量素子)の低下を抑制しながら、ゲート絶縁膜GOX4の物理膜厚を厚くすることができる。このことは、高耐圧MISFETQ4の性能低下を抑制しながら、ゲート電極G4とチャネル形成領域との間のリーク電流を低下させることができるとともに、ゲート耐圧を向上できることを意味している。つまり、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4では、ゲート絶縁膜GOX4の一部に窒化シリコン膜SN1を使用することにより、高耐圧MISFETQ4の性能低下を抑制しながら、ゲート電極G4とチャネル形成領域との間のリーク電流を低下させることができ、さらに、ゲート耐圧を向上できるという顕著な効果を得ることができるのである。
【0083】
本実施の形態1における半導体装置は上記のように構成されており、以下に、その製造方法について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、まず、比較例1における半導体装置の製造方法について説明した後、この比較例1における半導体装置の製造方法を改良した本実施の形態1における半導体装置の製造方法について説明する。
【0084】
はじめに、図6〜図24を使用して比較例1における半導体装置の製造方法について説明する。図6に示すように、半導体基板1Sの主面側に素子分離領域STIを形成した後、イオン注入法を使用して、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入することにより、n型半導体領域からなるウェル分離層NISOを形成する。
【0085】
次に、図7に示すように、半導体基板1Sの主面(表面)上に酸化シリコン膜PREOX1を形成する。この酸化シリコン膜PREOX1は、例えば、熱酸化法により形成することができる。そして、図8に示すように、酸化シリコン膜PREOX1上にレジスト膜FR1を塗布した後、このレジスト膜FR1に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR1をパターニングする。レジスト膜FR1のパターニングは、低耐圧MISFET形成領域LTR、中耐圧MISFET形成領域MTR、および、高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRを露出するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR1をマスクにしたイオン注入法により、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL1を形成することができる。さらに、パターニングしたレジスト膜FR1をマスクにしたエッチングにより、メモリセル形成領域MCRに露出している酸化シリコン膜PREOX1を除去する。
【0086】
続いて、パターニングしたレジスト膜FR1を除去した後、図9に示すように、半導体基板1S上に酸化シリコン膜OX1を形成し、この酸化シリコン膜OX1上に窒化シリコン膜SN1を形成する。さらに、窒化シリコン膜SN1上に酸化シリコン膜OX2を形成し、この酸化シリコン膜OX2上にポリシリコン膜PF1を形成する。そして、ポリシリコン膜PF1上にキャップ絶縁膜CAP1を形成する。
【0087】
酸化シリコン膜OX1は、例えば、熱酸化法を使用することにより形成され、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX2は、例えば、CVD法を使用することにより形成される。また、ポリシリコン膜PF1やキャップ絶縁膜CAP1も、例えば、CVD法を使用することにより形成される。なお、キャップ絶縁膜CAP1は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。
【0088】
次に、図10に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP1、ポリシリコン膜PF1、酸化シリコン膜OX2および窒化シリコン膜SN1を加工する。具体的に、キャップ絶縁膜CAP1は、メモリセル形成領域MCRのゲート電極形成領域にだけ残存するようにパターニングされ、パターニングされたキャップ絶縁膜CAP1をマスクにしたエッチングにより、ポリシリコン膜PF1をパターニングする。これにより、メモリセル形成領域MCRにポリシリコン膜PF1からなるメモリゲート電極G1が形成される。さらに、形成したメモリゲート電極G1をマスクにしたエッチングにより、酸化シリコン膜OX2をパターニングする。この段階で、メモリゲート電極G1の下層に形成されている酸化シリコン膜OX2だけが残存し、その他の領域に形成されている酸化シリコン膜OX2は除去される。そして、酸化シリコン膜OX2を除去することにより露出した窒化シリコン膜SN1を途中までエッチングする。
【0089】
続いて、図11に示すように、半導体基板1Sの表面に窒化シリコン膜SN1が露出した状態で、熱酸化法を実施することにより、メモリゲート電極G1の側面に酸化シリコン膜LOX1を形成する(ライト酸化)。
【0090】
その後、図12に示すように、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1をマスクにして半導体基板1Sの表面に残存する窒化シリコン膜SN1を除去し、さらに、窒化シリコン膜SN1を除去することにより露出した酸化シリコン膜OX1も除去する。このようにして、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1の下層にだけ酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX1が残存することになる。この残存している酸化シリコン膜OX2が第2電位障壁膜EB2となり、窒化シリコン膜SN1が電荷蓄積膜ECとなる。さらに、酸化シリコン膜OX1が第1電位障壁膜EB1となる。このとき、低耐圧MISFET形成領域LTR、中耐圧MISFET形成領域MTRおよび高耐圧MISFET形成領域HTRでは、酸化シリコン膜PREOX1が露出する。
【0091】
次に、酸化シリコン膜PREOX1を除去した後、図13に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜PREOX2を形成する。酸化シリコン膜PREOX2は、例えば、熱酸化法により形成することができる。その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL2を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL3を形成することができる。さらに、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL4を形成することができる。
【0092】
続いて、酸化シリコン膜PREOX2を除去した後、図14に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜HGATを形成する。この酸化シリコン膜HGATも熱酸化法を使用することにより形成することができる。そして、図15に示すように、酸化シリコン膜HGAT上にレジスト膜FR2を塗布した後、このレジスト膜FR2に対して露光・現像処理を施すことによりパターニングする。レジスト膜FR2のパターニングは、低耐圧MISFET形成領域LTRと高耐圧MISFET形成領域HTRにレジスト膜FR2が残存し、メモリセル形成領域MCRと中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているレジスト膜FR2を除去するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR2をマスクしたエッチングにより、酸化シリコン膜HGATをパターニングする。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRと高耐圧MISFET形成領域HTRにだけ酸化シリコン膜HGATが残存し、メモリセル形成領域MCRと中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されている酸化シリコン膜HGATが除去される。
【0093】
次に、パターニングしたレジスト膜FR2を除去した後、図16に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX3を形成する。この酸化シリコン膜OX3は、例えば、熱酸化法により形成することができる。そして、図17に示すように、酸化シリコン膜OX3上にレジスト膜FR3を塗布した後、このレジスト膜FR3に対して露光・現像処理を施すことによりパターニングする。レジスト膜FR3のパターニングは、メモリセル形成領域MCRと中耐圧MISFET形成領域MTRと高耐圧MISFET形成領域HTRにレジスト膜FR3が残存し、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているレジスト膜FR3を除去するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR3をマスクしたエッチングにより、酸化シリコン膜OX3をパターニングする。これにより、メモリセル形成領域MCRと中耐圧MISFET形成領域MTRと高耐圧MISFET形成領域HTRに酸化シリコン膜OX3が残存し、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されている酸化シリコン膜OX3が除去される。
【0094】
続いて、パターニングしたレジスト膜FR3を除去した後、図18に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX4を形成する。酸化シリコン膜OX4は、例えば、熱酸化法により形成することができる。さらに、図示はしないが、酸化シリコン膜OX4上にポリシリコン膜とキャップ絶縁膜を形成する。そして、図19に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP2とポリシリコン膜PF2をパターニングする。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G2を形成し、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G3を形成する。さらに、高耐圧MISFET形成領域HTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G4が形成される。このとき、メモリセル形成領域MCRでは、メモリゲート電極G1の側壁にポリシリコン膜PF2からなるサイドウォールが形成される。
【0095】
さらに、ゲート電極G2〜G4をマスクとして、酸化シリコン膜OX4、酸化シリコン膜OX3および酸化シリコン膜HGATを除去する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ゲート電極G2の下層に酸化シリコン膜OX4からなるゲート絶縁膜GOX2が形成され、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ゲート電極G3の下層に酸化シリコン膜OX4と酸化シリコン膜OX3からなるゲート絶縁膜GOX3が形成される。また、高耐圧MISFET形成領域HTRでは、ゲート電極G4の下層に酸化シリコン膜OX4、酸化シリコン膜OX3および酸化シリコン膜HGATからなるゲート絶縁膜GOX4が形成される。
【0096】
そして、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1の側壁に形成されているサイドウォール(ポリシリコン膜PF2)を除去した後、図20に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているゲート電極G2に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX2を形成することができる。
【0097】
次に、図21に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているゲート電極G3に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX3を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート電極G4に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX4を形成することができる。
【0098】
続いて、図22に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜を形成した後、形成した酸化シリコン膜に対して異方性エッチングを施すことにより、サイドウォールSWを形成する。具体的には、メモリセル形成領域MCRに形成されているゲート積層構造体(酸化シリコン膜OX1と窒化シリコン膜SN1と酸化シリコン膜OX2とメモリゲート電極G1からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成する。同様に、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているゲート積層構造体(ゲート絶縁膜GOX2とゲート電極G2からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成し、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているゲート積層構造体(ゲート絶縁膜GOX3とゲート電極G3からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成する。同様に、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート積層構造体(ゲート絶縁膜GOX4とゲート電極G4からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成する。
【0099】
その後、図23に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR2を形成することができる。
【0100】
さらに、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR3を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR4を形成することができる。
【0101】
その後、半導体基板1S上にコバルト膜を形成する。このとき、メモリゲート電極G1とゲート電極G2〜ゲート電極G4に直接接するようにコバルト膜が形成される。同様に、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4にもコバルト膜が直接接する。
【0102】
コバルト膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、図24に示すように、コバルト膜を形成した後、熱処理を施すことにより、メモリゲート電極G1を構成するポリシリコン膜PF1や、ゲート電極G2〜ゲート電極G4を構成するポリシリコン膜PF2とコバルト膜を反応させて、コバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜CSを形成する。これにより、メモリゲート電極G1は、ポリシリコン膜PF1とシリサイド膜CSの積層構造となり、ゲート電極G2〜ゲート電極G4は、ポリシリコン膜PF2とシリサイド膜CSの積層構造となる。シリサイド膜CSは、メモリゲート電極G1およびゲート電極G2〜ゲート電極G4の低抵抗化のために形成される。同様に、上述した熱処理により、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4の表面においてもシリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜CSが形成される。このため、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4においても低抵抗化を図ることができる。
【0103】
そして、未反応のニッケルプラチナ膜は、半導体基板1S上から除去される。なお、本実施の形態1では、コバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜CSを形成するように構成しているが、例えば、コバルトシリサイド膜に代えてニッケルシリサイド膜、チタンシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜、あるいは、プラチナシリサイド膜などからシリサイド膜CSを形成するようにしてもよい。以上のようにして、例えば、半導体基板1S上にMONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3および高耐圧MISFETQCを形成することができる。
【0104】
上述した比較例1における半導体装置の製造方法で製造される高耐圧MISFETQCのゲート絶縁膜GOX4は、酸化シリコン膜HGATと酸化シリコン膜OX3と酸化シリコン膜OX4から形成されている。したがって、比較例1における製造方法自体では、図3に示すような本実施の形態1の特徴的構造である高耐圧MISFETQ4を製造することはできない。つまり、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4では、ゲート絶縁膜GOX4を酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1と窒化シリコン膜SN1と酸化シリコン膜OX2から形成しているため、比較例1自体の製造方法をそのまま適用することはできない。そこで、本実施の形態1では、比較例1における半導体装置の製造方法に工夫を施して、本実施の形態1における高耐圧MISFETQ4を製造できるようにしている。以下に、工夫を施した本実施の形態1における半導体装置の製造方法について図25〜図40を参照しながら説明する。
【0105】
まず、図25に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1Sに形成される半導体素子間を分離する素子分離領域STIを形成する。素子分離領域STIは、半導体素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域STIは、例えばLOCOS(local Oxidation of silicon)法やSTI(shallow trench isolation)法を用いて形成することができる。例えば、STI法では、以下のようにして素子分離領域を形成している。すなわち、半導体基板1Sにフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;chemical mechanical polishing)により、半導体基板1S上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域STIを形成することができる。その後、イオン注入法を使用して、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入することにより、n型半導体領域からなるウェル分離層NISOを形成する。
【0106】
次に、図26に示すように、半導体基板1Sの主面(表面)上に酸化シリコン膜PREOX1を形成する。この酸化シリコン膜PREOX1は、例えば、熱酸化法により形成することができる。そして、図27に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL4を形成することができる。
【0107】
続いて、図28に示すように、酸化シリコン膜PREOX1上にレジスト膜FR4を塗布した後、このレジスト膜FR4に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR4をパターニングする。レジスト膜FR4のパターニングは、低耐圧MISFET形成領域LTR、中耐圧MISFET形成領域MTR、および、高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRを露出するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR4をマスクにしたイオン注入法により、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL1を形成することができる。さらに、パターニングしたレジスト膜FR4をマスクにしたエッチングにより、メモリセル形成領域MCRに露出している酸化シリコン膜PREOX1を除去する。
【0108】
次に、パターニングしたレジスト膜FR4を除去した後、図29に示すように、半導体基板1S上に酸化シリコン膜OX1を形成し、この酸化シリコン膜OX1上に窒化シリコン膜SN1を形成する。さらに、窒化シリコン膜SN1上に酸化シリコン膜OX2を形成し、この酸化シリコン膜OX2上にポリシリコン膜PF1を形成する。そして、ポリシリコン膜PF1上にキャップ絶縁膜CAP1を形成する。
【0109】
酸化シリコン膜OX1は、例えば、熱酸化法を使用することにより形成され、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX2は、例えば、CVD法を使用することにより形成される。また、ポリシリコン膜PF1やキャップ絶縁膜CAP1も、例えば、CVD法を使用することにより形成される。なお、キャップ絶縁膜CAP1は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。
【0110】
続いて、図30に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP1、ポリシリコン膜PF1、酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜PREOX1を加工する。具体的に、キャップ絶縁膜CAP1は、メモリセル形成領域MCRのゲート電極形成領域と高耐圧MISFET形成領域HTRのゲート電極形成領域にだけ残存するようにパターニングされ、パターニングされたキャップ絶縁膜CAP1をマスクにしたエッチングにより、ポリシリコン膜PF1をパターニングする。これにより、メモリセル形成領域MCRにポリシリコン膜PF1からなるメモリゲート電極G1が形成され、高耐圧MISFET形成領域HTRにポリシリコン膜PF1からなるゲート電極G4が形成される。さらに、形成したメモリゲート電極G1およびゲート電極G4をマスクにしたエッチングにより、酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1、酸化シリコン膜OX1および酸化シリコン膜PREOX1を順次パターニングする。このようにして、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1の下層に酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX1が残存することになる。この残存している酸化シリコン膜OX2が第2電位障壁膜EB2となり、窒化シリコン膜SN1が電荷蓄積膜ECとなる。さらに、酸化シリコン膜OX1が第1電位障壁膜EB1となる。同様に、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート電極G4の下層に酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1、酸化シリコン膜OX1および酸化シリコン膜PREOX1が残存することになる。この残存している酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1と窒化シリコン膜SN1と酸化シリコン膜OX2によりゲート絶縁膜GOX4が形成される。
【0111】
続いて、図31に示すように、熱酸化法を使用することにより、メモリゲート電極G1の側面に酸化シリコン膜LOX1を形成し(ライト酸化)、かつ、ゲート電極G4の側壁に酸化シリコン膜LOX1を形成する(ライト酸化)。
【0112】
次に、図32に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜PREOX2を形成する。酸化シリコン膜PREOX2は、例えば、熱酸化法により形成することができる。その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL2を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL3を形成することができる。
【0113】
続いて、酸化シリコン膜PREOX2を除去した後、図33に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX3を形成する。この酸化シリコン膜OX3は、例えば、熱酸化法により形成することができる。そして、図34に示すように、酸化シリコン膜OX3上にレジスト膜FR5を塗布した後、このレジスト膜FR5に対して露光・現像処理を施すことによりパターニングする。レジスト膜FR5のパターニングは、中耐圧MISFET形成領域MTRにだけレジスト膜FR5が残存し、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRと高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているレジスト膜FR5を除去するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR5をマスクしたエッチングにより、酸化シリコン膜OX3をパターニングする。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに酸化シリコン膜OX3が残存し、その他のメモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRと高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されている酸化シリコン膜OX3が除去される。
【0114】
次に、パターニングしたレジスト膜FR5を除去した後、図35に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX4を形成する。酸化シリコン膜OX4は、例えば、熱酸化法により形成することができる。ただし、半導体基板1Sの主面上に形成する膜(低耐圧MISFETQ2のゲート絶縁膜GOX2となる膜)は、酸化シリコン膜OX4に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、半導体基板1Sの主面上に形成する膜を酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。
【0115】
また、半導体基板1Sの主面上に形成する膜(低耐圧MISFETQ2のゲート絶縁膜GOX2となる膜)は、例えば酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。例えば、高誘電率膜として、ハフニウム酸化物の一つである酸化ハフニウム膜(HfO膜)が使用されるが、酸化ハフニウム膜に変えて、ハフニウムアルミネート膜、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)のような他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。さらに、これらのハフニウム系絶縁膜に酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウムなどの酸化物を導入したハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。ハフニウム系絶縁膜は、酸化ハフニウム膜と同様、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜より誘電率が高いので、酸化ハフニウム膜を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0116】
続いて、図示はしないが、酸化シリコン膜OX4上にポリシリコン膜とキャップ絶縁膜を形成する。そして、図36に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP2とポリシリコン膜PF2をパターニングする。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G2を形成し、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G3を形成する。このとき、メモリセル形成領域MCRでは、メモリゲート電極G1の側壁にポリシリコン膜PF2からなるサイドウォールが形成され、高耐圧MISFET形成領域HTRでは、ゲート電極G4の側壁にポリシリコン膜PF2からなるサイドウォールが形成される。
【0117】
さらに、ゲート電極G2とゲート電極G3をマスクとして、酸化シリコン膜OX4および酸化シリコン膜OX3を除去する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ゲート電極G2の下層に酸化シリコン膜OX4からなるゲート絶縁膜GOX2が形成され、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ゲート電極G3の下層に酸化シリコン膜OX4と酸化シリコン膜OX3からなるゲート絶縁膜GOX3が形成される。
【0118】
そして、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1の側壁に形成されているサイドウォール(ポリシリコン膜PF2)と、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート電極G4の側壁に形成されているサイドウォール(ポリシリコン膜PF2)を除去する。その後、図37に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているゲート電極G2に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX2を形成することができる。また、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート電極G4に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX4を形成することができる。
【0119】
次に、図38に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているゲート電極G3に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX3を形成することができる。
【0120】
続いて、図39に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜を形成した後、形成した酸化シリコン膜に対して異方性エッチングを施すことにより、サイドウォールSWを形成する。具体的には、メモリセル形成領域MCRに形成されているゲート積層構造体(酸化シリコン膜OX1と窒化シリコン膜SN1と酸化シリコン膜OX2とメモリゲート電極G1からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成する。同様に、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているゲート積層構造体(ゲート絶縁膜GOX2とゲート電極G2からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成し、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているゲート積層構造体(ゲート絶縁膜GOX3とゲート電極G3からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成する。同様に、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート積層構造体(ゲート絶縁膜GOX4とゲート電極G4からなる積層構造体)の両側の側壁にサイドウォールSWを形成する。
【0121】
その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR2を形成することができる。
【0122】
さらに、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR3を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR4を形成することができる。
【0123】
その後、半導体基板1S上にコバルト膜を形成する。このとき、メモリゲート電極G1とゲート電極G2〜ゲート電極G4に直接接するようにコバルト膜が形成される。同様に、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4にもコバルト膜が直接接する。
【0124】
コバルト膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、図40に示すように、コバルト膜を形成した後、熱処理を施すことにより、メモリゲート電極G1やゲート電極G4を構成するポリシリコン膜PF1や、ゲート電極G2やゲート電極G3を構成するポリシリコン膜PF2とコバルト膜を反応させて、コバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜CSを形成する。これにより、メモリゲート電極G1やゲート電極G4は、ポリシリコン膜PF1とシリサイド膜CSの積層構造となり、ゲート電極G2やゲート電極G3は、ポリシリコン膜PF2とシリサイド膜CSの積層構造となる。シリサイド膜CSは、メモリゲート電極G1およびゲート電極G2〜ゲート電極G4の低抵抗化のために形成される。同様に、上述した熱処理により、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4の表面においてもシリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜CSが形成される。このため、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4においても低抵抗化を図ることができる。
【0125】
そして、未反応のニッケルプラチナ膜は、半導体基板1S上から除去される。なお、本実施の形態1では、コバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜CSを形成するように構成しているが、例えば、コバルトシリサイド膜に代えてニッケルシリサイド膜、チタンシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜、あるいは、プラチナシリサイド膜などからシリサイド膜CSを形成するようにしてもよい。以上のようにして、例えば、半導体基板1S上にMONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3および高耐圧MISFETQ4を形成することができる。
【0126】
次に、配線工程について図3を参照しながら説明する。図3に示すように、半導体基板1Sの主面上に窒化シリコン膜SN2を形成し、この窒化シリコン膜SN2上にコンタクト層間絶縁膜CILを形成する。このコンタクト層間絶縁膜CILは、例えば、酸化シリコン膜から形成される。その後、コンタクト層間絶縁膜CILの表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。
【0127】
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、コンタクト層間絶縁膜CILにコンタクトホールCNTを形成する。
【0128】
その後、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜は、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
【0129】
そして、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、コンタクト層間絶縁膜CIL上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法で除去することにより、プラグPLGを形成することができる。
【0130】
次に、図3に示すように、プラグPLGを形成したコンタクト層間絶縁膜CIL上に層間絶縁膜IL1を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜IL1に溝を形成する。その後、溝内を含む層間絶縁膜IL1上にタンタル/窒化タンタル膜を形成する。このタンタル/窒化タンタル膜は、例えば、スパッタリング法により形成することができる。続いて、タンタル/窒化タンタル膜上に薄い銅膜よりなるシード膜を、例えば、スパッタリング法で形成した後、このシード膜を電極とする電解めっき法により、溝を形成した層間絶縁膜IL1上に銅膜を形成する。その後、溝の内部以外の層間絶縁膜IL1上に露出している銅膜を、例えば、CMP法で研磨して除去することにより、層間絶縁膜IL1に形成された溝内にだけ銅膜を残す。これにより、配線L1を形成することができる。さらに、配線L1の上層に配線を形成するが、ここでの説明は省略する。このようにして、最終的に本実施の形態1における半導体装置を形成することができる。
【0131】
なお、本実施の形態1では、銅膜よりなる配線L1を形成する例について説明したが、例えば、アルミニウム膜よりなる配線L1を形成してもよい。この場合は、コンタクト層間絶縁膜CILおよびプラグPLG上にチタン/窒化チタン膜、アルミニウム膜、チタン/窒化チタン膜を順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線L1を形成する。これにより、アルミニウム膜よりなる配線L1を形成することができる。
【0132】
このように本実施の形態1における半導体装置の製造方法によれば、比較例1における半導体装置の製造方法では実現できない高耐圧MISFETQ4(本実施の形態1の特徴的構造)を製造することができる。そして、本実施の形態1と比較例1とを対比すると、比較例1では、図14および図15に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜HGATを形成し、この酸化シリコン膜HGATをパターニングする工程が存在する。これに対し、本実施の形態1では、図32と図33の間の工程での酸化シリコン膜HGATの形成およびパターニング工程が省略されている。つまり、本実施の形態1では、酸化シリコン膜HGATを使用していない。このため、本実施の形態1における半導体装置の製造方法では、酸化シリコン膜HGATの形成およびパターニング工程を省略することができるので、比較例1における半導体装置の製造方法に比べて、製造工程を簡略化することができる。つまり、本実施の形態1における半導体装置の製造方法は、信頼性の高い高耐圧MISFETQ4を製造できるとともに、製造工程も簡略化できる利点を有していることになる。したがって、本実施の形態1における半導体装置の製造方法では、製造工程を簡略化することができるので、製造される半導体装置のコスト低減も可能となる。
【0133】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記実施の形態1とは異なる半導体装置の製造方法について説明する。以下の説明では、まず、比較例2における半導体装置の製造方法について説明した後、この比較例2における半導体装置の製造方法を改良した本実施の形態2における半導体装置の製造方法について説明する。
【0134】
はじめに、図41〜図53を使用して比較例2における半導体装置の製造方法について説明する。図41に示すように、半導体基板1Sの主面側に素子分離領域STIを形成した後、イオン注入法を使用して、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入することにより、n型半導体領域からなるウェル分離層NISOを形成する。
【0135】
次に、半導体基板1Sの主面(表面)上に酸化シリコン膜PREOX1を形成する。この酸化シリコン膜PREOX1は、例えば、熱酸化法により形成することができる。
【0136】
その後、図42に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法により、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL2を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL3を形成することができる。また、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL4を形成することができる。
【0137】
続いて、酸化シリコン膜PREOX1を除去した後、図43に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜HGATを形成する。酸化シリコン膜HGATは、例えば、熱酸化法により形成することができる。そして、図44に示すように、酸化シリコン膜HGAT上にレジスト膜FR6を塗布した後、このレジスト膜FR6に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR6をパターニングする。レジスト膜FR6のパターニングは、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRと高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、中耐圧MISFET形成領域MTRを露出するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR6をマスクにしたエッチングにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに露出する酸化シリコン膜HGATを除去する。
【0138】
次に、パターニングしたレジスト膜FR6を除去した後、図45に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX3を形成する。酸化シリコン膜OX3は、例えば、熱酸化法により形成することができる。そして、図46に示すように、酸化シリコン膜OX3上にレジスト膜FR7を塗布した後、このレジスト膜FR7に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR7をパターニングする。レジスト膜FR7のパターニングは、中耐圧MISFET形成領域MTRと高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRを露出するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR7をマスクにしたエッチングにより、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRに露出する酸化シリコン膜OX3を除去する。
【0139】
続いて、パターニングしたレジスト膜FR7を除去した後、図47に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX4を形成する。酸化シリコン膜OX4は、例えば、熱酸化法により形成することができる。その後、図48に示すように、酸化シリコン膜OX4上にポリシリコン膜PF2を形成し、このポリシリコン膜PF2上にキャップ絶縁膜CAP2を形成する。キャップ絶縁膜CAP2は、例えば、酸化シリコン膜から構成されており、ポリシリコン膜PF2およびキャップ絶縁膜CAP2は、例えば、CVD法により形成することができる。
【0140】
次に、図49に示すように、キャップ絶縁膜CAP2上にレジスト膜FR8を塗布した後、このレジスト膜FR8に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR8をパターニングする。レジスト膜FR8のパターニングは、低耐圧MISFET形成領域LTRと中耐圧MISFET形成領域MTRと高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRを露出するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR8をマスクにしたエッチングにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているキャップ絶縁膜CAP2、ポリシリコン膜PF2および酸化シリコン膜OX4を順次除去する。さらに、パターニングしたレジスト膜FR8をマスクとしたイオン注入法により、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL1を形成することができる。
【0141】
続いて、パターニングしたレジスト膜FR8を除去した後、図50に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX1を形成し、この酸化シリコン膜OX1上に窒化シリコン膜SN1を形成する。さらに、窒化シリコン膜SN1上に酸化シリコン膜OX2を形成し、この酸化シリコン膜OX2上にポリシリコン膜PF1を形成する。そして、ポリシリコン膜PF1上にキャップ絶縁膜CAP1を形成する。
【0142】
酸化シリコン膜OX1は、例えば、熱酸化法を使用することにより形成され、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX2は、例えば、CVD法を使用することにより形成される。また、ポリシリコン膜PF1やキャップ絶縁膜CAP1も、例えば、CVD法を使用することにより形成される。なお、キャップ絶縁膜CAP1は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。
【0143】
次に、図51に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP1、ポリシリコン膜PF1、酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜PREOX1を加工する。具体的に、キャップ絶縁膜CAP1は、メモリセル形成領域MCRのゲート電極形成領域にだけ残存するようにパターニングされ、パターニングされたキャップ絶縁膜CAP1をマスクにしたエッチングにより、ポリシリコン膜PF1をパターニングする。これにより、メモリセル形成領域MCRにポリシリコン膜PF1からなるメモリゲート電極G1が形成される。さらに、形成したメモリゲート電極G1をマスクにしたエッチングにより、酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1、酸化シリコン膜OX1を順次パターニングする。このようにして、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1の下層に酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX1が残存することになる。この残存している酸化シリコン膜OX2が第2電位障壁膜EB2となり、窒化シリコン膜SN1が電荷蓄積膜ECとなる。さらに、酸化シリコン膜OX1が第1電位障壁膜EB1となる。
【0144】
続いて、図52に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP2とポリシリコン膜PF2をパターニングする。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G2を形成し、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G3を形成する。また、高耐圧MISFET形成領域HTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G4を形成する。
【0145】
さらに、ゲート電極G2とゲート電極G3とゲート電極G4をマスクとして、酸化シリコン膜OX4、酸化シリコン膜OX3および酸化シリコン膜HGATを除去する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ゲート電極G2の下層に酸化シリコン膜OX4からなるゲート絶縁膜GOX2が形成され、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ゲート電極G3の下層に酸化シリコン膜OX4と酸化シリコン膜OX3からなるゲート絶縁膜GOX3が形成される。また、高耐圧MISFET形成領域HTRでは、ゲート電極G4の下層に酸化シリコン膜OX4、酸化シリコン膜OX3および酸化シリコン膜HGATからなるゲート絶縁膜GOX4が形成される。
【0146】
その後は、図53に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているゲート電極G2に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX2を形成することができる。また、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているゲート電極G3に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX3を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート電極G4に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX4を形成することができる。
【0147】
次に、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜を形成した後、形成した酸化シリコン膜に対して異方性エッチングを施すことにより、サイドウォールSWを形成する。
【0148】
その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR2を形成することができる。
【0149】
さらに、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR3を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR4を形成することができる。
【0150】
続いて、メモリゲート電極G1の表面、ゲート電極G2〜ゲート電極G4の表面、および、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4の表面にシリサイド膜CSを形成する。このシリサイド膜CSは、例えば、コバルトシリサイド膜からなるが、コバルトシリサイド膜に代えてニッケルシリサイド膜、チタンシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜、あるいは、プラチナシリサイド膜などからシリサイド膜CSを形成するようにしてもよい。
【0151】
以上のようにして、例えば、半導体基板1S上にMONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3および高耐圧MISFETQCを形成することができる。
【0152】
上述した比較例2における半導体装置の製造方法で製造される高耐圧MISFETQCのゲート絶縁膜GOX4は、酸化シリコン膜HGATと酸化シリコン膜OX3と酸化シリコン膜OX4から形成されている。したがって、比較例2における製造方法自体では、図3に示すような本実施の形態1の特徴的構造である高耐圧MISFETQ4を製造することはできない。つまり、本実施の形態2における高耐圧MISFETQ4では、ゲート絶縁膜GOX4を酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1と窒化シリコン膜SN1と酸化シリコン膜OX2から形成しているため、比較例2自体の製造方法をそのまま適用することはできない。そこで、本実施の形態2では、比較例2における半導体装置の製造方法に工夫を施して、本実施の形態2における高耐圧MISFETQ4を製造できるようにしている。以下に、工夫を施した本実施の形態2における半導体装置の製造方法について図54〜図65を参照しながら説明する。
【0153】
図54に示すように、半導体基板1Sの主面側に素子分離領域STIを形成した後、イオン注入法を使用して、リンや砒素などのn型不純物を半導体基板1S内に導入することにより、n型半導体領域からなるウェル分離層NISOを形成する。
【0154】
次に、半導体基板1Sの主面(表面)上に酸化シリコン膜PREOX1を形成する。この酸化シリコン膜PREOX1は、例えば、熱酸化法により形成することができる。
【0155】
その後、図55に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法により、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL2を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL3を形成することができる。また、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL4を形成することができる。このように、本実施の形態2では、酸化シリコン膜PREOX1を介してイオン注入を行なうため、酸化シリコン膜PREOX1はスルー絶縁膜として機能する。
【0156】
続いて、図56に示すように、酸化シリコン膜PREOX1上にレジスト膜FR9を塗布した後、このレジスト膜FR9に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR9をパターニングする。レジスト膜FR9のパターニングは、高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRと中耐圧MISFET形成領域MTRを露出するように行なわれる。そして、パターニングしたレジスト膜FR9をマスクとしてエッチングにより、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRと中耐圧MISFET形成領域MTRに露出している酸化シリコン膜PREOX1を除去する。
【0157】
次に、パターニングしたレジスト膜FR9を除去した後、図57に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX3を形成する。酸化シリコン膜OX3は、例えば、熱酸化法により形成することができる。そして、図58に示すように、酸化シリコン膜OX3上にレジスト膜FR10を塗布した後、このレジスト膜FR10に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR10をパターニングする。レジスト膜FR10のパターニングは、中耐圧MISFET形成領域MTRと高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRを露出するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR10をマスクとしたエッチングにより、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRに露出している酸化シリコン膜OX3を除去する。
【0158】
続いて、パターニングしたレジスト膜FR10を除去した後、図59に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX4を形成する。酸化シリコン膜OX4は、例えば、熱酸化法により形成することができる。その後、図60に示すように、酸化シリコン膜OX4上にポリシリコン膜PF2を形成し、このポリシリコン膜PF2上にキャップ絶縁膜CAP2を形成する。キャップ絶縁膜CAP2は、例えば、酸化シリコン膜から構成されており、ポリシリコン膜PF2およびキャップ絶縁膜CAP2は、例えば、CVD法により形成することができる。
【0159】
次に、図61に示すように、キャップ絶縁膜CAP2上にレジスト膜FR11を塗布した後、このレジスト膜FR11に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR11をパターニングする。レジスト膜FR11のパターニングは、低耐圧MISFET形成領域LTRと中耐圧MISFET形成領域MTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRと高耐圧MISFET形成領域HTRを露出するように行なわれる。その後、パターニングしたレジスト膜FR11をマスクにしたエッチングにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているキャップ絶縁膜CAP2、ポリシリコン膜PF2および酸化シリコン膜OX4を順次除去するとともに、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているキャップ絶縁膜CAP2、ポリシリコン膜PF2および酸化シリコン膜OX4を除去する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRでは、酸化シリコン膜PREOX1が露出する。さらに、パターニングしたレジスト膜FR11をマスクとしたイオン注入法により、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にp型ウェルPWL1を形成することができる。なお、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にp型不純物を導入したくない場合いは、レジスト膜FR11を除去した後、別途、メモリセル形成領域MCRだけを露出するパターニングを施されたレジスト膜を形成し、このレジスト膜をマスクにして、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にボロンなどのp型不純物を導入してもよい。
【0160】
続いて、パターニングしたレジスト膜FR11を除去した後、図62に示すように、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜OX1を形成し、この酸化シリコン膜OX1上に窒化シリコン膜SN1を形成する。さらに、窒化シリコン膜SN1上に酸化シリコン膜OX2を形成し、この酸化シリコン膜OX2上にポリシリコン膜PF1を形成する。そして、ポリシリコン膜PF1上にキャップ絶縁膜CAP1を形成する。
【0161】
酸化シリコン膜OX1は、例えば、熱酸化法を使用することにより形成され、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX2は、例えば、CVD法を使用することにより形成される。また、ポリシリコン膜PF1やキャップ絶縁膜CAP1も、例えば、CVD法を使用することにより形成される。なお、キャップ絶縁膜CAP1は、例えば、酸化シリコン膜から形成されている。
【0162】
次に、図63に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP1、ポリシリコン膜PF1、酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜PREOX1を加工する。具体的に、キャップ絶縁膜CAP1は、メモリセル形成領域MCRのゲート電極形成領域と高耐圧MISFET形成領域HTRのゲート電極形成領域にだけ残存するようにパターニングされ、パターニングされたキャップ絶縁膜CAP1をマスクにしたエッチングにより、ポリシリコン膜PF1をパターニングする。これにより、メモリセル形成領域MCRにポリシリコン膜PF1からなるメモリゲート電極G1が形成され、高耐圧MISFET形成領域HTRにポリシリコン膜PF1からなるゲート電極G4が形成される。さらに、形成したメモリゲート電極G1およびゲート電極G4をマスクにしたエッチングにより、酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1、酸化シリコン膜OX1、酸化シリコン膜PREOX1を順次パターニングする。このようにして、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1の下層に酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1および酸化シリコン膜OX1が残存することになる。この残存している酸化シリコン膜OX2が第2電位障壁膜EB2となり、窒化シリコン膜SN1が電荷蓄積膜ECとなる。さらに、酸化シリコン膜OX1が第1電位障壁膜EB1となる。同様に、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート電極G4の下層に酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1、酸化シリコン膜OX1および酸化シリコン膜PREOX1が残存することになる。これらの残存している酸化シリコン膜OX2、窒化シリコン膜SN1、酸化シリコン膜OX1および酸化シリコン膜PREOX1よりなる積層膜がゲート絶縁膜GOX4となる。
【0163】
続いて、図64に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、キャップ絶縁膜CAP2とポリシリコン膜PF2をパターニングする。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G2を形成し、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ポリシリコン膜PF2からなるゲート電極G3を形成する。
【0164】
さらに、ゲート電極G2とゲート電極G3をマスクとして、酸化シリコン膜OX4、酸化シリコン膜OX3を除去する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRでは、ゲート電極G2の下層に酸化シリコン膜OX4からなるゲート絶縁膜GOX2が形成され、中耐圧MISFET形成領域MTRでは、ゲート電極G3の下層に酸化シリコン膜OX4と酸化シリコン膜OX3からなるゲート絶縁膜GOX3が形成される。
【0165】
その後は、図65に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているメモリゲート電極G1に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているゲート電極G2に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX2を形成することができる。また、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているゲート電極G3に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX3を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているゲート電極G4に整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域EX4を形成することができる。
【0166】
次に、半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜を形成した後、形成した酸化シリコン膜に対して異方性エッチングを施すことにより、サイドウォールSWを形成する。
【0167】
その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、メモリセル形成領域MCRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、メモリセル形成領域MCRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR1を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、低耐圧MISFET形成領域LTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、低耐圧MISFET形成領域LTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR2を形成することができる。
【0168】
さらに、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、中耐圧MISFET形成領域MTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、中耐圧MISFET形成領域MTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR3を形成することができる。同様に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、高耐圧MISFET形成領域HTRの半導体基板1S内にリンや砒素などのn型不純物を導入する。これにより、高耐圧MISFET形成領域HTRに形成されているサイドウォールSWに整合して、半導体基板1S内にn型不純物拡散領域NR4を形成することができる。
【0169】
続いて、メモリゲート電極G1の表面、ゲート電極G2〜ゲート電極G4の表面、および、n型不純物拡散領域NR1〜n型不純物拡散領域NR4の表面にシリサイド膜CSを形成する。このシリサイド膜CSは、例えば、コバルトシリサイド膜からなるが、コバルトシリサイド膜に代えてニッケルシリサイド膜、チタンシリサイド膜、ニッケルプラチナシリサイド膜、あるいは、プラチナシリサイド膜などからシリサイド膜CSを形成するようにしてもよい。
【0170】
以上のようにして、例えば、半導体基板1S上にMONOS型トランジスタQ1、低耐圧MISFETQ2、中耐圧MISFETQ3および高耐圧MISFETQ4を形成することができる。
【0171】
このように本実施の形態2における半導体装置の製造方法によれば、比較例2における半導体装置の製造方法では実現できない高耐圧MISFETQ4(本実施の形態2の特徴的構造)を製造することができる。
【0172】
(実施の形態3)
前記実施の形態2においては、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4を、酸化シリコン膜PREOX1と酸化シリコン膜OX1と窒化シリコン膜SN1と酸化シリコン膜OX2の積層膜から形成していた。ここで、高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4の一部を構成している酸化シリコン膜PREOX1は、例えば、図55に示すようにスルー絶縁膜として使用されている。したがって、スルー絶縁膜として使用している酸化シリコン膜PREOX1をゲート絶縁膜GOX4として使用する場合、ゲート絶縁膜GOX4の信頼性が低下するおそれがある。
【0173】
本実施の形態3では、スルー絶縁膜として使用される酸化シリコン膜PREOX1を高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4に使用しない製造方法について説明する。本実施の形態3における半導体装置の製造方法は、前記実施の形態2における半導体装置の製造方法とほぼ同様である。
【0174】
まず、前記実施の形態2と同様に、図54から図55に示す工程を実施する。続いて、本実施の形態3では、スルー絶縁膜に使用した酸化シリコン膜PREOX1を除去する。そして、図66に示すように、酸化シリコン膜PREOX1を除去した半導体基板1Sの主面上に酸化シリコン膜HGATを形成する。酸化シリコン膜HGATは、例えば、熱酸化法により形成することができる。
【0175】
次に、図67に示すように、酸化シリコン膜HGAT上にレジスト膜FR12を塗布した後、このレジスト膜FR12に対して露光・現像処理を施すことにより、レジスト膜FR12をパターニングする。レジスト膜FR12のパターニングは、高耐圧MISFET形成領域HTRを覆い、かつ、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRと中耐圧MISFET形成領域MTRを露出するように行なわれる。そして、パターニングしたレジスト膜FR12をマスクとしてエッチングにより、メモリセル形成領域MCRと低耐圧MISFET形成領域LTRと中耐圧MISFET形成領域MTRに露出している酸化シリコン膜HGATを除去する。
【0176】
ここまでの工程により、前記実施の形態2の図56と同等となる。本実施の形態3の図67に示す工程と、前記実施の形態2の図56に示す工程との差異は、高耐圧MISFET形成領域HTRに残存している膜が、本実施の形態3では、酸化シリコン膜HGATであるのに対し、前記実施の形態2では、酸化シリコン膜PREOX1である点である。
【0177】
本実施の形態3のその後の工程は、図56〜図65で、酸化シリコン膜PREOX1を酸化シリコン膜HGATに代えたものに相当する。このようにして、本実施の形態3における半導体装置を製造することができる。本実施の形態3で製造される高耐圧ISFETQ4では、ゲート絶縁膜GOX4を、酸化シリコン膜HGATと酸化シリコン膜OX1と窒化シリコン膜SN1と酸化シリコン膜OX2の積層膜から形成することになる。したがって、本実施の形態3では、スルー絶縁膜として機能する酸化シリコン膜PREOX1を高耐圧MISFETQ4のゲート絶縁膜GOX4に使用していないため、ゲート絶縁膜GOX4の信頼性を向上させることができる。この結果、高耐圧MISFETQ4の信頼性を向上させることができる。
【0178】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0179】
前記実施の形態1〜3では、半導体装置の一例として、非接触タイプのICカードを取り上げて説明したが、本発明の技術的思想は、非接触タイプのICカードに限定されず、例えば、MONOS型トランジスタと高耐圧MISFETを備える半導体装置に幅広く適用することができる。また、前記実施の形態1〜3では、nチャネル型MISFETについて説明したが、本発明の技術的思想は、これに限らず、pチャネル型MISFETにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0181】
1 ICカード
1S 半導体基板
3 アンテナコイル
4 RF部アナログ回路
5 マイコン部
6 整流回路
7 レギュレータ
8 基準電圧回路
9 受信回路
10 送信回路
11 検出回路
12 CPU
13 ROM
14 RAM
15 EEPROM
CAP1 キャップ絶縁膜
CAP2 キャップ絶縁膜
CHP 半導体チップ
CIL コンタクト層間絶縁膜
CNT コンタクトホール
CS シリサイド膜
EB1 第1電位障壁膜
EB2 第2電位障壁膜
EC 電荷蓄積膜
EX1 n型不純物拡散領域
EX2 n型不純物拡散領域
EX3 n型不純物拡散領域
EX4 n型不純物拡散領域
FR1 レジスト膜
FR2 レジスト膜
FR3 レジスト膜
FR4 レジスト膜
FR5 レジスト膜
FR6 レジスト膜
FR7 レジスト膜
FR8 レジスト膜
FR9 レジスト膜
FR10 レジスト膜
FR11 レジスト膜
FR12 レジスト膜
G ゲート電極
G1 メモリゲート電極
G2 ゲート電極
G3 ゲート電極
G4 ゲート電極
GOX2 ゲート絶縁膜
GOX3 ゲート絶縁膜
GOX4 ゲート絶縁膜
G4 ゲート電極
HGAT 酸化シリコン膜
HTR 高耐圧MISFET形成領域
IL1 層間絶縁膜
LOX1 酸化シリコン膜
LTR 低耐圧MISFET形成領域
L1 配線
MCR メモリセル形成領域
MTR 中耐圧MISFET形成領域
NISO ウェル分離層
NR1 n型不純物拡散領域
NR2 n型不純物拡散領域
NR3 n型不純物拡散領域
NR4 n型不純物拡散領域
OX 酸化シリコン膜
OX1 酸化シリコン膜
OX2 酸化シリコン膜
OX3 酸化シリコン膜
OX4 酸化シリコン膜
PH1 ピンホール
PH2 ピンホール
PLG プラグ
PF1 ポリシリコン膜
PF2 ポリシリコン膜
PREOX1 酸化シリコン膜
PREOX2 酸化シリコン膜
PWL p型ウェル
PWL1 p型ウェル
PWL2 p型ウェル
PWL3 p型ウェル
PWL4 p型ウェル
QC 高耐圧MISFET
QP 高耐圧MISFET
Q1 MONOS型トランジスタ
Q2 低耐圧MISFET
Q3 中耐圧MISFET
Q4 高耐圧MISFET
SN1 窒化シリコン膜
SN2 窒化シリコン膜
STI 素子分離領域
SW サイドウォール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板のメモリセル形成領域に形成されたメモリセルと、前記半導体基板の高耐圧MISFET形成領域に形成された高耐圧MISFETとを有する半導体装置であって、
前記メモリセルは、
(a)前記半導体基板上に形成され、前記メモリセルの第1電位障壁膜として機能する第1酸化シリコン膜と、
(b)前記第1酸化シリコン膜上に形成され、前記メモリセルの電荷蓄積膜として機能する窒化シリコン膜と、
(c)前記窒化シリコン膜上に形成され、前記メモリセルの第2電位障壁膜として機能する第2酸化シリコン膜と、
(d)前記第2酸化シリコン膜上に形成された第1ゲート電極と、
(e)前記半導体基板内に形成された第1ソース領域および第1ドレイン領域とを有し、
前記高耐圧MISFETは、
(f)前記半導体基板上に形成された第1絶縁膜と、
(g)前記第1絶縁膜上に形成された前記第1酸化シリコン膜と、
(h)前記第1酸化シリコン膜上に形成された前記窒化シリコン膜と、
(i)前記窒化シリコン膜上に形成された前記第2酸化シリコン膜と、
(j)前記第2酸化シリコン膜上に形成された第2ゲート電極と、
(k)前記半導体基板内に形成された第2ソース領域および第2ドレイン領域とを有し、
前記高耐圧MISFETでは、前記第1絶縁膜と前記第1酸化シリコン膜と前記窒化シリコン膜と前記第2酸化シリコン膜からなる積層膜が、前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜として機能することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記第1絶縁膜は、酸化シリコン膜から形成されており、
前記第1絶縁膜と前記第1酸化シリコン膜とは一体化していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記第1酸化シリコン膜の膜厚は、前記第2酸化シリコン膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記第1絶縁膜と前記第1酸化シリコン膜とを合わせた膜厚は、前記第2酸化シリコン膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記高耐圧MISFETは、非接触ICカードのアンテナと接続されている前記非接触ICカード内のアナログ回路に使用されることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1記載の半導体装置であって、
前記半導体装置は、さらに、前記半導体基板の低耐圧MISFET形成領域に形成された低耐圧MISFETと、前記半導体基板の中耐圧MISFET形成領域に形成された中耐圧MISFETとを有し、
前記低耐圧MISFETは、ゲート電極と前記半導体基板間の耐圧であるゲート耐圧が前記高耐圧MISFETよりも低く、
前記中耐圧MISFETは、前記ゲート耐圧が前記低耐圧MISFETよりも高く、かつ、前記ゲート耐圧が前記高耐圧MISFETよりも低いことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置であって、
前記低耐圧MISFETのゲート絶縁膜は、前記中耐圧MISFETのゲート絶縁膜よりも薄く、かつ、前記中耐圧MISFETのゲート絶縁膜は、前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜よりも薄いことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項7記載の半導体装置であって、
前記メモリセルは、非接触ICカード内の不揮発性メモリに使用され、
前記高耐圧MISFETは、前記非接触ICカードのアンテナと接続されている前記非接触ICカード内のアナログ回路に使用され、
前記中耐圧MISFETは、前記不揮発性メモリを動作させるための昇圧回路に使用され、
前記低耐圧MISFETは、前記非接触ICカード内のロジック回路に使用されることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
半導体基板のメモリセル形成領域に形成されたメモリセルと、前記半導体基板の高耐圧MISFET形成領域に形成された高耐圧MISFETとを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板の主面全面に第1絶縁膜を形成する工程と、
(b)前記半導体基板の前記メモリセル形成領域に形成されている前記第1絶縁膜を除去する工程と、
(c)前記(b)工程後、前記半導体基板の前記主面全面に第1酸化シリコン膜を形成することにより、前記メモリセル形成領域では、前記半導体基板上に前記第1酸化シリコン膜を形成し、かつ、前記高耐圧MISFET形成領域では、前記第1絶縁膜上に前記第1酸化シリコン膜を形成する工程と、
(d)前記(c)工程後、前記第1酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜を形成する工程と、
(e)前記(d)工程後、前記窒化シリコン膜上に第2酸化シリコン膜を形成する工程と、
(f)前記(e)工程後、前記第2酸化シリコン膜上に第1導体膜を形成する工程と、
(g)前記(f)工程後、前記第1導体膜をパターニングすることにより、前記メモリセル形成領域では、前記メモリセルの第1ゲート電極を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域では、前記高耐圧MISFETの第2ゲート電極を形成する工程と、
(h)前記(g)工程後、前記メモリセル形成領域に形成されている前記第1ゲート電極をマスクとして、順次、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜をエッチングすることにより、前記第2酸化シリコン膜からなる前記メモリセルの第2電位障壁膜、前記窒化シリコン膜からなる前記メモリセルの電荷蓄積膜、前記第1酸化シリコン膜からなる前記メモリセルの第1電位障壁膜を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2ゲート電極をマスクとして、順次、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜、前記第1絶縁膜をエッチングすることにより、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜、および、前記第1絶縁膜の積層膜からなる前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜を形成する工程と、
(i)前記(h)工程後、前記メモリセル形成領域の前記半導体基板内に、前記メモリセルの第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に、前記高耐圧MISFETの第2ソース領域および第2ドレイン領域を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1絶縁膜の膜厚は、前記第1酸化シリコン膜の膜厚よりも厚く、
前記第2酸化シリコン膜の膜厚は、前記第1酸化シリコン膜の膜厚よりも厚く、
前記第1絶縁膜と前記第1酸化シリコン膜とを合わせた膜厚は、前記第2酸化シリコン膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項9記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1絶縁膜は、酸化シリコン膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項9記載の半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板は、さらに、低耐圧MISFETを形成する低耐圧MISFET形成領域と、中耐圧MISFETを形成する中耐圧MISFET形成領域とを有し、
前記(h)工程後の段階で、前記低耐圧MISFET形成領域と前記中耐圧MISFET形成領域では、前記半導体基板の主面が露出しており、
前記(h)工程後、前記(i)工程前に、
(j)前記半導体基板の前記主面全面に第2絶縁膜を形成する工程と、
(k)前記(j)工程後、前記第2絶縁膜をパターニングすることにより、前記中耐圧MISFET形成領域にだけ前記第2絶縁膜を残す工程と、
(l)前記(k)工程後、前記半導体基板の前記主面全面に第3絶縁膜を形成することにより、前記低耐圧MISFET形成領域では、前記半導体基板上に前記第3絶縁膜を形成し、前記中耐圧MISFET形成領域では、前記第2絶縁膜上に前記第3絶縁膜を形成する工程と、
(m)前記(l)工程後、前記第3絶縁膜上に第2導体膜を形成する工程と、
(n)前記(m)工程後、前記第2導体膜をパターニングすることにより、前記低耐圧MISFET形成領域では、前記低耐圧MISFETの第3ゲート電極を形成し、前記中耐圧MISFET形成領域では、前記中耐圧MISFETの第4ゲート電極を形成する工程と、
(o)前記(n)工程後、前記低耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第3ゲート電極をマスクとして、前記第3絶縁膜をエッチングすることにより、前記第3絶縁膜からなる前記低耐圧MISFETのゲート絶縁膜を形成し、前記中耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第4ゲート電極をマスクとして、順次、前記第3絶縁膜、前記第2絶縁膜をエッチングすることにより、前記第3絶縁膜と前記第2絶縁膜からなる前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜を形成する工程とを有し、
前記(i)工程は、さらに、前記低耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に、前記低耐圧MISFETの第3ソース領域および第3ドレイン領域を形成し、前記中耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に、前記中耐圧MISFETの第4ソース領域および第4ドレイン領域を形成することを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項12記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第3絶縁膜の膜厚よりも厚く、
前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜を合わせた膜厚は、前記第1絶縁膜と前記第1酸化シリコン膜と前記窒化シリコン膜と前記第2酸化シリコン膜を合わせた膜厚よりも薄いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項14】
半導体基板のメモリセル形成領域に形成されたメモリセルと、前記半導体基板の高耐圧MISFET形成領域に形成された高耐圧MISFETと、前記半導体基板の低耐圧MISFET形成領域に形成された低耐圧MISFETと、前記半導体基板の中耐圧MISFET形成領域に形成された中耐圧MISFETとを有する半導体装置の製造方法であって、
(a)前記半導体基板の主面全面に第1絶縁膜を形成する工程と、
(b)前記第1絶縁膜をパターニングすることにより、前記メモリセル形成領域、前記低耐圧MISFET形成領域、および、前記中耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第1絶縁膜を除去し、前記高耐圧MISFET形成領域にだけ前記第1絶縁膜を残す工程と、
(c)前記(b)工程後、前記半導体基板の前記主面全面に第2絶縁膜を形成することにより、前記メモリセル形成領域、前記低耐圧MISFET形成領域、および、前記中耐圧MISFET形成領域では、前記半導体基板上に前記第2絶縁膜を形成し、かつ、前記高耐圧MISFET形成領域では、前記第1絶縁膜上に前記第2絶縁膜を形成する工程と、
(d)前記(c)工程後、前記第2絶縁膜をパターニングすることにより、前記メモリセル形成領域と前記低耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2絶縁膜を除去し、かつ、前記中耐圧MISFET形成領域と前記高耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2絶縁膜を残す工程と、
(e)前記(d)工程後、前記半導体基板の前記主面全面に第3絶縁膜を形成することにより、前記メモリセル形成領域と前記低耐圧MISFET形成領域では、前記半導体基板上に前記第3絶縁膜を形成し、かつ、前記中耐圧MISFET形成領域と前記高耐圧MISFET形成領域では、前記第2絶縁膜上に前記第3絶縁膜を形成する工程と、
(f)前記(e)工程後、前記第3絶縁膜上に第2導体膜を形成する工程と、
(g)前記(f)工程後、前記第2導体膜をパターニングすることにより、前記メモリセル形成領域と前記高耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2導体膜を除去し、かつ、前記低耐圧MISFET形成領域と前記中耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2導体膜を残す工程と、
(h)前記(g)工程後、前記メモリセル形成領域に露出する前記第3絶縁膜を除去し、かつ、前記高耐圧MISFET形成領域の前記第3絶縁膜と前記第2絶縁膜とを除去する工程と、
(i)前記(h)工程後、前記半導体基板の前記主面全面に第1酸化シリコン膜を形成することにより、前記メモリセル形成領域では、前記半導体基板上に前記第1酸化シリコン膜を形成し、前記低耐圧MISFET形成領域と前記中耐圧MISFET形成領域では、前記第2導体膜上に前記第1酸化シリコン膜を形成し、かつ、前記高耐圧MISFET形成領域では、前記第1絶縁膜上に前記第1酸化シリコン膜を形成する工程と、
(j)前記(i)工程後、前記第1酸化シリコン膜上に窒化シリコン膜を形成する工程と、
(k)前記(j)工程後、前記窒化シリコン膜上に第2酸化シリコン膜を形成する工程と、
(l)前記(k)工程後、前記第2酸化シリコン膜上に第1導体膜を形成する工程と、
(m)前記(l)工程後、前記第1導体膜をパターニングすることにより、前記メモリセル形成領域では、前記メモリセルの第1ゲート電極を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域では、前記高耐圧MISFETの第2ゲート電極を形成し、かつ、前記低耐圧MISFET形成領域と前記中耐圧MISFET形成領域では、前記第1導体膜を除去する工程と、
(n)前記(m)工程後、前記メモリセル形成領域に形成されている前記第1ゲート電極をマスクとして、順次、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜をエッチングすることにより、前記第2酸化シリコン膜からなる前記メモリセルの第2電位障壁膜、前記窒化シリコン膜からなる前記メモリセルの電荷蓄積膜、前記第1酸化シリコン膜からなる前記メモリセルの第1電位障壁膜を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2ゲート電極をマスクとして、順次、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜、前記第1絶縁膜をエッチングすることにより、前記第2酸化シリコン膜、前記窒化シリコン膜、前記第1酸化シリコン膜、および、前記第1絶縁膜の積層膜からなる前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜を形成し、かつ、前記低耐圧MISFET形成領域と前記中耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第2酸化シリコン膜と前記窒化シリコン膜と前記第1酸化シリコン膜とを除去する工程と、
(o)前記(n)工程後、前記低耐圧MISFET形成領域と前記中耐圧MISFET形成領域の前記第2導体膜をパターニングすることにより、前記低耐圧MISFET形成領域では、前記低耐圧MISFETの第3ゲート電極を形成し、前記中耐圧MISFET形成領域では、前記中耐圧MISFETの第4ゲート電極を形成する工程と、
(p)前記(o)工程後、前記低耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第3ゲート電極をマスクとして、前記第3絶縁膜をエッチングすることにより、前記第3絶縁膜からなる前記低耐圧MISFETのゲート絶縁膜を形成し、前記中耐圧MISFET形成領域に形成されている前記第4ゲート電極をマスクとして、順次、前記第3絶縁膜、前記第2絶縁膜をエッチングすることにより、前記第3絶縁膜と前記第2絶縁膜からなる前記高耐圧MISFETのゲート絶縁膜を形成する工程と、
(q)前記(p)工程後、前記メモリセル形成領域の前記半導体基板内に、前記メモリセルの第1ソース領域および第1ドレイン領域を形成し、前記高耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に、前記高耐圧MISFETの第2ソース領域および第2ドレイン領域を形成し、前記低耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に、前記低耐圧MISFETの第3ソース領域および第3ドレイン領域を形成し、前記中耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に、前記中耐圧MISFETの第4ソース領域および第4ドレイン領域を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第2絶縁膜の膜厚は、前記第3絶縁膜の膜厚よりも厚く、
前記第2絶縁膜と前記第3絶縁膜を合わせた膜厚は、前記第1絶縁膜と前記第1酸化シリコン膜と前記窒化シリコン膜と前記第2酸化シリコン膜を合わせた膜厚よりも薄いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項14記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(a)工程後、前記(b)工程前に、
(r)前記半導体基板内に導電型不純物を導入することにより、前記低耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に第1ウェルを形成し、前記中耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に第2ウェルを形成し、かつ、前記高耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に第3ウェルを形成する工程を有し、
前記(r)工程は、前記(a)工程で形成された前記第1絶縁膜を介して前記半導体基板内に前記導電型不純物を導入することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項14記載の半導体装置の製造方法であって、
前記(a)工程前に、
(s)前記半導体基板の前記主面全面にスルー絶縁膜を形成する工程と、
(t)前記(s)工程後、前記スルー絶縁膜を介して、前記半導体基板内に導電型不純物を導入することにより、前記低耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に第1ウェルを形成し、前記中耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に第2ウェルを形成し、かつ、前記高耐圧MISFET形成領域の前記半導体基板内に第3ウェルを形成する工程と、
(u)前記(t)工程後、前記半導体基板の前記主面全面に形成されている前記スルー絶縁膜を除去する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【公開番号】特開2011−238686(P2011−238686A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107391(P2010−107391)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】